JP7182603B2 - 保護膜形成用複合シート及び保護膜付き半導体チップの製造方法 - Google Patents
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Description
本願は、2018年3月9日に日本に出願された特願2018-043566号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
保護膜は、ダイシング工程やパッケージングの後に、半導体チップにおいてクラックが発生するのを防止するために利用される。
[1]基材と、粘着剤層と、熱硬化性保護膜形成用フィルムとをこの順に備え、
前記粘着剤層の、70℃における貯蔵弾性率(G’(70))が0.16MPa以下であり、23℃における貯蔵弾性率(G’(23))が0.10MPa以上である、保護膜形成用複合シート。
[2]前記粘着剤層の、70℃における貯蔵弾性率(G’(70))が0.01MPa以上である、前記[1]に記載の保護膜形成用複合シート。
[3]前記粘着剤層の、23℃における貯蔵弾性率(G’(23))が0.45MPa以下である、前記[1]又は[2]に記載の保護膜形成用複合シート。
[4]前記粘着剤層が、非エネルギー線硬化性又はエネルギー線硬化性である、前記[3]に記載の保護膜形成用複合シート。
[5]前記粘着剤層の厚さが、3~20μmである、前記[3]又は[4]に記載の保護膜形成用複合シート。
半導体ウエハの内部にレーザー光を照射して、半導体ウエハの内部に改質層を形成する工程と、
前記積層体を常温よりも低い温度でクールエキスパンドして、前記半導体ウエハ及び前記熱硬化性保護膜形成用フィルムを分割する工程と、
前記積層体の前記熱硬化性保護膜形成用フィルムを加熱硬化して保護膜とする工程と、を備える保護膜付き半導体チップの製造方法。
本発明の保護膜形成用複合シートは、基材と、粘着剤層と、熱硬化性保護膜形成用フィルムとをこの順に備え、前記粘着剤層の、70℃における貯蔵弾性率(G’(70))が0.16MPa以下であり、23℃における貯蔵弾性率(G’(23))が0.10MPa以上であるものである。
すなわち、粘着剤層の、70℃における貯蔵弾性率(G’(70))は、0.16MPa以下であり、0.01MPa以上0.16MPa以下が好ましく、0.01MPa以上0.15MPa以下がより好ましく、0.01MPa以上0.10MPa以下がさらに好ましく、0.01MPa以上0.06MPa以下が特に好ましく、0.02MPa以上0.06MPa以下が最も好ましい。
また、保護膜形成用複合シートの粘着剤層と、熱硬化性保護膜形成用フィルムとの間の密着性が担保でき、保護膜付き半導体チップのピックアップ時に、目的外の保護膜付き半導体チップのピックアップが抑制され、チップ飛散を防ぎ、目的とする保護膜付き半導体チップを高選択的にピックアップできるよう、粘着剤層の、23℃における貯蔵弾性率(G’(23))が1.0MPa以下であることが好ましく、0.7MPa以下であることがより好ましく、0.4MPa以下であることが特に好ましい。
すなわち、粘着剤層の、23℃における貯蔵弾性率(G’(23))は0.10MPa以上であり、0.10MPa以上1.0MPa以下が好ましく、0.15MPa以上0.7MPa以下がより好ましく、0.20MPa以上0.4MPa以下がさらに好ましく、0.25MPa以上0.4MPa以下が特に好ましい。
本明細書において、少なくとも前記基材及び前記粘着剤層が積層されてなるものを「支持シート」と称することがある。
本明細書において、「クールエキスパンド」とは、常温よりも低い温度(例えば、-20~10℃)で、半導体ウエハの面に平行な方向に拡げる力を加えることをいう。
本明細書において、「貯蔵弾性率」は、厚さ200μmの粘着剤層の積層体を試料として、動的粘弾性測定装置を用いて、引張モード、周波数11Hz、昇温速度3℃/min、測定温度範囲-20℃~150℃、測定間隔1℃の測定条件で測定された値をいう。
ここに示す保護膜形成用複合シート1は、基材11と、粘着剤層12と、熱硬化性保護膜形成用フィルム13とをこの順に備える。粘着剤層12の、70℃における貯蔵弾性率(G’(70))は0.16MPa以下であり、23℃における貯蔵弾性率(G’(23))は0.10MPa以上である。また、保護膜形成用複合シート1は、さらに熱硬化性保護膜形成用フィルム13上に剥離フィルム15を備えており、剥離フィルム15は保護膜形成用複合シート1の使用時に取り除かれる。熱硬化性保護膜形成用フィルム13は熱硬化することによって保護膜となる。
ここに示す保護膜形成用複合シート2は、粘着剤層12の表面12aの全面に熱硬化性保護膜形成用フィルム23が積層され、熱硬化性保護膜形成用フィルム23の表面23aの一部に治具用接着剤層16が積層され、熱硬化性保護膜形成用フィルム23の表面23aのうち、治具用接着剤層16が積層されていない露出面と、治具用接着剤層16の表面16a(上面及び側面)に、剥離フィルム15が積層されている点以外は、図1に示す保護膜形成用複合シート1と同じものである。
これに対して、加熱硬化して得られる保護膜の引張弾性率(ヤング率ともいう)は、23±2℃で、1×108~5.4×109Pa程度まで硬くなる。
なお、保護膜形成用フィルム又は保護膜の引張弾性率(ヤング率ともいう)は、JIS K7161:1994に準じて測定できる。
以下、本発明に係る保護膜形成用複合シートの各構成について、詳細に説明する。
前記基材は、シート状又はフィルム状であり、その構成材料としては、動的粘弾性測定をしたときの-15℃における損失正接(tanδ)が0.05以上である耐寒性に優れたポリマーであって、かつ、80℃における貯蔵弾性率(G’(80))が35.0MPa以上である耐熱性に優れたポリマーを選択することが好ましい。例えば、耐熱性に優れるポリマーとしてはいわゆる硬いもの、Tgの高いポリマー、耐寒性に優れるポリマーとしてはいわゆる柔らかいもの、Tgの低いポリマーが良いと考えられる。
-15℃における損失正接(tanδ)は、貯蔵弾性率の測定と同様の条件により求めることができる。
ここで、「基材の厚さ」とは、基材全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる基材の厚さとは、基材を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
基材が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい基材の厚さとなるようにするとよい。
基材表面の前記表面粗さRaは、JIS B0601:2001に準拠して求められる、いわゆる算術平均粗さを意味する。
基材表面の前記表面粗さRaは、例えば、基材の成形条件や、表面処理条件等により、調節できる。
基材表面の前記表面粗さRaが、例えば、0.01~0.2μmである場合、このような基材を備えた保護膜形成用複合シートは、上述の半導体ウエハの内部に改質層を形成して半導体ウエハを個片化する際に用いるのに好適である。
基材裏面の前記表面粗さRaは、例えば、基材の成形条件や、表面処理条件等により、調節できる。
また、基材の材質である樹脂は、熱可塑性樹脂の押出形成によりシート化されたものであってもよいし、延伸されたものであってもよく、硬化性樹脂の公知の手段による薄層化及び硬化によって、シート化されたものであってもよい。
また、基材は、着色されたものであってもよいし、印刷が施されたものであってもよい。
ポリプロピレンを含有する基材は、例えば、ポリプロピレンのみからなる単層又は複数層の基材であってもよいし、ポリプロピレン層とポリプロピレン以外の樹脂層とが積層されてなる複数層の基材であってもよい。
