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JP7052295B2 - 炭化珪素半導体装置の製造方法 - Google Patents
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JP7052295B2 - 炭化珪素半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体素子をメインセルとセンスセルとに分け、メインセルに流れる電流をセンスセルにて検出する炭化珪素(以下、SiCという)半導体装置の製造方法に関するものである。
従来、特許文献1に、半導体の検査工程を含むSiC半導体装置の製造方法が提案されている。このSiC半導体装置の製造方法では、検査工程として、PNダイオードにおける積層欠陥の有無を検査する工程を行っている。具体的には、まず、SiCからなるバイポーラ半導体素子の温度を150℃以上かつ230℃以下に設定する設定工程と、バイポーラ半導体素子に電流密度が120A/cm以上かつ400A/cm以下の順方向電流を継続して流す通電工程と、を行う。続いて、順方向電流が流れているバイポーラ半導体素子の順方向抵抗、つまりオン抵抗が飽和状態となった場合の順方向抵抗の変化度合いを算出する算出工程と、算出した変化度合いが閾値未満であるか否かを判定する判定工程と、を行う。そして、変化度合いが閾値未満であれば、良品であると判定するという検査工程を行っている。
特開6104363号公報
しかしながら、半導体素子をメインセルとセンスセルとに分け、メインセルに流れる電流をセンスセルにて検出する場合、メインセルの順方向抵抗が変化しない場合でもセンスセルの順方向抵抗が変化することがある。この場合、例えば検査工程の前後において、メインセルに同じ電流値の電流を流したとしても、センスセルに流れる電流、換言すればセンスセルの出力が変化してしまう。このため、センスセルの出力に基づいてメインセルに流れる電流を精度良く検出することができなくなり、過電流や短絡電流の発生を検出できず、システムの故障を招く可能性があるという課題がある。
本発明は上記点に鑑みて、メインセルとセンスセルとを有する構成のSiC半導体装置の製造方法において、より精度良く良不良の検査を行えるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、半導体素子がメインセル領域(Rm)とセンスセル領域(Rs)にそれぞれ備えられた炭化珪素半導体装置の製造方法であって、メインセル領域とセンスセル領域に備えられる半導体素子をバイポーラ動作させて電流を流すことと、バイポーラ動作の前後において、センスセル領域に備えられた半導体素子の出力に相当する値を算出することと、半導体素子の出力に相当する値に基づいて、良不良の検査を行うことと、を含んでいる。
具体的には、センスセル領域に備えられた半導体素子の出力に相当する値を算出することでは、バイポーラ動作の前後において、センスセル領域に備えられた半導体素子のオン抵抗を算出すると共に、該バイポーラ動作の前後におけるセンスセル領域に備えられた半導体素子のオン抵抗の増大率を算出している。さらに、バイポーラ動作の前後において、メインセル領域に備えられた半導体素子のオン抵抗を算出すると共に、該バイポーラ動作の前後におけるメインセル領域に備えられた半導体素子のオン抵抗の増大率を算出することとを含み、良不良の検査を行うことでは、メインセル領域に備えられた半導体素子のオン抵抗の増大率とセンスセル領域に備えられた半導体素子のオン抵抗の増大率が、共に、所定の閾値の範囲内にあれば良品、いずれか一方でも該範囲外であれば不良品と判定する。
このようにして、センスセル領域の良不良の検査を行うことができる。このようにすれば、センスセル領域に素子動作に影響を及ぼすような積層欠陥が発生した場合について不良品と判定することができる。したがって、このような良不良の検査を行うことにより、メインセルとセンスセルとを有する構成のSiC半導体装置の製造方法において、より精度良く良不良の検査を行えるようにすることが可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態で説明する製造方法により製造されるSiC半導体装置の上面レイアウト図である。 メインセル領域およびセンスセル領域を通過する線上での断面図である。 SiC半導体装置に発生する結晶欠陥のモードの一例を示した図である。 