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JP7306093B2 - 静電容量測定装置、劣化診断装置、劣化診断方法及び静電容量測定プログラム - Google Patents
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JP7306093B2 - 静電容量測定装置、劣化診断装置、劣化診断方法及び静電容量測定プログラム - Google Patents

静電容量測定装置、劣化診断装置、劣化診断方法及び静電容量測定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、静電容量測定装置、劣化診断装置、静電容量測定方法、劣化診断方法及び静電容量測定プログラムに関する。
コンデンサの静電容量を測定する静電容量測定装置が従来技術として知られている。例えば、特許文献1には、コンデンサの静電容量等の特性値を測定する測定器を備えた装置が開示されている。当該装置は、測定器によって測定されたコンデンサの特性値をデータベースに蓄積する。
特開2004-37258号公報(2004年2月5日公開)
特許文献1には、コンデンサの静電容量を測定する方法の詳細については開示されていない。よって、特許文献1に開示されている装置は、コンデンサの静電容量を測定する方法について、さらなる改善の余地を有している。本発明の一態様は、コンデンサの静電容量を容易に算出することを目的とする。
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る静電容量測定装置は、コンデンサに印加される電圧の電圧測定値と、前記コンデンサに流れる電流の電流測定値と、を入力する入力部と、前記入力部によって入力された前記電圧測定値から、所定時点での前記コンデンサに印加される電圧の第1電圧変化率を測定する電圧変化率測定部と、前記入力部によって入力された前記電圧測定値及び前記電流測定値を参照し、少なくとも、前記所定時点での前記電圧測定値及び前記電流測定値と、前記電圧変化率測定部によって測定された前記第1電圧変化率と、から前記コンデンサの静電容量を算出する算出部と、を備える。
前記構成によれば、コンデンサの電圧測定値、電流測定値及び電圧変化率を用いて、コンデンサの静電容量を容易に算出することができる。よって、コンデンサの静電容量を測定する静電容量測定装置を安価に実現することができる。
前記電圧変化率測定部は、前記所定時点としての2つの時点での前記第1電圧変化率を測定し、前記算出部は、前記2つの時点での前記電圧測定値及び前記電流測定値と、前記電圧変化率測定部によって測定された前記2つの時点での前記第1電圧変化率と、から前記コンデンサの静電容量を算出してもよい。前記構成によれば、2つの時点において、コンデンサの静電容量を算出するための各値を参照することによって、コンデンサの静電容量を容易に算出することができる。
前記2つの時点の間の期間は、所定期間以下であってもよい。前記構成によれば、例えば、2つの時点において、コンデンサの静電容量を算出するための各値の変化が小さくなるように、2つの時点の間の期間が所定期間以下に設定される。これにより、コンデンサの静電容量の算出の精度を向上することができる。
前記静電容量測定装置は、前記入力部によって入力された前記電流測定値から、前記所定時点での前記コンデンサに流れる電流の電流変化率を測定する電流変化率測定部をさらに備え、前記電圧変化率測定部は、前記第1電圧変化率が微分された値である第2電圧変化率をさらに測定し、前記算出部は、前記所定時点での前記電圧測定値及び前記電流測定値と、前記電圧変化率測定部によって測定された前記第1電圧変化率と、に加えて、前記電圧変化率測定部によって測定された前記第2電圧変化率と、前記電流変化率測定部によって測定された前記電流変化率と、から前記コンデンサの静電容量を算出してもよい。
前記構成によれば、第1電圧変化率が微分された値である第2電圧変化率を用いてコンデンサの静電容量を算出する。例えば、近似によって第2電圧変化率を求める場合、第1電圧変化率を求める場合に比べて、より多くの情報を用いる。このため、第2電圧変化率を用いてコンデンサの静電容量を算出することにより、コンデンサの静電容量の算出の精度を向上することができる。
