近年、会社や工場、ホテル、ビル等において所定の業務を遂行する従業者には、多くの場合において、業務用のユニフォームに着替えることが要請され、そのために、会社内や工場内、ビル内、ホテル内、更には所定の室内等に、着替えゾーン(更衣室)が設けられて、そこにおいて、それぞれの従業者が専用のユニフォームに着替えて、それぞれの作業場において、所定の業務を遂行し得るようになっている。
そして、かかる着替えゾーンにおける従業者のユニフォームへの着替えに際しては、一般に、着替えゾーン内に配置されたハンガーラック等に吊り下げられた多数の業務用のユニフォームの中から、それぞれの従業者が専用のユニフォームを各自で探し出して、着用するようになっている。なお、各ユニフォームには、名前等が印刷された名前シールが貼り付けられているのが一般的であり、このシールを頼りに、目的とする自分専用のユニフォームを探すこととなる。また、ハンガーラックには、各ユニフォームが部署別、個人別に吊り下げられ、更に名前順やコード順に掛けられていることが一般的であり、これによって、目的とするユニフォームが探し出し易いようになっている。
しかしながら、そのようなハンガーラックへのユニフォームの吊下げ状態においては、従業者が自己の専用のユニフォームを探し出すのに時間がかかるようになることは勿論、誤って、他人のユニフォームを着用してしまうトラブルも生じ易くなる。加えて、部外者が、容易に他人のユニフォームを取り出して、着衣することも可能となるのである。そして、その結果、部外者が作業場に自由に出入りすることが可能となる問題も、内在することとなる。
このため、本願出願人は、先に、特許第6496282号において、業務用のユニフォームに着替えるための着替えゾーンにおいて、所定の業務を遂行する従業者に専用のユニフォームを提供して、着替えさせるべく、かかる従業者の所持するIDカードから、カード読取り手段にて従業者コードを読み取り、その着替え要請情報に基づいて、第一の管理手段から、かかる従業者に専用のユニフォームの取出し情報を出力させ、そしてその専用ユニフォームの取出し情報に基づいて、当該従業者に専用のユニフォームを収納する収納位置情報を第二の管理手段から出力せしめることによって、ユニフォーム収納・搬送装置において、そのユニフォーム取出し口に、目的とする従業者の専用のユニフォームを収納する収納位置を自動的に移動せしめて、かかる取出し口から、その専用のユニフォームを取り出し得るようにしたユニフォーム着替え自動管理システムを、提案した。
そして、そのようなユニフォーム着替え自動管理システムを採用することによって、間違いなく、目的とする専用ユニフォームを、作業者に提供することが出来ることとなり、以て従業者のユニフォーム着替え時間の短縮を効果的に実現せしめ、加えて、従業者が、各自の判断によって、取り出すようにした従来システムにおける他人のユニフォームの誤着用、更には部外者によるユニフォームの着用行為が、完全に排除されると共に、かかる従業者の専用のユニフォームの着衣状態、ひいては就業状態が、第一の管理手段において確実に把握され得ることとなる。
ところで、かくの如きユニフォーム着替え自動管理システムにおいては、従業者によって、ユニフォームの収納・搬送装置から、所定のユニフォームが取り出されると、そこには、空スペースが発生し、この空スペースは、多くの従業者によるユニフォームの取出し回数に比例して、増加することとなるところから、それら空スペースには、定期的にユニフォームを補充する必要があるところ、ユニフォーム収納・搬送装置におけるユニフォームの搬送路において、ユニフォームが取り出された後の空スペースが多数点在している場合にあっては、その点在する多数の空スペースに対するユニフォームの補充作業が極めて面倒となるのであり、万一、空スペースに対するユニフォームの補充が見落とされた場合にあっては、従業者のIDカードによる取出し操作が行なわれても、目的とするユニフォームが提供され得なくなる問題も、内在するものであった。
加えて、ユニフォームの収納・搬送装置に設けられた搬送路を、所定長さに亘って区画して、種類やサイズが同一の複数のユニフォームを搬送する複数の搬送ゾーンを設定した場合において、それぞれの搬送ゾーンから取り出されるユニフォームの数が変化して、それぞれの搬送ゾーンにおけるユニフォームの搬送数に差が生じた場合にあっては、その搬送数の最も少なくなる搬送ゾーンにおいてユニフォームが無くならないように、ユニフォームの補充を行なう必要があり、そのために、ユニフォーム収納・搬送装置におけるユニフォームの補充回数が増加して、補充作業者の手間を増やし、更には補充コストを上昇せしめる等という問題も、内在するものであった。
