以下、本発明を詳細に説明する。なお、以下の記載は本発明の実施形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらに特定されない。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル及び/又はメタクリル」を意味するものとし、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート及び/又はメタクリレート」を意味するものとし、また、「全固形分」とは、感光性樹脂組成物における溶剤以外の全成分を意味するものとする。さらに、本発明において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本発明において、「(共)重合体」とは、単一重合体(ホモポリマー)と共重合体(コポリマー)の双方を含むことを意味し、また、「(酸)無水物」、「(無水)…酸」とは、酸とその無水物の双方を含むことを意味する。
本発明において、「多塩基酸(無水物)」とは、「多塩基酸及び/又は多塩基酸無水物」を意味する。
本発明において、重量平均分子量とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)をさす。
本発明において、隔壁材とはバンク材、壁材、ウォール材をさし、同様に、隔壁とはバンク、壁、ウォールをさす。
また本発明において、発光部とは電気エネルギーを与えた場合に光を放出する部分をさす。
本発明において、化学式中の*は結合手を表す。
[1]隔壁形成用感光性樹脂組成物
本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物は、(A)エチレン性不飽和化合物、(B)光重合開始剤及び(C)アルカリ可溶性樹脂を含有する隔壁形成用感光性樹脂組成物であって、前記隔壁形成用感光性樹脂組成物の酸価が全固形分に対して20mgKOH/g以上であり、かつ前記(C)アルカリ可溶性樹脂が、後述の一般式(1)で表される部分構造を有するアルカリ可溶性樹脂(c)を含有することを特徴とする。必要に応じてさらにその他の成分を含んでいてもよく、例えば(D)撥液剤や、連鎖移動剤や、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。
本発明において隔壁とは、例えば、アクティブ駆動型有機電界発光素子における機能層(有機層、発光部)を区画するためのものであり、区画された領域(画素領域)に機能層を構成するための材料であるインクを吐出、乾燥することで、機能層及び隔壁からなる画素等を形成させていくために使用されるものである。
[1-1]隔壁形成用感光性樹脂組成物の成分および組成
本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物を構成する成分およびその組成について説明する。
本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物(以下、単に「感光性樹脂組成物」という場合がある)は、(A)エチレン性不飽和化合物、(B)光重合開始剤及び(C)アルカリ可溶性樹脂を含有し、さらに通常は、溶剤も含有する。また、本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物は、撥液性の隔壁を形成するために用いることが好ましく、係る観点からは(D)撥液剤を含有することが好ましく、また、前記(A)~(C)成分として撥液剤としての作用を示すものを用いてもよい。
[1-1-1](A)成分;エチレン性不飽和化合物
本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物は、(A)エチレン性不飽和化合物を含有する。(A)エチレン性不飽和化合物を含むことで、高感度となると考えられる。
ここで使用されるエチレン性不飽和化合物としては、エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有する化合物を意味するが、重合性、架橋性、およびそれに伴う露光部と非露光部の現像液溶解性の差異を拡大できる等の点から、エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物であることが好ましく、また、その不飽和結合は(メタ)アクリロイルオキシ基に由来するもの、つまり、(メタ)アクリレート化合物であることがさらに好ましい。
本発明においては、特に、1分子中にエチレン性不飽和結合を2個以上有する多官能エチレン性単量体を使用することが望ましい。多官能エチレン性単量体が有するエチレン性不飽和基の数は特に限定されないが、好ましくは2個以上、より好ましくは3個以上、さらに好ましくは4個以上、特に好ましくは5個以上であり、また、好ましくは15個以下、より好ましくは10個以下、さらに好ましくは8個以下、特に好ましくは7個以下である。前記下限値以上とすることで重合性が向上して高感度となる傾向があり、前記上限値以下とすることで現像性がより良好となる傾向がある。
エチレン性不飽和化合物の具体例としては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物と、不飽和カルボン酸及び多塩基性カルボン酸とのエステル化反応により得られるエステルなどが挙げられる。
前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリセロールアクリレート等の脂肪族ポリヒドロキシ化合物のアクリル酸エステル、これら例示化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたメタクリル酸エステル、同様にイタコネートに代えたイタコン酸エステル、クロネートに代えたクロトン酸エステルもしくはマレエートに代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、ハイドロキノンジアクリレート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシンジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロガロールトリアクリレート等の芳香族ポリヒドロキシ化合物のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル等が挙げられる。
脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物と、不飽和カルボン酸及び多塩基性カルボン酸とのエステル化反応により得られるエステルとしては必ずしも単一物ではないが、代表的な具体例を挙げれば、アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸及びペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
その他、本発明に用いられる多官能エチレン性単量体の例としては、ポリイソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル又はポリイソシアネート化合物とポリオール及び水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させて得られるようなウレタン(メタ)アクリレート類;多価エポキシ化合物とヒドロキシ(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリル酸との付加反応物のようなエポキシアクリレート類;エチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物等が有用である。
上記ウレタン(メタ)アクリレート類としては、例えば、DPHA-40H、UX-5000、UX-5002D-P20、UX-5003D、UX-5005(日本化薬社製)、U-2PPA、U-6LPA、U-10PA、U-33H、UA-53H、UA-32P、UA-1100H(新中村化学工業社製)、UA-306H、UA-510H、UF-8001G(共栄社化学社製)、UV-1700B、UV-7600B、UV-7605B、UV-7630B、UV7640B(日本合成化学工業社製)等が挙げられる。
これらの中でも、適正なテーパー角と感度の観点から(A)エチレン性不飽和化合物として、エステル(メタ)アクリレート類又はウレタン(メタ)アクリレート類を用いることが好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、2-トリス(メタ)アクリロイロキシメチルエチルフタル酸、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートの二塩基酸無水物付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートの二塩基酸無水物付加物等を用いることがより好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、(A)エチレン性不飽和化合物の分子量は特に限定されないが、感度、撥液性、テーパー角の観点から、好ましくは100以上、より好ましくは150以上で、さらに好ましくは200以上、よりさらに好ましくは300以上、特に好ましくは400以上、最も好ましくは500以上であり、好ましくは1000以下、より好ましくは700以下である。また、(A)エチレン性不飽和化合物の炭素数は特に限定されないが、感度、撥液性、テーパー角の観点から、好ましくは7以上、より好ましくは10以上、さらに好ましくは15以上、よりさらに好ましくは20以上、特に好ましくは25以上であり、好ましくは50以下、より好ましくは40以下、さらに好ましくは35以下、特に好ましくは30以下である。
また、感度、撥液性、テーパー角の観点から、エステル(メタ)アクリレート類、エポキシ(メタ)アクリレート類、およびウレタン(メタ)アクリレート類が好ましく、中でも、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなど3官能以上のエステル(メタ)アクリレート類、2,2,2-トリス(メタ)アクリロイロキシメチルエチルフタル酸、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートの二塩基酸無水物付加物等の3官能以上のエステル(メタ)アクリレート類への酸無水物の付加物が、感度、撥液性、テーパー角の面でさらに好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物中の(A)エチレン性不飽和化合物の含有割合は、全固形分に対して通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、特に好ましくは40質量%以上、通常80質量%以下、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは55質量%以下、特に好ましくは50質量%以下である。前記下限値以上とすることで露光時の感度やテーパー角が良好となる傾向があり、前記上限値以下とすることで現像性が良好となる傾向がある。
また、(C)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対する(A)エチレン性不飽和化合物の含有割合は、通常15質量部以上、好ましくは30質量部以上、より好ましくは50質量部以上、さらに好ましくは80質量部以上、特に好ましくは90質量部以上であり、通常150質量部以下、好ましくは130質量部以下、より好ましくは120質量部以下、さらに好ましくは110質量部以下である。前記下限値以上とすることで露光時に感度が良好となり、テーパー角が良好となる傾向があり、前記上限値以下とすることで現像性が良好となる傾向がある。
[1-1-2](B)成分;光重合開始剤
本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物は、(B)光重合開始剤を含有する。光重合開始剤は、活性光線により、前記(A)エチレン性不飽和化合物が有するエチレン性不飽和結合を重合させる化合物であれば特に限定されるものではなく、公知の光重合開始剤を用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)光重合開始剤として、この分野で通常用いられている光重合開始剤を使用することができる。このような光重合開始剤としては、例えば、ヘキサアリールビイミダゾール系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、オキシム系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ヒドロキシベンゼン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、アントラキノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、ハロゲン化炭化水素誘導体系光重合開始剤、有機硼素酸塩系光重合開始剤、オニウム塩系光重合開始剤、スルホン化合物系光重合開始剤、カルバミン酸誘導体系光重合開始剤、スルホンアミド系光重合開始剤、トリアリールメタノール系光重合開始剤が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール系光重合開始剤としては、吸光度および感度、紫外線吸収剤の吸収波長とのマッチング性の観点から、下記一般式(1-1)及び/又は下記一般式(1-2)で表されるヘキサアリールビイミダゾール系化合物が好ましい。
上記式中、R11~R13は、各々独立に、置換基を有してもよい炭素数1~4のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1~4のアルコキシ基、又はハロゲン原子を表し、m、n及びlは、各々独立に0~5の整数を表す。
R11~R13のアルキル基の炭素数は1~4の範囲内であれば特に限定されないが、感度の観点から、好ましくは3以下、より好ましくは2以下である。アルキル基は鎖状のものでも、環状のものでもよい。アルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられ、中でもメチル基、エチル基が好ましい。R11~R13の炭素数1~4のアルキル基が有してもよい置換基としては、水素を除く1価の非金属原子団の基が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(-F、-Br、-Cl、-I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基が挙げられる。
また、R11~R13のアルコキシ基の炭素数は1~4の範囲内であれば特に限定されないが、感度の観点から、好ましくは3以下、より好ましくは2以下である。アルコキシ基のアルキル基部分は鎖状のものでも、環状のものでもよい。アルコキシ基の具体例とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基が挙げられ、中でもメトキシ基、エトキシ基が好ましい。R11~R13の炭素数1~4のアルコキシ基が有してもよい置換基としてはアルキル基、アルコキシ基が挙げられるが、好ましくはアルキル基である。
また、R11~R13のハロゲン原子とは、例えば、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子、フッ素原子が挙げられ、中でも合成容易性の観点から、塩素原子又はフッ素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
これらの中でも、感度や合成容易性の観点から、R11~R13は各々独立にハロゲン原子であることが好ましく、塩素原子であることがより好ましい。
m、n及びlは、各々独立に0~5の整数を表すが、合成容易性の観点から、m、n及びlの少なくとも1つが1以上の整数であることが好ましく、m、n及びlのうちいずれか1つが1であり、かつ、残りの2つが0であることがより好ましい。
一般式(1-1)及び/又は一般式(1-2)で表されるヘキサアリールビイミダゾール系化合物としては、例えば、2,2’-ビス(o-クロロフェニル)-4,5,4’,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(o-メチルフェニル)-4,5,4’,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(o-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(o,p-ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’-ビス(o,p-ジクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(o,p-ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’-ビス(o-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(p-フルオロフェニル)ビイミダゾール、2,2’-ビス(o-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(o,p-ジブロモフェニル)ビイミダゾール、2,2’-ビス(o-ブロモフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(o,p-ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’-ビス(o-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(p-クロロナフチル)ビイミダゾール等が挙げられる。中でも、ヘキサフェニルビイミダゾール化合物が好ましく、そのイミダゾール環上の2,2’-位に結合したベンゼン環のo-位がメチル基、メトキシ基、又はハロゲン原子で置換されたものが更に好ましく、そのイミダゾール環上の4,4’,5,5’-位に結合したベンゼン環が無置換、又は、ハロゲン原子若しくはメトキシ基で置換されたもの等が好ましい。
(B)光重合開始剤として、一般式(1-1)で表されるヘキサアリールビイミダゾール系化合物と一般式(1-2)で表されるヘキサアリールビイミダゾール系化合物のいずれかを用いても良く、両者を併用して用いても良い。併用して用いる場合には、その比率については特に限定されない。なお、実施例で用いたb-1は、一般式(1-1)を満足する構造を有する。
また、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等を好ましいものとして挙げることができる。
オキシム系光重合開始剤としては、特表2004-534797号公報、特開2000-80068号公報、特開2006-36750号公報、特開2008-179611号公報、特表2012-526185号公報、特表2012-519191号公報等に記載されているオキシムエステル化合物が挙げられる。中でも感度の観点からN-アセトキシ-N-{4-アセトキシイミノ-4-[9-エチル-6-(o-トルオイル)-9H-カルバゾール-3-イル]ブタン-2-イル}アセトアミド、N-アセトキシ-N-{3-(アセトキシイミノ)-3-[9-エチル-6-(1-ナフトイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-メチルプロピル}アセトアミド、4-アセトキシイミノ-5-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-5-オキソペンタン酸メチルが、また製品名として、OXE-01、OXE-02、OXE-03(BASF社製)、TR-PBG-304、TR-PBG-305(常州強力社製)、NCI-831、NCI-930(ADEKA社製)等を好ましいものとして挙げることができる。
アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1-ヒドロキシ-1-(p-ドデシルフェニル)ケトン、1-ヒドロキシ-1-メチルエチル-(p-イソプロピルフェニル)ケトン、1-トリクロロメチル-(p-ブチルフェニル)ケトン、α-ヒドロキシ-2-メチルフェニルプロパノン、2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタノン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタン-1-オン、4-ジメチルアミノエチルベンゾエート、4-ジメチルアミノイソアミルベンゾエート、4-ジエチルアミノアセトフェノン、4-ジメチルアミノプロピオフェノン、2-エチルヘキシル-1,4-ジメチルアミノベンゾエート、2,5-ビス(4-ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、4-(ジエチルアミノ)カルコン等が挙げられる。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、2-メチルベンゾフェノン、3-メチルベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、2-カルボキシベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、4-ブロモベンゾフェノン、ミヒラーケトン等が挙げられる。
ヒドロキシベンゼン系光重合開始剤としては、例えば、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ベンジルベンゾフェノン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン等が挙げられる。
アントラキノン系光重合開始剤としては、例えば、2-メチルアントラキノン等が、また、ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール等が、それぞれ挙げられる。
チタノセン系光重合開始剤としては、例えば、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロライド、ジシクロペンタジエニルチタニウムビスフェニル、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,4-ジフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,6-ジフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,4,6-トリフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,6-ジフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス〔2,6-ジフルオロ-3-(1-ピロリル)フェニル〕等が挙げられる。中でも、感度の観点からジシクロペンタジエニル構造とビスフェニル構造を有するチタン化合物が好ましく、ビスフェニル環のo-位がハロゲン原子で置換されたものが特に好ましい。
