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JP6970222B2 - セシウムイオンの無機鉱物学的除去方法及び装置 - Google Patents
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JP6970222B2 - セシウムイオンの無機鉱物学的除去方法及び装置 - Google Patents

セシウムイオンの無機鉱物学的除去方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、セシウムイオンの無機鉱物学的除去方法及び装置に関し、より詳細には、放射性廃水処理後の廃棄物が無機質鉱物の形で得られるようにすることにより、放射線安定性が高く、事後地中処分に有利なセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法及び装置に関する。
原発運営、原発解体、及び除染処理に関連し、現在、韓国内外で多くの放射性廃水処理技術が開発されている。原発運営の場合、大量の放射性廃水が毎日排出されており、特にセシウム(Cs)をはじめ、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)などの主要放射性金属イオンは、他の放射性元素に比べて相対的に半減期が長く、放射性準位が高い。原子力発電所のような原子力施設で重大事故が発生した場合、主に放出される放射能汚染核種としてはCo−60、Cs−137などが挙げられる。特に、Cs−137放射性セシウムの場合には、半減期が約30年と非常に長く排出量が多いため、これを高効率及び大容量で除去又は分離することができる技術が必要である。
このように、これら金属核種の処理及び管理が非常に重要である一方で、現在、原発運営などの現場で用いられている主な技術は、有機イオン交換樹脂を用いて核種を吸着する技術である。しかし、イオン交換樹脂の吸着除去率が高くないため、大規模な放射性廃水を処理するには限界がある。特に、最大の問題は、イオン交換樹脂を大規模に用いることにより、大量の放射性廃棄物が発生し、過度な廃棄物処理コストがかかるという点である。そこで、特許文献1には、セシウムを選択的に吸着して分離するセシウム吸着剤が開示されているが、かかる吸着剤を用いると、吸着剤を含む廃棄物が大量に発生し、Na、Ca2+などのような他の溶存イオンが大量に存在する場合、イオン交換樹脂の効率が急激に低下するという問題もある。
一方、有機イオン交換樹脂に加えて、他の吸着剤は、工業的製造及び合成のためのコストが多くかかり、吸着された核種が時間の経過とともに再び脱着(溶出及び気化)されるという問題を有する。そこで、淡水又は海水に流出された放射性セシウムを低コスト且つ高効率で除去する方法、及び安定性を向上させることができる技術に対する必要性が提起されている。
最近、微生物を用いた生鉱物学的セシウム除去方法(特許文献2)が開発され、従来の吸着剤の多くの問題が大幅に改善された。しかし、微生物の特性上、セシウムとの反応速度が遅く、多くの有機物が発生するため、低コスト、高効率を維持しながらも、反応速度が速く、有機物が発生しない無機化学的処理技術が必要である。そこで、放射性核種の除去速度が速く、処理後の廃棄物内に存在する有機物による爆発の可能性を排除することができるセシウムイオンの無機鉱物学的除去技術に対する開発が重要となる。かかる技術は、原子力界に提供されたとき、関連分野において広く用いることができると予想される。
韓国公開特許第10−2015−0137201号公報 韓国公開特許第10−2016−0084011号公報
本発明の一課題は、セシウムイオンの無機鉱物学的除去方法を提供することである。
本発明の他の課題は、セシウムイオンの無機鉱物学的除去装置を提供することである。
本発明の一実施形態によると、セシウムを含む放射性廃水に第一鉄(Fe(II))及び酸化数が−2である硫黄を含む硫化物(S(−II))を投入して、セシウムイオンをセシウム鉱物に転換させる第一鉄及び硫化物投入段階を含む、セシウムイオンの無機鉱物学的除去方法が提供される。
本発明の他の実施形態によると、セシウムを含む放射性廃水が流入され、流入された廃水が25〜45℃の温度及び初期pH6.0〜8.5に調整される調整槽と、調整槽から排出される放射性廃水が流入され、第一鉄及び酸化数が−2である硫黄を含む硫化物が投入される反応槽と、を含む、セシウムイオンの無機鉱物学的除去装置が提供される。
