本明細書などにおいて、人工ニューラルネットワーク(ANN、以後、ニューラルネットワークと呼称する。)とは、生物の神経回路網を模したモデル全般を指す。一般的には、ニューラルネットワークは、ニューロンを模したユニットが、シナプスを模したユニットを介して、互いに結合された構成となっている。
シナプスの結合(ニューロン同士の結合)の強度は、ニューラルネットワークに既存の情報を与えることによって、変化することができる。このように、ニューラルネットワークに既存の情報を与えて、結合強度を決める処理を「学習」と呼ぶ場合がある。
また、「学習」を行った(結合強度を定めた)ニューラルネットワークに対して、何らかの情報を与えることにより、その結合強度に基づいて新たな情報を出力することができる。このように、ニューラルネットワークにおいて、与えられた情報と結合強度に基づいて新たな情報を出力する処理を「推論」又は「認知」と呼ぶ場合がある。
ニューラルネットワークのモデルとしては、例えば、ホップフィールド型、階層型などが挙げられる。特に、多層構造としたニューラルネットワークを「ディープニューラルネットワーク」(DNN)と呼称し、ディープニューラルネットワークによる機械学習を「ディープラーニング」と呼称する。
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い意味での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体などに分類される。例えば、トランジスタの活性層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有するトランジスタのチャネル形成領域を構成し得る場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)、略してOSと呼ぶことができる。また、OS FET、又はOSトランジスタと記載する場合においては、金属酸化物又は酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
また、本明細書等において、各実施の形態(又は実施例)に示す構成は、他の実施の形態(又は他の実施例)に示す構成と適宜組み合わせて、本発明の一態様とすることができる。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、互いに構成例を適宜組み合わせることが可能である。
なお、ある一つの実施の形態(又は実施例)の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態(又はその実施例)で述べる別の内容(一部の内容でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実施の形態(又は一つ若しくは複数の別の実施例)で述べる内容(一部の内容でもよい)との少なくとも一つの内容に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを行うことができる。
なお、実施の形態(又は実施例)の中で述べる内容とは、各々の実施の形態(又は実施例)において、様々な図を用いて述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
なお、ある一つの実施の形態(又は実施例)において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分、その実施の形態(又はその実施例)において述べる別の図(一部でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実施の形態(又は一つ若しくは複数の別の実施例)において述べる図(一部でもよい)との少なくとも一つの図に対して、組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることができる。
本明細書に記載の実施の形態(又は実施例)について図面を参照しながら説明している。但し、実施の形態(又は実施例)は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなく、その形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、実施の形態(又は実施例)の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態の発明の構成(又は実施例の構成)において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、斜視図などにおいて、図面の明確性を期すために、一部の構成要素の記載を省略している場合がある。
また、本明細書の図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置である演算回路の構成例、及び動作例について説明する。
<構成例>
図1は、演算回路100の構成例を示している。図1に示す演算回路100は、後述するメモリセルに保持された第1データと、メモリセルに入力された第2データと、の積和演算を行う回路であり、該積和演算の結果に応じた活性化関数の値を出力する回路である。なお、第1データ、及び第2データは、アナログデータ、又は多値のデータ(離散的なデータ)とすることができる。
図1に示す演算回路100は、電流供給回路ISと、回路WDDと、回路WLDと、回路VLDと、活性化関数回路ACTVと、学習回路LECと、メモリセルアレイMCAと、を有する。
<<メモリセルアレイMCA>>
メモリセルアレイMCAは、メモリセルAM[1]と、メモリセルAM[2]と、メモリセルAMxr[1]と、メモリセルAMxr[2]と、メモリセルAMwr[1]と、メモリセルAMwr[2]と、を有する。メモリセルAM[1]、及びメモリセルAM[2]は、第1データを保持する機能を有し、メモリセルAMxr[1]、及びメモリセルAMxr[2]は、積和演算を行うために必要になる第1参照データを保持する機能を有する。そして、メモリセルAMwr[1]、及びメモリセルAMwr[2]は、積和演算を行うために必要になる第2参照データを保持する機能を有する。つまり、メモリセルアレイMCAは、不揮発性のローカルメモリとしても機能する。このため、演算を行う回路にデータを保持するメモリ部を設けることにより、計算時に逐一、演算回路100の外部から当該計算に必要なデータを読み出して、当該演算回路に送信する時間を省略することができる。なお、参照データも、第1データ、及び第2データと同様に、アナログデータ、又は多値のデータ(離散的なデータ)とすることができる。
なお、図1のメモリセルアレイMCAは、メモリセルが2行3列のマトリクス状に配置された構成としているが、メモリセルアレイMCAは、メモリセルが3行以上4列以上のマトリクス状に配置された構成としてもよい。また、積和演算でなく乗算を行う場合、メモリセルアレイMCAは、メモリセルが行方向に3個、列方向に1個以上、マトリクス状に配置されている構成としてもよい。
ところで、メモリセルAM[1]、メモリセルAM[2]、メモリセルAMxr[1]、メモリセルAMxr[2]、メモリセルAMwr[1]、及びメモリセルAMwr[2]のそれぞれは同じ回路構成とすることができる。そのため、本明細書等では、特に断りがない場合、メモリセルAM[1]、メモリセルAM[2]、メモリセルAMxr[1]、メモリセルAMxr[2]、メモリセルAMwr[1]、及びメモリセルAMwr[2]をまとめてメモリセルAMと記載することがある。
〔メモリセルAM〕
次に、メモリセルAMの構成例について説明する。
メモリセルAMは、図1に示すとおり、端子m1乃至端子m5を有する。
また、メモリセルAMは、例えば、図2(A)に示す構成とすることができる。メモリセルAMは、トランジスタTr1と、トランジスタTr2と、容量素子C1と、容量素子C2と、を有する。
なお、トランジスタTr1は、OSトランジスタであることが好ましい。加えて、トランジスタTr1のチャネル形成領域は、インジウム、元素M(元素Mとしては、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、スズなどが挙げられる。)、亜鉛の少なくとも一を含む酸化物であることがより好ましい。トランジスタTr1は、特に実施の形態3に記載するトランジスタの構造であることが更に好ましい。
トランジスタTr1として、OSトランジスタを用いることにより、トランジスタTr1のリーク電流を抑えることができるため、計算精度の高い積和演算回路を実現できる場合がある。また、トランジスタTr1として、OSトランジスタを用いることにより、トランジスタTr1が非導通状態における、保持ノードから書き込みワード線へのリーク電流を非常に小さくすることができる。つまり、保持ノードの電位のリフレッシュ動作を少なくすることができるため、積和演算回路の消費電力を低減することができる。
また、トランジスタTr2に対しても、OSトランジスタを用いることで、トランジスタTr1と同時に作製することができるため、演算回路の作製工程を短縮することができる場合がある。また、トランジスタTr2として、チャネル形成領域に、酸化物でなく、非晶質シリコン、多結晶シリコンなどのシリコンが含まれるトランジスタ(以後、Si FET、Siトランジスタなどと呼称する。)としてもよい。
メモリセルAMにおいて、トランジスタTr1の第1端子は、トランジスタTr2のゲートと、容量素子C1の第1端子と、容量素子C2の第1端子と、に電気的に接続されている。加えて、トランジスタTr2の第1端子は、配線VR0に電気的に接続されている。
配線VR0は、トランジスタTr2の第1端子‐第2端子間に電流を流すための配線である。そのため、配線VR0は、所定の電位を与えるための配線として機能する。例えば、配線VR0が与える電位は、接地電位、又は接地電位よりも低い電位とすることができる。
また、メモリセルAMにおいて、トランジスタTr1の第2端子は、端子m1に電気的に接続され、トランジスタTr2の第2端子は、端子m2に電気的に接続され、トランジスタTr1のゲートは、端子m3に電気的に接続されている。容量素子C1の第2端子は、端子m4に電気的に接続され、容量素子C2の第2端子は、端子m5に電気的に接続されている。
また、トランジスタTr1の第1端子と、トランジスタTr2のゲートと、容量素子C1の第1端子と、容量素子C2の第1端子と、の接続箇所がメモリセルAMの保持ノードとなり、図2(A)では、ノードNMと示している。特に、本明細書などにおいて、特定のメモリセルのノードNMを示す場合、“ノードNM(特定のメモリセルの符号)”と記載する。例えば、メモリセルAM[1]のノードNMを示す場合、ノードNM(AM[1])と記載し、また、例えば、メモリセルAMxr[2]のノードを示す場合、ノードNM(AMxr[2])と記載する。
ところで、本発明の一態様に係る演算回路100のメモリセルアレイMCAが有するメモリセルAMの構成は、図2(A)に記載した構成に限定されない。メモリセルAMの構成は、状況に応じて、回路素子の取捨選択、及び/又は電気的な接続の構成の変更を行うことができる。
例えば、図2(A)に示したメモリセルAMが有するトランジスタTr1、トランジスタTr2は、バックゲートを有する構成としてもよい。図2(B)では、トランジスタTr1、トランジスタTr2がバックゲートを有しているメモリセルAMの構成を示している。特に、トランジスタTr1のバックゲートは、トランジスタTr1のゲートに電気的に接続され、トランジスタTr2のバックゲートは、トランジスタTr2のゲートに電気的に接続されている。このような接続構成にすることによって、トランジスタTr1、及び/又はトランジスタTr2のソース‐ドレイン間に流れるオン電流を高くすることができ、メモリセルAMの動作速度を速くすることができる。
次に、メモリセルAM[1]、メモリセルAM[2]、メモリセルAMxr[1]、メモリセルAMxr[2]、メモリセルAMwr[1]、メモリセルAMwr[2]のそれぞれと各配線との接続構成について説明する。
メモリセルAM[1]において、端子m1は、配線WDに電気的に接続され、端子m2は、配線BLに電気的に接続され、端子m3は、配線WL[1]に電気的に接続され、端子m4は、配線VL[1]に電気的に接続され、端子m5は、配線HW[1]に電気的に接続されている。
メモリセルAM[2]において、端子m1は、配線WDに電気的に接続され、端子m2は、配線BLに電気的に接続され、端子m3は、配線WL[2]に電気的に接続され、端子m4は、配線VL[2]に電気的に接続され、端子m5は、配線HW[2]に電気的に接続されている。
メモリセルAMxr[1]において、端子m1は、配線WDxrに電気的に接続され、端子m2は、配線BLxrに電気的に接続され、端子m3は、配線WL[1]に電気的に接続され、端子m4は、配線VL[1]に電気的に接続され、端子m5は、配線GNDLに電気的に接続されている。
メモリセルAMxr[2]において、端子m1は、配線WDxrに電気的に接続され、端子m2は、配線BLxrに電気的に接続され、端子m3は、配線WL[2]に電気的に接続され、端子m4は、配線VL[2]に電気的に接続され、端子m5は、配線GNDLに電気的に接続されている。
メモリセルAMwr[1]において、端子m1は、配線WDwrに電気的に接続され、端子m2は、配線BLwrに電気的に接続され、端子m3は、配線WL[1]に電気的に接続され、端子m4は、配線GNDLに電気的に接続され、端子m5は、配線HW[1]に電気的に接続されている。
メモリセルAMwr[2]において、端子m1は、配線WDwrに電気的に接続され、端子m2は、配線BLwrに電気的に接続され、端子m3は、配線WL[2]に電気的に接続され、端子m4は、配線GNDLに電気的に接続され、端子m5は、配線HW[2]に電気的に接続されている。
なお、配線GNDLは、配線GNDLの電気的接続先に接地電位GNDを与えるための配線である。そのため、接地電位GNDは、高電源電位VDDよりも低い。
<<電流供給回路IS>>
電流供給回路ISは、端子coと、端子coxrと、端子cowrと、を有する。端子coは、配線BLに電気的に接続され、端子coxrは、配線BLxrに電気的に接続され、端子cowrは、配線BLwrに電気的に接続されている。電流供給回路ISは、配線BL、配線BLxr、配線BLwrに対して電流を供給する機能を有する。本明細書などでは、端子coから配線BLに流れる電流をICと記し、端子coxrから配線BLxrに流れる電流をICxrと記し、端子cowrから配線BLwrに流れる電流をICwrと記している。
図1では、電流供給回路ISは、一例としてバイアス回路CSと、カレントミラー回路CMと、を有するものとして示している。この場合の電流供給回路ISの構成例の詳細を図3(A)に示す。
図3(A)に示す電流供給回路ISは、バイアス回路CSとして、回路CS1と、回路CSxと、回路CSwと、を有し、カレントミラー回路CMとして、回路CMxと、回路CMwと、を有する。
回路CS1は、端子d1と、端子d2と、端子dxと、端子dwと、複数の定電流源と、を有する回路である。回路CS1の内部において、端子d1と、端子d2と、端子dxと、端子dwと、のそれぞれは、異なる定電流源に電気的に接続されている。また、端子d1は、配線OL[1]に電気的に接続され、端子dxは、配線OLxrに電気的に接続され、端子d2は、配線OL[2]に電気的に接続され、端子dwは、配線OLwrに電気的に接続されている。更に、配線OL[1]及び配線OL[2]は、端子coに電気的に接続され、配線OLxrは、端子coxrに電気的に接続され、配線OLwrは、端子cowrに電気的に接続されている。なお、本構成例では、回路CS1は、端子d1から電流Id1を出力し、端子dxから電流Idxを出力し、端子d2から電流Id2を出力し、端子dwから電流Idwを出力するものとする。
回路CMxは、配線OLxrの電位に応じた電流を配線OL[1]及び配線OLxrから吸出するためのカレントミラー回路である。なお、本構成例では、配線OL[1]及び配線OLxrからそれぞれ電流ICMxrが吸出されているものとする。但し、回路構成によっては、回路CMxは、配線OLxrの電位に応じた電流を配線OL[1]及び配線OLxrに供給するカレントミラー回路としてもよい。
回路CMwは、配線OLwrの電位に応じた電流を配線OL[2]及び配線OLwrから吸出するためのカレントミラー回路である。なお、本構成例では、配線OL[2]及び配線OLwrからそれぞれ電流ICMwrが吸出されているものとする。但し、回路構成によっては、回路CMwは、配線OLwrの電位に応じた電流を配線OL[2]及び配線OLwrに供給するカレントミラー回路としてもよい。
回路CSxは、配線OL[1]の電位をサンプリングして、配線OL[1]から当該電位に応じた電流を吸出する電流シンク回路である。なお、本構成例では、配線OL[1]から電流ICSxが吸出されているものとする。但し、回路構成によっては、回路CSxは、配線OL[1]の電位をサンプリングして、当該電位に応じた電流を供給する電流ソース回路としてもよい。また、回路CSxは、配線OL[1]に対して電流の供給、電流の吸出の両方を行う回路としてもよい。また、図3(A)に示す電流供給回路ISは、状況に応じて回路CSxを除いてもよい。
回路CSwは、配線OL[2]の電位をサンプリングして、配線OL[2]から当該電位に応じた電流を吸出する電流シンク回路である。なお、本構成例では、配線OL[2]から電流ICSwが吸出されているものとする。但し、回路構成によっては、回路CSwは、配線OL[2]の電位をサンプリングして、当該電位に応じた電流を供給する電流ソース回路としてもよい。また、回路CSwは、配線OL[2]に対して電流の供給、電流の吸出の両方を行う回路としてもよい。また、図3(A)に示す電流供給回路ISは、状況に応じて回路CSwを除いてもよい。
また、配線OL[1]及び配線OL[2]は、互いに電気的に接続されているため、回路CSxと回路CSwとをまとめてもよい。図3(B)は、回路CSxと回路CSwとを回路CSxwとしてまとめた電流供給回路ISの構成例である。なお、図3(B)において、回路CSxwは、配線OL[1]の電位をサンプリングして、配線OL[1]から当該電位に応じた電流ICSxwを吸出する電流シンク回路としている。但し、回路構成によっては、回路CSxwは、配線OL[1]の電位をサンプリングして、当該電位に応じた電流を供給する電流ソース回路としてもよい。また、回路CSxwは、配線OL[1]に対して電流の供給、電流の吸出の両方を行う回路としてもよい。また、図3(B)に示す電流供給回路ISは、状況に応じて回路CSxwを除いてもよい。
次に、電流供給回路ISの具体的な構成例について、説明する。
図3(A)に示した電流供給回路ISの回路図の例を図4に示す。図4の電流供給回路ISにおいて、回路CS1はトランジスタM1乃至トランジスタM4を有し、回路CMxはトランジスタM5、トランジスタM6を有し、回路CMwはトランジスタM7、トランジスタM8を有し、回路CSxはトランジスタM9乃至トランジスタM11と、容量素子CD1と、を有し、回路CSwはトランジスタM12乃至トランジスタM14と、容量素子CD2と、を有する。なお、図4に示す電流供給回路ISにおいて、トランジスタM1乃至トランジスタM14は、nチャネル型トランジスタとしている。そのため、電流供給回路ISは、単極性回路として構成することができる。
また、トランジスタM1乃至トランジスタM14は、トランジスタTr1及びトランジスタTr2と同様に、OSトランジスタであることが好ましい。OSトランジスタについては、トランジスタTr1の説明の記載を参酌する。また、トランジスタM1乃至トランジスタM14は、Siトランジスタとしてもよい。
回路CS1において、トランジスタM1乃至トランジスタM4のそれぞれの第1端子は、配線OL[1]、配線OLxr、配線OL[2]、配線OLwrに電気的に接続され、トランジスタM1乃至トランジスタM4のそれぞれのゲートは、配線OL[1]、配線OLxr、配線OL[2]、配線OLwrに電気的に接続されている。また、トランジスタM1乃至トランジスタM4のそれぞれの第2端子は、配線VDDLに電気的に接続されている。更に、トランジスタM1乃至トランジスタM4のそれぞれはバックゲートを有しており、トランジスタM1乃至トランジスタM4のそれぞれのバックゲートは、配線BGL1乃至配線BGL4に電気的に接続されている。
配線VDDLは、配線VDDLの電気的接続先に高電源電位VDDを与えるための配線である。
トランジスタM1乃至トランジスタM4のそれぞれは、ゲート-ソース間電圧が0Vとなっているため、配線BGL1乃至配線BGL4のそれぞれに高レベル電位を与えることによって、トランジスタM1乃至トランジスタM4のそれぞれのソース-ドレイン間に電流を流すことができる。図4に示した回路CS1は、この動作によって、配線OL[1]、配線OLxr、配線OL[2]、配線OLwrのそれぞれに対して定電流を供給する回路とすることができる。なお、図4における電流Id1、Id2、Idx、Idwは、等しい電流としなくてもよく、具体的には、Id1とId2の和は、Idx及びIdwのそれぞれよりも大きいことが好ましい。そのため、トランジスタM1乃至トランジスタM4のそれぞれのサイズは、互いに異なっていてもよい。また、トランジスタM1乃至トランジスタM4のそれぞれの第2端子に接続されている配線VDDLは、互いに異なる高電源電位が与えられている配線としてもよい。
回路CMxにおいて、トランジスタM5の第1端子は、配線OL[1]に電気的に接続され、トランジスタM6の第1端子は、配線OLxrに電気的に接続され、トランジスタM5及びトランジスタM6のそれぞれの第2端子は、配線VSSLに電気的に接続され、トランジスタM5のゲートは、トランジスタM6のゲートと、配線OLxrと、に電気的に接続されている。
回路CMwにおいて、トランジスタM7の第1端子は、配線OL[2]に電気的に接続され、トランジスタM8の第1端子は、配線OLwrに電気的に接続され、トランジスタM7及びトランジスタM8のそれぞれの第2端子は、配線VSSLに電気的に接続され、トランジスタM7のゲートは、トランジスタM8のゲートと、配線OLwrと、に電気的に接続されている。
配線VSSLは、配線VSSLの電気的接続先に低電源電位VSSを与えるための配線である。そのため、低電源電位VSSは、高電源電位VDDよりも低い。また、低電源電位VSSは、接地電位GND、又は接地電位よりも低い電位とすることが好ましい。
図4に示した回路CMxは、トランジスタM6の第1端子の電位、つまり配線OLxrの電位を参照して、当該電位に応じた電流ICMxrを配線OL[1]及び配線OLxrから吸出するカレントミラー回路として機能する。同様に、図4に示した回路CMwは、トランジスタM8の第1端子の電位、つまり配線OLwrの電位を参照して、当該電位に応じた電流ICMwrを配線OL[2]及び配線OLwrから吸出するカレントミラー回路として機能する。
回路CSxにおいて、トランジスタM9の第1端子は、トランジスタM10の第1端子と、配線OL[1]と、に電気的に接続され、トランジスタM9のゲートは、トランジスタM10の第2端子と、トランジスタM11の第1端子と、容量素子CD1の第1端子と、に電気的に接続されている。トランジスタM9の第2端子、トランジスタM11の第2端子、容量素子CDIの第2端子のそれぞれは、配線VSSLに電気的に接続されている。トランジスタM10のゲートは、配線OSP1に電気的に接続され、トランジスタM11のゲートは、配線ORP1に電気的に接続されている。
回路CSwにおいて、トランジスタM12の第1端子は、トランジスタM13の第1端子と、配線OL[2]と、に電気的に接続され、トランジスタM12のゲートは、トランジスタM13の第2端子と、トランジスタM14の第1端子と、容量素子CD2の第1端子と、に電気的に接続されている。トランジスタM13の第2端子、トランジスタM14の第2端子、容量素子CD2の第2端子のそれぞれは、配線VSSLに電気的に接続されている。トランジスタM13のゲートは、配線OSP2に電気的に接続され、トランジスタM14のゲートは、配線ORP2に電気的に接続されている。
図4に示した回路CSxは、配線OL[1]の電位をサンプリングして、当該電位に応じた電流ICSxを配線OL[1]から吸出する電流シンク回路として機能する。回路CSxは、初めに配線OSP1に低レベル電位を印加して、トランジスタM10をオフ状態にし、配線ORP1に高レベル電位を印加して、トランジスタM11をオン状態にすることで、容量素子CD1の第1端子に保持されている電位をVSSにする。次に、配線ORP1に低レベル電位を印加して、トランジスタM11をオフ状態にし、配線OSP1に高レベル電位を印加して、トランジスタM10をオン状態にすることで、配線OL[1]の電位、又は当該電位の近傍を容量素子CD1の第1端子に保持する。その後、配線ORP1、配線OSP1のそれぞれに低レベル電位を印加して、トランジスタM10、トランジスタM11のそれぞれをオフ状態にすることで、トランジスタM9のソース-ドレイン間を介して、配線OL[1]から電流ICSxを吸出することができる。
図4に示した回路CSwは、配線OL[2]の電位をサンプリングして、当該電位に応じた電流ICSwを配線OL[2]から吸出する電流シンク回路として機能する。回路CSwの動作は、配線OSP1、配線ORP1のそれぞれを配線OSP2、配線ORP2と置き換え、トランジスタM9乃至トランジスタM11のそれぞれをトランジスタM12乃至トランジスタM14と置き換え、容量素子CD1を容量素子CD2と置き換えることで、回路CSxの動作と同様にみなすことができる。これにより、トランジスタM12のソース-ドレイン間を介して、配線OL[2]から電流ICSwを吸出することができる。
<<回路WDD、回路WLD、回路VLD>>
次に、メモリセルアレイMCAの周辺回路に含まれる回路WDD、回路WLD、回路VLDについて、説明する。
回路WDDは、配線WDと、配線WDxrと、配線WDwrと、に電気的に接続されている。回路WDDは、メモリセルアレイMCAが有するそれぞれのメモリセルAMに格納するための第1データを送信する機能を有する。
回路WLDは、配線WL[1]と、配線WL[2]と、に電気的に接続されている。回路WLDは、メモリセルアレイMCAが有するメモリセルAMにデータ(第1データ、第1参照データ、第2参照データ)を書き込む際に、当該データの書き込み先となるメモリセルAMを選択する機能を有する。
回路VLDは、配線VL[1]と、配線VL[2]と、に電気的に接続されている。回路VLDは、メモリセルアレイMCAが有するそれぞれの容量素子C1の第2端子に対して、第2データに応じた電位を印加する機能を有する。また、回路VLDは、後述する学習回路LECにも第2データに応じた電位を送信する機能を有する。
<<活性化関数回路ACTV>>
活性化関数回路ACTVは、端子aiと、端子afbと、端子aoと、を有する。特に、端子aiは、配線BLに電気的に接続され、端子afbは、後述する学習回路LECの端子gi4に電気的に接続されている。特に、図1では、メモリセルアレイMCAに電気的に接続されている配線BLから、端子aiに流れる電流をIαと記している。また、端子aoは、配線OPLに電気的に接続され、配線OPLは、演算回路100の結果を外部に出力するための配線として機能することができる。
活性化関数回路ACTVは、配線BLから端子aiに入力された電流、又は電流の変化に応じて電位を生成する機能と、当該電位に対して、あらかじめ定義された関数に従った演算を行う回路である。当該関数としては、例えば、シグモイド関数、tanh関数、ソフトマックス関数、ReLU(Rectified Linear Unit)関数、しきい値関数などを用いることができ、これらの関数は、ニューラルネットワークにおける活性化関数として適用される。活性化関数回路ACTVの出力結果は、端子afb、及び端子aoに出力される。端子afbと端子gi4とは電気的に接続されているため、活性化関数回路ACTVの出力結果は、学習回路LECに入力される。なお、本明細書などにおいて、当該出力結果は、演算結果データと呼称する。
図5(A)に、活性化関数回路ACTVの構成例を示す。図5(A)の活性化関数回路ACTVは、入力された電流に応じて電位を生成する機能を有する回路であって、コンパレータCMPと、定電圧源VC1と、定電圧源VC2と、抵抗素子R1と、スイッチSWAと、を有する。
コンパレータCMPの+側入力端子は、スイッチSWAの第1端子と、抵抗素子R1の第1端子と、に電気的に接続され、コンパレータCMPの-側入力端子は、定電圧源VC2の正極端子に電気的に接続され、コンパレータCMPの出力端子は、端子afbと、端子aoと、に電気的に接続されている。定電圧源VC2の負極端子は配線GNDLに電気的に接続され、抵抗素子R1の第2端子は、定電圧源VC1の正極端子に電気的に接続され、定電圧源VC1の負極端子は、配線GNDLに電気的に接続され、スイッチSWAの第2端子は、端子aiに電気的に接続されている。
図5(A)に示す活性化関数回路ACTVには、配線SWALが電気的に接続されている。配線SWALは、スイッチSWAのオン状態、又はオフ状態の切り替えを行うための配線である。
図5(A)の活性化関数回路ACTVにおいて、コンパレータCMPの入力インピーダンスが抵抗素子R1よりも十分に高く、かつ端子aiから電流が入力されたとき、当該電流は抵抗素子R1に流れる。このとき、抵抗素子R1の第1端子-第2端子間において、電圧が生じる。特に、抵抗素子R1の第1端子の電位は、当該電流の大きさによって決まる。つまり、コンパレータCMPの+側入力端子への入力電位は、端子aiから入力された電流によって決まる。
定電圧源VC1、及び定電圧源VC2は、同じ電圧を出力する定電圧源とする。このとき、定電圧源VC2の正極の電位は、コンパレータCMPの一側入力端子に入力される参照電位となる。このため、コンパレータCMPは、+側入力端子への入力電位と、-側入力端子への参照電位と、を比較して、当該比較の結果に応じた電位を出力端子から出力する。なお、コンパレータCMPの出力端子から出力される電位は、2値の電位、すなわち、低レベル電位、又は高レベル電位の一方とすることができる。なお、ここでの活性化関数回路ACTVに含まれるコンパレータCMPとして、代わりに差動増幅器を用いていもよく、この場合、当該差動増幅器から出力される電位は、アナログ値となる。
コンパレータCMPの出力端子から出力された電位は、演算結果データとして、端子ao及び端子afbに出力される。特に、端子afbは、学習回路LECの端子gi4に電気的に接続されているため、演算結果データは、学習回路LECに入力される。
なお、図5(A)の活性化関数回路ACTVを駆動しない場合、スイッチSWAによって、端子aiとコンパレータCMPの+側入力端子との間を非導通状態にすればよい。このような構成にすることによって、所定のタイミングで、端子aiに入力される電流に応じた電位を出力することができる。また、スイッチSWAを設けず、代わりにコンパレータCMPに対して、コンパレータCMPを駆動するための電源電位の印加を停止して、活性化関数回路ACTVを駆動させない構成としてもよい。
図5(B)は、図5(A)と異なる、別の活性化関数回路ACTVの構成例を示す。図5(A)の活性化関数回路ACTVは、入力された電流の変化に応じて電位を生成する機能を有する回路であって、トランジスタTr6乃至トランジスタTr8と、容量素子Cactvと、抵抗素子R2と、コンパレータCMPと、定電圧源VC3と、を有する。なお、図5(B)において、トランジスタTr6乃至トランジスタTr8は、nチャネル型トランジスタとしている。
また、トランジスタTr6乃至トランジスタTr8は、トランジスタTr1及びトランジスタTr2と同様に、OSトランジスタであることが好ましい。OSトランジスタについては、トランジスタTr1の説明の記載を参酌する。また、トランジスタTr6乃至トランジスタTr8は、Siトランジスタとしてもよい。
端子aiは、容量素子Cactvの第1端子と、抵抗素子R1の第1端子と、に電気的に接続されている。容量素子Cactvの第2端子は、トランジスタTr6の第1端子と、トランジスタTr7のゲートと、に電気的に接続されている。トランジスタTr7の第1端子は、トランジスタTr8の第1端子と、コンパレータCMPの+側入力端子と、に電気的に接続されている。なお、容量素子Cactvの第1端子と、抵抗素子R1の第1端子と、端子aiと、の電気的接続点をノードNaとし、容量素子Cactvの第2端子と、トランジスタTr6の第1端子と、トランジスタTr7のゲートと、の電気的接続点をノードNbとする。
抵抗素子R2の第2端子は、配線VrefLと電気的に接続されている。トランジスタTr6の第2端子は、配線VaLと電気的に接続され、トランジスタTr7のゲートは、配線RSTと電気的に接続されている。トランジスタTr7の第2端子は、配線VDDLと電気的に接続されている。トランジスタTr8の第2端子は、配線VSSLと電気的に接続され、トランジスタTr8のゲートは、配線VbLと電気的に接続されている。
配線VrefLは、電位Vrefを与える配線であり、配線VaLは、電位Vaを与える配線であり、配線VbLは、電位Vbを与える配線である。配線RSTは、トランジスタTr6の導通状態、非導通状態を切り替えるための電位を与える配線である。
図5(B)に示す活性化関数回路ACTVにおいて、トランジスタTr7と、トランジスタTr8と、配線VDDLと、配線VSSLと、配線VbLと、によって、ソースフォロワ回路が構成されている。
図5(B)に示す活性化関数回路ACTVより、抵抗素子R2と、配線VrefLと、によって、ノードNaには、端子aiから流れてくる電流、及び抵抗素子R2の抵抗に応じた電位が与えられる。
図5(B)に示す活性化関数回路ACTVの動作例について説明する。端子aiから1回目の電流(以後、第1電流と呼称する。)が流れたとき、抵抗素子R2と、配線VrefLと、により、ノードNaに第1電流と抵抗素子R1の抵抗とに応じた電位が与えられる。また、このとき、トランジスタTr6を導通状態として、ノードNbに電位Vaを与える。その後、トランジスタTr6を非導通状態とする。
次に、端子aiから2回目の電流(以後、第2電流と呼称する。)が流れたとき、第1電流が流れたときと同様に、抵抗素子R2と、配線VrefLと、により、ノードNaに第2電流と抵抗素子R2の抵抗とに応じた電位が与えられる。このとき、ノードNbはフローティング状態となっているので、ノードNaの電位が変化したことで、容量結合によって、ノードNbの電位も変化する。ノードNaの電位の変化をΔVNaとし、容量結合係数をKとしたとき、ノードNbの電位はVa+K・ΔVNaとなる。トランジスタTr7のしきい値電圧をVthとしたとき、配線OLから電位Va+K・ΔVNa-Vthが出力される。ここで、電位Vaをしきい値電圧Vthとすることで、コンパレータCMPの+側入力端子に対して電位K・ΔVNaを入力することができる。