ここにおいて、本発明は、上述のような事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、周回軌道に沿って移動可能に配列された多数のスロットに、それぞれ、各種のユニフォームがハンガーにて懸吊されて、該周回軌道上を順次移動せしめられるように構成されたロータリハンガー装置を用いて、従業者に所定のユニフォームを提供し得るようにしたシステムにおいて、従業者の所持するIDカードにより、かかる従業者に対して、目的とするユニフォームを自動的に提供し得るようにすると共に、かかるユニフォームが取り出されて、空となったスロットに対するユニフォームの補充作業を、容易に且つ確実に行ない得るようにしたユニフォーム自動提供システムを提供することにあり、また、他の課題とするところは、かかるロータリハンガー装置におけるスロットの利用状況を把握して、空スロットの利用を柔軟に行ない、スロットの利用効率を高めることの出来るユニフォーム自動提供システムを提供することにある。
そして、本発明は、上記した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものである。なお、以下に記載の各態様は、任意の組合せにおいて採用可能であり、また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載及び図面に開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
先ず、本発明に従う第一の態様は、周回軌道に沿って移動可能に配列された多数のスロットに、それぞれ、各種のユニフォームがハンガーにて懸吊されて、該周回軌道上を順次移動せしめられるように構成されたロータリハンガー装置を用いて、該周回軌道の途上に投入ゾーンと受取りゾーンとをそれぞれ設け、該投入ゾーンにおいては、前記スロットに対するユニフォームの懸吊が行なわれる一方、該受取りゾーンにおいては、所定の業務を遂行する従業者に対して、所定のユニフォームが自動的に提供され得るようにしたシステムにおいて、(a)前記ロータリハンガー装置の多数のスロットを、その配列方向に連続した適数個のスロットからなる複数のスロット群に区分して、それらスロット群の各スロットには、それぞれ、所定のユニフォームが懸吊されるように構成すると共に、(b)前記従業者の所持するIDカードから、該IDカードにて指定されるカードIDを読み取り、カード登録情報として出力するIDカード読取り手段と、(c)前記ロータリハンガー装置において移動せしめられる前記各スロット群に所属するスロットの各々にユニフォームが懸吊されているか、どうかを検出して、該各スロット群に所属するスロットの各々において懸吊されているユニフォームの有無情報として出力するスロット状態検出手段と、(d)前記IDカードのカードIDに関連付けられたスロット群における優先度の高いスロットからのユニフォームの提供を行なうべく、かかるスロット群に所属する適数個のスロットの各々の優先度を決定し、スロット優先度情報として出力するスロット優先度割当手段と、(e)前記スロット状態検出手段からのユニフォームの有無情報に基づいて、前記各スロット群におけるユニフォームの懸吊されているスロットの状態を管理する一方、前記IDカード読取り手段からのカード登録情報と前記スロット優先度割当手段からのスロット優先度情報に基づいて、指定されたスロット群におけるユニフォームの懸吊されているスロットの中から最も優先度の高いスロットを選択して、ユニフォームの提供されるスロット指定情報として出力するスロット選択手段と、(f)該スロット選択手段からのスロット指定情報に従って、前記ロータリハンガー装置を駆動して、前記指定されたスロット群における最も優先度の高いスロットを、前記受取りゾーンにおけるユニフォーム受取り口まで移動せしめ、該最も優先度の高いスロットに懸吊された所定のユニフォームが、前記従業者に提供されるようにした駆動機構とを、設けたことを特徴とするユニフォーム自動提供システムにある。
また、本発明の第二の態様は、前記駆動機構が、(f1)前記スロット選択手段からのスロット指定情報に基づいて、前記指定されたスロット群における最も優先度の高いスロットを、前記受取りゾーンのユニフォーム受取り口まで移動せしめるための駆動制御信号を出力する駆動制御手段と、(f2)かかる駆動制御手段からの駆動制御信号に従って、前記ロータリハンガー装置を駆動せしめ、前記指定されたスロット群における最も優先度の高いスロットを、前記受取りゾーンにおけるユニフォーム受取り口まで移動せしめる駆動手段とを、有している。
