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JP7409975B2 - 空調制御装置、空調制御方法、及びプログラム - Google Patents
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JP7409975B2 - 空調制御装置、空調制御方法、及びプログラム - Google Patents

空調制御装置、空調制御方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、空調制御装置、空調制御方法、及びプログラムに関する。
蓄熱空調システムの一つとして、熱容量の大きなコンクリートの床、壁、柱等の躯体を蓄熱材として利用した躯体蓄熱空調システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。躯体蓄熱空調システムは、新たに蓄熱槽を設ける必要がないため、省スペース化、省コスト化を図ることが可能である。一方で、躯体蓄熱空調システムは、熱負荷に対する時間応答性が低いといわれており、躯体に蓄熱させる蓄熱運転の運用に高度な知識や制御方法が求められる。
特許第4418885号公報
躯体蓄熱空調システムは、建物利用開始時における空調の負荷削減や、ピーク負荷時に躯体に蓄熱させた熱を放出することでピーク電力量を低減させることを目的に、蓄熱運転の計画が設定される。しかし、実運用上、建物が決まった日サイクルで使用されない場合も多い。特に、長時間建物が利用される場合、躯体に蓄熱させた熱を放熱中に、追いかけ運転を実施することも多々ある。この場合、建物の利用終了時に、一定以上の蓄熱量が躯体に保持されることとなり、人がいなくなった時間帯に、蓄熱された熱が放熱されることになる。このため、熱ロスが大きい運用となってしまうという問題があった。
そこで、本発明は上記した課題を考慮して、建物の利用終了後の熱ロスを低減できるように、適切なタイミングで蓄熱運転を停止させることができる空調制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決する本発明の一態様は、熱源機器により建築物の躯体に蓄熱させる蓄熱運転を制御する空調制御装置であって、前記建築物の利用に起因して発生する熱量を示す内部負荷と、前記建築物の周囲の気象に起因して発生する熱量を示す外部負荷と、前記建築物の利用が終了する利用終了時刻において前記建築物の躯体から放熱すると推定される熱量である推定放熱量とに基づいて、前記蓄熱運転を停止させるか否かを判定する蓄熱運転停止判定部、を備える空調制御装置である。
また、本発明の一態様は、熱源機器により建築物の躯体に蓄熱させる蓄熱運転を制御する空調制御方法であって、前記建築物の利用に起因して発生する熱量を示す内部負荷と、前記建築物の周囲の気象に起因して発生する熱量を示す外部負荷と、前記建築物の利用が終了する利用終了時刻において前記建築物の躯体から放熱されると推定される推定放熱量とに基づいて、前記蓄熱運転を停止させるか否かを判定する蓄熱運転停止判定ステップ、を含む空調制御方法である。
また、本発明の一態様は、熱源機器により建築物の躯体に蓄熱させる蓄熱運転を制御する空調制御装置としてのコンピュータを、前記建築物の利用に起因して発生する熱量を示す内部負荷と、前記建築物の周囲の気象に起因して発生する熱量を示す外部負荷と、前記建築物の利用が終了する利用終了時刻において前記建築物の躯体から放熱されると推定される推定放熱量とに基づいて、前記蓄熱運転を停止させるか否かを判定する蓄熱運転停止判定部、として機能させるためのプログラムである。
この発明によれば、建物の利用終了後の熱ロスを低減できるように、適切なタイミングで蓄熱運転を停止させることができる。
