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JP7159677B2 - 操業条件演算装置及び操業条件演算方法 - Google Patents
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JP7159677B2 - 操業条件演算装置及び操業条件演算方法 - Google Patents

操業条件演算装置及び操業条件演算方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶銑または溶鋼の精錬処理における操業条件の算出処理を行う操業条件演算装置及び操業条件演算方法に関する。
溶銑または溶鋼の精錬処理として、溶銑の脱硫処理が行われている。溶銑予備処理での脱硫は、例えば図13に示すような機械撹拌式脱硫装置(以下、「KR」ともいう。1を用いて実施される。KR1による脱硫処理は、図13に示すように、鍋10内の溶銑5に脱硫剤を添加し、インペラー21を駆動装置25により回転させて脱硫反応を促進させて行われる。溶銑5中に存在するSは製造される鋼板の品質を低下させる要因となるため、KR1による脱硫処理後の溶銑5中のS濃度(以下、「処理後S濃度」ともいう。)を、転炉へ引き渡す際の目標S濃度まで低減させることは重要である。一方で、KR処理において処理後S濃度を目標S濃度以下とすることを確実に達成するために脱硫剤を過剰投入してしまうと、製造コストを増加させることになる。このため、KR処理の操業条件の設定にあたっては、処理後S濃度を精度よく推定できることが望ましい。
例えば特許文献1には、溶銑予備処理操業における処理剤の投入条件を精度よく、かつ、実用上のばらつきを加味して、適正にガイダンスすることが可能な溶銑予備処理操業における処理剤の投入条件ガイダンス方法が開示されている。特許文献1では、ニューラルネットワークに処理剤投入条件を含む操業条件を変化させて繰り返し入力することにより処理剤の投入条件を決定し、実用上のばらつきを加えて評価することで、適切な処理剤投入条件を求める。これにより、処理剤投入条件と処理後の成分濃度との対応特性が線形性を示すか非線形性を示すかにかかわらず、推定精度を高めている。
特開平8-269518号公報
加藤賢悟、他2名、「Lasso分位点回帰の理論と損害保険への応用」、日本統計学会誌、2009年3月、Vol.38 No.2、p121-149
しかし、上記特許文献1の手法では、適切な処理剤投入条件を求める際、過去の実績データが存在していない領域の条件を解とする可能性がある。すなわち、操業において実行することができない解が選択される可能性があり、解の信頼性が懸念される。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、信頼性のある操業条件を算出することが可能な、新規かつ改良された操業条件演算装置及び操業条件演算方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、溶銑または溶鋼の精錬処理における操業条件算出する操業条件演算装置であって、過去の操業における実績データに基づいて、精錬処理前の前提条件と精錬処理に関する操業条件とを入力として、精錬処理後の成分濃度が所定の確率で精錬処理後の実績成分濃度以上となるような処理後成分濃度を出力する推定モデルを構築する推定モデル構築部と、確率密度関数により操業条件に対する制約条件を尤度制約条件として設定し、処理後成分濃度に対する制約条件を処理後成分濃度制約条件として設定する制約条件設定部と、推定モデル、尤度制約条件及び処理後成分濃度制約条件に基づいて、操業条件を探索する実行可能解探索部と、を備える、操業条件演算装置が提供される。
最小化すべき操業コストを評価関数として設定する評価関数設定部を備え、実行可能解探索部は、推定モデル、尤度制約条件及び処理後成分濃度制約条件を満たし、かつ、評価関数を最小化する操業条件を探索するようにしてもよい。
推定モデルは、前提条件と操業条件とを入力として期待値予測モデルにより処理後成分濃度の期待値を算出し、期待値を入力として分位点回帰して得られる処理後成分濃度を出力してもよい。
ここで、期待値予測モデルは、教師あり回帰モデルを用いてもよい。
あるいは、推定モデルは、前提条件と操業条件を入力として分位点回帰して得られる処理後成分濃度を出力してもよい。
確率密度関数は、混合ガウス分布を仮定してもよい。
