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JP7254288B2 - クリープ試験装置 - Google Patents
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Description

本発明は、ねじりモーメントと曲げモーメントの一方のみならず両方を試験片に付与するクリープ試験装置に関する。
特許文献1には、試料に引張荷重又は圧縮荷重を付与する試験装置が開示されている。
特許文献2には、2体のウェイトの重量荷重を利用して、試験片に引張荷重を付与するクリープ試験装置が開示されている。
特開2005-249612号公報 特開平08-043281号公報
ところで、ウェイトの重量荷重により試験片にねじりモーメントと曲げモーメントの一方のみならず、両方を付与するクリープ試験装置が望まれている。本発明者及び本出願人は、そのようなクリープ試験装置を開示した先行技術文献を発見することができなかった。そこで、本発明者は、試験片にねじりモーメントと曲げモーメントの両方を付与するクリープ試験装置を開発した(但し、このクリープ試験装置は公知ではない)。このクリープ試験装置は、試験片の一端を固定し、試験片の他端に第一荷重伝達レバーを連結し、その第一荷重伝達レバーの上又は下から第二荷重伝達レバーを第一荷重伝達レバーに当接させて、ウェイトの重量荷重を第二荷重伝達レバーに付与することによって第二荷重伝達レバーから第一荷重伝達レバーに上向き又は下向きの荷重に伝達するものである。
ところで、このクリープ試験装置を用いた場合、試験片がクリープ変形しやすいものである場合、第一荷重伝達レバーの回転変位が大きくなる。第一荷重伝達レバーの回転変位が大きくなると、第二荷重伝達レバーから第一荷重伝達レバーに伝達する荷重の向きが変化してしまう。つまり、第二荷重伝達レバーから第一荷重伝達レバーに伝達する荷重の向きは、第一荷重伝達レバーに対して垂直な方向ではなくなる。そうすると、試験片に付与するねじりモーメントと曲げモーメントを正確に計測することができない。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものである。その発明の目的は、第一荷重伝達レバーの回転変位が大きくなることによって第二荷重伝達レバーから第一荷重伝達レバーに伝達する荷重の向きが変化してしまっても、その向きを元に戻せるクリープ試験装置を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、クリープ試験装置は、試験片を収容するとともに前記試験片を加熱する加熱炉と、前記試験片の一端を固定し、前記試験片の軸線を水平に支持する試験片支持部と、前記試験片の他端に連結された一方向クラッチと、前記試験片の軸線に対して直交する方向に前記一方向クラッチから水平に延びた第一荷重伝達レバーと、前記試験片からずれた位置において前記第一荷重伝達レバーの上又下を横切るとともに、振り上げ下げ可能に支持された第二荷重伝達レバーと、前記第二荷重伝達レバーに重量荷重を付与することによって、前記第二荷重伝達レバーを前記第一荷重伝達レバーの上又は下から前記第一荷重伝達レバーに押し当てるウェイトと、を備え、前記一方向クラッチは、前記ウェイトによって前記第二荷重伝達レバーから前記第一荷重伝達レバーに付与される荷重による前記試験片に対する前記第一荷重伝達レバーの回転を規制するとともに、前記試験片に対する前記第一荷重伝達レバーの反対向きの回転を許容し、ねじりモーメントと曲げモーメントの両方を前記ウェイトの重量荷重により前記試験片に付与する。
以上によれば、一方向クラッチが試験片と第一荷重伝達レバーの間に介在するため、第一荷重伝達レバーの回転変位が大きくなったときに、第一荷重伝達レバーを反対向きに回転させることができる。そうすると、第二荷重伝達レバーから第一荷重伝達レバーに伝わる荷重の向きを第一荷重伝達レバーの軸線に対して垂直な方向に戻すように修正することができる。