さらに、本発明の第三の態様は、前記IDカードのカードIDに関連付けられたスロット群に所属するスロット数を決定乃至は変更し、その決定/変更情報を、前記スロット優先度割当手段に入力せしめるスロット数決定/変更手段を、更に有している。
加えて、本発明の第四の態様は、前記ユニフォームの提供される従業者の登録情報として、かかる従業者の所持するIDカードのカードIDと該カードIDに対応して指定されたスロット群とを少なくとも含む情報を入力して、従業者登録情報として、前記スロット数決定/変更手段に出力せしめる従業者情報登録手段を、更に有している。
更にまた、本発明に従う第五の態様は、前記スロット状態検出手段が、前記受取りゾーンにおけるユニフォーム受取り口よりも前記スロットの移動方向下流側に設けられた受取り側スロット状態検出手段と、前記投入ゾーンにおけるユニフォーム投入箇所よりも前記スロットの移動方向下流側に設けられた投入側スロット状態検出手段とから、構成されている。
本発明の第六の態様は、前記スロット群に所属する適数個のスロットの優先度が、当該スロット群の中央部位に位置するスロットよりも、隣接するスロット群との境界側に位置するスロットにおいて高くなるように、設定されている。
また、本発明に従う第七の態様は、前記スロット群に所属する適数個のスロットの優先度が、隣接するスロット群の一方又は両方に向かって漸次高くなるように、順次設定されることを特徴としている。
そして、本発明の第八の態様は、前記複数のスロット群において、それぞれのスロット群の各スロットには、スロット群間では種類やサイズが異なり、同一スロット群では種類やサイズが同一であるユニフォームが懸吊されている。
さらに、本発明の第九の態様は、前記ロータリハンガー装置における周回軌道上には、該周回軌道に沿って順次移動せしめられるスロットの原点を検出する原点検出装置が、更に設けられており、該原点検出装置から出力される原点検出信号にて、前記駆動機構による該ロータリハンガー装置の駆動が制御されるようになっている。
このように、本発明に従うユニフォーム自動提供システムにあっては、ロータリハンガー装置の多数のスロットを区分して得られる複数のスロット群の各スロットに、優先度が付与されて、その優先度の高いものに懸吊されているユニフォームが、従業者に対して提供されるようになっているところから、スロット群を構成する複数のスロットから不規則にユニフォームを取り出すことなく、優先度に従って、順次ユニフォームを取り出すようにすることによって、例えば、隣接するスロットからユニフォームを順次取り出すようにすることによって、ユニフォームが取り出された後の空スロットを、まとめて、ロータリハンガー装置の周回軌道上に存在せしめることが可能となるのであり、これによって、それら空スロットに対するユニフォームの補充、換言すればユニフォームの新たな投入をまとめて行なうことが出来ることとなるのであり、以て、ユニフォームの補充作業(投入作業)が容易に且つ迅速に為され得ることとなると共に、異なるユニフォームを懸吊するための新たなスロット群の設定や、スロット群における所属スロット数の変更も容易に可能ならしめ得て、スロットの利用効率を向上せしめ得るという特徴が発揮される他、ユニフォームの補充のし忘れや誤補充(誤投入)の発生等の問題も、有利に解消され得ることとなるのである。
しかも、多数のスロットによる同一サイズ・種類のユニフォームの提供を管理する場合において、ユニフォームが取り出された後の空スロットが集中して存在し得るようにする一方、空になっていない、未だユニフォームが懸吊されているスロットを、順次ユニフォーム受取り口まで移動させることが容易に可能となるのであり、これによって、空スロットの管理を容易に実現しつつ、従業者に対するユニフォームの提供が有利に実現され得るのである。
また、本発明にあっては、スロット状態検出手段にて、各スロット群に所属するスロットの各々において懸吊されているユニフォームの有無が検出されることにより、各スロット群におけるスロットの利用状況が把握し易く、それによって、従業者にユニフォームが提供されて空となったスロットの利用を柔軟に行なうことが出来ることとなり、その利用効率の向上に効果的に寄与することが出来る特徴も発揮し得ることとなる。
