以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお、図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、実際の製造工程において、エッチングなどの処理により層やレジストマスクなどが意図せずに目減りすることがあるが、理解を容易とするために省略して示すことがある。また、図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
また、特に上面図(「平面図」ともいう。)や斜視図などにおいて、発明の理解を容易とするため、一部の構成要素の記載を省略する場合がある。また、一部の隠れ線などの記載を省略する場合がある。
また、本明細書等において、第1、第2等として付される序数詞は便宜上用いるものであり、工程順又は積層順を示すものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
また、本明細書等において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。また、構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。したがって、明細書で説明した語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、本明細書等において、「平行」とは、二つの直線が-10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、-5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「略平行」とは、二つの直線が-30°以上30°以下の角度で配置されている状態をいう。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」とは、二つの直線が60°以上120°以下の角度で配置されている状態をいう。
また、本明細書等において、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域又はドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域又はソース電極)の間にチャネル形成領域を有しており、チャネル形成領域を介して、ソースとドレインとの間に電流を流すことができるものである。なお、本明細書等において、チャネル形成領域とは、電流が主として流れる領域をいう。
また、ソースやドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができる場合がある。
なお、トランジスタにおけるチャネル長とは、例えば、半導体(又はトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに重なる領域、又はチャネルが形成される領域における、ソース(ソース領域又はソース電極)とドレイン(ドレイン領域又はドレイン電極)との間の距離をいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。すなわち、一つのトランジスタのチャネル長は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル長は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値又は平均値とする。
また、本明細書等において、酸化窒化シリコン膜とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い膜を指し、窒化酸化シリコン膜とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い膜を指す。
また、本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む。)、酸化物半導体(Oxide Semiconductor又は単にOSともいう。)などに分類される。例えば、トランジスタのチャネル形成領域に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有する場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)、略してOSと呼ぶことができる。また、OS FETあるいはOSトランジスタと記載する場合においては、金属酸化物又は酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
また、本明細書等において、CAAC(C-Axis Aligned Crystal)、及びCAC(Cloud-Aligned Composite)と記載する場合がある。なお、CAACは結晶構造の一例を表し、CACは機能、又は材料の構成の一例を表す。
また、本明細書等において、CAC-OS又はCAC-metal oxideとは、材料の一部では導電性の機能を有し、材料の一部では絶縁性の機能を有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC-OS又はCAC-metal oxideを、トランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(又は正孔)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子(又は正孔)を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC-OS又はCAC-metal oxideに付与することができる。CAC-OS又はCAC-metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
また、本明細書等において、CAC-OS又はCAC-metal oxideは、導電性領域、及び絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
また、CAC-OS又はCAC-metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
また、CAC-OS又はCAC-metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC-OS又はCAC-metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC-OS又はCAC-metal oxideをトランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
すなわち、CAC-OS又はCAC-metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、又は金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
また、本明細書等において、「絶縁体」という用語を、絶縁膜又は絶縁層と言い換えることができる。また、「導電体」という用語を、導電膜又は導電層と言い換えることができる。また、「半導体」という用語を、半導体膜又は半導体層と言い換えることができる。
また、本明細書等に示すトランジスタは、明示されている場合を除き、電界効果トランジスタとする。また、本明細書等に示すトランジスタは、明示されている場合を除き、nチャネル型のトランジスタとする。よって、その閾値電圧(「Vth」ともいう。)は、明示されている場合を除き、0Vよりも大きいものとする。
(実施の形態1)
<半導体装置の構成例1>
以下では、本発明の一態様に係るトランジスタ10を有する半導体装置の構成例について、図1を用いて説明する。
図1(A)は、トランジスタ10を有する半導体装置の上面図である。また、図1(B)は、図1(A)にA1-A2の一点鎖線で示す部位の断面図である。また、図1(C)は、図1(A)にA3-A4の一点鎖線で示す部位の断面図である。ここで、A1-A2の一点鎖線で示す部位と、A3-A4の一点鎖線で示す部位とは、互いに直交している。図1(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
本発明の一態様の半導体装置は、基板(図示しない。)上に、トランジスタ10と、層間膜として機能する絶縁体100、絶縁体102、絶縁体105、絶縁体110、絶縁体175、絶縁体176、絶縁体178、及び絶縁体180と、を有する。また、トランジスタ10と電気的に接続し、配線として機能する導電体185、及び導電体200、並びにプラグとして機能する導電体190、及び導電体195を有する。
