本願に開示される技術により解決しようとする課題は、例えば、操作レバーの位置以外の場所に設けられた操作部材で作業装置が装着されるリンク機構を操作するように構成され、操作レバーが操作される際に当該操作部材が動かない作業車両を提供することにある。
本開示の第1態様によれば、作業車両は、リンク機構と、駆動機構と、操作レバーと、付加操作機構と、を備える。リンク機構には、作業装置が装着される。駆動機構は、リンク機構を駆動して作業装置を昇降させる。操作レバーは、作業装置を昇降させるために操作される。付加操作機構は、操作レバーの位置から離れた場所において、操作レバーを操作するように構成される。付加操作機構は、第1回転軸と、第2回転軸と、第1係合部材と、操作部材と、第2係合部材と、付勢部材と、を備える。第1係合部材は、操作レバーと機械的に接続され、操作レバーの移動に応じて第1回転軸周りに回転自在である。操作部材は、第2回転軸の軸方向に摺動可能で、オペレータに操作される。第2係合部材は、操作部材とともに軸方向に摺動可能で、第2回転軸周りに回転自在で、第1係合部材に係合して第1係合部材を回転させるように構成される。付勢部材は、第2係合部材を第1係合部材と係合しないように第2係合部材を第1係合部材から軸方向に離間させる。
本開示の第2態様によれば、第1態様による作業車両は、付加操作機構と操作レバーとをつなぐリンク装置をさらに備える。
本開示の第3態様によれば、第2態様による作業車両は、操作部材が第2係合部材に接続され、オペレータに押し込まれることによって第2係合部材を第1係合部材に係合させ、操作部材がオペレータに回転されることによって第2係合部材と第1係合部材とを回転させて、操作レバーをシフトさせるように構成されている。
本開示の第4態様によれば、第3態様による作業車両は、操作部材がノブであるように構成される。
本開示の第5態様によれば、第1態様から第4態様のいずれかによる作業車両は、第1係合部材と第2係合部材とがギヤであるように構成される。
本開示の第6態様によれば、第5態様による作業車両は、第2回転軸が第1回転軸と実質的に平行であるように構成される。
本開示の第7態様によれば、第1態様から第4態様のいずれか1つによる作業車両は、第1係合部材が係合穴を有し、第2係合部材が、第1係合部材と係合するとき、係合穴に挿入されるピンを有するように構成される。
本開示の第8態様によれば、第7態様による作業車両は、第2回転軸が第1回転軸と実質的に同軸であるように構成される。
本開示の第9態様によれば、第1態様から第8態様のいずれか1つによる作業車両は、操作レバーと付加操作機構とを収容するキャビンをさらに備える。付加操作機構は、キャビンの窓に隣接して設けられ、窓は、キャビンの外部のオペレータによって開けられるように構成されている。
本開示の第10態様によれば、第9態様による作業車両は、第2回転軸が作業車両の高さ方向から窓に向かって傾いた方向に延びるように構成される。
本開示の第11態様によれば、第9態様または第10態様による作業車両は、キャビンが、ルーフと、フロントピラーと、リアピラーと、センターピラーとによって定義されるように構成される。フロントピラー、リアピラー、及び、センターピラーは、ルーフを支持し、フロントピラーは、作業車両の前後方向においてリンク機構よりも前方に設けられ、リアピラーは、前後方向においてフロントピラーの反対に設けられ、センターピラーは、前後方向においてフロントピラーとリアピラーとの間に設けられる。操作レバーは、前後方向においてフロントピラーとセンターピラーとの間に設けられる。付加操作機構は、前後方向において、センターピラーとリアピラーとの間に設けられる。
本開示の第12態様によれば、第11態様による作業車両は、付加操作機構がフロントピラーの下端、リアピラーの下端、及び、センターピラーの下端をつなぐベースフレームと重畳するように構成される。
本開示の第13態様によれば、第11態様または第12態様による作業車両は、作業車両の幅に沿う幅方向において運転座席とベースフレームとの間に、操作レバー及び付加操作機構が設けられるコンソールを有する。付加操作機構以外にコンソールに設けられている全ての操作具がセンターピラーの後端よりも前方に配置される。
本開示の第14態様によれば、第1態様から第13態様のいずれか1つによる作業車両は、作業車両がある地面からの付加操作機構の高さは、1800mm以下であるように構成される。
本開示の第15態様によれば、第1態様から第14態様のいずれか1つによる作業車両は、作業装置を駆動する動力を出力するパワーテイクオフ軸をさらに備える。作業車両の幅に沿う幅方向におけるパワーテイクオフ軸と付加操作機構との間の距離は、少なくとも550mmある。
