JP7429369B2 - パストライザにおける搬送安定化機構 - Google Patents
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Description
またネットコンベヤ21′の後段には、処理後の処理対象物Tをパストライザ1′から受け取るための排出コンベヤCがあり、ここで処理対象物Tの乗り移りが行われる。因みに、ネットコンベヤ21′の前段にも、処理前の処理対象物Tをパストライザ1′に送り込むために、図示を省略する供給コンベヤが設けられ、ここでも処理対象物Tの乗り移りが行われる。
ここで、排出コンベヤCの始端部は、一例として上記図4に示すように、受け入れ先端部が尖った形(クシ状)に形成されている。
そして、近年、このような乗り移りが自動化される状況にあり、このため処理対象物Tの乗り移りをスムーズに且つ確実に行うべく、上記図4(a)から(b)に示すように、ネットコンベヤ21′における駆動側スプロケット23′の歯23t′が小型化され、リンク要素21n′の厚み寸法や連接ピッチが小さくなる設計仕様になってきている。
しかしながら、このような設計仕様になると、駆動側スプロケット23′のリンク要素21n′への歯23t′の掛かり代寸法も、従来に比べ約半分ほどしか掛からない構造となってしまう。具体的には、一例として図4に示すように、従来では歯23t′の掛かり代寸法が、12mm掛かっていたものが、新たな設計仕様では、6mmしか掛からなくなり、この点で以下に示すような不具合が発生していた。
5m×32m×250本/m2 ×0.55kg×0.2=4400kgとなる。
これだけの重量すなわち4.4トンにも及ぶ重量が駆動側スプロケット23′に作用するものであり、また経年変化によってもネットコンベヤ21′が伸びるため、ネットコンベヤ21′は、例えば図5(a)に示すように、駆動側スプロケット23′の1/4周も掛からなくなることがあり得、この場合には駆動側スプロケット23′の歯23t′と、ネットコンベヤ21′のリンク要素21n′とが噛み合わなくなり、歯飛び現象を起こすことがあった。また、このような歯飛び現象によって、例えば図5(b)に示すように、ネットコンベヤ21′が隆起してしまうと、乗り移り中または搬送中の処理対象物Tが倒れてしまうこともあり、円滑な移載や搬送ひいては効率的な殺菌処理が行えないという問題が生じていた。
因みに、従来は、例えば図4(a)に示すように。駆動側スプロケット23′の歯23t′とネットコンベヤ21′との掛かり代寸法が大きく確保できたため(上記のように12mm)、たとえネットコンベヤ21′が伸びても、歯飛び現象は、まず生じなかった。
処理ゾーンを通過するように処理対象物を搬送する搬送装置と、処理ゾーンを通過中の処理対象物に対し適宜の処理温度の処理水を吹き付けるようにしたノズル装置とを具え、処理ゾーンの通過中に、処理対象物に所定の温度変化を与えるようにしたパストライザにおいて、
前記搬送装置は、搬送方向下流側に設けた駆動側スプロケットと、搬送方向上流側に設けた従動側スプロケットとにエンドレス状に巻回されたネットコンベヤが適用され、
且つ駆動側スプロケットはネットコンベヤに回転駆動を伝達するための歯を具え、
なお且つ、この駆動側スプロケットの近傍には、ウェイトローラが設けられ、このウェイトローラの自重によってエンドレス状を成すネットコンベヤの内側から外側下方に向けてテンションを掛ける構成であり、
また前記ウェイトローラの前後両側には、ネットコンベヤに接し、ネットコンベヤの走行をガイドする二基の支持ローラを設け、
このうちウェイトローラの後方側において駆動側スプロケットとの間に設けられる支持ローラについては、ネットコンベヤが駆動側スプロケットの半周以上に掛かるように設けられるものであり、
更にウェイトローラの重量は、駆動側スプロケットに作用する引っ張り荷重の4%~10%の重量であることを特徴として成るものである。
前記ウェイトローラは、ネットコンベヤの伸長・収縮に応じて、上下動するように支持されることを特徴として成るものである。