前記クリープ試験装置が、前記試験片に関して前記第二荷重伝達レバーの反対側の位置において前記第一荷重伝達レバーの上又は下を横切るとともに、振り上げ下げ可能に支持された第三荷重伝達レバーと、前記第三荷重伝達レバーに重量荷重を付与することによって、前記第三荷重伝達レバーを前記第一荷重伝達レバーの上又は下から前記第一荷重伝達レバーに押し当てる第二ウェイトと、を更に備え、前記第三荷重伝達レバーが着脱可能であり、前記第三荷重伝達レバーが外された場合に、ねじりモーメントと曲げモーメントの両方を前記ウェイトの重量荷重により前記試験片に付与し、前記第三荷重伝達レバーが取り付けられた場合に、ねじりモーメントを前記ウェイト及び前記第二ウェイトの重量荷重により前記試験片に付与する。
本発明の実施形態によれば、第一荷重伝達レバーの回転変位が大きくなったときに、第一荷重伝達レバーを反対向きに回転させると、第二荷重伝達レバーから第一荷重伝達レバーに伝わる荷重の向きを第一荷重伝達レバーの軸線に対して垂直な方向に戻すことができる。
図1は、第1態様となったクリープ試験装置をその前方、上方且つ左方から見て示した斜視図である。 図2は、第1態様となったクリープ試験装置をその前方、上方且つ左方から見て示した分解斜視図である。 図3は、第1態様となったクリープ試験装置をその後方、上方且つ右方から見て示した斜視図である。 図4は、第1態様となったクリープ試験装置をその前方、上方且つ右方から見て示した斜視図である。 図5は、第2態様となったクリープ試験装置をその前方、上方且つ左方から見て示した斜視図である。 図6は、第2態様となったクリープ試験装置をその後方、上方且つ右方から見て示した斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されている。本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
1. クリープ試験装置
図1~図8は、クリープ試験装置1の斜視図である。図1~図4は、試験片2にねじり荷重と曲げ荷重の両方を付与する態様(以下、第1態様という)を示す。図5及び図6は、試験片2にねじり荷重を付与する態様(以下、第2態様という)を示す。
試験片2は棒状、特に丸棒又は丸パイプの形状を有し、その丸棒又は丸パイプの中心線が試験片2の軸線である。ねじり荷重とは、試験片2の軸線回りに試験片2をねじるような荷重をいう。ねじり荷重は、試験片2にねじりモーメントを発生させる。曲げ荷重とは、試験片2の軸線に垂直な方向に試験片2を曲げるような荷重をいう。曲げ荷重は、試験片2に曲げモーメントを発生させる。
作業者が第1態様のクリープ試験装置1に支持台80、第三荷重伝達レバー81、第二バランスウェイト84及び第二ウェイト90を組み付けると、クリープ試験装置1が第2の態様になる。作業者が第2態様のクリープ試験装置1から第三荷重伝達レバー81、第二バランスウェイト84及び第二ウェイト90を取り外すと、クリープ試験装置1が第1の態様になる。
以上のように作業者がクリープ試験装置1の態様を変更することによって、試験片2に付与する荷重の態様が変更される。
2. 第1態様(曲げ及びねじり)
図1及び図2は、第1態様となったクリープ試験装置1をその前方、上方且つ左方から見て示した斜視図である。図1では、クリープ試験装置1の加熱炉30が閉じられた状態を示す。図2では、第1態様となったクリープ試験装置1の加熱炉30が開かれているとともに試験片2からホルダ42、シャフト43、一方向クラッチ44及び第一荷重伝達レバー41を取り外した状態を示す。図3は、クリープ試験装置1をその後方、上方且つ右方から見て示した斜視図である。図4は、第1態様となったクリープ試験装置1をその前方、上方且つ右方から見て示した斜視図である。図1~図3、図5及び図6では、クリープ試験装置1の各部を見やすくするために、変位センサ71,72の図示を省略する。
