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JP7073044B2 - 偏光フィルムの製造方法 - Google Patents
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JP7073044B2 - 偏光フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムである延伸フィルムを巻回してなる延伸フィルムロールの製造方法に関する。
偏光板を構成する偏光フィルムとして、延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素や二色性染料のような二色性色素を吸着配向させたものが従来用いられている。偏光フィルムの原料フィルムであるポリビニルアルコール系樹脂フィルムは通常、これをロール状に巻回してなるフィルムロール(原反ロール)として用意され、偏光フィルムは、このフィルムロールから連続的にフィルムを巻き出しながら、薬液への浸漬等の所定の処理を施すことにより連続製造される〔例えば、特開2013-109287号公報(特許文献1)の段落[0002]〕。
特開2013-109287号公報
偏光フィルムの製造において上記フィルムロール(原反ロール)からフィルムを巻き出す際、例えばフィルムロールから巻き出された直後に、フィルムが破断してしまうことがあった。特に、可塑剤を含むフィルムの場合、フィルムが破断しやすかった。
本発明の目的は、乾式延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを巻回してなるフィルムロールであって、そこからフィルムを巻き出したときのフィルム破断を抑制することができるフィルムロールを製造するための方法を提供することにある。
本発明は、以下に示す延伸フィルムロールの製造方法、及び偏光フィルムの製造方法を提供する。
[1] 乾式延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムである延伸フィルムを巻き取る工程を有し、
前記延伸フィルムを巻き取る工程における巻取張力が21.5MPa以下である、延伸フィルムロールの製造方法。
[2] 前記延伸フィルムは可塑剤を5質量%以上含む、[1]に記載の延伸フィルムロールの製造方法。
[3] [1]又は[2]に記載の製造方法により延伸フィルムロールを得る工程、
前記延伸フィルムロールから巻き出された前記延伸フィルムを処理液に接触させて偏光フィルムを得る工程、を有する、偏光フィルムの製造方法。
本発明によれば、フィルムを巻き出したときのフィルム破断を抑制することができるフィルムロールの製造方法を提供することができる。
本発明に係る延伸フィルムロールの製造方法の一例を示すフローチャートである。 熱ロールを用いた縦延伸処理の一例を示す概略断面図である。 熱ロールを用いた縦延伸処理の他の一例を示す概略断面図である。
<延伸フィルムロールの製造方法>
本発明に係る延伸フィルムロールの製造方法は、乾式延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムである延伸フィルムを巻き取る工程を有する。本発明の一形態では、図1に示すように、延伸フィルムを巻き取る工程S30の前に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを用意する工程S10、及びポリビニルアルコール系樹脂フィルムを延伸して延伸フィルムを得る工程S20を有する。以下、各工程について詳細に説明する。
なお、以下では、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを「PVA系樹脂フィルム」ともいう。また、フィルムの機械流れ方向を「MD」、MDに直交する方向、すなわちフィルムの幅方向を「TD」ともいう。
(1)PVA系樹脂フィルムを用意する工程S10
本工程で用意されるPVA系樹脂フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂で構成されたフィルムであり、通常、このフィルムは長尺である。ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体が例示される。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルからなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。その他の「(メタ)」を付した用語においても同様である。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、80.0~100.0モル%の範囲であることができるが、好ましくは90.0~100.0モル%の範囲であり、より好ましくは94.0~100.0モル%の範囲であり、さらに好ましくは98.0~100.0モル%の範囲である。ケン化度が80.0モル%未満であると、得られる延伸フィルムロールを用いて偏光フィルムを製造し、これを用いて偏光板を製造したとき、偏光板の耐水性及び耐湿熱性が低下し得る。
