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JP6972607B2 - フラットバルブの制御方法、フラットバルブの制御システム - Google Patents
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JP6972607B2 - フラットバルブの制御方法、フラットバルブの制御システム - Google Patents

フラットバルブの制御方法、フラットバルブの制御システム Download PDF

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Description

本発明は、高温高圧の流体の移送を調整するためのフラットバルブの制御方法、フラットバルブの制御システムに関するものである。
近年、高温高圧下において有効な耐食性を有する材料が開発されたことに伴い、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法として、硫酸を用いた高温加圧酸浸出(HPAL:High Pressure Acid Leach)法が注目されている(特許文献1参照)。
HPAL法によるニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法は、例えば、ニッケル酸化鉱石をスラリー化し、鉱石スラリーを調製する工程(鉱石スラリー調製工程)と、鉱石スラリーに硫酸を添加し、加圧浸出反応器(以下、「オートクレーブ」という)を用いた220℃〜280℃の高温高圧下でニッケル及びコバルトを浸出して、浸出スラリーを得る工程(浸出工程)と、浸出スラリー中の浸出残渣とニッケル及びコバルトを含む浸出液とを固液分離する工程(固液分離工程)と、ニッケル及びコバルトと共に不純物元素を含む浸出液を中和して鉄等の不純物元素を分離する工程(中和工程)と、中和分離後の浸出液に硫化水素ガスを供給してニッケルコバルト混合硫化物を回収する工程(硫化工程)とを含む。
このような湿式製錬方法では、浸出処理を行う浸出工程において、オートクレーブ内の浸出液の酸化還元電位及び温度を制御することによって、主要不純物である鉄をヘマタイト(Fe)の形態として浸出残渣に固定する一方で、その鉄に対してニッケル及びコバルトを選択的に浸出することができ、非常に大きなメリットがある。オートクレーブにおける浸出処理の条件としては、鉱石スラリーの条件によっても異なるが、温度条件は概ね230℃〜270℃程度であり、圧力条件は3MPa〜5MPa程度で操業される。
さて、高圧酸浸出法を用いた低ニッケル品位の酸化鉱石に対する湿式製錬では、スラリー化された鉱石(鉱石スラリー)からニッケルとコバルトとを選択的に浸出するために、その鉱石スラリーを段階的に昇温昇圧してオートクレーブへ移送している。
そして、そのオートクレーブにて浸出処理が施された後、処理後に得られた浸出スラリーは段階的に降温降圧されて次工程へと移送される。
具体的に、浸出スラリーを降温降圧する処理では、例えば図1に示す降温降圧の処理システム10にあるように、オートクレーブの吐出配管11から内圧により押し上げられる浸出スラリーを、直列に設置した3つの圧力容器(以下、「フラッシュベッセル」という)12(12a,12b,12c)において段階的に降温降圧する。このような降温降圧の処理では、フラッシュベッセル12を通過した鉱石スラリーが、最終的に100℃以下の温度にまで降温され、圧力としては大気圧まで降圧される。
フラッシュベッセル12により段階的に浸出スラリーを降圧させるにあたっては、各フラッシュベッセル12の上部に設置した調節弁(調節バルブ)13(13a,13b,13c)により、例えば、前段に設置されているオートクレーブの液位とフラッシュベッセル12aの液位とを一定に制御して、連続的に浸出スラリーの抜き取りを行う。また、前段のフラッシュベッセル12aと後段のフラッシュベッセル12bとの液位、前段のフラッシュベッセル12bと後段のフラッシュベッセル12cとの液位を一定に制御して、連続的に浸出スラリーの移送を行う。
ここで、浸出スラリーは、ニッケルのほかに硬度の高い粒子を多く含んでおり、また、フラッシュベッセル12間の圧力差により高温かつ高速で移送されることから、容器や配管、弁等に対して摩耗性を有する。また、浸出スラリーは、オートクレーブにて添加される硫酸により酸性となることから、高い腐食性も有する。