ハロゲン化炭化水素誘導体系光重合開始剤としては、ハロメチル化s-トリアジン誘導体類が挙げられ、例えば、2,4,6-トリス(モノクロロメチル)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(ジクロロメチル)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-メチル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-n-プロピル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(α,α,β-トリクロロエチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(3,4-エポキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-クロロフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-〔1-(p-メトキシフェニル)-2,4-ブタジエニル〕-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-スチリル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシ-m-ヒドロキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-i-プロピルオキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-エトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-エトキシカルボニルナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-フェニルチオ-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ベンジルチオ-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(ジブロモメチル)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(トリブロモメチル)-s-トリアジン、2-メチル-4,6-ビス(トリブロモメチル)-s-トリアジン、2-メトキシ-4,6-ビス(トリブロモメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン等のハロメチル化s-トリアジン誘導体類が挙げられ、中でも感度の観点から、ビス(トリハロメチル)-s-トリアジン類が好ましい。
また、有機硼素酸塩系光重合開始剤としては、例えば、有機硼素アンモニウム錯体、有機硼素ホスホニウム錯体、有機硼素スルホニウム錯体、有機硼素オキソスルホニウム錯体、有機硼素ヨードニウム錯体、有機硼素遷移金属配位錯体等が挙げられ、その有機硼素アニオンとしては、例えば、n-ブチル-トリフェニル硼素アニオン、n-ブチル-トリス(2,4,6-トリメチルフェニル)硼素アニオン、n-ブチル-トリス(p-メトキシフェニル)硼素アニオン、n-ブチル-トリス(p-フルオロフェニル)硼素アニオン、n-ブチル-トリス(m-フルオロフェニル)硼素アニオン、n-ブチル-トリス(3-フルオロ-4-メチルフェニル)硼素アニオン、n-ブチル-トリス(2,6-ジフルオロフェニル)硼素アニオン、n-ブチル-トリス(2,4,6-トリフルオロフェニル)硼素アニオン、n-ブチル-トリス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)硼素アニオン、n-ブチル-トリス(p-クロロフェニル)硼素アニオン、n-ブチル-トリス(2,6-ジフルオロ-3-ピロリルフェニル)硼素アニオン等のアルキル-トリフェニル硼素アニオンが感度の観点から好ましく、また、対カチオンとしては、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン等のオニウム化合物が感度の観点から好ましく、テトラアルキルアンモニウム等の有機アンモニウムカチオンが感度の観点から特に好ましい。
また、オニウム塩系光重合開始剤としては、例えば、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド等のアンモニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムp-トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ジシクロヘキシルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジシクロヘキシルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジシクロヘキシルヨードニウムp-トルエンスルホネート、ジシクロヘキシルヨードニウムカンファースルホネート等のヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムp-トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリシクロヘキシルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリシクロヘキシルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリシクロヘキシルスルホニウムp-トルエンスルホネート、トリシクロヘキシルスルホニウムカンファースルホネート等のスルホニウム塩等が挙げられる。
また、スルホン化合物系光重合開始剤としては、例えば、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(p-ヒドロキシフェニルスルホニル)メタン、ビス(p-メトキシフェニルスルホニル)メタン、ビス(α-ナフチルスルホニル)メタン、ビス(β-ナフチルスルホニル)メタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)メタン、ビス(tert-ブチルスルホニル)メタン、フェニルスルホニル(シクロヘキシルスルホニル)メタン等のビス(スルホニル)メタン化合物、フェニルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、ナフチルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(ナフチルスルホニル)メタン、シクロヘキシルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、tert-ブチルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(シクロヘキシルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(tert-ブチルカルボニル)メタン等のカルボニル(スルホニル)メタン化合物、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p-ヒドロキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p-メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(α-ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(β-ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert-ブチルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(スルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ナフチルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、tert-ブチルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(tert-ブチルカルボニル)ジアゾメタン等のカルボニル(スルホニル)ジアゾメタン化合物等が挙げられる。
また、カルバミン酸誘導体系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルシクロヘキシルカルバメート、2-ニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート、3,5-ジメトキシベンジルシクロヘキシルカルバメート、3-ニトロフェニルシクロヘキシルカルバメート等が挙げられる。
スルホンアミド系光重合開始剤としては、例えば、N-シクロヘキシル-4-メチルフェニルスルホンアミド、N-シクロヘキシル-2-ナフチルスルホンアミド等が、また、トリアリールメタノール系光重合開始剤としては、例えば、トリフェニルメタノール、トリ(4-クロロフェニル)メタノール等が、それぞれ挙げられる。
これらの光重合開始剤は、感光性樹脂組成物中にその1種が単独で含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。これらの光重合開始剤の中で、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物は、吸光度が高いことから表面硬化性が高く、また、高い撥液性と高いテーパー角が得られる点で特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物中の(B)光重合開始剤の含有割合としては、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、通常0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、特に好ましくは1.5質量%以上であり、通常25質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。前記下限値以上とすることで現像時に膜減りを生じずに塗膜が形成され、また十分な撥液性が生じる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで所望のパターン形状が形成しやすくなる傾向がある。
また、感光性樹脂組成物中の(A)エチレン性不飽和化合物に対する(B)光重合開始剤の配合比としては、(A)エチレン性不飽和化合物100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、3質量部以上がさらに好ましく、また、200質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましく、50質量部以下がさらに好ましく、20質量部以下がよりさらに好ましく、10質量部以下が特に好ましく、5質量部以下が最も好ましい。前記下限値以上とすることで適切な感度となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで所望のパターン形状が形成しやすくなる傾向がある。
また(B)光重合開始剤と併用して、連鎖移動剤を用いることが好ましい。連鎖移動剤を含むことでテーパー角が高くなる傾向があり、また、接触角も高くなる傾向がある。
連鎖移動剤としてはメルカプト基含有化合物や、四塩化炭素等が挙げられ、連鎖移動効果が高い傾向があることからメルカプト基を有する化合物を用いることがより好ましい。S-H結合エネルギーが小さいことによって結合開裂が起こりやすく、連鎖移動反応を起こしやすいため、酸素阻害等による表面近傍におけるラジカル失活を改善して表面硬化性を高めることができ、テーパー角を大きくするのに有効であると考えられる。また、表面硬化性を高めることにより、撥液剤の流出を抑制でき、撥液剤を表面近傍に固定しやすく接触角を高くするのに有効であると考えられる。
連鎖移動剤の中でも、テーパー角、表面硬化性の観点から、芳香族環を有するメルカプト基含有化合物と脂肪族系のメルカプト基含有化合物が好ましい。
芳香族環を有するメルカプト基含有化合物としては、テーパー角の観点から、下記一般式(1-3)で表される化合物が好適に用いられる。
式(1-3)中、Zは-O-、-S-又は-NH-を表し、R61~R64は各々独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。
このうち、テーパー角の観点から、Zは-S-又は-NH-が好ましく、-NH-がより好ましい。
またテーパー角の観点から、R61~R64は各々独立に、水素原子、炭素数1~4アルキル基又は炭素数1~4のアルコキシ基が好ましく、水素原子がより好ましい。
具体的には、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、2-メルカプト-4(3H)-キナゾリン、β-メルカプトナフタレン、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン等の芳香族環を有するメルカプト基含有化合物が挙げられ、テーパー角の観点から、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾールが好ましい。
一方で脂肪族系のメルカプト基含有化合物としては、表面硬化性の観点から、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、又は下記一般式(1-4)で表される化合物が好適に用いられる。
式(1-4)中、mは0~4の整数、nは2~4の整数を表す。R71及びR72は各々独立に、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。Xはn価の基を表す。
前記一般式(1-4)において、合成容易性の観点から、mは1又は2であることが好ましい。また、表面硬化性の観点から、nは3又は4であることが好ましく、4がより好ましい。
また、R71及びR72のアルキル基としては、表面硬化性の観点から、炭素数1~3のものが好ましい。表面硬化性の観点から、R71及びR72のうちの少なくとも一方、例えばR72は水素原子であることが好ましく、この場合において、R71は水素原子又は炭素数1~3のアルキル基であることが好ましい。
nが2である場合、表面硬化性の観点から、Xはエーテル結合及び/又は枝分かれ部を有しても良い炭素数1~6のアルキレン基が好ましい。表面硬化性、合成容易性の観点から、中でも炭素数1~6のアルキレン基がより好ましく、炭素数4のアルキレン基がさらに好ましい。
nが3である場合、表面硬化性、合成容易性の観点から、Xは下記一般式(1-5)又は(1-6)で表される構造であることが好ましい。
式(1-5)中、R73は水素原子、炭素数1~6のアルキル基、又はメチロール基を表す。R73の中でも、テーパー角の観点から、エチル基が好ましい。
式(1-6)中、R74は炭素数1~4のアルキレン基を表す。R74の中でも、テーパー角の観点から、エチレン基が好ましい。
一方で、nが4である場合、Xは下記一般式(1-7)で表される構造であることが好ましい。
具体的には、ブタンジオールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリスヒドロキシエチルトリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(3-メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビス(3-メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールトリス(3-メルカプトブチレート)、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン等が挙げられる。
このうち、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールトリス(3-メルカプトブチレート)、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンが好ましく、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)がより好ましい。
これらは種々のものが1種を単独で、或いは2種以上を混合して使用できる。
これらの中でも、テーパー角を高める観点から、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール、及び2-メルカプトベンゾオキサゾールからなる群から選択された1以上と、光重合開始剤とを組み合わせて、光重合開始剤系として使用することが好適である。例えば、2-メルカプトベンゾチアゾールを用いても良く、2-メルカプトベンゾイミダゾールを用いても良く、2-メルカプトベンゾチアゾールと2-メルカプトベンゾイミダゾールとを併用して用いても良い。
また、表面硬化性の観点から、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、及びペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)からなる群から選択された1以上を用いることが好ましい。
さらに、テーパー角を高める観点から、芳香族環を有するメルカプト基含有化合物と脂肪族系のメルカプト基含有化合物を併用して使用することが好適である。例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール、及び2-メルカプトベンゾオキサゾールよりなる群から選択された1以上と、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)よりなる群から選択された1以上と、光重合開始剤とを組み合わせて用いることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物中の、連鎖移動剤の含有割合としては、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、通常0.01質量%以上、好ましくは0.025質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは1質量%以上であり、通常5質量%以下、好ましくは4質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。前記下限値以上とすることで感度が高く、テーパー角や接触角が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで所望のパターンを形成しやすくなる傾向がある。
また連鎖移動剤として、芳香族環を有するメルカプト基含有化合物と脂肪族系のメルカプト基含有化合物を併用して使用するときのその含有割合としては、芳香族環を有するメルカプト基含有化合物100質量部に対して、脂肪族系のメルカプト基含有化合物を通常10質量部以上、好ましくは50質量部以上、より好ましくは80質量部以上であり、通常400質量部以下、好ましくは300質量部以下、より好ましくは200質量部以下、さらに好ましくは150質量部以下である。前記下限値以上とすることでテーパー角が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで表面硬化性が高く接触角が高くなる傾向がある。
また、感光性樹脂組成物中の(B)光重合開始剤に対する、連鎖移動剤の配合比としては、(B)光重合開始剤100質量部に対して、10質量部以上が好ましく、25質量部以上がより好ましく、50質量部以上がさらに好ましく、80質量部以上が特に好ましく、また、500質量部以下が好ましく、400質量部以下がより好ましく、300質量部以下がさらに好ましく、200質量部以下がよりさらに好ましく、150質量部以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで高感度となり、テーパー角や接触角が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで所望のパターンを形成しやすくなる傾向がある。
また上記光重合開始剤と併用して、増感剤を用いてもよい。増感剤により感度が向上すると同時に、感光性樹脂組成物内部への光透過率が減少することで、テーパー角が大きくなる傾向がある。
増感剤としては、この分野で通常用いられている増感剤を使用することができる。増感剤は、吸収して得たエネルギーを光重合開始剤に移行、もしくは光重合開始剤との電子の授受を起こし、効率よく反応ラジカル重合反応を促進させる特徴がある。このような増感剤としては、例えば、カルコン誘導体やジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2-ジケトン系化合物、ベンゾイン系化合物、フルオレン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、キサンテン系化合物、チオキサンテン系化合物、キサントン系化合物、チオキサントン系化合物、クマリン系化合物、ケトクマリン系化合物、シアニン系化合物、メロシアニン系化合物、オキソノ-ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン系化合物、アジン系化合物、チアジン系化合物、オキサジン系化合物、インドリン系化合物、アズレン系化合物、アズレニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、ポルフィリン系化合物、テトラフェニルポルフィリン系化合物、トリアリールメタン系化合物、テトラベンゾポルフィリン系化合物、テトラピラジノポルフィラジン系化合物、フタロシアニン系化合物、テトラアザポルフィラジン系化合物、テトラキノキサリロポルフィラジン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、サブフタロシアニン系化合物、ピリリウム系化合物、チオピリリウム系化合物、テトラフィリン系化合物、アヌレン系化合物、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、チオスピロピラン系化合物、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、ベンゾフェノン系化合物等が挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、感度向上とテーパー角増大の観点から、チオキサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物が好ましい。
チオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2-メチルチオキサントン、4-メチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2-エチルチオキサントン、4-エチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、4-クロロチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントンなどが挙げられる。これらの中でも、感度向上とテーパー角増大の観点から2,4-ジエチルチオキサントンが好ましい。
ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。これらの中でも、感度向上とテーパー角増大の観点から4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
感光性樹脂組成物中の増感剤の含有割合は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、通常0.1質量%以上、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは0.8質量%以上、よりさらに好ましくは1質量%以上、特に好ましくは1.2質量%以上であり、また通常10質量%以下、好ましくは7質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。前記下限値以上とすることで感度を向上し、テーパー角を高くすることができる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで所望のパターンを形成しやすくなる傾向がある。
[1-1-3](C)成分;アルカリ可溶性樹脂
本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物は、(C)アルカリ可溶性樹脂を含有する。本発明において、アルカリ可溶性樹脂としては現像液で現像可能なものであれば特に限定されないが、現像液としてはアルカリ現像液が好ましいため、本発明においてはアルカリ可溶性樹脂を用いる。アルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基又は水酸基を含有する各種樹脂などが挙げられる。中でも、適度なテーパー角の隔壁が得られること及びポストベーク時に隔壁表面の熱溶融による撥液剤の流出が抑えられ撥液性を保持できることなどより、カルボキシル基を有する樹脂が好ましく、カルボキシル基及びエチレン性不飽和基を有する樹脂がより好ましい。
(一般式(1)で表される部分構造を有するアルカリ可溶性樹脂(c))
本発明において、アルカリ可溶性樹脂の中でも、下記一般式(1)で表される部分構造を有するアルカリ可溶性樹脂(c)(以下、「樹脂(c)」と略記する場合がある。)が好ましい。このように、一般式(1)で表される部分構造、つまり、炭素数が短く熱分解しやすい酸成分に対応する部分構造を有するアルカリ可溶性樹脂を用いることで、隔壁を形成する際の熱硬化時に当該酸成分の多くがガスとして取り除かれるため、有機電界発光素子駆動時のアウトガス発生量が少なく、信頼性が高くなるものと考えられる。
前記式(1)中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1~4の2価の炭化水素基を表す。*は結合手を表す。
(R1)
前記一般式(1)において、R1は置換基を有していてもよい炭素数1~4の2価の炭化水素基を表す。2価の炭化水素基としては、アルキレン基、アルケニレン基が挙げられる。
アルキレン基は直鎖でも、分岐鎖でもよいが、現像溶解性の観点から直鎖であることが好ましい。その炭素数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、また通常4以下、3以下が好ましい。前記下限値以上とすることで残膜率が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで素子発光時のアウトガス発生量が少なくなる傾向がある。
アルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられ、アウトガス低減の観点から、メチレン基又はエチレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
また、アルケニレン基は直鎖でも、分岐鎖でもよいが、現像溶解性の観点から直鎖であることが好ましい。その炭素数は特に限定されないが、通常2以上、また通常4以下、3以下が好ましい。前記下限値以上とすることで残膜率が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで素子発光時のアウトガス発生量が少なくなる傾向がある。
アルケニレン基の具体例としては、エテニレン基、プロペニレン基、ブチレニレン基が挙げられ、アウトガスの観点から、エテニレン基が好ましい。
炭素数1~4の2価の炭化水素基が有していてもよい置換基は特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、ベンゾイル基、水酸基などが挙げられ、合成の容易さの観点からは無置換であることが好ましい。
これらの中でもアウトガス低減の観点から、R1が炭素数1~4の2価のアルキレン基であることが好ましく、メチレン基又はエチレン基であることがより好ましく、エチレン基であることがさらに好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(c)としては、前記一般式(1)で表される部分構造を有するものであれば、その具体的構造は特に限定されないが、現像溶解性の観点から、(c1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂及び/又は(c2)アクリル共重合樹脂が好ましい。また、アウトガス低減の観点からは(c1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂が好ましく、一方で、テーパー角の観点からは(c2)アクリル共重合樹脂が好ましい。
以下に、(c1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂について詳述する。
[(c1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂]
(c1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、エポキシ樹脂にエチレン性不飽和モノカルボン酸又はエステル化合物を付加し、任意でイソシアネート基含有化合物を反応させた後、更に多塩基酸又はその無水物を付加させた樹脂である。例えば、エポキシ樹脂のエポキシ基に、不飽和モノカルボン酸のカルボキシル基が開環付加されることにより、エポキシ樹脂にエステル結合(-COO-)を介してエチレン性不飽和結合が付加されると共に、その際生じた水酸基に、多塩基酸又はその無水物の一方のカルボキシ基が付加されたものが挙げられる。また多塩基酸又はその無水物を付加するときに、多価アルコールを同時に添加して付加されたものも挙げられる。さらに、上記反応で得られた樹脂のカルボキシ基に、更に反応し得る官能基を有する化合物を反応させて得られる樹脂も、上記(c1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂に含まれる。
このように、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は化学構造上、実質的にエポキシ基を有さず、かつ「(メタ)アクリレート」に限定されるものではないが、エポキシ化合物(エポキシ樹脂)が原料であり、かつ、「(メタ)アクリレート」が代表例であるので慣用に従いこのように命名されている。
ここで、エポキシ樹脂とは、熱硬化により樹脂を形成する以前の原料化合物をも含めて言うこととし、そのエポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂の中から適宜選択して用いることができる。また、エポキシ樹脂は、フェノール性化合物とエピハロヒドリンとを反応させて得られる化合物を用いることができる。フェノール性化合物としては、2価もしくは2価以上のフェノール性水酸基を有する化合物が好ましく、単量体でも重合体でもよい。
具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビフェニルノボラックエポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、フェノールとジシクロペンタンとの重合エポキシ樹脂、ジハイドロオキシルフルオレン型エポキシ樹脂、ジハイドロオキシルアルキレンオキシルフルオレン型エポキシ樹脂、9,9-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)フルオレンのジグリシジルエーテル化物、1,1-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)アダマンタンのジグリシジルエーテル化物、などが挙げられ、このように主鎖に芳香族環を有するものを好適に用いることができる。
中でも、高い硬化膜強度の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、フェノールとジシクロペンタジエンとの重合エポキシ樹脂、9,9-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)フルオレンのジグリシジルエーテル化物、などが好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が更に好ましい。
エチレン性不飽和モノカルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等、および、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート無水コハク酸付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートテトラヒドロ無水フタル酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート無水コハク酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート無水フタル酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートテトラヒドロ無水フタル酸付加物、(メタ)アクリル酸とε-カプロラクトンとの反応生成物などが挙げられる。中でも、感度の観点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
多塩基酸(無水物)としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3-メチルテトラヒドロフタル酸、4-メチルテトラヒドロフタル酸、3-エチルテトラヒドロフタル酸、4-エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3-メチルヘキサヒドロフタル酸、4-メチルヘキサヒドロフタル酸、3-エチルヘキサヒドロフタル酸、4-エチルヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、およびそれらの無水物などが挙げられる。これらは1種を単独でも用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。これらの中でも、前記一般式(1)で表される部分構造を樹脂中に導入するとの観点から、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物が好ましく、コハク酸無水物がより好ましい。
多価アルコールを用いることで、(c1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の分子量を増大させ、分子中に分岐を導入することが出来、分子量と粘度のバランスをとることができる傾向がある。また、分子中への酸基の導入率を増やすことができ、感度や密着性等のバランスがとれやすい傾向がある。
多価アルコールとしては、例えばトリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、1,2,3-プロパントリオールの中から選ばれる1種又は2種以上の多価アルコールであることが好ましい。
(c1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の酸価は特に限定されないが、10mgKOH/g以上が好ましく、20mgKOH/g以上がより好ましく、40mgKOH/g以上がさらに好ましく、60mgKOH/g以上がよりさらに好ましく、80mgKOH/g以上が特に好ましく、また、200mgKOH/g以下が好ましく、180mgKOH/g以下がより好ましく、150mgKOH/g以下がさらに好ましく、120mgKOH/g以下がよりさらに好ましく、100mgKOH/g以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで残渣が低減し、テーパー角が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで素子発光時のアウトガスが低減する傾向がある。
(c1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、通常1000以上、好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上、さらに好ましくは4000以上、よりさらに好ましくは5000以上、特に好ましくは6000以上、最も好ましくは7000以上であり、また、通常30000以下、好ましくは20000以下、より好ましくは15000以下、さらに好ましくは10000以下である。前記下限値以上とすることで素子発光時のアウトガスが低減する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
(C)アルカリ可溶性樹脂に含まれる(c1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の含有割合は特に限定されないが、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上がよりさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましく、また、通常100質量%以下である。前記下限値以上とすることでアウトガスが低減する傾向がある。
(c1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、従来公知の方法により合成することができる。具体的には、前記エポキシ樹脂を有機溶剤に溶解させ、触媒と熱重合禁止剤の共存下、前記エチレン性不飽和結合を有する酸(エチレン性不飽和モノカルボン酸)又はエステル化合物を加えて付加反応させ、更に多塩基酸又はその無水物を加えて反応を続ける方法を用いることができる。
ここで、反応に用いる有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの有機溶剤の1種または2種以上が挙げられる。また、上記触媒としては、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリベンジルアミン等の第3級アミン類、テトラメチルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの第4級アンミニウム塩類、トリフェニルホスフィンなどの燐化合物、トリフェニルスチビンなどのスチビン類などの1種または2種以上が挙げられる。更に、熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、メチルハイドロキノンなどの1種または2種以上が挙げられる。
また、エチレン性不飽和結合を有する酸又はエステル化合物としては、エポキシ樹脂のエポキシ基の1化学当量に対して通常0.7~1.3化学当量、好ましくは0.9~1.1化学当量となる量とすることができる。また、付加反応時の温度としては、通常60~150℃、好ましくは80~120℃の温度とすることができる。更に、多塩基酸又はその無水物の使用量としては、前記付加反応で生じた水酸基の1化学当量に対して、通常0.1~1.2化学当量、好ましくは0.2~1.1化学当量となる量とすることができる。
(c1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、前記一般式(1)以外の部分構造を含むものであってもよく、素子発光時のアウトガスの観点から、下記一般式(i)で表される繰り返し単位構造を含むエポキシ(メタ)アクリレート樹脂、下記一般式(ii)で表される部分構造を含むエポキシ(メタ)アクリレート樹脂、及び下記一般式(iii)で表される部分構造を含むエポキシ(メタ)アクリレート樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
(c1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、素子発光時のアウトガスの観点から、下記一般式(i)で表される繰り返し単位を含むエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c1-1)であることが好ましい。理由の一つとしては、剛直な主骨格を有することで熱に対して分解しづらいことなどが類推される。
式(i)中、Raは水素原子又はメチル基を表し、Rbは置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。式(i)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。*は結合手を表す。
(Rb)
前記式(i)において、Rbは置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。
2価の炭化水素基としては、2価の脂肪族基、2価の芳香族環基、1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基が挙げられる。
2価の脂肪族基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のものが挙げられる。これらの中でも現像溶解性の観点からは直鎖状のものが好ましく、一方で露光部への現像液の浸透低減の観点からは環状のものが好ましい。その炭素数は通常1以上であり、3以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
2価の直鎖状の脂肪族基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ヘキシレン基、n-ヘプチレン基等が挙げられる。これらの中でも残渣低減の観点から、メチレン基が好ましい。
2価の分岐鎖状の脂肪族基の具体例としては、前述の2価の直鎖状脂肪族基に、側鎖としてメチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等を有する構造が挙げられる。
2価の環状の脂肪族基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、また、通常10以下、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることで残膜率が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。2価の環状の脂肪族基の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等の環から水素原子を2つ除した基が挙げられる。これらの中でも現像密着性の観点から、アダマンタン環から水素原子を2つ除した基が好ましい。
2価の脂肪族基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成容易性の観点から、無置換であることが好ましい。
また、2価の芳香族環基としては、2価の芳香族炭化水素環基及び2価の芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は通常4以上であり、5以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
2価の芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。2価の芳香族炭化水素環基としては、例えば、2個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。2価の芳香族複素環基としては、例えば、2個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの中でも光硬化性の観点から、2個の遊離原子価を有するベンゼン環又はナフタレン環が好ましく、2個の遊離原子価を有するベンゼン環がより好ましい。
2価の芳香族環基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。これらの中でも硬化性の観点から、無置換が好ましい。
また、1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基としては、前述の2価の脂肪族基を1以上と、前述の2価の芳香族環基を1以上とを連結した基が挙げられる。
2価の脂肪族基の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、通常10以下、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
2価の芳香族環基の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、通常10以下、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基の具体例としては、下記式(i-A)~(i-E)で表される基等が挙げられる。これらの中でも骨格の剛直性と膜の疎水化の観点から、下記式(i-A)で表される基が好ましい。
