JP7407371B2 - 電解コンデンサ - Google Patents
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Description
前記誘電体層の少なくとも一部の表面を覆う導電性高分子と、
非水溶媒、グリセリン化合物およびイオン性溶質を含む電解液と、を備え、
前記非水溶媒は、ラクトン類、グリコール類、環状カーボネート類、およびスルホン類からなる群より選択される少なくとも一種であり、
前記電解液中の前記グリセリン化合物の含有量は、10質量%以上50質量%以下である、電解コンデンサに関する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電解コンデンサの断面模式図である。図2は、同電解コンデンサが含むコンデンサ素子の一部を展開した概略図である。
電解コンデンサにおいて、導電性高分子は、陽極体21に形成された誘電体層の表面の少なくとも一部を覆うように付着しているが、この場合に限らず、陽極体21と陰極体22との間のどの位置に付着していてもよい。例えば、導電性高分子は、陽極体21上に形成された誘電体層の表面の少なくとも一部を被覆し、さらに、陰極体22の表面の少なくとも一部および/またはセパレータ23の表面の少なくとも一部を被覆していてもよい。なお、電解コンデンサにおいては、一般に、陽極体、陰極体およびセパレータなどの表面の少なくとも一部を覆う導電性高分子(具体的には、導電性高分子を含む被膜)を、導電性高分子層と称することがある。
コンデンサ素子は、誘電体層が形成された陽極体を備えている。誘電体層の表面に付着した導電性高分子は、事実上の陰極材料として機能する。コンデンサ素子は、必要に応じて、さらに陰極体および/またはセパレータを含んでもよい。
(陽極体)
陽極体としては、例えば、表面が粗面化された金属箔が挙げられる。金属箔を構成する金属の種類は特に限定されないが、誘電体層の形成が容易である点から、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁作用金属、または弁作用金属を含む合金を用いることが好ましい。
誘電体層は、陽極体の表面(具体的には、粗面化された金属箔の表面)に形成される。
誘電体層の形成方法は特に限定されないが、金属箔を化成処理することにより形成することができる。化成処理は、例えば、金属箔をアジピン酸アンモニウム溶液などの化成液に浸漬することにより行ってもよい。化成処理では、必要に応じて、金属箔を化成液に浸漬した状態で、電圧を印加してもよい。
陰極体22にも、陽極体と同様、金属箔を用いてもよい。金属の種類は特に限定されないが、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁作用金属または弁作用金属を含む合金を用いることが好ましい。必要に応じて、金属箔の表面を粗面化してもよい。
また、陰極体22の表面には、化成皮膜が設けられていてもよく、陰極体を構成する金属とは異なる金属(異種金属)や非金属の被膜が設けられていてもよい。異種金属や非金属としては、例えば、チタンのような金属やカーボンのような非金属などを挙げることができる。
セパレータ23としては、例えば、セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ビニロン、ポリアミド(例えば、脂肪族ポリアミド、アラミドなどの芳香族ポリアミド)の繊維を含む不織布などを用いてもよい。
リードタブ15A,15Bの各々に接続されるリード線14A,14Bの材料についても、特に限定されず、導電性材料などを用いてもよい。
導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリチオフェンビニレンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよく、2種以上のモノマーの共重合体でもよい。
コンデンサ素子10への第1処理液の含浸は、少なくとも陽極体(特に、少なくとも誘電体層)に第1処理液を付与できる限り特に制限されず、例えば、第1処理液にコンデンサ素子を浸漬させてもよく、コンデンサ素子に第1処理液を注液してもよい。含浸は、大気圧下で行ってもよいが、減圧下、例えば、10kPa~100kPa、好ましくは40kPa~100kPaの雰囲気下で行ってもよい。含浸は、必要に応じて、超音波振動下で行ってもよい。含浸時間は、コンデンサ素子10のサイズにもよるが、例えば1秒~5時間、好ましくは1分~30分である。この工程により、コンデンサ素子10に第1処理液が付与される。
