以下、図面を参照しながら、一実施形態に係るカッティングヘッド付きインクジェットプリンタ(以下、プリンタという。)について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
図1は、本実施形態に係るプリンタ10の正面図である。図2は、図1のII‐II線に沿う断面図である。以下の説明では、左、右、上、下とは、プリンタ10の正面にいる作業者から見た左、右、上、下をそれぞれ意味することとする。また、プリンタ10から上記作業者に近づく方を前方、遠ざかる方を後方とする。図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表す。図面中の符号Yは主走査方向を表す。本実施形態では、主走査方向Yは、左右方向である。主走査方向Yは、記録媒体5の幅方向である。図面中の符号Xは副走査方向を表す。副走査方向Xは主走査方向Yと交差する方向(例えば、平面視で垂直に交差する方向)である。本実施形態では、副走査方向Xは前後方向である。副走査方向Xは、記録媒体5の長手方向である。また、プリンタ10の後側を上流側と称し、プリンタ10の前側を下流側と称する。また、本実施形態では、副走査方向Xの上流側から下流側へ向かう方向を行き方向X1とし、副走査方向Xの下流側から上流側へ向かう方向を帰り方向X2とする。ただし、上記方向は便宜的に定めたものに過ぎず、限定的に解釈すべきものではない。
図1に示すように、本実施形態に係るプリンタ10は、記録媒体5に対する画像の印刷および記録媒体5の切断(カッティング)が可能なプリント&カット機である。プリンタ10は、家庭用のプリンタと比較すると主走査方向Yに長い、いわゆる大型のプリンタである。例えば、プリンタ10は業務用のプリンタである。本実施形態では、プリンタ10は、長尺の記録媒体5を順次行き方向X1(図2参照)に移動させると共に、主走査方向Yに移動するインクヘッド22からインク(例えばプロセスカラーインクやホワイトインク等)を吐出させることによって、記録媒体5上に画像を印刷する。プリンタ10は、画像が印刷された記録媒体5を行き方向X1および帰り方向X2(図2参照)に移動させると共に、主走査方向Yに移動するカッティングヘッド50のカッター53によって、記録媒体5を切断する。
記録媒体5は、例えば、長尺に形成され、ロール状に巻かれて用いられる。なお、記録媒体5は、ロール状に巻かれたものが所定の長さに切断されたシート状のものであってもよい。記録媒体5は、例えば、記録紙である。ただし、記録媒体5は、記録紙に限定されない。例えば、記録媒体5には、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステルなどの樹脂材料から形成されたシート、台紙と台紙上に積層されかつ接着剤が塗布された剥離紙とからなるシール材等が含まれる。本実施形態の記録媒体5は、例えば、ポリ塩化ビニルシート材である。ポリ塩化ビニルシート材は、例えば、普通紙から形成された台紙(基材)と、ポリ塩化ビニルから形成された剥離紙と、台紙と剥離紙との間に配置された接着剤とから構成されている。剥離紙にはインクヘッドから吐出されたインクが定着する。なお、台紙および剥離紙の材料は上記のものに限定されないが、基材および剥離紙は典型的には相互に異なる材料から形成されている。本明細書において「切断」、「カッティング」とは、記録媒体5の厚み方向の全体を切断する場合(例えば、シール材の台紙および剥離紙の両方を切断する場合)と、記録媒体5の厚み方向の一部を切断する場合(例えば、シール材の台紙は切断せず、剥離紙のみを切断する場合)とが含まれる。
図1に示すように、プリンタ10は、本体部12と、左サイドカバー13Lおよび右サイドカバー13Rと、中央壁14と、プラテン20(図2も参照)と、インクヘッドユニット40と、カッティングヘッド50と、ヘッド移動機構60と、媒体搬送機構70(図2参照)と、制御装置80と、供給軸42と、巻き取り装置44とを備えている。