前記のとおり、式(i)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。置換基の数も特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
これらの中でも硬化性の観点から、無置換であることが好ましい。
また、前記一般式(i)で表される繰り返し単位構造は、現像溶解性の観点から、下記一般式(i-1)で表される繰り返し単位構造であることが好ましい。なお、式(i-1)で表される繰り返し単位構造は、式中に前記一般式(1)で表される部分構造を含む。
式(i-1)中、Ra及びRbは、前記式(i)のものと同義である。R1は前記式(1)のものと同義である。*は結合手を表す。式(i-1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c1-1)1分子中に含まれる、前記式(i-1)で表される繰り返し単位構造は、1種でも2種以上でもよい。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c1-1)1分子中に含まれる、前記式(i)で表される繰り返し単位構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましく、また、10以下が好ましく、8以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c1-1)1分子中に含まれる、前記式(i-1)で表される繰り返し単位構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましく、また、10以下が好ましく、8以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
以下にエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c1-1)の具体例を挙げる。
また一方で、(c1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、現像密着性の観点から、下記一般式(ii)で表される部分構造を含むエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c1-2)であることが好ましい。
式(ii)中、Rcは各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。Rdは、環状炭化水素基を側鎖として有する2価の炭化水素基を表す。*は結合手を表す。
(Rd)
前記式(ii)において、Rdは、環状炭化水素基を側鎖として有する2価の炭化水素基を表す。
環状炭化水素基としては、脂肪族環基又は芳香族環基が挙げられる。
脂肪族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、また、通常10以下、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
また、脂肪族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
脂肪族環基における脂肪族環の具体例としてはシクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等が挙げられる。これらの中でも現像密着性の観点から、アダマンタン環が好ましい。
一方で、芳香族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、通常10以下、5以下が好ましく、4以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで残渣が低減する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像密着性が向上する傾向がある。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基が挙げられる。また、芳香族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上がよりさらに好ましく、12以上が特に好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで残渣が低減する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像密着性が向上する傾向がある。
芳香族環基における芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環等が挙げられる。これらの中でもパターニング特性の観点から、フルオレン環が好ましい。
また、環状炭化水素基を側鎖として有する2価の炭化水素基における、2価の炭化水素基は特に限定されないが、例えば、2価の脂肪族基、2価の芳香族環基、1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基が挙げられる。
2価の脂肪族基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のものが挙げられる。これらの中でも現像溶解性の観点からは直鎖状のものが好ましく、一方で露光部への現像液の浸透低減の観点からは環状のものが好ましい。その炭素数は通常1以上であり、3以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、25以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
2価の直鎖状の脂肪族基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ヘキシレン基、n-ヘプチレン基等が挙げられる。これらの中でも残渣の観点から、メチレン基が好ましい。
2価の分岐鎖状の脂肪族基の具体例としては、前述の2価の直鎖状脂肪族基に、側鎖としてメチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等を有する構造が挙げられる。
2価の環状の脂肪族基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、また、通常10以下、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。2価の環状の脂肪族基の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等の環から水素原子を2つ除した基が挙げられる。これらの中でも現像密着性の観点から、アダマンタン環から水素原子を2つ除した基が好ましい。
2価の脂肪族基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成容易性の観点から、無置換であることが好ましい。
また、2価の芳香族環基としては、2価の芳香族炭化水素環基及び2価の芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は通常4以上であり、5以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
2価の芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。2価の芳香族炭化水素環基としては、例えば、2個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。2価の芳香族複素環基としては、例えば、2個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの中でも光硬化性の観点から、2個の遊離原子価を有するベンゼン環又はナフタレン環が好ましく、2個の遊離原子価を有するベンゼン環がより好ましい。
2価の芳香族環基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。これらの中でも硬化性の観点から、無置換が好ましい。
また、1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基としては、前述の2価の脂肪族基を1以上と、前述の2価の芳香族環基を1以上とを連結した基が挙げられる。
2価の脂肪族基の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、通常10以下、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
2価の芳香族環基の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、通常10以下、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基の具体例としては、前記式(i-A)~(i-E)で表される基等が挙げられる。これらの中でも残渣低減の観点から、前記式(i-C)で表される基が好ましい。
これらの2価の炭化水素基に対して、側鎖である環状炭化水素基の結合態様は特に限定されないが、例えば、脂肪族基や芳香族環基の水素原子1つを該側鎖で置換した態様や、脂肪族基の炭素原子の1つを含めて側鎖である環状炭化水素基を構成した態様が挙げられる。
また、前記一般式(ii)で表される部分構造は、現像密着性の観点から、下記一般式(ii-1)で表される部分構造であることが好ましい。
式(ii-1)中、Rcは前記式(ii)と同義である。Rαは、置換基を有していてもよい1価の環状炭化水素基を表す。nは1以上の整数である。式(ii-1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。
(Rα)
前記式(ii-1)において、Rαは、置換基を有していてもよい1価の環状炭化水素基を表す。
環状炭化水素基としては、脂肪族環基又は芳香族環基が挙げられる。
脂肪族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、また、通常6以下、4以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
また、脂肪族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
脂肪族環基における脂肪族環の具体例としてはシクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等が挙げられる。これらの中でも現像密着性の観点から、アダマンタン環が好ましい。
一方で、芳香族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、通常10以下、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基が挙げられるまた、芳香族環基の炭素数は通常4以上であり、5以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
芳香族環基における芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環等が挙げられる。これらの中でも現像密着性の観点から、フルオレン環が好ましい。
環状炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、アミル基、iso-アミル基等の炭素数1~5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成の容易性の観点から、無置換が好ましい。
nは1以上の整数を表すが、2以上が好ましく、また、3以下が好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
これらの中でも、強固な膜硬化度と電気特性の観点から、Rαが1価の脂肪族環基であることが好ましく、アダマンチル基であることがより好ましい。
前記のとおり、式(ii-1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。置換基の数も特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。これらの中でも硬化性の観点から、無置換であることが好ましい。
以下に前記式(ii-1)で表される部分構造の具体例を挙げる。
また、前記一般式(ii)で表される部分構造は、現像密着性の観点から、下記一般式(ii-2)で表される部分構造であることが好ましい。
式(ii-2)中、Rcは前記式(ii)と同義である。Rβは、置換基を有していてもよい2価の環状炭化水素基を表す。式(ii-2)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。
(Rβ)
前記式(ii-2)において、Rβは、置換基を有していてもよい2価の環状炭化水素基を表す。
環状炭化水素基としては、脂肪族環基又は芳香族環基が挙げられる。
脂肪族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、また、通常10以下、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
また、脂肪族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、また、40以下が好ましく、35以下がより好ましく、30以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
脂肪族環基における脂肪族環の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等が挙げられる。これらの中でも現像密着性の観点から、アダマンタン環が好ましい。
一方で、芳香族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、通常10以下、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基が挙げられるまた、芳香族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上がさらに好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
芳香族環基における芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環等が挙げられる。これらの中でも現像密着性の観点から、フルオレン環が好ましい。
環状炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、アミル基、iso-アミル基等の炭素数1~5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成の簡易性の観点から、無置換が好ましい。
これらの中でも、硬化性の観点から、Rβが2価の脂肪族環基であることが好ましく、2価のアダマンタン環基であることがより好ましい。
一方で、現像密着性の観点から、Rβが2価の芳香族環基であることが好ましく、2価のフルオレン環基であることがより好ましい。
前記のとおり、式(ii-2)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。置換基の数も特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。これらの中でも硬化性の観点から、無置換であることが好ましい。
以下に前記式(ii-2)で表される部分構造の具体例を挙げる。
一方で、前記一般式(ii)で表される部分構造は、硬化性の観点から、下記一般式(ii-3)で表される部分構造であることが好ましい。なお、式(ii-3)で表される部分構造は、式中に前記一般式(1)で表される部分構造を含む。
式(ii-3)中、Rc及びRdは前記式(ii)と同義である。R1は前記式(1)と同義である。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c1-2)1分子中に含まれる、前記式(ii-3)で表される部分構造は、1種でも2種以上でもよい。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c1-2)1分子中に含まれる、前記式(ii)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
また一方で、(c1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、素子発光時のアウトガス低減の観点から、下記一般式(iii)で表される部分構造を含むエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c1-3)であることが好ましい。
式(iii)中、Reは水素原子又はメチル基を表し、γは単結合、-CO-、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい2価の環状炭化水素基を表す。式(iii)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。*は結合手を表す。
(γ)
前記式(iii)において、γは単結合、-CO-、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい2価の環状炭化水素基を表す。
アルキレン基は直鎖でも、分岐鎖でもよいが、現像溶解性の観点からは直鎖であることが好ましく、現像密着性の観点からは分岐鎖であることが好ましい。その炭素数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、また通常6以下、4以下が好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
アルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基が挙げられ、現像密着性と現像溶解性の両立の観点から、エチレン基又はプロピレン基が好ましく、プロピレン基がより好ましい。
アルキレン基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成容易性の観点から、無置換であることが好ましい。
2価の環状炭化水素基としては、2価の脂肪族環基又は2価の芳香族環基が挙げられる。
脂肪族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、また、通常10以下、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
また、脂肪族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、また、40以下が好ましく、35以下がより好ましく、30以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
脂肪族環基における脂肪族環の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等が挙げられる。これらの中でも現像密着性の観点から、アダマンタン環が好ましい。
一方で、芳香族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、通常10以下、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基が挙げられる。また、芳香族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上がさらに好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
芳香族環基における芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環等が挙げられる。これらの中でも現像密着性の観点から、フルオレン環が好ましい。
環状炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、アミル基、iso-アミル基等の炭素数1~5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成の簡易性の観点から、無置換が好ましい。
これらの中でも、残渣低減の観点から、γが置換基を有していてもよいアルキレン基であることが好ましく、ジメチルメチレン基であることがより好ましい。
前記のとおり、式(iii)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。置換基の数も特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。これらの中でも硬化性の観点から、無置換であることが好ましい。
一方で、前記式(iii)で表される部分構造は、現像溶解性の観点から、下記式(iii-1)で表される部分構造であることが好ましい。なお、式(iii-1)で表される部分構造は、式中に前記一般式(1)で示される部分構造を含む。
式(iii-1)中、Re及びγは前記式(iii)と同義である。R1は前記式(1)のものと同義である。*は結合手を表す。式(iii-1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c1-3)1分子中に含まれる、前記式(iii)で表される繰り返し単位構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、5以上がより好ましく、10以上がさらに好ましく、また、18以下が好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
また、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c1-3)1分子中に含まれる、前記式(iii-1)で表される繰り返し単位構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、5以上がさらに好ましく、また、18以下が好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
以下にエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(c1-3)の具体例を挙げる。
[(c2)アクリル共重合樹脂]
次に、(c2)アクリル共重合樹脂について詳述する。(c2)アクリル共重合樹脂は、前記一般式(1)で表される部分構造を有するものであれば特に限定されないが、硬化性の観点から、側鎖にエチレン性不飽和基を有するものであることが好ましい。
(一般式(I)で表される部分構造)
