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JP7259220B2 - 感光性樹脂組成物、配線層及び半導体装置 - Google Patents
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JP7259220B2 - 感光性樹脂組成物、配線層及び半導体装置 - Google Patents

感光性樹脂組成物、配線層及び半導体装置 Download PDF

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Description

本開示は、感光性樹脂組成物、配線層及び半導体装置に関する。
次世代移動通信システム又はサーバーに要求される高速伝送の観点から、使用される電気信号は高周波化し、配線は高密度化する傾向にある。複数のチップを高密度で実装するための形態として、高密度配線を有する有機基板を用いたパッケージ技術(有機インターポーザ)、スルーモールドビア(TMV:Through Mold Via)を有するファンアウト型のパッケージ技術(FO-WLP:Fan Out-Wafer Level Package)、シリコン又はガラスインターポーザを用いたパッケージ技術、シリコン貫通電極(TSV:Through Silicon Via)を用いたパッケージ技術、基板に埋め込まれたチップをチップ間伝送に用いるパッケージ技術等が提案されている。
特に、有機インターポーザ及びFO-WLPにおいて半導体チップ同士を搭載する場合、当該半導体チップ同士を高密度で導通させるための微細な配線が必要となる(例えば、下記特許文献1参照)。
高周波領域での使用の際に伝送損失を抑制するために適用される有機材料としては、誘電正接が低い材料が望まれている。従来、低い誘電正接を有する材料として熱硬化性の材料が開発されている(例えば、下記特許文献2~4参照)。
さらに、高密度な配線を形成するために微細なビア加工が可能な材料が望まれており、小径ビアが形成できる有機材料として感光性の材料が開発されている(例えば、下記特許文献5参照)。
米国特許出願公開第2011/0221071号明細書 特開2007-87982号公報 特開2009-280758号公報 特開2005-39247号公報 特開2016-188985号公報
開口を有する絶縁部と、開口の内部に配置された配線と、を備える配線層を備える半導体装置(有機インターポーザ、FO-WLP等)において、高周波電気信号を用いて複数のチップを高密度に接続するためには、絶縁部を形成するための材料として、高周波電気信号領域における電気特性と、微細加工性とに優れる材料が必要である。しかしながら、電気特性に優れる材料である従来の熱硬化性の材料を用いる場合、ビア加工に使用するレーザー径は例えば20μmが限界である。一方、微細なビア加工が可能な従来の感光性の材料は、電気特性に乏しい傾向がある。
本開示は、高周波電気信号領域における電気特性と、微細加工性とに優れる感光性樹脂組成物、これを用いた配線層及び半導体装置を提供することを目的とする。
本開示に係る感光性樹脂組成物は、開口を有する絶縁部と、前記開口の内部に配置された配線と、を備える配線層における前記絶縁部を形成するための感光性樹脂組成物であって、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応物であるポリイミドを含有し、前記ジアミンが、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ヘプタメチレンジアミン、1,8-オクタメチレンジアミン、1,9-ノナメチレンジアミン、2-メチル-1,8-オクタメチレンジアミン、1,10-デカメチレンジアミン、1,11-ウンデカメチレンジアミン、1,12-ドデカメチレンジアミン、1,13-トリデカメチレンジアミン、1,16-ヘキサデカメチレンジアミン、1,18-オクタデカメチレンジアミン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、及び、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも一種を10~80mol%含む。
本開示に係る感光性樹脂組成物は、高周波電気信号領域(例えば、1~60GHz)における電気特性と、微細加工性とに優れる。特に、本開示に係る感光性樹脂組成物は、優れた電気特性として低い誘電正接を得ることができる。また、熱硬化性の材料を用いて小径のビアを形成するためには短波長のレーザーが必要となる場合があるが、本開示に係る感光性樹脂組成物は、レーザーを用いることなくビアを形成可能であるため、配線層の製造に際してコスト及び生産性に優れる。
ところで、高周波電気信号を用いて複数のチップを高密度に接続するための材料に対しては、電気特性及び微細加工性に加えて絶縁信頼性に優れることが求められる場合がある。これに対し、本開示に係る感光性樹脂組成物は、高周波電気信号領域における電気特性と、微細加工性と、絶縁信頼性とに優れる。
本開示に係る配線層は、開口を有する絶縁部と、前記開口の内部に配置された配線と、を備え、前記絶縁部が上述の感光性樹脂組成物又はその硬化物を含む。本開示に係る半導体装置は、上述の配線層を備える。
本開示によれば、高周波電気信号領域における電気特性と、微細加工性とに優れる感光性樹脂組成物、これを用いた配線層及び半導体装置を提供することができる。また、本開示によれば、高周波電気信号領域における電気特性と、微細加工性と、絶縁信頼性とに優れる感光性樹脂組成物、これを用いた配線層及び半導体装置を提供することができる。
図1は、有機インターポーザを有する半導体パッケージの模式断面図である。 図2は、有機インターポーザの模式断面図である。 図3(a)~(c)は、有機インターポーザの製造方法を説明する図である。 図4(a),(b)は、有機インターポーザの製造方法を説明する図である。 図5(a),(b)は、有機インターポーザの製造方法を説明する図である。 図6(a),(b)は、有機インターポーザの製造方法を説明する図である。 図7(a),(b)は、有機インターポーザの製造方法を説明する図である。 図8(a),(b)は、有機インターポーザの製造方法を説明する図である。 図9(a),(b)は、有機インターポーザの製造方法を説明する図である。 図10(a)は、実施例の測定評価用試料を示す平面図であり、図10(b)は、図10(a)のXIb-XIb線に沿った断面図である。
本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。「A又はB」とは、A及びBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。「層」及び「膜」は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。但し、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本実施形態に係る配線層は、開口を有する絶縁部と、開口の内部に配置された配線と、を備え、前記絶縁部が、本実施形態に係る感光性樹脂組成物又はその硬化物を含む。すなわち、本実施形態に係る配線層は、配線と、当該配線が配置された開口を有する絶縁部と、を備える。本実施形態に係る配線層は、複数の配線を備えていてよい。絶縁部は、複数の開口を有していてよい。本実施形態に係る配線層は、開口の内壁に沿って配置された金属層(例えばバリア層)を備えていてよい。
本実施形態に係る配線層は、開口を有する絶縁部、及び、開口の内部に配置された配線を備える第1の層と、当該第1の層の上部及び/又は下部に配置された絶縁部を備える第2の層とを有する態様であってよい。第2の層の絶縁部は、本実施形態に係る感光性樹脂組成物又はその硬化物を含んでいてよい。第2の層の絶縁部が第1の層の下部に配置されている場合、第1の層及び第2の層の積層体には、有底の凹部(例えば溝部)が形成されていてよい。
本実施形態に係る半導体装置は、本実施形態に係る配線層を備える。半導体装置としては、有機インターポーザ、FO-WLP等が挙げられる。本実施形態に係る半導体パッケージは、本実施形態に係る半導体装置と、半導体装置上に搭載された半導体チップと、を備えている。
本実施形態に係る配線層の製造方法は、本実施形態に係る感光性樹脂組成物又はその硬化物を含む絶縁部の開口に配線を形成して配線層を得る配線層形成工程を備える。本実施形態に係る配線層の製造方法は、配線層形成工程の前に、開口を有する絶縁部を形成する絶縁部形成工程を備えていてよい。絶縁部形成工程では、例えば、本実施形態に係る感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂組成物層に露光・現像を施すことにより、感光性樹脂組成物の硬化物を含むと共に開口を有する絶縁部を得る。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、開口を有する絶縁部と、開口の内部に配置された配線と、を備える配線層における絶縁部を形成するための感光性樹脂組成物である。本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応物であるポリイミド(A)(ポリイミド樹脂。以下、場合により、「(A)成分」という。)を含有し、ジアミンが、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ヘプタメチレンジアミン、1,8-オクタメチレンジアミン、1,9-ノナメチレンジアミン、2-メチル-1,8-オクタメチレンジアミン、1,10-デカメチレンジアミン、1,11-ウンデカメチレンジアミン、1,12-ドデカメチレンジアミン、1,13-トリデカメチレンジアミン、1,16-ヘキサデカメチレンジアミン、1,18-オクタデカメチレンジアミン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、及び、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも一種のジアミン(以下、場合により「特定ジアミン」という。)を10~80mol%含む。すなわち、(A)成分は、テトラカルボン酸二無水物と、特定ジアミンを10~80mol%含むジアミンと、を反応させて得られるポリイミドである。本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、高周波電気信号領域における電気特性(例えば誘電正接)と、微細加工性と、絶縁信頼性とに優れる。本実施形態に係る感光性樹脂組成物によれば、高周波電気信号領域における電気特性(例えば誘電正接)と、微細加工性と、絶縁信頼性とに優れる硬化物を得ることができる。本実施形態に係る硬化物は、本実施形態に係る感光性樹脂組成物の硬化物である。
ポリイミドは、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを公知の方法で縮合反応させて得ることができる。例えば、有機溶媒中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを混合し(各成分の添加順序は任意)、反応温度80℃以下(好ましくは0~60℃)で付加反応させる。反応が進行するにつれ反応液の粘度が徐々に上昇し、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を生成させることができる。