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る劣化診断装置は、コンデンサに印加される電圧の電圧測定値と、前記コンデンサに流れる電流の電流測定値と、を入力する入力部と、前記入力部によって入力された前記電圧測定値から、所定時点での前記コンデンサに印加される電圧の電圧変化率を測定する電圧変化率測定部と、前記入力部によって入力された前記電圧測定値及び前記電流測定値を参照し、少なくとも、前記所定時点での前記電圧測定値及び前記電流測定値と、前記電圧変化率測定部によって測定された前記電圧変化率と、から前記コンデンサの静電容量及び漏れ電流のアドミタンスを算出する算出部と、前記算出部によって算出された前記コンデンサの静電容量における初期値からの低下量と、前記算出部によって算出された前記コンデンサの漏れ電流の前記アドミタンスにおける初期値からの上昇量と、から前記コンデンサの劣化診断の結果を出力する結果出力部と、を備える。
前記構成によれば、多種多様のコンデンサのそれぞれについて、診断の基準となるコンデンサの特性及びコンデンサの劣化を診断するためのデータベースを構築することなく、コンデンサの劣化診断を容易に行うことができる。よって、前記データベースを構築する場合と比べて、コンデンサの劣化診断を行う劣化診断装置を安価に実現することができる。
前記結果出力部は、前記低下量及び前記上昇量から前記コンデンサの寿命予測の結果をさらに出力してもよい。前記構成によれば、コンデンサの劣化診断の結果に加えて、コンデンサの寿命予測の結果を確認することができる。
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る静電容量測定方法は、コンデンサに印加される電圧を電圧測定値として測定する電圧測定工程と、前記コンデンサに流れる電流を電流測定値として測定する電流測定工程と、前記電圧測定工程にて測定された前記電圧測定値から、所定時点での前記コンデンサに印加される電圧の電圧変化率を測定する電圧変化率測定工程と、前記電圧測定工程及び前記電流測定工程のそれぞれにて測定された前記電圧測定値及び前記電流測定値を参照し、少なくとも、前記所定時点での前記電圧測定値及び前記電流測定値と、前記電圧変化率測定工程にて測定された前記電圧変化率と、から前記コンデンサの静電容量を算出する算出工程と、を含む。
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る劣化診断方法は、コンデンサに印加される電圧を電圧測定値として測定する電圧測定工程と、前記コンデンサに流れる電流を電流測定値として測定する電流測定工程と、前記電圧測定工程にて測定された前記電圧測定値から、所定時点での前記コンデンサに印加される電圧の電圧変化率を測定する電圧変化率測定工程と、前記電圧測定工程及び前記電流測定工程のそれぞれにて測定された前記電圧測定値及び前記電流測定値を参照し、少なくとも、前記所定時点での前記電圧測定値及び前記電流測定値と、前記電圧変化率測定工程にて測定された前記電圧変化率と、から前記コンデンサの静電容量及び漏れ電流のアドミタンスを算出する算出工程と、前記算出工程にて算出された前記コンデンサの静電容量における初期値からの低下量と、前記算出工程にて算出された前記コンデンサの漏れ電流の前記アドミタンスにおける初期値からの上昇量と、から前記コンデンサの劣化診断の結果を出力する結果出力工程と、を含む。
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る静電容量測定プログラムは、前記静電容量測定装置としてコンピュータを機能させるための静電容量測定プログラムであって、前記入力部、前記電圧変化率測定部及び前記算出部としてコンピュータを機能させるためのものであってもよい。
本発明の一態様によれば、コンデンサの静電容量を容易に算出することができる。
本発明の実施形態1に係る静電容量測定装置を備える車両の構成を示すブロック図である。 図1に示す車両が備える電力変換装置に設けられたコンデンサに対する等価回路を示す図である。 図1に示す車両が備える静電容量測定装置の算出部の処理に関する実験例において、コンデンサの電圧及び電流の測定結果を示すグラフである。 算出部の処理に関する実験例において、コンデンサの静電容量及び漏れ電流のアドミタンスの算出結果を示すグラフである。 図4に示すグラフから、横軸を時間から電界に変更したグラフである。 本発明の実施形態1に係る静電容量測定装置を備える製品検査装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態2に係る静電容量測定装置を備える車両の構成を示すブロック図である。
〔実施形態1〕
(静電容量測定装置10の構成)