(c2)アクリル共重合樹脂に含まれる、エチレン性不飽和基を有する側鎖を含む部分構造は特に限定されないが、現像溶解性の観点から、例えば、下記一般式(I)で表される部分構造を含むことが好ましい。
式(I)中、RAは水素原子又はメチル基を表す。RBは置換基を有していてもよいアルケニル基又は下記一般式(II)で表される基を表す。*は結合手を表す。
式(II)中、RCは置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。αは置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基、又は置換基を有していてもよいアルケニレン基を表す。*はカルボニル炭素との結合手を表す。
(RB)
前記式(I)において、RBは置換基を有していてもよいアルケニル基又は前記一般式(II)で表される基を表す。
RBにおけるアルケニル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルケニル基が挙げられる。その炭素数は、2以上であることが好ましくまた、20以下であることが好ましく、16以下であることがより好ましく、12以下であることがさらに好ましく、8以下であることがよりさらに好ましく、6以下であることが特に好ましく、4以下であることが最も好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また前記上限値以下とすることで硬化性が向上する傾向がある。
アルケニル基の具体例としては、エテニル基、プロペニル基、ブチレニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。これらの中でも硬化性の観点から、エテニル基又はプロペニル基が好ましく、エテニル基がより好ましい。
また、アルケニル基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、チオール基、スルフィド基等が挙げられる。これらの中でも現像性の観点から、アルキル基又はアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。置換基を2以上有する場合には、置換基同士が連結して環を形成していてもよい。
RBとしては、これらの中でも現像性と硬化性の観点から、エテニル基又はプロペニル基が好ましく、エテニル基がより好ましい。
(RC)
前記式(II)においてRCは置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。
RCにおけるアルケニル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルケニル基が挙げられる。その炭素数は、2以上であることが好ましくまた、20以下であることが好ましく、16以下であることがより好ましく、12以下であることがさらに好ましく、8以下であることがよりさらに好ましく、6以下であることが特に好ましく、4以下であることが最も好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで硬化性が向上する傾向がある。
アルケニル基の具体例としては、エテニル基、プロペニル基、ブチレニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。これらの中でも硬化性の観点から、エテニル基又はプロペニル基が好ましく、エテニル基がより好ましい。
また、アルケニル基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、チオール基、スルホン基等が挙げられる。これらの中でも現像性の観点から、アルキル基又はアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。置換基を2以上有する場合には、置換基同士が連結して環を形成していてもよい。
このように、RCは置換基を有していてもよいアルケニル基を表すが、これらの中でも現像性の観点から、エテニル基又はプロペニル基であることが好ましく、エテニル基であることがより好ましい。
(α)
前記式(II)においてαは、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基、又は置換基を有していてもよいアルケニレン基を表す。
αにおけるアルキレン基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキレン基が挙げられる。その炭素数は、1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、また、22以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましく、18以下であることがさらに好ましく、16以下であることがよりさらに好ましく、14以下であることが特に好ましく、12以下であることが最も好ましい。前記下限値以上とすることで密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで硬化性が向上する傾向がある。
アルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、シクロヘキシレン基、メチルシクロヘキシレン基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン基、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン基等が挙げられる。これらの中でも硬化性の観点から、エチレン基、シクロヘキシレン基又はメチルシクロヘキシレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
また、アルキレン基が有していてもよい置換基としては、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、チオール基、スルフィド基等が挙げられる。これらの中でも現像密着性の観点から、アルケニルが好ましい。また、置換基を2以上有する場合には、置換基同士が連結して環を形成していてもよい。
また、αにおけるアリーレン基としては、2価の芳香族炭化水素環基及び2価の芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は6以上であることが好ましく、また、24以下であることが好ましく、22以下であることがより好ましく、20以下であることがさらに好ましく、18以下であることがよりさらに好ましく、16以下であることが特に好ましく、14以下であることが最も好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などが挙げられる。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などが挙げられる。これらの中でも現像性の観点から、ベンゼン環基、又はナフタレン環基が好ましく、ベンゼン環基がより好ましい。
また、アリーレン基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、チオール基、スルホン基等が挙げられる。これらの中でも現像性の観点から、ヒドロキシル基又はカルボキシル基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。また、置換基を2以上有する場合には、置換基同士が連結して環を形成していてもよい。
置換基を有するアリーレン基の具体例としては、カルボキシルベンゼン環基等が挙げられる。
また、αにおけるアルケニレン基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルケニレン基が挙げられる。その炭素数は、2以上であることが好ましくまた、22以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましく、18以下であることがさらに好ましく、16以下であることがよりさらに好ましく、14以下であることが特に好ましく、12以下であることが最も好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
アルケニレン基の具体例としては、エテニレン基、プロペニレン基、シクロヘキセニレン基、メチルエテニレン基等が挙げられる。これらの中でも現像性の観点から、エテニレン基、シクロヘキセニレン基が好ましく、エテニレン基がより好ましい。
また、アルケニレン基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、チオール基、スルフィド基等が挙げられる。これらの中でも現像性の観点から、アルキル基又はアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。また、置換基を2以上有する場合には、置換基同士が連結して環を形成していてもよい。
このように、αは置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基、又は置換基を有していてもよいアルケニレン基を表すが、これらの中でも現像性の観点から、アルキレン基又はアルケニレン基であることが好ましく、アルキレン基であることがより好ましい。
また、前記一般式(I)で表される繰り返し単位構造は、現像性の観点から、下記一般式(I-1)で表される繰り返し単位構造であることが好ましい。なお、式(I-1)で表される繰り返し単位構造は、式中に前記一般式(1)で表される部分構造を含む。
式(I-1)中、RA及びRBは、前記式(I)のものと同義である。R1は前記式(1)のものと同義である。
また、前記一般式(I)で表される繰り返し単位構造は、感度の観点から、下記一般式(I-2)で表される繰り返し単位構造であることが好ましい。
式(I-2)中、RA及びRBは、前記式(I)のものと同義である。
(c2)アクリル共重合樹脂に含まれる前記一般式(I)で表される部分構造の含有割合は特に限定されないが、5モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上がさらに好ましく、50モル%以上がよりさらに好ましく、70モル%以上が特に好ましく、80モル%以上が最も好ましく、また、99モル%以下が好ましく、97モル%以下がより好ましく、95モル%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで残渣が低減する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像密着性が向上する傾向がある。
(c2)アクリル共重合樹脂に含まれる前記一般式(I-1)で表される部分構造の含有割合は特に限定されないが、1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上がさらに好ましく、15モル%以上がよりさらに好ましく、20モル%以上が特に好ましく、また、99モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましく、40モル%以下がさらに好ましく、30モル%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで感度が高くなり、残渣が低減する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像密着性が向上する傾向がある。
(c2)アクリル共重合樹脂に含まれる前記一般式(I-2)で示される部分構造の含有割合は特に限定されないが、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましく、20モル%以上がさらに好ましく、30モル%以上がよりさらに好ましく、40モル%以上が特に好ましく、50モル%以上が最も好ましく、また、99モル%以下が好ましく、90モル%以下がより好ましく、80モル%以下がさらに好ましく、70モル%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで感度が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が向上する傾向がある。
(一般式(I’)で表される部分構造)
(c2)アクリル共重合樹脂が前記一般式(I)で表される部分構造を含む場合、他に含まれる部分構造は特に限定されないが、現像密着性の観点から、例えば、下記一般式(I’)で表される部分構造が含まれることが好ましい。
上記式(I’)中、RDは水素原子又はメチル基を表し、REは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。
(RE)
前記式(I’)において、REは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。
REにおけるアルキル基としては直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は、1以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、5以上であることがさらに好ましく、また、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましく、16以下であることがさらに好ましく、14以下であることがよりさらに好ましく、12以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで膜強度が高くなり、現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、ジシクロペンタニル基、ドデカニル基等が挙げられる。これらの中でも膜強度の観点から、ジシクロペンタニル基又はドデカニル基が好ましく、ジシクロペンタニル基がより好ましい。
また、アルキル基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
REにおけるアリール基としては、1価の芳香族炭化水素環基及び1価の芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は6以上であることが好ましく、また、24以下であることが好ましく、22以下であることがより好ましく、20以下であることがさらに好ましく、18以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などが挙げられる。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などが挙げられる。これらの中でも硬化性の観点から、ベンゼン環基、又はナフタレン環基が好ましく、ベンゼン環基がより好ましい。
また、アリール基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
REにおけるアルケニル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルケニル基が挙げられる。その炭素数は、2以上であることが好ましく、また、22以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましく、18以下であることがさらに好ましく、16以下であることがよりさらに好ましく、14以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
アルケニル基の具体例としては、エテニル基、プロペニル基、ブチレニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。これらの中でも硬化性の観点から、エテニル基又はプロペニル基が好ましく、エテニル基がより好ましい。
また、アルケニル基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
このように、REは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアルケニル基を表すが、これらの中でも現像性の観点から、アルキル基又はアルケニルが好ましく、アルキル基がより好ましい。
(c2)アクリル共重合樹脂に含まれる前記一般式(I’)で表される部分構造の含有割合は特に限定されないが、0.5モル%以上が好ましく、1モル%以上がより好ましく、1.5モル%以上がさらに好ましく、2モル%以上が特に好ましく、また、90モル%以下が好ましく、70モル%以下がより好ましく、50%モル以下がさらに好ましく、30モル%以下がよりさらに好ましく、10モル%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
(一般式(I’’)で表される部分構造)
(c2)アクリル共重合樹脂が前記一般式(I)で表される部分構造を含む場合、他に含まれる部分構造として、耐熱性、膜強度の観点から下記一般式(I’’)で表される部分構造が含まれることが好ましい。
上記式(I’’)中、RFは水素原子又はメチル基を表し、RGは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルコキシ基、チオール基、又は置換基を有していてもよいアルキルスルフィド基を表す。tは0~5の整数を表す。
(RG)
前記式(I’’)においてRGは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルコキシ基、チオール基、又は置換基を有していてもよいアルキルスルフィド基を表す。
RGにおけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は、1以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、5以上であることがさらに好ましく、また、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましく、16以下であることがさらに好ましく、14以下であることがよりさらに好ましく、12以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、ジシクロペンタニル基、ドデカニル基等が挙げられる。これらの中でも現像密着性の観点から、ジシクロペンタニル基又はドデカニル基が好ましく、ジシクロペンタニル基がより好ましい。
また、アルキル基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
RGにおけるアルケニル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルケニル基が挙げられる。その炭素数は、2以上であることが好ましく、また、22以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましく、18以下であることがさらに好ましく、16以下であることがよりさらに好ましく、14以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
アルケニル基の具体例としては、エテニル基、プロペニル基、ブチレニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。これらの中でも硬化性の観点から、エテニル基又はプロペニル基が好ましく、エテニル基がより好ましい。
また、アルケニル基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
RGにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、これらの中でも撥液性の観点からはフッ素原子が好ましい。
RGにおけるアルコキシ基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルコキシ基が挙げられる。その炭素数は、1以上であることが好ましく、また、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましく、16以下であることがさらに好ましく、14以下であることがよりさらに好ましく、12以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
また、アルコシ基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
RGにおけるアルキルスルフィド基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキルスルフィド基が挙げられる。その炭素数は、1以上であることが好ましく、また、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましく、16以下であることがさらに好ましく、14以下であることがよりさらに好ましく、12以下であることが特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
アルキルスルフィド基の具体例としては、メチルスルフィド基、エチルスルフィド基、プロピルスルフィド基、ブチルスルフィド基等が挙げられる。これらの中でも現像性の観点から、メチルスルフィド基又はエチルスルフィド基が好ましい。
また、アルキルスルフィド基におけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
このように、RGは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、チオール基、又は置換基を有していてもよいアルキルスルフィド基を表すが、これらの中でも現像性の観点から、ヒドロキシル基又はカルボキシル基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
(t)
前記式(I’’)においてtは0~5の整数を表す。現像性の観点から、2以下が好ましく、1以下がより好ましく、0がさらに好ましい。
(c2)アクリル共重合樹脂に含まれる前記一般式(I’’)で表される部分構造の含有割合は特に限定されないが、1モル%以上が好ましく、2モル%以上がより好ましく、3モル%以上がさらに好ましく、5モル%以上が特に好ましく、また、90モル%以下が好ましく、70モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましく、30モル%以下がよりさらに好ましく、20モル%以下が特に好ましく、10モル%以下が最も好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
(一般式(I’’’)で表される部分構造)
(c2)アクリル共重合樹脂が前記一般式(I)で表される部分構造を含む場合、他に含まれる部分構造として、現像性の観点から下記一般式(I’’’)で表される部分構造が含まれることが好ましい。
上記式(I’’’)中、RHは水素原子又はメチル基を表す。