保護膜形成用フィルムは、基材が耐熱性を有することで、熱硬化性保護膜形成用フィルムを加熱硬化する条件下でも支持シートが撓んでしまうことを効果的に抑制できる。
また、基材は、表面がプライマー処理を施されたものであってもよい。
また、基材は、帯電防止コート層、保護膜形成用複合シートを重ね合わせて保存する際に、基材が他のシートに接着することや、基材が吸着テーブルに接着することを防止する層等を有するものであってもよい。
前記粘着剤層は、シート状又はフィルム状であり、含有する粘着剤の物性を、70℃における貯蔵弾性率(G’(70))は0.16MPa以下、23℃における貯蔵弾性率(G’(23))は0.10MPa以上に、調整したものである。
前記粘着剤としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルエーテル、ポリカーボネート、エステル系樹脂等の粘着性樹脂が挙げられ、アクリル系樹脂が好ましい。
ここで、「粘着剤層の厚さ」とは、粘着剤層全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる粘着剤層の厚さとは、粘着剤層を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
紫外線は、例えば、紫外線源として高圧水銀ランプ、ヒュージョンランプ、キセノンランプ、ブラックライト又はLEDランプ等を用いることで照射できる。電子線は、電子線加速器等によって発生させたものを照射できる。
本発明において、「エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線を照射することにより硬化する性質を意味し、「非エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線を照射しても硬化しない性質を意味する。
粘着剤層は、粘着剤を含有する粘着剤組成物を用いて形成できる。例えば、粘着剤層の形成対象面に粘着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、目的とする部位に粘着剤層を形成できる。粘着剤層のより具体的な形成方法は、他の層の形成方法とともに、後ほど詳細に説明する。粘着剤組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、粘着剤層の前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。ここで、「常温」とは、先に説明したとおりである。
前記粘着剤組成物(I-1)は、上述の様に、非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I-1a)と、エネルギー線硬化性化合物と、を含有する。
前記粘着性樹脂(I-1a)は、アクリル系樹脂であることが好ましい。
前記アクリル系樹脂としては、例えば、少なくとも(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位を有するアクリル系重合体が挙げられる。
前記アクリル系樹脂が有する構成単位は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。前記アクリル系樹脂が有する構成単位が、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、より具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸n-ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリルともいう)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル((メタ)アクリル酸ミリスチルともいう)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル((メタ)アクリル酸パルミチルともいう)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル((メタ)アクリル酸ステアリルともいう)、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸イコシル等が挙げられる。
前記官能基含有モノマーとしては、例えば、前記官能基が後述する架橋剤と反応することで架橋の起点となり、前記官能基が後述する不飽和基含有化合物中の不飽和基と反応することで、アクリル系重合体の側鎖に不飽和基の導入を可能とするものが挙げられる。
すなわち、官能基含有モノマーとしては、例えば、水酸基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー等が挙げられる。
前記他のモノマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等と共重合可能なものであれば特に限定されない。
前記他のモノマーとしては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド等が挙げられる。
一方、前記アクリル系重合体中の官能基に、エネルギー線重合性不飽和基(エネルギー線重合性基ともいう)を有する不飽和基含有化合物を反応させたものは、上述のエネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I-2a)として使用できる。
粘着剤組成物(I-1)が含有する前記エネルギー線硬化性化合物としては、エネルギー線重合性不飽和基を有し、エネルギー線の照射により硬化可能なモノマー又はオリゴマーが挙げられる。
エネルギー線硬化性化合物のうち、モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-へキサンジオール(メタ)アクリレート等の多価(メタ)アクリレート;ウレタン(メタ)アクリレート;ポリエステル(メタ)アクリレート;ポリエーテル(メタ)アクリレート;エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エネルギー線硬化性化合物のうち、オリゴマーとしては、例えば、上記で例示したモノマーが重合してなるオリゴマー等が挙げられる。
エネルギー線硬化性化合物は、分子量が比較的大きく、粘着剤層の貯蔵弾性率を低下させにくいという点では、ウレタン(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。
粘着性樹脂(I-1a)として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位以外に、さらに、官能基含有モノマー由来の構成単位を有する前記アクリル系重合体を用いる場合、粘着剤組成物(I-1)は、さらに架橋剤を含有することが好ましい。
架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、これらジイソシアネートのアダクト体等のイソシアネート系架橋剤(イソシアネート基を有する架橋剤ともいう);エチレングリコールグリシジルエーテル等のエポキシ系架橋剤(グリシジル基を有する架橋剤ともいう);ヘキサ[1-(2-メチル)-アジリジニル]トリフオスファトリアジン等のアジリジン系架橋剤(アジリジニル基を有する架橋剤ともいう);アルミニウムキレート等の金属キレート系架橋剤(金属キレート構造を有する架橋剤ともいう);イソシアヌレート系架橋剤(イソシアヌル酸骨格を有する架橋剤ともいう)等が挙げられる。