図1に示すように、本体部12は、スタンド15に支持されている。本体部12は、主走査方向Yに延びている。左サイドカバー13Lは、本体部12の左側前方に設けられている。右サイドカバー13Rは、本体部12の右側前方に設けられている。本体部12には上下方向に延びる中央壁14が設けられている。中央壁14は、主走査方向Yに延びている。中央壁14の左端は左サイドカバー13Lの後方に位置し、中央壁14の右端は右サイドカバー13Rの後方に位置する。
図1に示すように、本体部12には、記録媒体5が載置されるプラテン20が設けられている。プラテン20は、載置台の一例である。プラテン20は、記録媒体5への印刷および記録媒体5を切断する際、記録媒体5を支持するものである。記録媒体5への印刷および記録媒体5の切断は、プラテン20上で行われる。プラテン20は主走査方向Yに延びている。プラテン20は中央壁14より下方に配置されている。プラテン20は、左サイドカバー13Lと右サイドカバー13Rとの間に位置する。
図1示すように、ガイドレール34は、中央壁14に設けられている。ガイドレール34は、プラテン20の上方に配置されている。ガイドレール34は、プラテン20と平行に配置されている。ガイドレール34は、主走査方向Yに延びている。
図2に示すように、インクヘッドユニット40は、主走査方向Yに移動可能なキャリッジ38と、プラテン20に載置された記録媒体5にインクを吐出するインクヘッド22(図3Aも参照)と、を備えている。インクヘッド22は、インクを吐出する複数のノズル(図示せず)を有する。インクヘッド22は、主走査方向Yに移動可能に構成されている。ここでは、5つのインクヘッド22がキャリッジ38に搭載されている。5つのインクヘッド22は、互いに異なる5つの色、例えば、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク、ホワイトインクを吐出する。ただし、インクヘッド22の個数は5個に限定されない。また、インクヘッド22が吐出するインクの色も何ら限定されない。インクの種類は特に限定されないが、例えば、溶剤系のインクが用いられる。キャリッジ38は、ガイドレール34に支持されている。キャリッジ38は、ガイドレール34に対し、主走査方向Yに移動自在に係合している。
図3Aに示すように、カッティングヘッド50は、インクヘッドユニット40より左方に配置されている。カッティングヘッド50は、主走査方向Yに移動可能に構成されている。カッティングヘッド50は、主走査方向Yに移動可能なキャリッジ51と、プラテン20に載置された記録媒体5を切断するカッター53と、カッター53の移動を制御するソレノイド52とを備えている。キャリッジ51には、ソレノイド52を介してカッター53が取り付けられている。ソレノイド52は、制御装置80(図1参照)によって制御される。ソレノイド52がON/OFFされると、カッター53は上下方向に移動して記録媒体5に接触し、あるいは記録媒体5から離反する。キャリッジ51は、ガイドレール34に支持されている。キャリッジ51は、ガイドレール34に対し、主走査方向Yに移動自在に係合している。
ヘッド移動機構60は、プラテン20に載置された記録媒体5に対してインクヘッドユニット40のキャリッジ38およびカッティングヘッド50のキャリッジ51を相対的に主走査方向Yに移動させる機構である。ヘッド移動機構60は、キャリッジ38およびキャリッジ51を主走査方向Yに移動させる。なお、ヘッド移動機構60の構成は特に限定されない。図1に示すように、ヘッド移動機構60は、左側のプーリ61と、右側のプーリ62と、無端状のベルト63と、キャリッジモータ64とを備えている。左側のプーリ61は、ガイドレール34の左端側に設けられている。右側のプーリ62は、ガイドレール34の右端側に設けられている。ベルト63は、左側のプーリ61と右側のプーリ62とに巻き掛けられている。ベルト63は、キャリッジ51(図3A参照)の背面上部に固定されている。右側のプーリ62には、キャリッジモータ64が接続されている。ただし、キャリッジモータ64は、左側のプーリ61に接続されていてもよい。ここでは、キャリッジモータ64が駆動して、右側のプーリ62が回転することで、左側のプーリ61と右側のプーリ62との間においてベルト63が走行する。これにより、キャリッジ38およびキャリッジ51は主走査方向Yに移動する。キャリッジモータ64は、制御装置80に制御される。