(c2)アクリル共重合樹脂に含まれる前記一般式(I’’’)で示される部分構造の含有割合は特に限定されないが、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましく、30モル%以上がさらに好ましく、また、90モル%以下が好ましく、80モル%以下がより好ましく、70モル%以下がさらに好ましく、50モル%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで残渣が低減する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像密着性が向上する傾向がある。一方で、アウトガスの観点から、0%、つまり、前記一般式(I’’’)で示される部分構造を含まないことが好ましい。
(c2)アクリル共重合樹脂の酸価は特に限定されないが、5mgKOH/g以上が好ましく、10mgKOH/g以上がより好ましく、30mgKOH/g以上がさらに好ましく、40mgKOH/g以上がよりさらに好ましく、50mgKOH/g以上が特に好ましく、また、100mgKOH/g以下が好ましく、90mgKOH/g以下がより好ましく、70mgKOH/g以下がさらに好ましく、60mgKOH/g以下がよりさらに好ましい。前記下限値以上とすることで残渣が低減する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像密着性が向上する傾向がある。
(c2)アクリル共重合樹脂の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、好ましくは1000以上、より好ましくは2000以上、さらに好ましくは3000以上、よりさらに好ましくは4000以上、特に好ましくは5000以上であり、また、通常30000以下、好ましくは20000以下、より好ましくは15000以下、さらに好ましくは10000以下である。特に好ましくは7000以下である。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで残渣が低減する傾向がある。
(C)アルカリ可溶性樹脂に含まれる(c2)アクリル共重合樹脂の含有割合は特に限定されないが、現像性の観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましく、また、通常100質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像溶解性が良好となる傾向があり、前記上限値以下とすることでテーパー角が高くなる傾向がある。
(C)アルカリ可溶性樹脂中には、(c1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂又は(c2)アクリル共重合樹脂のいずれかが単独で含まれていてもよく、両者が含まれていてもよい。さらに、(c1)及び(c2)以外の樹脂が含まれていてもよい。例えば、フッ素原子含有官能基を有するアルカリ可溶性樹脂を含ませることで、(C)アルカリ可溶性樹脂自体に撥液性を付与してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物中における(C)アルカリ可溶性樹脂の含有割合は、全固形分に対して、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、特に好ましくは40質量%以上、また、通常90質量%以下、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、特に好ましくは50質量%以下である。前記下限値以上とすることで現像性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで素子発光時のアウトガスを低減する傾向がある。
本発明の感光性樹脂組成物中におけるアルカリ可溶性樹脂(c)の含有割合は、全固形分に対して、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、特に好ましくは40質量%以上、また、通常90質量%以下、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、特に好ましくは50質量%以下である。前記下限値以上とすることで素子発光時のアウトガスが低減する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜減りを抑えられる傾向がある。
(C)アルカリ可溶性樹脂中におけるアルカリ可溶性樹脂(c)の含有割合は、通常10質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上、また、通常100質量%以下である。前記下限値以上とすることで現像性が向上し、また、素子発光時のアウトガスが低減する傾向がある。
また、全固形分中における(A)エチレン性不飽和化合物及び(C)アルカリ可溶性樹脂の含有割合は、全固形分に対して、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、よりさらに好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上であり、最も好ましくは85質量%以上であり、また、通常99質量%以下、好ましくは97質量%以下、より好ましくは95質量%以下である。前記下限値以上とすることで硬化性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで素子発光時のアウトガス低減する傾向がある。
また、感光性樹脂組成物中の(A)エチレン性不飽和化合物に対する(C)アルカリ可溶性樹脂の配合比としては、(A)エチレン性不飽和化合物100質量部に対して、50質量部以上が好ましく、60質量部以上がより好ましく、70質量部以上がさらに好ましく、80質量部以上が特に好ましく、また、400質量部以下が好ましく、300質量部以下がより好ましく、200質量部以下がさらに好ましく、100質量部以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像密着性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで硬化性が向上する傾向がある。
[1-1-4](D)成分;撥液剤
本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物は、(D)撥液剤を含有していてもよい。特に、インクジェット法で有機電界発光素子を作成する場合には(D)撥液剤を含有することが好ましく、(D)撥液剤を含有することでそれが隔壁の表面に撥液性を付与できることから、得られる隔壁を有機層の発光部(画素)ごとの混色を防ぐものとすることができると考えられる。
撥液剤としては、シリコーン含有化合物やフッ素系化合物が挙げられ、好ましくは、架橋基を有する撥液剤(以下、「架橋基含有撥液剤」と称す場合がある。)が挙げられる。架橋基としては、エポキシ基又はエチレン性不飽和基が挙げられ、現像液の撥液成分の流出抑制の観点から、好ましくはエチレン性不飽和基である。
架橋基含有撥液剤を用いる場合には、形成した塗布膜を露光する際にその表面での架橋反応を加速することができ、撥液剤が現像処理で流出しにくくなり、その結果、得られる隔壁を高い撥液性を示すものとすることができると考えられる。
撥液剤としてフッ素系化合物を用いた場合には、当該フッ素化合物が隔壁の表面に配向して、インキのにじみや混色を防止する働きをする傾向がある。さらに詳しくは、フッ素原子を有する基が、インキをはじき、インキが隔壁を越えて隣接する領域に進入することによるインキのにじみや混色を防ぐ働きをする傾向がある。
架橋基含有撥液剤、特にエチレン性不飽和基含有フッ素系化合物の具体例としては、例えばパーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルアルキレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基と親水基を含むオリゴマー、パーフルオロアルキル基と親油基を含むオリゴマー、パーフルオロアルキル基と親水基と新油基を含むオリゴマー、パーフルオロアルキルと親水基を含むウレタン、パーフルオロアルキルエステル、パーフルオロアルキル燐酸エステルなどのフッ素含有有機化合物を挙げることができる。これらのフッ素含有化合物の市販品としては、DIC社製「メガファックF116」、「メガファックF120」、「メガファックF142D」、「メガファックF144D」、「メガファックF150」、「メガファックF160」、「メガファックF171」、「メガファックF172」、「メガファックF173」、「メガファックF177」、「メガファックF178A」、「メガファックF178K」、「メガファックF179」、「メガファックF183」、「メガファックF184」、「メガファックF191」、「メガファックF812」、「メガファックF815」、「メガファックF824」、「メガファックF833」、「メガファックRS101」、「メガファックRS102」「メガファックRS105」、「メガファックRS201」、「メガファックRS202」、「メガファックRS301」、「メガファックRS303」「メガファックRS304」、「メガファックRS401」、「メガファックRS402」、「メガファックRS501」、「メガファックRS502」、「メガファックRS-72-K」、「DEFENSA MCF300」、「DEFENSA MCF310」、「DEFENSA MCF312」、「DEFENSA MCF323」、スリーエムジャパン社製「フロラードFC430」、「フロラードFC431」、「FC-4430」、「FC-4432」、旭硝子社製「アサヒガードAG710」、「サーフロンS-382」、「サーフロンSC-101」、「サーフロンSC-102」、「サーフロンSC-103」、「サーフロンSC-104」、「サーフロンSC-105」、「サーフロンSC-106」、ダイキン工業社製「オプツールDAC―HP」などの商品名で市販されている含フッ素有機化合物を使用することができる。
このように、撥液剤としてフッ素系化合物を用いる場合において、撥液剤中のフッ素原子含有量は特に制限されないが、好ましくはフッ素原子含有量が1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、また、50質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで画素部への流出を抑制できる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで高い接触角を示す傾向がある。
撥液剤の分子量は特に制限されず、低分子量の化合物でも、高分子量体であってもよい。高分子量体の撥液剤の方が、ポストベークによる撥液剤の流動性が抑えられるため、バンクから撥液剤の流出を抑えることができるため好ましく、係る観点から撥液剤の数平均分子量は、100以上が好ましく、500以上がより好ましく、100000以下が好ましく、10000以下がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物中の(D)撥液剤の含有割合は、全固形分に対して通常0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、通常1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下である。前記下限値以上とすることで高い撥液性を示す傾向があり、また、前記上限値以下とすることで画素部への流出を抑制できる傾向がある。
一方で、本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物は、(D)撥液剤と共に界面活性剤を用いてもよく、また、(D)撥液剤に代えて界面活性剤を用いてもよい。界面活性剤は、隔壁形成用感光性樹脂組成物の塗布液としての塗布性、および塗布膜の現像性の向上などを目的として用いることができ、中でもフッ素系又はシリコーン系の界面活性剤が好ましい。
特に、現像の際、未露光部から感光性樹脂組成物の残渣を除去する作用があり、また、濡れ性を発現する機能を有することから、シリコーン系界面活性剤が好ましく、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤がさらに好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖および側鎖の少なくとも何れかの部位にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物が好適である。具体的には、1,1,2,2-テトラフルオロオクチル(1,1,2,2-テトラフルオロプロピル)エーテル、1,1,2,2-テトラフルオロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2-テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコールジ(1,1,2,2,3,3-ヘキサフルオロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2-テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3-ヘキサフルオロペンチル)エーテル、パーフルオロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10-デカフルオロドデカン、1,1,2,2,3,3-ヘキサフルオロデカンなどを挙げることができる。これらの市販品としては、例えば、BM Chemie社製「BM-1000」、「BM-1100」、DIC社製「メガファックF142D」、「メガファックF172」、「メガファックF173」、「メガファックF183」、「メガファックF470」、「メガファックF475」、スリーエムジャパン社製「FC430」、ネオス社製「DFX-18」などを挙げることができる。
また、シリコーン系界面活性剤としては、例えば、東レ・ダウコーニング社製「DC3PA」、「SH7PA」、「DC11PA」、「SH21PA」、「SH28PA」、「SH29PA」、「8032Additive」、「SH8400」、ビックケミー社製「BYK323」、「BYK330」などの市販品を挙げることができる。
界面活性剤として、フッ素系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤以外のものを含んでいてもよく、その他、界面活性剤としては、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性界面活性剤などが挙げられる。
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類などが挙げられる。これらの市販品としては、例えば、花王社製の「エマルゲン104P」、「エマルゲンA60」などのポリオキシエチレン系界面活性剤などが挙げられる。
また、上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩類、特殊高分子系界面活性剤などが挙げられる。中でも、特殊高分子系界面活性剤が好ましく、特殊ポリカルボン酸型高分子系界面活性剤がさらに好ましい。このようなアニオン性界面活性剤としては市販品を用いることができ、例えば、アルキル硫酸エステル塩類では、花王社製「エマール10」等、アルキルナフタレンスルホン酸塩類では花王社製「ペレックスNB-L」など、特殊高分子系界面活性剤では花王社製「ホモゲノールL-18」、「ホモゲノールL-100」などが挙げられる。
さらに、上記カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩類、イミダゾリン誘導体類、アルキルアミン塩類などが、また、両性界面活性剤としては、ベタイン型化合物類、イミダゾリウム塩類、イミダゾリン類、アミノ酸類などが挙げられる。これらのうち、第4級アンモニウム塩類が好ましく、ステアリルトリメチルアンモニウム塩類がさらに好ましい。市販のものとしては、例えば、アルキルアミン塩類では花王社製「アセタミン24」など、第4級アンモニウム塩類では花王社製「コータミン24P」、「コータミン86W」などが挙げられる。
また、界面活性剤は2種類以上の組み合わせで用いてもよく、例えば、シリコーン系界面活性剤/フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤/特殊高分子系界面活性剤、フッ素系界面活性剤/特殊高分子系界面活性剤の組み合わせなどが挙げられる。中でも、シリコーン系界面活性剤/フッ素系界面活性剤の組み合わせが好ましい。このシリコーン系界面活性剤/フッ素系界面活性剤の組み合わせでは、例えば、/ネオス社製「DFX-18」、ビックケミー社製「BYK-300」または「BYK-330」/AGCセイミケミカル社製「S-393」、信越シリコーン社製「KP340」/DIC社製「F-478」または「F-475」、東レ・ダウコーニング社製「SH7PA」/ダイキン社製「DS-401」、NUC社製「L-77」/スリーエムジャパン社製「FC4430」などが挙げられる。
[1-1-5]重合禁止剤
本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物は、重合禁止剤を含有してもよい。重合禁止剤を含有することでそれがラジカル重合を阻害することから、得られる隔壁のテーパー角を大きくすることができると考えられる。
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、メチルヒドロキノン、メトキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-クレゾール(BHT)などが挙げられる。これらの中でも重合禁止能力の観点から、ハイドロキノン又はメトキシフェノールが好ましく、メチルハイドロキノンがより好ましい。
重合禁止剤は、1種又は2種以上を含有することが好ましい。通常、(C)アルカリ可溶性樹脂を製造する際に、当該樹脂中に重合禁止剤が含まれることがあり、それを本発明の重合禁止剤として用いてもよいし、樹脂中の重合禁止剤の他に、それと同一、又は異なる重合禁止剤を感光性樹脂組成物製造時に添加してもよい。
感光性樹脂組成物中の重合禁止剤の含有割合は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、通常0.0005質量%以上、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上であり、また通常0.3質量%以下、好ましくは0.2質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下である。前記下限値以上とすることでテーパー角を高くすることができる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで高感度を保つことができる傾向がある。
[1-1-6]紫外線吸収剤
本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物は、紫外線吸収剤を含有してもよい。紫外線吸収剤は、露光に用いられる光源の特定の波長を紫外線吸収剤によって吸収させることにより、光硬化分布を制御する目的で添加されるものである。紫外線吸収剤の添加により、現像後のテーパー角形状を改善したり、現像後に非露光部に残る残渣をなくしたりするなどの効果が得られる。紫外線吸収剤としては、開始剤の光吸収の阻害の観点から、例えば、波長250nmから400nmの間に吸収極大を有する化合物を用いることができる。
紫外線吸収剤の例としては、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾエート化合物、桂皮酸誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン及びその誘導体、ジナフタレン化合物、フェナントロリン化合物、染料等が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、テーパー角を高める観点から、ベンゾトリアゾール系化合物及び/又はヒドロキシフェニルトリアジン系化合物が好ましく、ベンゾトリアゾール系化合物が特に好ましい。
ベンゾトリアゾール系化合物の中でも、テーパー形状の点から、下記の一般式(Z1)で記載されるベンゾトリアゾール化合物が好ましい。
上記式(Z1)中、R1e及びR2eは各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、下記一般式(Z2)で表される基、又は下記一般式(Z3)で表される基を表す。R3eは、水素原子又はハロゲン原子を表す。
上記式(Z2)中、R4eは置換基を有していてもよいアルキレン基を表し、R5eは置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
上記式(Z3)中、R6eは置換基を有していてもよいアルキレン基を表し、R7eは水素原子またはメチル基を表す。
(R1e及びR2e)
前記式(Z1)において、R1e及びR2eは各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、一般式(Z2)で表される基、又は一般式(Z3)で表される基を表す。
アルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は、1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、4以上であることがさらに好ましく、また、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましく、4以下であることがさらに好ましい。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。これらの中でもtert-ブチル基が好ましい。
また、アルキル基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。
(R3e)
前記式(Z1)において、R3eは、水素原子又はハロゲン原子を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
これらの中でも合成の観点から、R3eが水素原子であることが好ましい。
(R4e)
前記式(Z2)において、R4eは置換基を有していてもよいアルキレン基を表す。
アルキレン基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキレン基が挙げられる。その炭素数は通常1以上であり、2以上が好ましく、また6以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下がさらに好ましい。
アルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。これらの中でもエチレン基が好ましい。
