以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る部品搭載装置を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
図1は、実施の形態1に係る部品搭載装置11の概略構成を模式的に示す平面図である。なお、添付図面のうち方向を示す矢印が記された図において、X軸は部品搭載装置11に対する左右方向、Y軸は部品搭載装置11に対する前後方向、Z軸は部品搭載装置11に対する上下方向を示す。X軸およびY軸は直交して水平面に含まれる。Z軸は沿直面に含まれる。
実施の形態1に係る部品搭載装置11は、基台13の上面に、基板搬送部15がX方向に配設される。基板搬送部15は、生産ラインを構成する上流側装置から受け渡された基板17を搬送して、部品実装機構による実装作業位置に位置決めして保持する。基板搬送部15の両側方には、部品供給部19が配置される。部品供給部19には、例えば複数のテープフィーダ21のそれぞれが並設して装着される。テープフィーダ21は、部品23(図4参照)を保持したキャリアテープをピッチ送りすることにより、部品実装機構を構成する搭載ヘッド25への供給位置に部品23を位置させる。
基台13の上面におけるX方向の一端部には、Y軸ビーム27がY方向に沿って水平に配設される。Y軸ビーム27には1対のX軸ビーム29がY方向にスライド自在に装着される。X軸ビーム29はY軸ビーム27が備えたリニア駆動機構によりY方向に駆動される。それぞれのX軸ビーム29には、搭載ヘッド25がX方向にスライド自在に装着される。搭載ヘッド25は、複数のノズルユニット31を備え、X軸ビーム29が備えたリニア駆動機構によりX方向に駆動される。
Y軸ビーム27、X軸ビーム29、搭載ヘッド25を駆動することにより、搭載ヘッド25はノズルユニット31に設けられた吸着ノズル33(図2参照)によってそれぞれの部品供給部19に配置されたテープフィーダ21から部品23(図4参照)を真空吸引して取り出し(言い換えると、ピックアップし)、基板17の上方に移動して部品23を基板17の実装位置に搭載する。上記構成において、Y軸ビーム27、X軸ビーム29は、搭載ヘッド25を水平方向(X方向、Y方向)に移動させるヘッド移動機構35を構成する。また、Y軸ビーム27、X軸ビーム29、搭載ヘッド25は、部品実装機構を構成する。
基台13には、基板搬送部15とそれぞれの部品供給部19との間で、部品認識カメラ37が配設される。部品認識カメラ37は、部品供給部19から部品23を取り出した搭載ヘッド25が部品認識カメラ37の上方を移動することにより、搭載ヘッド25に装着された吸着ノズル33に保持状態の部品23を撮像する。
搭載ヘッド25が取り付けられた結合プレート39には、X軸ビーム29の下面側に位置して、搭載ヘッド25と一体的に移動する基板認識カメラ41が撮像方向を下向きにした姿勢で配設される。基板認識カメラ41は、搭載ヘッド25を基板搬送部15に保持された基板17の上方に移動させることにより、基板17の位置認識マーク(図示略)などを撮像できる。また、基板認識カメラ41は、部品実装後に基板17に搭載された部品23を撮像できる。
部品認識カメラ37、基板認識カメラ41によって取得された撮像データは、部品搭載装置11が備える装置制御部93(図7参照)により認識処理される。これにより、部品搭載装置11は、搭載ヘッド25において吸着ノズル33に保持された状態の部品23の位置ずれ、基板搬送部15に保持された基板17の位置ずれを検出することができる。部品実装機構による部品実装動作においては、装置制御部93の制御の下でこれらの位置ずれを加味して搭載ヘッド25の位置が補正される。
図2は、図1に示す搭載ヘッド25の斜視図である。搭載ヘッド25は、結合プレート39を介してX軸ビーム29に装着される。搭載ヘッド25は複数(図2の例では12個)のノズルユニット31を、例えば2行6列構成で並設されている。それぞれのノズルユニット31は、ノズル駆動部43からノズル軸45を下方に延出させた構成となっており、ノズル軸45の下端部に結合されたノズル装着部47には、吸着ノズル33が着脱自在に装着される。それぞれのノズル駆動部43は、ノズル軸45と結合された昇降軸(図示略)をリニアモータにより昇降させるノズル昇降機構(図示略)を備えている。ノズル駆動部43を駆動することにより、ノズル装着部47に装着された吸着ノズル33は個別に昇降する。