導電体185は、絶縁体105に設けられた開口内に形成される。ここで、導電体185の上面の高さと、絶縁体105の上面の高さは、同程度であることが好ましい。なお、図1(B)では、導電体185を単層構造として示しているが、本発明の一態様はこれに限られない。例えば、導電体185は、2層以上の積層構造であってもよい。
導電体190は、絶縁体110に設けられた開口内に形成される。導電体190の底面は、導電体185の上面と接する領域を有するように設けられる。ここで、導電体190の上面の高さと、絶縁体110の上面の高さは、同程度であることが好ましい。なお、図1(B)では、導電体190を単層構造として示しているが、本発明の一態様はこれに限られない。例えば、導電体190は、絶縁体110に設けられた開口の内壁に接して、水素や水などの不純物、及び酸素の透過を抑制する材料からなる導電体を形成し、当該導電体上に、当該導電体よりも導電率の高い材料からなる導電体を形成した2層以上の積層構造であってもよい。
導電体195は、絶縁体175、絶縁体176、絶縁体178、及び絶縁体180に設けられた、導電体140の上面に達する開口内に形成される。ここで、導電体195の上面の高さと、絶縁体180の上面の高さは、同程度であることが好ましい。なお、図1(B)では、導電体195を単層構造として示しているが、本発明の一態様はこれに限られない、例えば、導電体195は、絶縁体175、絶縁体176、絶縁体178、及び絶縁体180に設けられた開口の内壁に接して、水素や水などの不純物、及び酸素の透過を抑制する材料からなる導電体を形成し、当該導電体上に、当該導電体よりも導電率の高い材料からなる導電体を形成した2層以上の積層構造であってもよい。
導電体200は、導電体195の上面と接する領域を有するように、絶縁体180上に形成される。なお、図1(B)では、導電体200を単層構造として示しているが、本発明の一態様はこれに限られない。例えば、導電体200は、2層以上の積層構造であってもよい。
[トランジスタ10]
図1(B)に示すように、トランジスタ10は、絶縁体110の上に配置された導電体120及び酸化物150と、導電体120の上に配置された絶縁体130と、絶縁体130の上に配置された導電体140と、酸化物150の上に配置された絶縁体160と、絶縁体160の上に配置された導電体170と、を有する。ここで、酸化物150は、導電体120、絶縁体130、及び導電体140の側面と接する領域を有するように設けられる。また、絶縁体160は、酸化物150を介して、導電体120、絶縁体130、及び導電体140の側面と向かい合う領域を有するように設けられる。また、導電体170は、酸化物150及び絶縁体160を介して、導電体120、絶縁体130、及び導電体140の側面と向かい合う領域を有するように設けられる。
図1(B)及び図1(C)に示すように、導電体120、絶縁体130、及び導電体140の上には、これらを覆うように絶縁体175が設けられる。絶縁体175には、導電体120、絶縁体130、及び導電体140の側面と内壁の一部が重なる開口が設けられ、当該開口の内壁に沿って酸化物150が設けられ、酸化物150の上に絶縁体160が設けられ、絶縁体160の上に当該開口を埋め込むように導電体170が設けられる。ここで、図1(B)に示すように、酸化物150、絶縁体160、及び導電体170の最上面の高さは、絶縁体175の上面の高さと同程度であることが好ましい。なお、図1(B)では、酸化物150を単層構造として示しているが、本発明の一態様はこれに限られない。例えば、酸化物150は、2層以上の積層構造であってもよい。
トランジスタ10において、導電体120は、ソース電極又はドレイン電極の一方としての機能を有し、導電体140は、ソース電極又はドレイン電極の他方としての機能を有し、酸化物150の絶縁体130と重なる領域は、チャネル形成領域としての機能を有し、絶縁体160は、ゲート絶縁体としての機能を有し、導電体170は、ゲート電極としての機能を有する。
上述のように、本発明の一態様に係るトランジスタ10は、ソース電極又はドレイン電極の一方として機能する導電層(導電体120)、チャネル形成領域として機能する酸化物と接する領域を有する絶縁層(絶縁体130)、及び、ソース電極又はドレイン電極の他方として機能する導電層(導電体140)が、下から順に積層された構成を有する。すなわち、トランジスタ10では、キャリア(電子又は正孔)が流れる方向(チャネル長方向)が、基板面に対して略垂直な方向となる。トランジスタ10が当該構成を有することで、トランジスタ10のチャネル長は、ソース電極とドレイン電極の間に挟まれた絶縁体130の膜厚で規定される。したがって、トランジスタ10のチャネル長を、絶縁体130の成膜時の膜厚で制御することが可能となる。例えば、トランジスタ10のチャネル長を、1nm以上100nm以下の範囲で任意に制御することが可能となる。そのため、リソグラフィー法などでチャネル長を形成する場合よりも、基板面内で精度良く複数の微細なトランジスタを作製することができる。
なお、トランジスタ10において、チャネル形成領域としての機能を有する酸化物150は、酸化物半導体として機能する金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう。)を用いることが好ましい。金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、非導通状態において極めてリーク電流(オフ電流)が小さいため、低消費電力の半導体装置を提供できる。また、金属酸化物は、スパッタリング法などを用いて成膜できるため、高集積型の半導体装置を構成するトランジスタに用いることができる。
一方で、金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、金属酸化物中の不純物又は酸素欠損によって電気特性が変動しやすく、信頼性が悪くなる場合がある。また、金属酸化物に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。当該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。したがって、酸素欠損が含まれている金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、ノーマリーオン特性となりやすい。このため、金属酸化物中の酸素欠損はできる限り低減されていることが好ましい。
特に、酸化物150が有するチャネル形成領域と、ゲート絶縁体として機能する絶縁体160との界面に、酸素欠損が存在すると、トランジスタ10の電気特性の変動が生じやすく、また信頼性が悪くなる場合がある。
そこで、酸化物150と接する絶縁体160が、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素(過剰酸素ともいう。)を含むことが好ましい。つまり、絶縁体160が有する過剰酸素が、酸化物150が有するチャネル形成領域へと拡散することで、当該チャネル形成領域中の酸素欠損を低減することができる。
さらに、トランジスタ10は、水又は水素などの不純物の混入を防ぐバリア性を有する絶縁体で覆われていることが好ましい。バリア性を有する絶縁体とは、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(N2O、NO、NO2など)、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する(上記不純物が透過しにくい。)絶縁性材料を用いた絶縁体である。また、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子など)の少なくとも一の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい。)絶縁性材料を用いることが好ましい。
例えば、トランジスタ10を、バリア性を有する絶縁体102上に設ける。また、トランジスタ10上に、バリア性を有する絶縁体178を設ける。絶縁体102と、絶縁体178とが、トランジスタ10の上下に配置された構造とすることで、トランジスタ10を、バリア性を有する絶縁体で挟むことができる。当該構造により、水素、水などの不純物が、絶縁体102の下層から、及び、絶縁体178の上層から、トランジスタ10に混入するのを抑制することができる。又は、絶縁体130及び絶縁体160に含まれる酸素が、絶縁体102の下層、及び、絶縁体178の上層へ拡散するのを抑制することができる。これにより、絶縁体130及び絶縁体160に含まれる酸素を、酸化物150が有するチャネル形成領域に効率良く供給することができる。
以下では、本発明の一態様に係るトランジスタ10を有する半導体装置の詳細な構成について説明する。