テトラカルボン酸二無水物としては、特に制限はなく、下記一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物、下記式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物、下記式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ベンゼン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3,3’,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,6-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,7-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,8,9,10-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、チオフェン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メチルフェニルシラン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン二無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェニルジメチルシリル)ベンゼン二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,3,3-テトラメチルジシクロヘキサン二無水物、p-フェニレンビス(トリメリテート無水物)、エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物、デカヒドロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(エキソ-ビシクロ[2,2,1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸二無水物、ビシクロ-[2,2,2]-オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェニル)フェニル]プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェニル)フェニル]ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、1,4-ビス(2-ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、1,3-ビス(2-ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフリル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸二無水物、テトラヒドロフラン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。テトラカルボン酸二無水物は、感光性樹脂組成物の諸特性を一層向上させる観点から、無水酢酸で再結晶精製処理したものであることが好ましい。テトラカルボン酸二無水物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
Figure 0007259220000001

[式中、aは2~20の整数を示す。]
Figure 0007259220000002
Figure 0007259220000003
上記一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、例えば、無水トリメリット酸モノクロライド、及び、対応するジオールから合成することができ、具体例としては、1,2-(エチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,3-(トリメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,4-(テトラメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,5-(ペンタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,6-(ヘキサメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,7-(ヘプタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,8-(オクタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,9-(ノナメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,10-(デカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,12-(ドデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,16-(ヘキサデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,18-(オクタデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)等が挙げられる。
また、テトラカルボン酸二無水物は、溶剤への良好な溶解性及び耐湿信頼性を付与しやすい観点から、上記式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物、及び、上記式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物(4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸二無水物))からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことができる。
(A)成分を得るためのジアミンは、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ヘプタメチレンジアミン、1,8-オクタメチレンジアミン、1,9-ノナメチレンジアミン、2-メチル-1,8-オクタメチレンジアミン、1,10-デカメチレンジアミン、1,11-ウンデカメチレンジアミン、1,12-ドデカメチレンジアミン、1,13-トリデカメチレンジアミン、1,16-ヘキサデカメチレンジアミン、1,18-オクタデカメチレンジアミン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、及び、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも一種の特定ジアミンを含む。ジアミンは、優れた電気特性、微細加工性及び絶縁信頼性が得られやすい観点から、1,12-ドデカメチレンジアミンを含むことが好ましい。ジアミンは、優れた電気特性、微細加工性及び絶縁信頼性が得られやすい観点から、1,6-ヘキサメチレンジアミンを含むことが好ましい。
ジアミンは、ポリイミドと他の成分との相溶性に優れる観点から、シロキサンジアミンを更に含むことが好ましい。すなわち、ポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物と特定ジアミンとシロキサンジアミンとを反応させて得られるポリイミド(テトラカルボン酸二無水物と特定ジアミンとシロキサンジアミンとの反応物)であることが好ましい。
シロキサンジアミンは、ポリイミドと他の成分との相溶性に更に優れる観点から、下記一般式(4)で表される化合物を含むことが好ましい。
Figure 0007259220000004

[式中、Q及びQは、各々独立に、炭素数1~5のアルキレン基、又は、置換基を有してもよいフェニレン基を示し、Q、Q、Q及びQは、各々独立に、炭素数1~5のアルキル基、フェニル基又はフェノキシ基を示し、bは1~5の整数を示す。]
シロキサンジアミンの具体例としては、式(4)のbが1である化合物として、1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ビス(4-アミノフェニル)ジシロキサン、1,1,3,3-テトラフェノキシ-1,3-ビス(4-アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3-テトラフェニル-1,3-ビス(2-アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3-テトラフェニル-1,3-ビス(3-アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ビス(2-アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ビス(3-アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ビス(3-アミノブチル)ジシロキサン、1,3-ジメチル-1,3-ジメトキシ-1,3-ビス(4-アミノブチル)ジシロキサン等が挙げられ、bが2である化合物として、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチル-1,5-ビス(4-アミノフェニル)トリシロキサン、1,1,5,5-テトラフェニル-3,3-ジメチル-1,5-ビス(3-アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,5,5-テトラフェニル-3,3-ジメトキシ-1,5-ビス(4-アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5-テトラフェニル-3,3-ジメトキシ-1,5-ビス(5-アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,5,5-テトラメチル-3,3-ジメトキシ-1,5-ビス(2-アミノエチル)トリシロキサン、1,1,5,5-テトラメチル-3,3-ジメトキシ-1,5-ビス(4-アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5-テトラメチル-3,3-ジメトキシ-1,5-ビス(5-アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチル-1,5-ビス(3-アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5-ヘキサエチル-1,5-ビス(3-アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5-ヘキサプロピル-1,5-ビス(3-アミノプロピル)トリシロキサン等が挙げられる。シロキサンジアミンは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
