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JP7255991B2 - 包装容器用塗工紙及び包装容器 - Google Patents
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JP7255991B2 - 包装容器用塗工紙及び包装容器 - Google Patents

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Description

本発明は、包装容器用塗工紙及び包装容器の製造方法に関する。
近年、ビジュアル化の流れにより紙製の包装容器用の原紙にも、製品イメージを向上するための高精細な印刷適性が求められている。特に、従来の紙製の包装容器用の原紙が古紙を主体とした多層紙で構成されていることから、白色度が低く、外観上、良好な色調が得られないことによる改善が求められている。
上記古紙を主体とした包装容器用の原紙の色度の改善策としては、例えば多層紙表面層に白色度が高く印刷適性に優れた晒木材パルプを用いる技術が提案されている(特開2013-204155号公報参考)。
特開2013-204155号公報
しかしながら、上記従来技術においては、晒木材パルプは不透明性に劣り表下層、更には中層に用いる白色度の低い古紙パルプの色目を隠蔽するにはコストの高い晒木材パルプの多用が必要であり、また、晒木材パルプのみを含有する表面層は強度が十分ではない。
さらに、紙製の包装容器用の原紙には、上記外観上の特性のみならず、包装容器を形成する上で紙の強度、外表面の印刷適性、罫割れ抑制に代表される加工適性等を備えることも求められる。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、強度、印刷適性及び加工適性を備えつつ、光沢及び白色度に優れる包装容器用塗工紙及び包装容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、表面層、表下層及び裏面層を備え、上記表面層が混合クラフトパルプ及び上質系古紙パルプを主成分とし、上記表下層及び裏面層が古紙パルプを主成分とし、上記混合クラフトパルプが針葉樹晒クラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプを含み、上記針葉樹晒クラフトパルプの上記広葉樹晒クラフトパルプに対する質量比が15/85以上85/15以下であり、上記表面層が有機顔料及び接着剤を含有する表面塗工層を表面に有し、JIS-P8148(2001)に準拠して測定される白色度が75%以上、JIS-P8142(2005)に準拠して測定される白紙光沢度が40%以上50%以下である包装容器用塗工紙である。
当該包装容器用塗工紙は、上記表面層が混合クラフトパルプ及び上質系古紙パルプを主成分とし、上記混合クラフトパルプが針葉樹晒クラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプを含み、上記針葉樹晒クラフトパルプの上記広葉樹晒クラフトパルプに対する質量比が15/85以上85/15以下であるので、包装容器用塗工紙の低米坪及び軽量化を図ることができる。また、表面層のパルプ繊維の結合を強くし、紙器の用途に必要な耐罫線割れ適性を満足させることができると共に、微細繊維や無機物の脱落を抑制することができる。また、上記表面層が有機顔料及び接着剤を含有する表面塗工層を表面に有するので、表面塗工層の柔軟性及び剛性を担保できる。このため、表面層の曲げ応力に対する耐性が向上し、耐罫線割れ適性を向上させることができるので、表面塗工層の割れの発生を大幅に減少することができる。さらに、当該包装容器用塗工紙は、上記白色度が75%以上、上記白紙光沢度が40%以上50%以下であるので、印刷見栄えが良好となるので、ビジュアル性が向上する。従って、当該包装容器用塗工紙は、強度、印刷適性及び加工適性を備えつつ、光沢及び白色度に優れる。ここで、「主成分」とは、最も含有量の多い成分であり、例えば50質量%以上含有される成分である。
上記表面層における上記混合クラフトパルプの上記上質系古紙パルプに対する質量比が30/70以上70/30以下であり、上記表下層が上質系又は中質系の古紙パルプを含有し、JIS-P8127(2010)に準拠して測定される当該包装容器用塗工紙水分が4.0質量%以上9.5質量%以下であることが好ましい。上記表面層における上記混合クラフトパルプの上記上質系古紙パルプに対する質量比が上記範囲であることで、当該包装容器用塗工紙の低米坪及び軽量化を図ることが可能となり、表面層のパルプ繊維の結合を強くし、紙器の用途に必要な耐罫線割れ適性を満足させることができると共に、紙粉発生及び無機物等の脱落に対する抑制効果を向上できる。また、表下層が、表面層のパルプ色相への影響を最小限に抑えながら、表面層原料パルプと性状が大きく変わらない上質系又は中質系の古紙パルプを含有することで、表面層の色調を維持しながら表面層の剥がれや紙質強度を維持することができる。さらに、当該包装容器用塗工紙の上記水分が4.0質量%以上9.5質量%以下であることで、柔軟性が向上するので、当該包装容器用塗工紙を用いて包装容器を製造する場合の折機での作業性及び折部の断裂抑制効果を向上できる。
上記裏面層がポリビニルアルコール、紙力増強剤及び滑剤を含有する裏面塗工層を表面に有し、上記ポリビニルアルコールの重合度が1000以上2000以下であり、上記ポリビニルアルコールのケン化度が98.0以上99.0以下であり、上記滑剤がポリエチレンワックスからなるワックス粒子の水分散物であることが好ましい。上記裏面層がポリビニルアルコール、紙力増強剤及び滑剤を含有する裏面塗工層を表面に有することで、当該包装容器用塗工紙を包装容器に用いた場合の裏面層側における収納品と包装容器用塗工紙の裏面層に相当する内表面との擦過性の低減及び紙粉抑制効果を向上できる。また、上記ポリビニルアルコールの重合度としては、1000以上2000以下であり、かつケン化度としては、98.0以上99.0以下であることが好ましい。ポリビニルアルコールの重合度及びケン化度は、大きいほど被膜強度が強くなるが、粘性が高まり操業性が低下するおそれがある。上記ポリビニルアルコールの重合度及びケン化度が上記範囲であることで、被膜強度を向上しつつ製造上好適な粘性を維持できる。また、上記滑剤がポリエチレンワックスからなるワックス粒子の水分散物であることで、紙粉発生及び無機物等の脱落に対する抑制効果を向上できる。