そのため、フラッシュベッセル12の上部に設けられる調節弁13としては、浸出スラリーや、腐食性流体、高温高圧流体等の使用に適したフラットバルブが用いられている。また、その調節弁13の構造上、摩耗の進行が速いプラグ本体やシート部品の材質には、耐摩耗性に優れるセラミック材料が一般的に使用されている。その一方で、弁本体(ボディ)や、プラグの軸を構成するプラグステム、そのプラグステムの上下摺動を案内保持するボンネットといった、セラミック材料の使用が難しい接液部には、耐腐食性に優れるチタン材料が使用されている。なお、以下では、調節弁について「フラットバルブ13」として説明する。
さて、フラッシュベッセルを用いて浸出スラリーを降温降圧する処理においては、通常、オートクレーブに直接取り付けられたセンサーによってそのオートクレーブ内の液位(液レベル)測定を行っている。
図2は、オートクレーブ内の液レベル制御の概要を示す模式図である。オートクレーブ内の液レベルの制御は、オートクレーブ20へ送液されるスラリーの流量、供給される硫酸の流量、オートクレーブ20の後段に設置されているフラッシュベッセル12aに送液される浸出スラリーの流量のバランスを保つために必要となる。具体的に、オートクレーブ20内の液レベルの制御は、オートクレーブ20の後方に設置されている液レベル計21により、オートクレーブ20内の浸出スラリーの液レベルを検出し、その液レベルが一定になるようにフラッシュベッセル12aの上部に設けられるフラットバルブ13aのバルブ開度を調整している。
例えば、液レベル計21として上限及び下限の液面センサーによってオートクレーブ20内の液レベルを測定する場合、液レベルが上昇して、上限に設置された液面センサーがその液レベルを検知すると、フラッシュベッセル12aに設けられたフラットバルブ13aが開放されてオートクレーブ20内に滞留した浸出スラリーが排出される。また、オートクレーブ20内の液レベルが低下して、下限に設置された液面センサーがその液レベルを検知できなくなると、フラッシュベッセル12aに設けられたフラットバルブ13aが閉鎖されてオートクレーブ20内からの浸出スラリーの排出が停止される。このような液面センサーによる液レベル制御によって、オートクレーブ20内の浸出スラリーの液レベルは、上限の位置と下限の位置の間に制御されることになる。
また、連続的に液レベルを測定する場合、その液レベルが管理レベルよりも高くなると、フラッシュベッセル12aに設けられたフラットバルブ13aのバルブ開度を大きくすることによりオートクレーブ20内に滞留した浸出スラリーの排出量を増加させる。また、液レベルが管理レベルよりも低くなると、フラッシュベッセル12aに設けられたフラットバルブ13aのバルブ開度を小さくすることによりオートクレーブ20内からの浸出スラリーの排出量を抑制する。
しかしながら、フラッシュベッセル12に設けられたフラットバルブ13の内部には、高温でかつ高速に流れる浸出スラリーによって、使用を継続すれば必然的に摩耗が進行し、その摩耗が原因となって弁本体を貫通して浸出スラリーが噴出するという事態も生じ得る可能性がある。このような摩耗の進行は、操業状態により大きく変化するため、そのフラットバルブ13を定期的に取り外し、弁内部の状態点検や摩耗状態に応じた補修、部品交換が必要とされる。
具体的に、フラットバルブ13にける弁内部の摩耗は、例えばフラットバルブである場合には、浸出スラリーの流れが乱れるプラグ本体の周辺やプラグステムの周辺において局部的に進行し、従来、ボンネットのプラグ挿入部の摩耗やプラグステムの根元部の摩耗によってプラグやボンネットの交換が頻繁に行われている。また、これら部位の摩耗の進行によっては、軸シール部の不良による外部への浸出スラリーの漏れが発生する可能性もある。そして、このような弁の部品交換にあたっては、設備立ち下げ時の降温降圧や設備立ち上げ時の昇温昇圧の操作のために、長時間の設備停止が必要となる。そのため、弁内部の摩耗を抑制して、点検周期と部品交換頻度を低減させることが望まれている。
一般的には、フラットバルブの内部の耐摩耗性を高めるために、グラスライニングやセラミック溶射による保護被膜を形成することが行われている。例えば、特許文献2には、弁内部にグラスライニングを施し、耐食性や耐摩耗性を向上させたスラリー用アングル弁が開示されている。ところが、弁内部におけるグラスライニングは、温度変化により破損するおそれがあることのほか、配管内に付着したスケール物やタンクの内壁にライニングされた煉瓦の破片等がスラリーと共に弁内部に流入して内壁に衝突し、その衝突によってグラスライニングは安易に破損し、十分な耐摩耗性を発揮し得ない可能性がある。
また、特許文献3には、セラミックを溶射して保護皮膜を被着したスラリー用調節弁において、保護皮膜の被着端部を露出しない構造とすることで剥離を防止するスラリー調節弁が開示されている。ところが、この方法を可能とした場合においても、グラスライニング同様に、スケール物や煉瓦の衝突によって、セラミック保護皮膜は安易に破損する。