静電容量測定装置10の構成について、図1に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る静電容量測定装置10を備える車両V1の構成を示すブロック図である。HEV(Hybrid Electric Vehicle)またはEV(Electric Vehicle)等のような車両V1は、図1に示すように、電力変換装置E1を備えている。
電力変換装置E1は、直流と交流との間で電力変換を行う装置である。電力変換装置E1は、劣化診断装置1と、コンデンサ2と、電圧計3と、電流計4と、記憶部5と、を備えている。劣化診断装置1は、コンデンサ2、電圧計3、電流計4及び記憶部5と接続されている。コンデンサ2は、電圧計3と並列に接続されており、電流計4と直列に接続されている。なお、電圧計3及び電流計4は、電力変換装置E1の外部にあり、かつ、車両V1に備えられてもよい。
コンデンサ2としては、例えば、フィルムコンデンサが用いられることが好ましい。フィルムコンデンサは、プラスチックフィルムに金属を蒸着させて巻回して構成されるものである。フィルムコンデンサは、セラミックコンデンサ及び電解コンデンサと比べて、高電圧に対応可能であり、高周波特性がよく、誘電体損失が少ないという特徴を有する。
このため、フィルムコンデンサは、電子用途、車載用途や産業用途に広く用いられている。このように、車両V1が備える電力変換装置E1のコンデンサ2としてフィルムコンデンサを用いることにより、高電圧に対応可能にし、高周波特性をよくし、誘電体損失を少なくすることができる。
電圧計3は、コンデンサ2に印加される電圧を電圧測定値として測定する(電圧測定工程)。電圧計3は、測定によって得られた電圧測定値を劣化診断装置1に提供する。電流計4は、コンデンサ2に流れる電流を電流測定値として測定する(電流測定工程)。電流計4は、測定によって得られた電流測定値を劣化診断装置1に提供する。
劣化診断装置1は、コンデンサ2の劣化診断を行う装置である。劣化診断装置1は、車両V1に設けられる場合、車両V1の動作中にコンデンサ2の劣化診断を行う。なお、劣化診断装置1は、車両V1以外の他の産業用機械に設けられてもよい。劣化診断装置1は、静電容量測定装置10と、結果出力部140と、を備えている。静電容量測定装置10は、コンデンサ2の静電容量を測定する装置である。静電容量測定装置10は、入力部110と、電圧変化率測定部120と、算出部130と、を備えている。
入力部110は、電圧計3から劣化診断装置1に提供された電圧測定値と、電流計4から劣化診断装置1に提供された電流測定値と、を入力する。換言すると、入力部110は、コンデンサ2に印加される電圧の電圧測定値と、コンデンサ2に流れる電流の電流測定値と、を入力する。入力部110は、入力した電圧測定値及び電流測定値を記憶部5に記憶する。
電圧変化率測定部120は、入力部110によって入力された電圧測定値から、所定時点でのコンデンサ2に印加される電圧の第1電圧変化率(電圧変化率)を測定する(電圧変化率測定工程)。第1電圧変化率は、例えば、所定時点でのコンデンサ2に印加される電圧が1階微分された値である。このとき、電圧変化率測定部120は、記憶部5に記憶された電圧測定値を参照する。電圧変化率測定部120は、測定した第1電圧変化率を記憶部5に記憶する。前記所定時点は、劣化診断装置1を使用するユーザによって適宜決定される。前記所定時点についての詳細は後述する。
算出部130は、入力部110によって入力された電圧測定値及び電流測定値を参照する。また、算出部130は、前記所定時点での電圧測定値及び電流測定値と、電圧変化率測定部120によって測定された第1電圧変化率と、からコンデンサ2の静電容量及び漏れ電流のアドミタンスを算出する。このとき、算出部130は、記憶部5に記憶された電圧測定値、電流測定値及び第1電圧変化率を参照する。算出部130は、算出したコンデンサ2の静電容量及び漏れ電流のアドミタンスを記憶部5に記憶する。
なお、後述の実施形態2では、算出部130Aは、前記所定時点での電圧測定値及び電流測定値と、第1電圧変化率と、に加えて、第2電圧変化率と、電流変化率と、からコンデンサ2の静電容量及び漏れ電流のアドミタンスを算出する。
よって、本発明の一態様に係る算出部は、少なくとも、前記所定時点での電圧測定値及び電流測定値と、電圧変化率測定部120によって測定された第1電圧変化率と、からコンデンサ2の静電容量及び漏れ電流のアドミタンスを算出する(算出工程)。前記構成によれば、コンデンサ2の電圧測定値、電流測定値及び第1電圧変化率を用いて、コンデンサ2の静電容量を容易に算出することができる。よって、コンデンサ2の静電容量を測定する静電容量測定装置10を安価に実現することができる。