ケン化度とは、ポリビニルアルコール系樹脂の原料であるポリ酢酸ビニル系樹脂に含まれる酢酸基(アセトキシ基:-OCOCH3)がケン化工程により水酸基に変化した割合
をユニット比(モル%)で表したものであり、下記式:
ケン化度(モル%)=100×(水酸基の数)/(水酸基の数+酢酸基の数)
で定義される。ケン化度は、JIS K 6726(1994)に準拠して求めることができる。
ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、好ましくは100~10000であり、より好ましくは1500~8000であり、さらに好ましくは2000~5000である。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度もJIS K 6726(1994)に準拠して求めることができる。平均重合度が100未満では、得られる延伸フィルムロールを偏光フィルムの原料として使用する場合、好ましい偏光性能を有する偏光フィルムを得ることが困難であり、10000を超えると溶媒への溶解性が悪化し、PVA系樹脂フィルムの形成(製膜)が困難となり得る。
本明細書において、「ポリビニルアルコール系樹脂」とは、樹脂に含まれる全構造単位中、ビニルアルコールの構造単位(-CH-CH(OH)-)が50モル%以上である樹脂を意味する。
本工程で用意されるPVA系樹脂フィルムは、延伸されたものであってもよいが、通常は上記ポリビニルアルコール系樹脂を製膜してなる未延伸フィルムである。製膜方法は、特に限定されるものではなく、溶融押出法、溶剤キャスト法のような公知の方法を採用することができる。
PVA系樹脂フィルムは、可塑剤等の添加剤を含有することができる。可塑剤の好ましい例は多価アルコールであり、その具体例は、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジグリセリン、トリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ポリエチレングリコール等を含む。PVA系樹脂フィルムは、1種又は2種以上の可塑剤を含有することができる。可塑剤の含有率は、通常5~20質量%であり、好ましくは7~15質量%である。可塑剤の含有率の具体的な測定方法は、後述する実施例の項の記載に従う。
PVA系樹脂フィルムの厚みは、通常65μm以下であり、好ましくは50μm以下、より好ましくは35μm以下、さらに好ましくは30μm以下、特に好ましくは25μm以下である。PVA系樹脂フィルムを偏光フィルムの原料として用いる場合、PVA系樹脂フィルムの厚みを小さくするほど、偏光フィルムの薄膜化には有利となる。しかしながら一般に、PVA系樹脂フィルムの厚みを小さくすると、延伸フィルムロールから延伸フィルムを巻き出したときのフィルム破断が生じやすくなる。本発明によれば、PVA系樹脂フィルムの厚みが小さい場合であっても、フィルム破断を効果的に抑制することが可能である。PVA系樹脂フィルムの厚みは、通常5μm以上であり、好ましくは10μm以上である。
(2)延伸フィルムを得る工程S20
本工程は、工程S10で用意したPVA系樹脂フィルムを延伸して、延伸フィルムを得る工程である。この延伸フィルムは通常、長尺フィルムである。PVA系樹脂フィルムに対して延伸処理を施す本工程を設けることは、フィルムロールからフィルムを巻き出したときのフィルム破断を抑制するうえで有利となる。この観点から、フィルムを巻き取ってフィルムロールを製造する前に、PVA系樹脂フィルムに対して延伸処理を施しておくことが好ましい。
PVA系樹脂フィルムに対する延伸処理は、空中で行う乾式延伸である。すなわち、延伸フィルムを得る工程S20は、PVA系樹脂フィルムを乾式延伸する工程を含む。乾式延伸は、フィルムの乾燥処理を行うことなく、巻き取ることができる点で好ましい。
PVA系樹脂フィルムに対する延伸処理は通常、一軸延伸であり、好ましくは縦一軸延伸である。縦延伸とは、フィルムのMD、すなわちフィルムの長手方向への延伸をいう。
乾式延伸としては、表面が加熱された熱ロールと、この熱ロールとは周速の異なるガイドロール(又は熱ロールであってもよい。)との間にフィルムを通し、熱ロールを利用した加熱下に縦延伸を行う熱ロール延伸;距離を置いて設置された2つのニップロール間にある加熱手段(オーブン等)を通過させながら、これら2つのニップロール間の周速差によって縦延伸を行うロール間延伸;テンター延伸;圧縮延伸等を挙げることができる。
表面特性が良好な延伸フィルムを比較的得やすいことから、上記の中でも、乾式延伸は、熱ロールを利用した熱ロール延伸であることが好ましい。従って本工程は、例えば、長尺のPVA系樹脂フィルムを連続的に搬送しながら、熱ロールを含む熱ロール延伸装置に導入することにより、延伸フィルムを連続的に長尺物として製造する工程であることができる。熱ロール延伸は通常、縦一軸延伸であり、より典型的には自由端縦一軸延伸である。