粘着剤の凝集力を向上させて粘着剤層の粘着力を向上させる点、及び入手が容易である等の点から、架橋剤はイソシアネート系架橋剤であることが好ましい。
粘着剤組成物(I-1)は、さらに光重合開始剤を含有していてもよい。光重合開始剤を含有する粘着剤組成物(I-1)は、紫外線等の比較的低エネルギーのエネルギー線を照射しても、十分に硬化反応が進行する。
また、前記光重合開始剤としては、例えば、1-クロロアントラキノン等のキノン化合物;アミン等の光増感剤等を用いることもできる。
粘着剤組成物(I-1)は、本発明の効果を損なわない範囲内において、上述のいずれの成分にも該当しない、その他の添加剤を含有していてもよい。
前記その他の添加剤としては、例えば、帯電防止剤、酸化防止剤、軟化剤(可塑剤ともいう)、充填材(フィラーともいう)、防錆剤、着色剤(顔料、染料等)、増感剤、粘着付与剤、反応遅延剤、架橋促進剤(触媒ともいう)等の公知の添加剤が挙げられる。
なお、反応遅延剤とは、例えば、粘着剤組成物(I-1)中に混入している触媒の作用によって、保存中の粘着剤組成物(I-1)において、目的としない架橋反応が進行するのを抑制するものである。反応遅延剤としては、例えば、触媒に対するキレートによってキレート錯体を形成するものが挙げられ、より具体的には、1分子中にカルボニル基(-C(=O)-)を2個以上有するものが挙げられる。
粘着剤組成物(I-1)は、溶媒を含有していてもよい。粘着剤組成物(I-1)は、溶媒を含有していることで、塗工対象面への塗工適性が向上する。
前記粘着剤組成物(I-2)は、上述の様に、非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I-1a)の側鎖に不飽和基が導入されたエネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I-2a)を含有する。
前記粘着性樹脂(I-2a)は、例えば、粘着性樹脂(I-1a)中の官能基に、エネルギー線重合性不飽和基を有する不飽和基含有化合物を反応させることで得られる。
前記エネルギー線重合性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基(エテニル基ともいう)、アリル基(2-プロペニル基ともいう)等が挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
粘着性樹脂(I-1a)中の官能基と結合可能な基としては、例えば、水酸基又はアミノ基と結合可能なイソシアネート基及びグリシジル基、並びにカルボキシ基又はエポキシ基と結合可能な水酸基及びアミノ基等が挙げられる。
粘着性樹脂(I-2a)として、例えば、粘着性樹脂(I-1a)におけるものと同様の、官能基含有モノマー由来の構成単位を有する前記アクリル系重合体を用いる場合、粘着剤組成物(I-2)は、さらに架橋剤を含有していてもよい。
粘着剤組成物(I-2)が含有する架橋剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。架橋剤が2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I-2)は、さらに光重合開始剤を含有していてもよい。光重合開始剤を含有する粘着剤組成物(I-2)は、紫外線等の比較的低エネルギーのエネルギー線を照射しても、十分に硬化反応が進行する。
粘着剤組成物(I-2)が含有する光重合開始剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。光重合開始剤が2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I-2)は、本発明の効果を損なわない範囲内において、上述のいずれの成分にも該当しない、その他の添加剤を含有していてもよい。
粘着剤組成物(I-2)における前記その他の添加剤としては、粘着剤組成物(I-1)におけるその他の添加剤と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(I-2)が含有するその他の添加剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。その他の添加剤が2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I-2)は、粘着剤組成物(I-1)の場合と同様の目的で、溶媒を含有していてもよい。
粘着剤組成物(I-2)における前記溶媒としては、粘着剤組成物(I-1)における溶媒と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(I-2)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。溶媒が2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I-2)において、溶媒の含有量は特に限定されず、適宜調節すればよい。
前記粘着剤組成物(I-3)は、上述の様に、前記粘着性樹脂(I-2a)と、エネルギー線硬化性化合物と、を含有する。
粘着剤組成物(I-3)が含有する前記エネルギー線硬化性化合物としては、エネルギー線重合性不飽和基を有し、エネルギー線の照射により硬化可能なモノマー及びオリゴマーが挙げられ、粘着剤組成物(I-1)が含有するエネルギー線硬化性化合物と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(I-3)が含有する前記エネルギー線硬化性化合物は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。前記エネルギー線硬化性化合物が、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I-3)は、さらに光重合開始剤を含有していてもよい。光重合開始剤を含有する粘着剤組成物(I-3)は、紫外線等の比較的低エネルギーのエネルギー線を照射しても、十分に硬化反応が進行する。
粘着剤組成物(I-3)が含有する光重合開始剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。光重合開始剤が、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I-3)は、本発明の効果を損なわない範囲内において、上述のいずれの成分にも該当しない、その他の添加剤を含有していてもよい。
前記その他の添加剤としては、粘着剤組成物(I-1)におけるその他の添加剤と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(I-3)が含有するその他の添加剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。その他の添加剤が、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I-3)は、粘着剤組成物(I-1)の場合と同様の目的で、溶媒を含有していてもよい。
粘着剤組成物(I-3)における前記溶媒としては、粘着剤組成物(I-1)における溶媒と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(I-3)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。溶媒が2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I-3)において、溶媒の含有量は特に限定されず、適宜調節すればよい。
