JP7435365B2 - バケットコンベアおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、バケットへの搬送物付着を防止するため、バケット本体の全外面を耐摩耗性軟質ゴムでライニングし、バケット本体の全内面に接着用下地ゴムをライニングし、そのうちの内底面には発泡ゴム層を形成した上で、補強用繊維を埋設する高張力軟質ゴム層を形成したアンローダのバケットが開示されている。
特許文献2には、使用時の騒音や振動をより低減させることを目的とし、ホッパーの鋼製の箱体の内面に耐摩耗性および吸振性を有する樹脂塗膜で被覆されたホッパーが開示されている。
特許文献3には、対象物の付着を防止することを目的とし、鋼鉄製の基材に耐摩耗性のあるアルミニウムや亜鉛等の金属材料の溶射材を溶射した後、溶射材の表面にフッ素系樹脂等の非粘着性物質である表面材を塗装したアンローダのバケットが開示されている。
しかしながら、バケットのコンベヤーチェーンに対する固定の緩み、ボルト穴部の減肉は課題すら記載されておらず、未解決の課題となったままである。
第2発明のバケットコンベアは、第1発明において、前記バケットは、前記鋼板材の外面側にも耐摩耗性ライニング層が形成されていることを特徴とする。
第3発明のバケットコンベアは、第1または第2発明において、前記耐摩耗性樹脂がポリウレア樹脂であることを特徴とする。
第4発明のバケットコンベアは、第2または第3発明において、前記鋼板材の外面側において、前記取付板が当接する結合面は前記取付板が前記鋼板材の外面側に直接接触する樹脂非吹付け面とされていることを特徴とする。
第5発明のバケットコンベアの製造方法は、鋼板材で構成されたバケットを牽引部材の取付板にボルト結合部材で取付ける第1取付工程、前記バケットの内面に耐摩耗性樹脂を吹付けて耐摩耗性ライニング層を形成する吹付け工程、吹付けられた耐摩耗性樹脂が固化する前であって流動性が無くなった時点において前記ボルト結合部材を取外して前記耐摩耗性樹脂が存在しない露出部を形成する取外し工程、前記耐摩耗性樹脂が固化した後で前記ボルト結合部材で前記バケットを前記取付板に結合する第2取付工程、を順に実行することを特徴とする。
第2発明によれば、バケットの内面側のほか外面側にも耐摩耗性ライニング層が存在するので、バケットの内面側だけでなく外面側での摩耗を緩和できる。
第3発明によれば、ポリウレア樹脂は、高い伸び率と強靭な引張強度で優れた耐衝撃性が得られ、かつ柔軟性があることで騒音も低減できる。そして長期にわたって耐摩耗性を発揮できるのでバケットの寿命延長とバケット脱落防止効果が長くなる。
第4発明によれば、牽引部材の取付板を、バケットを構成する鋼板材の外面側に直接接触させることができるので、バケットを牽引部材に確実に固定することができる。その結果、ボルトの緩みによるバケットの脱落を長期にわたって防止することができる。
第5発明によれば、第1取付工程でボルト結合部材でバケットを取付板に取付けておき、吹付け工程で耐摩耗性樹脂を吹付けると、ボルト結合部材の表面も含めてバケット内面に耐摩耗性樹脂のライニング層を形成できる。耐摩耗性樹脂が固化する前に取外し工程を実行してボルト結合部材を取外すと、ボルト結合部材が存在していた部分のみから耐摩耗性樹脂を除去して鋼板材を露出させた露出部ができる。そのうえで、再びボルト結合部材でバケットを取付板に結合するとボルト結合部材の座金が直接露出部に置かれ鋼板材と直接結合できるので、長期にわたって高い結合強度を維持できる。このため、非常に簡単な方法で第1発明のバケットを構成できる。また、ライニング層の端部と座金の隙間を最小にできるので、被搬送物により直接露出部が摩耗することを防止することができる。
