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JP7367416B2 - 電子デバイス、電荷輸送性膜、及び、化合物 - Google Patents
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JP7367416B2 - 電子デバイス、電荷輸送性膜、及び、化合物 - Google Patents

電子デバイス、電荷輸送性膜、及び、化合物 Download PDF

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本発明は、電子デバイス、電荷輸送性膜、及び、化合物に関する。
有機電界発光素子をはじめとして、有機トランジスタ、有機太陽電池などの電子デバイスが備える、電荷輸送性能を有する膜に関する研究が進められている。
また、従来の有機エレクトロニクス素子としては、特許文献1に記載されたものが知られている。
特許文献1には、支持基板上に少なくとも陽極、陰極を有し、該陽極と該陰極間に少なくとも1層の発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(a)で表される部分構造および反応性基を有する化合物Aを少なくとも一部として含み、且つ、前記反応性基を介して前記化合物Aが重合してなる重合体を含有することを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス素子が開示されている。

〔式中、Ar1、Ar2は各々芳香環を表す。〕
また、従来の有機エレクトロニクス用材料としては、特許文献2又は特許文献3に記載されたものが知られている。
特許文献2には、分子内に、1つ以上の重合可能な置換基と2つ以上のカルバゾール基とを有する化合物を含有する有機エレクトロニクス用材料が開示されている。
特許文献3には、下記化学式(1)又は化学式(2)で表されるカルバゾール誘導体が開示されている。
国際公開第2008/029652号 特開2008-244471号公報 特開2013-060368号公報
本発明が解決しようとする課題は、後述する比較例の化合物C3のような従来の化合物を用いる場合に比べ、長寿命である電子デバイスを提供することである。
前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。
<1> 有機化合物層を有し、前記有機化合物層が、下記式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物を含む電子デバイス。
式(1)及び式(2)中、Arはそれぞれ独立に、二価の単環の芳香族基、又は、二価の複素芳香族基を表し、Z乃至Z12はそれぞれ独立に、C-R、C-R、又は、Nを表し、Z13及びZ14はそれぞれ独立に、C-R、又は、C-Rを表し、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、又は、2つのRが結合した5員若しくは6員の環状脂肪族基を表し、Rはそれぞれ独立に、下記式(D)で表される基を表し、式(1)又は式(2)で表される化合物は、下記式(D)で表される基を少なくとも1つ以上有する。
式(D)中、Lは、アルキレン基、アルケニレン基、-C(=O)-、-N(R)-、-O-、-S-、アルカン若しくはアルケンから水素原子を3個除いた三価の基、又は、これらを2以上組み合わせた基である(n+1)価の連結基を表し、RsDはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、nは、1又は2を表し、nDは0以上4以下の整数を表し、波線部分は、他の構造との結合位置を表す。
<2> 前記Arが、フェニレン基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ピリジンジイル基、又は、トリアジンジイル基である<1>に記載の電子デバイス。
<3> 前記Arが、フェニレン基である<2>に記載の電子デバイス。
<4> 前記有機化合物層が、上記式(1)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物を含む<1>乃至<3>のいずれか1つに記載の電子デバイス。
<5> 前記式(1)で表される化合物におけるZ乃至Zを含む環構造を有する基が、下記式(Ca-1)乃至式(Ca-6)のいずれかで表される基である<4>に記載の電子デバイス。
式(Ca-1)乃至式(Ca-6)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はRを表し、Rはそれぞれ独立に、前記式(D)で表される基を表し、波線部分はArとの結合位置を表す。
<6> 前記有機化合物層が、上記式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物を含む<1>乃至<3>のいずれか1つに記載の電子デバイス。
<7> 前記式(2)で表される化合物におけるZ乃至Zを含む環構造を有する基が、下記式(In-1)乃至式(In-6)のいずれかで表される基である<6>に記載の電子デバイス。
式(In-1)乃至式(In-6)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はRを表し、Rはそれぞれ独立に、前記式(D)で表される基を表し、波線部分はArとの結合位置を表す。
<8> 前記Lが、アルキレン基、アルケニレン基、-C(=O)-、-O-、アルカン若しくはアルケンから水素原子を3個除いた三価の基、又は、これらを2以上組み合わせた基である(n+1)価の連結基である<1>乃至<7>のいずれか1つに記載の電子デバイス。
<9> 前記式(1)又は式(2)で表される化合物における前記式(D)で表される基の数が、2以上6以下である<1>乃至<8>のいずれか1つに記載の電子デバイス。
<10> 一方が透明である一対の電極を更に有し、前記有機化合物層が前記一対の電極間に設けられいる有機電界発光素子である<1>乃至<9>のいずれか1つに記載の電子デバイス。
<11> 前記有機化合物層を有する電子写真感光体である<1>乃至<9>のいずれか1つに記載の電子デバイス。
<12> 下記式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物を含む電荷輸送性膜。
式(1)及び式(2)中、Arはそれぞれ独立に、二価の単環の芳香族基、又は、二価の複素芳香族基を表し、Z乃至Z12はそれぞれ独立に、C-R、C-R、又は、Nを表し、Z13及びZ14はそれぞれ独立に、C-R、又は、C-Rを表し、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、又は、2つのRが結合した5員若しくは6員の環状脂肪族基を表し、Rはそれぞれ独立に、下記式(D)で表される基を表し、式(1)又は式(2)で表される化合物は、下記式(D)で表される基を少なくとも1つ以上有する。
式(D)中、Lは、アルキレン基、アルケニレン基、-C(=O)-、-N(R)-、-O-、-S-、アルカン若しくはアルケンから水素原子を3個除いた三価の基、又は、これらを2以上組み合わせた基である(n+1)価の連結基を表し、RsDはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、nは、1又は2を表し、nDは0以上4以下の整数を表し、波線部分は、他の構造との結合位置を表す。
<13> 下記式(1)又は式(2)で表される化合物。
式(1)及び式(2)中、Arはそれぞれ独立に、二価の単環の芳香族基、又は、二価の複素芳香族基を表し、Z乃至Z12はそれぞれ独立に、C-R、C-R、又は、Nを表し、Z13及びZ14はそれぞれ独立に、C-R、又は、C-Rを表し、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、又は、2つのRが結合した5員若しくは6員の環状脂肪族基を表し、Rはそれぞれ独立に、下記式(D)で表される基を表し、式(1)又は式(2)で表される化合物は、下記式(D)で表される基を少なくとも1つ以上有する。
式(D)中、Lは、アルキレン基、アルケニレン基、-C(=O)-、-N(R)-、-O-、-S-、アルカン若しくはアルケンから水素原子を3個除いた三価の基、又は、これらを2以上組み合わせた基である(n+1)価の連結基を表し、RsDはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、nは、1又は2を表し、nDは0以上4以下の整数を表し、波線部分は、他の構造との結合位置を表す。
<14> 前記Arが、フェニレン基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ピリジンジイル基、又は、トリアジンジイル基である<13>に記載の化合物。
<15> 前記Arが、フェニレン基である<14>に記載の化合物。
<16> 前記式(1)で表される化合物である<13>乃至<15>のいずれか1つに記載の化合物。
<17> 前記式(1)で表される化合物におけるZ乃至Zを含む環構造を有する基が、下記式(Ca-1)乃至式(Ca-6)のいずれかで表される基である<16>に記載の化合物。
式(Ca-1)乃至式(Ca-6)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はRを表し、Rはそれぞれ独立に、前記式(D)で表される基を表し、波線部分はArとの結合位置を表す。
<18> 前記式(2)で表される化合物である<13>乃至<15>のいずれか1つに記載の化合物。
<19> 前記式(2)で表される化合物におけるZ乃至Zを含む環構造を有する基が、下記式(In-1)乃至式(In-6)のいずれかで表される基である<18>に記載の化合物。
式(In-1)乃至式(In-6)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はRを表し、Rはそれぞれ独立に、前記式(D)で表される基を表し、波線部分はArとの結合位置を表す。
<20> 前記Lが、アルキレン基、アルケニレン基、-C(=O)-、-O-、アルカン若しくはアルケンから水素原子を3個除いた三価の基、又は、これらを2以上組み合わせた基である(n+1)価の連結基である<13>乃至<19>のいずれか1つに記載の化合物。
<21> 前記式(1)又は式(2)で表される化合物における前記式(D)で表される基の数が、2以上6以下である<13>乃至<20>のいずれか1つに記載の化合物。
前記<1>、<4>、<5>、<6>、<7>、<10>又は<11>に係る発明によれば、後述する比較例の化合物C3のような従来の化合物を用いる場合に比べ、長寿命である電子デバイスが提供される。
前記<2>に係る発明によれば、前記Arが窒素原子を2個有する二価の複素芳香族基である場合に比べ、より長寿命である電子デバイスが提供される。
前記<3>に係る発明によれば、前記Arがフランジイル基、チオフェンジイル基、ピリジンジイル基、又は、トリアジンジイル基である場合に比べ、より長寿命である電子デバイスが提供される。
前記<8>に係る発明によれば、前記式(D)におけるLが-N(R)-又は-S-を有する基である場合に比べ、より長寿命である電子デバイスが提供される。
前記<9>に係る発明によれば、前記式(1)又は式(2)で表される化合物における前記式(D)で表される基の数が、1又は7以上である場合に比べ、より長寿命である電子デバイスが提供される。
前記<12>に係る発明によれば、後述する比較例の化合物C3のような従来の化合物を用いる場合に比べ、長寿命である電子輸送性膜が提供される。
前記<13>、<16>、<17>、<18>又は<19>に係る発明によれば、後述する比較例の化合物C3のような従来の化合物を用いる場合に比べ、得られる硬化物の耐久性に優れる新規な化合物が提供される。
前記<14>に係る発明によれば、前記Arが窒素原子を2個有する二価の複素芳香族基である場合に比べ、得られる硬化物の耐久性により優れる化合物が提供される。
前記<15>に係る発明によれば、前記Arがフランジイル基、チオフェンジイル基、ピリジンジイル基、又は、トリアジンジイル基である場合に比べ、得られる硬化物の耐久性により優れる化合物が提供される。
前記<20>に係る発明によれば、前記式(D)におけるLが-N(R)-又は-S-を有する基である場合に比べ、得られる硬化物の耐久性により優れる化合物が提供される。
前記<21>に係る発明によれば、前記式(1)又は式(2)で表される化合物における前記式(D)で表される基の数が、1又は7以上である場合に比べ、得られる硬化物の耐久性により優れる化合物が提供される。
本実施形態に係る有機電界発光素子の一例の模式的断面図である。 本実施形態に係る有機電界発光素子の一例の模式的断面図である。 本実施形態に係る有機電界発光素子の一例の模式的断面図である。 本実施形態に係る有機電界発光素子の一例の模式的断面図である。 例示化合物1-3のH-NMRチャートである。 トルエンを17質量%含有する例示化合物1-14のH-NMRチャートである。
本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
<電子デバイス>
本実施形態に係る電子デバイスは、有機化合物層を有し、前記有機化合物層が、下記式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物を含む。
式(1)及び式(2)中、Arはそれぞれ独立に、二価の単環の芳香族基、又は、二価の複素芳香族基を表し、Z乃至Z12はそれぞれ独立に、C-R、C-D、又は、Nを表し、Z13及びZ14はそれぞれ独立に、C-R、又は、C-Dを表し、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、又は、2つのRが結合した5員若しくは6員の環状脂肪族基を表し、Dはそれぞれ独立に、下記式(D)で表される基を表し、式(1)又は式(2)で表される化合物は、下記式(D)で表される基を少なくとも1つ以上有する。
式(D)中、Lは、アルキレン基、アルケニレン基、-C(=O)-、-N(R)-、-O-、-S-、アルカン若しくはアルケンから水素原子を3個除いた三価の基、又は、これらを2以上組み合わせた基であり、かつ、4つ以上の原子から構成される(n+1)価の連結基を表し、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、nは、1又は2を表し、nDは0以上4以下の整数を表し、波線部分は、他の構造との結合位置を表す。
従来の電荷輸送材料を用いた電荷輸送性膜としては、低分子の電荷輸送材料をバインダー中に分散した膜や、電荷輸送材料をあらかじめ高分子構造中に組み込んで、高分子型電荷輸送材料とした膜が開発されてきた。近年、製造コストの観点から、電荷輸送性膜を含めた全ての構成層を塗布法で形成する塗布型の有機電子デバイスの開発が検討されている。上記の低分子型または高分子型の電荷輸送材料を用いた場合、電荷輸送性膜を形成した後に上層を塗布形成する場合、上層の塗布溶媒に電荷輸送性膜の一部が膨潤又は溶解し、層界面が破壊されることでデバイス特性や寿命が低下することがある。これらを抑制するため、重合性基を含有する電荷輸送材料を、必要により重合開始剤とともに塗布した後、放射線や熱の印加により、電荷輸送材料を硬化させ、溶媒に不溶とした膜が検討されている。このような硬化膜は膜のガラス転移温度(Tg)も向上し、デバイスの動作安定性や寿命向上にも繋がる。
しかしながら、特許文献1乃至3に記載された発明を用いても、デバイス寿命を満足することができていない。
本実施形態に係る電子デバイスは、上記構成により、デバイス寿命が長寿命である。この理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと推測される。
