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JP7394344B2 - 液状化対策工法及び液状化対策構造 - Google Patents
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JP7394344B2 - 液状化対策工法及び液状化対策構造 - Google Patents

液状化対策工法及び液状化対策構造 Download PDF

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Description

本発明は、液状化対策工法及び液状化対策構造に関する。
地震により埋設管の周囲の地盤材料が液状化することによって、地中に埋設された埋設管が移動することや、当該移動により生じる埋設管の接続部の離脱を防ぐ技術として、特許文献1~5に記載された技術が知られている。特許文献1及び2では、埋設管の接続部の離脱を防ぐために、離脱しやすい部分を予め補強した埋設管を用いることが記載されている。特許文献3~5には、地盤の液状化に伴い埋設管が浮上又は沈下することを防ぐために、埋設管の周囲に補強材料を注入する技術が記載されている。
特開2002-276853号公報 特開2005-163897号公報 特開2016-17341号公報 特開平7-286356号公報 特開2013-164103号公報
農業用パイプラインのように内部に水が流れる管において、屈曲した部分のように水の流れが変化する箇所には、水の流れの変化により生じるスラスト力が作用する。管が略水平方向に延伸して埋設されている場合には、スラスト力は略水平方向に生じるものであり、管を浮上又は沈下させる力とは異なっている。地中に埋設された埋設管では、土圧や土と管との摩擦力が反力となるため、スラスト力が作用しても埋設管の変形部は移動しないようになっている。
しかしながら、地震により埋設管の周囲が液状化すると、土圧や土と管との摩擦力が減少してスラスト力に抵抗できなくなり、変形部が移動しやすくなってしまう。変形部が移動してしまうと、埋設管の接続部の離脱や管の破損に繋がる。地中における埋設管の接続部の離脱や管の破損は、農業用水の供給に支障を来たすだけでなく、漏水に伴う地盤流亡や交通障害等の二次被害に繋がる場合もある。そのため、土圧の減少に伴う埋設管の移動及び接続部の離脱を防ぐ技術が求められている。
特許文献1及び2に記載された技術は、離脱しやすい変形部を補強した上で管を埋設する技術であるため、地中に既に埋設されている既設管に適用することはできない。また、特許文献3~5に記載された技術は、地盤の液状化に伴う埋設管の浮上又は沈下を防止する技術であり、略水平方向に作用するようなスラスト力の影響を防ぐことはできない。
本発明の一態様は、埋設管に液状化対策を施すことでスラスト力の影響による埋設管の移動を防ぎ、埋設管の接続部の離脱を防ぐことを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、以下の態様を含む。
1) 埋設管に対する液状化対策工法であって、前記埋設管は、直管部と、内部を流れる水の流れが当該直管部と異なることにより生じるスラスト力が付加される変形部とを有しており、地盤を掘削して形成される溝中に敷設された前記変形部の周囲に導入された基礎材中に、当該基礎材の流動性を低下させる注入材を注入する注入工程を包含する、液状化対策工法。
2) 前記注入工程において、前記スラスト力が付加される方向の下流側の前記基礎材に前記注入材を注入する、1)に記載の液状化対策工法。
3) 前記変形部の周囲は防護材により覆われており、前記注入工程において、前記防護材の周囲に導入された前記基礎材中に前記注入材を注入する、1)又は2)に記載の液状化対策工法。
4) 前記注入工程の前に、前記溝中に前記埋設管を敷設し、当該埋設管の周囲に前記基礎材を導入する前記埋設管の埋設工程をさらに含む、1)から3)のいずれかに記載の液状化対策工法。