このように、従来の技術では、摩耗性を有するスラリーによる弁内部の摩耗を十分に抑制することができない。実際に、高温高圧のスラリー液のレベルを制御するためのフラットバルブの寿命としては、現状、連続運転で3ヶ月程度となっている。フラットバルブを運転中に交換する場合は、フラッシュベッセルの温度と圧力を下げる等の操作が必要となるため、非常に操業上のロスが大きい。この点からも、使用するフラットバルブを長寿命化させる方法が望まれている。また、高温高圧で、しかも酸性のスラリー液の流量に耐えることのできるバルブ材質は限られており、現在はセラミックのプラグを使用しているが非常に高価であるため、フラットバルブ自体も長寿命化することが望ましい。
なお、例えば上述した湿式製錬方法の浸出工程にて使用するオートクレーブのレベル制御のためのフラットバルブは、その寿命次第によって、製造効率やコスト、連続運転での工程の能力に大きく影響を与える。
特開2010−059489号公報 特開平5−118448号公報 特開平6−159528号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、例えば高温高圧の流体の移送を調整して、装置内の液レベルを制御するためのフラットバルブにおいて、その流体による摩耗や損傷等を抑制して長寿命化を図ることができるフラットバルブの制御方法、フラットバルブの制御システムを提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、フラットバルブへの流体の流量が急激に増大するバルブ開口の初期において、その開度の増大速度を相対的に減少させるように調整することで、流体によるフラットバルブの摩耗や損傷等を有効に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)本発明の第1の発明は、高温高圧の流体の移送を調整するためのフラットバルブの制御方法であって、前記フラットバルブは、バルブ本体と、上下方向に摺動可能なプラグと、流体の流路を形成するシートとを備え、該シートにより形成される流路の開口部を該プラグの上下方向への摺動に基づいて開閉することによって流体の流量を調整し、前記プラグを前記シートの開口部から離間させて開操作を行う初期において、該開口部における開度の増大速度を相対的に減少させる、フラットバルブの制御方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記プラグは、前記流路の開口部と接触する先端部が平坦なプラグ本体と、プラグステムとにより構成され、該プラグ本体の先端部を該開口部に当接又は離間させることにより、該開口部における開閉操作を行う、フラットバルブの制御方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第2の発明において、前記プラグ本体を前記開口部から離間させて開操作を行う初期において、前記プラグの上方向への摺動速度を所定の割合で減少させることによって、該開口部における開度の増大速度を相対的に減少させる、フラットバルブの制御方法である。
(4)本発明の第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記フラットバルブは、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスにおいて、該ニッケル酸化鉱石を高温高圧下で硫酸により浸出処理して得られる浸出スラリーの移送を調整するために用いられる、フラットバルブの制御方法である。
(5)本発明の第5の発明は、バルブ本体と、先端部が平坦なプラグ本体と、プラグステムとにより構成され、上下方向に摺動するプラグと、開口部を有する流路を形成するシートと、を有し、前記プラグ本体の先端を前記開口部に対して当接又は離間させることにより、流入した高温高圧の流体の前記流路を介した移送を調整するフラットバルブの制御システムであって、前記プラグの摺動速度を調整して前記開口部の開度を制御する開度制御部を備え、前記開度制御部は、前記プラグ本体を前記開口部から離間させて開操作を行う初期において、前記開口部における開度の増大速度を相対的に減少させる、フラットバルブの制御システムである。
(6)本発明の第6の発明は、第5の発明において、前記開度制御部は、前記プラグの上方向への摺動速度を所定の割合で減少させることによって、前記開口部における開度の増大速度を相対的に減少させる、フラットバルブの制御システムである。
本発明によれば、高温のスラリー等の流体の送液を制御するフラットバルブにおいて、その流体による摩耗や損傷等を抑制して長寿命化を図ることができる。