(算出部130の処理の詳細)
算出部130におけるコンデンサ2の静電容量及び漏れ電流のアドミタンスの算出処理では、劣化診断の対象であるコンデンサ2に対して、図2に示す等価回路を考慮している。図2は、図1に示す車両V1が備える電力変換装置E1に設けられたコンデンサ2に対する等価回路を示す図である。図2に示すように、コンデンサ2の外部からコンデンサ2に対して電流Iを流す場合を考える。
この場合、電流Iは、電流計4によって測定される電流となる。また、コンデンサ2には漏れ電流I2が発生する。電流Iから漏れ電流I2が差し引かれた電流を電流I1とする。つまり、電流Iは、電流I1と電流I2との和に等しくなる。ここで、コンデンサ2の静電容量をC、コンデンサ2の漏れ電流I2のアドミタンスをYとする。アドミタンスYは、コンデンサ2との並列アドミタンスであり、漏れ電流I2をアドミタンスにしたものである。
また、ある時点(t秒)からa秒だけ後退した時点(t-a秒)と、ある時点(t秒)からa秒だけ前進した時点(t+a秒)と、を前記所定時点としての2つの時点とする場合を考える。この場合、算出部130は、コンデンサ2の静電容量C及びアドミタンスYを算出するために、t-a秒での電圧測定値V(t-a)、電流測定値I(t-a)及び第1電圧変化率dV(t-a)/dtを用いる。
さらに、算出部130は、t+a秒での電圧測定値V(t+a)、電流測定値I(t+a)及び第1電圧変化率dV(t+a)/dtを用いる。このとき、電圧変化率測定部120は、前記所定時点としての前記2つの時点での第1電圧変化率dV(t-a)/dt,dV(t+a)/dtを測定する。算出部130がこれらの値を用いた場合、図2に示す等価回路から以下の式(1)及び式(2)からなる連立方程式が得られる。
Figure 0007306093000001
Figure 0007306093000002
前記の連立方程式を、2次の線形の連立方程式と見なし、前記2つの時点での電圧測定値及び第1電圧変化率を連立方程式の係数と見なす。また、前記2つの時点での電流測定値を既知の変数と見なし、コンデンサ2の静電容量及びアドタンスを未知の変数と見なす。これにより、以下の式(3)が得られる。
Figure 0007306093000003
このように連立方程式を構成すると、以下の式(4)に示すように、算出部130は、シンプルな2行2列の逆行列計算で、ある時点(t秒)でのコンデンサ2の静電容量C及びアドミタンスYを算出することができる。つまり、算出部130は、式(1)から式(4)の計算処理を行い、ある時点(t秒)でのコンデンサ2の静電容量C及びアドミタンスYを算出する。
Figure 0007306093000004
このように、算出部130は、前記2つの時点での電圧測定値及び電流測定値と、電圧変化率測定部120によって測定された前記2つの時点での第1電圧変化率と、からコンデンサ2の静電容量C及び漏れ電流I2のアドミタンスYを算出する。前記構成によれば、前記2つの時点において、コンデンサ2の静電容量C及び漏れ電流I2のアドミタンスYを算出するための各値を参照することによって、コンデンサ2の静電容量C及び漏れ電流I2のアドミタンスYを容易に算出することができる。
また、時点(t-a秒)と時点(t+a秒)との間の期間(2a秒)は、所定期間以下であることが好ましい。換言すると、前記2つの時点の間の期間は、所定期間以下であることが好ましい。前記構成によれば、例えば、前記2つの時点において、コンデンサ2の静電容量C及び漏れ電流I2のアドミタンスYを算出するための各値の変化が小さくなるように、前記2つの時点の間の期間が所定期間以下に設定される。これにより、コンデンサ2の静電容量C及び漏れ電流I2のアドミタンスYの算出の精度を向上することができる。
結果出力部140は、記憶部5から、算出部130によって算出されたコンデンサ2の静電容量C及び漏れ電流I2のアドミタンスYを参照する。結果出力部140は、コンデンサ2の静電容量Cにおける初期値からの低下量と、コンデンサ2の漏れ電流I2のアドミタンスYにおける初期値からの上昇量と、からコンデンサ2の劣化診断の結果を出力する(結果出力工程)。
前記構成によれば、多種多様のコンデンサ2のそれぞれについて、診断の基準となるコンデンサ2の特性及びコンデンサ2の劣化を診断するためのデータベースを構築することなく、コンデンサ2の劣化診断を容易に行うことができる。よって、前記データベースを構築する場合と比べて、コンデンサ2の劣化診断を行う劣化診断装置1を安価に実現することができる。
