JP7173103B2 - 感光性樹脂組成物、電子デバイスの製造方法および電子デバイス - Google Patents
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Description
上記のような加熱による硬化膜の形成においては、加熱による膜の収縮が抑えられていることが好ましい。特に、段差を有する基板上に平坦な硬化膜を形成することが近年求められている。しかし、膜が大きく収縮してしまうと、膜の平坦性が損なわれるなどの問題が生じることがある。
イミド環構造を有するポリイミド(A)と、
多官能(メタ)アクリレート化合物(B)と、
感光剤(C)と、
溶剤(J)と、
を含む、感光性樹脂組成物
が提供される。
基板上に、上記の感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂膜を形成する膜形成工程と、
前記感光性樹脂膜を露光する露光工程と、
露光された前記感光性樹脂膜を現像する現像工程と、
を含む、電子デバイスの製造方法
が提供される。
上記の感光性樹脂組成物の硬化膜を備える電子デバイス
が提供される。
すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
煩雑さを避けるため、(i)同一図面内に同一の構成要素が複数ある場合には、その1つのみに符号を付し、全てには符号を付さない場合や、(ii)特に図2以降において、図1と同様の構成要素に改めては符号を付さない場合がある。
すべての図面はあくまで説明用のものである。図面中の各部材の形状や寸法比などは、必ずしも現実の物品と対応しない。
本明細書中、数値範囲の説明における「X~Y」との表記は、特に断らない限り、X以上Y以下のことを表す。例えば、「1~5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
本明細書における「有機基」の語は、特に断りが無い限り、有機化合物から1つ以上の水素原子を除いた原子団のことを意味する。例えば、「1価の有機基」とは、任意の有機化合物から1つの水素原子を除いた原子団のことを表す。
本明細書における「電子装置」の語は、半導体チップ、半導体素子、プリント配線基板、電気回路ディスプレイ装置、情報通信端末、発光ダイオード、物理電池、化学電池など、電子工学の技術が適用された素子、デバイス、最終製品等を包含する意味で用いられる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、イミド環構造を有するポリイミド(A)と、多官能(メタ)アクリレート化合物(B)と、感光剤(C)と、溶剤(J)と、を含む。
しかし、この場合、閉環反応やそれに伴う脱水などにより膜が収縮し、平坦性が良好な硬化膜を得にくい場合があった。
電子デバイス中の硬化膜には、しばしば、高い耐熱性や、良好な機械特性が良好であることが求められる。しかし、従来、耐熱性を高めようとして樹脂を剛直に設計すると、樹脂の柔軟性が失われ、機械特性が低下する場合があった。
詳細は不明であるが、本実施形態の感光性樹脂組成物においては、多官能(メタ)アクリレート化合物(B)が、硬化(重合)の際に、イミド環構造を有するポリイミド(A)と複雑に絡み合う結果として、従来の硬化膜とは異なる硬化膜が形成されると考えられる。この「環状構造を有するポリイミドと多官能(メタ)アクリレートとの絡み合い構造」が、良好な耐熱性と良好な機械特性に関係していると考えられる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、イミド環構造を有するポリイミド(A)を含む。以下、イミド環構造を有するポリイミド(A)のことを、単に「ポリイミド(A)」とも表記する。
既に述べたが、本実施形態の感光性樹脂組成物は、硬化前においてイミド環構造を有するポリイミドを用いることで、硬化(加熱)が小さい傾向がある。
イミド化率は、一例として、NMRスペクトルにおける、アミド基に対応するピークの面積やイミド基に対応するピークの面積などから知ることができる。別の例として、イミド化率は、赤外吸収スペクトルにおける、アミド基に対応するピークの面積やイミド基に対応するピークの面積などから知ることができる。
フッ素原子を含むポリイミド中のフッ素原子の量(質量比率)は、例えば1~30質量%、好ましくは3~28質量%、より好ましくは5~25質量%である。ある程度多くの量のフッ素原子がポリイミド中に含まれることで、十分な有機溶剤溶解性を得やすい。一方、他の性能とのバランスの観点からは、フッ素原子の量が多すぎないことが好ましい。
酸無水物基は、好ましくは、環状構造の酸無水物骨格を有する基である。ここでの「環状構造」は、好ましくは5員環または6員環、より好ましくは5員環である。
Xは2価の有機基であり、
Yは4価の有機基であり、
XおよびYの少なくとも一方は、フッ素原子含有基である。
有機溶剤溶解性の観点では、XおよびYの両方が、フッ素原子含有基であることが好ましい。
Xの2価の有機基および/またはYの4価の有機基は、好ましくは、2~6個のベンゼン環が、単結合または2価の連結基を介して結合した構造を有する。ここでの2価の連結基としては、アルキレン基、フッ化アルキレン基、エーテル基などを挙げることができる。アルキレン基およびフッ化アルキレン基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
Xの2価の有機基の炭素数は、例えば6~30である。
Yの4価の有機基の炭素数は、例えば6~20である。
一般式(a)中の2つのイミド環は、それぞれ、5員環であることが好ましい。
Y'は、単結合またはアルキレン基を表し、
Xは、一般式(a)におけるXと同義である。
Y'のアルキレン基は、直鎖状でも分岐状でもよい。Y'のアルキレン基の水素原子の一部または全部は、フッ素原子で置換されていることが好ましい。Y'のアルキレン基の炭素数は、例えば1~6、好ましくは1~4、さらに好ましくは1~3である。
ポリイミド(A)の合成においては、1または2以上のジアミンを用いることができ、また、1または2以上の酸二無水物を用いることができる。
重量平均分子量は、通常、ポリスチレンを標準物質として用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求めることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、多官能(メタ)アクリレート化合物(B)を含む。多官能(メタ)アクリレート化合物(B)としては、1分子中に2以上の(メタ)アクリロイル基を有するものを特に制限なく挙げることができる。
大まかな傾向として、官能基((メタ)アクリロイル基)の数が多い多官能(メタ)アクリレート化合物(B)を用いた場合、硬化膜の耐薬品性が高まる傾向がある。一方、官能基((メタ)アクリロイル基)の数が少ない多官能(メタ)アクリレート化合物(B)を用いた場合、硬化膜の引張り伸びなどの機械物性が良好となる傾向がある。
ちなみに、市販の多官能(メタ)アクリレート化合物(B)の中には、官能基数が異なる(メタ)アクリレートの混合物もある。
