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JP6975461B2 - 靴底及び靴 - Google Patents
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Description

本発明は、姿勢及び歩行が安定し、歩行疲れを防止するのに好適な靴底及び靴に関する。
靴、サンダル等の履物は、例えば靴の底を除いた上の部分がアッパーと、足を支える土台部分の靴底(ソール)により構成され、靴底は中底の裏面に本底の上面が合わさって接着剤等で一体化されている。
靴等の履物において、歩行時の姿勢安定、歩き易さを左右する重要な部材として靴底がある。このような靴底は、つま先側が低く、かかと側を高くなるように傾けた構造を有している(特許文献1)。
特開2013−208199号公報
しかしながら、特許文献1に開示の靴底は、つま先側が低く、かかと側を高くした傾斜構造としているだけであり、靴底のさらなる開発が望まれる。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、姿勢及び歩行が安定し、歩行疲れを防止するのに好適な靴底及び靴を提供することを目的としている。
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の靴底は、中底の裏面に本底が固定された靴底であって、前記中底は、表面部の外周縁を周壁部により取り囲んだカップインソール形状に形成されていて、つま先部の内側が外側よりも高さが低く形成され、前記つま先部の表面が外側から内側に向けて下向きに傾斜する傾斜面に形成され、前記中底の横断面が、土踏まず部から踵部の間で表面が下向きに凹の湾曲形状に形成され、前記中底の表面は、前記踵側の後端が高く、前記踵側の後端から前記土踏まず部に向けてなだらかに下向きに傾斜する傾斜面に形成されている。
〔発明2〕 さらに、発明2の靴底は、発明1の靴底において、前記つま先部の傾斜面の傾斜角度は、10度以下である。
〔発明3〕 さらに、発明3の靴底は、発明2の靴底において、前記つま先部の傾斜面の傾斜角度は、4.7度以上である。
〔発明4〕 一方、上記目的を達成するために、発明4の靴は、発明1乃至3のいずれか1の靴底と、足の甲を覆うアッパーとを有する。
以上説明したように、発明1の靴底によれば、中敷を予め中底表面に設置する必要がなく、靴を履くだけで、姿勢及び歩行が安定し、歩行疲れを防止することができる。特に、つま先部の高さを外側よりも内側を低くすることにより姿勢及び歩行安定効果と歩行疲れを防止効果は、足の親指と小指を周壁部によりホールドする作用と、中底の横断面が、土踏まず部から踵部の間で表面を下向きに凹の湾曲形状に形成することによる体重圧が全体的に表面部に加わり、前記中底表面を前記踵側の後端が高く、前記踵側の後端から前記土踏まず部に向けてなだらかに下向きに傾斜する傾斜面に形成することにより、靴を履くとつま先の足裏全体に自然と体重圧が加わり、前屈みや反っくり返ることなく直立姿勢となる作用が得られる。これら作用による相乗効果によって、靴を履くだけで、姿勢及び歩行安定性が良く、歩行疲れを防止することができる。
さらに、発明2の靴底によれば、姿勢及び歩行の安定性をさらに向上することができる。
さらに、発明3の靴底によれば、姿勢及び歩行の安定性をさらに向上することができる。
一方、発明4の靴によれば、中敷きなどを別に用意することなく、靴を履くだけで姿勢及び歩行が安定し、歩行疲れを防止できる。