実施形態における空調制御システムの構成例を示す図である。 実施形態の空調制御装置の構成例を示す図である。 実施形態の蓄熱運転停止判定部が行う処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態の算出パラメータを分類区分により示す図である。 実施形態における空調システムの構成の変形例を示す図である。 実施形態における空調システムの構成の変形例を示す図である。 実施形態における空調システムの構成の変形例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
[空調システムの構成例]
図1は、本実施形態における空調制御装置100(図2参照)が制御対象とする空調システムの構成例を示している。以下の説明は、空調として主に冷房を行う場合を例に挙げる。
同図の空調システムは、建築物1の居室1aの空調を行う。同図の空調システムは、空調機器として、地中熱交換器20及び熱交換器30を備える。
地中熱交換器20は、自然エネルギーを利用した熱源として機能するものであり、地面GDの地中に設けられることで地熱を熱源として取り出すための機器である。地中熱交換器20は、例えば数百メートルの深さにまで地中に埋設されたUチューブを備える。Uチューブには地熱に応じた温度による冷熱(または温熱)が生じる。
熱交換器30は、例えばポンプを備えて構成され、自己に供給される水にUチューブの熱を伝達し、冷温水パイプに供給することで冷水(または温水)を製造する。
本実施形態における地中熱交換器20は、蓄熱運転に際して、建築物1の躯体に蓄熱させる際の熱源機器として利用される。
スラブ2は、居室1aにおける天井面を形成する。スラブ2には、梁2aが例えば格子状に形成されている。スラブ2には、例えば熱エネルギーの媒体である冷温水パイプ(図示せず)が所定の流路パターンを形成するように取り付けられている。冷温水パイプには、熱交換部材としてのヒートシンク(図示せず)を介して放射パネル(放射フィン)2bが取り付けられている。
熱交換器30が地中熱交換器20の冷熱を利用して製造した冷水が、冷温水パイプに供給されることによって、冷温水パイプから伝達される冷水の熱により、放射パネルによる居室1aへの放熱とスラブ2(躯体)への蓄熱が行われる。
このようにして、本実施形態の空調システムにおいては、熱交換器30の運転による地中熱交換器20を熱源とする空調が可能とされている。
[蓄熱運転について]
本実施形態の空調制御装置100は、例えば居室1aに利用者が存在している時間帯(空調時間帯)では、熱交換器30を運転させることによって居室1aの空調を行う。空調時間帯の前において予め所定時間の蓄熱運転(以下、事前運転という)を行い、居室1aの利用が開始される時刻において、躯体あるいは居室等の温度を予め定めた目標値とする。これにより、空調時間帯に行われる蓄熱運転(以下、メイン空調という)を熱負荷が小さい状態で開始させる。
そのうえで、本実施形態の空調制御装置100は、想定よりも利用者の人数が多い場合や、居室1aが想定よりも長時間利用される場合に、追加の蓄熱運転(以下、追加運転という)を行う。
なお、本実施形態の説明にあたっては、事前運転、メイン空調、及び追加運転を包含する、あるいは事前運転、メイン空調、及び追加運転を区分しない場合に、単に「空調」と記載する。
ただし、このような追加運転を居室1aの利用が終了されるまで継続させた場合、終了時点において躯体に一定以上の熱が蓄積された状態となる。このため、利用者が不在の居室1aに放熱されることとなり、熱ロスが大きくなり無駄にエネルギーが消費されてしまうことになる。
そこで、本実施形態の空調制御装置100は、空調時間帯における蓄熱運転(メイン空調及び追加運転を含む蓄熱運転)を停止させるタイミングの判断を適正に行えるようにする。これによって、追加運転を実施した場合における建物の利用が終了した後の熱ロスを低減させることが可能である。
[空調制御装置の構成例]
図2は、本実施形態の空調制御装置100の構成例を示している。同図においては、空調制御装置100とともに空調システムにて備えられる機器、装置として、熱交換器30、スラブ内温度センサSN1(SN1-1~SN1-21)、室温センサSN2(SN2-1、SN-4)、梁温度センサSN3が示されている。また、空調制御装置100がネットワーク経由で通信する装置として、気象情報サーバSVが示されている。