多官能(メタ)アクリレート化合物(B)の使用量は特に限定されないが、上述のように使用量を適切に調整することで、諸性能のうち1または2以上をより高めうる。前述のように、本実施形態の感光性樹脂組成物においては、硬化により「環状構造を有するポリイミドと多官能(メタ)アクリレートとの絡み合い構造」が形成されると考えられるが、ポリイミド(A)に対する多官能(メタ)アクリレート化合物(B)の使用量を適切に調整することで、ポリイミド(A)と多官能(メタ)アクリレート化合物(B)が十分に絡み合い、また、絡み合いに関与しない余分な成分が少なくなり、結果、性能が一層良化すると考えられる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、感光剤(C)を含む。感光剤(C)は、光により活性種を発生して感光性樹脂組成物を硬化させることが可能なものである限り、特に限定されない。
例えば、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシー2-フェニルアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-〔4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-〔(4-メチルフェニル)メチル〕-1-〔4-(4-モルホリニル)フェニル〕-1-ブタノン等のアルキルフェノン系化合物;ベンゾフェノン、4,4′-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2-カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ等のベンゾイン系化合物;チオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシカルボキニルナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン等のハロメチル化トリアジン系化合物;2-トリクロロメチル-5-(2′-ベンゾフリル)-1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-〔β-(2′-ベンゾフリル)ビニル〕-1,3,4-オキサジアゾール、4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-フリル-1,3,4-オキサジアゾール等のハロメチル化オキサジアゾール系化合物;2,2′-ビス(2-クロロフェニル)-4,4′,5,5′-テトラフェニル-1,2′-ビイミダゾール、2,2′-ビス(2,4-ジクロロフェニル)-4,4′,5,5′-テトラフェニル-1,2′-ビイミダゾール、2,2′-ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)-4,4′,5,5′-テトラフェニル-1,2′-ビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物;1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)フェニル〕-2-(O-ベンゾイルオキシム)、エタノン,1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル〕-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウム等のチタノセン系化合物;p-ジメチルアミノ安息香酸、p-ジエチルアミノ安息香酸等の安息香酸エステル系化合物;9-フェニルアクリジン等のアクリジン系化合物;等を挙げることができる。これらの中でも、特にオキシムエステル系化合物を好ましく用いることができる。
感光剤(C)の使用量は、多官能(メタ)アクリレート化合物(B)100質量部に対して、例えば1~30質量部であり、好ましくは5~20質量部である。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、好ましくは、熱ラジカル開始剤(D)を含む。熱ラジカル開始剤(D)を用いることにより、例えば硬化膜の耐熱性をより高める、かつ/または、硬化膜の耐薬品性(有機溶剤などに対する耐性)を高めることができる。これは、熱ラジカル開始剤(D)を用いることにより、多官能(メタ)アクリレート化合物(B)の重合反応がさらに促進されるためと考えられる。
熱ラジカル開始剤(D)を用いる場合、その量は、多官能(メタ)アクリレート化合物(B)100質量部に対して、好ましくは0.1~30質量部、より好ましくは1~20質量部である。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、好ましくは、エポキシ樹脂(E)を含む。詳細は不明であるが、エポキシ樹脂(E)は、例えばポリイミド(A)と反応(結合形成)すると考えられる。そして、おそらくは反応により形成されるエーテル構造の柔軟性により、硬化膜の機械物性(引張り伸びなど)がより高まる傾向がある。
エポキシ樹脂(E)の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4'-(1,3-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4'-(1,4-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4'-シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などのアラルキル型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2~4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂などのナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートなどの複素環式エポキシ樹脂;N,N,N',N'-テトラグリシジルメタキシレンジアミン、N,N,N',N'-テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン、N,N-ジグリシジルアニリンなどのグリシジルアミン類や、グリシジル(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和二重結合を有する化合物との共重合物;ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂;ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物;ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物;フェノール類のグリシジルエーテル化物などが挙げられる。
