1.第1実施形態
1-1:全体構成
図1は、第1実施形態に掛かる無線通信システム1の概要図である。無線通信システム1は、端末装置30を所持するユーザに、無線通信により他の端末装置30にアクセス可能とする無線通信サービスを提供する。端末装置30は、例えば、他の端末装置30と音声データの送受信を行うことにより、他の端末装置30を所持する他のユーザとの会話を可能にする。
無線通信システム1は、端末装置30と無線接続する1以上の無線基地局装置BTSと、推定装置10と、管理者端末20と、端末装置30とを含む。無線基地局装置BTSと、推定装置10と、管理者端末20とは、ネットワークNWに接続される。ネットワークNW内には、図1に図示しない装置として、無線基地局装置BTSと接続する無線ネットワーク制御装置(RNC:Radio Network Controller)がある。
無線基地局装置BTSは、1以上のアンテナANTを収容する。1以上のアンテナANTは、支柱POに取り付けられている。支柱POが損壊していない状態において、支柱POは、鉄塔部分TSの上部に設置されている。アンテナANTは、通信可能な範囲内にある端末装置30と通信する。1つの無線基地局装置BTSが通信可能な範囲を、「セル」と称する。更に、1つの無線基地局装置BTSが、指向性を有する複数のアンテナANTを有してもよい。1つのアンテナANTが通信可能な範囲を、「セクタ」と称する。複数の無線基地局装置BTSのそれぞれのセクタ数は、互いに同一でもよいし異なってもよい。セクタ数は、例えば、3又は6である。
上述のアンテナANTは、鉄塔部分TSの上部に設置されていたが、これに限らない。例えば、アンテナANTは、建物の屋上に設置されてもよい。更に、複数の無線基地局装置BTSにおいて、アンテナANTが鉄塔部分TSの上部に設置された無線基地局装置BTSと、アンテナANTが建物の屋上に設置された無線基地局装置BTSとが混在してもよい。以下では、アンテナANTは、鉄塔部分TSの上部に設置されているとして説明する。
以下の記載では、無線基地局装置BTSが有するアンテナANTは、指向性を有するアンテナ、いわゆるセクタアンテナであるとして説明する。本実施形態では、全ての無線基地局装置BTSが有するアンテナANTの総数が、n1個であるとする。n1は、2以上の整数である。例えば、全ての無線基地局装置BTSは、1以上の国内、及び、1以上の地域内の一方又は両方に設置される。以下では、説明の簡略化のため、全ての無線基地局装置BTSは、1つの国内に配置されたとして説明する。
推定装置10は、支柱POが損壊したか否かを推定する。支柱POの損壊には、例えば、支柱POが折れる場合と、支柱POが傾く場合とがある。支柱POが損壊すると、アンテナANTに対応するセクタ内に電波を正確に放射できなくなるため、端末装置30は、無線通信サービスを適切に受けられなくなる。図2及び図3を用いて、支柱POの損壊の例を示す。
図2は、支柱POの損壊の第1例を示す図である。図2に示す図は、無線基地局装置BTSの真上から、無線基地局装置BTSを見た場合の様子を示す。図2では、図面の煩雑化を避けるために、支柱POの先端部分とアンテナANTの図示を省略している。図2の例では、支柱POが折れており、支柱POに取り付けられているケーブルによって、無線基地局装置BTSの鉄塔部分TSから支柱POがぶら下がっている。ケーブルによってアンテナANTが接続されているため、アンテナANTそのものの機能は正常である。
図3は、支柱POの損壊の第2例を示す図である。図3に示す図は、地面に対して水平方向から、無線基地局装置BTSを見た場合の様子を示す。図3の例では、支柱POが鉛直方向に対して傾いている。
説明を図1に戻す。管理者端末20は、推定装置10を管理する管理者ADによって操作されるコンピュータである。端末装置30は、スマートフォン又はタブレット端末などのコンピュータである。
図4は、推定装置10の構成を示すブロック図である。推定装置10は、例えば、処理装置11と、計時装置12と、通信装置13と、記憶装置15とを備える。推定装置10の各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスで相互に接続される。なお、本明細書における「装置」という用語は、回路、デバイス又はユニット等の他の用語に読替えてもよい。また、推定装置10の各要素は、単数又は複数の機器で構成され、推定装置10の一部の要素は省略されてもよい。
処理装置11は、推定装置10の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップで構成される。処理装置11は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成される。なお、処理装置11の機能の一部又は全部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現してもよい。処理装置11は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
計時装置12は、クロック信号を基に時間を計時して、計時結果を示す時刻情報を生成する。通信装置13は、他の装置と通信を行うためのハードウェアである。通信装置13は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。
記憶装置15は、処理装置11が読取可能な記録媒体であり、トラフィックログLG、処理装置11が実行する制御プログラムPR1を含む複数のプログラム、学習モデルLM、及び、処理装置11が使用する各種の情報などを記憶する。記憶装置15は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、及びRAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置15は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。トラフィックログLGは、セクタごとのトラフィックの履歴を示す。
図5は、トラフィックログLGの記憶内容の一例を示す図である。トラフィックログLGは、セクタID(IDentifier)と、年月日情報YMDIと、時間帯情報PTIと、トラフィック情報TIとを関連付けた情報である。図5に示すトラフィックログLGは、レコードLGR_1~レコードLGR_6を有する。なお、図5に示すトラフィックログLGは、データの管理手法としてリレーショナルデータベース(RDB:Relational DataBase)に従ったデータでもよいし、トラフィックログLGは、データの管理手法としてKVS(Key Value Store)に従ったデータでもよい。トラフィックログLGのデータ量が膨大である場合、RDBよりKVSの方が好ましい。
セクタIDは、セクタを識別する識別子である。年月日情報YMDIは、トラフィック情報TIを取得した年月日を示す。時間帯情報PTIは、トラフィック情報TIを取得した時間帯を示す情報である。時間帯情報PTIは、1日の中の期間の意味であり、年月日を含まない。例えば、時間帯は、10時00分00秒から11時00分00秒である。時間帯情報PTIが示す時間帯の長さは、30分、1時間、又は2時間等、どのような期間でもよいが、第1実施形態では1時間である。トラフィック情報TIは、セクタIDによって識別されるセクタにおいて、年月日情報YMDIが示す年月日及び時間帯情報PTIが示す時間帯に発生したトラフィックに関する情報である。トラフィック情報TIは、n2個のトラフィック値を含む。n2は、1以上の整数である。例えば、n2は、789である。