5) 前記注入材は、シリカ溶液、粘土、セメント、スラグ、気泡、及び気体からなる群より選択される1種又は複数種を含む、1)から4)のいずれかに記載の液状化対策工法。
6) 直管部と、内部を流れる水の流れが当該直管部とは異なることにより生じるスラスト力が付加される変形部とを有する埋設管と、地盤を掘削して形成される溝中に敷設された前記変形部の周囲に導入された基礎材中に設けられ、当該基礎材よりも流動性が低下した補強部とを備えた、液状化対策構造。
本発明の一態様によれば、埋設管に液状化対策を施すことでスラスト力の影響による埋設管の移動を防ぎ、埋設管の接続部の離脱を防ぐことができる。
本発明の一実施形態に係る液状化対策工法を施した埋設管を示す上面図である。 土壌中に埋設された埋設管を説明する断面図である。 本発明の一実施形態に係る液状化対策工法を説明する断面図である。 埋設管に生じるスラスト力の他の例を説明する模式図である。 埋設管に生じるスラスト力の他の例を説明する模式図である。 埋設管に生じるスラスト力の他の例を説明する模式図である。 本発明の一実施形態に係る液状化対策工法の他の例を説明する上面図である。
〔液状化対策工法〕
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明するが、本発明はこの実施形態に限定されない。
図1は、本発明の一実施形態に係る液状化対策工法を施す埋設管10を示す上面図である。なお、各図に示す座標軸において、Z軸は鉛直方向に延伸しており、X軸及びY軸は水平方向に延伸している。したがって、図1は、埋設管10が土壌中に埋設されている場合に、埋設管10を地面側から見た上面図である。
図1に示すように、液状化対策工法により液状化対策される埋設管10は、直管部11と、内部を流れる水の流れが直管部11とは異なる変形部12とを有する。直管部11と変形部12とは、内部を水が流通可能なように接続されている。変形部12には、内部を流れる水の流れが直管部11と異なることにより生じるスラスト力Wが付加される。埋設管10は、地盤を掘削して形成される溝13中に埋設される。埋設管10が埋設された溝13は、基礎材15により埋められる。
図1に示す例において、変形部12は、直管部11に対して屈曲した屈曲部である。変形部12の円弧の外側には、補強部14が位置しており、埋設管10と補強部14とにより液状化対策構造100が構築されている。液状化対策工法は、補強部14を形成することにより埋設管10に液状化対策を施す。
埋設管10は、例えば、灌漑のために農業用水が流れる農業用パイプラインであるが、これに限定されない。埋設管10の口径は、例えば、50mm以上、4000mm以下である。埋設管10の全長は、数十kmに及ぶ場合もある。
液状化対策工法は、地盤を掘削して形成される溝13中に敷設された変形部12の周囲に導入された基礎材15中に、基礎材15の流動性を低下させる注入材を注入する注入工程を包含する。注入工程は、基礎材15中に注入材を注入することで、補強部14を形成する工程である。補強部14は、注入材と、注入材が注入された範囲の基礎材15とから構成され、注入材を含むことにより基礎材15の流動性が低下した部分であり得る。
図2を参照して、注入工程について説明する。図2は、図1のAA’線で切断した断面図であり、本発明の一実施形態に係る液状化対策工法を説明する図である。図2に示すように、埋設管10は、地面Gの下に埋設される。
埋設管10を埋設する場合、まず、地面Gを掘削して溝13を形成する。そして、溝13の底に基礎材15を敷き詰め、基礎材15上に埋設管10を敷設する。そして、埋設管10の管頂が埋まるまで基礎材15を導入して締め固める。これにより、溝13内において埋設管10の周囲が基礎材15で覆われる。そして、基礎材15上に埋め戻し材17を導入して締め固めることにより、埋設管10が埋設される。基礎材15は、砂、砂利、砕石等を主に含む材料である。埋め戻し材17は、通常、掘削した地盤材料であるが、外部から持ってきた地盤材料であってもよい。このように、液状化対策工法は、溝13中に埋設管10を敷設し、埋設管10の周囲に基礎材15を導入する埋設管10の埋設工程をさらに包含してもよい。