熱ロール延伸装置は、少なくとも1つの熱ロールを含み、2以上の熱ロールを含んでいてもよい。図2に熱ロール延伸処理及びそれに用いる熱ロール延伸装置の一例を示す。図2に示される熱ロール延伸装置は、フィルム搬送の上流側から順に第1ニップロール10、熱ロール5及び第2ニップロール20を含む。熱ロール延伸装置に導入されたPVA系樹脂フィルム1は、第1ニップロール10、熱ロール5及び第2ニップロール20をこの順で含む搬送経路に沿って搬送される。すなわち、PVA系樹脂フィルム1はまず第1ニップロール10,10間を通過し、次いで熱ロール5に巻き掛けられた状態でその表面に接触しながら走行し、その後、第2ニップロール20,20間を通過し、延伸フィルム2が得られる。第1ニップロール10、第2ニップロール20及び熱ロール5はいずれも駆動ロールである。駆動ロールとは、モータ等のロール駆動源が直接又は間接的に接続されたロールなど、それに接触するフィルムに対してフィルム搬送のための駆動力を与えることができるロールをいう。第1ニップロール10と熱ロール5との間、及び/又は熱ロール5と第2ニップロール20との間にガイドロールを設けてもよい。
図2に示される熱ロール延伸装置において、縦延伸のために必要なPVA系樹脂フィルム1への張力(引張力)は、第1ニップロール10又は第2ニップロール20と、熱ロール5との間の周速差によって付与される。例えば熱ロール5の周速を第1ニップロール10の周速よりも大きくすると、熱ロール5から第1ニップロール10へ向かう方向の張力(後方張力)が付与されながら、熱ロール5による加熱下にPVA系樹脂フィルム1は縦延伸される。一方、第2ニップロール20の周速を熱ロール5の周速よりも大きくすると、第2ニップロール20から熱ロール5へ向かう方向の張力(前方張力)が付与されながら、熱ロール5による加熱下にPVA系樹脂フィルム1は縦延伸される。
縦延伸は、熱ロール5によりPVA系樹脂フィルム1が延伸可能な程度まで加熱され、かつ十分な張力が付与されたときに生じる。後方張力が付与されている場合、縦延伸は、PVA系樹脂フィルム1が熱ロール5の表面に接触した瞬間、及び/又はその前後(例えば手前)で生じ得る。前方張力が付与されている場合、縦延伸は、熱ロール5の表面に接触している間、及び/又はその直後に生じ得る。
縦延伸のために必要なPVA系樹脂フィルム1にかかる張力の好ましい範囲は、10~25MPaであり、より好ましくは13~22MPaである。張力が10MPaを下回る場合にはフィルムの搬送性が低下し、皺等を生じる可能性がある。また、張力が25MPaを上回る場合には均一な縦延伸を行うことが困難となる。フィルムの搬送速度は特に限定されず、例えば2~20m/分である。上述の張力の値は、張力が生じている方向に対し垂直となるフィルム断面の単位面積当たりに換算したもの([N/m]=[Pa])であり、以後、張力の数値に関しては、特に断りが無い限り、フィルム単位断面積当たりの張力(Pa)として記載する。
熱ロール5としては、その表面温度を高めることができるものである限り特に制限されず、熱源(例えば、温水等の熱媒、赤外線ヒーター、誘導加熱コイル、誘電加熱回路等)を内部に備え、表面が金属やステンレス等の合金で構成されたロールを用いることができる。
図3に示されるように、熱ロール延伸装置は、2以上の熱ロールを含んでいてもよい。図3は、3つの熱ロール6,7,8を含む例を示している。2以上の熱ロールを含む場合、縦延伸は、2つの熱ロールの間、及び/又は熱ロールの表面に接触している間に生じ得る。
本工程における延伸処理の延伸倍率は、通常1.1~8倍であり、好ましくは2~6倍である。延伸フィルム2を偏光フィルムの原料として使用する場合における偏光フィルムの光学特性(特に偏光特性)の観点から、延伸倍率は、より好ましくは3.5倍以上であり、さらに好ましくは4倍以上である。
熱ロール延伸時の熱ロールの表面温度は、例えば80~150℃である。表面温度があまりに高いと、加熱されたPVA系樹脂フィルム1の強度が低下し、延伸時に破断する可能性がある。表面温度があまりに低いとPVA系樹脂フィルム1の延伸自体が困難となり得る。
延伸フィルム2の厚みは、通常2~40μmであり、これを用いて製造される偏光フィルムの薄膜化の観点から、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは15μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下である。一般に、延伸フィルムの厚みを小さくすると、延伸フィルムロールから延伸フィルム2を巻き出したときのフィルム破断が生じやすくなる。本発明によれば、延伸フィルム2の厚みが小さい場合であっても、フィルム破断を効果的に抑制することが可能である。
(3)延伸フィルムを巻き取る工程S30
本工程は、延伸フィルム2を巻き取って延伸フィルムロールを得る工程である。フィルムの巻き取りは、常法に従って行うことができる。
延伸フィルム2を巻き取る際の巻取張力は21.5MPa以下であり、好ましくは、21.5MPa未満であり、より好ましくは、15MPa以下である。かかる巻取張力とすることにより、この延伸フィルムロールから延伸フィルムを巻き出したときのフィルム破断を効果的に抑制することができる。巻取張力は、通常10MPa以上である。ここでの巻取張力は、延伸フィルムの巻きはじめから巻き終わりのいずれの段階においても上記範囲を実質的に満たすことを意味する。なお、実質的に満たすとは、上記範囲を満たさない時間があったとしても、かかる時間が連続60秒未満である限りにおいては、実質的に満たすものとする。巻姿のきれいな延伸フィルムロールを得るために、通常、巻きはじめから段階的に巻取張力を小さくしていくようにする。巻取張力の具体的な測定方法は、後述する実施例の項の記載に従う。
