以下、添付図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態は、本発明を具体的に実施した場合の一例を示すもので、特許請求の範囲に記載した構成の具体的な実施例にすぎない。特に、本発明に係る洗浄装置、洗浄システム、及び洗浄方法は、脱臭対象の気体を脱臭することを主目的とする装置、システム、及び方法には限定されない。本発明に係る洗浄装置、洗浄システム、及び洗浄方法は、気体を洗浄するものであり、脱臭以外の様々な目的で使用可能である。例えば、本発明に係る洗浄装置、洗浄システム、及び洗浄方法は、気体中の除菌対象の除菌のために用いることもできる。したがって、本発明に係る洗浄装置、洗浄システム、及び洗浄方法は、脱臭以外を主目的としているが脱臭に用いることが可能な装置、システム、及び方法を含む。以下、脱臭対象の気体を脱臭することを主目的とする(湿式)脱臭装置、脱臭システム、及び脱臭方法を例として、本発明の実施形態を説明する。
[実施形態1]
実施形態1に係る湿式脱臭装置は、流入口と、洗浄部と、流出口と、洗浄液供給部と、気泡供給部と、を備えている。図1(A)(B)は、それぞれ、実施形態1に係る湿式脱臭装置の一例の構成を示す概略図である。以下、図1(A)(B)を参照して、本実施形態に係る湿式脱臭装置について説明する。
図1(A)には、本実施形態に係る湿式脱臭装置100Aが示されており、図1(B)には、本実施形態に係る湿式脱臭装置100Bが示されている。これらの湿式脱臭装置100A,Bには流入口110を介して洗浄対象(脱臭対象)の気体が流入し、流入した気体は洗浄液122を用いた洗浄により脱臭され、流出口160を介して流出する。本明細書において、洗浄対象の気体のことを第1の気体と呼ぶことがある。
流入口110からは、脱臭対象の気体が湿式脱臭装置100A,Bの内部へと流入する。例えば、ポンプ(不図示)を用いて、脱臭対象の気体を流入口110へと送ることができる。ここで、気体を流入口110に送るためのポンプは、湿式脱臭装置100A,Bの内部あるいは外部のいずれに配置されていてもよい。脱臭対象の気体の種類は特に限定されない。本実施形態に係る湿式脱臭装置100A,Bが有する高い脱臭性能は、高い臭気濃度を有する気体の脱臭に適している。例えば、脱臭対象の気体としては、食品廃棄物又はし尿を貯蔵する容器からの排気を含む、有機物の発酵により生じた気体が挙げられる。脱臭対象の具体例としては、コンポスト(堆肥製造装置)からの排気が挙げられる。
除去される臭気成分も特に限定されない。ここで、コンポストにおける臭気成分の例としては、アンモニア又はトリメチルアミンのような塩基性成分、メチルメルカプタンのような硫化物成分、アセトアルデヒドのようなアルデヒド成分、又はプロピオン酸のようなカルボン酸成分、等が挙げられる。本実施形態に係る湿式脱臭装置100A,Bは、特にアンモニア濃度の低減に適している。例えば、一実施形態において、脱臭対象の気体が有するアンモニア濃度は、冷却器で冷却された場合は、100ppm以上となり、冷却器で冷却されていない場合は、3000ppm以上である。また、流入口110から流入する脱臭対象の気体は、前段に位置する冷却器又は脱臭装置等の他の装置により処理が行われた後の気体であってもよい。
洗浄部120は、湿式脱臭装置100A,Bに流入した脱臭対象の気体を第1の洗浄液122で洗浄する。洗浄部120は、脱臭対象の気体と第1の洗浄液122とが接触する接触部121と、第1の洗浄液122が貯められている部分と、を有している。一実施形態において、第1の洗浄液122は湿式脱臭装置100A,Bの下部に貯められており、したがって洗浄部120も湿式脱臭装置100A,Bの下部に位置する。
図1(C)は、図1(A)の接触部121のうち1つの拡大図である。図1(C)を用いて、脱臭対象の気体と第1の洗浄液122とを混合する処理について説明する。まず、脱臭対象の気体は、ポンプによって加速されることにより、流路狭窄部123に向かって移動する。図1(A)の例において、脱臭対象の気体は、接触部121に設けられ、第1の洗浄液122の液面と近接している流路狭窄部123を通る。この際、脱臭対象の気体の流れは加速されるために、第1の洗浄液122を伴う渦流が流路狭窄部を通過した後に発生する。このため、脱臭対象の気体と第1の洗浄液122とが効率的に混合され、脱臭対象の気体が洗浄される。このように、洗浄部120は、脱臭対象の気体と第1の洗浄液122とを混合することができ、また一実施形態において脱臭対象の気体と第1の洗浄液122とを互いに攪拌することができる。図1(A)の例において、洗浄部120は流路狭窄部を有する接触部121を2つ有しているが、接触部121の数は特に限定されない。例えば、湿式脱臭装置100A,Bには、より脱臭効率を向上させたい場合には、3以上の接触部(流路狭窄部)を設けてもよい。また、湿式脱臭装置100A,Bを、接触部121の数を1つとすることで、複数の接触部を備える場合よりも小型化することができる。
図1(B)の例では、脱臭対象の気体は、接触部121において第1の洗浄液122の内部を通り、この際に脱臭対象の気体が洗浄される。なお、図1(A)(B)の例においては、流入口110から流入する脱臭対象の気体の圧力のために、第1の洗浄液122の液面の高さは不均一となっている。なお、第1の洗浄液122の液面の高さは、流入口153及び流出口154よりも高く、流出口180よりも低くなるように設定される。また、洗浄中における第1の洗浄液122の液面の高さは、流路狭窄部123と近接している。つまり、流出口180により第1の洗浄液122が排出されることにより、水位が高くなりすぎることを抑制することができ、洗浄に用いた後の第1の洗浄液122を排出することが可能となる。流入口153及び流出口154よりも水位を高く維持することにより、第1の洗浄液122に気泡を供給することが可能となる。