図3Aに示すように、キャリッジ38の左側部分には、磁石によって構成される連結部材39が設けられている。キャリッジ51の右側部分には、磁石によって構成される連結部材56が固定されている。連結部材39は、カッティングヘッド50の連結部材56に対し、着脱自在に連結する。本実施形態では、連結部材39および連結部材56は、磁力を利用するものである。ただし、連結部材39および連結部材56は磁力を利用するものに限られず、係合部材等の他の構成を備えたものであってもよい。キャリッジ38の右側には、L字状に形成された受け金具25が設けられている。
図3Aに示すように、プラテン20の左方および右方には、それぞれ左サイドフレーム7Lおよび右サイドフレーム7Rが配置されている。左サイドフレーム7Lおよび右サイドフレーム7Rは、上下方向かつ副走査方向Xに延びる。中央壁14は、左サイドフレーム7Lおよび右サイドフレーム7Rに接続されている。右サイドフレーム7Rには、インクヘッドユニット40を待機位置WP(図3B参照)にロックするためのロック装置26が設けられている。本実施形態では、待機位置WPは、プラテン20より右方に位置する。待機位置WPは、右サイドカバー13R(図1参照)の後方に位置する。ロック装置26は、受け金具25に引っ掛けられる受け金具27と、受け金具27をロック位置(図3B参照)と非ロック位置(図3A参照)との間で移動させるロック用ソレノイド28(図4参照)とを備えている。ロック用ソレノイド28は、制御装置80(図1参照)によって制御される。
図3Aに示すように、インクヘッド22によって記録媒体5に印刷を行う際には、受け金具27が非ロック位置に設定される。カッティングヘッド50のキャリッジ51が右方に移動し、連結部材56と連結部材39とが接触すると、キャリッジ51とキャリッジ38とが連結される。その結果、インクヘッドユニット40は、カッティングヘッド50と共に主走査方向Yに移動可能となる。即ち、インクヘッド22は、印刷時にはカッティングヘッド50と一体となって主走査方向Yに移動する。一方、図3Bに示すように、カッティングヘッド50のカッター53によって記録媒体5を切断する際には、インクヘッドユニット40が待機位置WPに位置付けられ、ロック装置26の受け金具27がロック位置に設定される。これにより、インクヘッドユニット40の移動が阻止される。キャリッジ51が左方へ移動すると、連結部材56と連結部材39とが離反し、キャリッジ51とキャリッジ38との連結が解除される。その結果、インクヘッドユニット40が待機位置WPに待機した状態で、カッティングヘッド50のみが主走査方向Yに移動可能となる。即ち、切断時には、インクヘッド22は、カッティングヘッド50から離れて待機位置WPに位置する。
媒体搬送機構70は、プラテン20に載置された記録媒体5(例えば供給軸42から巻き解かれた記録媒体5)をインクヘッド22およびカッティングヘッド50に対して副走査方向Xに移動させるものである。媒体搬送機構70は、プラテン20に載置された記録媒体5を副走査方向Xの上流側から下流側(即ち行き方向X1)および副走査方向Xの下流側から上流側(即ち帰り方向X2)に向けて搬送可能に構成されている。媒体搬送機構70は、搬送装置の一例である。図2に示すように、媒体搬送機構70は、グリットローラ30と、ピンチローラ31と、フィードモータ32(図4参照)とを備えている。グリットローラ30は、プラテン20に設けられている。グリットローラ30は、その上面部を露出させた状態でプラテン20に埋設されている。グリットローラ30は、インクヘッド22より後方(即ち副走査方向Xの上流側)に位置する。グリットローラ30は、フィードモータ32によって駆動される。グリットローラ30は、駆動ローラの一例である。