本発明に係るバケットコンベアは、種々の産業分野で様々な搬送物の搬送に適用することができるが、適用の一例としては、ニッケルの湿式製錬プラントにおけるマット原料の搬送装置をあげることができる。ここでいうマット原料とは、主物質Ni3S2からなる粒径700μm程のニッケル化合物粒子である。このマット原料は硬く比重が大きいので、バケットを構成する金属板と衝突すると、大きな振動と騒音を発生しやすく、金属板に摩耗による減肉を発生させやすい。
下ケーシング10Lの端部にはスプロケット13が取付けられ、上ケーシング10Uの端部にはスプロケット14が取付けられている。そして、ケーシング10M、10L、10Uの適所にはガイドスプロケット16が取付けられている。
バケット1は、側面視で三角形の容器であり、断面V字形をなす2面が鋼板材で形成され、1面が開口部となった公知のものである。
取付板2は断面L字形の部材であり、図中の垂直に示された下板2aは2枚のリンクのうち内側(バケット側)のリンク15aに固定されている。図中の水平に示された上板2bはバケット1の後面板1bにボルト固定されるようになっている。
後面板1bに形成された小孔と上板2bに形成された小孔は、いずれもボルト挿入孔3,4である。
図1に示すバケット1の前面板1aおよび後面板1b、そして図示していないが側板1cの内面には、耐摩耗性ライニング層5が形成されている。
この耐摩耗性ライニング層5は、耐摩耗性樹脂を吹付けることによって形成される。耐摩耗性樹脂としては、バケット1へ投入される被搬送物を受け止めたとき、衝撃を緩和できるものであれば、とくに制限なくあらゆる樹脂を利用できる。衝撃を緩和できれば、減肉も抑制できるからである。
ポリウレア樹脂は、高い伸び率と強靭な引張強度で優れた耐衝撃性が得られ、かつ柔軟性があることで騒音も低減できる。
ポリウレア樹脂のライニングには、吹き付け法が可能であり、それにより、平面的な部分だけでなく、奥まった部分や突起した部分にも耐摩耗性ライニング層5を形成できる。
耐摩耗性ライニング層5は、ぶ厚い膜厚、たとえば1~2mmの膜厚を実現できる。これにより耐衝撃性を長期にわたり発揮することができる。
このため、耐摩耗性ライニング層5の上面に座金を置いて後面板1bと取付板2をボルト締結しても、座金の接触面積が少なかったり、片当りしたりして、必要な強度の締結が得られない。
この露出部6を利用し、座金7を後面板1bの内面に直接接触させ、そのうえで、ボルトの頭をのせるかナットを置く形でボルトとナットを締め付けると、ボルトとナットの緩みは生じなくなる。
I:第1取付工程
バケット1を取付板2にボルト結合部材で取付ける。
ボルト結合部材はボルト8およびナット9、これに座金7(図1にも図示)を組合わせた公知の結合部材である。座金7には平坦な薄金属からなる平座金と、金属鐶の一部に切り目を入れて弾性をもたせたばね座金とがある。本発明では平座金のみを用いる場合、ばね座金のみを用いる場合、平座金とばね座金を組合わせて用いる場合のいずれも採用できる。
図示ではボルト8の頭を取付板2側におき、ナット9をバケット1側にしているが、この配置を逆にして、ボルト8の頭をバケット1側にし、ナット9を取付板2側にしてもよい。
バケット1の内面に耐摩耗性樹脂(代表的にはポリウレア樹脂)を吹付ける。これにより耐摩耗性ライニング層5を形成する。このとき耐摩耗性ライニング層5は、前面板1a、後面板1bおよび側板1cの内面だけでなく、ナット9やボルト8の先端部も被覆するように吹付けられる。
吹付けられた耐摩耗性樹脂(代表的にはポリウレア樹脂)が固化する前であって流動性が無くなった時点においてボルト8とナット9、そして座金7を取り外す。これらのボルト結合部材を取り外すと耐摩耗性樹脂が存在しない露出部6が形成される。ここで形成された露出部6は、その外径が座金7の外径と一致したものとなっている。なお、ポリウレア樹脂であれば硬化時間が短いので、時間管理も必要無く連続した作業を行うことができ、その点でも好都合である。