吸着ノズル33は、真空吸引する部品23のサイズ、形状に応じて複数の種類が用意される。例えば、大きなサイズを有する部品23には、吸着ノズル33の下端部の吸着保持面49(図4参照)が大きな吸着ノズル33が使用される。また、搭載ヘッド25は、装着する吸着ノズル33の種類に応じて複数の種類が用意されている。例えば、大きなサイズを有する部品23を吸着するための大きな吸着ノズル33を装着する場合は、大きなノズルユニット31を備える搭載ヘッド25が使用される。
図3は、ゴムパッド51のみを断面とした吸着ノズル33の要部側面図である。吸着ノズル33は、部品23を吸着する側の先端部53に、ノズル開口55が形成されている。吸着ノズル33は、ノズル開口55の周囲に、部品23と当接する当接部材であるゴムパッド51が装着される。ゴムパッド51は、例えばゴム製あるいはシリコンゴム製となる。ゴムパッド51は、例えば頂部は、略円錐状に拡径し漏斗状に形成された裾側の内側にある内方空間に通じるよう形成される。ゴムパッド51は、頂部が、先端部53に形成された周溝57に嵌着することにより吸着ノズル33に取り付けられる。ゴムパッド51の裾側となる当接面59は、ノズル開口55と同軸に配置される円形状となる。
ゴムパッド51は、部品搭載装置11に設定された特定領域61に、当接面59が当接する。当接面59は、ノズル開口55の周囲に、略円錐状の裾側が同心円で位置するよう形成される。なお、ゴムパッド51の形状はこれに限定されず、ベローズ等を有するものであってもよい。
ゴムパッド51は、特定領域61に対する投影平面が、特定領域61の内側に位置する。実施の形態1において、ゴムパッド51は、内方空間で開口するノズル開口55から真空ポンプにより空気が吸引される、当接面59に当接した部品23を真空吸着して搬送可能とする。なお、ゴムパッド51は、吸着ノズル33にエジェクタ(いわゆる真空発生器)を設けることにより、圧縮空気を供給して真空吸着を行うものであってもよい。
ゴムパッド51の当接面59が当接する特定領域61の表面は、平坦な面となる。ゴムパッド51は、特定領域61が平坦となることにより、ゴムパッド51の当接面59が全周囲で特定領域61の平坦な表面へ均一に接する。この平坦な表面としては、部品搭載装置11における例えば補正マークレール上面等を利用することができる。
図4は、吸着ノズル33に設けられたクッションエンドセンサの模式図である。吸着ノズル33は、先端部53が特定領域61に当接したかを検出する当接センサ63を有する。当接センサ63は、クッションエンドセンサとも称される。部品搭載装置11では、制御部(例えば装置制御部93、図7参照)は、当接センサ63を用いて部品23の吸着高さを計測する。計測には、当接センサ63のクッションエンドストロークScが利用される。クッションエンドストロークScは、例えば3.0mm±オフセット程度となる。吸着ノズル33は、先端部53の吸着保持面49が部品23の上面に当接した状態で下降する(-z軸方向に移動する)と、部品23からの反力によりセンサドグ65が上方へ移動する(+z軸方向に移動する)。当接センサ63は、このセンサドグ65の移動により作動する。吸着ノズル33により部品23の吸着高さを計測するには、部品23の上面に先端部53の吸着保持面49を押し当てて低速で下降させ、センサドグ65の移動により当接センサ63がOFFする高さから吸着高さを求める。
この部品搭載装置11では、当接センサ63は、この公知の吸着高さ計測機能を利用して、吸着ノズル33の先端部53が特定領域61に当接したことを検出する。さらに、部品搭載装置11は、制御部(例えば装置制御部93、図7参照)が、吸着ノズル33の先端部53を、ゴムパッド51の当接面59よりも所定距離(後述するG参照)ほど上方に位置するように吸着ノズル33を上昇させる方向に制御してよい。この上方への移動距離は、吸着ノズル33の先端部53(より具体的には吸着保持面49)から、ゴムパッド51の当接面59が部品23へ接近する方向に突出しているパッド出代G分(図3参照)となるように設定される。パッド出代Gは、例えば0.1mm~0.2mm程度に設定される。