シロキサンジアミンの市販品としては、両末端にアミノ基を有する「PAM-E」(アミノ基当量130g/mol)、「KF-8010」(アミノ基当量430g/mol)、「X-22-161A」(アミノ基当量800g/mol)、「X-22-161B」(アミノ基当量1500g/mol)、「KF-8012」(アミノ基当量2200g/mol)、「KF-8008」(アミノ基当量5700g/mol)、「X-22-9409」(アミノ基当量700g/mol、側鎖フェニルタイプ)、「X-22-1660B-3」(アミノ基当量2200g/mol、側鎖フェニルタイプ)(以上、信越化学工業株式会社製)、「BY-16-853U」(アミノ基当量460g/mol)、「BY-16-853」(アミノ基当量650g/mol)、「BY-16-853B」(アミノ基当量2200g/mol)(以上、東レ・ダウコーニング株式会社製)等が挙げられる。これらの中でも、誘電特性に優れやすい観点から、「PAM-E」、「KF-8010」、「X-22-161A」、「BY-16-853U」及び「BY-16-853」が好ましい。一方、ワニスの相溶性に優れやすい観点から、「KF-8010」、「X-22-161A」及び「BY-16-853」が好ましい。
ポリイミドの原料として用いられるその他のジアミンとしては、特に制限はなく、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテメタン、ビス(4-アミノ-3,5-ジメチルフェニル)メタン、ビス(4-アミノ-3,5-ジイソプロピルフェニル)メタン、3,3’-ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,4’-ジアミノジフェニルジフルオロメタン、4,4’-ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルケトン、3,4’-ジアミノジフェニルケトン、4,4’-ジアミノジフェニルケトン、2,2-ビス(3-アミノフェニル)プロパン、2,2’-(3,4’-ジアミノジフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-(3,4’-ジアミノジフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’-(1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン))ビスアニリン、3,4’-(1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン))ビスアニリン、4,4’-(1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン))ビスアニリン、2,2-ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4-(3-アミノエトキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4-(4-アミノエトキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4-(3-アミノエトキシ)フェニル)スルホン、ビス(4-(4-アミノエトキシ)フェニル)スルホン、3,3’-ジヒドロキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、3,5-ジアミノ安息香酸等の芳香族ジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン、下記一般式(5)で表される脂肪族エーテルジアミン、下記一般式(6)で表される脂肪族ジアミン、分子中にカルボキシル基及び/又は水酸基を有するジアミンなどが挙げられる。これらのジアミンは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
Figure 0007259220000005

[式中、Q、Q及びQは、各々独立に炭素数1~10のアルキレン基を示し、cは、2~80の整数を示す。]
Figure 0007259220000006

[式中、dは5~20の整数を示す。]
ジアミンは、(A)成分を得るためのジアミンの全量(全ジアミン。特定ジアミン、及び、特定ジアミン以外のジアミンの合計量。以下同様。)を基準として特定ジアミンを10~80mol%含む。特定ジアミンの割合は、吸湿率を低減し、優れた電気特性(低い誘電正接)を得やすい観点から、30mol%以上が好ましく、40mol%以上がより好ましく、45mol%以上が更に好ましい。特定ジアミンの割合は、ガラス転移温度を高くし、ポリイミドの他成分に対する相溶性を高くしやすい観点から、75mol%以下が好ましく、70mol%以下がより好ましく、60mol%以下が更に好ましい。特定ジアミンとして複数のジアミンが用いられる場合、上述の特定ジアミンの割合は、複数の特定ジアミンの合計量の割合である。
ジアミンは、ジアミンの全量(全ジアミン)を基準として下記の割合のシロキサンジアミンを含むことが好ましい。シロキサンジアミンの割合は、ポリイミドの他成分に対する相溶性に優れやすい観点から、5mol%以上が好ましく、10mol%以上がより好ましく、15mol%以上が更に好ましく、20mol%以上が特に好ましい。シロキサンジアミンの割合は、金属との密着性を向上させやすい観点から、50mol%以下が好ましく、50mol%未満がより好ましく、40mol%以下が更に好ましく、30mol%以下が特に好ましい。これらの観点から、シロキサンジアミンの割合は、5~50mol%が好ましい。
特定ジアミンの割合は、テトラカルボン酸二無水物1.0molに対して下記の範囲が好ましい。特定ジアミンの割合は、ポリイミドの他成分に対する相溶性に優れやすい観点から、0.1mol以上が好ましく、0.3mol以上がより好ましく、0.4mol以上が更に好ましく、0.5mol以上が特に好ましい。特定ジアミンの割合は、金属との密着性を向上させやすい観点から、1.0mol以下が好ましく、1.0mol未満がより好ましく、0.9mol以下が更に好ましく、0.8mol以下が特に好ましい。
ジアミン(全ジアミン)の割合は、テトラカルボン酸二無水物1.0molに対して下記の範囲が好ましい。ジアミンの割合は、ポリイミドの分子量を高くしやすい観点から、0.5mol以上が好ましく、0.7mol以上がより好ましく、0.8mol以上が更に好ましく、0.9mol以上が特に好ましい。ジアミンの割合は、ポリイミド末端と他の成分との反応を抑制しやすい観点から、1.0mol以下が好ましく、1.0mol未満が特に好ましい。
ポリイミドの原料として、テトラカルボン酸二無水物以外の酸無水物を使用することができる。例えば、ポリイミドの合成時に、下記式(7)、(8)又は(9)で表される化合物のような単官能酸無水物、m-アミノフェノールのような単官能アミン等を縮合反応液に投入することにより、ポリマー末端に酸無水物又はジアミン以外の官能基を導入することができる。また、これにより、ポリマーの分子量を低くし、パターン形成時の現像性を向上させることができる。単官能酸無水物としては、誘電特性に優れやすい観点から、式(9)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007259220000007
ポリイミドの重量平均分子量は、優れた塗膜形成性が得られやすい観点から、20000以上が好ましく、25000以上がより好ましく、30000以上が更に好ましい。重量平均分子量が25000以上であると、塗布後のピンホールを抑制しやすい。重量平均分子量が30000以上であると、硬化物の強靭性に優れる。ポリイミドの重量平均分子量は、優れた解像性が得られやすい観点から、80000以下が好ましく、70000以下がより好ましい。これらの観点から、ポリイミドの重量平均分子量は、20000~80000であることが好ましい。重量平均分子量は、高速液体クロマトグラフィー(株式会社島津製作所製の商品名「C-R4A」)を用いて、ポリスチレン換算で測定したときの重量平均分子量として得ることができる。測定には、例えば、下記の条件を用いることができる。
検出器:LV4000 UV Detector(株式会社日立製作所製、商品名)
ポンプ:L6000 Pump(株式会社日立製作所製、商品名)
カラム:Gelpack GL-S300MDT-5(計2本)(日立化成株式会社製、商品名)
溶離液:THF/DMF=1/1(容積比)+LiBr(0.03mol/L)+HPO(0.06mol/L)
流量:1mL/分
ポリイミドのガラス転移温度は、ワニスの保存安定性が低下することが抑制されやすい観点、及び、イミド基濃度が上昇することによって誘電正接が上昇することを抑制しやすい観点から、220℃以下が好ましく、200℃以下がより好ましい。ガラス転移温度が200℃以下であると、誘電正接を低減させやすい。ポリイミドのガラス転移温度は、塗布後のタックが過剰に上昇することが抑制されやすい観点から、60℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、100℃以上が更に好ましい。ガラス転移温度が80℃以上であると、硬化後の硬化物の靭性を向上させやすい。ガラス転移温度が100℃以上であると、線膨張係数を低くしやすい。これらの観点から、ポリイミドのガラス転移温度は、60~220℃が好ましく、60~200℃がより好ましい。
ガラス転移温度は次の手順で測定できる。厚さ300μmのポリイミド片を長さ30mm、幅4mmに切断してサンプルを作製する。ユービーエム株式会社製の動的粘弾性測定装置を用い、チャック間距離20mm、周波数10Hz、昇温速度5℃/分で40~260℃の温度範囲で測定し、ガラス転移温度として、tanδの最大値を示す温度を得ることができる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、分子内に2つ以上の炭素-炭素二重結合を有する化合物(B)(以下、場合により、「(B)成分」という。)と、光重合開始剤(C)(以下、場合により、「(C)成分」という。)とを含有することが好ましい。この場合、優れた電気特性、微細加工性及び絶縁信頼性が得られやすい。
(B)成分としては、(A)成分又は(C)成分に該当する化合物を除く。(B)成分としては、下記一般式(10)で表されるビスアリルナジイミドを用いることができる。式(10)中のRとしては、フェニレン基(ベンゼン残基)、トリレン(トルエン残基)、キシリレン基(キシレン残基)、ナフチレン(ナフタレン残基)、直鎖、分岐若しくは環状アルキレン基、又は、これらの混合基が好ましく、下記式(11-1)~(11-25)で表される2価の有機基がより好ましい。式(11-1)中のeは1~10の整数を示す。
Figure 0007259220000008

[式中、Rは、芳香環を含む2価の有機基、又は、直鎖、分岐若しくは環状の脂肪族炭化水素を含む2価の有機基を示す。]
Figure 0007259220000009
Figure 0007259220000010
Figure 0007259220000011
Figure 0007259220000012
Figure 0007259220000013
Figure 0007259220000014