ここまでは、粘着剤組成物(I-1)、粘着剤組成物(I-2)及び粘着剤組成物(I-3)について主に説明したが、これらの含有成分として説明したものは、これら3種の粘着剤組成物以外の全般的な粘着剤組成物(本明細書においては、「粘着剤組成物(I-1)~(I-3)以外の粘着剤組成物」と称する)でも、同様に用いることができる。
非エネルギー線硬化性の粘着剤組成物としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルエーテル、ポリカーボネート、エステル系樹脂等の、非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I-1a)を含有する粘着剤組成物(I-4)が挙げられ、アクリル系樹脂を含有するものが好ましい。
粘着剤組成物(I-4)で好ましいものとしては、例えば、前記粘着性樹脂(I-1a)と、架橋剤と、を含有するものが挙げられる。
粘着剤組成物(I-4)における粘着性樹脂(I-1a)としては、粘着剤組成物(I-1)における粘着性樹脂(I-1a)と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(I-4)が含有する粘着性樹脂(I-1a)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。粘着性樹脂(I-1a)が、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着性樹脂(I-1a)として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位以外に、さらに、官能基含有モノマー由来の構成単位を有する前記アクリル系重合体を用いる場合、粘着剤組成物(I-4)は、さらに架橋剤を含有することが好ましい。
粘着剤組成物(I-4)が含有する架橋剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。架橋剤が2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I-4)は、本発明の効果を損なわない範囲内において、上述のいずれの成分にも該当しない、その他の添加剤を含有していてもよい。
前記その他の添加剤としては、粘着剤組成物(I-1)におけるその他の添加剤と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(I-4)が含有するその他の添加剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。その他の添加剤が、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I-4)は、粘着剤組成物(I-1)の場合と同様の目的で、溶媒を含有していてもよい。
粘着剤組成物(I-4)における前記溶媒としては、粘着剤組成物(I-1)における溶媒と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(I-4)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。溶媒が2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
粘着剤組成物(I-4)において、溶媒の含有量は特に限定されず、適宜調節すればよい。
粘着剤組成物(I-1)~(I-3)や、粘着剤組成物(I-4)等の粘着剤組成物(I-1)~(I-3)以外の粘着剤組成物は、前記粘着剤と、必要に応じて前記粘着剤以外の成分等の、粘着剤組成物を構成するための各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15~30℃であることが好ましい。
支持シートは、前記基材及び前記粘着剤層が積層されてなるものであり、ダイシング工程等で保護膜形成用フィルムの表面を保護するためのダイシングシート等の役割を果たすものに相当する。
ここで、「支持シートの厚さ」とは、基材の厚さ及び粘着剤層の厚さの合計値を意味する。
なお、支持シートは、少なくとも一方の面が凹凸面となり得るが、支持シートの厚さは、支持シートのこの凹凸面における凸部を含む部位では、この凸部の先端を一方の起点として算出すればよい。
なお、本明細書において、「厚さ」は、無作為に選択した5箇所で、例えば、定圧厚さ測定器を用いて厚さを測定し、測定値の平均を算出することにより取得できる。
一方、支持シートにおいて、波長532nmの光の透過率の上限値は特に限定されないが、例えば、95%とすることが可能である。
すなわち、支持シートにおいて、波長532nmの光の透過率は30%以上95%以下が好ましく、50%以上95%以下がより好ましく、70%以上95%以下が特に好ましい。
一方、支持シートにおいて、波長1064nmの光の透過率の上限値は特に限定されないが、例えば、95%とすることが可能である。同様に、支持シートにおいて、波長1342nmの光の透過率の上限値は特に限定されないが、例えば、95%とすることが可能である。
すなわち、支持シートにおいて、波長1064nmの光の透過率は30%以上95%以下が好ましく、50%以上95%以下がより好ましく、70%以上95%以下が特に好ましい。同様に、支持シートにおいて、波長1342nmの光の透過率は30%以上95%以下が好ましく、50%以上95%以下がより好ましく、70%以上95%以下が特に好ましい。
前記熱硬化性保護膜形成用フィルムは、熱硬化性であり、熱硬化を経て最終的には耐衝撃性が高い保護膜となる。この保護膜は、例えば、ダイシング工程以降の半導体チップにおける、クラックの発生を防止する。
保護膜形成用フィルムは、後述する熱硬化性保護膜形成用組成物を用いて形成できる。
すなわち、幅が25mmで長さが任意の保護膜形成用複合シートをその保護膜形成用フィルムにより被着体へ貼付する。
次いで、保護膜形成用フィルムを熱硬化させて、保護膜を形成した後、被着体へ貼付されているこの保護膜から、支持シートを剥離速度300mm/minで剥離させる。このときの剥離は、保護膜及び粘着剤層の互いに接触していた面同士が180°の角度を為すように、支持シートをその長さ方向(保護膜形成用複合シートの長さ方向)へ剥離させる、いわゆる180°剥離とする。そして、この180°剥離のときの荷重(剥離力)を測定し、その測定値を前記粘着力(mN/25mm)とする。
すなわち、保護膜形成用フィルムと粘着剤層との間の粘着力は、80~4000mN/25mmが好ましく、100~4000mN/25mmがより好ましく、150~3000mN/25mmがさらに好ましく、200~2000mN/25mmが特に好ましい。
ただし、これらは一例である。
一方、支持シートにおける保護膜形成用フィルムを設ける層が、基材である場合には、保護膜又は保護膜形成用フィルムと支持シートとの間の粘着力は、基材の構成材料以外に、基材の表面状態でも調節できる。そして、基材の表面状態は、例えば、基材の他の層との密着性を向上させるものとして先に挙げた表面処理、すなわち、サンドブラスト処理、溶剤処理等による凹凸化処理;コロナ放電処理、電子線照射処理、プラズマ処理、オゾン・紫外線照射処理、火炎処理、クロム酸処理、熱風処理等の酸化処理;プライマー処理等のいずれかを施すことで、調節できる。
エネルギー線硬化性成分(a)は、未硬化であることが好ましく、粘着性を有することが好ましく、未硬化でかつ粘着性を有することがより好ましい。
ここで、「保護膜形成用フィルムの厚さ」とは、保護膜形成用フィルム全体の厚さを意味する。例えば、複数層からなる保護膜形成用フィルムの厚さとは、保護膜形成用フィルムを構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