通常、有機電界発光素子では、長期間作動させると素子温度が上昇し、電荷輸送性膜内で局所的な分子運動が活発化し、膜内の電荷輸送部位同士の距離及び配列の変化や隣接層との界面の隆起によって接合不良となり、発光特性が徐々に低下する。
しかしながら、式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物を含むことにより、通常のアリールアミンよりもコンホメーションが固定された、カルバゾール又はインドールの類縁体骨格からなる電荷輸送部位2つが、単環の芳香環又は複素芳香環と直結で連結されたコンパクトで剛直な電荷輸送材料が、スチレン骨格の架橋基によって架橋されている。(メタ)アクリル基やオキセタン基といった他の架橋基で架橋された場合よりも電荷輸送材料が強固に固定されている。その結果、長期間の作動で素子温度が上昇しても、電荷輸送性膜内の局所的な分子運動が抑制され、有機電界発光素子に使用した場合、膜の電荷輸送性が向上し、発光特性を維持することができる。
また、本実施形態に係る電子デバイスは、式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物を含むことにより、有機電界発光素子に使用した場合、電荷輸送層における電荷輸送性が向上し、輝度にも優れる。
また、有機電界発光素子において良好な発光特性を示す理由として、以下のことが推定される。
有機電界発光素子における電荷輸送性膜には、高い電荷輸送性が求められる。電荷輸送性を向上させるには、電荷輸送材料の構造中にビフェニル、ターフェニルなど芳香環の直結やナフチル、アンスリルなど芳香環の縮環の導入が効果的である。一方、これら芳香環の直結や縮環の構造を導入した電荷輸送材料は、隣接する発光層中で生成する、発光現象を担う発光材料の励起子の持つエネルギーを受け取りやすい。その結果、発光材料の励起子が失活して発光効率が低下してしまう。この発光効率の低下は、特に、励起三重項からのりん光を活用するタイプの有機電界発光素子において顕著である。ここで、発光材料の励起子からのエネルギーの受け取り易さは、電荷輸送材料のりん光スペクトルの短波長側の極大ピーク波長を指標とすることができる。すなわち、ピーク波長が大きいほど、発光材料の励起子からのエネルギーを受け取り易くなる。
ここで、式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物を含む有機化合物層を有する場合、良好な電荷輸送性を示すことが知られているカルバゾール又はインドールの類縁体骨格を、窒素原子を介して単環の芳香環又は複素芳香環で連結させ、芳香環の直結や縮環の構造を排した材料を使用することで、高い電荷輸送性と、発光材料の励起子のエネルギー失活抑制を両立し、発光特性の向上に繋がる。
更に、電荷輸送性膜を電子写真用の有機感光体の最表面層に用いた場合、印刷する度に感光体の最表面は摩耗し、電気特性が徐々に低下する。
しかしながら、式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物を含む有機化合物層を電荷輸送層として用いることにより、上記と同じ理由から、電荷輸送材料が強固に固定されており、印刷枚数を増やしても、感光体最表面層の摩耗を抑制し、電気特性を維持することができ、残留電位の上昇抑制性にも優れる。
以下、本実施形態に係る電子デバイスについて詳細に説明する。
(有機化合物層)
本実施形態に係る電子デバイスは、有機化合物層を有し、前記有機化合物層が、前記式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物を含む。
前記硬化物は、電荷輸送性の観点からは、前記式(1)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物であることが好ましい。
また、前記硬化物は、輝度等の発光特性の観点からは、前記式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物であることが好ましい。
前記有機化合物層は、外部量子効率の向上や電荷注入量の向上などの観点から、後述する他の添加剤を含んでもよい。
前記有機化合物層は、例えば、有機電界発光素子に使用する場合は、発光層であることが好ましく、また、電子写真感光体又は有機太陽電池に使用する場合は、電荷輸送層(電荷輸送性膜)であることが好ましい。
また、前記有機化合物層は、単層であっても、2以上の有機化合物層が積層した層であってもよく、積層した層である場合は、少なくとも1層が前記有機化合物層であればよいが、発光層として設けられた全ての有機化合物層が、前記有機化合物層であることが好ましい。
各有機化合物層の厚さは、電子デバイスの用途等にもよる。例えば、有機電界発光素子に使用する場合は、0.001μm以上10μm以下であることが好ましく、0.001μm以上5μm以下であることがより好ましい。また、電子写真感光体に使用する場合は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、2μm以上30μm以下であることがより好ましい。
〔式(1)又は式(2)で表される化合物〕
式(1)又は式(2)におけるArの二価の単環の芳香環基における芳香環としては、ベンゼンが挙げられる。
式(1)又は式(2)におけるArの二価の単環の複素芳香環基における複素芳香環としては、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環などが挙げられ、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ピラジン環、又は、トリアジン環が好ましく、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、又は、トリアジン環がより好ましい。
Arは、置換基を有してもよい。置換基としては、炭素数6以下のアルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基等が挙げられる。
Arの具体例を以下に示すが、これらに制限されるものではない。なお、*は他の構造との結合位置を表し、Meはメチル基を表す。
式(1)又は式(2)におけるArは、得られる電子デバイス及び電荷輸送膜の長寿命性、及び、得られる硬化物の耐久性の観点から、置換基を有してもよい、フェニレン基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ピリジンジイル基、又は、トリアジンジイル基であることが好ましく、フェニレン基であることが更に好ましく、1,3-フェニレン基であることが特に好ましい。
式(1)におけるZ乃至Zを含む環構造を有するArに結合する2つの基は、それぞれ同じ基であっても、異なる基であってもよい。
また、式(2)におけるZ乃至Z14を含む環構造を有するArに結合する2つの基は、それぞれ同じ基であっても、異なる基であってもよい。
式(1)又は式(2)におけるZ乃至Z12はそれぞれ独立に、得られる電子デバイス及び電荷輸送膜の長寿命性、及び、得られる硬化物の耐久性の観点から、C-H、C-R又はNであることが好ましく、C-H又はC-Rであることがより好ましい。
式(1)又は式(2)におけるZ13及びZ14はそれぞれ独立に、得られる電子デバイス及び電荷輸送膜の長寿命性、及び、得られる硬化物の耐久性の観点から、C-Rであることが好ましい。
式(1)又は式(2)におけるRはそれぞれ独立に、得られる電子デバイス及び電荷輸送膜の長寿命性、及び、得られる硬化物の耐久性の観点から、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基であることが好ましく、水素原子、又は、炭素数1以上4以下のアルキル基であることがより好ましく、水素原子、メチル基、又は、エチル基であることが更に好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
式(1)におけるRはそれぞれ独立に、得られる電子デバイス及び電荷輸送膜の長寿命性、及び、得られる硬化物の耐久性の観点から、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数6以上10以下のアリール基、又は、2つのRBが結合して5員若しくは6員の脂環構造を形成する基であることが好ましく、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、又は、2つのRが結合して5員若しくは6員の脂環構造を形成する基であることがより好ましく、水素原子、メチル基、2つのRが結合して5員若しくは6員の脂環構造を形成する基であることが更に好ましく、水素原子、又は、メチル基であることが特に好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
また、前記2つのRが結合して5員若しくは6員の脂環構造を形成する基としては、-(CH-又は-(CH-であることが好ましい。
式(1)又は式(2)におけるZ乃至Z中のNの数、Z乃至Z中のNの数、Z乃至Z12中のNの数はそれぞれ独立に、得られる電子デバイス及び電荷輸送膜の長寿命性、及び、得られる硬化物の耐久性の観点から、0以上2以下の整数が好ましく、0又は1がより好ましい。
式(1)又は式(2)で表される化合物における前記式(D)で表される基の数は、得られる電子デバイス及び電荷輸送膜の長寿命性、及び、得られる硬化物の耐久性の観点から、1以上8以下であることが好ましく、2以上4以下であることがより好ましく、2以上3以下であることが特に好ましい。
また、式(1)又は式(2)で表される化合物における芳香族ビニル基(ビニルフェニル基等の芳香環に直接結合したビニル基)の数の合計は、得られる電子デバイス及び電荷輸送膜の長寿命性、及び、得られる硬化物の耐久性の観点から、2以上16以下であることが好ましく、2以上12以下であることがより好ましく、2以上8以下であることが更に好ましく、2以上6以下であることが特に好ましい。
更に、式(1)において、得られる電子デバイス及び電荷輸送膜の長寿命性、及び、得られる硬化物の耐久性の観点から、Z乃至Zのうちの少なくとも1つがC-Rであることが好ましく、Z及びZのうちの少なくとも1つがC-Rであることがより好ましい。
また、式(2)において、得られる電子デバイス及び電荷輸送膜の長寿命性、及び、得られる硬化物の耐久性の観点から、Z10乃至Z14のうちの少なくとも1つがC-Rであることが好ましく、Z11及びZ13のうちの少なくとも1つがC-Rであることがより好ましい。
式(D)におけるLは、得られる電子デバイス及び電荷輸送膜の長寿命性、及び、得られる硬化物の耐久性の観点から、アルキレン基、-C=C-、-C(=O)-、-O-、アルカン若しくはアルケンから3つの水素原子を除いた三価の基、又は、これらの基を2以上組み合わせてなる基であり、かつ、芳香族ビニル基と、Z乃至Z14とを連結する最小の原子数が4つ以上である(n+1)価の連結基であることが好ましく、1以上のアルキレン基と、1以上の-O-と、1以上のアルカンから3つの水素原子を除いた三価の基とを組み合わせてなる基であることが特に好ましい。
前記「芳香族ビニル基と、Z乃至Z14とを連結する最小の原子数」は、例えば、n=1でLが-CHCHCH-O-CH-の場合、水素原子は数えず炭素原子と酸素原子のみを数え、5となる。また、n=2の場合、芳香族ビニル基とZ乃至Z14とを連結する最小の原子数が2種類存在するが、より小さい方を採用する。例えば、Lが-CHCH(-O-CH-)(-CH-O-CH-)の場合、4と5との2種類のうち、より小さい4を採用する。
中でも、Lにおける芳香族ビニル基とZ乃至Z14とを連結する最小の原子数は、2以上8以下が好ましく、3以上7以下がより好ましく、4以上6以下が特に好ましい。
式(D)におけるRは、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
式(D)におけるnは、得られる電子デバイス及び電荷輸送膜の長寿命性、及び、得られる硬化物の耐久性の観点からは、2であることが好ましく、また、合成上の観点からは、1であることが好ましい。
式(D)におけるRsDはそれぞれ独立に、アルキル基であることが好ましい。
式(D)におけるnDは、0乃至2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。
前記式(D)で表される基の具体例を以下に示すが、これらに制限されるものではない。*は、他の構造との結合位置を表す。
式(1)におけるZ乃至Zを含む環構造を有するArに結合する基はそれぞれ独立に、得られる電子デバイス及び電荷輸送膜の長寿命性、及び、得られる硬化物の耐久性の観点から、下記式(Ca-1)乃至式(Ca-6)のいずれかで表される基であることが好ましく、下記式(Ca-1)乃至式(Ca-5)のいずれかで表される基であることがより好ましく、下記式(Ca-1)で表される基であることが特に好ましい。
式(Ca-1)乃至式(Ca-6)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はRを表し、Rはそれぞれ独立に、前記式(D)で表される基を表し、波線部分はArとの結合位置を表す。
式(2)におけるZ乃至Z14を含む環構造を有するArに結合する基はそれぞれ独立に、得られる電子デバイス及び電荷輸送膜の長寿命性、及び、得られる硬化物の耐久性の観点から、下記式(In-1)乃至式(In-6)のいずれかで表される基であることが好ましく、下記式(In-1)乃至式(In-4)のいずれかで表される基であることがより好ましく、下記式(In-1)で表される基であることが特に好ましい。
式(In-1)乃至式(In-6)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はRを表し、Rはそれぞれ独立に、前記式(D)で表される基を表し、波線部分はArとの結合位置を表す。
式(1)で表される化合物として具体的には、下記に示す化合物が好適に挙げられるが、これらに限定されないことは言うまでもない。
式(2)で表される化合物として具体的には、下記に示す化合物が好適に挙げられるが、これらに限定されないことは言うまでもない。
式(1)又は式(2)で表される化合物の合成方法は、特に制限はないが、例えば、ジブロモベンゼンを出発原料とし、ブロモ基のカルバゾール置換を行い2つのカルバゾール環又はインドール環を導入し、また、式(D)で表される基の導入を行う方法が好適に挙げられる。
前記有機化合物層において、式(1)又は式(2)で表される化合物をそれぞれ、1種を用いてもよく、複数種を併用してもよく、また、式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物とを併用してもよい。
また、前記有機化合物層に含まれる前記硬化物は、式(1)又は式(2)で表される化合物と他のモノマーとの共重合体であってもよいが、式(1)又は式(2)で表される化合物の単独重合体であることが好ましい。
他のモノマーとしては、公知のエチレン性不飽和化合物を用いることができ、単官能干エチレン性不飽和化合物であっても、多官能エチレン性不飽和化合物であってもよいが、多官能エチレン性不飽和化合物であることが好ましい。
また、他のモノマーの使用量は、式(1)又は式(2)で表される化合物よりも少ないことが好ましく、式(1)又は式(2)で表される化合物の使用量の1/5であることがより好ましく、式(1)又は式(2)で表される化合物の使用量の1/10であることが更に好ましく、使用しないことが特に好ましい。
また、前記有機化合物層は、オニウム塩、プロトン酸、金属ハロゲン化物及びハロゲンよりなる群から選択される少なくとも1種のドーパントを含有していてもよい。以下、これらドーパントについて説明する。