なお、以降の説明にあたり、スラブ内温度センサSN1(SN1-1~SN1-21)、室温センサSN2(SN2-1、SN-4)、梁温度センサSN3について特に区別しない場合には、センサSN、あるいはセンサSN1~SN3と記載する。
まず、センサSN1~SN3と、気象情報サーバSVとについて説明する。
スラブ内温度センサSN1は、建築物1におけるスラブ2内の温度(スラブ内温度)を検出するセンサである。
本実施形態において、スラブ内温度センサSN1として、21個のスラブ内温度センサSN1-1~SN1-21が設けられた例を挙げている。これらのスラブ内温度センサSN1-1~SN1-21は、それぞれ異なる位置のスラブ2内の温度を検出するように設けられる。
室温センサSN2(SN2-1、SN-4)は、居室1a内の温度を検出するセンサで或る。
本実施形態において、室温センサSN2は、室温センサSN2-1~SN2-4の4個が設けられる例を挙げている。これらの室温センサSN2-1~SN2-4は、それぞれ居室1aにおける異なる位置の温度を検出するように設けられる。
梁温度センサSN3は、梁2aの温度を検出するセンサである。本実施形態において、梁温度センサSN3として、1個のセンサが設けられた例を挙げているが、梁温度センサSN3は複数設けられていてもよい。この場合、梁温度センサSN3は、梁2aにおける異なる位置の温度を検出するように設けられる。
気象情報サーバSVは、例えばインターネット等のネットワーク上で気象情報を提供するサーバである。
次に、空調制御装置100の構成例について説明する。同図の空調制御装置100は、通信部101、制御部102、記憶部103、操作部104、及び表示部105を備える。同図に示される構成のもとでの空調制御装置100の機能は、空調制御装置100が備えるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
通信部101は、熱交換器30、センサSN等のように空調システムに対応して備えられる他の機器、装置と通信を実行する。また、通信部101は、ネットワーク経由で気象情報サーバSVと通信する。さらに、通信部101は、図示しない上位のサーバ等と接続してもよい。
制御部102は、空調制御装置100における各種制御を実行する。同図の制御部102は、蓄熱運転停止判定部121、報知部122、及び運転制御部123を備える。
蓄熱運転停止判定部121は、空調時間帯における蓄熱運転(メイン空調及び追加運転を含む蓄熱運転)を停止させるか否かを判定する。
報知部122は、蓄熱運転停止判定部121により判定された判定結果(蓄熱運転の停止または継続)を、運転管理者に報知する。報知部122は、例えば表示部105における表示によって判定結果を報知してもよいし、運転管理者が所持する端末に判定結果の通知を送信することによって報知してもよい。
運転制御部123は、メイン空調に対応する空調機器の運転を制御する。また、運転制御部123は、蓄熱運転に対応する空調機器(熱源機器)の運転を制御する。
記憶部103は、制御部102が利用する各種の情報を記憶する。同図の記憶部103は、登録算出パラメータ記憶部131を備える。
登録算出パラメータ記憶部131は、蓄熱運転停止判定部121が蓄熱運転を停止させるか否かを判定するのに利用するパラメータ(算出パラメータ)のうち、事前に登録されたパラメータを記憶する。つまり、登録算出パラメータ記憶部131は、算出パラメータのうち、既知であるとして事前に登録設定されたパラメータや、運転管理者により設定された算出パラメータを記憶する。
操作部104は、空調制御装置100に対する操作に用いられる操作子や入力デバイスを一括して示す。
表示部105は、制御部102の制御に応じて表示を行う。
[処理手順例]
図3のフローチャートを参照して、空調制御装置100が蓄熱運転時間の算出に対応して実行する処理手順例について説明する。
ステップS101:空調制御装置100において、蓄熱運転停止判定部121は、算出パラメータを取得する。