本発明によるセシウム(Cs)鉱物化による無機化学的なセシウム除去技術は、大容量の回分式方法を介して、短時間でセシウムだけでなく、主な核種のほとんどを除去することができ、処理後の廃棄物内に有機成分がまったく存在しないため、放射線及び高温環境において非常に安定的であり、事後廃棄物の管理が容易となり、且つ処分安定性を向上させることができる。
本発明による無機化学セシウム鉱物の形成過程を図式的に示す図である。 本発明の例示的なセシウムイオンの無機鉱物学的除去装置を図式的に示す図である。 時間の経過に伴う本発明によるセシウムイオン除去率を示すグラフである。 時間の経過に伴う本発明による他の核種除去率を示すグラフである。 無機結晶の形で沈殿除去されたセシウム鉱物(パウトバイト)を電子顕微鏡(scanning electron microscopy)で観察した画像である。 鉄(Fe)及び硫黄(S)が主成分である結晶内部にセシウム(Cs)が約0.5wt%の含有量で固定及び鉱物化されて安定的に存在することを示すグラフである。 鉄(Fe)及び硫黄(S)が主成分である結晶内部にセシウム(Cs)が約0.5wt%の含有量で固定及び鉱物化されて安定的に存在することを示す図である。
以下、添付された図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。
本発明は、セシウムイオンの結晶鉱物化による無機化学的なセシウム除去技術に関する。本発明によって処理してから生成される廃棄物には、有機成分がまったく含まれないため、放射線及び高温処分環境において非常に安定的であり、短時間でセシウムを含む放射性核種を大容量且つ迅速に除去することができる。
より詳細には、本発明によるセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法は、セシウムイオンを含む放射性廃水に第一鉄及び硫化物を投入する投入段階を含むものである。本発明のセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法は、セシウムイオンが含まれる放射性廃水に適用されることができるものであって、その処理対象は、セシウムイオンを含む廃水であれば特に制限されず、例えば、原子力発電所のように原子力関連施設から排出された廃水であってもよい。
一方、上記第一鉄及び硫化物投入段階の前に、放射性廃水の温度及び/又はpHを調整する段階である温度及び/又はpH調整段階を行うことができる。より詳細には、上記第一鉄及び硫化物投入段階の前に、放射性廃水の温度を25〜45℃に調整する温度調整段階、放射性廃水の初期pHを6.0〜8.5に調整するpH調整段階、又はこれら段階をともに追加的に含むことができる。
本発明によるセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法によると、かかる放射性廃水の温度を25〜45℃、好ましくは37〜42℃、例えば、40℃に調整する。廃水の温度が25℃未満の場合には、セシウムイオンの結晶核生成(nucleation)及び結晶成長が円滑ではなく、45℃を超えると、鉱物の形成速度は速いが、セシウムイオンの除去率が低下するという問題がある。
本発明の一実施形態によるセシウムイオン除去方法において、上記セシウム含有鉱物はパウトバイト(pautovite、CsFe)であることができる。このようにセシウムを無機鉱化方法を介して分離する場合には、有機物がなくセシウムを含む鉱物だけがスラッジとして除去されるため、廃棄物の体積を著しく減少させることができ、非常に安定した無機結晶鉱物として除去されて処分安定性を向上させることができるという長所がある。
本発明の一実施形態によるセシウムイオンの除去方法において、上記廃水の初期pHは、弱アルカリの条件、例えば、6.0〜8.5に調整し、好ましくはpH7.7〜8.2、例えば、pH8に調整する。廃水の初期pHが6.0未満の場合には、セシウムイオンの鉱物形成作用が円滑ではなく、初期pHが8.5を超えると、反応初期に微細な粒子が大量に生成されて浮遊し、十分に沈殿されないため、後で固液分離が難しくなるという問題がある。
一方、上述のとおり、上記放射性廃水に第一鉄及び硫化物を投入する投入段階は、温度及びpH調整段階の後に行うことが好ましい。
上記第一鉄及び硫化物投入段階における第一鉄(Fe(II))は、1〜2mMの濃度で投入されることが好ましく、例えば、1.2〜1.8mMの濃度で投入されることができる。上記第一鉄の投入濃度が1mM未満の場合には、セシウムの結晶核生成及び結晶成長が不十分に行われる可能性があり、2mMを超えると、セシウム除去効率は小幅上昇するが、鉄及び廃棄物の副産物が大量に発生するという問題がある。
