JP6978065B2 - 動物用履物 - Google Patents
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Description
この従来技術では、厚さが1〜8mm程度の熱可塑性エラストマー製の犬用ソックスが開示されている。
しかしながら、犬や猫は、足裏の肉球に体温調整のための汗腺を有するため、履物を足に装着した際に、汗をかくと、履物内部で湿度および温度が上昇し、いわゆる蒸れが生じるおそれがある。
加えて、履物の脱着の際に、着脱用開口部が足により塞がった状態になると、履物内部の空気の出入をスムーズに行うことができなくなる。すなわち、熱可塑性エラストマーなどの気密性を有した弾性体は、伸縮性に優れるため、履物は足のサイズよりも相対的に小さいものを用い、履物を伸長させて装着することで、足と履物との密着性を高め、装着性を高めるのが一般的である。
逆に、履物を脱がせる際には、足により着脱用開口部が塞がった状態では、履物から足を引き出した体積分の空気を履物内にスムーズに導入するのが難しく、内部が負圧になって足と履物とが密着した状態が維持され、履物を脱がす作業に手間取る場合がある。
また、通気孔の外側開口部を、ソール部の側面に設けているため、ソール部の下面に設けたものと比較して、水の浸入を抑制でき、かつ、走歩行時に、外側開口部が塞がることがなく、通気性を確保できる。
さらに、本開示の動物用履物を足に履かせる際には、履物内部へ足を進入させて着脱用開口部が塞がっても、足の進入分の体積の空気を通気孔から外部に排出することができる。したがって、履物内部が高圧になることが無く、動物用履物をスムーズに装着できる。
一方、足に装着した動物用履物を脱がせる際には、着脱用開口部が塞がっていても、着脱用開口部から足を抜き出し分の体積の空気は、通気孔から履物内部に進入し、履物内部が負圧になることは無い。したがって、動物用履物を動物の足からスムーズに脱がせることができる。
(実施の形態1)
図1Aおよび図1Bは実施の形態1における動物用履物としてのシューズSを示す斜視図であり、図1Aは、斜め前方(挿入する足Fのつま先の方向を前方(矢印RR方向)とする)から見た図であり、図1Bは斜め後方から見た図である。また、図2は、シューズSの縦断面図である。なお、図において矢印FRの方向を前方、矢印RRの方向を後方、矢印UPの方向を上方、矢印LSの方向を左方向、矢印RSの方向を右方向とする。また、図1A,図1Bを含み、各図に表された細線は、いずれも立体表面の形状を特定するためのものである。
キャップ部21は、動物Dの足Fの足先FTの上面および左右側面を覆うもので略半円アーチ状に形成されている。
爪部11aは、それぞれ、前後方向の切断面での断面形状が下方に凸の山形状に形成され、前側底部10aに配置された爪部11aは、後側底部10bに配置された爪部11aよりも、左右方向の幅が狭く形成され、かつ、前後方向の間隔が広く確保されている。
通気孔13は、図7、図9に示すように、横孔部13aと縦孔部13bとを備える。
横孔部13aは、左右方向にソール部10を横切って貫通され、ソール部10の左右両側面に外側開口部13c,13cを備える。また、横孔部13aは、ソール部10の左右の幅方向の中央から外側開口部13cに向かうに連れて、前後方向寸法および上下方向寸法が徐々に大きくなる形状に形成されている。
シューズSは、ゴム弾性を有するとともに、常温で液体の炭化水素油50を含有した図11に示すエラストマー60によって形成されている。なお、図11はシューズSのソール部10の成分を模式的に示す拡大断面図である。
次に、実施の形態1のシューズSの作用を説明する。
まず、着脱のスムーズ性の必要性、通気性の必要性、足裏の保湿および保護の必要性について説明する。そして、実施の形態1のシューズSの作用を「着脱のスムーズ性」「シューズの通気性」「足裏保湿作用」、「足裏保護作用」に分けて説明する。
多くの動物Dは足Fを触られることを嫌がるものであり、特に、初めてシューズSを履かせる場合には、これを嫌がることが多い。