以下、本発明に従うユニフォーム自動提供システムの構成を更に具体的に明らかにするために、本発明の代表的な実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従うユニフォーム自動提供システムの一例が、概略的に示されている。そこにおいて、10は、周回軌道となる無端のレール軌道12を備えたロータリハンガー装置であって、そのレール軌道12には、後述の如く、それに沿って移動可能に配列された多数のスロット(30)に、それぞれ、各種のユニフォーム(28)がハンガーにて懸吊されて、かかるレール軌道12上を順次移動せしめられ得るように構成されている。また、かかるレール軌道12の途上には、ユニフォームの投入ゾーン10Aと受取りゾーン10Bとが、それぞれ設けられており、それらのうち、投入ゾーン10Aにおいては、前記スロットに対するユニフォームの懸吊が行なわれる一方、受取りゾーン10Bにおいては、所定の業務を遂行する従業者に対して、所定のユニフォームが自動的に提供され得るようになっている。
ところで、かかるロータリハンガー装置10は、例えば、図2に示されるように、一般に、着替えゾーンである更衣室において、区画された収容室14内に配置されており、その収容室14内に位置するように設けられた投入ゾーン10Aにおいて、空となったスロットに対して、ユニフォームの懸吊作業(投入作業)が行なわれ得るようになっている一方、収容室14の内部から外部に跨るようにして、受取りゾーン10Bが設けられて、そこでは、ロータリハンガー装置10にて移動せしめられた所定のユニフォームが従業者に提供されるようになっているのである。なお、図2において、16は、ロータリハンガー装置10を回転駆動せしめるための制御モータであり、18は、使用済みのユニフォームの回収箱であって、収容室14の壁を貫通して設けられた投入口を通じて、使用済みのユニフォームが投入されるようになっている。
また、受取りゾーン10Bの位置する収容室14の壁面には、図3(a)に示される如く、ロータリハンガー装置10から所定のユニフォームを取り出すための、上下方向に延びる狭幅のユニフォーム受取り口20が設けられていると共に、従業者の所持するIDカードの登録情報を読み取るためのカードリーダ22が設けられている。なお、そこにおいて、18aは、従業者から使用済みのユニフォームを回収するための使用済みユニフォーム投入口である。更に、収容室14内に配置されたロータリハンガー装置10は、多数のユニフォームを懸吊して、周回移動乃至は巡回移動せしめるようにした、従来と同様なユニフォームの収納・搬送装置であって、例えば、図3(b)に示されるように、複数の支柱24にて、所定高さに配置されてなる無端のレール軌道12に支持されて、このレール軌道12に沿って、前記した制御モータ16にて移動せしめられる移動部材26を備え、更に、この移動部材26に対して、多数のスロットがレール軌道12に沿って配列するように設けられているのであり、そして、そのスロットに対して、所定のユニフォーム28が、ハンガー29によって懸吊されるようになっているのである。
具体的には、図4(a)に拡大して示されるように、レール軌道12に沿って、矢印方向に移動せしめられるスロット30は、かかるレール軌道12に対して移動可能に支持された移動部材26に、その移動方向に、所定間隔を隔てて配列するように設けられているのである。そして、ここでは、そのようなスロット30の一つに対して、図4(b)に示されるように、3つのハンガー29,29,29が係止されて、それぞれのハンガー29に対して、所定のユニフォームが懸吊されるようになっている。なお、そのようなスロット30に対するハンガー29によるユニフォーム28の懸吊状態は、従業者によるユニフォーム28の取出しに際しては、ハンガー29もスロット30から同時に取り外されることとなるところから、図4(c)に示される如く、スロット30の穴の状態を調べる光や赤外線の、aとb又はcの方向への照射を組み合わせて、スロット30を検出しつつ、当該スロット30の通過時において、光や赤外線の遮断により、ハンガー29の有無を判断して、ユニフォーム28の懸吊の有無が検出されるようになっている。
ところで、本発明にあっては、かくの如き構成のロータリハンガー装置10を用いて、従業者に所定のユニフォーム30を提供するに際して、先ず、ロータリハンガー装置10のレール軌道12に沿って配列された多数のスロット30は、その配列方向に連続した適数個のスロット30からなる複数のスロット群に区分され、それらスロット群の各スロット30には、スロット群間では、種類やサイズが異なり、同一のスロット群では、種類やサイズが同一であるユニフォーム28が懸吊されるようになっているのである。具体的には、図5に示されるように、レール軌道12に沿って、ここでは、AゾーンからDゾーンに至る四つのゾーンからなるスロット群に区分され、各ゾーンのスロット群には、同数のスロット30が所属するようになっている。即ち、Aゾーンには、スロットNo.1〜5に係る連続した5個のスロット30が所属し、同様に、Bゾーン、Cゾーン及びDゾーンには、それぞれ、スロットNo.6〜10、スロットNo.11〜15、及びスロットNo.16〜20が所属するように、全体で20個のスロット30が区分けされているのである。