上記第一鉄及び硫化物投入段階における第一鉄及び硫化物は、第一鉄1モルを基準に、硫化物1:1〜2のモル比で投入されることが好ましく、より好ましくは1:1.3〜1.7のモル比、最も好ましくは1:1.5のモル比である。上記硫化物が第一鉄1モルを基準に1モル未満の場合には、pHの上昇が遅くなり、第一鉄投入後の残りの鉄イオンが増加し、セシウム除去率が低下するという問題が発生する。これに対し、上記硫化物が第一鉄1モルを基準に2モルを超えると、水中に硫化物が大量に存在するようになってpHが10以上に急上昇し、反応速度が速くなり、鉱物が十分に成長しないまま生成された粒子が微細になるという問題が発生する。上記第一鉄及び硫化物投入段階で投入される硫化物の量は、放射性廃水がアルカリ条件になるように、例えば、放射性廃水のpHを10まで増加させることができる量であることが好ましい。すなわち、第一鉄及び硫化物は、第一鉄1モルを基準に、1:1〜2のモル比で投入され、より好ましくはpHが10に達するまで投入する。
本発明の上記第一鉄は、塩化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、炭酸鉄、水酸化鉄、及びギ酸鉄などからなる群より選択される少なくとも一つであることができるが、これらに制限されるものではない。
本発明の上記硫化物は、酸化数が−2である硫黄を含むものであって、硫化カリウム、硫化ナトリウム、硫化水素、硫化マグネシウム、硫化カルシウムなどからなる群より選択される少なくとも一つであることができるが、これに制限されるものではない。
放射性廃水に第一鉄及び硫化物を投入する投入段階において還元剤をさらに投入することができる。特に、廃水内の溶存酸素量が多い場合、例えば、1ppm以上の場合には、還元剤を追加して酸素を除去することができ、溶存酸素量を1ppm未満に調整することができる。廃水内の溶存酸素量が1ppm以上の場合には、セシウム除去率が低下する可能性がある。
上記還元剤は、硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ亜硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、ヨウ化水素、臭化水素、硫化水素、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化ホウ素亜鉛、水素化ホウ素テトラアルキルアンモニウム、トリクロロシラン、トリエチルシラン、一酸化炭素、二酸化硫黄、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム、ポリ硫化ナトリウム、及び硫化アンモニウムからなる群より選択される少なくとも一つであることが好ましいが、これに制限されるものではない。
このとき、上記還元剤は、廃水1トン当たりに50〜500gの量で投入されることが好ましく、例えば、廃水1トン当たりに100〜200gの量で投入されることができる。上記還元剤の量が上記範囲未満の場合には、意図する酸素の除去が不十分になる可能性があり、上記範囲を超えると、硫酸塩及び水素が多すぎるようになるという問題が発生する。
上記本発明によるセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法は、放射性廃水に炭酸塩(NaHCO)をさらに投入する炭酸塩投入段階を含むことができる。上記炭酸塩の追加投入は、上記第一鉄及び硫化物の投入と同時に、又は上記第一鉄及び硫化物の投入とは別の段階として、その前あるいは後に行うことができる。上記第一鉄及び硫化物投入段階における硫化物の投入により、反応性硫化水素イオン(HS)が生成され、水中の水素イオン(H)が消耗されて、pHが上昇するようになる。但し、放射性廃水が特定のアルカリ条件(例えば、pH10)に達していない場合には、上記のような炭酸塩投入段階をさらに含むことができる。炭酸塩を追加する場合には、セシウム鉱物の成長がより促進され、安定化することができる。
炭酸塩(NaHCO)が投入される場合、初期pHからpHが徐々に増加するようになる。但し、上記炭酸塩投入段階は、pH10以下で行われることが好ましい。pH10を超えた場合には、酸を追加してpHを10以下、例えば、pH10に調整することが好ましい。炭酸を投入すると、セシウム鉱物が安定し、結晶成長過程が継続されて固液分離が容易になることができ、核種除去効率を向上させることができる。上記炭酸塩投入段階がpH10を超えて行われる場合には、セシウム除去率が低下する可能性がある。
上記炭酸の投入は3〜7mM、例えば、2〜8mMの濃度、好ましくは4〜6mMの濃度で行われることができる。
炭酸塩投入段階におけるpH調整のために、酸を追加することができる。酸の種類は、特に制限されるものではないが、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、過塩素酸、次亜塩素酸、及びフッ化水素酸などの無機酸、又はこれらの組み合わせを用いることが好ましい。