〔オニウム塩〕
オニウム塩としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、アンモニウム塩、カルボニウム塩、ホスホニウム塩などが挙げられる。オニウム塩としては、電荷輸送性膜の抵抗をより低下させる観点から、一般式(7-1)乃至(7-4)で表される化合物から選択される少なくとも1種が好ましい。
一般式(7-1)中、R、R及びRはそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アラルキル基又は芳香族複素環基を表し、Xは対アニオンを表す。
一般式(7-2)中、R及びRはそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アラルキル基又は芳香族複素環基を表し、Xは対アニオンを表す。
一般式(7-3)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アラルキル基又は芳香族複素環基を表し、Xは対アニオンを表す。
一般式(7-4)中、R10、R11及びR12はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基又は芳香族複素環基を表し、Xは対アニオンを表す。
一般式(7-1)乃至(7-4)において、下記の基が好ましい。
アルキル基としては、炭素数1以上4以下のアルキル基が好ましい。
アリール基としては、無置換のフェニル基、又は炭素数1以上4以下のアルキル基で置換されたフェニル基が好ましい。
アラルキル基としては、炭素数7以上10以下のアラルキル基が好ましい。
アルコキシ基としては、炭素数1以上4以下のアルコキシ基が好ましい。
アリールオキシ基としては、フェニルオキシ基が好ましい。
芳香族複素環基としては、フラン基、ピロール基、イミダゾール基、ピラゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、チエニル基(チオフェンから水素1原子を除いた基)等が挙げられ、イミダゾール基、ピラゾール基が好ましい。
一般式(7-1)乃至(7-4)においてXで表される対アニオンとしては、例えば、アルキルボレートアニオン、アリールボレートアニオン、過塩素酸イオン、ハロゲンアニオン等が挙げられ、アルキルボレートアニオン又はアリールボレートアニオンが好ましい。アルキルボレートアニオンとしては、例えば、テトラエチルボレートアニオン、テトラメチルボレートアニオン、テトライソブチルボレートアニオン、テトラ-n-プロピルボレートアニオンが挙げられる。アリールボレートアニオンとしては、例えば、テトラフェニルボレートアニオン、テトラ-4-メチルフェニルボレートアニオンが挙げられる。
一般式(7-1)においてR、R及びRとしては、アリール基、アルキル基が好ましく、無置換のフェニル基、又は、炭素数1以上4以下のアルキル基で置換されたフェニル基がより好ましい。Xとしては、PF 、SbF 、CFSO 、CHPhSO 、BF 、(C)、(C)、RfSO 、Cl、ClO が好ましい。
一般式(7-2)においてR及びRとしては、アリール基が好ましく、無置換のフェニル基、又は、炭素数1以上4以下のアルキル基で置換されたフェニル基がより好ましい。Xとしては、PF 、SbF 、CFSO 、CHPhSO 、BF 、(C)、(C)、RfSO 、Cl、ClO が好ましい。
一般式(7-3)においてR、R、R及びRとしては、アリール基、アルキル基が好ましく、無置換のフェニル基、又は、炭素数1以上4以下のアルキル基で置換されたフェニル基がより好ましい。Xとしては、PF 、SbF 、CFSO 、CHPhSO 、BF 、(C)、(C)、RfSO 、Cl、ClO が好ましい。
一般式(7-4)においてR10、R11及びR12としては、アリール基、アルキル基が好ましく、無置換のフェニル基、又は、炭素数1以上4以下のアルキル基で置換されたフェニル基がより好ましい。Xとしては、PF 、SbF 、CFSO 、CHPhSO 、BF 、(C)、(C)、RfSO 、Cl、ClO が好ましい。
オニウム塩の具体的な化合物としては、下記の構造式で表される化合物が挙げられる。下記の構造式において、Xとしては、PF 、SbF 、CFSO 、CHPhSO 、BF 、(C)、(C)、RfSO 、Cl、ClO が挙げられる。
〔プロトン酸〕
プロトン酸としては、例えば、HF、HCl、HBr、HNO、HSO、HClO等の無機塩;ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルロメタンスルホン酸、トリフロロ酢酸;などが挙げられる。プロトン酸としては、電荷輸送性膜の抵抗をより低下させる観点から、スルホン酸化合物が好ましい。
〔金属ハロゲン化物〕
金属ハロゲン化物としては、塩化第二鉄、臭化第二鉄、ヨウ化第二鉄、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、塩化ガリウム、臭化ガリウム、ヨウ化ガリウム、塩化インジウム、臭化インジウム、ヨウ化インジウム、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン、五フッ化ヒ素、三フッ化ホウ素、四塩化チタン等が挙げられる。
金属ハロゲン化物に含まれる金属としては、電荷輸送性膜の抵抗をより低下させる観点から、8族乃至15族かつ3周期乃至6周期の金属が好ましく、10族乃至15族かつ3周期乃至5周期の金属がより好ましい。
金属ハロゲン化物に含まれるハロゲンとしては、安定性、ドーピングのし易さの観点から、塩素、ヨウ素が好ましい。
金属ハロゲン化物として、具体的には、五塩化アンチモン、塩化第二鉄が好ましい。
〔ハロゲン〕
ハロゲンとしては、塩素、臭素、及び、ヨウ素が挙げられ、電荷輸送性膜の抵抗をより低下させる観点から、塩素、又は、ヨウ素が好ましい。
これらドーパントを1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。これらドーパントが前記有機化合物層に占める質量割合は、電荷輸送性膜の電荷輸送性能と抵抗の低さとのバランスの観点から、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、0.1質量%以上10質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上5質量%以下が更に好ましい。
〔熱ラジカル発生剤、光ラジカル発生剤〕
前記有機化合物層の形成する際に、式(1)又は式(2)で表される化合物を硬化させ硬化物を形成するため、熱ラジカル発生剤又は光ラジカル発生剤を用いることが好ましい。
熱ラジカル発生剤としては、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物が挙げられる。
熱ラジカル発生剤の市販品としては、V-30(10時間半減期温度:104℃)、V-40(同:88℃)、V-59(同:67℃)、V-601(同:66℃)、V-65(同:51℃)、V-70(同:30℃)、VF-096(同:96℃)、Vam-110(同:111℃)、Vam-111(同:111℃)(以上、和光純薬工業(株)製)、OTAZO-15(同:61℃)、OTAZO-30、AIBN(同:65℃)、AMBN(同:67℃)、ADVN(同:52℃)、ACVA(同:68℃)(以上、大塚化学(株)製)等のアゾ系開始剤;パーテトラA、パーヘキサHC、パーヘキサC、パーヘキサV、パーヘキサ22、パーヘキサMC、パーブチルH、パークミルH、パークミルP、パーメンタH、パーオクタH、パーブチルC、パーブチルD、パーヘキシルD、パーロイルIB、パーロイル355、パーロイルL、パーロイルSA、ナイパーBW、ナイパーBMT-K40/M、パーロイルIPP、パーロイルNPP、パーロイルTCP、パーロイルOPP、パーロイルSBP、パークミルND、パーオクタND、パーヘキシルND、パーブチルND、パーブチルNHP、パーヘキシルPV、パーブチルPV、パーヘキサ250、パーオクタO、パーヘキシルO、パーブチルO、パーブチルL、パーブチル355、パーヘキシルI、パーブチルI、パーブチルE、パーヘキサ25Z、パーブチルA、パーへヘキシルZ、パーブチルZT、パーブチルZ(以上、日油(株)製)、カヤケタールAM-C55、トリゴノックス36-C75、ラウロックス、パーカドックスL-W75、パーカドックスCH-50L、トリゴノックスTMBH、カヤクメンH、カヤブチルH-70、ペルカドックスBC-FF、カヤヘキサAD、パーカドックス14、カヤブチルC、カヤブチルD、カヤヘキサYD-E85、パーカドックス12-XL25、パーカドックス12-EB20、トリゴノックス22-N70、トリゴノックス22-70E、トリゴノックスD-T50、トリゴノックス423-C70、カヤエステルCND-C70、カヤエステルCND-W50、トリゴノックス23-C70、トリゴノックス23-W50N、トリゴノックス257-C70、カヤエステルP-70、カヤエステルTMPO-70、トリゴノックス121、カヤエステルO、カヤエステルHTP-65W、カヤエステルAN、トリゴノックス42、トリゴノックスF-C50、カヤブチルB、カヤカルボンEH-C70、カヤカルボンEH-W60、カヤカルボンI-20、カヤカルボンBIC-75、トリゴノックス117、カヤレン6-70(以上、化薬アクゾ(株)製)、ルペロックスLP(同:64℃)、ルペロックス610(同:37℃)、ルペロックス188(同:38℃)、ルペロックス844(同:44℃)、ルペロックス259(同:46℃)、ルペロックス10(同:48℃)、ルペロックス701(同:53℃)、ルペロックス11(同:58℃)、ルペロックス26(同:77℃)、ルペロックス80(同:82℃)、ルペロックス7(同:102℃)、ルペロックス270(同:102℃)、ルペロックスP(同:104℃)、ルペロックス546(同:46℃)、ルペロックス554(同:55℃)、ルペロックス575(同:75℃)、ルペロックスTANPO(同:96℃)、ルペロックス555(同:100℃)、ルペロックス570(同:96℃)、ルペロックスTAP(同:100℃)、ルペロックスTBIC(同:99℃)、ルペロックスTBEC(同:100℃)、ルペロックスJW(同:100℃)、ルペロックスTAIC(同:96℃)、ルペロックスTAEC(同:99℃)、ルペロックスDC(同:117℃)、ルペロックス101(同:120℃)、ルペロックスF(同:116℃)、ルペロックスDI(同:129℃)、ルペロックス130(同:131℃)、ルペロックス220(同:107℃)、ルペロックス230(同:109℃)、ルペロックス233(同:114℃)、ルペロックス531(同:93℃)(以上、アルケマ吉富(株)製)などが挙げられる。
熱ラジカル発生剤の使用量は、式(1)又は式(2)で表される化合物100質量部に対して、0.001質量部以上10質量部以下が好ましく、0.01質量部以上5質量部以下がより好ましく、0.1質量部以上3質量部以下が更に好ましい。
光ラジカル発生剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物等)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物等が挙げられる。
光ラジカル発生剤として具体例には、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3-メチルアセトフェノン、4-クロロベンゾフェノン、4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4-ジエチルチオキサントン、及び、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
光ラジカル発生剤の使用量は、式(1)又は式(2)で表される化合物100質量部に対して、0.001質量部以上10質量部以下が好ましく、0.01質量部以上5質量部以下がより好ましく、0.1質量部以上3質量部以下が更に好ましい。
前記有機化合物層は、用途に応じ、例えば、発光材料、色素化合物、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料及び電子注入材料よりなる群から選択される少なくとも1種を含有していてもよい。これら材料の具体例については後述する。
また、前記有機化合物層における式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物の含有量は、特に制限はなく、用途に応じ適宜設定すればよいが、前記有機化合物層の全質量に対し、5質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましく、70質量%以上であることが特に好ましい。また、好ましい上限値は、100質量%である。
本実施形態に係る電子デバイスは、例えば、有機電界発光素子、有機トランジスタ、有機太陽電池、有機フォトディテクタ、電子写真感光体等に好適に用いられる。
中でも、本実施形態に係る電子デバイスは、一方が透明である一対の電極を更に有し、前記有機化合物層が前記一対の電極間に設けられている有機電界発光素子であることが好ましい。前記有機電界発光素子において、前記有機化合物層が単層の場合は、前記有機化合物層が電荷輸送機能を有する発光層であることが好ましい。
また、本実施形態に係る電子デバイスは、前記有機化合物層を有する電子写真感光体であることが好ましい。前記電子写真感光体において、前記有機化合物層は、電荷輸送層であることが好ましい。
-有機電界発光素子-
前記有機電界発光素子は、一方が透明である一対の電極を更に有し、前記有機化合物層が前記一対の電極間に設けられていることが好ましい。
前記有機電界発光素子において、有機化合物層が複数層の場合(即ち、各層が異なる機能を有する機能分離型の場合)は、少なくともいずれか1層が発光層であり、例えば、下記の層構成(1)乃至(3)が挙げられる。層構成(1)乃至(3)において、いずれか1層が、本実施形態に係る組成物が硬化した硬化膜を含む。
層構成(1):正孔輸送層と、発光層と、を有する機能分離型の層構成。本構成においては、正孔輸送層が、本実施形態に係る組成物が硬化した硬化膜であることが好ましい。
層構成(2):正孔輸送層と、発光層と、電子輸送層と、を有する機能分離型の層構成。本構成においては、正孔輸送層が、本実施形態に係る組成物が硬化した硬化膜であることが好ましい。
層構成(3):発光層と、電子輸送層と、を有する機能分離型の層構成。本構成においては、発光層が、本実施形態に係る組成物が硬化した硬化膜であることが好ましい。
以下、図面を参照しつつ、前記有機電界発光素子を説明するが、本実施形態はこれに限定されるわけではない、
図1乃至図4は、前記有機電界発光素子の層構成を説明するための模式的断面図であって、図1、図2、図3は、有機化合物層が複数層からなる場合の一例であり、図4は、有機化合物層が単層からなる場合の一例である。図1乃至図4において、同様の機能を有する層には同じ符号を付して説明する。
図1は、前記の層構成(1)を示す。図1に示す有機電界発光素子は、透明絶縁体基板1上に、透明電極2、正孔輸送層3、発光層4、背面電極7がこの順に積層された素子である。透明電極2と正孔輸送層3との間には、正孔注入層が配置されていてもよい。図1に示す形態例においては、正孔輸送層3を、本実施形態に係る組成物が硬化した硬化膜とすることが好ましい。
図2は、前記の層構成(2)を示す。図2に示す有機電界発光素子は、透明絶縁体基板1上に、透明電極2、正孔輸送層3、発光層4、電子輸送層5、背面電極7がこの順に積層された素子である。透明電極2と正孔輸送層3との間には、正孔注入層が配置されていてもよい。電子輸送層5と背面電極7との間には、電子注入層が配置されていてもよい。図2に示す形態例においては、正孔輸送層3を、本実施形態に係る組成物が硬化した硬化膜とすることが好ましい。