また、結果出力部140は、コンデンサ2の静電容量Cにおける初期値からの低下量と、コンデンサ2の漏れ電流I2のアドミタンスYにおける初期値からの上昇量と、からコンデンサ2の寿命予測の結果をさらに出力してもよい。前記構成によれば、コンデンサ2の劣化診断の結果に加えて、コンデンサ2の寿命予測の結果を確認することができる。これに加えて、コンデンサ2の寿命予測を行うためのデータベースを構築することなく、コンデンサ2の寿命予測を容易に行うことができる。
コンデンサ2の静電容量Cにおける初期値は、コンデンサ2の定格値として決まっている。また、コンデンサ2のアドミタンスYにおける初期値は、コンデンサ2の漏れ電流I2の定格値によって決まっている。よって、コンデンサ2が多種多様であっても、コンデンサ2の静電容量C及びアドミタンスYにおける初期値が定格値で決まる。このため、静電容量Cにおける初期値からの低下量と、アドミタンスYにおける初期値からの上昇量と、からコンデンサ2の劣化診断及び寿命予測を容易に行うことができる。
なお、結果出力部140は、コンデンサ2の静電容量Cにおける初期値からの低下量の割合と、コンデンサ2の漏れ電流I2のアドミタンスYにおける初期値からの上昇量の割合と、からコンデンサ2の劣化診断の結果及び寿命予測の結果を出力してもよい。静電容量Cにおける初期値からの低下量の割合とは、当該初期値を100%とする場合、前記低下量が占める割合である。アドミタンスYにおける初期値からの上昇量の割合とは、当該初期値を100%とする場合、前記上昇量が占める割合である。
結果出力部140は、静電容量Cにおける初期値からの低下量の割合が第1所定値以上であり、かつ、アドミタンスYにおける初期値からの上昇量の割合が第2所定値以上であれば、コンデンサ2が劣化しているものとして劣化診断の結果を出力してもよい。結果出力部140は、車両V1の動作中に、コンデンサ2の劣化診断の結果及び寿命予測の結果を逐次出力してもよい。
(実験例)
次に、算出部130の処理に関する実験例について、図3から図5に基づいて説明する。この実験例では、高電圧の直流電源を用いてコンデンサに高電圧を印加し、コンデンサの電圧及び電流を測定した。評価対象のコンデンサについては、電極面積が1mであり、かつ、厚さが4μmであるポリプロピレンのフィルムにアルミニウムを蒸着させて巻回したフィルムコンデンサを用いている。電圧及び電流をロガーで測定し、測定したデータについて、表計算ソフトウェアとして、例えば、スプレッドシートを用いて計算することにより静電容量及びアドミタンスを計算した。
図3は、図1に示す車両V1が備える静電容量測定装置10の算出部130の処理に関する実験例において、コンデンサ2の電圧及び電流の測定結果を示すグラフである。図3において、横軸は時間[秒]であり、左側の縦軸は電圧[V]であり、右側の縦軸は電流[A]である。また、VNは電圧を示しており、INは電流を示している。
図4は、算出部130の処理に関する実験例において、コンデンサ2の静電容量C及び漏れ電流I2のアドミタンスYの算出結果を示すグラフである。具体的には、グラフG1は、コンデンサ2の静電容量Cの算出結果を示すグラフであり、グラフG2は、コンデンサ2の漏れ電流I2のアドミタンスYの算出結果を示すグラフである。
グラフG1において、横軸は時間[秒]であり、縦軸は静電容量[F]である。グラフG2において、横軸は時間[秒]であり、縦軸はアドミタンス[S]である。グラフG1及びグラフG2は、前述した式(1)から(4)を用いて計算されることにより作成されたグラフである。
図5は、図4に示すグラフから、横軸を時間から電界に変更したグラフである。具体的には、グラフG3は、グラフG1から、横軸を時間から電界に変更したグラフであり、グラフG4は、グラフG2から、横軸を時間から電界に変更したグラフである。グラフG3において、横軸は電界[V/μm]であり、縦軸は静電容量[F]である。グラフG4において、横軸は電界[V/μm]であり、縦軸はアドミタンス[S]である。
時間から電界への変更は、時間と電界との関係を用いて行われる。図3に示すグラフの電圧を、前記ポリプロピレンのフィルムの厚さ(4μm)で割ることにより、図5に示すグラフの電界となる。よって、時間と電界との関係は、図3に示すグラフ及び前記ポリプロピレンのフィルムの厚さから得られる。図5に示す電界は、コンデンサへのストレスとなる。
結果出力部140は、図5に示すようなグラフを参照して、コンデンサ2の劣化診断の結果及び寿命予測の結果を出力する。つまり、結果出力部140は、コンデンサ2の電界と静電容量Cとの関係と、コンデンサ2の電界とアドミタンスYとの関係と、を参照して、コンデンサ2の劣化診断の結果及び寿命予測の結果を出力する。