第2工程では、第1処理液が付与されたコンデンサ素子に、第2処理液を含浸させる。第2工程は任意工程である。
非プロトン性溶媒としては、例えば、第1溶媒について例示したもののうち、アミド類、γBLなどのラクトン、1,4-ジオキサンなどの環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホランなどのスルホン類、炭酸プロピレンなどの環状カーボネートなどが挙げられる。第2処理液は、1種の第2溶媒を含んでもよく、2種以上の第2溶媒を含んでもよい。
少なくとも1種の第2溶媒は、プロトン性溶媒であることが好ましく、第2処理液は、プロトン性溶媒と非プロトン性溶媒との混合物であってもよい。複数の第2溶媒を用いる場合、例えば、1分子当たり3個以上のヒドロキシル基を有するポリオール化合物と、ポリオール化合物以外の極性溶媒(プロトン性有機溶媒、および/または非プロトン性溶媒)とを組み合わせてもよい。プロトン性有機溶媒としては、ポリオール化合物以外のアルコール類(具体的には、アルカノール、グリコール)、グリコールモノエーテル類などが好ましい。
第1工程の後、コンデンサ素子に残存している溶媒成分を第3工程で除去することができる。また、第2工程の後、コンデンサ素子に残存している溶媒成分を第4工程で除去してもよい。第3工程または第4工程では、溶媒成分の少なくとも一部を除去すればよく、溶媒成分の全てを除去してもよい。第4工程で溶媒成分を除去することにより、誘電体層の表面に導電性高分子をより均一に付着させることができる。
なお、ここでいう溶媒成分とは、第1処理液に含まれる液体溶媒および第2処理液に含まれる第2溶媒をいう。この中でも、第4工程で、第1溶媒および/または第2溶媒(特に、第1溶媒)の少なくとも一部を除去することが好ましい。
このようにして、陽極体21と陰極体22との間(特に、誘電体層の表面)に導電性高分子が付着し、導電性高分子が付着したコンデンサ素子10が作製される。
電解液は、γBLを含む非水溶媒と、グリセリンおよびポリグリセリンからなる群より選択される少なくとも一種のグリセリン化合物とを含む。また、電解液は、さらにイオン性物質(溶質)を含むものであってもよく、溶質を含まなくてもよい。イオン性物質としては、グリセリン化合物および/または非水溶媒に溶解するものが使用される。
電解液中のグリセリン化合物の含有量が上記のような範囲である場合、より高い信頼性が得られる。
コンデンサ素子10は、封止してもよい。より具体的には、まず、リード線14A,14Bが有底ケース11の開口する上面に位置するように、コンデンサ素子10を有底ケース11に収納する。有底ケース11の材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、鉄、真鍮などの金属あるいはこれらの合金を用いることができる。
下記の手順で、図1に示すような、定格電圧35V、定格静電容量47μFの巻回型の電解コンデンサ(直径6.3mm、長さ5.8mm)を作製し、評価を行った。
(誘電体層を有する陽極体の準備)
厚さ100μmのアルミニウム箔にエッチング処理を行い、アルミニウム箔の表面を粗面化した。その後、アルミニウム箔の表面に、アジピン酸アンモニウム水溶液を用いる化成処理により、誘電体層を形成し、誘電体層を有する陽極体を準備した。
厚さ50μmのアルミニウム箔にエッチング処理を行い、アルミニウム箔の表面を粗面化し、陰極体を準備した。
陽極体および陰極体に陽極リードタブおよび陰極リードタブを接続し、陽極体と陰極体とを、リードタブを巻き込みながら、セパレータを介して巻回し、コンデンサ素子を得た。コンデンサ素子から突出する各リードタブの端部には、陽極リード線および陰極リード線をそれぞれ接続した。そして、作製されたコンデンサ素子に対して、再度化成処理を行い、陽極体の切断された端部に誘電体層を形成した。次に、コンデンサ素子の外側表面の端部を巻止めテープで固定した。