図6は、トラフィック値の一例を示す図である。図6では、トラフィック情報TIに含まれるトラフィック値として、単位期間におけるDL(Down Link)チャネル使用状況の最大値、単位期間におけるDLチャネル使用状況の平均値、単位期間におけるRB(Resource Block)使用率の最大値、単位期間におけるRB使用率の平均値、単位期間におけるBB(BaseBand)使用率の最大値、単位期間におけるBB使用率の平均値、単位期間におけるMAC(Medium Access Control) SDU(service data unit)送受信レートの最大値、MAC SDU送受信レートの平均値、単位期間におけるUL(Up Link)チャネル使用状況の最大値、及び、単位期間におけるULチャネル使用状況の平均値を示す。
DLチャネル使用状況は、セクタIDによって識別されるセクタにおいて、ダウンリンクにおいて設定されているチャネルの数、又は、チャネルの割合である。チャネルの割合は、セクタで設定可能なチャネルの最大値に対する、セクタで現在設定されているチャネルの数の比率を示す値である。同様に、ULチャネル使用状況は、セクタIDによって識別されるセクタにおいて、アップリンクにおいて現在設定されているチャネルの数、又は、チャネルの割合である。
RB使用率は、セクタに割り当てられた周波数帯域幅に応じて決定される総RBのうち、通信に割当済みのRBの比率を示す値である。RBは、セクタに割り当てられた周波数帯域幅を分割する分割周波数帯と、所定の期間長とによって定義されるリソースである。例えば、LTE(Long Term Evolution)において採用されているOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:直交周波数分割多元接続)において、分割周波数帯の帯域幅は15kHzであり、所定の期間長は、1ミリ秒である。
BB使用率は、無線基地局装置BTS内のベースバンド処理が使用するリソースの使用率である。リソースは、例えば、CPU及びメモリである。単位期間におけるBB使用率の最大値は、単位期間内においてBB使用率が最大となった値である。
MAC SDU送受信レートは、MAC SDUの送信速度及び受信速度である。単位期間におけるMAC SDU送受信レートの最大値は、単位期間内においてMAC SDU送受信レートが最大となった値である。
説明を図5に戻す。図5に示すトラフィックログLGは、n1個のセクタについて、2019年xx月yy日の12時から、2019年9月14日の12時までのトラフィック情報TIを有する。本実施形態では、アンテナANTの総数がn1個であるため、セクタの総数もn1個である。例えば、レコードLGR_1は、セクタID1番の時間帯2019年9月14日の11時から12時までの間のトラフィック値(x1_11_1,x1_11_2,…,x1_11_n2)を示す。
説明を図4に戻す。学習モデルLMは、複数のアンテナANTについて、トラフィックとトラフィックの変動理由との関係を学習済みである。この複数のアンテナANTは、国内に配置された全ての無線基地局装置BTSの一部が有するアンテナ、又は、全ての無線基地局装置BTSが有するアンテナである。学習モデルLMを生成するために、この複数のアンテナANTの各々に関するトラフィック情報TIを収集する必要がある。以下、この複数のアンテナANTの各々を、「収集対象アンテナANT」と称する。学習モデルLMは、教師あり学習であれば、どの機械学習によって生成されてもよい。教師あり学習には、例えば、サポートベクターマシン、ニューラルネットワーク、及び、単純ベイズ分類器等がある。又は、学習モデルLMは、複数の教師あり学習の各々に応じたモデルから得られた推定結果を組み合わせる、いわゆるアンサンブル学習によって生成されたモデルでもよい。なお、学習モデルLMは、「第1学習モデル」の一例である。
図7は、管理者端末20の構成を示すブロック図である。管理者端末20は、例えば、処理装置21、計時装置22、表示装置23、記憶装置25、入力装置26、及び、通信装置27を備える。管理者端末20の各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスで相互に接続される。
処理装置21は、管理者端末20の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップで構成される。処理装置21は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置で構成される。なお、処理装置21の機能の一部又は全部を、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアによって実現してもよい。処理装置21は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
計時装置22は、クロック信号を基に時間を計時して、計時結果を示す時刻情報を生成する。表示装置23は、画像を表示するデバイスである。
記憶装置25は、処理装置21が読取可能な記録媒体であり、処理装置21が実行する制御プログラムPR2を含む複数のプログラム、及び処理装置21が使用する各種の情報などを記憶する。記憶装置25は、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、及びRAM等の少なくとも1つによって構成されてもよい。
入力装置26は、外部からの入力を受け付けるデバイスである。入力装置26としては、キーボード及びポインティングデバイスが該当する。通信装置27は、他の装置と通信を行うためのハードウェアである。
1-2:推定装置10の機能
図8は、推定装置10の機能を示す図である。処理装置11は、記憶装置15から制御プログラムPR1を読み出し、読み出した制御プログラムPR1を実行することによって、トラフィック情報取得部111、算出部112、判定部113、変動情報取得部114、及び、出力部115として機能する。
トラフィック情報取得部111は、複数の無線基地局装置BTSから、n1個のアンテナANTの各々に対応するトラフィックに関するトラフィック情報TIを取得する。例えば、トラフィック情報TIには、例えば、単位期間におけるDLチャネル使用状況の最大値、単位期間におけるDLチャネル使用状況の平均値、単位期間におけるRB使用率の最大値、単位期間におけるRB使用率の平均値、単位期間におけるBB使用率の最大値、単位期間におけるBB使用率の平均値、単位期間におけるMAC SDU送受信レートの最大値、単位期間におけるBB使用率の平均値、単位期間におけるULチャネル使用状況の最大値、及び、単位期間におけるULチャネル使用状況の平均値のうちの1つ又は複数が含まれる。トラフィック情報TIは、トラフィックログLGに格納される。
単位期間におけるDLチャネル使用状況の最大値、及び、単位期間におけるDLチャネル使用状況の平均値は、「ダウンリンクのチャネル使用率に関する情報」の一例である。また、RB使用率は、「リソースブロックの使用率」の一例である。
算出部112は、トラフィック情報TIのうち、推定対象アンテナANT_iに対応するトラフィック情報TI_iに基づいて通信品質の程度を示す指標値Rを、単位期間ごとに算出する。iは、1からn1までのいずれかの整数である。単位期間は、時間帯情報PTIが示す時間帯と一致する。なお、推定対象アンテナANT_iが、「第1アンテナ」の一例である。トラフィック情報TI_iが、「第1トラフィック情報」の一例である。指標値Rは、例えばトラフィック情報TI_iに含まれる複数のトラフィック値の各々に定数を乗じた値を合計した値である。指標値Rは、例えば、下記(1)により求められる。