本発明において、セシウムイオンの無機鉱物学的除去方法は、インペラの回転による撹拌速度が50〜200rpmの攪拌下で行われることが、セシウムイオンの化学反応及び成長中の粒子の過度な物理的衝突を減らす側面において好ましく、より好ましくは70〜150rpm、例えば、100rpmの攪拌下で行われることが最も好ましい。特に、上記本発明の試薬投入段階において、上記のような攪拌が伴われることが好ましい。攪拌速度は、化学反応が一定に維持されることが好ましく、攪拌速度が工程中に変更された場合には、成長中の鉱物の結晶が割れるおそれがある。上記攪拌速度が50rpm未満の場合には、化学反応及び結晶核生成(nucleation)が弱くなり、セシウム結晶化が円滑に行われないという問題がある。これに対し、200rpmを超えると、成長中のセシウム結晶鉱物が微粒子化して沈殿されず、長い間浮遊することにより、最終の固液分離が困難となり、セシウム除去率が非常に低下するという問題が発生する。
本発明によるセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法は、12時間〜48時間の間に回分式工程で行われる場合、セシウムの大部分を除去することができる。好ましくは18時間〜24時間の間に行われることができ、例えば、24時間内に98%以上のセシウム除去率を得ることができる。
本発明の他の実施形態によると、上述した本発明のセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法に適用することができるセシウムイオンの無機鉱物学的除去装置が提供される。
本発明によるセシウムイオンの無機鉱物学的除去装置は、セシウムを含む放射性廃水が流入され、流入された廃水が25〜45℃の温度及び初期pH6.0〜8.5に調整される調整槽と、調整槽から排出される放射性廃水が流入され、第一鉄及び硫化物が投入される反応槽と、含む。
本発明によるセシウムイオンの無機鉱物学的除去装置において、セシウムイオンの無機鉱物学的除去工程と関連した内容は、上記本明細書でセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法に関連して記述したとおりである。
上記調整槽では、廃水が流入された後、温度及びpHの調整が行われる。このために、上記調整槽は、温度及びpHセンサと、これに連動して温度を昇温及び冷却することができる温度調整装置と、pHセンサにより酸又は塩基を調整槽に投入することができるpH調整装置と、を備えることができる。かかる装置の具体的な種類は、特に制限されない。上記調整槽は、空気が遮断される密閉構造であることが好ましい。
調整槽で温度及びpHの調整が行われた廃水は反応槽に移送され、上記反応槽には調整槽から排出される放射性廃水が流入される。これにより、第一鉄及び硫化物が投入される。さらに、上記反応槽には、炭酸塩、還元剤、又はこれらの組み合わせが追加的に投入されることができる。但し、上記調整槽に炭酸塩、還元剤、又はこれらの組み合わせなどを直接投入することができる可能性を排除するものではなく、この場合、調整槽は反応槽と統合されることができる。
上記反応槽では、50〜200rpmの攪拌が行われることが好ましい。このとき、攪拌を行うための攪拌装置は、特に制限されるものではなく、例えば、インペラ及びブレードを含むものであってもよい。
さらに、本発明によるセシウムイオンの無機鉱物学的除去装置は、上記反応槽で生成されたセシウム鉱物粒子のスラリーを分離する固液分離装置をさらに含むことができる。このとき、固液分離装置の種類は、特に制限されるものではなく、例えば、遠心分離機、ろ過機、脱水機、及び乾燥機などであることができる。
本発明によるセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法及び装置によると、24時間以内に、セシウムだけでなく、コバルト、ニッケル、鉄などの主要金属の核種を98%以上同時に除去することができる。尚、これら核種の無機結晶化及び成長に伴う優れた固液分離効率を得ることができるとともに、従来高価であり、廃棄物を多く発生させる有機樹脂(organic resin)とは異なり、放射性廃棄物の発生量を大幅に低減させることができる。さらに、無機鉱物質により、事後廃棄物の管理が容易となり、廃棄物処分の際における長期間の安定性を得ることができる。
以下、具体的な実施例を介して本発明をより具体的に説明する。下記実施例は、本発明の理解を助けるための例示に過ぎず、本発明の範囲がこれに限定されるものではない。