したがって、動物DにシューズSを履かせる場合、短時間でスムーズに履かせることが可能なものが好ましい。
犬や猫などは、肉球にエクリン腺と呼ばれる体温調節を行う汗腺を有する。したがって、犬や猫などの動物は、体温が上昇すると肉球から汗をかく場合がある。
よって、シューズSの装着時に、肉球から汗をかいた場合、シューズSの外部に円滑に湿気および熱を排出可能なものが好ましい。
犬や猫などの動物Dの足先FTは、一般的に爪を有する指部と、肉球と呼ばれる皮膚が露出した部分からなり、足先FTの接地面(足裏)のほとんどは肉球である。この肉球は、運動時のクッション的な役割を担い、運動時の衝撃を吸収して足Fの骨や関節などを守ったり、汗によって肉球を湿らせてすべり止めの役割を果たしたりする。
よって、足裏Faの乾燥を防ぎ、かつ、保護することが重要となる。
「着脱のスムーズ性」
シューズSは、キャップ部21の上面に対して胴部22が、略一直線上に傾斜し、着脱用開口部22aが、シューズ内部空間30の最奥端部31と、ほぼ一直線上に配置されて着脱用開口部22aが最奥端部31の正面に臨んで配置されている。
実施の形態1のシューズSは、伸縮性に富むため、足Fに対して小さめのサイズのシューズSを選び、足Fに対する密着性(フィット性)を高めた状態で履かせるのが好ましい。つまり、密着性(フィット性)を高く履かせることにより、歩行時に、足Fに対してシューズSが相対移動しにくく、歩行性に優れる。
本実施の形態1のシューズSは、シューズ内部空間30は、通気孔13を介してシューズ外部と連通しているため、着脱用開口部22aが塞がれた場合でも、足Fをシューズ内部空間30に挿入した体積分の空気は、通気孔13からスムーズにシューズ外部に抜ける。
次に、シューズSを履いての走行時・歩行時について説明する。
シューズSのソール部10は、前側底部10aと後側底部10bとの間に段差部10cを有する。このため、シューズSを履いての動物Dの走行時・歩行時には、動物Dの足先FTが前後に移動しにくく、走行性、歩行性に優れる。詳細には、動物Dの肉球のうち掌球部分の後端が、段差部10cの前に配置されるサイズのシューズSを履かせることで、掌球部分が段差部10cに引っ掛かり、足先FTがソール部10に対して前後移動するのを抑制できる。
シューズSを履いての動物Dの走行時・歩行時には、アッパ部20がソール部10に対して、前後方向に弾性変形し、この弾性変形に伴って、シューズ内部空間30の容積変化が生じる。そして、この容積変化分の空気が、通気孔13を介して、シューズ内部空間30とシューズ外部とで出入りし、シューズ内部空間30の換気が行われる。
しかしながら、本実施の形態1では、通気孔13の外側開口部13cを、ソール部10の側面に設けているため、内側開口部13dから真下のソール部10の下面11に開口したものと比較すると、シューズ内部空間30への水の浸入を抑制することができる。
実施の形態1のシューズSに動物Dの足Fを差し込み、このシューズSを動物Dの足Fに装着すると、図2に示すように、足裏Faの肉球がソール部10の上面12に接触する。そして、動物Dは、走行時・歩行時に、足裏Fa(肉球)によってソール部10の上面12を踏みしめることになる。
実施の形態1のシューズSでは、ソール部10が、炭化水素油50を含有したエラストマー60によって形成されている。ここで、エラストマー60は、弾力性に富み圧縮性が高いという性質を有している。そのため、容易に変形が可能であり、足裏Faへの衝撃を吸収することができて足裏Faを保護することができる。
以下に、実施の形態1の動物用履物としてのシューズSが奏する効果を列挙する。
(1) 実施の形態1のシューズSは、
弾性体により形成されて、動物Dの足裏Faを支持するソール部10と、ソール部10の周縁部に連続して形成され、足Fを包み込むアッパ部20と、を有したシューズSであって、
ソール部10に、ソール部10の側面に開口された外側開口部13cと、ソール部10の上面12に開口された内側開口部13dとを有する通気孔13が設けられているシューズである。