そして、かかるロータリハンガー装置10のレール軌道12に沿って、移動部材26を右回りや左回りに周回移動(巡回移動)せしめて、目的とするユニフォーム28の懸吊されたスロット30を、受取りゾーン10Bのユニフォーム受取り口20まで移動せしめるべく、制御モータ16の駆動制御が、図1に示される如きシステムにて、行なわれることとなるのである。
具体的には、ロータリハンガー装置10のレール軌道12に沿って移動せしめられる移動部材26に設けられたスロット30の各々に、ユニフォーム28が懸吊されているか、どうかを検出して、各スロット群A〜Dに所属するスロット30の各々において懸吊されているユニフォーム28の有無情報として出力するスロット状態検出手段として、前述の如く、光や赤外線の遮断状態にて、所定のスロット30におけるユニフォーム28の有無を検出するスロット状態検出装置32A,32Bが、投入ゾーン10Aと受取りゾーン10Bにおいて、それぞれ、設けられている。そして、投入ゾーン10Aにおいては、ユニフォーム28のスロット30に対する投入状態が、投入作業後に移動部材26の右回りの回動によって検出され、更に、受取りゾーン10Bにおいては、従業者によって取り出された後のスロット30の状態が、移動部材26の右回りの回動によって検出されるようになっている。また、それら投入側のスロット状態検出装置32A及び受取り側のスロット状態検出装置32Bからそれぞれ出力される、それぞれのスロット30におけるユニフォーム28の有無情報が、スロット選択手段であるスロット選択コンピュータ34に入力せしめられるようになっている。
また、スロット選択コンピュータ34には、スロット優先度割当手段としてのスロット管理コンピュータ36が接続されており、そこでは、従業者の所持するIDカードのカードIDに関連付けられたスロット群における、優先度の高いスロット30からの、所定のユニフォーム28の提供を行なうべく、かかるスロット群に所属する適数個のスロット30の各々の優先度を決定し、スロット優先度情報として出力されるようになっており、その出力情報が、スロット選択コンピュータ34に入力せしめられるようになっている。なお、かかるスロット管理コンピュータ36には、IDカードのカードIDに関連付けられたスロット群に所属するスロット数を決定乃至は変更し、その決定/変更情報を、スロット管理コンピュータ36に入力せしめるスロット数決定/変更コンピュータ38が接続されており、更に、このスロット数決定/決定コンピュータ38には、従業者の登録情報として、少なくとも、IDカードにおけるカードID及び該カードIDに対応して指定されるスロット群を含む情報を入力して、従業者登録情報として、スロット数決定/変更コンピュータ38に出力せしめる従業者登録情報登録コンピュータ40が、更に接続されている。従って、従業者登録情報登録コンピュータ40において、入力されたIDカードの少なくともカードID及び指定スロット群を含む従業者登録情報に基づいて、スロット数決定/変更コンピュータ38においては、IDカードのカードIDに関連付けられたスロット群に所属するスロット数が決定乃至は変更され、そして、その決定/変更情報がスロット管理コンピュータ36に入力せしめられることにより、IDカードのカードIDに関連付けられたスロット群における優先度の高いスロット30からのユニフォーム28が提供され得るように、かかるスロット群に所属する適数個のスロット30の各々の優先度を決定し、スロット優先度情報として出力せしめ得るようになっているのである。
そして、スロット選択コンピュータ34においては、投入ゾーン10Aと受取りゾーン10Bにそれぞれ設けられた、2つのスロット状態検出装置32A,32Bから出力されるユニフォーム28の有無情報に基づいて、各スロット群におけるユニフォーム28の懸吊されているスロット30の状態が把握、管理される一方、従業者の所持するIDカードをカードリーダ22によって読み取ることにより得られたカード登録情報と、スロット管理コンピュータ36から入力されるスロット優先度情報とに基づいて、カードIDに対応する、指定されたスロット群におけるユニフォーム28の懸吊されているスロット30の中から、最も優先度の高いスロット30を選択して、目的とするユニフォーム28が提供されるスロット指定情報として、制御モータ16の駆動制御手段であるロータリハンガー駆動制御コンピュータ42に対して、出力せしめられるようになっている。なお、駆動制御コンピュータ42には、ロータリハンガー装置10における周回軌道(12)上に設けられた、該周回軌道に沿って順次移動せしめられるスロット30の原点を検出する原点検出装置44から出力される原点検出信号が入力せしめられるようになっており、この原点検出信号にて、制御モータ16によるロータリハンガー装置10の駆動、換言すれば周回軌道(12)に沿って移動せしめられるスロット30の位置制御が行なわれるようになっている。
