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JP7140644B2 - 整流構造体 - Google Patents
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Description

本発明は、管路の内部を通流する気流を整流する整流構造体に関する。特に、自動車等の内燃機関に供給する空気が通流する吸気系に設けられる整流構造体に関する。
内燃機関は、自動車や自動2輪車や発電装置など、多彩な用途に使用されている。内燃機関に供給される空気は、吸気系(吸気システム)に設けられたエアクリーナによって濾過され、清浄な空気が内燃機関に供給される。近年、内燃機関の吸気系には、エアフローセンサー(空気流量計)が設けられて、内燃機関が吸い込む空気の量を測定し、それに応じた燃料を供給するよう制御が行われる。通常、エアフローセンサーは、エアクリーナよりも下流側の流路内に設けられる。
エアフローセンサーの測定精度を高めるために、エアフローセンサーとエアクリーナの間に整流構造が採用されることがある。
例えば、特許文献1には、エアクリーナからエアフローセンサーに向けて分岐する管体の分岐部に、流路断面積を徐々に小さくする徐変部が設けられた整流技術が開示されており、かかる整流構造によって、エアフローセンサーの上流で空気を整流する。
また、特許文献2には、エアフローセンサーが設けられたダクトに空気を導くための湾曲した整流板を用いた整流構造が開示され、湾曲板の曲率が下流側にむかって小さくされている。かかる整流技術によって、流量の測定精度が向上する。
特開2015-108336号公報 特開2014-040779号公報
特許文献2のような湾曲した整流板を利用して整流構造を構成すると、流れが効率的に整流されやすい。しかしながら、このような整流板を流路中に設けた構造を採用しても、エアフローセンサーの出力が安定しにくく、精度の高いセンシングができないことがあることが判明した。
例えば、エアフローセンサーの出力が安定せず、センシング性能の応答性が悪いと、内燃機関の制御にあたって素早い制御が困難となるため、内燃機関の出力や燃費性能の低下につながりやすい。
本発明の目的は、エアフローセンサーの出力を安定化し、センシング性能を高めうる整流構造体を提供することにある。
発明者は、鋭意検討の結果、整流構造の中に溶着に伴うバリや段差が存在すると、エアフローセンサーの出力が安定化しにくくなることを発見した。即ち、特許文献2に開示されるような整流板を有する整流構造を実現するためには、通常、整流板そのもの、もしくは整流板の周囲を分割した形態で部材を射出成型し、射出成型した分割部材を組み立ててかかる整流構造を実現することが多い。ところが、分割部材を組み立てる際には、溶着部にバリが発生したり、溶着しない場合であっても組み付け精度の関係で段差が発生したりする。こうした製造誤差に起因するバリや段差が整流板の周りに生ずることが、エアフローセンサーの出力の安定化にとってマイナス要因となることを発明者は発見した。
発明者は、こうした段差やバリを出さずに整流構造を実現できるよう、さらに検討を行い、整流作用を行うリブの端部を他部材と離間させると共に、その離間した部分に他のリブを配置するようにすると、整流効果が高められてエアフローセンサーの出力を安定化できることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、内燃機関の吸気系において、エアクリーナとエアフローセンサーの間に設けられる整流構造体であって、整流構造体は、エアクリーナから空気が流れ込む流入口と、エアフローセンサーに向けて空気が流れ出る流出口と、流入口と流出口の間に設けられたチャンバーを有し、流入口と流出口は、チャンバー内で流れが屈曲する向き及び位置に設けられており、チャンバーは、半割れ状に分割形成された第1ケースと第2ケースにより構成され、第1ケースには、第1リブが略円弧状に突設されており、第1リブの端部は、第2ケースから離間しており、第2ケースには、第2リブが略円弧状に突設されており、第2リブは、第1リブと所定の間隔を隔ててオーバーラップするように略平行に設けられ、第1リブと第2リブによって、流入口からチャンバー内に流れ込んだ気流が曲げられて流出口に向かうような流路壁が、チャンバー内に形成されており、かつ、第1リブにより流路と隔てられたチャンバーの空間を容積室とし、第2リブと第1リブの間の空間を連通管として、共鳴周波数が100Hz~1500Hzのヘルムホルツレゾネータが構成された、整流構造体である(第1発明)。