本発明による靴の実施形態を示すルームシューズの右足の上面図である。 図1に示すルームシューズの内側側面図である。 図1に示すルームシューズと対をなす左足のルームシューズの中底の正面図である。 図3に示す中底のつま先部におけるB−B線断面図である。 本発明の前提となる靴のカップインソールタイプの中敷の分解斜視図で、左足用の中敷を示す図である。 図5に示すカップインソールタイプの中敷のインソール本体部の正面図である。 図6に示すインソール本体部のつま先部におけるA−A線断面図である。 (a)は図6に示す左足用のインソール本体部と対をなす右足用インソール本体部の指先部から踵部までの長さ方向における複数個所の左右側面の高さを示す図、(b)は横断面形状を示す図である。
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態の説明を行う前に、本発明の前提となる技術を図5から図8を参照して説明する。
<前提技術>
図5において、カップインソールタイプの中敷1は、左足用の中敷で、インソール本体部10の上に上生地部20が重ねられ、接着剤により接着される。中敷1は、例えば図7に示すように、靴本体2に取り外し可能となっている。なお、本前提技術の中敷1は、カップインソールタイプに限定されるものではなく、靴本体に対して接着されるタイプであってもよい。インソール本体部10は低反発素材により三次元立体形状に形成されている。
図5、図8に示すように、インソール本体部10は、踵側の後端11から土踏まず部12を経てつま先側の先端13に向うに従って肉厚が薄く形成される。また、インソール本体部10の表面は、後端11が高く、土踏まず部12に向って表面がなだらかに下向きに傾斜し、つま先部14から先端13に向って上向きに傾斜している。インソール本体部10の横断面は、図8(b)に示すように、つま先部から踵部の間で底面が下向きに凸の湾曲形状で、土踏まず部から踵部の間で表面が下向きに凹の湾曲形状に形成されている。このように、インソール本体部10の底面及び表面を湾曲形状に形成することにより、体重圧がインソール本体部10の外周縁部に加わると、外周縁部が全体的に下方に向けて変形するため、土踏まず部を含め足裏全体に満遍なく体重圧がかかる。
図6に示すように、左足用のインソール本体部10は、図中の左側が左足の親指側となる内側15であり、図中の右側が左足の小指側となる外側16である。左足用のインソール本体部10は、つま先部14において、内側15の肉厚を外側16の肉厚よりも薄くし、幅方向(左右方向)において内側15を外側16よりも低くしている。
図7に示すように、三次元立体形状に形成されたインソール本体部10は、つま先部14の表面が外側16から内側15に向けて傾斜角度θで下向きの傾斜面に形成されている。本実施形態において、傾斜角度θは5度としている。なお、傾斜角度θは5度に限定されるものではなく、つま先部14の表面において外側16が高く内側15が低い傾斜面に形成されていればよい。もちろん、右足用の中敷についても同様である。
中敷1において、つま先部14の内側15を外側16よりも低くすると、左右の足の膝が内側に入り、太ももや腰等が引き締まる。その結果、立ち姿勢がよくなり、前屈みや反っくり返ったりすることがない。また歩幅が広くなる。このような効果が最も発揮される傾斜角度は5度であり、5度から10度の範囲でも同様の効果が得られる。もちろん、5度、4.7度以下でも0度でなければよく、要するに中敷1を備えた靴を履くと、両膝が自然に内側に向く傾斜角度θであればよい。
上生地部20はインソール本体部10の上面形状に合致する三次元立体形状に形成され、例えば低反発素材の基部21の上に革製又は布製の生地22が接着剤により接着されている。上生地部20は靴を履いた人の足裏に直接接する部材である。このため、インソール本体部10のつま先部14における傾斜角度θを阻害せず、傾斜角度θを足裏に伝える三次元立体形状に形成される。