前記駆動側スプロケットの歯がネットコンベヤに噛み合う掛かり代寸法は、10mm以下であり、この駆動側スプロケットに巻回されるネットコンベヤのリンク要素の曲がり角度は、20度を最大限度とすることを特徴として成るものである。
まず請求項1記載の発明によれば、駆動側スプロケットの近傍にウェイトローラを設け、このウェイトローラの自重によってネットコンベヤにテンションを掛けるため、例えばテンショナプーリでテンションを掛ける場合等に比べて、テンショナプーリを押さえる、または引くように作用させるバネなどの張力付加部材が不要となる。また、熱膨張によってネットコンベヤが伸びても、ウェイトローラの自重によって駆動側スプロケットの歯飛び現象を防止することができ、処理対象物を安定して確実に搬送することができる。
以下、このパストライザ1について説明しながら、搬送安定化機構7について併せて説明する。
すなわち、パストライザ1は、処理水Wの供給系装置を構成するノズル装置3を、搬送系の装置を構成する搬送装置2の上方に配置するとともに、処理対象物Tに向けて吹き付けた処理水Wを貯留・回収する処理水タンク4を、搬送装置2の下方に具えて成るものである。ここでノズル装置3に供給される処理水Wは、処理水タンク4に貯留された処理水Wが循環利用(再利用)される。
以下、搬送装置2、ノズル装置3、処理水タンク4について説明する。
ネットコンベヤ21は、搬送方向上流側に従動側スプロケット22を具えるとともに、下流側に駆動側スプロケット23を具えて成り、これら双方のスプロケット間に上記ネットコンベヤ21がエンドレス状に巻回されて成る。
なお、駆動側スプロケット23には、例えば図1・図2に示すように、駆動軸の回転をネットコンベヤ21に伝達するための歯23tを具え、駆動側スプロケット23の歯23tが、ネットコンベヤ21のリンク要素21nに噛み合った状態で回転することにより、駆動側スプロケット23の回転駆動が効率的にネットコンベヤ21に伝達される。
なお、駆動側スプロケット23の回転駆動を確実にネットコンベヤ21に伝達する観点からは、ネットコンベヤ21は、駆動側スプロケット23に半周以上、すなわち180度以上、巻回されることが好ましいが、実際にはメンテナンス性も考慮して、半周つまり180度、巻回されることが多い。
本実施例では、リンク要素21nの厚み寸法は約12.7mm(約1/2インチ)であり、リンク要素21nの連接ピッチは約25.4mm(約1インチ)である。また、リンク要素21nの曲がり角度、すなわちリンク要素21nが駆動側スプロケット23の円周に沿って一ピッチ分、回転移動する際の角度差(位相差)は、一例として図4(b)に示すように約14度である。
これに対し、従来のリンク要素21n′の厚み寸法は、約25.4mm(約1インチ)であり、リンク要素21n′の連接ピッチは、約50.8mm(約2インチ)であった(図4(a)参照)。また、リンク要素21n′の曲がり角度は、一例として図4(a)に示すように約25度であった。このため本実施例では、リンク要素21nの曲がり角度は、20度を越えることがなく、よりスムーズに駆動側スプロケット23の周囲に沿って移動して行くものである。
以上述べたように従来仕様に対し、ネットコンベヤ21におけるリンク要素21nの連接ピッチや厚み寸法が小さくなってきており、これは特に殺菌処理後の処理対象物Tをスムーズに排出コンベヤCに移載するためである。しかしながら、このような仕様では、ネットコンベヤ21に対する駆動側スプロケット23の歯23tの掛かり代寸法も半分しか掛からないため、ネットコンベヤ21が伸びた場合、歯飛び現象が生じるようになった。このため本発明ではウェイトローラ71の自重でネットコンベヤ21にテンションを掛け、このような歯飛び現象を防止するようにしたものである。因みに、従来は、上記掛かり代寸法が大きく確保できたため(一例として12mm)、たとえネットコンベヤ21が伸びても、歯飛び現象は、まず生じなかった。もちろん、掛かり代寸法が大きく確保できる従来のような仕様においても、本実施例と同様のウェイトローラ71を設けることは何ら構わず、これによりネットコンベヤ21と駆動側スプロケット23との噛合状態を常に維持することができ、歯飛び現象をより一層確実に防止することができる。