また、発明において、好ましくは、第1リブの端部と第2ケースの間の間隔が2mm~20mmであり、第1リブと第2リブの間隔が2mm~20mmである(第発明)。
本発明の整流構造体(第1発明)によれば、エアフローセンサーの出力が安定化され、センシング性能が高められる。
さらに、第1発明によれば、チャンバー内の空間の一部をヘルムホルツレゾネータとできて、吸気系の騒音の低減もできる。また、流路にレゾネータとの連通路を設けてもなお、エアフローセンサーの出力が安定化され、センシング性能が高められる。
また、さらに第発明のようにした場合には、より整流効果が高められ、エアフローセンサーの出力がより安定化する。
第1実施形態の整流構造体が組み込まれた内燃機関の吸気系の一部を示す斜視図である。 第1実施形態の整流構造体の構造を示す分解斜視図である。 第1実施形態の整流構造体の構造を示す平面図である。 第1実施形態の整流構造体の構造を示す断面図である。 他の実施形態の整流構造体の構造を示す断面図である。 第1実施形態の整流構造体の内部の気流シミュレーション結果を示す斜視図及び平面図である。 参考例の整流構造体の内部の気流シミュレーション結果を示す斜視図及び平面図である。 従来例の整流構造体の構造を示す断面図である。 参考例の整流構造体の構造を示す断面図である。
以下図面を参照しながら、自動車の内燃機関に空気を供給する吸気系に使用される整流構造体を例として、発明の実施形態について説明する。発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。例えば、内燃機関が使用される対象は、自動車に限定されず、自動2輪車や発電設備、動力設備等であってもよい。
図1には、第1実施形態の整流構造体1が組み込まれた内燃機関の吸気系の一部を示す。図1では、エアクリーナ81からエアフローセンサー82までの部分のみを示し、他の部分は省略している。なお、エアフローセンサー82は通常通気ダクトの内側に突出する形態で設けられるが、図1、図2においては、直方体状のエアフローセンサー82を透視したように図示している。
空気は、エアクリーナ81の上流側に接続される吸気ダクト(図示せず)から吸い込まれ、エアクリーナ81の内部の濾過材により濾過され、整流構造体1を経て、エアフローセンサー82が設けられたダクトを通過し、スロットルボディ(図示せず)やインテークマニフォールド(図示せず)を経て、内燃機関に供給される。
図2に、本実施形態の整流構造体1の構造を分解斜視図で示す。また、図3に、本実施形態の整流構造体の構造を平面図で示す。また、図3のX-X断面を図4に示す。
整流構造体1は、エアクリーナ81から空気が流れ込む流入口11と、エアフローセンサー82に向けて空気が流れ出る流出口12と、流入口11と流出口12の間に設けられたチャンバー13を有している。
整流構造体1において、流入口11と流出口12は、チャンバー13内で流れが屈曲する向き及び配置に設けられている。流れの屈曲の形態は特に限定されず、C字状やL字状の屈曲であってもよいし、チャンバーの中で流れが蛇行するS字状の屈曲であってもよい。必須ではないが、本実施形態では、流入口11から流れ込む空気が、約90度流れの向きを変えて、流出口12から流出する。流れが曲がる角度は、典型的には30度~120度程度である。流入口11や流出口12の具体的形状は特に限定されないが、本実施形態においては、流入口11は扁平な楕円形状の管とされ、流出口12は円筒状の管とされる。エアクリーナ81は流入口11に接続され、流出口12に接続される管体(ダクト)にエアフローセンサー82が取付けられる。
整流構造体1のチャンバー13は、半割れ状に分割形成された第1ケース2と第2ケース3により構成されている。半割れ状の分割は、典型的には、図4に示したように、第1ケース2と第2ケース3が、それぞれ、ハット状断面を呈する開口した箱のような形態となるように分割される。なお、半割れ状の分割は、第1ケース2と第2ケース3の一方が、ハット状断面を呈する開口した箱のような形態となり、他方が板状のふたのような形態となるような分割であってもよい。