図4は、算出パラメータを、分類区分により示したものである。同図の算出パラメータは、例えば使用条件、境界条件、及び初期建築条件で分類されている。
使用条件の算出パラメータは、利用終了時刻(U1)、利用人数(U2)、利用内容(U3)である。
利用終了時刻(U1)は、利用者による建築物1の利用が終了する時刻である。利用人数(U2)は、業務、作業等で建築物1を利用する利用者の人数である。利用内容(U3)は、建築物1における利用者の利用内容(作業内容)である。使用条件の算出パラメータに含まれる利用終了時刻(U1)、利用人数(U2)、利用内容(U3)は、それぞれ、登録算出パラメータ記憶部131に記憶されている。蓄熱運転停止判定部121は、利用終了時刻(U1)、利用人数(U2)、利用内容(U3)を登録算出パラメータ記憶部131から取得する。
境界条件の算出パラメータは、機器発熱負荷(B1)、外気温予測値(B2)、日射量予測値(B3)である。
機器発熱負荷(B1)は、利用時間において建築物1内で稼働される機器の熱量である。即ち、利用時間に対応して発生する熱負荷である。機器発熱負荷(B1)は、例えば既知の値として登録算出パラメータ記憶部131に記憶されている。蓄熱運転停止判定部121は、機器発熱負荷(B1)を登録算出パラメータ記憶部131から取得する。
外気温予測値(B2)は、現在時刻から建築物1の利用が終了する時刻までの時間帯(対象利用時間)における、建築物1の外側の気温についての予測値ある。蓄熱運転停止判定部121は、気象情報サーバSVが提供する気温の予報に関する情報に基づいて外気温予測値(B2)を取得する。
日射量予測値(B3)は、例えば対象利用時間における建築物1への日射量の予測値である。蓄熱運転停止判定部121は、気象情報サーバSVが提供する日照の予報に関する情報に基づいて日射量予測値(B3)を取得する。この場合の日射量予測値(B3)は、例えば全天日射量であってよい。
初期建築条件の算出パラメータは、スラブ内温度(I1)、室温(I2)、梁の温度(I3)である。
スラブ内温度(I1)は、スラブ内温度センサSN1により検出されるスラブ内温度である。蓄熱運転停止判定部121は、スラブ内温度センサSN1-1~SN1-21のそれぞれにて検出された21のスラブ内温度(I1)を取得する。
室温(I2)は、室温センサSN2により検出される室温である。蓄熱運転停止判定部121は、室温センサSN2-1~SN2-4のそれぞれにて検出された4つの室温(I2)を取得する。
梁の温度(I3)は、梁温度センサSN3により検出される梁2aの温度である。蓄熱運転停止判定部121は、梁温度センサSN3にて検出された温度を、梁の温度(I3)として取得する。
ステップS102:蓄熱運転停止判定部121は、以下の(式1)により、内部負荷に相当する利用時内部負荷quを算出する。利用時内部負荷quは、例えば居室1a内の利用時間における居室1a内の熱負荷である。(式1)に示されるように、利用時内部負荷quの算出には、ステップS101により取得された算出パラメータのうち、機器発熱負荷(B1)、利用人数(U2)、利用内容(U3)が利用される。
Figure 0007409975000001
利用時内部負荷quの算出にあたり蓄熱運転停止判定部121は、利用内容(U3)を、(式1)における係数a、b、cの設定に利用する。表1は、(式1)における係数a、b、cについての利用内容(U3)に応じた定義の一例を示している。なお、(式1)の例では、項aは定数となるが、本実施形態においては、このような定数も「係数」に含まれるものとして扱う。
Figure 0007409975000002
表1においては、利用内容(U3)について「作業」、「作業/座学」、「座学」のように業務内容(行動内容)で分類された例が示されている。
「作業」は、居室1aの利用内容として、利用者が、机に座った業務(「座学」)をするのではなく、例えば工事、メンテナンス等のなんらかの「作業」としての業務を主に行うというものである。
「作業/座学」は、居室1aの利用内容として、例えば利用者によって「作業」としてと「座学」とが混合して行われるというものである。