実施例
1.セシウムイオンの無機鉱物学的除去
高コストの有機イオン交換樹脂のような吸着剤を用いることなく、次のような本発明の工程で核種を含有した廃水を浄化した。
廃水浄化のために、図2に示すように、廃水調整槽、反応槽、及び固液分離のための遠心分離機を含む装置を設けた。核種を含有した室温の廃水を反応槽に流入し、反応槽に設置された温度調整装置を介して廃水の温度を40℃(±5℃)まで上げた。このとき、上記廃水には0.1ppmのセシウム、1.0ppmのコバルト、1.0ppmの鉄、及び1.0ppmのニッケルが含まれるように準備した。また、反応槽に設置されたpHメーター計によって廃水の初期pHを8.0(±0.5)に調整した。廃水のpH調整のために、HClもしくはNaOH試薬供給保管槽をさらに設置し、必要に応じて、試薬を投与してpHを調整した。このように廃水調整槽で廃水の温度及びpHが調整された廃水はポンプを介して反応槽に移送された。
廃水が流入される反応槽には、還元剤供給源保管槽、第一鉄供給源保管槽、及び硫化物供給源保管槽をそれぞれ設置し、還元剤である亜硫酸ナトリウムは廃水5トンを基準に約500gを投与し、第一鉄は約1.5mMの濃度、そして、硫化物は約2.25mMの初期濃度で入れた。このとき、第一鉄及び硫化物の投入比は1:1.5であり、反応性硫化水素イオン(HS)が生成され、水素イオン(H)が消耗されながら、廃水のpHが10まで徐々に上昇した。また、核種結晶の形成を促進し、且つ安定性を向上させるために、炭酸供給源保管槽を設置し、炭酸総量の約5mMをpH10以下で段階的に少しずつ投与した。上記反応槽から溶存試薬の化学反応及び結晶核の円滑な成長のために、反応槽にインペラ及びブレードを設置し、攪拌速度を約100rpmに設定した。還元状態の反応槽では、時間の経過に伴い、反応性硫化水素イオン(HS)及び硫化イオン(S2−)が鉄イオン(Fe2+)と結合した。この過程において、水中のCsを選択的に強く引き寄せ、セシウム鉱物粒子を形成して沈殿させた。これとともに、残りの主な金属核種である(Co、Ni、Fe)も、残りの硫化水素イオン及び硫化イオンと結合して、それぞれの硫化金属結晶を形成しながらセシウム鉱物粒子とともに共沈した。上記廃水槽における核種の初期反応速度を高めるために、初期に弱アルカリ(pH8.0)の条件に設定し、温水(40℃)の状態は継続して維持した。そして、第一鉄、硫化物、及び炭酸塩を順に投入し、廃水の最適条件であるpH10.0以下でセシウム鉱物が安定化し、且つ結晶成長が持続するようにして、最終的に固液分離を容易にすることで核種除去効率を高めることができた。
核種の還元性化学反応及び結晶成長が完了すると、廃水を産業用遠心分離機に移送し、固液分離して浄化された廃水は排出され、沈殿した鉱物スラッジは集めて最終処分した。
2.核種の除去効果を確認
上記1.のような無機化学処理工程による核種除去効果を確認するために、セシウム、コバルト、鉄、及びニッケルの初期濃度を測定した後、本発明によるセシウムイオンの無機鉱物学的除去工程を行ってから24時間経過後に、各核種の最終濃度を測定及び確認した。
その結果は図3及び図4から確認することができる。セシウムの場合には、初期濃度0.1ppmから24時間経過後、0.002ppmと98%に達する除去率を示すことが分かる。さらに、コバルト、鉄、及びニッケルもそれぞれ、初期濃度1.0ppmから24時間経過後、0.01ppm以下と99%に達する除去率を示すことが確認できた。
このように、本発明によるセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法を用いることで、大容量のセシウム及び他の核種を迅速に除去することができるという結果を得ることができた。
3.生成された無機セシウム鉱物の確認
上記1.の工程を行った結果、得られる無機質の形のセシウム鉱物結晶(パウトバイト)を確認するために、走査電子顕微鏡を用いてセシウム結晶を確認し、主な化学成分を分析した。
その結果、図5Aに示すように、セシウムの最終産物が結晶性鉱物であることを電子顕微鏡(scanning electron microscopy)を用いて確認することができた。尚、図5Bの分析スペクトルの結果から、Csが約0.5wt%含有されることが確認できた。さらに、図5Cの元素分布(elemental mapping)の結果から、Cs元素がFe及びSと結合し、パウトバイト鉱物として存在することが確認できた。