また、エポキシ樹脂としては、n-ブチルグリシジルエーテル、2-エトキシヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ビスフェノールA(又はF)のグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o-フタル酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエステル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(3,4-エポキシシクロヘキサン)カルボキシレート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキサン)カルボキシレート、ビス(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタンジエンオキサイド、ビス(2,3-エポキシシクロペンチル)エーテルや、ダイセル社製のセロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、セロキサイド8000、エポリードGT401などの脂環式エポキシ樹脂、2,2'-(((((1-(4-(2-(4-(オキシラン-2-イルメトキシ)フェニル)プロパン-2-イル)フェニル)エタン-1,1-ジイル)ビス(4,1-フェニレン))ビス(オキシ))ビス(メチレン))ビス(オキシラン))(例えば、プリンテック社製のTechmore VG3101L)、エポライト100MF(共栄社化学工業社製)、エピオールTMP(日油株式会社製)などの脂肪族ポリグリシジルエーテル、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチル-1,5-ビス(3-(オキシラン-2-イルメトキシ)プロピル)トリ・シロキサン(例えば、DMS-E09(ゲレスト社製))なども挙げることができる。
別観点として、エポキシ樹脂としては、芳香環構造および/または脂環構造を有するものが好ましい。このようなエポキシ樹脂を用いることは、特に耐熱性の観点で好ましい。
エポキシ樹脂(E)を用いる場合、その量は、ポリイミド(A)100質量部に対して、例えば0.5~30質量部、好ましくは1~20質量部、さらに好ましくは3~15質量部である。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、好ましくは、硬化触媒(F)を含む。この硬化触媒(F)は、エポキシ樹脂(E)の反応を促進する働きを有する。硬化触媒(F)を用いることにより、エポキシ樹脂(E)が関与する反応が十分に進行し、例えば硬化膜の引張り伸び率を一層向上させることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、好ましくは、シランカップリング剤(G)を含む。シランカップリング剤(G)を用いることにより、例えば基板と硬化膜との密着性をより高めることができる。
エポキシ基含有シランカップリング剤としては、例えばγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシジルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基含有シランカップリング剤としては、例えばγ-((メタ)アクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ-((メタ)アククリロイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、γ-((メタ)アクリロイルオキシプロピル)メチルジエトキシシラン等が挙げられる。
メルカプト基含有シランカップリング剤としては、例えば3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ビニル基含有シランカップリング剤としては、例えばビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ウレイド基含有シランカップリング剤としては、例えば3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
スルフィド基含有シランカップリング剤としては、例えばビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド等が挙げられる。
環状無水物構造を有するシランカップリング剤としては、例えば3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3-トリエトキシシシリルプロピルコハク酸無水物、3-ジメチルメトキシシリルプロピルコハク酸無水物等が挙げられる。
シランカップリング剤(G)が用いられる場合、その使用量は、ポリイミド(A)の使用量を100質量部としたとき、例えば0.1~20質量部、好ましくは0.3~15質量部、より好ましく0.4~12質量部、さらに好ましくは0.5~10質量部である。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、好ましくは、界面活性剤(H)を含む。これにより、感光性樹脂組成物の塗布性や、膜の平坦性を一層高めうる。
界面活性剤(H)としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アルキル系界面活性剤、アクリル系界面活性剤などが挙げられる。
別観点として、界面活性剤は、非イオン性であることが好ましい。非イオン性の界面活性剤の使用は、例えば、組成物中の他成分との非意図的な反応を抑え、組成物の保存安定性を高める点で好ましい。
また、スリーエム社製のFC4430やFC4432なども、好ましい界面活性剤として挙げることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物が界面活性剤(H)を含む場合、その量は、ポリイミド(A)の含有量を100質量部としたとき、例えば0.001~1質量部、好ましくは0.005~0.5質量部である。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、水を含んでもよい。水の存在により、例えば、シランカップリング剤(G)の加水分解反応が進行しやすくなり、基板と硬化膜との密着性がより高まる傾向がある。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、好ましくは溶剤(J)を含む。これにより、基板(特に、段差を有する基板)に対して塗布法により感光性樹脂膜を容易に形成することができる。
溶剤(J)は、通常、有機溶剤を含む。上述の各成分を溶解または分散可能で、かつ、各構成成分と実質的に化学反応しないものである限り、有機溶剤は特に限定されない。
別観点として、組成物全体中の、ポリイミド(A)および多官能(メタ)アクリレート化合物(B)の割合は、好ましくは20~50質量%である。ある程度多量のポリイミド(A)および多官能(メタ)アクリレート化合物(B)を用いることで、適度な厚さの膜を形成しやすい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記の成分に加えて、必要に応じて、上掲の成分以外の成分を含んでもよい。そのような成分としては、例えば、酸化防止剤、シリカ等の充填材、増感剤、フィルム化剤等が挙げられる。
本実施形態の電子デバイスの製造方法は、
基板上に、上述の感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂膜を形成する膜形成工程と、
感光性樹脂膜を露光する露光工程と、
露光された感光性樹脂膜を現像する現像工程と、
を含む。
また、本実施形態の電子デバイスの製造方法は、上述の現像工程の後に、露光された感光性樹脂膜を加熱して硬化させる熱硬化工程を含むことが好ましい。これにより、耐熱性が十二分な硬化膜を得ることができる。
以上のようにして、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化膜を備える電子デバイスを製造することができる。