絶縁体102及び絶縁体178は、水又は水素などの不純物が、当該絶縁体よりも外側からトランジスタ10に混入するのを防ぐバリア膜として機能することが好ましい。したがって、絶縁体102及び絶縁体178は、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(N2O、NO、NO2など)、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する(上記不純物が透過しにくい。)絶縁性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子など)の少なくとも一の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい。)絶縁性材料を用いることが好ましい。
例えば、絶縁体102及び絶縁体178として、酸化アルミニウムや窒化シリコンなどを用いることが好ましい。これにより、水素、水などの不純物が、当該絶縁体よりも内側(トランジスタ10側)に拡散するのを抑制することができる。又は、絶縁体130などに含まれる酸素が、絶縁体102及び絶縁体178よりも外側に拡散するのを抑制することができる。
また、例えば、絶縁体102及び絶縁体178としては、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、窒化シリコンなどの絶縁体を単層又は積層で用いることができる。
また、層間膜として機能する絶縁体100、絶縁体105、絶縁体110、絶縁体175、絶縁体176、及び絶縁体180は、絶縁体102及び絶縁体178よりも誘電率が低いことが好ましい。当該絶縁体に、比較的誘電率が低い材料を用いることで、例えば、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
例えば、絶縁体100、絶縁体105、絶縁体110、絶縁体175、絶縁体176、及び絶縁体180として、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)又は(Ba,Sr)TiO3(BST)などの絶縁体を単層又は積層で用いることができる。又は、これらの絶縁体に、例えば、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。又は、これらの絶縁体を窒化処理してもよい。上記の絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコン又は窒化シリコンを積層して用いてもよい。なお、上記の各種絶縁体は、膜中における水素や水などの不純物濃度が、可能な限り低減されていることが好ましい。
また、トランジスタ10において、絶縁体130は、ソース電極又はドレイン電極の一方として機能する導電体120と、ソース電極又はドレイン電極の他方として機能する導電体140とを、物理的かつ電気的に隔離する機能を有する。絶縁体130の膜厚は、1nm以上100nm以下であることが好ましい。上述したように、絶縁体130の側面は、酸化物150が有するトランジスタ10のチャネル形成領域と接している。そのため、絶縁体130は、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物絶縁体を用いることが好ましい。つまり、絶縁体130には、過剰酸素領域が形成されていることが好ましい。このような過剰酸素を含む絶縁体を酸化物150に接して設けることにより、酸化物150が有するチャネル形成領域の酸素欠損を低減し、トランジスタ10の信頼性を向上させることができる。
過剰酸素領域を有する絶縁体として、具体的には、加熱により一部の酸素が脱離する酸化物材料を用いることが好ましい。加熱により酸素が脱離する酸化物とは、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy)分析にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1014atoms/cm2以上、好ましくは3.0×1015atoms/cm2以上である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては、100℃以上700℃以下の範囲が好ましい。
なお、絶縁体130は、酸素をできるだけ含んでいたほうが良い一方で、水素や水などについては、できるだけ含んでいないことが好ましい。これは、トランジスタ10にとって、水素や水などが電気特性を変動させる要因となり得るためである。そのため、チャネル形成領域として機能する酸化物150中だけでなく、酸化物150と接する絶縁体130についても、トランジスタ10にとって不純物となり得る水素や水などの含有濃度が可能な限り低減されていることが好ましい。
また、トランジスタ10のチャネル形成領域として機能する酸化物150には、酸化物半導体として機能する金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう。)を用いることが好ましい。例えば、チャネル形成領域に用いる金属酸化物としては、バンドギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上のものを用いることが好ましい。このように、バンドギャップの大きい金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
酸化物150は、各金属原子の原子数比が異なる酸化物を用いた、2層以上の積層構造を有していてもよい。例えば、酸化物150が、酸化物150a(1層目)と、酸化物150b(2層目)と、からなる2層構造である場合、酸化物150bに用いる金属酸化物において、構成元素中の元素Mの原子数比が、酸化物150aに用いる金属酸化物における、構成元素中の元素Mの原子数比より、大きいことが好ましい。また、酸化物150bに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物150aに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物150aに用いる金属酸化物において、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物150bに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。
酸化物150が上記構成を有する場合、主として、酸化物150aが、トランジスタ10のチャネル形成領域として機能する。ここで、異なる材料からなる絶縁体160と酸化物150bの界面には、組成の近い材料からなる酸化物150aと酸化物150bの界面よりも欠陥準位が形成されやすい。当該欠陥準位は、トランジスタ10の電気特性変動や、信頼性悪化を引き起こすトラップ準位となり得るが、酸化物150a上に酸化物150bを有する構成とすることで、当該欠陥準位を酸化物150aから離すことができる。これにより、トランジスタ10は、良好な電気特性と信頼性を提供することができる。
また、酸化物150a上に酸化物150bを有することで、酸化物150bよりも上方から、酸化物150aが有するチャネル形成領域に不純物が拡散するのを抑制することができる。
上述したように、金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、非導通状態において極めてリーク電流が小さいため、低消費電力の半導体装置を提供できる。また、金属酸化物は、スパッタリング法などを用いて成膜できるため、高集積型の半導体装置を構成するトランジスタに用いることができる。
例えば、酸化物150として、In-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種)等の金属酸化物を用いるとよい。また、酸化物150として、In-Ga酸化物、In-Zn酸化物を用いてもよい。
導電体120及び導電体140は、トランジスタ10のソース電極又はドレイン電極としての機能を有する。図1(B)及び図1(C)に示すように、導電体120と、導電体140とは、絶縁体130を挟んで上下に設けられる。導電体120及び導電体140には、例えば、窒化タンタル、タングステン、窒化チタンなどの導電体を用いることができる。なお、図1では、導電体120及び導電体140を単層構造として示しているが、2層以上の積層構造であってもよい。
例えば、導電体120及び導電体140が2層構造である場合には、導電体120(導電体140)の1層目(2層目)にタングステンなどの金属を用い、導電体120(導電体140)の2層目(1層目)に窒化チタンや窒化タンタル等の酸素の透過を抑制する機能を有する導電体を用いてもよい。当該構成とすることで、上述したように、導電体120と導電体140とに挟まれた絶縁体130が過剰酸素を含む場合、絶縁体130から導電体120(導電体140)の1層目(2層目)への酸素の混入が低減し、導電体120(導電体140)の1層目(2層目)の電気抵抗値が増加するのを抑制することができる。