パストライザ1は、一例として上記図1に示すように、処理対象物Tの搬送方向に見て、直列状に三つの処理ゾーンに区画されて成り、これを搬送方向上流側から昇温ゾーンZ1、殺菌ゾーンZ2、冷却ゾーンZ3とする。
以下、各処理ゾーンについて説明する。
なお、図中符号「(・・・)Z2n」で示した区間は、殺菌ゾーンZ2のn番目の区間である「第n殺菌区間」を示しており、これは殺菌ゾーンZ2を三つ以上の複数区間で構成し得ることを示している。
なお、昇温ゾーンZ1及び殺菌ゾーンZ2においては、各ノズル装置3A~3Eから放出された処理水Wは、各処理水タンク4A~4Eに貯留・回収される時点では、処理対象物Tを加熱した分、数度低下し、各処理水タンク4A~4Eの上方に示した数値のようになるが、この数値はあくまでも一例である。
また、冷却ゾーンZ3においては、各ノズル装置3F~3Hから放出された処理水Wは、各処理水タンク4F~4Hに貯留・回収される時点では、処理対象物Tから熱を奪った分、数度上昇し、各処理水タンク4F~4Hの上方に示した数値のようになるが、この数値もあくまでも一例である。
処理対象物Tは、例えば図1に併せ示すように、第一予備加熱区間Z11の搬送装置2の入口付近で5℃、第一予備加熱区間Z11の搬送終端部及び第二予備加熱区間Z12の搬送開始部で20℃、第二予備加熱区間Z12の搬送終端部及び加熱区間Z13の搬送開始部で35℃となる。
また、加熱区間Z13の搬送終端部で65℃となり、殺菌ゾーンZ2の搬送中、すなわち第一殺菌区間Z21、第二殺菌区間Z22の搬送中は、この65℃の温度で維持される。なお、加熱区間Z13では、処理対象物Tの温度を65℃とするために、これよりも高温である72℃の処理水Wを吹き付けるようにしている。
そして、処理対象物Tは、冷却ゾーンZ3の搬送中に製品温度が下げられるものであり、例えば第一徐冷区間Z31の入口で65℃、第一徐冷区間Z31の搬送終端部及び第二徐冷区間Z32の搬送開始部で56℃、第二徐冷区間Z32の搬送終端部及び冷却区間Z33の搬送開始部で44℃となり、冷却区間Z33の搬送終端部つまり搬送装置2の出口付近で38℃となる。
ノズル装置3は、処理水タンク4からポンプPで汲み上げた処理水Wを処理対象物Tにスプレー状に吹き付けるものであり、一例として上記図1に骨格的に示すように、全体として各区間において、搬送方向に見て数本から十数本程度のノズルパイプ31を、それぞれ搬送方向を横切るように垂下状態に配置して成る。
なお、このノズルパイプ31についても、区間ごとに区別する場合には、末尾符号A~Hを付して区別する。
また、本明細書では、処理水タンク4に貯留された処理水Wを吸い上げ、再利用に供する経路を処理水循環経路41とする。
処理水タンク4は、各ノズル装置3A~3Hから放出された処理水Wを、搬送装置2の下方で受けて、貯留・回収するタンクであり、上述したように各区間にそれぞれ配置される。なお、各処理水タンク4に貯留・回収された処理水Wは、処理水循環経路41に設けられたポンプPで汲み上げられ、その温度に適した処理水Wとして各ノズル装置3に再供給される(いわゆる循環利用)。
冷却装置6(6A~6H)は、各処理水タンク4(4A~4H)に貯留された処理水Wを冷却する装置であり、その具体的手法としては、例えば各処理水タンク4A~4Hに、図示を省略する冷却水源からの配管を接続する手法が挙げられる。この場合、処理水Wの温度を下げるには、例えば当該配管中に設けたポンプ(図示略)を稼働させて、冷却水源から冷却水を処理水タンク4に導入し、適宜の温度に調整する。なお、冷却水としては、例えば水道水(上水)が挙げられる。
各処理水タンク4A~4Hに貯留された処理水Wは、上述したように、その温度に応じてスプレーすべきノズル装置3の区間を選択してスプレーするように構成されており、これは言わば処理水Wを循環使用(再利用)する形態である。