ベース板11の下面には、高さ調整可能な4つの脚12が取り付けられている。ベース板11がこれら脚12によって作業台の上に支持される。脚12の高さを個別に調整することによって、ベース板11を水平に設置することができる。
ベース板11上には、取付台20が取り付けられている。取付台20の前面には、試験片支持部21が取り付けられている。試験片2の一端が試験片支持部21に対して着脱可能に試験片支持部21によって把持される。試験片支持部21に固定された試験片2の軸線は、ベース板11の上方において前後に延在するとともに、ベース板11に対して平行である。試験片2の軸線は、試験片支持部21によって水平に支持される。
ベース板11上の取付台20の前には、加熱炉30が設置されている。加熱炉30は下半体31及び上半体32を有する。下半体31が取付台20の前においてベース板11上に取り付けられ、上半体32がヒンジ34によって回転可能に下半体31に連結されている。上半体32が下半体31の上に倒された状態では、下半体31の上面に形成された溝31aと上半体32の下面に形成された溝32aが上下に重なり合う。溝31a,32aが重なり合うことによって、加熱炉30内に中空が形成される。その中空は加熱炉30の前面と後面において開口しており、試験片支持部21が加熱炉30の後面の開口から加熱炉30の中空に挿入されている。試験片2は加熱炉30の中空に収容される。
加熱炉30は電気炉であり、電気ヒータ及び温度センサが加熱炉30に設けられている。電気ヒータによって加熱炉30の中空及び試験片2が加熱され、加熱炉30の中空の温度が温度センサに計測される。制御回路が温度センサの計測温度に従って電気ヒータをフィードバック制御することによって、加熱炉30の中空が一定の温度に制御される。
試験片2の他端はホルダ42及びシャフト43を介して一方向クラッチ44に連結されている。具体的には、以下の通りである。試験片2の他端がチューブ型のホルダ42に挿入されている。試験片2の他端がホルダ42に対して着脱可能にホルダ42に固定されている。シャフト43の一部が試験片2の反対側からホルダ42に挿入され、シャフト43の残りの部分がホルダ42から前に突き出ている。シャフト43はホルダ42に対して着脱可能にホルダ42に固定されている。シャフト43のうちホルダ42から突き出た部分が一方向クラッチ(カムクラッチ)44の内輪44aに挿入されている。ナット45がシャフト43の先端部に螺合することによって、シャフト43が一方向クラッチ44の内輪44aに固定されている。
一方向クラッチ44は、内輪44aと、その内輪44aの外側において内輪44aに対して相対的に回転可能に設けられた外輪44bと、内輪44aと外輪44bとの間に設けられた機構部(機構部は例えばカム、スプリング及びベアリング等から構成される。)とを有する。外輪44bは、機構部によって内輪44aに対して一方向(前から見て時計回り)の回転が許容され、他方向(前から見て反時計回り)の回転が規制される。図2において、内輪44aに対して外輪44bの回転が許容される方向を矢印Aにより示し、内輪44aに対して外輪44bの回転が規制される方向を矢印Bにより示す。
一方向クラッチ44の外輪44bは第一荷重伝達レバー41に固定されている。具体的には、第一荷重伝達レバー41の一端と他端の間の部分には、リング41aが設けられ、一方向クラッチ44がリング41aに嵌め込まれ、キー46によって一方向クラッチ44の外輪44bがリング41aに固定されている。ここで、外輪44bの外周面にキー溝44cが形成され、リング41aの内周面にキー溝41bが形成され、キー46がキー溝41b,44cに嵌め込まれ、これにより外輪44bがリング41aに固定されている。