SiC半導体装置に発生する結晶欠陥のモードの一例を示した図である。 SiC半導体装置に発生する結晶欠陥のモードの一例を示した図である。 良不良の検査の詳細を示したフローチャートである。 図1に示すSiC半導体装置の等価回路図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態にかかるSiC半導体装置の製造方法について説明する。ここでは、SiC半導体装置に備えられる半導体素子として、反転型のトレンチゲート構造のMOSFETを例に挙げて説明する。なお、SiC半導体装置の製造方法のうちの良不良の検査以外、つまりデバイス形成プロセスについては従来と同様であることから、ここでは良不良の検査について説明する。
まず、良不良の検査の説明に先立ち、本実施形態の製造方法によって製造するSiC半導体装置の構成について説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態にかかるSiC半導体装置は、メインセルとなる領域(以下、メインセル領域という)Rmおよびセンスセルとなる領域(以下、センスセル領域という)Rsを有した構成とされている。これら各領域Rm、Rsには、同じ構造の反転型のトレンチゲート構造のMOSFETが備えられており、各領域Rm、Rsの間が素子分離されている。
具体的には、本実施形態のSiC半導体装置は、SiCからなる高濃度不純物層を構成するn型基板1の表面側に、n型基板1よりも低不純物濃度のSiCからなるn型ドリフト層2が形成された半導体基板を用いて形成されている。n型ドリフト層2の上層部にはn型ドリフト層2よりも高不純物濃度のSiCで構成されたp型ベース領域3が形成されている。さらに、p型ベース領域3の上層部にはn型ソース領域4およびp型コンタクト領域5が形成されている。n型ソース領域4は、後述するトレンチゲート構造の両側に配置されており、p型コンタクト領域5は、n型ソース領域4を挟んでトレンチゲート構造と反対側に備えられている。
また、p型ベース領域3およびn型ソース領域4を貫通してn型ドリフト層2に達するように、紙面垂直方向を長手方向とするトレンチ6が形成されている。このトレンチ6の側面と接するように上述したp型ベース領域3およびn型ソース領域4が配置されている。
さらに、p型ベース領域3のうちn型ソース領域4とn型ドリフト層2との間に位置する部分の表層部をチャネル領域として、このチャネル領域を含むトレンチ6の内壁面にはゲート絶縁膜7が形成されている。そして、ゲート絶縁膜7の表面にはドープトPoly-Siにて構成されたゲート電極8が形成されており、これらゲート絶縁膜7およびゲート電極8によってトレンチ6内が埋め尽くされている。
このようにして、トレンチゲート構造が構成されている。このトレンチゲート構造は、図1の紙面垂直方向を長手方向として延設されており、複数のトレンチゲート構造が図1中の左右方向に並べられることでストライプ状とされている。また、上述したn型ソース領域4およびp型コンタクト領域5もトレンチゲート構造の長手方向に沿って延設された構造とされている。
さらに、n型ドリフト層2のうちp型ベース領域3よりも下方位置に、トレンチゲート構造におけるトレンチ6の間において、トレンチ6の長手方向と平行に並べられたp型ディープ層9が備えられている。p型ディープ層9は、トレンチ6の底部よりも深くなるように形成されており、p型不純物濃度がp型ベース領域3よりも高濃度とされている。
また、n型ソース領域4およびp型コンタクト領域5の表面やゲート電極8の表面には、ソース電極10や図示しないゲート配線層が形成されている。ソース電極10およびゲート配線層は、複数の金属、例えばNi/Al等によって構成されている。そして複数の金属のうち、n型ソース領域4などのn型SiCと接触する部分はn型SiCとオーミック接触可能な金属とされ、p型コンタクト領域5などのp型SiCと接触する部分はp型SiCとオーミック接触可能な金属とされている。なお、これらソース電極10およびゲート配線層は、層間絶縁膜11上に形成され、互いに分離されることで電気的に絶縁されている。この層間絶縁膜11に形成されたコンタクトホールを通じて、ソース電極10はn型ソース領域4およびp型コンタクト領域5と電気的に接触させられ、ゲート配線層はゲート電極8と電気的に接触させられている。