当該包装容器用塗工紙は、上記表面層と上記裏面層との間に配置される1又は複数の中層をさらに備え、上記中層が古紙パルプを主成分とすることが好ましい。当該包装容器用塗工紙は、古紙パルプを主成分とする中層を含有することで、当該包装容器用塗工紙の厚さ及び強度を所望の範囲に調整できる。
また、上記課題を解決するためになされた他の発明は、当該包装容器用塗工紙から構成される包装容器である。当該包装容器は、強度、印刷適性及び加工適性を備えつつ、光沢及び白色度に優れる包装容器用塗工紙から構成されるので、外観及び品質に優れる。
本発明によれば、強度、印刷適性及び加工適性を備えつつ、光沢及び白色度に優れる包装容器用塗工紙並びに外観及び品質に優れる包装容器を得ることができる。
本発明に係る包装容器用塗工紙の一例を示す模式的断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る包装容器用塗工紙及び包装容器の製造方法について詳説する。
本発明は、例えばティッシュカートンに代表される包装容器用塗工紙に求められる外表面層部の印刷適性・罫割れに代表される加工適性と、収納品と包装容器用塗工紙内表面との擦過性、紙粉抑制に優れた包装容器用塗工紙に関する。
<包装容器用塗工紙>
当該包装容器用塗工紙は、表面層、表下層及び裏面層を備える。また、当該包装容器用塗工紙は、上記表面層と上記裏面層との間に配置される1又は複数の中層をさらに備えていてもよい。図1は、本発明に係る包装容器用塗工紙の一態様を示す概念的断面図である。図1に示す包装容器用塗工紙1は、表面層2、表下層3、中層4及び裏面層5の層構造を有する基紙6から成り、基紙6の表面層2の表面に表面塗工層7が設けられ、基紙6の裏面層5の表面に裏面塗工層8が設けられている。
(白色度及び白紙光沢度)
JIS-P8148(2001)に準拠して測定される当該包装容器用塗工紙の白色度の下限としては75%であり、77%が好ましい。また、JIS-P8142(2005)に準拠して測定される当該包装容器用塗工紙の白紙光沢度の下限としては40%であり、45%が好ましく、上記白紙光沢度の上限としては50%であり、48%が好ましい。当該包装容器用塗工紙の上記白色度及び白紙光沢度が上記範囲であることで、印刷見栄えが良好となるので、ビジュアル性が向上する。
(水分)
JIS-P8127(2010)に準拠して測定される当該包装容器用塗工紙の水分としては、4.0質量%以上9.5質量%以下であることが好ましい。当該包装容器用塗工紙の上記水分が上記範囲であることで、柔軟性が向上するので、当該包装容器用塗工紙を用いて包装容器を製造する場合の折機での作業性及び折部の断裂抑制効果を向上できる。
(灰分)
灰分は、JIS-P8251(2003)に準拠して測定される値である。当該包装容器用塗工紙の灰分の下限としては、10%が好ましく、13%がより好ましい。また、上記灰分の上限としては、25%が好ましく、20%がより好ましい。灰分が10%未満であると、紙密度が低下することで、圧縮強度が不十分となるおそれがある。一方、灰分が25%を超えると、良好な耐罫線割れ適性を有することが困難となるおそれがある。
(密度)
当該包装容器用塗工紙の密度としては、0.77g/cm以上0.90g/cm以下が好ましい。当該包装容器用塗工紙の密度が上記範囲であることで、低坪量及び軽量化を可能にしつつ、圧縮強度を維持できるので、当該包装容器用塗工紙は加工適性に優れる。
(紙厚)
紙厚は、JIS-P8118(2014)に記載の「紙及び板紙-厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定される。当該包装容器用塗工紙の紙厚の下限としては345μmが好ましく、360μmがより好ましい。上記紙厚の上限としては、380μmが好ましく、365μmがより好ましい。当該包装容器用塗工紙の紙厚が上記範囲であることで、当該包装容器用塗工紙を用いて包装容器を製造する場合の作業性及び加工適性を向上できる。
(縦方向の圧縮強度)
縦方向の圧縮強度は、JIS-P8126(2005)に準拠して測定される。当該包装容器用塗工紙の抄紙方向である縦方向の圧縮強度としては、650N以上800N以下が好ましい。当該包装容器用塗工紙を包装容器に用いる場合、当該包装容器用塗工紙の縦方向が包装容器の重さや形状を支える方向に適用されるため、上記圧縮強度が650N以上であることで、包装容器として好適に用いられる強度を維持できる。一方、上記圧縮強度が800N以下であることで、当該包装容器用塗工紙の加工適性が優れる。
(幅方向の耐折強度)
幅方向の耐折強度は、抄紙方向における幅方向の耐折強度であり、JIS-P8115(2001)に記載の「紙及び板紙-耐折強さ試験方法-MIT試験機法」に準じて測定される。幅方向の耐折強度としては、60回以上が好ましい。上記幅方向の耐折強度が上記範囲であることで、製罐工程での箱形成時に山折り部での割れや使用者の使用時における箱の変形に対応できる。
(包装容器用塗工紙の坪量)
JIS-P8124(2011)に準拠して測定される当該包装容器用塗工紙の坪量としては、250g/m以上350g/m以下が好ましい。当該包装容器用塗工紙の坪量は、基紙及び塗工層の絶乾質量に当該包装容器用塗工紙の水分を加えた単位面積当たりの質量である。当該包装容器用塗工紙の坪量が250g/m未満であると、包装容器用塗工紙を包装容器に使用した場合に、包装容器の圧縮強度が低くなるおそれがある。一方、基紙6の坪量が350g/mを超えると、基紙6の紙厚も大きくなるため、包装容器用塗工紙を折り曲げた際に、表面の応力が強くなりすぎ、表面塗工層及び基紙の表面層にひび割れが発生するおそれがある。
(各層の坪量)