なお、容量結合係数Kは、トランジスタTr7のゲート容量、ノードNb周りの配線材料、寄生抵抗などによって決まる定数である。また、電位の変化量ΔVNaは、第1電流から第2電流への変化量と、抵抗素子R1の抵抗値と、電位Vrefと、に応じて定まる。そのため、容量結合係数Kと、抵抗素子R1の抵抗値と、電位Vrefと、のそれぞれは定数とすることができるため、コンパレータCMPの+側入力端子に入力される電位K・ΔVNaは、第1電流から第2電流への変化量に応じて決まる。
定電圧源VC3は定電圧源であり、定電圧源VC3の正極の電位は、コンパレータCMPの-側入力端子に入力される参照電位となる。このため、コンパレータCMPは、+側入力端子への入力電位K・ΔVNaと、-側入力端子への参照電位と、を比較して、当該比較の結果に応じた電位を出力端子から出力する。なお、コンパレータCMPの出力端子から出力される電位は、2値の電位、すなわち、低レベル電位、又は高レベル電位の一方とすることができる。また、定電圧源VC3の正極‐負極間の電圧は、容量結合係数Kと、抵抗素子R1の抵抗値と、電位Vrefと、に応じて適切に定めることができる。
図5(B)の活性化関数回路ACTVにおいて、コンパレータCMPの出力端子から出力された電位は、演算結果データとして、端子ao及び端子afbに出力される。特に、端子afbは、学習回路LECの端子gi4に電気的に接続されているため、演算結果データは、学習回路LECに入力される。
図5(A)(B)に示したコンパレータCMPは、単極性回路として構成することができる。具体的には、例えば、単極性回路として構成されているコンパレータCMPは、図5(C)の回路とすることができる。図5(C)に示すコンパレータCMPは、差動増幅器DIAaと、差動増幅器DIAbと、回路LATと、容量素子CE1と、容量素子CE2と、スイッチSWB1乃至スイッチSWB6と、を有する。また、回路LATは、端子ILPと、端子ILNと、を有する。なお、端子INPは、コンパレータCMPの+側入力端子に相当し、端子INNは、コンパレータCMPの-側入力端子に相当し、端子OLPは、コンパレータCMPの+側出力端子に相当する。特に、端子OLPは、図5(A)(B)に示すコンパレータCMPの出力端子に相当するため、端子OLPは、端子aoと端子afbとに電気的に接続される。図5(C)に示すコンパレータCMPは、差動出力を行う回路として、コンパレータCMPの-側出力端子に相当する端子OLNも図示しているが、図5(A)(B)の活性化関数回路ACTVに用いる場合、-側出力端子から出力される出力電位を用いていないので、端子OLNは素子、配線、回路などに電気的に接続されていない構成となっている。
差動増幅器DIAaの非反転入力端子は、スイッチSWB1の2対の端子の一方と、スイッチSWB3の2対の端子の一方と、に電気的に接続され、差動増幅器DIAaの反転入力端子は、スイッチSWB2の2対の端子の一方と、スイッチSWB4の2対の端子の一方と、に電気的に接続され、差動増幅器DIAaの非反転出力端子は、容量素子CE1の2対の電極の一方に電気的に接続され、差動増幅器DIAbの反転出力端子は、容量素子CE1の2対の電極の一方に電気的に接続されている。
差動増幅器DIAbの非反転入力端子は、スイッチSWB5の2対の端子の一方と、容量素子CE1の2対の端子の他方と、に電気的に接続され、差動増幅器DIAbの反転入力端子は、スイッチSWB6の2対の端子の一方と、容量素子CE2の2対の端子の他方と、に電気的に接続され、差動増幅器DIAbの非反転出力端子は、回路LATの端子ILPに電気的に接続され、差動増幅器DIAbの反転出力端子は、回路LATの端子ILNに電気的に接続されている。
スイッチSWB1の2対の端子の他方は端子INPに電気的に接続され、スイッチSWB2の2対の端子の他方は端子INNに電気的に接続されている。また、スイッチSWB3乃至スイッチSWB6のそれぞれの2対の端子の他方は、配線CREFに電気的に接続されている。
スイッチSWB1及びスイッチSWB2のそれぞれの制御端子は、配線STBに電気的に接続されている。また、スイッチSWB3乃至スイッチSWB6のそれぞれの制御端子は、配線STに電気的に接続されている。なお、スイッチSWB1乃至スイッチSWB6は、nチャネル型のトランジスタとすることができ、ここでは、スイッチSWB1乃至スイッチSWB6のそれぞれの制御端子は、当該トランジスタのゲートとする。
配線CREFは、コンパレータCMPに比較電位を供給するための配線である。そのため、図5(C)には図示していないが、配線CREFに与えられる比較電位は、端子INNに与えられる電位とすることができる。なお、活性化関数回路ACTVの構成によっては、配線CREFに与えられる比較電位は、端子INPに与えられる電位としてもよい。
次に、差動増幅器DIAa、及び差動増幅器DIAbについて説明する。差動増幅器DIAa、及び差動増幅器DIAbを単極性回路とする場合、差動増幅器DIAa、及び差動増幅器DIAbは、図6(A)に示す回路とすることができる。図6(A)に示す差動増幅器DIAa、差動増幅器DIAbは、nチャネル型トランジスタであるトランジスタA1乃至トランジスタA10と、容量素子B1乃至容量素子B4と、を有する。また、差動増幅器DIAa、及び差動増幅器DIAbは、反転入力端子inと、非反転入力端子ipと、非反転出力端子opと、を有する。更に、図6(A)に示す差動増幅器DIAa、及び差動増幅器DIAbは、配線VDDLと、配線VSSLと、配線VBCSと、配線VBISと、配線SCOと、配線SCOBと、配線STと、に電気的に接続されている。
トランジスタA1乃至トランジスタA10は、トランジスタTr1及びトランジスタTr2と同様に、OSトランジスタであることが好ましい。OSトランジスタについては、トランジスタTr1の説明の記載を参酌する。また、トランジスタA1乃至トランジスタA10は、Siトランジスタとしてもよい。
配線VDDLは、差動増幅器DIAa、差動増幅器DIAbに高電源電位を与えるための配線であり、配線VSSLは、差動増幅器DIAa、差動増幅器DIAbに低電源電位を与えるための配線である。
配線VBCSは、所定のトランジスタのゲート、及び所定の容量素子の2対の端子の一方に第1定電位を印加するための配線である。また、配線VBISは、所定のトランジスタのゲート、及び所定の容量素子の2対の端子の一方に第2定電位を印加するための配線である。
配線ST、配線SCO、配線SCOBは、スイッチング素子として用いるトランジスタのゲートに電位を印加するための配線であり、これによって当該トランジスタの導通、非導通の切り替えを行う。当該スイッチング素子として用いるトランジスタは、トランジスタA1、トランジスタA3、トランジスタA7、トランジスタA8、トランジスタA9である。
次に、回路LATについて説明する。回路LATは、端子ILP、及び端子ILNに入力された電位をサンプリングして保持する回路と、ラッチ回路と、ラッチ回路によって増幅された電位を保持する回路と、電位を出力するためのバッファ回路と、を有する。回路LATを単極性回路とする場合、回路LATは、図6(B)に示す回路とすることができる。図6(B)に示す回路LATは、nチャネル型トランジスタであるトランジスタA11乃至トランジスタA30と、容量素子B5乃至容量素子B10と、を有する。また、回路LATは、配線VDDLと、配線VSSLと、配線VBCSと、配線STと、配線STBと、配線LTと、配線LTBと、配線SHと、に電気的に接続されている。
トランジスタA11乃至トランジスタA30は、トランジスタTr1及びトランジスタTr2と同様に、OSトランジスタであることが好ましい。OSトランジスタについては、トランジスタTr1の説明の記載を参酌する。また、トランジスタA11乃至トランジスタA30は、Siトランジスタとしてもよい。
ここで、図5(C)に示すコンパレータCMPの動作例について、説明する。初めに、配線STに高レベル電位が印加され、配線STBに低レベル電位が印加される。これによってスイッチSWB1、スイッチSWB2がオフ状態となり、スイッチSWB3乃至スイッチSWB6がオン状態となる。また、図6(A)に示す差動増幅器DIAa、及び差動増幅器DIAbにおいて、トランジスタA1及びトランジスタA3がオン状態となり、トランジスタA2とトランジスタA4のそれぞれのゲート、容量素子B1と容量素子B2のそれぞれの2対の電極の一方に配線VBCSからの電位が印加される。更に、図6(B)に示す回路LATにおいて、トランジスタA11及びトランジスタA13がオン状態となり、トランジスタA12とトランジスタA14のそれぞれのゲート、容量素子B5と容量素子B6のそれぞれの2対の電極の一方に配線VBCSからの電位が印加される。
また、配線SCOに高レベル電位が印加され、配線SCOBに高レベル電位が印加される。これにより、図6(A)に示す差動増幅器DIAa、及び差動増幅器DIAbにおいて、トランジスタA7乃至トランジスタA9がオン状態となり、特に、トランジスタA10のゲート、容量素子B3と容量素子B4のそれぞれの2対の電極の一方に配線VBISからの電位が印加される。
このとき、差動増幅器DIAa、及び差動増幅器DIAbのそれぞれの非反転入力端子ip、反転入力端子inには、配線CREFからの比較電位が与えられる。このため、差動増幅器DIAaの非反転出力端子op、反転出力端子onのそれぞれから、互いにほぼ同じ電位が出力される。また、このときのそれぞれの電位を第1差動出力電位、第2差動出力電位とする。同様に、差動増幅器DIAbの端子op、端子onのそれぞれから、互いにほぼ同じ電位が出力される。
また、図6(B)の回路LATにおいて、配線LT、及び配線LTBのそれぞれに高レベル電位が印加されている。これにより、トランジスタA15乃至トランジスタA18はオン状態となり、配線CREFからの比較電位が、容量素子B7と容量素子B8のそれぞれの2対の電極の一方に印加される。また、トランジスタA21とトランジスタA24がオン状態となるので、トランジスタA21の第1端子と第2端子のそれぞれの電位はほぼ等しくなる。なお、配線STBには低レベル電位が印加されているため、トランジスタA19とトランジスタA20はオフ状態となっている。
次に、配線STに低レベル電位が印加され、配線SCOに低レベル電位が印加される。これによって、スイッチSWB3乃至スイッチSWB6がオフ状態になる。更に、図6(A)の差動増幅器DIAa、差動増幅器DIAbにおいて、トランジスタA1、トランジスタA3、トランジスタA9がオフ状態となり、図6(B)の回路LATにおいて、トランジスタA11、トランジスタA13がオフ状態となる。このため、容量素子B1乃至容量素子B6のそれぞれの2対の電極の一方の電位が保持される。
次に、配線STBに高レベル電位が印加される。このとき、コンパレータCMPの端子INPと端子INNのそれぞれの電位が、差動増幅器DIAaの非反転入力端子ipと反転入力端子inに入力される。これによって、差動増幅器DIAaの非反転出力端子opと反転出力端子onのそれぞれから、差動入力に応じた電位が出力される。このとき、それぞれの差動入力に応じた電位を第3差動出力電位、第4差動出力電位とする。ところで、容量素子CE1と容量素子CE2のそれぞれの2対の電極の他方は電気的に浮遊状態となっているため、容量素子CE1の2対の電極の他方の電位は、第3差動出力電位と第1差動出力電位との差分に応じて変動し、容量素子CE2の2対の電極の他方の電位は、第4差動出力電位と、第2差動出力電位との差分に応じて変動する。そのため、差動増幅器DIAbの非反転入力端子ipと反転入力端子inのそれぞれには、比較電位から変動した電位が入力され、差動増幅器DIAbの非反転出力端子opと反転出力端子onのそれぞれから、当該電位に応じた差動出力電位が出力される。
これにより、当該差動出力電位は、回路LATの端子ILPと端子ILNに入力される。このため、回路LATにおいて、当該差動出力電位は、容量素子B7と容量素子B8のそれぞれの2対の電極の一方に印加される。また、配線STBに高レベル電位が印加されるタイミングで、配線LTに低レベル電位が印加される。このため、当該差動出力電位は、トランジスタA17、トランジスタA18を介して、トランジスタA21の第1端子及び第2端子に印加されない。
ここで、配線LTに高レベル電位が印加され、配線LTBに低レベル電位が印加されることで、トランジスタA21の第1端子及び第2端子のそれぞれに、容量素子B7と容量素子B8のそれぞれの2対の電極の一方に保持された当該差動出力電位が入力される。ところで、図6(B)に示す回路LATにおいて、トランジスタA11乃至トランジスタA14、トランジスタA22乃至トランジスタA24、容量素子B5、容量素子B6によって、ラッチ回路が構成されている。したがって、当該ラッチ回路によって、入力された当該差動出力電位の一方は高レベル電位に変動し、他方は低レベル電位に変動する。
次に、配線SHに高レベル電位が印加されることで、トランジスタA25、トランジスタA26がオン状態となり、当該差動出力電位のそれぞれから変動した、高レベル電位と低レベル電位が、容量素子B9と容量素子B10のそれぞれの2対の電極の一方に保持される。ところで、図6(B)に示す回路LATにおいて、トランジスタA27乃至トランジスタA30によって、バッファ回路が構成されている。高レベル電位が、トランジスタA27及びトランジスタA30のそれぞれのゲートに印加され、低レベル電位が、トランジスタA28及びトランジスタA29のそれぞれのゲートに印加される場合、端子OLPから低レベル電位が出力され、端子OLNから高レベル電位が出力される。また、低レベル電位が、トランジスタA27及びトランジスタA30のそれぞれのゲートに印加され、高レベル電位が、トランジスタA28及びトランジスタA29のそれぞれのゲートに印加されるとき、端子OLPから高レベル電位が出力され、端子OLNから低レベル電位が出力される。なお、トランジスタA27乃至トランジスタA30のゲートに入力される高レベル電位、及び低レベル電位は、端子OLPと端子OLNから出力される高レベル電位、及び低レベル電位と異なる場合がある。
また、このとき、配線SHに低レベル電位を印加して、トランジスタA25、トランジスタA26をオフ状態にすることで、ラッチ回路から出力された高レベル電位、及び低レベル電位を容量素子B9と容量素子B10のそれぞれの2対の電極の一方に保持することができる。これによって、バッファ回路への入力電位が保持されるため、ラッチ回路の内容を初期化することができる。
以上の通り、図5(A)(B)に示すコンパレータCMPとして、図5(C)、図6(A)(B)に図示した単極性回路のコンパレータCMPを適用することができる。なお、図6(A)(B)に示した各回路図では、nチャネル型トランジスタを用いているが、代わりにpチャネル型トランジスタを用いて、図6(A)(B)に示した各回路図の構成を変更してもよい。
図5(A)に示すコンパレータCMPと、定電圧源VC1と、定電圧源VC2と、に含まれる全てのトランジスタの極性をnチャネル型又はpチャネル型の一方にすることによって、図5(A)に示す活性化関数回路ACTVを単極性回路として構成することができる。また、図5(B)に示すコンパレータCMPと、定電圧源VC3と、に含まれる全てのトランジスタの極性をnチャネル型にすることによって、図5(B)に示す活性化関数回路ACTVを単極性回路として構成することができる。
なお、本発明の一態様に係る演算回路100が有する活性化関数回路ACTVの構成は、図5(A)(B)に示した構成に限定されない。演算回路100が有する活性化関数回路ACTVの構成は、演算したい内容などに応じて適宜変更することができる。また、演算回路100は、回路構成が異なる活性化関数回路ACTVを複数有し、複数の活性化関数回路ACTVから所望の回路を1つ選んで演算を行う構成としてもよい。
<<学習回路LEC>>
学習回路LECは、メモリセルAMに保持されている第1データを更新するための回路である。
第1データを更新するには、演算回路100のメモリセルアレイMCAにおいて、一度演算を行う必要がある。当該演算に用いる第2データと、教師データと、演算結果データと、が必要になる。ここで、複数の第1データの一をw、複数の第2データの一をx、教師データをt、演算結果データをyと定義する。第1データの更新量をΔwとすると、Δwは下記の式(A1)で表すことができる。
なお、ηは学習率を表す定数であり、0以上1以下の実数である。学習率ηの数値が大きくすると1回あたりの更新量が大きくなるが、更新を繰り返すことで第1データと演算結果データが発散してしまう場合がある。一方、学習率ηの数値が小さくすると、第1データと演算結果データが収束しやすくなるが、収束するのに必要な更新回数が多くなる。
学習回路LECは、第1データw、第2データx、教師データt、演算結果データyを与えることによって、更新量Δwを算出する回路である。
学習回路LECは、図1に示すとおり、端子gi1と、端子gi2[1]と、端子gi2[2]と、端子gi3と、端子gi4と、端子io[1]と、端子io[2]と、を有する。
端子gi1は、配線XLに電気的に接続され、端子gi2[1]は、配線VL[1]に電気的に接続され、端子gi2[2]は、配線VL[2]に電気的に接続され、端子gi3は、配線TLに電気的に接続され、端子gi4は、端子afbに電気的に接続されている。
また、端子io[1]は、配線HW[1]に電気的に接続され、端子io[2]は、配線HW[2]に電気的に接続されている。
配線XLは、入力データを学習回路LECに入力するための配線であり、配線TLは、教師データを学習回路LECに入力するための配線である。なお、ここでの入力データとは、第2データxと比較する基準のデータとして扱われる。
また、端子gi[1]には、配線VL[1]を介して、回路VLDから出力される第2データが入力される。同様に、端子gi[2]には、配線VL[2]を介して、回路VLDから出力される第2データが入力される。
学習回路LECは、配線VL[1]から第2データを受け取ることで、その第2データと、配線XLから入力された入力データと、配線TLから入力された教師データと、端子gi4に入力された演算結果データと、を用いて第1データの更新量を生成して、配線HW[1]に送信する。また、学習回路LECは、配線VL[2]から第2データを受け取ることで、その第2データと、配線XLから入力された入力データと、配線TLから入力された教師データと、端子gi4に入力された演算結果データと、を用いて第1データの更新量を生成して、配線HW[2]に送信する。
図7に学習回路LECの構成例を示す。図7に示す学習回路LECは、加算回路ADA[1]と、加算回路ADA[2]と、加算回路ADB[1]と、加算回路ADB[2]と、乗算回路MLT[1]と、乗算回路MLT[2]と、積分回路ITG[1]と、積分回路ITG[2]と、を有する。
積分回路ITG[1]及び積分回路ITG[2]のそれぞれは、端子iiを有する。乗算回路MLT[1]の出力端子は、積分回路ITG[1]の端子iiに電気的に接続され、乗算回路MLT[1]の出力端子は、積分回路ITG[2]の端子iiに電気的に接続されている。
初めに、端子gi2[1]に第2データが入力され、かつ端子gi4に演算結果データが入力されることによって、端子io[1]から更新量Δwが出力される動作について説明する。
加算回路ADA[1]は、端子gi1に入力されたデータと、端子gi2[1]に入力されたデータと、の差分をとる機能を有する。つまり、加算回路ADA[1]によって、端子gi1に入力された入力データx0と、端子gi2[1]に入力された第2データxと、からデータx0-xを生成する。また、生成されたデータx0-xは、乗算回路MLT[1]に入力される。
加算回路ADB[1]は、端子gi3に入力されたデータと、端子gi4に入力されたデータと、の差分をとる機能を有する。つまり、加算回路ADB[1]によって、端子gi3に入力された教師データtと、端子gi4に入力された演算結果データyと、からデータt-yを生成する。また、生成されたデータt-yは、乗算回路MLT[1]に入力される。
乗算回路MLT[1]は、加算回路ADA[1]及び加算回路ADB[1]のそれぞれで生成されたデータx0-x及びデータt-yの積を生成する機能を有する。これによって、データΔwが生成される。また、生成されたΔwは、積分回路ITG[1]の端子iiに入力される。
このとき、乗算回路MLT[1]から出力されたデータを積分回路ITG[1]に入力する際、乗算回路MLT[1]から出力された電流を、抵抗素子を用いて、当該抵抗素子間に電圧を生成してから当該電圧を積分回路ITG[1]に入力する方法が望ましい。この場合、抵抗素子の抵抗値を調整することによって、データx0-x及びデータt-yの積に対して学習率ηを作用することができる。
また、学習率ηの作用の方法については、上記に限定されない。例えば、積分回路ITG[1]の積分係数としてηを演算に加えてもよい。この場合、積分回路ITG[1]に含まれる容量素子の容量値を調整することによって、学習率ηを作用することができる。
上記の通り、加算回路ADA[1]、加算回路ADB[1]、及び乗算回路MLT[1]によって、2つの入力の差を1組として、2組の積を算出することができる。このため、加算回路ADA[1]、加算回路ADB[1]、及び乗算回路MLT[1]として、例えば、ギルバートセルと呼ばれる乗算回路を適用することができる。
ところで、ギルバートセルを用いた場合、x0とxとの差動対、tとyとの差動対のそれぞれに起因する誤差が生じる場合がある。このため、ギルバートセルに対して、ギルバートセルの入力差動を高速に入れ替え、且つギルバートセルの出力差動を高速に入れ替えて、オフセットキャンセルを行う構成とするのが好ましい。このとき、出力差動には高周波成分が含まれているため、積分回路ITG[1]にデータΔwを入力する前に、ローパスフィルタなどを介して、データΔwに対して、高周波成分を除去する構成とするのがよい。
積分回路ITG[1]は、入力されたデータΔwと、前回までに入力された更新量の合計値と、の和を更新データΣΔwとして出力する回路である。
学習によって第1データを決める場合、第1データの更新を複数回行う必要がある。そのため、学習回路LECは、第1データの更新を行う度に、加算回路ADA[1]、加算回路ADB[1]、及び乗算回路MLT[1]によって更新量Δwを算出する。そして、積分回路IGT[1]によって、更新量Δwと、前回まで更新の度に計算された更新量の合計値と、を用いて更新データΣΔwが生成される。
積分回路IGT[1]の出力端子は、端子io[1]に電気的に接続されている。端子io[1]は、配線HW[1]に電気的に接続されているため、配線HW[1]には積分回路IGT[1]から出力された更新データΣΔwに応じた電位VΣΔwが印加される。
端子gi2[2]に第2データが入力され、かつ端子gi4に演算結果データが入力される場合についても、上記と同様の動作によって、端子io[2]から更新データΣΔwに応じた電位VΣΔwが出力される。
なお、前述の通り、学習回路LECは、加算回路ADA[1]、加算回路ADB[1]、乗算回路MLT[1]、及び積分回路ITG[1]によって、メモリセルアレイMCAの1行目のメモリセルAMの第1データを更新し、加算回路ADA[2]、加算回路ADB[2]、乗算回路MLT[2]、及び積分回路ITG[2]によって、メモリセルアレイMCAの2行目のメモリセルAMの第1データを更新する。そのため、メモリセルアレイMCAが3行以上の構成である場合、必要に応じて加算回路、乗算回路、ローパスフィルタ、積分回路を学習回路LECに設ければよい。
また、学習回路LECは、nチャネル型トランジスタのみを有する単極性回路として構成することができる。
図8(A)は、図7に示した加算回路ADA[1]、加算回路ADB[1]、乗算回路MLT[1](加算回路ADA[2]、加算回路ADB[2]、乗算回路MLT[2])に適用できるギルバートセルの構成例を示した回路図である。図8に示すギルバートセルの構成例を用いることによって、加算回路ADA[1]、加算回路ADB[1]、乗算回路MLT[1](加算回路ADA[2]、加算回路ADB[2]、乗算回路MLT[2])を単極性回路として構成することができる。
図8(A)のギルバートセルは、2つの入力差動、及び出力差動にそれぞれチョッパ回路CC1乃至チョッパ回路CC3を設けている。チョッパ回路CC1乃至チョッパ回路CC3のそれぞれは、端子cp1乃至端子cp4を有しており、端子cp1と、端子cp3又は端子cp4の一方と、の間を導通状態にし、かつ端子cp2と、端子cp3又は端子cp4の他方と、の間を導通状態にする回路として機能する。図8(B)は、チョッパ回路CC1乃至チョッパ回路CC3に適用できるチョッパ回路CCの構成例を示した回路図である。
図8(A)のギルバートセルは、トランジスタTr11乃至トランジスタTr19を有している。トランジスタTr11及びトランジスタTr12は第1の差動対として機能し、トランジスタTr13及びトランジスタTr14は第2の差動対として機能し、トランジスタTr15及びトランジスタTr16は第3の差動対として機能する。なお、図8(A)において、トランジスタTr11乃至トランジスタTr19は、nチャネル型トランジスタとしている。
また、トランジスタTr11乃至トランジスタTr19は、トランジスタTr1及びトランジスタTr2と同様に、OSトランジスタであることが好ましい。OSトランジスタについては、トランジスタTr1の説明の記載を参酌する。また、トランジスタTr11乃至トランジスタTr19は、Siトランジスタとしてもよい。
第1の差動対には、チョッパ回路CC1を介して、入力データx0及び第2データが入力され、第2の差動対には、チョッパ回路CC1を介して、入力データx0及び第2データが入力され、第3の差動対には、チョッパ回路CC2を介して、教師データt及び演算結果データyが入力される。そのため、チョッパ回路CC1の端子cp1は端子gi1に電気的に接続され、チョッパ回路CC1の端子cp2は端子gi2[1](端子gi2[2])に電気的に接続され、チョッパ回路CC2の端子cp1は端子gi3に電気的に接続され、チョッパ回路CC2の端子cp2は端子gi4に電気的に接続されている。
そして、図8(A)のギルバートセルの出力は、チョッパ回路CC3の端子cp3及び端子cp4の電圧となり、端子cp3及び端子cp4の差電圧が、加算及び乗算の結果に応じた値となる。
トランジスタTr17、及びトランジスタTr18のそれぞれの第1端子は、配線VDDLに電気的に接続され、トランジスタTr17、及びトランジスタTr18のそれぞれのゲートは、配線VGCRに電気的に接続されている。配線VGCRにバイアス電圧を与えることによって、トランジスタTr17、及びトランジスタTr18は、ギルバートセルに電流を入力する電流源として機能する。
トランジスタTr19の第1端子は、配線VGCBに電気的に接続され、トランジスタTr19の第1端子は、配線GNDLに電気的に接続されている。配線VGCBにバイアス電圧を与えることによって、トランジスタTr19は、ギルバートセルから電流を吸出する役割を有する。
図8(B)に示すチョッパ回路CCは、トランジスタTr21乃至トランジスタTr24と、端子cp1乃至端子cp4と、を有する。配線CLKLは、クロック信号を送信するための配線であり、配線CLKLBは、配線CLKLに送られるクロック信号の反転信号を送信するための配線である。なお、図8(B)において、トランジスタTr21乃至トランジスタTr24は、nチャネル型トランジスタとしている。
また、トランジスタTr21乃至トランジスタTr24は、トランジスタTr1及びトランジスタTr2と同様に、OSトランジスタであることが好ましい。OSトランジスタについては、トランジスタTr1の説明の記載を参酌する。また、トランジスタTr21乃至トランジスタTr24は、Siトランジスタとしてもよい。
配線CLKLに高レベル電位が印加されると、配線CLKLBに低レベル電位が印加されることになり、これによって、トランジスタTr21及びトランジスタTr22がオン状態、トランジスタTr23及びトランジスタTr24がオフ状態となる。その結果、端子cp1‐端子cp3間、及び端子cp2‐端子cp4間のそれぞれが電気的に接続される。
また、配線CLKLに低レベル電位が印加されると、配線CLKLBに高レベル電位が印加されることになり、これによって、トランジスタTr21及びトランジスタTr22がオフ状態、トランジスタTr23及びトランジスタTr24がオン状態となり、端子cp1‐端子cp4間、及び端子cp2‐端子cp3間のそれぞれが電気的に接続される。
チョッパ回路CC1乃至チョッパ回路CC3において、配線CLKLの電位を高速に高レベル電位、低レベル電位と切り替えることによって、ギルバートセルの差動対に起因する誤差に対して、オフセットキャンセルを行うことができる。
ところで、図8(A)のギルバートセル、及び図8(B)のチョッパ回路は、pチャネル型トランジスタを有さず、nチャネル型トランジスタのみ有しているため、図8(A)のギルバートセル、及び図8(B)のチョッパ回路は、単極性回路として構成することができる。
次に、積分回路ITG[1](積分回路ITG[2])をnチャネル型トランジスタのみで構成した例について説明する。
図9(A)は、図7に示した積分回路ITG[1](積分回路ITG[2])に適用できる回路構成の例を示した図である。図9(A)に示す積分回路は、トランジスタTr26乃至トランジスタTr29と、容量素子CL1と、容量素子CL2と、完全差動増幅器FDAと、を有する。なお、図9に示す積分回路ITG[1](積分回路ITG[2])において、トランジスタTr26乃至トランジスタTr29は、nチャネル型トランジスタとしている。
また、トランジスタTr26乃至トランジスタTr29は、トランジスタTr1及びトランジスタTr2と同様に、OSトランジスタであることが好ましい。OSトランジスタについては、トランジスタTr1の説明の記載を参酌する。また、トランジスタTr26乃至トランジスタTr29は、Siトランジスタとしてもよい。
完全差動増幅器FDAの非反転入力端子は、入力端子nt1と、トランジスタTr28の第1端子と、容量素子CL1と、に電気的に接続され、完全差動増幅器FDAの反転入力端子は、入力端子nt2と、トランジスタTr29の第1端子と、容量素子CL2と、に電気的に接続されている。完全差動増幅器FDAの反転出力端子は、出力端子st1と、トランジスタTr26の第1端子と、トランジスタTr28の第2端子と、に電気的に接続され、完全差動増幅器FDAの非反転出力端子は、出力端子st2と、トランジスタTr27の第1端子と、トランジスタTr29の第2端子と、に電気的に接続されている。容量素子CL1の第2端子は、トランジスタTr27の第1端子に電気的に接続され、容量素子CL2の第2端子は、トランジスタTr27の第2端子に電気的に接続されている。完全差動増幅器FDAは、出力同相電圧入力端子には、接地電位が与えられる配線に電気的に接続されている。
トランジスタTr26及びトランジスタTr27のそれぞれのゲートは、配線STLに電気的に接続され、トランジスタTr28及びトランジスタTr29のそれぞれのゲートは、配線RSTLに電気的に接続されている。
配線RSTLに低レベル電位を印加し、配線STLに高レベル電位を印加することによって、図9(A)に示す積分回路を駆動することができる。
トランジスタTr26及びトランジスタTr27のそれぞれは、配線STLに高レベル電位が印加されることで、容量素子CL1の第2端子及び容量素子CL2の第2端子のそれぞれに電位を保持する。
なお、容量素子CL1の第2端子及び容量素子CL2の第2端子のそれぞれに保持した電位は、配線RSTLに高レベル電位、配線STLに低レベル電位を印加することによって、リセットすることができる。
完全差動増幅器FDAの構成例を図9(B)に示す。なお、図9(B)は、説明に必要な回路、回路素子、配線などにのみ符号を付している。
図9(B)の完全差動増幅器FDAは、回路CIRAと、回路CIRBと、回路CIRCと、を有する。また、完全差動増幅器FDAは、反転入力端子に相当する端子innと、非反転入力端子に相当する端子inpと、反転出力端子に相当する端子outnと、非反転出力端子に相当する端子outpと、を有する。
図9(B)の完全差動増幅器FDAは、配線VDDLと、配線VSSLと、配線VBCSと、配線VBISと、配線VCOMと、配線COMIと、配線COMOと、配線SCOと、配線SCOBと、配線SETと、に電気的に接続されている。
配線VDDLは、完全差動増幅器FDAに高電源電位を与えるための配線であり、配線VSSLは、完全差動増幅器FDAに低電源電位を与えるための配線である。
配線VBCSは、所定のトランジスタのゲート、及び所定の容量素子の2対の端子の一方に第1定電位を印加するための配線である。また、配線VBISは、所定のトランジスタのゲート、及び所定の容量素子の2対の端子の一方に第2定電位を印加するための配線である。
配線VCOMは、完全差動増幅器FDAの出力同相電圧入力端子に相当する配線である。図9(A)の通り、出力同相電圧入力端子には、接地電位を与える配線GNDLが電気的に接続されているため、配線VCOMは接地電位となる。
配線COMOは、差動出力の中間電位を出力するための配線であり、配線COMIは、当該中間電位を入力するための配線である。
初めに、完全差動増幅器FDAの動作を行うとき、配線SETに高レベル電位が印加される。これにより、配線VBCSによって、第1定電位がトランジスタX1乃至X4のそれぞれのゲート、容量素子Y1乃至Y4のそれぞれの2対の端子の一方に、第1定電位が印加される。そのため、トランジスタX1乃至X4のソース‐ドレイン間には、第1定電位に応じた電流が配線VDDLから流れる。その後、配線SETに低レベル電位を印加することで、容量素子Y1乃至Y4のそれぞれに第1定電位を保持することができる。
また、配線SETに高レベル電位が印加されることによって、配線VCOMから回路CIRAの差動対に接地電位が印加される。これにより、端子inn及び端子inpに入力されたデータを初期化することができる。なお、このとき、端子inn及び端子inpには、信号が入力されないことが好ましい。
さらに、配線SETに高レベル電位が印加されることによって、回路CIRCの、電流を配線VSSLに吸出するためのトランジスタX5、X6のゲート、及び容量素子Y5、Y6のそれぞれの2対の端子の一方に、配線VBISからの第2定電位が印加される。これにより、トランジスタX5、X6は、第2定電位に応じた電流を配線VSSLに吸出する。その後、配線SETに低レベル電位を印加することで、容量素子Y5、Y6に第2定電位を保持することができる。
なお、回路CIRBにおいて、電流を配線VDDLから供給するためのトランジスタX7、X8のゲートには、常に高電源電位が印加され、電流を配線VSSLに排出するためのトランジスタX9のゲートには、常に第2定電位が印加されている。
配線SCOに高レベル電位が印加されることによって、回路CIRAの、電流を配線VSSLに排出するためのトランジスタX10のゲート、及び容量素子Y10の2対の端子の一方に、配線VBISからの第2定電位が印加される。これにより、トランジスタX10は、第2定電位に応じた電流を配線VSSLに排出する。その後、配線SCOに低レベル電位を印加することで、容量素子Y10に第2定電位を保持する。なお、配線SCOBには、配線SCOに入力される信号の反転信号が入力される。