以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図2に示す貫通電極基板2が備える下層配線層24および上層配線層25は、それぞれ絶縁層、配線層および貫通配線等を含んでいる。これにより、下層配線層24および上層配線層25は、内部や表面に配線を含むとともに、絶縁層21を貫通する貫通配線221を介して相互の電気的接続が図られる。
まず、図4(a)に示すように、基板202と、基板202上に設けられた半導体チップ23および貫通配線221、222と、これらを埋め込むように設けられた絶縁層21と、を備えるチップ埋込構造体27を用意する。
インターポーザーには、例えば、シリコン基板、セラミック基板、ガラス基板のような無機系基板、樹脂基板のような有機系基板等が用いられる。
次に、絶縁層21上および半導体チップ23上に、上層配線層25を形成する。
まず、図4(b)に示すように、絶縁層21上および半導体チップ23上に感光性樹脂ワニス5を塗布する(配置する)。これにより、図4(c)に示すように、感光性樹脂ワニス5の液状被膜が得られる。感光性樹脂ワニス5は、本実施形態の感光性樹脂組成物である。
感光性樹脂ワニス5の粘度は、例えば、コーンプレート型粘度計(TV-25、東機産業製)を用い、回転速度100rpmの条件で測定された値とされる。
次に、感光性樹脂層2510に露光処理を施す。
その後、必要に応じて、感光性樹脂層2510に露光後加熱処理を施す。
露光後加熱処理の温度を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂の反応率を高められ、生産性を高めることができる。一方、露光後加熱処理の温度を上記上限値以下とすることにより、酸拡散の促進によるパターニングの加工精度の低下を抑制できる。
次に、感光性樹脂層2510に現像処理を施す。これにより、マスク412の遮光部に対応した領域に、感光性樹脂層2510を貫通する開口部423が形成される(図5(e)参照)。
現像液としては、有機溶剤のみからなり、不可避的に含まれる不純物以外は含まない有機溶剤現像液を使用してもよい。不可避的に含まれる不純物としては、金属元素や水分があるが、電子デバイスの汚染防止などの観点からは不可避的に含まれる不純物は少ないに越したことは無い。
現像処理の後、感光性樹脂層2510に対して硬化処理(現像後加熱処理)を施す。硬化処理の条件は、特に限定されないが、160~250℃程度の加熱温度で、30~240分程度の加熱時間とされる。これにより、半導体チップ23に対する熱影響を抑えつつ、感光性樹脂層2510を硬化させ、有機絶縁層251を得ることができる。
次に、有機絶縁層251上に配線層253を形成する(図5(f)参照)。配線層253は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法等の気相成膜法を用いて金属層を得た後、フォトリソグラフィー法およびエッチング法によりパターニングされることによって形成される。
配線層253の形成に先立ち、プラズマ処理のような表面改質処理を施すようにしてもよい。
次に、図5(g)に示すように、第1樹脂膜配置工程S20と同様にして感光性樹脂層2520を得る。感光性樹脂層2520は、配線層253を覆うように配置される。
その後、必要に応じて、感光性樹脂層2520に対して露光前加熱処理を施す。処理条件は、例えば第1樹脂膜配置工程S20で記載した条件とされる。
次に、感光性樹脂層2520に露光処理を施す。処理条件は、例えば第1露光工程S21で記載した条件とされる。
その後、必要に応じて、感光性樹脂層2520に対して露光後加熱処理を施す。処理条件は、例えば第1露光工程S21で記載した条件とされる。
次に、感光性樹脂層2520に現像処理を施す。処理条件は、例えば第1現像工程S22で記載した条件とされる。これにより、感光性樹脂層2510、2520を貫通する開口部424が形成される(図5(h)参照)。
現像処理の後、感光性樹脂層2520に対して硬化処理(現像後加熱処理)を施す。硬化条件は、例えば第1硬化工程S23で記載した条件とされる。これにより、感光性樹脂層2520を硬化させ、有機絶縁層252を得る(図6(i)参照)。
次に、開口部424に対し、図6(i)に示す貫通配線254を形成する。
シード層としては、例えば、銅シード層が用いられる。また、シード層は、例えばスパッタリング法により形成される。
シード層は、形成しようとする貫通配線254と同種の金属で構成されていてもよいし、異種の金属で構成されていてもよい。
貫通配線254の形成箇所は、図示の位置に限定されない。
次に、図6(j)に示すように、基板202を剥離する。これにより、絶縁層21の下面が露出することとなる。
次に、図6(k)に示すように、絶縁層21の下面側に下層配線層24を形成する。下層配線層24は、いかなる方法で形成されてもよく、例えば上述した上層配線層形成工程S2と同様にして形成されてもよい。
このようにして形成された下層配線層24は、貫通配線221を介して上層配線層25と電気的に接続される。
次に、図6(L)に示すように、下層配線層24に半田バンプ26を形成する。また、上層配線層25や下層配線層24には、必要に応じてソルダーレジスト層のような保護膜を形成するようにしてもよい。
以上のようにして、貫通電極基板2が得られる。
次に、個片化した貫通電極基板2上に半導体パッケージ3を配置する。これにより、図1に示す電子デバイス1が得られる。
以下、参考形態の例を付記する。
1.イミド環構造を有するポリイミド(A)と、
多官能(メタ)アクリレート化合物(B)と、
感光剤(C)と、
溶剤(J)と、
を含む、感光性樹脂組成物。
2.
1.に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリイミド(A)中に含まれるイミド基のモル数をIMとし、
前記ポリイミド(A)中に含まれるアミド基のモル数をAMとしたとき、
{IM/(IM+AM)}×100(%)で表されるイミド化率が90%以上である、感光性樹脂組成物。
3.
1.または2.に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリイミド(A)が前掲の一般式(a)で表される構造を含む、感光性樹脂組成物。
一般式(a)中、
Xは2価の有機基であり、
Yは4価の有機基であり、
XおよびYの少なくとも一方は、フッ素原子含有基である。
4.
1.~3.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリイミド(A)は、フッ素原子を含むポリイミドを含む、感光性樹脂組成物。
5.
1.~4.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリイミド(A)は、その末端に、エポキシ基と反応して結合形成可能な基を有する、感光性樹脂組成物。
6.
1.~5.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリイミド(A)は、その末端に、酸無水物基を有する、感光性樹脂組成物。
7.
1.~6.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリイミド(A)は、その末端に、マレイミド構造を有しない、感光性樹脂組成物。
8.
1.~7.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前記多官能(メタ)アクリレート化合物(B)が、7官能以上の(メタ)アクリレート化合物(B1)を含む、感光性樹脂組成物。
9.