本開示の第16態様によれば、第1態様から第15態様のいずれか1つによる作業車両は、駆動機構と操作レバーとをつなぎ、操作レバーの変位を駆動機構に伝達する第1変位伝達機構をさらに備える。駆動機構は、スプールを有する油圧バルブと、油圧シリンダと含む油圧駆動機構である。スプールは第1変位伝達機構に接続され、スプールの位置は操作レバーの変位に応じて変化する。油圧シリンダは、スプールの位置に基づいて伸縮してリンク機構を動かす。
本願に開示される技術、より具体的には、第1態様に係る作業車両では、付勢部材によって第2係合部材を第1係合部材から離間させるため、操作レバーの移動に応じて回転する第1係合部材が第2係合部材と係合しない。このため、運転席に着座したオペレータが操作レバーを操作する際に操作部材が動かない。
第2態様に係る作業車両では、コンソール内部に省スペースで操作レバーを操作する変位伝達機構を構成することが可能となる。
第3態様に係る作業車両では、オペレータは操作部材を押し込みながら回転させることによって操作レバーをシフトさせることができる。したがって、オペレータの操作が容易である。
第4態様に係る作業車両は、オペレータの操作部材の回転操作を容易にする。
第5態様に係る作業車両では、第1係合部材と第2係合部材とを低コストに製造することができる。
第6態様に係る作業車両では、第1係合部材と第2係合部材とが平歯車であってもよいため、第1係合部材と第2係合部材とをさらに低コストに製造することができる。
第7態様に係る作業車両では、第1係合部材と第2係合部材の係合部分として係合穴とピンが形成されるため、第1係合部材と第2係合部材とを低コストに製造することができる。
第8態様に係る作業車両では、第2回転軸は第1回転軸と同軸であるため、付加操作機構を小型化することができる。
第9態様に係る作業車両では、付加操作機構がキャビン内部に配置されるため、付加操作機構の凍結を防止することが容易となる。
第10態様に係る作業車両では、キャビン外部のオペレータが操作部材を容易に操作することができる。
第11態様に係る作業車両では、仮にキャビン外部のオペレータが操作レバーに近接した窓を開けて操作レバーを操作できるとしても、リンク機構を視認することが困難である一方で、キャビン外部において付加操作機構を操作するオペレータはリンク機構を容易に視認することができる。
第12態様に係る作業車両では、付加操作機構がベースフレームに重畳するため、付加操作機構がキャビンの窓にさらに近くなる。したがって、キャビン外部からのオペレータが容易にアクセスできる。さらに、付加操作機構を操作するオペレータの安全を確保するために、キャビンを大型化することなく、作業車両の幅に沿う幅方向におけるパワーテイクオフ軸と付加操作機構との間の距離を長くすることができる。
第13態様に係る作業車両では、運転座席に着座したオペレータが運転しながら付加操作機構以外にコンソールに設けられている全ての操作具を操作できる一方で、付加操作機構は、当該オペレータが運転しながら操作できない位置に配置されている。
第14態様に係る作業車両では、キャビン外部のオペレータが足場に立たなくても付加操作機構を操作することができる。
第15態様に係る作業車両では、付加操作機構を操作するオペレータの安全が確保される。
第16態様に係る作業車両では、油圧回路により駆動機構を実現することができる。
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。図中において同じ符号は、対応するまたは同一の構成を示している。
〔第1実施形態〕
<全体構成>
図1は、実施形態に係る作業車両1の側面図である。作業車両1は、例えば、農業用トラクタである。作業車両1は、車体フレーム2と走行輪3、4とキャビン5とを備える。作業車両1は、好ましくは4輪駆動車両であり、4つの走行輪3、4が回転駆動されることにより走行する。
なお、本願に係る実施形態において、前後方向DFRとは、キャビン5の運転座席50に着座したオペレータから見て前後方向を意味する。左右方向、横方向とは、当該オペレータから見てそれぞれ、左右方向、横方向を意味する。上下方向DVとは、当該オペレータから見て上下方向を意味する。作業車両1の前後/左右(横)/高さ方向とは、それぞれ、当該オペレータから見た前後/左右(横)/上下方向と一致するものとする。
車体フレーム2は、前フレーム2aと後フレーム2bとを有する。前フレーム2aには、エンジン6が搭載される。後フレーム2bには、キャビン5と、ミッションケース7とが搭載される。ミッションケース7には、エンジン6からの駆動力を走行輪3、4に伝達するための走行用の変速装置等が内装されている。ミッションケース7には、さらに、エンジン6からの動力を、走行輪3、4とは別に図示しない作業装置に分配する作業装置用の変速装置やクラッチなどが内装される。これら作業装置用の変速装置やクラッチ等から構成される動力伝達系を作業伝動系と呼ぶ。