表面層の坪量としては、36g/m以上44g/m以下が好ましい。表下層の坪量としては、49g/m以上60g/m以下が好ましい。また、裏面層及び中層の坪量としては、145g/m以上205g/m以下が好ましい。各層の坪量が上記範囲であり、かつ、表面層の坪量<表下層の坪量<裏面層及び中層の坪量となるように調整することで、当該包装容器用塗工紙の低坪量及び軽量化が図れるとともに剛性を担保できる。
[表面層]
表面層2は、混合クラフトパルプ及び上質系古紙パルプを主成分とする。上記混合クラフトパルプは、針葉樹晒クラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプを含む。
(上質系古紙)
上質系古紙パルプとしては、例えば上白、カード等、より具体的には上白古紙、クリーム上白古紙、罫白古紙等由来の古紙パルプが挙げられる。
上記針葉樹晒クラフトパルプの上記広葉樹晒クラフトパルプに対する質量比の下限としては、15/85であり、30/70がより好ましい。上記針葉樹晒クラフトパルプの上記広葉樹晒クラフトパルプに対する質量比の上限としては、85/15以下であり、70/30がより好ましい。上記針葉樹晒クラフトパルプの上記広葉樹晒クラフトパルプに対する質量比が15/85以上85/15以下であることで、包装容器用塗工紙の低米坪及び軽量化を図ることができる。また、表面層のパルプ繊維の結合を強くし、紙器の用途に必要な耐罫線割れ適性を満足させることができると共に、微細繊維や無機物の脱落を抑制することができる。
表面層2における上記混合クラフトパルプの上記上質系古紙パルプに対する質量比の下限としては、30/70であり、上限としては、70/30が好ましい。上記質量比が30/70未満の場合、一度抄紙され古紙として再利用されたパルプの割合が多くなるため罫線割れが発生しやくなる。上記質量比が70/30を超えると、バージンパルプ由来のパルプが多すぎるために、多層紙における表面層を平坦にすることが困難となり、印刷不良の原因となるとともに、当該包装容器用塗工紙の低坪量及び軽量化を図るにあたり、紙がしまりにくくなり、剛性を確保することが困難となるおそれがある。また、上記混合クラフトパルプの上記上質系古紙パルプに対する質量比が上記範囲であることで、当該包装容器用塗工紙の低米坪及び軽量化を図ることが可能となり、表面層のパルプ繊維の結合を強くし、紙器の用途に必要な耐罫線割れ適性を満足させることができると共に、紙粉等の微細繊維や無機物の脱落を抑制できる。
表面層2は、内添薬品としてサイズ剤、硫酸バンド及び紙力増強剤を含有してもよい。この場合、サイズ剤の含有量としては、固形分換算で3.5kg/PT(絶乾パルプトン)以上7.0kg/PT以下が好ましい。硫酸バンドの含有量としては、固形分換算で50kg/PT以上70kg/PT以下が好ましい。また、紙力増強剤の含有量としては、固形分換算で7kg/PT以上12kg/PT以下が好ましい。表面層2におけるサイズ剤、硫酸バンド及び紙力増強剤の含有量が上記範囲であることで、印刷時における表面層2へインクの含浸量を適切に調整できる。また、サイズ剤、硫酸バンド及び紙力増強剤の原料パルプへの定着性及び表面層2の強度を向上できる。ここで、固形分とは、溶媒以外の成分をいう。
サイズ剤としては、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、ロジン等の内添サイズ剤が用いられる。また、紙力増強剤は、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(PAE)、ポリビニルアミン、カチオン化でんぷんなどが用いられる。
(その他の添加剤)
当該包装容器用塗工紙は、各層が本発明の目的とする効果を損ねない範囲で各種製紙用添加剤を含有してもよい。例えば、歩留まり向上剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、紫外線吸収剤、酸化抑制剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、蛍光消去剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤などの公知の添加剤を単独又は2種以上を併用して添加することができる。
[表下層]
表下層3は、古紙パルプを主成分とする。表下層3は、上質系又は中質系の古紙パルプを含有することが好ましい。上質系又は中質系の古紙パルプとしては、例えば特白・中白、白マニラ、模造、色上等の古紙由来の古紙パルプが挙げられる。表下層が、表面層のパルプ色相への影響を最小限に抑えながら、表面層原料パルプと性状が大きく変わらない上質系又は中質系の古紙パルプを含有することで、表面層の色調を維持しながら表面層の剥がれや紙質強度を維持することができる。
表下層3は、内添薬品として上記表面層2と同様にサイズ剤、硫酸バンド及び紙力増強剤を含有してもよい。サイズ剤の含有量としては、4kg/PT以上10kg/PT以下が好ましい。硫酸バンドの含有量としては、50kg/PT以上70kg/PT以下が好ましい。紙力増強剤は、4kg/PT以上8kg/PT以下が好ましい。表下層3は、表面層程の印刷適性や紙力を必要としないが、表面層における紙力増強剤やサイズ剤、硫酸バンド等の内添薬品が抄き合わせ時に他の紙層に移動することを抑制することが求められる。表下層3におけるサイズ剤、硫酸バンド及び紙力増強剤の含有量が上記範囲であることで、上記内添薬品の移動抑制効果を高めることができる。また、紙力増強剤は紙質強度を高めることができる反面、紙層を硬くする問題を有し、紙層が硬くなると本件発明が対象とする、折り曲げが必須になる包装容器への利用において、いわゆる折り目で紙層が断裂する問題が生じるため、表面層に追従して柔軟な折り曲げが可能な範囲に上記薬品の含有量を調整することが必要である。
表下層3のサイズ剤としては、例えばアルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、ロジン等の内添サイズ剤などが挙げられる。表下層3の紙力増強剤としては、例えば尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(PAE)、ポリビニルアミン、カチオン化でんぷんなどが挙げられる。
[裏面層]