第1ケース2と第2ケース3は一体化されて、中空箱状のチャンバー13となる。流入口11や流出口12は、第1ケース2や第2ケース3のいずれか一方にあらかじめ形成しておいてもよいし、第1ケース2と第2ケース3を一体化した際に、両者のあわせ部に流入口11や流出口12が形成されるようにしてもよい。
第1ケース2と第2ケース3の一体化の具体的手段は特に限定されないが、典型的には、第1ケース2や第2ケース3にフランジ部26,36を設けておいて、フランジ部26,36で溶着により一体化がなされる。溶着は熱盤溶着であってもよいし、振動溶着であってもよい。また、第1ケース2と第2ケース3の一体化を、接着剤を用いて行ってもよい。また、第1ケース2と第2ケース3の一体化を、クリップやバンド、ネジなどの締結部材を用いて行うようにしてもよい。第1ケース2と第2ケース3の一体化に際し、チャンバー13が気密を保つように一体化がなされることが好ましい。第1ケース2と第2ケース3の一体化に際し、両者の間にシール部材を設けてもよい。
チャンバー13の内部には、チャンバー内の流れを整流する整流板として機能する第1リブ21が設けられている。
第1ケース2には、第1リブ21が略円弧状に突設されている。第1リブ21が第1ケース2と一体成形されていることが好ましい。第1リブ21は、第1ケース2から第2ケース3に向かって、チャンバー13の内部空間を仕切るように突設されている。流入口11からチャンバー13内に流れ込んだ気流が曲げられて流出口12に向かうような流路F1,F2が、第1リブ21と後述する第2リブ32により、チャンバー13内に形成される。第1リブ21と第2リブ32は共働して、チャンバー内の流れを整流する流路壁(整流板)として機能する。チャンバー13の内部空間で、第1リブ21に関し流路F1,F2とは反対側の空間Vは、実質的に空気があまり流れない空間となる。
第1リブ21が突設された方向に沿って見て(即ち、図3のビューで見て)、第1リブ21は、滑らかに曲がる流路F1,F2を形成するよう、円弧状に設けられるが、流れが滑らかに導かれる限りにおいて、その具体的形態は、円に限定されず、楕円や長円、円弧と直線の組み合わせ、曲率が変化する曲線等に代表される円弧状形態であってもよい。
第1リブ21の端部21aは、図4に示すように、第2ケース3から、第1リブ21の突出方向に離間しており、両者の間に隙間gが設けられる。隙間gは、第2ケース3と第1リブ21の間に細長いスリット状に設けられる。隙間gの大きさは、1mm~20mmであることが好ましく、2mm~10mmであることが特に好ましい。
必須ではないが、第1ケース2には、第1リブ21が突設された方向に沿って見て(図3のビューで見て)、第1リブ21と略平行な略円弧状部分を有する第3リブ23が、流路に突出するように設けられていてもよい。第3リブ23を設ける場合には、流路が、外側の流路F1と内側の流路F2に仕切られるように第3リブ23を設けることが好ましい。第3リブ23を、後述するシミュレーション計算例のように、2つ以上設けて、流路を3つ以上に分けて形成してもよい。
なお、第3リブ23の円弧状部分が完全に第1リブと平行である必要はない。また、第3リブ23を設ける場合には、第3リブの端部23aが第2ケース3と離間し、両者の間に隙間g’が設けられることが好ましい。隙間g’の大きさは、1mm~20mmであることが好ましく、2mm~10mmであることが特に好ましい。
第2ケース3には、図3、図4に示すように、第2リブ32が略円弧状に、第1ケース2に向かって突設されている。また、第2リブ32の端部は、第1ケース2から離間している。必須ではないが、本実施形態では、第2リブ32は、第1リブ21に対し、前記流路F1,F2とは反対側に設けられる。即ち、本実施形態のように、第1リブ21と第2リブ32とは、同心円状に、第2リブ32が円の外側となるように設けられていてもよい。後述する他の実施形態のように、第2リブが円の内側になるように設けられていてもよい。
さらに、図4に示すように、第2リブ32は、第1リブ21と所定の間隔Wを隔ててオーバーラップするように略平行に設けられている。即ち、第1リブや第2リブの突出方向における所定の区間において、両者は所定の距離Wを隔てて長さLにわたってオーバーラップするよう設けられている。両者の間の距離Wは、1mm~20mmであることが好ましく、2mm~10mmであることが特に好ましい。また、両者のオーバーラップ長さLは、10mm以上であることが好ましく、15mm以上であることが特に好ましい。