作業車両1は、さらに、牽引装置8と、パワーテイクオフ軸(PTO軸)9と、リンク機構10と、を備える。牽引装置8は、運搬用の荷台(図示せず)を、作業車両1の後端に連結し、運搬するための装置である。パワーテイクオフ軸(PTO軸)9は、作業装置を駆動する動力を出力する。リンク機構10は、ロータリ耕転装置などの作業装置(図示せず)が装着される3点昇降機構11、並びに、3点昇降機構11を昇降させるリフトアーム12及びリフトロッド13を有する。つまり、リンク機構10は、作業装置が装着される。リフトアーム12は、作業伝動系の一部を構成する油圧シリンダ16の作動で上下方向に揺動可能である。リフトアーム12、リフトロッド13、及び、油圧シリンダ16は、作業車両1の左側、右側に1つずつ設けられている。PTO軸9には、作業装置(図示せず)に対して動力を伝えるための伝動軸等が接続される。ここで、作業伝動系(作業車両1)は、リンク機構10を駆動して作業装置を昇降させるための駆動機構14を含む。駆動機構14は、油圧シリンダ16を含む。
<キャビンの内部構成>
キャビン5は、ルーフ51と、フロントピラー52と、リアピラー53と、センターピラー54と、ウィンドシールド55と、ドアパネル56と、サイドウィンドウ57と、リアウィンドウ58とによって囲まれた空間である。別の言い方をすれば、キャビン5は、ルーフ51と、フロントピラー52と、リアピラー53と、センターピラー54とによって定義される。
ルーフ51は、内部に空調装置や無線通信装置などを収納できる収納空間を有している。フロントピラー52、リアピラー53、及び、センターピラー54は、ルーフ51を支持する。より具体的には、作業車両1は、フロントピラー52の上端、リアピラー53の上端、及び、センターピラー54の上端をつなぐルーフ支持フレーム59を有し、ルーフ51は、ルーフ支持フレーム59を介してフロントピラー52、リアピラー53、及び、センターピラー54によって支持される。フロントピラー52は、作業車両1の前後方向DFRにおいてリンク機構10よりも前方(DF)に設けられる。より具体的には、フロントピラー52は、前後方向DFRにおいて運転座席50よりも前方(DF)に設けられる。リアピラー53は、前後方向DFRにおいてフロントピラー52の反対に設けられる。センターピラー54は、前後方向DFRにおいてフロントピラー52とリアピラー53との間に設けられる。より具体的には、センターピラー54は、前後方向DFRにおいてフロントピラー52よりリアピラー53により近い。フロントピラー52は、ウィンドシールド55を支持する。センターピラー54は、ドアパネル56を支持する。リアピラー53は、サイドウィンドウ57を支持する。ルーフ支持フレーム59は、リアウィンドウ58を支持する。
ウィンドシールド55は、透明でキャビン5の前面を構成している。ドアパネル56は、透明で、キャビン5の左右両側に設けられている。ドアパネル56は、外側に開閉自在である。ここで、外側に開閉自在とは、運転座席50から離間するように開閉自在という意味である。サイドウィンドウ57は、透明で、キャビン5の左右両側且つドアパネル56の後方(DR)に設けられている。サイドウィンドウ57も、外側に開閉自在である。リアウィンドウ58は、透明でキャビン5の後面を構成している。リアウィンドウ58も、外側に開閉自在である。
作業車両1は、キャビン5内の運転座席50右側に、操作レバー19と、付加操作機構30とを備える。つまり、作業車両1は、操作レバー19と付加操作機構30とを収容するキャビン5をさらに備える。操作レバー19は、作業装置(図示せず)を昇降させるために操作される。操作レバー19は、前後方向DFRに揺動可能である。図1は、前に傾けられた操作レバー19と後ろに傾けられた操作レバー19を示している。図1を参照すると、操作レバー19は、前後方向DFRにおいてフロントピラー52とセンターピラー54との間に設けられる。操作レバー19が上昇位置にシフトされると、リンク機構10は、作業装置を上昇させる。操作レバー19が下降位置にシフトされると、リンク機構10は、作業装置を下降させる。操作レバー19を中立位置にシフトされると、リンク機構10は、作業装置の上昇及び下降を停止する。上昇位置、下降位置、中立位置は、それぞれ、例えば、操作レバー19を前に傾けた位置(前方位置)、操作レバーを後ろに傾けた位置(後方位置)、前方位置と後方位置との間の中間位置である。
