JP7127550B2 - 全固体電池用の正極活物質層 - Google Patents
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Description
全固体電池の中でも全固体リチウムイオン電池は、リチウムイオンの移動を伴う電池反応を利用するためエネルギー密度が高いという点、また、正極と負極の間に介在する電解質として、有機溶媒を含む電解液に替えて固体電解質を用いるという点で注目されている。
この技術は、正極材中に、イオン液体又は溶媒和イオン液体を含有させることで、固体電解質と正極間の界面抵抗を低減し、充放電サイクルを繰り返したときの電池性能の低下の抑制を図ったものである。当該特許文献1の図1~3には、イオン液体又は溶媒和イオン液体を含有する正極材を用いて作製した電池セルを用いることで、放電容量の低下が抑制されることが示されている。
以下の説明において、テトラエチレングリコールジメチルエーテルをG4と示し、リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミドをTFSIと示すことがある。
このような正極活物質層の内部においては、固体電解質-正極活物質間、又は、固体電解質-固体電解質間の一部に空隙を有することで、当該空隙部分において、イオン伝導パスのパス切れが発生する。正極活物質層のパス切れが発生すると、正極活物質の一部が活物質として機能しないため、当該正極活物質層を有する全固体電池では、出力が低下するという不具合がある。
これにより、当該イオン液体23が、正極活物質21-固体電解質22間や固体電解質22-固体電解質22間の空隙にLiイオン伝導パスLを形成し、当該空隙部分におけるLiイオン伝導を担う。
具体的には、前記イオン液体23中のG4により、正極活物質21-固体電解質22間や、固体電解質22-固体電解質22間に存在する空隙が埋められる。それと共に、前記イオン液体23中のTFSIにより、固体電解質22の内部を移動するLiイオンが供給される。
これにより、正極活物質層におけるLiイオン伝導パスLのパス切れが抑制されるため、当該正極活物質層におけるイオン抵抗(リチウムイオンが正極活物質層を構成する正極合材中の固体電解質を移動する際の抵抗)や直流抵抗(正極活物質の界面での抵抗)が低減されることで、当該正極活物質層を備える全固体電池における出力向上を図ることができる。
ここでいう「空隙部分」とは、少なくとも固体電解質及び正極活物質が存在しない部分をいう。
図3は、G4とTFSIとを、モル比でG4:TFSI=1:0.5の割合で混合したイオン液体を含む正極活物質層(質量比でバインダー:イオン液体=15:85)(作用層)を、固体電解質層の一方の表面に形成し、当該固体電解質層の他方の表面に、金属リチウムを用いて対極を形成した単極評価用電池の、充放電曲線を示す図である。
図3に示す充放電曲線は、0.1[C]の電流値(充電レート)で、定電流-定電圧の条件下で通電して、4.0V~4.3Vまで充電を行い、その後、0.1[C]の電流値(放電レート)で、定電流-定電圧の条件下で通電して、2.5Vまで放電を行ったときの、充放電曲線を示したものである。具体的には、充電終止電圧を4.0Vとして充電を行った後、上記のようにして放電を行い、次いで、充電終止電圧を4.1V、4.2V、4.3Vとして、同様に充放電を行ったものである。
図3に示すように、4.0V(充電終止電圧)まで充電を行ったときの充電容量は、約1.6mAhであったのに対し、4.3V(充電終止電圧)まで充電を行ったときの充電容量は、約1.48mAhであり、充電終止電圧(正極電位)の上昇に伴い、充電容量が減少していることが確認できる。
図4は、作用極に白金箔を用い、電解質に、G4とTFSIとを、モル比でG4:TFSI=1:1の割合で混合した混合物を用い、対極に白金箔を用いてサイクリックボルタンメトリー測定を行ったときの、電解質の電位に対する電流曲線を示す図である。
図4に示すように、G4とTFSIとを、引用文献1において好ましいとされている、G4:TFSI=1:1のモル比の割合で混合した混合物では、4.3V以上で、当該混合物の酸化分解反応に伴う酸化電流ピークが確認された。
即ち、G4とTFSIとを、G4:TFSI=1:1の割合で混合した混合物は、当該混合物の電位の上昇に伴って、TFSIが酸化分解反応し、分解生成物として、フッ素化合物を発生すると考えられる。
前記正極活物質の形状には特に制限はなく、例えば、粒子状、膜状の形状等が挙げられる。
硫化物系固体電解質としては、例えば、Li2S-SiS2、LiI-Li2S-SiS2、LiI-Li2S-P2S5、LiI-Li2O-Li2S-P2S5、LiI-Li2S-P2O5、LiI-Li3PO4-P2S5、Li2S-P2S5、Li3PS4等が挙げられる。
酸化物系固体電解質としては、例えばLi6.25La3Zr2Al0.25O12、Li3PO4、Li3+xPO4-xNx(LiPON)等が挙げられる。
固体電解質は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
固体電解質は、非晶質であってもよく、結晶であってもよく、ガラスセラミックスであってもよい。
前記固体電解質は、密度が2.0~2.5g/cm3であってもよい。
したがって、正極活物質層中に、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(G4)を含むイオン液体を含有させることにより、当該正極活物質層中の固体電解質-正極活物質間、又は固体電解質-固体電解質間に存在する空隙部分に、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(G4)を含むイオン液体が浸入する。その結果、当該空隙部分がイオン液体により埋まる。また、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(G4)は、正極活物質層中の正極活物質及び固体電解質と殆ど反応しないことから、反応生成物の生成による内部抵抗の上昇が抑制されると推定される。