グリットローラ30の上方には、ピンチローラ31が配置されている。ピンチローラ31は、プラテン20より上方に配置されている。ピンチローラ31は、グリットローラ30に対向している。ピンチローラ31は、記録媒体5の厚さに応じて上下方向の位置を設定可能に構成されている。ピンチローラ31は、記録媒体5を押さえる。ピンチローラ31とグリットローラ30との間に記録媒体5を挟み込む。グリットローラ30およびピンチローラ31は、記録媒体5を狭持しながら記録媒体5を副走査方向Xに搬送可能(即ち行き方向X1および帰り方向X2に搬送可能)に構成されている。
図2に示すように、供給軸42は、プラテン20より下方に配置されている。供給軸42は、プラテン20より後方に配置されている。供給軸42は、左右方向に延びる円筒形状または円柱形状に形成されている。供給軸42には、印刷前の長尺な記録媒体5がロール状に巻き付けられている。図1に示すように、供給軸42の左端部は左ガイド板42Lに回転可能に支持されている。供給軸42の右端部は右ガイド板42Rに回転可能に支持されている。左ガイド板42Lおよび右ガイド板42Rは、本体部12に設けられている。グリットローラ30が記録媒体5を行き方向X1に搬送することにより、記録媒体5は供給軸42から巻き解かれてプラテン20に向かって搬送される。
巻き取り装置44は、印刷および切断後の記録媒体5をロール状に巻き取る。図1に示すように、巻き取り装置44は、テンションバー46と、支持アーム47L、47Rと、巻き取り軸48と、モータ49(図4も参照)とを備えている。
図2に示すように、テンションバー46は、記録媒体5のうちプラテン20と巻き取り軸48との間に位置する部分に対して張力を与えるものである。詳しくは、テンションバー46は、自重を利用して記録媒体5を前斜め下方に押すことにより、記録媒体5に対して張力を与えるものである。図1に示すように、テンションバー46は、支持アーム47L、47Rに揺動可能に支持されている。
図2に示すように、巻き取り軸48は、プラテン20より下方に配置されている。巻き取り軸48は、印刷および切断後の記録媒体5を巻き取る。モータ49(図4参照)を駆動させることによって、巻き取り軸48を回転させることができる。図1に示すように、巻き取り軸48の左端部は、左側壁49Lに回転可能に支持されている。巻き取り軸48の右端部は、右側壁49Rに回転可能に支持されている。左側壁49Lおよび右側壁49Rは、本体部12に設けられている。
図4に示すように、制御装置80は、記録媒体5への画像の印刷および記録媒体5の切断を制御する装置である。制御装置80の構成は特に限定されない。制御装置80は、例えばマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータのハードウェアの構成は特に限定されないが、例えば、ホストコンピュータなどの外部機器から印刷データなどを受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU:central processing unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(read only memory)と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(random access memory)と、プログラムや各種データを格納するメモリなどの記憶装置と、を備えている。図1に示すように、制御装置80は、本体部12に設けられている。ただし、制御装置80は本体部12に設けられていなくてもよい。例えば、制御装置80は、本体部12の外部に設置されたコンピュータなどであってもよい。この場合、制御装置80は、有線または無線を介して本体部12と通信可能に接続されている。
図4に示すように、制御装置80は、フィードモータ32と、キャリッジモータ64と、インクヘッド22と、ロック用ソレノイド28と、ソレノイド52と、モータ49と通信可能に接続され、これらを制御する。