上記図5A〜図5Cから確認できるように、本発明によるセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法及び装置によって得られるセシウム鉱物(パウトバイト)は、鉱物化の進行速度が大幅に速くなるだけでなく、結晶の大きさが約5μmを超えて沈殿がよく起こり、固液分離が容易となる上、長期的な安定性が向上し、最終的には、顕著に高いセシウム及び核種除去効率を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。

Claims (16)

  1. セシウムを含む放射性廃水に第一鉄(Fe(II))及び酸化数が−2である硫黄を含む硫化物(S(−II))を、第一鉄1モルを基準に、1:1〜2のモル比で投入して、セシウムイオンをセシウム鉱物に転換させる第一鉄及び硫化物投入段階を含む、セシウムイオンの無機鉱物学的除去方法。
  2. 前記セシウム鉱物は、パウトバイト(pautovite;CsFe)である、請求項1に記載のセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法。
  3. 前記第一鉄及び硫化物投入段階の前に、放射性廃水の温度を25〜45℃に調整する温度調整段階を含む、請求項1に記載のセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法。
  4. 前記第一鉄及び硫化物投入段階の前に、放射性廃水の初期pHを6.0〜8.5に調整するpH調整段階を含む、請求項1に記載のセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法。
  5. 前記第一鉄及び硫化物投入段階における第一鉄は1〜2mMの濃度で投入される、請求項1に記載のセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法。
  6. 前記第一鉄及び硫化物投入の段階において投入される硫化物の量は、放射性廃水のpHを10まで増加させることができる量である、請求項1に記載のセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法。
  7. 前記第一鉄は、塩化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、炭酸鉄、水酸化鉄、及びギ酸鉄からなるFe(II)試薬群より選択される少なくとも一つである、請求項1に記載のセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法。
  8. 前記硫化物は、硫化カリウム、硫化ナトリウム、硫化水素、硫化マグネシウム、及び硫化カルシウムからなるS(−II)試薬群より選択される少なくとも一つである、請求項1に記載のセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法。
  9. 前記第一鉄及び硫化物投入段階において還元剤をさらに投入する、請求項1に記載のセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法。
  10. 前記還元剤は、廃水1トン当たりに50〜500gの量で投入される、請求項に記載のセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法。
  11. 放射性廃水に炭酸塩(NaHCO)をさらに投入する炭酸塩投入段階を含む、請求項1に記載のセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法。
  12. 前記炭酸塩投入段階はpH10以下で行われる、請求項11に記載のセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法。
  13. 前記炭酸塩の追加投入は、前記第一鉄及び硫化物の投入と同時に、又は前記第一鉄及び硫化物の投入とは別に行われる、請求項11に記載のセシウムイオンの無機鉱物学的除去方法。
  14. セシウムを含む放射性廃水が流入され、25〜45℃の温度及び初期pH6.0〜8.5に調整される調整槽と、
    前記調整槽から排出される放射性廃水が流入され、第一鉄及び酸化数が−2である硫黄を含む硫化物が、第一鉄1モルを基準に、1:1〜2のモル比で投入される反応槽と、を含む、セシウムイオンの無機鉱物学的除去装置。
  15. 前記反応槽は、炭酸塩、還元剤、又はこれらの組み合わせが追加的に投入される、請求項14に記載のセシウムイオンの無機鉱物学的除去装置。
  16. 前記反応槽で生成されたセシウム鉱物のスラリーを分離する固液分離装置をさらに含む、請求項14に記載のセシウムイオンの無機鉱物学的除去装置。
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