図3に示すような簡単な電圧波形及び電流波形から、静電容量及びアドミタンスを計算することができ、静電容量の低下量及びアドミタンスの上昇量でコンデンサの劣化診断及び寿命予測を容易に行うことができる。
ここで、前記所定時点は、前述した通り、劣化診断装置1を使用するユーザによって適宜決定される。例えば、ユーザが、コンデンサへのストレスとしての電界が450V/μmである場合を想定しているものとする。この場合、前記ポリプロピレンのフィルムの厚さが4μmであるため、電界が450Vとなる電圧VNは、450×4=1800Vとなる。
図3に示すように、電圧VNが1800Vとなる時間は、16秒である。よって、ユーザは、16秒からa秒だけ後退した時点(16-a秒)と、16秒からa秒だけ前進した時点(16+a秒)と、を前記所定時点として決定する。なお、後述する実施形態2では、ユーザは、16秒の時点を前記所定時点として決定する。
(変形例)
次に、劣化診断装置1の適用の変形例について、図6に基づいて説明する。図6は、本発明の実施形態1に係る静電容量測定装置10を備える製品検査装置A1の構成を示すブロック図である。製品検査装置A1は、製品としての車両V2の検査を行う装置である。製品検査装置A1は、例えば、車両V2が備える電力変換装置E2に設けられたコンデンサ2の性能を検査する。
車両V2は、車両V1と比べて、電力変換装置E1が電力変換装置E2に変更されている点が異なる。電力変換装置E2は、電力変換装置E1と比べて、劣化診断装置1を備えていない点が異なる。電圧計3、電流計4及び記憶部5については、電力変換装置E2に備えられていてもよい。
製品検査装置A1は、図6に示すように、劣化診断装置1と、電圧計3と、電流計4と、記憶部5と、を備えている。車両V2が備える電力変換装置E2に設けられたコンデンサ2は、製品検査装置A1に備えられる劣化診断装置1、電圧計3及び電流計4と接続されている。
劣化診断装置1は、製品検査装置A1に設けられる場合、製品検査装置A1が車両V2の検査を行う際に、車両V2に設けられたコンデンサ2の劣化診断を行う。なお、劣化診断装置1は、車両V2以外の他の産業用機械の検査を行う製品検査装置に設けられてもよく、この場合、当該他の産業用機械に設けられたコンデンサ2の劣化診断を行う。
つまり、劣化診断装置1は、製品としての車両ではなく、製品検査装置に備えられてもよい。したがって、本発明は、コンデンサ2を備える製品としての車両V1に備えられる劣化診断装置に適用範囲が限定されるものではなく、製品としての車両V2の検査を行う製品検査装置A1に備えられる劣化診断装置にも適用されるものである。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、図7に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。図7は、本発明の実施形態2に係る静電容量測定装置10Aを備える車両V3の構成を示すブロック図である。
車両V3は、図7に示すように、車両V1と比べて、静電容量測定装置10が静電容量測定装置10Aに変更されている点が異なる。これにより、車両V3では、車両V1と比べて、劣化診断装置1が劣化診断装置1Aに変更され、電力変換装置E1が電力変換装置E3に変更される。
静電容量測定装置10Aは、静電容量測定装置10と比べて、電圧変化率測定部120が電圧変化率測定部120Aに変更されている点と、算出部130が算出部130Aに変更されている点と、電流変化率測定部150を備えている点と、が異なる。
電圧変化率測定部120Aは、第1電圧変化率測定部に加えて、当該第1電圧変化率が微分された値である第2電圧変化率をさらに測定する。第2電圧変化率は、例えば、前記所定時点でのコンデンサ2に印加される電圧が2階微分された値であり、第1電圧変化率が1階微分された値である。このとき、電圧変化率測定部120Aは、記憶部5に記憶された第1電圧変化率を参照する。電圧変化率測定部120Aは、測定した第2電圧変化率を記憶部5に記憶する。
電流変化率測定部150は、入力部110によって入力された電流測定値から、前記所定時点でのコンデンサ2に流れる電流の電流変化率を測定する。電流変化率は、例えば、前記所定時点でのコンデンサ2に流れる電流が1階微分された値である。このとき、電流変化率測定部150は、記憶部5に記憶された電流測定値を参照する。電流変化率測定部150は、測定した電流変化率を記憶部5に記憶する。