例えば、熱硬化性保護膜形成用フィルムの硬化時の加熱温度は、100℃以上200℃以下であることが好ましく、110℃以上180℃以下であることがより好ましく、120℃以上170℃以下であることが特に好ましい。そして、前記硬化時の加熱時間は、0.5時間以上5時間以下であることが好ましく、0.5時間以上3時間以下であることがより好ましく、1時間以上2時間以下であることが特に好ましい。
熱硬化性保護膜形成用フィルムは、その構成材料を含有する熱硬化性保護膜形成用組成物を用いて形成できる。例えば、熱硬化性保護膜形成用フィルムの形成対象面に熱硬化性保護膜形成用組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、目的とする部位に熱硬化性保護膜形成用フィルムを形成できる。熱硬化性保護膜形成用組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、熱硬化性保護膜形成用フィルムの前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。ここで、「常温」とは、先に説明したとおりである。
熱硬化性保護膜形成用組成物としては、例えば、重合体成分(A)及び熱硬化性成分(B)を含有する熱硬化性保護膜形成用組成物(III-1)(本明細書においては、「保護膜形成用組成物(III-1)」と略記することがある)等が挙げられる。
重合体成分(A)は、熱硬化性保護膜形成用フィルムに造膜性や可撓性等を付与するための重合体化合物である。
保護膜形成用組成物(III-1)及び熱硬化性保護膜形成用フィルムが含有する重合体成分(A)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。重合体成分(A)が2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10000~2000000であることが好ましく、100000~1500000であることがより好ましい。アクリル系樹脂の重量平均分子量が前記下限値以上であることで、熱硬化性保護膜形成用フィルムの形状安定性(保管時の経時安定性)が向上する。また、アクリル系樹脂の重量平均分子量が前記上限値以下であることで、被着体の凹凸面へ熱硬化性保護膜形成用フィルムが追従し易くなり、被着体と熱硬化性保護膜形成用フィルムとの間でボイド等の発生がより抑制される。
なお、本明細書において、「重量平均分子量」とは、特に断りのない限り、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値を意味する。
本明細書において「ガラス転移温度(Tg)」とは、示差走査熱量計を用いて、試料のDSC曲線を測定し、得られたDSC曲線の変曲点の温度で表される。
(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アラルキルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルオキシアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸イミド;
(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸N-メチルアミノエチル等の置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。ここで、「置換アミノ基」とは、アミノ基の1個又は2個の水素原子が水素原子以外の基で置換されてなる基を意味する。
前記熱可塑性樹脂を用いることで、保護膜の支持シートからの剥離性が向上し、被着体の凹凸面へ熱硬化性保護膜形成用フィルムが追従し易くなり、被着体と熱硬化性保護膜形成用フィルムとの間でボイド等の発生がより抑制されることがある。
熱硬化性成分(B)は、熱硬化性保護膜形成用フィルムを硬化させて、硬質の保護膜を形成するための成分である。
保護膜形成用組成物(III-1)及び熱硬化性保護膜形成用フィルムが含有する熱硬化性成分(B)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。熱硬化性成分(B)が、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
エポキシ系熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂(B1)及び熱硬化剤(B2)からなる。
保護膜形成用組成物(III-1)及び熱硬化性保護膜形成用フィルムが含有するエポキシ系熱硬化性樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。エポキシ系熱硬化性樹脂が、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
エポキシ樹脂(B1)としては、公知のものが挙げられ、例えば、多官能系エポキシ樹脂、ビフェニル化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂等、2官能以上のエポキシ化合物が挙げられる。
また、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂を構成する芳香環等に、不飽和炭化水素基を有する基が直接結合した化合物等が挙げられる。
不飽和炭化水素基は、重合性を有する不飽和基であり、その具体的な例としては、エテニル基(ビニル基ともいう)、2-プロペニル基(アリル基ともいう)、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基等が挙げられ、アクリロイル基が好ましい。
なお、本明細書において「誘導体」とは、元の化合物の1個以上の水素原子が水素原子以外の基(置換基)で置換されてなるものを意味する。
本明細書において、「数平均分子量」は、特に断らない限り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定される標準ポリスチレン換算の値で表される数平均分子量を意味する。
エポキシ樹脂(B1)のエポキシ当量は、100~1100g/eqであることが好ましく、150~1000g/eqであることがより好ましい。
本明細書において、「エポキシ当量」とは、1グラム当量のエポキシ基を含むエポキシ化合物のグラム数(g/eq)を意味し、JIS K 7236:2001の方法に従って測定することができる。
熱硬化剤(B2)は、エポキシ樹脂(B1)に対する硬化剤として機能する。
熱硬化剤(B2)としては、例えば、1分子中にエポキシ基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。前記官能基としては、例えば、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシ基、酸基が無水物化された基等が挙げられ、フェノール性水酸基、アミノ基、又は酸基が無水物化された基であることが好ましく、フェノール性水酸基又はアミノ基であることがより好ましい。
熱硬化剤(B2)のうち、アミノ基を有するアミン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド(以下、「DICY」と略記することがある)等が挙げられる。
不飽和炭化水素基を有する熱硬化剤(B2)としては、例えば、フェノール樹脂の水酸基の一部が、不飽和炭化水素基を有する基で置換されてなる化合物、フェノール樹脂の芳香環に、不飽和炭化水素基を有する基が直接結合してなる化合物等が挙げられる。