延伸フィルム2の巻取速度は特に制限されず、通常の速度であってよい。巻取速度は、例えば、2~20m/秒であり、好ましくは4~15m/秒である。
延伸フィルムロールを構成する延伸フィルム2の長さは、例えば1000~40000mであり、好ましくは5000~35000mである。また延伸フィルム2の幅は、例えば1~3mであり、好ましくは1.5~2.5mである。
延伸フィルムロールを構成する延伸フィルム2は、可塑剤等の添加剤を含有することができる。可塑剤の好ましい例は、上記したPVA系樹脂フィルムにおけるものと同じである。延伸フィルムの可塑剤の含有率は、通常5~20質量%であり、好ましくは7~15質量%である。一般に、延伸フィルムに可塑剤が含まれている場合、さらには可塑剤の含有率が5質量%以上である場合に、延伸フィルムロールから延伸フィルムを巻き出したときのフィルム破断が生じやすくなる。本発明によれば、延伸フィルムに可塑剤が含まれる場合であっても、また可塑剤の含有率が5質量%以上の場合であっても、フィルム破断を効果的に抑制することが可能である。可塑剤の含有率の具体的な測定方法は、後述する実施例の項の記載に従う。
<偏光フィルム及び偏光板の製造>
本発明に係る製造方法によって得られる延伸フィルムロールは、偏光フィルムの原料として好適に用いることができる。偏光フィルムは、延伸フィルムロールから巻き出された延伸フィルムを処理液に接触させて偏光フィルムを得る処理工程を経て製造することができる。かかる処理工程は、具体的には、二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程;二色性色素が吸着されたフィルムを架橋処理する工程;及び、架橋処理後に水洗する工程、を含むことができる。このようにして製造される偏光フィルムは、延伸されたPVA系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向しているものである。二色性色素としては、ヨウ素又は二色性有機染料を用いることができる。このような偏光フィルムの製造方法においては、延伸フィルムロールから巻き出された延伸フィルムに生じる破断を抑制することができる。
延伸フィルムを二色性色素で染色する方法としては、例えば、延伸フィルムを二色性色素が含有された水溶液(染色溶液)に浸漬する方法が採用される。延伸フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理(膨潤処理)を施しておくことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は、通常、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、延伸フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この染色水溶液におけるヨウ素の含有量は、水100重量部あたり通常0.01~1重量部である。また、ヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部あたり通常0.5~20重量部である。染色水溶液の温度は、通常20~40℃程度である。
一方、二色性色素として二色性有機染料を用いる場合は、通常、水溶性の二色性有機染料を含む染色水溶液に、延伸フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。染色水溶液における二色性有機染料の含有量は、水100重量部あたり通常1×10-4~10重量部であり、好ましくは1×10-3~1重量部である。この染色水溶液は、硫酸ナトリウム等の無機塩を染色助剤として含有していてもよい。染色水溶液の温度は、通常20~80℃程度である。
二色性色素による染色後の架橋処理は、染色されたフィルムを架橋剤含有水溶液に浸漬することにより行うことができる。架橋剤の好適な例はホウ酸であるが、ホウ砂のようなホウ素化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド等の他の架橋剤を用いることもできる。架橋剤は1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤含有水溶液における架橋剤の量は、水100重量部あたり通常2~15重量部であり、好ましくは4~12重量部である。二色性色素としてヨウ素を用いる場合、この架橋剤含有水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましい。架橋剤含有水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、水100重量部あたり通常0.1~15重量部であり、好ましくは5~12重量部である。架橋剤含有水溶液の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50~85℃である。
架橋処理後のフィルムは通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、架橋処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬することにより行うことができる。水洗処理における水の温度は通常、1~40℃程度である。