「座学」は、居室1aの利用内容として、利用者によって、ほとんど「作業」は行われず主に「座学」が行われるというものである。
一例として、利用内容(U3)が「作業」である場合、(式1)における係数の設定は、a=0、b=1、c=70となる。
なお、利用内容(U3)の分類については、上記の「作業」、「作業/座学」、「座学」に限定されるものではなく、建築物1の用途等に応じて適宜変更されてよい。
ステップS103:また、蓄熱運転停止判定部121は、以下の(式2)により、外部負荷に相当する相当外気温Tsatを算出する。(式2)に示されるように、相当外気温Tsatの算出には、ステップS101により取得された算出パラメータのうち、利用終了時刻(U1)、外気温予測値(B2)、日射量予測値(B3)が利用される。
(式2)にて示されるように、変数X2には、利用時間に対応する現在時刻から終了時刻までの時間帯(現在時刻~U1)における外気温予測値(B2)の平均値が代入される。また、変数Y2には、利用時間に対応する時間帯(現在時刻~U1)における日射量予測値(B3)の平均値が代入される。従って、(式2)によっては、相当外気温Tsatとして利用時間における相当外気温の平均値が算出される。
また、(式2)における係数a、b、cは、一年における季節(時期)に応じて異なる値が設定される。表2は、式2における係数a、b、cについての定義の一例である。なお、ステップS103によっては、相当外気温Tsatに代えて、例えば通常の外気温が算出されてもよいが、相当外気温Tsatを用いた方が、最終的に算出される蓄熱運転を停止するか否かの判定精度を高くすることができる。
Figure 0007409975000003
Figure 0007409975000004
ステップS104:蓄熱運転停止判定部121は、スラブ・梁温度Tsbを算出する。スラブ・梁温度Tsbは、スラブ2と梁2aとを含む躯体全体についての平均温度である。蓄熱運転停止判定部121は、スラブ温度Ts、及び梁温度Tbと利用して、以下の(式3)によりスラブ・梁温度Tsbを算出する。スラブ温度Tsは、躯体のうち、放射パネル2bによって冷却されるスラブ2の現在時刻における温度である。梁温度Tbは、躯体のうち、放射パネル2bによって冷却されない梁2aの現在時刻における温度である。表3は、(式3)における係数a、b、c、d、e、fについての定義の一例を示している。
Figure 0007409975000005
Figure 0007409975000006
ここで、スラブ温度Tsを算出する方法の一例について説明する。蓄熱運転停止判定部121は、例えば、ステップS101により取得された算出パラメータにおけるスラブ内温度(I1)と、室温(I2)とを利用してスラブ温度Tsを算出する。蓄熱運転停止判定部121は、例えば、21個のスラブ内温度センサSN1のそれぞれにより検出されたスラブ内温度(I1)、および4個の室温センサSN2のそれぞれにより検出された室温(I2)を重みづけ平均した値をスラブ温度Tsとして算出する。ここでの重みづけ値Wは任意に設定されてよい。例えば、蓄熱運転停止判定部121は、スラブ内温度センサSN1-1~SN1-9の重みづけ値Wを1/15、スラブ内温度センサSN1-10~SN1-21の重みづけ値Wを1/30に設定する等、それぞれのスラブ内温度センサSN1の設置位置に応じた値を設定する。また、例えば、蓄熱運転停止判定部121は、室温センサSN2-1~SN2-4の重みづけ値Wを0(ゼロ)に設定する等、スラブ2と居室1aとの位置関係に応じた値を設定する。
ここで、梁温度Tbを算出する方法の一例について説明する。蓄熱運転停止判定部121は、例えば、スラブ温度Tsを算出した場合と同様な方法を用いて、梁温度Tbを算出する。この場合において、蓄熱運転停止判定部121は、重みづけ値Wを、スラブ温度Tsを算出した場合とは異なる値に設定する。例えば、蓄熱運転停止判定部121は、室温センサSN2-1~SN2-4の重みづけ値Wを0.25に設定する等、室温センサSN2のそれぞれの位置関係に応じた値を設定する。また、例えば、蓄熱運転停止判定部121は、スラブ内温度センサSN1-1~SN1-21の重みづけ値Wを0(ゼロ)に設定する等、梁2aと居室1aとの位置関係に応じた値を設定する。