降温降圧の処理システムを模式的に示す図である。 オートクレーブ内の液レベル制御の概要を示す模式図である。 フラットバルブの構成の一例を示す断面図である。 フラットバルブにおけるプラグ(プラグ本体)の形状と、そのプラグに対するスラリーの流れを説明するための図である。 フラットバルブの開口部における開度(%)と、スラリーの流量(m/hr)との関係を表したグラフ図である。 フラットバルブの従来の制御方法における制御信号の流れを示す図である。 フラットバルブの制御システムの構成の一例を示す図である。 信号変換器への入力信号と信号変換器からの出力信号との関係を示すグラフ図であり、バルブ開度0%〜100%に応じた信号変換器への入力に対して、フラットバルブへの出力係数を変更し、そのバルブ開度とスラリー流量との関係が直線に近づくように制御曲線を変更したものである。 信号変換器への入力信号と信号変換器からの出力信号との関係を示すグラフ図であり、バルブ開度0%〜100%に応じた信号変換器への入力に対して、フラットバルブへの出力係数を変更し、そのバルブ開度とスラリー流量との関係が直線に近づくように制御曲線を変更したものである。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
≪1.概要≫
本実施の形態に係るフラットバルブの制御方法は、オートクレーブからの高温高圧の流体の移送を調整するために用いるフラットバルブの制御方法である。具体的に、このフラットバルブの制御方法は、フラットバルブへの流体の流量が急激に増大する、開操作の初期において、そのフラットバルブの開口部における開度の増大速度を相対的に減少させる。具体的には、開口部における開操作を徐々に行うようにすることで、開口部の開き始めの時間を従来よりも長くとることを特徴としている。
このような方法によれば、開操作の初期における高温の流体の急激な流量変化を抑えることができ、フラットバルブに与える温度変化の影響を少なくすることができる。このことにより、セラミックの急激な流量による摩耗と温度変化の熱応力による劣化を低減することができ、長寿命化を図ることができる。
フラットバルブは、図1、図2を参照しながら説明したように、例えば、HPAL法によるニッケル酸化鉱石の湿式試練プロセスにおける浸出処理にて用いられるフラッシュベッセルに設けられ、浸出スラリーの移送を調整する調節弁(バルブ)に適用することができる。なお、フラットバルブとしては、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスにて使用する設備に適用されることに限られない。
また、フラットバルブにより移送調整される対象の流体についても、上述したように、HPALプロセスに用いられるスラリーであって、高温高圧下で硫酸により浸出処理を施して得られた高温状態である酸性のスラリー(浸出スラリー)を挙げることができる。本実施の形態におけるフラットバルブは、例えば、腐食性の流体、上述した浸出スラリー以外の高温高圧の流体等の移送を制御するための調節弁として有効に適用することができ、ここではこれらの流体も「スラリー」という用語の意味に含まれるものとする。
なお、以下では、HPALプロセスに用いられる設備(図1、図2参照)に適用されるフラットバルブ13を具体例に挙げ、高温高圧であって酸性の浸出スラリー(以下、単に「スラリー」ともいう)の移送を調整する場合におけるフラットバルブの制御について詳細に説明する。
≪2.フラッシュベッセルに適用したフラットバルブ≫
図1、図2に示したように、フラッシュベッセル12(12a)は、オートクレーブ20内にて高温高圧の条件下でニッケル等の金属を酸浸出することによって得られた浸出スラリーを、降温降圧させるためのものである。このフラッシュベッセル12aには、前段のオートクレーブ20内の浸出スラリーの液レベルを考慮しながら、所定量の浸出スラリーがオートクレーブ20から移送される。
このとき、フラッシュベッセル12aの上部に設けられるフラットバルブ13aが、オートクレーブ20からの浸出スラリーの移送量(流量)を調整して移送を制御する。
フラッシュベッセル12は、複数基設けることができ、例えば3基のフラッシュベッセル12a,12b,12cにより、段階的にスラリーの降温降圧の処理が行われる。そして、フラッシュベッセル12間の浸出スラリーの移送においては、上述したのと同様に、前段のフラッシュベッセル12の液レベルを監視しながら、所定量のスラリーを後段のフラッシュベッセル12に移送させる。なお、フラッシュベッセル12間においては、その圧力差により、浸出スラリーが高速に流れていく。
図3は、フラッシュベッセル12の上部に設けられるフラットバルブ13の構成の一例を示す断面図である。図3に示すように、フラットバルブ13は、バルブ本体31と、上下に摺動可能なプラグ32と、スラリー(流体)の流路を形成するシート33と、を備えている。フラットバルブ13は、その形状からレットダウンバルブとも称され、横方向(水平方向)から流入してきたスラリーを、下方向(鉛直方向)に落下させて流出させるように制御する。