そして、n型基板1の裏面側にはn型基板1と電気的に接続されたドレイン電極12が形成されている。このような構造により、nチャネルタイプの反転型のトレンチゲート構造のMOSFETが構成されており、メインセル領域Rmとセンスセル領域Rsの両方に同じ構造のMOSFETが形成されている。そして、メインセル領域Rmとセンスセル領域Rsに備えられる反転型のMOSFETのセル面積、換言すればセル数が所定比率、例えば1000:1もしくは10000:1となるようにしてある。
また、メインセル領域Rmとセンスセル領域Rsとの間において、p型ベース領域3の表面からp型ベース領域3よりも深い位置まで素子分離層14が形成されている。この素子分離層14は、メインセル領域Rmとセンスセル領域Rsとの間を素子分離、つまり電気的に分離するものであり、酸化膜などの絶縁膜もしくはp型ベース領域3と反対の導電型であるn型層によって構成されている。
さらに、メインセル領域Rmのうちセンスセル領域Rsの近傍や、センスセル領域Rsのうちメインセル領域Rmの近傍では、MOSFETが形成されていない部分が設けられている。この領域におけるp型ベース領域3の下方には、p型層にて構成された電界緩和層15が形成されている。この電界緩和層15は、素子分離層14よりも深い位置まで形成されており、素子分離層14の底部がp型ベース領域3の底部から電界緩和層15の底部までの間に位置させられている。このため、電界緩和層15によって素子分離層14の底部での電界集中を緩和することが可能となり、十分な耐圧構造が得られるようにしている。
また、電界緩和層15は、素子分離層14の底部において分離されている。このため、メインセル領域Rm側の電界緩和層15とセンスセル領域Rs側の電界緩和層15が電気的に分離されており、電界緩和層15を通じてメインセル領域Rmとセンスセル領域Rsとが導通してしまわないようにしてある。
また、素子分離層14の上には、フィールド酸化膜16を介して層間絶縁膜11が形成されている。そして、例えば素子分離層14の上方において、メインセル領域Rmとセンスセル領域Rsそれぞれのソース電極10が分離されており、それぞれ別々に外部との接続が行えるようになっている。
メインセル領域Rmのうちセンスセル領域Rsの近傍や、センスセル領域Rsのうちメインセル領域Rmの近傍において、p型ベース領域3の上層部にp型コンタクト領域5aが形成されている。このp型コンタクト領域5a上において、層間絶縁膜11にはコンタクトホールが形成させられており、このコンタクトホールを通じてp型コンタクト領域5aがソース電極10に接続されている。これにより、p型ベース領域3がソース電位に固定さられるようにしてある。
以上のようにして、メインセル領域Rmおよびセンスセル領域Rsに同じ構造の反転型のトレンチゲート構造のMOSFETが備えられるSiC半導体装置が構成されている。このようなSiC半導体装置に備えられる反転型のトレンチゲート構造のMOSFETは、ゲート電極8にゲート電圧を印加すると、p型ベース領域3のうちトレンチ6に接している表面にチャネルが形成される。これにより、ソース電極10から注入された電子がn型ソース領域4からp型ベース領域3に形成されたチャネルを通った後、n型ドリフト層2に到達し、ソース電極10とドレイン電極12との間に電流を流すという動作が行われる。
そして、このような反転型のMOSFETをメインセル領域Rmとセンスセル領域Rsそれぞれに形成し、メインセル領域Rmとセンスセル領域Rsに備えられたMOSFETのセル面積、換言すればセル数を所定比率に設定してある。このため、メインセル領域Rmに流れる電流を所定比率で減少させた電流をセンスセル領域Rsに流すことができる。したがって、センスセル領域Rsに流れる電流を外部に出力することで、メインセル領域Rmに流れる電流をセンシングできる。
また、逆バイアス時には、p型ベース領域3およびp型ディープ層9などのP型SiCとn-ドリフト層2などのN型SiCとによるPN接合にて構成される内蔵ダイオードを通じて、ソース電極10とドレイン電極12の間に電流を流す。SiC半導体装置がインバータ回路などに適用される場合、ソース電極10とドレイン電極12との間に流れる還流電流が逆バイアス時に流れる電流となる。