R=a_1×x_1+a_2×x_2+…+a_n2×x_n2 (1)
ただし、x_1、x_2、…、x_n2は、トラフィック情報TI_iに含まれるトラフィック値である。a_1、a_2、…、a_n2は、0以上の定数である。
判定部113は、単位期間ごとに、指標値Rが、当該指標値Rに対応する単位期間より前の単位期間において算出部112によって算出された指標値Rと比較して、所定値以上小さいか否かを判定する。当該指標値Rに対応する単位期間は、「一の単位期間」の一例である。一の単位期間の指標値Rは、「第1指標値」の一例である。前の単位期間において算出部112によって算出された指標値Rは、「第2指標値」の一例である。
トラフィックの変動は、なんらかの原因によって発生する。このため、原因の発生の前後の単位期間のトラフィック情報TIに基づく指標値Rを比較することによって、トラフィックが変動した理由を推定する精度が向上する。従って、前の単位期間は直前の単位期間であることが好ましい。以下の説明では、前の単位期間は直前の単位期間とする。
変動情報取得部114は、判定部113の判定結果が肯定である場合、学習モデルLMを用いて、所定数mの単位期間におけるトラフィックの変動理由を示す変動情報MI_iを取得する。所定数mは、1以上であればどのような値でもよいが、例えば、所定数mの単位期間の合計が1日間である値である。単位期間が1時間であれば、所定数mは、24である。また、所定数mが2以上である場合、所定数mの単位期間の各々は、互いに連続してもよいし、互いに離散してもよい。以下の記載では、単位期間を1時間であるとし、所定数mの単位期間の各々が連続しているとして説明する。なお、変動情報MI_iは、「第1変動情報」の一例である。
学習モデルLMは、複数の収集対象アンテナANTについて、所定数mの単位期間におけるトラフィック情報TIとトラフィックの変動理由との関係を学習済みである。学習モデルLMの生成における所定数mの単位期間とは、学習モデルLMを生成する際に用いたデータセットDSに含まれるトラフィック情報TIの個数が、学習モデルLMに入力されるトラフィック情報TIの個数と同一であることを示し、単位期間の年月日及び時間帯が同一である必要はない。ただし、学習モデルLMは、支柱POが損壊したか否かを推定する前に生成される。このため、データセットDSに含まれる所定数mのトラフィック情報TIが生成された時間は、必然的に、推定時に学習モデルLMに所定数mのトラフィック情報TIを入力する時間よりも過去である。
以下では、学習モデルLMの生成例を説明した後、学習モデルLMの運用例について説明する。学習モデルLMを生成する装置は、推定装置10に限らなく、管理者端末20等の他の装置でもよい。以下では、推定装置10が、学習モデルLMを生成するとして説明する。
1-2-1:学習モデルLMの生成例
推定装置10は、データセットDSを教師データとして用いて学習モデルLMを生成する。データセットDSは、1つの入力情報と1つのラベル情報から構成される。入力情報は、所定数mの単位期間におけるトラフィック情報TI、セクタID、月日情報MDI、及び、時間帯情報PTIである。ラベル情報は、変動情報MIである。変動情報MIは、入力情報に含まれるトラフィック情報TIの変動理由を識別する識別子である。変動情報MIは、トラフィックの変動に関する複数の理由に1対1に対応する複数の識別子のうち1つの識別子を示す。以下、データセットDSに含まれる変動情報MIが取り得る7つの識別子を、図9及び図10を用いて例示する。
図9及び図10に例示の通り、データセットDSに含まれる変動情報MIは、「支柱損壊」識別子、「周辺新設局等追加」識別子、「セクタ追加」識別子、「指向変更」識別子、「チルト」識別子、「建物新設」識別子、及び、「集客イベント等終了」識別子という7つの識別子のうち1つの識別子を取り得る。データセットDSに含まれる変動情報MIが取り得る複数の識別子は、「支柱損壊」識別子を含む。また、この複数の識別子は、「周辺新設局等追加」識別子、「セクタ追加」識別子、「指向変更」識別子、「チルト」識別子、「建物新設」識別子、及び、「集客イベント等終了」識別子のうち、1又は複数の識別子を含む。なお、「支柱損壊」識別子は、「第1識別子」の一例である。「周辺新設局等追加」識別子は、「第2識別子」の一例である。「セクタ追加」識別子は、「第3識別子」の一例である。「指向変更」識別子は、「第4識別子」の一例である。「チルト」識別子は、「第5識別子」の一例である。「建物新設」識別子は、「第6識別子」の一例である。「集客イベント等終了」識別子は、「第7識別子」の一例である。
「支柱損壊」識別子は、収集対象アンテナANTが取り付けられた支柱POの損壊を示す。アンテナANTが取り付けられた支柱POが損壊すると、アンテナANTが放射する電波の一部又は全部が、アンテナANTに対応するセクタ内に届かなく、トラフィックが減少する。従って、収集対象アンテナANTが取り付けられた支柱POの損壊は、トラフィックの変動理由になり得る。
「周辺新設局等追加」識別子は、収集対象アンテナANTに対応するセクタと新たに追加された他のアンテナANTに対応するセクタとが重複したことを示す。2つのセクタが重複するとは、2つのセクタの一部分同士が重複することと、一方のセクタが他方のセクタを含むことと、一方のセクタと他方のセクタとが同一であることとを含む。他のアンテナANTは、新たに追加された無線基地局装置BTSに収容されたアンテナANT、又は、既存の無線基地局装置BTSに追加されたアンテナANTである。収集対象アンテナANTに対応するセクタと新たに追加された他のアンテナANTに対応するセクタとが重複する場合、今まで収集対象アンテナANTと通信していた複数の端末装置30の一部又は全部が、他のアンテナANTと通信する。従って、収集対象アンテナANTに対応するセクタと新たに追加された他のアンテナANTのセクタとが重複したことは、トラフィックの変動理由になり得る。
「セクタ追加」識別子は、収集対象アンテナANTを有する無線基地局装置BTSに新たなセクタが追加されたことを示す。例えば、ある無線基地局装置BTSにおいて、セクタ数が3から6に増加した結果、トラフィックが変動した場合、変動情報MIが「セクタ追加」識別子に設定される。セクタが追加された場合、今まで収集対象アンテナANTと通信していた複数の端末装置30の一部又は全部が、追加されたセクタに対応するアンテナANTと通信する。従って、新たなセクタが追加されることは、トラフィックの変動理由になり得る。
「指向変更」識別子は、収集対象アンテナANTの指向性が変更されたことを示す。アンテナANTの指向性が変更された場合は、例えば、無線基地局装置BTSの作業者がアンテナANTの指向性を変える場合である。作業者がアンテナANTの指向性を変える状況として、例えば、2つの無線基地局装置BTSがあり、いずれのアンテナANTから放射された電波も、端末装置30に届いていない場合、無線基地局装置BTSの作業者は、一方の無線基地局装置BTSの第1セクタのアンテナANTの指向性を調整することにより、端末装置30に届くようにする。アンテナANTの指向性が変更した場合、トラフィックが増加又は減少する。従って、アンテナANTの指向性が変更されたことは、トラフィックの変動理由になり得る。