このとき、端子inn、及び端子inpにそれぞれ入力電位を印加することによって、回路CIRAは、それぞれの入力電位に応じて、差動出力として、ノードNT1から第1出力電位を出力し、ノードNT2から第2出力電位を出力する。その後、回路CIRCにおいて、電流を配線VSSLに排出するためのトランジスタX5、X6のゲートの電位が、容量素子Y5、Y6の容量結合によって、第1出力電位及び第2出力電位に応じて変動する。これによって、回路CIRCは、端子outp、端子outnから完全差動増幅器FDAの出力電位を出力する。
ところで、配線SCOが低レベル電位となっているため、配線SCOBは高レベル電位となっている。これにより、配線COMOは、端子outpの電位と端子outnの電位の中間電位が出力される。このため、配線COMIに当該中間電位が入力される。
このとき、回路CIRBは、配線VCOMの接地電位と、配線COMIの中間電位と、の差動入力によって、ノードNT3から第3出力電位を出力する。その後、回路CIRAにおいて、電流を配線VSSLに排出するためのトランジスタX10のゲートの電位が、容量素子Y10の容量結合によって、第2出力電位に応じて変動する。これによって、トランジスタX10に流れる電流量が変化する。つまり、完全差動増幅器FDAにおけるコモンモードフィードバックは、配線COMIからの中間電位の入力によって回路CIRBが第2出力電位を生成して、回路CIRAに第2出力電位を与えることで行うことができる。
ところで、図9(B)に示す完全差動増幅器FDAは、nチャネル型トランジスタであるトランジスタX1乃至トランジスタX10を有する。また、符号を付していないトランンジスタもnチャネル型トランジスタとしている。このため、図9(B)に示す完全差動増幅器FDAは、単極性回路として構成されている。完全差動増幅器FDAが有する全てのトランジスタは、トランジスタTr1及びトランジスタTr2と同様に、OSトランジスタであることが好ましい。OSトランジスタについては、トランジスタTr1の説明の記載を参酌する。また、完全差動増幅器FDAが有する全て、又は一部のトランジスタは、Siトランジスタとしてもよい。
上記の通り、図8、図9に示す回路を学習回路LECに適用することによって、学習回路LECを、nチャネル型トランジスタのみを用いた単極性回路として構成することができる。
<動作例>
次に、演算回路100の動作例について説明する。
なお、本動作例の説明で扱う演算回路100の電流供給回路ISは、図10に示す構成とする。図10に示す電流供給回路ISは、図3(A)の電流供給回路ISにおいて、回路CS1の端子d1と端子d2とを端子dにまとめて、且つ、回路CSx及び回路CSwを除いた構成となっている。そのため、図3(A)の電流供給回路ISにおいて、配線OL[1]及び配線OL[2]を配線OLとしてまとめ、回路CS1の端子dから流れる電流として、電流Id1及び電流Id2を電流Idとしてまとめており、回路CMx及び回路CMwによる電流の吸出は、配線OLに流れる電流に対して行われる。
また、ここでは、演算回路100において、電流Iαの変化量から演算結果データを取得して、第1データの更新をする動作について説明する。そのため、本動作例では、活性化関数回路ACTVは、図5(B)に示した活性化関数回路ACTVを適用して説明する。
図11に演算回路100の動作例のタイミングチャートを示す。図11のタイミングチャートは、時刻T01乃至時刻T10における、配線WL[1]、配線WL[2]、配線WD、配線WDxr、配線WDwr、ノードNM(AM[1])、ノードNM(AM[2])、ノードNM(AMxr[1])、ノードNM(AMxr[2])、ノードNM(AMwr[1])、ノードNM(AMwr[2])配線VL[1]、配線VL[2]、配線HW[1]、及び配線HW[2]の電位の変動を示し、電流IC-Iα、電流ICxr、及び電流ICwrの大きさの変動を示している。特に、電流IB-Iαは、配線BLから、メモリセルアレイMCAのメモリセルAM[1]及びメモリセルAM[2]のそれぞれの端子m2に流れる電流の総和を示している。
<<時刻T01から時刻T02まで>>
時刻T01から時刻T02までの間において、配線WL[1]に高レベル電位(図11ではHighと表記している。)が印加され、配線WL[2]に低レベル電位(図11ではLowと表記している。)が印加されている。加えて、配線WDには接地電位(図11ではGNDと表記している。)よりもVPR-VW[1]大きい電位が印加され、配線WDxrには接地電位よりもVPR大きい電位が印加され、配線WDwrには接地電位よりもVPR-VW[1]大きい電位が印加されている。更に、配線VL[1]、配線VL[2]、配線HW[1]、及び配線HW[2]にはそれぞれ基準電位(図11ではREFPと表記している。また、本明細書等では初期電位と記載する場合がある。)が印加されている。
なお、電位VW[1]は、複数の第1データの一に対応する電位である。また、電位VPRは、参照データに対応する電位である。
このとき、メモリセルAM[1]、及びメモリセルAMxr[1]のそれぞれのトランジスタTr11のゲートに高レベル電位が印加されるため、メモリセルAM[1]、及びメモリセルAMxr[1]のそれぞれのトランジスタTr1はオン状態となる。そのため、メモリセルAM[1]において、配線WDとノードNM(AM[1])との間が導通状態になるため、ノードNM(AM[1])の電位は、VPR-VW[1]となる。同様に、メモリセルAMxr[1]において、配線WDxrとノードNM(AMxr[1])との間が導通状態になるため、ノードNM(AMxr[1])の電位は、VPRとなる。更に、メモリセルAMwr[1]において、配線WDwrとノードNM(AMwr[1])との間が導通状態になるため、ノードNM(AMwr[1])の電位は、VPR-VW[1]となる。
ここで、メモリセルAM[1]、メモリセルAMxr[1]、及びメモリセルAMwr[1]のそれぞれのトランジスタTr2の第2端子から第1端子に流れる電流を考える。配線BLからメモリセルAM[1]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[1],0としたとき、IAM[1],0は次の式で表すことができる。
kは、トランジスタTr2のチャネル長、チャネル幅、移動度、及びゲート絶縁膜の容量などで決まる定数である。また、Vthは、トランジスタTr2のしきい値電圧である。
配線BLxrからメモリセルAMxr[1]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAMxr[1],0としたとき、同様に、IAMxr[1],0は次の式で表すことができる。
また、配線BLwrからメモリセルAMwr[1]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAMwr[1],0としたとき、同様に、IAMwr[1],0は次の式で表すことができる。
なお、メモリセルAM[2]、メモリセルAMxr[2]、及びメモリセルAMwr[2]のそれぞれのトランジスタTr1のゲートに低レベル電位が印加されるため、メモリセルAM[2]、メモリセルAMxr[2]、及びメモリセルAMwr[2]のそれぞれのトランジスタTr1はオフ状態となる。このため、ノードNM(AM[2])、ノードNM(AMxr[2])、ノードNM(AMwr[2])への電位の保持は行われない。
<<時刻T02から時刻T03まで>>
時刻T02から時刻T03までの間において、配線WL[1]に低レベル電位が印加される。このとき、メモリセルAM[1]、メモリセルAMxr[1]、及びメモリセルAMwr[1]のそれぞれのトランジスタTr1のゲートに低レベル電位が印加されるため、メモリセルAM[1]、メモリセルAMxr[1]、及びメモリセルAMwr[1]のそれぞれのトランジスタTr1はオフ状態となる。
また、配線WL[2]には、時刻T02以前から引き続き、低レベル電位が印加されている。このため、メモリセルAM[2]、メモリセルAMxr[2]、及びメモリセルAMwr[2]のそれぞれのトランジスタTr1は、時刻T02以前からオフ状態となっている。
上述のとおり、メモリセルAM[1]、メモリセルAM[2]、メモリセルAMxr[1]、メモリセルAMxr[2]、メモリセルAMwr[2]、及びメモリセルAMwr[2]のそれぞれのトランジスタTr1はオフ状態となっているため、時刻T02から時刻T03までの間では、ノードNM(AM[1])、ノードNM(AM[2])、ノードNM(AMxr[1])、ノードNM(AMxr[2])、ノードNM(AMwr[1])、及びノードNMwr[2]のそれぞれの電位が保持される。
特に、演算回路100の回路構成の説明で述べたとおり、メモリセルAM[1]、メモリセルAM[2]、メモリセルAMxr[1]、メモリセルAMxr[2]、メモリセルAMwr[2]、及びメモリセルAMwr[2]のそれぞれのトランジスタTr1にOSトランジスタを適用することによって、トランジスタTr1の第1端子‐第2端子間に流れるリーク電流を小さくすることができるため、それぞれのノードの電位を長時間保持することができる。
時刻T02から時刻T03までの間において、配線WD、配線WDxr、及び配線WDwrには接地電位が印加されている。メモリセルAM[1]、メモリセルAM[2]、メモリセルAMxr[1]、メモリセルAMxr[2]、メモリセルAMwr[2]、及びメモリセルAMwr[2]のそれぞれのトランジスタTr1は、非導通状態となっているため、配線WD、配線WDxr、及び配線WDwrからの電位の印加によって、メモリセルAM[1]、メモリセルAM[2]、メモリセルAMxr[1]、メモリセルAMxr[2]、メモリセルAMwr[2]、及びメモリセルAMwr[2]のそれぞれのノードに保持されている電位が書き換えられることは無い。
<<時刻T03から時刻T04まで>>
時刻T03から時刻T04までの間において、配線WL[1]に低レベル電位が印加され、配線WL[2]に高レベル電位が印加されている。加えて、配線WDには接地電位よりもVPR-VW[2]大きい電位が印加され、配線WDxrには接地電位よりもVPR大きい電位が印加され、配線WDwrには接地電位よりもVPR-VW[2]大きい電位が印加されている。更に、時刻T02から引き続き、配線VL[1]、配線VL[2]、配線HW[1]、及び配線HW[2]には、それぞれ基準電位が印加されている。
なお、電位Vw[2]は、電位Vw[1]とは別の複数の第1データの一に対応する電位である。
このとき、メモリセルAM[2]、メモリセルAMxr[2]、及びメモリセルAMwr[2]のそれぞれのトランジスタTr1のゲートに高レベル電位が印加されるため、メモリセルAM[2]、メモリセルAMxr[2]、及びメモリセルAMwr[2]のそれぞれのトランジスタTr1は、オン状態となる。そのため、メモリセルAM[2]において、配線WDとノードNM(AM[2])との間が導通状態になるため、ノードNM(AM[2])の電位は、VPR-VW[2]となる。同様に、メモリセルAMxr[2]において、配線WDxrとノードNM(AMxr[2])との間が導通状態になるため、ノードNM(AM[2])の電位は、VPRとなる。更に、メモリセルAMwr[2]において、配線WDwrとノードNM(AMwr[2])との間が導通状態になるため、ノードNM(AMwr[2])の電位は、VPR-VW[2]となる。
ここで、メモリセルAM[2]、メモリセルAMxr[2]、及びメモリセルAMwr[2]のそれぞれのトランジスタTr2の第2端子から第1端子に流れる電流を考える。配線BLからメモリセルAM[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[2],0としたとき、IAM[2],0は次の式で表すことができる。
配線BLxrからメモリセルAMxr[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAMxr[2],0としたとき、同様に、IAMxr[2],0は次の式で表すことができる。
また、配線BLwrからメモリセルAMwr[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAMwr[2],0としたとき、同様に、IAMwr[2],0は次の式で表すことができる。
<<時刻T04から時刻T05まで>>
ここで、時刻T04から時刻T06までの間における、配線BL、配線BLxr、及び配線BLwrに流れる電流について説明する。
配線BLxrには、電流供給回路ISの端子coxrからの電流が供給される。当該電流は、電流供給回路ISの内部において、回路CS1から供給される定電流Idxと、回路CMxに吸出される電流と、を用いて記載することができる。このとき、回路CMxに吸出される電流をICMx,0としたとき、キルヒホッフの法則により次の式が成り立つ。
また、配線BLwrには、電流供給回路ISの端子cowrからの電流が供給される。当該電流は、電流供給回路ISの内部において、回路CS1から供給される定電流Idwと、回路CMwに吸出される電流と、を用いて記載することができる。このとき、回路CMwに吸出される電流をICMw,0としたとき、キルヒホッフの法則により次の式が成り立つ。
また、配線BLには、電流供給回路ISの端子coからの電流が供給される。当該電流は、電流供給回路ISの内部において、回路CS1から供給される定電流Idと、回路CMx及び回路CMwのそれぞれに吸出される電流と、を用いて記載できる。このとき、配線BLから活性化関数回路ACTVの端子aiに流れる電流をIα,0とすると、配線OL及び配線BLに流れる電流の関係は、キルヒホッフの法則により次の式で表すことができる。
<<時刻T05から時刻T06まで>>
時刻T05から時刻T06までの間において、配線VL[1]に基準電位よりもVX[1]高い電位が印加される。このとき、メモリセルAM[1]、メモリセルAMxr[1]のそれぞれの容量素子C1の第2端子に、電位VX[1]が印加されるため、トランジスタTr2のゲートの電位が上昇する。なお、メモリセルAMwr[1]には、配線VL[1]が電気的に接続されていないため、配線VL[1]の電位が変化しても、メモリセルAMwr[1]のトランジスタTr2のゲートの電位は変化しない。
なお、電位Vx[1]は、複数の第2データの一に対応する電位である。
なお、トランジスタTr2のゲートの電位の増加分は、配線VL[1]の電位変化に、容量素子C1とその周辺の回路構成によって決まる容量結合係数を乗じた電位となる。例えば、該容量結合係数は、容量素子C1の容量、容量素子C2の容量、トランジスタTr2のゲート容量、寄生容量などによって算出することができる。本動作例では、容量素子C1による容量結合係数をAC1として、説明する。
容量結合係数をAC1としているため、メモリセルAM[1]、及びメモリセルAMxr[1]のそれぞれの容量素子C1の第2端子に、電位VX[1]が印加されることによって、ノードNM(AM[1])、及びノードNM(AMxr[1])の電位は、それぞれAC1VX[1]上昇する。
ここで、メモリセルAM[1]、及びメモリセルAMxr[1]のそれぞれのトランジスタTr2の第2端子から第1端子に流れる電流を考える。配線BLからメモリセルAM[1]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[1],1としたとき、IAM[1],1は次の式で表すことができる。
つまり、配線VL[1]に電位VX[1]を印加することによって、配線BLからメモリセルAM[1]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流は、IAM[1],1-IAM[1],0(図11では、ΔIAM[1]と表記する。)増加する。
同様に、配線BLxrからメモリセルAMxr[1]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAMxr[1],1としたとき、IAMxr[1],1は次の式で表すことができる。
つまり、配線VL[1]に電位VX[1]を印加することによって、配線BLxrからメモリセルAMxr[1]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流は、IAMxr[1],1-IAMxr[1],0(図11では、ΔIAMxr[1]と表記する。)増加する。
ここで、配線BL及び配線BLxrに流れる電流について説明する。
配線BLxrには、電流供給回路ISの端子coxrからの電流が供給される。当該電流は、電流供給回路ISの内部において、回路CS1から供給される定電流Idxと、回路CMxに吸出される電流と、を用いて記載することができる。このとき、回路CMxに吸出される電流をICMx,1としたとき、キルヒホッフの法則により次の式が成り立つ。
配線BLには、電流供給回路ISの端子coからの電流が供給される。当該電流は、電流供給回路ISの内部において、回路CS1から供給される定電流Idと、回路CMx及び回路CMwのそれぞれに吸出される電流と、を用いて記載できる。このとき、配線BLから活性化関数回路ACTVの端子aiに流れる電流をIα,1とすると、配線OL及び配線BLに流れる電流の関係は、キルヒホッフの法則により次の式で表すことができる。
時刻T04から時刻T05までの間における、配線BLから端子aiに流れる電流Iα,0と、時刻T06から時刻T07までの間における、配線BLから端子aiに流れる電流Iα,1と、の差をΔIαとする。以後、ΔIαを、演算回路100における、第1差分電流と呼称する。第1差分電流ΔIαは、式(B1)乃至式(B13)を用いて、次の式のとおりに表すことができる。
<<時刻T06から時刻T07まで>>
時刻T06から時刻T07までの間において、配線VL[2]に基準電位よりもVX[2]高い電位が印加される。このとき、メモリセルAM[2]、及びメモリセルAMxr[2]のそれぞれの容量素子C1の第2端子に電位VX[2]が印加される。このため、メモリセルAM[2]、及びメモリセルAMxr[2]のそれぞれのトランジスタTr2のゲートの電位が上昇する。なお、メモリセルAMwr[2]には、配線VL[2]が電気的に接続されていないため、配線VL[2]の電位が変化しても、メモリセルAMwr[2]のトランジスタTr2のゲートの電位は上昇しない。
なお、電位Vx[2]は、電位Vx[1]とは別の複数の第2データの一に対応する電位である。
なお、配線VL[1]には、時刻T06以前から引き続き、基準電位よりもVX[1]高い電位が印加されている。
また、メモリセルAM[2]、及びメモリセルAMxr[2]の保持ノードの電位の変化についても同様に、それぞれのメモリセルの容量結合係数をAC1として説明する。容量結合係数をAC1としているため、メモリセルAM[2]、及びメモリセルAMxr[2]のそれぞれの容量素子C1の第2端子に、電位VX[2]が印加されることによって、ノードNM(AM[2])、及びノードNM(AMxr[2])の電位は、それぞれAC1VX[2]上昇する。
ここで、メモリセルAM[2]、及びメモリセルAMxr[2]のそれぞれのトランジスタTr2の第2端子から第1端子に流れる電流を考える。配線BLからメモリセルAM[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[2],1としたとき、IAM[2],1は次の式で表すことができる。
つまり、配線VL[2]に電位VX[2]を印加することによって、配線BLからメモリセルAM[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流は、IAM[2],1-IAM[2],0(図11では、ΔIAM[2]と表記する。)増加する。
同様に、配線BLxrからメモリセルAMxr[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAMxr[2],1としたとき、IAMxr[2],1は次の式で表すことができる。
つまり、配線VL[2]に電位VX[2]を印加することによって、配線BLxrからメモリセルAMxr[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流は、IAMxr[2],1-IAMxr[2],0(図11では、ΔIAMxr[2]と表記する。)増加する。
ここで、配線BL及び配線BLxrに流れる電流について説明する。
配線BLxrには、電流供給回路ISの端子cocrからの電流が供給される。当該電流は、電流供給回路ISの内部において、回路CS1から供給される定電流Idxと、回路CMxに吸出される電流と、を用いて記載することができる。このとき、回路CMxに吸出される電流をICMx,1.5としたとき、キルヒホッフの法則により次の式が成り立つ。
配線BLには、電流供給回路ISの端子coからの電流が供給される。当該電流は、電流供給回路ISの内部において、回路CS1から供給される定電流Idと、回路CMx及び回路CMwのそれぞれに吸出される電流と、を用いて記載できる。このとき、配線BLから活性化関数回路ACTVの端子aiに流れる電流をIα,1.5とすると、配線OL及び配線BLに流れる電流の関係は、キルヒホッフの法則により次の式で表すことができる。
時刻T04から時刻T05までの間における、配線BLから端子aiに流れる電流Iα,0と、時刻T06から時刻T07までの間における、配線BLから端子aiに流れる電流Iα,1.5と、の差となる第1差分電流ΔIαは、式(B1)乃至式(B11)、式(B15)乃至式(E18)を用いて、次の式のとおりに表すことができる。
式(B14)、式(B20)に示すとおり、端子aiに入力される第1差分電流ΔIαは、複数の第1データである電位VWと、複数の第2データである電位VXと、の積の和に応じた値となる。つまり、第1差分電流ΔIαが活性化関数回路ACTVの端子aiに入力されることによって、第1データと第2データとの積和の値を取得し、かつ当該値に応じた活性化関数の値を求めることができる。
ところで、時刻T05から時刻T06までの間において、配線VL[1]にVW[1]を印加し、時刻T06から時刻T07までの間において、配線VL[2]にVW[2]を印加したが、配線VL[1]及び配線VL[2]に印加する電位は、基準電位REFPよりも低くてもよい。配線VL[1]、及び/又は配線VL[2]に、基準電位REFPよりも低い電位を印加した場合、配線VL[1]、及び/又は配線VL[2]に接続されているメモリセルの保持ノードの電位を、容量結合によって低くすることができる。これにより、積和演算において、第1データと、負の値である第2データの一との積を行うことができる。例えば、時刻T06から時刻T07までの間において、配線VL[2]に、VW[2]でなく-VW[2]を印加した場合、第1差分電流ΔIαは、次の式の通りに表すことができる。
なお、本動作例では、2行3列のマトリクス状に配置されているメモリセルを有するメモリセルアレイMCAについて扱ったが、3行以上、且つ4列以上のメモリセルアレイについても同様に、演算を行うことができる。例えば、上述したメモリセルAM[1]、メモリセルAM[2]と同じ接続構成のメモリセルを有する列を複数設けることで、当該複数列の分の演算処理を同時に実行することができる。つまり、メモリセルアレイの列の数を増やすことで、高速な演算処理を実現する半導体装置を提供することができる。また、行数を増やすことによって、積和演算における、足し合わせる項数を増やすことができる。行数を増やした場合の、第1差分電流ΔIαは次の式で表すことができる。
<<時刻T07から時刻T08まで>>
時刻T07から時刻T08までの間では、時刻T06から時刻T07までの間で算出された第1差分電流ΔIαが活性化関数回路ACTVの端子aiに入力されて、端子afbから演算結果データが出力される。そして、演算結果データは、学習回路LECの端子gi4に入力される。また、このとき、学習回路LECの端子gi1には入力データx0が入力され、学習回路LECの端子gi2[1]には複数の第2データの一としてVX[1]が入力され、学習回路LECの端子gi2[2]には複数の第2データの一としてVX[2]が入力され、学習回路LECの端子gi3には教師データが入力される。
<<時刻T08から時刻T09まで>>
時刻T08から時刻T09までの間において、学習回路LECの端子io[1]から第1データ(電位VW[1])の更新量の総和(更新データ)に対応する電位VΣΔwが出力される。なお、本動作例では、1回目の第1データの更新の場合を記載するものとし、学習回路LECの端子io[1]から第1データ(電位VW[1])の更新量に応じた電位-VΔW[1]が出力されるものとする。このとき、配線HW[1]に-VΔW[1]が印加されることになり、そのため、メモリセルAM[1]、及びメモリセルAMwr[1]のそれぞれにおいて、端子m5を介して、容量素子C2の第2端子に電位-VΔW[1]が印加される。これにより、メモリセルAM[1]、及びメモリセルAMwr[1]のそれぞれのトランジスタTr2のゲートの電位が下降する。なお、メモリセルAMxr[1]には、配線HW[1]が電気的に接続されていないため、配線HW[1]の電位が変化しても、メモリセルAMxr[1]のトランジスタTr2のゲートの電位は上昇しない。
なお、トランジスタTr2のゲートの電位の増加分は、配線HW[1]の電位変化に、容量素子C2とその周辺の回路構成によって決まる容量結合係数を乗じた電位となる。例えば、該容量結合係数は、容量素子C1の容量、容量素子C2の容量、トランジスタTr2のゲート容量、寄生容量などによって算出することができる。本動作例では、容量素子C2による容量結合係数をAC2として、説明する。
容量結合係数をAC2としているため、メモリセルAM[1]、及びメモリセルAMwr[1]のそれぞれの容量素子C2の第2端子に、電位-VΔW[1]が印加されることによって、ノードNM(AM[1])、及びノードNM(AMwr[1])の電位は、それぞれAC2VΔW[1]下降する。
なお、上述の通り、容量素子C2の容量結合により、学習回路LECの端子io[1]から出力される、第1データ(電位VW[1])の更新量に応じた電位-VΔW[1]を、ノードNM(AM[1])、及びノードNM(AMwr[1])のそれぞれの電位に、そのまま加算することができない。そのため、学習回路LECの端子io[1]から出力される、第1データ(電位VW[1])の更新量に応じた電位は、容量素子C2の容量結合の影響をキャンセルするような電位とすることが好ましい。例えば、学習回路LECの端子io[1]から出力される、第1データ(電位VW[1])の更新量に応じた電位を、-VΔW[1]/AC2とすることで、容量素子C2の容量結合の影響をキャンセルすることができる。本動作例では、学習回路LECの端子io[1]から出力される、第1データ(電位VW
[1])の更新量に応じた電位を-VΔW[1]として、説明する。
ここで、メモリセルAM[1]、及びメモリセルAMwr[1]のそれぞれのトランジスタTr2の第2端子から第1端子に流れる電流を考える。配線BLからメモリセルAM[1]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[1],3としたとき、IAM[1],3は次の式で表すことができる。
つまり、配線HW[1]に電位-VΔW[1]を印加することによって、配線BLからメモリセルAM[1]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流は、IAM[1],1-IAM[1],3(図11では、ΔIAM[1],ΔWと表記する。)減少する。
同様に、配線BLwrからメモリセルAMwr[1]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAMwr[1],3としたとき、IAMwr[1],3は次の式で表すことができる。
つまり、配線HW[1]に電位-VΔW[1]を印加することによって、配線BLwrからメモリセルAMwr[1]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流は、IAMxr[1],0-IAMxr[1],3(図11では、ΔIAMxr[1],ΔWと表記する。)減少する。
ここで、配線BL及び配線BLwrに流れる電流について説明する。
配線BLwrには、電流供給回路ISの端子cowrからの電流が供給される。当該電流は、電流供給回路ISの内部において、回路CS1から供給される定電流Iwxと、回路CMwに吸出される電流と、を用いて記載することができる。このとき、回路CMwに吸出される電流をICMw,3としたとき、キルヒホッフの法則により次の式が成り立つ。
配線BLには、電流供給回路ISの端子coからの電流が供給される。当該電流は、電流供給回路ISの内部において、回路CS1から供給される定電流Idと、回路CMx及び回路CMwのそれぞれに吸出される電流と、を用いて記載できる。このとき、配線BLから活性化関数回路ACTVの端子aiに流れる電流をIα,3とすると、配線OL及び配線BLに流れる電流の関係は、キルヒホッフの法則により次の式で表すことができる。
時刻T04から時刻T05までの間における、配線BLから端子aiに流れる電流Iα,0と、時刻T08から時刻T09までの間における、配線BLから端子aiに流れる電流Iα,3と、の差をΔIβとする。以後、ΔIβを、演算回路100における、第2差分電流と呼称する。第2差分電流ΔIβは、、式(B1)乃至式(B9)、式(B11)、式(B15)乃至式(B17)、式(B22)乃至式(B25)を用いて、次の式のとおりに表すことができる。
<<時刻T09から時刻T10まで>>
時刻T09から時刻T10までの間において、学習回路LECの端子io[2]から第1データ(電位VW[2])の更新量の総和(更新データ)に対応する電位VΣΔwが出力される。なお、本動作例では、1回目の第1データの更新の場合を記載するものとし、学習回路LECの端子io[2]から第1データ(電位VW[2])の更新量に対応する電位-VΔW[2]が出力されるものとする。このとき、配線HW[2]に-VΔW[2]が印加されることになり、そのため、メモリセルAM[2]、及びメモリセルAMwr[2]のそれぞれにおいて、端子m5を介して、容量素子C2の第2端子に電位-VΔW[2]が印加される。これにより、メモリセルAM[2]、及びメモリセルAMwr[2]のそれぞれのトランジスタTr2のゲートの電位が下降する。なお、メモリセルAMxr[2]には、配線HW[2]が電気的に接続されていないため、配線HW[2]の電位が変化しても、メモリセルAMxr[2]のトランジスタTr2のゲートの電位は上昇しない。
なお、配線HW[1]には、時刻T09以前から引き続き、基準電位よりもVX[1]高い電位が印加される。そのため、メモリセルAM[1]、及びメモリセルAMwr[1]のそれぞれの保持ノードの電位の変化は、時刻T08乃至時刻T09までの間の動作を参酌する。また、メモリセルAM[2]、及びメモリセルAMwr[2]の保持ノードの電位の変化についても同様に、それぞれのメモリセルの容量結合係数をAC2として説明する。
容量結合係数をAC2としているため、メモリセルAM[2]、及びメモリセルAMwr[2]のそれぞれの容量素子C2の第2端子に、電位-VΔW[2]が印加されることによって、ノードNM(AM[2])、及びノードNM(AMwr[2])の電位は、それぞれAC2VΔW[2]下降する。
ここで、メモリセルAM[2]、及びメモリセルAMwr[2]のそれぞれのトランジスタTr2の第2端子から第1端子に流れる電流を考える。配線BLからメモリセルAM[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[2],3としたとき、IAM[2],3は次の式で表すことができる。
つまり、配線HW[2]に電位-VΔW[2]を印加することによって、配線BLからメモリセルAM[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流は、IAM[2],1-IAM[2],3(図11では、ΔIAM[2],ΔWと表記する。)減少する。
同様に、配線BLwrからメモリセルAMwr[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAMwr[2],3としたとき、IAMwr[2],3は次の式で表すことができる。
つまり、配線HW[2]に電位-VΔW[2]を印加することによって、配線BLwrからメモリセルAMwr[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流は、IAMxr[2],0-IAMxr[2],3(図11では、ΔIAMxr[2],ΔWと表記する。)減少する。
ここで、配線BL及び配線BLwrに流れる電流について説明する。
配線BLwrには、電流供給回路ISの端子cowrからの電流が供給される。当該電流は、電流供給回路ISの内部において、回路CS1から供給される定電流Iwxと、回路CMwに吸出される電流と、を用いて記載することができる。このとき、回路CMwに吸出される電流をICMw,3.5としたとき、キルヒホッフの法則により次の式が成り立つ。
配線BLには、電流供給回路ISの端子coからの電流が供給される。当該電流は、電流供給回路ISの内部において、回路CS1から供給される定電流Idと、回路CMx及び回路CMwのそれぞれに吸出される電流と、を用いて記載できる。このとき、配線BLから活性化関数回路ACTVの端子aiに流れる電流をIα,3.5とすると、配線OL及び配線BLに流れる電流の関係は、キルヒホッフの法則により次の式で表すことができる。
時刻T04から時刻T05までの間における、配線BLから端子aiに流れる電流Iα,0と、時刻T09から時刻T10までの間における、配線BLから端子aiに流れる電流Iα,3.5と、の差となる第2差分電流ΔIβは、式(B1)乃至式(B9)、式(B11)、式(B16)、式(B22)、式(B23)、式(B27)乃至式(B29)を用いて、次の式のとおりに表すことができる。
式(B26)、式(B31)に示すとおり、端子aiに入力される第2差分電流ΔIβは、更新された複数の第1データに応じた電位VWと、複数の第2データに応じた電位VXと、の積の和に応じた値となる。つまり、第2分電流ΔIβが活性化関数回路ACTVの端子aiに入力されることによって、第1データと第2データとの積和の値を取得し、かつ当該値に応じた活性化関数の値を求めることができる。
なお、容量素子C2の容量結合の影響をキャンセルしたい場合は、学習回路LECの端子io[1]から出力される、第1データ(電位VW[1])の更新量に応じた電位-VΔW[1]を、-VΔW[1]/AC2に置き換え、学習回路LECの端子io[2]から出力される、第1データ(電位VW[2])の更新量に応じた電位-VΔW[2]を、-VΔW[2]/AC2に置き換えればよい。これは、式(B31)に示す係数AC2を1に置き換えることに相当する。