もっとも、洗浄部120の構成はこのようなものに限られない。例えば、洗浄部120において、第1の洗浄液122が噴霧されてもよい。この場合、脱臭対象の気体は、第1の洗浄液122のミストを通過する際に洗浄される。また、洗浄部120において、流入口110から流入した脱臭対象の気体が第1の洗浄液122中にバブリングされてもよく、この場合も脱臭対象の気体を第1の洗浄液122で洗浄できる。
流出口160からは、第1の洗浄液122で洗浄された後の気体が流出する。流出口160から流出した気体は、大気中に放出されてもよいし、脱臭装置等の他の装置によりさらに処理されてもよい。このように、流出口160から排出された後の気体は、流入口110から流入する前の脱臭対象の気体と比較して、脱臭対象の臭気成分が低減される。具体的には、脱臭対象の臭気がコンポストからの臭気である場合、湿式脱臭装置100A,Bで洗浄処理されることにより、少なくともアンモニア濃度が低減される。
次に、湿式脱臭装置100A,Bの内部構造について説明する。湿式脱臭装置100A,Bの内部はいくつかの区画に分類されている。湿式脱臭装置100A,Bは、流入区画131を有しており、この流入区画131に流入口110が設けられている。流入区画131とは、第1の洗浄液122による洗浄が行われる洗浄部120より上流側の部分、すなわち流入口110と洗浄部120との間の区画である。また、湿式脱臭装置100A,Bは、流出区画141を有しており、この流出区画141に流出口160が設けられている。流出区画141とは、第1の洗浄液122による洗浄が行われる洗浄部120より下流側の部分、すなわち洗浄部120と流出口160との間の区画である。
洗浄液供給部130,140は、第1の洗浄液122とは異なる第2の洗浄液を供給する。洗浄液供給部130,140は、洗浄部120での洗浄に用いられる第1の洗浄液122に混ざるように、第2の供給液を供給することができる。ここで、洗浄液供給部130,140は、流入口110と洗浄部120との間、又は洗浄部120と流出口160との間、の少なくとも一方において、脱臭対象の気体が第2の洗浄液で洗浄されるように、第2の洗浄液を供給することができる。例えば、洗浄液供給部130,140は、第2の洗浄液を、流入口110と洗浄部120との間にある空間(すなわち流入区画131)と、洗浄部120と流出口160との間にある空間(すなわち流出区画141)との少なくとも一方に噴霧することができる。
一例として、湿式脱臭装置100Aは、図1(A)に示すように、第2の洗浄液を流入区画131に噴霧する第1の洗浄液供給部130と、第2の洗浄液を流出区画141に噴霧する第2の洗浄液供給部140と、を備えている。第1の洗浄液供給部130は、流入口110から洗浄部120へと向かう気体の流路上で、第2の洗浄液を噴霧する。また、第1の洗浄液供給部130は、洗浄部120から流出口160へと向かう気体の流路上で、第2の洗浄液を噴霧する。もっとも、図1(B)に示す湿式脱臭装置100Bのように、第2の洗浄液供給部140が設けられ、第1の洗浄液供給部130は設けられない構成を採用することもできる。また、洗浄液供給部130,140が第2の洗浄液を噴霧することは必須ではない。例えば、脱臭対象の気体が、第2の洗浄液の内部を気泡として通過するような構成を採用することもできる。
脱臭対象の気体を洗浄した後の第2の洗浄液は、洗浄部120での洗浄に用いられる第1の洗浄液に混ざるように、洗浄液供給部130,140は設けられている。例えば、図1(A)(B)に示されるように、湿式脱臭装置100A,Bは、流入口110、洗浄部120、流出口160を有する単一の洗浄槽を有することができる。そして、洗浄部120における第1の洗浄液122の液面が、第2の洗浄液の供給位置(すなわち洗浄液供給部130,140の位置)よりも低くなるように、洗浄液供給部130,140を配置することができる。
洗浄液供給部130,140は、湿式脱臭装置100A,Bに貯められている第1の洗浄液122を供給するのではなく、装置の外部から供給された第2の洗浄液を供給することができる。このような構成によれば、洗浄液供給部130,140は新鮮な洗浄液を供給することができ、新鮮な洗浄液を用いて脱臭対象の気体を洗浄することができるため、臭気をよりよく低減できる。ここで、新鮮な洗浄液とは、湿式脱臭装置100A,Bにおける脱臭対象の気体の洗浄にまだ用いられていない洗浄液のことを指す。例えば、新鮮な洗浄液は、脱臭対象の気体に含まれる臭気成分が実質的に含有されていない洗浄液でありうる。また、新鮮な洗浄液は、洗浄液自身以外の成分が実質的に含有されていない洗浄水でありうる。もっとも、新鮮な洗浄液は、装置の外部から供給されこの装置においてまだ洗浄に用いられていないのであれば、別の脱臭装置における気体の洗浄に用いられた後の洗浄液であってもよい。このような構成を、第1の洗浄液122を用いて脱臭対象の気体を洗浄する洗浄部120と組み合わせて用いることにより、臭気の除去能力が向上しうる。とりわけ、第2の洗浄液供給部140は、第1の洗浄液122を用いて洗浄した後の気体を、さらに新鮮な洗浄液で洗浄することにより、臭気をよりよく除去することを可能とする。以上のように、洗浄部120での洗浄に用いられる第1の洗浄液122に混ざるように、新鮮な第2の洗浄液を供給しているため、第1の洗浄液122における洗浄対象の成分をより低減することができる。また、後述する流出口180を有する構成であれば、第1の洗浄液122が適宜排出されるため、より新鮮な洗浄液で洗浄することが可能となる。