第1リブ21と第2リブ32が以上のように設けられることにより、チャンバー13の内部空間に、流路F1,F2と、流路の反対側の空間Vが実質的に間仕切りされる。なお、第1リブ21の端部21aと第2ケース3の間は離間しており、第1リブ21と第2リブ32の間も所定の距離Wだけ隔たっているので、流路F1,F2と、流路の反対側の空間Vとは、完全に区画されてはおらず、互いに連通している。
一方で、流路F1の側から、第1リブ21の先端21a付近を見ると、第1リブ21と第2ケース3の間には隙間gがあるものの、隙間gの先には、第2リブ32が立ちはだかるようになっている。そのため、流路F1の側から流路の反対側の空間Vに流れようとする気流は、第2リブ32に遮られ、第1リブ21と第2リブ32の間のラビリンス状の流路を通っていかなければ、向こう側の空間Vに到達できない。このように、第1リブ21と第2リブ32は共働して、流入口からチャンバー内に流れ込んだ気流が曲げられて流出口に向かうような流路壁を、チャンバー内に形成する。
必須ではないが、流路の反対側の空間Vを利用してヘルムホルツレゾネータを構成してもよい。即ち、第1リブ21と第2リブ32により流路と隔てられたチャンバーの空間Vを容積室とし、第2リブ32と第1リブ21の間の空間を連通管として、共鳴周波数が100Hz~1500Hzのヘルムホルツレゾネータを構成することが好ましい。第1リブ21の端部21aと第2ケース3の間の間隔gや、第1リブ21と第2リブ32の間の距離Wを大きくすると連通管の断面積が大きくなり、ヘルムホルツレゾネータの共鳴周波数が高くなる。一方、第1リブ21と第2リブ32がオーバーラップする長さLを長くすると、連通管の長さが長くなり、ヘルムホルツレゾネータの共鳴周波数が低くなる。
整流構造体1の第1ケース2や第2ケース3、第1リブ21や第2リブ32などを構成する材料は特に限定されないが、これらを熱可塑性樹脂等により形成するようにしてもよい。また、整流構造体1の製造は、公知の製造方法を利用して行うことができる。例えば、熱可塑性樹脂の射出成型により、第1リブ21が一体化された第1ケース2や、第2リブ32が一体化された第2ケース3を形成し、それらを振動溶着により一体化して整流構造体1を製造することができる。他の方法で整流構造体1を製造してもよい。
上記実施形態の整流構造体1の作用及び効果について説明する。上記実施形態の整流構造体1によれば、エアフローセンサーの出力が安定化され、センシング性能が高められる。
まず、従来技術において、エアフローセンサーの出力が不安定化する要因について説明する。エアフローセンサーに流れ込む流れに乱れが生じることにより、エアフローセンサーの出力は不安定化する。管路の急な縮径や段差などの急変部があると流れが乱れるので、特許文献1の技術などでも、その部分の断面変化を少なくすることにより、流れの乱れを小さくし、エアフローセンサーの出力の安定化を図っている。
ここで、特許文献2にあるようなチャンバー内の流れを偏向させる整流板を設けた整流構造を実現する場合において、チャンバーを溶着構造により実現しようとすると、例えば、図8に示す従来例の整流構造体9のように、第1ケース90に設けられたリブ91,91と、第2ケース92に設けられたリブ93,93とをリブの先端で互いに溶着することが考えられる。図8は、図4に対応する箇所における断面の図である。しかしながら、この場合、リブ先端部の溶着箇所に、溶着バリBが生じたり、段差が生じたりする。
図8に示したような溶着バリBや段差が、リブの表面に生じると、リブに沿って流れる気流に渦や乱れが生じ、これが、エアフローセンサーの出力に影響する。バリや段差は製造上のばらつきをもって生ずるため、エアフローセンサーの出力もばらつくことになる。また、バリや段差があると、流速や流速変化によって、流れの場が大きく変動しやすくなる。そのため、バリや段差があると、エアフローセンサーの出力も経時的に変動しやすくなる。こうしたばらつきや変動により、エアフローセンサーの出力が不安定なものとなり、センシング性能が低くなってしまう。
上記実施形態の整流構造体1においては、第1リブの端部21aが第2ケース3と離間しているので、流路を区画する第1リブ21に溶着によるバリや段差が生ずる余地がない。したがって、上記実施形態の整流構造体1によれば、バリや段差に起因するエアフローセンサーの出力の不安定化が未然に防止され、センシング性能が高められる。