ところで、時刻T08から時刻T09までの間において、配線HW[1]に-VΔW[1]を印加し、時刻T09から時刻T10までの間において、配線HW[2]に-VΔW[2]を印加したが、配線HW[1]及び配線HW[2]に印加する電位は、基準電位REFPよりも高くてもよい。配線HW[1]、及び/又は配線HW[2]に、基準電位REFPよりも高い電位を印加した場合、配線HW[1]、及び/又は配線HW[2]に接続されているメモリセルの保持ノードの電位を、容量結合によって高くすることができる。例えば、時刻T08から時刻T09までの間において、配線HW[1]に、-VΔW[1]でなくVΔW[1]を印加し時刻T09から時刻T10までの間において、配線HW[2]に、-VΔW[2]でなくVΔW[2]を印加した場合、第2差分電流ΔIβは、次の式の通りに表すことができる。
また、本動作例において、第1データの更新は1回目の場合を記載したが、第1データの更新を2回以上行う場合、更新の度に演算結果データを出力し、学習回路LECによって、更新量の総和を出力する必要がある。例えば、第1データの更新を2回行う場合、1回目の第1データの更新量に対応する電位を-VΔW,1stとし、2回目の第1データの更新量に対応する電位を-VΔW,2ndとすると、学習回路LECの端子io[1](又は端子io[2])から第1データ(電位VW[1])の更新量の総和(更新データ)に対応する電位は、VΣΔw=-VΔW,1st-VΔW,2ndとなる。
なお、本動作例では、2行3列のマトリクス状に配置されているメモリセルを有するメモリセルアレイMCAを扱ったが、3行以上、且つ4列以上のメモリセルアレイについても同様に、演算を行うことができる。例えば、メモリセルアレイMCAの行数を増やした場合の、第2差分電流ΔIβは、次の式で表すことができる。
本実施の形態で述べた演算回路100は、例えば、階層型のニューラルネットワークに用いることができる。具体的には、階層型のニューラルネットワークにおける第(K-1)層(Kは2以上の整数とする。)が有する全てのニューロンから第K層が有するニューロンの一に信号が与えられるとき、上述の第1データを重み係数、上述の第2データを第(K-1)層から出力される信号の強度とすることで、第(K-1)層から出力される信号の強度と重み係数の積和を計算することができる。更に当該積和の結果を活性化関数回路ACTVに入力することで、活性化関数の値を求めることができる。この活性化関数の値が、第K層が有するニューロンの一に入力される信号とすることができる。
また、階層型のニューラルネットワークにおいて学習を行う場合、第K層のニューロンから出力される信号の強度と、教師データと、の差分を取得し、当該差分に応じた更新量を算出し、第(K-1)層のニューロンと第K層のニューロンとの重み係数を当該更新量だけ変化させればよい。演算回路100では、第K層のニューロンから出力される信号の強度を演算結果データとして、当該演算結果データと外部から入力される教師データとによって、更新量(-VΔW[1]、-VΔW[2])を算出している。そして、重み係数である第1データを容量結合によって、更新量だけ変化させることで、重み係数の更新を行うことができる。
また、本実施の形態で述べた演算回路100では、上述の通り、メモリセルAMのノードNMに保持されている第1データの更新は、配線HW[1]又は配線HW[2]に更新量に応じた電位が与えられることで行われる。そのため、回路WDD及び回路WLDを駆動して、メモリセルAMのノードNMに、更新された第1データを書き込む必要が無くなる。つまり、回路WDD及び回路WLDの駆動頻度を少なくすることができるため、演算回路100の消費電力を低くすることができる。
ところで、本実施の形態で述べた演算回路100のメモリセルアレイMCAでは、メモリセルAM[1]と同じ構成のメモリセルの行数が前層のニューロンの数となる。換言すると、当該メモリセルの行数は、次層へ入力される前層のニューロンの出力信号の数に対応する。そして、メモリセルAM[1]と同じ構成のメモリセルの列数が、次層のニューロンの数となる。換言すると、当該メモリセルの列数は、次層から出力されるニューロンの出力信号の数に対応する。つまり、前層、次層のそれぞれのニューロンの個数によって、演算回路のメモリセルアレイMCAの行数、及び列数が定まるため、構成したいニューラルネットワークに応じて、メモリセルアレイの行数、及び列数を定めて、設計すればよい。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態及び/又は実施例と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で説明した演算回路100とは、異なる演算回路の構成例、及び動作例について説明する。
<構成例>
図12は、演算回路200の構成例を示している。図12に示す演算回路200は、図1に示した演算回路100において、メモリセルアレイMCAから、メモリセルAMxr[1]、メモリセルAMxr[2]、メモリセルAMwr[1]、メモリセルAMwr[2]を除き、電流供給回路ISからカレントミラー回路CMを除いた構成となっている。
また、演算回路100は、配線BLから活性化関数回路ACTVの端子aiに電流Iαが流れる構成であるが、演算回路200は、活性化関数回路ACTVの端子aiから配線BLに電流Iαが流れる構成とする。
図12に示す演算回路200のメモリセルアレイMCAが有するメモリセルAM[1]、及びメモリセルAM[2]は、実施の形態1で説明したメモリセルAM[1]、及びメモリセルAM[2]と同様の構成とすることができる。そのため、メモリセルAM[1]、及びメモリセルAM[2]の詳細については、実施の形態1で説明した演算回路100の説明を参酌する。
また、図12に示す演算回路200が有する、回路WDDと、回路WLDと、回路VLDと、活性化関数回路ACTVと、学習回路LECと、のそれぞれについても、実施の形態1で説明した回路WDDと、回路WLDと、回路VLDと、活性化関数回路ACTVと、学習回路LECと、のそれぞれと同様の構成とすることができる。そのため、回路WDDと、回路WLDと、回路VLDと、活性化関数回路ACTVと、学習回路LECと、については、実施の形態1で説明した演算回路100の説明を参酌する。
上述の通り、演算回路200の一部の構成は、演算回路100の一部と同様の構成とすることができるため、下記の演算回路200に関する説明において、実施の形態1の演算回路100の説明と重複する内容については省略する。
<<電流供給回路IS>>
図13では、図3(A)(B)、図4とは異なる、カレントミラー回路CMを有さない電流供給回路ISの構成例を示している。
図13に示す電流供給回路ISは、回路CS2と、回路CS3と、回路CS4と、スイッチSWCと、を有する。なお、スイッチSWCは、例えば、nチャネル型トランジスタとすることができる。
図13の電流供給回路ISにおいて、回路CS2は、トランジスタM22乃至トランジスタM24と、容量素子CD3と、容量素子CD4と、端子ct2と、を有し、回路CS3は、トランジスタM27乃至トランジスタM29と、容量素子CD7と、容量素子CD8と、端子ct3と、を有し、回路CS4は、トランジスタM32乃至トランジスタM34と、容量素子CD11と、容量素子CD12と、端子ct4と、を有する。なお、図13に示す電流供給回路ISに含まれるトランジスタは、nチャネル型トランジスタとしている。そのため、電流供給回路ISは、単極性回路として構成することができる。
また、図13に示す電流供給回路ISに含まれるトランジスタは、実施の形態1で説明したトランジスタTr1及びトランジスタTr2と同様に、OSトランジスタであることが好ましい。OSトランジスタについては、トランジスタTr1の説明の記載を参酌する。また、図13に示す電流供給回路ISに含まれるトランジスタは、Siトランジスタとしてもよい。
回路CS2及び回路CS3のそれぞれは、端子coに出力する電流を生成する定電流回路である。回路CS2は、容量素子CD3の第1端子、及び容量素子CD4の第1端子に保持された電位に基づいて、電流ICS2を生成する機能を有し、回路CS3は、容量素子CD7の第1端子、及び容量素子CD8の第1端子に保持された電位に基づいて、電流ICS3を生成する機能を有する。
回路CS4は、電流ICS2と電流ICS3との和から、特定の電位に基づいた電流を吸出する電流シンク回路である。回路CS4は、容量素子CD11の第1端子、及び容量素子CD12の第1端子に保持された電位に基づいて、トランジスタM32及びトランジスタM33のソース‐ドレイン間を介して、電流ICS4を吸出する機能を有する。
回路CS2において、トランジスタM22の第1端子は、配線VDDLに電気的に接続され、トランジスタM22の第2端子及びバックゲートは、トランジスタM23の第1端子に電気的に接続され、トランジスタM22のゲートは、配線SW2に電気的に接続されている。また、トランジスタM23の第2端子及びバックゲートは、容量素子CD4の第2端子と、端子ct2と、に電気的に接続され、トランジスタM23のゲートは、トランジスタM24の第1端子と、容量素子CD3の第1端子と、容量素子CD4の第1端子と、に電気的に接続されている。更に、トランジスタM24の第2端子は、配線VBSLに電気的に接続され、トランジスタM24のゲートは、配線SW3に電気的に接続され、容量素子CD3の第2端子は、配線SW3Bに電気的に接続されている。
回路CS3において、トランジスタM27の第1端子は、配線VDDLに電気的に接続され、トランジスタM27の第2端子及びバックゲートは、トランジスタM28の第1端子に電気的に接続され、トランジスタM27のゲートは、配線SW4に電気的に接続されている。また、トランジスタM28の第2端子及びバックゲートは、容量素子CD8の第2端子と、端子ct3と、に電気的に接続され、トランジスタM28のゲートは、トランジスタM29の第1端子と、容量素子CD7の第1端子と、容量素子CD8の第1端子と、に電気的に接続されている。更に、トランジスタM29の第2端子は、配線VBSLに電気的に接続され、トランジスタM29のゲートは、配線SW5に電気的に接続され、容量素子CD7の第2端子は、配線SW5Bに電気的に接続されている。
配線VBSLは、配線VBSLの電気的接続先に任意の電位を与えるための配線である。なお、当該電位は、電位VSSよりも大きいことが好ましい。
回路CS4において、トランジスタM32の第1端子は、トランジスタM34の第1端子と、端子ct4と、に電気的に接続され、トランジスタM32の第2端子は、トランジスタM33の第1端子に電気的に接続され、トランジスタM32のゲートは、配線SW6に電気的に接続されている。また、トランジスタM33の第2端子は、配線VSSLに電気的に接続され、トランジスタM33のバックゲートは、配線VSSLに電気的に接続され、トランジスタM33のゲートは、トランジスタM34の第2端子と、容量素子CD11の第1端子と、容量素子CD12の第1端子と、に電気的に接続されている。更に、トランジスタM34のゲートは、配線SW7に電気的に接続され、容量素子CD11の第2端子は、配線SW7Bに電気的に接続され、容量素子CD12の第2端子は、配線VSSLに電気的に接続されている。
スイッチSWCの第1端子は、端子ct2と、端子coと、に電気的に接続され、スイッチSWCの第2端子は、端子ct3と、端子ct4と、に電気的に接続され、スイッチSWCのオフ状態、オン状態の切り替えを行うための制御端子は、配線SW1に電気的に接続されている。
配線SW1乃至配線SW7は、低レベル電位、又は高レベル電位の一方が与えられる配線である。また、配線SW3Bは、配線SW3に入力されている信号の反転信号が入力される配線であり、配線SW5Bは、配線SW5に入力されている信号の反転信号が入力される配線であり、配線SW7Bは、配線SW7に入力されている信号の反転信号が入力される配線である。
<動作例>
次に、演算回路200の動作例について説明する。
ここでは、演算回路200において、電流Iαに応じた電位から演算結果データを取得して、第1データの更新をする動作について説明する。そのため、本動作例では、活性化関数回路ACTVは、図5(A)に示した活性化関数回路ACTVを適用して説明する。
図14乃至図16に演算回路200の動作例のタイミングチャートを示す。図14乃至図16のタイミングチャートは、時刻T11乃至時刻T38における、配線WL[1]、配線WL[2]、配線WD、ノードNM(AM[1])、ノードNM(AM[2])、配線VL[1]、配線VL[2]、配線HW[1]、配線HW[2]、配線SW1乃至配線SW7、配線SW3B、配線SW5B、配線SW7B、配線SWALの電位の変動を示し、電流IAMallの大きさの変動を示している。電流IAMallは、配線BLから、メモリセルアレイMCAのメモリセルAM[1]及びメモリセルAM[2]のそれぞれの端子m2に流れる電流の総和を示している。具体的には、図14のタイミングチャートは、時刻T11乃至時刻T20及びその近傍における演算回路200の動作例を示し、図15のタイミングチャートは、時刻T21乃至時刻T29及びその近傍における演算回路200の動作例を示し、図16のタイミングチャートは、時刻T30乃至時刻T38及びその近傍における演算回路200の動作例を示している。
なお、本動作例において、図5(A)の活性化関数回路ACTVのスイッチSWAとして、nチャネル型トランジスタが適用されているものとする。そのため、配線SWALが高レベル電位(図14乃至図16ではHighと表記している。)であるときにオン状態となり、配線SWALが低レベル電位(図14乃至図16ではLowと表記している。)であるときにオフ状態となるものとする。また、以下の動作例の説明では、特に断りが無いときは、配線SWALには低レベル電位が印加されているものとする。
また、本動作例において、図13に示す電流供給回路ISのスイッチSWCとして、nチャネル型トランジスタを適用されているものとする。そのため、配線SW1に高レベル電位が印加されているとき、スイッチSWCはオン状態となり、配線SW1に低レベル電位が印加されているとき、スイッチSWCはオフ状態となるものとする。
<<時刻T11から時刻T12まで>>
時刻T11から時刻T12までの間において、配線WL[1]に高レベル電位が印加され、配線WL[2]に低レベル電位が印加されている。加えて、配線WDには接地電位(図14乃至図16ではGNDと表記している。)よりもVWa[1]大きい電位が印加されている。更に、配線VL[1]、配線VL[2]、配線HW[1]、及び配線HW[2]にはそれぞれ基準電位(図14乃至図16ではREFPと表記している。また、本明細書等では初期電位と記載する場合がある。)が印加されている。
なお、このとき、複数の第1データの一に対応する電位をVW[1]として、VW[1]=VWb[1]-VWa[1]を満たすVWa[1]、及びVWb[1]を定義する。また、VW[1]は、正電位、又は負電位のどちらでもよい。
このとき、メモリセルAM[1]のトランジスタTr11のゲートに高レベル電位が印加されるため、メモリセルAM[1]のトランジスタTr1はオン状態となる。そのため、メモリセルAM[1]において、配線WDとノードNM(AM[1])との間が導通状態になるため、ノードNM(AM[1])の電位は、VWa[1]となる。
ここで、メモリセルAM[1]のトランジスタTr2の第2端子から第1端子に流れる電流を考える。配線BLからメモリセルAM[1]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[1],1としたとき、IAM[1],1は次の式で表すことができる。
kは、トランジスタTr2のチャネル長、チャネル幅、移動度、及びゲート絶縁膜の容量などで決まる定数である。また、Vthは、トランジスタTr2のしきい値電圧である。
なお、メモリセルAM[2]のトランジスタTr1のゲートに低レベル電位が印加されるため、メモリセルAM[2]のトランジスタTr1はオフ状態となる。このため、ノードNM(AM[2])への電位の書き込みは行われない。
<<時刻T12から時刻T13まで>>
時刻T12から時刻T13までの間において、配線WL[1]に低レベル電位が印加される。このとき、メモリセルAM[1]のトランジスタTr1のゲートに低レベル電位が印加されるため、メモリセルAM[1]のトランジスタTr1はオフ状態となる。
また、配線WL[2]には、時刻T12以前から引き続き、低レベル電位が印加されている。このため、メモリセルAM[2]のトランジスタTr1は、時刻T12以前からオフ状態となっている。
上述のとおり、メモリセルAM[1]、メモリセルAM[2]のそれぞれのトランジスタTr1はオフ状態となっているため、時刻T12から時刻T13までの間では、ノードNM(AM[1])、ノードNM(AM[2])のそれぞれの電位が保持される。
時刻T12から時刻T13までの間において、配線WDには接地電位が印加されている。メモリセルAM[1]、メモリセルAM[2]のそれぞれのトランジスタTr1は、オフ状態となっているため、配線WDからの電位の印加によって、メモリセルAM[1]、メモリセルAM[2]のそれぞれのノードに保持されている電位が書き換えられることは無い。
<<時刻T13から時刻T14まで>>
時刻T13から時刻T14までの間において、配線WL[1]に低レベル電位が印加され、配線WL[2]に高レベル電位が印加されている。加えて、配線WDには接地電位よりもVWa[2]大きい電位が印加されている。更に、時刻T12から引き続き、配線VL[1]、配線VL[2]、配線HW[1]、及び配線HW[2]には、それぞれ基準電位が印加されている。
なお、このとき、電位Vw[1]とは異なる、複数の第1データの一に対応する電位をVW[2]として、VW[2]=VWb[2]-VWa[2]を満たすVWa[2]、及びVWb[2]を定義する。また、VW[2]は、正電位、又は負電位のどちらでもよい。
このとき、メモリセルAM[2]のトランジスタTr1のゲートに高レベル電位が印加されるため、メモリセルAM[2]のトランジスタTr1は、オン状態となる。そのため、メモリセルAM[2]において、配線WDとノードNM(AM[2])との間が導通状態になるため、ノードNM(AM[2])の電位は、VWa[2]となる。
ここで、メモリセルAM[2]のトランジスタTr2の第2端子から第1端子に流れる電流を考える。配線BLからメモリセルAM[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[2],1としたとき、IAM[2],1は次の式で表すことができる。
ところで、図13に示す電流供給回路ISにおいて、時刻T11から時刻T14までの間では、配線SW1に低レベル電位が印加され、配線SW2に低レベル電位が印加され、配線SW3に低レベル電位が印加され、配線SW4に低レベル電位が印加され、配線SW5に低レベル電位が印加され、配線SW6に低レベル電位が印加され、配線SW7に低レベル電位が印加されている。また、配線SW3Bに高レベル電位が印加され、配線SW5Bには高レベル電位が印加され、配線SW7Bに高レベル電位が印加されている。そのため、回路CS2において、トランジスタM22がオフ状態となっているため、トランジスタM22を介して、配線VDDLから電流は流れない。また、回路CS3において、トランジスタM27がオフ状態となっているため、トランジスタM27を介して、配線VDDLから電流は流れない。更に、回路CS4において、トランジスタM32がオフ状態となっているため、トランジスタM32を介して、配線VSSLへ電流は流れない。つまり、時刻T11から時刻T14までの間において、電流供給回路ISは動作しない。
<<時刻T14から時刻T16まで>>
図13に示す電流供給回路ISにおいて、時刻T14から時刻T15までの間では、配線SW1に高レベル電位が印加され、配線SW2に低レベル電位が印加され、配線SW3に低レベル電位が印加され、配線SW4に高レベル電位が印加され、配線SW5に高レベル電位が印加され、配線SW6に低レベル電位が印加され、配線SW7に低レベル電位が印加されている。また、配線SW3Bに高レベル電位が印加され、配線SW5Bに低レベル電位が印加され、配線SW7Bに高レベル電位が印加されている。
このとき、スイッチSWCはオン状態となる。
また、回路CS2において、トランジスタM22がオフ状態となるので、トランジスタM22のソース‐ドレイン間を介して、配線VDDLから端子ct2に電流は流れない。つまり、回路CS2は、時刻T14から時刻T15までの間において、端子ct2に定電流を出力しない。
また、回路CS4において、トランジスタM32がオフ状態となるので、トランジスタM32のソース‐ドレイン間に電流は流れない。つまり、回路CS4は、時刻T14から時刻15までの間において、端子ct4から定電流を吸出しない。
回路CS3において、トランジスタM27がオン状態となり、トランジスタM29がオン状態となる。このとき、トランジスタM29のソース‐ドレイン間を介して、配線VBSLから容量素子CD7の第1端子、及び容量素子CD8の第1端子に任意の電位が印加される。そのため、回路CS3は、配線VDDLから、トランジスタM27及びトランジスタM28のそれぞれのソース‐ドレイン間を介して、当該電位に応じた電流を端子ct3に出力する。以後、当該電流をI1stと記載する。
ところで、メモリセルAM[1]、及びメモリセルAM[2]の端子m2に流れる電流の総和IC,1は、次の式で書き表すことができる。
ここで、配線VBSLの電位を次の式を満たすように変化させる。このときの当該電位を第1電位と呼称する。
次に、時刻T15から時刻T16までの間では、配線SW5に低レベル電位が印加されている。また、配線SW5Bに高レベル電位が印加されている。なお、配線SW1乃至配線SW4、配線SW6、配線SW7、配線SW3B、配線SW7Bのそれぞれについては、時刻T14から時刻T15までの間の電位が引き続き印加されている。
回路CS3において、時刻T15から時刻T16までの間では、配線SW5に低レベル電位が印加されているため、トランジスタM29がオフ状態となり、容量素子CD7の第1端子及び容量素子CD8の第1端子には、第1電位が保持される。また、配線SW4に高レベル電位が印加されているため、トランジスタM27はオン状態となり、回路CS3は、第1電位に応じた電流I1stを端子ct3に出力する。
<<時刻T16から時刻T17まで>>
時刻T16から時刻T17までの間において、配線VL[1]に基準電位よりもVX[1]高い電位が印加される。このとき、メモリセルAM[1]のそれぞれの容量素子C1の第2端子に、電位VX[1]が印加されるため、トランジスタTr2のゲートの電位が上昇する。
なお、電位Vx[1]は、複数の第2データの一に対応する電位である。
なお、トランジスタTr2のゲートの電位の増加分は、配線VL[1]の電位変化に、容量素子C1とその周辺の回路構成によって決まる容量結合係数を乗じた電位となる。例えば、該容量結合係数は、容量素子C1の容量、容量素子C2の容量、トランジスタTr2のゲート容量、寄生容量などによって算出することができる。本動作例では、例えば、容量素子C1による容量結合係数をAC1として、説明する。
容量結合係数をAC1としているため、メモリセルAM[1]の容量素子C1の第2端子に、電位VX[1]が印加されることによって、ノードNM(AM[1])の電位は、AC1VX[1]上昇する。
ここで、メモリセルAM[1]のトランジスタTr2の第2端子から第1端子に流れる電流を考える。配線BLからメモリセルAM[1]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[1],2としたとき、IAM[1],2は次の式で表すことができる。
つまり、配線VL[1]に電位VX[1]を印加することによって、配線BLからメモリセルAM[1]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流は、IAM[1],2-IAM[1],1(図14では、ΔIAM[1],2と表記する。)増加する。
なお、電流供給回路ISでは、配線SW1に低レベル電位が印加されているため、スイッチSWCはオフ状態となり、回路CS3で生成された電流I1stは端子coに流れない。
<<時刻T17から時刻T18まで>>
時刻T17から時刻T18までの間において、配線VL[2]に基準電位よりもVX[2]高い電位が印加される。このとき、メモリセルAM[2]の容量素子C1の第2端子に電位VX[2]が印加される。このため、メモリセルAM[2]のトランジスタTr2のゲートの電位が上昇する。
なお、電位Vx[2]は、電位Vx[1]とは異なる、複数の第2データの一に対応する電位である。
なお、配線VL[1]には、時刻T17以前から引き続き、基準電位よりもVX[1]高い電位が印加される。
また、メモリセルAM[2]の保持ノードの電位の変化についても同様に、それぞれのメモリセルの容量結合係数をAC1として説明する。容量結合係数をAC1としているため、メモリセルAM[2]の容量素子C1の第2端子に、電位VX[2]が印加されることによって、ノードNM(AM[2])の電位は、AC1VX[2]上昇する。
ここで、メモリセルAM[2]のトランジスタTr2の第2端子から第1端子に流れる電流を考える。配線BLからメモリセルAM[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[2],2としたとき、IAM[2],2は次の式で表すことができる。
つまり、配線VL[2]に電位VX[2]を印加することによって、配線BLからメモリセルAM[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流は、IAM[2],2-IAM[2],1(図14では、ΔIAM[2],2と表記する。)増加する。
<<時刻T18から時刻T21まで>>
図13に示す電流供給回路ISにおいて、時刻T18から時刻T19までの間では、配線SW1に低レベル電位が印加され、配線SW2に高レベル電位が印加され、配線SW3に高レベル電位が印加され、配線SW4に高レベル電位が印加され、配線SW5に低レベル電位が印加され、配線SW6に高レベル電位が印加され、配線SW7に高レベル電位が印加されている。また、配線SW3Bに低レベル電位が印加され、配線SW5Bに高レベル電位が印加され、配線SW7Bに低レベル電位が印加されている。
このとき、スイッチSWCはオフ状態となる。
また、回路CS3において、配線SW4、配線SW5、配線SW5Bのそれぞれの電位は、時刻T15から変化していないため、回路CS3の容量素子CD7の第1端子及び容量素子CD8の第1端子には、引き続き、第1電位が保持される。更に、トランジスタM27がオン状態であるため、回路CS3は、端子ct3にI1stを出力する。
回路CS4において、トランジスタM32、及びトランジスタM34がオン状態となっているため、トランジスタM33の第1端子とトランジスタM33のゲートとの間が導通状態となる。つまり、トランジスタM33はダイオード接続の構成となる。また、スイッチSWCがオフ状態であるため、回路CS3の端子ct3からの電流I1stが、回路CS4の端子ct4を介して、配線VSSLに流れる。また、このとき、容量素子CD11の第1端子及び容量素子CD12の第1端子には、電流I1stに応じた電位が保持される。このときの電位を第3電位と呼称する。
また、回路CS2において、トランジスタM22がオン状態となり、トランジスタM24がオン状態となる。このとき、トランジスタM24のソース‐ドレイン間を介して、配線VBSLから容量素子CD7の第1端子、及び容量素子CD8の第1端子に任意の電位が印加される。そのため、回路CS2は、配線VDDLから、トランジスタM22及びトランジスタM23のそれぞれのソース‐ドレイン間を介して、当該電位に応じた電流を端子ct2から出力する。以後、当該電流をI2ndと記載する。
ところで、メモリセルAM[1]、及びメモリセルAM[2]の端子m2に流れる電流の総和IC,2は、次の式で書き表すことができる。
ここで、配線VBSLの電位を次の式を満たすように変化させる。このときの電位を第2電位と呼称する。
次に、時刻T19から時刻T20までの間では、配線SW3に低レベル電位が印加され、配線SW7に低レベル電位が印加されている。また、配線SW3Bに高レベル電位が印加され、配線SW7Bに高レベル電位が印加されている。なお、配線SW1、配線SW2、配線SW4乃至配線SW6、配線SW5Bのそれぞれについては、時刻T18から時刻T19までの間の電位が引き続き印加されている。
回路CS2において、時刻T19から時刻T20までの間では、配線SW3に低レベル電位が印加されているため、トランジスタM24がオフ状態となり、容量素子CD3の第1端子及び容量素子CD4の第1端子には、第2電位が保持される。また、配線SW3に高レベル電位が印加されているため、トランジスタM22がオン状態となり、回路CS2は、第2電位に応じた電流I2ndを端子ct2に出力する。
また、回路CS4において、時刻T19から時刻T20までの間では、配線SW7に低レベル電位が印加されているため、トランジスタM34がオフ状態となり、容量素子CD11の第1端子及び容量素子CD12の第1端子には、第3電位が保持される。また、配線SW6に高レベル電位が印加されているため、トランジスタM32はオン状態となり、回路CS4は、第3電位に応じた電流I1stを端子ct4から吸出する。
時刻T20から時刻T21までの間では、配線SW2に低レベル電位が印加され、配線SW6に低レベル電位が印加されている。なお、配線SW1、配線SW3乃至配線SW5、配線SW7、配線SW3B、配線SW5B、配線SW7Bのそれぞれについては、時刻T20から時刻T21までの間の電位が引き続き印加されている。
回路CS2において、時刻T20から時刻T21までの間では、配線SW2に低レベル電位が印加されているため、トランジスタM22はオフ状態となり、端子ct2への電流I2ndの出力は行われない。
また、回路CS4において、時刻T20から時刻T21までの間では、配線SW6に低レベル電位が印加されているため、トランジスタM32はオフ状態となり、端子ct4からの電流I1stの吸出は行われない。
<<時刻T21から時刻T22まで>>
時刻T21から時刻T22までの間において、配線WL[1]に高レベル電位が印加され、配線WL[2]に低レベル電位が印加されている。加えて、配線WDには接地電位よりもVWb[1]大きい電位が印加されている。更に、配線VL[1]、配線VL[2]、配線HW[1]、及び配線HW[2]にはそれぞれ基準電位が印加されている。
このとき、メモリセルAM[1]のトランジスタTr11のゲートに高レベル電位が印加されるため、メモリセルAM[1]のトランジスタTr1はオン状態となる。そのため、メモリセルAM[1]において、配線WDとノードNM(AM[1])との間が導通状態になるため、ノードNM(AM[1])の電位は、VWb[1]となる。
ここで、メモリセルAM[1]のトランジスタTr2の第2端子から第1端子に流れる電流を考える。配線BLからメモリセルAM[1]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[1],3としたとき、IAM[1],3は次の式で表すことができる。
このとき、配線BLからメモリセルAM[1]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流は、IAM[1],3-IAM[1],2変化する(図15では、ΔIAM[1],3と表記し、電流の増加を示している。)。
<<時刻T22から時刻T23まで>>
時刻T22から時刻T23までの間において、配線WL[1]に低レベル電位が印加される。このとき、メモリセルAM[1]のトランジスタTr1のゲートに低レベル電位が印加されるため、メモリセルAM[1]のトランジスタTr1はオフ状態となる。
なお、時刻T22から時刻T23までの間のメモリセルAM[1]、メモリセルAM[2]の動作については、時刻T12から時刻T13までの間の動作の説明を参酌する。
<<時刻T23から時刻T24まで>>
時刻T23から時刻T24までの間において、配線WL[1]に低レベル電位が印加され、配線WL[2]に高レベル電位が印加されている。加えて、配線WDには接地電位よりもVWb[2]大きい電位が印加されている。更に、時刻T22から引き続き、配線VL[1]、配線VL[2]、配線HW[1]、及び配線HW[2]には、それぞれ基準電位が印加されている。
このとき、メモリセルAM[2]のトランジスタTr1のゲートに高レベル電位が印加されるため、メモリセルAM[2]のトランジスタTr1は、オン状態となる。そのため、メモリセルAM[2]において、配線WDとノードNM(AM[2])との間が導通状態になるため、ノードNM(AM[2])の電位は、VWb[2]となる。
ここで、メモリセルAM[2]のトランジスタTr2の第2端子から第1端子に流れる電流を考える。配線BLからメモリセルAM[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[2],2としたとき、IAM[2],2は次の式で表すことができる。
このとき、配線BLからメモリセルAM[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流は、IAM[2],3-IAM[2],2変化する(図15では、ΔIAM[2],3と表記し、電流の減少を示している。)。
<<時刻T24から時刻T26まで>>
図13に示す電流供給回路ISにおいて、時刻T24から時刻T25までの間では、配線SW1に高レベル電位が印加され、配線SW2に低レベル電位が印加され、配線SW3に低レベル電位が印加され、配線SW4に高レベル電位が印加され、配線SW5に高レベル電位が印加され、配線SW6に低レベル電位が印加され、配線SW7に低レベル電位が印加されている。また、配線SW3Bに高レベル電位が印加され、配線SW5Bに低レベル電位が印加され、配線SW7Bに高レベル電位が印加されている。
このとき、スイッチSWCはオン状態となる。
また、回路CS2において、トランジスタM22がオフ状態となるので、端子ct2への電流I2ndの出力は行われない。また、時刻T20からトランジスタM24がオフ状態となっているため、容量素子CD3の第1端子、及び容量素子CD4の第1端子には、引き続き、第2電位が保持されている。
また、回路CS4において、トランジスタM32がオフ状態となるので、端子ct4からの電流I1stの吸出は行われない。また、時刻T20からトランジスタM34がオフ状態となっているため、容量素子CD11の第1端子、及び容量素子CD12の第1端子には、引き続き、第3電位が保持されている。
回路CS3において、トランジスタM27がオン状態となり、トランジスタM29がオン状態となる。このとき、トランジスタM29のソース‐ドレイン間を介して、配線VBSLから容量素子CD7の第1端子、及び容量素子CD8の第1端子に任意の電位が印加される。そのため、回路CS3は、配線VDDLから、トランジスタM27及びトランジスタM28のそれぞれのソース‐ドレイン間を介して、当該電位に応じた電流が出力される。以後、当該電流をI3rdと記載する。
ところで、メモリセルAM[1]、及びメモリセルAM[2]の端子m2に流れる電流の総和IC,3は、次の式で書き表すことができる。
ここで、配線VBSLの電位を次の式を満たすように変化させる。このときの電位を第4電位と呼称する。