図4に示すように、制御装置80は、フィードモータ32の駆動を制御してグリットローラ30の回転を制御する。これにより、プラテン20に載置された記録媒体5の副走査方向X(即ち行き方向X1および帰り方向X2)の移動を制御する。制御装置80は、キャリッジモータ64の駆動を制御することで、右側のプーリ62の回転、および、ベルト63(図1参照)の走行を制御する。これにより、制御装置80は、インクヘッドユニット40(即ちインクヘッド22)およびカッティングヘッド50の主走査方向Yへの移動を制御する。制御装置80は、インクヘッド22のノズルからインクを吐出するタイミングやインクの吐出量等を制御する。制御装置80は、ロック用ソレノイド28の駆動を制御してインクヘッドユニット40とカッティングヘッド50との連結および連結の解除を制御する。制御装置80は、ソレノイド52の駆動を制御してカッター53の上下方向の移動を制御する。制御装置80は、モータ49の駆動を制御して巻き取り軸48を回転させ、記録媒体5を巻き取り軸48に巻き取る。
図4に示すように、制御装置80は、記憶部81と、印刷制御部83と、設定部85と、カッティング制御部87と、を備えている。これら各部は、プログラムによって実現されている。このプログラムは、例えばCDやDVDなどの記録媒体から読み込まれる。なお、このプログラムは、インターネットを通じてダウンロードされるものであってもよい。また、制御装置80の各部の機能は、プロセッサおよび/または回路などによって実現可能なものであってもよい。なお、これら各部の具体的な機能については後述する。
記憶部81は、記録媒体5の印刷領域5A(図5参照)を記憶する。印刷領域5Aは、作業者によって予め設定される。印刷領域5Aは、例えば、矩形状に設定される。印刷領域5Aにインクヘッド22のノズルからインクが吐出されて、画像が形成される。
記憶部81は、画像ファイルを記憶する。画像ファイルは、例えば、プリンタ10とは別体に設けられたコンピュータにインストールされたソフトウェアを用いて作成される。画像ファイルは、例えば、画像を印刷するための画像データと、画像に対して設定されるカット線のカットデータとを含む。カット線は、画像の周囲に設定される輪郭を有する。カット線は、カッター53によって切断される線である。画像データおよびカットデータは印刷領域5Aに関連付けられている。即ち、印刷領域5Aにおける画像の位置およびカット線の位置は予め作業者によって設定される。画像データは、例えば、ラスター形式のデータである。カットデータは、例えば、ベクター形式のデータである。
図5に示す例では、記憶部81は、左側の第1画像90Lの第1左画像データと、右側の第1画像90Rの第1右画像データと、左側の第2画像94Lの第2左画像データと、右側の第2画像94Rの第2右画像データと、左側の第1カット線91Lの第1左カットデータと、右側の第1カット線91Rの第1右カットデータと、左側の第2カット線95Lの第2左カットデータと、右側の第2カット線95Rの第2右カットデータと、を記憶する。左側の第1画像90Lおよび右側の第1画像90Rは、第1画像の一例である。左側の第2画像94Lおよび右側の第2画像94Rは、第2画像の一例である。第1左画像データおよび第1右画像データは、第1画像データの一例である。第2左画像データおよび第2右画像データは、第2画像データの一例である。ここでは、左側の第1画像90L、右側の第1画像90R、左側の第2画像94Lおよび右側の第2画像94Rは同じ画像であるが、相互に異なっていてもよいし、一部が同じ画像であり他の一部は異なる画像であってもよい。左側の第1画像90Lおよび右側の第1画像90Rは、左側の第2画像94Lおよび右側の第2画像94Rよりも副走査方向Xの下流側に位置する。左側の第1画像90Lおよび右側の第1画像90Rは、主走査方向Yに並んで配置されている。左側の第2画像94Lおよび右側の第2画像94Rは、主走査方向Yに並んで配置されている。左側の第1カット線91Lは、左側の第1画像90Lの周囲に設定された第1左輪郭92Lを有する。右側の第1カット線91Rは、右側の第1画像90Rの周囲に設定された第1右輪郭92Rを有する。左側の第2カット線95Lは、左側の第2画像94Lの周囲に設定された第2左輪郭96Lを有する。右側の第2カット線95Rは、右側の第2画像94Rの周囲に設定された第2右輪郭96Rを有する。第1左輪郭92Lおよび第1右輪郭92Rは、第1輪郭の一例である。第2左輪郭96Lおよび第2右輪郭96Rは、第2輪郭の一例である。