図3は、前記の層構成(3)を示す。図3に示す有機電界発光素子は、透明絶縁体基板1上に、透明電極2、発光層6、電子輸送層5、背面電極7がこの順に積層された素子である。電子輸送層5と背面電極7との間には、電子注入層が配置されていてもよい。図3に示す形態例においては、発光層6を、本実施形態に係る組成物が硬化した硬化膜とすることが好ましい。この場合、本実施形態に係る組成物には、発光材料を少なくとも1種含有させる。
図4は、単層型の層構成を示す。図4に示す有機電界発光素子は、透明絶縁体基板1上に、透明電極2、電荷輸送機能を有する発光層6、背面電極7がこの順に積層された素子である。図4に示す形態例においては、発光層6を、本実施形態に係る組成物が硬化した硬化膜とする。この場合、本実施形態に係る組成物には、発光材料を少なくとも1種含有させる。
図1乃至図4に示す各有機電界発光素子において、背面電極7上には、水分や酸素による有機電界発光素子の劣化を防ぐ目的で、保護層を設けてもよい。
トップエミッション構造とする場合、又は、2つの電極を共に透明電極とする場合は、図1乃至図4に示される層構成を複数段積み重ねた構造とすることも可能である。
以下、図1乃至図4における各層をより詳細に説明する。
透明絶縁体基板1について透明とは、可視領域の光の透過率が10%以上であることを意味し、透過率が75%以上であることが好ましい。透明絶縁体基板1としては、例えば、ガラス板、石英板、金属箔、樹脂製フィルムが用いられる。樹脂製フィルムの材料としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のメタクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂が挙げられる。透明絶縁体基板1は、透水性や透ガス性を抑える目的で、表面処理を行なってもよく、積層構造にしてもよい。
透明電極2は、透明絶縁体基板1と同様に発光を取り出すため透明であって、かつ正孔の注入を行うため仕事関数の大きな電極が好ましく、仕事関数が4eV以上の電極が好ましい。
透明電極2について透明とは、可視領域の光の透過率が10%以上であることを意味し、透過率が75%以上であることが好ましい。透明電極2の材料としては、酸化スズインジウム(ITO)、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化インジウム亜鉛等の金属酸化物;アルミニウム、ニッケル、金、銀、白金、パラジウム等の金属;ヨウ化銅等のハロゲン化金属;カーボンブラック、ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子;が挙げられる。透明電極2のシート抵抗は、低いほど好ましく、数百Ω/□以下が好ましく、100Ω/□以下がより好ましい。
有機化合物層(図1乃至図4において、符号3乃至6で示される層)は、その機能に応じて、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、及び発光材料から選択される材料を含む。これら材料と本実施形態に係る組成物とを混合して膜形成に用いてもよい。
正孔輸送材料としては、テトラフェニレンジアミン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、カルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、アリールヒドラゾン誘導体、ポルフィリン系化合物が挙げられ、テトラフェニレンジアミン誘導体、スピロフルオレン誘導体、トリフェニルアミン誘導体が挙げられる。
正孔注入材料としては、フェニレンジアミン誘導体、フタロシアニン誘導体、インダンスレン誘導体、ポリアルキレンジオキシチオフェン誘導体等が挙げられ、これらには、ルイス酸、スルホン酸等の有機酸、塩化鉄等の無機酸を混合してもよい。
電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、シロール誘導体、キレート型有機金属錯体、多核または縮合芳香環化合物、ペリレン誘導体、トリアゾール誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体等が挙げられる。
電子注入材料としては、Li、Ca、Sr等の金属やLiF、MgF等の金属フッ化物、MgO、Al、LiO等の金属酸化物が挙げられる。
発光材料としては、固体状態で高い発光量子効率を示す化合物が好ましい。発光材料は、低分子化合物及び高分子化合物のいずれでもよい。有機低分子化合物としては、キレート型有機金属錯体、多核または縮合芳香環化合物、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、スチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体が挙げられる。有機高分子化合物としては、ポリパラフェニレン誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリアセチレン誘導体が挙げられる。発光材料の具体例として、例示化合物(VI-1)乃至(VI-17)が挙げられる。例示化合物(VI-1)乃至(VI-17)は、電子輸送材料として用いることもできる。
例示化合物(VI-13)乃至(VI-17)中、n及びgはそれぞれ独立に1以上の整数であり、Vは2価の連結基である。Vとしては、例えば、下記の基が挙げられる。下記の構造式において、gは1以上の整数を表し、hは0以上5以下の整数を表す。
有機電界発光素子の耐久性の向上又は発光効率の向上を目的に、発光材料又は電荷輸送性重合体の中に、発光材料とは異なる色素化合物をゲスト材料としてドーピングしてもよい。色素化合物のドーピング量は、ホスト100質量部に対して、0.001質量部以上40質量部以下が好ましく、0.01質量部以上10質量部以下がより好ましい。
ドーピング用の色素化合物としては、クマリン誘導体、DCM誘導体、キナクリドン誘導体、ペリミドン誘導体、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、ルブレン誘導体、ポルフィリン誘導体;ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスニウム、イリジウム、白金、及び金等の金属錯体化合物;などが挙げられる。ドーピング用の色素化合物の具体例として、例示化合物(VII-1)乃至(VII-6)が挙げられる。
各有機化合物層は、結着樹脂を含有していてもよい。結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレンブタジエン共重合体、塩化ビニルデン-アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、ポリ-N-ビニルカルバゾール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂が挙げられる。各有機化合物層は、公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等を含有していてもよい。
背面電極7の材料としては、真空蒸着可能で、電子注入を行なうため仕事関数の小さな材料が好ましく、金属、金属酸化物、金属フッ化物が好ましい。金属としては、マグネシウム、アルミニウム、金、銀、インジウム、リチウム、カルシウム及びこれらの合金が挙げられる。金属酸化物としては、酸化リチウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化スズインジウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化インジウム亜鉛が挙げられる。金属フッ化物としては、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウムが挙げられる。
背面電極7上には、保護層を設けてもよい。保護層の材料としては、インジウム、スズ、鉛、金、銀、銅、アルミニウム等の金属;酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、酸化チタン等の金属酸化物;ポリエチレン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂;が挙げられる。
透明電極2、各有機化合物層、背面電極7及び保護層の厚さはそれぞれ独立に、0.001μm以上10μm以下であることが好ましく、0.001μm以上5μm以下であることがより好ましい。
図1乃至図4に示される有機電界発光素子は、透明絶縁体基板1上に、透明電極2、各有機化合物層、及び背面電極7を順次形成することで作製される。透明電極2、各有機化合物層、及び背面電極7は、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、塗布法等により形成できる。塗布法は、材料を適切な溶媒に溶解又は分散した塗布液を透明電極2上に塗布し、塗布膜を乾燥させる成膜法である。塗布液の塗布方法としては、スピンコーティング法、ダイコート法、インクジェット法、キャスト法、ディップ法等が挙げられる。
前記有機化合物層における各材料の含有状態は、分子が分散した状態(分子分散状態)でもよく、粒子を形成して分散した状態(粒子分散状態)でもよい。塗布液を用いた成膜法において分子分散状態にするためには、塗布液の溶媒を、各材料の分散性及び溶解性を考慮して選択する。塗布液を用いた成膜法において粒子分散状態にするためには、ボールミル、サンドミル、ペイントシェイカー、アトライター、ホモジナイザー、超音波のいずれかを利用して塗布液を調製する。
前記有機電界発光素子を、マトリクス状又はセグメント状に配置して画像表示媒体が構成される。有機電界発光素子をマトリクス状に配置する場合、電極のみをマトリクス状に配置する形態であってもよいし、電極及び有機化合物層をマトリクス状に配置する形態であってもよい。有機電界発光素子をセグメント状に配置する場合、電極のみをセグメント状に配置する形態であってもよいし、電極及び有機化合物層をセグメント状に配置する形態であってもよい。マトリクス状又はセグメント状の有機化合物層は、インクジェット法により形成可能である。
マトリクス状の有機電界発光素子及びセグメント状の有機電界発光素子の駆動装置及び駆動方法としては、特開平2-148687号公報、特開平6-301355号公報、特開平5-29080号、特開平7-134558号公報、特開平8-234685号公報、特開平8-241047号公報、特許第2784615号公報、米国特許第5828429号明細書、米国特許第6023308号明細書などに記載の駆動装置及び駆動方法を適用し得る。
-電子写真感光体-
前記電子写真感光体は、電荷輸送層として、前記有機化合物層を有することが好ましく、導電性基体上に、前記有機化合物層を含む感光層を備えることがより好ましい。また、感光層上に表面保護層を更に有していてもよい。
また、前記電子写真感光体は、最外層として、前記有機化合物層を有することが好ましい。
感光層は、電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一の感光層に含有して機能を一体化した単層型感光層でもよく、電荷発生層と電荷輸送層とを有する機能が分離された積層型感光層でもよい。感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層と電荷輸送層との順序は特に限定されないが、像保持体は、導電性基体上に、電荷発生層、電荷輸送層及び表面保護層をこの順に有する構成が好ましい。また、像保持体は、これらの層以外の層を含んでいてもよい。
なお、電子写真感光体は、下引層を設けてもよいし、設けなくてもよい。
<<導電性基体>>
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体の表面は、像保持体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて支持体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい。)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が前記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。まず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行うことが好ましい。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これを更にアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
<<下引層>>
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ωcm以上1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。これらの中でも、前記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m/g以上が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2,000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)が好ましい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、40質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピル-トリス(2-メトキシエトキシ)シラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して、0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、下引層は、無機粒子と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7-トリニトロフルオレノン、2,4,5,7-テトラニトロ-9-フルオレノン等のフルオレノン化合物;2-(4-ビフェニル)-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ナフチル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ジエチルアミノフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ-t-ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。
アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引層中に無機粒子と共に分散して含まれていてもよいし、無機粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で撹拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、撹拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、無機粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、撹拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に無機粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で加熱撹拌しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を無機粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、無機粒子の全質量に対して、0.01質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピル-トリス(2-メトキシエトキシ)シラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、前記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
<<中間層>>
前記電子写真感光体は、下引層と感光層との間に中間層を更に設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、前記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。なお、中間層を下引層として使用してもよい。
<<電荷発生層>>
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro-Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、特開平5-263007号公報、特開平5-279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5-98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5-140472号公報、特開平5-140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4-189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより好ましい。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;特開2004-78147号公報、特開2005-181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等が好ましい。
450nm以上780nm以下に発光の中心波長があるLED、有機ELイメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合にも、前記電荷発生材料を用いてもよいが、解像度の観点より、感光層を20μm以下の薄膜で用いるときには、感光層中の電界強度が高くなり、基体からの電荷注入による帯電低下、いわゆる黒点と呼ばれる画像欠陥を生じやすくなる。これは、三方晶系セレン、フタロシアニン顔料等のp-型半導体で暗電流を生じやすい電荷発生材料を用いたときに顕著となる。
これに対し、電荷発生材料として、縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、アゾ顔料等のn-型半導体を用いた場合、暗電流を生じ難く、薄膜にしても黒点と呼ばれる画像欠陥を抑制し得る。n-型の電荷発生材料としては、例えば、特開2012-155282号公報の段落0288乃至0291に記載された化合物(CG-1)乃至(CG-27)が挙げられるがこれに限られるものではない。
なお、n-型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn-型とする。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、結着樹脂としては、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、電荷発生材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが好ましい。
電荷発生層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、前記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。なお、電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。電荷発生層の蒸着による形成は、特に、電荷発生材料として縮環芳香族顔料、ペリレン顔料を利用する場合に好適である。
電荷発生層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n-ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いる。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液-液衝突や液-壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えばブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下の範囲内に設定される。
<<電荷輸送層>>
電荷輸送層は、前記有機化合物層であることが好ましい。
また、電荷輸送層は、前記式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物以外に、他の電荷輸送材料を含んでいてもよいが、含まないことが好ましい。
更に、電荷輸送層は、結着樹脂を含んでいてもよい。
他の電荷輸送材料としては、p-ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7-トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物も挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、スチレン-アルキッド樹脂、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好適である。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上で用いる。
なお、前記式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷輸送層の膜厚は、例えば、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の範囲内に設定される。
<<表面保護層>>
表面保護層(以下単に「保護層」ともいう。)は、感光層上に設けられていてもよい。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度を更に改善したりする目的で設けられる。
表面保護層の材質としては、公知の材質が用いられるが、前記式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物を含む、すなわち、前記有機化合物層であることが好ましい。
また、表面保護層は、前記式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物以外の公知の添加剤を含んでいてもよい。
前記式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物の含有量は、表面保護層の全質量に対して、30質量%以上100質量%以下が好ましく、40質量%以上100質量%以下がより好ましく、50質量%以上100質量%以下が更に好ましい。この範囲とすることで、硬化膜の電気特性に優れ、硬化膜を厚膜化し得る。
表面保護層の硬さ(ユニバーサル硬さ)は、140N/mm以上300N/mm以下であることが好ましく、160mN/mm以上280N/mm以下がより好ましく、180mN/mm以上260mN/mm以下であることが更に好ましい。
表面保護層のユニバーサル硬さは、下記の方法で測定する。
表面保護層のユニバーサル硬さは、25℃相対湿度50%の環境下で、ビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重20mNで押し込んだときの、ユニバーサル硬さとする。
(測定の詳細)
測定機器としては、フィッシャー・インストルメンツ社製のフィッシャースコープH100V(微小硬さ測定装置)を使用する。測定に用いた圧子は、対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子である。
(測定条件)
・負荷条件:4mN/secの速度で像保持体の表面保護層の表面からビッカース圧子を押し込む。
・負荷時間:5sec。
・保持時間:5sec。
・除荷条件:負荷と同じ速度で負荷を除く。
測定試料は、作製した像保持体をH100V機に固定し、表面保護層の表面に対して垂直にビッカース圧子を押し込み、測定する。測定は、圧子負荷(5sec)、荷重保持(5sec)、除荷の手順で行う。
保護層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
保護層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、前記成分を溶剤に加えた保護層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱等の硬化処理することで行う。
保護層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
保護層形成用塗布液を感光層(例えば電荷輸送層)上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
保護層の膜厚は、例えば、好ましくは1μm以上20μm以下、より好ましくは2μm以上10μm以下の範囲内に設定される。
<<単層型感光層>>
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と前記式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、単層型感光層の全固形分に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.8質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。また、単層型感光層中、前記式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下が好ましい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上40μm以下であることがより好ましい。
<電荷輸送性膜>
本実施形態に係る電荷輸送性膜は、下記式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物を含む。
また、本実施形態に係る電荷輸送性膜は、下記式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物を含むことにより、前述と同様の推定理由により、耐熱性に優れる。
式(1)及び式(2)中、Arはそれぞれ独立に、二価の単環の芳香族基、又は、二価の複素芳香族基を表し、Z乃至Z12はそれぞれ独立に、C-R、C-D、又は、Nを表し、Z13及びZ14はそれぞれ独立に、C-R、又は、C-Dを表し、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、又は、2つのRが結合した5員若しくは6員の環状脂肪族基を表し、Dはそれぞれ独立に、下記式(D)で表される基を表し、式(1)又は式(2)で表される化合物は、下記式(D)で表される基を少なくとも1つ以上有する。
式(D)中、Lは、アルキレン基、アルケニレン基、-C(=O)-、-N(R)-、-O-、-S-、アルカン若しくはアルケンから水素原子を3個除いた三価の基、又は、これらを2以上組み合わせた基である(n+1)価の連結基を表し、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、nは、1又は2を表し、nDは0以上4以下の整数を表し、波線部分は、他の構造との結合位置を表す。
本実施形態に係る電荷輸送性膜における式(1)又は式(2)で表される化合物、及び、その硬化物の好ましい態様は、前述した本実施形態における電子デバイスの前記有機化合物層における式(1)又は式(2)で表される化合物、及び、その硬化物の好ましい態様と同様である。
本実施形態に係る電荷輸送性膜中の、式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物の含有量は、電荷輸送性膜の用途に応じて設定されればよいが、電荷輸送膜の全質量に対し、50質量%以上99質量%以下であることが好ましい。
本実施形態に係る電荷輸送性膜は、抵抗値が1×10Ω・cm以上1×1015Ω・cm以下であることが好ましく、1×10Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下であることがより好ましく、1×10Ω・cm以上1×1010Ω・cm以下であることが更に好ましい。
本実施形態に係る電荷輸送性膜は、有機電界発光素子が備える電荷輸送性膜として好適である。
また、本実施形態に係る電荷輸送性膜は、他の成分を含んでいてもよく、前記有機電界発光素子が備える電荷輸送層において含まれる結着樹脂等の他の成分が好適に挙げられる。
<化合物>
本実施形態に係る化合物は、下記式(1)又は式(2)で表される化合物であり、新規な化合物である。
また、本実施形態に係る化合物を少なくとも硬化してなる硬化物は、前述と同様の推定理由により、耐熱性に優れる。
本実施形態に係る化合物は、得られる硬化物の電荷輸送性の観点からは、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。
また、本実施形態に係る化合物は、得られる硬化物を含む有機化合物層を有機電界発光素子として使用した場合における発光特性の観点からは、下記式(2)で表される化合物であることが好ましい。
式(1)及び式(2)中、Arはそれぞれ独立に、二価の単環の芳香族基、又は、二価の複素芳香族基を表し、Z乃至Z12はそれぞれ独立に、C-R、C-D、又は、Nを表し、Z13及びZ14はそれぞれ独立に、C-R、又は、C-Dを表し、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、又は、2つのRが結合した5員若しくは6員の環状脂肪族基を表し、Dはそれぞれ独立に、下記式(D)で表される基を表し、式(1)又は式(2)で表される化合物は、下記式(D)で表される基を少なくとも1つ以上有する。
式(D)中、Lは、アルキレン基、アルケニレン基、-C(=O)-、-N(R)-、-O-、-S-、アルカン若しくはアルケンから水素原子を3個除いた三価の基、又は、これらを2以上組み合わせた基である(n+1)価の連結基を表し、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、nは、1又は2を表し、nDは0以上4以下の整数を表し、波線部分は、他の構造との結合位置を表す。
本実施形態に係る化合物における式(1)又は式(2)で表される化合物の好ましい態様は、前述した本実施形態における電子デバイスの前記有機化合物層における式(1)又は式(2)で表される化合物の好ましい態様と同様である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