次に、時刻T25から時刻T26までの間では、配線SW5に低レベル電位が印加されている。また、配線SW5Bに高レベル電位が印加されている。なお、配線SW1乃至配線SW4、配線SW6、配線SW7、配線SW3B、配線SW7Bのそれぞれについては、時刻T24から時刻T25までの間の電位が引き続き印加されている。
回路CS3において、時刻T25から時刻T26までの間では、配線SW5に低レベル電位が印加されているため、容量素子CD7の第1端子及び容量素子CD8の第1端子には、第4電位が保持される。また、配線SW4に高レベル電位が印加されているため、トランジスタM27はオン状態となり、回路CS3は第4電位に応じた電流I3rdを端子ct3に出力する。
<<時刻T26から時刻T27まで>>
時刻T26から時刻T27までの間において、再び、配線VL[1]に基準電位よりもVX[1]高い電位が印加される。このとき、メモリセルAM[1]のそれぞれの容量素子C1の第2端子に、電位VX[1]が印加されるため、トランジスタTr2のゲートの電位がAC1VX[1]上昇する。
なお、時刻T26から時刻T27までの間のメモリセルAM[1]の動作については、時刻T16から時刻T17までの間の動作の説明を参酌する。
ここで、メモリセルAM[1]のトランジスタTr2の第2端子から第1端子に流れる電流を考える。配線BLからメモリセルAM[1]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[1],4としたとき、IAM[1],4は次の式で表すことができる。
つまり、配線VL[1]に電位VX[1]を印加することによって、配線BLからメモリセルAM[1]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流は、IAM[1],4-IAM[1],3(図15では、ΔIAM[1],4と表記する。)増加する。
<<時刻T27から時刻T28まで>>
時刻T27から時刻T28までの間において、再び、配線VL[2]に基準電位よりもVX[2]高い電位が印加される。このとき、メモリセルAM[2]の容量素子C1の第2端子に電位VX[2]が印加される。このため、メモリセルAM[2]のトランジスタTr2のゲートの電位がAC1VX[2]上昇する。
なお、時刻T27から時刻T28までの間のメモリセルAM[2]の動作については、時刻T17から時刻T18までの間の動作の説明を参酌する。
なお、配線VL[1]には、時刻T17以前から引き続き、基準電位よりもVX[1]高い電位が印加される。
ここで、メモリセルAM[2]のトランジスタTr2の第2端子から第1端子に流れる電流を考える。配線BLからメモリセルAM[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[2],4としたとき、IAM[2],4は次の式で表すことができる。
つまり、配線VL[2]に電位VX[2]を印加することによって、配線BLからメモリセルAM[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流は、IAM[2],4-IAM[2],3(図15では、ΔIAM[2],4と表記する。)増加する。
<<時刻T28から時刻T30まで>>
図13に示す電流供給回路ISにおいて、時刻T28から時刻T29までの間では、配線SW1に高レベル電位が印加され、配線SW2に高レベル電位が印加され、配線SW3に低レベル電位が印加され、配線SW4に高レベル電位が印加され、配線SW5に低レベル電位が印加され、配線SW6に高レベル電位が印加され、配線SW7に低レベル電位が印加されている。また、配線SW3Bに高レベル電位が印加され、配線SW5Bに高レベル電位が印加され、配線SW7Bに高レベル電位が印加されている。
このとき、スイッチSWCはオン状態となる。
回路CS2において、トランジスタM22のゲートには、配線SW2が電気的に接続されているため、トランジスタM22はオン状態となる。また、容量素子CD3の第1端子及び容量素子CD4の第1端子には第2電位が保持されているため、回路CS2は、第2電位に応じた電流I2ndを端子ct2に出力する。
回路CS3において、トランジスタM27のゲートには、配線SW4が電気的に接続されているため、トランジスタM27はオン状態となる。また、容量素子CD7の第1端子及び容量素子CD8の第1端子には第4電位が保持されているため、回路CS3は、第4電位に応じた電流I3rdを端子ct3に出力する。
回路CS4において、トランジスタM32のゲートには、配線SW6が電気的に接続されているため、トランジスタM32はオン状態となる。また、容量素子CD11の第1端子及び容量素子CD12の第1端子には第3電位が保持されているため、回路CS4は、第3電位に応じた電流I1stを端子ct4から吸出する。
ところで、メモリセルAM[1]、及びメモリセルAM[2]の端子m2に流れる電流の総和I4thは、次の式で書き表すことができる。
ここで、配線SWALに高レベル電位を印加して、活性化関数回路ACTVのスイッチSWAをオン状態にして、活性化関数回路ACTVの端子aiから電流を供給する。このとき、当該電流をIαとする。このとき、Iαは、式(C1)乃至式(C15)を用いて、次の式で書き表すことができる。
式(C16)に示すとおり、端子aiから流れるIαは、複数の第1データである電位と、複数の第2データである電位と、の積の和に応じた値となる。つまり、活性化関数回路ACTVの端子aiから出力されるIαを算出することにより、更新後の第1データと第2データとの積和の値を取得し、かつ当該値に応じた活性化関数の値を求めることができる。
ところで、時刻T16から時刻T17までの間、及び時刻T26から時刻T27までの間において、配線VL[1]にVW[1]を印加し、時刻T17から時刻T18までの間、及び時刻T27から時刻T28までの間において、配線VL[2]にVW[2]を印加したが、配線VL[1]及び配線VL[2]に印加する電位は、基準電位REFPよりも低くてもよい。配線VL[1]、及び/又は配線VL[2]に、基準電位REFPよりも低い電位を印加した場合、配線VL[1]、及び/又は配線VL[2]に接続されているメモリセルの保持ノードの電位を、容量結合によって低くすることができる。これにより、積和演算において、第1データと、負の値である第2データの一との積を行うことができる。
なお、本動作例では、2行1列のマトリクス状に配置されているメモリセルを有するメモリセルアレイMCAについて扱ったが、3行以上、且つ2列以上のメモリセルアレイについても同様に、演算を行うことができる。例えば、上述したメモリセルAM[1]、メモリセルAM[2]と同じ接続構成のメモリセルを有する列を複数設けることで、当該複数列の分の演算処理を同時に実行することができる。つまり、メモリセルアレイの列の数を増やすことで、高速な演算処理を実現する半導体装置を提供することができる。また、行数を増やすことによって、積和演算における、足し合わせる項数を増やすことができる。行数を増やした場合の、Iαは次の式で表すことができる。
時刻T29から時刻T30までの間では、時刻T28から時刻T29までの間で算出されたIαに応じた演算結果データが、端子afbから出力される。そして、演算結果データは、学習回路LECの端子gi4に入力される。また、このとき、学習回路LECの端子gi1には入力データが入力され、学習回路LECの端子gi2[1]には第2データの一としてVX[1]が入力され、学習回路LECの端子gi2[2]には第2データの一としてVX[2]が入力され、学習回路LECの端子gi3には教師データが入力される。
<<時刻T30から時刻T31まで>>
図13に示す電流供給回路ISにおいて、時刻T30から時刻T31までの間では、配線SW1に低レベル電位が印加され、配線SW2に低レベル電位が印加され、配線SW3に低レベル電位が印加され、配線SW4に低レベル電位が印加され、配線SW5に低レベル電位が印加され、配線SW6に高レベル電位が印加され、配線SW7に低レベル電位が印加されている。また、配線SW3Bに高レベル電位が印加され、配線SW5Bに高レベル電位が印加され、配線SW7Bに高レベル電位が印加されている。
このとき、スイッチSWCはオフ状態となる。
また、回路CS2において、トランジスタM22がオフ状態となるので、端子ct2への電流2ndの出力は行われない。また、時刻T20からトランジスタM24がオフ状態となっているため、容量素子CD3の第1端子及び容量素子CD4の第1端子には、引き続き、第2電位が保持されている。
回路CS3において、トランジスタM27がオフ状態となるので、端子ct3への電流I3rdの出力は行われない。また、時刻T25からトランジスタM29がオフ状態となっているため、容量素子CD7の第1端子及び容量素子CD8の第1端子には、引き続き、第4電位が保持されている。
回路CS4において、トランジスタM32がオフ状態となるので、端子ct4から電流I1stの吸出は行われない。また、時刻T20からトランジスタM34がオフ状態となっているため、容量素子CD11の第1端子及び容量素子CD12の第1端子には、引き続き、第3電位が保持されている。
<<時刻T31から時刻T32まで>>
時刻T31から時刻T32までの間において、学習回路LECの端子io[1]から第1データ(電位VW[1])の更新量の総和(更新データ)に対応する電位VΣΔwが出力される。なお、本動作例では、1回目の第1データの更新の場合を記載するものとし、学習回路LECの端子io[1]から第1データ(電位VW[1])の更新量に対応する電位VΔW[1]が出力されるものとする。このとき、配線HW[1]にVΔW[1]が印加されることになるため、メモリセルAM[1]において、端子m5を介して、容量素子C2の第2端子に電位VΔW[1]が印加され、トランジスタTr2のゲートの電位が変動する。トランジスタTr2のゲートの電位の変動量は、配線HW[1]の電位変化に、容量素子C2とその周辺の回路構成によって決まる容量結合係数を乗じた電位となる。例えば、該容量結合係数は、容量素子C1の容量、容量素子C2の容量、トランジスタTr2のゲート容量、寄生容量などによって算出することができる。本動作例では、容量素子C2による容量結合係数をAC2とすると、トランジスタTr2のゲートの電位の変動量は、AC2VΔW[1]となる。
なお、上述の通り、容量素子C2の容量結合により、学習回路LECの端子io[1]から出力される、第1データ(電位VW[1])の更新量に応じた電位VΔW[1]を、ノードNM(AM[1])、及びノードNM(AMwr[1])のそれぞれの電位に、そのまま加算することができない。そのため、学習回路LECの端子io[1]から出力される、第1データ(電VW[1])の更新量に応じた電位は、容量素子C2の容量結合の影響をキャンセルするような電位とすることが好ましい。例えば、学習回路LECの端子io[1]から出力される、第1データ(電位VW[1])の更新量に応じた電位を、VΔW[1]/AC2とすることで、容量素子C2の容量結合の影響をキャンセルすることができる。本動作例では、学習回路LECの端子io[1]から出力される、第1データ(電位VW[1])の更新量に応じた電位をVΔW[1]として、説明する。
また、時刻T31から時刻T32までの間において、配線VL[1]に基準電位が印加される。このとき、メモリセルAM[1]の容量素子C1の第2端子に基準電位が印加されるため、メモリセルAM[1]のトランジスタTr2のゲートの電位は、時刻T30から時刻T31までの間の電位と比較して低下する。
以上より、ノードNM(AM[1])の電位は、VWb[1]とAC2VΔW[1]との和となる。このとき、配線BLからメモリセルAM[1]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[1],5としたとき、IAM[1],5は次の式で表すことができる。
このとき、配線BLからメモリセルAM[1]のトランジスタ1r2の第2端子を介して第1端子に流れる電流は、IAM[1],5-IAM[1],4変化する(図16では、ΔIAM[1],5と表記し、電流の減少を示している。)。
<<時刻T32から時刻T33まで>>
時刻T32から時刻T33までの間において、学習回路LECの端子io[2]から第1データ(電位VW[2])の更新量の総和(更新データ)に対応する電位VΣΔwが出力される。なお、本動作例では、1回目の第1データの更新の場合を記載するものとし、学習回路LECの端子io[2]から第1データ(電位VW[2])の更新量に対応する電位VΔW[2]が出力されるものとする。このとき、配線HW[2]にVΔW[2]が印加されることになるため、メモリセルAM[2]において、端子m5を介して、容量素子C2の第2端子に電位VΔW[2]が印加される。メモリセルAM[2]の保持ノードの電位の変化についても同様に、それぞれのメモリセルの容量結合係数をAC2として説明する。容量結合係数をAC2としているため、メモリセルAM[2]の容量素子C2の第2端子に、電位VΔW[2]が印加されることによって、ノードNM(AM[2])の電位は、AC2VΔW[2]変化する。
なお、時刻T31から時刻T32までの間での動作の説明と同様に、容量素子C2の容量結合係数をキャンセルするために、学習回路LECの端子io[2]から第1データ(電位VW[2])の更新量の総和(更新データ)に対応する電位を、VΔW[2]/AC2としてもよい。
また、時刻T32から時刻T33までの間において、配線VL[2]に基準電位が印加される。このとき、メモリセルAM[2]の容量素子C1の第2端子に基準電位が印加されるため、メモリセルAM[2]のトランジスタTr2のゲートの電位は、時刻T31から時刻T32までの間の電位と比較して低下する。
以上より、ノードNM(AM[2])の電位は、VWb[2]とAC2VΔW[2]との和となる。このとき、配線BLからメモリセルAM[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[2],5としたとき、IAM[2],5は次の式で表すことができる。
このとき、配線BLからメモリセルAM[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流は、IAM[2],5-IAM[2],4変化する(図16では、ΔIAM[2],6と表記し、電流の減少を示している。)。
<<時刻T33から時刻T35まで>>
図13に示す電流供給回路ISにおいて、時刻T33から時刻T34までの間では、配線SW1に高レベル電位が印加され、配線SW2に低レベル電位が印加され、配線SW3に低レベル電位が印加され、配線SW4に高レベル電位が印加され、配線SW5に高レベル電位が印加され、配線SW6に低レベル電位が印加され、配線SW7に低レベル電位が印加されている。また、配線SW3Bに高レベル電位が印加され、配線SW5Bに低レベル電位が印加され、配線SW7Bに高レベル電位が印加されている。
このとき、スイッチSWCはオン状態となる。
また、回路CS2において、トランジスタM22がオフ状態となるので、端子ct2への電流I2ndの出力は行われない。また、時刻T20からトランジスタM24がオフ状態となっているため、容量素子CD3の第1端子、及び容量素子CD4の第1端子には、引き続き、第2電位が保持されている。
また、回路CS4において、トランジスタM32がオフ状態となるので、端子ct4からの電流I1stの吸出は行われない。また、時刻T20からトランジスタM34がオフ状態となっているため、容量素子CD11の第1端子、及び容量素子CD12の第1端子には、引き続き、第3電位が保持されている。
回路CS3において、トランジスタM27がオン状態となり、トランジスタM29がオン状態となる。このとき、トランジスタM29のソース‐ドレイン間を介して、配線VBSLから容量素子CD7の第1端子、及び容量素子CD8の第1端子に任意の電位が印加される。そのため、回路CS3は、配線VDDLから、トランジスタM27及びトランジスタM28のそれぞれのソース‐ドレイン間を介して、当該電位に応じた電流が出力される。以後、当該電流をI5thと記載する。
ところで、メモリセルAM[1]、及びメモリセルAM[2]の端子m2に流れる電流の総和IC,5は、次の式で書き表すことができる。
ここで、配線VBSLの電位を次の式を満たすように変化させる。このときの電位を第5電位と呼称する。
次に、時刻T34から時刻T35までの間では、配線SW5に低レベル電位が印加されている。また、配線SW5Bに高レベル電位が印加されている。なお、配線SW1乃至配線SW4、配線SW6、配線SW7、配線SW3B、配線SW7Bのそれぞれについては、時刻T33から時刻T34までの間の電位が引き続き印加されている。
回路CS3において、時刻T35から時刻T36までの間では、配線SW5に低レベル電位が印加されているため、容量素子CD7の第1端子及び容量素子CD8の第1端子には、第5電位が保持される。また、配線SW4に高レベル電位が印加されているため、トランジスタM27はオン状態となり、回路CS3はI5thを出力する。
<<時刻T35から時刻T36まで>>
時刻T35から時刻T36までの間において、再び、配線VL[1]に基準電位よりもVX[1]高い電位が印加される。このとき、メモリセルAM[1]のそれぞれの容量素子C1の第2端子に、電位VX[1]が印加されるため、トランジスタTr2のゲートの電位がAC1VX[1]変化する。
なお、時刻T36から時刻T37までの間のメモリセルAM[1]の動作については、時刻T16から時刻T17までの間の動作の説明を参酌する。
ここで、メモリセルAM[1]のトランジスタTr2の第2端子から第1端子に流れる電流を考える。配線BLからメモリセルAM[1]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[1],6としたとき、IAM[1],6は次の式で表すことができる。
つまり、配線VL[1]に電位VX[1]を印加することによって、配線BLからメモリセルAM[1]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流は、IAM[1],6-IAM[1],5(図14では、ΔIAM[1],6と表記する。)増加する。
<<時刻T36から時刻T37まで>>
時刻T36から時刻T37までの間において、再び、配線VL[2]に基準電位よりもVX[2]高い電位が印加される。このとき、メモリセルAM[2]の容量素子C1の第2端子に電位VX[2]が印加される。このため、メモリセルAM[2]のトランジスタTr2のゲートの電位がAC1VX[2]変化する。
なお、時刻T37から時刻T38までの間のメモリセルAM[2]の動作については、時刻T27から時刻T28までの間の動作の説明を参酌する。
なお、配線VL[1]には、時刻T27以前から引き続き、基準電位よりもVX[1]高い電位が印加される。
ここで、メモリセルAM[2]のトランジスタTr2の第2端子から第1端子に流れる電流を考える。配線BLからメモリセルAM[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[2],6としたとき、IAM[2],6は次の式で表すことができる。
つまり、配線VL[2]に電位VX[2]を印加することによって、配線BLからメモリセルAM[2]のトランジスタTr2の第2端子を介して第1端子に流れる電流は、IAM[2],6-IAM[2],6(図14では、ΔIAM[2],6と表記する。)増加する。
<<時刻T37から時刻T38まで>>
図13に示す電流供給回路ISにおいて、時刻T37から時刻T38までの間では、配線SW1に高レベル電位が印加され、配線SW2に高レベル電位が印加され、配線SW3に低レベル電位が印加され、配線SW4に高レベル電位が印加され、配線SW5に低レベル電位が印加され、配線SW6に高レベル電位が印加され、配線SW7に低レベル電位が印加されている。また、配線SW3Bに高レベル電位が印加され、配線SW5Bに高レベル電位が印加され、配線SW7Bに高レベル電位が印加されている。
このとき、スイッチSWCはオン状態となる。
回路CS2において、トランジスタM22のゲートには、配線SW2が電気的に接続されているため、トランジスタM22はオン状態となる。また、容量素子CD3の第1端子及び容量素子CD4の第1端子には第2電位が保持されているため、回路CS2は、第2電位に応じた電流I2ndを端子ct2に出力する。
回路CS3において、トランジスタM27のゲートには、配線SW4が電気的に接続されているため、トランジスタM27はオン状態となる。また、容量素子CD7の第1端子及び容量素子CD8の第1端子には第5電位が保持されているため、回路CS3は、第5電位に応じた電流I5thを端子ct3に出力する。
回路CS4において、トランジスタM32のゲートには、配線SW6が電気的に接続されているため、トランジスタM32はオン状態となる。また、容量素子CD11の第1端子及び容量素子CD12の第1端子には第2電位が保持されているため、回路CS4は、第3電位に応じた電流I1stを端子ct4から吸出する。
ところで、メモリセルAM[1]、及びメモリセルAM[2]の端子m2に流れる電流の総和I6thは、次の式で書き表すことができる。
ここで、配線SWALに高レベル電位を印加して、活性化関数回路ACTVのスイッチSWAをオン状態にして、活性化関数回路ACTVの端子aiから流れる電流を供給する。このとき、当該電流をIβとする。このとき、Iβは、式(C1)乃至式(C8)、式(C18)乃至(C24)を用いて、次の式で書き表すことができる。
式(C25)に示すとおり、端子aiから流れる電流ΔIβは、更新された複数の第1データに応じた電位と、複数の第2データに応じた電位と、の積の和に相当する値となる。つまり、活性化関数回路ACTVの端子aiから出力されるIβを算出することによって、更新後の第1データと第2データとの積和の値を取得し、かつ当該値に応じた活性化関数の値を求めることができる。
なお、容量素子C2の容量結合の影響をキャンセルしたい場合は、学習回路LECの端子io[1]から出力される、第1データ(電位VW[2])の更新量に応じた電位VΔW[1]を、VΔW[1]/AC2に置き換え、学習回路LECの端子io[2]から出力される、第1データ(電位VW[2])の更新量に応じた電位VΔW[2]を、VΔW[2]/AC2に置き換えればよい。これは、式(C25)に示す係数AC2を1に置き換えることに相当する。
また、本動作例において、第1データの更新は1回目の場合を記載したが、第1データの更新を2回以上行う場合、更新の度に演算結果データを出力し、学習回路LECによって、更新量の総和を出力する必要がある。例えば、第1データの更新を2回行う場合、1回目の第1データの更新量に対応する電位をVΔW,1stとし、2回目の第1データの更新量に対応する電位をVΔW,2ndとすると、学習回路LECの端子io[1](又は端子io[2])から第1データ(電位VW[1])の更新量の総和(更新データ)に対応する電位は、VΣΔw=VΔW,1st+VΔW,2ndとなる。
なお、本動作例では、2行1列のマトリクス状に配置されているメモリセルを有するメモリセルアレイMCAについて扱ったが、3行以上、且つ2列以上のメモリセルアレイについても同様に、演算を行うことができる。例えば、メモリセルアレイMCAの行数を増やした場合のIβは、次の式で表すことができる。
本実施の形態で述べた演算回路200は、演算回路100と同様に、階層型のニューラルネットフークに用いることができる。
また、その場合、本実施の形態で述べた演算回路200のメモリセルアレイMCAでは、メモリセルAM[1]と同じ構成のメモリセルの行数が前層のニューロンの数となる。換言すると、当該メモリセルの行数は、次層へ入力される前層のニューロンの出力信号の数に対応する。そして、メモリセルAM[1]と同じ構成のメモリセルの列数が、次層のニューロンの数となる。換言すると、当該メモリセルの列数は、次層から出力されるニューロンの出力信号の数に対応する。つまり、前層、次層のそれぞれのニューロンの個数によって、演算回路のメモリセルアレイMCAの行数、及び列数が定まるため、構成したいニューラルネットワークに応じて、メモリセルアレイの行数、及び列数を定めて、設計すればよい。
また、本実施の形態で述べた演算回路200では、上述の通り、メモリセルAMのノードNMに保持されている第1データの更新は、配線HW[1]又は配線HW[2]に更新量に応じた電位が与えられることで行われる。そのため、回路WDD及び回路WLDを駆動して、メモリセルAMのノードNMに、更新された第1データを書き込む必要が無くなる。つまり、回路WDD及び回路WLDの駆動頻度を少なくすることができるため、演算回路200の消費電力を低くすることができる。
更に、演算回路200は、実施の形態1で説明した演算回路100と比較して、第1参照データ及び第2参照データを保持するメモリセルAMを設けていないため、演算回路100よりも回路面積を小さくすることができる。
なお、本発明の一態様に係る演算回路200の構成は、本実施の形態で説明した構成に限定されない。演算回路200の構成は、状況に応じて、回路素子の取捨選択、及び/又は電気的な接続の構成の変更を行うことができる。例えば、演算回路200は、配線SW1乃至配線SW7、配線SW3B、配線SW5B、配線SW7Bのそれぞれの電位の変動によって動作を行うが、本実施の形態の動作例(図14乃至図16のタイミングチャート)から配線SW4と配線SW6とは同一の配線とし、配線SW5と配線SW7とは同一の配線とし、配線SW5Bと配線SW7Bとは同一の配線とすることができる。このような構成にすることにより、演算回路200に設ける配線数を少なくすることができるため、演算回路200の回路面積を低減することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態及び/又は実施例と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した半導体装置に適用可能なOSトランジスタの構成例について説明する。
<半導体装置の構成例>
図17に示す半導体装置は、トランジスタ300と、トランジスタ500と、容量素子600と、を有している。図19(A)はトランジスタ500のチャネル長方向の断面図であり、図19(B)はトランジスタ500のチャネル幅方向の断面図であり、図19(C)はトランジスタ300のチャネル幅方向の断面図である。
トランジスタ500は、チャネル形成領域に金属酸化物を有するトランジスタ(OSトランジスタ)である。トランジスタ500は、オフ電流が小さいため、これを半導体装置、特にメモリセルMCのトランジスタTr1に用いることにより、長期にわたり第1データを保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作の頻度が少ない、あるいは、リフレッシュ動作を必要としないため、半導体装置の消費電力を低減することができる。
本実施の形態で説明する半導体装置は、図17に示すようにトランジスタ300、トランジスタ500、容量素子600を有する。トランジスタ500はトランジスタ300の上方に設けられ、容量素子600はトランジスタ300、及びトランジスタ500の上方に設けられている。
トランジスタ300は、基板311上に設けられ、導電体316、絶縁体315、基板311の一部からなる半導体領域313、ソース領域又はドレイン領域として機能する低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bを有する。なお、トランジスタ300は、上記実施の形態におけるトランジスタTr2に適用することができる。
トランジスタ300は、図19(C)に示すように、半導体領域313の上面及びチャネル幅方向の側面が絶縁体315を介して導電体316に覆われている。このように、トランジスタ300をFin型とすることにより、実効上のチャネル幅が増大することによりトランジスタ300のオン特性を向上させることができる。また、ゲート電極の電界の寄与を高くすることができるため、トランジスタ300のオフ特性を向上させることができる。
なお、トランジスタ300は、pチャネル型、あるいはnチャネル型のいずれでもよい。また、上記実施の形態では、トランジスタTr2(トランジスタ300)をnチャネル型として説明したが、トランジスタTr2をpチャネル型とした場合、配線VR0に印加する電位を高レベル電位とし、メモリセルMCは、端子m1から電流を出力する構成とするのが好ましい。また、上述のようにメモリセルMCの構成を変更する場合、電流供給回路ISの構成も変更する必要がある。
半導体領域313のチャネルが形成される領域、その近傍の領域、ソース領域、又はドレイン領域となる低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bなどにおいて、シリコン系半導体などの半導体を含むことが好ましく、単結晶シリコンを含むことが好ましい。又は、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、GaAs(ガリウムヒ素)、GaAlAs(ガリウムアルミニウムヒ素)などを有する材料で形成してもよい。結晶格子に応力を与え、格子間隔を変化させることで有効質量を制御したシリコンを用いた構成としてもよい。又はGaAsとGaAlAs等を用いることで、トランジスタ300をHEMT(High Electron Mobility Transistor)としてもよい。
低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bは、半導体領域313に適用される半導体材料に加え、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、又はホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含む。
ゲート電極として機能する導電体316は、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、もしくはホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含むシリコンなどの半導体材料、金属材料、合金材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。
なお、導電体の材料によって仕事関数が決まるため、当該導電体の材料を選択することで、トランジスタのしきい値電圧を調整することができる。具体的には、導電体に窒化チタンや窒化タンタルなどの材料を用いることが好ましい。さらに導電性と埋め込み性を両立するために導電体にタングステンやアルミニウムなどの金属材料を積層として用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが耐熱性の点で好ましい。
なお、図17に示すトランジスタ300は一例であり、その構造に限定されず、回路構成や駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。例えば、図18に示すとおり、トランジスタ300の構成を、酸化物半導体を用いているトランジスタ500と同様の構成にしてもよい。なお、トランジスタ500の詳細については後述する。
トランジスタ300を覆って、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326が順に積層して設けられている。
絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326として、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いればよい。
なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。また、本明細書中において、酸化窒化アルミニウムとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化アルミニウムとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
絶縁体322は、その下方に設けられるトランジスタ300などによって生じる段差を平坦化する平坦化膜としての機能を有していてもよい。例えば、絶縁体322の上面は、平坦性を高めるために化学機械研磨(CMP)法等を用いた平坦化処理により平坦化されていてもよい。
また、絶縁体324には、基板311、又はトランジスタ300などから、トランジスタ500が設けられる領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、例えば、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ500等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、当該半導体素子の特性が低下する場合がある。したがって、トランジスタ500と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
水素の脱離量は、例えば、昇温脱離ガス分析法(TDS)などを用いて分析することができる。例えば、絶縁体324の水素の脱離量は、TDS分析において、膜の表面温度が50℃から500℃の範囲において、水素原子に換算した脱離量が、絶縁体324の面積当たりに換算して、10×1015atoms/cm2以下、好ましくは5×1015atoms/cm2以下であればよい。
なお、絶縁体326は、絶縁体324よりも誘電率が低いことが好ましい。例えば、絶縁体326の比誘電率は4未満が好ましく、3未満がより好ましい。また例えば、絶縁体326の比誘電率は、絶縁体324の比誘電率の0.7倍以下が好ましく、0.6倍以下がより好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
また、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326には容量素子600、又はトランジスタ500と接続する導電体328、及び導電体330等が埋め込まれている。なお、導電体328、及び導電体330は、プラグ又は配線としての機能を有する。また、プラグ又は配線としての機能を有する導電体は、複数の構造をまとめて同一の符号を付与する場合がある。また、本明細書等において、配線と、配線と接続するプラグとが一体物であってもよい。すなわち、導電体の一部が配線として機能する場合、及び導電体の一部がプラグとして機能する場合もある。
各プラグ、及び配線(導電体328、導電体330等)の材料としては、金属材料、合金材料、金属窒化物材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を、単層又は積層して用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、タングステンを用いることが好ましい。又は、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。