中敷き1のインソール本体10は、傾斜角度θを設けることにより姿勢及び歩行安定性、歩行疲れの防止を図ることができる効果を有する。さらに、この効果をより一層引き立たせる構成として、インソール本体部10の横断面をつま先部から踵部の間で底面が下向きに凸の湾曲形状で、土踏まず部から踵部の間で表面が下向きに凹の湾曲形状に形成し、インソール本体部10の表面を後端11が高く、土踏まず部12に向って表面がなだらかに下向きに傾斜させている。これらの構成によれば、土踏まず部を含め足裏全体に満遍なく体重圧が加わるので、足の外側の小指と内側の親指にも満遍なく体重圧が加わる。インソール本体部10の表面を後端11が高く、土踏まず部12に向って表面がなだらかに下向きに傾斜させることにより、靴を履くとつま先の足裏全体に自然と体重圧が加わり、前屈みや反っくり返ることなく直立姿勢となる。
本前提技術の中敷1は、スニーカー、ハイヒール、ゴルフシューズなどの運動用シューズ、妊婦用シューズ、通勤用の靴等の靴に適用することができる。また、上生地部20を設けずにインソール本体部10のみの構成であってもよい。
以下に、中敷1のつま先部14の傾斜角度とその効果についての評価を以下に示す。
<前提技術の実施例>
評価方法は、つま先部14の傾斜角度θが0度(フラット)の中敷(以下「フラット中敷」という。)と、傾斜角度4.7(5)度(以下「5度中敷」という。)と、傾斜角度θが10度(以下「10度中敷」という。)の3種類のインソールタイプの中敷を用意した。なお、傾斜角度は5度をターゲットとしたが測定精度等により傾斜角度が4.7度となった。
次に、妊婦用靴本体にフラット中敷を備えた妊婦用靴を比較例1、同靴本体に5度中敷を備えた靴を実施例1、同靴本体に10度中敷を備えた靴を実施例2とした。
さらに、ハイヒール本体にフラット中敷を備えたハイヒールを比較例2、同ハイヒール本体に5度中敷を備えたハイヒールを実施例3、同ハイヒール本体に10度中敷を備えたハイヒールを実施例4とした。
一方、2人の被験者(被験者1と被験者2)にそれぞれ上記3種類の妊婦用靴と、ハイヒールをそれぞれ履き、(1)静立姿勢、(2)歩行姿勢、(3)歩行幅、(4)歩行安定性、(5)静立姿勢の安定性、(6)縦軸重心位置の変動について評価した。
妊婦用靴についての検証結果を表1、表2、表3に示す。ハイヒールについての検証結果を表3、表4、表5に示す。
被験者1は妊婦、被験者2は女性の会社員である。
(1)静立姿勢の評価
着靴時の静立姿勢の評価は、画像解析による立位姿勢角度から数量的に検証する。具体的には、着靴時の立位姿勢を前面と側面から撮影し、正しい姿勢、前傾姿勢、後傾姿勢を数量的に検証する。ここで、正しい立位姿勢とは、外側踵骨部を基点として垂直線を引き、膝部・腸骨稜・肩部(肩峰)・耳部(耳穴)が直線状に位置していることを言う。本検証では、外踝を基点した垂直線から前頭部までの角度が5.0度を正しい立位姿勢としている(表1、表4)。
(2)歩行姿勢の評価
着靴時の歩行姿勢の評価は、トレッドミルの速度を4.5[km/h]に設定した時の歩行状態を横から撮影し、片足支持状態の支持足を基点にした垂直線に対し、前頭部位置の角度(歩行姿勢角度)から検証した。
(3)歩行幅の評価
歩行幅の評価は、歩行姿勢の評価と同様に、トレッドミルの速度を設定し、歩行時の両足接地時の後足のつま先から、前足のつま先までの歩幅で数量的に検証した。
(4)歩行の安定性の評価
着靴歩行時の踵部接地状態から歩行の安定性を数量的に検証する。歩行時の踵部接地状態の測定は、(2)の歩行姿勢の評価と同様に速度を設定し、着靴歩行時の踵部接地状態を後方から撮影し、基準線に対する踵接地状態から数量的に検証した。
(5)静立姿勢の安定性の評価