付加操作機構30は、操作レバー19の位置から離れた場所において、操作レバー19を操作するように構成される。付加操作機構30は、前後方向DFRにおいて、センターピラー54とリアピラー53との間に設けられる。より具体的には、付加操作機構30は、前後方向DFRにおいてセンターピラー54よりリアピラー53により近い。図2は、付加操作機構30の付近を拡大した平面図である。図2に示すように、付加操作機構30は、キャビン5の窓(サイドウィンドウ57)に隣接して設けられる。上述のように、当該窓は、キャビン5の外部のオペレータによって開けられるように構成されている。さらには、作業車両1の高さ方向(上下方向DV)から見て、付加操作機構30は、フロントピラー52の下端、リアピラー53の下端、及び、センターピラー54の下端をつなぐベースフレーム60と重畳する。付加操作機構30は、地上に立ったオペレータがリンク機構10の動作確認をする際に使用される。なお、図1に示されるように、地上に立ったオペレータによる操作を容易にするために、作業車両1がある地面からの付加操作機構30の高さH1は、1800mm以下であることが望ましい。図3は、付加操作機構30の位置を示す作業車両1の背面図である。図3を参照すると、オペレータの安全を確保するために、作業車両1の幅に沿う幅方向DW(横方向)におけるパワーテイクオフ軸(PTO軸)9と付加操作機構30との間の距離L1は、少なくとも550mmあることが望ましい。
図4は、付加操作機構30の付近を拡大した斜視図である。図5は、キャビン5の内部を示す斜視図である。図4及び図5は、視認性を向上するため、ウィンドシールド55、ドアパネル56、サイドウィンドウ57、及び、リアウィンドウ58の図示を省略している。図2及び図4を参照すると、付加操作機構30のうちのオペレータに操作される操作部材32と、付加操作機構30の操作部材32以外の部分を覆うカバー31とが、高さ方向から見てベースフレーム60と重畳する。操作部材32は、ノブである。オペレータはノブを回転させて、操作レバー19をシフトさせることができる。
図5を参照すると、作業車両1は、作業車両1の幅に沿う幅方向DWにおいて運転座席50とベースフレーム60との間に、コンソール61を有する。操作レバー19及び付加操作機構30は、コンソール61に設けられている。コンソール61には、他の操作レバー62、63、64、65や操作ボタン66などの他の操作具も設けられているが、付加操作機構30以外にコンソール61に設けられている全ての操作具がセンターピラー54の後端RE(図2参照)よりも前方(DF)に配置されている。別の言い方をすれば、付加操作機構30以外の全ての操作具が運転座席50の背もたれの前面FSよりも前方(DF)に配置され、付加操作機構30は運転座席50の背もたれの前面FSよりも後方(DR)に配置される。参考までに、図2は、運転座席の背もたれの前面FSの前端SEを示している。それゆえに、オペレータが作業車両1を運転中に付加操作機構30以外のコンソール61の操作具を操作できても、オペレータが作業車両1を運転中に付加操作機構30を操作できない。
さらに、作業車両1は、ウィンドシールド55(フロントピラー52)後方(DR)且つ運転座席50前方(DF)に、ステアリングホイール67とコントロールパネル68とを備え、それらの下方に、図示しないクラッチペダル、ブレーキペダル、スピードコントロールペダルなどを備えている。コントロールパネル68は、作業車両1の現在の状態を表示するディスプレイと、作業車両1の各種設定を行う操作キーとを含む。付加操作機構30は、コントロールパネル68には設けられない。
<リンク機構を操作するための機構の詳細>
図6は、リンク機構10を操作するための機構を示した斜視図である。図6を参照すると、作業車両1は、第1変位伝達機構20と第2変位伝達機構40とを備える。第1変位伝達機構20は、駆動機構14と操作レバー19とをつなぎ、操作レバー19の変位を駆動機構14に伝達する。第2変位伝達機構40は、第1変位伝達機構20を介することなく、付加操作機構30と操作レバー19とを機械的につなぎ、付加操作機構30の操作に従って操作レバーをシフトさせる。図6では、複数の操作レバー19の位置とそれに対応する付加操作機構30の状態が実線及び二点鎖線で示されている。駆動機構14は、油圧バルブ17と、油圧シリンダ16と、を含む油圧駆動機構14Hである。さらに、油圧駆動機構14Hは、エンジン6によって駆動され、作動油を吐出する油圧ポンプ15(図1参照)や、油圧ポンプ15と、油圧シリンダ16と、油圧バルブ17とを接続する複数の油路(図示せず)も含む。
