しかしながら、上述した公報に記載のプレッシャーバーでは、プレッシャーバーに部分的な撓みが発生した際に、撓まずに原木の削り出し部を押圧するプレッシャーバーの角部、より具体的には、当該プレッシャーバーに取り付けられたチップの角部が、削り出し部に接触して、削り出される単板に傷が付く場合がある。また、上述した公報に記載のプレッシャーバーを用いて、水分を含む原木から単板を削り出す場合にあっては、プレッシャーバーによって削り出し部が押圧されることで当該削り出し部から染み出る水分が、撓んだプレッシャーバーと撓まないプレッシャーバーとの間に生じる隙間から流れ出て、削り出される単板に線状の染みが付着する場合がある。このように、上述した公報に記載のプレッシャーバーは、単板の品質の更なる向上という点において、なお改良の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、単板の品質の更なる向上に資する鉋台およびこれを備えるロータリーベニヤレース、ベニヤスライサーを提供することを目的の一つとする。
本発明の鉋台およびこれを備えるロータリーベニヤレース、ベニヤスライサーは、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る鉋台の好ましい形態によれば、原木を含む木材に対向するよう配置され、当該木材から単板を削り出し可能な長尺状の刃物と、当該刃物によって木材から単板が削り出される削り出し部に関して刃物が配置された側とは反対側から当該削り出し部を押圧可能な少なくとも1つの長尺状のプレッシャーバーと、を取り付け可能な鉋台が構成される。当該鉋台は、刃物取付台と、プレッシャーバー取付台と、支持部材と、を備えている。刃物取付台は、刃物を取り付け可能に当該刃物の長手方向に延在している。プレッシャーバー取付台は、刃物取付台の上部に配置されると共にプレッシャーバーを取り付け可能に当該プレッシャーバーの長手方向に延在している。支持部材は、プレッシャーバーとプレッシャーバー取付台との間に配置され、プレッシャーバーを支持可能である。当該支持部材は、プレッシャーバー取付台に固定される少なくとも1つの固定部と、プレッシャーバーを両端支持可能にプレッシャーバーの延在方向に互いに離れた状態で固定部に支持される第1および第2支持部と、固定部に対して第1および第2支持部を揺動可能に支持可能な第1および第2支点軸と、を有している。第1および第2支点軸は、プレッシャーバーの長手方向と平行に配置されている。第1および第2支持部は、第1および第2支点軸に支持される第1および第2端部と、プレッシャーバーを支持可能な第3および第4端部と、第1および第2端部と第3および第4端部とを接続する第1および第2接続部と、を有している。また、第1および第2支点軸は、プレッシャーバーが削り出し部を押圧する押圧力の反力であって、当該プレッシャーバーを介して第1および第2支持部に作用する力の大きさに応じて木材から離れる方向に各々独立して移動可能なように固定部に支持されている。ここで、本発明における「移動」とは、第1および第2支持部の全体が移動する態様のみならず、第1および第2支持部が揺動や変形によって部分的に移動する態様を好適に包含する。
本発明によれば、長尺状のプレッシャーバーを介して第1および第2支持部に作用する押圧力の反力の大きさに応じて第1および第2支持部が、それぞれ独立して木材から離れる方向に移動することができる。これにより、長尺状のプレッシャーバーは、部分的に変形(曲げ)することができる。即ち、刃物が木材の節部を削る際や、刃口に木材の欠片や切屑(粉末状の木屑を含む)が進入した際に、長尺状のプレッシャーバーが一律に変形するのではなく、長尺状のプレッシャーバーのうち木材の節部が存在する部分を押圧する部分や、刃口に木材の欠片や切屑が進入した箇所に対応する部分が、大きく変形することができる一方で、それ以外の部分ではプレッシャーバーの変形量は小さく抑えられる。この結果、削り出し部は、プレッシャーバーによって過剰に押圧されることなく、適正な押圧力で押圧され得る。また、本発明によれば、従来のプレッシャーバーの様に複数に分割されたプレッシャーバーの各小片のそれぞれが独立して変形しないため、プレッシャーバーにより木材の削り出し部を押圧しながら単板を削り出す際に、変形の小さい小片の角部(プレッシャーバーを構成する3つの稜線が交差する部分)が、木材の削り出し部に接触して、削り出される単板に傷を付けることもない。また、水分を含む木材から単板を削り出す場合であっても、プレッシャーバーによる削り出し部の押圧に起因して当該削り出し部から染み出る水分が、変形する小片と変形の小さい小片との間に生じる隙間から流れ出すこともない。これにより、削り出される単板に傷が付いたり、単板に線状の染みが付着したりしない。この結果、単板の品質の低下が良好に防止され得る。もとより、刃口に粉末状の木屑が溜まることに起因して、単板の削り出しが停止されるような不具合が生じることもない。また、第1および第2支持部は、簡易な構成で木材から離れる方向へ移動することができる。
本発明に係る鉋台の更なる形態によれば、第3および第4端部と固定部との間には、第1および第2支持部を介してプレッシャーバーを固定部から遠ざける方向に付勢する第1および第2付勢部材が配置されている。
本形態によれば、プレッシャーバーが木材から離れる方向へ移動した場合であっても、第1および第2付勢部材が、当該第1および第2付勢部材の復元力をもってプレッシャーバーを元の位置(姿勢)に戻すことができる。これにより、削り出し部は、安定して適正な押圧力で押圧され得る。
本発明に係る鉋台の更なる形態によれば、第1および第2端部は、第1および第2支点軸に関して第3および第4端部が配置された側とは反対側に延出する第1および第2延出部を有している。そして、第1および第2延出部と固定部との間には、第1および第2支持部を介してプレッシャーバーを固定部から遠ざける方向に付勢する第3および第4付勢部材が配置されている。
本形態によれば、プレッシャーバーが木材から離れる方向へ移動した場合であっても、第3および第4付勢部材が、当該第3および第4付勢部材の復元力でプレッシャーバーを元の位置(姿勢)に戻すことができる。これにより、削り出し部は、安定して適正な押圧力で押圧され得る。なお、第3および第4付勢部材が、第1および第2延出部に配置されるため、当該第1および第2付勢部材の交換などのメンテナンスが容易となる。
本発明に係る鉋台の更なる形態によれば、第1および第2支点軸には、第1および第2ローラが支持されている。第1および第2支持部は、第1および第2端部が第1および第2接続部に対して直交状に接続された略L字状を有すると共に、第1および第2支持部の入隅側が第1および第2ローラに当接するように配置されている。そして、支持部材は、第1および第2支持部を固定部に締結可能な第1および第2ボルトと、第1および第2支持部を第1および第2ローラ側に付勢するように第1および第2支持部と第1および第2ボルトとの間に配置された第5および第6付勢部材と、をさらに有している。
本形態によれば、第1および第2支持部は、第5および第6付勢部材の付勢力によって第1および第2ローラに付勢されるのみであるため、第1および第2支持部が、固定部に対して、第1および第2支点軸を支点として揺動が可能であるのみならず、第1および第2支持部が、第1および第2支点軸の軸線方向における第1および第2支持部の両端縁部のうちのいずれか一方の端縁部が第1および第2支点軸から遠ざかる態様の揺動が可能である。これにより、プレッシャーバーは、より柔軟に変形することができる。この結果、削り出し部が、より一層効果的に適正な押圧力で押圧され得る。
本発明に係る鉋台の好ましい形態によれば、原木を含む木材に対向するよう配置され、当該木材から単板を削り出し可能な長尺状の刃物と、当該刃物によって木材から単板が削り出される削り出し部に関して刃物が配置された側とは反対側から当該削り出し部を押圧可能な少なくとも1つの長尺状のプレッシャーバーと、を取り付け可能な鉋台が構成される。当該鉋台は、刃物取付台と、プレッシャーバー取付台と、支持部材と、を備えている。刃物取付台は、刃物を取り付け可能に当該刃物の長手方向に延在している。プレッシャーバー取付台は、刃物取付台の上部に配置されると共にプレッシャーバーを取り付け可能に当該プレッシャーバーの長手方向に延在している。支持部材は、プレッシャーバーとプレッシャーバー取付台との間に配置され、プレッシャーバーを支持可能である。そして、第1および第2支持部と固定部との間には、第1および第2支持部を介してプレッシャーバーを固定部から遠ざける方向に付勢する第7および第8付勢部材が配置されている。
本形態によれば、プレッシャーバーが木材から離れる方向へ移動した場合であっても、第7および第8付勢部材が、当該第7および第8付勢部材の復元力でプレッシャーバーを元の位置(姿勢)に戻すことができる。これにより、削り出し部は、安定して適正な押圧力で押圧され得る。