1.~8.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前記多官能(メタ)アクリレート化合物(B)が、5~6官能の(メタ)アクリレート化合物(B2)を含む、感光性樹脂組成物。
10.
1.~9.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前記多官能(メタ)アクリレート化合物(B)が、3~4官能の(メタ)アクリレート化合物(B3)を含む、感光性樹脂組成物。
11.
1.~10.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリイミド(A)100質量部に対する前記多官能(メタ)アクリレート化合物(B)の量が50~150質量部である、感光性樹脂組成物。
12.
1.~11いずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリイミド(A)100質量部に対する前記多官能(メタ)アクリレート化合物(B)の量が70~120質量部である、感光性樹脂組成物。
13.
1.~12.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前記感光剤(C)が、光ラジカル発生剤を含む、感光性樹脂組成物。
14.
1.~13.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
さらに、熱ラジカル開始剤(D)を含む、感光性樹脂組成物。
15.
14.に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記熱ラジカル開始剤(D)が、有機過酸化物を含む、感光性樹脂組成物。
16.
14.または15.に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記多官能(メタ)アクリレート化合物(B)100質量部に対する前記熱ラジカル開始剤(D)の量が0.1~20質量部である、感光性樹脂組成物。
17.
1.~16.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
さらに、エポキシ樹脂(E)を含む、感光性樹脂組成物。
18.
17.に記載の感光性樹脂組成物であって、
さらに、前記エポキシ樹脂(E)の硬化触媒(F)を含む、感光性樹脂組成物。
19.
1.~18.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
さらに、シランカップリング剤(G)を含む、感光性樹脂組成物。
20.
19.に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記シランカップリング剤(G)が、環状無水物構造を有するシランカップリング剤を含む、感光性樹脂組成物。
21.
1.~20.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
さらに、界面活性剤(H)を含む、感光性樹脂組成物。
22.
1.~21.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
組成物全体中の、前記ポリイミド(A)および前記多官能(メタ)アクリレート化合物(B)の割合が、20~50質量%である、感光性樹脂組成物。
23.
1.~22.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
少なくとも前記ポリイミド(A)および前記多官能(メタ)アクリレート化合物(B)が、前記溶剤(J)に溶解したワニス状である、感光性樹脂組成物。
24.
1.~23.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物であって、
電子デバイスにおける絶縁層の形成に用いられる、感光性樹脂組成物。
25.
基板上に、1.~24.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂膜を形成する膜形成工程と、
前記感光性樹脂膜を露光する露光工程と、
露光された前記感光性樹脂膜を現像する現像工程と、
を含む、電子デバイスの製造方法。
26.
25.に記載の電子デバイスの製造方法であって、
前記現像工程の後に、露光された前記感光性樹脂膜を加熱して硬化させる熱硬化工程を含む、電子デバイスの製造方法。
27.
1.~24.のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物の硬化膜を備える電子デバイス。
以下で、「DMAc」はジメチルアセトアミドの略号である。その他略号については文中で適宜説明する。
(ポリマー(A-1)の合成)
攪拌装置と撹拌翼を備えたガラス製の3Lのセパラブルフラスコに、TFMB<2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル>64.1g(0.20モル)、6FDA<4,4'-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物>97.7g(0.22モル)およびDMAc500gを仕込んで撹拌し、TFMBと6FDAをDMAcに溶解させた。さらに窒素気流下で、12時間室温で撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液を得た。
ポリマー(A-1)のGPC測定による重量平均分子量(Mw)は25,000であった。
また、ポリマー(A-1)を1H-NMR測定し、ポリイミドの芳香環のピークに対するアミドピークの定量値から、イミド化率(定義は前述)を計算した。イミド化率は99%以上であった。
TFMB64.1g(0.20モル)の代わりに、TFMB56.4g(0.176モル)及びBAPP-F<2,2,-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン>12.4g(0.024モル)を用いた以外は実施例1と同様にポリマー合成を行った。そして、末端に酸無水物基を有するポリイミド粉体であるポリマー(A-2)を得た。
ポリマー(A-2)のGPC測定による重量平均分子量(Mw)は26,000であった。また、ポリマー(A-2)のNMR測定によるイミド化率は99%以上であった。