また、投入ゾーン10Aには、チップリーダ46が配設されており、空スロット30に対するユニフォーム28の投入(補充)に際して、このチップリーダ46にて、ユニフォーム28の投入を行なう作業者が、投入されるべきユニフォーム28に装着されたICタグのチップに収納されているユニフォームの種類やサイズ等のユニフォームデータを読み取らせることにより、チップ登録情報として出力し、それが、ユニフォーム投入管理コンピュータ48に入力されるようになっている。そして、ユニフォーム投入管理コンピュータ48では、従業者登録情報登録コンピュータ40から入力される従業者登録情報に関連付けて、ユニフォーム28の投入されるスロット群が決定され、スロット投入情報として、スロット管理コンピュータ36を介して、スロット選択コンピュータ34に入力せしめられ、そこでは、スロット状態検出装置32A,32Bからのユニフォーム28の有無情報に基づいて、指定スロット群における空スロット30がユニフォーム投入対象スロットとして選定されて、スロット指定情報として出力されるようになっている。更に、かかるスロット選択コンピュータ34からのスロット指定情報に基づいて、駆動制御コンピュータ42によって制御モータ16が制御されることにより、投入されるべきユニフォーム28の目的とするスロット群の投入スロット(空スロット)30が、投入ゾーン10Aにおけるユニフォーム投入口に位置するように、ロータリハンガー装置10(移動部材26)が移動せしめられるようになってる。
ところで、かくの如き構成のユニフォーム自動提供システムにおいて、ロータリハンガー装置10にて周回移動せしめられる多数のスロット30を、連続した適数個のスロット30からなるグループに区分けして得られる複数のスロット群には、商品であるユニフォームの識別、例えば、シャツMサイズ、シャツLサイズ、ズボン等を識別するためのIDが個々に付与されることとなると共に、そのような商品の識別に関連して、個人の識別(A〜D)や作業部署の識別(清掃、調理)にも、IDが付与されることとなる。そして、それらスロット群のIDが、IDカードのカードIDに関連付けられるのであって、その一例が、下記表1に示されている。また、カードIDには、複数のスロット群IDを割り当てることも可能であり、その場合において、スロット群毎に、所定のユニフォームが提供されることとなる。なお、このようなカードIDとスロット群IDとの関係情報は、従業者登録情報登録コンピュータ40から、スロット数決定/変更コンピュータ38を介して、スロット管理コンピュータ36に入力されるようになっているのである。
また、ロータリハンガー装置10において、周回(巡回)移動せしめられる多数のスロット30には、それぞれ、連続的にスロットNoが付されており、そして、各スロット群IDに対して、連続した複数のスロットNoが所属するように管理されていると共に、それぞれのスロットNoに対する優先度、即ち、ユニフォーム取出し時の優先度が、スロット管理コンピュータ36において決定されるようになっているのである。更に、各スロットNoにおけるユニフォームの有無の状態が、二つのスロット状態検出装置32A,32Bからのユニフォーム有無情報の入力によって管理されるようになっている。なお、このようなスロット状態管理は、スロット選択コンピュータ34において行なわれ、そこでは、優先度に従って、所定のユニフォーム28が懸吊されている空でないスロットNoが決定されて、それが、スロット指定情報として、駆動制御コンピュータ42に入力せしめられるようになっているのである。下記の表2には、そのようなスロット30の状態管理の形態の一例が、示されている。