以下、第1の洗浄液122及び第2の洗浄液についてさらに説明する。第2の洗浄液は特に限定されない。例えば、第2の洗浄液は水であってもよい。また、第2の洗浄液は、アンモニア等の塩基性臭気成分の除去能力が向上するように、pH7未満の弱酸性又は酸性水溶液であってもよい。さらに、脱臭効率を向上させるために、第2の洗浄液は脱臭剤を含有する水溶液であってもよい。脱臭剤の種類は特に限定されず、例えば酸化剤、抗菌剤、又は微生物等でありうる。酸化剤の例としては、オゾン又は次亜塩素酸等が挙げられる。抗菌剤の例としては、キトサン又はカテキン等が挙げられる。
一実施形態において、第2の洗浄液としては、次亜塩素酸又は次亜塩素酸イオンを含有する水溶液が用いられる。この場合、第2の洗浄液のpHは特に限定されないが、活性が向上するように、第2の洗浄液のpHを7以下にすることができる。また、安定性の観点から、第2の洗浄液のpHを5以上にすることができる。pHが5以上7以下の次亜塩素酸又は次亜塩素酸イオンを含有する水溶液は、次亜塩素酸水として知られている。消臭性能の観点から、第2の洗浄液における塩素濃度は100ppm以上とすることができ、又は1000ppm以上とすることができる。一方、経済性の観点から、第2の洗浄液における塩素濃度は、10ppm以上であってもよく、また、500ppm以下であってもよい。
第2の洗浄液は、次亜塩素酸と、炭酸水素イオンと、を含有している次亜塩素酸水であってもよい。このような次亜塩素酸水は、緩衝作用のためにpHが安定するため、その性質も安定している。このような次亜塩素酸水は、水中で次亜塩素酸ナトリウム及び炭酸ガスを混合及び希釈することにより得ることができる。もっとも、水の電解、又は次亜塩素酸ナトリウムと希塩酸との混合のような、他の方法により得られた次亜塩素酸水を、第2の洗浄液として用いることもできる。
第1の洗浄液122は、脱臭対象の気体の洗浄に用いられた後の第2の洗浄液が混合される。このため、一実施形態において、第1の洗浄液122の組成は、第2の洗浄液とは異なっている。例えば、第1の洗浄液122の臭気成分濃度は、第2の洗浄液よりも高くなりうる。また一例として、洗浄液に次亜塩素酸水を用いる場合には、第1の洗浄液122と第2の洗浄液とはpHの値が異なる。つまり、洗浄に用いられた第1の洗浄液122よりも、新鮮な洗浄液である第2の洗浄液は、より次亜塩素散水の理想的なpHの範囲に近い。そのため、第2の洗浄液は、脱臭対象の成分により、次亜塩素散水のpHの値が酸性側若しくはアルカリ性側に近くなる。また、第2の洗浄液の脱臭剤濃度(例えば塩素濃度)を、第1の洗浄液よりも高くすることができる。
第1の洗浄液122の液性は、洗浄液を追加する方法、又は後述する気泡を供給する方法等を用いて調整することができる。一実施形態において、第1の洗浄液としては、次亜塩素酸又は次亜塩素酸イオンを含有する水溶液が用いられる。この場合、第1の洗浄液のpHは特に限定されないが、活性が向上するように、第1の洗浄液のpHを7以下にすることができる。また、安定性の観点から、第1の洗浄液のpHを5以上にすることができる。消臭性能の観点から、第1の洗浄液における塩素濃度は100ppm以上とすることができ、又は1000ppm以上とすることができる。一方、経済性の観点から、第1の洗浄液における塩素濃度は、10ppm以上で、且つ、500ppm以下であってもよい。
気泡供給部150は、第1の洗浄液122に、洗浄対象の気体(脱臭対象の気体、あるいは第1の気体)とは異なる第2の気体の泡を混入させる。気泡供給部150は、湿式脱臭装置100A,Bの外部から供給された気体の泡を、第2の気体の泡として混入させることができる。気泡供給部150の働きにより、洗浄部120における第1の洗浄液122と脱臭対象の気体との接触面積が増加するため、洗浄効率が向上する。一実施形態において、気泡供給部150は、洗浄効率をより向上させるため、第1の洗浄液122にナノバブルを供給する。ナノバブルとは、平均気泡径1μm未満の気泡のことを指す。ナノバブルを用いることにより、第1の洗浄液122を活性化することもできる。また、ナノバブルを用いることにより、第1の洗浄液122中における汚泥の発生を抑制することもできる。なお、気泡供給部150の機能は、第1の洗浄液122と脱臭対象の気体との接触面積を増加させる機能を備えていれば、ナノバブルを供給する機能に限定されるものではない。一実施形態として、気泡供給部150は、第1の洗浄液122にマイクロバブルあるいはミリバブルを供給してもよいし、これらが混合された気泡を供給してもよい。