一方向クラッチ44は、試験片2に対して第一荷重伝達レバー41の一方向(前から見て時計回り)の回転を許容し、逆方向(前から見て反時計回り)の回転を規制する。つまり、第一荷重伝達レバー41の一方向の回転力が一方向クラッチ44によって試験片2に伝達され、第一荷重伝達レバー41の逆方向の回転力が一方向クラッチ44によって試験片2に伝達されない。
シャフト43には、貫通孔等の中空が形成されており、その中空には可撓性チューブ43a,43bが連結されている。冷却水が可撓性チューブ43aを通じてシャフト43の中空に供給され、シャフト43の中空内の冷却水が可撓性チューブ43bを通じて排出される。これにより、シャフト43及び一方向クラッチ44が水冷される。なお、図1及び図3~図6では、クリープ試験装置1の各部を見やすくするために、可撓性チューブ43a,43bの図示を省略する。
第一荷重伝達レバー41の軸線は、試験片2の軸線に対して直交する。第一荷重伝達レバー41の一端には、ころ41dが取り付けられ、第一荷重伝達レバー41の他端には、ころ41eが取り付けられている。ころ41d,41eの外周面は、第一荷重伝達レバー41の軸線を中心軸とした円柱面状に形成されている。
第一荷重伝達レバー41及び一方向クラッチ44は、加熱炉30の前面の前に配置されている。ホルダ42は加熱炉30の前面の開口から加熱炉30の中空に挿入されている。ホルダ42が加熱炉30の中空の内面から内側に離間しており、ホルダ42が加熱炉30に支持されていない。
ベース板11上には、支持台50が取り付けられている。前後方向に沿った支持台50の位置は調整可能である。支持台50は、加熱炉30の左斜め前に配置されている。支持台50の上部には、第二荷重伝達レバー51が支点52を中心にして振り上げ下げ可能に支点52によって連結されている。支点52の回転軸線は左右に延びており、第二荷重伝達レバー51が支点52から前後に延びている。支点52は第一荷重伝達レバー41よりも前に位置する。第二荷重伝達レバー51の前端には、バランスウェイト54が取り付けられている。バランスウェイト54と第二荷重伝達レバー51の全体としての重量は、支点52において釣り合いが取れている。
第二荷重伝達レバー51のうち支点52から後端までの部分は、第一荷重伝達レバー41の左端の上を前後に横切っている。
第二荷重伝達レバー51のうち支点52から後端までの部分には、複数の係止穴53が第二荷重伝達レバー51の軸線方向に間隔を置いて形成されている。何れかの係止穴53にウェイト60のフック61が引っ掛かって、そのウェイト60が係止穴53から懸下されている。
ウェイト60の重量荷重が第二荷重伝達レバー51に付与されることによって、支点52から第二荷重伝達レバー51の後端までの部分が振り下げられる。ウェイト60の重量荷重により第二荷重伝達レバー51が第一荷重伝達レバー41の左端の上からころ41dに押し当てられる。第二荷重伝達レバー51がその下から第一荷重伝達レバー41によって支持される。第二荷重伝達レバー51においては、第一荷重伝達レバー41による支持力のモーメントとウェイト60の荷重のモーメントが釣り合う。また、第二荷重伝達レバー51ところ41dの外周面の接触箇所では、下向きの荷重がウェイト60の重量荷重によって第二荷重伝達レバー51から第一荷重伝達レバー41の左端に付与される。その荷重の向きは第一荷重伝達レバー41の軸線に対してほぼ垂直方向である。これは、第二荷重伝達レバー51がころ41dの円柱面状外周面に接触しているためである。第二荷重伝達レバー51から第一荷重伝達レバー41の左端に付与される荷重は、試験片2に曲げモーメントとねじりモーメントの両方を発生させる。何れかの係止穴53から懸下されたウェイト60を別の係止穴53に付け替えることによって、第二荷重伝達レバー51から第一荷重伝達レバー41の左端に付与される下向きの荷重の大きさが変化する。