ステップS105:蓄熱運転停止判定部121は、推定空調負荷qioを算出する。
推定空調負荷qioは、スラブ2等の躯体が処理すると推定される熱負荷である。蓄熱運転停止判定部121は、ステップS102により算出された利用時内部負荷qu、及びステップS103により算出された相当外気温Tsatを利用して、以下の(式4)により推定空調負荷qioを算出する。(式4)では、居室1aの温度(室温)をTindoorとしている。表4は、(式4)における係数a、b、c、dについての定義の一例を示している。表4において、係数cは、外壁面積と外壁熱貫流率との乗算値に設定される。
Figure 0007409975000007
Figure 0007409975000008
ステップS106:蓄熱運転停止判定部121は、推定放熱量Qを算出する。
推定放熱量Qは、現在時刻から利用終了時刻までにスラブ2等の躯体から放熱されると推定される熱量である。蓄熱運転停止判定部121は、ステップS101により取得された算出パラメータのうち、利用終了時刻(U1)、及びステップS104により算出されたスラブ・梁温度Tsbを利用して、以下の(式5)により推定放熱量Qを算出する。(式5)では、居室1aの温度(室温)を室温Tindoorとしている。(式5)は、スラブ・梁温度Tsb(「躯体温度」の一例)と、室温Tindoor(「建築物の室温」の一例)との差分を示す差分温度の時系列変化を示す数理モデルの一例である。表5は、(式5)における係数a、bについての定義の一例を示している。表5において、係数bは、実測により検証された値に設定される。
Figure 0007409975000009
Figure 0007409975000010
ステップS107:蓄熱運転停止判定部121は現時点において蓄熱運転を停止させるか否かを判定する。蓄熱運転停止判定部121は、ステップS105により算出された推定空調負荷qioと、ステップS106により算出された推定放熱量Qとを、以下の(式6)により比較することで蓄熱運転を停止させるか否かを判定する。表6は、(式6)における係数a、についての定義の一例を示している。
Figure 0007409975000011
Figure 0007409975000012
これにより、蓄熱運転停止判定部121は、推定空調負荷qio、つまり空調によって処理されるべき熱量の何割か(あるいは何倍か)よりも大きい熱量が、空調によって処理される熱量(推定放熱量Q)に相当する場合に、蓄熱運転を停止させると判定することができる。したがって、建物の利用終了後の熱ロスを低減できるように、適切なタイミングで蓄熱運転を停止させることが可能である。
蓄熱運転停止判定部121は、蓄熱運転を停止させない(つまり、蓄熱運転を維持する)と判定した場合には、ステップS103に戻り、蓄熱運転を停止させるとの判定結果になるまでステップS103~S107の処理を繰り返し行う。なお、同図に示される各ステップの処理の順は、各ステップの処理での計算に必要な算出パラメータや算出結果がすでに得られていればよく、適宜変更されてかまわない。
上記のように蓄熱運転停止判定部121により判定された判定結果は、例えば記憶部103に記憶されてよい。そして、判定結果が蓄熱運転を停止させるとの内容であった場合には、報知部122は、所定のタイミングで判定結果を、表示や通知の送信等によって運転管理者に向けて報知するようにされてよい。また、係る判定結果に応じて、運転制御部123が蓄熱運転を終了させるようにしてよい。
なお、蓄熱運転停止判定部121は、相当外気温Tsatについて、(式2)を用いた演算以外によって取得してよい。例えば、運転管理者が気象情報を見て確認した相当外気温の値を入力する操作を行うようにされたうえで、蓄熱運転停止判定部121は、操作により入力された値を相当外気温Tsatとして取得してよい。