次に、プリンタ10を用いて記録媒体5に画像を印刷した後に記録媒体5をカット線に沿って切断する手順について説明する。図6は、一実施形態に係る印刷および切断の手順を示したフローチャートである。以下の例では、図5に示すように、記録媒体5に左側の第1画像90L、右側の第1画像90R、左側の第2画像94Lおよび右側の第2画像94Rを印刷した後、左側の第1カット線91L、右側の第1カット線91R、左側の第2カット線95Lおよび右側の第2カット線95Rに沿って記録媒体5を切断する場合について説明する。なお、図7は、印刷開始前の記録媒体5がプラテン20に載置されている状態を模式的に示す平面図である。図7の一点鎖線LXは、インクヘッド22の前端(例えば最も前方に位置するノズル)およびカッター53の刃先の移動軌跡である。
印刷制御部83は、キャリッジ38を主走査方向Yに移動させながらインクヘッド22から記録媒体5にインクを吐出させることと、記録媒体5を行き方向X1に搬送することとを交互に繰り返すことによって、記録媒体5に画像を印刷する。まず、ステップS10において、印刷制御部83は、第1左画像データおよび第1右画像データに基づいて、記録媒体5の印刷領域5Aに左側の第1画像90Lおよび右側の第1画像90Rを印刷する。印刷制御部83は、ヘッド移動機構60のキャリッジモータ64、インクヘッド22および媒体搬送機構70のフィードモータ32を制御する。
次に、ステップS20において、印刷制御部83は、第2左画像データおよび第2右画像データに基づいて、記録媒体5の印刷領域5Aのうち左側の第1画像90Lおよび右側の第1画像90Rよりも上流側に左側の第2画像94Lおよび右側の第2画像94Rを印刷する。図8に示すように、記録媒体5の下流側から上流側に向けて、左側の第1画像90Lおよび右側の第1画像90Rと、左側の第2画像94Lおよび右側の第2画像94Rとが順に印刷される。印刷制御部83は、記録媒体5を行き方向X1に順次搬送する。記録媒体5に画像が印刷されるときは、記録媒体5は行き方向X1のみに搬送される。
次に、ステップS30において、設定部85は、記録媒体5の切断開始点を設定する。設定部85は、例えば、左側の第2カット線95Lおよび右側の第2カット線95Rのうち副走査方向Xの最も上流側に位置する点を切断開始点に設定する。設定部85は、記憶部81に記憶された第2左カットデータおよび第2右カットデータに基づいて切断開始点を設定する。切断開始点は、印刷領域5Aにおける位置座標(例えばXY座標)として設定される。図9に示すように、左側の第2カット線95Lおよび右側の第2カット線95Rのうち副走査方向Xの最も上流側に位置する点が複数ある場合(ここでは第2左輪郭96Lの上流側の辺の任意の点と第2右輪郭96Rの上流側の辺の任意の点とが含まれる)、設定部85は、主走査方向Yに関して待機位置WPに最も近い点96Xを切断開始点に設定してもよい。なお、切断開始点の設定は、記録媒体5に画像が印刷される前に行ってもよい。
設定部85は、記録媒体5の他の切断開始点を設定する。設定部85は、例えば、左側の第1カット線91Lおよび右側の第1カット線91Rのうち副走査方向Xの最も上流側に位置する点を他の切断開始点に設定する。設定部85は、記憶部81に記憶された第1左カットデータおよび第1右カットデータに基づいて他の切断開始点を設定する。他の切断開始点は、印刷領域5Aにおける位置座標(例えばXY座標)として設定される。図9に示すように、左側の第1カット線91Lおよび右側の第1カット線91Rのうち副走査方向Xの最も上流側に位置する点が複数ある場合(ここでは第1左輪郭92Lの上流側の辺の任意の点と第1右輪郭92Rの上流側の辺の任意の点とが含まれる)、設定部85は、主走査方向Yに関して待機位置WPに最も近い点92Xを切断開始点に設定してもよい。