また、実施例において記載する化合物1-1乃至化合物1-25、及び、化合物2-1乃至化合物2-25は、前述した化合物1-1乃至化合物1-25、及び、化合物2-1乃至化合物2-25とそれぞれ同じ化合物である。
<合成例1-1:化合物1-3Aの合成>
1L三口フラスコに1,3-ジ-9-カルバゾリルベンゼンを60g(0.147mol)、N,N-ジメチルホルムアミド300mLを添加し、窒素気流下で撹拌し、50℃に加熱して溶解させた。溶解後、加熱を止めてオキシ塩化リン133mLを2時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃で2時間、90℃で1時間加熱した。その後、更にオキシ塩化リン80mLを40分かけて滴下した。滴下終了後、95℃で3時間、80℃で14時間(終夜)反応を継続した。反応終了後、室温(25℃、以下同様)まで降温させ、反応溶液をトルエン800mL/脱イオン水2L中に滴下した。滴下終了後、有機層を脱イオン水で洗浄した(500mL×3回)。有機層を濃縮し、粗生成物を取り出した後、トルエン/ヘキサンから再結晶し、一次晶の化合物1-3Aを35.5g得た。再結晶ろ液を濃縮し、トルエンから再結晶し、二次晶の化合物1-3Aを3.5g得た(合計39.0g、収率57%)。
<合成例1-2:化合物1-3Bの合成>
500mL三口フラスコに化合物1-3Aを16g(0.0344mol)、トルエン200mL、アニソール6mLを添加し、フラスコにディーンスタークとジムロート冷却管とを取り付けて窒素気流下で撹拌し、100℃まで加熱して溶解させた。溶解後に降温させ、マロン酸14.3g、ピリジン10mL、ピペリジン1.7mLを添加し、冷却水を流して135℃で脱水留去しながら加熱還流した。途中、アニソール4mL、ピリジン6mLを追加し、合計2時間反応させた。その後、室温まで降温させ、メタノール(MeOH)200mL、濃硫酸6mLを添加して6時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで降温させ、酢酸エチルと脱イオン水を添加して抽出を行った。有機層を脱イオン水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで脱水、濃縮し、トルエンから再結晶し、一次晶の化合物1-3Bを11.3g得た。ろ液を濃縮し、アセトンから再結晶し、化合物1-3Bを3.0g得た(合計14.3g、収率72%)。
<合成例1-3:化合物1-3Cの合成>
500mLナスフラスコに化合物1-3Bを13.7g(0.0237mol)、テトラヒドロフラン(THF)100mLを添加し、加温しながら撹拌して溶解させた。溶解後、更にMeOH150mLを添加した。系内の減圧-窒素パージを3回行ってからPdカーボン(10%)を2.5g添加し、水素ガス風船を取り付けて系内の減圧-水素ガスパージを3回行い、水素ガス雰囲気下で終夜撹拌した。反応終了後、反応液をセライトでろ過し、濃縮してからシリカゲルを通したろ過を行い、化合物1-3Cを10.2g得た(収率74%)。
<合成例1-4:化合物1-3Dの合成>
300mL三口フラスコに化合物1-3Cを6.7g(0.0117mol)、THF60mLを添加し、撹拌して溶解させた。溶解後、窒素気流下で0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム2.21gのTHF溶液(60ml)を添加し、更にMeOH/THF(35mL/5mL)を滴下した。滴下後、反応を継続し、途中で水素化ホウ素ナトリウムを3回追加し(合計5.5g)、50℃まで加熱して合計27時間反応させた。反応終了後、室温まで降温させ、脱イオン水を添加し、更に酢酸を添加してpH試験紙でpH5に調整した。更に飽和食塩水と酢酸エチルを添加して抽出を行い、有機層を脱イオン水と飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、有機層を濃縮して化合物1-3Dを6.25g得た(収率90%)。
(実施例1:例示化合物1-3の合成)
300mL三口フラスコに化合物1-3Dを6.25g(0.0119mol)、ニトロベンゼン0.1g、脱水THF115mLを添加し、窒素気流下で撹拌して溶解させた。溶解後、氷浴で冷却し、水素化ナトリウム(60%)1.62gを添加した。冷却した状態で1時間撹拌した後、氷浴を外して室温になるまで撹拌を続けた。再び反応容器を氷浴で冷却し、4-クロロメチルスチレン7.25gを30分かけて滴下した。滴下終了後、氷浴を外して50℃で6時間撹拌した。加熱を止め、反応溶液を室温に戻した後、脱イオン水を添加し、濃塩酸を加えてpHを中性に調整し、トルエン及び酢酸エチルを加えて抽出作業を行った。有機層を更に脱イオン水と飽和食塩水を加えて洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して取り出した粗生成体をシリカゲルカラムで精製し、例示化合物1-3を5.1g得た(収率57%)。
例示化合物1-3のH-NMRチャートを図5に示す。
<合成例2-1:化合物1-14Aの合成>
なお、Etはエチル基を表す。
1L三口フラスコに化合物1-3Aを18g(0.0388mol)、マロン酸ジエチル18.62g、トルエン200mL、アニソール200mLを添加し、フラスコにディーンスタークとジムロート冷却管を取り付け、窒素気流下、70℃で加熱撹拌して溶解させた。そこへプロピオン酸1.44g、ピペリジン0.82gを添加し、冷却水を流して脱水留去しながら加熱還流を行った。途中でプロピオン酸(合計10.33g)、ピペリジン(合計5.90g)、マロン酸ジエチル(合計9.31g)を追加しながら、合計2日間反応を継続した。反応終了後、室温まで降温させ、脱イオン水で洗浄した(300ml×3)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して取り出した粗生成物をシリカゲルカラムで精製し、化合物1-14Aを14.0g得た(収率48%)。
<合成例2-2:化合物1-14Bの合成>
300mL三口フラスコに化合物1-14Aを11.86g(0.0158mol)、THF96mLを添加し、窒素気流下で撹拌して溶解させた。溶解後、水素化ホウ素ナトリウム4.85gを添加し、反応系を0℃から5℃まで冷却した。その後、MeOH20.54g/THF24mLを1.5時間かけて滴下した。滴下終了後、冷却しながら撹拌を継続し、徐々に室温まで戻して終夜で反応させた。反応終了後、酢酸8.66g/脱イオン水8.66gを添加した。更に酢酸エチル150mL、脱イオン水70mLを添加して撹拌し、有機層を脱イオン水40mLで洗浄した。水層から酢酸エチル25mLで再抽出し、有機層を合算して硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して化合物1-14Bを9.12g得た(収率99%)。
(実施例2:例示化合物1-14の合成)
300mL三口フラスコに化合物1-14Bを5.7g(9.75mmol)、ニトロベンゼン0.042g、脱水THF160mLを添加し、窒素気流下で撹拌して溶解させた。溶解後、氷浴で冷却し、水素化ナトリウム(60%)3.42gを添加した。冷却した状態で1時間撹拌した後、氷浴を外して室温になるまで撹拌を続けた。再び反応容器を氷浴で冷却し、4-クロロメチルスチレン13.39gを30分かけて滴下した。滴下終了後、氷浴を外して50℃で6時間撹拌した。加熱を止め、反応溶液を室温に戻した後、脱イオン水を添加し、濃塩酸を加えてpHを中性に調整し、トルエン及び酢酸エチルを加えて抽出作業を行った。有機層を更に脱イオン水と飽和食塩水を加えて洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して取り出した粗生成体をシリカゲルカラムで精製し、例示化合物1-14を5.6g得た(収率54%)。
例示化合物1-14のH-NMRチャートを図6に示す。なお、図6に示すH-NMRチャートは、トルエンを約17質量%含んだものである。
(実施例A-1乃至A-30、及び、比較例AC-1乃至AC-4)
<有機電界発光素子1乃至30、及び、C1乃至C4の作製>
厚さ150nmのITO膜を設けたガラス基板を、プラズマ洗浄機(サムコインターナショナル社製、BP1)を用い、酸素プラズマにて30秒間洗浄した。更に、中性洗剤、水、アセトン(電子工業用、関東化学(株)製)及びイソプロパノール(電子工業用、関東化学(株)製)の順に、各液に浸して超音波を各5分間印加して洗浄した後、スピンコーターで乾燥させた。
表1に記載の例示化合物を3質量部と、OTAZO-15(大塚化学(株)製、分子量354.4)0.06質量部と、をジクロロメタン97質量部に溶解した溶液を、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過し塗布液を得た。塗布液を前記ガラス基板にスピンコートした。
回転数は、後述する膜厚(400nm)となるように調整して行った。酸素濃度150ppmの不活性ガス雰囲気下で、160℃で1時間加熱することにより、膜厚400nm(触針膜厚計にて測定)の正孔輸送層(本発明の電荷輸送性膜)を形成した。
次に、この正孔輸送層上に、トリス(2-フェニルピリジナト)イリジウム(III)(Ir(ppy))と4,4’-ビス(9H-カルバゾール-9-イル)ビフェニル(CBP)とを質量比7:93で50nmの厚さに真空蒸着して発光層を形成した後、トリス(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq3)を50nmの厚さに真空蒸着した。更に、1nm厚のLiF層を蒸着し、最後にスパッタ法で100nm厚のAl層を定め、有機電界発光素子1乃至30、及び、C1乃至C4をそれぞれ作製した。
<有機電界発光素子の性能評価(寿命評価)>
得られた有機電界発光素子のITO電極を陽極とし、Al電極を陰極として、有機EL発光効率測定装置(東京インスツルメンツ社製)を用い、測定条件を25℃に調整して直流8Vを印加し、電流密度を求めるとともに、発光特性の指標として輝度を測定した。さらに、1,000時間動作後の輝度を測定し、以下の式から相対輝度を算出して発光寿命の指標とした。その結果を表1に示す。
1,000時間動作後の相対輝度(%)=(1,000時間動作後の輝度/初期の輝度)×100
(実施例B-1乃至B-30、及び、比較例BC-1乃至BC-4)
<電子写真感光体1乃至30、及び、C1乃至C4の作製>
-下引層の作製-
酸化亜鉛(平均粒子径70nm:テイカ(株)製:比表面積値15m/g)100部をテトラヒドロフラン500部と撹拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業(株)製)1.3部を添加し、2時間撹拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛110部を500部のテトラヒドロフランと撹拌混合し、アリザリン1.0部を50部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間撹拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛を濾別し、更に60℃で減圧乾燥を行い、アリザリン付与酸化亜鉛を得た。
このアリザリン付与酸化亜鉛60部と硬化剤(ブロック化イソシアネート、スミジュール3175、住友バイエルウレタン(株)製)13.5部とブチラール樹脂(エスレックBM-1、積水化学工業(株)製)15部とをメチルエチルケトン85部に溶解した溶液38部と、メチルエチルケトン25部と、を混合し1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い、分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005部、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)45部を添加し、下引層用塗布液を得た。この塗布液を浸漬塗布法にて、直径30mm、長さ340mm、肉厚1mmのアルミニウム基材上に塗布し、170℃、40分の乾燥硬化を行い厚さ18μmの下引層を得た。
-電荷発生層の作製-
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜,24.9゜、28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15部、結着樹脂としての塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、(株)NUC製)10部、n-酢酸ブチル200部からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn-酢酸ブチル175部、メチルエチルケトン180部を添加し、攪拌して電荷発生層用塗布液を得た。この電荷発生層用塗布液を、前記下引層上に浸漬塗布し、常温(20℃)で乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
-電荷輸送層(本実施形態に係る電荷輸送性膜)の作製-
表2に記載の例示化合物10部、OTAZO-15(大塚化学(株)製、分子量354.4)0.2部をクロロベンゼン40部に加えて溶解し、電荷輸送層用塗布液を得た。この塗布液を突き上げコートにて前記電荷発生層上に塗布し、室温(20℃)で30分風乾した後、酸素濃度200ppmの窒素下で室温(20℃)から10℃/分の速度で150℃まで昇温し、150℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚18μmの電荷輸送層を形成して電子写真感光体1乃至30、及び、C1乃至C4をそれぞれ作製した。
<電子写真感光体の性能評価(寿命評価)>
-残留電位の上昇抑制性評価-
以下の方法により、残留電位を測定し、画像形成試験前後での残留電位の上昇分について評価を行った。具体的には、富士ゼロックス(株)製、ApeosPort-IV C4470改造機に電位センサーを取り付け、8℃、20%RHで画像形成試験前における電子写真感光体表面の残留電位(以下「初期の残留電位」ともいう。)の測定を行った。ついで、8℃、20%RHの下で1万枚の画像形成試験を行った直後に、電子写真感光体表面の残留電位(以下「画像形成後の残留電位」ともいう。)の測定を行った。初期の残留電位と画像形成試験後の残留電位との差(画像形成試験後の残留電位-初期の残留電位)の絶対値を残留電位の上昇値として、以下の判断基準で評価した。結果を表2に示す。
:残留電位の上昇が10V未満
A:残留電位の上昇が10V以上20V未満
B:残留電位の上昇が20V以上40V未満
C:残留電位の上昇が40V以上
-電荷輸送層の摩耗量の評価-
画像形成試験を行う前の初期の感光体膜厚(すなわち、下引層、電荷発生層、及び、電荷輸送層の合計膜厚)と、画像形成試験を終了した後の感光体膜厚とを渦電流測定装置(フィッシャースコープMMS、(株)フィッシャー・インストルメンツ製)にて測定し、摩耗量(μm)を評価した。結果を表2に示す。
以下に、比較例で使用した化合物C1乃至C4を示す。
化合物C1:下記化合物
化合物C2:下記化合物
化合物C3:下記化合物
化合物C4:下記化合物
前記表1に示す結果から、本実施例の有機電界発光素子(電子デバイス)は、比較例の有機電界発光素子に比べ、長寿命であることがわかる。
前記表2に示す結果から、本実施例の電子写真感光体(電子デバイス)は、比較例の電子写真感光体に比べ、長寿命であることがわかる。
また、前記表1に示す結果から、本実施例の有機電界発光素子(電子デバイス)は、輝度にも優れることがわかる。
1:透明絶縁体基板、2:透明電極、3:正孔輸送層、4:発光層、5:電子輸送層、6:発光層、7:背面電極