本発明に係る鉋台の更なる形態によれば、第1および第2支持部は、固定部に固定される第5および第6端部と、当該固定部に固定されずに自由端部となると共にプレッシャーバーを支持可能な第7および第8端部と、を有している。
本形態によれば、第1および第2支持部は、簡易な構成で木材から離れる方向へ移動することができる。また、プレッシャーバーが木材から離れる方向へ移動した場合であっても、第1および第2支持部が、当該第1および第2支持部自体の弾性力でプレッシャーバーを元の位置(姿勢)に戻すことができる。これにより、削り出し部は、安定して適正な押圧力で押圧され得る。
本発明に係る鉋台の更なる形態によれば、第1および第2支持部の木材から離れる方向への移動剛性は、プレッシャーバーの曲げ剛性以上である。ここで、本発明における「移動剛性」とは、第1および第2支持部が木材から離れる方向への移動のし難さとして規定される。
本形態によれば、第1および第2支持部が木材から離れる方向へ移動する際に、プレッシャーバーは、第1および第2支持部の移動に効果的に追従することができる。これにより、レッシャーバーによる削り出し部の過剰な押圧が、より効果的に抑制され得る。
本発明に係る鉋台の更なる形態によれば、支持部材は、第1および第2支持部間において前記固定部に支持される第3支持部をさらに備えている。そして、当該第3支持部は、プレッシャーバーを支持可能であると共に、プレッシャーバーを介して第3支持部に作用する押圧力の反力の大きさに応じて木材から離れる方向に移動可能なように固定部に支持されている。
本形態によれば、プレッシャーバーの支持点が3つとなるため、プレッシャーバーは3次に変形する(曲がる)ことができる。即ち、プレッシャーバーは、より細かい部分的な変形を生じることができる。これにより、削り出し部は、過剰に押圧されることなく、より適正な押圧力で押圧され得る。
本発明に係る鉋台の更なる形態によれば、支持部材は、固定部に対して第3支持部を揺動可能に支持可能な第3支点軸をさらに備えている。第3支点軸は、プレッシャーバーの長手方向と平行に配置されている。そして、第3支持部は、第3支点軸に支持される第9端部と、プレッシャーバーを支持可能な第10端部と、第9端部と第10端部とを接続する第3接続部と、を有している。
本形態によれば、第3支持部は、簡易な構成で木材から離れる方向へ移動することができる。
本発明に係る鉋台の更なる形態によれば、第10端部と固定部との間には、第3支持部を介してプレッシャーバーを固定部から遠ざける方向に付勢する第9付勢部材が配置されている。
本形態によれば、プレッシャーバーが木材から離れる方向へ移動した場合であっても、第9付勢部材が、当該第9付勢部材の復元力でプレッシャーバーを元の位置(姿勢)に戻すことができる。これにより、削り出し部は、安定して適正な押圧力で押圧され得る。
本発明に係る鉋台の更なる形態によれば、第9端部は、第3支点軸に関して第10端部が配置された側とは反対側に延出する第3延出部を有している。そして、第3延出部と固定部との間には、第3支持部を介してプレッシャーバーを固定部から遠ざける方向に付勢する第10付勢部材が配置されている。
本形態によれば、プレッシャーバーが木材から離れる方向へ移動した場合であっても、第10付勢部材が、当該第10付勢部材の復元力でプレッシャーバーを元の位置(姿勢)に戻すことができる。これにより、削り出し部は、安定して適正な押圧力で押圧され得る。なお、第10付勢部材が、第3延出部に配置されるため、当該第10付勢部材の交換などのメンテナンスが容易となる。
本発明に係る鉋台の更なる形態によれば、第3支点軸には、第3ローラが支持されている。また、第3支持部は、第9端部が第3接続部に対して直交状に接続された略L字状を有すると共に、第3支持部の入隅側が第3ローラに当接するように配置されている。そして、支持部材は、第3支持部を固定部に締結可能な第3ボルトと、第3支持部を第3ローラ側に付勢するように第3支持部と第3ボルトとの間に配置された第11付勢部材と、をさらに有している。
本形態によれば、第3支持部は、第11付勢部材の付勢力によって第3ローラに付勢されるのみであるため、第3支持部が、固定部に対して、第3支点軸を支点に揺動が可能であるのみならず、第3支持部が、第3支点軸の軸線方向における第3支持部の両端縁部のうちのいずれか一方の端縁部が第3支点軸から遠ざかる態様の揺動が可能である。これにより、プレッシャーバーが、より柔軟に変形することができる。この結果、削り出し部が、より一層効果的に適正な押圧力で押圧され得る。
本発明に係る鉋台の更なる形態によれば、第3支持部と固定部との間には、第3支持部を介してプレッシャーバーを固定部から遠ざける方向に付勢する第12付勢部材が配置されている。
本形態によれば、プレッシャーバーが木材から離れる方向へ移動した場合であっても、第12付勢部材が、当該第12付勢部材の復元力でプレッシャーバーを元の位置(姿勢)に戻すことができる。これにより、削り出し部は、安定して適正な押圧力で押圧され得る。
本発明に係る鉋台の更なる形態によれば、第3支持部の木材から離れる方向への移動剛性は、プレッシャーバーの曲げ剛性以上に設定されている。ここで、本発明における「移動剛性」とは、第3支持部が木材から離れる方向への移動のし難さとして規定される。
本形態によれば、第3支持部が木材から離れる方向へ移動する際に、プレッシャーバーは、第3支持部の移動に効果的に追従することができる。これにより、削り出し部は、プレッシャーバーによる削り出し部の過剰な押圧が、より効果的に抑制され得る。
本発明に係る鉋台の更なる形態によれば、プレッシャーバーは、長手方向において第1および第2プレッシャーバーに分割されている。そして、第1支持部は、第1プレッシャーバーの長手方向の一端部を支持可能である。また、第2支持部は、第2プレッシャーバーの長手方向の一端部を支持可能である。さらに、第3支持部は、第1および第2プレッシャーバーの長手方向の他端部を支持可能である。
本形態によれば、プレッシャーバーのうち木材の節部が存在する部分を押圧する部分や、刃口に木材の欠片や切り屑が進入した箇所に対応する部分を支持する支持部が、木材から離れる方向へ移動し易くすることができる一方で、それ以外の部分を支持する支持部が、木材から離れる方向へ移動することを確実に防止できる。これにより、削り出し部は、プレッシャーバーによって過剰に押圧されることなく、適正な押圧力で押圧され得る。なお、第1および第2プレッシャーバーの長手方向の他端部は、いずれも第3支持部に支持されており、第1および第2プレッシャーバーの長手方向の他端部の一方のみが変形することはないため、第1および第2プレッシャーバーの長手方向の他端部の一方の(第1および第2プレッシャーバーを構成する3つの稜線が交差する部分)が単板に接触して削り出される単板に傷が付くこともない。また、プレッシャーバーが長手方向に分割されているため、第1および第2プレッシャーバーのそれぞれを別々に交換可能であり合理的である。
本発明に係る鉋台の更なる形態によれば、第1および第2プレッシャーバーは、当該第1および第2プレッシャーバーの長手方向の他端部同士が当接された状態で第3支持部に支持されている。
本形態によれば、第1および第2プレッシャーバーの長手方向の他端部同士が当接された状態で、第1および第2プレッシャーバーが第3支持部に支持されるため、第1、第2および第3支持部が木材から離れる方向へ移動することに伴って、第1および第2プレッシャーバーの変形が生じたとしても、第1および第2プレッシャーバー間に隙間ができることを良好に抑制し得る。これにより、水分を含む木材から単板を削り出す場合であっても、プレッシャーバーによる削り出し部の押圧に起因して当該削り出し部から染み出る水分が、削り出される単板に流れ出すことがない。この結果、削り出される単板に線状の染みが付着して単板の品質が低下することがない。
本発明に係るロータリーベニヤレースの好ましい形態によれば、原木から単板を削り出すロータリーベニヤレースが構成される。当該ロータリーベニヤレースは、原木を挟持可能な一対の切削用スピンドルと、機枠と、一対の切削用スピンドルに挟持された原木に対向するよう一対の切削用スピンドルの軸線方向および鉛直方向の両方向に直交する方向に配置された上述のいずれかの態様の本発明の鉋台と、を備えている。なお、機枠は、一対の切削用スピンドルを回転可能に支持する一対の縦壁と、当該一対の縦壁を連結する台座と、を有している。