図7及び図8は、第1変位伝達機構20の部分拡大図である。図7及び図8を参照すると、第1変位伝達機構20は、リンク装置である。図7を参照すると、第1変位伝達機構20は、支点F1を含み、操作レバー19は、支点F1の周りを回動可能である。支点とはその位置が変化しないジョイントである。さらに、第1変位伝達機構20は、支点F1において操作レバー19と接続し、支点F1の周りに操作レバー19とともに回動可能である従動節21を含む。図7及び図8を参照すると、第1変位伝達機構20は、回転ジョイントJ1、リンク22、回転ジョイントJ2、リンク23、支点F2、回転ジョイントJ3、リンク24、回転ジョイントJ4、リンク25、シャフト26、リンク27、回転ジョイントJ5、リンク28、回転ジョイントJ6、及び、支点F4をさらに含む。シャフト26は、支点F3を構成する。シャフト26と、支点F4とは、共通の回転軸Axf34の周りを回動可能である。回転軸Axf34の径方向における、回転軸Axf34と回転ジョイントJ6との距離は、当該径方向における、回転軸Axf34と回転ジョイントJ5との距離と実質的に等しい。
支点F1、従動節21、回転ジョイントJ1、リンク22、回転ジョイントJ2、リンク23、及び、支点F2は、4節リンク装置を構成する。支点F2、リンク23、回転ジョイントJ3、リンク24、回転ジョイントJ4、リンク25、及び、支点F3(シャフト26)は、4節リンク装置を構成する。支点F3(シャフト26)、リンク27、回転ジョイントJ5、リンク28、回転ジョイントJ6、リンク29、及び、支点F4は、4節リンク装置を構成する。したがって、リンク28は、従動節21に伝達された操作レバー19の変位に応じて回転軸Axf34の周りを回転するように構成されている。油圧バルブ17は、第1変位伝達機構20に接続され、操作レバー19の変位に応じて位置が変化するスプール18を有する。スプール18は、リンク28と接続しており、リンク28の回転に応じてスプール延伸方向DSに移動する。具体的には、リンク28は、操作レバー19の上昇位置、中立位置、下降位置に対応するスプール延伸方向DSの位置に移動し、スプール18を上昇位置、中立位置、下降位置に移動させる。
油圧バルブ17は、3位置切替弁である。スプール18が上昇位置に移動されると、油圧バルブ17は、油圧ポンプ15からの圧油が油圧シリンダ16の油室に送られるように複数の油路を繋ぎ変える。この結果、図6に示される油圧シリンダ16が伸長し、3点昇降機構11を上方に押し上げる。スプール18が下降位置に切り替えられると、油圧バルブ17は、油圧シリンダ16の油室から作動油が排出されるように複数の油路を繋ぎ変える。この結果、図6に示される油圧シリンダ16が収縮し、3点昇降機構11が下降する。スプール18が中立位置に切り替えられると、油圧バルブ17は、油圧シリンダ16の油室の油量が変動しないように複数の油路を繋ぎ変える。この結果、3点昇降機構11の上昇及び下降が停止する。つまり、油圧シリンダ16は、スプール18の位置に基づいて伸縮することによってリンク機構10を動かす。参考までに、特開昭62-22502号公報、実開58―24107号公報などがこのような油圧回路の例を示している。
つぎに、第2変位伝達機構40について説明する。図9は、第2変位伝達機構40の正面図である。図10は、第2変位伝達機構40の上面図である。図9及び図10において、説明の便宜上、カバー31の図示は省略している。図9及び図10を参照すると、第2変位伝達機構40は、リンク装置40Lである。リンク装置40Lは、第1中間ジョイント41と、連結リンク42と、を含む。リンク装置40Lは、ベースジョイント43と、クランク44と、第2中間ジョイント45とをさらに含む。
第1中間ジョイント41は、操作レバー19と接続する。第1中間ジョイント41は、支点F1と異なる。連結リンク42は、第1中間ジョイント41に接続し、第1中間ジョイント41の周りを回動可能である。ベースジョイント43は、付加操作機構30に接続され、付加操作機構30によって第1回転軸Ax1の周りに回転される。ベースジョイント43は支点を構成する。ベースジョイント43の構造の詳細な説明は後述する。クランク44は、ベースジョイント43に接続され、ベースジョイント43とともに第1回転軸Ax1の周りに回動可能である。第2中間ジョイント45は、連結リンク42とクランク44とをつなぐ。連結リンク42は、クランク44に対して第2中間ジョイント45の周りを回動可能である。
支点F1は、第1回転軸Ax1と非平行な支点回転軸Axf1を有する。第1中間ジョイント41と第2中間ジョイント45との少なくとも1つは、ボールジョイントである。具体的には、第1中間ジョイント41はボールジョイントである。これによって、互いに平行でない回転軸を有する2つの支点間(ベースジョイント43、支点F1)で4節リンク装置を構成することができる。