[バルブ本体]
バルブ本体31は、フラットバルブ13の本体を構成するものであり、その内部をスラリーが流れる。バルブ本体31には、水平方向に開口した流体流入口34と、鉛直方向に開口した流体流出口35とが設けられ、それぞれ配管に接続されている。
例えば図2に示すように、オートクレーブ20と、フラットバルブ13aを設けたフラッシュベッセル12aとが接続されている構成においては、オートクレーブ20から移送されるスラリーが、配管を介して流体流入口34から流入し、バルブ本体31の内部を高速に流れて当該フラットバルブ13aでの流量制御を経て、流体流出口35から排出され、配管を介して後段のフラッシュベッセル12bへ移送される。
[プラグ]
プラグ32は、バルブ本体31の内部において上下方向(図3中の矢印X方向)に摺動することによって、バルブ本体31を通って流れるスラリーの流出を制御する。また、プラグ32は、後述するシート33により形成される流路の開口部33pに当接、あるいは離間することによりその開口部33pの開度を変化させ、開口部33pを通って流出されるスラリーの流量を制御する。
具体的に、プラグ32は、プラグ本体32aと、軸を構成する棒状のプラグステム32bとから構成される。
プラグ本体32aは、シート33により形成されるスラリーの流路の開口部33pに接触することによって、その開口部33pを塞ぐようにし、これによりスラリーの流出を止める。プラグ本体32aは、例えばセラミック等の材料から構成され、あるいは、金属材料の表面にセラミック等からなる被覆が施されて、その耐摩耗性が高められている。
プラグステム32bは、プラグ32の軸を構成するものであり、その先端にプラグ本体32aを接続させて、上方向又は下方向(矢印X方向)への摺動によりプラグ本体32aを上下動させる。プラグステム32bは、バルブ本体31の内部にあるボンネット31aに環囲され、ボンネット31aによる案内保持により上下に摺動可能となっている。
なお、図3は、プラグ32により、シート33により形成されるスラリーの流路が閉状態となっている様子を示す。プラグ32による流路の開閉については、後で詳述する。
[シート]
シート33は、流体であるスラリーの流路を形成する。シート33により形成される流路の上端は、プラグ32のプラグ本体32aと接触する開口部33pとなり、バルブ本体31の内部を通過したスラリーがその流路を流れる入口を構成する。したがって、シート33により形成される開口部33pに対して、プラグ32を当接させ、あるいは離間させることによって、その開口部33pが開閉する。なお、シート33は、プラグ本体32aの当接により全閉状態にすると、スラリーの流出流量がほぼ停止する形状となっている。
図4は、フラットバルブ13における、特にプラグ32(プラグ本体32a)の形状と、そのプラグ32に対するスラリーの流れを説明するための図である。上述したように、フラットバルブ13では、上下方向に摺動するプラグ32(プラグ本体32a)が、シート33により形成されるスラリーの流路の開口部33pに対し、当接することによって、あるいは離間することによって、その開口部33pの開閉が行われる。このとき、開口部33pが開状態となってスラリーが流出される際に、そのプラグ32の先端が欠けてしまうことを防ぐために、プラグ32の先端形状としては平坦(フラット)なものとなっている。しかしながら、そのようなフラットな先端形状を有するプラグ32では、開口部33pから流出するスラリーの流量制御を的確にかつ精緻に行うことが難しい。なお、図4中の矢印F,Fはスラリーの流れを示す。
ここで、図5に、開口部における開度(%)と、スラリーの流量(m/hr)との関係を表したグラフを示す。なお、図5において、横軸はバルブ開度(%)であり、縦軸は代表的な流量(m/hr)を表しており、縦軸の数値は典型的な例での流量を示している。フラットバルブとしては、図3に示したものと同様のものを用いたときの例である。
図5に示すように、フラットな先端形状を有するプラグ32(プラグ本体32a)を開口部33pに当接させた状態の「閉状態」(横軸のバルブ開度が0%の状態)から、プラグ32を開口部33pから離間させて開度を僅かに上げていくだけで、スラリーの流量が急激に増加していき、その後はなだらかに流量が増加していくという特性を有していることが分かる。すなわち、開き始めは急激に開口部33pの面積が広がるためにスラリーの流量が出やすくなり、その開口部33pが開いていくに従って、スラリー流量の増分が頭打ちになる傾向を示す。