6FDA97.7g(0.22モル)の代わりに、6FDA78.2g(0.176モル)およびODPA<4,4'-オキシジフタル酸二無水物>13.7g(0.044モル)を用いた以外は実施例1と同様にポリマー合成を行った。そして、末端に酸無水物基を有するポリイミド粉体であるポリマー(A-3)を得た。
ポリマー(A-3)のGPC測定による重量平均分子量(Mw)は24,000であった。また、ポリマー(A-3)のNMR測定によるイミド化率は99%以上であった。
6FDA97.7g(0.22モル)の代わりに、6FDA83.1g(0.187モル)およびBPDA<3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物>9.71g(0.033モル)を用いた以外は実施例1と同様にポリマー合成を行った。そして、末端に酸無水物基を有するポリイミド樹脂(A-4)を得た。
ポリマー(A-4)のGPC測定による重量平均分子量(Mw)は24,000であった。また、ポリマー(A-4)のNMR測定によるイミド化率は99%以上であった。
2Lのセパラブルフラスコに、γ-ブチロラクトン428g、4,4'-オキシジフタル酸二無水物155.11gおよび2-ヒドロキシエチルメタクリレート130.14gを入れ、室温でフラスコ内の成分を撹拌し完全に溶解させた。続いて室温下で攪拌しながらピリジン79.1gを加えて、更に室温で16時間撹拌した。
反応終了後、エタノール30gを加えて1時間攪拌した。その後、γ-ブチロラクトン400gを加え更に撹拌し、生じた沈殿物をろ過により取り除いた。これによりポリアミド酸エステルの反応液を得た。
得られた反応液を、室温下で、大量の30質量%メタノール水溶液に撹拌しながら滴下し、ポリマーを沈殿させた。得られた沈殿物を濾取し、真空乾燥することにより、ポリc(A-5)を得た。
ポリマー(A-5)のGPC測定による重量平均分子量(Mw)は18,000であった。また、ポリマー(A-5)のNMR測定によるイミド化率は1%以下であった。
後掲の表1に従い配合された各原料を、室温下で原料が完全に溶解するまで撹拌し、溶液を得た。その後、その溶液を孔径0.2μmのナイロンフィルターで濾過した。このようにして、ワニス状の感光性樹脂組成物を得た。
(A-1)上記で合成したポリマー(イミド環構造含有ポリイミド樹脂)
(A-2)上記で合成したポリマー(イミド環構造含有ポリイミド樹脂)
(A-3)上記で合成したポリマー(イミド環構造含有ポリイミド樹脂)
(A-4)上記で合成したポリマー(イミド環構造含有ポリイミド樹脂)
(A-5)上記で合成したポリマー(ポリアミド酸エステル樹脂(比較例用))
(B-1)ビスコート#802 (大阪有機工業株式会社製)
(アクリロイル基を5~10個有する化合物の混合物)
(B-2)A-9550 (新中村化学株式会社製)
(アクリロイル基を5~6個有する化合物の混合物)
(B-3)ビスコート#300 (大阪有機工業株式会社製)
(アクリロイル基を3~4個有する化合物の混合物)
(B-4)ビスコート#230 (大阪有機工業株式会社製)
(アクリロイル基を2個有する化合物)
(C-1)Irugacure OXE01(BASF社製、オキシムエステル型光ラジカル発生剤)
(C-2)アデカアークルズ NCI-730(株式会社ADEKA製、オキシムエステル型光ラジカル発生剤)
(D-1)パーカドックスBC(化薬ヌーリオン株式会社製、有機過酸化物、クミルパーオキサイド)
(E-1)TECHMORE VG3101L(株式会社プリンテック製)
(E-2)セロキサイド2021P(株式会社ダイセル製)
(F-1)テトラフェニルホスホニウム・4,4'-スルフォニルジフェノラート
上記硬化触媒(F-1)の合成方法は以下の通りである。
撹拌装置付きのセパラブルフラスコに、4,4'-ビスフェノールS 37.5g(0.15mol)、メタノール100mLを仕込み、室温で撹拌溶解し、更に攪拌しながら予め50mLのメタノールに水酸化ナトリウム4.0g(0.1mol)を溶解した溶液を添加した。次いで予め150mLのメタノールにテトラフェニルホスホニウムブロマイド41.9g(0.1mol)を溶解した溶液を加えた。しばらく攪拌を継続し、300mLのメタノールを追加した後、フラスコ内の溶液を大量の水に撹拌しながら滴下し、白色沈殿を得た。沈殿を濾過、乾燥した。以上により白色結晶の目的物を得た。
(G-1)KBM-503(信越化学工業株式会社製)
(G-2)X-12-967C(信越化学工業株式会社製)
(H-1)FC4432(3M社製、フッ素系)
(J-1)乳酸エチル(EL)
(J-2)γ-ブチロラクトン(GBL)
感光性樹脂組成物を、8インチシリコンウェハ上に、乾燥後の膜厚が10μmとなるようにスピンコートした。続いて120℃で3分間加熱を行って、感光性樹脂膜を得た。
得られた感光性樹脂膜に、高圧水銀灯にて300mJ/cm2の露光を行った。その後、シクロペンタノン中に30秒浸漬した後、スピンドライにて乾燥を行い、感光性樹脂組成物の現像後膜を得た。この現像後膜の膜厚を測定し、膜厚Aとした。
さらにその後、窒素雰囲気下、170℃で90分間熱処理して現像後膜を硬化させた。以上により、感光性樹脂組成物の硬化膜を得た。この硬化膜の膜厚を測定し、膜厚Bとした。
膜厚A及び膜厚Bを下記式に代入して、硬化収縮率を算出した。硬化収縮率は、配線上への塗布後の平坦性を保つために小さい方が好ましい。
硬化収縮率[%]={(膜厚A-膜厚B)/膜厚A}×100
酸化膜付きシリコンウェハ上に、幅5μm/ピッチ5μm、高さ5μmのCu配線を形成したCu配線基板を作製した。このCu配線基板上に、感光性樹脂組成物を、スピンコートによって、乾燥後の膜厚が10μmになるように塗布し、120℃で3分乾燥して感光性樹脂膜を形成した。
得られた感光性樹脂膜に、高圧水銀灯にて、300mJ/cm2の露光を行った。その後、シクロペンタノン中に30秒浸漬した。さらにその後、窒素雰囲気下、170℃で90分間熱処理して、基板上に硬化膜を形成した。
得られた硬化膜付き基板を割って、その断面を研磨し、断面SEM観察により、感光性樹脂膜の表面の凹凸を評価した。表面の凹凸が1μm以下のものを○(良い)、表面の凹凸が1~3μmのものを△(使用できるレベル)3μmを超えたものを×(悪い)として評価した。
(ガラス転移温度(Tg)の測定用試験片の作成)