膨潤処理、染色処理、架橋処理及び洗浄処理のいずれか1以上の処理において、必要に応じてフィルムに湿式延伸を施してもよい。
水洗後に乾燥処理を施して、偏光フィルムが得られる。乾燥処理は、熱風乾燥機による乾燥、熱ロールに接触させることによる乾燥、遠赤外線ヒーターによる乾燥などであることができる。乾燥処理の温度は、通常30~100℃程度であり、40~90℃が好ましい。偏光フィルムの厚みは、通常2~40μmである。偏光板の薄膜化の観点から、偏光フィルムの厚みは、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは15μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下である。
得られた偏光フィルムは、順次巻き取ってロールとしてもよいし、巻き取ることなくそのまま偏光板作製工程に供することもできる。
偏光フィルムの片面又は両面に接着剤層を介して熱可塑性樹脂フィルムを貼合することにより偏光板を得ることができる。熱可塑性樹脂フィルムは、透光性を有する熱可塑性樹脂、好ましくは光学的に透明な熱可塑性樹脂で構成されるフィルムである。熱可塑性樹脂フィルムを構成する熱可塑性樹脂は、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロースのようなセルロース系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;メタクリル酸メチル系樹脂のような(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系樹脂;アクリロニトリル・スチレン系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリアセタール系樹脂;変性ポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリスルホン系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリアミドイミド系樹脂;ポリイミド系樹脂等であることができる。
鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂のような鎖状オレフィンの単独重合体のほか、2種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体を挙げることができる。より具体的な例は、ポリプロピレン系樹脂(プロピレンの単独重合体であるポリプロピレン樹脂や、プロピレンを主体とする共重合体)、ポリエチレン系樹脂(エチレンの単独重合体であるポリエチレン樹脂や、エチレンを主体とする共重合体)を含む。
環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称である。環状ポリオレフィン系樹脂の具体例を挙げれば、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレンのような鎖状オレフィンとの共重合体(代表的にはランダム共重合体)、及びこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、並びにそれらの水素化物等である。中でも、環状オレフィンとしてノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等のノルボルネン系モノマーを用いたノルボルネン系樹脂が好ましく用いられる。
セルロース系樹脂とは、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)等の原料セルロースから得られるセルロースの水酸基における水素原子の一部または全部がアセチル基、プロピオニル基及び/又はブチリル基で置換された、セルロース有機酸エステル又はセルロース混合有機酸エステルをいう。例えば、セルロースの酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、及びそれらの混合エステル等からなるものが挙げられる。中でも、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートが好ましい。
ポリエステル系樹脂は、エステル結合を有する、上記セルロース系樹脂以外の樹脂であり、多価カルボン酸又はその誘導体と多価アルコールとの重縮合体からなるものが一般的である。多価カルボン酸又はその誘導体としては2価のジカルボン酸又はその誘導体を用いることができ、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ナフタレンジカルボン酸ジメチル等が挙げられる。多価アルコールとしては2価のジオールを用いることができ、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。好適なポリエステル系樹脂の例は、ポリエチレンテレフタレートを含む。
ポリカーボネート系樹脂は、カルボナート基を介してモノマー単位が結合された重合体からなるエンジニアリングプラスチックであり、高い耐衝撃性、耐熱性、難燃性、透明性を有する樹脂である。ポリカーボネート系樹脂は、光弾性係数を下げるためにポリマー骨格を修飾したような変性ポリカーボネートと呼ばれる樹脂や、波長依存性を改良した共重合ポリカーボネート等であってもよい。