このように、半導体素子としてMOSFETを備えたSiC半導体装置では、内蔵ダイオードを利用して還流電流を流すことができるが、このときの還流電流が非常に大きな電流となる。本実施形態のSiC半導体装置は、例えばn型基板1としてSiC単結晶を切り出した基板を用いて製造されるが、SiC単結晶には結晶欠陥が存在している。上記したように内蔵ダイオードに非常に大きな電流が流れると、素子動作にあまり影響を及ぼさなかった結晶欠陥を、影響を及ぼす状態に悪化させてしまうことがある。具体的には、SiC単結晶には、基底面転位(以下、BPDという)が存在しているが、BPDは線状欠陥であるために、半導体装置のセル領域内における占有面積が狭く、素子動作に及ぼす影響が殆ど無い。ところが、内蔵ダイオードに対して非常に大きな電流が流れると、BPDが拡大してシングルショックレースタッキングフォルト(以下、SSSFという)という積層欠陥になる。これがn型ドリフト層2のみでなく、より欠陥密度の大きなn型基板1に達すると、より積層欠陥の拡張によって占有面積が広くなり、素子動作に及ぼす影響が大きくなる。
ここで、積層欠陥が拡張したときの状態として、例えば、図3A~図3Cに示すモードが考えられる。図3Aは、センスセル領域Rsにのみ積層欠陥21が拡張するモードを示している。図3Bは、メインセル領域Rmで拡張し始めた積層欠陥21がセンスセル領域Rsまで伸長したモードを示している。図3Cは、メインセル領域Rmで拡張し始めて積層欠陥21がセンスセル領域Rsではない領域に伸長したモードを示している。
これらの図に示したように、欠陥起点20から積層欠陥21が拡張する。積層欠陥21は、一方向に延びるように拡張し、台形形状となる。これら各モードのうち、図3Cに示すモードについては、メインセル領域Rmの内蔵ダイオードに対して所定の電流密度の順方向電流を流したのち、MOSFETのオン抵抗の変化度合いを調べることで、積層欠陥21の発生を検出できる。
しかしながら、図3Aに示すモードについては、センスセル領域RsにおいてMOSFETのオン抵抗の変化が生じるものの、メインセル領域RmにおいてはMOSFETのオン抵抗の変化が無い。このため、メインセル領域Rmの内蔵ダイオードに対して所定の電流密度の順方向電流を流したのちMOSFETのオン抵抗の変化度合いを調べても、積層欠陥21を検出することができない。
また、図3Bに示すモードについては、メインセル領域RmでのMOSFETのオン抵抗の変化が生じるものの、その変化が小さく、センスセル領域RsのMOSFETのオン抵抗の変化の方が大きくなる。この場合、メインセル領域RmでのMOSFETのオン抵抗の変化率からは積層欠陥21の発生を検出できないことがあるが、センスセル領域Rsの出力の変化が発生することになるため、本来は積層欠陥21の発生を検出できるようにするべきである。
これらいずれのモードについても積層欠陥21の発生を検出できるように、SiC半導体装置の製造方法の1プロセスとして、図4に示すような良不良の検査を行っている。この良不良の検査は、図1および図2に示したSiC半導体装置におけるデバイス形成プロセスを終了した後に、チップ単位で行われる。
なお、本実施形態にかかるSiC半導体装置は、図5に示すモデル回路図に示されるように、メインセル領域RmのMOSFETとセンスセル領域RsのMOSFETとが並列接続されたのと等価の回路構成となる。
このような回路構成において、通常時の動作として、メインセル領域Rmやセンスセル領域Rsのゲート電極8に対してゲート電圧を印加し、ソース電極10およびドレイン電極12に所定電圧を印加することで、MOSFETがオンするという動作を行う。例えば、ゲート電圧として0~20Vの間、例えば20Vの直流電圧を印加すると共に、ソース電極10を接地電位とし、ドレイン電極12に対してSiC半導体装置のオン抵抗値として想定される抵抗値に応じたドレイン電圧を印加する。すなわち、MOSFETに対して流れる電流値がメインセル領域Rmで100A~数1000A、例えば100Aとなり、センスセル領域Rsでメインセル領域Rmに流す電流に対してセル面積の比率に応じた電流値となるように、ドレイン電圧を調整する。
また、逆バイアス時の動作として、ゲート電圧を0Vとし、ドレイン電圧やソース電圧として逆バイアス時に想定される電圧を印加すると、バイポーラ動作モードでMOSFETを動作させることができる。すなわち、内蔵ダイオードに対して還流電流が流れた場合と同様の動作を行わせることができる。
これらの通常時の動作と逆バイアス時の動作を行わせることで、良不良の検査を行う。なお、通常時の動作と逆バイアス時の動作については、メインセル領域Rmとセンスセル領域Rsのソース電極10が別々に備えられていることから、一方のみにソース電位を印加することで、動作させたい側についてのみ動作させることができる。