図5は、空圧発生源67に接続される吸着ノズル33の真空圧とブロー圧を切り替える空気圧回路の一例を示す図である。ノズル軸45は、ノズル装着部47を挿通して吸着ノズル33に連通している。ノズル軸45を貫通して設けられた吸引孔(図示略)は、流量センサ69を介して真空バルブ71の出力ポートA1に接続される出力経路に接続される。出力経路は、流量センサ69を介して真空バルブ71と吸着ノズル33とを接続する吸引・エアブロー回路となる。流量センサ69は、流量センサ69からノズル軸45の方向(矢印a)に流れ出る正方向と、ノズル軸45から流量センサ69の方向(矢印b)に流れ込む負方向(逆方向)の、正逆2方向の空気の流量を計測する。つまり、流量センサ69は、ゴムパッド51を特定領域61と当接させたときの管路の流量を計測する。
真空バルブ71は、2つの入力ポートR1および入力ポートP1と、出力ポートA1とを有する。真空バルブ71は、電磁弁とリターンスプリングにより作動する3ポート2位置のノーマルオープンの方向切換弁となる。真空バルブ71は、通常、非通電でつながる入力ポートR1と出力ポートA1とが真空圧となる。真空バルブ71は、外部からの選択信号により、入力ポートR1から出力ポートA1への経路を開通させた状態と、入力ポートP1から出力ポートA1への経路を開通させた状態とを切り換える。真空バルブ71の入力ポートR1は真空ポンプ73に、入力ポートP2はブローバルブ75の出力ポートA2に、出力ポートA1は流量センサ69に通じる出力経路に、それぞれ接続される。真空ポンプ73は、負の圧力(真空)を発生させる。
ブローバルブ75は、2つの入力ポートR2および入力ポートP2と、出力ポートA2とを有する。ブローバルブ75は、電磁弁とリターンスプリングにより作動する3ポート2位置のノーマルオープンの方向切換弁となる。つまり、ブローバルブ75は、上記の真空バルブ71と同一構造となる。ブローバルブ75は、通常、非通電でつながる入力ポートR2と出力ポートA2とが大気圧となる。ブローバルブ75は外部からの選択信号により、入力ポートR2から出力ポートA2への経路を開通させた状態と、入力ポートP2から出力ポートA2への経路を開通させた状態を切り換える。ブローバルブ75の入力ポートP2はエア供給源77に、入力ポートR2は大気供給源79(図7参照)に、出力ポートA2は真空バルブ71の入力ポートP1に、それぞれ接続される。エア供給源77は、正圧空気を供給する。大気供給源79は、大気圧の空気を供給する。なお、大気供給源79は、ブローバルブ75の入力ポートR2を開放状態にすることによっても実現することができる。
本明細書において、空圧発生源67とは、真空ポンプ73と、エア供給源77とを総称するものとする。
部品搭載装置11では、真空バルブ71およびブローバルブ75にノーマルオープンの方向切換弁を用いることにより、電源遮断時にゴムパッド51の真空が維持される対策(いわゆるフェイルセーフ)が採られている。これにより、部品搭載装置11では、不意の電源遮断時においても部品23を吸着したままとし、部品23の落下が防止できる。
ブローバルブ75の入力ポートP2には、清掃バルブ81の出力ポートA3が接続される。清掃バルブ81は、2つの入力ポートR3および入力ポートP3と、出力ポートA3とを有する。清掃バルブ81は、電磁弁とリターンスプリングにより作動する3ポート2位置のノーマルオープンの方向切換弁となる。つまり、清掃バルブ81は、上記の真空バルブ71と同一構造となる。清掃バルブ81は、通常、非通電でつながる入力ポートR3と出力ポートA3とがブロー圧となる。清掃バルブ81の入力ポートR3は、真空破壊減圧弁83を介してエア供給源77に接続される。真空破壊減圧弁83は、エア供給源77から送られる圧縮空気を減圧して所定の真空破壊圧に調整する。清掃バルブ81の入力ポートP3は、清掃ブロー減圧弁85を介してエア供給源77に接続される。清掃ブロー減圧弁85は、エア供給源77から送られる圧縮空気を減圧して所定の清掃ブロー圧に調整する。
真空破壊減圧弁83は、例えば0.01MPa(10kPa)の真空破壊減圧に設定される。清掃ブロー減圧弁85は、例えば0.14MPa(140kPa)の清掃ブロー圧に設定される。