「チルト」識別子は、収集対象アンテナANTの傾きが変更されたことを示す。例えば、アンテナANTの傾きが変更された場合は、例えば、無線基地局装置BTSの作業者がアンテナANTの傾きを変える場合である。作業者がアンテナANTの傾きを変える状況として、例えば、2つの無線基地局装置BTSがあり、一方の無線基地局装置BTSの第1セクタが、他方の無線基地局装置BTSの第2セクタと比較して必要以上に広い場合を想定する。この想定において、無線基地局装置BTSの作業者は、第1セクタに対応するアンテナANT及び第2セクタに対応するアンテナANTの傾きを調整することにより、第1セクタの面積と第2セクタの面積とを同程度に設定する。以上の調整により、第1セクタに対応するアンテナANTに対応するトラフィックが減少するので、アンテナANTの傾きが変更されたことは、トラフィックの変動理由になり得る。
「ビル新設」識別子は、収集対象アンテナANTに対応するセクタ内に新たな建物が建設されたことを示す。新たな建物が建設されると、アンテナANTから放射された電波が建物に阻害され、端末装置30に届きにくくなる。従って、アンテナANTに対応するセクタ内に新たな建物が建設されたことは、トラフィックの変動理由になり得る。
「集客イベント等終了」識別子は、収集対象アンテナANTに対応するセクタ内において発生していた集客に関する事象が終了したことを示す。集客に関する事象が終了したことには、収集対象アンテナANTに対応するセクタ内において集客イベントが終了したこと、及び、収集対象アンテナANTに対応するセクタ内に位置する建物内の一部又は全部の区画が閉鎖したことを含む。収集対象アンテナANTに対応するセクタ内で発生していた集客イベントが終了すると、集客イベントのために集まっていた端末装置30のユーザの一部又は全部がセクタ外へ移動して、トラフィックが減少する。同様に、セクタ内の位置する建物内の一部又は全部の区画が閉鎖した場合、該当の区画内にいた端末装置30のユーザの一部又は全部がセクタ外へ移動して、トラフィックが減少する。従って、収集対象アンテナANTに対応するセクタ内において発生していた集客に関する事象が終了したことは、トラフィックの変動理由になり得る。
変動情報MIの生成例として、管理者ADは、入力情報に含まれるトラフィック情報TIに対応するアンテナANT付近に駐在する駐在員から、実際の変動理由を聞きだす。そして、管理者端末20は、管理者ADの操作によって、聞き出した変動理由に対応する識別子を変動情報MIとして生成する。管理者ADは、駐在員から、トラフィックの変動理由を複数聞き出した場合、複数の変動理由のうち1つの変動理由を選択する。管理者端末20は、管理者ADの操作によって、選択した1つの変動理由に対応する識別子を変動情報MIとして生成する。
推定装置10は、複数のデータセットDSを学習モデルLMに学習させる。図9及び図10では、複数のデータセットDSの一例として、第1データセットDS_1、第2データセットDS_2、及び、第3データセットDS_3を示す。
以下の説明では、同種の要素を区別する場合には、第1データセットDS_1、第2データセットDS_2のように参照符号を使用する。一方、同種の要素を区別しない場合には、データセットDSのように、参照符号のうちの共通番号だけを使用する。
図11に、第1データセットDS_1の一例を示す。図11に示すグラフG1は、第1データセットDS_1に含まれる所定数mの単位期間のトラフィック情報TIのうち、単位が数である、ある1つのトラフィック値を、時系列に沿って並べている。グラフG1の横軸に記載した時刻は、各単位期間の先頭の時刻を示す。グラフG1の例示の通り、9月14日の15時から17時までに渡ってトラフィック値が大きく減少している。18時から19時までのトラフィック値は、ほぼ0に近い値である。
図12に、第2データセットDS_2の一例を示す。図12に示すグラフG2は、第2データセットDS_2に含まれる所定数mの単位期間のトラフィック情報TIのうち、単位が数である、ある1つのトラフィック値を、時系列に沿って並べている。グラフG2の横軸に記載した時刻は、各単位期間の先頭の時刻を示す。グラフG2の例示の通り、9月4日の14時から16時に渡ってトラフィック値が大きく減少している。17時から18時までのトラフィック値は、9時から10時までのトラフィック値の略半分である。
図13に、第3データセットDS_3の一例を示す。図13に示すグラフG3は、第3データセットDS_3に含まれる所定数mの単位期間のトラフィック情報TIのうち、単位が数である、ある1つのトラフィック値を、時系列に沿って並べている。グラフG3の横軸に記載した時刻は、各単位期間の先頭の時刻を示す。グラフG3の例示の通り、9月5日の10時から12時までに渡ってトラフィック値が大きく増加している。更に、16時から18時までに渡ってトラフィック値が大きく減少している。
1-2-2:学習モデルLMの運用例
変動情報取得部114は、学習モデルLMに対して、入力情報を入力することによって、所定数mの単位期間におけるトラフィックの変動理由を示す変動情報MI_iをラベル情報として出力する。学習モデルLMへの入力情報は、所定数mの単位期間におけるトラフィック情報TIと、トラフィック情報TI_iに対応するセクタのセクタIDと、トラフィック情報TI_iを取得した月日を示す月日情報MDI_iと、トラフィック情報TI_iを取得した時間帯を示す時間帯情報PTI_iとである。所定数mの単位期間のうち、最も新しい単位期間は、判定部113の判定結果が肯定であると判定した単位期間である。従って、所定数mの単位期間におけるトラフィック情報TIは、判定部113の判定結果が肯定であると判定した単位期間のトラフィック情報TI_iと、トラフィック情報TI_iの単位期間の1個前からm-1個前までの各単位期間のトラフィック情報TIとである。
より詳細な動作として、変動情報取得部114は、トラフィックログLGから、トラフィック情報取得部111が取得したトラフィック情報TI_iのセクタIDと同一のセクタIDとなる複数の単位期間の各々のトラフィック情報TIを検索する。次に、変動情報取得部114は、検索して得られた複数の単位期間の各々のトラフィック情報TIのうち、トラフィック情報TI_iの単位期間の1個前からm-1個前までの各単位期間のトラフィック情報TIを抽出する。更に、変動情報取得部114は、トラフィック情報TI_iを取得した単位期間の月日に基づいて月日情報MDIを生成し、トラフィック情報TI_iを取得した単位期間の時間帯に基づいて時間帯情報PTI_iを生成する。そして、変動情報取得部114は、トラフィック情報TI_iを先頭の単位期間とする所定数mの単位期間におけるトラフィック情報TIと、トラフィック情報TI_iのセクタIDと、月日情報MDI_iと、時間帯情報PTI_iとを、学習モデルLMに入力することにより、変動情報MI_iを取得する。
学習モデルLMは、所定数mの単位期間のトラフィック情報TIと、セクタIDと、月日情報MDIと、時間帯情報PTIとを受け付けると、変動情報MIとして「支柱損壊」識別子、「周辺新設局等追加」識別子、「セクタ追加」識別子、「指向変更」識別子、「チルト」識別子、「建物新設」識別子、及び、「集客イベント等終了」識別子のいずれか1つの識別子を出力する。「周辺新設局等追加」識別子、「セクタ追加」識別子、「指向変更」識別子、「チルト」識別子、「建物新設」識別子、及び、「集客イベント等終了」識別子は、アンテナANTが取り付けられた支柱POが損壊していないことを示す。以下、支柱POが損壊していることを「支柱損壊」と称することがあり、支柱POが損壊していないことを、支柱POが正常である、又は、「支柱正常」と称することがある。