静立姿勢の安定の評価は、正しい姿勢が確保できているかを、(イ)足底圧力分布図により左右の足の荷重差と、(ロ)縦軸重心位置から数量的に検証した(表2、表5)。具体的には、FPS(足底圧力測定装置:一画面)を用いて、静立時の足底圧力分布図から、足裏全体での立位姿勢が確保できているかを、(イ)左右の足の荷重差から検証した(表2、表5)。なお、足底圧力分布図の圧力値の範囲は、44[gf/cm2]から400[gf/cm2]に設定した。(ロ)縦軸重心位置は、踵(0%)からつま先(100%)までの縦軸重心位置から立位時の安定を数量的に評価するもので、最安定領域を48%〜53%としている(表2、表5)。
(6)歩行時の重心位置の変動の評価
歩行時の重心位置の変動は、足底圧力分布図から重心位置を算出し、踵接地から前足部での蹴り出しまでの重心位置の変動を数量的に解析して検証する。なお、圧力の測定範囲を、52[gf/cm2]から640[gf/cm2]に設定した。
A:妊婦用靴着靴時の評価結果(表1、表2、表3参照)
(A1)静立姿勢の評価結果
表1に示すように、比較例1の立位姿勢角度(平均)は5.9度、実施例1の立位姿勢角度(平均)は5.2度、実施例2の立位姿勢角度(平均)は4.3度であった。よって、実施例1の靴を履いた場合が最も基準値(5.0度)に近く、より安定した立位姿勢が確保できていると判断でき、評価「優」とした。実施例2は4.3度と少し棒立ち姿勢ではあるが、前傾し過ぎではないので「可」とした。比較例1は前傾し過ぎと判断し、「不可」と評価した。
Figure 0006975461
(A2)歩行姿勢の評価結果
表1に示すように、比較例1の立位姿勢角度(平均)は7.1度、実施例1の立位姿勢角度(平均)は6.4度、実施例2の立位姿勢角度(平均)は6.7度であった。よって、実施例1の靴が最も安定した歩行姿勢が確保できていると判断し、評価を「優」とした。実施例2は実施例1よりも少し前傾となるが、大きく前傾しないので、評価を「可」とした。しかし、比較例1は大きく前傾したので、評価を「不可」とした。
(A3)歩行幅の評価結果
直立に近い姿勢が保持できている場合、膝関節も伸展し大きな歩行幅が確保できる。それに比べ、前傾姿勢が深い場合は、身体全体が「くの字姿勢」なるため膝関節も伸びず歩行幅も小さくなる。
表1に示すように、着靴時の歩行幅は、歩行時の片足支持姿勢角度が最も小さかった実施例1の歩幅が65[cm]と最も大きく、次いで実施例2の歩幅が62[cm]、比較例1の歩幅が61[cm]であった。歩幅の評価結果は、実施例1を「優」、実施例2と比較例1を「可」とした。これにより、正しい姿勢の確保が広い歩幅につながることが伺える。
(A4)歩行の安定性の評価結果
歩行の安定性は、両足を揃えて立った時の中央線を基準として、歩行時の踵接地位置が、基準線に接地していることを安定とし、基準線から左右ズレていることを不安定として検証した。
検証結果は、被験者1の場合、比較例1の靴を履いた時のズレは2か所、実施例1の靴を履いた時は無、実施例2の靴を履いた時は4か所であった。
一方、被験者2の場合、比較例1の靴を履いた時のズレは4か所、実施例1の靴を履いた時は2か所、実施例2の靴を履いた時は5か所であった。
よって、評価結果は、実施例1が最も安定しているので「優」、次いで比較例1、最も左右にズレているのが実施例2であったが、比較例1と実施例2を「不可」とした。
(A5)静立時の安定性の評価
静立時の安定性は、足底圧力分布図から解析する静立時の安定は、左右の足荷重差が小さいこと、縦軸重心位置の数値から48%から53%の最安定領域に位置していることで評価した。
表2に示すように、評価結果は、比較例1の場合は左右荷重差が6.3%、実施例1の場合は2.4%、実施例2の場合が1.1%であった。
縦軸重心位置については、比較例1の場合が55%、実施例1の場合が50%、実施例2の場合が52.7%であった。
よって、実施例1と実施例2が最も安定した立位と判断し、共に「優」と評価した。しかし、比較例1は左右の足の荷重差が大きいので「不可」と評価した。