図6は、吸着ノズル33の状態と各バルブの動作との関係の一例を示す相関図である。吸着ノズル33は、真空バルブ71、ブローバルブ75、清掃バルブ81がON・OFF制御されることにより、吸着・装着が制御される。真空バルブ71とブローバルブ75は、搭載ヘッド25側で制御される。清掃バルブ81は、装置本体(つまり部品搭載装置11の本体)側で制御される。吸着ノズル33は、真空時、真空バルブ71がOFF制御される。吸着ノズル33は、大気開放時、真空バルブ71がON、ブローバルブ75がOFF制御される。吸着ノズル33は、真空破壊時、真空バルブ71がON、ブローバルブ75がON、清掃バルブ81がOFF制御される。吸着ノズル33は、清掃ブロー時、真空バルブ71がON、ブローバルブ75がON、清掃バルブ81がON制御される。吸着ノズル33は、吸着時、大気開放から真空となる。吸着ノズル33は、装着時、真空破壊から大気開放となる。
搭載ヘッド25には複数(図2の例では12個)の吸着ノズル33が設けられる。搭載ヘッド25には、それぞれの吸着ノズル33に応じて真空バルブ71およびブローバルブ75が設けられている。また、部品搭載装置11は、基台13を支持する架台87に、空圧発生源67(真空ポンプ73およびエア供給源77)と、清掃バルブ81と、真空破壊減圧弁83と、清掃ブロー減圧弁85とが設けられている。それぞれの真空バルブ71の入力ポートR1は、負圧分岐管路89により真空ポンプ73に接続される。それぞれのブローバルブ75の入力ポートP2は、正圧分岐管路91により清掃バルブ81の出力ポートA3に接続されている。実施の形態1では、吸着ノズル33が12個である12ノズルヘッドの場合を例示しているが、3ノズルヘッド、16ノズルヘッドの場合も基本的な空圧回路は同様に構成される。なお、実施の形態1の部品搭載装置11では、清掃ブロー減圧弁85の出力ポートが、他ビームへと分配接続されている。
図7は、図1に示した部品搭載装置11の制御系の構成を示すブロック図である。部品搭載装置11は、制御部(装置制御部93)、記憶部(装置記憶部95)、基板搬送部15、部品供給部19、搭載ヘッド25、ヘッド移動機構35、部品認識カメラ37、基板認識カメラ41、真空ポンプ73、エア供給源77、大気供給源79、入力部97、表示部99、報知手段である報知部101を備えている。搭載ヘッド25は、ノズル駆動部43、ノズル制御部103を備えている。ノズル制御部103は、バルブ制御部105、判定部107、バルブ記憶部109を備えており、流量センサ69、真空バルブ71、ブローバルブ75、清掃バルブ81が接続されている。
装置制御部93はCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより構成される演算処理装置であり、内部処理機能として実装制御部111、異常処理部113を備えている。また、装置制御部93は、装置記憶部95に基づいて、ゴムパッド51を特定領域61に当接させるよう制御する。
装置記憶部95はHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置であり、実装データ115、バルブ制御データ117、判定制御データ119などを記憶する。また、装置記憶部95は、部品搭載装置11の特定領域61を記憶する。
実装データ115には、基板17に実装されるべき部品23の実装位置、実装される部品23の種類(部品名)などの情報が含まれる。
実装制御部111は、実装データ115に基づいて、基板搬送部15、部品供給部19、搭載ヘッド25、ノズル駆動部43、ヘッド移動機構35を制御して、吸着ノズル33による基板17への部品23の実装を制御する。
バルブ制御データ117には、吸着ノズル33が真空吸着した部品23を基板17に搭載する際に、バルブ制御部105が真空バルブ71、ブローバルブ75、清掃バルブ81を切り換えるタイミング情報などが記憶されている。
判定制御データ119には、ノズル制御部103の判定部107により流量センサ69の計測結果を判定するタイミング情報、計測した空気の流量が正常であるか否かを判定するための閾値である判定流量値Ftなどが記憶されている。
バルブ制御データ117のタイミング情報、判定制御データ119のタイミング情報、判定流量値Ftは、搭載ヘッド25の種類(ノズルユニット31の数など)、搭載ヘッド25の装着される吸着ノズル33の種類、吸着ノズル33に装着されるゴムパッド51の種類に応じた値が、実験あるいは経験に基づいて予め決定されている。そして、部品搭載装置11に装着される搭載ヘッド25の種類、ノズルユニット31に装着される吸着ノズル33の種類、ゴムパッド51の種類など、部品搭載装置11の構成に対応する各種データが、バルブ制御データ117、判定制御データ119からノズル制御部103が備えるバルブ記憶部109に転送されて予め記憶される。