本発明によれば、上述のいずれかの態様の本発明の鉋台を備えるため、本発明に係る鉋台が奏する効果、例えば、プレッシャーバーによる削り出し部の適正な押圧の確保と、プレッシャーバーによる削り出し部の過剰な押圧の抑制と、の両立を図ることができるという効果や、プレッシャーバーの角部(プレッシャーバーを構成する3つの稜線が交差する部分)が削り出し部に接触することによる単板への傷つけを防止することができるという効果、あるいは、水分を含む原木から単板を削り出す場合に、プレッシャーバーによる削り出し部の押圧に起因して当該削り出し部から染み出る水分が、削り出される単板に流れ出て単板に線状の染みが付着することを防止できるという効果などと同様の効果を奏することができる。
本発明に係るロータリーベニヤレースの好ましい形態によれば、材木から単板を削り出すベニヤスライサーが構成される。当該ベニヤスライサーは、材木を保持可能な保持部材と、機枠と、上述のいずれかの態様の本発明の鉋台と、を備えている。機枠は、保持部材を支持する一対の縦壁と、当該一対の縦壁を連結する台座と、を有している。鉋台は、保持部材に保持された材木に対向するよう配置されている。
本発明によれば、上述のいずれかの態様の本発明の鉋台を備えるため、本発明に係る鉋台が奏する効果、例えば、プレッシャーバーによる削り出し部の適正な押圧の確保と、プレッシャーバーによる削り出し部の過剰な押圧の抑制と、の両立を図ることができるという効果や、プレッシャーバーの角部(プレッシャーバーを構成する3つの稜線が交差する部分)が削り出し部に接触することによる単板への傷つけを防止することができるという効果、あるいは、水分を含む原木から単板を削り出す場合に、プレッシャーバーによる削り出し部の押圧に起因して当該削り出し部から染み出る水分が、削り出される単板に流れ出て単板に線状の染みが付着することを防止できるという効果などと同様の効果を奏することができる。
本発明によれば、単板の品質をより一層向上することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
本発明の実施の形態に係るロータリーベニヤレース1は、図1に示すように、一対の切削用スピンドル2a,2bを有する一対の支持フレーム4a,4bと、当該一対の支持フレーム4a,4bを連結するベースフレーム6と、一対の支持フレーム4a,4b間であってベースフレーム6上に配置された本発明の実施の形態に係る鉋台10と、を備えている。一対の支持フレーム4a,4bは、本発明における「縦壁」に対応し、ベースフレーム6は、本発明における「台座」に対応する実施構成の一例である。また、一対の支持フレーム4a,4bおよびベースフレーム6は、本発明における「機枠」に対応する実施構成の一例である。
一対の切削用スピンドル2a,2bは、図1に示すように、同軸上かつ先端が互いに対向する位置関係となるように配置されており、油圧シリンダ3a,3bによって互いに近付く方向および離れる方向に移動可能である。一対の切削用スピンドル2a,2bは、互いに近付く方向に移動されることにより原木PWを挟持し、互いに離れる方向に移動されることにより原木PWの挟持を解除する。なお、切削用スピンドル2aは、後述するモータM2によって回転される。切削用スピンドル2aが回転されることによって、一対の切削用スピンドル2a,2bに挟持された原木PWが回転される。
支持フレーム4aには、図1に示すように、モータM1と、当該モータM1の回転軸(図示せず)に接続されたギヤボックスGB1と、切削用スピンドル2aを回転するためのモータM2と、が取り付けられている。当該ギヤボックスGB1には、雄ネジロッドMSR1が接続されている。また、支持フレーム4bには、ギヤボックスGB2が取り付けられている。当該ギヤボックスGB2には、雄ネジロッドMSR2が接続されている。ギヤボックスGB1とギヤボックスGB2とは、連結シャフトCR1によって連結されている。即ち、モータM1の図示しない回転軸の回転が、ギヤボックスGB1を介して雄ネジロッドMSR1に伝達されると共に、連結シャフトCR2およびギヤボックスGB2を介して雄ネジロッドMSR2に伝達される。
本発明の実施の形態に係る鉋台10は、原木PWから単板Venを削り出すための刃物Knおよび長尺状のノーズバー20を取り付けるための取付台として構成されており(図10参照)、図2および図3に示すように、刃物Knを取り付け可能な刃物取付台12と、ノーズバー20を支持可能な支持部材30と、刃物取付台12の上部に配置されたノーズバー取付台14と、一対の支持フレーム4a,4bの雄ネジロッドMSR1,MSR2にネジ係合可能な一対の雌ネジ体16a,16bと、を備えている。
なお、鉋台10は、図1に示すように、一対の支持フレーム4a,4bの雄ネジロッドMSR1,MSR2が一対の雌ネジ体16a,16bにネジ係合された状態で、一対の支持フレーム4a,4bに支持され、モータM1によって雄ネジロッドMSR1,MSR2が回転されることにより、切削用スピンドル2a,2b(原木PW)に対して近付く方向および遠ざかる方向に移動される。
刃物取付台12は、図2ないし図4に示すように、刃物Knの長手方向に延在しており、当該延在方向に沿って刃物押さえ12aが締結されている。刃物Knは、刃物取付台12と刃物押さえ12aとの間に挟持される。
ノーズバー取付台14は、図4に示すように、刃物取付台12の上部の傾斜面12b上に配置されており、図2および図3に示すように、ノーズバー20の長手方向に延在している。また、ノーズバー取付台14は、移動装置18によってノーズバー20(より具体的には、ノーズバー20に取り付けられた後述するチップTP)が刃物Knに対して近付く方向および遠ざかる方向に移動可能とされている。移動装置18は、図2および図4に示すように、ノーズバー取付台14に取り付けられた一対の雌ネジ体18a,18a(図4参照)と、当該雌ネジ体18a,18aにネジ係合された一対の雄ネジロッドMSR3,MSR3(図4参照)と、当該雄ネジロッドMSR3,MSR3に接続された一対のギヤボックスGB3,GB4(図2参照)と、ギヤボックスGB3に接続された図示しない回転軸を有するモータM3(図2および図4参照)と、一対のギヤボックスGB3,GB4を連結する連結シャフトCR2(図2参照)と、から構成されている。ノーズバー取付台14は、本発明における「プレッシャーバー取付台」に対応し、ノーズバー20は、本発明における「プレッシャーバー」に対応する実施構成の一例である。
支持部材30は、図4および図5に示すように、ノーズバー取付台14に固定される複数の固定部32と、ノーズバー20を支持可能であると共に当該複数の固定部32に揺動可能に支持された複数の支持部34と、を備えており、ノーズバー20とノーズバー取付台14との間に配置される。支持部材30は、図2および図3に示すように、ノーズバー取付台14の延在方向に所定の間隔をもって複数配置されている。本実施の形態では、13個の支持部材30が配置されている。
固定部32は、図5ないし図7に示すように、本体32aと、当該本体32aに一体にされた突起32bと、から構成されている。本体32aは、支持部材30の配列方向(ノーズバー取付台14の延在方向、図9の左右方向)および鉛直方向(図9の上下方向)の両方に直交する方向の一方側(図5の左側)から見た場合に、鉛直方向に長い長方形状を有している。また、本体32aは、図7に示すように、ほぼ中央に配置された段付き孔33aと、本体32aの下端部(図7の下側の端部)に配置された一対の段付き孔33b,33bと、段付き孔33aに関して鉛直方向の両側に配置された段付き孔33c,33cと、を有している。段付き孔33aは、ノーズバー取付台14に当接する面側(図5の右側)が大径となっており、支持部34が配置される側(図5の左側)が小径となっている。当該小径部は、図5に示すように、ストッパーボルトSBLTの軸径とほぼ同じ内径を有しており、大径部に当該ストッパーボルトSBLTの頭部が収容される。
段付き孔33b,33bは、支持部34が配置される側(図5の左側)が大径となっている。段付き孔33b,33bの大径部には、図5に示すように、圧縮コイルスプリングCSPRが収容される。段付き孔33b,33bは、圧縮コイルスプリングCSPRの外径とほぼ同じ内径を有している。また、段付き孔33b,33bの小径部は、雌ネジを有している。当該雌ネジにボルトBLT3がネジ係合される。
圧縮コイルスプリングCSPRは、本体32aから突出する長さを有している。ここで、圧縮コイルスプリングCSPRのバネ定数は、刃物Knによって原木PWから単板Venを削り出す際に、当該原木PWの削り出し部90を適正な押圧力をもって押圧可能であり(図10参照)、かつ、刃物Knが原木PWの節部を削る際や、刃口に原木PWの欠片や切屑が進入した際に、ノーズバー20が原木PWから遠ざかる方向に移動して、ノーズバー20による削り出し部90の過剰な押圧が抑制可能な値に設定されている。なお、原木PWの削り出し部90を押圧する方向および当該削り出し部90から遠ざかる方向におけるノーズバー20の曲げ剛性は、圧縮コイルスプリングCSPRのバネ定数よりも小さい。圧縮コイルスプリングCSPRは、本発明における「第1付勢部材」、「第2付勢部材」および「第9付勢部材」に対応する実施構成の一例である。また、圧縮コイルスプリングCSPRのバネ定数は、本発明における「移動剛性」に対応する実施構成の一例である。