連結リンク42は、操作レバー19と付加操作機構30との間に設けられる他の操作機構(46、47、48のいずれか)と干渉しないように曲がったロッド42Rである。具体的には、他の操作機構(46、47、48のいずれか)は、レバー回動軸AxLの周りに回動可能なレバー(46L、47L、48Lのいずれか)を含む。図11に示すように、第2中間ジョイント45は、作業車両1の高さ方向(上下方向DV)においてレバー回動軸AxLよりも高い平面P上を移動可能であり、当該平面Pに対して実質的に垂直なジョイント回動軸AxJの周りを回動可能である。図9及び図10に示すように、ロッド42Rは、作業車両1の前後方向DFRにおいてレバー回動軸AxLと第1中間ジョイント41との間に屈曲点BPを有する。図9に示すように、ロッド42Rは、第2中間ジョイント45から屈曲点BPまで、高さ方向(上下方向DV)においてレバー回動軸AxLよりも上方(DU)になるように第1延伸方向DE1に延び、屈曲点BPから第1中間ジョイント41まで、第1延伸方向DE1よりも高さ方向(上下方向DV)において下方(DD)に傾いた第2延伸方向DE2に延びる。本実施形態では、ジョイント回動軸AxJは第1回転軸Ax1と実質的に平行であるが、ジョイント回動軸AxJは第1回転軸Ax1と非平行であってもよい。
<付加操作機構の詳細>
つぎに、付加操作機構30の詳細について説明する。
図11は、付加操作機構30の側面図である。図12は、付加操作機構30の正面図である。図11及び図12では、説明の便宜上、カバー31の図示は省略している。図11及び図12を参照すると、付加操作機構30は、台座33を備える。台座33は、ボルトB1~B4を介して、ベースフレーム60に接続されたフェンダーフレーム69に固定されている。台座33は、第1L字型金属板33aと、第2L字型金属板33bと、底板33c、及び、天板33dを備える。第1L字型金属板33aと、第2L字型金属板33bとは、互いに対向している。底板33cと天板33dとは、第1L字型金属板33aと、第2L字型金属板33bとの間に設けられる。天板33dは、底板33cの上方(DU)に設けられる。底板33cと天板33dとは、溶接で第1L字型金属板33aと、第2L字型金属板33bとに固定される。
底板33cは、その長手方向両端に、第1底板貫通孔33ch1と、第2底板貫通孔33ch2とを有する。天板33dは、その長手方向両端に、第1天板貫通孔33dh1と、第2天板貫通孔33dh2とを有する。第1天板貫通孔33dh1は、第1回転軸Ax1に沿う軸方向DAX1において第1底板貫通孔33ch1に対向している。第1回転軸Ax1は、第1天板貫通孔33dh1と第1底板貫通孔33ch1とを貫通する。底板33cは、第1天板貫通孔33dh1と第1底板貫通孔33ch1との間の軸方向DAX1の距離が第2天板貫通孔33dh2と第2底板貫通孔33ch2との間の軸方向DAX1の距離よりも長くなるように屈曲している。
ベースジョイント43は、第1天板貫通孔33dh1と第1底板貫通孔33ch1とを貫通する。図11に示されるように、ベースジョイント43は、シャフト43Sとリング43Rとピン43Pとを含む。クランク44は、リング43Rに固定される。リング43Rは、ピン43Pを介してシャフト43Sに固定される。クランク44は、第2中間ジョイント45がリング43Rよりも上方(DU)になるように屈曲している。第1回転軸Ax1は、シャフト43Sの中心軸である。シャフト43Sは、第1天板貫通孔33dh1の壁面上と第1底板貫通孔33ch1の壁面上とに摺動しながら第1回転軸Ax1の周りを回転するように構成されている。
付加操作機構30は、上述した操作部材32及び第1回転軸Ax1、並びに、第2回転軸Ax2、第1係合部材34、第2係合部材35、及び、付勢部材36を備える。第1係合部材34、及び、第2係合部材35は、ギヤである。より詳細には、第1係合部材34はセクターギヤ(sector gear)であり、第2係合部材35は平歯車(spur gear)である。したがって、第1係合部材34、及び、第2係合部材35は、それぞれ、第1ギヤ34G、及び、第2ギヤ35Gと呼んでもよい。ゆえに、付加操作機構30は、第1ギヤ34Gと、第2ギヤ35Gと、操作部材32とを含む。第1係合部材34(第1ギヤ34G)は、シャフト43Sに圧入によって固定される。したがって、第1係合部材34(第1ギヤ34G)は、ベースジョイント43に接続され、ベースジョイント43とともに第1回転軸Ax1の周りを回転する。これによって、第1係合部材34(第1ギヤ34G)は、操作レバー19と機械的に接続され、操作レバー19の移動に応じて第1回転軸Ax1周りに回転自在である。第1係合部材34(第1ギヤ34G)は、板金から成る。