真空バルブ71、ブローバルブ75および清掃バルブ81は、ノズル制御部103が備えるバルブ制御部105に接続されている。流量センサ69の計測結果は、ノズル制御部103が備える判定部107に入力される。ノズル制御部103が備えるバルブ記憶部109には、バルブ制御部105によって真空バルブ71とブローバルブ75と清掃バルブ81の状態を切り換えるタイミング情報、判定部107によって流量センサ69が計測した空気の流量が正常であるか否かを判定するタイミング情報と判定流量値Ftとが記憶されている。ノズル制御部103は搭載ヘッド25に配設され、搭載ヘッド25を結合プレート39に取り付けた状態で、装置制御部93と接続される。
バルブ制御部105が真空バルブ71を制御して、入力ポートR1から出力ポートA1への経路を開通させた状態にすると、真空ポンプ73が流量センサ69を介して吸着ノズル33と連通し、吸着ノズル33は下端部の吸着保持面49に開口するノズル開口55から真空吸引する。すなわち、真空ポンプ73は、吸着ノズル33から真空吸引する真空吸引手段となる。
吸着保持面49に部品23が当接している状態で吸着ノズル33から真空吸引すると、吸着ノズル33によって部品23が真空吸着される。この時、流量センサ69が計測する空気の流量Fは、ほぼゼロに近い小さな値となる(図10参照)。吸着保持面49に部品23が当接していない状態で吸着ノズル33から真空吸引すると、吸着ノズル33より外気(空気)が吸引される。また、ゴムパッド51が破れ・変形・磨耗等により不良となっている場合、内方空間に外気が流入し、流量センサ69が計測する空気の流量Fは正常な真空吸着のときに比べ大きくなる(図10参照)。
バルブ制御部105が真空バルブ71を制御して入力ポートP1から出力ポートA1への経路を開通させ、ブローバルブ75を制御して入力ポートP2から出力ポートA2への経路を開通させた状態にすると、エア供給源77が流量センサ69を介して吸着ノズル33と連通し、吸着ノズル33から正圧空気が吐出される。すなわち、エア供給源77は、吸着ノズル33から正圧空気を吐出させるエアブロー手段となる。この時、流量センサ69によって、正の空気の流量Fが計測される。
バルブ制御部105が真空バルブ71を制御して入力ポートP1から出力ポートA1への経路を開通させ、ブローバルブ75を制御して入力ポートR2から出力ポートA2への経路を開通させた状態にすると、大気供給源79が流量センサ69を介して吸着ノズル33と連通し、吸着ノズル33が大気圧となる。この時、流量センサ69が計測する空気の流量Fは、ほぼゼロとなる。
このように、真空バルブ71とブローバルブ75は、真空ポンプ73とエア供給源77と大気供給源79とを選択的に吸着ノズル33に接続させる切換手段となる。そして、流量センサ69は、この切換手段(真空バルブ71、ブローバルブ75、清掃バルブ81)と吸着ノズル33とを接続する吸引・エアブロー回路に介設され、吸引・エアブロー回路を通過する空気の流量Fを正逆2方向で計測する。
判定部107は、例えば比較器を含んで構成されており、流量センサ69が計測した空気の流量Fとバルブ記憶部109が記憶する判定流量値Ftを比較して、空気の流量Fが判定流量値Ftを超えたか否かを判定する。つまり、判定部107は、流量Fに基づいてゴムパッド51が不良か否かを判定する。判定部107が判定するタイミングは、バルブ記憶部109が記憶するタイミング情報に基づいて、バルブ制御部105によって制御される。判定部107による判定結果は、バルブ制御部105を介して装置制御部93に送信される。部品搭載装置11は、判定部107に基づきゴムパッド51が不良であると判定された場合には、不良である旨を報知部101に報知する。
次に、ゴムパッド51の不良の有無を判定する具体的な手順を説明する。
図8は、実施の形態1に係る部品搭載装置11によるゴムパッド51の判定方法を示すフローチャートである。図8に示す各処理は、主に装置制御部93による制御の下で実行される。
図8において、部品搭載装置11では、メンテナンス時等に、吸着ノズル33に装着されたゴムパッド51の不良チェックが開始される(St1)。不良チェックが開始されると、装置制御部93は、先ず、チェック位置となる例えばコンベヤレール、補正ポスト等の平坦な検査面(特定領域61)の上方へ、チェック対象であるゴムパッド51が装着された吸着ノズル33を移動させる(St2)。