カッティング制御部87は、キャリッジ51を主走査方向Yに移動させながら記録媒体5を行き方向X1および帰り方向X2に搬送することによって、カット線に沿って記録媒体を切断する。ステップS40において、カッティング制御部87は、まず、設定部85によって設定された切断開始点96X(図9参照)上にカッター53が位置するように、ヘッド移動機構60のキャリッジモータ64を制御してカッティングヘッド50を主走査方向Yに移動させると共に、媒体搬送機構70のフィードモータ32を制御して記録媒体5を帰り方向X2に搬送する。そして、カッティング制御部87は、第2左カットデータおよび第2右カットデータに基づいて、右側の第2カット線95Rに沿って記録媒体5を切断した後、左側の第2カット線95Lに沿って記録媒体5を切断する。カッティング制御部87は、キャリッジモータ64、フィードモータ32およびカッティングヘッド50のソレノイド52を制御する。
次に、ステップS50において、カッティング制御部87は、設定部85によって設定された切断開始点92X(図9参照)上にカッター53が位置するように、ヘッド移動機構60のキャリッジモータ64を制御してカッティングヘッド50を主走査方向Yに移動させると共に、媒体搬送機構70のフィードモータ32を制御して記録媒体5を帰り方向X2に搬送する。そして、カッティング制御部87は、第1左カットデータおよび第1右カットデータに基づいて、右側の第1カット線91Rに沿って記録媒体5を切断した後、左側の第1カット線91Lに沿って記録媒体5を切断する。図10に示すように、記録媒体5の上流側から下流側に向けて、右側の第2カット線95Rおよび左側の第2カット線95Lに沿って記録媒体5が切断された後、右側の第1カット線91Rおよび左側の第1カット線91Lに沿って記録媒体5が切断される。カッティング制御部87は、記録媒体5を行き方向X1および帰り方向X2に搬送するが、右側の第2カット線95Rおよび左側の第2カット線95Lに沿って記録媒体5が切断される前に、右側の第1カット線91Rまたは左側の第1カット線91Lに沿って記録媒体5を切断しない。
以上のように、本実施形態のプリンタ10によると、記録媒体5に左側の第1画像90L、右側の第1画像90R、左側の第2画像94Lおよび右側の第2画像94Rが印刷された後、先ず左側の第2画像94Lの周囲に設定された左側の第2カット線95Lおよび右側の第2画像94Rの周囲に設定された右側の第2カット線95Rに沿って記録媒体5を切断し、その後に左側の第1画像90Lの周囲に設定された左側の第1カット線91Lおよび右側の第1画像90Rの周囲に設定された右側の第1カット線91Rに沿って記録媒体5を切断する。即ち、記録媒体5への左側の第1画像90L、右側の第1画像90R、左側の第2画像94Lおよび右側の第2画像94Rの印刷が完了したときに、副走査方向Xに関してカッティングヘッド50により近い左側の第2カット線95Lおよび右側の第2カット線95Rに沿って記録媒体5が切断される。ここで、左側の第1カット線91Lおよび右側の第1カット線91Rに沿って記録媒体5を先ず切断しようとすると、記録媒体5を大きく帰り方向X2に搬送しなければならないが、左側の第2カット線95Lおよび右側の第2カット線95Rに沿って記録媒体5を先ず切断するため、記録媒体5を帰り方向X2にほとんど搬送する必要がない。即ち、記録媒体5への印刷が完了した後、すぐに記録媒体5の切断を開始することができるため、より短時間で記録媒体5の切断を完了することができる。また、記録媒体5の下流側に位置する画像から順に記録媒体5を切断する場合に比べて、記録媒体5の搬送量を小さく設定できるため、印刷と切断とのずれ(例えば印刷された画像とカット線とのずれ)を低減でき、第1画像90L、90Rおよび第2画像94L、94Rの切断精度の向上が実現される。