熱硬化剤(B2)における前記不飽和炭化水素基は、上述の不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂における不飽和炭化水素基と同様のものである。
前記熱活性潜在性エポキシ樹脂硬化剤は、常温では熱硬化性保護膜形成用フィルムにおいて、エポキシ樹脂(B1)中に安定して分散しているが、加熱によってエポキシ樹脂(B1)と相溶し、エポキシ樹脂(B1)と反応する。前記熱活性潜在性エポキシ樹脂硬化剤を用いることで、保護膜形成用複合シートの保存安定性が顕著に向上する。例えば、保護膜形成用フィルムから隣接する支持シートへのこの硬化剤の移動が抑制され、熱硬化性保護膜形成用フィルムの熱硬化性の低下が効果的に抑制される。そして、熱硬化性保護膜形成用フィルムの加熱による熱硬化性がより高くなるため、後述する保護膜付き半導体チップのピックアップ性がより向上する。
熱硬化剤(B2)のうち、例えば、ビフェノール、ジシアンジアミド等の非樹脂成分の分子量は、特に限定されないが、例えば、60~500であることが好ましい。
保護膜形成用組成物(III-1)及び熱硬化性保護膜形成用フィルムは、硬化促進剤(C)を含有していてもよい。硬化促進剤(C)は、保護膜形成用組成物(III-1)の硬化速度を調整するための成分である。
好ましい硬化促進剤(C)としては、例えば、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第3級アミン;2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類(1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換されたイミダゾールともいう);トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類(1個以上の水素原子が有機基で置換されたホスフィンともいう);テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等が挙げられる。
保護膜形成用組成物(III-1)及び熱硬化性保護膜形成用フィルムは、充填材(D)を含有していてもよい。熱硬化性保護膜形成用フィルムが充填材(D)を含有することにより、熱硬化性保護膜形成用フィルムを硬化して得られた保護膜は、熱膨張係数の調整が容易となり、この熱膨張係数を保護膜の形成対象物に対して最適化することで、保護膜形成用複合シートを用いて得られたパッケージの信頼性がより向上する。また、熱硬化性保護膜形成用フィルムが充填材(D)を含有することにより、保護膜の吸湿率を低減したり、放熱性を向上させたりすることもできる。
好ましい無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化ケイ素、窒化ホウ素等の粉末;これら無機充填材を球形化したビーズ;これら無機充填材の表面改質品;これら無機充填材の単結晶繊維;ガラス繊維等が挙げられる。
これらの中でも、無機充填材は、シリカ又はアルミナであることが好ましい。
保護膜形成用組成物(III-1)及び熱硬化性保護膜形成用フィルムは、カップリング剤(E)を含有していてもよい。カップリング剤(E)として、無機化合物又は有機化合物と反応可能な官能基を有するものを用いることにより、熱硬化性保護膜形成用フィルムの被着体に対する接着性及び密着性を向上させることができる。また、カップリング剤(E)を用いることで、熱硬化性保護膜形成用フィルムを硬化して得られた保護膜は、耐熱性を損なうことなく、耐水性が向上する。
好ましい前記シランカップリング剤としては、例えば、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシジルオキシメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、3-(フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3-アニリノプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシラン等が挙げられる。
重合体成分(A)として、上述のアクリル系樹脂等の、他の化合物と結合可能なビニル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、イソシアネート基等の官能基を有するものを用いる場合、保護膜形成用組成物(III-1)及び熱硬化性保護膜形成用フィルムは、前記官能基を他の化合物と結合させて架橋するための架橋剤(F)を含有していてもよい。架橋剤(F)を用いて架橋することにより、熱硬化性保護膜形成用フィルムの初期接着力及び凝集力を調節できる。
本発明においては、架橋剤(F)を用いなくても、本発明の効果が十分に得られる。
保護膜形成用組成物(III-1)は、エネルギー線硬化性樹脂(G)を含有していてもよい。熱硬化性保護膜形成用フィルムは、エネルギー線硬化性樹脂(G)を含有していることにより、エネルギー線の照射によって特性を変化させることができる。
前記エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、分子内に少なくとも1個の重合性二重結合を有する化合物が挙げられ、(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート系化合物が好ましい。
保護膜形成用組成物(III-1)は、エネルギー線硬化性樹脂(G)を含有する場合、エネルギー線硬化性樹脂(G)の重合反応を効率よく進めるために、光重合開始剤(H)を含有していてもよい。
保護膜形成用組成物(III-1)及び熱硬化性保護膜形成用フィルムは、着色剤(I)を含有していてもよい。
着色剤(I)としては、例えば、無機系顔料、有機系顔料、有機系染料等、公知のものが挙げられる。
保護膜形成用組成物(III-1)及び熱硬化性保護膜形成用フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲内において、汎用添加剤(J)を含有していてもよい。
汎用添加剤(J)は、公知のものでよく、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、ゲッタリング剤等が挙げられる。
保護膜形成用組成物(III-1)及び熱硬化性保護膜形成用フィルムの汎用添加剤(J)の含有量は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択すればよい。
保護膜形成用組成物(III-1)は、さらに溶媒を含有することが好ましい。溶媒を含有する保護膜形成用組成物(III-1)は、取り扱い性が良好となる。
前記溶媒は特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素;メタノール、エタノール、2-プロパノール、イソブチルアルコール(2-メチルプロパン-1-オールともいう)、1-ブタノール等のアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン等のエーテル;ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等のアミド(アミド結合を有する化合物ともいう)等が挙げられる。
保護膜形成用組成物(III-1)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。溶媒が2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