このことから、フラットバルブ13における制御では、低開度の領域においてスラリーの流量制御が困難かつ不安定になりやすいと言える。
図6は、フラットバルブの従来の制御方法における制御信号の流れを説明するための図である。図6に示すように、フラットバルブの制御においては、例えばDCS(又はコントローラ、調節計等)により構成される制御器41が、バルブ開度0%〜100%の値としての制御信号を信号変換器(ポジショナ)42に送信すると、信号変換器42は、受信した制御信号を0%〜100%の間のバルブ開度に見合った特定の数値に変換し、それをフラットバルブ13に出力する。従来の方法においては、この関係は、比例の関係で出力される場合が一般的である。
≪3.フラットバルブの制御方法≫
図7は、フラットバルブの制御システムの構成の一例を示す図である。制御システム1は、スラリーが流れるプロセス配管50に設けられたフラットバルブ13と、フラットバルブ13のプラグ32の摺動速度を調整して開口部33pの開度を制御する開度制御部2と、開度制御部2からの制御信号を受信してその信号を特定の数値に変換してフラットバルブ13に対して開度指示を行う信号変換器(ポジショナ)3と、を備えている。
また、制御システム1は、フラットバルブ13を介してプロセス配管50を通過するスラリーの実流量を測定する流量計4と、例えばオートクレーブ20内のスラリーの液レベル等の上位装置のスラリーレベルに関する情報信号を開度制御部2に送る上位システム5と、を備えている。
具体的に、制御システム1においては、例えば上位装置であるオートクレーブ20から、フラッシュベッセル12aに送液されるスラリーの流量を規制する制御バルブであるフラットバルブ13に対し、そのフラットバルブ13に付設された信号変換器3によりバルブ開度の指示が送られ、開度が調整される。この信号変換器3は、フラットバルブ13の実開度を検出し、開度制御部2から送られてくる開度に関する制御信号(S1)にフラットバルブ13の実開度が一致するようにバルブの開度調整を行う。
また、制御システム1においては、上位システム5が、開度制御部2に対してオートクレーブ20内のスラリーレベルの情報信号(S2)を付与する。開度制御部2は、流量計4によって測定されたプロセス流体のスラリー実流量に関する情報信号(S3)と、上位システム5から送られてくるスラリーレベルの情報信号(S2)とを比較して、両者を一致させるために必要なフラットバルブ13の開口部33pにおける開度を開度指示値θ_SPとして求める。開度制御部2によって求められた開度指示値θ_SPに関する制御信号(S1)は、信号変換器3へと送られる。信号変換器3は、フラットバルブ13の開口部33pにおける実開度θ_PVを検出し、開度制御部2から送られてくる開度指示値θ_SPにフラットバルブ13の実開度θ_PVが一致するように開度の調整を行う。
このとき、本実施の形態に係る制御システム1では、開度制御部2が、フラットバルブ13のプラグ本体32aを開口部33pから離間させて開操作を行う初期において、その開口部33pにおける開度の増大速度を相対的に減少させることを特徴としている。
具体的に、開度の増大速度を相対的に減少させる方法としては、開口部33pに対してプラグ本体32aが当接している閉状態から、プラグ32を上方向に摺動させて開口させる開操作を行う初期段階において、その摺動速度を所定の割合で減少させることによって、徐々にゆっくりとプラグ本体32aが開口部33pから離間するようにし、開口部33pにおける開度の増大速度を相対的に減少させる。
ここで、開度の増大速度とは、プラグ32を開口部33pから離間させることによって拡大する開口部33pの開度の拡がり速度をいう。また、その開度の増大速度を相対的に減少させるとは、例えば、開度の開操作を行う初期段階以外の段階における開度の増大速度と比べたときにその増大速度よりも遅くさせることをいう。
また、摺動速度を減少させるにあたっては、例えばプラグ32を下方向に摺動させて開口部33pに当接させる開口部33pの閉操作を行うときの摺動速度を基準としたときに、その基準の摺動速度から所定の割合で減少させた速度にてプラグ32を操作させる。
このような制御システム1による制御方法によれば、開口部33pの開き始めの部分での制御が不安定になることを防ぐことができ、そして、従来の制御方法のように、その初期段階でスラリーの流量が急激に増加することを防ぐことができる。このことにより、急激なスラリーの流れによるフラットバルブ13の内部の損傷を抑制することができる。また、高温のスラリーの急激な流入を防ぐことができることから、フラットバルブ13のプラグ32の寿命に関わる温度変化の影響を少なくすることができる。