本実施形態のプリンタ10によると、制御装置80は、左側の第2カット線95Lおよび右側の第2カット線95Rのうち副走査方向Xの最も上流側に位置する点96Xを切断開始点に設定する設定部85を備えている。カッティング制御部87は、切断開始点を起点にして第2左カットデータおよび第2右カットデータに基づいて左側の第2カット線95Lおよび右側の第2カット線95Rに沿って記録媒体5を切断するようにカッティングヘッド50および媒体搬送機構70を制御する。これにより、左側の第2画像94Lおよび右側の第2画像94Rが副走査方向Xに比較的長い場合であっても、左側の第2画像94Lおよび右側の第2画像94Rの印刷が完了した後に記録媒体5をほとんど搬送することなく右側の第2カット線95Rに沿って記録媒体5の切断を開始することができる。
本実施形態のプリンタ10によると、左側の第2カット線95Lおよび右側の第2カット線95Rのうち副走査方向Xの最も上流側に位置する点が複数ある場合、設定部85は、主走査方向Yに関して待機位置WPに最も近い点96Xを切断開始点に設定する。記録媒体5への左側の第1画像90L、右側の第1画像90R、左側の第2画像94Lおよび右側の第2画像94Rの印刷が完了すると、カッティングヘッド50およびインクヘッド22は所定の待機位置WPに移動して、インクヘッド22を所定の待機位置WPに位置させる。その後にカッティングヘッド50が単独で移動して記録媒体5の切断を開始する。ここで、切断開始点は、主走査方向Yに関して待機位置WPに最も近い点であるため、カッティングヘッド50によって記録媒体5の切断を即座に開始することができる。
本実施形態のプリンタ10によると、設定部85は、左側の第1カット線91Lおよび右側の第1カット線91Rのうち副走査方向Xの最も上流側に位置する点92Xを他の切断開始点に設定するように構成されている。カッティング制御部87は、他の切断開始点を起点にして第1左カットデータおよび第1右カットデータに基づいて左側の第1カット線91Lおよび右側の第1カット線91Rに沿って記録媒体5を切断するようにカッティングヘッド50および媒体搬送機構70を制御する。これにより、左側の第2カット線95Lおよび右側の第2カット線95Rに沿って記録媒体5を切断した後、直ちに右側の第1カット線91Rに沿って記録媒体5の切断を開始することができる。
本実施形態のプリンタ10によると、媒体搬送機構70は、プラテン20より上方に配置され、記録媒体5を押さえるピンチローラ31と、ピンチローラ31より下方に配置され、ピンチローラ31との間に記録媒体5を挟んで記録媒体5を行き方向X1および帰り方向X2に搬送させるグリットローラ30と、を備えている。ピンチローラ31とグリットローラ30との間に記録媒体5を挟んで記録媒体5を副走査方向Xに搬送させる場合、記録媒体5の副走査方向Xの長さが長くなるほど記録媒体5の搬送量が多くなる。即ち、搬送時の記録媒体5の移動誤差が生じ得る。しかしながら、左側の第2カット線95Lおよび右側の第2カット線95Rに沿って記録媒体5を切断した後に左側の第1カット線91Lおよび右側の第1カット線91Rに沿って記録媒体5を切断するため、印刷後に記録媒体5を一度帰り方向X2に移動させてから左側の第1カット線91Lおよび右側の第1カット線91Rに沿って記録媒体5を切断する場合と比較して、記録媒体5の搬送量が小さくなる。これにより、搬送時の記録媒体5の移動誤差が生じることを抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の各実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
上述した実施形態では、副走査方向Xに関して2列の画像が印刷されていたが3列以上の画像が印刷されてもよい。このとき、最も上流側に印刷される画像が第2画像に相当する。
上述した実施形態では、インクヘッドユニット40の待機位置WPはプラテン20より右方に設けられていたが、プラテン20より左方に設けられていてもよい。即ち、ロック装置26が左サイドフレーム7Lに設けられていてもよい。