段付き孔33c,33cは、ノーズバー取付台14に当接する面側(図5の右側)が小径となっており、支持部34が配置される側(図5の左側)が大径となっている。固定部32は、図5に示すように、段付き孔33c,33cの大径側から挿通されるボルトBLT1,BLT1によって、ノーズバー取付台14に固定される。
突起32bは、本体32aの短手方向(横方向、図9の左右方向)のほぼ中央部に配置されており、本体32aの上端面から突出している。突起32bは、図7に示すように、横方向(図7の左右方向)に貫通する貫通孔33dを有している。当該貫通孔33dは、後述する支点軸39の直径よりも若干大きい内径(隙間バメとなるような内径)を有している。貫通孔33dには、支点軸39が挿通される。
支持部34は、図5および図6に示すように、本体34aと、当該本体34aに直交状に一体にされた一対の挟持片34b,34bと、から構成されている。本体34aは、支持部材30の配列方向(ノーズバー取付台14の延在方向、図9の左右方向)および鉛直方向(図9の上下方向)の両方に直交する方向の一方側から見た場合に、鉛直方向に長い長方形状を有している。支持部34は、本発明における「第1支持部」、「第2支持部」および「第3支持部」に対応する実施構成の一例である。
本体34aは、図8に示すように、ほぼ中央に貫通孔35aを有していると共に、下端部(図8の下側の端部)に一対の凹部35b,35bを有している。貫通孔35aは、図5に示すように、ストッパーボルトSBLTの軸径よりも大きい内径を有している。本体34aのうち当該本体34aの下端部を除く部分は、本発明における「第1接続部」、「第2接続部」および「第3接続部」に対応し、本体34aの下端部は、本発明における「第3端部」、「第4端部」および「第10端部」に対応する実施構成の一例である。
凹部35b,35bは、固定部32が配置される側(図5の左側)において開口されており、固定部32が配置される側(図5の左側)とは反対側(図5の右側)において閉じた袋小路孔として構成されている。当該凹部35b,35bは、圧縮コイルスプリングCSPRの外径とほぼ同じ内径を有しており、図5に示すように、当該凹部35b,35bに圧縮コイルスプリングCSPRの先端部(固定部32の段付き孔33b,33bから突出した部分)が収容される。なお、本体34aのうち凹部35b,35bの袋小路孔とされた側の面にノーズバー20が取り付けられる。
一対の挟持片34b,34bは、図8に示すように、本体34aの長手方向(図8の上下方向)の一端部(ノーズバー取付台14に組み付けられた際に、鉛直方向の上方となる端部)に配置されており、短手方向(横方向、図8の左右方向)に貫通する貫通孔35c,35cを有している。貫通孔35c,35cは、支点軸39の外径よりも若干大きい内径(隙間バメとなるような内径)を有している。また、一対の挟持片34b,34bのうちの一方には、貫通孔35cまで貫通するネジ孔35dを有している。当該ネジ孔35dには、ボルトBLT2がネジ係合される。なお、一対の挟持片34b,34b間の寸法は、固定部32の突起32bの横方向(図9の左右方向)の寸法よりも若干大きい値に設定されている。本体34aのうち一対の挟持片34b,34bが設けられた部分は、本発明における「第1端部」、「第2端部」および「第9端部」に対応する実施構成の一例である。
こうして構成された支持部34が、固定部32に揺動可能な状態で組み付けられることによって支持部材30が構成される。支持部34の固定部32への組み付けは、まず、一対の挟持片34b,34bが固定部32の突起32bを挟むように支持部34を固定部32に組み付け(図9参照)、挟持片34b,34bの貫通孔35c,35cの一方側から突起32bの貫通孔33dを介して挟持片34b,34bの貫通孔35c,35cの他方側まで支点軸39を挿通させる。支点軸39は、本発明における「第1支点軸」、「第2支点軸」および「第3支点軸」に対応する実施構成の一例である。
そして、ネジ孔35dにボルトBLT2をねじ込み(図8参照)、支点軸39が回転しないように固定する。このように、本実施の形態では、ボルトBLT2を支点軸39に当接するまでねじ込むことによって、支点軸39の回転を防止する構成とした。なお、支点軸39の回転を防止する構成としては、支点軸39と貫通孔33d、あるいは、支点軸39と貫通孔35c,35c(いずれか一方のみでも可)とを締まりバメとなる関係で嵌合する構成としても良い。
続いて、一対の段付き孔33b,33bの大径部に圧縮コイルスプリングCSPRを収容すると共に、固定部32の段付き孔33aの大径部側からストッパーボルトSBLTを挿通すると共に、当該ストッパーボルトSBLTの先端部を支持部34の本体34aの貫通孔35aから突出させ、最後に、当該ストッパーボルトSBLTの先端部からナットNをネジ係合させて(図5参照)、支持部34の固定部32からの脱落を防止することにより完了する。なお、支持部34が固定部32に組み付けられた際には、圧縮コイルスプリングCSPRの先端部は、支持部34の凹部35b,35bに収容される。
ここで、ナットNのネジ係合の程度(ねじ込み量)を調整することによって、ノーズバー20に取り付けたチップTPと刃物Knとの位置関係、具体的には、チップTPと刃物Knとが所望の距離をもって互いに平行となるように調整される。また、ボルトBLT3のネジ係合の程度(ねじ込み量)を調整することによって、圧縮コイルスプリングCSPRのバネ力(復元力)が所望の値となるように調整される。なお、圧縮コイルスプリングCSPRのバネ力(復元力)を所望の値に調整した後、ナットN2を締め付けることによってボルトBLT3の固定部32に対する軸線方向の移動を規制する(ボルトBLT3の軸線方向の位置を固定する)。
このように、支持部34は、圧縮コイルスプリングCSPRによって所望のバネ力(復元力)をもって固定部32から遠ざかる方向に付勢された状態、かつ、支点軸39を支点に揺動可能な状態で固定部32に組み付けられる。なお、複数の支持部材30がノーズバー取付台14に取り付けられ後、支持部34の下端部(本体34aのうち凹部35b,35bの袋小路孔とされた側の面、図6の下側端部)に長尺のノーズバー20が取り付けられる。当該ノーズバー20は、支持部材30の配列方向(ノーズバー取付台14の延在方向、図2および図3の左右方向)の両端に配置された支持部材30間に亘る長さを有している。ノーズバー20の下部には、図5および図9に示すように、チップTPが取り付けられている。こうして支持部34に取り付けられたノーズバー20は、支持部34を介して圧縮コイルスプリングCSPRによって所望のバネ力(復元力)をもって固定部32から遠ざかる方向に付勢される。
次に、こうして構成された鉋台10を備えるロータリーベニヤレース1の運転に伴って原木PWの削り出し部90がノーズバー20によって押圧される際の様子について説明する。ロータリーベニヤレース1の運転が開始されると、切削用スピンドル2a,2bに挟持された原木PWが回転されると共に、鉋台10が原木PWに近付く方向に移動(歩出し)され、回転している原木PWに刃物Knが押し当てられて、所望厚さの単板Venが削り出される(図10参照)。
このとき、図10に示すように、ノーズバー20によって、削り出し部90に関して刃物Knが配置された側とは反対側から当該削り出し部90が押圧される。これにより、削り出し部90に先割れが生じることを抑制して、単板Venの板厚斑の発生や肌荒れの発生を防止している。なお、ノーズバー20による削り出し部90に対する押圧力は、圧縮コイルスプリングCSPRのバネ力(復元力)により与えられる。
ここで、刃物Knによって原木PWから単板Venを削り出している際に、図11に示すように、原木PWの節部Spがノーズバー20に接触すると、ノーズバー20を介して支持部34に作用する押圧力の反力が増大して、支持部34が圧縮コイルスプリングCSPRのバネ力(復元力)に抗して、支点軸39を支点にして原木PWから離れる方向に揺動する(図10の二点鎖線)。このとき、ノーズバー20も節部Spとの接触部が最大となる曲げ変形を生じる(図11参照)。これにより、ノーズバー20による削り出し部90に対する過剰な押圧が抑制される。もとより、ノーズバー20による削り出し部90に対する適正な押圧力は確保できる。