このように、IDカードのカードIDに対応するスロット群IDに所属する、連続したスロットNoの複数のスロット30に対して、ユニフォーム取出し時の優先度が付与されることとなるのであり、そして、それら複数のスロット30におけるユニフォーム28の懸吊の有無に基づいて、ユニフォーム28が懸吊されているスロット30の優先度に従って、ロータリハンガー装置10が駆動せしめられて、かかるユニフォーム28が懸吊されているスロット30が、受取りゾーン10Bのユニフォーム受取り口20まで移動せしめられて、従業者に対して、目的とするユニフォームが提供されるのである。即ち、ロータリハンガー装置10において周回移動せしめられる多数のスロット30が、図5に示される如く、連続した形態において、スロット群ID毎に区分けされて、ゾーンとして管理されることとなるのであり、そこでは、スロットNo.1〜20の各スロット30が5個ずつ、A〜Dのゾーンに区分されて、それぞれのゾーン内の各スロット30には、ユニフォーム取出しのための優先度が付与されるようになっているのである。そして、カードIDで指定されたスロット群IDに所属するスロット30を呼び出す際には、各スロット30に割り当てられている優先度に従うこととなるのである。しかも、そこでは、スロット30の優先度に従って呼び出され、懸吊されているユニフォーム28が取り出されることとなるところから、スロット30は、その優先度に従って、空となるのである。
そして、このような優先度付スロットの移動方式を採用することにより、スロット30の空管理を動的に変更することが容易に可能となるのであり、それによって、ユニフォームの入れ替えを効率的に行なうべく、空けたいスロット30を、優先度を用いて、有利に管理することが出来ることとなるのである。
例えば、図5に示されるゾーン分けにおいて、Aゾーンにおいては、A部門又は出入りのA社用のユニフォームを懸吊する一方、Bゾーンにおいては、B部門又は出入りのB社用のユニフォームを懸吊して管理している際に、A部門又はA社とB部門又はB社との人員構成が変更となって、ユニフォームの使用頻度に差が生じた場合においては、AゾーンとBゾーンの割当スロットを変更する必要があるのであるが、その際、例えば、図6に示される如く、ゾーンの境界付近のスロット30の優先度を高くしておくことで、ゾーン境界領域のスロット30が優先的に空きとなるところから、それら空スロット30の状態に応じて、目的とするゾーンの所属スロット数の変更や新たなゾーンの設定も容易となるのである。なお、スロット30に付与されるユニフォーム28取出しの優先度は、段階的な付与の他、連続的に優先度が変化するように付与することも、可能である。
そして、かくの如きAゾーン及びBゾーンに所属する複数のスロット30に対する優先度の付与によって、図7の(a)に示される如き、全スロット30におけるユニフォーム28の懸吊状態から、優先度に従ってユニフォーム28が取り出され、そして、そのユニフォーム28の取出し回数が経時的に変化して、ゾーン間における取出し回数に差が生じると、図7の(b)に示される如き状態となるのである。このため、それぞれのゾーンにおけるユニフォーム28の減少数に大きな差が生じないように、図7の(c)に示される如く、AゾーンとBゾーンに所属するスロット数を変化させて、ここでは、Aゾーンのスロット数がBゾーンのスロット数よりも多くなるように、スロット数決定/変更コンピュータ38にて変更し、その変更指令をスロット管理コンピュータ36に入力して、そこにおいて、再度の優先度付けを行なった後、その情報が、スロット選択コンピュータ34に入力せしめられるようになっているのである。
このように、ユニフォーム取出しのための優先度の割当てを考慮することによって、各ゾーン、換言すればスロット群に所属する複数のスロット30からのユニフォーム28の取出しが効果的に行なわれ得て、例えば、隣接するスロット30からユニフォーム28を順次取り出すようにすることによって、ユニフォーム28が取り出された後の空スロット30をまとめて、ロータリハンガー装置10の周回軌道上に存在せしめることが可能となるのであり、以て、それら空スロット30に対するユニフォーム28の補充、換言すればユニフォーム28の新たな投入をまとめて行なうことが出来ることとなり、ユニフォーム28の補充作業(投入作業)が容易に且つ迅速に為され得ることとなると共に、異なるユニフォーム28を懸吊するための新たなスロット群の設定や、スロット群における所属スロット数の変更も容易に可能ならしめて、スロット30の利用効率の向上を図り得ることとなる他、ユニフォーム28の補充のし忘れや、誤補充(誤投入)の発生等の問題も有利に解消し得ることとなるのである。
しかも、多数のスロット30による同一サイズ・種類のユニフォーム28の提供を管理する場合において、ユニフォーム28が取り出された後の空スロット30が集中して存在し得るようにする一方、空になっていない未だユニフォーム28が懸吊されているスロット30を、順次ユニフォーム受取り口20まで移動させることが容易に可能となるのであり、これによって、空スロット30の管理を容易に実現しつつ、従業者に対するユニフォーム28の提供が有利に実現され得たのである。