実行可能解探索部は、進化的アルゴリズムによって操業条件を探索してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、溶銑または溶鋼の精錬処理における操業条件算出する操業条件演算方法であって、過去の操業における実績データに基づいて、精錬処理前の前提条件と精錬処理に関する操業条件とを入力として、精錬処理後の成分濃度が所定の確率で精錬処理後の実績成分濃度以上となるような処理後成分濃度を出力する推定モデルを構築する推定モデル構築ステップと、確率密度関数により操業条件に対する制約条件を尤度制約条件として設定する尤度制約条件設定ステップと、処理後成分濃度に対する制約条件を処理後成分濃度制約条件として設定する処理後成分濃度制約条件設定ステップと、推定モデル、尤度制約条件及び処理後成分濃度制約条件に基づいて、操業条件を探索する実行可能解探索ステップと、を含む、操業条件演算方法が提供される。
以上説明したように本発明によれば、信頼性のある操業条件を算出することができる。
本発明の一実施形態に係る操業条件演算装置の機能構成を示すブロック図である。 同実施形態に係る操業条件演算処理を示すフローチャートである。 推定モデルの構成を示す説明図である。 ElasticNetモデルに基づく期待値予測モデルy^により予測された処理後S濃度と、実績の処理後S濃度との一関係例を図4に示す説明図である。 予測処理後S濃度と実績処理後S濃度との分位点回帰モデルによる解析結果を示すグラフである。 入力Xから分位点を直接推定したときの予測処理後S濃度と実績処理後S濃度との分位点回帰モデルによる解析結果を示すグラフである。 99%分位点回帰モデルを用いて処理後Sの99%分位点を求める。予測処理後S濃度の精度評価結果を示すグラフである。 期待値予測モデルと分位点回帰したモデルとにより求められる値について説明する説明図である。 推定モデルの信頼領域の一例を示す説明図である。 制約条件を加えなかった場合に得られた最適解の分布の一例を示す説明図である。 制約条件を加えた場合に得られた最適解の分布の一例を示す説明図である。 同実施形態に係る操業条件演算装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。 機械撹拌式脱硫装置(KR)の概略構成を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.操業条件演算装置の機能構成>
まず、図1に基づいて、本発明の一実施形態に係る操業条件演算装置について説明する。図1は、本実施形態に係る操業条件演算装置100の機能構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る操業条件演算装置100は、溶銑または溶鋼の精錬処理における操業条件の最適化処理を行うための情報処理装置である。操業条件演算装置100は、図1に示すように、実績データ取得部110と、推定モデル構築部120と、制約条件設定部130と、評価関数設定部140と、実行可能解探索部150と、出力部160とを備える。
実績データ取得部110は、精錬処理後成分濃度を推定する推定モデルの構築に用いる過去の操業における実績データを、実績データ記憶部200から取得する。実績データは、精錬処理において測定された測定値あるいは測定値に基づき算出される値を含む。例えば、精錬処理後成分濃度としてKR処理後S濃度の推定モデルの構築においては、溶銑温度、溶銑重量、処理前C濃度、処理前Si濃度、処理前Mn濃度、処理前P濃度、処理前S濃度、湯面高さ、インペラー高さと撹拌速度との関数(R-dip)、インペラー使用回数、粉CaO装入量、2次スラグ装入量、Al濃度等が実績データとして取得される。実績データ取得部110は、所定数の過去の操業における実績データを取得し、推定モデル構築部120及び制約条件設定部130へ出力する。
推定モデル構築部120は、実績データ取得部110により取得された実績データに基づいて、処理前の前提条件と処理に関する操業条件とを入力として、処理後の成分濃度が所定の確率で処理後の実績成分濃度以上となるような処理後成分濃度を出力する推定モデルを構築する。
制約条件設定部130は、操業条件に対する制約条件を確率密度関数により設定し、処理後成分濃度に対する制約条件を設定する。操業条件に対する制約条件を「尤度制約条件」ともいい、処理後成分濃度に対する制約条件を「処理後成分濃度制約条件」ともいう。解とする操業条件の探索が、処理後成分濃度の推定モデルの信頼できる範囲内で行われることで、実行可能な操業条件を求めることができる。そこで、制約条件設定部130により、解を探索する範囲を制約条件として設定する。
尤度制約条件の設定は、具体的には、制約条件設定部130は、まず、処理後成分濃度の推定モデルの構築に用いた訓練データから、説明変数の全てまたは一部の説明変数の同時確率密度関数(例えば、混合ガウス分布)推定する。そして、制約条件設定部130は、推定した密度関数を基に訓練データの対数尤度を計算し、パラメトリック(対数正規分布等)あるいはノンパラメトリック(カーネル密度推定法等)な手法によって推定される対数尤度の1次元確率密度関数を基に推定モデルが信頼できる管理限界を求める。この管理限界が尤度制約条件として設定される。また、処理後成分濃度制約条件には、処理後成分濃度の上限値または下限値のうち少なくともいずれか一方が規定される。