また、アルキレン基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。
これらの中でも、R4eがエチレン基であることが好ましい。
(R5e)
前記式(Z2)において、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
アルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は、4以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましく、7以上であることがさらに好ましく、また、15以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましく、9以下であることがさらに好ましい。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプシル基、オクチル基、ノニル基等が挙げられる。
また、アルキル基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。
これらの中でもテーパー形状の観点から、R5eがヘプチル基、オクチル基、ノニル基であることが好ましい。
(R6e)
前記式(Z3)において、R6eは置換基を有していてもよいアルキレン基を表す。
アルキレン基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキレン基が挙げられる。その炭素数は通常1以上であり、2以上が好ましく、また6以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下がさらに好ましい。
アルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。これらの中でもエチレン基が好ましい。
また、アルキレン基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。
これらの中でもテーパー形状の観点から、R1eがtert-ブチル基、R2eが前記式(Z2)で表される基(ただしR4eがエチレン基、R5eが炭素数7~9のアルキル基)、R3eが水素原子である化合物、又はR1eが水素原子、R2eが前記式(Z3)で表される基(ただしR6eがエチレン基、R7eがメチル基)、R3eが水素原子である化合物が好ましく、R1eがtert-ブチル基、R2eが前記式(Z2)で表される基(ただしR4eがエチレン基、R5eが炭素数7~9のアルキル基)、R3eが水素原子である化合物がより好ましい。
ベンゾトリアゾール系化合物の具体例としては、2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、オクチル-3[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェニル]プロピオネートと2-エチルヘキシル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェニル]プロピオネートの混合物、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-tert-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ベンゼンプロパン酸、3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ、C7-9側鎖及び直鎖アルキルエステルの化合物、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、が挙げられる。これらの中でも、テーパー角と露光感度の観点から、3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ、C7-9側鎖及び直鎖アルキルエステルの化合物が好ましい。
市販されているベンゾトリアゾール系化合物としては例えば、スミソーブ200、スミソーブ250、スミソーブ300、スミソーブ340、スミソーブ350(住友化学製)、JF77、JF78、JF79、JF80、JF83(城北化学工業製)、TINUVIN PS、TINUVIN99-2、TINUVIN109、TINUVIN384-2、TINUVIN326、TINUVIN900、TINUVIN928、TINUVIN1130(BASF製)、EVERSORB70、EVERSORB71、EVERSORB72、EVERSORB73、EVERSORB74、EVERSORB75、EVERSORB76、EVERSORB234、EVERSORB77、EVERSORB78、EVERSORB80、EVERSORB81(台湾永光化学工業製)、トミソーブ100、トミソーブ600(エーピーアイコーポレーション製)、SEESORB701、SEESORB702、SEESORB703、SEESORB704、SEESORB706、SEESORB707、SEESORB709(シプロ化成製)、RUVA-93(大塚化学株式会社)などが挙げられる。
トリアジン系化合物としては、2-[4,6-ジ(2,4-キシリル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-オクチルオキシフェノール、2‐[4,6‐ビス(2,4‐ジメチルフェニル)‐1,3,5‐トリアジン‐2‐イル]‐5‐[3‐(ドデシルオキシ)‐2‐ヒドロキシプロポキシ]フェノール、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと(2-エチルヘキシル-グリシド酸エステルの反応生成物、2,4-ビス「2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル」-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3-5-トリアジン等が挙げられる。これらの中でも、テーパー角と露光感度の観点から、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物が好ましい。
市販されているトリアジン系化合物としては例えば、TINUVIN400、TINUVIN405、TINUVIN460、TINUVIN477、TINUVIN479(BASF製)などを挙げることができる。
その他の紫外線吸収剤としては、例えば、スミソーブ130(住友化学製)、EVERSORB10、EVERSORB11、EVERSORB12(台湾永光化学工業製)、トミソーブ800(エーピーアイコーポレーション製)、SEESORB100、SEESORB101、SEESORB101S、SEESORB102、SEESORB103、SEESORB105、SEESORB106、SEESORB107、SEESORB151(シプロ化成製)などのベンゾフェノン化合物;スミソーブ400(住友化学製)、サリチル酸フェニルなどのベンゾエート化合物;桂皮酸2-エチルヘキシル、パラメトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル、メトキシケイ皮酸イソプロピル、メトキシケイ皮酸イソアミル等の桂皮酸誘導体;α-ナフトール、β-ナフトール、α-ナフトールメチルエーテル、α-ナフトールエチルエーテル、1,2-ジヒドロキシナフタレン、1,3-ジヒドロキシナフタレン、1,4-ジヒドロキシナフタレン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、1,8-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン等のナフタレン誘導体;アントラセン、9,10-ジヒドロキシアントラセン等のアントラセン及びその誘導体;アゾ系染料、ベンゾフェノン系染料、アミノケトン系染料、キノリン系染料、アントラキノン系染料、ジフェニルシアノアクリレート系染料、トリアジン系染料、p-アミノ安息香酸系染料等の染料;等が挙げられる。これらの中でも、露光感度の観点から、桂皮酸誘導体、ナフタレン誘導体を用いることが好ましく、桂皮酸誘導体を用いることが特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物中の紫外線吸収剤の含有割合は、全固形分に対して、通常0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、特に好ましくは1質量%以上であり、また、通常15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。前記下限値以上とすることでテーパー角が大きくなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで高感度となる傾向がある。
また、(B)光重合開始剤に対する配合比としては、(B)光重合開始剤100質量部に対する紫外線吸収剤の配合量として、通常1質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上、さらに好ましくは50質量部以上、特に好ましくは80質量部以上であり、通常500質量部以下、好ましくは300質量部以下、より好ましくは200質量部以下、さらに好ましくは150質量部以下である。前記下限値以上とすることでテーパー角が大きくなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで高感度となる傾向がある。
[1-1-7]熱重合開始剤
さらに、本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物には、熱重合開始剤が含有されていてもよい。熱重合開始剤を含有することで、膜の架橋度を高くできる傾向がある。このような熱重合開始剤の具体例としては、例えば、アゾ系化合物、有機過酸化物および過酸化水素などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、光重合開始剤に感度向上や膜の架橋密度の増大を期待して熱重合開始剤を併用する場合、これらの含有割合の合計が、前述の感光性樹脂組成物中の光重合開始剤の含有割合となるようにすることが好ましく、また、光重合開始剤と熱重合開始剤との併用割合としては、感度の観点から、光重合開始剤100質量部に対して熱重合開始剤を5~300質量部とすることが好ましい。
[1-1-8]アミノ化合物
本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物には、熱硬化を促進するためにアミノ化合物が含まれていてもよい。この場合、感光性樹脂組成物中のアミノ化合物の含有割合としては、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、通常40質量%以下、好ましくは30質量%以下である。また、通常0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上である。前記上限値以下とすることで保存安定性を維持できる傾向があり、前記下限値以上とすることで十分な熱硬化性を確保できる傾向がある。
アミノ化合物としては、例えば、官能基としてメチロール基、それを炭素数1~8のアルコール縮合変性したアルコキシメチル基を少なくとも2個有するアミノ化合物が挙げられる。具体的には、例えば、メラミンとホルムアルデヒドとを重縮合させたメラミン樹脂;ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとを重縮合させたベンゾグアナミン樹脂;グリコールウリルとホルムアルデヒドとを重縮合させたグリコールウリル樹脂;尿素とホルムアルデヒドとを重縮合させた尿素樹脂;メラミン、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、または尿素などの2種以上とホルムアルデヒドとを共重縮合させた樹脂;上述の樹脂のメチロール基をアルコール縮合変性した変性樹脂などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。アミノ化合物としては中でも、メラミン樹脂およびその変性樹脂が好ましく、メチロール基の変性割合が、70%以上の変性樹脂が更に好ましく、80%以上の変性樹脂が特に好ましい。
上記アミノ化合物の具体例として、メラミン樹脂およびその変性樹脂としては、例えば、サイテック社製の「サイメル」(登録商標)300、301、303、350、736、738、370、771、325、327、703、701、266、267、285、232、235、238、1141、272、254、202、1156、1158、および、三和ケミカル社製の「ニカラック」(登録商標)MW-390、MW-100LM、MX-750LM、MW-30M、MX-45、MX-302などが挙げられる。また、上記ベンゾグアナミン樹脂およびその変性樹脂としては、例えば、サイテック社製の「サイメル」(登録商標)1123、1125、1128などが挙げられる。また、上記グリコールウリル樹脂およびその変性樹脂としては、例えば、サイテック社製の「サイメル」(登録商標)1170、1171、1174、1172、および、三和ケミカル社製の「ニカラック」(登録商標)MX-270などが挙げられる。また、上記尿素樹脂およびその変性樹脂としては、例えば、サイテック社製の「UFR」(登録商標)65、300、および、三和ケミカル社製の「ニカラック」(登録商標)MX-290などが挙げられる。
[1-1-9]着色剤
本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物には、隔壁を着色させる目的で着色剤が含まれていてもよい。着色剤としては、顔料、染料等公知の着色剤を用いることができる。また、例えば、顔料を用いる際に、その顔料が凝集したりせずに安定して感光性樹脂組成物中に存在できるように、公知の分散剤や分散助剤が併用されてもよい。特に撥液性隔壁を黒色に着色することで、鮮明な画素表示が得られる効果がある。黒色着色剤としては黒色染料や黒色顔料、カーボンブラック、チタンブラックなどの他、有機顔料を混合させて黒く着色することも低導電性を持たせる効果として有効である。着色剤の含有割合としては製版性と色特性の観点から、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、通常60質量%以下、好ましくは40質量%以下である。
一方で、隔壁からのアウトガスを低減させる目的の場合、隔壁を透明にするのが望ましく、その場合の着色剤の含有割合は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは0質量%である。
[1-1-10]塗布性向上剤、現像改良剤
本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物には、塗布性や現像溶解性を向上するために塗布性向上剤や現像改良剤が含まれていてもよい。塗布性向上剤あるいは現像改良剤としては、例えば公知の、カチオン性、アニオン性、ノニオン性、フッ素系、シリコーン系界面活性剤を用いることができる。また、現像改良剤として、有機カルボン酸或いはその無水物など公知のものを用いることもできる。また、その含有割合は、感度の観点から、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、通常20質量%以下、好ましくは10質量%以下である。
[1-1-11]シランカップリング剤
本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物には、基板との密着性を改善するため、シランカップリング剤を添加することも好ましい。シランカップリング剤の種類としては、エポキシ系、メタクリル系、アミノ系、イミダゾール系など種々の物が使用できるが、密着性向上の観点から、特にエポキシ系、イミダゾール系のシランカップリング剤が好ましい。その含有量は、密着性の観点から、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、通常20質量%以下、好ましくは15質量%以下である。
[1-1-12]リン酸系密着向上剤
本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物には、基板との密着性を改善するため、リン酸系密着向上剤を添加することも好ましい。リン酸系密着向上剤としては、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類が好ましく、中でも下記一般式(Va)、(Vb)、(Vc)で表されるものが好ましい。
上記一般式(Va)、(Vb)、(Vc)において、R8は水素原子又はメチル基を示し、r及びr’は各々独立に1~10の整数、sは1、2又は3である。
本発明の感光性樹脂組成物中のリン酸系密着向上剤の含有割合は、全固形分に対して、通常0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上、特に好ましくは0.4質量%以上であり、また、通常15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。前記下限値以上とすることで密着性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで感光性組成物の保存性を維持できる傾向がある。
[1-1-13]無機充填剤
また、本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物は、さらに、硬化物としての強度の向上と共に、アルカリ可溶性樹脂との適度な相互作用(マトリックス構造の形成)による塗布膜の優れた平坦性とテーパー角の向上等を目的として、無機充填剤を含有していてもよい。そのような無機充填剤としては、例えば、タルク、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、或いは、これらを各種シランカップリング剤により表面処理したものなどが挙げられる。
これら無機充填剤の平均粒子径としては、通常0.005~20μm、好ましくは0.01~10μmである。ここで本実施の形態にいう平均粒子径とは、ベックマン・コールター社製などのレーザ回折散乱粒度分布測定装置にて測定した値である。これらの無機充填剤のうち、特に、シリカゾルおよびシリカゾル変性物は、分散安定性と共にテーパー角の向上効果に優れる傾向があるため、好ましく配合される。本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物がこれらの無機充填剤を含む場合、その含有量としては、感度の観点から、全固形分に対して、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上であり、通常80質量%以下、好ましくは70質量%以下である。
[1-1-14]溶剤
本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物は、通常溶剤を含有し、前述の各成分を溶剤に溶解または分散させた状態で使用される(以下、溶剤を含む感光性樹脂組成物を「感光性樹脂組成物溶液」と記すことがある)。その溶剤としては、特に制限は無いが、例えば、以下に記載する有機溶剤が挙げられる。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコール-t-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メチル-3-メトキシブタノール、3-メトキシ-1-ブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルのようなグリコールジアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、3-メトキシ-1-ブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;エチレングリコールジアセテート、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,6-ヘキサノールジアセテートなどのグリコールジアセテート類;シクロヘキサノールアセテートなどのアルキルアセテート類;アミルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテルのようなエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メトキシメチルペンタノンのようなケトン類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、メトキシメチルペンタノール、グリセリン、ベンジルアルコールのような1価又は多価アルコール類;n-ペンタン、n-オクタン、ジイソブチレン、n-ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンのような芳香族炭化水素類;アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸プロピル、3-メトキシプロピオン酸ブチル、γ-ブチロラクトンのような鎖状又は環状エステル類;3-メトキシプロピオン酸、3-エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;ブチルクロライド、アミルクロライドのようなハロゲン化炭化水素類;メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類:テトラヒドロフラン、ジメチルテトラヒドロフラン、ジメトキシテトラヒドロフランのようなテトラヒドロフラン類などである。
上記に該当する市販の溶剤としては、ミネラルスピリット、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、アプコシンナー、ソーカルソルベントNo.1およびNo.2、ソルベッソ#150、シェルTS28 ソルベント、カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ジグライム(いずれも商品名)などが挙げられる。
上記溶剤は、感光性樹脂組成物中の各成分を溶解または分散させることができるもので、本発明の感光性樹脂組成物の使用方法に応じて選択されるが、塗布性の観点から、大気圧下(1013.25hPa)における沸点が60~280℃の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは70℃以上、260℃以下の沸点をもつものであり、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシ-1-ブチルアセテート、が好ましい。