算出部130Aは、入力部110によって入力された電圧測定値及び電流測定値を参照する。また、算出部130Aは、前記所定時点での電圧測定値及び電流測定値と、電圧変化率測定部120Aによって測定された第1電圧変化率と、に加えて、電圧変化率測定部120Aによって測定された第2電圧変化率と、電流変化率測定部150によって測定された電流変化率と、からコンデンサ2の静電容量及び漏れ電流のアドミタンスを算出する。
このとき、算出部130Aは、記憶部5に記憶された電圧測定値、電流測定値、第1電圧変化率、第2電圧変化率及び電流変化率を参照する。算出部130Aは、算出したコンデンサ2の静電容量及び漏れ電流のアドミタンスを記憶部5に記憶する。
(算出部130Aの処理の詳細)
算出部130Aにおけるコンデンサ2の静電容量及び漏れ電流のアドミタンスの算出処理では、算出部130の算出処理と同様に、図2に示す等価回路を考慮している。ここで、ある時点(t秒)を前記所定時点とする場合を考える。この場合、算出部130Aは、コンデンサ2の静電容量C及びアドミタンスYを算出するために、下記の値を用いる。
具体的には、算出部130Aは、t秒での電圧測定値V(t)、電流測定値I(t)、第1電圧変化率dV(t)/dt、第2電圧変化率dV(t)/dt及び電流変化率dI(t)/dtを用いる。算出部130Aがこれらの値を用いた場合、図2に示す等価回路から以下の式(5)及び式(6)からなる連立方程式が得られる。
Figure 0007306093000005
Figure 0007306093000006
また、前記の式(5)及び式(6)から以下の式(7)が得られる。そして、式(7)から以下の式(8)が得られる。
Figure 0007306093000007
Figure 0007306093000008
さらに、コンデンサ2の電圧測定値、電流測定値、第1電圧変化率、第2電圧変化率及び電流変化率は、アナログ信号をΔt秒のサンプリング周期でAD(Analog-Digital)変換することによって得られる。これらの値の計算は、デジタル信号処理で行われる。このため、電圧及び電流の時間微分の処理は、差分法が適用されることにより、以下の式(9)及び式(10)に置き換えられる。
Figure 0007306093000009
Figure 0007306093000010
前記の式(9)及び式(10)において、ある時点(t秒)より所定の微小時間(Δt秒)だけ前進した時点(t+Δt秒)での電圧及び電流をそれぞれ、Vi,Iiとし、ある時点(t秒)での電圧及び電流をそれぞれ、Vj,Ijとする。また、ある時点(t秒)より所定の微小時間(Δt秒)だけ後退した時点(t-Δt秒)での電圧をVkとする。
このように、算出部130Aは、ある時点(t秒)でのコンデンサ2の静電容量C及びアドミタンスYを算出することができる。つまり、算出部130Aは、式(5)から式(10)の計算処理を行い、ある時点(t秒)でのコンデンサ2の静電容量C及びアドミタンスYを算出する。
前記構成によれば、第1電圧変化率が微分された値である第2電圧変化率を用いてコンデンサ2の静電容量C及び漏れ電流I2のアドミタンスYを算出する。例えば、近似によって第2電圧変化率を求める場合、第1電圧変化率を求める場合に比べて、より多くの情報を用いる。このため、第2電圧変化率を用いてコンデンサ2の静電容量及びアドミタンスYを算出することにより、コンデンサ2の静電容量及びアドミタンスYの算出の精度を向上することができる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
劣化診断装置1,1Aの制御ブロック(特に入力部110、電圧変化率測定部120,120A、算出部130,130A、結果出力部140及び電流変化率測定部150)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、劣化診断装置1,1Aは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、前記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、前記コンピュータにおいて、前記プロセッサが前記プログラムを前記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。前記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。前記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、前記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、前記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して前記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、前記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1、1A 劣化診断装置