次いで、装置制御部93は、チェックする吸着ノズル33で高さを計測する。装置制御部93は、高さの計測の際に、吸着ノズル33を検査面に向かって下降させる(St3)。装置制御部93は、吸着ノズル33の吸着保持面49が検査面に接触(図9のt0)したかを当接センサ63により検出する(St4)。吸着保持面49が検査面に接触した後、装置制御部93は、吸着ノズル33の吸着保持面49を検査面から所定の高さ(すなわち、パッド出代G分)まで上昇させる(St5)。この際、当接センサ63(つまりクッションエンドセンサ)による高さ計測機能が利用される。
検出高さへの吸着ノズル33の移動が完了した後、装置制御部93は、チェックする吸着ノズル33の真空をONする(St6)。
装置制御部93は、真空の安定する時間(図9のt2-t1)を待ち、搭載ヘッド25に設けられた流量センサ69で流量Fを計測する(St7)。
装置制御部93は、計測した流量Fからノズル不良判定を実施する。ノズル不良判定では、流量Fが閾値(図10に示す判定流量値Ft)より大きいか否かが判定される。流量F>判定流量値Ftとなった場合、装置制御部93は、ノズル不良と判定する(St9)。ノズル不良の場合には真空漏れ(図9に示す外気流入)が発生するため、装置制御部93は、流量Fを検出することにより不良が判定可能となる。正常時(判定流量値Ft)と不良時(流量F)の流量差で判定できる。一方、流量Fが判定流量値Ftよりも小さい場合には、装置制御部93は、ゴムパッド51が正常であることを判定し(St10)、チェックを終了する。
次に、実施の形態1に係る部品搭載装置11の作用を説明する。
実施の形態1に係る部品搭載装置11は、搭載ヘッド25に備えた吸着ノズル33の真空吸着により部品供給部19からピックアップされた部品23を基板17に搭載する部品搭載装置11である。この部品搭載装置11は、吸着ノズル33において部品23を吸着する側の先端部53に設けられたノズル開口55に管路を通じて接続される空圧発生源67と、ノズル開口55の周囲に設けられ、部品23と当接する当接部材(例えばゴムパッド51)と、部品搭載装置11の特定領域61を少なくとも記憶する記憶部(例えば装置記憶部95)と、記憶部に基づいて、ゴムパッド51を特定領域61に当接させるよう制御する制御部(例えば装置制御部93)と、ゴムパッド51を特定領域61と当接させたときの管路の流量Fを計測する流量センサ69と、流量Fに基づいてゴムパッド51が不良かを判定する判定部107と、を備える。
実施の形態1に係る部品搭載装置11では、搭載ヘッド25に設けられた吸着ノズル33により部品23が真空吸着される。吸着ノズル33は、先端部53に、部品23を吸着するためのノズル開口55が開口する。ノズル開口55は、管路を通じて空圧発生源67に接続される。なお、空圧発生源67は、負圧を発生させる真空ポンプ73と、正圧を発生させるコンプレッサとを含む。
ノズル開口55の周囲には、部品23と当接するゴムパッド51が設けられる。部品搭載装置11は、記憶部により、ゴムパッド51を接触させる装置内における特定領域61の位置が記憶されている。すなわち、部品搭載装置11では、メンテナンス時等、ゴムパッド51の検査が行われる際に、ゴムパッド51がこの特定領域61に配置される。そして、部品搭載装置11は、制御部によりゴムパッド51を特定領域61に当接させるよう制御する。
部品搭載装置11では、ゴムパッド51が特定領域61に当接した状態で、ノズル開口55を通過する空気の流量Fが流量センサ69により計測される。流量センサ69は、搭載ヘッド25に設けられる吸着ノズル33のノズル開口55と、同じく搭載ヘッド25に設けられる真空バルブ71との間に介装される。なお、流量センサ69は、ノズル開口55から空気を吸引する際の流量F、およびノズル開口55から空気を吹き出す際の流量Fの双方を計測可能としている。流量センサ69は、計測時点での流量Fを検出するもの、所定時間内の流量を積算して検出するもののいずれであってもよい。また、検出方式は、差圧式、電磁式、熱式、超音波式のいずれであってもよい。
流量センサ69により計測された流量Fの値は、判定部107によってゴムパッド51が不良か否かを判定する際のパラメータ(例えば流量F)として利用される。判定部107は、流量Fが予め設定した判定流量値Ftよりも大きい場合(流量F>判定流量値Ft)、不良の判定を行う。