気泡供給部150が供給する気体の種類は、特に制限されない。例えば、気泡供給部150は、空気を供給してもよい。一方で、気泡供給部150は、第1の洗浄液122の液性を調整する作用を有する気体を、第1の洗浄液122に混入させることができる。このような気体の例としては、二酸化炭素のような酸性ガスが挙げられる。第1の洗浄液122の液性を調整することにより、臭気成分の除去効率を向上させることができる。例えば、第1の洗浄液122は、塩基性成分を吸収するとpHが上昇するが、酸性ガスを用いて第1の洗浄液122のpHを低下させることにより、塩基性成分の除去効率を向上させることができる。また、特に第1の洗浄液122又は第2の洗浄液として次亜塩素酸水を用いる場合、酸性ガスを用いて第1の洗浄液122のpHを低下させることにより、脱臭活性を向上させることができる。また、気泡供給部150は、脱臭作用を有する気体を、第1の洗浄液122に混入させることができる。このような気体の例としては、オゾン等が挙げられる。つまり、脱臭対象の気体がアンモニアを含有し、第1の洗浄液122に次亜塩素酸水を用いる場合には、気泡に酸性ガスを用いることが好適である。このような構成の場合、脱臭処理後の第1の洗浄液122のpHを抑制しつつ、気液接触を増加させることが可能となる。
気泡供給部150の具体的な構成については、特に限定されない。図1(A)(B)には、気泡供給部150の具体的な構成の一例が示されている。これらの例において、気泡供給部150は、流入口153及び流出口154を備える循環路151と、循環路151の中にある第1の洗浄液122に泡を混入させる放出部152と、を備えている。循環路151には、循環路151と洗浄部120との接続部である流入口153を介して、洗浄部120から、洗浄部120に貯められている第1の洗浄液122が流入する。また、循環路151からは、循環路151と洗浄部120との接続部である流出口154を介して、流入した第1の洗浄液が再び洗浄部120へと供給される。このような構成によれば、第1の洗浄液122を攪拌することができる。
前述したように、気泡を供給する方法を用いて第1の洗浄液122の液性を調整する場合、気泡供給部150は、第1の洗浄液122に第2の気体の泡を混入させた後で、第1の洗浄液122を加圧してもよい。このような構成により、第1の洗浄液122から早期に第2の気体が放出されることを抑制し、第1の洗浄液122の液性をより効果的に調整することができる。
具体的な構成例として、気泡供給部150は、循環路151中に設けられ、放出部152の下流に加圧タンクを有していてもよい。この場合、放出部152で第1の洗浄液122中に混入した気泡を、加圧タンク内で効果的に第1の洗浄液122に溶解させることができる。加圧タンク内の圧力は特に制限されず、気泡の種類により選択することができるが、例えば0.2MPa以上であってもよく、また1.0MPa以下又は0.5MPa以下であってもよい。特に、第1の洗浄液122のpHを二酸化炭素で低下させる場合に、このような構成を用いることにより、より効果的にpHを低下させることが可能となる。なお、前述した構成と同様に、洗浄部120において、加圧タンクにより気泡を溶解した第1の洗浄液122が噴霧されてもよい。この場合、脱臭対象の気体は、第1の洗浄液122のミストを通過する際により効果的に洗浄される。
湿式脱臭装置100A,Bは、さらなる構成を有していてもよい。例えば、湿式脱臭装置100A,Bは、第1の洗浄液122を投入するための投入部170を有していてもよい。また、湿式脱臭装置100A,Bは、第1の洗浄液122が流出する流出口180を有していてもよい。一実施形態においては、第1の洗浄液122の量は流出口180により制限される。すなわち、第2の洗浄液が混合されても、第1の洗浄液122はオーバーフローとして流出口180から流出するため、第1の洗浄液122の量が一定量に保たれる。さらに、湿式脱臭装置100A,Bは、底部に排出口190を有していてもよい。排出口190を介して、湿式脱臭装置100A,Bに蓄積した汚泥を排出することができる。さらに、図1(B)に示すように、気液接触効率を向上させるために、第2の洗浄液が噴霧され、脱臭対象の気体が通過する箇所に、充填剤195を設けてもよい。
最後に、一実施形態に係る脱臭方法について、図4(A)のフローチャートを参照して説明する。この脱臭方法は、例えば、上述した実施形態1に係る湿式脱臭装置を用いて実現可能であるが、他の湿式脱臭装置を用いることも可能である。
ステップS10において、脱臭対象の気体が、第1の洗浄液による洗浄を行う洗浄部へと導かれる。例えば、脱臭対象の気体を、流入口110から洗浄部120に導入することができる。ステップS20において、第1の洗浄液に、脱臭対象の気体とは異なる気体の泡が混合される。例えば、気泡供給部150は、第1の洗浄液122に泡を混合することができる。ステップS30において、第1の洗浄液122で洗浄された後の気体が、洗浄部の外へ導かれる。例えば、洗浄部120において洗浄された気体を、流出口160へと導出することができる。
また、この脱臭方法は、第1の洗浄液122とは異なる第2の洗浄液であって、洗浄部120での洗浄に用いられる第1の洗浄液122に混ざるように、第2の洗浄液を供給する処理を行うステップを有している。この処理を処理Aと呼ぶことにする。このステップは、例えば、ステップSS10とステップS30との少なくとも一方において行うことができる。例えば、ステップS10とステップS30との少なくとも一方において、導かれる気体が第2の洗浄液で洗浄されかつ導かれる気体を洗浄した後の第2の洗浄液が第1の洗浄液に混ざるように、第1の洗浄液とは組成が異なる第2の洗浄液を供給することができる。例えば、第1の洗浄液供給部130は、流入口110から洗浄部120へと導かれる気体を洗浄するように、第2の洗浄液を供給することができる。また、第2の洗浄液供給部140は、洗浄部120から流出口160へと導かれる気体を洗浄するように、第2の洗浄液を供給することができる。