正極活物質層中のイオン液体の割合を、上記範囲とすることで、当該正極活物質層を備えた全固体電池において、液漏れ等の不具合の発生を抑制し、且つ、Liイオン伝導パスのパス切れを抑制し、パス切れに伴う、正極活物質層中のイオン抵抗の上昇や反応抵抗の上昇を抑制することができる。
正極活物質層中のイオン液体の割合が、5質量%を超えると、当該正極活物質層からの、イオン液体成分の液漏れが発生する虞がある。一方、正極活物質層中のイオン液体の割合が、2質量%未満であると、正極活物質層におけるLiイオン伝導パスのパス切れが十分に抑制されないため、当該正極活物質層におけるイオン抵抗や反応抵抗が低減されず、全固体電池における出力の低下を十分に抑制できない虞がある。
前記イオン液体における、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(G4)とリチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(TFSI)との含有割合が、モル比で、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(G4)1molに対して、リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(TFSI)が2mol未満である場合、又は、2.1molを超える場合には、当該イオン液体を含む正極活物質層を有する正極を備えた全固体電池において、正極活物質層内部のイオン抵抗が高くなり、容量の低下が発生する可能性がある。
また、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン(PVDF-HFP)は、良好なイオン伝導性を有するため、前述したような、リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(TFSI)を含むイオン液体との相溶性が良好である。このため、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン(PVDF-HFP)をバインダーとして使用することで、前記イオン液体の一部を、バインダー成分との複合体として、正極活物質中に分散させることができる。このため、Liイオン伝導パスを、正極活物質中に、安定した状態で形成することができる。
導電材の原料は、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック、カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーからなる群より選ばれる少なくとも一種の炭素系素材であってもよい。
電子伝導性の観点から、カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーからなる群より選ばれる少なくとも一種の炭素系素材であってもよく、当該カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーはVGCF(気相法炭素繊維)であってもよい。
正極活物質層における導電材の含有割合は、導電材の種類によって異なるものであるが、好ましくは0.5~10質量%である。
分散媒としては、特に限定されず、例えば、ヘプタン、酪酸ブチル、等が挙げられる。分散方法としては、特に限定されないが、例えば、ホモジナイザー、ビーズミル、シェアミキサー、ロールミル等が挙げられる。
正極活物質層用ペーストの塗布方法、乾燥方法等は適宜選択することができる。例えば、塗布方法としては、スプレー法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、グラビア印刷法、ダイコート法などが挙げられる。また、乾燥方法としては、例えば、減圧乾燥、加熱乾燥、減圧加熱乾燥などが挙げられる。減圧乾燥、加熱乾燥における具体的な条件に制限はなく、適宜設定すればよい。
なお、正極活物質層を形成した後、電極密度を向上させるために、正極活物質層をロールプレス処理等によりプレスしてもよい。
本開示の全固体電池は、正極、負極、並びに、当該正極及び当該負極の間に介在する固体電解質層を備える全固体電池であって、前記正極が、前述した全固体電池用の正極活物質層を備える。
前記正極活物質層が、前記イオン液体として、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(G4)とリチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(TFSI)とを、モル比でテトラエチレングリコールジメチルエーテル(G4):リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(TFSI)=1:2~1:2.1の割合で含有し、且つ、バインダーとして、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン(PVDF-HFP)を含有することにより、当該正極活物質層を有する正極を備える全固体電池は、従来の全固体電池と比較して、高い出力を得ることができ、かつ、高い充電容量を維持できる。
全固体電池100は、正極活物質層4及び正極集電体2を備える正極6と、負極活物質層3及び負極集電体5を備える負極7と、正極6及び負極7に挟持される固体電解質層1を備える。
本開示の全固体電池に用いられる正極は、正極活物質層を備え、必要に応じさらに、正極集電体、及び当該正極集電体に接続された正極リードを備える。
本開示に係る全固体電池には、正極活物質層として上述した全固体電池用の正極活物質層が用いられる。