取外し工程の後で所定時間放置しておくと耐摩耗性ライニング層5が完全に固化する。放置時間については、樹脂の種類、硬化剤等の配合割合等によって変わってくる。一般的なポリウレア樹脂であれば数分以内に硬化するが、完全に固化させるには1時間から数時間を見込むことが望ましい。耐摩耗性ライニング層5が完全に固化した後でボルト8、ナット9および座金7を用いてバケット1を再び前記取付板2に結合する。この場合、座金7は前記露出部6に置かれる。
なお、再結合したナット9の外表面には耐摩耗性樹脂を再塗布してもよい。そうすると、バケット1の内部でナット9のみが被覆なしで早期に摩耗するという不都合がなくなる。
そして、図1に示すように座金7を露出部6に置いた状態で、ボルト8とナット9でバケット1を取付板2に結合すると、図3に示すバケット1の取付け状態が得られる。
図1および図3に示す取付け状態では、ナット9側の座金7は、直接後面板1bの内面に接触するので、ナット9による締付力を平坦な後面板1bの内面に直接伝えることができ、ボルト8およびナット9の緩みを抑制することができる。また、露出部6が被搬送物の衝突により摩耗することも防止できる。
上記実施形態では、バケット1の内面に耐摩耗性ライニング層5を形成したが、バケット1の外面に耐摩耗性ライニング層5を形成してもよい。この場合、バケット1の外面にマット原料が衝突したとしても、それに起因する騒音や振動、および減肉を抑制できる。
このため、取付板2と鋼板材とを直接合わせた状態で、ボルト8およびナット9で締結できるので、バケット1をチェーン15に確実に固定することができる。その結果、ボルト8およびナット9の緩みによるバケット1の脱落を長期にわたって防止することができる。
(実施例1)
マット原料搬送用のバケットコンベア(搬送能力60t/hr)であって、鋼板材がSS400のバケット(幅200×高さ280×長さ600)168個を備えたものを実験に供した。168個のバケット1のうち2個にポリウレア樹脂を用いた耐摩耗性ライニング層5を形成した。この2個のバケットは第1発明の適用品である。
2 取付板
3 ボルト挿入孔
5 耐摩耗性ライニング層
6 露出部
7 座金
8 ボルト
9 ナット
15 チェーン
BC バケットコンベア
Claims (5)
- 鋼板材で構成された複数のバケットを牽引部材の取付板にボルト結合部材で取付けたバケットコンベアであって、
前記バケットの内面には、前記鋼板材の内面側に耐摩耗性樹脂を用いて形成された耐摩耗性ライニング層と、前記鋼板材の内面側において前記ボルト結合部材の座金が位置する部位に前記耐摩耗性樹脂が存在せず前記座金が前記鋼板材の内面側に直接接触する露出部が設けられている
ことを特徴とするバケットコンベア。 - 前記バケットは、前記鋼板材の外面側にも耐摩耗性ライニング層が形成されている
ことを特徴とする請求項1記載のバケットコンベア。 - 前記耐摩耗性樹脂がポリウレア樹脂である
ことを特徴とする請求項1または2記載のバケットコンベア。 - 前記鋼板材の外面側において、前記取付板が当接する結合面は前記取付板が前記鋼板材の外面側に直接接触する樹脂非吹付け面とされている
ことを特徴とする請求項2または3記載のバケットコンベア。 - 鋼板材で構成されたバケットを牽引部材の取付板にボルト結合部材で取付ける第1取付工程、
前記バケットの内面に耐摩耗性樹脂を吹付けて耐摩耗性ライニング層を形成する吹付け工程、
吹付けられた耐摩耗性樹脂が固化する前であって流動性が無くなった時点において前記ボルト結合部材を取外して前記耐摩耗性樹脂が存在しない露出部を形成する取外し工程、
前記耐摩耗性樹脂が固化した後で前記ボルト結合部材で前記バケットを前記取付板に結合する第2取付工程、を順に実行する
ことを特徴とするバケットコンベアの製造方法。
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