評価関数設定部140は、最小化すべき操業コストを評価関数として設定する。評価関数設定部140は、後述の実行可能解探索部150により操業条件を探索する際に操業コストを考慮する場合にのみ、操業コストに関する評価関数を設定し、実行可能解探索部150へ出力する。
実行可能解探索部150は、推定モデルを用いて、尤度制約条件及び処理後成分濃度制約条件を満たす操業条件を探索する。また、実行可能解探索部150は、操業コストを考慮して操業条件を探索する場合には、推定モデルを用いて、尤度制約条件及び処理後成分濃度制約条件を満たし、かつ、最小化すべきコストを設定した評価関数を最小化する操業条件を探索する。実行可能解探索部150は、探索の結果、最適かつ実行可能な操業条件を、最適操業条件とする。最適操業条件は、出力部160を介して出力してもよい。出力部160は、例えば情報を表示可能なディスプレイ、音声出力可能なスピーカ等である。
<2.操業条件演算処理>
図2に基づき、本実施形態に係る操業条件演算装置100による操業条件演算処理について説明する。図2は、本実施形態に係る操業条件演算処理を示すフローチャートである。なお、以下では、溶銑または溶鋼の精錬処理の一例として、KRにおける脱硫処理について説明する。
(S100:推定モデル構築処理)
まず、操業条件演算装置100は、実績データ取得部110により実績データ記憶部200から過去の操業における実績データを取得すると、推定モデル構築部120により、分位点回帰による推定モデルを構築する。推定モデルの構成を図3に示す。図3に示すように、推定モデルは、説明変数Xから期待値を算出する期待値予測モデルy^と、期待値予測モデルy^の期待値を分位点回帰する分位点回帰モデルとからなる。なお、本明細書においては期待値予測モデルを「y^」と表すが、これは図3の「y」の上部に「^」が記載されたものと同意である。
期待値予測モデルy^は、実績データから期待値を得ることの可能な機械学習モデル(教師あり回帰モデル)であればよく、例えば勾配ブースティング回帰モデル、重回帰モデル、サポートベクター回帰モデル、ElasticNetモデル等を用いることができる。本実施形態では、期待値予測モデルy^として、一般化線形モデルの回帰に正則化項を考慮し、スパース化の効果の高いElasticNetモデルを用いる。ElasticNetモデルに基づく期待値予測モデルy^により予測された処理後S濃度(以下、「予測処理後S濃度」とする。)と、実績の処理後S濃度(以下、「実績処理後S濃度」とする。)との一関係例を図4に示す。図4上側は、期待値予測モデルy^の訓練データについての実績-予測の散布図であり、図4下側は、期待値予測モデルy^の評価データについての実績-予測の散布図である。なお、ElasticNetモデルは二次多項式で表されたモデルとした。
図4より、予測処理後S濃度と実績処理後S濃度とはおおよそ一致しているが、図4下側の評価データについての実績-予測の散布図を見ると、例えば予測処理後S濃度が5のとき、実績処理後S濃度は1~15程度の幅を持っている。そこで、このばらつきを低減することを検討すべく、図5に示すように、予測処理後S濃度と実績処理後S濃度とを分位回帰モデル(Quantile Regression;非特許文献1参照。)で解析した。分位点回帰モデルは、被説明変数の分布の分位点を説明する回帰モデルである。分位点回帰モデルでは、被説明変数の1/4分位、中央値(1/2分位)、3/4分位それぞれの分位点に対応する被説明変数の分布の分位点を持つ線形モデルを構築している。推定の際には、推定対象の分位点に対応する線形モデルを用いて、任意の説明変数での被説明変数の分布の分位点を推定する。
なお、ステップS100では、説明変数Xから分位点を直接予測する推定モデルを構築してもよいが、ElasticNetモデルのように表現力の低いモデリング手法を用いた場合、高確率の分位点の計算精度が図6に示すように非常に保守的となってしまう。このため、一旦期待値を予測し、その予測値を分位点回帰することが好ましい。
このような分位点回帰モデルによる解析を行った結果、予測処理後S濃度が大きくなるにつれて、誤差のばらつきが大きくなるとの知見を得た。そこで、本実施形態では、図5に示す分位点のうち、99%分位点回帰モデルを用いて処理後Sの99%分位点を求める。予測処理後S濃度の精度評価結果を図7に示す。図7上側は、期待値予測モデルy^の訓練データについての実績-予測の散布図であり、図7下側は、期待値予測モデルy^の評価データについての実績-予測の散布図である。図4に示す期待値予測モデルy^に基づく結果と、図7に示す期待値予測モデルy^に99%分位点回帰モデルを用いて処理後Sの99%分位点を求めた結果とを比較すると、99%分位点回帰モデルを用いることで、予測処理後S濃度が実績処理後S濃度(斜め45°の直線)に近いところに分布するようになる。