なお、ノーズバー20は、支持部材30の配列方向(ノーズバー取付台14の延在方向、図2および図3の左右方向)の両端に配置された支持部材30間に亘って一体に延在しているため、ノーズバー20の角部、より具体的には、ノーズバー20に取り付けられるチップTPの3つの稜線が交差する部分が原木PWの削り出し部90に接触することに起因する傷が単板Venに付くことがない。また、水分を含む原木PWから単板Venを削り出す場合であったとしても、ノーズバー20による削り出し部90の押圧に起因して、当該削り出し部90から染み出る水分が単板Venに流れ出すことがないため、削り出される単板Venに線状の染みが付着することもない。
もとより、節部Spがノーズバー20へ接触しなくなると、圧縮コイルスプリングCSPRのバネ力(復元力)によって、支持部34が支点軸39を支点にして原木PWに近付く方向に揺動して、ノーズバー20が元の位置(姿勢)に戻されるため(図10の実線)、ノーズバー20による削り出し部90に対する適正な押圧力は確保される。
以上説明した本発明の実施の形態に係るロータリーベニヤレース1によれば、ノーズバー20の長手方向に沿って配置された複数の支持部34によってノーズバー20を支持すると共に、ノーズバー20を介して各支持部34に作用する押圧力の反力の大きさに応じて当該各支持部34が独立して原木PWから離れる方向に揺動可能なように、各支持部34を固定部32に組み付ける構成であるため、各支持部34の移動を介してノーズバー20を部分的に曲げ変形させることができる。即ち、刃物Knが原木PWの節部Spを削る際や、刃口に原木PWの欠片や切屑が進入した際に、ノーズバー20が一律に変形するのではなく、ノーズバー20のうち原木PWの節部Spが存在する部分を押圧する部分や、刃口に原木PWの欠片や切り屑が進入した箇所に対応する部分を大きく変形させることができる一方で、それ以外の部分ではノーズバー20の変形量(移動量)を小さく抑えることができる。これにより、ノーズバー20による削り出し部90の適正な押圧力の確保と、ノーズバー20による削り出し部90の過剰な押圧の抑制と、の両立を図ることができる。もとより、刃口に粉末状の木屑が溜まることに起因して、単板Venの削り出しが停止されるような不具合を生じることもない。
また、本発明の実施の形態に係るロータリーベニヤレース1によれば、長尺状のノーズバー20が部分的に変形する構成であり、従来のように複数に分割されたノーズバーの各小片のそれぞれが独立して変形する構成ではないため、ノーズバー20の角部、より具体的には、ノーズバー20に取り付けられるチップTPの3つの稜線が交差する部分が原木PWの削り出し部90に接触することに起因する傷が単板Venに付くことがない。また、水分を含む原木PWから単板Venを削り出す場合であったとしても、ノーズバー20による削り出し部90の押圧に起因して当該削り出し部90から染み出る水分が単板Venに流れ出すこともないため、削り出される単板Venに線状の染みが付着することもない。なお、ノーズバー20の支持点が複数存在するため、ノーズバー20を複数次に曲げ変形させることができる。即ち、ノーズバー20の部分的変形をより細かく生じさせることができる。
さらに、本発明の実施の形態に係るロータリーベニヤレース1によれば、支持部34の鉛直方向の上方に支点軸39が配置されると共に、支持部34の鉛直方向の下方に圧縮コイルスプリングCSPRからのバネ力(復元力)が作用する構成であるため、支持部の揺動を簡易な構成で実現できると共に、ノーズバー20が原木PWから離れる方向へ支持部34が移動した場合であっても、圧縮コイルスプリングCSPRのバネ力(復元力)で支持部34(ノーズバー20)を元の位置(姿勢)に戻すことができる。なお、本発明の実施の形態では、原木PWの削り出し部90を押圧する方向および当該削り出し部90から遠ざかる方向におけるノーズバー20の曲げ剛性が、圧縮コイルスプリングCSPRのバネ定数よりも小さいため、支持部34が原木PWから離れる方向へ揺動する際に、ノーズバー20の変形を効果的に生じさせることができる。
本実施の形態では、ノーズバー20は、支持部材30の配列方向(ノーズバー取付台14の延在方向、図2および図3の左右方向)の両端に配置された支持部材30間に亘る長さを有する一本の部材としたが、ノーズバー20は、支持部材30の配列方向(ノーズバー取付台14の延在方向、図2および図3の左右方向)の両端に配置された支持部材30間において分割されていても良い。この場合、例えば、図12ないし図14に例示する変形例のノーズバー120を複数用いる構成や、図15ないし図16に例示する変形例のノーズバー220を複数用いる構成が考えられる。ノーズバー120,220は、本発明における「第1プレッシャーバー」および「第2プレッシャーバー」に対応する実施構成の一例である。
ノーズバー120は、図12ないし図14に示すように、長手方向の両端が隣接する支持部材30に支持されている。より具体的には、ノーズバー120は、隣接する支持部材30の横方向(図13の左右方向)の中心間に亘る長さを有している。なお、ノーズバー120は、各ノーズバー120の長手方向の端面同士が当接された状態で支持部材30に支持される。
また、ノーズバー220は、図15ないし図16に示すように、隣接する3つの支持部材30に亘る長さを有している。より具体的には、ノーズバー220は、隣接する3つの支持部材30のうち両端に配置された支持部材30の横方向(図13の左右方向)の中心間に亘る長さを有しており、当該3つの支持部材に支持されている。なお、ノーズバー220は、各ノーズバー220の長手方向の端面同士が当接された状態で支持部材30に支持される。
こうした変形例のノーズバー120,220を用いるロータリーベニヤレース1によれば、刃物Knが原木PWの節部Spを削る際や、刃口に原木PWの欠片や切屑が進入した際に、ノーズバー120,220が一律に変形するのではなく、ノーズバー120,220のうち原木PWの節部Spが存在する部分を押圧する部分や、刃口に原木PWの欠片や切り屑が進入した箇所に対応する部分を大きく変形(移動)させることができる一方で、それ以外の部分ではノーズバー120,220の変形量(移動量)を小さく抑えることができ、ノーズバー120,220による削り出し部90の適正な押圧力の確保と、ノーズバー120,220による削り出し部90の過剰な押圧の抑制と、の両立をより一層効果的に実現することができる。
なお、変形例のノーズバー120,220では、本実施の形態に係るノーズバー20とは異なり、長手方向に複数に分割されているが、各ノーズバー120,220の長手方向の端面同士が当接された状態で支持部材30に支持されており、支持部34の揺動を伴ってノーズバー120,220が曲げ変形する際に、各ノーズバー120,220の隣接する長手方向の端部が同時に変形(移動)するため、各ノーズバー120,220の隣接する長手方向の端部の一方の角部(具体的には、ノーズバー120,220に取り付けられるチップTPの3つの稜線が交差する部分)が削り出し部90に接触して削り出される単板Venに傷が付くことが良好に防止され得る。また、支持部34の揺動を伴ってノーズバー120,220が曲げ変形する際に、各ノーズバー120,220間に隙間を生じることもないため、水分を含む原木PWから単板Venを削り出す場合であっても、ノーズバー120,220による削り出し部90の押圧に起因して当該削り出し部90から染み出る水分が、削り出される単板Venに流れ出して、当該単板Venに線状の染みが付着することもない。
変形例のノーズバー120,220では、各ノーズバー120,220の長手方向の端面同士を当接した状態で支持部材30に支持したが、各ノーズバー120,220の長手方向の端面同士は当接させなくても良い。
本実施の形態では、支点軸39よりも鉛直方向において下方の位置であって、支持部34の本体34aのうちノーズバー20が取り付けられた面の裏側に、圧縮コイルスプリングCSPRを配置し、当該圧縮コイルスプリングCSPRの復元力によって支持部34を介してノーズバー20を固定部32から遠ざかる方向に付勢したが、これに限らない。例えば、図18の変形例の支持部材330に例示すように、ノーズバー20よりも鉛直方向において上方の位置であって、かつ、支点軸39よりも鉛直方向において上方の位置に、引張コイルスプリングPSPRを配置し、当該引張コイルスプリングPSPRの復元力によって、支持部334を介してノーズバー20を固定部332から遠ざかる方向に付勢しても良い。
変形例の固定部332は、図18に示すように、スプリング支持壁332cを備える点を除いて、図5ないし図7を用いて説明した本実施の形態の固定部32と同一の構成を有している。したがって、変形例の固定部332のうち本実施の形態の固定部32の構成と同一部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
スプリング支持壁332cは、図18に示すように、本体32aに一体にされており、当該本体32aの上端面からの突起32bの突出方向と同方向に延出している。スプリング支持壁332cの延出端部には、引張コイルスプリングPSPRを引っ掛けるためのフック(図示せず)が取り付けられている。