また、チャンバー内の流れを偏向させる整流板を設けた整流構造を実現する場合において、図9に参考例として示した整流構造体7のように、第1ケース70に一体成形された整流リブ71,71を、リブの先端と第2ケース72が所定の距離だけ離間するように設けることも考えられる。図9は、図4に対応する箇所における断面の図である。しかしながら、このような構造の整流構造体7であっても、流れに乱れが生じて、エアフローセンサーの出力が不安定なものとなり、センシング性能が低くなってしまうことが判明した。
図9に構造を示した参考例の整流構造体7を、エアクリーナ81とエアフローセンサー82の間に組み込んだ場合の、エアクリーナからエアフローセンサーに向かう、整流構造体の内部の流れを、数値流体シミュレーションにより解析した。図7に、得られた解析結果の流線を示す。なお、第1実施形態の整流構造体1と同様に第3リブを備えさせて、気流のシミュレーションを行っている。
図7によれば、参考例の整流構造体7では、整流構造体の内部に設けられた流路Fに沿って流れるべき気流の一部が、リブ71の先端部と第2ケース72の間の隙間を通過して、流路Fから整流リブ71で隔てられた空間Vに流れ込んでしまい、空間Vに流れ込んだ気流が、リブ71の先端部と第2ケース72の間の隙間から再び流路F1の側に戻ってくるような流れとなっている。
この様な流れは、複雑な流れとなり、渦などが生じやすく、整流構造体7の流出口12から出た流れも、安定化しにくい。そのためエアフローセンサー82の出力の安定性が低くなりやすい。
一方、上記実施形態の整流構造体1においては、第1リブの端部21aが第2ケース3と離間しているものの、第2リブ32が、第1リブ21と所定の間隔Wを隔ててオーバーラップするように略平行に設けられている。そのため、流路F1の側から見て、第1リブの端部21aが第2ケース3と離間する部分が、第2リブ32によりふさがれるようになる。さらに、流路と反対側の空間Vと流路F1の間の連通も、第1リブ21と第2リブ32がオーバーラップするリブ間の空間を経由した屈曲形状の連通路(ラビリンス状の連通路)を経た連通となっている。
そのため、流路F1を流れる気流が、第1リブの端部21aが第2ケース3と離間する部分を通じて、流路と反対側の空間Vに流れ込むことが抑制される。これにより、流路F1を流れる気流が、実質的に流路と反対側の空間Vから切り離され、第1リブ21や第2リブ32に沿って滑らかに流れるようになる。
第1実施形態の整流構造体1を、エアクリーナ81とエアフローセンサー82の間に組み込んだ場合の、エアクリーナからエアフローセンサーに向かう、整流構造体1の内部の流れを、数値流体シミュレーションにより解析した。図6に、得られた解析結果の流線を示す。シミュレーションの条件は、図7に示した参考例とは、第2リブ32の有無が異なっているだけで、他の点は同様である。第1リブ21の端部21aが第2ケース3と離間する距離gは8mm、第1リブ21と第2リブ32が隔たる距離Wは8mm、オーバーラップ長さLは20mmである。
図6の第1実施形態の整流構造体1の解析結果によれば、流路F1,F2を流れる空気は、実質的に、流路F1から第1リブ21と第2リブ32で隔てられた空間Vに流れ込まなくなっている。これにより、流路F1、F2を流れる気流の乱れが少なくなり、エアフローセンサー82に向かうダクト内部でも気流が速やかに安定化していることがわかる。
第2リブ32を設けて、空間Vに気流が流れ込みにくくする観点からは、第1リブ21と第2リブ32がオーバーラップ長さLは、第1リブ21の端部21aが第2ケース3と離間する距離gや、第1リブ21と第2リブ32が隔たる距離Wよりも大きいことが好ましい。L≧2*gであり、L≧2*Wであることが、特に好ましい。
以上のように、上記第1実施形態の整流構造体1によれば、整流構造体内部において流れの乱れが発生することを抑制でき、エアフローセンサーの出力が安定化され、センシング性能が高められる。
必須ではないが、上記第1実施形態の整流構造体1のように、第1ケース2には、第1リブ21と略平行な略円弧状部分を有する第3リブ23が、流路F内に突出するように設けられ、第3リブ23の端部23aが第2ケース3と離間するようにされていれば、流路Fの内部を第3リブ23により、より効果的に整流でき、エアフローセンサーの出力がより安定化され、センシング性能が高められる。図6の解析例のように、第3リブ23を2本設けてもよい。
