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JP6985066B2 - 折板屋根の補強具 - Google Patents
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Description

本発明は、工場や倉庫、大型店舗などの大面積の屋根において幅広く使用される折板屋根の、軒先やケラバを補強するのに好適な補強具に関するものである。
折板屋根は、本来、鋼板コイルを素材として、これを製造工場および施行現場に設置されたロール成形機で所望の形状、長さに成形された屋根材を使用して葺きあげられるものであって、施工性、耐風圧強度、止水性を経済的に確保できる屋根として広く普及している。
折板屋根材は、具体的には、溝部の底壁を形成する底板と、該底板から立ち上がる側板と、該側板の上端部につながり、山部の頂壁を形成する山板とを備えたもので構成されており、該山板に設けられた上ハゼ、下ハゼの如き係合手段によって屋根材同士を相互につなぎ合わせる仕組みになっている。
ところで、この種の折板屋根は、暴風時には屋外の気圧が低下し上方へ膨らむ負圧荷重が作用する。通常のハゼ折板は隣接する山の中央で固定支持されており、側板および底板の外面への膨らみ変形が大きく、さらに先端部においては、はね出し状態で支持されているため、ハゼ締めされた接合部が変形し開いて飛散するおそれが大きくなる。
この点に関する先行技術として、例えば、特許文献1には、折板屋根の係合部に上から被さる包囲部と、該包囲部の両下端に形成される接地部と、該包囲部またはその近傍に形成あるいは備えられ、係合部に係止する係止手段とを有する折板屋根用補強金具が提案されている。
特開2000−345662号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された補強金具は、ハゼ部を左右で係止するものを前提としており、ハゼ形状が丸型に限定されることから適用範囲が狭い。また、補強金具は、折板屋根のハゼ部に面接触で支持される構造になっているものの、例えば、積雪時には、雪により補強金具が押されてしまい簡単に位置ずれを起してしまう不具合があるうえ、位置ずれを起した際に屋根材の外表面に施された塗膜を損傷させてしまうおそれがある。さらに、金具が複数部材にて構成されており、それそのもののコストの低減を図るにも限界があり、しかも、簡便な取り付け作業が実施できるとはいい難い。
本発明の目的は、折板屋根、とくに、その軒先やケラバを、折板屋根材の係合形式の違いに係わらず、簡単かつ確実に補強できる構造の簡素化された補強具を提案するところにある。
本発明は、溝部の底壁を形成する底板と、該底板につながり、該底板から立ち上がる側板と、該側板の上端部につながり、山部の頂壁を形成する山板とを備えた折板屋根材の複数枚をそれぞれ幅方向に沿い横並び配列するとともに、それら折板屋根材の山板同士を相互に係合させることにより構築された折板屋根につき、その折板屋根の軒先および/またはケラバの跳ね出し部を補強する補強具であって、
前記山板の裏面側で、該山板の幅方向に沿って配置されるか、または、ケラバの跳ね出し部に設けられるケラバ包み板の天板部の裏面側に配置される天面板と、該天面板の両端にそれぞれ片持ち状態で垂下保持され、隣接配置される折板屋根材の一方の折板屋根材の前記側板ともう一方の折板屋根材の前記側板の裏面側で、側板の全体もしくは一部分でそれに沿ってそれぞれ配置されるか、または、該ケラバ包み板の外板部の裏面側および内板部の裏面側に位置する折板屋根材の前記側板の裏面側にそれぞれ配置される一対の垂下板とを備え、
一対の垂下板は、隣接配置される折板屋根材の一方の折板屋根材の前記側板ともう一方の折板屋根材の前記側板の各端縁から廻り込んでそれぞれの側板の表面側に位置するか、または、該ケラバ包み板の外板部の端縁から廻り込んで該外板部の表面側に位置するとともに、内板部の端縁から廻り込んで該内板部の表面側に位置する舌片を有し、該舌片は、弾性的な変位が可能で、かつ、前記側板を前記垂下板との間にて挟持するか、または、前記外板部および前記内板部と前記側板とを前記垂下板との間にて挟持するクリップ片であることを特徴とする折板屋根の補強具である。