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系モノマー由来の構成単位を含む重合体である。該重合体は、典型的にはメタクリル酸エステルを含む重合体である。好ましくはメタクリル酸エステルに由来する構造単位の割合が、全構造単位に対して、50重量%以上である重合体である。(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル酸エステルの単独重合体であってもよいし、他の重合性モノマー由来の構成単位を含む共重合体であってもよい。この場合、他の重合性モノマー由来の構成単位の割合は、好ましくは全構造単位に対して、50重量%以下である。
(メタ)アクリル系樹脂を構成し得るメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸アルキルエステルが好ましい。メタクリル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t-ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチルのようなアルキル基の炭素数が1~8であるメタクリル酸アルキルエステルが挙げられる。メタクリル酸アルキルエステルに含まれるアルキル基の炭素数は、好ましくは1~4である。(メタ)アクリル系樹脂において、メタクリル酸エステルは、1種のみを単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル系樹脂を構成し得る上記他の重合性モノマーとしては、アクリル酸エステル、及びその他の分子内に重合性炭素-炭素二重結合を有する化合物を挙げることができる。他の重合性モノマーは、1種のみを単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。アクリル酸エステルとしては、アクリル酸アルキルエステルが好ましい。アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2-ヒドロキシエチルのようなアルキル基の炭素数が1~8であるアクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。アクリル酸アルキルエステルに含まれるアルキル基の炭素数は、好ましくは1~4である。(メタ)アクリル系樹脂において、アクリル酸エステルは、1種のみを単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
その他の分子内に重合性炭素-炭素二重結合を有する化合物としては、エチレン、プロピレン、スチレン等のビニル系化合物や、アクリロニトリルのようなビニルシアン化合物が挙げられる。その他の分子内に重合性炭素-炭素二重結合を有する化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂フィルムは、偏光フィルムを保護するための保護フィルムであることができる。また、熱可塑性樹脂フィルムは、位相差フィルム、輝度向上フィルムのような光学機能を併せ持つ保護フィルムであることもできる。例えば、上記材料からなる熱可塑性樹脂フィルムを延伸(一軸延伸又は二軸延伸等)したり、該フィルム上に液晶層等を形成したりすることにより、任意の位相差値が付与された位相差フィルムとすることができる。熱可塑性樹脂フィルムは、その表面に積層される、ハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層、防汚層のような表面処理層(コーティング層)を有していてもよい。
熱可塑性樹脂フィルムの厚みは通常1~100μmであるが、強度や取扱性、偏光板の薄膜化等の観点から5~60μmであることが好ましく、5~50μmであることがより好ましい。
偏光フィルムと熱可塑性樹脂フィルムとの貼合に用いる接着剤としては、水系接着剤、活性エネルギー線硬化性接着剤又は熱硬化性接着剤を用いることができ、好ましくは水系接着剤、活性エネルギー線硬化性接着剤である。
水系接着剤は、接着剤成分を水に溶解したもの又は水に分散させたものである。好ましく用いられる水系接着剤は、例えば、主成分としてポリビニルアルコール系樹脂又はウレタン樹脂を用いた接着剤組成物である。
接着剤の主成分としてポリビニルアルコール系樹脂を用いる場合、当該ポリビニルアルコール系樹脂は、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコールのようなポリビニルアルコール樹脂であることができるほか、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、メチロール基変性ポリビニルアルコール、アミノ基変性ポリビニルアルコールのような変性されたポリビニルアルコール系樹脂であってもよい。ポリビニルアルコール系樹脂は、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系共重合体であってもよい。