出力部115は、変動情報MI_iが示す変動理由が推定対象アンテナANT_iが取り付けられた支柱POの損壊である場合、言い換えれば、変動情報MI_iが「支柱損壊」識別子である場合、推定対象アンテナANT_iが取り付けられた支柱POが損壊したことを示す情報を、管理者端末20に出力する。推定対象アンテナANT_iが取り付けられた支柱POが損壊したことを示す情報を、「損壊情報」と称する。損壊情報は、例えば、推定対象アンテナANT_iを有する無線基地局装置BTSの位置を示す文字列と、推定対象アンテナANT_iが取り付けられた支柱POが損壊したことを示す文字列とである。
管理者端末20は、損壊情報を推定装置10から受け付けた場合、損壊情報を、表示装置23に表示する。管理者ADは、損壊情報を見て、推定対象アンテナANT_iの状況を確認する指示を、推定対象アンテナANT_iの付近に駐在する駐在員に通知する。
1.3:推定装置10の動作
次に、推定装置10の動作について、図14及び図15を用いて説明する。
図14及び図15は、推定装置10の動作を示すフローチャートである。推定装置10は、変数iに1を代入する(ステップS3)。ステップS3の処理終了後、推定装置10は、i番目のセクタに関するトラフィック情報TI_iを取得する(ステップS5)。
次に、推定装置10は、トラフィック情報TI_iに基づいて、第1指標値を算出する(ステップS21)。推定装置10は、第1指標値が、直前の単位期間においてi番目のセクタに関するトラフィック情報TIに基づいて算出した第2指標値と比較して、所定値以上小さいか否かを判定する(ステップS23)。
ステップS23の判定結果が肯定である場合、推定装置10は、トラフィックログLGから、取得したトラフィック情報TI_iの1個前からm-1個前までの各単位期間のトラフィック情報TIを取得する(ステップS25)。次に、推定装置10は、トラフィック情報TI_iを取得した月日を示す月日情報MDI_iと、トラフィック情報TI_iを取得した時間帯を示す時間帯情報PTI_iとを生成する(ステップS27)。そして、推定装置10は、学習モデルLMに、トラフィック情報TI_iを先頭の単位期間とする所定数mの単位期間におけるトラフィック情報TIとセクタIDと月日情報MDIと時間帯情報PTIとを入力することにより、変動情報MI_iを取得する(ステップS29)。
ステップS29の処理終了後、推定装置10は、取得した変動情報MI_iが「支柱損壊」識別子か否かを判定する(ステップS31)。ステップS31の判定結果が肯定である場合、推定装置10は、損壊情報を管理者端末20に出力する(ステップS33)。ステップS33の処理終了後、推定装置10は、変数iの値を1増加する(ステップS35)。
ステップS31の判定結果が否定である場合、すなわち、推定対象アンテナANT_iが取り付けられた支柱POが正常である場合も、推定装置10は、ステップS35の処理を実行する。
ステップS35の処理終了後、推定装置10は、変数iが、アンテナANTの総数であるn1よりも大きいか否かを判定する(ステップS7)。ステップS7の判定結果が否定である場合、推定装置10は、ステップS5の処理を再び実行する。一方、ステップS7の判定結果が肯定である場合、推定装置10は、単位期間が経過するまで待機する(ステップS9)。単位期間経過後、推定装置10は、ステップS3の処理を再び実行する。
以上の説明のように、第1実施形態によれば、推定装置10は、複数のアンテナANTの各々に対応するトラフィックに関するトラフィック情報TIを取得するトラフィック情報取得部111と、トラフィック情報TIのうち、推定対象アンテナANT_i(第1アンテナの一例)に対応するトラフィック情報TI_i(第1トラフィック情報の一例)に基づいて通信品質の程度を示す指標値を単位期間ごとに算出する算出部112と、一の単位期間において算出部112によって算出された第1指標値が、一の単位期間の前の単位期間において算出部112によって算出された第2指標値と比較して、所定値以上小さいか否かを判定する判定部113と、判定部113の判定結果が肯定である場合、学習モデルLM(第1学習モデルの一例)に対して、一の単位期間を含む所定数mの単位期間におけるトラフィック情報TIを入力することによって、所定数mの単位期間におけるトラフィックの変動理由を示す変動情報MI_i(第1変動情報の一例)を学習モデルLMから取得する変動情報取得部114と、変動情報MI_iが示す変動理由が推定対象アンテナANT_iが取り付けられた支柱POの損壊である場合、推定対象アンテナANT_iが取り付けられた支柱POが損壊したことを示す情報を出力する出力部115と、を備え、学習モデルLMは、複数のアンテナANTについて、所定数mの単位期間におけるトラフィックと一の単位期間におけるトラフィックの変動理由との関係を学習済みである。
学習モデルLMを用いることにより、トラフィックが変動した理由を示す変動情報MI_iを取得できる。従って、本実施形態によれば、アンテナANTに対応するトラフィックが変動した理由を推定できる。変動情報MI_iを用いることにより、推定対象アンテナANT_iが取り付けられた支柱POの損壊でない理由によりトラフィックが変動した場合に支柱POが損壊したと推定する誤推定を抑えることができる。従って、アンテナANTが取り付けられた支柱POが損壊したか否かを精度良く推定できる。支柱POが損壊してもアンテナANTそのものの機能は正常であるため、アンテナANTが異常を通知することはできない。同様に、支柱POそのものに損壊を検出する機構を設けようとすると、無線基地局装置BTSにかかる費用が増加する。第1実施形態では、所定数mの単位期間におけるトラフィック情報TIに基づいて支柱POが損壊したことを検出するため、支柱POが損壊したことを検出でき、更に無線基地局装置BTSにかかる費用が抑えられる。
また、一の単位期間の前の単位期間は、一の単位期間の直前の単位期間であることが好ましい。トラフィックの変動は、なんらかの原因によって発生する。このため、原因の発生の前後の単位期間のトラフィック情報TIに基づく指標値Rを比較することによって、トラフィックが変動した理由の推定精度が向上する。
また、所定数mは、2以上であり、所定数mの単位期間は連続することが好ましい。所定数mの単位期間が連続することにより、所定数mの単位期間は、トラフィックの変動となった原因が発生した前後の単位期間を含めることができる。所定数mの単位期間が、トラフィックの変動となった原因の前後の単位期間を含むことにより、トラフィックが変動した理由を推定する精度が向上する。
また、トラフィック情報TIは、所定数mの単位期間の各々において、トラフィック情報TIに含まれるDLチャネル使用状況の最大値、DLチャネル使用状況の平均値(ダウンリンクのチャネル使用率に関する情報の一例)、及び、トラフィック情報TIに含まれるRB使用率(第1アンテナを介して通信した際のリソースブロックの使用率の一例)の1又は複数である。アンテナANTが取り付けられた支柱POが損壊して、アンテナANTが放射する電波がセクタ内に到達しない場合は、アンテナANTの周辺に新たな無線基地局装置BTSが設けられた場合と比較して、DLチャネル使用状況、及び、RB使用率が減少する程度が大きい傾向がある。すなわち、DLチャネル使用状況、及び、RB使用率は、トラフィックの変動理由に影響を与える情報である。従って、DLチャネル使用状況、及び、RB使用率の一方又は両方を学習モデルLMに入力する入力情報に設定することにより、アンテナANTが取り付けられた支柱POが損壊したか否かの推定精度が向上する。