図4に示すように、曲げモーメントによる試験片2の他端の下方への変位をダイヤルゲージ式の変位センサ71によって計測することができる。試験片2のねじり変形に伴う第一荷重伝達レバー41と第二荷重伝達レバー51の接触部分の下方への変位がダイヤルゲージ式の変位センサ72によって計測することができる。
第1態様のクリープ試験装置1を用いたクリープ試験方法について以下に説明する。
まず、上半体32を下半体31から起こし上げることによって、加熱炉30を開く。そして、試験片2を下半体31の溝31aに入れて、試験片2の一端を試験片支持部21に取り付ける。試験片2の他端にホルダ42を取り付け、ホルダ42にシャフト43を取り付け、シャフト43に一方向クラッチ44の内輪44aを取り付け、一方向クラッチ44の外輪44bにシャフト43を取り付ける。この際、第一荷重伝達レバー41の軸線を水平にする。
次に、上半体32を下半体31の上に倒すことによって、加熱炉30を閉じる。そうすると、試験片2が加熱炉30の中空に収容される。
次に、変位センサ71,72を設置する。次に、加熱炉30の電源を入れて、加熱炉30の中空を高温に加熱して、加熱炉30の中空の温度を所定の温度に保たせる。
次に、何れかの係止穴53にフック61を引っ掛けて、その係止穴53からウェイト60を懸下する。そうすると、支点52から第二荷重伝達レバー51の後端までの部分がウェイト60の重量荷重によって振り下げられるので、第二荷重伝達レバー51が第一荷重伝達レバー41の左端の上からころ41dに押し当てられる。ウェイト60の重量荷重によってねじりモーメント及び曲げモーメントが試験片2に発生する。ここで、クリープ試験の初期では、第一荷重伝達レバー41が水平であるため、第二荷重伝達レバー51から第一荷重伝達レバー41に伝達する荷重の向きは、第一荷重伝達レバー41に対してほぼ垂直な方向である。
次に、変位センサ71,72のゼロ点を設定する。
試験片2が加熱炉30により加熱された状態で、ねじりモーメント及び曲げモーメントが試験片2に与えられるため、試験片2にクリープ現象が生じる。つまり、時間の経過に伴って試験片2のねじり及び曲げの変形が増大する。そこで、クリープ試験の間中、試験片2の他端の下方への変位を変位センサ71によって連続的、断続的又は間欠的に計測する。変位センサ71による計測結果を試験片2の曲げ変形量に換算することができる。
また、クリープ試験の間中、第一荷重伝達レバー41と第二荷重伝達レバー51の接触部分の下方への変位を変位センサ72によって連続的、断続的又は間欠的に計測する。変位センサ72による計測結果を試験片2のねじり変形量に換算することができる。
試験片2のクリープ現象によって第一荷重伝達レバー41の回転変位が大きくなるにつれて、第二荷重伝達レバー51から第一荷重伝達レバー41に伝達する荷重の向きは徐々に変化する。クリープ試験の継続中に第一荷重伝達レバー41の回転変位が大きくなったら、使用者がウェイト60の重量荷重に抗して、前から見て時計回り(図2中の矢印A参照)に第一荷重伝達レバー41を回転させて、第一荷重伝達レバー41を水平に戻すことができる。これは、一方向クラッチ44が設けられているためである。第一荷重伝達レバー41を戻すことによって、第二荷重伝達レバー51から第一荷重伝達レバー41に伝わる荷重の向きを第一荷重伝達レバー41の軸線に対して垂直な方向に修正することができる。
3. 第2態様(ねじり)
図5は、第2態様となったクリープ試験装置1をその前方、上方且つ左方から見て示した斜視図である。図6は、第2態様となったクリープ試験装置1をその後方、上方且つ右方から見て示した斜視図である。
ベース板11上には、支持台80が着脱可能に取り付けられている。前後方向に沿った支持台80の位置は調整可能である。支持台80は、加熱炉30の右斜め前に配置されている。支持台80の上部には、第三荷重伝達レバー81が支点82を中心にして振り上げ下げ可能に支点82によって連結されている。支点82の回転軸線は左右に延びており、第三荷重伝達レバー81が支点82から前後に延びている。支点82は第一荷重伝達レバー41よりも後ろに位置する。支点82は支点52よりも低い位置にある。
