JP7342436B2 - 連続鋳造方法およびこれに用いるスライディングノズル - Google Patents
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例えば、前記浸漬ノズルにおける溶鋼の吐出口側を断熱材で覆うことによって、該浸漬ノズルからの放熱を防ぎ、且つ前記断熱材を前記溶鋼によって熔解して消失させる溶鋼の連続鋳造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
更に、前記浸漬ノズルの周囲に筒形状のカーボンヒータを備えたノズル加熱装置を配置し、該加熱装置による輻射加熱によって、上記浸漬ノズルの外表面温度を1000℃以上に加熱することにより、該浸漬ノズルへの付着物の付着を防止つしながら、溶融金属を鋳型内に注湯する連続鋳造方法およびノズル加熱装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、前記特許文献1,2に開示された各発明では、前記スライディングノズルを構成している耐火物が炭素を含んでいる場合、溶鋼との接触により高温となった際に、大気中の酸素と反応して脱炭作用を招来するため、前記耐火物が劣化し易くなり且つ寿命が低下する、おそれもあった。
即ち、本発明による溶鋼の連続鋳造方法(請求項1)は、タンディッシュ内の溶鋼をスライディングノズルおよび浸漬ノズルを通じて連続鋳造用の鋳型内に注湯する溶鋼の連続鋳造方法であって、下ノズル部を含む前記スライディングノズルを構成する耐火材は、炭素を含み、上記タンディッシュの底面に付設された上記スライディングノズルのうち、外気に曝される前記下ノズル部における垂直片の外周面を耐火性断熱材で包囲して、前記下ノズル部を保温すると共に、前記耐火性断熱材の外側に配置され、平面視が環状で且つ内周面側に複数の吹付孔を有する不活性ガスの供給管から、上記下ノズル部における垂直片の外周面を包囲する上記耐火性断熱材に対し、不活性ガスを吹き付けることによって、該耐火性断熱材と外気との間を遮蔽状態にしつつ、上記タンディッシュ内の溶鋼を上記鋳型内に連続して注湯する、ことを特徴とする。
(1)前記タンディッシュの底面に付設された前記スライディングノズルにおいて、外気に曝される下ノズル部における垂直片の外周面を耐火性断熱材で包囲することによって、前記下ノズル部を保温しつつ、上記タンディッシュ内の溶鋼を前記鋳型内に連続して注湯できる。従って、前記溶鋼を所要の鋳込み温度域に確実に維持しながら、上記鋳型内に連続して注湯できるので、健全な連続鋳造片を安定して鋳造することが可能となる。
後述するように、前記下ノズル部における垂直片の外周面を耐火性断熱材で包囲した形態によれば、該耐火性断熱材で包囲しない形態に比べ、例えば、同じ鋼種を用いた際に、約120~130℃の温度低下(抜熱)を阻止することができる。
(2)前記スライディングノズルを構成する耐火材が炭素を含有していても、前記下ノズル部における垂直片の外周面を包囲する前記耐火性断熱材に対し、不活性ガスを吹き付けることによって、該耐火性断熱材と外気との間が遮蔽(パージ)状態とされているので、上記耐火物が大気中の酸素と結合し酸化して脱炭する事態を、確実に阻止することができる。従って、下ノズル部を含む前記スライディングノズルを構成する各ノズル部の耐火物材の寿命を長期化できるため、該スライディングノズルの取り替えなどのメンテナンス作業および同コストを低減することが可能となる。
また、前記スライディングノズルは、所定位置に固定された上ノズル部および下ノズル部と、これらの間に位置し且つ水平方向に沿ってスライドする中ノズル部とからなり、何れも溶鋼を通過させる貫通孔を有している。上ノズル部および中ノズル部は、平板状の耐火材からなり、同様の耐火材からなる下ノズル部は、前記貫通孔が穿孔された平板状の水平片と、前記貫通孔を囲むように該水平片から下側に突出した筒形状の垂直片とからなる。
更に、前記鋳型は、その内側面が鋳肌側となる角筒体あるいは円筒体の何れの形態でも良く、その中空部内を冷却水が循環可能とされている。
加えて、前記連続鋳造方法は、垂直式および垂直曲げ式の何れであっても良い。
また、前記不活性ガスは、窒素、水素、アルゴン、ネオン、またはこれらの混合ガス(例えば、窒素と水素との混合ガス)である。
更に、本発明には、前記不活性ガスの供給管が有する複数の吹付孔は、求心状に穿設されている、溶鋼の連続鋳造方法(請求項2)も含まれる。
更に、前記スライディングノズルを構成する耐火材が炭素を含有していても前記下ノズル部における垂直片の外周面を包囲する前記耐火性断熱材に対し、不活性ガスを吹き付けられ、該耐火性断熱材と外気との間が遮蔽状態にできるので、前記効果(2)を更に得ることができる。