このように、部品搭載装置11では、メンテナンス時等に、ゴムパッド51のチェックが行われると、装置内の特定領域61に、ノズル開口55の周囲に設けられたゴムパッド51が当接される。ゴムパッド51は、特定領域61に当接することにより、正常な場合、内方空間が密閉された状態となる。この状態で、空圧発生源67により、ゴムパッド51の内方空間に負圧または正圧が加えられる。破れ・変形・磨耗等の無いゴムパッド51では、ゴムパッド51の内方空間に対する空気の吸引時の流量Fまたは供給時の流量Fが判定流量値Ftの範囲内となる。この際の流量Fは、流量センサ69により計測される。
ゴムパッド51は、破れ・変形・磨耗等の無い正常な場合、外気の流入や過剰な漏れが発生しないため、流量Fが判定流量値Ftの範囲となり、判定部107により不良でないと判定される。
一方、ゴムパッド51は、破れ・変形・磨耗等が発生している場合、外気の流入や過剰な漏出が発生する。このため、流量Fは、判定流量値Ftの範囲外となり、判定部107によりゴムパッド51の不良が判定される。
これにより、部品搭載装置11では、実装不良や吸着・装着エラー等の結果によらず、直接的にゴムパッド51の不具合を発見することができる。その結果、部品搭載装置11は、吸着エラー、吸着ズレ、部品落下、装着精度不良等の吸装着動作に生じる影響を抑制し、実装品質を向上させることができるようになる。
また、この部品搭載装置11では、空圧発生源67が、真空ポンプ73である。
図9は、ノズル位置に対する真空バルブ動作、パッド内圧およびノズル流量の変化を経時的に示す説明図である。この部品搭載装置11では、空圧発生源67が、真空ポンプ73となる。吸着ノズル33は、部品23を吸着保持する際、真空ポンプ73の負圧によりノズル開口55から吸引される空気の流量Fが流量センサ69によって計測される。
なお、流量Fは、例えば吸引の場合、真空バルブ71が開かれる吸引開始時(t1)から流量が安定する時(t2)までの一定時間(t2-t1)の後(例えば100ms後)に流量センサ69の流量Fの値を読み取って得ることが望ましい。
空圧発生源67による真空吸引が行われると、破れ・変形・磨耗等の無いゴムパッド51では、ゴムパッド51がさらに特定領域61に密着し、ゴムパッド51の内方から空気が吸引されて内圧が真空に近づく。この際のゴムパッド51の内方空間から吸引される空気の流量Fは、流量センサ69により計測される。
図10は、ノズル流量と正常値・異常値との関係の一例を示す相関図である。ゴムパッド51は、破れ・変形・磨耗等の無い正常な場合、外気の流入が発生しないので、内圧が真空に近づく。このため、流量Fは、吸引時間の経過とともに減少して行き、最終的にはゼロとなる(なお、ゼロとするか否かは装置設定に依存する)。そこで、流量センサ69は、内圧の真空が安定する時間待ち、真空が安定したなら、その時点(t2)での流量Fを計測する。ここで得られた流量Fの値が、判定流量値Ftよりも小さければ、外気の流入が生じていないと見なされ、判定部107によりゴムパッド51が不良でないと判定される。
一方、ゴムパッド51は、破れ・変形・磨耗等が発生している場合、外気の流入(図9に示す外気流入)が発生するので、内圧が下がりきらず、真空に至りにくい。このため、流量Fは、吸引時間が経過しても減少せず、ゼロとなりにくい。流量センサ69は、本来、内圧の真空が安定する時間待ち、その時点(t2)での流量Fを計測する。ここで得られた流量Fの値が、判定流量値Ftよりも大きい場合、外気の流入が生じていると見なされ、判定部107によりゴムパッド51が不良と判定される。
また、部品搭載装置11は、ゴムパッド51は特定領域61と当接する当接面59を有し、当接面59はノズル開口55の周囲に位置するよう形成される。
また、この部品搭載装置11では、ゴムパッド51は、特定領域61に当接する当接面59を有する。当接面59は、ノズル開口55の周囲に位置するように形成される。円形状の当接面59は、特定領域61に当接することにより線接触して内方を閉鎖する。この密閉された内方には、ノズル開口55が開口することになる。従って、ゴムパッド51は、ノズル開口55から真空吸引がなされれば、パッド内圧が低下し、外側から大気圧により押されて弾性変形し、より高い密着力で特定領域61に吸着する。