変形例の支持部334は、図18に示すように、凹部35b,35bを備えない点やスプリング支持壁334cを備える点を除いて、図5、図6および図8を用いて説明した本実施の形態の支持部34と同一の構成を有している。したがって、変形例の支持部334のうち本実施の形態の支持部34の構成と同一部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。支持部334は、本発明における「第1支持部」、「第2支持部」および「第3支持部」に対応する実施構成の一例である。
スプリング支持壁334cは、図18に示すように、本体34aに一体にされており、当該本体34aの長手方向に沿う方向であって、当該本体34aに直交状に一体にされた一対の挟持片34b,34bから遠ざかる方向に向かって延出している。スプリング支持壁334cの延出端部には、引張コイルスプリングPSPRのバネ力を調整するためのアジャスタボルトABLTが取り付けられている。当該アジャスタボルトABLTは、軸線が一対の挟持片34b,34bの延出方向と平行となるように配置されている。スプリング支持壁334cは、本発明における「第1延出部」、「第2延出部」および「第3延出部」に対応する実施構成の一例である。また、引張コイルスプリングPSPRは、本発明における「第3付勢部材」、「第4付勢部材」および「第10付勢部材」に対応する実施構成の一例である。
こうして構成された変形例の固定部332および支持部334は、図18に示すように、両スプリング支持壁332c,334c間に引張コイルスプリングPSPRを配置した状態で組み付けられる。そして、アジャスタボルトABLTによって引張コイルスプリングPSPRの伸び状態、即ち、バネ力の調整が行われる。支持部334のスプリング支持壁334cは、引張コイルスプリングPSPRのバネ力(復元力)によって、固定部332のスプリング支持壁332cに接近する方向に付勢される。これにより、支持部334が支点軸39を支点として時計回りに回転される。この結果、ノーズバー20が支持部334を介して固定部332から遠ざかる方向に付勢される。なお、引張コイルスプリングPSPRのバネ定数は、ノーズバー20のチップTPから支点軸39までの距離と、当該支点軸39からアジャスタボルトABLTまでの距離と、の比であるレバー比を考慮した上で、原木PWの削り出し部90を適正な押圧力をもって押圧可能であり、かつ、刃物Knが原木PWの節部を削る際や、刃口に原木PWの欠片や切屑が進入した際に、ノーズバー20が原木PWから遠ざかる方向に移動して、ノーズバー20による削り出し部90の過剰な押圧が抑制可能な値に設定されている。また、原木PWの削り出し部90を押圧する方向および当該削り出し部90から遠ざかる方向におけるノーズバー20の曲げ剛性が、レバー比と引張りコイルスプリングPSPRのバネ定数とによって決まる支持部334の揺動剛性よりも小さい。なお、支持部334の揺動剛性とは、ノーズバー20が原木PWから遠ざかる方向への支持部334の揺動のし難さとして規定される。支持部334の揺動剛性は、本発明における「移動剛性」に対応する実施構成の一例である。
当該変形例の支持部材330を用いる鉋台10においても、本実施の形態に係る支持部材30を用いる鉋台10と同様の作用効果、例えば、刃物Knが原木PWの節部Spを削る際や、刃口に原木PWの欠片や切屑が進入した際に、ノーズバー20が一律に変形するのではなく、ノーズバー20のうち原木PWの節部Spが存在する部分を押圧する部分や、刃口に原木PWの欠片や切り屑が進入した箇所に対応する部分を大きく変形させることができる一方で、それ以外の部分ではノーズバー20の変形量(移動量)を小さく抑えることができ、ノーズバー20による削り出し部90の適正な押圧力の確保と、ノーズバー20による削り出し部90の過剰な押圧の抑制と、の両立を図ることができる効果を奏することができる。また、ノーズバー20の角部(具体的には、ノーズバー20に取り付けられるチップTPの3つの稜線が交差する部分)が原木PWの削り出し部90に接触することに起因する傷が単板Venに付くことがない。さらに、ノーズバー20が曲げ変形する際に隙間を生じることがないため、水分を含む原木PWから単板Venを削り出す場合であっても、ノーズバー20による削り出し部90の押圧に起因して当該削り出し部90から染み出る水分が、削り出される単板Venに流れ出すことがない。
さらに、当該変形例によれば、引張コイルスプリングPSPRが支点軸39よりも鉛直方向の上方に配置されるため、当該引張コイルスプリングPSPRの交換などのメンテナンスを容易に行うことができる。
本実施の形態および上述した変形例の支持部材30,330では、支点軸39を介して支持部34を固定部32に揺動可能に支持したが、これに限らない。例えば、図19に示す変形例の支持部材430に例示するように、固定部432に回転可能に支持されたローラRを介して支持部434を固定部432に揺動可能に支持しても良い。
固定部432は、図19および図20に示すように、本体432aと、当該本体432aの上端面に突出状に一体にされた支持壁432b,432cと、から構成されている。本体432aは、ノーズバー20の延在方向(図20の左右方向)に沿って延在している。また、本体432aには、支持壁432b,432c間にネジ孔433aが形成されている。なお、本体432aは、本実施の形態の支持部材30の固定部32の本体32aと同様、段付き孔33aと、一対の段付き孔33b,33bと、段付き孔33c,33cと、を有している。
支持壁432b,432cは、図20に示すように、本体432aの延在方向(図20の左右方向)に所定の間隔をもって配置されている。支持壁432b,432cは、所定の間隔をもって配置された支持壁432b,432cを1組として、本体432aの延在方向(図20の左右方向)に複数組配置されている(図23および図24参照)。
また、支持壁432b,432cは、図20に示すように、それぞれ第1壁432b1,432c1と、第2壁432b2,432c2と、を有しており、第1壁432b1,432c1および第2壁432b2,432c2は、本体432aの延在方向(図20の左右方向)に所定の間隔をもって配置されている。当該所定の間隔は、後述するローラRの幅方向(図20の左右方向)の寸法よりも若干大きく設定されている。第1壁432b1,432c1および第2壁432b2,432c2は、図20に示すように、横方向(図20の左右方向)に貫通する貫通孔433bを有している。当該貫通孔433bには、支点軸439が嵌挿される。当該支点軸439によって、ローラRが第1壁432b1,432c1および第2壁432b2,432c2の間に回転可能に支持される。ここで、ローラRは、支点軸439に対して回転可能に支持されても良いし、ローラRを支点軸439に一体に取り付け、当該支点軸439と一体にローラRが回転されても良い。なお、ローラRは、図20に示すように、固定部432のうち支持部434が配置される側の面432dよりも支持部434側(図20の下側)に突出している。支点軸439は、本発明における「第1支点軸」、「第2支点軸」および「第3支点軸」に対応し、ローラRは、本発明における「第1ローラ」、「第2ローラ」および「第3ローラ」に対応する実施構成の一例である。
支持部434は、図19に示すように、本体434aと、当該本体434aに直交状に一体にされた突出片434bと、を有する側面視(図19の紙面直交方向から見た場合)略L字状を有している。支持部434は、本発明における「第1支持部」、「第2支持部」および「第3支持部」に対応する実施構成の一例である。
本体434aと突出片434bの交差部(出隅)436は、図21に示すように、傾斜面436aとされており、当該傾斜面436aから入隅437側に向かって貫通孔436bが形成されている。
支持部434は、図21に示すように、入隅437側の内壁面437a,437bのそれぞれを、支持壁432b,432cに支持されたローラR,Rに当接させた状態で、固定部432に支持される。具体的には、支持部434は、内壁面437a,437bのそれぞれを2つのローラR,Rに当接させた状態で、貫通孔436bにボルトBLT4を挿通し、当該ボルトBLT4を固定部432のネジ孔433aにネジ係合することによって、固定部432に支持される。ここで、ボルトBLT4の頭部と傾斜面436aとの間には、圧縮コイルスプリングCSPR2が配置される。即ち、支持部434は、当該圧縮コイルスプリングCSPR2によって、内壁面437a,437bがローラR,R側に付勢された状態で固定部432に支持される。圧縮コイルスプリングCSPR2は、本発明における「第5付勢部材」、「第6付勢部材」および「第11付勢部材」に対応し、ボルトBLT4は、本発明における「第1ボルト」、「第2ボルト」および「第3ボルト」に対応する実施構成の一例である。