また、変動情報MIは、トラフィックの変動に関する複数の理由に1対1に対応する複数の識別子のうち1以上の識別子を示す。複数の識別子は、アンテナANTが取り付けられた支柱POの損壊を示す「支柱損壊」識別子(第1識別子の一例)を含み、複数の識別子は、「周辺新設局等追加」識別子(第2識別子の一例)、「セクタ追加」識別子(第3識別子の一例)、「指向変更」識別子(第4識別子の一例)、「チルト」識別子(第5識別子の一例)、「建物新設」識別子(第6識別子の一例)、及び「集客イベント等終了」識別子(第7識別子の一例)のうち、少なくとも一つの識別子を含む。「周辺新設局等追加」識別子は、アンテナANTに対応するセクタ(アンテナが通信可能な範囲の一例)と新たに追加された他のアンテナANTに対応するセクタとが重複することを示す。「セクタ追加」識別子は、アンテナANTを有する無線基地局装置BTSに新たなセクタが追加されたことを示す。「指向変更」識別子は、アンテナANTの指向性が変更されたことを示す。「チルト」識別子は、アンテナANTの傾きが変更されたことを示す。「建物新設」識別子は、アンテナANTに対応するセクタ内に建物が建設されたことを示す。「集客イベント等終了」識別子は、アンテナANTに対応するセクタ内において発生していた集客に関する事象が終了したことを示す。推定装置10は、推定対象アンテナANT_iに対応するトラフィックが変動した理由が、「周辺新設局等追加」識別子が示す理由、「セクタ追加」識別子が示す理由、「指向変更」識別子が示す理由、「チルト」識別子が示す理由、「建物新設」識別子が示す理由、又は、「集客イベント等終了」識別子が示す理由であることを推定できる。
また、アンテナANTが通信可能な範囲と新たに追加された他のアンテナANTは、新たに追加された無線基地局装置BTSに収容されたアンテナANT、又は既存の無線基地局装置BTSに追加されたアンテナANTである。従って、推定装置10は、新たに無線基地局装置BTSが追加されてトラフィックが変動した場合、又は、既存の無線基地局装置BTSにアンテナANTが追加されてトラフィックが変動した場合であっても、トラフィックの変動理由が、アンテナANTに対応するセクタと新たに追加された他のアンテナANTに対応するセクタとが重複したことであると推定できる。
集客に関する事象が終了したことには、アンテナANTに対応するセクタ内において発生していた集客イベントが終了したこと、及び、アンテナANTに対応するセクタ内に位置する建物内の一部又は全部の区画が閉鎖したことを含む、従って、推定装置10は、集客イベントが終了してトラフィックが変動した場合、及び、既存の無線基地局装置BTSにアンテナANTが追加されてトラフィックが変動した場合であっても、トラフィックの変動理由が、アンテナANTに対応するセクタ内において発生していた集客に関する事象が終了したことであると推定できる。
また、アンテナANTは、セクタアンテナである。無線基地局装置BTS全体のトラフィックが変動する場合、アンテナANTが取り付けられた支柱POが損壊したという理由の他に、上述したように、他の無線基地局装置BTSが設けられた等の理由がある。例えば、ある1つの無線基地局装置BTSの複数のセクタのうち第1セクタ内に通信可能な他の無線基地局装置BTSが新設された場合、第1セクタに対応するトラフィックは大きく変動するが、複数のセクタのうち第1セクタ以外のセクタのトラフィックは大きく変動しない。従って、セクタ単位のトラフィックの変動は、1つの無線基地局装置BTS全体のトラフィックの変動と比較して大きくなる。従って、セクタ単位のトラフィックを用いた学習モデルLMを用いることにより、無線基地局装置BTS単位のトラフィックを用いた学習モデルよりも、特定のセクタ内の通信状況が変動したことを特定しやすくなるので、アンテナANTが取り付けられた支柱POの損壊について推定精度が向上する。
また、第1実施形態において、データセットDSには、月日情報MDI及び時間帯情報PTIが含まれる。支柱POが損壊する原因の一つは、台風及び低気圧等によって発生する強風である。強風が発生する時期は、1年間を通じてある程度限定される傾向がある。従って、データセットDSに月日情報MDIが含まれることにより、学習モデルLMの推定精度が向上する。また、トラフィックの変動理由の中には、時間帯に影響する理由がある。例えば、「集客イベント等終了」に関して、一般的に、集客イベントが終了する時間帯は、夕方又は夜であることが多く、朝又は昼であることは夕方又は夜であることに比較して少ない。従って、データセットDSに時間帯情報PTIが含まれることにより、学習モデルLMの推定精度が向上する。
図16は、学習モデルLMの推定精度を纏めた混同行列CMを示す図である。図16に示す混同行列CMは、学習モデルLMに、実際に支柱POが損壊した理由によりトラフィックが変動した7個のセクタに対応するトラフィック情報TIと、支柱POが損壊していない他の理由によりトラフィックが変動した49個のセクタに対応するトラフィック情報TIとをそれぞれ入力して得られた変動情報MIの推定精度を示す。
混同行列CMに例示の通り、「支柱損壊」識別子であった変動情報MIは、24807個と30個との合計24837個である。この24837個の変動情報MIのうち、実際に損壊していた支柱POに取り付けられたアンテナANTに対応するトラフィック情報TIから得られた変動情報MIが24807個である。一方、実際には損壊していなかった支柱POに取り付けられたアンテナANTに対応するトラフィック情報TIから得られた変動情報MIが30個である。
支柱POが正常であることを示す、「周辺新設局等追加」識別子、「セクタ追加」識別子、「指向変更」識別子、「チルト」識別子、「建物新設」識別子、又は、「集客イベント等終了」識別子のいずれかであった変動情報MIは、16個と2342個との合計2358個である。この2358個の変動情報MIのうち、実際には損壊していた支柱POに取り付けられたアンテナANTに対応するトラフィック情報TIから得られた変動情報MIが16個である。一方、実際に損壊していなかった支柱POに取り付けられたアンテナに対応するトラフィック情報TIから得られた変動情報MIが2342個である。
一般的に、学習モデルの推定精度を図る指標の一例として、適合率及び再現率がある。適合率は、学習モデルが正解と推定した件数に対して、実際に正解であった件数の割合である。再現率は、実際に正解であった件数に対して、学習モデルが正解と推定した件数の割合である。本実施形態では、学習モデルLMの正解とは、変動情報MIが「支柱損壊」識別子であることである。従って、本実施形態における適合率は、下記(2)式により求められる。
適合率=24807/(24807+30)≒99.88% (2)
適合率が大きい程、実際に駐在員が確認した回数に対して、実際にアンテナANTが損壊していた回数の割合が高くなり、実際にはアンテナANTが損壊していなかったという必要のなかった労働を抑制できる。従って、駐在員にかかる負担を抑制できる。本実施形態における適合率は、略99.88%であり、駐在員にかかる負担を十分に抑制できる。
同様に、本実施形態における再現率は、下記(3)式により求められる。
再現率=24807/(24807+16)≒99.94% (3)
再現率が大きい程、実際には損壊している支柱POの検出の見逃しを抑制できる。更に、本実施形態では、ある1つの単位期間において学習モデルLMが支柱正常であると推定しても、次の単位期間において学習モデルLMが支柱損壊であると推定する割合が100%である。従って、支柱POの損壊を見逃し続ける状態を抑制できる。