感光性樹脂組成物を、8インチシリコンウェハ上に、乾燥後の膜厚が10μmとなるようにスピンコートし、続いて120℃で3分間加熱することで感光性樹脂膜を得た。
得られた感光性樹脂膜に、高圧水銀灯にて、300mJ/cm2の露光を行った。その後、露光された樹脂膜をシリコンウェハごとシクロペンタノン中に30秒浸漬した。さらにその後、窒素雰囲気下、170℃で90分間熱処理した。以上により、感光性樹脂組成物の硬化物を得た。
得られた硬化物を幅5mmになるようにシリコンウェハごとダイシングソーにてカットし、その後、2質量%フッ酸水溶液中に浸漬することで基板より剥離した。剥離したフィルムを60℃で10時間乾燥して、試験片(30mm×5mm×10μm厚)を得た。
熱機械分析装置(セイコーインスツルメンツ社製、TMA/SS6000)を用いて、得られた試験片を、10℃/分の昇温速度で300℃まで加熱し、得られた試験片の熱膨張率を測定した。
次いで、得られた測定結果に基づき、熱膨張率の変曲点から硬化物のガラス転移温度(Tg)を算出した。Tgの単位は、℃である。熱膨張率に変曲点が観察されなかったものについては、Tg>300℃として評価した。
まず、上記「ガラス転移温度(Tg)の測定用試験片の作成」と同様にして試験片を作成した。
得られた試験片について、引張試験機(オリエンテック社製、テンシロンRTC-1210A)を用い、23℃雰囲気下、JIS K 7161に準拠した方法で引張試験を実施し、試験片の引張伸び率を測定した。引張試験における延伸速度は、5mm/分とした。引張伸び率の単位は、%である。
感光性樹脂組成物を、8インチシリコンウェハ上に、スピンコーターを用いて、乾燥後の膜厚が5μmになるように塗布した。その後、ホットプレートにて100℃で3分間乾燥し、感光性樹脂膜(感光性樹脂膜A)を得た。
この感光性樹脂膜に、凸版印刷社製マスク(テストチャートNo.1:幅0.5~50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、i線ステッパー(ニコン社製・NSR-4425i)を用いて、露光量を変化させながらi線を照射した。
その後、現像液としてシクロペンタノンを用いて30秒間現像し、2500回転で10秒間スピンし乾燥し、現像後膜(ネガ型パターン)を得た。
7μmΦのビアホールが開口したものを◎(とても良い)、10μmΦのビアホールが開口したものを○(良い)、10μmのビアホールが開口しなかったものを×(悪い)として評価した。
配合直後の感光性樹脂組成物の粘度を、E型粘度計(TVE-25L)にて測定した。この時の粘度をAとした。その後、感光性樹脂組成物のワニスを23℃にて7日間保管を行い、再度粘度を測定した。この時の粘度をBとした。
粘度A及び粘度Bを下記式に代入して、粘度変化率を算出した。粘度変化率が5%以下のものを◎(とても良い)、5から10%のものを○(良い)、10%を超えたものを×(悪い)として評価した。粘度変化率は、安定した膜厚を得るために、低いほうが好ましい。
粘度変化率[%]={(粘度A-粘度B)/粘度A}×100
感光性樹脂組成物を、8インチシリコンウェハ上に、乾燥後の膜厚が10μmとなるようにスピンコートし、続いて120℃で3分間加熱することで感光性樹脂膜を得た。
得られた感光性樹脂膜に、高圧水銀灯にて、300mJ/cm2の露光を行った。その後、シクロペンタノン中に30秒浸漬した。さらにその後、窒素雰囲気下、170℃で90分間熱処理して硬化させて感光性樹脂組成物の硬化物を得た。得られた硬化膜の膜厚を測定した。このときの膜厚を膜厚Aとした。
続いて、得られた硬化膜を50℃のジメチルスルホキシド中に30分間浸漬した。その後、イソプロパノールで洗浄し、エアブローにて乾燥した。続いて170℃のホットプレート上で5分間加熱処理をした。このようにして耐薬品性試験後膜を得た。得られた硬化膜の膜厚を測定した。このときの膜厚を膜厚Bとした。
膜厚A及び膜厚Bを下記式に代入して、膜厚変化率を算出した。膜厚変化率が5%以下のものを◎(とても良い)、5から10%のものを○(良い)、10%を超えたものを×(悪い)として評価した。膜厚変化率は、プロセスでの薬品耐性の面から小さいほうが好ましい。
膜厚変化率[%]={(膜厚A-膜厚B)/膜厚A}×100
(絶縁信頼性用サンプルの作製)
酸化膜付きシリコンウェハ上に、幅5μm/ピッチ5μm、高さ5μmの櫛歯型のCu配線を形成したCu配線基板を作製した。
感光性樹脂組成物を、上記Cu配線基板上に、スピンコートによって、乾燥後の膜厚(配線がない部分の厚み)が10μmになるように塗布し、120℃で3分乾燥して感光性樹脂膜を形成した。
得られた感光性樹脂膜に、高圧水銀灯を用いて、300mJ/cm2の露光を行った。その後、シクロペンタノン中に30秒浸漬した。その後、窒素雰囲気下、170℃で90分間熱処理して硬化膜を得た。これを絶縁信頼性評価用サンプルとした。
上記(絶縁信頼性用サンプル作製)で作製した基板のCu配線の端部(Cu電極)と電極配線とを半田接続した、評価用の模擬的な電子デバイスを作製した。これを、B-HAST装置にて3.5Vのバイアスを掛けながら、130℃/85%RHの環境下に置いた。
6分間隔でCu配線基板のCu配線間における絶縁抵抗値を自動的に計測し、絶縁抵抗値が1.0×104Ω以下になった場合を絶縁破壊とした。そして、試験開始から絶縁破壊までの時間(h)を測定した。後掲の表には、この時間が210時間以上の場合を◎(とても良い)、50時間から210時間の場合を○(良い)、50時間未満の場合を×(悪い)と記載した。
一方、比較例1の感光性樹脂組成物の硬化収縮率は極めて大きく、平坦性が良好な硬化膜を形成することができなかった。これは、比較例1の感光性樹脂組成物の硬化メカニズムは、ポリアミド樹脂を閉環して硬化させるものであり、硬化の際に脱水があったためと推察される。
・実施例15とその他の実施例との対比より、引張り伸び率の良化の観点からは、硬化触媒の使用が好ましい。硬化触媒がエポキシ樹脂を十分に反応させることが引張り伸び率の良化に効いていると考えられる。
・実施例16とその他の実施例との対比より、水の存在により、おそらくは密着助剤がよく働き、密着性が向上すると考えられる。
・実施例17とその他の実施例との対比より、多官能(メタ)アクリレートとしては、2官能のものよりも3官能以上のものが好ましいと考えられる。
・実施例7~9より、官能基数が多い多官能(メタ)アクリレートを用いることで耐薬品性が高まり、能基数が少ない多官能(メタ)アクリレートを用いることで引張伸び率が高まることが理解される。