Claims (21)

  1. 有機化合物層を有し、
    前記有機化合物層が、下記式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物を含む
    電子デバイス。

    式(1)及び式(2)中、Arはそれぞれ独立に、二価の単環の芳香族基、又は、二価の単環の複素芳香族基を表し、Z乃至Z12はそれぞれ独立に、C-R、C-R、又は、Nを表し、Z13及びZ14はそれぞれ独立に、C-R、又は、C-Rを表し、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、又は、2つのRが結合した5員若しくは6員の環状脂肪族基を表し、Rはそれぞれ独立に、下記式(D)で表される基を表し、式(1)又は式(2)で表される化合物は、下記式(D)で表される基を少なくとも1つ以上有する。

    式(D)中、前記式(1)に結合するL は、アルキレン基、-C=C-、-C(=O)-、-O-、アルカン若しくはアルケンから水素原子を3個除いた三価の基、又は、これらを2以上組み合わせた基であり、かつ式(D)の芳香族ビニル基と前記式(1)のZ 乃至Z とを連結する最小の原子数が4つ以上である(n+1)価の連結基を表し、前記式(2)に結合するは、アルキレン基、アルケニレン基、-C(=O)-、-N(R)-、-O-、-S-、アルカン若しくはアルケンから水素原子を3個除いた三価の基、又は、これらを2以上組み合わせた基である(n+1)価の連結基を表し、Rは、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、sDはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、nは、1又は2を表し、nDは0以上4以下の整数を表し、波線部分は、他の構造との結合位置を表す。
  2. 前記Arが、フェニレン基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ピリジンジイル基、又は、トリアジンジイル基である請求項1に記載の電子デバイス。
  3. 前記Arが、フェニレン基である請求項2に記載の電子デバイス。
  4. 前記有機化合物層が、上記式(1)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物を含む請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電子デバイス。
  5. 前記式(1)で表される化合物におけるZ乃至Zを含む環構造を有する基が、下記式(Ca-1)乃至式(Ca-6)のいずれかで表される基である請求項4に記載の電子デバイス。