スラスト力は、管の内部を流れる水の流れが変化する部分で生じ、管の接続部分の離脱や管の破損の原因となり得るものである。内部を流れる水の流れが直管部11とは異なる変形部12において生じるスラスト力Wは、変形部12の周囲の基礎材15により溝13外の地盤に伝播する。通常、地盤の土圧がこのスラスト力の反力となるので、スラスト力Wによる変形部12の移動は抑制されている。
ここで、地震時には、掘削して形成した溝13の外側の地盤は液状化せず、溝13に埋め戻した基礎材15部分のみが液状化する場合がある。このように、基礎材15が地震により液状化すると、変形部12に付加されるスラスト力Wが地盤に伝播せず、地盤の土圧がスラスト力Wの反力とならない。その結果、溝13において基礎材15が導入された範囲内で変形部12が変位してしまい、直管部11と変形部12との接続部分が離脱して漏水発生に繋がる。また、硬質塩化ビニル管のように直管部11と変形部12とを接着剤により接合しているような管材の場合には、管が破損する可能性もある。
注入工程では、スラスト力Wが付加される変形部12の周囲に導入された基礎材15中に、基礎材15の流動性を低下させる注入材を注入し、基礎材15中に補強部14を形成する。補強部14は、地震時の土粒子の動きが抑制されるので、例え地震により基礎材15が液状化したとしても、補強部14によりスラスト力Wが地盤に伝播する。その結果、地盤の土圧が反力となり、スラスト力Wによる変形部12の移動が抑制される。このように、注入工程により、基礎材15を強度低下しにくくすることができる。
注入工程においては、変形部12の周囲の基礎材15に注入材を注入する。すなわち、溝13内の変形部12と溝13の外側の地盤との間に注入材を注入する。これにより、変形部12と地盤との間に補強部14が形成される。補強部14は、変形部12及び地盤に接していることが好ましいが、変形部12又は地盤から離れていてもよい。
注入工程における注入材の注入方法として、例えば、基礎材15が導入されている位置の上方に相当する位置の地面Gの一部に開口部を形成し、開口部に挿入した注入管を介して注入材を注入する方法が挙げられるが、これに限定されない。埋設管10の管径が大きい場合には、埋設管10内に人が入って、図2に示すように、内側から管に開口部を形成し、開口部に挿入した注入管16を介して基礎材15に注入材を注入してもよい。
また、注入工程においては、スラスト力Wが付加される方向の下流側の基礎材15に注入材を注入してもよい。スラスト力Wが付加される方向の下流側の基礎材15に注入材を注入することで、スラスト力Wの影響による変形部12の移動を効果的に抑制することができる。図1及び2に示す例においては、変形部12が屈曲部であるため、スラスト力Wは、変形部12の円弧の内側から外側に向かう方向(図2中Y軸方向)に付加される。したがって、注入工程においては、変形部12の円弧の外側の基礎材15に注入材を注入することで、補強部14を形成する。また、後述する図5に示す例においても、スラスト力Wが付加される方向の下流側の基礎材55に注入材を注入し、補強部54を形成する。
なお、図1及び2に示すように、埋設管10が略水平方向に延伸するように設けられている場合には、スラスト力Wが付加される方向は、略水平方向である。一方、図3に示すように、埋設管が略鉛直方向に延伸する部分を含む場合、スラスト力Wが付加される方向は、変形部12の屈曲の角度に応じて斜め上方又は斜め下方の方向となる。図3は、本発明の一実施形態に係る液状化対策工法を説明する断面図である。
注入材は、埋設管の埋め戻しに用いられる基礎材の流動性を低下させるものである。注入材の例として、シリカ溶液、粘土、セメント、スラグ、気泡、及び気体からなる群より選択される1種又は複数種を有効成分として含んでいてもよい。注入材は、例えば、流動性の液体であり、時間の経過に伴って固化してゲル状になることで基礎材の流動性を低下させるものであってもよい。このような注入材は、ゲル化促進剤をさらに含んでいてもよく、これにより注入材のゲル化時間を調整することができる。注入材として、例えば、公知のグラウト材を用いることができる。