また、スロット状態検出装置32A,32Bにて、各スロット群に所属するスロット30の各々において懸吊されているユニフォーム28の有無が検出されることにより、各スロット群におけるスロット30の利用状況が把握し易く、それによって、従業者にユニフォーム28が提供されて、空となったスロット30の利用を柔軟に行なうことが出来ることとなり、その利用効率の向上に効果的に寄与することが出来る等の特徴も発揮し得たのである。
以上、本発明の代表的な実施形態について詳述してきたが、それは、あくまでも、例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
例えば、IDカードは、それを用いて、目的とするユニフォーム28を取り出そうとする従業者等のためのカードID(従業者コード等)を格納乃至は搭載することが出来る媒体、一般にカード状の媒体であれば、如何なる公知のものをも採用可能であり、例えば、半導体メモリを内蔵するICカードの他、磁気カードや非接触カード等の公知の記録媒体を用いることが出来る。
また、ユニフォーム28の投入情報を得るために、ユニフォーム28に装着されたICタグとしては、よく知られているように、IC(Integrated Circuit)等の集積回路を設けたチップを備えており、そのチップに、着用従業者に固有のユニフォームデータが格納されてなるものであって、そのようなICタグは、ユニフォーム28の襟、肩、胸、腕、袖等の適当な部位に取り付けられることによって、装着され、公知のチップリーダ46によって、かかるICタグ(チップ)に搭載されたユニフォーム28を着用する従業者のデータを読み取り得るようになっているものである。
さらに、そのようなICタグを装着したユニフォーム28としては、シャツやズボンの他、上着、帽子等の、各種の業務に用いられるユニフォームを対象とするものであることは、言うまでもないところである。
ところで、例示の実施形態において、ロータリハンガー装置10におけるスロット30の移動方向は、右回りとして示されているが、左回りの回動も可能として、右回りと左回りの両方に移動可能とされていることが望ましい。スロット選択コンピュータ34にて指定された所定のスロット群の優先度の高いスロット30の位置によって、駆動機構を構成する駆動制御コンピュータ42と制御モータ16によって、受取りゾーン10Bに至る距離が短く、従って、スロット移動時間が短くなるように、右回りか、左回りかの何れかが選択されるように構成されることが、望ましいのである。
また、例示の実施形態では、ユニフォーム自動提供システムを構成するスロット状態検出手段、スロット優先度割当手段、スロット選択手段、駆動制御手段、スロット数決定/変更手段等の各手段が、個々に独立したコンピュータにて構成されているが、それら各手段の複数をまとめて1つのコンピュータにて構成することも可能であり、更には、それら手段の一部を、他の手段にて実行し得るようにすることも可能である。要するに、ユニフォーム自動提供システムの設計において、上述の如き各種の手段のそれぞれの役割乃至は実行形態を、適数個のコンピュータに分担せしめて、実行させるようにすることが可能である。
さらに、各スロット30へのハンガー29の吊り下げ数にあっても、例示の如き3個に限られるものでは、決してなく、1個であっても、また、スロット30に吊り下げられ得る他の複数個であっても、何等差支えない。
加えて、スロット状態検出装置32にあっても、例示の実施形態においては、投入ゾーン10Aと受取りゾーン10Bのそれぞれにおいて、ユニフォーム投入箇所やユニフォーム受取り口よりもスロット30の移動方向下流側にそれぞれ設けられているが、これは、ユニフォーム28が新たに投入されたときや、ユニフォーム28が従業者にて取り出された時には、ロータリハンガー装置10にて、図において右回りに所定距離移動せしめられて、それぞれのスロット状態検出装置32A、32Bにて、スロット状態が検出されるようになっているのであるが、勿論、何れか一方の側においてのみ、スロット状態検出装置を設けるようにすることも可能である。
また、スロット状態検出装置32A,32Bにおける光や赤外線の照射方向にあっても、水平方向や上下方向のみならず、斜め上方からの照射を行ない、ユニフォームやハンガーの有無の検出を行なう一方、当該検出部位に位置するスロットの番号を原点検出装置44からの原点検出信号によって特定して、当該スロットにおけるユニフォームの有無を判断するようにすることも可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、そして、そのような実施の態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。