(B)成分としては、優れた電気特性、微細加工性及び絶縁信頼性が得られやすい観点から、2官能以上のアクリレート化合物が好ましい。2官能以上のアクリレート化合物としては、1分子が有するアクリル官能基の数が2個以上の化合物であれば特に制限はなく、具体例としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、エチレンオキシド変性ネオペンチルグリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリス(β-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリアクリレート、下記一般式(12)で表される2官能アクリレート等が挙げられ、中でも、耐熱性及び誘電特性に優れやすい観点から、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートが好ましい。
Figure 0007259220000015

[式中、Rは、有機基を示し、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、m及びnは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。]
(B)成分としてマレイミド化合物を用いることができる。マレイミド化合物としては、o-、m-又はp-ビスマレイミドベンゼン、4-ビス(p-マレイミドクミル)ベンゼン、1,4-ビス(m-マレイミドクミル)ベンゼン、4,4-ビスマレイミドジフェニルエーテル、4,4-ビスマレイミドジフェニルメタン、4,4-ビスマレイミド-3,3’-ジメチル-ジフェニルメタン、4,4-ビスマレイミドジフェニルスルホン、4,4-ビスマレイミドジフェニルスルフィド、4,4-ビスマレイミドジフェニルケトン、2’-ビス(4-マレイミドフェニル)プロパン、4-ビスマレイミドジフェニルフルオロメタン、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2,2-ビス(4-マレイミドフェニル)プロパン等が挙げられる。マレイミド化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して下記の範囲が好ましい。(B)成分の含有量は、優れた解像性が得られやすい観点から、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、15質量部以上が更に好ましく、20質量部以上が特に好ましい。(B)成分の含有量は、優れた誘電特性が得られやすい観点から、70質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、40質量部以下が更に好ましく、30質量部以下が特に好ましい。これらの観点から、(B)成分の含有量は、5~70質量部であることが好ましい。
(C)成分としては、特に限定はしないが、例えば、1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-フェニル,2-(O-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル化合物;2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-メチル-1-(4-(メチルチオ)フェニル)-2-モルフォリノプロパノン-1、2,4-ジエチルチオキサントン、2-エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(m-メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-フェニルイミダゾール二量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2,4-ジ(p-メトキシフェニル)-5-フェニルイミダゾール二量体、2-(2,4-ジメトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体;9-フェニルアクリジン、1,7-ビス(9,9’-アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6,-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイドなどの中から、UV照射によって光退色する化合物を用いることができる。(C)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(C)成分は、感度及び解像性に優れやすい観点から、下記一般式(13)で表されるオキシムエステル基、下記一般式(14)で表されるモルホリン環を有する化合物、及び、下記一般式(15)で表されるモルホリン環を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
Figure 0007259220000016

[式中、R51及びR52は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~7のアルキル基、又は、芳香族系炭化水素基を含む有機基を示し、R53は、炭素数1~7のアルキル基、又は、芳香族系炭化水素基を含む有機基を示し、R54及びR55は、芳香族系炭化水素基を含む有機基を示す。]
波長365nmの光に対する(C)成分の分子吸光係数は、感度が向上しやすい観点から、1000mL/g・cm以上が好ましく、2000mL/g・cm以上がより好ましい。なお、分子吸光係数は、0.001質量%の光重合開始剤を含むアセトニトリル溶液を調製し、この溶液について分光光度計(日立ハイテクノロジーズ株式会社製、「U-3310」(商品名))を用いて吸光度を測定することにより求められる。
(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して下記の範囲が好ましい。(C)成分の含有量は、優れた解像性が得られやすい観点から、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1質量部以上が更に好ましく、3質量部以上が特に好ましい。(C)成分の含有量は、優れた耐熱性が得られやすい観点から、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましく、7質量部以下が更に好ましく、5質量部以下が特に好ましい。これらの観点から、(C)成分の含有量は、0.1~10質量部であることが好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、フェノール性水酸基を有する化合物を含有してもよい。フェノール性水酸基を有する化合物としては、フェノール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、フェノール-ナフトール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン及びその重合体、フェノール-キシリレングリコール縮合樹脂、クレゾール-キシリレングリコール縮合樹脂、フェノール-ジシクロペンタジエン縮合樹脂等が挙げられる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、密着助剤を含有してもよい。密着助剤としては、シランカップリング剤、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物等が挙げられる。密着助剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
シランカップリング剤としては、金属との密着性を向上させやすい観点から、窒素原子を有する化合物が好ましい。シランカップリング剤の具体例としては、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチルーブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3-ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。シランカップリング剤の含有量は、添加による効果、耐熱性、製造コスト等に優れやすい観点から、ポリイミド100質量部に対して、0.1~20質量部であることが好ましい。
トリアゾール化合物としては、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-tert-オクチルフェノール]、6-(2-ベンゾトリアゾリル)-4-tert-オクチル-6’-tert-ブチル-4’-メチル-2,2’-メチレンビスフェノール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、2,2’-[[(メチル-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]イミノ]ビスエタノール等が挙げられる。テトラゾール化合物としては、1H-テトラゾール、5-アミノ-1H-テトラゾール、5-メチル-1H-テトラゾール、5-フェニル-1H-テトラゾール、1-メチル-5-エチル-1H-テトラゾール、1-メチル-5-メルカプト-1H-テトラゾール、1-フェニル-5-メルカプト-1H-テトラゾール、1-(2-ジメチルアミノエチル)-5-メルカプト-1H-テトラゾール、2-メトキシ-5-(5-トリフルオロメチル-1H-テトラゾール-1-イル)-ベンズアルデヒド、4,5-ジ(5-テトラゾリル)-[1,2,3]トリアゾール、1-メチル-5-ベンゾイル-1H-テトラゾール等が挙げられる。トリアゾール化合物及び/又はテトラゾール化合物の含有量は、添加による効果、耐熱性及び製造コストに優れやすい観点から、ポリイミド100質量部に対して0.1~20質量部であることが好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、硬化剤としてラジカル重合剤を含有してもよい。ラジカル重合剤としては、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。ラジカル重合剤の含有量は、(A)成分100質量部に対して0.01~1.0質量部が好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、イオン捕捉剤を含有してもよい。イオン捕捉剤によって絶縁部中のイオン性不純物を吸着することにより、吸湿時の絶縁信頼性を向上させやすい。イオン捕捉剤としては、トリアジンチオール化合物、フェノール系還元剤等の、銅がイオン化して溶け出すのを防止するための銅害防止剤として知られる化合物;ビスマス系、アンチモン系、マグネシウム系、アルミニウム系、ジルコニウム系、カルシウム系、チタン系、スズ系、並びに、これらの混合系等の粉末状の無機化合物などが挙げられる。
イオン捕捉剤としては、東亜合成株式会社製の無機イオン捕捉剤(商品名:IXE-300(アンチモン系)、IXE-500(ビスマス系)、IXE-600(アンチモン、ビスマス混合系)、IXE-700(マグネシウム、アルミニウム混合系)、IXE-800(ジルコニウム系)、IXE-1100(カルシウム系)等)などが挙げられる。イオン捕捉剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。イオン捕捉剤の含有量は、添加による効果、耐熱性、製造コスト等に優れやすい観点から、ポリイミド100質量部に対して0.01~10質量部であることが好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、低吸湿性、及び/又は、低透湿性を付与する等のためにフィラーを含有してもよい。フィラーの構成材料としては、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、結晶性シリカ、非晶性シリカ、窒化ホウ素、チタニア、ガラス、酸化鉄、セラミック等の無機フィラー;カーボン、ゴム系フィラー等の有機フィラーなどが挙げられ、種類・形状等にかかわらず、特に制限なく使用することができる。