[実施形態1の変形例]
脱臭装置の脱臭能力を向上させるという実施形態1に係る構成の目的を達成するためには、実施形態1に示した構成の全てを採用する必要はない。以下、実施形態1の変形例について説明する。
[変形例1]
一実施形態に係る湿式脱臭装置は、上述の流入口110、洗浄部120、流出口160、及び洗浄液供給部130と洗浄液供給部140との少なくとも一方を有している。このような構成によれば、洗浄部120と、洗浄液供給部130,140との組み合わせにより、脱臭能力が向上する。このような湿式脱臭装置を用いた脱臭方法は、図4(A)のステップS10及びステップS30を行い、ステップS10とステップS30との少なくとも一方において処理Aを行うことにより実現できる。
[変形例2]
一実施形態に係る湿式脱臭装置は、上述の流入口110、洗浄部120、流出口160、及び気泡供給部150を有している。ここで、洗浄部120は、流入口110から流入した脱臭対象の気体と、第1の洗浄液122とを混合することにより、脱臭対象の気体を第1の洗浄液122で洗浄する。このような構成によれば、第1の洗浄液122に混入された気泡のために、脱臭対象の気体と第1の洗浄液122とを混合する際に接触面積が増加するため、脱臭能力が向上する。このような湿式脱臭装置を用いた脱臭方法は、図4(A)のステップS10、ステップS20、及びステップS30を行うことにより実現できる。処理Aを行うことは必須ではない。
[変形例3]
一実施形態に係る湿式脱臭装置は、上述の流入口110、洗浄部120、流出口160、及び気泡供給部150を有している。ここで、気泡供給部150は、第1の洗浄液122の液性を調整する作用を有するか又は脱臭作用を有する気体の泡を、第1の洗浄液122に混入させる。このような構成によれば、既に説明したように脱臭能力を向上させることができる。このような湿式脱臭装置を用いた脱臭方法は、図4(A)のステップS10、ステップS20、及びステップS30を行うことにより実現できる。処理Aを行うことは必須ではない。
[実施形態2]
実施形態2に係る湿式脱臭システムは、冷却装置と、脱臭装置とを備える。冷却装置は、脱臭対象の気体を冷却し、凝縮により生じた液体を気体から分離する。また、脱臭装置は、冷却装置により処理された気体を、洗浄液で洗浄する。脱臭装置としては、実施形態1に係る脱臭装置を用いることができるが、これには限定されない。本実施形態に係る湿式脱臭システムによれば、脱臭対象の気体を冷却することにより、臭気成分のかなりの部分を含む液体を分離することができる。このため、脱臭装置への負荷を低減することができる。この結果として、脱臭装置が用いる洗浄液の量を減らすこと、又は脱臭装置から排出される洗浄廃液の量を減らすことができる。
脱臭対象の気体は特に限定されない。脱臭対象の気体の例は実施形態1と同様であり、説明を省略する。一方、脱臭対象の気体の温度が高いほど、冷却装置において液体が凝縮しやすくなり、冷却装置における臭気成分の除去効率が向上する。このような観点から、一実施形態において、脱臭対象の気体の温度は冷却装置で冷却された場合には30℃以下とすることが可能であり、冷却装置で冷却を行わない場合には60℃以上である。このような脱臭対象の気体としては、コンポストからの排気が挙げられる。
冷却装置の構成は特に限定されず、任意の装置を用いることができる。例えば、流入した脱臭対象の気体を、空冷するか、又は冷媒で冷却する装置を、冷却装置として用いることができる。一実施形態において、冷却装置は、50℃以上の脱臭対象の気体の温度を、40℃以下に低下させることにより3000ppm以上の脱臭対象の気体のアンモニア濃度を、2500ppm以下にまで低減できるように構成されている。
洗浄液も特に限定されない。洗浄液の例は実施形態1と同様であり、説明を省略する。一方、本実施形態においては、冷却装置が臭気成分のかなりの部分を含む液体を分離するために、脱臭装置へと送られる臭気成分の量を減らすことができる。このため、特に洗浄液が脱臭剤を含有する水溶液である場合、特に次亜塩素酸水である場合に、冷却装置を用いることにより、脱臭装置が用いる脱臭剤の量を低減することができる。
以下、本実施形態に係る湿式脱臭システムの構成例を示す図2を参照して、本実施形態についてさらに説明する。図2に示す湿式脱臭システムは、冷却装置300と、脱臭装置200とを備える。脱臭対象の気体500は、冷却装置300及び脱臭装置200を経て脱臭される。冷却装置300は、流入口301を通って流入した脱臭対象の気体500を冷却し、流出口302から排出する。この際、冷却装置300は、凝縮により生じた液体630を気体から分離して、排出口303から排出する。流出口302は、脱臭装置200の流入口201に接続されており、流出口302から排出された気体は、流入口201を通って脱臭装置200に流入する。そして、脱臭装置200は、流入口201から流入した、冷却装置300により処理された気体を、洗浄液410で洗浄して、流出口202から排出する。洗浄液410は、井戸又は次亜塩素酸水生成装置のような、外部の供給源400から供給される。また、脱臭装置200の排出口203からは、脱臭装置200に蓄積した汚泥を含む、洗浄によって生じた洗浄廃液620が排出される。
脱臭装置200として実施形態1に係る湿式脱臭装置100A,Bを用いる場合、洗浄液410は第2の洗浄液として供給され、洗浄廃液620が排出される排出口203は排出口190に対応する。また、流入口201は流入口110に対応し、流出口202は流出口160に対応する。