裏面層5は、古紙パルプを主成分とする。上記古紙パルプの原料である古紙としては特に限定されないが、紙器製造時に発生する裁落損紙、例えば段ボール古紙、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、上白古紙、ケント古紙、構造古紙、地券古紙、カード、上質アート紙、上質コート紙等を用いることができる。また、上記古紙パルプが機械パルプを含有してもよい。これらの原料は、2種以上用いることができる。
また、裏面層5は、表面層2や表下層3と同様、内添薬品としてサイズ剤、硫酸バンド、紙力増強剤を含有してもよい。
サイズ剤としては、例えばアルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、ロジン等の内添サイズ剤が挙げられる。また、紙力増強剤としては、例えば尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(PAE)、ポリビニルアミン、カチオン化でんぷん等が挙げられる。
サイズ剤の含有量としては、3kg/PT以上5kg/PT以下が好ましい。硫酸バンドの含有量としては、35kg/PT以上50kg/PT以下が好ましい。紙力増強剤は、3kg/PT以上6kg/PT以下が好ましい。当該包装容器用塗工紙が折り曲げを伴う包装容器に用いられた場合、裏面層は折り曲げられた際のクッション効果を担う必要がある。サイズ剤、硫酸バンド、紙力増強剤の含有量が上記範囲であることで、原料パルプ本来の柔軟な性状を維持することができる。
[中層]
当該包装容器用塗工紙は、上記表面層と上記裏面層との間に配置される1又は複数の中層をさらに備え、上記中層が古紙パルプを主成分とすることが好ましい。当該包装容器用塗工紙は、古紙パルプを主成分とする中層を含有することで、当該包装容器用塗工紙の厚さ及び強度を所望の範囲に調整できる。
中層の古紙パルプは、特に限定されないが、裏面層5と同様、機械パルプ含有古紙由来の古紙パルプを用いてもよい。また、当該包装容器用塗工紙が複数の中層を備える場合、各中層について同じ種類の古紙パルプを用いてもよいし、異なる種類の古紙パルプを用いてもよい。
[表面塗工層]
当該包装容器用塗工紙は、表面塗工層7を上記表面層2の表面に備える。表面塗工層7は、有機顔料及び接着剤を含有する。上記表面層2が有機顔料及び接着剤を含有する表面塗工層7を表面に有するので、表面塗工層7の柔軟性及び剛性を担保できる。このため、表面層2の曲げ応力に対する耐性が向上し、耐罫線割れ適性を向上させることができるので、表面塗工層7の割れの発生を大幅に減少することができる。
有機顔料は、無機顔料と比べると、硬度が低いものの、粒子に弾力性と剛性があり、光沢もあるので、印刷適性、耐罫線割れ適性、及び圧縮強度を、バランス良く満足させることができる。従って、表面塗工層が有機顔料を含有することで、表面塗工層の柔軟性及び剛性を担保できる。このため、これにより、表面層の曲げ応力に対する耐性が向上し、耐罫線割れ適性を向上させることができるので、表面塗工層の割れの発生を大幅に減少することができる。有機顔料としては、例えば中空状のプラスチックピグメント(PP)であるJSR社製AE852(平均粒子径1.0μm)が好ましい。
表面塗工層7における有機顔料の含有量の下限としては、2質量部が好ましく、5質量部がより好ましい。上記含有量が上記下限を満たさないと、嵩高性を落とさないで所望の光沢度が得られないおそれがある。一方、上記含有量の上限としては、10質量部が好ましく、7質量部がより好ましい。上記含有量が上記上限を超えると、得られる効果が頭打ちになるとともにコスト的に問題となるおそれがある。
表面塗工層7は、有機顔料以外にも無機顔料を含有してもよい。無機顔料としては、例えばクレー、炭酸カルシウム、シリカ等が挙げられる。これらの中でも、加工適性及び印刷適性を向上する観点から、クレー及び炭酸カルシウムが好ましい。表面塗工層中の無機顔料として平坦性と光沢性を醸しだす無機顔料としてはクレーが好ましく、印刷の見栄えを向上する白色度が高い無機顔料としては炭酸カルシウムが好ましい。
表面塗工層におけるクレーの含有量としては、8質量部以上90質量部以下が好ましい。クレーの含有量が8質量部未満では印刷の精細さが劣るおそれがある。クレーの含有量が90質量部を超えると印刷インクの乾燥性が低下するおそれがある。また、表面塗工層における炭酸カルシウムの含有量としては、8質量部以上90質量部以下が好ましい。炭酸カルシウムの含有量が8質量部未満では白色度が低下し、印刷見栄えが劣るおそれがある。炭酸カルシウムの含有量が90質量%を超えると、印刷の精細さが欠如するおそれがある。また、クレー及び炭酸カルシウムの含有割合としては、炭酸カルシウムに対するクレーの含有比率が8/90以上90/8以下であることが好ましい。クレー及び炭酸カルシウムの含有割合が上記範囲であることで、包装容器への加工適性及び印刷適性を良好にできる。
また、表面塗工層7は、接着剤を含有することが好ましい。接着剤として用いる樹脂としては、例えばアクリルアミド系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)等のポリビニル系樹脂、澱粉等が挙げられる。これらの中では、スチレン系樹脂が好ましく、SBRラテックスが特に好ましい。SBRラテックスは適度な造膜性及び剛性があり、かつ、インク着肉性も良好である。従って、表面塗工層7が、有機顔料とSBRラテックスとを含有することにより、包装容器用塗工紙としての耐罫線割れ適性及びにインク含浸性を向上できる。さらに、当該包装容器用塗工紙を低坪量及び軽量化しても、圧縮強度を維持する効果があるので、当該包装容器用塗工紙の加工適性をより向上させることができる。
表面塗工層における接着剤の含有量としては、6質量部以上15質量部以下が好ましい。接着剤の含有量が6質量部未満であると、耐罫線割れ適性が不十分となるおそれや、擦れにより表面塗工層に傷が入りやすくなるおそれがある。一方、接着剤の含有量が15質量部を超えると、表面塗工層の表面に粘り感が生じることで、巻取り製品に加工した際に表面塗工層と裏面塗工層とが貼り付き、紙表面にピッキングを発生させてしまうおそれがある。また、接着剤の含有量が15質量部を超えると、表面塗工層の曲げ応力に対する耐性は向上するが、表面塗工層自体の柔軟性がなくなり、硬くなりやすいので、耐罫線割れ適性や特に水性インクの印刷適性が不十分となるおそれがある。