注入材として用いるグラウト材の材質は特に限定されず、埋設管10の周辺の地盤の性状に対応させて選択して採用することが好ましい。例えば、注入材として用いるグラウト材としては、一液型のものや二液型のものがある。一液型のグラウト材としてはセメントミルクがあり、二液型のグラウト材としては水ガラス系溶液型のグラウト材、懸濁液型グラウト材等がある。
例えば、埋設管10の周囲が透水係数の小さい(浸透性の悪い)土壌である場合、水ガラス系溶液型のグラウト材が好ましく用いられる。水ガラス系溶液型のグラウト材としては、「耐久グラウト注入工法施工指針」(発行者;一般社団法人日本グラウト協会、発行;平成24年3月、以下同じ)に分類されている水ガラス系溶液型の無機系グラウト材に属するアルカリ性グラウト材や中性・酸性グラウト材、特殊中性・酸性グラウト材や特殊シリカ(シリカコロイド)グラウト材、有機系グラウト材に属するアルカリ性グラウト材があり、何れも用いることが可能である。特に、特殊中性・酸性グラウト材や特殊シリカ(シリカコロイド)グラウト材の場合、長期間耐久性を保持し得るグラウト材として好ましく用いることができる。
また、埋設管10の周囲の土壌の透水係数が大きい(浸透性が良い)場合、懸濁液型のグラウト材が好ましく用いられる。懸濁液型のグラウト材としては、非水ガラス系グラウト材に属する超微粒子系グラウト材や特殊スラグ系グラウト材、水ガラス系グラウト材に属するアルカリ性グラウト材や中性・酸性グラウト材がある。特に、透水係数の小さい土壌に対する浸透性を考慮した場合、懸濁液型の非水ガラス系に属する特殊スラグ系であっても用いることができる。
液状化対策工法は、すでに埋設管10が地面Gの下に埋設されている既設管に対して、埋設した状態のまま実行することができる。これにより、液状化対策のために、既設管を掘り出したり、既設管を新しいものに取り替えたりする必要がない。なお、埋設管10を埋設する際に、基礎材15中に注入材を注入してもよい。すなわち、液状化対策工法は、埋設管を新設する際に実行してもよいし、既設管に対して実行してもよい。
注入工程において基礎材15中に注入材を注入する範囲は特に限定されず、埋設管10の口径、内圧、埋設管10と地盤との間の距離、基礎材15の間隙率(土粒子、空気及び水からなる地盤における土粒子以外の割合を示す指標)等に応じて、適宜選択すればよい。
また、注入工程において注入する注入材の注入量は特に限定されないが、土質調査等により、注入範囲の基礎材15の間隙率を想定し、空気と水の部分を注入材で置き換えるために必要な量を選択してもよい。
注入工程において注入材を注入する範囲及び注入量は、例えば、以下のように算出することができる。すなわち、注入材を注入する範囲は、変形部12と溝13の外側の地盤との間の隙間であるため、その隙間の体積をV、隙間内の基礎材15の間隙率をnとした場合、注入材の注入量Lは、L=V×nである。したがって、例えば、隙間の長さ(l)が7.04m、高さ(h)が1.3m、変形部12と溝13の外側の地盤との間の距離(d)を0.5mとした場合、V=7.04×1.3×0.5=約4.6mとなる。そして隙間内の基礎材15の間隙率nが40%であれば、注入材の注入量はL=4.6m×0.4=1.8mとなる。
このように、液状化対策工法によれば、埋設管10の埋め戻しに用いた基礎材15が地震の影響で液状化した場合でも、補強部14によりスラスト力Wを地盤に伝播させることができる。これにより、地盤の土圧が反力となり、スラスト力Wによる変形部12の移動が抑制される。液状化対策工法によれば、変形部12の周囲の基礎材15を強度低下しにくくすることができる。
液状化対策工法が施される埋設管10は、直管部11と変形部12とを有することにより、内部に水を流した際に、変形部12にスラスト力が付加されるものである。変形部12に付加されるスラスト力について、図4~6を参照して説明する。図4~6は、埋設管に生じるスラスト力の例を説明する模式図である。
図4に示すように、直管部11と屈曲した変形部12とを有する埋設管10には内圧P