冷却装置は、脱臭装置から排出された洗浄液を用いて、脱臭対象の気体を冷却することもできる。このような構成について、本実施形態に係る湿式脱臭システムの構成例を示す図3を参照して説明する。図3に示す湿式脱臭システムは、冷却装置230と、第1の脱臭装置210と、第2の脱臭装置220と、を備える。脱臭対象の気体500は、冷却装置230、第2の脱臭装置220、及び第1の脱臭装置210を経て脱臭される。
冷却装置230は、流入口231を通って流入した脱臭対象の気体500を冷却し、流出口232から排出する。また、冷却装置230は、凝縮により生じた液体623を気体から分離して排出口233から排出する。ここで、冷却装置230は、第2の脱臭装置220から供給された洗浄液430を用いて、気体を冷却する。冷却装置230において、洗浄液430と脱臭対象の気体500とは熱媒体を介して分離されていてもよいし、洗浄液430と脱臭対象の気体500とは直接接触してもよい。後者の場合、冷却装置230としては、実施形態1に係る湿式脱臭装置100A,Bのような、洗浄液430を用いて脱臭対象の気体500を洗浄する装置を用いることができる。この場合、冷却装置230は、実施形態1で説明したように、噴霧などの方法を用いて、供給された洗浄液430をそのまま気体と接触させることにより気体を洗浄してもよい。また、冷却装置230は、供給された洗浄液430を、例えば投入部170のような投入口を介して内部の洗浄液に追加してもよい。
流出口232は、第2の脱臭装置220の流入口221に接続されており、流出口232から排出された気体は、流入口221を通って第2の脱臭装置220に流入する。そして、第2の脱臭装置220は、流入口221から流入した、冷却装置230により処理された気体を、洗浄液420で洗浄して、流出口222から排出する。洗浄液420は、第1の脱臭装置210から供給される。また、第2の脱臭装置220は、第2の脱臭装置220の内部の洗浄液430を、流出口224を通して冷却装置230に供給する。例えば、第2の脱臭装置220は、洗浄液420が供給されることによりオーバーフローした内部の洗浄液430を、冷却装置230に供給することができる。また、第2の脱臭装置220の排出口223からは、第2の脱臭装置220に蓄積した汚泥622が排出される。
流出口222は、第1の脱臭装置210の流入口211に接続されており、流出口222から排出された気体は、流入口211を通って第1の脱臭装置210に流入する。そして、第1の脱臭装置220は、流入口211から流入した、第2の脱臭装置220により処理された気体を、洗浄液410で洗浄して、流出口212から排出する。洗浄液410は、外部の供給源400から供給される。また、第1の脱臭装置210は、第1の脱臭装置210の内部の洗浄液420を、流出口214を通して第2の脱臭装置220に供給する。例えば、第1の脱臭装置210は、洗浄液410が供給されることによりオーバーフローした内部の洗浄液420を、第2の脱臭装置220に供給することができる。また、第1の脱臭装置210の排出口213からは、第1の脱臭装置210に蓄積した汚泥621が排出される。
第1の脱臭装置210は、基準水位まで洗浄液420を収容することができる。ここで、洗浄液420は、気体の洗浄に用いた後の洗浄液でありうる。そして、第1の脱臭装置210は、基準水位を超えた洗浄液を、第2の脱臭装置220へと供給することができる。第2の脱臭装置220も同様に、基準水位まで気体の洗浄に用いた後の洗浄液430を収容することができ、基準水位を超えた洗浄液430を冷却装置230へと供給することができる。
第1の脱臭装置210及び第2の脱臭装置220としては、実施形態1に係る湿式脱臭装置を用いてもよいし、その他の脱臭装置を用いてもよい。例えば、第1の脱臭装置210は、実施形態1で説明したように、噴霧などの方法を用いて、供給された洗浄液410をそのまま気体と接触させることにより気体を洗浄してもよい。また、第2の脱臭装置220は、供給された洗浄液420を、例えば投入部170のような投入口を介して内部の洗浄液に追加してもよい。
第1の脱臭装置210として実施形態1に係る湿式脱臭装置100A,Bを用いる場合、洗浄液410は第2の洗浄液として供給され、洗浄液420が流出する流出口214は流出口180に対応する。また、流入口211は流入口110に対応し、流出口212は流出口160に対応し、排出口213は排出口190に対応する。この場合、外部の供給源400から供給された洗浄液410を、そのまま第1の脱臭装置210の内部に噴霧することができる。このような構成によれば、湿式脱臭システムの後段において新鮮な洗浄液を用いて脱臭対象の気体を洗浄することができるため、臭気をよりよく低減できる。また、第2の脱臭装置220として実施形態1に係る湿式脱臭装置100A,Bを用いる場合、洗浄液420は第2の洗浄液として供給され、洗浄液430が流出する流出口224は流出口180に対応する。また、流入口221は流入口110に対応し、流出口222は流出口160に対応し、排出口223は排出口190に対応する。
さらに、冷却装置は、脱臭対象の気体を空冷することもできる。このような構成について、本実施形態に係る湿式脱臭システムの構成例を示す図5を参照して説明する。図5に示す湿式脱臭システムは、冷却装置300と、脱臭装置200とを備える。図2と同様の構成には同じ参照符号が付されており、その説明は省略する。