本開示の全固体電池に用いられる負極は、負極活物質層を備え、必要に応じさらに、負極集電体、及び当該負極集電体に接続された負極リードを備える。
本開示に用いられる負極活物質層は、負極活物質を含有する。
負極活物質としては、従来公知の材料を用いることができ、例えば、金属リチウム(Li)、リチウム合金、炭素、Si、Si合金、Li4Ti5O12(LTO)等が挙げられる。
リチウム合金としては、LiSn、LiSi、LiAl、LiGe、LiSb、LiP、及びLiIn等が挙げられる。
Si合金としては、Li等の金属との合金等が挙げられ、その他、Sn、Ge、Alからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属との合金であってもよい。
負極活物質の形状については、特に限定されるものではないが、例えば粒子状、薄膜状とすることができる。
負極活物質が粒子の形状の場合の当該粒子の平均粒径(D50)は、例えば1nm以上100μm以下であることが好ましく、10nm以上30μm以下であることがより好ましい。
本開示において、粒子の平均粒径は、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定により測定される値である。また、本開示においてメディアン径(D50)とは、粒径の小さい粒子から順に粒子を並べた場合に、粒子の累積体積が全体の個数の半分(50%)となる径である。
負極層における負極活物質の含有量は、特に限定されないが、例えば40質量%以上100質量%以下とすることが好ましい。
負極集電体の材料としては、上述した正極集電体と同様の材料を用いることができる。また、負極集電体の形状としては、上述した正極集電体と同様の形状を採用することができる。
本開示に用いられる固体電解質層は、正極及び負極の間に保持され、正極と負極との間で金属イオンを交換する働きを有する。
固体電解質層に含有させる固体電解質としては、前述した正極活物質層に使用可能な硫化物系固体電解質、及び酸化物系固体電解質等を用いることができる。
固体電解質は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
固体電解質層における固体電解質の含有割合は、特に限定されるものではない。
固体電解質層は、固体電解質同士を結着させるバインダーを含有してもよい。固体電解質層に含有させるバインダーとしては、前述した負極活物質層に使用可能なバインダーを用いることができる。
本開示に係る全固体電池は、通常、上記正極、負極、及び固体電解質層等を収納する電池ケースを備える。電池ケースの形状としては、具体的にはコイン型、平板型、円筒型、ラミネート型等を挙げることができる。
[実施例1]
(1)正極の製造工程
まず、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(日本乳化剤社製)とリチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(東京化成工業製)とを混合し、イオン液体を得た。イオン液体は、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(G4)とリチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(TFSI)との比率が、モル比でG4:TFSI=1:2となるように混合した。
次いで、得られたイオン液体と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン(PVDF-HFP)とを十分に混合した後、ホットプレートにて約80℃で1時間加熱してジェル状の混合物を得た。
上記で作製したジェル状の混合物に、溶媒として酪酸ブチル(キシダ化学株式会社製)を混合し、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UH-50)により約30秒間攪拌混合した。
なお、固体電解質は、以下の手順により得た。まず、Li2S(フルウチ化学社製)0.550gとP2S5(アルドリッチ製)0.887gとLiI(日宝化学社製)0.285gとLiBr(高純度化学製)0.277gとを秤量し、メノウ乳鉢で5分混合した後、脱水ヘプタン(関東化学工業社製)を4g入れ、遊星型ボールミルを用い40時間メカニカルミリングすることで固体電解質を得た。
上記で作製したスラリー状の混合物を、ドクターブレードにより、正極集電体としてのAl箔上に塗布し、グローブボックス内で約30~60分間自然乾燥した後、ホットプレートにより、100℃で30分間乾燥した。これにより、正極活物質層を有する正極を得た。
以下の手順により、図5に示す単極評価用電池を作製した。
まず、一対のSUSピンを用意し、Li箔を直径3mmの円形に打ち抜いて、一方のSUSピンの上に載置した後、インジウム箔を直径10mmの円形に打ち抜き、Li箔上に載置した。
次に、インジウム箔上に、ポリプロピレンフィルム(図示せず)を載置し、フィルム上から軽く押圧した後、インジウム箔上にもう一方のSUSピンを載置し、プレス成型機により1ton(98MPa)の荷重をかけて30秒間保持することによりプレス成型した。
プレス成型後、一対のSUSピンの外側に露出したインジウム箔を取り除き、さらにバリを除去した後、一昼夜放置して、インジウム箔中にLi箔のLiを拡散させることにより、Li箔とLiが拡散されたインジウム箔との積層体33を得た。
次いで、一方のSUSピン31を一旦プレスセルから抜き、プレスセル内の固体電解質層35上に、「(1)正極の製造工程」で製造した正極34を入れ、SUSピン31を当該正極34上に戻して、4.3tonの荷重をかけた状態で2分間保持した。
イオン液体に含まれる、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(G4)とリチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(TFSI)とのモル比を、G4:TFSI=1:2からG4:TFSI=1:2.1に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、単極評価用電池を作製した。