したがって、走行時・歩行時のシューズSの弾性変形に伴う、シューズ内部空間30の容積変化に伴い、シューズ内部空間30の空気が、通気孔13を介して出入し換気を行う。これにより、シューズSを装着した動物Dが、足裏Faの肉球部分に汗をかいても、シューズ内部空間30の湿度、温度が高くなりにくい。
よって、良好なシューズ内部空間30の環境を得ることができる。
加えて、内側開口部13dをソール部10の上面12に設けているため、肉球部分で汗をかいた場合の湿気の排出性能に優れる。
さらに、内側開口部13dをソール部10の上面12に設けているにも関わらず、外側開口部13cはソール部10の側面に設けている。このため、この外側開口部13cをソール部10の下面11に設けた場合のように、走行時・歩行時に、外側開口部13cが塞がることが無く、通気性を良好に保つことができる。
通気孔13は、ソール部10を横方向に貫通し、両端に外側開口部13cを有する横孔部13aと、横孔部13aから上方に延在されて上面12に内側開口部13dを有する縦孔部13bと、を備える。
したがって、内側開口部13dを上面12に設け、外側開口部13cをソール部10の側面に設けた複雑な形状であるにもかかわらず、通気孔13を直線的な2方向からの孔で形成することができ、型成形を容易に行うことができる。
ソール部10は、通気孔13とは別に、ソール部10を横方向に延在されて、ソール部10の側面に開口を有し、ソール部10の内部とは遮断されたクッション用孔14を備える。
したがって、クッション用孔14を備えないものと比較して、ソール部10の柔軟性を高くでき、動物Dの保護性能を高めることができる。
ソール部10は、つま先側の前側底部10aの厚さよりも、つま先とは反対側のウシと後側底部10bの厚さが厚く形成されて、ソール部10の上面12を横断して段差部10cが形成されている。
したがって、走行時・歩行時に、動物Dの足Fの裏面が、段差部10cに対して前後方向に係合することで、ソール部10の上面12に対して、前後方向に移動しにくい。よって、走行時・歩行時に、足Fがソール部10の上面12に対して足が前後に移動するものと比較して、走行時・歩行時の安定性に優れる。
通気孔13およびクッション用孔14は、後側底部10bに形成されている。
通気孔13およびクッション用孔14を、相対的に厚さの厚い後側底部10bに設けたため、通気孔13およびクッション用孔14の断面積を確保し、通気性およびクッション性を確保しやすい。
アッパ部20は、ソール部10のつま先側を覆うキャップ部21と、このキャップ部21に連続してソール部10の後部から筒状に延在され、先端に着脱用開口部22aを有する胴部22と、を備え、
胴部22は、着脱用開口部22aが、シューズ内部空間30の最奥端部31に臨むように傾斜されている。
胴部22の着脱用開口部22aからシューズ内部空間30の最奥端部31とが、直線状に配置されるため、動物Dの足Fを、着脱用開口部22aから最奥端部31まで直線的に移動させることができ、シューズSの着脱操作性に優れる。
胴部22に、プルストラップ22bを備える。
したがって、シューズSを動物Dの足Fに着脱する際に、胴部22の引き上げ操作、引き下げ操作が容易であり、着脱操作性に優れる。
弾性体としてエラストマー60が用いられている。
したがって、シューズSの柔軟性を確保でき、動物Dの足Fへの密着性を確保しやすい。そして、このように、密着性が高い場合、通気性の確保が課題となるが、上記(1)に記載したように良好な通気性を得ることができる。
エラストマー60には、常温で液体の炭化水素油50が含有されている。
これにより、動物Dの体表面(足裏Fa)を保護しつつ、容易に保湿することができる。
また、エラストマー60から浸み出した炭化水素油50によって、ソール部10の下面11の滑りを防止することができる