尚、前記不活性ガスの供給管の環状とは、平面視が円環形状または四角形以上の正多角形形である。
また、本発明には、前記不活性ガスの供給管が有する複数の吹付孔は、求心状に穿設されている、連続鋳造方法に用いるスライディングノズル(請求項4)も含まれる。
尚、前記スライディングノズルの周囲とは、少なくとも該スライディングノズルの側面側と底面側のことである。
これによれば、前記耐火性断熱材が、セラミックファイバーからなっているので、前記スライディングノズルにおける下ノズル部の垂直片の外周面に対して厚地のシート状体を巻き付け、且つその両端を適宜の耐熱性の結合手段で接続するか、モルタルなどの不定形耐火物を使った接着にて固定することにより、前記効果(1)および(2)を奏する前記スライディングノズルを迅速且つ安価に構成することが可能となる。
尚、上記セラミックファイバーは、例えば、アルミナ(Al2O3)とケイ酸(SiO3)との混合物(Al2O3-SiO3、通称リフラクトリーセラミック)からなり、所謂ブランケット状の厚地のシート状体である。
図1は、本発明を適用したタンディッシュ1、スライディングノズル10、浸漬ノズル5、および連続鋳造用の鋳型30の付近を示す垂直断面図、図2は、上記スライディングノズル10付近の拡大断面図である。
上記タンディッシュ1は、図1,図2に示すように、水平な底面および外側に傾斜した複数の側面からなる容器形状の鉄皮2と、該鉄皮2の内側面に沿ってほぼ一定の厚みで貼り付けられた耐火物3と、底面の中央付近に開設された吐出口4とを備えている。該タンディッシュ1は、予め図示しない取鍋などからその内側に注湯され且つ一旦貯留された溶鋼Mを、上記吐出口4を閉塞する耐火物製で且つ棒状のストッパー(図示せず)を引き上げて開放することにより、該吐出口4付近の下側に付設したスライディングノズル10側に供給可能としている。
一方、中ノズル部14は、図2中の水平な矢印で示すように、上ノズル部12と下ノズル部16との間を水平方向に沿ってスライド可能となるように、前記タンディッシュ1の下側において水平姿勢で配設された油圧シリンダ(流体圧シリンダ)28におけるピストンロッド29の先端部が連結されている。
また、図2に示すように、下ノズル部16の垂直片18は、前記鉄皮11における底面の中央付近から下側に垂下しており、係る垂直片18の外周面19には、耐火性断熱材20が数mmないし数cmの厚みで円筒形に巻き付けることによって、当該垂直片18を外側から包囲している。
上記耐火性断熱材20は、例えば、アルミナ(Al2O3)とケイ酸(SiO3)との混合物(Al2O3-SiO3)からなり、所謂ブランケット状の厚地のシート状体を巻き付けたものである。尚、該シート状体の耐火性断熱材20は、例えば、円筒形状にした際の両端部同士を金属ワイヤーなどで結合するか、円筒形状の外周面に沿って単数列または複数列の金属ベルト(金属バンド)を締め込むか、あるいは、例えば、予め配設したモルタルやセメントのような不定形の耐火物の上から貼り付けることで、その姿勢を保持し得る。
尚、上記浸漬ノズル5は、上記側壁6の上部から外側に水平方向に沿って対称に突出したトラニオンを、左右一対のハンガー(何れも図示せず)で個別に支えることによって、所定の位置に支持されている。
図示しない貯留タンクから上記ガス供給用ノズルを介して、上記供給管25内に圧送された不活性ガス(例えば、窒素)は、上記複数の吹付孔26から前記耐火性断熱材20の外周面に対して、大気圧よりも比較的高い圧力で吹き付けられる。その結果、前記耐火性断熱材20を周囲の大気から遮蔽状態(パージ)にすることができる。
図1に示すように、前記浸漬ノズル5の内側を流下し且つ複数の吐出孔9から上記鋳型30の内側に注がれた溶鋼Mは、含有している比重が比較的軽い不純物を湯面側に浮上させると共に、当該鋳型30によって冷却され徐々に凝固していく。上記溶鋼Mが凝固した断面角形状の鋳造片Cは、外形が円柱形である複数対のピンチローラRによって、図1中の白抜き矢印で示すように、順次下側に引き抜かれる。
尚、前記鋳型30は、全体が円筒形状でも良く、係る形態の場合、上記ピンチローラRは、鼓形状のものが用いられる。
予め、図1,図2に示すように、前記タンディッシュ1内に所定の湯面レベルまで溶鋼Mが貯留されている。また、前記スライディングノズル10では、その中ノズル部14が、前記油圧シリンダー28によって所定の位置にスライドされ、前記貫通孔13,15,17を連通状態としている。更に、前記供給管25における複数の吹付孔26から窒素(ガス)が、約数~10数気圧の圧力で下ノズル部15における垂直片18の外周面に巻き付けられた前記耐火性断熱材20に対して吹き付けられている。