また、本実施形態のような第3リブを設ける場合には、第1リブ21が第2ケース3と離間する部分に第2リブ32を設けたのと同様に、第3リブ23が第2ケース3と離間する部分にさらに他のリブを第2ケース3から突設するようにしてもよい。このようにすれば、第3リブ23により分けられた流路F1と流路F2の間で気流が行き来しにくくなるので、整流がより効果的になり、エアフローセンサーの出力がより安定化され、センシング性能が高められる。
必須ではないが、第1リブ21の端部21aと第2ケース3の間の間隔gが2mm~20mmであり、第1リブ21と第2リブ32の間隔Wが2mm~20mmであることが好ましく、エアフローセンサーの出力が特に安定化され、センシング性能が高められる。間隔gや間隔Wが大きくなると、流路と反対側の空間Vに気流が流れ込みやすくなるため、これら間隔を20mm以下にすることが好ましい。また、これら間隔が小さくなると、第1ケース2と第2ケース3を一体化する際の寸法誤差や寸法ばらつきの影響が、これら間隔に大きな比率で現れやすくなり、整流構造体1の性能がばらつく傾向が生ずることがあるため、これら間隔を2mm以上とすることが好ましい。
また、必須ではないが、上記第1実施形態の整流構造体1のように、第1リブ21により流路と隔てられたチャンバーの空間Vを容積室とし、第2リブ32と第1リブ21の間の空間を連通管として、共鳴周波数が100Hz~1500Hzのヘルムホルツレゾネータが構成されることが好ましい。かかる構成により、整流構造体1によりエアフローセンサーの出力を安定化し、センシング性能を高めながら、同時に、レゾネータの共鳴作用により、吸気騒音の低減を図ることができる。
なお、従来技術において、整流リブを有する整流構造体にレゾネータを設ける場合、レゾネータの連通管を、整流リブの流れ方向の途中に開口を設けて構成することが一般的であったが、整流リブの流れ方向の途中に連通管の開口が設けられていると、開口部を起点とした流れの乱れが発生し、エアフローセンサーの出力が不安定化し、センシング性能が低下しやすくなる。
上記第1実施形態のような整流構造体であれば、ヘルムホルツレゾネータの連通路の通気流路への開口が、流れ方向に沿って連続して設けられるので、流れの乱れが発生しにくく、レゾネータを整流構造体に設けるにも関わらず、エアフローセンサーの出力を安定化し、センシング性能を高めることができる。
発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、これら実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
図5には、他の実施形態の整流構造体を示す。図5の実施形態の整流構造体は、第1実施形態の整流構造体1と比べ、整流構造体に設けられるリブの構造が異なっており、他の点では第1実施形態の整流構造体1と同様である。図5には、第1実施形態の図4に対応するX-X断面の断面図を示している。
図5(a)には、第2実施形態の整流構造体5を示す。整流構造体5では、第2リブ52が、第1リブ51と所定の間隔を隔ててオーバーラップするように略平行に設けられている点は同様である。一方、第1実施形態の整流構造体1では、第1リブの端部21aと第2ケース3の離間する距離が比較的小さく、第1リブ21と第2リブ32がオーバーラップする部分が第2ケース3に近い位置に配置されていたのに対し、図5(a)の第2実施形態の整流構造体5においては、第1リブ51と第2リブがオーバーラップする部分が、第2ケース3から離れて、チャンバーの内部空間の中央(図5(a)の上下方向の中央)に近い位置に配置されている点が異なっている。
第2実施形態の整流構造体5であっても第1実施形態の整流構造体1と同様に、溶着バリなどが生じず、かつ、第1リブ51と第2リブ52とが共働して気流が流路Fの反対側の空間Vに流れ込むことを抑制できて、エアフローセンサーの出力を安定化し、センシング性能を高めることができる。
なお、必須ではないが、第1実施形態の整流構造体では、第1リブ21の端部21aと第2ケース3が離間する距離gが20mm以下、特に10mm以下であることが好ましい。この離間する部分を通じて、流路F1,F2から空間Vに気流が流れ込みうるが、第1リブ21の端部21aと第2ケース3が離間する距離gが20mm以下、特に10mm以下にされていると、空間Vに流れ込もうとする気流が第2ケースに近い部分を流れることになり、第2ケースに近い部分では気流の流速がチャンバー中央部に比べ低めであるため、気流が空間Vに流れ込むことがより効果的に抑制されて、エアフローセンサーの出力を安定化し、センシング性能を高めることができるからである。