1A 電子デバイス
1B 電子デバイス
2 貫通電極基板
3 半導体パッケージ
5 感光性樹脂ワニス
21 絶縁層
23 半導体チップ
24 下層配線層
24A 下層配線層
24B 下層配線層
25 上層配線層
26 半田バンプ
27 チップ埋込構造体
31 パッケージ基板
32 半導体チップ
33 ボンディングワイヤー
34 封止層
35 半田バンプ
202 基板
221 貫通配線
222 貫通配線
231 ランド
240 有機絶縁層
241 有機絶縁層
242 有機絶縁層
243 配線層
245 バンプ密着層
251 有機絶縁層
252 有機絶縁層
253 配線層
254 貫通配線
412 マスク
423 開口部
424 開口部
2510 感光性樹脂層
2520 感光性樹脂層
S1 チップ配置工程
S2 上層配線層形成工程
S20 第1樹脂膜配置工程
S21 第1露光工程
S22 第1現像工程
S23 第1硬化工程
S24 配線層形成工程
S25 第2樹脂膜配置工程
S26 第2露光工程
S27 第2現像工程
S28 第2硬化工程
S29 貫通配線形成工程
S3 基板剥離工程
S4 下層配線層形成工程
S5 半田バンプ形成工程
S6 積層工程
W 直径
Claims (22)
- 請求項1に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリイミド(A)中に含まれるイミド基のモル数をIMとし、
前記ポリイミド(A)中に含まれるアミド基のモル数をAMとしたとき、
{IM/(IM+AM)}×100(%)で表されるイミド化率が90%以上である、感光性樹脂組成物。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリイミド(A)は、フッ素原子を含むポリイミドを含む、感光性樹脂組成物。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリイミド(A)は、その末端に、酸無水物基を有する、感光性樹脂組成物。 - 請求項1~5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリイミド(A)は、その末端に、マレイミド構造を有しない、感光性樹脂組成物。 - 請求項1~6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリイミド(A)100質量部に対する前記多官能(メタ)アクリレート化合物(B)の量が50~150質量部である、感光性樹脂組成物。 - 請求項1~7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記ポリイミド(A)100質量部に対する前記多官能(メタ)アクリレート化合物(B)の量が70~120質量部である、感光性樹脂組成物。 - 請求項1~8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記感光剤(C)が、光ラジカル発生剤を含む、感光性樹脂組成物。 - 請求項1~9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
さらに、熱ラジカル開始剤(D)を含む、感光性樹脂組成物。 - 請求項10に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記熱ラジカル開始剤(D)が、有機過酸化物を含む、感光性樹脂組成物。 - 請求項10または11に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記多官能(メタ)アクリレート化合物(B)100質量部に対する前記熱ラジカル開始剤(D)の量が0.1~20質量部である、感光性樹脂組成物。 - 請求項1~12のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
さらに、前記エポキシ樹脂(E)の硬化触媒(F)を含む、感光性樹脂組成物。 - 請求項1~13のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
さらに、シランカップリング剤(G)を含む、感光性樹脂組成物。 - 請求項14に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記シランカップリング剤(G)が、環状無水物構造を有するシランカップリング剤を含む、感光性樹脂組成物。 - 請求項1~15のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
さらに、界面活性剤(H)を含む、感光性樹脂組成物。 - 請求項1~16のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
組成物全体中の、前記ポリイミド(A)および前記多官能(メタ)アクリレート化合物(B)の割合が、20~50質量%である、感光性樹脂組成物。 - 請求項1~17のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
少なくとも前記ポリイミド(A)および前記多官能(メタ)アクリレート化合物(B)が、前記溶剤(J)に溶解したワニス状である、感光性樹脂組成物。 - 請求項1~18のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であって、
電子デバイスにおける絶縁層の形成に用いられる、感光性樹脂組成物。 - 基板上に、請求項1~19のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂膜を形成する膜形成工程と、
前記感光性樹脂膜を露光する露光工程と、
露光された前記感光性樹脂膜を現像する現像工程と、
を含む、電子デバイスの製造方法。 - 請求項20に記載の電子デバイスの製造方法であって、
前記現像工程の後に、露光された前記感光性樹脂膜を加熱して硬化させる熱硬化工程を含む、電子デバイスの製造方法。 - 請求項1~19のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化膜を備える電子デバイス。
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