まず、ステップS100として、初期メイン側オン抵抗値測定を行う。初期メイン側オン抵抗値測定は、メインセル領域RmのMOSFETに対して逆バイアス時の動作を行わせる前の初期時のオン抵抗値を測定するものである。具体的には、メインセル領域RmのMOSFETに対して通常時の動作を行わせ、その時のメインセル領域RmのMOSFETのオン抵抗を測定する。
上記したように、メインセル領域RmのMOSFETに対して流れる電流値を所定値、例えば100Aとした場合に、その時のドレイン-ソース間電圧が判っているため、ドレイン-ソース間電圧を電流値で割ればオン抵抗が得られる。この時に得られたオン抵抗を初期値メイン側オン抵抗として記憶しておく。
次に、ステップS110として、初期センス側オン抵抗測定を行う。初期センス側オン抵抗測定は、センスセル領域RsのMOSFETに対して逆バイアス時の動作を行わせる前の初期時のオン抵抗値を測定するものである。具体的には、センスセル領域RsのMOSFETに対して通常時の動作を行わせ、その時のセンスセル領域RsのMOSFETのオン抵抗を測定する。
上記したように、センスセル領域RsのMOSFETに対して流れる電流値を所定値、例えば100/1000または100/10000Aとした場合に、ドレイン-ソース間電圧を電流値で割ればオン抵抗が得られる。この時に得られたオン抵抗を初期値センス側オン抵抗として記憶しておく。
続いて、ステップS120として、内蔵ダイオード順方向通電を行う。具体的には、メインセル領域Rmおよびセンスセル領域Rsの両方について、逆バイアス時の動作を行わせることで、還流電流に相当する順方向電流が流れる状態を作り出す。そして、この動作を所定時間実施する。このとき、逆バイアス時の動作を連続的に行わせることで順方向電流を直流電流のように発生させるようにしても良いし、パルス電流のように瞬間的に複数回発生させるようにしても良い。このように、逆バイアス時の動作を行わせることで、積層欠陥21に拡張するような欠陥起点20が存在していた場合には、その欠陥起点20から拡張して積層欠陥21が形成されることになる。
そして、ステップS130において、最終メイン側オン抵抗測定を行う。最終メイン側オン抵抗測定は、メインセル領域RmのMOSFETに対して逆バイアス時の動作を行わせた動作後のオン抵抗値を測定するものである。具体的には、メインセル領域RmのMOSFETに対して通常時の動作を行わせ、その時のメインセル領域RmのMOSFETのオン抵抗を測定する。測定の手法は、ステップS100と同様である。
同様に、ステップS140において、最終センス側オン抵抗測定を行う。最終センス側オン抵抗測定は、センスセル領域RsのMOSFETに対して逆バイアス時の動作を行わせた動作後のオン抵抗値を測定するものである。具体的には、センスセル領域RsのMOSFETに対して通常時の動作を行わせ、その時のセンスセル領域RsのMOSFETのオン抵抗を測定する。測定の手法は、ステップS110と同様である。
その後、ステップS150において、メインセル領域Rmにおけるオン抵抗増大率の算出を行う。例えば、ステップS130で求めた最終メイン側オン抵抗とステップS100で求めた初期メイン側オン抵抗の差を初期メイン側オン抵抗で割った値をオン抵抗増大率として算出することができる。さらに、ステップS160において、ステップS150と同様の手法によって、センスセル領域Rsにおけるオン抵抗増大率の算出を行う。
そして、ステップS170において、メインセル領域Rmとセンスセル領域Rsそれぞれのオン抵抗増大率に基づいて、良不良の判定を行う。具体的には、各オン抵抗増大率が所定の範囲内に収まっていれば積層欠陥21による影響は少なく良品であると判定し、いずれか一方でも所定の範囲外であれば積層欠陥21による影響が大きく不良品であると判定する。
以上のようにして、メインセル領域Rmおよびセンスセル領域Rsそれぞれの良不良の検査を行うことができる。このようにすれば、メインセル領域Rmだけでなく、センスセル領域Rsに素子動作に影響を及ぼすような積層欠陥21が発生した場合、つまり図3A~図3Cのいずれのモードについても不良品と判定することができる。したがって、このような良不良の検査を行うことにより、メインセルとセンスセルとを有する構成のSiC半導体装置の製造方法において、より精度良く良不良の検査を行えるようにすることが可能となる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、SiC半導体装置に備えられる半導体素子としてMOSFETを例に挙げたが、他の半導体素子、例えばIGBTやJFET等が備えられる場合についても、上記製造方法を適用できる。
