JP7408285B2 - コーヒー飲料およびコーヒー飲料の風味改善方法 - Google Patents
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Description
一方で、近年の健康志向等の高まりから、コーヒー飲料など飲食品において、付加機能を与える試みが種々行われている。付加機能を与える成分としては、例えば、ペプチドが挙げられる。ペプチドは、2個以上のアミノ酸が結合した化合物であり、その有用な生理作用が注目されている。
ナトリウムの含有量が18mg/100ml以上、40mg/100ml以下である、コーヒー飲料が提供される。
また、本明細書において、ナトリウム、カリウムは、飲料中に溶解したナトリウムイオン、カリウムイオンのことを示す。
本実施形態のコーヒー飲料は、コーヒー豆から抽出または溶出した成分(コーヒー分)を原料とする飲料及びこれにその他の成分が加えられている飲料であり、飲んだときにコーヒー風味が感じられる飲料をいい、1977年に制定された「コーヒー含有飲料等の表示に関する公正競争規約」にも記載されているように、コーヒー豆を原料とした飲料及びこれに糖類、乳製品、乳化された食用油脂その他の可食物を加え容器に密封した飲料のことを指す。また、本実施形態においては、コーヒー豆使用量が生豆換算で1重量%未満の飲料であっても、飲んだときにコーヒー風味が感じられる飲料については、コーヒー飲料として扱うこととする。
ここで、本実施形態のコーヒー飲料にコーヒー分を含有させる方法としては、特に限定されず当業者が適宜設定することができる。例えば、粉砕した焙煎豆を水や温水を用いて抽出した溶液(コーヒー抽出液)や、コーヒー抽出液を濃縮したコーヒーエキス、コーヒー抽出液を乾燥させたインスタントコーヒー等を用いて、これらのうち1種または2種以上を飲料中に添加するといった方法等を挙げることができる。
一方、「飲用乳の表示に関する公正競争規約」によれば、2017年現在、重量百分率で乳固形分3.0%以上の成分を含有するものについては、乳飲料として扱われることになる。
本実施形態に係るコーヒー飲料については、コーヒー豆を原料とした飲料であるため、重量百分率で乳固形分3.0%以上の成分を含有するものであったとしても、コーヒー飲料として扱うこととする。
一方、コーヒー飲料中のコーヒー可溶性固形分の含有量の上限値は、香り、酸味、苦み、後味のバランスを良好にしつつ、口あたりを良好にするため、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1.8質量%以下であり、さらに好ましくは1.7質量%以下である。
本実施形態のコーヒー飲料は、カゼインペプチドを含有するものである。
一般に、ペプチドとは、例えば、動植物性あるいは微生物由来のタンパク質を酸、アルカリまたは蛋白質加水分解酵素で加水分解する等により得られるものである。由来するタンパク質によって、コラーゲンペプチド、大豆ペプチド、乳ペプチド、小麦ペプチドおよび卵ペプチドなどがある。
本実施形態のコーヒー飲料は、ペプチドの中でもカゼインペプチドに着目したものであり、カゼインペプチドとコーヒー風味や飲みやすさの向上との関係性は本発明者が初めて見出したものである。
本実施形態のカゼインペプチドは、例えば、牛乳、馬乳、山羊乳、および羊乳等の獣乳に由来するペプチドが挙げられる。中でも、牛乳由来のカゼインペプチドが好ましい。カゼインペプチドは、コーヒー風味やおいしさの向上、コクが得られる観点において、コーヒー飲料の風味との相性がよい。コーヒー風味を効果的に向上させる観点から、当該牛乳由来のカゼインペプチドをタンパク質加水分解酵素で分解して得られる乳カゼインペプチドであることが好ましい。
カゼインペプチドの分子量を、上記下限値以上とすることにより、コーヒー風味を増強しやすくなる。一方、カゼインペプチドの分子量を、上記上限値以下とすることにより、カゼインペプチドに由来する臭いを抑制しつつ、コーヒー風味が向上しやすくなる。そのため、カゼインペプチドの分子量分布を適切に制御することにより、カゼインペプチドに由来する雑味の抑制と、コーヒー風味の増強とのバランスを高水準で実現しやすくなる。
なお、カゼインペプチドに由来する雑味とは、原料となる獣乳由来の独特の不快な臭い等を意図する。
一方、カゼインペプチドの含有量は、1.5質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がより好ましく、0.8質量%以下がさらに好ましく、0.6質量%以下が特に好ましい。カゼインペプチドの含有量を上記上限値以下とすることにより、雑味の発生を抑制しつつ、コーヒー風味を向上させることができる。