が付加され、変形部12にはスラスト力Wが付加される。スラスト力Wは、水の流れが変
化する箇所で生じ、管の内圧及び断面積(口径の二乗)に比例する。また、変形部12は
屈曲しているため、付加されるスラスト力は図においてΘで示す角度の影響を受ける。
Θは、変形部12の曲がり角度を示している。
したがって、内圧をP、変形部12の断面積をAとした場合、スラスト力Wは、以下の式(1)により算出することができる:
W=2PAsin(Θ/2)・・・(1)
変形部12に付加されるスラスト力Wの反力となる地盤の土圧は、地盤の土の単位体積重量、変形部12の円弧の外側の幅(変形部12の両端間の長さ)、変形部12が埋設された深さに比例する。
このように、基礎材15に液状化が生じたとしても、埋設管10は、変形部12と地盤との間に形成された補強部14によって、地盤へのスラスト力の伝播が阻害されない。その結果、スラスト力の反力となる地盤の土圧が低下せず、変形部12の移動が抑制される。このように、変形部12の離脱を防ぐことができる。
スラスト力は、図4に示す屈曲した変形部12を有する埋設管10以外にも、図5及び6に示すような形状の埋設管にも付加される。すなわち、埋設管が備える変形部の構造には、図4に示すような屈曲構造以外にも、図5に示す分岐構造及び図6に示す片落管構造等が含まれる。
図5に示す埋設管50は、直管部51と、直管部51から分岐した変形部52とを備えており、溝53に敷設されている。埋設管50においては、矢印に示すように、管壁に略垂直に内圧Pが付加される。そして、内圧Pのうち、対向する成分は相殺される一方で、直管部51と変形部52とが分岐する部分の管壁に付加される成分が相殺されず、スラスト力Wが生じる。このように、水の流れが変化する変形部52には、直管部51側からこれに対向する側へと、スラスト力Wが付加される。
したがって、埋設管50についても、変形部52の周囲に導入された基礎材15中に注入材を注入することで、変形部52と地盤との間に補強部54を形成する。これにより、基礎材55に液状化が生じたとしても、地盤へのスラスト力の伝播が阻害されない。その結果、スラスト力の反力となる地盤の土圧が低下せず、変形部52の移動が抑制される。このように、変形部52の離脱を防ぐことができる。
さらに、図6に示す埋設管60は、直管部61a及び直管部61bを備えている。直管部61aと直管部61bとは、その口径が異なっており、変形部62により接続されている。埋設管60は、管の口径が変化する片落管である。埋設管60は、地盤を掘削ライン63bまで掘削して形成された溝に敷きつめられた基礎材65b上に敷設される。そして、埋設管60上は基礎材埋め戻しライン63aまで基礎材65aで埋められ、基礎材65aから地面Gまで埋め戻し材で埋められている。
埋設管60において、変形部62には、矢印に示すように、管壁に略垂直に内圧Pが付加される。そして、内圧Pの対向する上下方向の成分は相殺されるが、それ以外の成分によりスラスト力Wが生じる。このように、水の流れが変化する変形部62には、口径の小さい直管部61aの方向にスラスト力Wが付加される。
注入工程においては、変形部62の周囲に注入材を注入し、補強部64a及び補強部64bを形成する。すなわち、変形部62の周囲の基礎材埋め戻しライン63aと埋設管60との間に注入材を注入して補強部64aを形成する。また、変形部62の周囲の掘削ライン63bと埋設管60との間に注入材を注入して補強部64bを形成する。
これにより、基礎材65a又は基礎材65bが液状化したとしても、スラスト力Wは補強部64a又は補強部64bにより埋設管60の上下の地盤に伝播し、地盤へのスラスト力Wの伝播が阻害されない。その結果、スラスト力Wの反力となる地盤の土圧が低下せず、変形部62の移動が抑制される。このように、変形部62の離脱を防ぐことができる。
ここで、図7に示すように、埋設管10の変形部12がスラストブロック71により囲まれた液状化対策構造70についても、本発明の範疇に含まれる。すなわち、変形部12の周囲はスラストブロック(防護材)71により覆われており、注入工程において、スラストブロック71の周囲に導入された基礎材15中に注入材を注入してもよい。図7は、本発明の一実施形態に係る液状化対策工法の他の例を説明する上面図である。