付加操作機構30は、シャフト37と、上座金38Tと、下座金38Bと、抜け止めピン39とをさらに含む。操作部材32と、第2係合部材35(第2ギヤ35G)とは、シャフト37に圧入される。これによって、操作部材32は、第2係合部材35(第2ギヤ35G)に接続される。付勢部材36は圧縮コイルバネ(compression spring)である。シャフト37は、上座金38Tの貫通孔、第2天板貫通孔33dh2、下座金38Bの貫通孔、付勢部材36の貫通孔、第2底板貫通孔33ch2をこの順に貫通させ、第2天板貫通孔33dh2と下座金38Bとの間に抜け止めピン39を取り付けることによって、台座33に取り付けられる。第2回転軸Ax2は、シャフト37の中心軸である。第2回転軸Ax2は、第1回転軸Ax1と実質的に平行である。第2天板貫通孔33dh2は、第2回転軸Ax2の軸方向DAX2において第2底板貫通孔33ch2に対向している。第2回転軸Ax2は、第2天板貫通孔33dh2と第2底板貫通孔33ch2とを貫通する。
シャフト37は、第2天板貫通孔33dh2の壁面上と、第2底板貫通孔33ch2の壁面上とを、第2回転軸Ax2の軸方向DAX2に摺動可能である。したがって、操作部材32は第2回転軸Ax2の軸方向DAX2に摺動可能であり、第2係合部材35(第2ギヤ35G)は操作部材32とともに軸方向DAX2に摺動可能である。シャフト37は、第2天板貫通孔33dh2の壁面上と第2底板貫通孔33ch2の壁面上とに摺動しながら第2回転軸Ax2の周りを回転するように構成されている。したがって、操作部材32と第2係合部材35(第2ギヤ35G)とは、第2回転軸Ax2周りに回転自在である。図4及び図11を参照すると、第2回転軸Ax2は、作業車両1の高さ方向(上下方向DV)から窓(サイドウィンドウ57)に向かって傾いた方向に延びる。このため、キャビン5の外部のオペレータが操作部材32を押して回転させやすい。
第2係合部材35(第2ギヤ35G)は第1係合部材34(第1ギヤ34G)と係合可能である。付勢部材36は、第2係合部材35(第2ギヤ35G)を第1係合部材34(第1ギヤ34G)と係合しないように第2係合部材35(第2ギヤ35G)を第1係合部材34(第1ギヤ34G)から軸方向DAX2に離間させる。具体的には、付勢部材36は、下座金38B、抜け止めピン39、シャフト37を介して第2係合部材35(第2ギヤ35G)を上方(DU)に押し上げる。
操作部材32は、オペレータに押し込まれることによって第2係合部材35(第2ギヤ35G)を第1係合部材34(第1ギヤ34G)に係合させる。上座金38Tは、操作部材32がオペレータに押し込まれたときに第2係合部材35(第2ギヤ35G)と当接し、第2係合部材35(第2ギヤ35G)を第1係合部材34(第1ギヤ34G)と一列に合わせる。操作部材32は、オペレータに回転されることによって第2係合部材35(第2ギヤ35G)と第1係合部材34(第1ギヤ34G)とを回転させて、操作レバー19をシフトさせるように構成されている。このように、第2係合部材35(第2ギヤ35G)は、第1係合部材34(第1ギヤ34G)に係合して第1係合部材34(第1ギヤ34G)を回転させるように構成されている。
<本実施形態による作業車両の効果>
本実施形態による作業車両1は、以下の効果を有する。
作業車両1では、第2変位伝達機構40は、第1変位伝達機構20を介することなく、付加操作機構30と操作レバー19とを機械的につなぎ、付加操作機構30の操作に従って操作レバー19をシフトさせる。このため、第1変位伝達機構20を変更する必要はない。したがって、操作レバー19の位置以外の場所に設けられた簡易な機構で作業装置が装着されるリンク機構10を操作することができる。
作業車両1は、第2係合部材35を第1係合部材34と係合しないように第2係合部材35を第1係合部材34から軸方向DAX2に離間させる付勢部材36を備える。このため、運転席に着座したオペレータが操作レバー19を操作する際に操作部材32が動かない。
<実施形態の変形例>
付加操作機構30及び第2変位伝達機構40は上述の例に限られない。図13は、付加操作機構30の変形例30a及び第2変位伝達機構40の変形例40aを示す。
付加操作機構30aは、第1回転軸Ax1a、第2回転軸Ax2a、操作部材32、第1係合部材(34aまたは34b)、第2係合部材35a、及び、付勢部材36を備える。本変形例では、第1係合部材(34aまたは34b)は、係合穴(34h1または34h2)を有し、第2係合部材35aは、第1係合部材34aと係合するとき、係合穴(34h1または34h2)に挿入されるピン35pを有する。具体的には、第1係合部材34aは複数の丸穴34h1を有し、第1係合部材34bは少なくとも1つの長穴34h2を有する。第2回転軸Ax2aは、第1回転軸Ax1aと実質的に同軸である。操作部材32は、第2係合部材35aが直接取り付けられたノブである。付勢部材36は、操作部材32と、第1係合部材(34aまたは34b)との間に設けられた圧縮コイルバネである。