本実施形態のコーヒー飲料は、ナトリウムの含有量を18mg/100ml以上、40mg/100ml以下とするものである。ナトリウムの含有量は、好ましくは20mg/100ml以上、より好ましくは22mg/100ml以上であり、一方、好ましくは38mg/100ml以下、より好ましくは33mg/100ml以下である。
ナトリウムの含有量を上記下限値以上とすることにより、カゼインペプチドに由来する雑味のカドが低減し、まろやかな風味が得られるようになる。その結果、ペプチド由来の雑味を低減できるとともに、後味の良さ、飲みやすさを向上し、良好なおいしさが得られる。また、飲料の流通・保存等の時間経過により飲料中のカゼインペプチドが劣化したとしても、良好な香味を保持しやすくなる。
一方、ナトリウムの含有量を上記上限値以下とすることにより、ペプチド由来の雑味を低減しつつ、塩味が強くなりすぎるのを抑止し、後味の良さ、飲みやすさ、おいしさのバランスを良好に保持できる。
本実施形態のコーヒー飲料は、カリウムを含む。
本実施形態において、ナトリウムとカリウムの質量比(Na/K)が0.20以上、0.50以下であることが好ましく、0.26以上、0.42以下がより好ましい。
ナトリウムとカリウムの質量比(Na/K)を上記下限値以上とすることにより、ペプチド由来の雑味を低減できるとともに、後味の良さ、飲みやすさを向上し、良好なおいしさが得られる。また、飲料の流通・保存等の時間経過により飲料中のカゼインペプチドが劣化したとしても、良好な香味を保持しやすくなる。
一方、ナトリウムとカリウムの質量比(Na/K)を上記上限値以下とすることにより、ペプチド由来の雑味を低減しつつ、塩味が強くなりすぎるのを抑止し、後味の良さ、飲みやすさ、おいしさのバランスを良好に保持できる。
また、ナトリウムとカリウムの質量比(Na/K)を上記の数値範囲とすることで、コーヒー飲料のpHを適切に調整しつつ、ペプチドに由来する雑味を低減できるようになる。
本実施形態のコーヒー飲料の20℃におけるpHは、5.3以上、7以下であることが好ましく、5.7以上、6.5以下であることがより好ましい。
pHを上記下限値以上とすることにより、ペプチドに由来する雑味を低減しやすくなるとともに、保存性が向上できる。
一方、pHを上記上限値以下とすることにより、ペプチドに由来する雑味を低減しつつ、コーヒー飲料の風味のバランスを良好にできる。
なお、pHの測定は、市販のpH測定器を用いるなどして行うことができる。pHの調整は、例えば、pH調整剤を用いることなどにより行うことができる。
本実施形態のコーヒー飲料のブリックス値(Bx)は、飲みやすさを向上しつつ、香り、酸味、苦み、後味のバランスを良好にする観点から、好ましくは、0.3°以上10°以下であり、より好ましくは、0.5°以上7°以下であり、さらに好ましくは、1.0°以上7°以下である。
ブリックス値は、コーヒー飲料全量に対する可溶性固形分の合計含有量を示す。ブリックス値は、たとえば、デジタル屈折計Rx-5000α(アタゴ社製)を用いて、20℃における糖用屈折計の示度を測定することができる。
ブリックス値は、例えば、後述の甘味料の量、その他の各種成分の量などにより調整することができる。
乳入りコーヒー飲料である場合、良好な乳風味を得る観点から、牛乳を用いることが好ましい。ここで、牛乳の含有量は、1.0~20質量%であることが好ましく、1.3~15質量%であることがより好ましい。
本実施形態のコーヒー飲料は容器詰めされてもよい。かかる容器は、ガラス、紙、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート等)、アルミ、およびスチール等の単体もしくはこれらの複合材料又は積層材料からなる密封容器が挙げられる。また、容器の種類は、特に限定されるものではないが、たとえば、ペットボトル、アルミ缶、スチール缶、紙パック、チルドカップ、瓶等が挙げられる。
本実施形態の飲料のコーヒー飲料の風味改善方法は、飲料に、カゼインペプチドを配合し、ナトリウムの含有量が18mg/100ml以上、40mg/100ml以下となるように調整する工程を含むものである。これにより、カゼインペプチドに由来する雑味を抑制しつつ、コーヒー飲料の風味を向上させることができる。また、飲料の長期保存による香味の劣化を抑制できる。
コーヒー飲料としては、上記のコーヒー飲料を用いることができる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. カゼインペプチドを含有し、