当該変形例の支持部材430を用いる鉋台10によれば、本実施の形態に係る支持部材30を用いる鉋台10と同様の作用効果、例えば、刃物Knが原木PWの節部Spを削る際や、刃口に原木PWの欠片や切屑が進入した際に、ノーズバー20が一律に変形するのではなく、ノーズバー20のうち原木PWの節部Spが存在する部分を押圧する部分や、刃口に原木PWの欠片や切り屑が進入した箇所に対応する部分を大きく変形させることができる一方で、それ以外の部分ではノーズバー20の変形量(移動量)を小さく抑えることができ、ノーズバー20による削り出し部90の適正な押圧力の確保と、ノーズバー20による削り出し部90の過剰な押圧の抑制と、の両立を図ることができる効果を奏することができる。また、ノーズバー20の角部(具体的には、ノーズバー20に取り付けられるチップTPの3つの稜線が交差する部分)が原木PWの削り出し部90に接触することに起因する傷が単板Venに付くことがない。さらに、ノーズバー20が曲げ変形する際に隙間を生じることがないため、水分を含む原木PWから単板Venを削り出す場合であっても、ノーズバー20による削り出し部90の押圧に起因して当該削り出し部90から染み出る水分が、削り出される単板Venに流れ出すことがない。
なお、当該変形例の支持部材430では、支持部434が圧縮コイルスプリングCSPR2による付勢力によってローラR,Rに付勢されているのみであるため、支持部434が固定部432に対して、支点軸439を支点として揺動(図19の矢印SD方向の揺動)することができるのみならず、支持部434が、図22ないし図24に示すように、一方のローラR,Rから離れる態様の揺動が可能である。これにより、ノーズバー20がより柔軟に変形することができるため、ノーズバー20の適正な押圧力をより一層効果的に実現することがでる。
また、変形例の支持部材430によれば、支持部434が、一方のローラR,Rから離れる態様の揺動が可能であるため、ナットNのネジ係合の程度(ねじ込み量)を調整することによって、ノーズバー20に取り付けたチップTPと刃物Knとの位置関係をよりフレキシブルに調整可能である。例えば、図23の右側の支持部材430のナットNを締め込むことによって、図23の左側の支持部材430の支持部434を、図23の右側の支持部材430に近い側のローラRとの当接が維持されたまま、図23の右側の支持部材430から遠い側のローラRとの当接が解除される態様で傾斜させることができるため、図23示すような刃物Knの折れ曲り形状に倣った形状にノーズバー20を変形させることができる。
本実施の形態および上述した変形例の支持部材30,330,430では、支持部34,434が揺動する構成としたが、これに限らない。例えば、図25に示す変形例の支持部材530に例示するように、支持部534が固定部532に対して略水平方向に移動する構成としても良い。
変形例の固定部532は、図25に示すように、圧縮コイルスプリングCSPR3および支持部534を収容可能な筒状凹部533bを有している。また、変形例の支持部534は、当該筒状凹部533b内を摺動可能なピストン部材として構成されており、摺動方向の先端部にノーズバー20が取り付けられる。支持部534は、本発明における「第1支持部」、「第2支持部」および「第3支持部」に対応し、圧縮コイルスプリングCSPR3は、本発明における「第7付勢部材」、「第8付勢部材」および「第12付勢部材」に対応する実施構成の一例である。
こうして構成された変形例の支持部材530を用いる鉋台10においても、本実施の形態に係る支持部材30を用いる鉋台10と同様の作用効果、例えば、刃物Knが原木PWの節部Spを削る際や、刃口に原木PWの欠片や切屑が進入した際に、ノーズバー20が一律に変形するのではなく、ノーズバー20のうち原木PWの節部Spが存在する部分を押圧する部分や、刃口に原木PWの欠片や切り屑が進入した箇所に対応する部分を大きく変形させることができる一方で、それ以外の部分ではノーズバー20の変形量(移動量)を小さく抑えることができ、ノーズバー20による削り出し部90の適正な押圧力の確保と、ノーズバー20による削り出し部90の過剰な押圧の抑制と、の両立を図ることができる効果を奏することができる。また、ノーズバー20の角部(具体的には、ノーズバー20に取り付けられるチップTPの3つの稜線が交差する部分)が原木PWの削り出し部90に接触することに起因する傷が単板Venに付くことがない。さらに、ノーズバー20が曲げ変形する際に隙間を生じることがないため、水分を含む原木PWから単板Venを削り出す場合であっても、ノーズバー20による削り出し部90の押圧に起因して当該削り出し部90から染み出る水分が、削り出される単板Venに流れ出すことがない。
本実施の形態および上述した変形例の支持部材30,330,430,530では、支持部34,334,434,534と固定部32,332,432,532との間に配置した圧縮コイルスプリングCSPR,CSPR3または引張コイルスプリングPSPRのバネ力(復元力)によって、ノーズバー20による削り出し部90に対する押圧力を発生させたが、これに限らない。例えば、流体シリンダを支持部34,334,434,534に接続することによって、ノーズバー20による削り出し部90に対する押圧力を発生させても良い。
本実施の形態および上述した変形例の支持部材30,330,430,530では、支持部34,334,434,534が原木PWから離れる方向に揺動ないし移動可能なように、当該支持部34,334,434,534を固定部32,332,432,532に組み付けると共に、圧縮コイルスプリングCSPR,CSPR3あるいは引張コイルスプリングPSPRのバネ力(復元力)によって支持部34,334,434,534(ノーズバー20)が元の位置(姿勢)に戻される構成としたが、これに限らない。例えば、図26に示す変形例の支持部材630に例示するように、支持部634が原木PWから離れる方向に撓み可能なように、当該支持部634を固定部632に組み付けると共に、支持部634の弾性力によって当該支持部634が元の位置(姿勢)に戻される構成としても良い。
変形例の支持部634は、図26に示すように、ノーズバー取付台14に固定された固定部632に片持ち状態で支持され、その自由端部にノーズバー20が取り付けられる。なお、支持部634は、原木PWの削り出し部90を適正な押圧力をもって押圧可能であり、かつ、刃物Knが原木PWの節部を削る際や、刃口に原木PWの欠片や切屑が進入した際に、ノーズバー20が原木PWから遠ざかる方向に撓んで、ノーズバー20による削り出し部90の過剰な押圧が抑制可能な曲げ剛性(撓み剛性)を有している。また、原木PWの削り出し部90を押圧する方向および当該削り出し部90から遠ざかる方向におけるノーズバー20の曲げ剛性は、支持部634の曲げ剛性(撓み剛性)よりも小さい。なお、支持部634が削り出し部90から遠ざかる方向に撓んだとしても、支持部634は当該支持部634自体の弾性力によって元の位置(姿勢)に戻ることができる。支持部634は、本発明における「第1支持部」、「第2支持部」および「第3支持部」に対応する実施構成の一例である。また、支持部634の曲げ剛性(撓み剛性)は、本発明における「移動剛性」に対応する実施構成の一例である。さらに、支持部634のうち固定部632に固定された部分は、本発明における「第5端部」、「第6端部」および「第11端部」に対応し、支持部634のうちノーズバー20が取り付けられる自由端部は、本発明における「第7端部」、「第8端部」および「第12端部」に対応する実施構成の一例である。
こうして構成された変形例の支持部材630を用いる鉋台10においても、本実施の形態および上述した変形例の支持部材30,330,530を用いる鉋台10と同様の作用効果、例えば、刃物Knが原木PWの節部Spを削る際や、刃口に原木PWの欠片や切屑が進入した際に、ノーズバー20が一律に変形するのではなく、ノーズバー20のうち原木PWの節部Spが存在する部分を押圧する部分や、刃口に原木PWの欠片や切り屑が進入した箇所に対応する部分を大きく変形させることができる一方で、それ以外の部分ではノーズバー20の変形量(移動量)を小さく抑えることができ、ノーズバー20による削り出し部90の適正な押圧力の確保と、ノーズバー20による削り出し部90の過剰な押圧の抑制と、の両立を図ることができる効果を奏することができる。また、ノーズバー20の角部(具体的には、ノーズバー20に取り付けられるチップTPの3つの稜線が交差する部分)が原木PWの削り出し部90に接触することに起因する傷が単板Venに付くことがない。さらに、ノーズバー20が曲げ変形する際に隙間を生じることがないため、水分を含む原木PWから単板Venを削り出す場合であっても、ノーズバー20による削り出し部90の押圧に起因して当該削り出し部90から染み出る水分が、削り出される単板Venに流れ出すことがない。