2 コンデンサ
10、10A 静電容量測定装置
110 入力部
120、120A 電圧変化率測定部
130、130A 算出部
140 結果出力部
150 電流変化率測定部

Claims (5)

  1. コンデンサに印加される電圧の電圧測定値と、前記コンデンサに流れる電流の電流測定値と、を入力する入力部と、
    前記入力部によって入力された前記電圧測定値から、所定時点での前記コンデンサに印加される電圧の第1電圧変化率を測定する電圧変化率測定部と、
    前記入力部によって入力された前記電圧測定値及び前記電流測定値を参照し、少なくとも、前記所定時点での前記電圧測定値及び前記電流測定値と、前記電圧変化率測定部によって測定された前記第1電圧変化率と、から前記コンデンサの静電容量を算出する算出部と、
    前記入力部によって入力された前記電流測定値から、前記所定時点での前記コンデンサに流れる電流の電流変化率を測定する電流変化率測定部と、を備え、
    前記電圧変化率測定部は、前記第1電圧変化率が微分された値である第2電圧変化率をさらに測定し、
    前記算出部は、
    前記所定時点での前記電圧測定値及び前記電流測定値と、前記電圧変化率測定部によって測定された前記第1電圧変化率と、に加えて、
    前記電圧変化率測定部によって測定された前記第2電圧変化率と、前記電流変化率測定部によって測定された前記電流変化率と、から前記コンデンサの静電容量を算出することを特徴とする静電容量測定装置。
  2. コンデンサに印加される電圧の電圧測定値と、前記コンデンサに流れる電流の電流測定値と、を入力する入力部と、
    前記入力部によって入力された前記電圧測定値から、所定時点での前記コンデンサに印加される電圧の電圧変化率を測定する電圧変化率測定部と、
    前記入力部によって入力された前記電圧測定値及び前記電流測定値を参照し、少なくとも、前記所定時点での前記電圧測定値及び前記電流測定値と、前記電圧変化率測定部によって測定された前記電圧変化率と、から前記コンデンサの静電容量及び漏れ電流のアドミタンスを算出する算出部と、
    前記算出部によって算出された前記コンデンサの静電容量における初期値からの低下量と、前記算出部によって算出された前記コンデンサの漏れ電流の前記アドミタンスにおける初期値からの上昇量と、から前記コンデンサの劣化診断の結果を出力する結果出力部と、を備えることを特徴とする劣化診断装置。
  3. 前記結果出力部は、前記低下量及び前記上昇量から前記コンデンサの寿命予測の結果をさらに出力することを特徴とする請求項に記載の劣化診断装置。
  4. コンデンサに印加される電圧を電圧測定値として測定する電圧測定工程と、
    前記コンデンサに流れる電流を電流測定値として測定する電流測定工程と、
    前記電圧測定工程にて測定された前記電圧測定値から、所定時点での前記コンデンサに印加される電圧の電圧変化率を測定する電圧変化率測定工程と、
    前記電圧測定工程及び前記電流測定工程のそれぞれにて測定された前記電圧測定値及び前記電流測定値を参照し、少なくとも、前記所定時点での前記電圧測定値及び前記電流測定値と、前記電圧変化率測定工程にて測定された前記電圧変化率と、から前記コンデンサの静電容量及び漏れ電流のアドミタンスを算出する算出工程と、
    前記算出工程にて算出された前記コンデンサの静電容量における初期値からの低下量と、前記算出工程にて算出された前記コンデンサの漏れ電流の前記アドミタンスにおける初期値からの上昇量と、から前記コンデンサの劣化診断の結果を出力する結果出力工程と、を含むことを特徴とする劣化診断方法。
  5. 請求項1に記載の静電容量測定装置としてコンピュータを機能させるための静電容量測定プログラムであって、前記入力部、前記電圧変化率測定部前記算出部及び前記電流変化率測定部としてコンピュータを機能させるための静電容量測定プログラム。
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