また、図1では示していないが、導電体120上(導電体140下)に、酸化アルミニウム等の酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体を成膜する構成としてもよい。例えば、導電体120及び導電体140として、窒化タンタル、タングステン、窒化チタンなどの導電体を用い、導電体120上(導電体140下)に酸化アルミニウム等の絶縁体を積層する構造としてもよい。当該構造とすることで、絶縁体130から導電体120及び導電体140への酸素の混入が低減し、導電体120及び導電体140の電気抵抗値が増加するのを抑制することができる。また、導電体120及び導電体140への酸素の混入が低減する分、酸化物150に多くの酸素を供給することができる。なお、導電体120上(導電体140下)の酸化アルミニウムの成膜にスパッタリング法を用いると、過剰酸素を有する酸化アルミニウムを成膜することができる。当該過剰酸素は、絶縁体130に供給することができる場合がある。さらに、絶縁体130に供給された酸素は、酸化物150に供給することができる場合がある。
また、導電体120又は導電体140は、酸化物150と反応する場合がある。その結果、図1では示していないが、酸化物150と導電体120又は導電体140との界面に、n型化してキャリアが増加した領域が形成される場合がある。当該領域は、トランジスタ10のドレイン電流を増加させるのに寄与する場合がある。
絶縁体160は、トランジスタ10のゲート絶縁体としての機能を有する。絶縁体160は、酸化物150の上面に接して配置されることが好ましい。絶縁体160は、加熱により酸素が放出される絶縁体を用いて形成されることが好ましい。例えば、絶縁体160は、昇温脱離ガス分光法分析(TDS分析)にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1014atoms/cm2以上、好ましくは3.0×1015atoms/cm2以上である酸化物膜であることが好ましい。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては、100℃以上700℃以下の範囲が好ましい。
加熱により酸素が放出される絶縁体を、絶縁体160として、酸化物150の上面に接して設けることにより、酸化物150が有するチャネル形成領域に効率良く酸素を供給することができる。また、絶縁体130と同様に、絶縁体160中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。絶縁体160の膜厚は、1nm以上20nm以下とするのが好ましい。なお、図1では、絶縁体160を単層構造として示しているが、2層以上の積層構造であってもよい。
導電体170は、トランジスタ10のゲート電極としての機能を有する。導電体170には、例えば、タングステンなどの金属を用いることができる。なお、図1では、導電体170を単層構造として示しているが、2層以上の積層構造であってもよい。
例えば、導電体170が3層構造である場合には、導電体170の1層目に導電性酸化物を用い、導電体170の2層目に窒化チタンを用い、導電体170の3層目にタングステンなどの金属を用いることが好ましい。なお、導電体170が上記のような3層構造を有する場合、導電体170の1層目は、絶縁体160の上面に沿って配置され、導電体170の2層目は、導電体170の1層目の上面に沿って配置され、導電体170の3層目は、導電体170が設けられる残りの空間を埋め込むように形成されることが好ましい。また、導電体170の1層目、導電体170の2層目、及び導電体170の3層目の最上面の高さは、絶縁体175の上面の高さと同程度であることが好ましい。
導電体170の1層目に用いることができる導電性酸化物としては、例えば、酸化物150として用いることができる金属酸化物が挙げられる。特に、In-Ga-Zn酸化物のうち、導電性が高い、金属の原子数比が[In]:[Ga]:[Zn]=4:2:3から4.1、及びその近傍値の金属酸化物を用いることが好ましい。このような金属酸化物を導電体170の1層目に用いることで、導電体170の1層目の下側から導電体170の2層目、3層目に酸素が混入するのを低減し、酸化によって導電体170の2層目、3層目の電気抵抗値が増加するのを抑制することができる。
また、導電体170の1層目に用いることができる上記導電性酸化物を、スパッタリング法を用いて成膜することで、絶縁体160に酸素を添加し、酸化物150に酸素を供給することが可能となる。これにより、酸化物150が有するチャネル形成領域の酸素欠損を低減することができる。
導電体170の2層目には、上述したように、例えば、窒化チタンなどの金属窒化物を用いることができる。導電体170の2層目に金属窒化物を用いることで、導電体170の1層目に窒素などの不純物を添加して、導電体170の1層目の導電性を向上させてもよい。また、導電体170の3層目には、例えば、タングステンなどの金属を用いることができる。タングステンなどの低抵抗率材料を用いることで、導電体170の電気抵抗値を下げることができる。
また、例えば、導電体170が2層構造である場合には、1層目に窒化チタンなどの金属窒化物、2層目にタングステンなどの金属を積層した構造にしてもよい。
また、図1では示していないが、絶縁体175と絶縁体176との間に、酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体を成膜する構成としてもよい。例えば、当該絶縁体として、酸化アルミニウム等の絶縁体を成膜する構成としてもよい。当該構成とすることで、酸化アルミニウム等の絶縁体上から導電体170への酸素の混入が低減し、導電体170が酸化するのを抑制することができる。
また、ゲート電極としての機能を有する導電体170は、導電体120、絶縁体130、及び導電体140の側面と一部が重なる領域を有するように絶縁体175に設けられた開口を、酸化物150及び絶縁体160を介して埋め込むように形成される(図1(A)及び図1(B)参照。)。ゲート電極形成にマスクを用いる場合、ゲート電極形成サイズが小さいほど当該マスクの高い位置合わせ精度が求められるが、本発明の一態様に係るトランジスタ10では、ゲート電極形成のためのマスクや、当該マスクの位置合わせが不要である。そのため、ゲート電極形成にマスクを用いる場合に比べて、高い精度で微細なゲート電極を形成することができ、生産性に優れる。
上述してきたように、トランジスタ10において、導電体120は、ソース電極又はドレイン電極の一方としての機能を有し、導電体140は、ソース電極又はドレイン電極の他方としての機能を有し、酸化物150の絶縁体130と重なる領域は、チャネル形成領域としての機能を有し、絶縁体160は、ゲート絶縁体としての機能を有し、導電体170は、ゲート電極としての機能を有する。したがって、トランジスタ10では、導電体120と導電体140の間に挟まれた絶縁体130と接する領域における酸化物150の長さ(すなわち、絶縁体130の膜厚)が、トランジスタ10のチャネル長に相当する。当該構成により、トランジスタ10では、絶縁体130の成膜時の膜厚によって、チャネル長を制御することが可能であり、リソグラフィー法では作製が困難な数nm、あるいはそれ以下にまでチャネル長を微細化することができる。また、絶縁体130の成膜時の膜厚によってチャネル長を制御できるため、リソグラフィー法でチャネル長を形成する場合のようなレジスト寸法ばらつきの精度なども求められず、容易に基板面内における素子間の加工ばらつきを抑えることができる。すなわち、本発明の一態様に係るトランジスタ10は、設計自由度の高いトランジスタであり、複数の微細なチャネル長のトランジスタを、基板面内で精度良く作製することができる。また、基板面内において、加工ばらつきの小さい複数のトランジスタを作製できるため、リソグラフィー法でチャネル長を形成した場合などと比べて、素子間の電気特性ばらつきを低減させることができる。
また、本発明の一態様に係るトランジスタ10は、上述のチャネル長以外にも、ソース電極又はドレイン電極としての機能を有する導電体120及び導電体140が、絶縁体130を挟んで上下に設けられている点に特徴を有する。絶縁体130を介して、ソース電極としての機能を有する導電体と、ドレイン電極としての機能を有する導電体とを、上述のように基板面に対して垂直な方向に積層した構成とすることで、ソース電極又はドレイン電極としての機能を有する導電体の、基板面内での占有面積を減少させることができる。これにより、個々のトランジスタ10の微細化を図ることができる。また、個々のトランジスタ10の微細化を図ることができるため、当該トランジスタ10を有する半導体装置の高集積化を図ることができる。