上記フィラーは、所望する機能に応じて使い分けることができる。フィラーとしては、無機フィラー、有機フィラー等を用いることができる。無機フィラーは、絶縁部に熱伝導性、低熱膨張性、低吸湿性等を付与する目的などで添加することができる。有機フィラーは、絶縁部に靭性等を付与する目的などで添加することができる。フィラーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、絶縁部に求められる熱伝導性、低吸湿特性、絶縁性等を付与できる観点から、無機フィラーが好ましく、無機フィラーの中では、樹脂ワニスに対する良好な分散性を得やすい観点、及び、熱時の高い接着力を付与しやすい観点から、シリカフィラー及びアルミナフィラーからなる群より選ばれる少なくとも一種がより好ましい。
フィラーは、平均粒子径が5μm以下、最大粒子径が20μm以下であることが好ましく、平均粒子径が1μm以下、最大粒子径が5μm以下であることがより好ましい。平均粒子径が5μm以下、且つ、最大粒子径が20μm以下であると、優れた解像度が得られやすい。平均粒子径及び最大粒子径の下限は、特に制限はないが、0.001μm以上であってよい。
上記フィラーの平均粒子径及び最大粒子径の測定方法としては、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、任意の数のフィラーの粒径を測定する方法等が挙げられる。SEMを用いた測定方法としては、例えば、感光性樹脂組成物を硬化させたサンプルを作製し、このサンプルの中心部分を切断して、その断面をSEMで観察する方法が挙げられる。このとき、粒子径10μm以下のフィラーの存在確率が全フィラーの80%以上であることが好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、保存安定性の付与、エレクトロマイグレーション防止、金属導体回路の腐食防止等のために酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、フェノール系の酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤の含有量は、添加による効果、耐熱性、コスト等に優れやすい観点から、(A)成分100質量部に対して0.01~10質量部が好ましい。
絶縁部の10GHzでの誘電率は、配線間のクロストークを抑制できる観点から3.0以下であることが好ましく、電気信号の信頼性を更に向上させることができる観点から2.8以下であることがより好ましい。また、10GHzでの誘電正接は、0.01以下であることが好ましく、0.008以下であることがより好ましく、0.007以下であることが更に好ましく、0.005以下であることが特に好ましい。誘電率及び誘電正接の測定には、感光性樹脂組成物を200mJ/cmの条件で露光処理した後、100℃、2分の条件で加熱し、さらに、220℃、1時間の条件で加熱することにより硬化して得られた厚さ300μmの感光性樹脂組成物の硬化物を長さ60mm、幅2mmに切断した後に30℃で6時間真空乾燥して得られる試験片を用いることができる。誘電正接は、10GHzにおいて得られる共振周波数と無負荷Q値とから算出できる。誘電正接の測定は、キーサイトテクノロジー社製のベクトル型ネットワークアナライザE8364Bと、株式会社関東電子応用開発製のCP531(10GHz共振器)及びCPMA-V2(プログラム)とを用いて温度25℃で実施できる。
以下、図1~9を用いて、半導体装置の一例である有機インターポーザを有する半導体パッケージ及びその製造方法について説明する。
図1は、有機インターポーザを有する半導体パッケージの模式断面図である。有機インターポーザは、異種チップを混載するインターポーザが必要なパッケージ形態に用いられることが好適である。
図1に示されるように、半導体パッケージ100では、基板1上に設けられた有機インターポーザ(半導体装置)10上に半導体チップ2A,2Bが搭載されている。半導体チップ2A,2Bは、対応するアンダーフィル3A,3Bによって有機インターポーザ10上にそれぞれ固定されており、有機インターポーザ10内に設けられた表面配線16を介して互いに電気的に接続されている。基板1は、半導体チップ2C,2Dと電極5A,5Bとを絶縁材料4で封止して形成された封止体である。基板1内の半導体チップ2C,2Dは、絶縁材料4から露出した電極を介して外部装置と接続できる。電極5A,5Bは、例えば、有機インターポーザ10と外部装置とを互いに電気的に接続するための導電路として機能する。
半導体チップ2A~2Dのそれぞれとしては、グラフィック処理ユニット(GPU:Graphic Processing Unit)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)又はSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリ、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、RFチップ、シリコンフォトニクスチップ、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、センサーチップなどが挙げられる。半導体チップ2A~2Dは、TSVを有してもよい。半導体チップ2A~2Dのそれぞれとしては、例えば、半導体素子が積層されたものも用いることができる。この場合、TSVを用いて積層した半導体素子を使用できる。半導体チップ2A,2Bの厚さは、例えば200μm以下である。半導体チップ2A,2Bの厚さは、半導体パッケージ100を薄型化する観点から、100μm以下であることが好ましい。また、半導体チップ2A,2Bの厚さは、取り扱い性の観点から、30μm以上であることが好ましい。
アンダーフィル3A,3Bは、例えば、キャピラリーアンダーフィル(CUF)、モールドアンダーフィル(MUF)、ペーストアンダーフィル(NCP)、フィルムアンダーフィル(NCF)、又は、感光性アンダーフィルである。アンダーフィル3A,3Bは、それぞれ液状硬化型樹脂(例えば、エポキシ樹脂)を主成分として構成される。また、絶縁材料4は、例えば、絶縁性を有する硬化性樹脂である。
次に、図2を用いて有機インターポーザ10の詳細を説明する。有機インターポーザ10は、半導体素子等を支持する有機基板であり、例えば、ガラスクロス又は炭素繊維に樹脂を含浸させた材料(プリプレグ)を積層したビルドアップ基板、ウェハレベルパッケージ用基板、コアレス基板、封止材料を熱硬化することによって作製される基板、チップが封止又は埋め込まれた基板等である。有機インターポーザ10の形状は、後述する基板11の形状に応じており、ウェハ状(平面視にて略円形状)でもよく、パネル状(平面視にて略矩形状)でもよい。
図2において、基板11(図1の基板1に相当)上に設けられた有機インターポーザ10は、複数の絶縁層(例えば有機絶縁層)を含んでなる絶縁積層体(例えば有機絶縁積層体)12と、絶縁積層体12内に配列された複数の配線13と、配線13の側部及び底部を覆うバリア金属膜14と、絶縁積層体12を貫通するスルー配線15と、絶縁積層体12の表面及びその近傍に形成される表面配線16とを備えている。
基板11は、有機インターポーザ10を支持する支持体である。基板11の平面視における形状は、例えば、円形状又は矩形状である。円形状である場合、基板11は、例えば200~450mmの直径を有する。矩形状である場合、基板11の一辺の長さは、例えば300~700mmである。
基板11は、例えば、シリコン基板、ガラス基板又はピーラブル銅箔である。基板11は、例えば、ビルドアップ基板、ウェハレベルパッケージ用基板、コアレス基板、封止材料を熱硬化することによって作製される基板、又は、チップが封止又は埋め込まれた基板でもよい。基板11としてシリコン基板、ガラス基板等が用いられる場合、有機インターポーザ10と基板11とを仮固定する仮固定層(図示せず)が設けられてもよい。この場合、仮固定層を除去することによって、有機インターポーザ10から基板11を容易に剥離できる。なお、ピーラブル銅箔とは、支持体、剥離層及び銅箔が順に重なった積層体である。ピーラブル銅箔においては、支持体が基板11に相当し、銅箔がスルー配線15に含まれる一部の銅配線の材料に相当する。
絶縁積層体12は、対応する配線13が配置された複数の溝部21aを有する絶縁層(第1の絶縁層)21と、配線13を埋め込むように絶縁層21に積層された絶縁層(第2の絶縁層)22とを備えている。また、絶縁積層体12には、スルー配線15が設けられる複数の開口12aが設けられている。
複数の溝部21aは、絶縁層21において基板11と反対側の表面に設けられている。溝部21aの延在方向に直交する方向に沿った断面において、溝部21aのそれぞれは略矩形状を有している。溝部21aの内面は、側面及び底面を有している。また、複数の溝部21aは、所定のライン幅L及びスペース幅Sを有している。ライン幅L及びスペース幅Sのそれぞれは、例えば0.5~10μmであり、好ましくは0.5~5μmであり、より好ましくは2~5μmである。有機インターポーザ10の高密度伝送を実現する観点から、ライン幅Lは1~5μmであることが好ましい。ライン幅Lとスペース幅Sとは、互いに同一になるように設定されてもよく、互いに異なるように設定されてもよい。ライン幅Lは、平面視にて溝部21aの延在方向に直交する方向における溝部21aの幅に相当する。スペース幅Sは、隣り合う溝部21a同士の距離に相当する。溝部21aの深さは、例えば、後述する絶縁層24の厚さに相当する。
絶縁層21は、基板11と絶縁層22との間に設けられている。絶縁層21は、基板11側に位置する絶縁層(第3の絶縁層)23と、絶縁層22側に位置する絶縁層(第4の絶縁層、絶縁部)24とを含んでいる。絶縁層24の一部には、溝部21aに対応する複数の開口(貫通孔)が設けられている。これらの開口によって露出する絶縁層23の表面が溝部21aの内面における底面を構成している。また、溝部21aの内面における各側面は、絶縁層24によって構成されている。配線13と、バリア金属膜14と、絶縁層24とは配線層25を構成している。
絶縁層23及び絶縁層24の厚さは、例えば、それぞれ0.5~10μmである。このため、絶縁層21の厚さは、例えば1~20μmである。絶縁層21の厚さが1μm以上であることにより、絶縁層21が絶縁積層体12の応力緩和に寄与し、絶縁積層体12の温度サイクル耐性が向上し得る。絶縁層21の厚さが20μm以下であることにより、絶縁積層体12の反りを抑制し、例えば、絶縁積層体12を研削した際に容易に配線等を露出できる。露光及び現像を行うことによって幅3μm以下の配線13を形成する観点から、絶縁層21の厚さは、15μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。