具体的には、本実施例では昇温ゾーンZ1における第一予備加熱区間Z11の処理水タンク4Aに貯留された処理水Wが、約33℃の処理水Wとなり、処理水循環経路41によって冷却ゾーンZ3における第二徐冷区間Z32のノズルパイプ31Gに移送され、ここから処理対象物Tに向けて吹き付けられる。一方、冷却ゾーンZ3における第二徐冷区間Z32の処理水タンク4Gに貯留された処理水Wが、約35℃の処理水Wとなり、処理水循環経路41によって昇温ゾーンZ1における第一予備加熱区間Z11のノズルパイプ31Aに移送され、ここから処理対象物Tに向けて吹き付けられる。なお、このような異なる区間同士、つまり昇温ゾーンZ1の第一予備加熱区間Z11と、冷却ゾーンZ3の第二徐冷区間Z32との間で、処理水Wを循環利用する形態を相互循環と称する。
なお、相互循環における各区間の組み合わせは変更することもあり得、例えば昇温ゾーンZ1が、一つの予備加熱区間(第一予備加熱区間Z11)と、加熱区間Z13との二区間で構成された場合などが想定される。
本実施例では、昇温ゾーンZ1の加熱区間Z13、殺菌ゾーンZ2の第一殺菌区間Z21及び第二殺菌区間Z22、冷却ゾーンZ3の冷却区間Z33において自己循環が行われている。すなわち、これらの区間では、同じ区間内の処理水タンク4(4C・4D・4E・4H)に貯留された処理水Wを、処理水循環経路41によって同区間内のノズルパイプ31(31C・31D・31E・31H)に戻し、ここから処理対象物Tに向けて吹き付けるようにしている。
なお、相互循環及び自己循環ともに、処理水タンク4から処理水Wを汲み上げる作用は、処理水循環経路41に組み込まれたポンプPが担うものである。
上述したように搬送に伴い、複数のリンク要素21nが接続されて成るネットコンベヤ21も、処理対象物Tに作用させた処理水Wによって、温度変化(熱影響)を受ける。このためネットコンベヤ21は、この温度変化で全体的に伸びたり、縮んだりする。そして、熱膨張によってネットコンベヤ21が伸びた場合、そのままでは駆動側スプロケット23が歯飛び現象を起こすことがある。このため本発明では、搬送安定化機構7によって、ネットコンベヤ21に常にテンションを掛け、ネットコンベヤ21が伸びても、駆動側スプロケット23の歯23tが常にネットコンベヤ21に充分噛み合うようにし、歯飛び現象を防止するようにしている。このように本発明の搬送安定化機構7は、このような歯飛び現象を防止し、処理対象物Tを安定して確実に搬送・移載できるようにした機構である。
搬送安定化機構7は、一例として図1~図3に示すように、駆動側スプロケット23の近傍に設けられ、リング状を成すネットコンベヤ21の内側から接触し、外側下向きにテンションを掛けるウェイトローラ71と、その前後両側(送り方向における前後)においてネットコンベヤ21に接し、このものの走行をガイドする支持ローラ72とを具える。すなわち、ウェイトローラ71は、二基の支持ローラ72の間で、ネットコンベヤ21に吊持されたような設置形態となり、ウェイトローラ71の自重によって、ネットコンベヤ21を一定の張力でテンションを掛ける構造となっている。
なお、ウェイトローラ71の重量は、一例として200~400kgであり、これを駆動側スプロケット23に作用する引っ張り荷重と比較すると
200/4400≒4.55%
400/4400≒9.1%
となる。従ってウェイトローラ71の重量は、駆動側スプロケット23に作用する引っ張り荷重の約4%~10%と言える。
因みに、駆動側スプロケット23とウェイトローラ71との間に設けられる支持ローラ72は、上述したようにネットコンベヤ21が駆動側スプロケット23の半周程度(約180度)掛かるように設けられる。
一方、支持ローラ72は、ネットコンベヤ21の走行中、定位置で回転するように設けられる。このため例えばネットコンベヤ21が熱膨張によって伸びた場合には、ウェイトローラ71は、前記昇降ガイド73による規制を受けて自動的に下降して上記ネットコンベヤ21の伸びを吸収するものである。もちろん、ウェイトローラ71は、下降した位置でネットコンベヤ21の送り速度と同じ速度で回転(自転)する。かかる構成により、たとえネットコンベヤ21が伸びても、駆動側スプロケット23のネットコンベヤ21への噛合状態が確実に維持され、歯飛び現象が防止されるものである。