このように、本発明の一態様に係るトランジスタ10では、ソース電極又はドレイン電極の一方となる導電体、絶縁体、及びソース電極又はドレイン電極の他方となる導電体が順に成膜された「縦型トランジスタ構造」とすることにより、極めて微細なチャネル長を有する複数のトランジスタを、精度良くかつ容易に作製することができる。また、基板面内において、素子間の電気特性ばらつきが小さいトランジスタを作製することができる。また、トランジスタの微細化を図ることができる。また、当該トランジスタを有する半導体装置の高集積化を図ることができる。
なお、トランジスタの微細化が進み、チャネル長が短くなると、トランジスタのVg(ゲート電位)-Id(ドレイン電流)特性におけるVthが低下する(マイナスシフトする。)、サブスレッショルドスイング値(S値)が増大する、オフ電流が増大するなどの不具合、いわゆる「短チャネル効果」が顕在化しやすくなる。しかしながら、上述したように、本発明の一態様に係るトランジスタ10では、チャネル形成領域を有する酸化物150に金属酸化物を用いることができる。そのため、例えば、チャネル形成領域にSiを用いたトランジスタに比べて短チャネル効果が出にくく、オフ電流を大幅に低減することができる。すなわち、本発明の一態様に係るトランジスタ10は、微細化を進めても、良好な電気特性を有することができる。なお、金属酸化物の詳細については、後ほど<半導体装置の構成要素>にて説明する。
導電体190(導電体195)は、トランジスタ10のソース電極又はドレイン電極の一方(他方)としての機能を有する導電体120(導電体140)と、配線としての機能を有する導電体185(導電体200)とを、接続するプラグとしての機能を有する。導電体190(導電体195)は、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、図1では示していないが、導電体190(導電体195)は積層構造としてもよく、例えば、絶縁体110(絶縁体175、絶縁体176、絶縁体178、及び絶縁体180)に設けられた開口の内壁と、導電体185(導電体200)の上面(底面)とに接して、チタン、窒化チタン等を成膜し、その内側に上記導電性材料を設ける構成としてもよい。
導電体190(導電体195)を積層構造とする場合、絶縁体110(絶縁体175、絶縁体176、絶縁体178、及び絶縁体180)に設けられた開口の内壁、及び、導電体185(導電体200)の上面(底面)と接する導電体としては、水素や水などの不純物の透過を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。例えば、タンタル、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、ルテニウム又は酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。また、水又は水素などの不純物の透過を抑制する機能を有する導電性材料は、単層又は積層で用いてもよい。当該導電性材料を用いることで、絶縁体110(絶縁体180)より下層(上層)から水素や水などの不純物が、導電体190(導電体195)を通じて酸化物150に混入するのを抑制することができる。
配線としての機能を有する導電体185(導電体200)としては、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、当該導電体は、積層構造としてもよく、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。
以上では、本発明の一態様に係るトランジスタ10を有する半導体装置の構成例について説明した。上述してきたように、本発明の一態様では、リソグラフィー法では作製することが困難な数nm、あるいはそれ以下のチャネル長の複数のトランジスタを、基板面内において、精度良くかつ容易に作製することができる。また、本発明の一態様では、基板面内において、素子間の電気特性ばらつきが小さいトランジスタを作製することができる。また、本発明の一態様では、チャネル長が微細でありながら、短チャネル効果の顕在化しにくい、良好な電気特性を有するトランジスタを作製することができる。また、本発明の一態様では、チャネル長だけでなく、配線やプラグも含めた素子サイズの微細なトランジスタを作製することができる。また、本発明の一態様では、上記微細なトランジスタを作製できることで、上記トランジスタを有する半導体装置の高集積化を図ることができる。また、本発明の一態様では、上記半導体装置を、高歩留まりで作製することができる。
<半導体装置の構成例2>
以下では、<半導体装置の構成例1>で示したトランジスタ10を有する半導体装置とは異なる、本発明の一態様に係るトランジスタ11を有する半導体装置の構成例について、図2を用いて説明する。
図2(A)は、トランジスタ11を有する半導体装置の上面図である。また、図2(B)は、図2(A)にB1-B2の一点鎖線で示す部位の断面図である。また、図2(C)は、図2(A)にB3-B4の一点鎖線で示す部位の断面図である。ここで、B1-B2の一点鎖線で示す部位と、B3-B4の一点鎖線で示す部位とは、互いに直交している。図2(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
なお、図2に示す半導体装置において、<半導体装置の構成例1>で示した半導体装置を構成する構造と同機能を有する構造には、同符号を付記している。また、以下では、主に、<半導体装置の構成例1>で説明した半導体装置と異なる部分について説明を行い、それ以外の部分については、<半導体装置の構成例1>で説明した内容を参酌できるものとする。
図2に示す半導体装置は、図2(A)及び図2(B)に示すように、ソース電極又はドレイン電極として機能する導電体、当該導電体と上下配線を接続するプラグとしての機能を有する導電体などが、酸化物150、絶縁体160、及び導電体170を挟んで、対向して設けられたトランジスタ11を有している点が、<半導体装置の構成例1>で示した半導体装置(図1参照。)と異なる。
本発明の一態様の半導体装置は、基板(図示しない。)上に、トランジスタ11と、層間膜として機能する絶縁体100、絶縁体102、絶縁体105、絶縁体110、絶縁体175、絶縁体176、絶縁体178、及び絶縁体180と、を有する。また、トランジスタ11と電気的に接続し、配線として機能する導電体185_1、導電体185_2、導電体200_1、及び導電体200_2、並びにプラグとして機能する導電体190_1、導電体190_2、導電体195_1、及び導電体195_2を有する。ここで、導電体185_1と導電体185_2、導電体190_1と導電体190_2、導電体195_1と導電体195_2、及び導電体200_1と導電体200_2は、いずれも酸化物150、絶縁体160、及び導電体170を挟んで対向して設けられる(図2(B)参照。)。
導電体185_1(導電体185_2)は、絶縁体105に設けられた開口内に形成される。ここで、導電体185_1(導電体185_2)の上面の高さと、絶縁体105の上面の高さは、同程度であることが好ましい。なお、図2(B)では、導電体185_1(導電体185_2)を単層構造として示しているが、本発明の一態様はこれに限られない。例えば、導電体185_1(導電体185_2)は、2層以上の積層構造であってもよい。
導電体190_1(導電体190_2)は、絶縁体110に設けられた開口内に形成される。導電体190_1(導電体190_2)の底面は、導電体185_1(導電体185_2)の上面と接する領域を有するように設けられる。ここで、導電体190_1(導電体190_2)の上面の高さと、絶縁体110の上面の高さは、同程度であることが好ましい。なお、図2(B)では、導電体190_1(導電体190_2)を単層構造として示しているが、本発明の一態様はこれに限られない。例えば、導電体190_1(導電体190_2)は、絶縁体110に設けられた開口の内壁に接して、水素や水などの不純物、及び酸素の透過を抑制する材料からなる導電体を形成し、当該導電体上に、当該導電体よりも導電率の高い材料からなる導電体を形成した2層以上の積層構造であってもよい。
導電体195_1(導電体195_2)は、絶縁体175、絶縁体176、絶縁体178、及び絶縁体180に設けられた導電体140_1(導電体140_2)の上面に達する開口内に形成される。ここで、導電体195_1(導電体195_2)の上面の高さと、絶縁体180の上面の高さは、同程度であることが好ましい。なお、図2(B)では、導電体195_1(導電体195_2)を単層構造として示しているが、本発明の一態様はこれに限られない、例えば、導電体195_1(導電体195_2)は、絶縁体175、絶縁体176、絶縁体178、及び絶縁体180に設けられた開口の内壁に接して、水素や水などの不純物、及び酸素の透過を抑制する材料からなる導電体を形成し、当該導電体上に、当該導電体よりも導電率の高い材料からなる導電体を形成した2層以上の積層構造であってもよい。