第2変位伝達機構40は、第1中間ジョイント41、連結リンク42a、ベースジョイント43a、リンク装置44a、及び、第2中間ジョイント45を含む。第1中間ジョイント41と、第2中間ジョイント45とは、上述の実施形態と実質的に同じ構成のため、説明を省略する。連結リンク42aは、直線上のバーとして図示されているが、上述の実施形態の連結リンク42であってもよい。ベースジョイント43aは、ベースジョイント43の支持部材と異なる支持部材により支持されているため、第1回転軸Ax1aが回転軸Ax1と異なるが、実質的にはベースジョイント43の機能と同じ機能を有している。リンク装置44aは、上述のクランク44と構造的に異なる。
リンク装置44aは、リンク441、シャフト442、リンク443、回転ジョイント444、リンク445、及び、回転ジョイント446を含む。シャフト442は支点を構成する。リンク441及びリンク443は、それぞれの基端部がシャフト442に固定され、シャフト442とともに共通の回転軸Axf44の周りを回動可能である。リンク441の基端部と反対の末端部には、第2中間ジョイント45が取り付けられる。リンク443の基端部と反対の末端部には、回転ジョイント444が取り付けられる。リンク445の長手方向の一端部には、回転ジョイント444が取り付けられ、当該長手方向におけるその反対側の他端部は、回転ジョイント446を介して第1係合部材(34aまたは34b)に取り付けられる。支点F1、操作レバー19、第1中間ジョイント41、連結リンク42a、第2中間ジョイント45、リンク441、及び、シャフト442は、4節リンク装置を構成する。シャフト442、リンク443、回転ジョイント444、リンク445、回転ジョイント446、第1係合部材(34aまたは34b)、及び、ベースジョイント43aは、4節リンク装置を構成する。このような構成であっても上述した効果を奏することができる。
第1変位伝達機構20は、上述するようなリンク装置に限らず、電気的、機械的に操作レバー19の変位を伝達するいかなる機構であってもよい。機械的に変位を伝達する機構は、例えば、歯車機構、カム機構、ベルト-プーリ機構、及び、リンク装置を含む上述する機構の組み合わせなどを含む。電気的に変位を伝達する機構は、例えば、コントローラが支点F1の回転角をポテンショメータで検出し、コントローラがその角度値に応じた駆動機構を制御する機構を含む。
第2変位伝達機構40、40aは、上述するようなリンク装置に限らず、機械的に付加操作機構30、30aの変位を伝達するいかなる機構であってもよい。機械的に変位を伝達する機構は、例えば、歯車機構、カム機構、ベルト-プーリ機構、及び、リンク装置を含む上述する機構の組み合わせなどを含む。
駆動機構14は、油圧駆動機構14Hに限らず、電動モータやエンジン6の出力を利用した機構であってもよい。この場合、電動モータやエンジン6とリンク機構10との間に変速機が介されてもよい。操作レバー19の変位に応じて変速機内のギヤの接続関係を変化させることによってリンク機構10の昇降が実現されてもよい。
付加操作機構30は、実施形態で示される構造以外にスライダーであってもよい。この場合、ベースジョイント43、43aが支点ではなく、往復運動可能であってもよい。さらに、実施形態に示された付加操作機構30の形状および材質は、実質的な機能が変更されない限りにおいて変更されてもよい。例えば、第1回転軸Ax1と第2回転軸Ax2は平行でなくてもよい。この場合、第1係合部材34、第2係合部材35として傘歯車が使用されてもよい。また、付勢部材36は、引張コイルバネ(tension spring)などの他のバネや、ゴムなどの弾性部材であってもよい。
なお、本願においては、「備えている」およびその派生語は、構成要素の存在を説明する非制限用語であり、記載されていない他の構成要素の存在を排除しない。これは、「有している」、「含んでいる」およびそれらの派生語にも適用される。
「~部材」、「~部」、「~要素」、「~体」、および「~構造」という文言は、単一の部分や複数の部分といった複数の意味を有し得る。
「第1」や「第2」などの序数は、単に構成を識別するための用語であって、他の意味(例えば特定の順序など)は有していない。例えば、「第1要素」があるからといって「第2要素」が存在していることを暗に意味しているわけではなく、また「第2要素」があるからといって「第1要素」が存在していることを暗に意味しているわけではない。
程度を表す「実質的に」、「約」、および「およそ」などの文言は、最終結果が大きく変わらないような合理的なずれ量を意味し得る。本願に記載される全ての数値は、「実質的に」、「約」、および「およそ」などの文言を含むように解釈され得る。
上記の開示内容から考えて、本発明の種々の変更や修正が可能であることは明らかである。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、本願の具体的な開示内容とは別の方法で本発明が実施されてもよい。