2.第2実施形態
第2実施形態では、学習モデルLMを更に学習させる点において、第1実施形態と相違する。以下、第2実施形態にかかる推定装置10aを説明する。なお、以下に例示する第2実施形態において作用又は機能が第1実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照の符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
2-1:推定装置10aの構成
図17は、推定装置10aの構成を示すブロック図である。推定装置10aは、例えば、処理装置11aと、計時装置12と、通信装置13と、記憶装置15aと、を備える。推定装置10の各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスで相互に接続される。
処理装置11aは、推定装置10aの全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップで構成される。
記憶装置15aは、処理装置11aが読取可能な記録媒体であり、トラフィックログLG、処理装置11が実行する制御プログラムPR1aを含む複数のプログラム、学習モデルLM、及び、処理装置11aが使用する各種の情報などを記憶する。
図18は、推定装置10aの機能を示す図である。処理装置11aは、記憶装置15から制御プログラムPR1aを読み出し、読み出した制御プログラムPR1aを実行することによって、トラフィック情報取得部111、算出部112、判定部113、変動情報取得部114、出力部115、データセット取得部116、生成部117、及び、更新部118として機能する。
データセット取得部116は、管理者端末20から、入力情報とラベル情報とを対応付けた第4データセットDS_4を取得する。より詳細には、第4データセットDS_4は、1つの入力情報と1つのラベル情報とで構成される。入力情報は、所定数mの単位期間におけるトラフィックを示すトラフィック情報TIと、セクタIDと、月日情報MDI、時間帯情報PTIとである。ラベル情報は、変動情報MIである。第4データセットDS_4に含まれる変動情報MIは、「支柱損壊」識別子、「周辺新設局等追加」識別子、「セクタ追加」識別子、「指向変更」識別子、「チルト」識別子、「建物新設」識別子、及び、「集客イベント等終了」識別子のいずれであってもよい。第4データセットDS_4は、例えば、管理者ADによる管理者端末20の操作によって生成される。
図19に、第4データセットDS_4の一例を示す。図19に示すグラフG4は、第8データセットDS_8に含まれる所定数mの単位期間におけるトラフィック情報TIのうち、単位が数である、ある1つのトラフィック値を、時系列に沿って並べている。更に、グラフG4によって示される第4データセットDS_4に含まれる変動情報MIは、「支柱損壊」識別子である。グラフG1の横軸に記載した時刻は、各単位期間の先頭の時刻を示す。グラフG4の例示の通り、支柱POが損壊したにも関わらず、9月14日の15時から17時までに渡ってトラフィック値が大きく変動していない。
説明を図18に戻す。生成部117は、第4データセットDS_4に基づいて学習モデルLMを再学習させることにより、新たな学習モデルを生成する。以下、新たな学習モデルを、「更新学習モデルLMa」と称する。更新学習モデルLMaは、「第2学習モデル」の一例である。生成部117は、例えば、以下に示す2つの方法がある。第1の方法において、生成部117は、学習モデルLMを生成する際に用いたデータセットDSと、第4データセットDS_4とを用いて、更新学習モデルLMaを生成する。第2の方法において、生成部117は、学習モデルLMを複製し、複製した学習モデルLMに第4データセットDS_4を追加学習させることにより、更新学習モデルLMaを生成する。
更新部118は、更新学習モデルLMaの推定精度が学習モデルLMの推定精度より高い場合、更新学習モデルLMaを学習モデルLMとして更新する。学習モデルの推定精度を得る方法は、例えば、ホールドアウト法、及び、クロスバリデーション法がある。例えば、更新部118は、更新学習モデルLMaに対して、ホールドアウト法、又は、クロスバリデーション法を適用し、前述した適合率又は再現率を推定精度として算出する。同様に、更新部118は、学習モデルLMに対しても、ホールドアウト法、及び、クロスバリデーション法のうち更新学習モデルLMaに適用した方法を適用し、前述した適合率又は再現率を推定精度として算出する。
2-2:推定装置10aの動作
次に、推定装置10aの動作について、図20を用いて説明する。
図20は、推定装置10aの動作を示すフローチャートである。推定装置10aは、管理者端末20から、第4データセットDS_4を取得する(ステップS41)。次に、推定装置10aは、第4データセットDS_4に基づいて学習モデルLMを再学習させることにより、更新学習モデルLMaを生成する(ステップS43)。そして、推定装置10aは、学習モデルLMの推定精度を算出する(ステップS45)。また、推定装置10aは、更新学習モデルLMaの推定精度を算出する(ステップS47)。そして、推定装置10aは、更新学習モデルLMaの推定精度が学習モデルLMの推定精度より高いか否かを判定する(ステップS49)。
ステップS49の判定結果が肯定である場合、推定装置10aは、更新学習モデルLMaを学習モデルLMとして更新する(ステップS51)。ステップS51の処理終了後、又は、ステップS49の判定結果が否定である場合、推定装置10aは、図20に示す一連の処理を終了する。
以上の説明のように、第2実施形態によれば、推定装置10aは、所定数mの単位期間におけるトラフィック情報TIと一の単位期間においてトラフィックが変動した理由を示す変動情報MIに基づいて学習モデルLMを再学習させることにより、更新学習モデルLMa(第2学習モデルの一例)を生成する生成部117と、更新学習モデルLMaの推定精度が学習モデルLMの推定精度より高い場合、更新学習モデルLMaを学習モデルLMとして更新する更新部118と、を備える。以上の様に、推定精度が高くなる場合のみ更新学習モデルLMaを学習モデルLMとして更新するため、アンテナANTが取り付けられた支柱POが損壊したか否かの推定精度を向上できる。
3.変形例
本開示は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を併合してもよい。
3-1:第1変形例
第1実施形態におけるデータセットDSに含まれる変動情報MIは、「支柱損壊」識別子、「周辺新設局等追加」識別子、「セクタ追加」識別子、「指向変更」識別子、「チルト」識別子、「建物新設」識別子、及び、「集客イベント等終了」識別子のいずれかの識別子を取り得るが、これに限らない。例えば、変動情報MIは、「支柱損壊」識別子、及び、収集対象アンテナANTが取り付けられた支柱POが損壊していないことを示す識別子の一方を取り得てもよい。
3-2:第2変形例