Figure 0006975461
(A6)縦軸重心位置の変動の評価
踵設地期から片足支持移行期、蹴り出し移行期(表3中の符号1〜8参照)において、歩行時の縦軸重心位置変動を、踵接地期から片足支持移行期、蹴り出し移行期の重心位置変動から評価した。
表3に示すように、片足支持期までは、比較例1、実施例1、実施例2について重心位置変動にはそれぞれ差は認められなかったが、蹴り出し移行期から蹴り出しまでの変動をみると、比較例1と実施例2に比べ、実施例1は、スムーズな重心位置の変動がみられ、また蹴り出しも靴先での蹴り出している(84.0%)ので、評価を「優」とし。実施例2もつま先で蹴り出している(79.2%)ので、評価を「可」とした。しかし、比較例1はつま先での蹴り出しが弱い(76.6%)ので、「不可」と評価した。
Figure 0006975461
B:ハイヒール着靴時の評価結果(表4、表5、表6参照)
ハイヒール着靴時の(B1)静立姿勢の評価、(B2)歩行姿勢の評価、(B3)歩行幅の評価、(B4)歩行の安定性の評価、(B5)静立時の安定性の評価、(B6)縦軸重心位置の変動の評価は、妊婦用靴の着靴時の評価(A1)〜(A6)と同様に行った。
(B1)静立姿勢の評価結果
静立姿勢の評価結果を表4に示す。
比較例2の立位姿勢角度は6.2度、実施例3は5.1度、実施例4は5.5度であった。よって、実施例3の靴を履いた時が最も基準値に近く、より安定した立位姿勢が確保できていると判断し、評価結果を「優」とした。
Figure 0006975461
(B2)歩行姿勢の評価結果
表4に示すように、比較例2の靴を履いた時の立位姿勢角度は6.1度、実施例3の靴を履いた時の立位姿勢角度は6.1度、実施例4の靴を履いた時の立位姿勢角度は6.2度であった。よって、実施例3の靴を履いた時が最も基準値に近く、より安定した歩行姿勢が確保できていると判断し、「優」と評価した。実施例4も基準値に近いので、「可」と評価した。しかし、比較例2は基準値から離れているので、「不可」と評価した。
(B3)歩行幅の評価結果
歩行幅の評価は、直立に近い姿勢が保持できている場合は、膝関節も伸展し大きな歩行幅が確保でき歩行効率も高い。それに比べ、前傾姿勢が深い場合は、身体全体が「くの字姿勢」なるため膝関節も伸びず歩行幅も小さくなることに基づいて判断した。
歩幅の評価結果は、歩行時の片足支持姿勢角度が最も小さかった実施例3の靴を履いた時の歩幅が62.5[cm]と最も大きく、次いで実施例4の靴を履いた時の歩幅が61[cm]、比較例2の靴を履いた時の歩幅が58.5[cm]であった。したがって、実施例3を「優」と評価し、実施例4と比較例2を「可」と評価した。このことより、正しい姿勢の確保が、広い歩幅につながる。
(B4)歩行の安定性の評価結果
歩行の安定性の評価結果は、被験者1の場合、比較例2の靴を履いた時のズレが1か所、実施例3の靴を履いた時が1か所、実施例4の靴を履いた時が3か所であった。被験者2の場合、比較例2の靴を履いた時のズレが5か所、実施例3の靴を履いた時のズレが4か所、実施例4の靴を履いた時のズレが5か所であった。これより、実施例3の靴を履いた時が最も安定していたので「優」と評価し、比較例2と実施例4は「不可」と評価した。
(B5)静立時の安定性の評価
表5に示すように、静立時の安定性の評価結果は、比較例2の靴を履いた場合の左右荷重差は8.7%、実施例3の靴を履いた時が1.1%、実施例4の靴を履いた時が1.8%であった。縦軸重心位置については、比較例2の靴を履いた時が63.8%、実施例3の靴を履いた時が62.6%、実施例4の靴を履いた時が65.3%であった。比較例2と実施例3と実施例4は縦軸重心位置に大きな差はないが、比較例2は左右荷重差が実施例3,4に較べて大きいので「不可」と評価し、実施例3、4を「優」と評価した。