上記の構成からなる補強具において、前記舌片は、その端部に、該側板の外表面または該外板部、内板部の外表面から離れる向きに屈曲された屈曲部を有すること、
前記天面板および前記垂下板は、一方の垂下片から他方の垂下片に向けて伸延する少なくとも一本のリブを有すること、
さらに、前記垂下板および前記舌片は、相互において連通する少なくとも一つの貫通開孔をそれぞれ有すること、が課題解決のための具体的手段として好ましい。
本発明の折板屋根の補強具は、折板屋根材の裏面側(内側)に配置されて該折板屋根を補強するので、折板屋根材の係合形式の違いに係わらず折板屋根の補強が可能となる。
また、本発明の折板屋根の補強具は、舌片のみが折板屋根の外表面に位置するだけなので補強金具が簡単に位置ずれを起すことがない。
また、本発明の折板屋根の補強具は、単一部材で構成されており、補強具の構造の簡素化が可能であるとともに取り付け作業を簡便に行い得る。
折板屋根を構築するのに用いて好適な折板屋根材の一例を模式的に示した外観斜視図である。 図1に示した折板屋根材を用いて折板屋根を構築した状態を部分的に示した図である。 本発明にしたがう折板屋根の補強具の実施の形態を模式的に示した外観斜視図である。 図3に示した折板屋根の補強具の正面を示した図である。 図3に示した折板屋根の補強具の平面図である。 図3に示した折板屋根の補強具の右側面図である。 図3に示した折板屋根の補強具の底面図である。 図3に示した折板屋根の補強具の背面図である。 図5のA−A断面を示した図である。 図6のB−B断面を示した図である。 本発明にしたがう折板屋根の補強具の使用状況を示した図である。 図11の正面を示した図である。 図11の平面を示した図である。 図11の右側面を示した図である。 本発明にしたがう折板屋根の補強具の固定要領の説明図である。 折板屋根材の浮き上がり状況の説明図である。 本発明にしたがう折板屋根の補強具を製造するのに適した板状体の平面形状を示した図である。 発明にしたがう折板屋根の補強具の適用例を示した図である。 本発明にしたがう折板屋根の補強具の適用例を示した図である。 本発明にしたがう折板屋根の補強具の適用例を示した図である。 本発明にしたがう折板屋根の補強具のケラバにおける適用例を示した図である。 図21の正面を示した図である。 図22の平面を示した図である。 図22の右側面を示した図である。 ケラバ包み板のみをその正面について示した図である。
以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
図1は、折板屋根を構築するのに用いて好適な折板屋根材の一例を模式的に示した外観斜視図であり、図2は、図1に示した折板屋根材を屋根の下地材(既設鉄骨等)に設置されたタイトフレームに設置して折板屋根を構築した状態を部分的に示した図である。本発明では、補強具の説明を行う前に、折板屋根材とは、具体的にどのようなものであるかについてまず説明する。
図1、図2における符号1は、厚さ0.6〜1.0mmからなる、例えば溶融亜鉛めっき鋼板やカラー鋼板等の防錆処理鋼板、あるいはステンレス鋼板、アルミニウム合金板、亜鉛板等を、ロール成形、プレス成形によって成形される定尺の折板屋根材である。
折板屋根材1は、矩形形状を有する平坦な板状体からなり、溝部の底壁を形成する底板1aと、該底板1aの幅方向の端部でその全長にわたって一体的につながり幅方向外方へ向けて角度をもって立ち上がる側板1b、1cと、該側板1b、1cの上端部に一体連結して山部の頂壁を形成する山板1d、1eと、該山板1d、1eに設けられた上ハゼ1f、下ハゼ1g(角ハゼ)とを備えたもので構成されている。
上記の折板屋根材1は、それらの複数枚を、図2に示すように、折板屋根材の固定用タイトフレーム2(波形形状をなす部材)の上に横並び状態で配列し、折板屋根材1の上ハゼ1f、下ハゼ1gを、隣接配置される折板屋根材1との間で相互に巻き締めするとともに、吊子(図示せず)を介してタイトフレーム2に固定されるものであって、該折板屋根材1によって構築された折板屋根は、溝部(凹部)Mと山部(凸部)Yが交互に連なった波形形状を呈するものとなる。なお、図2は、二枚の折板屋根材1をつなぎ合わせた折板屋根の軒先を例として示している。