絶縁体326、及び導電体330上に、配線層を設けてもよい。例えば、図17において、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354が順に積層して設けられている。また、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354には、導電体356が形成されている。導電体356は、トランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。なお導電体356は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体350は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体356は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体350が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
なお、水素に対するバリア性を有する導電体としては、例えば、窒化タンタル等を用いるとよい。また、窒化タンタルと導電性が高いタングステンを積層することで、配線としての導電性を保持したまま、トランジスタ300からの水素の拡散を抑制することができる。この場合、水素に対するバリア性を有する窒化タンタル層が、水素に対するバリア性を有する絶縁体350と接する構造であることが好ましい。
絶縁体354、及び導電体356上に、配線層を設けてもよい。例えば、図17において、絶縁体360、絶縁体362、及び絶縁体364が順に積層して設けられている。また、絶縁体360、絶縁体362、及び絶縁体364には、導電体366が形成されている。導電体366は、プラグ又は配線としての機能を有する。なお導電体366は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体360は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体366は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体360が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体364、及び導電体366上に、配線層を設けてもよい。例えば、図17において、絶縁体370、絶縁体372、及び絶縁体374が順に積層して設けられている。また、絶縁体370、絶縁体372、及び絶縁体374には、導電体376が形成されている。導電体376は、プラグ又は配線としての機能を有する。なお導電体376は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体370は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体376は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体370が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体374、及び導電体376上に、配線層を設けてもよい。例えば、図17において、絶縁体380、絶縁体382、及び絶縁体384が順に積層して設けられている。また、絶縁体380、絶縁体382、及び絶縁体384には、導電体386が形成されている。導電体386は、プラグ又は配線としての機能を有する。なお導電体386は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体380は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体386は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体380が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
上記において、導電体356を含む配線層、導電体366を含む配線層、導電体376を含む配線層、及び導電体386を含む配線層、について説明したが、本実施の形態に係る半導体装置はこれに限られるものではない。導電体356を含む配線層と同様の配線層を3層以下にしてもよいし、導電体356を含む配線層と同様の配線層を5層以上にしてもよい。
絶縁体384上には絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、及び絶縁体516が、順に積層して設けられている。絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、及び絶縁体516のいずれかは、酸素や水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。
例えば、絶縁体510、及び絶縁体514には、例えば、基板311、又はトランジスタ300を設ける領域などから、トランジスタ500を設ける領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。したがって、絶縁体324と同様の材料を用いることができる。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ500等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、当該半導体素子の特性が低下する場合がある。したがって、トランジスタ500と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
また、水素に対するバリア性を有する膜として、例えば、絶縁体510、及び絶縁体514には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、及びトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中及び作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ500への混入を防止することができる。また、トランジスタ500を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ500に対する保護膜として用いることに適している。
また、例えば、絶縁体512、及び絶縁体516には、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、これらの絶縁体に、比較的誘電率が低い材料を適用することで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体512、及び絶縁体516として、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、及び絶縁体516には、導電体518、及びトランジスタ500を構成する導電体(例えば、導電体503)等が埋め込まれている。なお、導電体518は、容量素子600、又はトランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。導電体518は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
特に、絶縁体510、及び絶縁体514と接する領域の導電体518は、酸素、水素、及び水に対するバリア性を有する導電体であることが好ましい。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、酸素、水素、及び水に対するバリア性を有する層で、分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体516の上方には、トランジスタ500が設けられている。
図19(A)、(B)に示すように、トランジスタ500は、絶縁体512及び絶縁体516に埋め込まれるように配置された導電体503と、絶縁体516及び導電体503の上に配置された絶縁体520と、絶縁体520の上に配置された絶縁体522と、絶縁体522の上に配置された絶縁体524と、絶縁体524の上に配置された酸化物530aと、酸化物530aの上に配置された酸化物530bと、酸化物530b上に互いに離れて配置された導電体542a及び導電体542bと、導電体542a及び導電体542b上に配置され、導電体542aと導電体542bの間に重畳して開口が形成された絶縁体580と、開口の底面及び側面に配置された酸化物530cと、酸化物530cの形成面に配置された絶縁体550と、絶縁体550の形成面に配置された導電体560と、を有する。
また、図19(A)、(B)に示すように、酸化物530a、酸化物530b、導電体542a、及び導電体542bと、絶縁体580との間に絶縁体544が配置されることが好ましい。また、図19(A)、(B)に示すように、導電体560は、絶縁体550の内側に設けられた導電体560aと、導電体560aの内側に埋め込まれるように設けられた導電体560bと、を有することが好ましい。また、図19(A)、(B)に示すように、絶縁体580、導電体560、及び絶縁体550の上に絶縁体574が配置されることが好ましい。
なお、以下において、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cをまとめて酸化物530という場合がある。
なお、トランジスタ500では、チャネルが形成される領域と、その近傍において、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cの3層を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、酸化物530bの単層、酸化物530bと酸化物530aの2層構造、酸化物530bと酸化物530cの2層構造、又は4層以上の積層構造を設ける構成にしてもよい。また、トランジスタ500では、導電体560を2層の積層構造として示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体560が、単層構造であってもよいし、3層以上の積層構造であってもよい。また、図17、図19(A)(B)に示すトランジスタ500は一例であり、その構造に限定されず、回路構成や駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。
ここで、導電体560は、トランジスタのゲート電極として機能し、導電体542a及び導電体542bは、それぞれソース電極又はドレイン電極として機能する。上記のように、導電体560は、絶縁体580の開口、及び導電体542aと導電体542bに挟まれた領域に埋め込まれるように形成される。導電体560、導電体542a及び導電体542bの配置は、絶縁体580の開口に対して、自己整合的に選択される。つまり、トランジスタ500において、ゲート電極を、ソース電極とドレイン電極の間に、自己整合的に配置させることができる。よって、導電体560を位置合わせのマージンを設けることなく形成することができるので、トランジスタ500の占有面積の縮小を図ることができる。これにより、半導体装置の微細化、高集積化を図ることができる。
さらに、導電体560が、導電体542aと導電体542bの間の領域に自己整合的に形成されるので、導電体560は、導電体542a又は導電体542bと重畳する領域を有さない。これにより、導電体560と導電体542a及び導電体542bとの間に形成される寄生容量を低減することができる。よって、トランジスタ500のスイッチング速度を向上させ、高い周波数特性を有せしめることができる。
導電体560は、第1のゲート(トップゲートともいう)電極として機能する場合がある。また、導電体503は、第2のゲート(ボトムゲートともいう)電極として機能する場合がある。その場合、導電体503に印加する電位を、導電体560に印加する電位と、連動させず、独立して変化させることで、トランジスタ500のしきい値電圧を制御することができる。特に、導電体503に負の電位を印加することにより、トランジスタ500のしきい値電圧を0Vより大きくし、オフ電流を低減することが可能となる。したがって、導電体503に負の電位を印加したほうが、印加しない場合よりも、導電体560に印加する電位が0Vのときのドレイン電流を小さくすることができる。
導電体503は、酸化物530、及び導電体560と、重なるように配置する。これにより、導電体560、及び導電体503に電位を印加した場合、導電体560から生じる電界と、導電体503から生じる電界と、がつながり、酸化物530に形成されるチャネル形成領域を覆うことができる。本明細書等において、第1のゲート電極、及び第2のゲート電極の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(S-channel)構造とよぶ。
また、導電体503は、導電体518と同様の構成であり、絶縁体514及び絶縁体516の開口の内壁に接して導電体503aが形成され、さらに内側に導電体503bが形成されている。
絶縁体520、絶縁体522、絶縁体524、及び絶縁体550は、ゲート絶縁膜としての機能を有する。
ここで、酸化物530と接する絶縁体524は、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む絶縁体を用いることが好ましい。つまり、絶縁体524には、過剰酸素領域が形成されていることが好ましい。このような過剰酸素を含む絶縁体を酸化物530に接して設けることにより、酸化物530中の酸素欠損を低減し、トランジスタ500の信頼性を向上させることができる。
過剰酸素領域を有する絶縁体として、具体的には、加熱により一部の酸素が脱離する酸化物材料を用いることが好ましい。加熱により酸素を脱離する酸化物とは、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy)分析にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm3以上、好ましくは1.0×1019atoms/cm3以上、さらに好ましくは2.0×1019atoms/cm3以上、又は3.0×1020atoms/cm3以上である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、又は100℃以上400℃以下の範囲が好ましい。
また、絶縁体524が、過剰酸素領域を有する場合、絶縁体522は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子など)の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)ことが好ましい。
絶縁体522が、酸素や不純物の拡散を抑制する機能を有することで、酸化物530が有する酸素は、絶縁体520側へ拡散することがなく、好ましい。また、導電体503が、絶縁体524や、酸化物530が有する酸素と反応することを抑制することができる。
絶縁体522は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、又は(Ba,Sr)TiO3(BST)などのいわゆるhigh-k材料を含む絶縁体を単層又は積層で用いることが好ましい。トランジスタの微細化、及び高集積化が進むと、ゲート絶縁膜の薄膜化により、リーク電流などの問題が生じる場合がある。ゲート絶縁膜として機能する絶縁体にhigh-k材料を用いることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減が可能となる。
特に、不純物、及び酸素などの拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)絶縁性材料であるアルミニウム、ハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体を用いるとよい。アルミニウム、ハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。このような材料を用いて絶縁体522を形成した場合、絶縁体522は、酸化物530からの酸素の放出や、トランジスタ500の周辺部から酸化物530への水素等の不純物の混入を抑制する層として機能する。
又は、これらの絶縁体に、例えば、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。又はこれらの絶縁体を窒化処理してもよい。上記の絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコン又は窒化シリコンを積層して用いてもよい。
また、絶縁体520は、熱的に安定していることが好ましい。例えば、酸化シリコン及び酸化窒化シリコンは、熱的に安定である。high-k材料の絶縁体と絶縁体520とを組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。
なお、絶縁体520、絶縁体522、及び絶縁体524が、2層以上の積層構造を有していてもよい。その場合、同じ材料からなる積層構造に限定されず、異なる材料からなる積層構造でもよい。
トランジスタ500は、チャネル形成領域を含む酸化物530に、酸化物半導体として機能する金属酸化物を用いることが好ましい。例えば、酸化物530として、In-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種)等の金属酸化物を用いるとよい。特に、酸化物530として適用できるIn-M-Zn酸化物は、実施の形態4で説明するCAAC-OS、CAC-OSであることが好ましい。また、酸化物530として、In-Ga酸化物、In-Zn酸化物を用いてもよい。
酸化物530においてチャネル形成領域にとして機能する金属酸化物は、バンドギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上のものを用いることが好ましい。このように、バンドギャップの大きい金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
酸化物530は、酸化物530b下に酸化物530aを有することで、酸化物530aよりも下方に形成された構造物から、酸化物530bへの不純物の拡散を抑制することができる。また、酸化物530b上に酸化物530cを有することで、酸化物530cよりも上方に形成された構造物から、酸化物530bへの不純物の拡散を抑制することができる。
なお、酸化物530は、各金属原子の原子数比が異なる酸化物により、積層構造を有することが好ましい。具体的には、酸化物530aに用いる金属酸化物において、構成元素中の元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、構成元素中の元素Mの原子数比より、大きいことが好ましい。また、酸化物530aに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物530bに用いる金属酸化物において、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物530aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物530cは、酸化物530a又は酸化物530bに用いることができる金属酸化物を、用いることができる。
また、酸化物530a及び酸化物530cの伝導帯下端のエネルギーが、酸化物530bの伝導帯下端のエネルギーより高くなることが好ましい。また、言い換えると、酸化物530a及び酸化物530cの電子親和力が、酸化物530bの電子親和力より小さいことが好ましい。
ここで、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cの接合部において、伝導帯下端のエネルギー準位はなだらかに変化する。換言すると、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cの接合部における伝導帯下端のエネルギー準位は、連続的に変化又は連続接合するともいうことができる。このようにするためには、酸化物530aと酸化物530bとの界面、及び酸化物530bと酸化物530cとの界面において形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
具体的には、酸化物530aと酸化物530b、酸化物530bと酸化物530cが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする)ことで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、酸化物530bがIn-Ga-Zn酸化物の場合、酸化物530a及び酸化物530cとして、In-Ga-Zn酸化物、Ga-Zn酸化物、酸化ガリウムなどを用いるとよい。
このとき、キャリアの主たる経路は酸化物530bとなる。酸化物530a、酸化物530cを上述の構成とすることで、酸化物530aと酸化物530bとの界面、及び酸化物530bと酸化物530cとの界面における欠陥準位密度を低くすることができる。そのため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さくなり、トランジスタ500は高いオン電流を得られる。
酸化物530b上には、ソース電極、及びドレイン電極として機能する導電体542a、及び導電体542bが設けられる。導電体542a、及び導電体542bとしては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ルテニウム、イリジウム、ストロンチウム、ランタンから選ばれた金属元素、又は上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いることが好ましい。例えば、窒化タンタル、窒化チタン、タングステン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物などを用いることが好ましい。また、窒化タンタル、窒化チタン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物は、酸化しにくい導電性材料、又は、酸素を吸収しても導電性を維持する材料であるため、好ましい。
また、図19(A)に示すように、酸化物530の、導電体542a(導電体542b)との界面とその近傍には、低抵抗領域として、領域543a、及び領域543bが形成される場合がある。このとき、領域543aはソース領域又はドレイン領域の一方として機能し、領域543bはソース領域又はドレイン領域の他方として機能する。また、領域543aと領域543bに挟まれる領域にチャネル形成領域が形成される。
酸化物530と接するように上記導電体542a(導電体542b)を設けることで、領域543a(領域543b)の酸素濃度が低減する場合がある。また、領域543a(領域543b)に導電体542a(導電体542b)に含まれる金属と、酸化物530の成分とを含む金属化合物層が形成される場合がある。このような場合、領域543a(領域543b)のキャリア濃度が増加し、領域543a(領域543b)は、低抵抗領域となる。
絶縁体544は、導電体542a、及び導電体542bを覆うように設けられ、導電体542a、及び導電体542bの酸化を抑制する。このとき、絶縁体544は、酸化物530の側面を覆い、絶縁体524と接するように設けられてもよい。
絶縁体544として、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、又は、マグネシウムなどから選ばれた一種、又は二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。
特に、絶縁体544として、アルミニウム、又はハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体である、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム、及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。特に、ハフニウムアルミネートは、酸化ハフニウム膜よりも、耐熱性が高い。そのため、後の工程での熱処理において、結晶化しにくいため好ましい。なお、導電体542a、及び導電体542bが耐酸化性を有する材料、又は、酸素を吸収しても著しく導電性が低下しない場合、絶縁体544は、必須の構成ではない。求めるトランジスタ特性により、適宜設計すればよい。
絶縁体550は、ゲート絶縁膜として機能する。絶縁体550は、酸化物530cの内側(上面、及び側面)接して配置することが好ましい。絶縁体550は、上述した絶縁体524と同様に、過剰に酸素を含み、かつ加熱により酸素が放出される絶縁体を用いて形成することが好ましい。
具体的には、過剰酸素を有する酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素、及び窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンを用いることができる。特に、酸化シリコン、及び酸化窒化シリコンは熱に対し安定であるたり好ましい。
加熱により酸素が放出される絶縁体を、絶縁体550として、酸化物530cの上面に接して設けることにより、絶縁体550から、酸化物530cを通じて、酸化物530bのチャネル形成領域に効果的に酸素を供給することができる。また、絶縁体524と同様に、絶縁体550中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。絶縁体550の膜厚は、1nm以上20nm以下とするのが好ましい。
また、絶縁体550が有する過剰酸素を、効率的に酸化物530へ供給するために、絶縁体550と導電体560との間に金属酸化物を設けてもよい。当該金属酸化物は、絶縁体550から導電体560への酸素拡散を抑制することが好ましい。酸素の拡散を抑制する金属酸化物を設けることで、絶縁体550から導電体560への過剰酸素の拡散が抑制される。つまり、酸化物530へ供給する過剰酸素量の減少を抑制することができる。また、過剰酸素による導電体560の酸化を抑制することができる。当該金属酸化物としては、絶縁体544に用いることができる材料を用いればよい。
第1のゲート電極として機能する導電体560は、図19(A)、(B)では2層構造として示しているが、単層構造でもよいし、3層以上の積層構造であってもよい。
導電体560aは、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(N2O、NO、NO2など)、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。導電体560aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、絶縁体550に含まれる酸素により、導電体560bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、又は酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。
また、導電体560bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、導電体560bは、配線としても機能するため、導電性が高い導電体を用いることが好ましい。例えば、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることができる。また、導電体560bは積層構造としてもよく、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層構造としてもよい。
絶縁体580は、絶縁体544を介して、導電体542a、及び導電体542b上に設けられる。絶縁体580は、過剰酸素領域を有することが好ましい。例えば、絶縁体580として、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素、及び窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコン、又は樹脂などを有することが好ましい。特に、酸化シリコン、及び酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため好ましい。特に、酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンは、後の工程で、容易に過剰酸素領域を形成することができるため好ましい。
絶縁体580は、過剰酸素領域を有することが好ましい。加熱により酸素が放出される絶縁体580を、酸化物530cと接して設けることで、絶縁体580中の酸素を、酸化物530cを通じて、酸化物530へと効率良く供給することができる。なお、絶縁体580中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。
絶縁体580の開口は、導電体542aと導電体542bの間の領域に重畳して形成される。これにより、導電体560は、絶縁体580の開口、及び導電体542aと導電体542bに挟まれた領域に、埋め込まれるように形成される。
半導体装置を微細化するに当たり、ゲート長を短くすることが求められるが、導電体560の導電性が下がらないようにする必要がある。そのために導電体560の膜厚を大きくすると、導電体560はアスペクト比が高い形状となりうる。本実施の形態では、導電体560を絶縁体580の開口に埋め込むように設けるため、導電体560をアスペクト比の高い形状にしても、工程中に導電体560を倒壊させることなく、形成することができる。
絶縁体574は、絶縁体580の上面、導電体560の上面、及び絶縁体550の上面に接して設けられることが好ましい。絶縁体574をスパッタリング法で成膜することで、絶縁体550、及び絶縁体580へ過剰酸素領域を設けることができる。これにより、当該過剰酸素領域から、酸化物530中に酸素を供給することができる。
例えば、絶縁体574として、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。
特に、酸化アルミニウムはバリア性が高く、0.5nm以上3.0nm以下の薄膜であっても、水素、及び窒素の拡散を抑制することができる。したがって、スパッタリング法で成膜した酸化アルミニウムは、酸素供給源であるとともに、水素などの不純物のバリア膜としての機能も有することができる。
また、絶縁体574の上に、層間膜として機能する絶縁体581を設けることが好ましい。絶縁体581は、絶縁体524などと同様に、膜中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。
また、絶縁体581、絶縁体574、絶縁体580、及び絶縁体544に形成された開口に、導電体540a、及び導電体540bを配置する。導電体540a及び導電体540bは、導電体560を挟んで対向して設ける。導電体540a及び導電体540bは、後述する導電体546、及び導電体548と同様の構成である。
絶縁体581上には、絶縁体582が設けられている。絶縁体582は、酸素や水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。したがって、絶縁体582には、絶縁体514と同様の材料を用いることができる。例えば、絶縁体582には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、及びトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中及び作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ500への混入を防止することができる。また、トランジスタ500を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ500に対する保護膜として用いることに適している。
また、絶縁体582上には、絶縁体586が設けられている。絶縁体586は、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、これらの絶縁体に、比較的誘電率が低い材料を適用することで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体586として、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、絶縁体520、絶縁体522、絶縁体524、絶縁体544、絶縁体580、絶縁体574、絶縁体581、絶縁体582、及び絶縁体586には、導電体546、及び導電体548等が埋め込まれている。
導電体546、及び導電体548は、容量素子600、トランジスタ500、又はトランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。導電体546、及び導電体548は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
続いて、トランジスタ500の上方には、容量素子600が設けられている。容量素子600は、導電体610と、導電体620、絶縁体630とを有する。
また、導電体546、及び導電体548上に、導電体612を設けてもよい。導電体612は、トランジスタ500と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。導電体610は、容量素子600の電極としての機能を有する。なお、導電体612、及び導電体610は、同時に形成することができる。
導電体612、及び導電体610には、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素を含む金属膜、又は上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化タンタル膜、窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。又は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。
図17では、導電体612、及び導電体610は単層構造を示したが、当該構成に限定されず、2層以上の積層構造でもよい。例えば、バリア性を有する導電体と導電性が高い導電体との間に、バリア性を有する導電体、及び導電性が高い導電体に対して密着性が高い導電体を形成してもよい。