表面塗工層7は、上記顔料及び接着剤以外に、表面サイズ剤、防滑剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、流動変性剤、染料、耐水化剤、保水剤等の各種助剤を含有してもよい。
また、表面塗工層7の塗工量としては、固形分で、4.0g/mが好ましく、6.0g/mがより好ましい。一方、この塗工量の上限としては、10.0g/mが好ましく、9.5g/mがより好ましい。表面塗工層7の塗工量が上記範囲であることで、表面塗工層7と接する表面層2のパルプ繊維間の目止めをすることができるので、当該包装容器用塗工紙の印刷適性を向上させることができる。また、当該包装容器用塗工紙の印刷面の平滑化及び表面塗工層7の剛性を確保できる。また、表面塗工層7の厚みが厚くなりすぎないので、インクが基紙へと浸透しやすく、インク接着性が高くなるので、色再現性の良い高精細な印刷ができる。
[裏面塗工層]
当該包装容器用塗工紙は、必要に応じポリビニルアルコール、紙力増強剤及び滑剤を含有する裏面塗工層8を上記裏面層5の表面に設けることもできる。上記裏面層5がポリビニルアルコール、紙力増強剤及び滑剤を含有する裏面塗工層8を表面に有することで、当該包装容器用塗工紙を包装容器に用いた場合の裏面層5側における収納品と包装容器用塗工紙の裏面層5に相当する内表面との擦過性の低減及び紙粉抑制効果を向上できる。
この裏面塗工層8は、水溶性樹脂としては、例えば、でんぷん(リン酸エステル化でんぷん、カチオン化でんぷん等の各種変性でんぷんを含む)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド系樹脂(PAM)、カゼイン、ポリスチレン-ブタジエン系ラテックス、ポリ酢酸ビニル系ラテックス、ポリアクリル系ラテックス、ポリウレタン系ラテックス等を用いることができる。これらの中でも本発明に係る包装容器用塗工紙1の造膜性、剛性、基材への浸透性を考えると、ポリビニルアルコールと滑剤を組み合わせて用いることが好ましい。
上記ポリビニルアルコールの重合度としては、1000以上2000以下であり、かつケン化度としては、98.0以上99.0以下であることが好ましい。ポリビニルアルコールの重合度及びケン化度は、大きいほど被膜強度が強くなるが、粘性が高まり操業性が低下するおそれがある。上記ポリビニルアルコールの重合度及びケン化度が上記範囲であることで、被膜強度を向上しつつ製造上好適な粘性を維持できる。
裏面塗工層8におけるポリビニルアルコールの含有量としては、2質量部以上3質量部以下が好ましい。ポリビニルアルコールの含有量が、2質量部未満であると表面被膜が形成されないことから、表面強度が低く、紙面繊維の剥離による紙ムケ等が発生する。一方、ポリビニルアルコールの含有量が、3質量部以上であると裏面塗工層が厚くなり、ポリビニルアルコールの浸透を阻害するため、裏面層との接着強度が低下するおそれがある。
滑剤としては、高級脂肪族炭化水素(パラフィンワックス)、高級脂肪族アルコール系滑剤、高級脂肪酸系滑剤、高級脂肪酸アミド系滑剤、高級脂肪酸金属塩系滑剤、高級脂肪酸エステル系滑剤が使用可能であるが、これらの中でもパラフィンワックスが好ましく、ポリエチレンワックスがより好ましい。滑剤としてパラフィンワックスを用いることで、裏面層の紙粉発生及び無機物等の脱落に対する抑制効果を向上できる。なお、パラフィンワックスについては、ワックスの形状については特に限定はないが、ワックス粒子の水分散物であるエマルションタイプのものが滑剤の製品安定性、塗工適性の観点から好ましい。
裏面塗工層8における滑剤の含有量としては、0.1質量部以上0.5質量部以下が好ましい。上記含有量が0.1質量部未満であると、摩擦抵抗値が向上しないため、紙粉インキ粕の脱落が改善できないおそれがある。上記含有量が0.5質量部を超えると、表面滑り性が過剰に大きくなるおそれがある。
紙力増強剤としては、費用対効果の観点から変性ポリアクリルアミド系樹脂が好ましい。裏面塗工層8における紙力増強剤の含有量としては、0.6質量部以上2.0質量部以下が好ましい。上記含有量が0.6質量部未満であると、摩擦抵抗値が向上しないため、紙粉インキ粕の脱落が改善できないおそれがある。上記含有量が2.0質量部を超えると、表面滑り性が過剰に大きくなるおそれがある。
裏面塗工層8の塗工量の下限としては、固形分で、0.2g/mが好ましく、0.4g/mがより好ましい。上記塗工量が上記下限を満たさないと、本発明の所望とする裏面層側の紙表面の剛性を満足することが困難となるおそれがあるおそれがある。一方、この塗工量の上限としては、0.6g/mが好ましく、0.5g/mがより好ましい。上記塗工量が上記上限を超えると、裏面層側の紙表面の剛性は満足することができるが、裏面塗工層の柔軟性がなくなり、硬くなる傾向になるため、本発明の所望とする耐罫線割れ適性等の加工適性を満足させることが困難となるおそれがある。裏面塗工層8の塗工量が上記範囲であることで、当該包装容器用塗工紙が、包装容器に加工する際に必要な加工適性を維持すると共に、当該包装容器用塗工紙により得られる包装容器内部の例えばティッシュ等の収納品の汚損を抑制できる。
[包装容器用塗工紙の製造方法]
本件発明に係る包装容器用塗工紙の製造方法は特に限定されないが、例えば以下の工程により、公知の多層抄き抄紙機を用いて製造することができる。
(調製工程)
調製工程では、パルプ繊維を水に分散させて得たスラリーに、各紙層に対応した添加剤を必要に応じ添加して混合し、各紙層の原料スラリーを調製する。
(抄紙工程)
抄紙工程では、上記原料スラリーを用いて抄紙する。抄紙工程では、多層の抄合せで抄紙される。上述した原料パルプは、公知の抄紙工程、例えばワイヤーパート、プレスパート、ドライヤーパート、サイズプレス、カレンダーパートなどを経て、表面層、表下層、1又は複数の中層並びに裏面層の紙層を有する当該包装容器用塗工紙の基紙が形成される。なお、当該包装容器用塗工紙の基紙の抄紙方法については、特に限定されるものではなく、酸性抄紙法、中性抄紙法、アルカリ性抄紙法のいずれであっても良い。