図3は、上記の折板屋根材1によって構築された折板屋根の補強に使用する、本発明にしたがう補強具の実施の形態を模式的に示した外観斜視図である。
また、図4は、図3に示した補強具の正面を示した図であり、図5は、図3に示した補強具の平面を示した図、図6は、図3に示した補強具の右側面を示した図、図7は、図3に示した補強具の底面を示した図、図8は、図3に示した補強具の背面を示した図である。さらに、図9は、図5のA−A断面を示した図であり、図10は、図6のB−B断面を示した図であり、図11は、本発明にしたがう補強具を折板屋根の軒先に取り付けた状態を示した外観斜視図であり、図12は、図11の正面を示した図、図13は、図11の平面を示した図であり、図14は、図13の右側面を示した図である。
なお、本発明にしたがう折板屋根の補強具は、例えば厚さが2.5mm程度の薄鋼板にて構成されたものが用いられるが、その厚さや材質については適宜変更することができる。また、補強具は、基本的には、折板屋根の軒先の各山部あるいは屋根端部のケラバにそれぞれ取り付けることにより折板屋根の補強を行う。折板屋根は、既存の折板屋根、新築の折板屋根のいずれをも含むものとする。
図3〜14における符号3は、山板1d、1eの裏面側で、該山板1d、1eの幅方向に沿って配置される天面板、4a、4bは、天面板3の両端にそれぞれ片持ち状態で垂下保持され、側板1b、1cの裏面側で、該側板1b、1cの上側部分(この例では全長の略1/3程度の領域)でそれに沿って配置される垂下板、5a、5bは、垂下板4a、4bに一体連結する舌片である。
舌片5a、5bは、側板1b、1cの端縁から廻り込んで側板1b、1cの表面側に位置するもので構成されており、好ましくは、弾性的な変位が可能で、かつ、側板1b、1cを垂下板4a、4bとの間にて挟持するクリップ片とするのがよく、その端部には、側板1b、1cの挟み込みを容易にするとともにすり疵の発生を防止するため、側板1b、1cの外表面から離れる向きに屈曲された屈曲部5a1、5b1が設けられている。なお、垂下板4a、4bの長さL(図4参照)は、側板1b、1cの長さと同じ長さにできるが、垂下板4a、4bの長さLが側板1b、1cと同じ長さになると、補強具のサイズが大きくなり、また、重量も増すことになるので、側板1b、1cの長さの1/3程度とするのが好ましい。
また,6は、一方の垂下板4aから天面板3を経て他方の垂下板4bに向けて伸延するリブである。リブ6を設けることによって補強具そのものの剛性を高めることができる。リブ6は、補強具を所定の形状に成形したのち、プレス成形することによって形成される。その本数は、必要に応じて増減可能であり、図示のものに限定されることはない。なお、リブ6をプレス成形によって形成した場合、リブ6が形成された反対側の面には、該リブ6と同じサイズになる溝部が形成される。
また、符号7a、7bは、舌片5a、5bに設けられた貫通開孔、8a、8bは、垂下板4a、4bに設けられた貫通開孔である。貫通開孔7a、7bのうち貫通開孔7aは、貫通開孔8aに連通しており、貫通開孔7bは、貫通開孔8bに連通している。貫通開孔7a、8a、貫通開孔7b、8bにそれぞれ側板1b、1cを貫通するドリルネジをねじ込むことにより補強具は、折板屋根材に強固に固定される。貫通開孔7a、7b、8a、8bを設けた場合にあっては、該貫通開孔7a、7b、8a、8bの内側内で治具を用いて側板1b、1cを図15に示すように押し出し変形(カシメ)させてもよく、これによっても補強具を折板屋根材に固定することができる。
通常、この種の折板屋根では、強風時等において折板屋根材に負圧が作用した場合に、図16に示すように、折板屋根材には、該折板屋根材が係合部(上ハゼ1f、下ハゼ1g)を起点にして回転する状況におかれることもあり、とくに折板屋根の軒先(折板屋根材が500mm程度張り出している)やケラバにおいては屋根材が浮き上がり変形を起したり、折板屋根材の係合部分が解除される懸念があることは前述したとおりであるが、本発明にしたがう補強具は、折板屋根材の山部Yの裏側面で側板1b、1cを押さえ込むようになっているため、負圧による影響を確実に防止することができる。
本発明にしたがう補強具は、図17に示すような形状に切り出した板状体に曲げ加工を施すことによって製造される、単一部材からなるものであって、構造が簡素化されているだけでなく、取り付け作業もしやすい利点を有している。