例えば、図8は、信号変換器3への入力と信号変換器3からの出力との関係を示す図であり、バルブ開度0%〜100%に応じた信号変換器3への入力に対して、フラットバルブ13への出力係数を変更し、そのバルブ開度とスラリー流量との関係が直線に近づくように制御曲線を変更したものである。なお、横軸は信号変換器3への開度(0%〜100%)に応じた入力信号(制御信号)を表し、縦軸はその信号変換器3からフラットバルブ13への開度(0%〜100%)に応じた出力信号を表す。
図8に示すように、バルブ開度指令に対して、入力の数値が低い領域(グラフの左側の領域)では、その入力信号に対してフラットバルブ13への出力信号(開度出力)は低めになっている。この領域では、開度制御部2により、バルブの開度の急激な上昇を防ぐために、出力信号を低く抑えるように制御されている。例えば、40%の入力が入ったときは、22%の出力を出すようになっている。このように、40%の入力に対して、22%の出力になるようにプラグ32の摺動速度を減少させるようすることで、開口部33pにおける開度の増大速度を減少させ、図5から算出されるようにスラリー流量がおよそ500m/hr程度となるようにしている。
なお、仮に、入力信号と出力信号との大きさが比例関係にあるとして、40%の入力に対して40%の出力とすると、スラリー流量は700m/hr程度と大きくなる。
また、図9は、図8の例よりも、入力の数値が低い領域(低開度領域)の係数をさらに低めに強調し、より一層にゆっくりと開度が変化するように設定したときの例である。こうすることにより、低開度領域のバルブの制御が細かくなり、ゆっくり動作させることができる。そして、ゆっくり制御することで、プラグ32への熱変化を小さくし、熱応力の影響を抑えることができ、フラットバルブ13の寿命を延ばすことが可能になる。
ここで、プラグ32を開口部33pから離間させて開操作を行う初期における、信号変換器3への入力信号(制御信号)と、信号変換器3からフラットバルブ13への出力信号との関係において、その出力信号は、下記式(1)で表されるように、入力信号に対して特定の係数の積で表される程度とすることができる。
出力信号=入力信号×係数 ・・・(1)
係数とは、例えば入力信号であるバルブの開度に応じて、以下の表1にまとめるように設定することができる。なお、この係数は、図8、図9の例に基づく。
Figure 0006972607
以下、本発明を適用した具体的な実施例について説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
オートクレーブからのスラリーをフラッシュベッセルに送液させるに際して、フラッシュベッセルの上部に設けたフラットバルブにより、スラリー流量を制御しながら行った。
フラットバルブとしては、図3に例示したものと同様に、バルブ本体と、上下方向に摺動可能なプラグと、流体の流路を形成するシートとを備えて、そのシートにより形成される流路の開口部をプラグの上下方向への摺動に基づいて開閉することによってスラリーの流量を調整可能とするものを用いた。
また、フラットバルブによるスラリー流量の制御においては、プラグの摺動速度を調整して開口部の開度を制御する開度制御部と、開度制御部からの制御信号を受信してその信号を特定の数値に変換してフラットバルブに対して開度指示を行う信号変換器とを備えた制御システムを用いた。
そして、実施例1では、プラグを開口部から離間させて開操作を行う初期において、その開口部における開度の増大速度を相対的に減少させるように操作した。具体的には、フラットバルブに対する出力信号が、図9に示すような制御曲線となるように、フラットバルブにおけるプラグの摺動速度を減少させて開閉操作を行った。
[比較例1]
比較例1では、従来の制御方法に基づき、フラットバルブにおけるプラグの摺動速度の制御は行わず、図5に示すようなバルブ開度とスラリー流量との関係のままにして、フラットバルブの開閉操作を行った。
下記表2に、実施例1、比較例1で用いたそれぞれのフラットバルブの平均寿命の算出結果を示す。
Figure 0006972607
表2に示す結果から分かるように、実施例1のように操作したフラットバルブでは、比較例1のように操作したフラットバルブに比べて、平均寿命が大きく延びた。このことは、実施例1では、急激にスラリーの流量が増大する開操作の初期において、バルブの開度の増大速度を相対的に減少させるようにしたために、プラグ等への高温のスラリーによる損傷が少なくなったと考えられる。一方で、比較例1では、急激な開閉操作に基づく高温のスラリーの制御のため、熱的応力でプラグのセラミック表面に発生したクラックが成長し、破壊に至ってしまったことから、寿命がわずか3ヶ月程度になったと考えられる。
1 制御システム
2 開度制御部
3 信号変換器
4 流量計
5 上位システム
10 処理システム
11 吐出配管
12,12a〜12c フラッシュベッセル