液状化対策構造70は、埋設管10及びスラストブロック71と共に、補強部14を備えている。注入工程においては、スラストブロック71の周囲、すなわちスラストブロック71と地盤との間の基礎材15中に注入材を注入することで補強部14を形成する。すなわち、スラストブロック71を介して、変形部12の周囲に注入材を注入する。ここで、スラストブロック71は、液状化対策として埋設管に設けられる公知の防護材であり、例えば、コンクリートブロックであり得る。スラストブロック71の大きさは、埋設管10の内圧、口径、屈曲角等に応じて設計され得る。
地震により基礎材が液状化すると、変形部に付加されるスラスト力によりスラストブロックごと変形部が変位する虞がある。図7の構成では、変形部12の周囲のスラストブロック71の周囲に補強部14が形成されているので、基礎材15が液状化しても、スラスト力Wは補強部74により地盤に伝播し、地盤へのスラスト力Wの伝播が阻害されない。その結果、スラスト力の反力となる地盤の土圧が低下せず、変形部12及びスラストブロック71の移動が抑制される。このように、変形部12の離脱を防ぐことができる。
〔液状化対策構造〕
本発明の一実施形態に係る液状化対策構造は、直管部と、内部を流れる水の流れが当該直管部とは異なることにより生じるスラスト力が付加される変形部とを有する埋設管と、地盤を掘削して形成される溝中に敷設された前記変形部の周囲に導入された基礎材中に設けられ、当該基礎材よりも流動性が低下した補強部とを備えている。
すなわち、上述した本発明の一実施形態に係る液状化対策工法により構築される液状化対策構造100は、本発明に係る液状化対策構造の一態様である。したがって、本発明に係る液状化対策構造の詳細は、上述した本発明の一実施形態に係る液状化対策工法の説明に準じる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
10 埋設管
11 直管部
12 変形部
13 溝
14 補強部
15 基礎材
100 液状化対策構造

Claims (6)

  1. 埋設管に対する液状化対策工法であって、
    前記埋設管は、直管部と、内部を流れる水の流れが当該直管部と異なることにより生じるスラスト力が付加される変形部とを有しており、
    地盤を掘削して形成される溝中に敷設された前記変形部の周囲に導入された基礎材中に、当該基礎材の流動性を低下させる注入材を注入する注入工程を包含する、液状化対策工法。
  2. 前記注入工程において、前記スラスト力が付加される方向の下流側の前記基礎材に前記注入材を注入する、請求項1に記載の液状化対策工法。
  3. 前記変形部の周囲は防護材により覆われており、
    前記注入工程において、前記防護材の周囲に導入された前記基礎材中に前記注入材を注入する、請求項1又は2に記載の液状化対策工法。
  4. 前記注入工程の前に、前記溝中に前記埋設管を敷設し、当該埋設管の周囲に前記基礎材を導入する前記埋設管の埋設工程をさらに含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の液状化対策工法。
  5. 前記注入材は、シリカ溶液、粘土、セメント、スラグ、気泡、及び気体からなる群より選択される1種又は複数種を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の液状化対策工法。
  6. 直管部と、内部を流れる水の流れが当該直管部とは異なることにより生じるスラスト力が付加される変形部とを有する埋設管と、
    地盤を掘削して形成される溝中に敷設された前記変形部の周囲に導入された基礎材中に設けられ、当該基礎材よりも流動性が低下した補強部と
    を備えた、液状化対策構造。
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