また、ネットコンベヤ21の伸長・収縮状況に応じて、ウェイトローラ71が自由に上下動する構成であるため、ネットコンベヤ21の伸長・収縮状況に自動的に合わせることができ、常に自身の自重を一定の張力として、ネットコンベヤ21に作用させることができる。
処理対象物Tは、一例として図1に示すように、搬送装置2の搬送面上に正立姿勢で載置されながら、搬送方向上流の入口側から搬送方向下流の出口側に向けて搬送される。その搬送速度は、例えば250mm/min~1000mm/min程度のほぼ一定の速度であり、この搬送過程で処理対象物Tは、各区間で定められた温度の処理水Wが上方からスプレーされて(吹き付けられて)、目的の処理が行われる。以下、処理ゾーンごとに説明する。
処理対象物Tは、まず昇温ゾーンZ1で、殺菌に必要な温度まで徐々に加熱される。具体的には、第一予備加熱区間Z11で所定の時間、35℃の処理水Wによる予備加熱を受ける。次いで第二予備加熱区間Z12で所定の時間、50℃の処理水Wによる予備加熱を受ける。次いで加熱区間Z13で所定の時間、72℃の処理水Wによる加熱を受ける。なお、各区間の処理水タンク4A~4Cに回収される処理水Wの温度は、いずれも上記温度よりも数度低下して回収され、例えば処理水タンク4Aでは33~34℃、処理水タンク4Bでは48~49℃、処理水タンク4Cでは70~71℃程度である。因みに、各処理水タンク4A~4Cに貯留された処理水Wの温度が、次のスプレーに供する温度よりも低い場合には、加温装置5A~5Cによって適宜加温するものであり、処理水Wの温度が、次のスプレーに供する温度よりも高い場合には、冷却装置6A~6Cによって適宜冷却するものであり、各ノズルパイプ31G・31F・31Cには、常に同じ温度の処理水Wが供給される。因みに各区間の処理水タンク4A~4Cに貯留された処理水Wが蒸発等で減少した場合には、冷却装置6A~6Cを適用した給水、すなわち冷却水の供給が行われるとともに、加温装置5A~5Cによる加熱が行われ、処理水Wの液レベルをほぼ一定に維持する制御が行われる。
また、このような昇温ゾーンZ1の搬送中に、処理対象物Tの製品温度は上昇するものであり、例えば第一予備加熱区間Z11の入口付近で5℃、第一予備加熱区間Z11の搬送終端部及び第二予備加熱区間Z12の搬送開始部で20℃、第二予備加熱区間Z12の搬送終端部及び加熱区間Z13の搬送開始部で35℃、加熱区間Z13の搬送終端部で65℃となる。
その後、処理対象物Tは、殺菌ゾーンZ2に搬送され、ここで適宜の時間・適宜の高温状態で保持され、所望の殺菌が実質的に施される。具体的には、第一殺菌区間Z21で所定の時間、65℃の処理水Wによる殺菌を受ける。次いで第二殺菌区間Z22で所定の時間、65℃の処理水Wによる殺菌を受ける。なお、殺菌ゾーンZ2における両区間の処理水タンク4D・4Eに回収される処理水Wの温度は、いずれも上記温度より数度低下するものであり、例えばいずれの処理水タンク4D・4Eにおいても63~64℃程度となる。もちろん、ここでも各処理水タンク4D・4Eに貯留された処理水Wの温度が、次のスプレーに供する温度よりも低い場合には、加温装置5D・5Eによって適宜加温するものであり、処理水Wの温度が、次のスプレーに供する温度よりも高い場合には、冷却装置6D・6Eによって適宜冷却するものであり、各ノズルパイプ31D・31Eには、常に同じ温度の処理水Wが供給される。因みに各処理水タンク4D・4Eに貯留された処理水Wが蒸発等で減少した場合には、冷却装置6D・6Eを適用した給水、すなわち冷却水の供給が行われるとともに、加温装置5D・5Eによる加熱が行われ、処理水Wの液レベルをほぼ一定に維持する制御が行われる。
また、このような殺菌ゾーンZ2の搬送中、具体的には第一殺菌区間Z21の搬送開始部から第二殺菌区間Z22の搬送終端部に至るまで、処理対象物Tは、製品温度が65℃に維持され、実質的な殺菌が施される。