エラストマー60は、天然ゴム、スチレンエラストマー、オレフィンエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、アクリルエラストマーおよびシリコーンエラストマーからなる群から選択される少なくとも一種である構成とした。
これにより、エラストマー60がゴム弾性を有し、動物Dへの衝撃を吸収して、適切に保護することができる。
炭化水素油50は、流動パラフィン、スクワランおよびスクワレンからなる群から選択される少なくとも一種である構成とした。
これにより、炭化水素油50が常温で液体状を保ち、保湿機能を有することで、エラストマー60から徐々に浸み出して動物Dの体表面の保湿を適切に行うことができる。
次に、本開示の他の実施の形態について説明する。
なお、他の実施の形態を説明するのにあたり、共通する構成物には共通する符号を付して説明を省略する。
図13〜図15に示す実施の形態2のシューズSBについて説明する。
このシューズSBは、実施の形態1のシューズSとは大きさが異なり、相対的に小さな動物用のものである。
さらに、アッパ部20は、胴部22の着脱用開口部22aが、シューズ内部空間30の最奥端部(先端部)31に臨むように傾斜した例を示したが、その形状はこれに限定されず、特許文献1に記載のもののように、ソール部に対して胴部が直立、あるいはそれに近い角度としてもよい。
10a 前側底部
10b 後側底部
10c 段差部
12 上面
13 通気孔
13a 横孔部
13b 縦孔部
13c 外側開口部
13d 内側開口部
14 クッション用孔
20 アッパ部
21 キャップ部
22 胴部
22a 着脱用開口部
30 シューズ内部空間
31 最奥端部
50 炭化水素油
60 エラストマー
D 動物
F 足
Fa 足裏
FT 足先
S (実施の形態1の)シューズ
SB (実施の形態2の)シューズ
Claims (8)
- 弾性体により形成されて、動物の足の裏を支持するソール部と、前記ソール部の周縁部に連続して形成され、前記足を包み込むアッパ部と、を有した動物用履物であって、
前記ソール部に、前記ソール部の側面に開口された外側開口部と、前記ソール部の上面に開口された内側開口部とを有する通気孔が設けられている動物用履物。 - 請求項1に記載された動物用履物において、
前記通気孔は、前記ソール部を横方向に貫通し、両端に前記外側開口部を有する横孔部と、前記横孔部から上方に延在されて前記上面に前記内側開口部を有する縦孔と、を備える動物用履物。 - 請求項1または請求項2に記載された動物用履物において、
前記ソール部は、前記通気孔とは別に、前記ソール部を横方向に延在されて、前記ソール部の側面に開口を有し、シューズ内部空間とは遮断されたクッション用孔を備える動物用履物。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の動物用履物において、
前記ソール部は、つま先側の前側底部の厚さよりも、前記つま先とは反対側の後側底部の厚さが厚く形成されて、前記上面を横断して段差部が形成されている動物用履物。 - 請求項3に従属する請求項4に記載の動物用履物において、
前記通気孔および前記クッション用孔は、前記後側底部に形成されている動物用履物。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の動物用履物において、
前記アッパ部は、前記ソール部のつま先側を覆うキャップ部と、このキャップ部に連続して前記ソール部の後部から筒状に延在され、先端に着脱用開口部を有する胴部と、を備え、
前記胴部は、前記着脱用開口部が、シューズ内部空間の先端部に臨むように傾斜されている動物用履物。 - 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の動物用履物において、
前記弾性体としてエラストマーが用いられている動物用履物。 - 請求項7に記載の動物用履物において、
前記エラストマーには、常温で液体の炭化水素油が含有されている動物用履物。
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