そこで、推定モデル構築部120は、この99%分位点での処理後S濃度y^q(τ=0.99)を推定処理後S濃度として出力する、図3に示す推定モデルを構築する。図3に示す推定モデルは、期待値に対する処理後S濃度の分位点を求めている。なお、本来、説明変数Xの値に応じて分位点を計算するモデルでなければならないが、本実施形態では図8に示すように、期待値の予測値が近い操業においてはすべて同じ分位点として計算するため、真の分位点との間に誤差が生じる。図8のA、Bにおいては、99%分位点回帰により期待値予測モデルy^の値から高く予測されており、図8のCにおいては、99%分位点回帰により期待値予測モデルy^の値から低く予測されている。しかし、本例のように分位点確率を高めに設定した場合には、図8のA、Bのように高めに処理後S濃度を予測することがあっても、図8のCのように低めに予測するリスクは低いと考えられる。
(S110:制約条件設定処理)
次いで、制約条件設定部130により、実績データの分布領域を規定する確率密度関数を制約条件として設定する(S110)。推定モデルの信頼できる範囲内で解を探索するため、本実施形態では複雑な同時確率密度関数を推定可能な混合ガウス分布による信頼度判定を実施する。
具体的には、まず、期待値予測モデルの構築に用いた訓練データから、説明変数の全てまたは一部の説明変数の同時確率密度関数(混合ガウス分布を仮定)を推定する。そして、制約条件設定部130は、推定した密度関数を基に訓練データの対数尤度を計算し、パラメトリック(対数正規分布等)あるいはノンパラメトリック(カーネル密度推定法等)の手法によって推定される対数尤度の確率密度関数を基に予測モデルが信頼できる管理限界を求める。この管理限界が制約条件として設定される。
図9に、推定モデルの信頼領域の一例を示す。図9では、粉CaO装入量と2次スラグ装入量との2つの説明変数に関する信頼領域を示している。図9に示すように、実績データのプロットが所定数以上含まれる範囲(すなわち管理限界)が存在する。制約条件設定部130は、かかる領域を信頼領域とし、この領域から外れる実績データは除外する制約条件を生成し、実行可能解探索部150へ出力する。また、制約条件設定部130は、処理後成分濃度制約条件として、処理後成分濃度の上限値または下限値のうち少なくともいずれか一方を設定し、実行可能解探索部150へ出力する。
なお、操業条件を探索する際に操業コストを考慮する場合には、上記制約条件とともに、評価関数設定部140によって、最小化すべき操業コストを評価関数として設定すればよい。
(S120:実行可能解探索処理)
その後、実行可能解探索部150により、推定モデルと制約条件とに基づき、最適操業条件を探索する。すなわち、実行可能解探索部150は、下記式(1)~(4)で表される最適化問題を解き、最適解を求める。なお、分位点回帰モデルを表す関数f(u,v)及び確率密度関数p(u)は非線形関数であるため、数理解法で解くことができない。このため、本実施形態では最適化手法として進化的アルゴリズムの1つである差分進化法を用いる。
Figure 0007159677000001
なお、上記変数は以下の通りである。
Figure 0007159677000002
決定変数uは、最適操業条件として求める対象変数であり、例えば、インペラー初期高さ、処理時間、撹拌速度、粉CaO装入量、二次スラグ装入量、B-Alとする。重みは、KR処理のコストに関し、各決定変数uに対してそれぞれ設定される。また、訓練データが分布している領域内で解を探索するために、対数数度関数(すなわち、確率密度関数)p(u)が管理限界α以下となるように、尤度制約条件として、式(2)の制約式が設定される。さらに、処理後成分濃度が目標上限S濃度以下となるように、処理後成分濃度制約条件として、式(3)の制約式が設定される。さらに、各決定変数の値が指定された上下限値[u lower,u upper]の範囲に収まるように、尤度制約条件として、式(4)の制約式が設定される。
式(1)で表される評価関数JはKR処理における操業コストとして副材コストを表している。実行可能解探索部150は、上記式(1)及び式(2)~(4)で表される最適化問題を解き、処理後S濃度の成分適中率の向上とコスト削減を達成する最適操業条件を求める。
制約条件を設けることの効果を確認するために、評価データの先頭50チャージに対して、最適化対象変数uを式(1)~(4)に基づく最適化計算により算出した。機械学習モデルは図3に示した推定モデルを用いた。比較例として、図10に、制約条件を加えなかった場合に得られた最適解の分布を示し、実施例として、図11に、制約条件を加えた場合に得られた最適解の分布を示す。図10及び図11では、分布1に粉CaO装入量-二次スラグ装入量、分布2に粉CaO装入量-処理時間、分布3に粉CaO装入量-B-Alの分布を示している。図10及び図11において、●は訓練データ、▲は最適解を表す。図10では、分布1、分布2に顕著に表れているように、訓練データの存在しないところで最適解が得られていた。制約条件を加えることで、図11に示すように、訓練データの存在するところで最適解が得られていた。