上述した変形例の支持部材630では、削り出し部90から遠ざかる方向に撓んだ支持部634が、当該支持部634自体の弾性力によって元の位置(姿勢)に戻る構成としたが、これに限らない。例えば、図27に例示する変形例の支持部材630Aに示すように、支持部634のうちノーズバー20が取り付けられる自由端部と、固定部632Aと、の間にコイルスプリングCSPRを配置して、当該コイルスプリングCSPRのバネ力(復元力)によって、削り出し部90から遠ざかる方向に撓んだ支持部634を元の位置に(姿勢)に戻す構成としても良い。
変形例の支持部630Aは、図27に示すように、ノーズバー取付台14に固定される固定部632Aと、当該固定部632Aに片持ち支持される支持部634Aと、を有している。固定部632Aは、支持部材630Aの配列方向(ノーズバー取付台14の延在方向、図27の紙面に垂直な方向)および鉛直方向(図27の上下方向)の両方に直交する方向の一方側(図27の左側)から見た場合に、鉛直方向(図27の上下方向)に長い長方形状を有している。固定部632Aの鉛直方向(図27の上下方向)の長さは、支持部634Aの鉛直方向(図27の上下方向)の長さとほぼ同じである。また、固定部632Aは、突出面632Aaを有している。当該突出面632Aaは、固定部632Aのノーズバー取付台14に当接する面とは反対側に配置されている。突出面632Aaは、固定部632Aの鉛直方向(図27の上下方向)の上方に配置されている。さらに固定部632Aは、上述した本実施の形態の支持部材30の固定部32と同様、固定部632Aの本体632Aaのほぼ中央に配置された段付き孔33aと、本体632Aaの下端部(図27の下側の端部)に配置された一対の段付き孔33b,33bと、を有している。
なお、上述した本実施の形態の支持部材30と同様、図27に示すように、段付き孔33aには、ストッパーボルトSBLTが挿通され、一対の段付き孔33b,33bには、圧縮コイルスプリングCSPRが収容されると共にボルトBLT3がネジ係合される。ここで、圧縮コイルスプリングCSPRのバネ定数は、刃物Knによって原木PWから単板Venを削り出す際に、当該原木PWの削り出し部90を適正な押圧力をもって押圧可能であり、かつ、刃物Knが原木PWの節部を削る際や、刃口に原木PWの欠片や切屑が進入した際に、ノーズバー20が原木PWから遠ざかる方向に移動して、ノーズバー20による削り出し部90の過剰な押圧が抑制可能な値に設定されている。また、原木PWの削り出し部90を押圧する方向および当該削り出し部90から遠ざかる方向におけるノーズバー20の曲げ剛性は、圧縮コイルスプリングCSPRのバネ定数よりも小さい。
支持部634Aは、図27に示すように、ほぼ中央に貫通孔35aを有している点を除いて、上述した変形例の支持部材630の支持部634と同じ構成を有している。なお、貫通孔35aは、上述した本実施の形態の支持部材30の支持部34が有する貫通孔35aと同一である。支持部634Aは、圧縮コイルスプリングCSPRのバネ力(復元力)によって固定部632Aから遠ざかる方向に付勢された状態で、当該固定部632Aに片持ち支持される。より具体的には、支持部634Aは、鉛直方向(図27の上下方向)の上端部が固定部632Aの突出面632Aaに固定され、ノーズバー20が取り付けられる下端部である自由端部が圧縮コイルスプリングCSPRによって固定部632Aから遠ざかる方向に付勢された状態で、固定部632Aに支持される。当該圧縮コイルスプリングCSPRのバネ力(復元力)は、ボルトBLT3のネジ係合の程度(ねじ込み量)を調整することにより所望の値に調整される。なお、ストッパーボルトSBLTにネジ係合されたナットNのネジ係合の程度(ねじ込み量)を調整することによって、チップTPと刃物Knとが所望の距離をもって互いに平行となるように調整される。支持部634Aのうち固定部632Aに固定された部分は、本発明における「第5端部」、「第6端部」および「第11端部」に対応し、支持部634のうちノーズバー20が取り付けられる自由端部は、本発明における「第7端部」、「第8端部」および「第12端部」に対応する実施構成の一例である。
こうして構成された変形例の支持部材630Aを用いる鉋台10においても、上述した変形例の支持部材630を用いる鉋台10と同様の作用効果、例えば、刃物Knが原木PWの節部Spを削る際や、刃口に原木PWの欠片や切屑が進入した際に、ノーズバー20が一律に変形するのではなく、ノーズバー20のうち原木PWの節部Spが存在する部分を押圧する部分や、刃口に原木PWの欠片や切り屑が進入した箇所に対応する部分を大きく変形させることができる一方で、それ以外の部分ではノーズバー20の変形量(移動量)を小さく抑えることができ、ノーズバー20による削り出し部90の適正な押圧力の確保と、ノーズバー20による削り出し部90の過剰な押圧の抑制と、の両立を図ることができる効果を奏することができる。また、ノーズバー20の角部(具体的には、ノーズバー20に取り付けられるチップTPの3つの稜線が交差する部分)が原木PWの削り出し部90に接触することに起因する傷が単板Venに付くことがない。さらに、ノーズバー20が曲げ変形する際に隙間を生じることがないため、水分を含む原木PWから単板Venを削り出す場合であっても、ノーズバー20による削り出し部90の押圧に起因して当該削り出し部90から染み出る水分が、削り出される単板Venに流れ出すことがない。もとより、節部Spがノーズバー20へ接触しなくなると、圧縮コイルスプリングCSPRのバネ力(復元力)によって、支持部634aが原木PWに近付く方向に揺動して、ノーズバー20が元の位置(姿勢)に戻されるため、ノーズバー20による削り出し部90に対する適正な押圧力は確保される。
本実施の形態および上述した変形例では、ロータリーベニヤレース1がノーズバー取付台14とは別体の固定部32,332,432,532,632を有する構成としたが、これに限らない。例えば、固定部32,332,432,532,632はノーズバー取付台14に一体成形しても良い。この場合、ノーズバー取付台14のうち支持部34,334,434,534,634を揺動可能に支持する部分は、本発明における「固定部」に対応する実施構成の一例である。
本実施の形態および上述した変形例では、支持部材30,330,430,530,630は、複数の固定部32,332,432,532,632を有し、各固定部32,332,432,532,632毎に支持部34,334,434,534,634を揺動可能に支持する構成としたが、これに限らない。例えば、支持部材30,330,430,530,630が、固定部32,332,432,532,632を一つのみ有し、当該一つの固定部32,332,432,532,632に、複数の支持部34,334,434,534,634をノーズバー取付台14の延在方向に所定の間隔をもって揺動可能に支持させても良い。この場合、固定部32,332,432,532,632は、ノーズバー20,120,220の長手方向に延在する長尺状とすることができる。
本実施の形態および上述した変形例では、プレッシャーバーとしてノーズバー20,120,220を用いたが、これに限らない。例えば、プレッシャーバーとしてローラバーを用いても良い。
本実施の形態および上述した変形例では、ロータリーベニヤレース1に適用したが、図28に示すように、ベニヤスライサー701に適用しても良い。ベニヤスライサー701は、一対の切削用スピンドル2a,2bを保持部材702に替えた点を除いて、本実施の形態のロータリーベニヤレース1とほぼ同じ構成を有している。即ち、ベニヤスライサー701は、木材FLを保持可能な保持部材702を有する一対の支持フレーム4a,4b(図1参照)と、当該一対の支持フレーム4a,4b(図1参照)を連結するベースフレーム6(図1参照)と、一対の支持フレーム4a,4b(図1参照)間であってベースフレーム6(図1参照)上に配置された鉋台10と、を備えており、木材FLと刃物Knとを相対移動させて単板Venを削り出す装置である。なお、図28では、鉋台10が支持部材430を有する構成を開示している。
本実施の形態および上述した変形例では、ノーズバー20に別体のチップTPを取り付けたが、ノーズバー20をチップTPと同じ材質で成形すればチップTPを有さない構成としても良い。
本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものである。したがって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。なお、本実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。