第三荷重伝達レバー81の前端には、第二バランスウェイト84が取り付けられている。第二バランスウェイト84と第三荷重伝達レバー81の全体としての重量は、支点82において釣り合いが取れている。
第三荷重伝達レバー81のうち支点82から前端までの部分は、第一荷重伝達レバー41の右端の下を前後に横切っている。
第三荷重伝達レバー81のうち支点82から後端までの部分には、複数の係止穴83が第三荷重伝達レバー81の軸線方向に間隔を置いて形成されている。何れかの係止穴83に第二ウェイト90のフック91が引っ掛かって、その第二ウェイト90が係止穴83から懸下されている。
第二ウェイト90の重量荷重が第三荷重伝達レバー81に付与されることによって、支点82から第三荷重伝達レバー81の後端までの部分が振り下げられ、支点82から第三荷重伝達レバー81の前端までの部分が振り上げられる。第二ウェイト90の重量荷重によって第三荷重伝達レバー81が第一荷重伝達レバー41の右端の下からころ41eに押し当てられる。第三荷重伝達レバー81がその上からころ41eによって支持される。第三荷重伝達レバー81においては、第一荷重伝達レバー41による支持力のモーメントと第二ウェイト90の荷重のモーメントが釣り合う。また、第三荷重伝達レバー81ところ41eの接触箇所では、上向きの荷重が第二ウェイト90の重量荷重によって第三荷重伝達レバー81から第一荷重伝達レバー41の右端に付与される。その荷重の向きは鉛直方向に対してほぼ平行である。その上向きの荷重と、第二荷重伝達レバー51から第一荷重伝達レバー41に付与される下向きの荷重の両方は、試験片2にねじりモーメントを発生させる。
第2態様のクリープ試験装置1を用いたクリープ試験方法について以下に説明する。
第1態様の場合と同様に、試験片2の他端にホルダ42、シャフト43、一方向クラッチ44及び第一荷重伝達レバー41を取り付ける。また、試験片2を加熱炉30内に収容して、試験片2の一端に試験片支持部21を取り付ける。
次に、変位センサ71,72を設置する。
次に、加熱炉30の電源を入れて、加熱炉30の中空の温度を高温に保たせる。
次に、何れかの係止穴53にフック61を引っ掛けて、その係止穴53からウェイト60を懸下する。そうすると、支点52から第二荷重伝達レバー51の後端までの部分がウェイト60の重量荷重によって振り下げられるので、第二荷重伝達レバー51が第一荷重伝達レバー41の左端の上からころ41dに押し当てられる。
また、何れかの係止穴83にフック91を引っ掛けて、その係止穴83から第二ウェイト90を懸下する。そうすると、支点82から第三荷重伝達レバー81の前端までの部分が第二ウェイト90の重量荷重によって振り上げられるので、第三荷重伝達レバー81が第一荷重伝達レバー41の右端の下からころ41eに押し当てられる。
ウェイト60,90の重量荷重によってねじりモーメントが試験片2に発生する。
次に、変位センサ71,72のゼロ点を設定する。
試験片2が加熱炉30により加熱された状態で、ねじりモーメントが試験片2に与えられるため、試験片2にクリープ現象が生じる。つまり、時間の経過に伴って試験片2のねじりの変形が増大する。クリープ試験の間中、第一荷重伝達レバー41と第二荷重伝達レバー51の接触部分の下方への変位を変位センサ72によって連続的、断続的又は間欠的に計測する。変位センサ72による計測結果を試験片2のねじり変形量に換算することができる。
クリープ試験の継続中に第一荷重伝達レバー41の回転変位が大きくなったら、使用者がウェイト60,90の重量荷重に抗して、前から見て時計回り(図2中の矢印A参照)に第一荷重伝達レバー41を回転させて、第一荷重伝達レバー41を水平に戻すことができる。第一荷重伝達レバー41を水平に戻すことによって、荷重伝達レバー51,81から第一荷重伝達レバー41に伝わる荷重の向きを第一荷重伝達レバー41の軸線に対して垂直な方向に修正することができる。