図5に示す冷却装置300は、洗浄対象の気体500が流入する流入口301と、外気501が流入する流入口304とを有している。そして、外気501を用いて洗浄対象の気体500が冷却される。外気とは、洗浄対象の気体より温度が低い気体を指す。洗浄装置は、周辺環境の大気を外気として取り込んでも構わないし、ボンベなどに含まれる気体を外気として取り込んでも構わない。さらに、外気は、洗浄対象の気体より臭気成分の濃度が低いことが望ましい。例えば、脱臭装置200から排出される排気などを再度、外気として取り込むようにしても構わない。
外気501による洗浄対象の気体500の冷却方法は特に限定されない。例えば、冷却装置300において洗浄対象の気体500と外気501とを直接混合してもよい。一実施形態に係る冷却装置300は、洗浄対象の気体500を外気501で冷却する構成に加えて、洗浄対象の気体500の冷却により生じた結露水を排出する排出口303(排出部)を有している。このような構成によれば、発生した結露水を容易に排出することができる。
一方、一実施形態に係る冷却装置300は、洗浄対象の気体500と外気501とが混合することなく、洗浄対象の気体500の温度を外気501により低下させる温度調整部を有している。例えば、冷却装置300内で、洗浄対象の気体500が通る空間と、外気501が通る空間とが分離されていてもよい。そして、洗浄対象の気体500と外気501とを隔てる壁面の面積を大きくすることにより(例えば後述する配管311を設けることにより)、冷却効率を保ちながら結露水を容易に排出することが可能となる。このような構成において、洗浄対象の気体500を薄めるために、冷却装置300を通過した後に洗浄対象の気体500を外気501と混合してもよい。とりわけ、洗浄対象の気体500が温度が高い状態である場合に、このような構成を用いることにより、混合部で結露水が発生しにくくなるという格別の効果を奏する。
ここで、図6を用いて冷却装置の一例について説明する。図6は、冷却装置300を模式的に示した斜視図である。
冷却装置300は、略直方体形状の箱の空間を、第1間仕切り315、第2間仕切り325、第3間仕切り335により分離することにより3つの空間が設けられている。図2に示すように、冷却装置300は、第1空間310と、第2空間320と、第3空間330が設けられる。第1空間310は、流入口301に接続され第1間仕切り315により区切られた空間である。第2空間320は、流入口304と流出口305とに接続され第1間仕切り315と第2間仕切り325とに区切られた空間である。第3空間330は、流出口302に接続され第2間仕切り325と第3間仕切り335とで区切られた空間である。なお、冷却装置300における空間の数は一例であってこれに限定されない。
第1間仕切り315、第2間仕切り325、第3間仕切り335により、第1空間310、第2空間320、第3空間330のそれぞれは、実質的に独立した空間となっており、気体がそれぞれの空間を移動することはできない。すなわち、洗浄対象の気体と外気は、それぞれの空間では交じり合わないように構成されている。ただし、第1空間310と第3空間330とは、複数の配管311で接続されており、第1空間310と第3空間330との間は洗浄対象の気体が移動可能になっている。配管311は例えば、銅など熱導電性の高い素材が望ましい。また図6では、配管311を円柱状に表現をしているが、必ずしもこれに限定されない。他の形態として、配管311に溝部を設けるようにしても構わない。また、他の形態として、配管311を不規則に並べるようにしても構わない。
それぞれの空間で生じる結露水を適切に排出するために、第1空間310には排出口312、第2空間320には排出口321、第3空間330には排出口303が、それぞれ設けられている。第1空間310の排出口312は、第3空間330に接続されているため、洗浄対象の気体と外気とが混じらないようになっている。なお、排水口に接続される配管は図示していないが、S字状にするなどして液体だけが排出されるようにしていてもよい。
図7は、図6の冷却装置300の斜視図を、X-Y平面に対して垂直な方向から見た平面図である。図3に示すように、第1間仕切り315、第2間仕切り325、第3間仕切り335は、それぞれの排水口に結露水が流れていくように、第3空間330の底面(又は水平面)に対して平行になっておらず、角度が付けられている。このようにすることで、第1間仕切り315、第2間仕切り325、第3間仕切り335に沿って結露水を適切に排出することができる。各空間の間仕切りに沿った最下部には、排出口312、排出口321、及び排出口303(図7では不図示)がそれぞれ設けられている。
流入口301から流入する洗浄対象の気体500は、まず、第1空間310に流入する。流入した気体は、配管311を経由して第3空間330へ流れていく。第3空間330の気体は、流出口302から流出する。
一方で、流入口304から流入する外気501は、まず、第2空間320に流入し、流出口305から流出する。第2空間320では、洗浄対象の気体500が流れている配管311が流入口301と流出口302の間に複数あり、外気501が配管311に接触することで、配管311の温度を下げる。これにより、配管311の内部を流れる洗浄対象の気体500の温度が下がる。配管311の内壁には、温度が下がることによって結露水が生じる。このようにして、洗浄対象の気体500に含まれる臭気成分を、洗浄対象の気体から分離することが可能となる。結露水は、重力により、第3空間330へ落下する。そして、洗浄対象の気体の冷却により生じた結露水は、排出口303から排出される。なお、第1空間310で生じた結露は排出口312を通って第3空間330に落下でき、また第2空間320で生じた外気501からの結露は排出口321から排出される。