ナトリウムの含有量が18mg/100ml以上、40mg/100ml以下である、コーヒー飲料。
2. pHが5.3以上、7以下である、1.に記載のコーヒー飲料。
3. ナトリウムとカリウムの質量比(Na/K)が0.20以上、0.50以下である、1.または2.に記載のコーヒー飲料。
4. 前記カゼインペプチドの含有量が0.1質量%以上1.5質量%以下である、1.乃至3.いずれか一つに記載のコーヒー飲料。
5. 前記カゼインペプチドは、分子量分布が500以上10000以下のものが50質量%以上のものを含む、1.乃至4.のいずれか一つに記載のコーヒー飲料。
6. 前記コーヒー飲料が容器詰めされた、1.乃至5.のいずれか一つに記載のコーヒー飲料。
7. 飲料に、カゼインペプチドを配合し、ナトリウムの含有量が18mg/100ml以上、40mg/100ml以下となるように調整する工程を含む、コーヒー飲料の風味改善方法。
<実施例1,対照例1,比較例1,2>
以下の3種類のペプチドを準備した。
・乳カゼインペプチド:ラクトノナデカペプチド(以下、「LNDP」)
特許第5718741号公報段落[0108]~[0110]に記載の方法に従って作製し、7時間反応させたものを用いた。
分子量分布は、500~6000のものがサイズ排除クロマトグラフ法のピーク面積比として65質量%であった。
・大豆ペプチド:ハイニュート-AM(不二製油社製)
・フィッシュコラーゲンペプチド:HPフィッシュコラーゲン(協和発酵バイオ株式会社製)
次に、コーヒー豆(ブラジル産、L値16.5)を抽出してコーヒー抽出液を得た。続けて、飲料中の濃度(g/L)が表1に示す値となるように上記のペプチド、コーヒー抽出液、重曹(炭酸水素ナトリウム)を均一に混合して飲料を調合し、得られた飲料を缶に充填し、120~125℃で約25分間のレトルト殺菌をして、容器詰めコーヒー飲料を得た。
コーヒー飲料のpH(20℃)はいずれも6.0であり、ブリックス値は1.8であった。
得られたコーヒー飲料について以下の測定・評価を行い、結果を表1に示した。
・ナトリウム、カリウム量の測定:ICP-MS法を用いて、算出した。
・官能評価:コーヒー飲料(20℃)それぞれを、熟練した6名のパネラーが試飲し、以下の評価基準に従い、「おいしさ」、「コーヒー風味の強さ」、「コーヒー風味の良さ」、「飲みやすさ」、「コクがある」それぞれについて、7段階(1~7点)評価を実施し、その平均点を求めた。また、評価する際は、対照例1の飲料を対照品(基準値4点)として評価を実施した。
「おいしさ」
7点・・・非常においしい
6点・・・かなりおいしい
5点・・・ややおいしい
4点・・・どちらともいえない
3点・・・ややおいしくない
2点・・・かなりおいしくない
1点・・・非常においしくない
「コーヒー風味の強さ」
7点・・・非常に強い
6点・・・かなり強い
5点・・・やや強い
4点・・・どちらともいえない
3点・・・やや弱い
2点・・・かなり弱い
1点・・・非常に弱い
「コーヒー風味の良さ」
7点・・・非常に良い
6点・・・かなり良い
5点・・・やや良い
4点・・・どちらともいえない
3点・・・やや悪い
2点・・・かなり悪い
1点・・・非常に悪い
「飲みやすさ」
7点・・・非常に飲みやすい
6点・・・かなり飲みやすい
5点・・・やや飲みやすい
4点・・・どちらともいえない
3点・・・やや飲みにくい
2点・・・かなり飲みにくい
1点・・・非常に飲みにくい
「コクがある」
7点・・・非常にそう思う
6点・・・かなりそう思う
5点・・・ややそう思う
4点・・・どちらともいえない
3点・・・ややそう思わない
2点・・・かなり思わない
1点・・・非常に思わない
<実施例1~3,対照例1,比較例3~6>
以下の乳カゼインペプチドを準備した。
・乳カゼインペプチド:ラクトノナデカペプチド(以下、「LNDP」)
特許第5718741号公報段落[0108]~[0110]に記載の方法に従って作製し、7時間反応させたものを用いた。
分子量分布は、500~6000のものがサイズ排除クロマトグラフ法のピーク面積比として65質量%であった。
次に、コーヒー豆(ブラジル産、L値16.5)を抽出してコーヒー抽出液を得た。続けて、飲料中の濃度(質量%)が表2に示す値となるように上記のペプチド、コーヒー抽出液、重曹(炭酸水素ナトリウム)、炭酸カリウム、食塩を均一に混合して飲料を調合し、得られた飲料を缶に充填し、120~125℃で約25分間のレトルト殺菌をして、容器詰めコーヒー飲料を得た。
コーヒー飲料のpH(20℃)はいずれも6.0であり、ブリックス値は1.8であった。