5. 有利な効果
(1) 第1態様のクリープ試験装置1を用いれば、ウェイト60の重量荷重によってねじりモーメントと曲げモーメントの両方が試験片2に発生する。油圧、空気圧及び電力を利用せずにウェイト60の位置エネルギーを利用して、ねじりモーメントと曲げモーメントの両方を試験片2に発生させるため、第1態様のクリープ試験装置1がシンプル且つ小型な構造を有する。
(2) 第2態様のクリープ試験装置1を用いれば、ウェイト60,90の重量荷重によってねじりモーメントが試験片2に発生する。ねじりモーメントの発生のための動力源を使用しないため、第2態様のクリープ試験装置1もシンプル且つ小型な構造を有する。
(3) クリープ試験の継続中に第一荷重伝達レバー41の回転変位が大きくなったら、前から見て時計回りに第一荷重伝達レバー41を回転させて、第一荷重伝達レバー41を水平に戻すことができる。第一荷重伝達レバー41を戻すことによって、荷重伝達レバー51,81から第一荷重伝達レバー41に伝わる荷重の向きを第一荷重伝達レバー41の軸線に対して垂直な方向に戻すことができる。
(4) 一方向クラッチ44を水冷することができる。よって、一方向クラッチ44の温度が許容温度や耐熱温度を超えることがない。
(5) 第二荷重伝達レバー51の延在方向が第一荷重伝達レバー41の延在方向に対して交差し、第二荷重伝達レバー51が第一荷重伝達レバー41の左端の上を前後に横切っている。そのため、ウェイト60からホルダ42までの直線距離が短く、第1態様のクリープ試験装置1がコンパクトである。ウェイト60から第一荷重伝達レバー41及び第二荷重伝達レバー51に沿ってホルダ42までの距離が長く、ウェイト60の重量荷重によって大きな荷重が試験片2に作用する。
同様に、第三荷重伝達レバー81が第一荷重伝達レバー41の右端の下を前後に横切っているので、第2態様のクリープ試験装置1がコンパクトであるとともに、ウェイト90の重量荷重によって大きな荷重が試験片2に作用する。
(6) 支持台80、第三荷重伝達レバー81、第二バランスウェイト84及び第二ウェイト90を着脱するだけで、クリープ試験装置1をねじり且つ曲げのクリープ試験にもねじりのクリープ試験にも利用することができる。
(7) 荷重伝達レバー41,51、支持台80、第二バランスウェイト84及び第二ウェイト90が加熱炉30の外側に配置されている。そのため、これらが熱の影響を受けない。また、荷重伝達レバー41,51及び支持台80にクリープ現象が生じない。
(8) 試験片2が加熱炉30に収容されるため、試験片2が所定の温度に加熱された状態で、ねじりモーメント(又は、ねじりモーメントと曲げモーメントの両方)を試験片2に与えることができる。このため、高温環境下における試験片2のクリープ現象を評価することができる。例えば、試験片2が蒸気タービン再熱止弁の鋳鋼溶接部を想定したものである場合には、その鋳鋼溶接部が受ける高温環境及び荷重環境を試験片2に再現することができる。
6. 変形例
第1態様においては、支点52が第一荷重伝達レバー41よりも後ろ且つ下に位置してもよい。この場合、一方向クラッチ44を前後反転させることによって、一方向クラッチ44は、試験片2に対して第一荷重伝達レバー41の反時計回り(図2中の矢印B参照)の回転を許容し、時計回り(図2中の矢印A参照))の回転を規制する。更に、第二荷重伝達レバー51のうち支点52から前端までの部分は、第一荷重伝達レバー41の左端の下を前後に横切っている。そのため、ウェイト60の重量荷重によって第二荷重伝達レバー51が第一荷重伝達レバー41の左端の下からころ41dに押し当てられることによって、上向きの荷重が第二荷重伝達レバー51から第一荷重伝達レバー41に付与される。その上向きの荷重が試験片2に曲げモーメントとねじりモーメントの両方を発生させる。