IGBTの場合、図2に示したn型基板1の導電型をp型に反転させることで構成される。IGBTについては、バイポーラ動作を行うときには、ゲート電圧を印加して通常の動作を行わせる。そして、バイポーラ動作の前後において、上記したステップS100、S110、S120~S170と同様の処理を行うことで、良不良の検査を行うことができる。
また、JFETの場合、n型基板の上にn型層が形成されると共に、n型層の表層部に互いに離されて配置されたp型層が形成され、さらにn型基板に接する裏面電極とn型層およびp型層に接する表面電極が備えられた構成とされる。このような構成において、バイポーラ動作を行う場合には、p型層とn型層とのPN接合によるPNダイオードに対して電流を流すという動作を行わせる。そして、バイポーラ動作の前後において、上記したステップS100、S110、S120~S170と同様の処理を行うことで、良不良の検査を行うことができる。
また、上記実施形態で説明したステップS100、S110の順序やステップS130、S140の順序については入れ替えても良い。
さらに、上記実施形態では、半導体素子をバイポーラ動作させた前後のメインセル領域Rmやセンスセル領域Rsに形成された半導体素子の出力に相当する値として、オン抵抗を算出した。これは、積層欠陥21に応じて変化する半導体素子の出力に相当する値の一例を示したものである。例えば、半導体素子の出力そのもの、つまりゲート電圧やソース-ドレイン間電圧として所定電圧を印加したときにメインセル領域Rmやセンスセル領域Rsに流れる電流値を算出するようにしても良い
また、上記実施形態では、第1導電型をn型、第2導電型をp型としたnチャネルタイプの縦型MOSFETを例に挙げて説明したが、各構成要素の導電型を反転させたpチャネルタイプの縦型MOSFETとしても良い。勿論、半導体素子としてIGBTやJFETを適用する場合おいても同様である。
Rm メインセル領域
Rs センスセル領域
2 n型ドリフト層
3 p型ベース領域
4 n型ソース領域
6 トレンチ
7 ゲート絶縁膜
8 ゲート電極
10 ソース電極
12 ドレイン電極

Claims (3)

  1. 半導体素子がメインセル領域(Rm)とセンスセル領域(Rs)にそれぞれ備えられた炭化珪素半導体装置の製造方法であって、
    前記メインセル領域と前記センスセル領域に備えられる前記半導体素子をバイポーラ動作させて電流を流すことと、
    前記バイポーラ動作の前後において、前記センスセル領域に備えられた前記半導体素子の出力に相当する値を算出することと、
    前記半導体素子の出力に相当する値に基づいて、良不良の検査を行うことと、を含み、
    前記センスセル領域に備えられた前記半導体素子の出力に相当する値を算出することでは、前記バイポーラ動作の前後において、前記センスセル領域に備えられた前記半導体素子のオン抵抗を算出すると共に、該バイポーラ動作の前後における前記センスセル領域に備えられた前記半導体素子のオン抵抗の増大率を算出し、
    さらに、前記バイポーラ動作の前後において、前記メインセル領域に備えられた前記半導体素子のオン抵抗を算出すると共に、該バイポーラ動作の前後における前記メインセル領域に備えられた前記半導体素子のオン抵抗の増大率を算出することとを含み、
    前記良不良の検査を行うことでは、前記メインセル領域に備えられた前記半導体素子のオン抵抗の増大率と前記センスセル領域に備えられた前記半導体素子のオン抵抗の増大率が、共に、所定の閾値の範囲内にあれば良品、いずれか一方でも該範囲外であれば不良品と判定する炭化珪素半導体装置の製造方法。
  2. 前記半導体素子はMOSFETであり、
    前記バイポーラ動作させて電流を流すことでは、前記MOSFETに含まれる内蔵ダイオード(2、3、9)に対して順方向電流を流す請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  3. 前記バイポーラ動作させて電流を流すことでは、前記内蔵ダイオードに対して所定の電流密度で前記順方向電流を流す請求項2に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
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