3,4-エチレンジオキシチオフェンと、ドーパントとしてのポリスチレンスルホン酸とを、イオン交換水(第1溶媒)に溶かした混合溶液を調製した。得られた混合溶液を撹拌しながら、イオン交換水に溶解させた硫酸第二鉄および過硫酸ナトリウム(酸化剤)を添加し、重合反応を行った。反応後、得られた反応液を透析して、未反応モノマーおよび過剰な酸化剤を除去し、約5質量%のポリスチレンスルホン酸がドープされたポリ3,4-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)を含む分散液(第1処理液)を得た。
得られた第1処理液を、前記コンデンサ素子に5分間含浸させた。次いで、コンデンサ素子を、150℃で20分間加熱することにより、溶媒成分を除去した。
このようにして、導電性高分子が付着したコンデンサ素子を作製した。
次いで、コンデンサ素子に、減圧下で電解液を含浸させた。電解液としては、γBL:グリセリン:フタル酸モノ(エチルジメチルアミン)(溶質)=50:25:25(質量比)で含む溶液を用いた。
電解液を含浸させたコンデンサ素子を、図1に示すような外装ケースに収容し、封止して、電解コンデンサを作製した。同様にして、合計300個の電解コンデンサを作製した。
(a)静電容量およびESR値
電解コンデンサの初期特性として、静電容量(μF)およびESR値(mΩ)を測定した。具体的には、電解コンデンサについて4端子測定用のLCRメータを用いて、周波数120Hzにおける初期静電容量(μF)を測定した。また、4端子測定用のLCRメータを用いて、電解コンデンサの周波数100kHzにおけるESR値(mΩ)を測定した。
加速試験として電解コンデンサを125℃で4000時間放置した後の静電容量(μF)およびESR値(mΩ)についても、上記の初期特性の場合と同様にして測定した。
静電容量およびESR値は、それぞれ、ランダムに選択した120個の電解コンデンサについて測定し、平均値を算出した。
電解液として、γBL:フタル酸モノ(エチルジメチルアミン)(溶質)=75:25(質量比)で含む溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサを作製し、性能評価を行った。
電解液として、γBL:スルホラン:グリセリン:フタル酸モノ(エチルジメチルアミン)(溶質)=25:25:25:25(質量比)で含む溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサを作製し、性能評価を行った。
電解液として、γBL:グリセリン:フタル酸モノ(エチルジメチルアミン)(溶質)=70:5:25(質量比)で含む溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電解コンデンサを作製し、性能評価を行った。
実施例および比較例の結果を表1に示す。
Claims (6)
- 誘電体層が形成された陽極体を備えたコンデンサ素子と、
前記誘電体層の少なくとも一部の表面を覆う導電性高分子と、
非水溶媒、グリセリン化合物およびイオン性溶質を含む電解液と、を備え、
前記陽極体の表面には、凹凸が形成されており、
前記導電性高分子は、ポリチオフェンおよびその誘導体からなる群より選択される少なくとも一種と、ポリスチレンスルホン酸とを含み、
前記非水溶媒は、ラクトン類を含み、
前記グリセリン化合物は、グリセリンおよびポリグリセリンからなる群より選択される少なくとも一種を含み、
前記電解液中の前記グリセリン化合物の含有量は、10質量%以上50質量%以下であり、
前記電解液中に含まれる前記グリセリン化合物の質量は、前記コンデンサ素子に付着した導電性高分子の質量に対して2~100倍の範囲である、電解コンデンサ。 - 前記非水溶媒は、さらにスルホン類を含む、請求項1に記載の電解コンデンサ。
- 前記グリセリン化合物は前記ポリグリセリンを含み、
前記ポリグリセリンは、2~20個のグリセリン単位を含む、請求項1または2に記載の電解コンデンサ。 - 電解液中の前記ポリグリセリンの含有量は、10質量%以上50質量%以下である、請求項3に記載の電解コンデンサ。
- 前記グリセリン化合物は前記グリセリンを含む、請求項1または2に記載の電解コンデンサ。
- 電解液中の前記グリセリンの含有量は、10質量%以上50質量%以下である、請求項5に記載の電解コンデンサ。
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