上述の各形態において、データセットDSは、セクタID、月日情報MDI、及び、時間帯情報PTIを有したが、セクタID、月日情報MDI及び時間帯情報PTIの1つ又は複数を有さなくてもよい。データセットDSが、セクタIDを有さない場合、変動情報取得部114は、学習モデルLMに対して、所定数mの単位期間におけるトラフィック情報TIと月日情報MDIと時間帯情報PTI_iとを入力することにより、変動情報MI_iを取得する。データセットDSが月日情報MDIを有さない場合、変動情報取得部114は、学習モデルLMに対して、所定数mの単位期間におけるトラフィック情報TIとセクタIDと時間帯情報PTI_iとを入力することにより、変動情報MI_iを取得する。データセットDSが時間帯情報PTIを有さない場合、変動情報取得部114は、学習モデルLMに対して、所定数mの単位期間におけるトラフィック情報TIとセクタIDと月日情報MDI_iとを入力することにより、変動情報MI_iを取得する。データセットDSが月日情報MDI及び時間帯情報PTIを有さない場合、変動情報取得部114は、学習モデルLMに対して、所定数mの単位期間におけるトラフィック情報TIとセクタIDとを入力することにより、変動情報MI_iを取得する。
3-3:第3変形例
上述の各形態において、推定装置10は、変動情報MI_iが、「周辺新設局等追加」識別子、「セクタ追加」識別子、「指向変更」識別子、「チルト」識別子、「建物新設」識別子、又は「集客イベント等終了」識別子である場合、管理者端末20に対して情報を出力しないが、変動情報MI_iに関する情報を管理者端末20に出力してもよい。管理者ADは、変動情報MI_iに関する情報を見て、変動情報MIが真に正しいかを確認するための当たりをつける情報として用いてもよい。例えば、変動情報MI_iが「集客イベント等終了」である場合に、管理者ADは、推定対象アンテナANT_iに対応するセクタ内に集客イベントがあったか確認することにより、変動情報MI_iが正しいか否かを容易に確認できる。
3-4:第4変形例
上述した各態様におけるアンテナANTは、セクタアンテナであったが、指向性を有さないアンテナ、いわゆるオムニアンテナでもよい。更に、複数の無線基地局装置BTSにおいて、セクタアンテナを有する無線基地局装置BTSと、オムニアンテナを有する無線基地局装置BTSとが混在してもよい。また、上述した各態様は、オムニアンテナを1つ有する1つの無線基地局装置BTSに対して適用してもよい。オムニアンテナを1つ有する1つの無線基地局装置BTSに対して上述した各態様を適用することは、アンテナANTの総数であるn1が1である例である。
3-5:第5変形例
上述した各態様において、変動情報MIは、トラフィックの変動に関する複数の理由に1対1に対応する複数のうち1つの識別子を示すが、1以上の識別子を示してもよい。例えば、変動情報MIは、「周辺新設局等追加」識別子と「集客イベント等終了」識別子でもよい。
3-6:第6変形例
上述した各態様において、所定数mの単位期間のうち、最も新しい単位期間が、判定部113の判定結果が肯定であると判定した単位期間であると説明したが、これに限らない。判定部113の判定結果が肯定であると判定した単位期間が、所定数mの単位期間に含まれていればよく、例えば、2番目に新しい単位期間でもよいし、最も古い単位期間でもよい。
3-7:第7変形例
上述した各態様において、学習モデルLMは、変動情報MI_iとして「その他」識別子を出力してもよい。「その他」識別子は、「支柱損壊」識別子、「周辺新設局等追加」識別子、「セクタ追加」識別子、「指向変更」識別子、「チルト」識別子、「建物新設」識別子、及び、「集客イベント等終了」識別子のいずれにも該当しないことを示す。変動情報MI_iが「その他」識別子である場合、出力部115は、推定対象アンテナANT_iが取り付けられた支柱POが損壊したか否かが不明であることを示す情報を、管理者端末20に出力する。管理者端末20は、推定対象アンテナANT_iが取り付けられた支柱POが損壊したか否かが不明である情報を、表示装置23に表示する。管理者ADは、トラフィック情報TI等を参考にして机上で確認し、必要があれば、推定対象アンテナANT_iの状況を確認する指示を、推定対象アンテナANT_iの付近に駐在する駐在員に通知する。
3-8:第8変形例
上述した各形態において、推定装置10は、無線基地局装置BTS及び無線ネットワーク制御装置の外部装置として接続される構成であるが、無線基地局装置BTS及び無線ネットワーク制御装置の一部として内部に設けられてもよい。
3-9:その他の変形例
(1)上述した実施形態では、記憶装置15は、処理装置11が読取可能な記録媒体であり、ROM及びRAMなどを例示したが、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークNWから送信されてもよい。また、プログラムは、電気通信回線を介して通信網から送信されてもよい。
(2)上述した実施形態において、説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
(3)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
(4)上述した実施形態において、判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
(5)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
(6)図8及び図17に例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
また、通信装置13及び通信装置27は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置13及び通信装置27は、例えば、周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
(7)上述した実施形態で例示したプログラムは、ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
(8)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
(9)本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
(10)上述した実施形態において、店舗装置及びユーザ装置は、移動局(MS:Mobile Station)である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。また、本開示においては、「移動局」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」等の用語は、互換的に使用され得る。
(11)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
(12)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
(13)本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
(14)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。更に、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
(15)本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
(16)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
(17)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。