図5(b)には、第3実施形態の整流構造体6を示す。整流構造体6では、第1リブ61が設けられる形態は、第1実施形態の整流構造体1と同様である。一方で、本実施形態では、第2リブ62が、第1リブ61に対し、前記流路Fと同じ側に設けられる。即ち、本実施形態のように、第1リブ61と第2リブ62とは、同心円状に、第2リブ62が円の内側となるように設けてもよい。
かかる整流構造体6においても、第1実施形態の整流構造体1と同様に、溶着バリなどが生じず、かつ、第1リブ61と第2リブ62とが共働して気流が流路Fの反対側の空間Vに流れ込むことを抑制できて、エアフローセンサーの出力を安定化し、センシング性能を高めることができる。同様に、第2リブを平行に2本設けて、第1リブの端部を2本の第2リブの間に挟み込むように配置しても良く、そのようにしても、エアフローセンサーの出力を安定化し、センシング性能を高めることができる。
また、第3実施形態の整流構造体6では、第2ケース65には、第1リブ61と略平行な円弧状部分を有する第4リブ63が、流路F内に第1ケース64に向かって突出するように設けられており、第4リブ63の端部63aが第1ケース64と離間している。
この様な第4リブ63を設けた場合には、流路Fの中の気流がより良好に整流されて、エアフローセンサーの出力を安定化し、センシング性能を高めることができる。
また、整流構造体6では、流入口からチャンバー内に流れ込んだ気流が、第1リブ61と第2ケース65が離間した部分に直接吹き付けることが、第2リブ62もしくは第4リブ63により、確実に抑制されるので、特にエアフローセンサーの出力を安定化できる。
また、上記実施形態の説明においては、整流構造体が備えるべき具体的な取付構造等の説明は省略した。整流構造体は必要に応じ、ステーやグロメットなどの取付構造を備えることができる。また、整流構造体とエアクリーナの接続構造や、エアフローセンサーが取付けられる管体との接続構造等についても、詳細な説明は省略したが、整流構造体は必要に応じ、こうした接続部位に、シール材や固定バンド等の固定構造を備えることができる。
また、上記実施形態の整流構造体において、第1リブに関し流路Fと反対側の空間Vに多孔質材からなる吸音材を配置してもよい。
また、第1実施形態の説明においては、エアクリーナとは別体に整流構造体が設けられる例について説明したが、エアクリーナに整流構造体が一体化されていてもよい。
整流構造体は内燃機関の吸気系に使用でき、エアフローセンサーに向かう気流を整流できて産業上の利用価値が高い。
1 整流構造体
11 流入口
12 流出口
13 チャンバー
2 第1ケース
21 第1リブ
23 第3リブ
3 第2ケース
32 第2リブ

Claims (2)

  1. 内燃機関の吸気系において、エアクリーナとエアフローセンサーの間に設けられる整流構造体であって、
    整流構造体は、エアクリーナから空気が流れ込む流入口と、エアフローセンサーに向けて空気が流れ出る流出口と、流入口と流出口の間に設けられたチャンバーを有し、
    流入口と流出口は、チャンバー内で流れが屈曲する向き及び位置に設けられており、
    チャンバーは、半割れ状に分割形成された第1ケースと第2ケースにより構成され、
    第1ケースには、第1リブが略円弧状に突設されており、
    第1リブの端部は、第2ケースから離間しており、
    第2ケースには、第2リブが略円弧状に突設されており、
    第2リブは、第1リブと所定の間隔を隔ててオーバーラップするように略平行に設けられ、
    第1リブと第2リブによって、流入口からチャンバー内に流れ込んだ気流が曲げられて流出口に向かうような流路壁が、チャンバー内に形成されており、かつ、
    第1リブにより流路と隔てられたチャンバーの空間を容積室とし、
    第2リブと第1リブの間の空間を連通管として、
    共鳴周波数が100Hz~1500Hzのヘルムホルツレゾネータが構成された、
    整流構造体。
  2. 第1リブの端部と第2ケースの間の間隔が2mm~20mmであり、
    第1リブと第2リブの間隔が2mm~20mmである、
    請求項に記載の整流構造体。
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