係る状態において、上記タンディッシュ1の前記吐出口4を開放すると、前記溶鋼Mは、前記スライディングノズル10aの各貫通孔13,15,17を通過して流下し、更に前記浸漬ノズル5の内側を流れ落ちた後、該浸漬ノズル5における複数の吐出孔9から前記鋳型30の内側に順次流出する。
因みに、同じタンディッシュ1,スライディングノズル10、浸漬ノズル5,鋳型30を用い、前記スライディングノズル10の下ノズル部16における垂直片18の外周面19に、セラミックファイバー(Al2O3-SiO3)からなり且つ平均厚さが約数mmないし数cmの耐火性断熱材20を巻き付けて包囲して、同じ鋼種による溶鋼Mの前記連続鋳造方法を行った。その結果、前記耐火性断熱材20を巻き付けた本発明の実施例による場合、下ノズル部16の前記貫通孔17の内壁面から外周面に至る範囲において、上記耐火性断熱材20を用いなかった比較例に比べて、温度を約120℃~130℃程高く保てることが確認できた。
以上のように、本発明による前記溶鋼の連続鋳造方法、およびこれに用いる前記スライディングノズル10によれば、前記効果(1),(2)が得られることを裏付けることができた。
例えば、前記スライディングノズル10の上・中・下ノズル部12,14,16を構成し且つ炭素を含有する耐火材は、前述した物の他、Al2O3-Cや、ZrO2-Cなどとしても良い。
また、前記耐火性断熱材20を構成するセラミックファイバーは、前述したリフラクトリーセラミックの他、アルミナ繊維からなるものとしても良い。
また、前記供給管25は、前記耐火性断熱材20の外側に上下2列以上を平行状に配管した形態としても良い。
加えて、前記耐火性断熱材20と同様な形状の耐火性断熱材を、前記鉄皮11における側壁の内側に配置しても良い。
以上のほか、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
5…………………浸漬ノズル
10………………スライディングノズル
11………………鉄皮
16………………下ノズル部
18………………垂直片
19………………外周面
20~22………耐火性断熱材
25………………供給管
26………………吹付孔
30………………鋳型
M…………………溶鋼
g…………………窒素(不活性ガス)
Claims (5)
- タンディッシュ内の溶鋼をスライディングノズルおよび浸漬ノズルを通じて連続鋳造用の鋳型内に注湯する溶鋼の連続鋳造方法であって、
下ノズル部を含む前記スライディングノズルを構成する耐火材は、炭素を含み、
上記タンディッシュの底面に付設された上記スライディングノズルのうち、外気に曝される前記下ノズル部における垂直片の外周面を耐火性断熱材で包囲して、前記下ノズル部を保温すると共に、
前記耐火性断熱材の外側に配置され、平面視が環状で且つ内周面側に複数の吹付孔を有する不活性ガスの供給管から、上記下ノズル部における垂直片の外周面を包囲する上記耐火性断熱材に対し、不活性ガスを吹き付けることによって、該耐火性断熱材と外気との間を遮蔽状態にしつつ、上記タンディッシュ内の溶鋼を上記鋳型内に連続して注湯する、
ことを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。 - 前記不活性ガスの供給管が有する複数の吹付孔は、求心状に穿設されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の溶鋼の連続鋳造方法。 - タンディッシュ内の溶鋼をスライディングノズルおよび浸漬ノズルを通じて連続鋳造用の鋳型内に注湯する溶鋼の連続鋳造方法に用いる前記スライディングノズルであって、
下ノズル部を含む上記スライディングノズルを構成する耐火材は、炭素を含み、
上記タンディッシュの底面に付設された上記スライディングノズルのうち、該スライディングノズルの周囲を囲む鉄皮の底面から下側に垂下し、且つ外気に曝される上記下ノズル部における垂直片の外周面を耐火性断熱材によって包囲していると共に、
上記下ノズル部の垂直片の外周面を包囲する上記耐火性断熱材の外側に、平面視が環状で且つ内周面側に複数の吹付孔を有する不活性ガスの供給管が配置されている、
ことを特徴とする連続鋳造用スライディングノズル。 - 前記不活性ガスの供給管が有する複数の吹付孔は、求心状に穿設されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の連続鋳造用スライディングノズル。 - 前記耐火性断熱材は、セラミックファイバーからなる、
ことを特徴とする請求項3または4に記載の連続鋳造用スライディングノズル。
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