Figure 0006975461
(B6)縦軸重心位置の変動の評価
表6に示すように、縦軸重心位置の変動の評価結果は、片足支持期までは比較例2、実施例3、実施例4の靴を履いた時の各重心位置変動には、それぞれ差は認められなかったものの、蹴り出し移行期から蹴り出しまでの変動をみると、比較例2と実施例4の靴を履いた時に比べ、実施例3の靴を履いた時はスムーズな重心位置の変動がみられ、また蹴り出しも靴先(番号8)で蹴り出している(83.1%)ので、実施例3を「優」と評価した。実施例4のつま先の蹴り出しは大きいので(78.1%)、「可」と評価したが、比較例2は蹴り出しが弱い(76.8%)ので、「不可」と評価した。
以上のような評価結果を総合的に判断すると、フラット中敷は「可」と判断される項目もあるが「不可」と評価され、5度中敷は「優」と評価され、10度中敷は「可」と評価される。
Figure 0006975461
上記実施例によれば、姿勢及び歩行が安定する結果、骨盤矯正の効果、O脚矯正の効果、内腿強化の効果(=ダイエット効果)及び妊婦にあっては早産防止の効果が得られる。
<実施形態>
次に、本発明を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1および図2において、靴101はいわゆるルームシューズで、左右一対の靴の一方である右足用を示している。靴101は靴底102とアーチ形状のアッパー(甲表)103により構成されている。靴底102は、中底104の裏面に本底105を接着剤により接着した構成としている。
図3に示すように、中底104は、例えば低反発素材により三次元立体形状に形成されている。中底104の上面をなす表面部104A表面形状は、前提技術の図6〜図8に示すインソール本体10の表面形状と同様の形状としている。すなわち、中底104の表面形状は、踵側の後端111が高く、土踏まず部112に向って表面がなだらかに下向きに傾斜し、つま先部114から先端113に向って上向きに傾斜している。
図3に示すように、左足用の中底104は、左側が左足の親指側となる内側115であり右側が左足の小指側となる外側116である。左足用の中底104は、つま先部114において、内側115の肉厚を外側116の肉厚よりも薄くし、幅方向(左右方向)において内側115の表面を外側116の表面よりも低くしている。
中底104は、表面の外周縁に沿って周壁部117が周囲を取り囲むように上方に向けて一体的に立設されてカップインソール形状を形成している。中底104は、表面部104Aと周壁部117が一体に形成され、足は周側面が周壁部117の内周面に包み込まれるように装着される。
図4に示すように、三次元立体形状に形成されたカップインソール形状の中底104は、図7に示すインソール本体10と同様に、つま先部114の表面が外側116から内側115に向けて傾斜角度θで下向きの傾斜面に形成されている。本実施形態において、傾斜角度θは5度としている。なお、傾斜角度θは5度に限定されるものではなく、つま先部114の表面において外側116が高く内側115が低い傾斜面に形成されていればよい。もちろん、右足用の中底についても同様である。
中底104において、つま先部114の内側115を外側116よりも低くすると、図5〜図8に示す前提技術のインソール本体10と同様に、左右の足の膝が内側に入り、太ももや腰等が引き締まる。その結果、立ち姿勢がよくなり、前屈みや反っくり返ったりすることがない。また歩幅が広くなる。このような効果が最も発揮される傾斜角度は5度であり、5度から10度の範囲でも同様の効果が得られる。もちろん、5度、4.7度以下でも0度でなければよく、要するに本実施形態の靴底2を備えた靴1を履くと、両膝が自然に内側に向く傾斜角度θであればよい。