別の実施形態として、第2空間320に配管311に液体を吹き付けるシャワーポート(不図示)を備えるようにしてもよい。シャワーポートを備えることにより、より一層、配管311内部を流れる洗浄対象の気体の温度を下げることができる。
流出口302から流出した冷却後の洗浄対象の気体500と、流出口305から流出した冷却に用いられた外気501とは、合流部502で初めて混合される。そして、合流後の洗浄対象の気体500と外気501とを含む気体510は、脱臭装置200へと導かれ、洗浄される。合流部502で外気501と洗浄対象の気体500を混合することにより、洗浄対象の気体に含まれる臭気成分の濃度を下げた状態で、脱臭装置200へ気体を導入することが可能となる。このため、洗浄対象の気体500をそのまま洗浄する場合に比べ、脱臭槽で用いるための洗浄液の洗浄能力を低下させたとしても、同様の洗浄能力を維持することができ、洗浄液の使用量や洗浄液生成に係るコストも低減させることが可能となる。
合流部502と脱臭装置200との間には、合流後の洗浄対象の気体500と外気501とを含む気体510を送風するポンプのような送風部520を設けることができる。この位置に送風部520を設けることにより、例えば1台のポンプのみ用いる場合であっても、洗浄対象の気体500と外気501との双方を脱臭システムに導入することが可能となる。さらに、外気501(又は洗浄対象の気体500)の流量を調整するバルブ350がさらに設けられていてもよい。バルブ350を用いることにより、流入する外気501の量(又は洗浄対象の気体500と外気501との流量比)を調整することができる。
排出口303から排出された結露水である液体630は、脱臭装置200から排出された気体の洗浄に用いた後の洗浄廃液620と、合流部640において合流してもよい。このような構成は、洗浄廃液620と結露水である液体630との間で中和反応等の反応が可能な場合に有用である。例えば、洗浄対象の気体500がコンポストからの排気のようなアンモニアを含む気体であり、脱臭装置200が洗浄液として次亜塩素酸水のような酸性の液体を用いる場合、液体630中のアンモニアを洗浄廃液620で中和することができる。合流部640における合流後の液体は、適切な方法で排出又は処理することができる。
このようにして、脱臭対象の気体を冷却し、凝縮により生じた液体を気体から分離することが低コストで実現可能となる。図5に示すような空冷方式は、とりわけ次亜塩素酸水のような脱臭剤を用いる場合に、脱臭効率が向上することが期待される。すなわち、次亜塩素酸水のような化学脱臭剤の反応は一般に温度が高い方が速く進行する。そして、空冷方式によれば洗浄対象の気体の温度がある程度維持されるため、脱臭効率が向上することが期待される。
また、図5に示すような空冷方式は、とりわけコンポストからの排気のような、有機物の発酵により生じた気体の脱臭に用いる際に、脱臭効率が向上することが期待される。すなわち、このような気体は、比較的温度が高い一方、水に溶けやすいアンモニアを多く含むため、少しの結露水が生じることでアンモニア濃度が大きく低下すると考えられる。このような気体を空冷方式で冷却すると、アンモニア濃度が大きく低下する一方、気体の高い温度をある程度維持できるため、脱臭装置における脱臭効率も向上し、全体として高い脱臭効率が得られることが期待される。特に、洗浄液に次亜塩素酸水を使用する場合には、次亜塩素酸水に適した温度を維持することにより高い脱臭効率が得られる。さらに、比較的温度が高いこのような気体は、温度調整されていない外気を用いる場合でも良好な冷却効率が期待される。
以上、本実施形態に係る湿式脱臭システムの構成例をいくつか紹介した。しかしながら、本実施形態に係る湿式脱臭システムは、上記の構成には限定されない。すなわち、本実施形態に係る湿式脱臭システムは、1以上の任意の数の冷却装置と、1以上の任意の数の脱臭装置とを備えることができる。例えば、図3の構成において、脱臭装置として第1の脱臭装置210のみが用いられ、第1の脱臭装置の内部の洗浄液が脱臭対象の気体を冷却するために冷却装置230に供給されてもよい。また、図3の構成において、脱臭装置としてさらなる第3の脱臭装置が用いられてもよい。それぞれの冷却装置及び脱臭装置の構成は特に限定されず、冷却装置及び脱臭装置のうちの1以上として実施形態1に係る湿式脱臭装置を採用することもできる。また、互いに異なる構成を有する、1以上の実施形態1に係る湿式脱臭装置を採用することもできる。例えば、第1の脱臭装置210が図1(B)に示される構成を有し、第2の脱臭装置220が図1(A)に示される構成を有してもよい。
最後に、一実施形態に係る脱臭方法について、図4(B)のフローチャートを参照して説明する。この脱臭方法は、例えば、上述した実施形態2に係る湿式脱臭システムを用いて実現可能であるが、他の湿式脱臭システムを用いることも可能である。ステップS60において、脱臭対象の気体が冷却され、凝縮により生じた液体が気体から分離される。ステップS70において、ステップS60で処理された気体が、洗浄液で洗浄される。