保護膜形成用組成物(III-1)等の熱硬化性保護膜形成用組成物は、これを構成するための各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15~30℃であることが好ましい。
しかし、ダイシングダイボンディングシートが備える接着剤層は、半導体チップとともに支持シートからピックアップされた後、この半導体チップを基板、リードフレーム、又は他の半導体チップ等に取り付ける際の接着剤として機能する。一方、本発明の保護膜形成用複合シートにおける保護膜形成用フィルムは、半導体チップとともに支持シートからピックアップされる点では前記接着剤層と同じであるが、最終的には硬化によって保護膜となり、貼付されている半導体チップの裏面を保護するという機能を有する。このように、本発明における保護膜形成用フィルムは、ダイシングダイボンディングシートにおける接着剤層とは、用途が異なり、求められる性能も当然に異なる。そして、この用途の違いを反映して、保護膜形成用フィルムは、通常、ダイシングダイボンディングシートにおける接着剤層と比較すると、硬めで、ピックアップが難しい傾向にある。したがって、ダイシングダイボンディングシートにおける接着剤層を、そのまま保護膜形成用複合シートにおける保護膜形成用フィルムとして転用することは、通常、困難である。本発明の保護膜形成用複合シートは、熱硬化性保護膜形成用フィルムを備えたものとしては、保護膜付き半導体チップのピックアップ適性に関して、優れたものが要求される。
本発明の保護膜形成用複合シートは、上述の各層を対応する位置関係となるように順次積層することで製造できる。各層の形成方法は、先に説明したとおりである。
例えば、支持シートを製造するときに、基材上に粘着剤層を積層する場合には、基材上に上述の粘着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させればよい。
ただし、これら2層のうちの後から積層する層は、別の剥離フィルム上に前記組成物を用いてあらかじめ形成しておき、この形成済みの層の前記剥離フィルムと接触している側とは反対側の露出面を、既に形成済みの残りの層の露出面と貼り合わせることで、連続する2層の積層構造を形成することが好ましい。このとき、前記組成物は、剥離フィルムの剥離処理面に塗工することが好ましい。剥離フィルムは、積層構造の形成後、必要に応じて取り除けばよい。
いずれの方法においても、剥離フィルムは目的とする積層構造を形成後の任意のタイミングで取り除けばよい。
本発明に係る保護膜付き半導体チップの製造方法は、前記保護膜形成用複合シートの前記熱硬化性保護膜形成用フィルムの側に半導体ウエハを積層して積層体とする工程と、
半導体ウエハの内部にレーザー光を照射して、半導体ウエハの内部に改質層を形成する工程と、
前記積層体を常温よりも低い温度でクールエキスパンドして、前記半導体ウエハ及び前記熱硬化性保護膜形成用フィルムを分割する工程と、
前記積層体の前記熱硬化性保護膜形成用フィルムを加熱硬化して保護膜とする工程と、を備える。
まず、半導体ウエハ18の裏面を所望の厚さに研削してから、保護膜形成用複合シート2の熱硬化性保護膜形成用フィルム23に裏面研削後の半導体ウエハ18の裏面を貼付するとともに、保護膜形成用複合シート2をリングフレーム17に固定する(図3(a))。半導体ウエハ18の表面(電極形成面)にバックグラインドテープ20が貼付されている場合には、このバックグラインドテープ20を半導体ウエハ18から取り除く。
以降は、従来法と同様の方法で、得られた保護膜付き半導体チップを、この保護膜が貼付された状態のまま、基板の回路面にフリップチップ接続した後、半導体パッケージとする。そして、この半導体パッケージを用いて、目的とする半導体装置を作製すればよい。
保護膜形成用組成物の製造に用いた成分を以下に示す。
・重合体成分
(a):メチルアクリレート85質量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート15質量部を共重合してなるアクリル系重合体(重量平均分子量:37万。Tg:6℃)
・エポキシ樹脂
(b1)-1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製jER828、エポキシ当量184~194g/eq)
(b1)-2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製jER1055、エポキシ当量800~900g/eq)
(b1)-3:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC社製エピクロンHP-7200HH、エポキシ当量255~260g/eq)
・硬化剤
(b2):ジシアンジアミド(ADEKA製、アデカハードナーEH-3636AS、活性水素量21g/eq))
・硬化促進剤
(c):2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業社製キュアゾール2PHZ)
・充填剤
(d)シリカフィラー(アドマテックス社製SC2050MA 平均粒子径0.5μm)
・カップリング剤
(e):シランカップリング剤(日本ユニカー製、A-1110)
・着色剤
(i):黒色顔料(大日精化工業製)
・重合体成分
(A1):(メタ)アクリル酸エステル共重合体(2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)80質量部、2-ヒドロキシルエチルアクリレート(HEA)20質量部を共重合して得た共重合体。重量平均分子量:80万)
・架橋剤成分
(C):3官能キシレンジイソシアネート系架橋剤(三井武田ケミカル社製、商品名「タケネート(登録商標)D-110N」)
・重合体成分
(A1):(メタ)アクリル酸エステル共重合体(2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)80質量部、2-ヒドロキシルエチルアクリレート(HEA)20質量部を共重合して得た共重合体。重量平均分子量:80万)
・架橋剤成分
(C):3官能キシレンジイソシアネート系架橋剤(三井武田ケミカル社製、商品名「タケネート(登録商標)D-110N」)
・重合体成分
(A1):(メタ)アクリル酸エステル共重合体(2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)60質量部、メタクリル酸メチル(MMA)30質量部、2-ヒドロキシルエチルアクリレート(HEA)10質量部を共重合して得た共重合体。重量平均分子量:80万)
・架橋剤成分
(C):3官能キシレンジイソシアネート系架橋剤(三井武田ケミカル社製、商品名「タケネート(登録商標)D-110N」)
<保護膜形成用複合シートの製造>
基材として、ポリプロピレン(PP)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)の混合樹脂からなる3層の透明フィルム(厚さ:80μm、23℃のヤング率50MPa、マット面/ツヤ面基材)のマット面に、上記で得られた粘着剤組成物(I-4-1)を塗工し、100℃で2分加熱乾燥させることにより、基材の一方の表面上に、厚さ5μmの非エネルギー線硬化性の粘着剤層を備えた透明な支持シート(10)-1を得た。マット面に粘着剤組成物を塗工したことにより、マット面が埋め込まれ光散乱が減り、透明性が向上した。
ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルム(リンテック社製「SP-PET381031」、厚さ38μm)の前記剥離処理面に、上記で得られた保護膜形成用組成物(III-1)をダイコーターにより塗工し、100℃で2分乾燥させることにより、厚さ25μmの熱硬化性保護膜形成用フィルム(13)-1を作製した。
定圧厚さ測定器(テクロック社製、製品名「PG-02」)を用いて測定した。
粘着剤組成物(I-4-1)を、剥離シートの剥離面に塗布して粘着剤層を形成し、別途用意した剥離シートの剥離面を露出している粘着剤層に圧着し、剥離シート/粘着剤層/剥離シートからなる粘着シートを作製した。その粘着シートから剥離シートを剥がし、粘着剤層を厚さ200μmになるように複数層積層した。得られた粘着剤層の積層体から、30mm×4mmの矩形(厚さ:200μm)を打ち抜き、これを測定用試料とした。
保護膜形成用複合シートを作製してから23℃の条件下で1週間の養生後、この試験片について、保護膜形成用フィルムと支持シート(粘着剤層)との間の粘着力を、以下の方法で測定した。
幅25mm、長さ250mmに裁断した保護膜形成用複合シートの剥離フィルムを除去し、露出面をミラーウエハに、保護膜形成層がミラーウエハ表面に接するように2kgローラーで一往復させ、貼付した。23℃、50%RH環境下で20分静置した後、保護膜形成用フィルムと支持シートの粘着剤層との間で、その角度が180°となるように、剥離速度300mm/minで剥離した。この剥離力(mN/25mm)を保護膜形成用フィルムと粘着剤層との間の粘着力(硬化前)とした。
裏面研削済のバックグラインドテープ付きのシリコンウエハ(直径:8インチ、厚さ:150μm、研削面:♯2000)の研削面に、保護膜形成用複合シートの保護膜形成層面を、テープマウンター(リンテック社製ADWILL RAD-2700)を用いて70℃に加熱しながら貼付した。バックグラインドテープを剥離した後、シリコンウエハに対して、レーザーソー(ディスコ社製,DFF7361)を用いて、波長1342nmのレーザー光を研削面側から照射して、シリコンウエハ内部にチップサイズが7mm×7mmとなるように改質層を形成した。次に、エキスパンダー(ディスコ社製、DDS2300)を用いて、突き上げ高さ:20mm、突き上げ速度:20mm/s、温度:-15℃にてクールエキスパンドして、シリコンウエハを7mm×7mmのチップに個片化するとともに、熱硬化性保護膜形成用フィルムを割断した。そして、治具(サブリング)を支持シートに装着してエキスパンドした状態を保持し、支持シートと反対側(すなわち、チップ側)に粘着シートを貼付した。
浮き有り・・・粘着剤層と熱硬化性保護膜形成用フィルムとの間の浮き(剥がれ)が見られた。
同様に、裏面研削済のバックグラインドテープ付きの、裏面研削済みシリコンウエハの内部にチップサイズが7mm×7mmとなるようにレーザーで改質層を形成し、シリコンウエハの研削面に、保護膜形成用複合シートの保護膜形成層面を70℃に加熱しながら貼付した。エキスパンダー(ディスコ社製、DDS2300)により、突き上げ高さ:20mm、突き上げ速度:20mm/s、温度:-15℃にてクールエキスパンドし、7mm×7mmのチップに個片化するとともに、熱硬化性保護膜形成用フィルムを割断した。そして、治具(サブリング)を支持シートに装着してエキスパンドした状態を保持し、支持シートと反対側(すなわち、チップ側)に粘着シートを貼付した。その後、130℃,2時間の条件で加熱硬化を行い、熱硬化性保護膜形成用フィルムを保護膜にした。
浮き無し・・・粘着剤層と保護層との間の浮き(剥がれ)が見られない。
浮き有り・・・粘着剤層と保護層との間の浮き(剥がれ)が見られた。
裏面研削済のバックグラインドテープ付きのシリコンウエハ(直径:6インチ、厚さ:150μm、研削面:♯2000)に対して、レーザーソー(ディスコ社製,DFF7361)を用いて、波長1342nmのレーザー光を研削面側から照射して、シリコンウエハ内に5mm×5mmの大きさに改質層を形成した。テープマウンター(リンテック社製ADWILL RAD-2700)を用いて、シリコンウエハの研削面に、保護膜形成用複合シートの保護膜形成用フィルムの面を70℃に加熱しながら貼付した。エキスパンダー(ディスコ社製、DDS2300)を用いて、突き上げ高さ:20mm、突き上げ速度:20mm/s、温度:-15℃にてクールエキスパンドし、支持シートにサブリングを装着して拡張された状態を固定した。これにより、5mm×5mmのチップに個片化するとともに、保護膜形成用フィルムを割断した。
×・・・10個のチップについて試験をしたうち、少なくとも1個のチップについて、チップの欠け・チップからの保護層の剥がれが発生した。
<保護膜形成複合用シートの製造及び評価>
実施例1で用いた粘着剤組成物(I-4-1)を粘着剤組成物(I-4-2)に変更したした他は、実施例1と同様にして、比較例1の保護膜形成用複合シートを作製した。
<保護膜形成複合用シートの製造及び評価>
実施例1で用いた粘着剤組成物(I-4-1)を粘着剤組成物(I-4-3)に変更したした他は、実施例1と同様にして、比較例1の保護膜形成用複合シートを作製した。
比較例1の保護膜形成用複合シートを用いた半導体チップの製造では、粘着剤層の、70℃における貯蔵弾性率(G’(70))が0.16MPa以下であるが、23℃における貯蔵弾性率(G’(23))が0.10MPaよりも小さいために、クールエキスパンドした後に粘着剤層と熱硬化性保護膜形成用フィルムとの間の浮きは、70℃の貼付条件下で消失したが、保護膜付き半導体チップが粘着剤層に密着しすぎたため、良好にピックアップできなかった。
比較例2の保護膜形成用複合シートは、ダイシングブレードを用いて半導体ウエハを保護膜ごと分割する方法に用いられる一般的な組成の複合シートである。比較例2の保護膜形成用複合シートを用いた半導体チップの製造では、粘着剤層の、23℃における貯蔵弾性率(G’(23))が0.10MPa以上であるが、70℃における貯蔵弾性率(G’(70))が0.16MPaよりも大きいために、クールエキスパンドした後に生じた粘着剤層と熱硬化性保護膜形成用フィルムとの間の浮きがその後の130℃の熱硬化の条件でも消失せず、浮き痕が残ってしまった。
Claims (6)
- 基材と、粘着剤層と、熱硬化性保護膜形成用フィルムとをこの順に備え、
前記粘着剤層の、70℃における貯蔵弾性率(G’(70))が0.16MPa以下であり、23℃における貯蔵弾性率(G’(23))が0.10MPa以上である、保護膜形成用複合シート。 - 前記粘着剤層の、70℃における貯蔵弾性率(G’(70))が0.01MPa以上である、請求項1に記載の保護膜形成用複合シート。
- 前記粘着剤層の、23℃における貯蔵弾性率(G’(23))が0.45MPa以下である、請求項1又は2に記載の保護膜形成用複合シート。
- 前記粘着剤層が、非エネルギー線硬化性又はエネルギー線硬化性である、請求項3に記載の保護膜形成用複合シート。
- 前記粘着剤層の厚さが、3~20μmである、請求項3又は4に記載の保護膜形成用複合シート。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の保護膜形成用複合シートの前記熱硬化性保護膜形成用フィルムの側に半導体ウエハを積層して積層体とする工程と、
半導体ウエハの内部にレーザー光を照射して、半導体ウエハの内部に改質層を形成する工程と、
前記積層体を常温よりも低い温度でクールエキスパンドして、前記半導体ウエハ及び前記熱硬化性保護膜形成用フィルムを分割する工程と、
前記積層体の前記熱硬化性保護膜形成用フィルムを加熱硬化して保護膜とする工程と、を備える保護膜付き半導体チップの製造方法。
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