イオン液体中のG4とTFSIとの含有比率(モル比)、正極活物質層中における各成分(正極活物質、バインダー、及びイオン液体)の含有割合、及びバインダーの種類を、それぞれ表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、単極評価用電池を作製した。
0.1[C]の電流値(充電レート)で、定電流-定電圧の条件下で通電して、4.0Vまで充電を行い、その後、0.1[C]の電流値(放電レート)で、定電流-定電圧の条件下で通電して、2.5Vまで放電を行った。
次いで、充電終止電圧を、4.1V、4.2V、4.3Vとしたこと以外は、上記と同様にして、充電及び放電を行った。そして、充電終止電圧4.3Vとしたときの充電容量を、充電終止電圧4.0Vとしたときの充電容量で除して、充電容量維持率((充電終止電圧4.3Vで充電したときの充電容量)/(充電終止電圧4.0Vで充電したときの充電容量)×100(%))を算出した。
「(1)正極の製造工程」で説明したのと同様にして、正極集電体としてのAl箔上に正極活物質層を有する正極を作製した。
得られた正極から、2cm×7cmのサイズの矩形の正極片を2枚切り出し、各々の正極活物質層同士を重ね合わせるようにして、2枚の正極片を接合した。得られた正極片の接合体を、SUS製の袋に入れて密閉した後、当該SUS製の袋を、プレス線圧100,75kNにて、165℃の条件下で、ホットロールプレスに通した。
次いで、グローブボックス内で、ロールプレス成形後のSUS袋から正極片の接合体を取り出し、イオン液体の溶出の有無を目視で観察した。
なお、表1中、テトラエチレングリコールジメチルエーテルをG4と示し、リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミドをTFSIと示す。
また、表1中、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレンをPVDF-HFPと示し、ポリフッ化ビニリデンをPVDFと示し、スチレンブタジエンゴムをSBRと示す。
これは、比較例3~7及び比較例11~13では、正極電位が上昇するに従って、リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(TFSI)が酸化分解し、集電体(Al)が腐食することで、正極活物質層における内部抵抗が増大したためであると推定される。
また、比較例8~10では、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(G4)とリチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(TFSI)との含有比率が、モル比で、G4:TFSI=1:2~1:2.1の範囲内にあるものの、バインダーとして、PVDF-HFP以外のものを使用しており、充電容量維持率が83~86%と低かった。
これは、比較例8~10では、バインダーとして使用した樹脂と、イオン液体とのなじみが悪く、これらの樹脂がバインダーとしての機能を十分に果たせなかった結果、イオン液体が正極活物質中に十分に分散せず、正極電位の上昇に伴って、イオン液体に含まれるTFSIが酸化分解したためであると推定される。
なお、比較例1~2では、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(G4)とリチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(TFSI)との含有比率が、モル比で、(G4)1molに対して、(TFSI)が2mol未満であることに加えて、イオン液体の含有量が5質量%を超えるため、イオン液体の液漏れが発生し、充放電反応が進行しなかった。
これに対し、実施例1~2では、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(G4)とリチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(TFSI)との含有割合が、モル比でG4:TFSI=1:2~1:2.1の範囲内にあり、かつ、バインダーとして、PVDF-HFPを用いているため、充電容量維持率が95~96%であり、正極電位(充電終止電圧)が上昇したときの、充電容量の低下が抑制されていることがわかる。
2 正極集電体
3 負極活物質層
4 正極活物質層
5 負極集電体
6 正極
7 負極
21 正極活物質
22 固体電解質
23 イオン液体
24 バインダー
31、32 SUSピン
33 積層体
34 正極
35 固体電解質(硫化リンリチウム)
50 単極評価用電池
100 全固体電池
L Liイオン伝導パス
Claims (1)
- 全固体電池用の正極活物質層であって、
前記正極活物質層は、正極活物質、固体電解質、イオン液体、及びバインダーを含有し、
前記イオン液体は、テトラエチレングリコールジメチルエーテルとリチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミドとを、モル比でテトラエチレングリコールジメチルエーテル:リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド=1:2~1:2.1の割合で含有し、
前記バインダーは、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレンを含む、ことを特徴とする全固体電池用の正極活物質層。
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