これらの溶剤は1種を単独でもしくは2種以上を混合して使用することができる。また、これらの溶剤は、感光性樹脂組成物溶液中の全固形分の割合が、通常10質量%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、通常90質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下となるように使用されることが好ましい。前記下限値以上とすることで高い膜厚に対しても塗膜が得られる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで適度な塗布均一性が得られる傾向がある。
[1-2]隔壁形成用感光性樹脂組成物の物性
本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物の物性として、酸価が挙げられる。本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物は、全固形分に対する酸価が20mgKOH/g以上である。隔壁形成用感光性樹脂組成物を前記下限値以上とすることにより、現像液への溶解性が高くなり、未露光部が十分に溶解、除去でき、得られる隔壁のテーパー角が高くなるものと考えられる。
隔壁形成用感光性樹脂組成物の全固形分に対する酸価は、20mgKOH/g以上であれば特に限定されず、22mgKOH/g以上が好ましく、24mgKOH/g以上がより好ましく、26mgKOH/g以上がさらに好ましく、28mgKOH/g以上が特に好ましく、また、通常60mgKOH/g以下、55mgKOH/g以下が好ましく、50mgKOH/g以下がより好ましく、40mgKOH/g以下がさらに好ましく、35mgKOH/g以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像液への溶解性が高く、未露光部が十分に溶解、除去できることでテーパー角が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像密着性が良好となる傾向がある。
[1-3]隔壁形成用感光性樹脂組成物の調製方法
本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物は、上記の各成分を撹拌機で混合することにより調製される。なお、調製された感光性樹脂組成物が均一なものとなるよう、メンブランフィルタ等を用いて濾過してもよい。
[2]隔壁及び隔壁の形成方法
本発明の感光性樹脂組成物は隔壁、特に有機電界発光素子の有機層(発光部)を区画するための隔壁を形成するために好適に用いることができる。
以上説明した隔壁形成用感光性樹脂組成物を用いて隔壁(バンク)を形成する方法は特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。隔壁の形成方法としては、例えば、隔壁形成用感光性樹脂組成物を、基板上に塗布し、感光性樹脂組成物層を形成する塗布工程と、感光性樹脂組成物層を露光する露光工程と、を含む方法が挙げられる。このようなバンクの形成方法の具体例としては、フォトリソグラフィー法が挙げられる。
フォトリソグラフィー法では、隔壁形成用感光性樹脂組成物を、基板の隔壁が形成される領域全面に塗布して感光性樹脂組成物層を形成する。形成された感光性樹脂組成物層を、所定の隔壁のパターンに応じて露光した後、露光された感光性樹脂組成物層を現像して、基板上に隔壁が形成される。
フォトリソグラフィー法における、感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程では、隔壁が形成されるべき基板上に、ロールコーター、リバースコーター、バーコーター等の接触転写型塗布装置やスピンナー(回転式塗布装置)、カーテンフローコーター等の非接触型塗布装置を用いて感光性樹脂組成物を塗布し、必要に応じて、乾燥により溶媒を除去して、感光性樹脂組成物層を形成する。
次いで、露光工程では、ネガ型のマスクを利用して、感光性樹脂組成物に紫外線、エキシマレーザー光等の活性エネルギー線を照射し、感光性樹脂組成物層をバンクのパターンに応じて部分的に露光する。露光には、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、カーボンアーク灯等の紫外線を発する光源を用いることができる。露光量は感光性樹脂組成物の組成によっても異なるが、例えば10~400mJ/cm2程度が好ましい。
次いで、現像工程では、隔壁のパターンに応じて露光された感光性樹脂組成物層を現像液で現像することにより隔壁を形成する。現像方法は特に限定されず、浸漬法、スプレー法等を用いることができる。現像液の具体例としては、ジメチルベンジルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機系のものや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、4級アンモニウム塩等の水溶液が挙げられる。又、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
その後、現像後の隔壁にポストベークを施して加熱硬化する。ポストベークは、150~250℃で15~60分間が好ましい。
隔壁の形成に用いる基板は特に限定されず、隔壁が形成された基板を用いて製造される有機電界発光素子の種類に合わせて適宜選択される。好適な基板の材料としては、ガラスや、各種の樹脂材料が挙げられる。樹脂材料の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、及びポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリカーボネート;ポリ(メタ)メタアクリル樹脂;ポリスルホン;ポリイミドが挙げられる。これらの基板の材料の中では、耐熱性に優れることからガラス、及びポリイミドが好ましい。また、製造される有機電界発光素子の種類に応じて、隔壁が形成される基板の表面には、予めITOやZnO等の透明電極層を設けておいてもよい。
[3]有機電界発光素子
本発明の有機電界発光素子は、前述の隔壁形成用感光性樹脂組成物で構成される隔壁を備える。
以上説明した方法により製造された隔壁パターンを備える基板を用いて、種々の光学素子が製造される。有機電界発光素子を形成する方法は特に限定されないが、好ましくは、上記方法により基板上に隔壁のパターンを形成した後に、基板上の隔壁により囲まれた領域内にインクを注入して画素等の有機層を形成することによって、有機電界発光素子が製造される。
有機電界発光素子のタイプとしては、ボトムエミッション型やトップエミッション型が挙げられる。
ボトムエミッション型では、例えば、透明電極を積層したガラス基板上に隔壁を形成し、隔壁で囲まれた開口部に正孔輸送層、発光層、電子輸送層、金属電極層を積層して作成される。一方でトップエミッション型では、例えば、金属電極層を積層したガラス基板上に隔壁を形成し、隔壁で囲まれた開口部に電子輸送層、発光層、正孔輸送層、透明電極層を積層して作成される。
なお、発光層としては、特開2009-146691号公報や特許第5734681号公報に記載されているような有機電界発光層が挙げられる。また、特許第5653387号公報や特許第5653101号公報に記載されているような量子ドットを用いてもよい。
隔壁のテーパー角が低く、隔壁の下部が図1のようなすそ引き形状である場合、その部分の上部に蒸着層を形成しても発光しないため、発光面積は小さくなってしまう。またインクジェット方式で発光層を作成する場合には、有機層形成用のインクが隔壁のすそ部分で弾かれるため、隔壁によって囲まれた領域内が有機層形成用のインクにより均一に被覆されない場合がある。それに対して、テーパー角が高く、すそ引きのない良好な形状とすることで、隔壁により囲まれた領域内を発光させることができ、また、インクジェット方式においては有機層形成用のインクにより均一に被覆することができる。これにより、例えば、有機EL表示素子におけるハレーションの問題を解消することができる。
有機層形成用のインクを形成する際に使用される溶媒としては、水、有機溶剤、及びこれらの混合溶剤を用いることができる。有機溶剤は、インクの注入後に形成された皮膜から除去可能であれば特に限定されない。有機溶剤の具体例としては、トルエン、キシレン、アニソール、メシチレン、テトラリン、シクロヘキシルベンゼン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、及び酢酸ブチル、3-フェノキシトルエン、等が挙げられる。また、インクには、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。
隔壁により囲まれた領域内にインクを注入する方法としては、少量のインクを所定の箇所に容易に注入可能であることから、インクジェット法が好ましい。有機層の形成に使用されるインクは、製造される有機電界発光素子の種類に応じて適宜選択される。インクをインクジェット法により注入する場合、インクの粘度はインクをインクジェットヘッドから良好に吐出できる限り特に限定されないが、4~20mPa・sが好ましく、5~10mPa・sがより好ましい。インクの粘度は、インク中の固形分含有量の調整、溶媒の変更、粘度調整剤の添加等により調整することができる。
[4]画像表示装置
本発明の画像表示装置は、前述の有機電界発光素子を含むものである。有機電界発光素子を含むものであれば、画像表示装置の型式や構造については特に制限はなく、例えばアクティブ駆動型有機電界発光素子を用いて常法に従って組み立てることができる。例えば、「有機ELディスプレイ」(オーム社、平成16年8月20日発行、時任静士、安達千波矢、村田英幸著)に記載されているような方法で、本発明の画像表示装置を形成することができる。例えば、白色光を発光する有機電界発光素子とカラーフィルターとを組み合わせて画像表示させてもよいし、RGB等の発光色の異なる有機電界発光素子を組み合わせて画像表示させてもよい。
[5]照明
本発明の照明は、前述の有機電界発光素子を含むものである。型式や構造については特に制限はなく、本発明の有機電界発光素子を用いて常法に従って組み立てることができる。有機電界発光素子としては、単純マトリックス駆動方式としてもよいし、アクティブマトリックス駆動方式としてもよい。
本発明の照明が白色光を発光するものとするために、白色光を発光する有機電界発光素子を用いてもよい。また、発光色の異なる有機電界発光素子を組み合わせて、各色が混色して白色となるよう構成してもよいし、混色比率を調整できるように構成して調色機能を付与してもよい。
以下、本発明の隔壁形成用感光性樹脂組成物について、具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[1] 隔壁形成用感光性樹脂組成物の調製
各成分を表1に記載の配合割合(質量部)で用い、かつ、全固形分の含有割合が25質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて、各成分を均一になるまで撹拌して実施例及び比較例の隔壁形成用感光性樹脂組成物を調製した。なお、表1中の数値は固形分の値を意味する。
なお、表中の記号は以下のものを表す。
a-1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(日本化薬社製)
b-1:2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール(保土ヶ谷化学社製)
d-1:メガファック RS-72-K(DIC社製、フッ素系、エチレン性二重結合を有するオリゴマー)
e-1:2-メルカプトベンゾイミダゾール(東京化成社製)
e-2:ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオナート)(淀化学社製)
f-1:TINUVIN384-2(BASF社製、紫外線吸収剤)
g-1:KAYAMER PM-21(日本化薬社製)
c-1:以下のエチレン性不飽和基含有樹脂((c1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂/前記一般式(1)で表される部分構造及び前記一般式(iii)で表される部分構造を含む樹脂に相当)
下記式で表されるビスフェノールA型エポキシ化合物(エポキシ当量186g/eq、式中のnが1~20のものの混合物)100質量部、アクリル酸40質量部、p-メトキシフェノール0.06質量部、トリフェニルホスフィン2.4質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート126質量部を反応容器に仕込み、酸価が5mgKOH/g以下になるまで95℃で撹拌した。次いで、上記反応により得られた反応液80質量部にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート12質量部を加え、無水コハク酸4.5質量部を添加し、95℃で3時間反応させ、固形分酸価60mgKOH/g、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が8000のアルカリ可溶性樹脂(c-1)溶液を得た。
c-2:以下のエチレン性不飽和基含有樹脂((c1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂/前記一般式(1)で表される部分構造及び前記一般式(iii)で表される部分構造を含む樹脂に相当)
c-1と同様に上記式で表されるビスフェノールA型エポキシ化合物(エポキシ当量186g/eq、式中のnが1~20のものの混合物)100質量部、アクリル酸40質量部、p-メトキシフェノール0.06質量部、トリフェニルホスフィン2.4質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート126質量部を反応容器に仕込み、酸価が5mgKOH/g以下になるまで95℃で撹拌した。次いで、上記反応により得られた反応液80質量部にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート12質量部を加え、無水コハク酸2.3質量部を添加し、95℃で3時間反応させ、固形分酸価30mgKOH/g、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が8300のアルカリ可溶性樹脂(c-2)溶液を得た。
c-3:以下のアクリル共重合樹脂((c2)アクリル共重合樹脂/前記一般式(1)で表される部分構造及び前記一般式(I)で表される部分構造を含む樹脂に相当)
トリシクロデカンメタクリレート/スチレン/グリシジルメタクリレート(モル比:0.02/0.045/0.935)を構成モノマーとする共重合樹脂に、アクリル酸を前記グリシジルメタクリレートと等量付加反応させ、さらに無水コハク酸を上記の共重合樹脂1モルに対してモル比0.095になるように付加した、アルカリ可溶性のアクリル共重合樹脂(c-3)溶液。溶媒はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は9700、固形分酸価は23.8mgKOH/g。
c-4:以下のアクリル共重合樹脂((c2)アクリル共重合樹脂/前記一般式(1)で表される部分構造及び前記一般式(I)で表される部分構造を含む樹脂に相当)
トリシクロデカンメタクリレート/スチレン/グリシジルメタクリレート(モル比:0.032/0.069/0.899)を構成モノマーとする共重合樹脂に、アクリル酸を前記グリシジルメタクリレートと等量付加反応させ、さらに無水コハク酸を上記の共重合樹脂1モルに対してモル比0.24になるように付加した、アルカリ可溶性のアクリル共重合樹脂(c-4)溶液。溶媒はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は4800、固形分酸価は62.1mgKOH/g。
c-5:以下のアクリル共重合樹脂
トリシクロデカンメタクリレート/スチレン/グリシジルメタクリレート(モル比:0.3/0.1/0.6)を構成モノマーとする共重合樹脂に、アクリル酸をグリシジルメタクリレートと等量付加反応させ、さらに無水テトラヒドロフタル酸を上記の共重合樹脂1モルに対してモル比0.39になるように付加した、アルカリ可溶性のアクリル共重合樹脂(c-5)溶液。溶媒はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は8400、固形分酸価は81.4mgKOH/g。
隔壁形成用感光性樹脂組成物の物性評価は以下に記載の方法で行った。
(酸価の測定)
酸価はJIS K 0070-1992記載の方法で測定ができる。感光性樹脂組成物の酸価は感光性樹脂組成物を直接測定する他、樹脂の酸価と含有量より算出してもよい。実施例1、2、比較例1~3の感光性樹脂組成物の全固形分に対する酸価(レジスト酸価)の算出値を表1に示した。
(ガス量測定用基板の作成)
ガラス基板上にスピナーを用いて、加熱硬化(ポストベーク)後に1.7μmの厚みになるように前記隔壁形成用感光性樹脂組成物を塗布した。その後95℃で2分間ホットプレート上で加熱乾燥し、得られた塗膜をマスクを使用せずに、露光量100mJ/cm2で全面露光した。この時の波長365nmにおける強度は7.5mW/cm2であった。次いで24℃の2.38質量%TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液で60秒間スプレー現像した後、純水で10秒間洗浄した。この基板を、オーブン中230℃で30分間加熱硬化(ポストベーク)させ、硬化物付きのガス量測定用基板が得られた。
(ガス量の測定)
作成したガス量測定用基板(40mm×8mm、4枚)を加熱炉内で230℃、20分間加熱した際のアウトガスをGC/MS(Agilent Technologies社製、商品名「5973N」)にて分析し、検出されたピーク全成分の面積の総和を計算した。ただし、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液由来の、テトラメチルアンモニウムに対応するピークは除いて計算を行った。次に、検出されたピーク面積の総和より検量線を用いてトルエン量に換算し、測定した基板面積で除し、単位面積あたりのトルエン換算のアウトガス量(ng/cm2)を算出した。結果を表1に示した。なお検量線は、濃度既知のトルエンを用いてGC/MSを測定し、トルエン量と検出されるガスのピーク面積値をプロットして作成した。
(接触角測定用基板の作成)
ガラス基板上にスピナーを用いて、加熱硬化(ポストベーク)後に1.7μmの厚みになるように前記隔壁形成用感光性樹脂組成物を塗布した。その後95℃で2分間ホットプレート上で加熱乾燥し、得られた塗膜をマスクを使用せずに、露光量100mJ/cm2で全面露光した。この時の波長365nmにおける強度は7.5mW/cm2であった。次いで24℃の2.38質量%TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液で60秒間スプレー現像した後、純水で10秒間洗浄した。この基板を、オーブン中230℃で30分間加熱硬化(ポストベーク)させ、硬化物付きの接触角測定用基板が得られた。
(接触角の測定)
接触角の測定は協和界面科学社製Drop Master 500接触角測定装置により、23℃湿度50%の条件下で行った。前記接触角測定用基板の硬化物上にプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを0.7μL滴下し1秒後の接触角を測定した。測定結果を表1に示した。接触角が大きい方が、撥液性が高いことを表す。
[2] 隔壁の形成及び評価
以下に性能評価の方法を説明する。
(隔壁の形成)
表面にITO膜を形成したガラス基板の該ITO膜上にスピナーを用いて、加熱硬化(ポストベーク)後に1.7μmの厚みになるように前記隔壁形成用感光性樹脂組成物を塗布した。その後95℃で2分間ホットプレート上で加熱乾燥して、得られた塗膜に、フォトマスク(80μm×280μmの被覆部を40μm間隔で複数有するマスク)を用い、露光ギャップ16μmで、波長365nmにおける強度が7.5mW/cm2である紫外線を用いて、露光量が100mJ/cm2となるよう露光した。この際の紫外線照射は空気下で行った。次いで24℃の2.38質量%TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液で60秒間スプレー現像した後、純水で1分間洗浄した。これらの操作により、不要な部分を除去してパターンの形成された基板を、オーブン中230℃で30分間加熱硬化(ポストベーク)させ、格子状の隔壁を形成した。
(隔壁物のテーパー角および線幅、開口部の面積の評価)
前述の格子状の隔壁をカットして断面観察用のサンプルを作成し、走査型電子顕微鏡(SEM、キーエンス社製)を用いて隔壁の断面形状を観察し、そのテーパー角及び線幅を測定した。隔壁の断面形状は略台形状に観察された。
この断面図において、図1のように隔壁1とITO膜2との境界面をS、隔壁の高さをHとした。隔壁の斜辺において、境界面Sと接する斜辺との接線をTとし、接線Tと境界面Sのなす角を測定し、テーパー角とした。テーパー角は高いほど現像性が良好で残渣が発生しにくい傾向があり、インクジェット塗布において、より濡れ広がりやすい傾向がある。
また隔壁の下部の開口幅(横幅、縦幅)を測定し、それらを乗ずることで開口部の面積を算出した。テーパー角、テーパー下部の線幅および開口部の面積の結果を表1に記載した。なお、開口部の面積は、対応するマスク遮蔽部の面積に対する相対値である。テーパー角が小さいほど、隔壁の線幅が大きくなり、開口部の面積は小さくなる。
表1より、コハク酸を付加した樹脂(c-1)~(c-4)を各々含む感光性樹脂組成物を用いて得た基板のアウトガスの発生量は、テトラヒドロフタル酸を付加した樹脂(c-5)を含む感光性樹脂組成物を用いて得た基板のものと比較して、大幅に少ないことがわかった。
これより、コハク酸のように炭素鎖が短い酸を付加した樹脂を含む感光性樹脂組成物の方が、テトラヒドロフタル酸のように炭素鎖が長い酸を付加した樹脂を含む感光性樹脂組成物よりも、230℃30分間のポストベークによる加熱硬化後の、230℃加熱のガス測定条件において、アウトガスの発生量が小さくなることが確認された。これは、コハク酸のような炭素鎖が短い酸はポストベーク時に殆どが脱離除去されて、その後の230℃加熱時にはガスが発生しないためだと考えられる。
表1より、酸価の低い比較例1、2の感光性樹脂組成物を使用するとテーパー角が低く、一方で酸価の高い実施例1、2の感光性樹脂組成物を使用するとテーパー角が高くなることがわかった。さらにこれに付随して、酸価の低い感光性樹脂組成物を使用すると開口部の面積が小さく、酸価の高い感光性樹脂組成物を使用すると開口部の面積が大きくなることが確認された。感光性樹脂組成物の酸価が低いと、未露光部の現像液への溶解性が低くなり、塗膜の深層部が十分に現像されにくくなりテーパー角が低くなるが、感光性樹脂組成物の酸価を高くすることで、未露光部の現像液への溶解性を高くすることができ、未露光部が十分に溶解、除去でき、テーパー角が高くなると考えられる。