絶縁体630を介して、導電体610と重畳するように、導電体620を設ける。なお、導電体620は、金属材料、合金材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが好ましい。また、導電体などの他の構造と同時に形成する場合は、低抵抗金属材料であるCu(銅)やAl(アルミニウム)等を用いればよい。
導電体620、及び絶縁体630上には、絶縁体650が設けられている。絶縁体650は、絶縁体320と同様の材料を用いて設けることができる。また、絶縁体650は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。
本構造を用いることで、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、電気特性の変動を抑制するとともに、信頼性を向上させることができる。又は、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、微細化又は高集積化を図ることができる。
<トランジスタの構造例>
なお、本実施の形態に示す半導体装置のトランジスタ500は、上記の構造に限られるものではない。以下、トランジスタ500に用いることができる構造例について説明する。なお、下記に説明するトランジスタは、上記に説明したトランジスタの変形例であるため、下記の説明では、異なる点を主に説明し、同一の点については省略することがある。
<<トランジスタの構造例1>>
図20(A)、(B)及び(C)を用いてトランジスタ500Aの構造例を説明する。図20(A)はトランジスタ500Aの上面図である。図20(B)は、図20(A)に一点鎖線L1-L2で示す部位の断面図である。図20(C)は、図20(A)に一点鎖線W1-W2で示す部位の断面図である。なお、図20(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
図20(A)、(B)及び(C)では、トランジスタ500Aと、層間膜として機能する絶縁体511、絶縁体512、絶縁体514、絶縁体516、絶縁体580、絶縁体574、及び絶縁体581を示している。また、トランジスタ500Aと電気的に接続し、コンタクトプラグとして機能する導電体540a、及び導電体540bと、配線として機能する導電体505と、を示している。
トランジスタ500Aは、第1のゲート電極として機能する導電体560(導電体560a、及び導電体560b)と、第2のゲート電極として機能する導電体503(導電体503a、及び導電体503b)と、第1のゲート絶縁膜として機能する絶縁体550と、第2のゲート絶縁膜として機能する絶縁体520、絶縁体522、及び絶縁体524と、チャネルが形成される領域を有する酸化物530(酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530c)と、ソース又はドレインの一方として機能する導電体542aと、ソース又はドレインの他方として機能する導電体542bと、絶縁体544とを有する。
また、図20に示すトランジスタ500Aでは、酸化物530c、絶縁体550、及び導電体560が、絶縁体580に設けられた開口部内に、絶縁体544を介して配置される。また、酸化物530c、絶縁体550、及び導電体560は、導電体542a、及び導電体542bとの間に配置される。
絶縁体511、及び絶縁体512は、層間膜として機能する。
層間膜としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)又は(Ba,Sr)TiO3(BST)などの絶縁体を単層又は積層で用いることができる。又はこれらの絶縁体に、例えば、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。又はこれらの絶縁体を窒化処理してもよい。上記の絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコン又は窒化シリコンを積層して用いてもよい。
例えば、絶縁体511は、水又は水素などの不純物が、基板側からトランジスタ500Aに混入するのを抑制するバリア膜として機能することが好ましい。したがって、絶縁体511は、水素原子、水素分子、水分子、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する(上記不純物が透過しにくい。)絶縁性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい。)絶縁性材料を用いることが好ましい。また、例えば、絶縁体511として酸化アルミニウムや窒化シリコンなどを用いてもよい。当該構成により、水素、水などの不純物が絶縁体511よりも基板側からトランジスタ500A側に拡散するのを抑制することができる。
例えば、絶縁体512は、絶縁体511よりも誘電率が低いことが好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
導電体505は、絶縁体512に埋め込まれるように形成される。ここで、導電体505の上面の高さと、絶縁体512の上面の高さは同程度にできる。なお導電体505は、単層とする構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体505を2層以上の多層膜構造としてもよい。なお、導電体505は、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性が高い導電性材料を用いることが好ましい。
トランジスタ500Aにおいて、導電体560は、第1のゲート(トップゲートともいう。)電極として機能する場合がある。また、導電体503は、第2のゲート(ボトムゲートともいう。)電極として機能する場合がある。その場合、導電体503に印加する電位を、導電体560に印加する電位と連動させず、独立して変化させることで、トランジスタ500Aの閾値電圧を制御することができる。特に、導電体503に負の電位を印加することにより、トランジスタ500Aの閾値電圧を0Vより大きくし、オフ電流を低減することが可能となる。したがって、導電体503に負の電位を印加したほうが、印加しない場合よりも、導電体560に印加する電位が0Vのときのドレイン電流を小さくすることができる。
また、例えば、導電体503と、導電体560とを重畳して設けることで、導電体560、及び導電体503に電位を印加した場合、導電体560から生じる電界と、導電体503から生じる電界と、がつながり、酸化物530に形成されるチャネル形成領域を覆うことができる。
つまり、第1のゲート電極としての機能を有する導電体560の電界と、第2のゲート電極としての機能を有する導電体503の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むことができる。本明細書において、第1のゲート電極、及び第2のゲート電極の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(S-channel)構造とよぶ。
絶縁体514、及び絶縁体516は、絶縁体511又は絶縁体512と同様に、層間膜として機能する。例えば、絶縁体514は、水又は水素などの不純物が、基板側からトランジスタ500Aに混入するのを抑制するバリア膜として機能することが好ましい。当該構成により、水素、水などの不純物が絶縁体514よりも基板側からトランジスタ500A側に拡散するのを抑制することができる。また、例えば、絶縁体516は、絶縁体514よりも誘電率が低いことが好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
第2のゲートとして機能する導電体503は、絶縁体514及び絶縁体516の開口の内壁に接して導電体503aが形成され、さらに内側に導電体503bが形成されている。ここで、導電体503a及び導電体503bの上面の高さと、絶縁体516の上面の高さは同程度にできる。なお、トランジスタ500Aでは、導電体503a及び導電体503bを積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体503は、単層、又は3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。
ここで、導電体503aは、水素原子、水素分子、水分子、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する(上記不純物が透過しにくい。)導電性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい。)導電性材料を用いることが好ましい。なお、本明細書において、不純物、又は酸素の拡散を抑制する機能とは、上記不純物、又は上記酸素のいずれか一又は、すべての拡散を抑制する機能とする。
例えば、導電体503aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、導電体503bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。
また、導電体503が配線の機能を兼ねる場合、導電体503bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする、導電性が高い導電性材料を用いることが好ましい。その場合、導電体505は、必ずしも設けなくともよい。なお、導電体503bを単層で図示したが、積層構造としてもよく、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。
絶縁体520、絶縁体522、及び絶縁体524は、第2のゲート絶縁膜としての機能を有する。
また、絶縁体522は、バリア性を有することが好ましい。絶縁体522がバリア性を有することで、トランジスタ500Aの周辺部からトランジスタ500Aへの水素等の不純物の混入を抑制する層として機能する。
なお、図20には、第2のゲート絶縁膜として、3層の積層構造を示したが、単層、又は2層以上の積層構造としてもよい。その場合、同じ材料からなる積層構造に限定されず、異なる材料からなる積層構造でもよい。
チャネル形成領域として機能する領域を有する酸化物530は、酸化物530aと、酸化物530a上の酸化物530bと、酸化物530b上の酸化物530cと、を有する。酸化物530b下に酸化物530aを有することで、酸化物530aよりも下方に形成された構造物から、酸化物530bへの不純物の拡散を抑制することができる。また、酸化物530b上に酸化物530cを有することで、酸化物530cよりも上方に形成された構造物から、酸化物530bへの不純物の拡散を抑制することができる。酸化物530として、上述した金属酸化物の一種である酸化物半導体を用いることができる。
なお、酸化物530cは、絶縁体580に設けられた開口部内に、絶縁体544を介して設けられることが好ましい。絶縁体544がバリア性を有する場合、絶縁体580からの不純物が酸化物530へと拡散することを抑制することができる。
導電体542aは、ソース電極又はドレイン電極の一方として機能し、導電体542bは、ソース電極又はドレイン電極の他方として機能する。
導電体542aと、導電体542bとは、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、又はタングステンなどの金属、又はこれを主成分とする合金を用いることができる。特に、窒化タンタルなどの金属窒化物膜は、水素又は酸素に対するバリア性があり、また、耐酸化性が高いため、好ましい。
また、図20では単層構造を示したが、2層以上の積層構造としてもよい。例えば、窒化タンタル膜とタングステン膜を積層するとよい。また、チタン膜とアルミニウム膜を積層してもよい。また、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅-マグネシウム-アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造としてもよい。
また、チタン膜又は窒化チタン膜と、そのチタン膜又は窒化チタン膜上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜又は窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜又は窒化モリブデン膜と、そのモリブデン膜又は窒化モリブデン膜上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜又は窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫又は酸化亜鉛を含む透明導電材料を用いてもよい。
また、導電体542a、及び導電体542b上に、バリア層を設けてもよい。バリア層は、酸素、又は水素に対してバリア性を有する物質を用いることが好ましい。当該構成により、絶縁体544を成膜する際に、導電体542a、及び導電体542bが酸化することを抑制することができる。
バリア層には、例えば、金属酸化物を用いることができる。特に、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウムなどの、酸素や水素に対してバリア性のある絶縁膜を用いることが好ましい。また、CVD法で形成した窒化シリコンを用いてもよい。
バリア層を有することで、導電体542a、及び導電体542bの材料選択の幅を広げることができる。例えば、導電体542a、及び導電体542bに、タングステンや、アルミニウムなどの耐酸化性が低い一方で導電性が高い材料を用いることができる。また、例えば、成膜、又は加工がしやすい導電体を用いることができる。
絶縁体550は、第1のゲート絶縁膜として機能する。絶縁体550は、絶縁体580に設けられた開口部内に、酸化物530c、及び絶縁体544を介して設けられることが好ましい。
トランジスタの微細化、及び高集積化が進むと、ゲート絶縁膜の薄膜化により、リーク電流などの問題が生じる場合がある。その場合、絶縁体550は、第2のゲート絶縁膜と同様に、積層構造としてもよい。ゲート絶縁膜として機能する絶縁体を、high-k材料と、熱的に安定している材料との積層構造とすることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減が可能となる。また、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。
第1のゲート電極として機能する導電体560は、導電体560a、及び導電体560a上の導電体560bを有する。導電体560aは、導電体503aと同様に、水素原子、水素分子、水分子、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。
導電体560aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、導電体560bの材料選択性を向上することができる。つまり、導電体560aを有することで、導電体560bの酸化が抑制され、導電率が低下することを防止することができる。
酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム又は酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。また、導電体560aとして、酸化物530として用いることができる酸化物半導体を用いることができる。その場合、導電体560bをスパッタリング法で成膜することで、導電体560aの電気抵抗値を低下させて導電体とすることができる。これをOC(Oxide Conductor)電極と呼ぶことができる。
導電体560bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、導電体560は、配線として機能するため、導電性が高い導電体を用いることが好ましい。例えば、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることができる。また、導電体560bは積層構造としてもよく、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。
絶縁体580と、トランジスタ500Aとの間に絶縁体544を配置する。絶縁体544は、水又は水素などの不純物、及び酸素の拡散を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いるとよい。例えば、酸化アルミニウム又は酸化ハフニウムなどを用いることが好ましい。また、他にも、例えば、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム又は酸化タンタルなどの金属酸化物、窒化酸化シリコン又は窒化シリコンなどを用いることができる。
絶縁体544を有することで、絶縁体580に含まれる水、及び水素などの不純物が酸化物530c、絶縁体550を介して、酸化物530bに拡散することを抑制することができる。また、絶縁体580が有する過剰酸素により、導電体560が酸化するのを抑制することができる。
絶縁体580、絶縁体574、及び絶縁体581は、層間膜として機能する。
絶縁体574は、絶縁体514と同様に、水又は水素などの不純物が、外部からトランジスタ500Aに混入するのを抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。
また、絶縁体580、及び絶縁体581は、絶縁体516と同様に、絶縁体574よりも誘電率が低いことが好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
また、トランジスタ500Aは、絶縁体580、絶縁体574、及び絶縁体581に埋め込まれた導電体540a、導電体540bなどのプラグや配線を介して、他の構造と電気的に接続してもよい。
また、導電体540a、及び導電体540bの材料としては、導電体503と同様に、金属材料、合金材料、金属窒化物材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を、単層又は積層して用いることができる。例えば、耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましい。又は、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。
例えば、導電体540a、及び導電体540bとしては、例えば、水素、及び酸素に対してバリア性を有する導電体である窒化タンタル等と、導電性が高いタングステンとの積層構造を用いることで、配線としての導電性を保持したまま、外部からの不純物の拡散を抑制することができる。
上記構造を有することで、オン電流が大きい酸化物半導体を有するトランジスタを有する半導体装置を提供することができる。又は、オフ電流が小さい酸化物半導体を有するトランジスタを有する半導体装置を提供することができる。又は、電気特性の変動を抑制し、安定した電気特性を有すると共に、信頼性を向上させた半導体装置を提供することができる。
<<トランジスタの構造例2>>
図21(A)、(B)及び(C)を用いてトランジスタ500Bの構造例を説明する。図21(A)はトランジスタ500Bの上面図である。図21(B)は、図21(A)に一点鎖線L1-L2で示す部位の断面図である。図21(C)は、図21(A)に一点鎖線W1-W2で示す部位の断面図である。なお、図21(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
トランジスタ500Bはトランジスタ500Aの変形例である。よって、説明の繰り返しを防ぐため、主にトランジスタ500Aと異なる点について説明する。
トランジスタ500Bは、導電体542a(導電体542b)と、酸化物530cと、絶縁体550と、導電体560と、が重畳する領域を有する。当該構造とすることで、オン電流が高いトランジスタを提供することができる。また、制御性が高いトランジスタを提供することができる。
第1のゲート電極として機能する導電体560は、導電体560a、及び導電体560a上の導電体560bを有する。導電体560aは、導電体503aと同様に、水素原子、水素分子、水分子、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。
導電体560aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、導電体560bの材料選択性を向上することができる。つまり、導電体560aを有することで、導電体560bの酸化が抑制され、導電率が低下することを防止することができる。
また、導電体560の上面及び側面と、絶縁体550の側面と、酸化物530cの側面と、を覆うように、絶縁体544を設けることが好ましい。なお、絶縁体544は、水又は水素などの不純物、及び酸素の拡散を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いるとよい。例えば、酸化アルミニウム又は酸化ハフニウムなどを用いることが好ましい。また、他にも、例えば、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム又は酸化タンタルなどの金属酸化物、窒化酸化シリコン又は窒化シリコンなどを用いることができる。
絶縁体544を設けることで、導電体560の酸化を抑制することができる。また、絶縁体544を有することで、絶縁体580が有する水、及び水素などの不純物がトランジスタ500Bへ拡散することを抑制することができる。
また、トランジスタ500Bのコンタクトプラグは、トランジスタ500Aのコンタクトプラグの構成と異なっている。トランジスタ500Bでは、コンタクトプラグとして機能する導電体546a(導電体546b)と、絶縁体580との間に、バリア性を有する絶縁体576a(絶縁体576b)が配置されている。絶縁体576a(絶縁体576b)を設けることで、絶縁体580の酸素が導電体546と反応し、導電体546が酸化することを抑制することができる。
また、バリア性を有する絶縁体576a(絶縁体576b)を設けることで、プラグや配線に用いられる導電体の材料選択の幅を広げることができる。例えば、導電体546a(導電体546b)に、酸素を吸収する性質を持つ一方で、導電性が高い金属材料を用いることで、低消費電力の半導体装置を提供することができる。具体的には、タングステンや、アルミニウムなどの耐酸化性が低い一方で導電性が高い材料を用いることができる。また、例えば、成膜、又は加工がしやすい導電体を用いることができる。
<<トランジスタの構造例3>>
図22(A)、(B)及び(C)を用いてトランジスタ500Cの構造例を説明する。図22(A)はトランジスタ500Cの上面図である。図22(B)は、図22(A)に一点鎖線L1-L2で示す部位の断面図である。図22(C)は、図22(A)に一点鎖線W1-W2で示す部位の断面図である。なお、図22(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
トランジスタ500Cはトランジスタ500Aの変形例である。よって、説明の繰り返しを防ぐため、主にトランジスタ500Aと異なる点について説明する。
図22に示すトランジスタ500Cは、導電体542aと酸化物530bの間に導電体547aが配置され、導電体542bと酸化物530bの間に導電体547bが配置されている。ここで、導電体542a(導電体542b)は、導電体547a(導電体547b)の上面及び導電体560側の側面を越えて延在し、酸化物530bの上面に接する領域を有する。ここで、導電体547a、及び導電体547bは、導電体542a、及び導電体542bに用いることができる導電体を用いればよい。さらに、導電体547a、及び導電体547bの膜厚は、少なくとも導電体542a、及び導電体542bより厚いことが好ましい。
図22に示すトランジスタ500Cは、上記のような構成を有することにより、トランジスタ500Aよりも、導電体542a、及び導電体542bを導電体560に近づけることができる。又は、導電体542aの端部及び導電体542bの端部と、導電体560を重ねることができる。これにより、トランジスタ500Cの実質的なチャネル長を短くし、オン電流の向上と、周波数特性の向上と、を図ることができる。
また、導電体547a(導電体547b)は、導電体542a(導電体542b)と重畳して設けられることが好ましい。このような構成にすることで、導電体540a(導電体540b)を埋め込む開口を形成するエッチングにおいて、導電体547a(導電体547b)がストッパとして機能し、酸化物530bがオーバーエッチングされるのを防ぐことができる。
また、図22に示すトランジスタ500Cは、絶縁体544の上に接して絶縁体545を配置する構成にしてもよい。絶縁体544としては、水又は水素などの不純物や、過剰な酸素が、絶縁体580側からトランジスタ500Cに混入するのを抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。絶縁体545としては、絶縁体544に用いることができる絶縁体を用いることができる。また、絶縁体544としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化アルミニウムチタン、窒化チタン、窒化シリコン又は窒化酸化シリコンなどの、窒化物絶縁体を用いてもよい。
また、図22に示すトランジスタ500Cは、図20に示すトランジスタ500Aと異なり、導電体503を単層構造で設けてもよい。この場合、パターン形成された導電体503の上に絶縁体516となる絶縁膜を成膜し、当該絶縁膜の上部を、導電体503の上面が露出するまでCMP法などを用いて除去すればよい。ここで、導電体503の上面の平坦性を良好にすることが好ましい。例えば、導電体503上面の平均面粗さ(Ra)を1nm以下、好ましくは0.5nm以下、より好ましくは0.3nm以下にすればよい。これにより、導電体503の上に形成される、絶縁層の平坦性を良好にし、酸化物530b及び酸化物530cの結晶性の向上を図ることができる。
<<トランジスタの構造例4>>
図23(A)、(B)及び(C)を用いてトランジスタ500Dの構造例を説明する。図23(A)はトランジスタ500Dの上面図である。図23(B)は、図23(A)に一点鎖線L1-L2で示す部位の断面図である。図23(C)は、図23(A)に一点鎖線W1-W2で示す部位の断面図である。なお、図23(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
トランジスタ500Dは上記トランジスタの変形例である。よって、説明の繰り返しを防ぐため、主に上記トランジスタと異なる点について説明する。
図23(A)乃至(C)に示すトランジスタ500Dは、図22に示したトランジスタ500Cと同様に、導電体505を設けずに、第2のゲートとしての機能を有する導電体503を配線としても機能させている。また、酸化物530c上に絶縁体550を有し、絶縁体550上に金属酸化物552を有する。また、金属酸化物552上に導電体560を有し、導電体560上に絶縁体570を有する。また、絶縁体570上に絶縁体571を有する。
金属酸化物552は、酸素拡散を抑制する機能を有することが好ましい。絶縁体550と、導電体560との間に、酸素の拡散を抑制する金属酸化物552を設けることで、導電体560への酸素の拡散が抑制される。つまり、酸化物530へ供給する酸素量の減少を抑制することができる。また、酸素による導電体560の酸化を抑制することができる。
なお、金属酸化物552は、第1のゲートの一部としての機能を有してもよい。例えば、酸化物530として用いることができる酸化物半導体を、金属酸化物552として用いることができる。その場合、導電体560をスパッタリング法で成膜することで、金属酸化物552の電気抵抗値を低下させて導電層とすることができる。これをOC(Oxide Conductor)電極と呼ぶことができる。
また、金属酸化物552は、ゲート絶縁膜の一部としての機能を有する場合がある。したがって、絶縁体550に酸化シリコンや酸化窒化シリコンなどを用いる場合、金属酸化物552は、比誘電率が高いhigh-k材料である金属酸化物を用いることが好ましい。当該積層構造とすることで、熱に対して安定、かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。したがって、物理膜厚を保持したまま、トランジスタ動作時に印加するゲート電位の低減化が可能となる。また、ゲート絶縁膜として機能する絶縁層の等価酸化膜厚(EOT)の薄膜化が可能となる。
トランジスタ500Dにおいて、金属酸化物552を単層で示したが、2層以上の積層構造としてもよい。例えば、ゲート電極の一部として機能する金属酸化物と、ゲート絶縁膜の一部として機能する金属酸化物とを積層して設けてもよい。
金属酸化物552を有することで、ゲート電極として機能する場合は、導電体560からの電界の影響を弱めることなく、トランジスタ500Dのオン電流の向上を図ることができる。又は、ゲート絶縁膜として機能する場合は、絶縁体550と、金属酸化物552との物理的な厚みにより、導電体560と、酸化物530との間の距離を保つことで、導電体560と酸化物530との間のリーク電流を抑制することができる。従って、絶縁体550、及び金属酸化物552との積層構造を設けることで、導電体560と酸化物530との間の物理的な距離、及び導電体560から酸化物530へかかる電界強度を、容易に適宜調整することができる。
具体的には、金属酸化物552として、酸化物530に用いることができる酸化物半導体を低抵抗化することで、金属酸化物552として用いることができる。又は、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、又は、マグネシウムなどから選ばれた一種、又は二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。
特に、アルミニウム、又はハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁層である、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム、及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。特に、ハフニウムアルミネートは、酸化ハフニウム膜よりも、耐熱性が高い。そのため、後の工程での熱処理において、結晶化しにくいため好ましい。なお、金属酸化物552は、必須の構成ではない。求めるトランジスタ特性により、適宜設計すればよい。
絶縁体570は、水又は水素などの不純物、及び酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いるとよい。例えば、酸化アルミニウム又は酸化ハフニウムなどを用いることが好ましい。これにより、絶縁体570よりも上方からの酸素で導電体560が酸化するのを抑制することができる。また、絶縁体570よりも上方からの水又は水素などの不純物が、導電体560、及び絶縁体550を介して、酸化物530に混入することを抑制することができる。
絶縁体571はハードマスクとして機能する。絶縁体571を設けることで、導電体560の加工の際、導電体560の側面が概略垂直、具体的には、導電体560の側面と基板表面のなす角を、75度以上100度以下、好ましくは80度以上95度以下とすることができる。
なお、絶縁体571に、水又は水素などの不純物、及び酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いることで、バリア層としての機能を兼ねさせてもよい。その場合、絶縁体570は設けなくともよい。
絶縁体571をハードマスクとして用いて、絶縁体570、導電体560、金属酸化物552、絶縁体550、及び酸化物530cの一部を選択的に除去することで、これらの側面を略一致させて、かつ、酸化物530b表面の一部を露出させることができる。
また、トランジスタ500Dは、露出した酸化物530b表面の一部に領域531a及び領域531bを有する。領域531a又は領域531bの一方はソース領域として機能し、他方はドレイン領域として機能する。
領域531a及び領域531bの形成は、例えば、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオン注入法、又はプラズマ処理などを用いて、露出した酸化物530b表面にリン又はボロンなどの不純物元素を導入することで実現できる。なお、本実施の形態などにおいて「不純物元素」とは、主成分元素以外の元素のことをいう。
また、酸化物530b表面の一部を露出させた後に金属膜を成膜し、その後加熱処理することにより、該金属膜に含まれる元素を酸化物530bに拡散させて領域531a及び領域531bを形成することもできる。
酸化物530bの不純物元素が導入された領域は、電気抵抗率が低下する。このため、領域531a及び領域531bを「不純物領域」又は「低抵抗領域」という場合がある。
絶縁体571及び/又は導電体560をマスクとして用いることで、領域531a及び領域531bを自己整合(セルフアライメント)的に形成することができる。よって、領域531a及び/又は領域531bと、導電体560が重ならず、寄生容量を低減することができる。また、チャネル形成領域とソースドレイン領域(嶺域531a又は領域531b)の間にオフセット領域が形成されない。領域531a及び領域531bを自己整合(セルフアライメント)的に形成することにより、オン電流の増加、しきい値電圧の低減、動作周波数の向上などを実現できる。
なお、オフ電流を更に低減するため、チャネル形成領域とソースドレイン領域の間にオフセット領域を設けてもよい。オフセット領域とは、電気抵抗率が高い領域であり、前述した不純物元素の導入が行なわれない領域である。オフセット領域の形成は、絶縁体575の形成後に前述した不純物元素の導入を行なうことで実現できる。この場合、絶縁体575も絶縁体571などと同様にマスクとして機能する。よって、酸化物530bの絶縁体575と重なる領域に不純物元素が導入されず、該領域の電気抵抗率を高いままとすることができる。
また、トランジスタ500Dは、絶縁体570、導電体560、金属酸化物552、絶縁体550、及び酸化物530cの側面に絶縁体575を有する。絶縁体575は、比誘電率の低い絶縁体であることが好ましい。例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素、及び窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコン、又は樹脂などであることが好ましい。特に、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンを絶縁体575に用いると、後の工程で絶縁体575中に過剰酸素領域を容易に形成できるため好ましい。また、酸化シリコン、及び酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため好ましい。また、絶縁体575は、酸素を拡散する機能を有することが好ましい。