絶縁積層体12における絶縁層21及び絶縁層22のそれぞれは、例えば、液状又はフィルム状である。絶縁層の平坦性及び製造コストの観点から、フィルム状の材料(絶縁材料)が好ましい。この場合、例えば、基板11の表面粗さが300μm以上であっても、絶縁積層体12の表面粗さを低減できる。また、フィルム状の絶縁材料は、40~120℃でラミネート可能であることが好ましい。ラミネート可能な温度が40℃以上であることで、室温における、絶縁材料のタック(粘着性)が強くなることを抑えると共に、良好な取り扱い性を維持することができる。ラミネート可能な温度が120℃以下であることで、絶縁積層体12における反りの発生を抑制できる。
絶縁積層体12における絶縁層21及び絶縁層22のそれぞれは、硬化性を有する絶縁材料を含んでいる。絶縁材料は、加工容易性及び加工精度の観点から、感光性の絶縁材料(感光性絶縁樹脂)を用いることができる。絶縁層24は、本実施形態に係る感光性樹脂組成物又はその硬化物を含んでいる。絶縁層22及び/又は絶縁層23は、本実施形態に係る感光性樹脂組成物又はその硬化物を含んでいてもよい。感光性樹脂組成物は、耐熱性及び取り扱い容易性の観点から、ネガ型感光性樹脂組成物が好ましい。感光性樹脂組成物は、シクロペンタノン、又は、2.38質量%のテトラメチルアンモニウム水溶液に可溶であることが好ましい。
複数の配線13は、上述したように、対応する溝部21a内に設けられ、有機インターポーザ10内部における導電路として機能する。このため、配線13の幅は、溝部21aのライン幅Lと略一致しており、隣り合う配線13同士の間隔は、溝部21aのスペース幅Sと略一致している。配線13は、導電路としての機能を良好に発揮する観点から、高い導電性を有する金属材料を含有していることが好ましい。高い導電性を有する金属材料としては、例えば、銅、アルミニウム、銀等が挙げられる。これらの金属材料は、加熱により絶縁積層体12内に拡散する傾向にある。配線13に含まれる金属材料は、導電性及びコストの観点から、銅であることが好ましい。
バリア金属膜14は、配線13と絶縁層21とを仕切るように設けられる金属膜であり、配線13と溝部21aの内面との間に設けられている。このため、バリア金属膜14は、配線13と溝部21aの内面(すなわち、絶縁層21)とを仕切るように設けられている。
バリア金属膜14は、配線13内における金属材料の絶縁層21への拡散を防止するための導電膜であり、溝部21aの内面に沿って形成されている。バリア金属膜14は、絶縁層へ拡散しにくい金属材料として、例えば、チタン、ニッケル、パラジウム、クロム、タンタル、タングステン及び金の少なくとも一つを含んでいる。バリア金属膜14は、溝部21aの内面との密着性の観点から、チタン膜、又は、チタンを含む合金膜であることが好ましい。また、バリア金属膜14は、バリア金属膜14をスパッタリングで形成する観点から、チタン膜、タンタル膜、タングステン膜、クロム膜、又は、チタン、タンタル、タングステン及びクロムの少なくとも何れかを含む合金膜であることが好ましい。
バリア金属膜14の厚さは、溝部21aの幅の半分未満且つ溝部21aの深さ未満であり、例えば0.001~0.5μmである。バリア金属膜14の厚さは、配線13内における金属材料の拡散を防止する観点から、0.01~0.5μmであることが好ましい。また、バリア金属膜14の厚さは、バリア金属膜14の平坦性、及び、配線13に流れる電流量を大きくする観点から、0.001~0.3μmであることが好ましい。以上から、バリア金属膜14の厚さは、0.01~0.3μmであることが特に好ましい。
スルー配線15は、絶縁積層体12の開口12aに埋め込まれる配線であり、外部装置への接続端子として機能する。スルー配線15は、互いに積層された複数の配線15a~15cから構成されている。配線15bは、配線13と同時に形成された配線と、バリア金属膜14と同時に形成された金属膜とを含んでいる。
表面配線16は、有機インターポーザ10に搭載される半導体チップ同士を電気的接続させるための配線である。このため、表面配線16の両端部は、有機インターポーザ10から露出しており、当該両端部以外の表面配線16は、有機インターポーザ10(より具体的には、絶縁層22)に埋め込まれている。このため、絶縁層22は、少なくとも2つの絶縁層を含む。
次に、図3~図9を参照しながら、有機インターポーザ10の製造方法を説明する。下記製造方法によって形成される有機インターポーザ10は、例えば、微細化及び多ピン化が必要とされる形態において特に好適である。なお、図4(b)は、図4(a)の一部の拡大図である。同様に、図5(b)、図6(b)、図7(b)及び図8(b)のそれぞれは、対応する図面の一部の拡大図である。
まず、第1ステップとして、図3(a)に示されるように、基板11上に配線15aを形成する。配線15aは、基板11上に形成された金属膜をパターニングすることによって形成される。第1ステップでは、例えば、塗布法、真空蒸着、スパッタリング等の物理気相蒸着法(PVD法)、金属ペーストを用いた印刷法若しくはスプレー法、又は、種々のめっき法によって上記金属膜を形成する。本実施形態では、金属膜として銅箔を用いることができる。
なお、基板11と配線15aとの間に仮固定層(図示しない)が設けられる場合、当該仮固定層は、例えば、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、シリコン、フッ素等の非極性成分を含有した樹脂、加熱若しくはUV(紫外線)によって体積膨張若しくは発泡する成分を含有した樹脂、加熱若しくはUVによって架橋反応が進行する成分を含有した樹脂、又は、光照射によって発熱する樹脂を含んでいる。仮固定層の形成方法としては、例えば、スピンコート、スプレーコート又はラミネート加工が挙げられる。仮固定層は、取り扱い性及びキャリア剥離性を高度に両立できる観点から、光、熱等の外部刺激によって剥離しやすくなることが好ましい。仮固定層は、仮固定層が後に製造される有機インターポーザ10に残存しないように剥離可能である観点から、加熱処理によって体積膨張する樹脂を含有することが特に好ましい。
基板11と配線15aとの間に仮固定層が設けられる場合、配線15aはピーラブル銅箔の銅箔から形成されてもよい。この場合、基板11がピーラブル銅箔の支持体に相当し、仮固定層がピーラブル銅箔の剥離層に相当する。
次に、第2ステップとして、図3(b)に示されるように、配線15aを覆うように、基板11上に絶縁層23を形成する。第2ステップでは、ネガ型感光性樹脂を含むフィルム状の絶縁層23を基板11に貼り付けることによって配線15aを覆う。そして、必要に応じて、絶縁層23に露光処理、現像処理、硬化処理等を施す。
次に、第3ステップとして、図3(c)に示されるように、絶縁層23上に絶縁層24を形成することによって絶縁層21を形成する。第3ステップでは、第2ステップと同様に、ネガ型感光性樹脂を含むフィルム状の絶縁層24を絶縁層23に貼り付ける。そして、必要に応じて、絶縁層24に露光処理、現像処理、硬化処理等を施す。
次に、第4ステップとして、図4(a),(b)に示されるように、絶縁層21に複数の溝部21a及び開口21bを形成する(第1工程とも呼称する)。第4ステップでは、例えば、レーザアブレーション、フォトリソグラフィー又はインプリントによって複数の溝部21a及び開口21bを形成する。溝部21aの微細化及び形成コストの観点から、フォトリソグラフィーを適用することが好ましい。このため、絶縁層21に露光処理及び現像処理を施すことによって複数の溝部21aを形成する。また、開口21bは、配線15aを露出するように形成される。絶縁層21に感光性樹脂を用いることにより、溝部21aのパターンを短時間且つ平滑に形成することができる。このため、後述する配線を高周波特性に優れたものとすることができる。
上記フォトリソグラフィーにおいて感光性樹脂を露光する方法としては、公知の投影露光方式、コンタクト露光方式、直描露光方式等を用いることができる。また、感光性樹脂を現像するために、例えば、炭酸ナトリウム、TMAH等のアルカリ性水溶液を用いてもよい。
上記第4ステップにおいては、複数の溝部21a及び開口21bを形成した後、絶縁層21を更に加熱硬化させてもよい。この場合、例えば、加熱温度を100~200℃に設定し、加熱時間を30分~3時間に設定し、絶縁層21を加熱硬化する。
次に、第5ステップとして、図5(a),(b)に示されるように、溝部21aの内面を覆うように絶縁層21上にバリア金属膜14を形成する(第2工程とも呼称する)。第5ステップでは、例えば、塗布法、PVD法、金属ペーストを用いた印刷法若しくはスプレー法、又は、種々のめっき法によってバリア金属膜14を形成する。塗布法の場合、パラジウム又はニッケルの錯体を絶縁層21上に塗布した後に加熱することによってバリア金属膜14を形成する。金属ペーストを用いる場合、ニッケル、パラジウム等の金属粒子を含有するペーストを絶縁層21上に塗布した後に焼結することによってバリア金属膜14を形成する。本実施形態では、PVD法の一つであるスパッタリングによってバリア金属膜14を形成する。なお、バリア金属膜14は、開口21bの内面も覆うように形成される。
次に、第6ステップとして、図6(a),(b)に示されるように、溝部21aを埋めるようにバリア金属膜14上に配線材料層13Aを形成する(第3工程とも呼称する)。第6ステップでは、例えば、金属ペーストを用いた方法、又は、バリア金属膜14をシード層としためっき法によって配線材料層13Aを形成する。配線材料層13Aの厚さは、絶縁層21の厚さの0.5~3倍であることが好ましい。配線材料層13Aの厚さが0.5倍以上である場合、後工程で形成される配線13の表面粗さRaの拡大を抑制できる傾向にある。また、配線材料層13Aの厚さが3倍以下である場合、配線材料層13Aの反りを抑え、絶縁層21に対して良好に密着する傾向にある。なお、配線材料層13Aは、開口21bも埋めるように形成される。
次に、第7ステップとして、図7(a),(b)に示されるように、絶縁層21が露出するように配線材料層13Aを薄化する(第4工程とも呼称する)。第7ステップでは、配線材料層13Aにおいて溝部21a及び開口21b外の部分と、バリア金属膜14において溝部21a又は開口21bを覆わない部分とを除去することによって、絶縁層21を露出させると共に配線材料層13Aを薄化する。これにより、溝部21a内に埋め込まれる配線13を形成する。この薄化処理は、絶縁層21と配線13とを併せた面の平坦化処理としてもよい。この場合、CMP又はフライカット法によって配線材料層13A及びバリア金属膜14の対象部分を除去すると共に、絶縁層21の表面を研磨又は研削して平坦化する。以上により、配線13と、バリア金属膜14と、絶縁層24とにより構成される配線層25が形成される。
第7ステップにおいてCMPを用いる場合、スラリとして、例えば、一般的に樹脂の研磨に用いられるアルミナが配合されたスラリと、バリア金属膜14の研磨に用いられる過酸化水素及びシリカが配合されたスラリと、配線材料層13Aの研磨に用いられる、過酸化水素及び過硫酸アンモニウムが配合されたスラリとを用いることができる。コストを低減すると共に表面粗さRaを0.01~1μmに制御する観点から、アルミナが配合されたスラリを用いて絶縁層21、バリア金属膜14及び配線材料層13A(配線13)を研削することが好ましい。CMPを用いた場合、高コストになる傾向がある。また、絶縁層21、バリア金属膜14及び配線材料層13A(配線13)を同時に平坦化する場合、研磨速度の違いによって配線13にディッシングが生じ、結果として絶縁層21と配線13とを併せた面の平坦性が大きく損なわれる傾向がある。このため、上記面の表面粗さRaを0.03~0.1μmにする観点から、サーフェスプレーナーを用いたフライカット法によって絶縁層21、バリア金属膜14及び配線材料層13A(配線13)を研削することがより好ましい。