導電体200_1(導電体200_2)は、導電体195_1(導電体195_2)の上面と接する領域を有するように、絶縁体180上に形成される。なお、図2(B)では、導電体200_1(導電体200_2)を単層構造として示しているが、本発明の一態様はこれに限られない。例えば、導電体200_1(導電体200_2)は、2層以上の積層構造であってもよい。
[トランジスタ11]
図2(B)に示すように、トランジスタ11は、絶縁体110の上に配置された導電体120_1、導電体120_2、及び酸化物150と、導電体120_1の上に配置された絶縁体130_1と、導電体120_2の上に配置された絶縁体130_2と、絶縁体130_1の上に配置された導電体140_1と、絶縁体130_2の上に配置された導電体140_2と、酸化物150の上に配置された絶縁体160と、絶縁体160の上に配置された導電体170と、を有する。ここで、導電体120_1、絶縁体130_1、及び導電体140_1と、導電体120_2、絶縁体130_2、及び導電体140_2とは、いずれも酸化物150、絶縁体160、及び導電体170を挟んで対向して設けられる。また、酸化物150は、導電体120_1、絶縁体130_1、及び導電体140_1と、導電体120_2、絶縁体130_2、及び導電体140_2の、互いに向かい合う側面と接する領域を有するように設けられる。また、絶縁体160は、酸化物150を介して、導電体120_1(導電体120_2)、絶縁体130_1(絶縁体130_2)、及び導電体140_1(導電体140_2)の側面と向かい合う領域を有するように設けられる。また、導電体170は、酸化物150及び絶縁体160を介して、導電体120_1(導電体120_2)、絶縁体130_1(絶縁体130_2)、及び導電体140_1(導電体140_2)の側面と向かい合う領域を有するように設けられる。
図2(B)及び図2(C)に示すように、導電体120_1、導電体120_2、絶縁体130_1、絶縁体130_2、導電体140_1、及び導電体140_2の上には、これらを覆うように絶縁体175が設けられる。絶縁体175には、導電体120_1(導電体120_2)、絶縁体130_1(絶縁体130_2)、及び導電体140_1(導電体140_2)の側面と内壁の一部が重なる開口が設けられ、当該開口の内壁に沿って酸化物150が設けられ、酸化物150の上に絶縁体160が設けられ、絶縁体160の上に当該開口を埋め込むように導電体170が設けられる。ここで、図2(B)に示すように、酸化物150、絶縁体160、及び導電体170の最上面の高さは、絶縁体175の上面の高さと同程度であることが好ましい。なお、図2(B)では、酸化物150を単層構造として示しているが、本発明の一態様はこれに限られない。例えば、酸化物150は、2層以上の積層構造であってもよい。
トランジスタ11において、導電体120_1は、ソース電極又はドレイン電極の一方としての機能を有し、導電体140_1は、ソース電極又はドレイン電極の他方としての機能を有し、酸化物150の絶縁体130_1と重なる領域は、チャネル形成領域としての機能を有し、絶縁体160は、ゲート絶縁体としての機能を有し、導電体170は、ゲート電極としての機能を有する。同様に、トランジスタ11において、導電体120_2は、ソース電極又はドレイン電極の一方としての機能を有し、導電体140_2は、ソース電極又はドレイン電極の他方としての機能を有し、酸化物150の絶縁体130_2と重なる領域は、チャネル形成領域としての機能を有し、絶縁体160は、ゲート絶縁体としての機能を有し、導電体170は、ゲート電極としての機能を有する。
すなわち、トランジスタ11は、1つのゲート電極(導電体170)と、1つのゲート絶縁体(絶縁体160)と、2組のソース電極又はドレイン電極(導電体120_1及び導電体140_1、導電体120_2及び導電体140_2)と、2つのチャネル形成領域(酸化物150の絶縁体130_1と重なる領域、酸化物150の絶縁体130_2と重なる領域)と、で構成されたトランジスタであるといえる。あるいは、トランジスタ11は、ゲート電極としての機能を有する導電体170と、ゲート絶縁体としての機能を有する絶縁体160と、ソース電極又はドレイン電極としての機能を有する導電体120_1及び導電体140_1と、チャネル形成領域としての機能を有する酸化物150(絶縁体130_1と重なる領域)とからなるトランジスタと、ゲート電極としての機能を有する導電体170と、ゲート絶縁体としての機能を有する絶縁体160と、ソース電極又はドレイン電極としての機能を有する導電体120_2及び導電体140_2と、チャネル形成領域としての機能を有する酸化物150(絶縁体130_2と重なる領域)とからなるトランジスタと、で構成されているといえる。
トランジスタ11が上記構成を有することで、トランジスタ11は、<半導体装置の構成例1>で示した半導体装置が有するトランジスタ10(図1参照。)よりも大きなドレイン電流を出力させることができる。例えば、トランジスタ11のソース電極又はドレイン電極の一方としての機能を有する導電体120_1と導電体120_2とを、導電体190_1、導電体185_1、導電体190_2、及び導電体185_2を介して電気的に接続し、ソース電極又はドレイン電極の他方としての機能を有する導電体140_1と導電体140_2とを、導電体195_1、導電体200_1、導電体195_2、及び導電体200_2を介して電気的に接続した場合を考える。この場合、ゲート電極としての機能を有する導電体170に、トランジスタ11がオン状態となる電位を印加することで、トランジスタ11は、同じ大きさの電位を導電体170に印加した場合におけるトランジスタ10の2倍のドレイン電流を出力させることができる。トランジスタ11が、上述したような電気的な接続構成を有することで、トランジスタ11は、単純にトランジスタ10を2つ併設した場合よりも小さい占有面積で、トランジスタ10を2つ併設した場合と同等の電流出力能力を得ることができる。
また、導電体185_1と導電体185_2、及び導電体200_1と導電体200_2を電気的に接続せず、トランジスタ11を構成する2つのトランジスタを、それぞれ独立して制御する構成としてもよい。すなわち、トランジスタ11は、ゲート電極としての機能を有する導電体170と、ゲート絶縁体としての機能を有する絶縁体160と、ソース電極又はドレイン電極としての機能を有する導電体120_1及び導電体140_1と、チャネル形成領域としての機能を有する酸化物150(絶縁体130_1と重なる領域)とからなるトランジスタと、ゲート電極としての機能を有する導電体170と、ゲート絶縁体としての機能を有する絶縁体160と、ソース電極又はドレイン電極としての機能を有する導電体120_2及び導電体140_2と、チャネル形成領域としての機能を有する酸化物150(絶縁体130_2と重なる領域)とからなるトランジスタとを、それぞれ独立して制御する構成としてもよい。
なお、トランジスタ11において、導電体185_1(導電体185_2)は、トランジスタ10の導電体185と同じ材料を用いることができる。また、導電体190_1(導電体190_2)は、トランジスタ10の導電体190と同じ材料を用いることができる。また、導電体120_1(導電体120_2)は、トランジスタ10の導電体120と同じ材料を用いることができる。また、絶縁体130_1(絶縁体130_2)は、トランジスタ10の絶縁体130と同じ材料を用いることができる。また、導電体140_1(導電体140_2)は、トランジスタ10の導電体140と同じ材料を用いることができる。また、導電体195_1(導電体195_2)は、トランジスタ10の導電体195と同じ材料を用いることができる。また、導電体200_1(導電体200_2)は、トランジスタ10の導電体200と同じ材料を用いることができる。
トランジスタ11を有する半導体装置において、上で説明してきた以外の構成、効果については、<半導体装置の構成例1>で説明したトランジスタ10を有する半導体装置の構成、効果を参酌することができる。
以上では、<半導体装置の構成例1>で示したトランジスタ10を有する半導体装置とは異なる、本発明の一態様に係るトランジスタ11を有する半導体装置の構成例について説明した。上述してきたように、本発明の一態様では、リソグラフィー法では作製することが困難な数nm、あるいはそれ以下のチャネル長の複数のトランジスタを、基板面内において、精度良くかつ容易に作製することができる。また、本発明の一態様では、基板面内において、素子間の電気特性ばらつきが小さいトランジスタを作製することができる。また、本発明の一態様では、チャネル長が微細でありながら、短チャネル効果の顕在化しにくい、良好な電気特性を有するトランジスタを作製することができる。また、本発明の一態様では、チャネル長だけでなく、配線やプラグも含めた素子サイズの微細なトランジスタを作製することができる。また、本発明の一態様では、微細でありながら、オン電流の大きなトランジスタを作製することができる。また、本発明の一態様では、上記微細なトランジスタを作製できることで、上記トランジスタを有する半導体装置の高集積化を図ることができる。また、本発明の一態様では、上記半導体装置を、高歩留まりで作製することができる。