本実施形態の靴1によれば、中底104のつま先部114において、表面部104Aに載る足指は、外側の小指側がから内側の親指側に向けて下がっている。必然的に親指には内側に向けた力が加わり、親指が接する周壁部117の内周壁面に当接し、反力で親指の指裏で中底104の表面部104Aを幅方向外側に向けて押す。しかし、本実施形態では、周壁部117と表面部104Aは一体に成形されているため、表面部104Aが幅方向外側に向けてズレ動くことはない。したがって、歩行時に足が左右方向にズレ動くことがないため、疲れを生じさせない。
すなわち、中底104の表面部104Aは、つま先部114が外側から内側に向け下向きに傾斜角度θで傾斜しているため、靴101を履くだけで、前提技術の中敷きを設けることなく姿勢及び歩行が安定し、歩行疲れを防止することができる。
本実施形態の靴底102は、中底104が本底105に接着され、底面が平坦面であるため、中底104は、前提技術のインソール本体10のように表面部104Aの外周縁が下向きに変形する変形量が少ない。しかし、本実施形態では、中底104は周壁部117が一体に成形されたカップインソールタイプの構造としているため、周壁部117により足指の幅方向の動きが阻止され、土踏まず部が表面部104Aに対して位置ズレを生じることなく所定位置にホールドされる。したがって、つま先部において、内側の親指と外側の小指が傾斜角度θで傾斜した表面部104Aに確実に当接する。
さらに、表面部104Aを後端111が高く、土踏まず部112に向って表面がなだらかに下向きに傾斜した作用により、靴101を履くとつま先部114の足裏全体に自然と体重圧が加わって、前屈みや反っくり返ったりすることなく直立姿勢となる効果が発揮される。このため、カップインソール形状を構成する周壁部117による足指のホールド作用を確実なものとする。したがって本実施形態の靴底102を備えた靴101を履けば、姿勢及び歩行が安定し、歩行疲れを防止することができる。
特に、靴101としてルームシューズに適用すると、室内での立ち仕事の際に立ち姿勢が良くなり疲れにくくなる。
本実施形態では靴101の形態をルームシューズとしているがスニーカー、ハイヒール、ゴルフシューズなどの運動用シューズ、妊婦用シューズ、通勤用の靴等の靴に適用することができる。
1…中敷、 2…靴本体、 10…インソール本体部、 101…靴、 2,102…靴底、103…アッパー、104…中底、105…本底、104A…表面部、 11,111…後端、12,112…土踏まず部、 13,113…先端、 14,114…つま先部、 15,115…内側、16,116…外側、117…周壁部、 20…上生地部、 21…基部、 22…生地 θ…傾斜角度

Claims (4)

  1. 中底の裏面に本底が固定された靴底であって、
    前記中底は、表面部の外周縁を周壁部により取り囲んだカップインソール形状に形成されていて、つま先部の内側が外側よりも高さが低く形成され、前記つま先部の表面が外側から内側に向けて下向きに傾斜する傾斜面に形成され、前記中底の表面は、踵側の後端が高く、前記踵側の後端から土踏まず部に向けてなだらかに下向きに傾斜する傾斜面に形成され、前記中底の横断面が、前記土踏まず部から踵部の間で表面が下向きに凹の湾曲形状に形成されていることを特徴とする靴底。
  2. 請求項1において、
    前記つま先部の傾斜面の傾斜角度は、10度以下であることを特徴とする靴底。
  3. 請求項2において、
    前記つま先部の傾斜面の傾斜角度は、4.7度以上であることを特徴とする靴底。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の靴底と、足の甲を覆うアッパーとを有することを特徴とする靴。
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