その後、処理対象物Tは、冷却ゾーンZ3に搬送され、ここで殺菌直後の高温状態が、徐々に冷却されて行く。具体的には第一徐冷区間Z31で所定の時間、48℃の処理水Wによる徐冷を受ける。次いで第二徐冷区間Z32で所定の時間、33℃の処理水Wによる徐冷を受ける。次いで冷却区間Z33で所定の時間、28℃の処理水Wによる冷却を受ける。なお、各区間の処理水タンク4F~4Hに回収される処理水Wの温度は、いずれも上記温度よりも数度上昇し、例えば処理水タンク4Fでは49~50℃、処理水タンク4Gでは34~35℃、処理水タンク4Hでは29~30℃程度となる。もちろん、ここでも各処理水タンク4F~4Hに貯留された処理水Wの温度が、次のスプレーに供する温度よりも低い場合には、加温装置5F~5Hによって適宜加温するものであり、処理水Wの温度が、次のスプレーに供する温度よりも高い場合には、冷却装置6F~6Hによって適宜冷却するものであり、各ノズルパイプ31B・31A・31Hには、常に同じ温度の処理水Wが供給される。因みに各区間の処理水タンク4F~4Hに貯留された処理水Wが蒸発等で減少した場合には、冷却装置6F~6Hを適用した給水、すなわち冷却水の供給が行われるとともに、加温装置5F~5Hによる加熱が行われ、処理水Wの液レベルをほぼ一定に維持する制御が行われる。
また、このような冷却ゾーンZ3の搬送中に、処理対象物Tは、製品温度が徐々に下降して行くものであり、例えば第一徐冷区間Z31の搬送開始部で65℃、第一徐冷区間Z31の搬送終端部及び第二徐冷区間Z32の搬送開始部で56℃、第二徐冷区間Z32の搬送終端部及び冷却区間Z33の搬送開始部で44℃となり、冷却区間Z33の搬送終端部つまり出口付近で38℃まで冷却される。
またウェイトローラ71は、昇降ガイド73によって上下動のみが許容されるため、例えばネットコンベヤ21が熱膨張によって伸びても、その伸び寸法に合わせて、ウェイトローラ71が自然に下降する。このためウェイトローラ71の上下動によって、ネットコンベヤ21の伸びを自然に吸収することができ、ネットコンベヤ21に常に一定のテンションを掛けることができる。また、このため実にシンプル且つ合理的な構造で、温度差を受けるネットコンベヤ21の歯飛び現象を、より一層、確実に防止することができる。
また、二つ目の相互循環として、昇温ゾーンZ1における第二予備加熱区間Z12の処理水タンク4Bに貯留された処理水Wを、処理水循環経路41によって冷却ゾーンZ3における第一徐冷区間Z31のノズルパイプ31Fに移送し、ここから処理対象物Tに向けて吹き付けている。一方、冷却ゾーンZ3における第一徐冷区間Z31の処理水タンク4Fに貯留した処理水Wを、処理水循環経路41によって昇温ゾーンZ1における第二予備加熱区間Z12のノズルパイプ31Bに移送し、ここから処理対象物Tに向けて吹き付けている。
また、第二予備加熱区間Z12の処理水タンク4Bに貯留された処理水Wの温度は、第一徐冷区間Z31で処理対象物Tに吹き付ける処理水Wの温度とほぼ同じであり、また第一徐冷区間Z31の処理水タンク4Fに貯留された処理水Wの温度は、第二予備加熱区間Z12で処理対象物Tに吹き付ける処理水Wの温度とほぼ同じであり、処理水Wの温度として、互いに適しているため、上記のような二組の相互循環が構成されている。
そして、このような相互循環を図ることにより、加温装置5によって行われる蒸気Sによる加熱や、冷却装置6によって行われる上水等による冷却を行って、処理水Wの温度を調整する場合でも、使用するエネルギーを節約することができる。なお、このような処理水Wの相互循環利用を交流と称することもある。
本発明は以上述べた実施例を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。
すなわち上述した基本の実施例では、駆動側スプロケット23とウェイトローラ71との間に設けられた支持ローラ72は、ネットコンベヤ21が駆動側スプロケット23の半周程度(約180度)掛かるような位置にフリー回転自在に固定されるものであった。しかしながら、当該支持ローラ72は、必ずしもこの位置に限定されるものではなく、例えば多少上昇させて設置することも可能であり、この場合にはネットコンベヤ21が駆動側スプロケット23の半周以上(180度以上)掛かるような巻回状態が得られ、ネットコンベヤ21が伸びた場合の歯飛び現象を、より一層確実に防止することができる。
2 搬送装置
3 ノズル装置
4 処理水タンク
5 加温装置
6 冷却装置
7 搬送安定化機構