<半導体装置の構成例3>
以下では、<半導体装置の構成例1>で示したトランジスタ10を有する半導体装置、及び<半導体装置の構成例2>で示したトランジスタ11を有する半導体装置とは異なる、本発明の一態様に係るトランジスタ12を有する半導体装置の構成例について、図3を用いて説明する。
図3(A)は、トランジスタ12を有する半導体装置の上面図である。また、図3(B)は、図3(A)にC1-C2の一点鎖線で示す部位の断面図である。また、図3(C)は、図3(A)にC3-C4の一点鎖線で示す部位の断面図である。ここで、C1-C2の一点鎖線で示す部位と、C3-C4の一点鎖線で示す部位とは、互いに直交している。図3(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
なお、図3に示す半導体装置において、<半導体装置の構成例1>又は<半導体装置の構成例2>で示した半導体装置を構成する構造と同機能を有する構造には、同符号を付記している。また、以下では、主に、<半導体装置の構成例1>又は<半導体装置の構成例2>で説明した半導体装置と異なる部分について説明を行い、それ以外の部分については、<半導体装置の構成例1>又は<半導体装置の構成例2>で説明した内容を参酌できるものとする。
図3に示す半導体装置は、図3(A)及び図3(B)に示すように、ソース電極又はドレイン電極として機能する導電体、当該導電体と上下配線を接続するプラグとしての機能を有する導電体などが、絶縁体160、及び導電体170を挟んで、対向して設けられたトランジスタ12を有している点が、<半導体装置の構成例1>で示した半導体装置(図1参照。)と異なる。また、酸化物150が、絶縁体160を介して、導電体170の側面と向かい合う領域にのみ設けられており(酸化物150_1、酸化物150_2)、導電体170の底面と重なる領域には設けられていない点が、<半導体装置の構成例2>で示した半導体装置(図2参照。)と異なる。
本発明の一態様の半導体装置は、基板(図示しない。)上に、トランジスタ12と、層間膜として機能する絶縁体100、絶縁体102、絶縁体105、絶縁体110、絶縁体175、絶縁体176、絶縁体178、及び絶縁体180と、を有する。また、トランジスタ12と電気的に接続し、配線として機能する導電体185_1、導電体185_2、導電体200_1、及び導電体200_2、並びにプラグとして機能する導電体190_1、導電体190_2、導電体195_1、及び導電体195_2を有する。ここで、導電体185_1、導電体190_1、導電体195_1、及び導電体200_1と、導電体185_2、導電体190_2、導電体195_2、及び導電体200_2とは、いずれも絶縁体160及び導電体170を挟んで対向して設けられる(図3(B)参照。)。
なお、図3に示す半導体装置において、導電体185_1(導電体185_2)、導電体190_1(導電体190_2)、導電体195_1(導電体195_2)、及び導電体200_1(導電体200_2)に適用できる構成については、<半導体装置の構成例2>で説明した内容を参酌することができる。
[トランジスタ12]
図3(B)に示すように、トランジスタ12は、絶縁体110の上に配置された導電体120_1、導電体120_2、酸化物150_1、酸化物150_2、及び絶縁体160と、導電体120_1の上に配置された絶縁体130_1と、導電体120_2の上に配置された絶縁体130_2と、絶縁体130_1の上に配置された導電体140_1と、絶縁体130_2の上に配置された導電体140_2と、絶縁体160の上に配置された導電体170と、を有する。ここで、導電体120_1と導電体120_2、絶縁体130_1と絶縁体130_2、導電体140_1と導電体140_2、及び酸化物150_1と酸化物150_2は、いずれも絶縁体160及び導電体170を挟んで対向して設けられる。また、酸化物150_1(酸化物150_2)は、導電体120_1(導電体120_2)、絶縁体130_1(絶縁体130_2)、及び導電体140_1(導電体140_2)の、導電体120_2(導電体120_1)、絶縁体130_2(絶縁体130_1)、及び導電体140_2(導電体140_1)と対向する側面と接する領域を有するように設けられる。また、絶縁体160は、酸化物150_1(酸化物150_2)を介して、導電体120_1(導電体120_2)、絶縁体130_1(絶縁体130_2)、及び導電体140_1(導電体140_2)の側面と向かい合う領域を有するように設けられる。また、導電体170は、酸化物150_1(酸化物150_2)及び絶縁体160を介して、導電体120_1(導電体120_2)、絶縁体130_1(絶縁体130_2)、及び導電体140_1(導電体140_2)の側面と向かい合う領域を有するように設けられる。
図3(B)及び図3(C)に示すように、導電体120_1、導電体120_2、絶縁体130_1、絶縁体130_2、導電体140_1、及び導電体140_2の上には、これらを覆うように絶縁体175が設けられる。絶縁体175には、導電体120_1(導電体120_2)、絶縁体130_1(絶縁体130_2)、及び導電体140_1(導電体140_2)の側面と内壁の一部が重なる開口が設けられ、当該開口の内壁(側面)に沿って酸化物150_1と酸化物150_2が設けられ、酸化物150_1と酸化物150_2の互いに向かい合う側面と、酸化物150_1と酸化物150_2の間における絶縁体110の上面と、を覆うように絶縁体160が設けられ、絶縁体160の上に当該開口を埋め込むように導電体170が設けられる。ここで、図3(B)に示すように、酸化物150_1、酸化物150_2、絶縁体160、及び導電体170の最上面の高さは、絶縁体175の上面の高さと同程度であることが好ましい。なお、図3(B)では、酸化物150_1(酸化物150_2)を単層構造として示しているが、本発明の一態様はこれに限られない。例えば、酸化物150_1(酸化物150_2)は、2層以上の積層構造であってもよい。
トランジスタ12において、導電体120_1は、ソース電極又はドレイン電極の一方としての機能を有し、導電体140_1は、ソース電極又はドレイン電極の他方としての機能を有し、酸化物150_1の絶縁体130_1と重なる領域は、チャネル形成領域としての機能を有し、絶縁体160は、ゲート絶縁体としての機能を有し、導電体170は、ゲート電極としての機能を有する。同様に、トランジスタ12において、導電体120_2は、ソース電極又はドレイン電極の一方としての機能を有し、導電体140_2は、ソース電極又はドレイン電極の他方としての機能を有し、酸化物150_2の絶縁体130_2と重なる領域は、チャネル形成領域としての機能を有し、絶縁体160は、ゲート絶縁体としての機能を有し、導電体170は、ゲート電極としての機能を有する。
すなわち、トランジスタ12は、1つのゲート電極(導電体170)と、1つのゲート絶縁体(絶縁体160)と、2組のソース電極又はドレイン電極(導電体120_1及び導電体140_1、導電体120_2及び導電体140_2)と、2つのチャネル形成領域(酸化物150_1の絶縁体130_1と重なる領域、酸化物150_2の絶縁体130_2と重なる領域)と、で構成されたトランジスタであるといえる。あるいは、トランジスタ12は、ゲート電極としての機能を有する導電体170と、ゲート絶縁体としての機能を有する絶縁体160と、ソース電極又はドレイン電極としての機能を有する導電体120_1及び導電体140_1と、チャネル形成領域としての機能を有する酸化物150_1(絶縁体130_1と重なる領域)とからなるトランジスタと、ゲート電極としての機能を有する導電体170と、ゲート絶縁体としての機能を有する絶縁体160と、ソース電極又はドレイン電極としての機能を有する導電体120_2及び導電体140_2と、チャネル形成領域としての機能を有する酸化物150_2(絶縁体130_2と重なる領域)とからなるトランジスタと、で構成されているといえる。