<3.ハードウェア構成>
次に、図12を参照しながら、本発明の実施形態に係る操業条件演算装置100のハードウェア構成について、詳細に説明する。図12は、本実施形態に係る操業条件演算装置100のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
操業条件演算装置100は、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。また、操業条件演算装置100は、さらに、バス907と、入力装置909と、出力装置911と、ストレージ装置913と、ドライブ915と、接続ポート917と、通信装置919とを備える。
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置913、またはリムーバブル記録媒体921に記録された各種プログラムに従って、操業条件演算装置100内の動作全般またはその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM905は、CPU901が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータなどを一次記憶する。これらはCPUバスなどの内部バスにより構成されるバス907により相互に接続されている。
バス907は、ブリッジを介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バスに接続されている。
入力装置909は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、入力装置909は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、操業条件演算装置100の操作に対応したPDAなどの外部接続機器923であってもよい。さらに、入力装置909は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。操業条件演算装置100のユーザは、この入力装置909を操作することにより、操業条件演算装置100に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置911は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置およびランプなどの表示装置や、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置や、プリンタ装置、携帯電話、ファクシミリなどがある。出力装置911は、例えば、操業条件演算装置100が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、操業条件演算装置100が行った各種処理により得られた結果を、テキストまたはイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データなどからなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
ストレージ装置913は、操業条件演算装置100の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置913は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどにより構成される。このストレージ装置913は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
ドライブ915は、記録媒体用リーダライタであり、操業条件演算装置100に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ915は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体921に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ915は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体921に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体921は、例えば、CDメディア、DVDメディア、Blu-ray(登録商標)メディアなどである。また、リムーバブル記録媒体921は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、フラッシュメモリ、または、SDメモリカード(Secure Digital memory card)などであってもよい。また、リムーバブル記録媒体921は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)または電子機器などであってもよい。