第2態様においては、支点52が第一荷重伝達レバー41よりも後ろ且つ下に位置し、支点82が第一荷重伝達レバー41よりも前且つ上に位置してもよい。この場合、一方向クラッチ44を前後反転させることによって、一方向クラッチ44は、試験片2に対して第一荷重伝達レバー41の反時計回り(図2中の矢印B参照)の回転を許容し、時計回り(図2中の矢印A参照))の回転を規制する。更に、第二荷重伝達レバー51のうち支点52から前端までの部分は、第一荷重伝達レバー41の左端の下を前後に横切っている。そのため、ウェイト60の重量荷重によって第二荷重伝達レバー51が第一荷重伝達レバー41の左端の下からころ41dの左端に押し当てられることによって、上向きの荷重が第二荷重伝達レバー51から第一荷重伝達レバー41に付与される。また、第三荷重伝達レバー81のうち支点82から後端までの部分は、第一荷重伝達レバー41の右端の上を前後に横切っている。そのため、第二ウェイト90の重量荷重によって第三荷重伝達レバー81が第一荷重伝達レバー41の右端の上からころ41eに押し当てられることによって、下向きの荷重が第三荷重伝達レバー81から第一荷重伝達レバー41に付与される。上向きの荷重と下向きの荷重の両方が、試験片2にねじりモーメントを発生させる。
ころ41d,41eを設ける代わりに、第一荷重伝達レバー41の外周面が円柱面状に形作られていてもよい。
1…クリープ試験装置
2…試験片
21…試験片支持部
30…加熱炉
44…一方向クラッチ
41…第一荷重伝達レバー
51…第二荷重伝達レバー
60…ウェイト
81…第三荷重伝達レバー
90…第二ウェイト

Claims (2)

  1. 試験片を収容するとともに前記試験片を加熱する加熱炉と、
    前記試験片の一端を固定し、前記試験片の軸線を水平に支持する試験片支持部と、
    前記試験片の他端に連結された一方向クラッチと、
    前記試験片の軸線に対して直交する方向に前記一方向クラッチから水平に延びた第一荷重伝達レバーと、
    前記試験片からずれた位置において前記第一荷重伝達レバーの上又下を横切るとともに、振り上げ下げ可能に支持された第二荷重伝達レバーと、
    前記第二荷重伝達レバーに重量荷重を付与することによって、前記第二荷重伝達レバーを前記第一荷重伝達レバーの上又は下から前記第一荷重伝達レバーに押し当てるウェイトと、を備え、
    前記一方向クラッチは、前記ウェイトによって前記第二荷重伝達レバーから前記第一荷重伝達レバーに付与される荷重による前記試験片に対する前記第一荷重伝達レバーの回転を規制するとともに、前記試験片に対する前記第一荷重伝達レバーの反対向きの回転を許容し、
    ねじりモーメントと曲げモーメントの両方を前記ウェイトの重量荷重により前記試験片に付与する
    クリープ試験装置。
  2. 前記試験片に関して前記第二荷重伝達レバーの反対側の位置において前記第一荷重伝達レバーの上又は下を横切るとともに、振り上げ下げ可能に支持された第三荷重伝達レバーと、
    前記第三荷重伝達レバーに重量荷重を付与することによって、前記第三荷重伝達レバーを前記第一荷重伝達レバーの上又は下から前記第一荷重伝達レバーに押し当てる第二ウェイトと、
    を更に備え、
    前記第三荷重伝達レバーが着脱可能であり、
    前記第三荷重伝達レバーが外された場合に、ねじりモーメントと曲げモーメントの両方を前記ウェイトの重量荷重により前記試験片に付与し、
    前記第三荷重伝達レバーが取り付けられた場合に、ねじりモーメントを前記ウェイト及び前記第二ウェイトの重量荷重により前記試験片に付与する
    請求項1に記載のクリープ試験装置。
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