また、蓄熱運転停止判定部121は、スラブ・梁温度Tsb、推定空調負荷qioについて、それぞれ、(式3)、(式4)を用いた演算以外によって取得してよい。例えば、運転管理者が、経験等に基づいて現在の温度等からスラブ・梁温度や推定空調負荷の値を決定し、決定した値を入力する操作を行うようにされたうえで、蓄熱運転停止判定部121は、操作により入力された値をスラブ・梁温度Tsb、推定空調負荷qioとして取得してよい。
以上、説明したように、実施形態の空調制御装置100は、蓄熱運転停止判定部121を備える。蓄熱運転停止判定部121は、利用時内部負荷quと、相当外気温Tsatと、推定放熱量Qとに基づいて、蓄熱運転を停止させるか否かを判定する。利用時内部負荷quは、居室1aの利用に起因して発生する熱量を示す。居室1aは「建築物」の一例である。利用時内部負荷quは「内部負荷」の一例である。相当外気温Tsatは居室1aの周囲の気象に起因して発生する熱量を示す。相当外気温Tsatは「外部負荷」の一例である。推定放熱量Qは、居室1aの利用終了時刻において、スラブ2や梁2aから放熱すると推定される熱量である。スラブ2や梁2aは「躯体」の一例である。
これによって実施形態の空調制御装置100は、居室1aの内部及び外部から生じる熱量と、躯体からの放熱、つまり空調によって処理される熱量とを比較して、居室1aの利用終了時刻以降の時間帯に放熱が続くかどうかを判定することができる。したがって、建物の利用終了後の熱ロスを低減できるように、適切なタイミングで蓄熱運転を停止させることが可能である。
<空調システムの変形例>
なお、上記各本実施形態の蓄熱運転に対応する空調システムの構成は、図1に示した例に限定されない。
図9は、本実施形態の蓄熱運転に対応する空調システムの他の例(第1例)を示している。同図において、図1と同一部分には同一符号を付している。
同図においては、図1の地中熱交換器20及び熱交換器30に代えて、冷却塔40と水冷ヒートポンプ50とが備えられる。このような構成では、冷却塔40が熱源機器として機能する。同図の空調システムは、冷却塔40により冷却された水(冷水)を水冷ヒートポンプ50の冷却水に用い、水冷ヒートポンプ50により冷却された冷熱をスラブ2(躯体)に伝達するようにされる。
なお、一年において春期や秋期などのように空気温度が高くなく湿度が低くなる中間期においては、冷却塔40により冷却された冷水を、水冷ヒートポンプ50により熱交換することなく、躯体側に供給するようにしてよい(フリークーリング)。これにより、水冷ヒートポンプ50を運転させる必要がなくなることから、省エネルギー化を図ることができる。
図10は、本実施形態の蓄熱運転に対応する空調システムの他の例(第2例)を示している。同図において、図1と同一部分には同一符号を付している。
同図においては、図1の熱交換器30に代えて、水冷ヒートポンプ60(地中熱ヒートポンプ)が設けられている。この場合には、水冷ヒートポンプ50が地中熱交換器20から吸収した熱を利用して冷水を製造し、スラブ2側に供給するようにされる。
図11は、本実施形態の蓄熱運転に対応する空調システムの他の例(第3例)を示している。同図において、図1と同一部分には同一符号を付している。
同図においては、図1に示される地中熱交換器20及び熱交換器30による熱源に加えて、さらに熱源として空冷ヒートポンプ10が設けられる。
この場合には、蓄熱運転に際して、地中熱交換器20及び熱交換器30による熱源のみを利用する蓄熱運転モードと、地中熱交換器20及び熱交換器30による熱源とともに空冷ヒートポンプ10を補助的な熱源として利用する運転モードと、空冷ヒートポンプ10のみを熱源として利用する蓄熱運転モードとで切り替えを行うことができる。蓄熱運転モードの切り替えは、例えば現在の蓄熱運転による躯体等の温熱環境の状況に応じて行うようにされてよい。
なお、上記においては、蓄熱運転における熱源として地中熱交換器20と空冷ヒートポンプ10との2つが機能するようにされた構成を例に挙げたが、熱源として機能する機器を3以上設け、これらの機器の組み合わせによる所定数の熱源運転モードのうちから、操作により指定された、あるいは切り替え先として判定された熱源運転モードを、蓄熱運転に適用するようにしてもよい。