抄紙方法は特に限定されるものではなく、公知の抄紙機を用いて抄造することができる。抄紙機としては、例えば例えば長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網抄紙機、円網短網コンビネーション抄紙機等の公知の種々の抄紙機を使用することができる。
また、当該包装容器用塗工紙の基紙6は、プレス工程後に鏡面仕上げされたドライヤーに圧接することが好ましく、特にヤンキードライヤーなどの大径ドライヤーに圧接乾燥することが好ましい。さらには、圧接前の基紙の湿紙水分としては、53%以上60%以下が好ましい。湿紙水分が53%未満であると表面に存在する水分の絶対量が少なくなり、表裏面のみが過乾燥気味になり、表面塗工層形成前あるいは裏面塗工層形成前の、基紙の表裏面の凹凸が大きくなり、後述する表面塗工層用塗工液あるいは裏面塗工層用塗工液の塗工量では本発明の目的を達成することが困難となるおそれがある。一方、湿紙水分が60%を超えると基紙の表面層あるいは裏面層に分布する絶対水分量が多くなり、表面層あるいは裏面層から蒸発する水蒸気量が多くなるので、鏡面と基紙との接触が不十分となり、良好な表面層及び裏面層を得ることが困難となるおそれがある。
(表面塗工層形成工程)
表面塗工層形成工程では、顔料及び接着剤を主成分とする表面塗工層用塗工液を塗工し、表面塗工層を形成する。表面塗工層形成工程では、基紙を抄紙後、2次加工で印刷機やバーコーターやロッドコーター、エアナイフ等の塗工機により表面塗工層用塗工液を塗工して表面塗工層7を形成する。
上記表面塗工層用塗工液の塗工方法としては、シングル塗工でもダブル塗工以上の多段塗工でもよく、塗工設備としては、バーコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ゲートロールコーター、及びサイズプレス等のロールコーター、ビルブレードコーター、ベルバパコーター、カレンダーロールコーター、スーパーカレンダー、C3コーターなどがある。また、混合晒クラフトパルプは繊維が柔らかく、カレンダー処理を施すと繊維が潰れ易くなるため、カレンダーパートで基紙に表面処理を施すことにより、さらに基紙の表面が平坦となり、表面塗工層用塗工液を表面層上に均一に塗工することが可能となる。
(裏面塗工層形成工程)
裏面塗工層形成工程では、基紙の裏面層上に水溶性樹脂からなる裏面塗工層用塗工液を塗工して裏面塗工層を形成する。裏面塗工層形成工程では、ポリビニルアルコール、紙力増強剤及び滑剤を含有する裏面塗工層用塗工液を塗工し、裏面塗工層を形成する。
上記裏面塗工層用塗工液の塗工方法としては、上記表面塗工層用塗工液の塗工方法と同様の方法を用いることができる。
上記表面塗工層用塗工液及び裏面塗工層用塗工液は、各塗工液に用いられる成分により濃度を調整することが好ましい。例えば上記塗工液の濃度が1%未満であると、上記塗工液の基紙への浸透性が高すぎるため、当該包装容器用塗工紙の表面層又は裏面層側の表面の剛性を得ることが困難となるおそれがある傾向になる。このため、当該包装容器用塗工紙の圧縮強度を維持することが難しくなり、当該包装容器用塗工紙が所望とする加工適性を満足することが困難となるおそれがある。一方、上記塗工液の濃度が8%を超えると、圧縮強度を維持することはできるが、上記塗工液の粘性が高くなるため、上記塗工液の基紙への浸透が低下し、さらに操業性が低下するおそれがあることに加え、当該包装容器用塗工紙の表面層又は裏面層側の表面が硬くなり、当該包装容器用塗工紙の表面層又は裏面層側の表面の耐罫線割れ適性等の加工適性が十分得られないおそれがある。
(乾燥工程)
次に、加圧ロールによりプレスし、水分を除去し、ドライヤーシリンダーにて乾燥する。乾燥後には、ニップキャレンダー、スーパーキャレンダー、マシンキャレンダー、ソフトキャレンダー等のキャレンダー装置を用いて平滑化処理を行なってもよい。平滑化処理を行うことにより、包装容器用塗工紙に高い光沢度が付与されて高級感を有する包装容器、収納箱等に好適に用いることができる。
(巻取工程)
最後にリールに巻き取り、包装容器用塗工紙を得る。
<包装容器>
当該包装容器は、当該包装容器用塗工紙から構成される。当該包装容器は、強度、印刷適性及び加工適性を備えつつ、光沢及び白色度に優れる包装容器用塗工紙から構成されるので、外観及び品質に優れる。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<基紙>
以下の原料を用いて、下記の製造法に従い、表面層、表下層、並びに裏面層の3層を含有する基紙を得た。
[実施例1]
(表面層)
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)30質量%(固形分)、広葉樹晒クラフトパルプ20質量%(固形分)、上白古紙15質量%及びコート紙35質量%を配合した後に、ダブルディスクレファイナーにより、坪量を40g/mとした。このパルプ中に、内添薬品として、サイズ剤(ロジンエマルションサイズ剤、商品名:R10、近代科学工業社製)を、原料パルプの質量に対して固形分で7kg/PT(絶乾パルプトン)、硫酸バンド(住友化学社製)を、原料パルプの質量に対して固形分で65kg/PT、並びに紙力増強剤(品名:TST153、星光PMC社製)を、原料パルプの質量に対して固形分で8kg/PT添加し、原料パルプスラリーを得た。
(表下層)
上ケント古紙100質量%からなる古紙パルプを原料パルプとして用いた。このパルプ中に、表面層同様に内添薬品として、サイズ剤(ロジンエマルジョンサイズ剤、商品名:R10、近代科学工業社製)を、原料パルプの質量に対して固形分で5.5kg/PT、硫酸バンド(住友化学社製)を、原料パルプの質量に対して固形分で90kg/PT、並びに紙力増強剤(品名:TST153、星光PMC社製)を、原料パルプの質量に対して固形分で5.6kg/PT添加し、原料パルプスラリーを得た。また、ダブルディスクレファイナーにより、坪量を54g/mとした。
(裏面層)