ポリビニルアルコール系樹脂を接着剤成分とする水系接着剤は通常、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液である。接着剤中のポリビニルアルコール系樹脂の濃度は、水100重量部に対して、通常1~10重量部、好ましくは1~5重量部である。
ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液からなる接着剤は、接着性を向上させるために、多価アルデヒド、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物、グリオキザール、グリオキザール誘導体、水溶性エポキシ樹脂のような硬化性成分や架橋剤を含有することが好ましい。水溶性エポキシ樹脂としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアルキレンポリアミンと、アジピン酸等のジカルボン酸との反応で得られるポリアミドアミンに、エピクロロヒドリンを反応させて得られるポリアミドポリアミンエポキシ樹脂を好適に用いることができる。かかるポリアミドポリアミンエポキシ樹脂の市販品としては、「スミレーズレジン650」(田岡化学工業(株)製)、「スミレーズレジン675」(田岡化学工業(株)製)、「WS-525」(日本PMC(株)製)等が挙げられる。これら硬化性成分や架橋剤の添加量(硬化性成分及び架橋剤としてともに添加する場合にはその合計量)は、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、通常1~100重量部、好ましくは1~50重量部である。上記硬化性成分や架橋剤の添加量がポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して1重量部未満である場合には、接着性向上の効果が小さくなる傾向にあり、また、当該添加量がポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して100重量部を超える場合には、接着剤層が脆くなる傾向にある。
また、接着剤の主成分としてウレタン樹脂を用いる場合の好適な例として、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物との混合物を挙げることができる。ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とは、ポリエステル骨格を有するウレタン樹脂であって、その中に少量のイオン性成分(親水成分)が導入されたものである。かかるアイオノマー型ウレタン樹脂は、乳化剤を使用せずに直接、水中で乳化してエマルジョンとなるため、水系の接着剤として好適である。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線の照射によって硬化する接着剤である。活性エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合、偏光板が有する接着剤層は、当該接着剤の硬化物層である。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、カチオン重合によって硬化するエポキシ系化合物を硬化性成分として含有する接着剤であることができ、好ましくは、かかるエポキシ系化合物を硬化性成分として含有する紫外線硬化性接着剤である。ここでいうエポキシ系化合物とは、分子内に平均1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有する化合物を意味する。エポキシ系化合物は、1種のみを使用してもよいし2種以上を併用してもよい。
好適に使用できるエポキシ系化合物の具体例は、芳香族ポリオールの芳香環に水素化反応を行って得られる脂環式ポリオールに、エピクロロヒドリンを反応させることにより得られる水素化エポキシ系化合物(脂環式環を有するポリオールのグリシジルエーテル);脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルのような脂肪族エポキシ系化合物;脂環式環に結合したエポキシ基を分子内に1個以上有するエポキシ系化合物である脂環式エポキシ系化合物を含む。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、硬化性成分として、上記エポキシ系化合物の代わりに、又はこれとともにラジカル重合性である(メタ)アクリル系化合物を含有することができる。(メタ)アクリル系化合物としては、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマー;官能基含有化合物を2種以上反応させて得られ、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー等の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物を挙げることができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、カチオン重合によって硬化するエポキシ系化合物を硬化性成分として含む場合、光カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩;芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩;鉄-アレン錯体等を挙げることができる。また、活性エネルギー線硬化性接着剤が(メタ)アクリル系化合物のようなラジカル重合性硬化性成分を含有する場合は、光ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、ベンゾインエーテル系開始剤、チオキサントン系開始剤、キサントン、フルオレノン、カンファーキノン、ベンズアルデヒド、アントラキノン等を挙げることができる。