接続ポート917は、機器を操業条件演算装置100に直接接続するためのポートである。接続ポート917の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート、RS-232Cポートなどがある。この接続ポート917に外部接続機器923を接続することで、操業条件演算装置100は、外部接続機器923から直接各種のデータを取得したり、外部接続機器923に各種のデータを提供したりする。
通信装置919は、例えば、通信網925に接続するための通信デバイスなどで構成された通信インターフェースである。通信装置919は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カードなどである。また、通信装置919は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデムなどであってもよい。この通信装置919は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IPなどの所定のプロトコルに則して信号などを送受信することができる。また、通信装置919に接続される通信網925は、有線または無線によって接続されたネットワークなどにより構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信などであってもよい。
以上、本発明の実施形態に係る操業条件演算装置100の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100 操業条件演算装置
110 実績データ取得部
120 推定モデル構築部
130 制約条件設定部
140 評価関数設定部
150 実行可能解探索部
160 出力部
200 実績データ記憶部

Claims (8)

  1. 溶銑または溶鋼の精錬処理における操業条件算出する操業条件演算装置であって、
    過去の操業における実績データに基づいて、前記精錬処理前の前提条件と前記精錬処理に関する操業条件とを入力として、前記精錬処理後の成分濃度が所定の確率で前記精錬処理後の実績成分濃度以上となるような処理後成分濃度を出力する推定モデルを構築する推定モデル構築部と、
    確率密度関数により前記操業条件に対する制約条件を尤度制約条件として設定し、前記処理後成分濃度に対する制約条件を処理後成分濃度制約条件として設定する、制約条件設定部と、
    前記推定モデル、前記尤度制約条件及び前記処理後成分濃度制約条件に基づいて、前記操業条件を探索する実行可能解探索部と、
    を備える、操業条件演算装置。
  2. 最小化すべき操業コストを評価関数として設定する評価関数設定部を備え、
    前記実行可能解探索部は、前記推定モデル、尤度制約条件及び処理後成分濃度制約条件を満たし、かつ、前記評価関数を最小化する前記操業条件を探索する、請求項1に記載の操業条件演算装置。
  3. 前記推定モデルは、
    前記前提条件と前記操業条件とを入力として期待値予測モデルにより前記処理後成分濃度の期待値を算出し、
    前記期待値を入力として分位点回帰して得られる前記処理後成分濃度を出力する、請求項1または2に記載の操業条件演算装置。
  4. 前記期待値予測モデルは、教師あり回帰モデルを用いる、請求項3に記載の操業条件演算装置。
  5. 前記推定モデルは、前記前提条件と前記操業条件を入力として分位点回帰して得られる処理後成分濃度を出力する、請求項1または2に記載の操業条件演算装置。
  6. 前記確率密度関数は、混合ガウス分布を仮定する、請求項1~5のいずれか1項に記載の操業条件演算装置。
  7. 前記実行可能解探索部は、進化的アルゴリズムによって前記操業条件を探索する、請求項1~6のいずれか1項に記載の操業条件演算装置。
  8. 溶銑または溶鋼の精錬処理における操業条件算出する操業条件演算方法であって、
    過去の操業における実績データに基づいて、前記精錬処理前の前提条件と前記精錬処理に関する操業条件とを入力として、前記精錬処理後の成分濃度が所定の確率で前記精錬処理後の実績成分濃度以上となるような処理後成分濃度を出力する推定モデルを構築する推定モデル構築ステップと、
    確率密度関数により前記操業条件に対する制約条件を尤度制約条件として設定する尤度制約条件設定ステップと、
    前記処理後成分濃度に対する制約条件を処理後成分濃度制約条件として設定する処理後成分濃度制約条件設定ステップと、
    前記推定モデル、前記尤度制約条件及び前記処理後成分濃度制約条件に基づいて、前記操業条件を探索する実行可能解探索ステップと、
    を含む、操業条件演算方法。
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