リブ6は、板状体の曲げ加工を終えたのち、プレス成形を施すことによって成形されるが、例えば、棒状部材を溶接等によって接合してもよく、この点についてはとくに限定されない。
本発明にしたがう補強具は、上掲図1、2、図11〜14に示したような角ハゼを備えた折板屋根材のみならず、図18に示すような丸ハゼ7を備えた折板屋根材、図19に示すような、嵌合式のキャップ8を備えた折板屋根材あるいは図20に示すような重ね合わせ部9を形成して屋根材を相互につなぎ合わせる折板屋根材への適用が可能であり、いずれの折板屋根材においても軒先やケラバを確実に補強できる。
図21は、折板屋根のケラバにおける適用例を示した外観斜視図であり、図22は、図21の正面を示した図であり、図23は、図22の平面を示した図であり、図24は、図22の右側面を示した図であり、さらに、図25は、ケラバ包み板のみをその正面について示した図である。
折板屋根の端部にあたるケラバでは、補強具の天面板3をケラバ包み板10の外板部10aの内側まで延長するとともに、補強具の垂下板4a、4bのうちの垂下板4a(舌片5aを含む)は、外板部10aと同様に垂直状態に変更される。なお、図21において符号10bは、外板部10aの上端につながるケラバ包み板10の天板部、10cは、天板部10bにつながる内板部である。
本発明によれば、簡素化された構造からなり、簡便な作業のもとで折板屋根の軒先やケラバの補強が可能な補強具が提供できる。
1 折板屋根材
1a 底板
1b、1c 側板
1d、1e 山板
1f 上ハゼ
1g 下ハゼ
2 タイトフレーム
3 天面板
4a、4b 垂下板
5a、5b 舌片
6 リブ
7 丸ハゼ
8 キャップ
9 重ね合わせ部
10 ケラバ包み板
10a 外板部
10b 天板部
10c 内板部
M 溝部
Y 山部

Claims (4)

  1. 溝部の底壁を形成する底板と、該底板につながり、該底板から立ち上がる側板と、該側板の上端部につながり、山部の頂壁を形成する山板とを備えた折板屋根材の複数枚をそれぞれ幅方向に沿い横並び配列するとともに、それら折板屋根材の山板同士を相互に係合させることにより構築された折板屋根につき、その折板屋根の軒先および/またはケラバの跳ね出し部を補強する補強具であって、
    前記山板の裏面側で、該山板の幅方向に沿って配置されるか、または、ケラバの跳ね出し部に設けられるケラバ包み板の天板部の裏面側に配置される天面板と、該天面板の両端にそれぞれ片持ち状態で垂下保持され、隣接配置される折板屋根材の一方の折板屋根材の前記側板ともう一方の折板屋根材の前記側板の裏面側で、側板の全体もしくは一部分でそれに沿ってそれぞれ配置されるか、または、該ケラバ包み板の外板部の裏面側および内板部の裏面側に位置する折板屋根材の前記側板の裏面側にそれぞれ配置される一対の垂下板とを備え、
    一対の垂下板は、隣接配置される折板屋根材の一方の折板屋根材の前記側板ともう一方の折板屋根材の前記側板の各端縁から廻り込んでそれぞれの側板の表面側に位置するか、または、該ケラバ包み板の外板部の端縁から廻り込んで該外板部の表面側に位置するとともに、内板部の端縁から廻り込んで該内板部の表面側に位置する舌片を有し、該舌片は、弾性的な変位が可能で、かつ、前記側板を前記垂下板との間にて挟持するか、または、前記外板部および前記内板部と前記側板とを前記垂下板との間にて挟持するクリップ片であることを特徴とする折板屋根の補強具。
  2. 前記舌片は、その端部に、該側板の外表面または該外板部、内板部の外表面から離れる向きに屈曲された屈曲部を有することを特徴とする請求項1に記載した折板屋根の補強具。
  3. 前記天面板および前記垂下板は、一方の垂下片から他方の垂下片に向けて伸延する少なくとも一本のリブを有することを特徴とする請求項1または2に記載した折板屋根の補強具。
  4. 前記垂下板および前記舌片は、相互において連通する少なくとも一つの貫通開孔をそれぞれ有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載した折板屋根の補強具。
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