偏光フィルムに熱可塑性樹脂フィルムを貼合するに先立って、偏光フィルム及び/又は熱可塑性樹脂フィルムの貼合面に、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理のような表面活性化処理を行ってもよい。この表面活性化処理により、偏光フィルムと熱可塑性樹脂フィルムとの接着性を高めることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。PVAフィルム及び延伸フィルムの可塑剤含有率、並びにPVAフィルムの厚みの測定は、以下の方法に従った。
(1)PVAフィルム及び延伸フィルムの可塑剤含有率
PVAフィルム又は延伸フィルムからTD約600mm×MD約300mmのサンプルを切り出し、これを50℃の4時間真空乾燥した後、乾燥後のフィルムの質量W0を計量した。次に、乾燥後のサンプルをメタノールで8時間ソックスレー抽出してから105℃で16時間乾燥し、再度質量W1を計量した。これらの質量W0及びW1より、PVAフィルム又は延伸フィルムの可塑剤含有率を下記式:
可塑剤含有率(質量%)=(W0-W1)/W0×100
により求めた。
(2)PVAフィルムの厚み
PVAフィルムから、MD長さ50mm×TD長さ全幅の帯状の試験片を切り出した。次いで、(株)ニコン製のデジタルマイクロメーター「MH-15M」を用いてフィルム幅方向に100mm間隔でフィルムの厚みを測定した。得られた測定値より、これらの測定値の平均値をPVAフィルムの厚みとした。
<実施例1>
平均重合度が約2400、ケン化度が99.9モル%以上、厚みが20μm、可塑剤含有率が11.5質量%である長尺のPVAフィルムを、表面温度が105℃の熱ロールを用いて乾式で4.1倍に縦一軸延伸した後、最大巻取張力が13.9MPaとなるように巻き取り、延伸フィルムロールを得た。ここで、巻取張力は巻取部直前に設置された張力計によって30秒毎に測定された値(N)に対し、延伸フィルムの幅(m)と厚み(m)で除した値(N/m=Pa)とした。得られた延伸フィルムの可塑剤含有率は10.4質量%であった。
得られた延伸フィルムロールから延伸フィルムを50MPaの張力で連続的に巻き出し、30℃の純水に滞留時間1分で浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.1/5/100である28℃の水溶液に滞留時間45秒で浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が15/5.5/100である67℃の水溶液に滞留時間200秒で浸漬した。引き続き20℃の純水で5秒間洗浄した後、40℃で60秒間乾燥させて、一軸延伸されたPVAフィルムにヨウ素が吸着配向された偏光フィルムを連続的に製造した。偏光フィルムを作製するために、延伸フィルムロールから延伸フィルムを巻き出した際の破断頻度は0.0回/kmであった。破断頻度(単位:回/km)とは、巻き出した延伸フィルムの長さ1kmあたりのフィルム破断回数を意味する。
<実施例2~4、比較例1~2>
厚み及び可塑剤含有率が表1に示すとおりであるPVAフィルムを使用し、縦一軸延伸時の熱ロールの表面温度を表1に示すとおりとし、巻き取り時の最大巻取張力を表1に示すとおりとしたこと以外は実施例1と同様にして延伸フィルムロールを作製し、次いで、得られた延伸フィルムロールを偏光フィルム製造工程に供した。
実施例及び比較例におけるPVAフィルムの厚み及び可塑剤含有率、縦一軸延伸時の熱ロールの表面温度、巻き取り時の最大巻取張力、延伸フィルムの可塑剤含有率、並びに、延伸フィルムロールから延伸フィルムを巻き出した際の破断頻度を表1にまとめた。
Figure 0007073044000001
1 ポリビニルアルコール系樹脂フィルム(PVA系樹脂フィルム)、2 延伸フィルム、5,6,7,8 熱ロール、10 第1ニップロール、20 第2ニップロール。

Claims (2)

  1. 乾式延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムである延伸フィルムを巻き取る工程を有する製造方法により延伸フィルムロールを得る工程と、
    前記延伸フィルムロールから巻き出された前記延伸フィルムを処理液に接触させて偏光フィルムを得る工程と、
    を有し、
    前記延伸フィルムを巻き取る工程における巻取張力が10MPa以上21.5MPa以下である、偏光フィルムの製造方法。
  2. 前記延伸フィルムは可塑剤を5質量%以上含む、請求項1に記載の偏光フィルムの製造方法。
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