地券古紙及び新聞古紙それぞれ共に50質量%からなる機械パルプ古紙パルプを原料パルプとして用いた。また、このパルプ中に、表面層同様に内添薬品として、サイズ剤(ロジンエマルジョンサイズ剤、商品名:R10、近代科学工業社製)を、原料パルプの質量に対して固形分で7.5kg/PT、硫酸バンド(住友化学社製)を、原料パルプの質量に対して固形分で60kg/PT、並びに紙力増強剤(品名:TST153、星光PMC社製)を、原料パルプの質量に対して固形分で3kg/PT添加し、原料パルプスラリーを得た。また、ダブルディスクレファイナーにより、坪量を170g/mとした。
<実施例2~実施例18及び比較例1~比較例5>
原料パルプ及び内添薬品の構成を表1及び表2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2~実施例18及び比較例1~比較例5に係る基紙を作製した。
Figure 0007255991000001
<塗工層>
下記の製造法に従い、基紙に表面塗工層を形成した。
[実施例1]
(表面塗工層)
次に、表面塗工層を形成するための表面塗工液について、下記表2に示す配合比で調製した。
有機顔料として、プラスチックピグメント(AE852、JSR社製)を5質量部配合し、無機顔料として、クレー(アマゾンプラスJPG、CADEM社製)を35質量部、炭酸カルシウム(ハイドロカーブ90、湿式重質炭酸カルシウム、オミヤコーリア社)を60質量部配合し、バインダーとして、スチレンブタジエンラテックス(SBR)(スマーテックPA-6082(50%品)、日本A&L社製)を7質量部配合して、表面塗工層用塗工液を調製した。
(塗工工程)
上記表面塗工層用塗工液をバーコーターにて、基紙の表面層上に6.0g/mの塗工量で塗工して表面塗工層を形成し、包装容器用塗工紙(実施例1)を得た。
[実施例2~実施例18及び比較例1~比較例5]
表面塗工層の構成を表2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2~実施例18及び比較例1~比較例5に係る基紙に表面塗工層を形成した。
Figure 0007255991000002
<カレンダー処理>]
次に、実施例1~実施例18及び比較例1~比較例5のカレンダー処理について下記表3の条件で行い、実施例1~実施例18及び比較例1~比較例5に係る包装容器用塗工紙を作製した。
Figure 0007255991000003
表3中でハードニップカレンダー処理における「NO.1カレンダー」及び「NO.2カレンダー」の記載は、カレンダーが2スタック存在するという意味である。実施例1においては、NO.1カレンダー及びNO.2カレンダーいずれもニップの数が2である。また、表3中でソフトニップカレンダー処理についてはグロスカレンダーを用いて行っており、実施例1においては、グロスを195℃、線圧を110kgf/cmとしている。
[評価]
実施例1~実施例18及び比較例1~比較例5に係る包装容器用塗工紙について下記の項目の品質評価を行った。この品質評価試験は、JIS-P8111(1998)に準拠して温度23±2℃、湿度50±2%の環境条件で行った。
(坪量)
JIS-P8124(1998)に記載の「紙及び板紙-坪量測定方法」に準拠して測定した。
(製品水分)
「水分(%)」は、JIS-P8127(2010)に準拠して測定した。
(密度)
「密度(g/cm)」は、各試料である包装容器用塗工紙の坪量と、JIS-P8118(1998)に記載の「紙及び板紙-厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した基紙の紙厚から算出した。
(灰分)
「灰分」は、JIS-P8251(2003)に記載の「紙、板紙及びパルプ-灰分試験方法-525℃燃焼方法」に準拠して測定した。
(紙厚)
「紙厚(μm)」は、JIS-P8118(2014)に記載の「紙及び板紙-厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
(白色度)
「白色度(%)」は、JIS-P8148(2001)に準拠して測定した。
(白紙光沢度)
「白紙光沢度(%)」は、JIS-P8142(2005)に記載の「紙及び板紙-75度鏡面光沢度の測定方法」に準拠して未印刷原紙の光沢度を測定した。
(平滑度)
「平滑度(秒)」は、JIS-P8119(1998)に記載の「紙及び板紙-ベック平滑度試験機による平滑度試験方法」に準拠して測定した。
(コップ吸水度)
「コップ吸水度(g/m)」は、JIS-P8140(1991)に記載の「紙及び板紙-吸水度試験方法-コッブ法に準拠して接触時間2分の条件で測定した。「(表)」は表面層側のコップ吸水度を表す。
(縦方向の圧縮強度)
「圧縮強度(縦)(N)」は、JIS-P8126(2005)に記載の「紙及び板紙-圧縮強さ試験方法-リングクラッシュ法」に準拠して抄紙方向である縦方向の圧縮強度を測定した。
(幅方向の耐折強度)
「耐折強度(幅)(回)」は、JIS-P8115(2001)に記載の「紙及び板紙-耐折強さ試験方法-MIT試験機法」に準じて抄紙方向における幅方向の耐折強度を測定した。
(印刷見栄え)
「印刷見栄え」は、抄紙方向における幅方向を紙試料の幅方向とし、幅100mmの紙試料を調製し、この紙試料の表面に赤色オフセットインキを用いて、RI印刷適性試験機(明製作所製)にて、1回転/分の速度でベタ印刷を行ない、赤色ベタ印刷の印刷ムラを、目視によって評価したものである。なお、評価基準は下記の通りとした。
◎:印刷が鮮明で濃淡むらが全くなく、インキ着肉性に優れる。
○:印刷が鮮明で濃淡ムラが殆どなく、インキ着肉性が良好である。
△:印刷が不鮮明な箇所及び濃淡むらがわずかにあり、インキ着肉性がやや劣るが、実用上問題がない。
×:全体的に、印刷が不鮮明で濃淡むらが著しく、インキ着肉性に劣り、実用に適さない。
(製箱性)
「製箱性」は、本願に基づく包装容器用塗工紙をブランクシート化し、ブランクシートを、包装容器に製箱する工程において評価したものである。なお、評価基準は下記の通りとした。
◎:ブランクシートを成形位置に移送する際に用紙表面に傷入りが発生せず、ブランクシートの移送時における左右のガイドレールとの間の摩擦力に違いが生じて、ブランクシートが水平面上において斜めに傾いてしまい、成形位置に対するブランクシートの位置がずれてマンドレルでの成形精度が低下する問題も生じない。