次に、第8ステップとして、図8(a),(b)に示されるように、絶縁層21上に絶縁層22を形成する(第6工程とも呼称する)。第8ステップでは、ネガ型感光性樹脂を含むフィルム状の絶縁層22を絶縁層21に貼り付ける。絶縁層22は、絶縁層21と同一のフィルムでもよく、異なる感光性樹脂を用いて形成されてもよい。配線13を構成する金属の拡散防止の観点から、絶縁層22に対しては、現像処理を施さないことが好ましい。
次に、第9ステップとして、図9(a)に示されるように、絶縁層22に開口22aを形成する。第9ステップでは、配線15bを露出するように開口22aを形成する。開口22aは、例えば、フォトリソグラフィー等によって形成される。
次に、第10ステップとして、図9(b)に示されるように、開口22aに金属材料を充填して配線15cを形成することによってスルー配線15を形成する。第10ステップでは、例えば、PVD法又は種々のめっき法によって配線15cを形成する。金属材料としては、銅、ニッケル、スズ等が挙げられる。第10ステップ後、表面配線16等を形成することによって、図2に示される有機インターポーザ10が得られる。なお、仮固定層が設けられている場合、基板11から有機インターポーザ10を剥離してもよい。
以上に説明した構成を有する有機インターポーザ10によれば、配線13と、絶縁層21及び絶縁層22とがバリア金属膜14によって仕切られている。このため、配線13内における金属材料の絶縁積層体への拡散がバリア金属膜14によって抑制される。したがって、拡散した金属材料を介した複数の配線13同士の短絡を抑制できるので、有機インターポーザ10の絶縁信頼性を向上できる。
絶縁積層体12は、配線13が配置された複数の溝部21aを有する絶縁層21と、配線13を埋め込むように絶縁層21に積層された絶縁層22とを含んでいる。このため、複数の配線13のそれぞれは、絶縁層21の溝部21aに沿った形状を有する。このため、微細な幅及び間隔を有する複数の溝部21aを形成することによって微細な配線13を容易に形成できる。
バリア金属膜14は、配線13と溝部21aの内面との間に設けられている。このため、配線13内における金属材料の絶縁層21への拡散は、バリア金属膜14によって良好に抑制される。
バリア金属膜14は、チタン、ニッケル、パラジウム、クロム、タンタル、タングステン及び金の少なくとも一つを含んでいる。チタン、ニッケル、パラジウム、クロム、タンタル、タングステン及び金は、いずれも絶縁層21及び絶縁層22に拡散しにくいので、有機インターポーザ10の絶縁信頼性を更に向上できる。
絶縁層21の厚さは、1~10μmであってもよい。この場合、絶縁層21を用いて、10μm以下の幅及び間隔を有する複数の溝部21aを形成できる。
本実施形態に係る有機インターポーザ10の製造方法によれば、第4ステップ~第6ステップを経ることにより、各溝部21aの内面と配線材料層13Aとの間にバリア金属膜14を形成できる。このため、配線13内における金属材料の絶縁層21への拡散は、バリア金属膜14によって抑制される。したがって、拡散した金属材料を介した複数の配線13同士の短絡を抑制できるので、有機インターポーザ10の絶縁信頼性を向上できる。
第6ステップでは、バリア金属膜14をシード層としためっき法によって配線材料層13Aを形成してもよい。この場合、絶縁層21と配線材料層13Aとの間にバリア金属膜14が挟持されるように配線材料層13Aを形成できる。これにより、配線材料層13A内における金属材料の絶縁層21への拡散が良好に抑制される。
なお、有機インターポーザ10内の配線13は、例えば、セミアディティブ法によって形成されることも考えられる。セミアディティブ法とは、シード層を形成し、所望のパターンを有するレジストをシード層上に形成し、シード層における露出した部分を電解めっき法等により厚膜化し、レジストを除去した後、薄いシード層をエッチングして所望の配線を得る方法である。しかしながら、セミアディティブ法を適用した場合、薄いシード層をエッチングする際に配線に加わるダメージが大きい。加えて、配線の絶縁層に対する密着強度の確保が困難である。このため、セミアディティブ法を用いて、例えば、5μm以下のライン幅とスペース幅とを有する微細な配線を形成する場合、有機インターポーザの歩留まりが大きく低下する傾向にある。したがって、本実施形態では、この歩留まり低下を抑制するために、第4工程にて絶縁層21に溝部21aを設け、当該溝部21a内に配線13を形成するトレンチ法が採用されている。
以上、本開示の一実施形態に係る有機インターポーザ及びその製造方法について説明したが、本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を行ってもよい。例えば、絶縁層21に形成される溝部21aの断面形状は、略矩形状に限らず、略台形状、略半円状等の他の形状でもよい。
上記実施形態において、配線13、バリア金属膜14、配線15a~15c、表面配線16等は、それぞれ単層構造を有してもよく、複数の導電層からなる多層構造を有してもよい。
上記実施形態では、絶縁層21は絶縁層23及び絶縁層24の両方を含んでいるが、これに限られない。例えば、絶縁層21は、単層構造でもよい。この場合、上記製造方法における第2ステップ及び第3ステップをまとめた1ステップにでき、有機インターポーザ10の製造工程を簡略化できる。
以下、実施例により本開示を具体的に説明する。但し、本開示は下記の実施例に限定されるものではない。
<ポリイミドの合成>
(PI-1)
温度計、攪拌機、冷却管及び窒素流入管を装着した300mLフラスコ中に1,12-ドデカメチレンジアミン(別名:1,12-ジアミノドデカン)9.0g(0.045mol)、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(別名:1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ビス(3-アミノプロピル)ジシロキサン)2.5g(0.010mol)、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン16.4g(0.040mol)、及び、N-メチル-2-ピロリドン100gを加えた後に撹拌して各成分を溶解させることにより溶液を得た。その後、この溶液にデカメチレンビストリメリテート二無水物(1,10-(デカメチレン)ビス(トリメリテート無水物))52.2g(0.10mol)を少量ずつ添加した。室温で1時間反応させた後、窒素ガスを吹き込みながら180℃で2時間加熱することにより、ポリイミド(PI-1)の溶液を得た。得られたポリイミドの重量平均分子量MwをGPCで測定したところ、ポリスチレン換算で55000であった。また、得られたポリイミドのTgは120℃であった。
(PI-2)
温度計、攪拌機、冷却管及び窒素流入管を装着した300mLフラスコ中に1,12-ドデカメチレンジアミン15.0g(0.075mol)、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(別名:1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ビス(3-アミノプロピル)ジシロキサン)5.0g(0.020mol)、及び、N-メチル-2-ピロリドン100gを加えた後に撹拌して各成分を溶解させて溶液を得た。その後、この溶液に4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸二無水物)41.6g(0.080mol)と、デカメチレンビストリメリテート二無水物(1,10-(デカメチレン)ビス(トリメリテート無水物))10.4g(0.020mol)とを少量ずつ添加した。室温で1時間反応させた後、窒素ガスを吹き込みながら180℃で2時間加熱することにより、ポリイミド(PI-2)の溶液を得た。得られたポリイミドの重量平均分子量MwをGPCで測定したところ、ポリスチレン換算で45000であった。また、得られたポリイミドのTgは80℃であった。
(PI-3)
温度計、攪拌機、冷却管及び窒素流入管を装着した300mLフラスコ中に1,12-ドデカメチレンジアミン15.0g(0.075mol)、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(別名:1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ビス(3-アミノプロピル)ジシロキサン)5.0g(0.020mol)、及び、N-メチル-2-ピロリドン100gを加えた後に撹拌して各成分を溶解させて溶液を得た。その後、この溶液に4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸二無水物)52.0g(0.10mol)を少量ずつ添加した。室温で1時間反応させた後、窒素ガスを吹き込みながら180℃で2時間加熱することにより、ポリイミド(PI-3)の溶液を得た。得られたポリイミドの重量平均分子量MwをGPCで測定したところ、ポリスチレン換算で42000であった。また、得られたポリイミドのTgは100℃であった。
(PI-4)
温度計、攪拌機、冷却管及び窒素流入管を装着した300mLフラスコ中に1,6-ヘキサメチレンジアミン5.22g(0.045mol)、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(別名:1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ビス(3-アミノプロピル)ジシロキサン)2.5g(0.010mol)、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン16.4g(0.040mol)、及び、N-メチル-2-ピロリドン100gを加えた後に撹拌して各成分を溶解させて溶液を得た。その後、この溶液にデカメチレンビストリメリテート二無水物(1,10-(デカメチレン)ビス(トリメリテート無水物))52.2g(0.10mol)を少量ずつ添加した。室温で1時間反応させた後、窒素ガスを吹き込みながら180℃で2時間加熱することにより、ポリイミド(PI-4)の溶液を得た。得られたポリイミドの重量平均分子量MwをGPCで測定したところ、ポリスチレン換算で58000であった。また、得られたポリイミドのTgは150℃であった。
(PI-5)
温度計、攪拌機、冷却管及び窒素流入管を装着した300mLフラスコ中にポリオキシプロピレンジアミン(三井化学ファイン株式会社製、商品名「D-400」)18.0g(0.045mol)、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(別名:1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ビス(3-アミノプロピル)ジシロキサン)2.5g(0.010mol)、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン16.4g(0.040mol)、及び、N-メチル-2-ピロリドン100gを加えた後に撹拌して各成分を溶解させて溶液を得た。その後、この溶液に4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸二無水物)52.0g(0.10mol)を少量ずつ添加した。室温で1時間反応させた後、窒素ガスを吹き込みながら180℃で2時間加熱することにより、ポリイミド(PI-5)の溶液を得た。得られたポリイミドの重量平均分子量MwをGPCで測定したところ、ポリスチレン換算で45000であった。また、得られたポリイミドのTgは80℃であった。