3A ノズル装置(第一予備加熱区間)
3B ノズル装置(第二予備加熱区間)
3C ノズル装置(加熱区間)
3D ノズル装置(第一殺菌区間)
3E ノズル装置(第二殺菌区間)
3F ノズル装置(第一徐冷区間)
3G ノズル装置(第二徐冷区間)
3H ノズル装置(冷却区間)
4A 処理水タンク(第一予備加熱区間)
4B 処理水タンク(第二予備加熱区間)
4C 処理水タンク(加熱区間)
4D 処理水タンク(第一殺菌区間)
4E 処理水タンク(第二殺菌区間)
4F 処理水タンク(第一徐冷区間)
4G 処理水タンク(第二徐冷区間)
4H 処理水タンク(冷却区間)
5A 加温装置(第一予備加熱区間)
5B 加温装置(第二予備加熱区間)
5C 加温装置(加熱区間)
5D 加温装置(第一殺菌区間)
5E 加温装置(第二殺菌区間)
5F 加温装置(第一徐冷区間)
5G 加温装置(第二徐冷区間)
5H 加温装置(冷却区間)
6A 冷却装置(第一予備加熱区間)
6B 冷却装置(第二予備加熱区間)
6C 冷却装置(加熱区間)
6D 冷却装置(第一殺菌区間)
6E 冷却装置(第二殺菌区間)
6F 冷却装置(第一徐冷区間)
6G 冷却装置(第二徐冷区間)
6H 冷却装置(冷却区間)
21 ネットコンベヤ
21n リンク要素
22 従動側スプロケット
23 駆動側スプロケット
23t 歯(駆動側スプロケットの歯)
31 ノズルパイプ
31A ノズルパイプ(第一予備加熱区間)
31B ノズルパイプ(第二予備加熱区間)
31C ノズルパイプ(加熱区間)
31D ノズルパイプ(第一殺菌区間)
31E ノズルパイプ(第二殺菌区間)
31F ノズルパイプ(第一徐冷区間)
31G ノズルパイプ(第二徐冷区間)
31H ノズルパイプ(冷却区間)
41 処理水循環経路
71 ウェイトローラ
71j 軸部
72 支持ローラ
73 昇降ガイド
T 処理対象物
W 処理水
P ポンプ
S 蒸気
Z1 昇温ゾーン
Z11 第一予備加熱区間
Z12 第二予備加熱区間
Z13 加熱区間
Z2 殺菌ゾーン
Z21 第一殺菌区間
Z22 第二殺菌区間
Z2n 第n殺菌区間
Z3 冷却ゾーン
Z31 第一徐冷区間
Z32 第二徐冷区間
Z33 冷却区間
C 排出コンベヤ
Claims (3)
- 処理ゾーンを通過するように処理対象物を搬送する搬送装置と、処理ゾーンを通過中の処理対象物に対し適宜の処理温度の処理水を吹き付けるようにしたノズル装置とを具え、処理ゾーンの通過中に、処理対象物に所定の温度変化を与えるようにしたパストライザにおいて、
前記搬送装置は、搬送方向下流側に設けた駆動側スプロケットと、搬送方向上流側に設けた従動側スプロケットとにエンドレス状に巻回されたネットコンベヤが適用され、
且つ駆動側スプロケットはネットコンベヤに回転駆動を伝達するための歯を具え、
なお且つ、この駆動側スプロケットの近傍には、ウェイトローラが設けられ、このウェイトローラの自重によってエンドレス状を成すネットコンベヤの内側から外側下方に向けてテンションを掛ける構成であり、
また前記ウェイトローラの前後両側には、ネットコンベヤに接し、ネットコンベヤの走行をガイドする二基の支持ローラを設け、
このうちウェイトローラの後方側において駆動側スプロケットとの間に設けられる支持ローラについては、ネットコンベヤが駆動側スプロケットの半周以上に掛かるように設けられるものであり、
更にウェイトローラの重量は、駆動側スプロケットに作用する引っ張り荷重の4%~10%の重量であることを特徴とするパストライザにおける搬送安定化機構。
- 前記ウェイトローラは、ネットコンベヤの伸長・収縮に応じて、上下動するように支持されることを特徴とする請求項1記載のパストライザにおける搬送安定化機構。
- 前記駆動側スプロケットの歯がネットコンベヤに噛み合う掛かり代寸法は、10mm以下であり、この駆動側スプロケットに巻回されるネットコンベヤのリンク要素の曲がり角度は、20度を最大限度とすることを特徴とする請求項1または2記載のパストライザにおける搬送安定化機構。
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