13,13a〜13c フラットバルブ(調節弁)
20 オートクレーブ
21 液レベル計
31 バルブ本体
31a ボンネット
32 プラグ
32a プラグ本体
32b プラグステム
33 シート
33p 開口部
34 流体流入口
35 流体流出口
41 制御器
42 信号変換器
50 プロセス配管

Claims (5)

  1. ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスにおいて該ニッケル酸化鉱石を高温高圧下で硫酸により浸出処理して得られる、高温高圧の流体である浸出スラリーを下流側に設置された設備に移送するための流路に設けられるフラットバルブの制御方法であって、
    前記フラットバルブは、
    水平方向に開口した流体流入口と、鉛直方向に開口した流体流出口とが設けられたバルブ本体と、
    上下方向に摺動可能なプラグと、
    開口部を有し、前記流体流出口へ流れ出る流体の流路を形成するシートと、を備え、
    前記フラットバルブにおける前記プラグは、
    前記シートにより形成される流路の前記開口部と接触する先端部が平坦なプラグ本体と、プラグステムとにより構成され、該流路の開口部よりも上流の側に該プラグ本体が位置するように前記バルブ本体の内部に配置され、
    前記バルブ本体における前記流体流入口から前記流体流出口へと流れる流体の流量を、該プラグの上下方向への摺動に基づき前記プラグ本体の先端部を前記開口部に当接又は離間させて該開口部における開閉操作を行うことによって調整し、
    前記プラグを前記シートの開口部から離間させて開操作を行う初期において、該開口部における開度の増大速度を相対的に減少させる
    フラットバルブの制御方法。
  2. 前記プラグ本体を前記開口部から離間させて開操作を行う初期において、前記プラグの上方向への摺動速度を所定の割合で減少させることによって、該開口部における開度の増大速度を相対的に減少させる
    請求項に記載のフラットバルブの制御方法。
  3. ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスにおいて該ニッケル酸化鉱石を高温高圧下で硫酸により浸出処理して得られる、高温高圧の流体である浸出スラリーを下流側に設置された設備に移送するための流路に設けられるフラットバルブの制御システムであって、
    前記フラットバルブは、
    水平方向に開口した流体流入口と、鉛直方向に開口した流体流出口とが設けられたバルブ本体と、
    開口部を有し、前記流体流出口へ流れ出る流路を形成するシートと、
    前記シートにより形成される流路の前記開口部と接触する先端部が平坦なプラグ本体とプラグステムとにより構成され、該流路の開口部よりも上流の側に該プラグ本体が位置するように前記バルブ本体の内部に配置され、上下方向に摺動するプラグと、
    を有し、
    前記プラグ本体の先端を前記開口部に対して当接又は離間させて該開口部における開閉操作を行うことにより、流入した高温高圧の流体の前記流路を介した移送を調整するものであり
    当該制御システムは、
    前記プラグの摺動速度を調整して前記開口部の開度を制御する開度制御部を備え、
    前記開度制御部は、前記プラグ本体を前記開口部から離間させて開操作を行う初期において、前記開口部における開度の増大速度を相対的に減少させる
    フラットバルブの制御システム。
  4. 前記開度制御部は、前記プラグの上方向への摺動速度を所定の割合で減少させることによって、前記開口部における開度の増大速度を減少させる
    請求項に記載のフラットバルブの制御システム。
  5. 当該制御システムは、
    前記開度制御部からの制御信号に基づいて指示信号に変換し、前記フラットバルブに対して開度指示を行う信号変換器と、
    前記フラットバルブを介して配管内に流出された流体の流量を測定する流量計と、
    前記フラットバルブに前記流体を流入させる上位装置の流体レベルに関する情報信号を前記開度制御部に送る上位システム部と、をさらに備え、
    前記開度制御部は、
    前記流量計により測定される流量に関する流量情報信号と、前記上位システム部から送られる前記情報信号とを比較して開度指示値を求め、
    前記開度指示値と前記フラットバルブの実開度とが一致するように開度を調整するとき、前記プラグ本体を前記開口部から離間させて開操作を行う初期において、前記開口部における開度の増大速度を相対的に減少させるように調整する
    請求項3又は4に記載のフラットバルブの制御システム。
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