    式(Ca-1)乃至式(Ca-6)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はRを表し、Rはそれぞれ独立に、前記式(D)で表される基を表し、波線部分はArとの結合位置を表す。
  6. 前記有機化合物層が、上記式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物を含む請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電子デバイス。
  7. 前記式(2)で表される化合物におけるZ 乃至Z 14 を含む環構造を有する基が、下記式(In-1)乃至式(In-6)のいずれかで表される基である請求項6に記載の電子デバイス。

    式(In-1)乃至式(In-6)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はRを表し、Rはそれぞれ独立に、前記式(D)で表される基を表し、波線部分はArとの結合位置を表す。
  8. 前記式(2)に結合するが、アルキレン基、アルケニレン基、-C(=O)-、-O-、アルカン若しくはアルケンから水素原子を3個除いた三価の基、又は、これらを2以上組み合わせた基である(n+1)価の連結基である請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の電子デバイス。
  9. 前記式(1)又は式(2)で表される化合物における前記式(D)で表される基の数が、2以上6以下である請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の電子デバイス。
  10. 一方が透明である一対の電極を更に有し、前記有機化合物層が前記一対の電極間に設けられいる有機電界発光素子である請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の電子デバイス。
  11. 前記有機化合物層を有する電子写真感光体である請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の電子デバイス。
  12. 下記式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも硬化してなる硬化物を含む
    電荷輸送性膜。

    式(1)及び式(2)中、Arはそれぞれ独立に、二価の単環の芳香族基、又は、二価の単環の複素芳香族基を表し、Z乃至Z12はそれぞれ独立に、C-R、C-R、又は、Nを表し、Z13及びZ14はそれぞれ独立に、C-R、又は、C-Rを表し、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、又は、2つのRが結合した5員若しくは6員の環状脂肪族基を表し、Rはそれぞれ独立に、下記式(D)で表される基を表し、式(1)又は式(2)で表される化合物は、下記式(D)で表される基を少なくとも1つ以上有する。

    式(D)中、前記式(1)に結合するL は、アルキレン基、-C=C-、-C(=O)-、-O-、アルカン若しくはアルケンから水素原子を3個除いた三価の基、又は、これらを2以上組み合わせた基であり、かつ式(D)の芳香族ビニル基と前記式(1)のZ 乃至Z とを連結する最小の原子数が4つ以上である(n+1)価の連結基を表し、前記式(2)に結合するは、アルキレン基、アルケニレン基、-C(=O)-、-N(R)-、-O-、-S-、アルカン若しくはアルケンから水素原子を3個除いた三価の基、又は、これらを2以上組み合わせた基である(n+1)価の連結基を表し、Rは、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、sDはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、nは、1又は2を表し、nDは0以上4以下の整数を表し、波線部分は、他の構造との結合位置を表す。
  13. 下記式(1)又は式(2)で表される化合物。

    式(1)及び式(2)中、Arはそれぞれ独立に、二価の単環の芳香族基、又は、二価の単環の複素芳香族基を表し、Z乃至Z12はそれぞれ独立に、C-R、C-R、又は、Nを表し、Z13及びZ14はそれぞれ独立に、C-R、又は、C-Rを表し、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、又は、2つのRが結合した5員若しくは6員の環状脂肪族基を表し、Rはそれぞれ独立に、下記式(D)で表される基を表し、式(1)又は式(2)で表される化合物は、下記式(D)で表される基を少なくとも1つ以上有する。

    式(D)中、前記式(1)に結合するL は、アルキレン基、-C=C-、-C(=O)-、-O-、アルカン若しくはアルケンから水素原子を3個除いた三価の基、又は、これらを2以上組み合わせた基であり、かつ式(D)の芳香族ビニル基と前記式(1)のZ 乃至Z とを連結する最小の原子数が4つ以上である(n+1)価の連結基を表し、前記式(2)に結合するは、アルキレン基、アルケニレン基、-C(=O)-、-N(R)-、-O-、-S-、アルカン若しくはアルケンから水素原子を3個除いた三価の基、又は、これらを2以上組み合わせた基である(n+1)価の連結基を表し、Rは、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、sDはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表し、nは、1又は2を表し、nDは0以上4以下の整数を表し、波線部分は、他の構造との結合位置を表す。
  14. 前記Arが、フェニレン基、フランジイル基、チオフェンジイル基、ピリジンジイル基、又は、トリアジンジイル基である請求項13に記載の化合物。
  15. 前記Arが、フェニレン基である請求項14に記載の化合物。
  16. 前記式(1)で表される化合物である請求項13乃至請求項15のいずれか1項に記載の化合物。
  17. 前記式(1)で表される化合物におけるZ乃至Zを含む環構造を有する基が、下記式(Ca-1)乃至式(Ca-6)のいずれかで表される基である請求項16に記載の化合物。

    式(Ca-1)乃至式(Ca-6)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はRを表し、Rはそれぞれ独立に、前記式(D)で表される基を表し、波線部分はArとの結合位置を表す。
  18. 前記式(2)で表される化合物である請求項13乃至請求項15のいずれか1項に記載の化合物。
  19. 前記式(2)で表される化合物におけるZ 乃至Z 14 を含む環構造を有する基が、下記式(In-1)乃至式(In-6)のいずれかで表される基である請求項18に記載の化合物。

    式(In-1)乃至式(In-6)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はRを表し、Rはそれぞれ独立に、前記式(D)で表される基を表し、波線部分はArとの結合位置を表す。
  20. 前記式(2)に結合するが、アルキレン基、アルケニレン基、-C(=O)-、-O-、アルカン若しくはアルケンから水素原子を3個除いた三価の基、又は、これらを2以上組み合わせた基である(n+1)価の連結基である請求項13乃至請求項19のいずれか1項に記載の化合物。
  21. 前記式(1)又は式(2)で表される化合物における前記式(D)で表される基の数が、2以上6以下である請求項13乃至請求項20のいずれか1項に記載の化合物。
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