得られたコーヒー飲料について以下の測定・評価を行い、結果を表2に示した。
・ナトリウム、カリウム量の測定:ICP-MS法を用いて、算出した。
・官能評価:コーヒー飲料(20℃)それぞれを、熟練した6名のパネラーが試飲し、以下の評価基準に従い、「おいしさ」、「ペプチド由来の雑味の強さ」、「後味の良さ」、「飲みやすさ」それぞれについて、7段階(1~7点)評価を実施し、その平均点を求めた。また、評価する際は、対照例1の飲料を対照品(「ペプチド由来の雑味の強さ」の基準値1点、その他の評価項目の基準値4点)として評価を実施した。
なお、「飲みやすさ」とは、コーヒー飲料の雑味や苦みが低減され、まろやかさが得られることによって感じられる風味である。
「おいしさ」
7点・・・非常においしい
6点・・・かなりおいしい
5点・・・ややおいしい
4点・・・どちらともいえない
3点・・・ややおいしくない
2点・・・かなりおいしくない
1点・・・非常においしくない
「ペプチド由来の雑味の強さ」
7点・・・非常に強い
6点・・・かなり強い
5点・・・やや強い
4点・・・やや弱い
3点・・・かなり弱い
2点・・・非常に弱い
1点・・・感じない
「後味の良さ」
7点・・・非常に良い
6点・・・かなり良い
5点・・・やや良い
4点・・・どちらともいえない
3点・・・やや悪い
2点・・・かなり悪い
1点・・・非常に悪い
「飲みやすさ」
7点・・・非常に飲みやすい
6点・・・かなり飲みやすい
5点・・・やや飲みやすい
4点・・・どちらともいえない
3点・・・やや飲みにくい
2点・・・かなり飲みにくい
1点・・・非常に飲みにくい
「保存後の香味差」
7点・・・ない
6点・・・非常に小さい
5点・・・かなり小さい
4点・・・やや小さい
3点・・・やや大きい
2点・・・かなり大きい
1点・・・非常に大きい
Claims (10)
- カゼインペプチドを含有し、
ナトリウムの含有量が18mg/100ml以上、40mg/100ml以下であり、pHが5.3以上、7以下であり、ブラックコーヒーである、コーヒー飲料。 - カゼインペプチドを含有し、
ナトリウムの含有量が18mg/100ml以上、26.3mg/100ml以下であり、pHが5.3以上、7以下である、コーヒー飲料。 - ブラックコーヒーである、請求項2に記載のコーヒー飲料。
- ナトリウムとカリウムの質量比(Na/K)が0.20以上、0.50以下である、請求項1乃至3いずれか一項に記載のコーヒー飲料。
- カリウムの含有量が83.9mg/100ml以上、91.3mg/100ml以下である、請求項1乃至4いずれか一項に記載のコーヒー飲料。
- 前記カゼインペプチドの含有量が0.1質量%以上1.5質量%以下である、請求項1乃至5いずれか一項に記載のコーヒー飲料。
- 前記カゼインペプチドは、分子量分布が500以上10000以下のものが50質量%以上のものを含む、請求項1乃至6いずれか一項に記載のコーヒー飲料。
- 前記コーヒー飲料が容器詰めされた、請求項1乃至7いずれか一項に記載のコーヒー飲料。
- 飲料に、カゼインペプチドを配合し、ナトリウムの含有量が18mg/100ml以上、40mg/100ml以下であって、pHが5.3以上、7以下となるように調整する工程を含み、前記飲料がブラックコーヒーである、コーヒー飲料の風味改善方法。
- 飲料に、カゼインペプチドを配合し、ナトリウムの含有量が18mg/100ml以上、26.3mg/100ml以下であって、pHが5.3以上、7以下となるように調整する工程を含む、コーヒー飲料の風味改善方法。
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| JP2019031470A JP7408285B2 (ja) | 2019-02-25 | 2019-02-25 | コーヒー飲料およびコーヒー飲料の風味改善方法 |
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| JP2019031470A JP7408285B2 (ja) | 2019-02-25 | 2019-02-25 | コーヒー飲料およびコーヒー飲料の風味改善方法 |
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2019
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| Title |
|---|
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