また、トランジスタ500Dは、絶縁体575、酸化物530上に絶縁体544を有する。絶縁体544は、スパッタリング法を用いて成膜することが好ましい。スパッタリング法を用いることにより、水又は水素などの不純物の少ない絶縁体を成膜することができる。例えば、絶縁体544として、酸化アルミニウムを用いるとよい。
なお、スパッタリング法を用いた酸化膜は、被成膜構造体から水素を引き抜く場合がある。従って、絶縁体544が酸化物530及び絶縁体575から水素及び水を吸収することで、酸化物530及び絶縁体575の水素濃度を低減することができる。
<<トランジスタの構造例5>>
図24(A)乃至図24(C)を用いてトランジスタ500Eの構造例を説明する。図24(A)はトランジスタ500Eの上面図である。図24(B)は、図24(A)に一点鎖線L1-L2で示す部位の断面図である。図24(C)は、図24(A)に一点鎖線W1-W2で示す部位の断面図である。なお、図24(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
トランジスタ500Eは上記トランジスタの変形例である。よって、説明の繰り返しを防ぐため、主に上記トランジスタと異なる点について説明する。
図24(A)乃至図24(C)では、導電体542a、及び導電体542bを設けずに、露出した酸化物530b表面の一部に領域531a及び領域531bを有する。領域531a又は領域531bの一方はソース領域として機能し、他方はドレイン領域として機能する。また、酸化物530bと、絶縁体544の間に、絶縁体573を有する。
図24に示す、領域531a、及び領域531bは、酸化物530bに下記の元素が添加された領域である。領域531a、及び領域531bは、例えば、ダミーゲートを用いることで形成することができる。
具体的には、酸化物530b上にダミーゲートを設け、当該ダミーゲートをマスクとして用い、酸化物530bの一部の領域を低抵抗化する元素を添加するとよい。つまり、酸化物530が、ダミーゲートと重畳していない領域に、当該元素が添加され、領域531a及び領域531bが形成される。なお、当該元素の添加方法としては、イオン化された原料ガスを質量分離して添加するイオン注入法、イオン化された原料ガスを質量分離せずに添加するイオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いることができる。
なお、酸化物530bの一部の領域を低抵抗化する元素としては、代表的には、ホウ素、又はリンが挙げられる。また、水素、炭素、窒素、フッ素、硫黄、塩素、チタン、希ガス等を用いてもよい。希ガスの代表例としては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及びキセノン等がある。当該元素の濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)などを用いて測定すればよい。
特に、アモルファスシリコン、低温ポリシリコンなどが半導体層に含まれるSiトランジスタの製造ラインの装置において、ホウ素、及びリンを添加することができるため、当該製造ラインの装置を用いることにより酸化物530bの一部を低抵抗化することができる。つまり、Siトランジスタの製造ラインの一部を、トランジスタ500Eの作製工程に用いることができる。
続いて、酸化物530b、及びダミーゲート上に、絶縁体573となる絶縁膜、及び絶縁体544となる絶縁膜を成膜してもよい。絶縁体573となる絶縁膜、及び絶縁体544となる絶縁膜を積層して設けることで、領域531a又は領域531bと、酸化物530cと、絶縁体550と、が重畳する領域を設けることができる。
具体的には、絶縁体544となる絶縁膜上に絶縁体580となる絶縁膜を設けた後、絶縁体580となる絶縁膜にCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理を行うことで、絶縁体580となる絶縁膜の一部を除去し、ダミーゲートを露出する。続いて、ダミーゲートを除去する際に、ダミーゲートと接する絶縁体573の一部も除去するとよい。従って、絶縁体580に設けられた開口部の側面には、絶縁体544、及び絶縁体573が露出し、当該開口部の底面には、酸化物530bに設けられた領域531a、及び領域531bのそれぞれの一部が露出する。次に、当該開口部に酸化物530cとなる酸化膜、絶縁体550となる絶縁膜、及び導電体560となる導電膜を順に成膜した後、絶縁体580が露出するまでCMP処理などにより、酸化物530cとなる酸化膜、絶縁体550となる絶縁膜、及び導電体560となる導電膜の一部を除去することで、図24に示すトランジスタを形成することができる。
なお、絶縁体573、及び絶縁体544は必須の構成ではない。求めるトランジスタ特性により、適宜設計すればよい。
図24に示すトランジスタは、既存の装置を転用することができ、さらに、導電体542a、及び導電体542bを設けないため、コストの低減を図ることができる。
<<トランジスタの構造例6>>
また、図19では、ゲートとしての機能を機能する導電体560が、絶縁体580の開口の内部に形成されている構造例について説明したが、例えば、当該導電体の上方に、当該絶縁体が設けられた構造を用いることもできる。このようなトランジスタの構造例を、図25、図26に示す。
図25(A)はトランジスタの上面図であり、図25(B)はトランジスタの斜視図である。また、図25(A)におけるL1-L2の断面図を図26(A)に示し、W1-W2の断面図を図26(B)に示す。
図25、図26に示すトランジスタは、バックゲートとしての機能を有する導電体BGEと、ゲート絶縁膜としての機能を有する絶縁体BGIと、酸化物半導体Sと、ゲート絶縁膜としての機能を有する絶縁体FGIと、フロントゲートとしての機能を有する導電体FGEと、配線としての機能を有する導電体WEと、を有する。また、導電体PEは、導電体WEと、酸化物S、導電体BGE、又は導電体FGEと、を接続するためのプラグとしての機能を有する。なお、ここでは、酸化物半導体Sが、3層の酸化物S1、S2、S3によって構成されている例を示している。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態及び/又は実施例と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記の実施の形態で説明したOSトランジスタに用いることができる金属酸化物であるCAC‐OS(Cloud‐Aligned Composite Oxide Semiconductor)、及びCAAC‐OS(C‐axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)の構成について説明する。なお、明細書等において、CACは機能、又は材料の構成の一例を表し、CAACは、結晶構造の一例を表す。
<金属酸化物の構成>
CAC-OS又はCAC-metal oxideとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC-OS又はCAC-metal oxideを、トランジスタの活性層に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(又はホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC-OS又はCAC-metal oxideに付与することができる。CAC-OS又はCAC-metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
また、CAC-OS又はCAC-metal oxideは、導電性領域、及び絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
また、CAC-OS又はCAC-metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
また、CAC-OS又はCAC-metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC-OS又はCAC-metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC-OS又はCAC-metal oxideをトランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
すなわち、CAC-OS又はCAC-metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、又は金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
<金属酸化物の構造>
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、CAAC-OS、多結晶酸化物半導体、nc-OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)及び非晶質酸化物半導体などがある。
CAAC-OSは、c軸配向性を有し、かつa-b面方向において複数のナノ結晶が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。なお、歪みとは、複数のナノ結晶が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。
ナノ結晶は、六角形を基本とするが、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合がある。また、歪みにおいて、五角形、及び七角形などの格子配列を有する場合がある。なお、CAAC-OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリーともいう)を確認することはできない。即ち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b面方向において酸素原子の配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
また、CAAC-OSは、インジウム、及び酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛、及び酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能であり、(M,Zn)層の元素Mがインジウムと置換した場合、(In,M,Zn)層と表すこともできる。また、In層のインジウムが元素Mと置換した場合、(In,M)層と表すこともできる。
CAAC-OSは結晶性の高い酸化物半導体である。一方、CAAC-OSは、明確な結晶粒界を確認することはできないため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、酸化物半導体の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、CAAC-OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化物半導体ともいえる。従って、CAAC-OSを有する酸化物半導体は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する酸化物半導体は熱に強く、信頼性が高い。また、CAAC-OSは、製造工程における高い温度(所謂サーマルバジェット)に対しても安定である。したがって、OSトランジスタにCAAC-OSを用いると、製造工程の自由度を広げることが可能となる。
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc-OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。a-like OSは、鬆又は低密度領域を有する。即ち、a-like OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、結晶性が低い。
酸化物半導体は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a-like OS、nc-OS、CAAC-OSのうち、二種以上を有していてもよい。
<酸化物半導体を有するトランジスタ>
続いて、上記酸化物半導体をトランジスタに用いる場合について説明する。
なお、上記酸化物半導体をトランジスタに用いることで、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
また、トランジスタには、キャリア濃度の低い酸化物半導体を用いることが好ましい。酸化物半導体膜のキャリア濃度を低くする場合においては、酸化物半導体膜中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性又は実質的に高純度真性と言う。例えば、酸化物半導体は、キャリア濃度が8×1011cm-3未満、好ましくは1×1011cm-3未満、さらに好ましくは1×1010cm-3未満であり、1×10-9cm-3以上とすればよい。
また、高純度真性又は実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
また、酸化物半導体のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い酸化物半導体にチャネル形成領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
従って、トランジスタの電気特性を安定にするためには、酸化物半導体中の不純物濃度を低減することが有効である。また、酸化物半導体中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
<不純物>
ここで、酸化物半導体中における各不純物の影響について説明する。
酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸化物半導体において欠陥準位が形成される。このため、酸化物半導体におけるシリコンや炭素の濃度と、酸化物半導体との界面近傍のシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体にアルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。従って、アルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の濃度を低減することが好ましい。具体的には、SIMSにより得られる酸化物半導体中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
また、酸化物半導体において、窒素が含まれると、キャリアである電子が生じ、キャリア濃度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を半導体に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。従って、該酸化物半導体において、窒素はできる限り低減されていることが好ましい、例えば、酸化物半導体中の窒素濃度は、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体において、SIMSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは1×1019atoms/cm3未満、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする。
不純物が十分に低減された酸化物半導体をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態及び/又は実施例と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、上述の実施の形態で説明した半導体装置を電子機器に適用した製品例について説明する。
<ノート型パーソナルコンピュータ>
本発明の一態様の半導体装置は、情報端末装置に備えられるディスプレイに適用することができる。図27(A)は、情報端末装置の一種であるノート型パーソナルコンピュータであり、筐体5401、表示部5402、キーボード5403、ポインティングデバイス5404等を有する。
<スマートウォッチ>
本発明の一態様の半導体装置は、ウェアラブル端末に適用することができる。図27(B)はウェアラブル端末の一種であるスマートウォッチであり、筐体5901、表示部5902、操作ボタン5903、操作子5904、バンド5905などを有する。また、表示部5902に、位置入力装置としての機能が付加された表示装置を用いるようにしてもよい。また、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設けることで付加することができる。あるいは、位置入力装置としての機能は、フォトセンサとも呼ばれる光電変換素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる。また、操作ボタン5903にスマートウォッチを起動する電源スイッチ、スマートウォッチのアプリケーションを操作するボタン、音量調整ボタン、又は表示部5902を点灯、あるいは消灯するスイッチなどのいずれかを備えることができる。また、図27(B)に示したスマートウォッチでは、操作ボタン5903の数を2個示しているが、スマートウォッチの有する操作ボタンの数は、これに限定されない。また、操作子5904は、スマートウォッチの時刻合わせを行うリューズとして機能する。また、操作子5904は、時刻合わせ以外に、スマートウォッチのアプリケーションを操作する入力インターフェースとして、用いるようにしてもよい。なお、図27(B)に示したスマートウォッチでは、操作子5904を有する構成となっているが、これに限定せず、操作子5904を有さない構成であってもよい。
<ビデオカメラ>
本発明の一態様の半導体装置は、ビデオカメラに適用することができる。図27(C)に示すビデオカメラは、第1筐体5801、第2筐体5802、表示部5803、操作キー5804、レンズ5805、接続部5806等を有する。操作キー5804及びレンズ5805は第1筐体5801に設けられており、表示部5803は第2筐体5802に設けられている。そして、第1筐体5801と第2筐体5802とは、接続部5806により接続されており、第1筐体5801と第2筐体5802の間の角度は、接続部5806により変更が可能である。表示部5803における映像を、接続部5806における第1筐体5801と第2筐体5802との間の角度に従って切り替える構成としてもよい。
<携帯電話>
本発明の一態様の半導体装置は、携帯電話に適用することができる。図27(D)は、情報端末の機能を有する携帯電話であり、筐体5501、表示部5502、マイク5503、スピーカ5504、操作ボタン5505を有する。また、表示部5502に、位置入力装置としての機能が付加された表示装置を用いるようにしてもよい。また、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設けることで付加することができる。あるいは、位置入力装置としての機能は、フォトセンサとも呼ばれる光電変換素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる。また、操作ボタン5505に携帯電話を起動する電源スイッチ、携帯電話のアプリケーションを操作するボタン、音量調整ボタン、又は表示部5502を点灯、あるいは消灯するスイッチなどのいずれかを備えることができる。
また、図27(D)に示した携帯電話では、操作ボタン5505の数を2個示しているが、携帯電話の有する操作ボタンの数は、これに限定されない。また、図示していないが、図27(D)に示した携帯電話は、フラッシュライト、又は照明の用途として発光装置を有する構成であってもよい。
<据え置き型ゲーム機>
本発明の一態様の半導体装置は、ゲーム機の一例である据え置き型ゲーム機に適用することができる。図27(E)では、据え置き型ゲーム機として、ゲーム機本体7520と、コントローラ7522を示している。なお、ゲーム機本体7520には、無線または有線によってコントローラ7522を接続することができる。また、図27(E)に示していないが、コントローラ7522は、ゲームの画像を表示する表示部、ボタン以外の入力インターフェースとなるタッチパネルやスティック、回転式つまみ、スライド式つまみなどを備えることができる。また、コントローラ7522は、図27(E)に示す形状に限定せず、ゲームのジャンルに応じて、コントローラ7522の形状を様々に変更してもよい。例えば、FPS(First Person Shooter)などのシューティングゲームでは、トリガーをボタンとし、銃を模した形状のコントローラを用いることができる。また、例えば、音楽ゲームなどでは、楽器、音楽機器などを模した形状のコントローラを用いることができる。更に、据え置き型ゲーム機は、コントローラを使わず、代わりにカメラ、深度センサ、マイクロフォンなどを備えて、ゲームプレイヤーのジェスチャー、及び/又は音声によって操作する形式としてもよい。
<携帯型ゲーム機>
本発明の一態様の半導体装置は、ゲーム機の一例である携帯ゲーム機に適用することができる。図27(F)に示す携帯ゲーム機は、筐体5201、表示部5202、ボタン5203等を有する。なお、図27(F)に示す携帯ゲーム機は一例であり、本発明の一態様の半導体装置が適用された携帯ゲーム機の表示部、ボタンなどの配置、形状や数、は、図27(F)に示す構成に限定されない。また、携帯ゲーム機の筐体の形状は、図27(F)に示す構成に限定されない。
上述では、ゲーム機の一例として、据え置き型ゲーム機、携帯ゲーム機などを挙げたが、本発明の一態様の半導体装置は、上述した以外に業務用ゲーム機(アーケードゲーム機)などにも適用することができる。
<テレビジョン装置>
本発明の一態様の半導体装置は、テレビジョン装置に適用することができる。図27(G)に示すテレビジョン装置は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子9006などを有する。テレビジョン装置は、大画面、例えば、50インチ以上、又は100インチ以上の表示部9001を組み込むことが可能である。
<移動体>
本発明の一態様の半導体装置は、移動体である自動車の運転席周辺に適用することができる。
例えば、図27(H)は、自動車の室内におけるフロントガラス周辺を表す図である。図27(H)では、ダッシュボードに取り付けられた表示パネル5701、表示パネル5702、表示パネル5703の他、ピラーに取り付けられた表示パネル5704を図示している。
表示パネル5701乃至表示パネル5703は、ナビゲーション情報、スピードメーターやタコメーター、走行距離、燃料計、ギア状態、エアコンの設定などを表示することで、様々な情報を提供することができる。また、表示パネルに表示される表示項目やレイアウトなどは、ユーザの好みに合わせて適宜変更することができ、デザイン性を高めることが可能である。表示パネル5701乃至表示パネル5703は、照明装置として用いることも可能である。
表示パネル5704には、車体に設けられた撮像手段からの映像を映し出すことによって、ピラーで遮られた視界(死角)を補完することができる。すなわち、自動車の外側に設けられた撮像手段からの画像を表示することによって、死角を補い、安全性を高めることができる。また、見えない部分を補完する映像を映すことによって、より自然に違和感なく安全確認を行うことができる。表示パネル5704は、照明装置として用いることもできる。
<電子広告用の電子機器>
本発明の一態様の半導体装置は、電子広告を用途とするディスプレイに適用することができる。図28(A)は、壁に取り付けが可能な電子看板(デジタルサイネージ)の例を示している。図28(A)は、電子看板6200が壁6201に取り付けられている様子を示している。
<折り畳み式のタブレット型情報端末>
本発明の一態様の半導体装置は、タブレット型の情報端末に適用することができる。図28(B)には、折り畳むことができる構造を有するタブレット型の情報端末を示している。図28(B)に示す情報端末は、筐体5321aと、筐体5321bと、表示部5322と、操作ボタン5323と、を有している。特に、表示部5322は可撓性を有する基材を有しており、当該基材によって折り畳むことができる構造を実現できる。
また、筐体5321aと筐体5321bと、は、ヒンジ部5321cにより結合されており、ヒンジ部5321cによって、2つ折りが可能となっている。また、表示部5322は、筐体5321a、筐体5321b、及びヒンジ部5321cに設けられている。
また、図示していないが、図27(A)乃至(C)、(E)、図28(A)、(B)に示した電子機器は、マイク及びスピーカを有する構成であってもよい。この構成により、例えば、上述した電子機器に音声入力機能を付することができる。
また、図示していないが、図27(A)、(B)、(D)、図28(A)、(B)に示した電子機器は、カメラを有する構成であってもよい。
また、図示していないが、図27(A)乃至(F)、図28(A)、(B)に示した電子機器は、筐体の内部にセンサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線などを測定する機能を含むもの)を有する構成であってもよい。特に、図27(D)に示す携帯電話に、ジャイロ、加速度センサなどの傾きを検出するセンサを有する検出装置を設けることで、該携帯電話の向き(鉛直方向に対して該携帯電話がどの向きに向いているか)を判断して、表示部5502の画面表示を、該携帯電話の向きに応じて自動的に切り替えるようにすることができる。
また、図示していないが、図27(A)乃至(F)、図28(A)、(B)に示した電子機器は、指紋、静脈、虹彩、又は声紋など生体情報を取得する装置を有する構成であってもよい。この構成を適用することによって、生体認証機能を有する電子機器を実現することができる。
また、図27(A)乃至(E)、図28(A)に示した電子機器の表示部として、可撓性を有する基材を用いてもよい。具体的には、該表示部は、可撓性を有する基材上にトランジスタ、容量素子、及び表示素子などを設けた構成としてもよい。この構成を適用することによって、図27(A)乃至(E)、図28(A)に示した電子機器のように平らな面を有する筐体だけでなく、図27(F)に示したダッシュボード、ピラーのように、曲面を有するような筐体の電子機器を実現することができる。
図27(A)乃至(F)、図28(A)、(B)の表示部に適用できる、可撓性を有する基材としては、可視光に対する透光性を有する材料を例に挙げると、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)、ポリエーテルサルフォン樹脂(PES)、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリハロゲン化ビニル樹脂、アラミド樹脂、エポキシ樹脂などを用いることができる。また、これらの材料を混合又は積層して用いてもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態及び/又は実施例と適宜組み合わせることができる。
本実施例では、Silvaco社のharmony version 4.13.3Rという回路シミュレータを用いて、本発明の一態様の演算回路の動作の確認を行った。
図29に、回路シミュレータによって構成した回路150のブロック図を示す。回路150は、ニューラルネットワーク回路ANNと、デジタルコントローラDCTRと、デジタルアナログ変換回路DACxと、デジタルアナログ変換回路DACwと、XOR(排他的論理和)回路LCと、を有する。
ニューラルネットワーク回路ANNは、本実施の形態1で説明した演算回路100である。なお、本実施例における演算回路100において、メモリセルアレイMCAは、行数が5行、第1データを保持するメモリセルAMが3列、第1参照データを保持するメモリセルAMが3列、第2参照データを保持するメモリセルAMが3列としている。
デジタルコントローラDCTRは、ニューラルネットワーク回路ANNに入力するための複数のパラメータを保持するための記憶装置を有する。複数のパラメータとしては、第1データW[3:0]、第2データX[3:0]、教師データTなどとする。
デジタルコントローラDCTRは、デジタル値である第1データW[3:0](重み係数)をデジタルアナログ変換回路DACwに入力して第1データW[3:0]をアナログ値に変換して、アナログ値の第1データをニューラルネットワーク回路ANNに入力する。この動作は、実施の形態1の動作例で説明した、時刻T01乃至時刻T04において、メモリセルアレイMCAのメモリセルAMに第1データ、第1参照データ、第2参照データを格納する動作に相当する。
また、デジタルコントローラDCTRは、デジタル値である第2データX[3:0]をデジタルアナログ変換回路DACxに入力して第2データX[3:0]をアナログ値に変換して、アナログ値の第1データをニューラルネットワーク回路ANNに入力する。この動作は、実施の形態1の動作例で説明した、時刻T05乃至時刻T07において、配線VL[1]、配線VL[2]に第2データに応じた電位を印加する動作に相当する。
また、デジタルコントローラDCTRは、教師データTをニューラルネットワーク回路ANNに入力する。この動作は、実施の形態1の動作例で説明した、時刻T07乃至時刻T08において、学習回路LECの端子gi3に教師データが入力される動作に相当する。また、デジタルコントローラDCTRは、教師データをXOR回路LCの第1入力端子に入力する機能を有する。
デジタルコントローラDCTRは、ニューラルネットワーク回路ANNに命令信号SIGを送信する機能を有する。ニューラルネットワーク回路ANNは、命令信号SIGを受け取ることによって、第1データと第2データとの積和演算、活性化関数の値の算出、教師データを用いた第1データの更新などの動作を行う。また、ニューラルネットワーク回路ANNは、当該命令信号を受け取ることによって、当該動作の結果をデジタルコントローラDCTRに送信する。特に、ニューラルネットワーク回路ANNは、算出した活性化関数の値として演算結果データY(実施の形態1で説明した演算結果データに相当する。)をXOR回路LCの第2入力端子にも送信する。
XOR回路LCは、第1入力端子に入力された教師データTと、第2入力端子に入力された演算結果データYと、の排他的論理和をとる機能を有する。また、XOR回路LCは、教師データと演算結果データが一致する場合、デジタルコントローラに対して“0”を送信し、教師データと演算結果データが一致しない場合、デジタルコントローラに対してエラー信号として“1”を送信する機能を有する。
本実施例の計算では、図29に示した回路構成において、テストデータの分類を行った。テストデータは、Irisのデータセット(Fisher,R.A.(1936)The use of multiple measurements in taxnomicproblems. Annals of Eugenics,7,Part II,179-188.)を用いた。Irisのデータセットは、Setosa、Versicolor、Virginicaの3種類のあやめの花の、萼片及び花弁のそれぞれの長さと幅に関するデータを有する。
本実施例では、萼片及び花弁について、Setosa、Versicolorの2種類のデータをテストデータとして分類を行った。
図30は、Setosa、及びVersicolorの萼片(Petal Length)を縦軸に、花弁(Sepal Length)を横軸にプロットした分布図である。なお、プロットしたデータは、Setosa、及びVersicolorにおいて、それぞれ50個である。
初めに、ニューラルネットワーク回路ANNのメモリセルAMに保持する第1データWは、全て同じ値として入力した。なお、第1データWは任意の値としてもよく、又はランダムな値としてもよい。また、ニューラルネットワーク回路ANNは、実施の形態1で説明したとおり、学習を行っているときは、一回以上、第1データWを更新しているものとする。
回路150において、デジタルコントローラDCTRを用いて、萼片の長さ、及び花弁の長さの2つの特徴量を8ビットの2進数(デジタル値)に変換した。次に、デジタル値に変換した特徴量をデジタルアナログ変換回路DACxによってアナログ値に変換して、アナログ値に変換した特徴量を第2データXとして、ニューラルネットワーク回路ANNに入力した。なお、特徴量は、合計100個のテストデータ(Setosa、及びVersicolorにおいてそれぞれ50個ずつ)からランダムに選んだものとする。また、第2データXの入力と同時に、その特徴量(第2データX)の教師データもニューラルネットワーク回路ANNに入力する。このとき、ニューラルネットワーク回路ANNに入力する教師データTは、Setosaを0、Versicolorを1とする。
学習による第1データWの更新は、4μsに一度行う。更新を行う度に、特徴量とその教師データTとを残りのテストデータからランダムに選んでニューラルネットワーク回路ANNに入力する。このように第1データW(重み係数)を更新する条件として、回路150によってSetosa、及びVersicolorの分類を行った結果を図31に示す。図31は、縦軸にXOR回路の出力端子から出力された電位を示し、横軸に時間を示している。
回路150のXOR回路は、第1入力端子と第2入力端子とのそれぞれに入力されたデータが異なる場合に、出力端子に高レベル電位を出力する。つまり、図31では、概ね0sから500μsまでの間において、演算結果データと教師データとの不一致が多くなっていることが分かる。また、概ね500μsから2.0msまでの間において、演算結果データと教師データとの一致が多くなっている。
図32(A)(B)は、第1データ(重み係数)を50回更新したときにおける、回路150の各内部電圧の変化を示したグラフである。図32(A)は、XOR回路の出力端子から出力された電位を示し、図32(B)は、更新量を送信する1行目及び2行目の配線(図1に示す演算回路100の第2参照データを送信するHW[1]、HW[2]に相当する配線)の電位を示している。図32(A)(B)に示すとおり、XOR回路の出力端子から高レベル電位が出力している時刻において、第1データ(重み係数)の更新が行われていることがわかる。
本実施例の計算結果より、演算回路100によって第1データの更新を行うことができ、学習が最適に行われていることが分かる。
なお、本実施例は、本明細書に記載の各実施の形態と適宜組み合わせることができる。