なお、本実施形態において自然エネルギーを利用した熱源となる熱源機器は、地中熱交換器20に限定されない。例えば、冷却塔を備えてフリークーリングが行われるようにされた設備を熱源機器として利用してもよい。
上述した実施形態における空調制御装置100の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
1…建築物、1a…居室、2…スラブ、2a…梁、2b…放射パネル、20…地中熱交換器、30…熱交換器、100…空調制御装置、101…通信部、102…制御部、103…記憶部、104…操作部、121…蓄熱運転停止判定部、122…報知部、123…運転制御部、131…登録算出パラメータ記憶部

Claims (7)

  1. 熱源機器により建築物の躯体に蓄熱させる蓄熱運転を制御する空調制御装置であって、
    前記建築物の利用に起因して発生する熱量を示す内部負荷と、前記建築物の周囲の気象に起因して発生する熱量を示す外部負荷と、前記建築物の利用が終了する利用終了時刻において前記建築物の躯体から放熱すると推定される熱量である推定放熱量とに基づいて、前記蓄熱運転を停止させるか否かを判定する蓄熱運転停止判定部、
    を備える空調制御装置。
  2. 前記蓄熱運転停止判定部は、前記内部負荷及び前記外部負荷に基づいて算出される推定空調負荷と、前記推定放熱量とに基づいて、推定空調負荷に重みづけ値を乗算した値より前記推定放熱量が大きい場合に、前記蓄熱運転を停止させると判定する、
    請求項1に記載の空調制御装置。
  3. 前記蓄熱運転停止判定部は、前記建築物において稼働される機器の熱量である機器発熱負荷と、前記建築物を利用する利用者の人数と、前記利用者の利用内容とに基づいて、前記機器発熱負荷、前記利用者の人数及び利用内容のそれぞれに重み付け値を乗算した値を加算することによって前記内部負荷を算出する、
    請求項1又は請求項2に記載の空調制御装置。
  4. 前記蓄熱運転停止判定部は、現在時刻から前記利用終了時刻までの利用時間において予測される前記建築物の外気温を用いて算出される外気温予測値と、前記利用時間において予測される前記建築物への日射量を用いて算出される日射量予測値とに基づいて、前記外気温予測値、及び前記日射量予測値のそれぞれに季節に応じた重み付け値を乗算した値を加算することによって前記外部負荷を算出する、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空調制御装置。
  5. 前記蓄熱運転停止判定部は、前記建築物の躯体の温度を示す躯体温度に基づいて、前記躯体温度と前記建築物の室温との差分を示す差分温度の時系列変化を示す数理モデルに、現在時刻における前記躯体温度と、現在時刻から前記利用終了時刻までの利用時間とを代入することによって、前記推定放熱量を算出する、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の空調制御装置。
  6. 熱源機器により建築物の躯体に蓄熱させる蓄熱運転を制御する空調制御方法であって、
    前記建築物の利用に起因して発生する熱量を示す内部負荷と、前記建築物の周囲の気象に起因して発生する熱量を示す外部負荷と、前記建築物の利用が終了する利用終了時刻において前記建築物の躯体から放熱されると推定される推定放熱量とに基づいて、前記蓄熱運転を停止させるか否かを判定する蓄熱運転停止判定ステップ、
    を含む空調制御方法。
  7. 熱源機器により建築物の躯体に蓄熱させる蓄熱運転を制御する空調制御装置としてのコンピュータを、
    前記建築物の利用に起因して発生する熱量を示す内部負荷と、前記建築物の周囲の気象に起因して発生する熱量を示す外部負荷と、前記建築物の利用が終了する利用終了時刻において前記建築物の躯体から放熱されると推定される推定放熱量とに基づいて、前記蓄熱運転を停止させるか否かを判定する蓄熱運転停止判定部、
    として機能させるためのプログラム。
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