○:ブランクシートを成形位置に移送する際に用紙表面に傷入りが殆ど発生せず、ブランクシートの移送時における左右のガイドレールとの間の摩擦力に違いが生じて、ブランクシートが水平面上において斜めに傾いてしまい、成形位置に対するブランクシートの位置がずれてマンドレルでの成形精度が低下する問題も生じない。
△:ブランクシートを成形位置に移送する際に用紙表面に傷入りが散見され、ブランクシートの移送時における左右のガイドレールとの間の摩擦力に違いが生じて、ブランクシートが水平面上において斜めに傾いてしまい、成形位置に対するブランクシートの位置がずれてマンドレルでの成形精度が低下する問題が若干生じたが、問題のないレベルである。
×:ブランクシートを成形位置に移送する際に用紙表面に傷入りが生じると共に、ブランクシートの移送時における左右のガイドレールとの間の摩擦力に違いが生じて、ブランクシートが水平面上において斜めに傾いてしまい、成形位置に対するブランクシートの位置がずれてマンドレルでの成形精度が低下する。
(耐罫線割れ適性)
「耐罫線割れ適性」は、インク抜けと同様に印刷を行った各試料の多層抄き塗工板紙をA4サイズの縦目の紙に断裁し、長辺(抄紙方向)に対して2つ折りにし、プレス圧2.0kg/m2で5分間プレス後、肉眼にて折り目部分のひび割れの発生の有無を確認することによって評価したものである。なお、評価基準は下記の通りとした。
◎:ひび割れが発生していない。
○:折り目長さに対して、総全長が15%未満であるひび割れが発生する。
△:折り目長さに対して、総全長が15%以上30%未満であるひび割れが発生するが、問題のないレベルである。
×:折り目長さに対して、総全長が30%以上であるひび割れが発生する。
(RIピック)
「RIピック」は、JIS-P8129に規定されているIGT印刷適性試験機に用いる標準タックグレードインク(TV=18)を、熊谷理機工業(株)製KRK万能印刷適性試験機を用いて多層抄き塗工板紙の塗工層に印刷した後、RI印刷適性試験によって評価したものである。なお、評価基準は下記の通りとした。
◎:表面の毛羽立ち又は紙むけが認められない。
○:0.5mm以上の毛羽立ち又は紙むけが2箇所以下である。
△:0.5mm以上の毛羽立ち又は紙むけが3~5箇所であるが、問題のないレベルである。
×:0.5mm以上の毛羽立ち、紙むけが6箇所以上である。
実施例及び比較例の評価結果を表4に示す。
Figure 0007255991000004
表4に示すように、実施例1~実施例18に係る包装容器用塗工紙は、印刷見栄え、製箱性、耐罫線割れ適性及びRIピックの全ての評価項目において良好な結果が得られた。従って、当該包装容器用塗工紙は、低坪量及び軽量化が図られているにも係わらず強度を備え、十分な加工適性及び印刷適性を備えていることがわかる。
一方、白紙光沢度が40%未満の比較例1、白色度が75%未満の比較例2、白紙光沢度が40%未満かつ針葉樹晒クラフトパルプの広葉樹晒クラフトパルプに対する質量比が15/85未満の比較例3、白色度が75%未満かつ上記質量比が85/15超の比較例4、及び表面層が有機顔料を含有せず、上記混合クラフトパルプの上記上質系古紙パルプに対する質量比が30/70未満の比較例5は、印刷見栄え、製箱性、耐罫線割れ適性及びRIピックのいずれかの評価項目において劣っていた。特に、比較例4及び比較例5は上記4つの全てにおいて劣っていた。
以上の結果から、当該包装容器用塗工紙は、強度、印刷適性及び加工適性を備えつつ、光沢及び白色度に優れることが示された。
本発明の包装容器用塗工紙は、ティッシュカートン(ティッシュケース)、トイレットペーパーやキッチンタオル(ペーパー)等の収納容器、キャラメルやチョコレート等の菓子用包装容器、牛乳パック等に好適に用いることができるとともに、古紙の再資源化を図ることができる。
1 包装容器用塗工紙
2 表面層
3 表下層
4 中層
5 裏面層
6 基紙
7 表面塗工層
8 裏面塗工層

Claims (5)

  1. 表面層、表下層及び裏面層を備え、
    上記表面層が混合クラフトパルプ及び上質系古紙パルプを主成分とし、
    上記表下層及び裏面層が古紙パルプを主成分とし、
    上記混合クラフトパルプが針葉樹晒クラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプを含み、上記針葉樹晒クラフトパルプの上記広葉樹晒クラフトパルプに対する質量比が15/85以上85/15以下であり、
    上記表面層が有機顔料及び接着剤を含有する表面塗工層を表面に有し、
    上記表面塗工層における上記有機顔料の含有量が全顔料100質量部に対して2質量部以上であり、
    JIS-P8148(2001)に準拠して測定される白色度が75%以上、JIS-P8142(2005)に準拠して測定される白紙光沢度が40%以上50%以下である包装容器用塗工紙。
  2. 上記表面層における上記混合クラフトパルプの上記上質系古紙パルプに対する質量比が30/70以上70/30以下であり、
    上記表下層が上質系又は中質系の古紙パルプを含有し、
    JIS-P8127(2010)に準拠して測定される水分が4.0質量%以上9.5質量%以下である請求項1に記載の包装容器用塗工紙。
  3. 上記裏面層がポリビニルアルコール、紙力増強剤及び滑剤を含有する裏面塗工層を表面に有し、
    上記ポリビニルアルコールの重合度が1000以上2000以下であり、上記ポリビニルアルコールのケン化度が98.0以上99.0以下であり、
    上記滑剤がポリエチレンワックスからなるワックス粒子の水分散物である請求項1又は請求項2に記載の包装容器用塗工紙。
  4. 上記表面層と上記裏面層との間に配置される1又は複数の中層をさらに備え、
    上記中層が古紙パルプを主成分とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の包装容器用塗工紙。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の包装容器用塗工紙から構成される包装容器。
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