逆に、ノズル開口55から真空破壊用の空気または清掃空気が供給されれば、特定領域61に接触している当接面59が弾性変形して特定領域61との間に間隙を形成し、その間隙から空気を排出する。部品搭載装置11では、この真空破壊用の空気または清掃空気を利用することによってもゴムパッド51のチェックが可能となる。
また、部品搭載装置11は、先端部53が特定領域61に当接したか否かを検出する当接センサ63をさらに有する。制御部(例えば装置制御部93)は、先端部53が特定領域61に当接したことを当接センサ63により検出された場合に、先端部53を当接面59よりも上方に位置するようさらに制御する。
この部品搭載装置11では、吸着ノズル33が当接センサ63を有する。当接センサ63は、吸着ノズル33の先端部53が特定領域61に当接したかを検出する。吸着ノズル33は、ノズル開口55の周囲に、部品23と当接するゴムパッド51が設けられる。ゴムパッド51は、当接面59であるパッド先端面が、ノズル開口55が設けられる先端部53よりも部品23に接近する方向にパッド出代G分だけ突出する。つまり、吸着ノズル33は、部品吸着時、先ず、パッド先端が部品23に接触し、パッド出代G分だけゴムパッド51が圧縮方向に弾性変形してから、先端部53が部品23に接触する。ゴムパッド51は、部品23に最初に接触するパッド先端からノズル開口55までの高さ(ギャップ)がパッド出代Gとなる。
部品搭載装置11は、ゴムパッド51の判定時、先端部53が特定領域61に当接したことを当接センサ63が検出すると、制御部が先端部53を当接面59よりも上方に配置させる。この上方位置は、例えばパッド出代G分の距離となる。これにより、吸着ノズル33は、ゴムパッド51が変形しない状態でパッド先端面を特定領域61に接触させることになる。この状態で、上記のようにノズル開口55から真空吸引がなされれば、パッド内圧が低下し、パッド先端面が特定領域61に吸着し、逆に、ノズル開口55から真空破壊用の空気等が供給されれば、パッド先端面が弾性変形して特定領域61との間隙から空気を排出する。部品搭載装置11では、この際の空気の流量Fが流量センサ69により計測される。
これにより、部品搭載装置11では、変形等していない状態のゴムパッド51を判定することができる。その結果、ゴムパッド51は、圧縮変形することにより亀裂や孔、凹凸等の不具合箇所が塞がれることがなくなり、破れ・変形・磨耗等がより高精度に検知されるようになる。
また、部品搭載装置11では、ゴムパッド51の特定領域61に対する投影平面は、特定領域61の内側に位置する。
この部品搭載装置11では、ゴムパッド51を特定領域61に投影して見た平面視において、ゴムパッド51の投影平面が特定領域61の内側となる。この配置は、記憶部に記憶された特定領域61の位置情報を制御部が参照しながら位置決め制御する。この位置決めにより、ゴムパッド51は、投影平面における輪郭の下面、すなわち、先端部53の当接面59であるパッド先端面が特定領域61からはみ出さないようになる。これにより、ゴムパッド51は、流量Fの計測時、パッド先端面の当接状態が安定して、空気の適切な吸引や吐出ができるようになる。
また、部品搭載装置11では、特定領域61の表面は平坦である。
この部品搭載装置11では、特定領域61の表面が平坦となる。ゴムパッド51は、ノズル開口55を包囲するパッド先端面が、全周囲で特定領域61の平坦な表面へ均一に接することになる。これにより、ゴムパッド51は、パッド先端面の全周囲で均一な空気の吸引や吐出ができるようになる。
また、部品搭載装置11は、ゴムパッド51が不良であると判定部107により判定された場合に、ゴムパッド51が不良である旨を制御部(例えば装置制御部93)による制御の下で報知する報知手段(例えば報知部101)をさらに備える。
この部品搭載装置11では、判定部107がゴムパッド51を不良と判定した場合、不良である旨が報知部101により報知される。報知部101は、例えば報知灯、フラッシュランプ、ブザーなどの他、装置の表示部99に表示させる報知画面とすることができ、ゴムパッド51の異常を作業者に報知する。これにより、部品搭載装置11は、実装不良や吸着・装着エラー等の発生を未然に、しかも、容易に抑制できるようになる。
従って、実施の形態1に係る部品搭載装置11によれば、吸装着エラーの発生を抑制し、実装品質の向上を図ることができる。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。