<感光性樹脂組成物の調製>
(実施例1)
ポリイミドPI-1(100質量部、固形分)に対し、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(20質量部)、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)(BASF社製、商品名「I-OXE02」、5質量部)、及び、シクロペンタノン(100質量部)を配合して感光性樹脂組成物を得た。
(実施例2)
ポリイミドとしてPI-2を用いたこと以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を得た。
(実施例3)
ポリイミドとしてPI-3を用いたこと以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を得た。
(実施例4)
ポリイミドとしてPI-4を用いたこと以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を得た。
(比較例1)
ポリイミドとしてPI-5を用いたこと以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を得た。
<評価>
(電気特性(誘電正接))
上述の感光性樹脂組成物を高精度平行露光機(株式会社オーク製作所製、商品名「EXM-1172-B-∞」)で200mJ/cmの条件で露光処理した後、ホットプレート上で100℃、2分の条件で加熱し、さらに、オーブンで220℃、1時間の条件で加熱して熱硬化させて厚さ300μmの感光性樹脂組成物の硬化物を得た。硬化物を長さ60mm、幅2mmに切断した後に30℃で6時間真空乾燥して得られた試験片を作製した。誘電正接は、10GHzにおいて得られる共振周波数と無負荷Q値とから算出した。測定は、キーサイトテクノロジー社製のベクトル型ネットワークアナライザE8364Bと、株式会社関東電子応用開発製のCP531(10GHz共振器)及びCPMA-V2(プログラム)とを用いて温度25℃で実施した。
(微細加工性(解像性))
上述の感光性樹脂組成物からなる厚さ2μmの層をシリコンウェハ上に形成した後、高精度平行露光機(株式会社オーク製作所製、商品名「EXM-1172-B-∞」)を用いて200mJ/cmの条件で露光処理した後、100℃、2分の条件で加熱し、さらに、220℃、1時間の条件で加熱硬化して第1の絶縁層を形成した。その後、上述の感光性樹脂組成物からなる厚さ2μmの層を更に形成した後、ウシオ電機株式会社製の投影露光機「UX-74101SC」(商品名)を用いて、フォーカス±0μm、露光量1000mJ/cmの条件で露光した。その後、現像液としてシクロペンタノンを用いて25℃で20秒間の条件でパドル現像を実施し、5μm径及び10μm径のビア(開口)を有する第2の絶縁層を第1の絶縁層上に形成した。顕微鏡によって5μm径及び10μm径のビアの解像性を評価した。ビアが良好に形成された最小の径を評価した。
(絶縁信頼性)
絶縁信頼性の評価のため、図10に示す測定評価用試料50を以下のようにして作製した。まず、旭有機材株式会社製のクレゾールノボラック樹脂「TR-4020G」(商品名、100質量部)に対し、1,3,4,6-テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル(30質量部)、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(40質量部)、トリアリールスルホニウム塩(サンアプロ株式会社、商品名「CPI-310B」、8質量部)、及び、メチルエチルケトン(100質量部)を配合して絶縁材料を得た。得られた絶縁材料を帝人デュポンフィルム株式会社製のポリエチレンテレフタレートフィルム「A-53」(商品名)に塗布した後、90℃のオーブンで10分間乾燥して厚さ3μmの感光性材料52を得た。
厚さ150mmのシリコンウェハ51に厚さ3μmの上述の感光性材料52を貼り付けた後、当該感光性材料52を露光処理及び熱硬化した。次に、上述の感光性樹脂組成物を含む厚さ10μmの感光性材料を貼り付けた。そして、フォトマスクを用いて当該感光性材料を露光処理した後、現像処理及び熱硬化することにより絶縁層53を形成した。これにより、絶縁層53をパターニングし、互いにかみ合うように櫛歯状になっている溝部(第1の溝部)53a及び溝部(第2の溝部)53bと、溝部53a同士を結ぶ接続部(第1の接続部)53cと、溝部53b同士を結ぶ接続部(第2の接続部)53dとを形成した。溝部53aの幅と溝部53bの幅とをそれぞれ2μmに設定した。これらの幅は、配線のライン幅Lに相当する。また、隣り合う溝部53aと溝部53bとの距離(スペース幅S)を2μmに設定し、それぞれの溝の長さを1mmに設定した。
次に、スパッタリングによって絶縁層53の表面及び各溝部の内壁上に、チタンを含む厚さ0.05μmのバリア金属膜54を形成した。次に、バリア金属膜54をシード層とした電解めっき法によって、溝部53a、溝部53b、接続部53c及び接続部53dを埋めるように銅層を形成した。次に、サーフェスプレーナーを用いたフライカット法によって、銅層の一部と、バリア金属膜54において溝部53a、溝部53b、接続部53c及び接続部53dの内面を覆わない部分とを研削した。これにより、溝部53aに埋められる配線(第1の配線)55aと、溝部53bに埋められる配線(第2の配線)55bと、接続部53cに埋められる接続配線(第1の接続配線)55cと、接続部53dに埋められる接続配線(第2の接続配線)55dとを形成した。サーフェスプレーナーとして、オートマチックサーフェスプレーナー(株式会社ディスコ製、商品名「DAS8930」)を用いた。また、フライカット法による研削では、送り速度を1mm/sに設定し、スピンドル回転数を2000min-1に設定した。
次に、接続配線55cの一部と、接続配線55dの一部とを露出させるように、上述の感光性樹脂組成物を含む厚さ5μmの感光性材料を貼り付けた。そして、高精度平行露光機(株式会社オーク製作所製、商品名「EXM-1172-B-∞」)を用いて200mJ/cmの条件で当該感光性材料を露光処理した後、100℃、2分の条件で加熱し、さらに、220℃、1時間の条件で加熱硬化して硬化物層56を得た。これにより、図10(a),(b)に示される測定評価用試料50を形成した。この測定評価用試料50においては、配線55aと接続配線55cとが互いに接続されていると共にバリア金属膜54及び硬化物層56によって覆われている。以上により、絶縁層53と、バリア金属膜54と、配線55aと、配線55bと、により構成される配線層57が得られた。
次に、測定評価用試料50の絶縁信頼性を確認するため、以下に説明する高加速度寿命試験(HAST:Highly Accelerated Stress Test)を行った。この試験では、湿度85%、130℃の条件下において接続配線55cと接続配線55dとに3.3Vの電圧を印加し、所定の時間にわたって静置した。これにより、時間経過に伴う配線55aと配線55bとの絶縁性の変化を測定した。この試験では、配線55aと配線55bとの間の抵抗値が、試験開始から200時間経過時に1×10Ω以上であれば「A」と評価し、試験開始から200時間経過前に1×10Ω未満となれば「B」と評価した。
(評価結果)
実施例1の誘電正接は0.005、解像性は10μm、絶縁信頼性は「A」であった。実施例2の誘電正接は0.008、解像性は5μm、絶縁信頼性は「A」であった。実施例3の誘電正接は0.008、解像性は10μm、絶縁信頼性は「A」であった。実施例4の誘電正接は0.01、解像性は5μm、絶縁信頼性は「A」であった。比較例1の誘電正接は0.03、解像性は5μm、絶縁信頼性は「B」であった。
10…有機インターポーザ(半導体装置)、13,55a,55b…配線、24,53…絶縁層、25,57…配線層。

Claims (8)

  1. 開口を有する絶縁部と、前記開口の内部に配置された配線と、を備える配線層における前記絶縁部を形成するための感光性樹脂組成物であって、
    テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応物であるポリイミド(A)と、2つ以上の炭素-炭素二重結合を有する化合物(B)と、を含有し、
    前記ジアミンが、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ヘプタメチレンジアミン、1,8-オクタメチレンジアミン、1,9-ノナメチレンジアミン、2-メチル-1,8-オクタメチレンジアミン、1,10-デカメチレンジアミン、1,11-ウンデカメチレンジアミン、1,12-ドデカメチレンジアミン、1,13-トリデカメチレンジアミン、1,16-ヘキサデカメチレンジアミン、1,18-オクタデカメチレンジアミン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、及び、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも一種を10~80mol%含み、
    前記(B)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対して5~70質量部である、感光性樹脂組成物(但し、(I)脂環式テトラカルボン酸二無水物、環状の脂肪族ジアミン、及び鎖状の脂肪族ジアミンを縮合した構造を有するポリイミド100質量部に対し(II)3官能以上の多官能光重合性モノマー20~200質量部、(III)光重合開始剤0.02~40質量部を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物を除く)
  2. 前記ジアミンが1,12-ドデカメチレンジアミンを含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記ジアミンが1,6-ヘキサメチレンジアミンを含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記ジアミンが5~50mol%のシロキサンジアミンを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記ポリイミドのガラス転移温度が60~220℃である、請求項1~4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 重合開始剤を更に含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 開口を有する絶縁部と、前記開口の内部に配置された配線と、を備え、
    前記絶縁部が、請求項1~6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物又はその硬化物を含む、配線層。
  8. 請求項7に記載の配線層を備える、半導体装置。
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