トランジスタ12が上記構成を有することで、トランジスタ12は、<半導体装置の構成例1>で示した半導体装置が有するトランジスタ10(図1参照。)よりも大きなドレイン電流を出力させることができる。例えば、トランジスタ12のソース電極又はドレイン電極の一方としての機能を有する導電体120_1と導電体120_2とを、導電体190_1、導電体185_1、導電体190_2、及び導電体185_2を介して電気的に接続し、ソース電極又はドレイン電極の他方としての機能を有する導電体140_1と導電体140_2とを、導電体195_1、導電体200_1、導電体195_2、及び導電体200_2を介して電気的に接続した場合を考える。この場合、ゲート電極としての機能を有する導電体170に、トランジスタ12がオン状態となる電位を印加することで、トランジスタ12は、同じ大きさの電位を導電体170に印加した場合におけるトランジスタ10の2倍のドレイン電流を出力させることができる。トランジスタ12が、上述したような電気的な接続構成を有することで、トランジスタ12は、単純にトランジスタ10を2つ併設した場合よりも小さい占有面積で、トランジスタ10を2つ併設した場合と同等の電流出力能力を得ることができる。
また、導電体185_1と導電体185_2、及び導電体200_1と導電体200_2を電気的に接続せず、トランジスタ12を構成する2つのトランジスタを、それぞれ独立して制御する構成としてもよい。すなわち、トランジスタ12は、ゲート電極としての機能を有する導電体170と、ゲート絶縁体としての機能を有する絶縁体160と、ソース電極又はドレイン電極としての機能を有する導電体120_1及び導電体140_1と、チャネル形成領域としての機能を有する酸化物150_1(絶縁体130_1と重なる領域)とからなるトランジスタと、ゲート電極としての機能を有する導電体170と、ゲート絶縁体としての機能を有する絶縁体160と、ソース電極又はドレイン電極としての機能を有する導電体120_2及び導電体140_2と、チャネル形成領域としての機能を有する酸化物150_2(絶縁体130_2と重なる領域)とからなるトランジスタとを、それぞれ独立して制御する構成としてもよい。
ここで、図3に示す半導体装置が有するトランジスタ12は、図2に示す半導体装置が有するトランジスタ11と比べて、チャネル形成領域を有する酸化物の形状が異なる。具体的には、トランジスタ11が、導電体120_1、絶縁体130_1、及び導電体140_1と、導電体120_2、絶縁体130_2、及び導電体140_2の、互いに向かい合う側面と、絶縁体110の上面の一部と、に接する酸化物150を有するのに対し、トランジスタ12は、導電体120_1、絶縁体130_1、及び導電体140_1の、導電体120_2、絶縁体130_2、及び導電体140_2と対向する側面に接する酸化物150_1と、導電体120_2、絶縁体130_2、及び導電体140_2の、導電体120_1、絶縁体130_1、及び導電体140_1と対向する側面に接する酸化物150_2と、を有する。すなわち、トランジスタ12では、チャネル形成領域を有する酸化物が、絶縁体160及び導電体170を挟んで2つ(酸化物150_1、酸化物150_2)に分断されている点が、トランジスタ11の酸化物150と異なる。チャネル形成領域を有する酸化物は、導電性を有する。そのため、例えば、上述したトランジスタ12を構成する2つのトランジスタを、それぞれ独立して制御する場合、当該2つのトランジスタ間で、酸化物を介したリークが発生するのを抑制することができる。これにより、トランジスタ12を構成する一方のトランジスタの動作(オン動作、オフ動作)時の影響を、他方のトランジスタが受けにくくなり、それぞれの動作を確実に制御することができる。
なお、トランジスタ12において、酸化物150_1(酸化物150_2)は、トランジスタ10の酸化物150と同じ材料を用いることができる。また、導電体185_1(導電体185_2)は、トランジスタ10の導電体185と同じ材料を用いることができる。また、導電体190_1(導電体190_2)は、トランジスタ10の導電体190と同じ材料を用いることができる。また、導電体120_1(導電体120_2)は、トランジスタ10の導電体120と同じ材料を用いることができる。また、絶縁体130_1(絶縁体130_2)は、トランジスタ10の絶縁体130と同じ材料を用いることができる。また、導電体140_1(導電体140_2)は、トランジスタ10の導電体140と同じ材料を用いることができる。また、導電体195_1(導電体195_2)は、トランジスタ10の導電体195と同じ材料を用いることができる。また、導電体200_1(導電体200_2)は、トランジスタ10の導電体200と同じ材料を用いることができる。
トランジスタ12を有する半導体装置において、上で説明してきた以外の構成、効果については、<半導体装置の構成例1>で説明したトランジスタ10を有する半導体装置、又は<半導体装置の構成例2>で説明したトランジスタ11を有する半導体装置の構成、効果を参酌することができる。
以上では、<半導体装置の構成例1>で示したトランジスタ10を有する半導体装置、又は<半導体装置の構成例2>で示したトランジスタ11を有する半導体装置とは異なる、本発明の一態様に係るトランジスタ12を有する半導体装置の構成例について説明した。上述してきたように、本発明の一態様では、リソグラフィー法では作製することが困難な数nm、あるいはそれ以下のチャネル長の複数のトランジスタを、基板面内において、精度良くかつ容易に作製することができる。また、本発明の一態様では、基板面内において、素子間の電気特性ばらつきが小さいトランジスタを作製することができる。また、本発明の一態様では、チャネル長が微細でありながら、短チャネル効果の顕在化しにくい、良好な電気特性を有するトランジスタを作製することができる。また、本発明の一態様では、チャネル長だけでなく、配線やプラグも含めた素子サイズの微細なトランジスタを作製することができる。また、本発明の一態様では、微細でありながら、オン電流の大きなトランジスタを作製することができる。また、本発明の一態様では、上記微細なトランジスタを作製できることで、上記トランジスタを有する半導体装置の高集積化を図ることができる。また、本発明の一態様では、高集積でありながら、隣接するトランジスタ間のリークが小さい半導体装置を作製することができる。また、本発明の一態様では、上記半導体装置を、高歩留まりで作製することができる。
<半導体装置の変形例>
以下では、<半導体装置の構成例1>で示したトランジスタ10を有する半導体装置の変形例として、本発明の一態様に係るトランジスタ13を有する半導体装置について、図4を用いて説明する。
図4(A)は、トランジスタ13を有する半導体装置の上面図である。また、図4(B)は、図4(A)にD1-D2の一点鎖線で示す部位の断面図である。また、図4(C)は、図4(A)にD3-D4の一点鎖線で示す部位の断面図である。ここで、D1-D2の一点鎖線で示す部位と、D3-D4の一点鎖線で示す部位とは、互いに直交している。図4(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
なお、図4に示す半導体装置において、<半導体装置の構成例1>乃至<半導体装置の構成例3>で示した半導体装置を構成する構造と同機能を有する構造には、同符号を付記している。また、以下では、主に、<半導体装置の構成例1>乃至<半導体装置の構成例3>で説明した半導体装置と異なる部分について説明を行い、それ以外の部分については、<半導体装置の構成例1>乃至<半導体装置の構成例3>で説明した内容を参酌できるものとする。
図4に示す半導体装置は、図4(B)及び図4(C)に示すように、ゲート電極として機能する導電体171が、チャネル形成領域としての機能を有する酸化物151及びゲート絶縁体として機能する絶縁体161を介して、導電体120、絶縁体130、及び導電体140の側面だけでなく、導電体140の上面の一部とも重なる領域を有するトランジスタ13を有している点が、<半導体装置の構成例1>で示した半導体装置(図1参照。)と異なる。
本発明の一態様の半導体装置は、基板(図示しない。)上に、トランジスタ13と、層間膜として機能する絶縁体100、絶縁体102、絶縁体105、絶縁体110、絶縁体175、絶縁体176、絶縁体178、及び絶縁体180と、を有する。また、トランジスタ13と電気的に接続し、配線として機能する導電体185、及び導電体200、並びにプラグとして機能する導電体190、及び導電体195を有する。
なお、図4に示す半導体装置において、導電体185、導電体190、導電体195、及び導電体200に適用できる構成については、<半導体装置の構成例1>で説明した内容を参酌することができる。
[トランジスタ13]
図4(B)に示すように、トランジスタ13は、絶縁体110の上に配置された導電体120及び酸化物151と、導電体120の上に配置された絶縁体130と、絶縁体130の上に配置された導電体140と、酸化物151の上に配置された絶縁体161と、絶縁体161の上に配置された導電体171と、を有する。ここで、酸化物151は、導電体120、絶縁体130、及び導電体140の側面と、導電体140の上面の一部と、に接する領域を有するように設けられる。また、絶縁体161は、酸化物151を介して、導電体120、絶縁体130、及び導電体140の側面と、導電体140上面の一部と、に重なる領域を有するように設けられる。また、導電体171は、酸化物151及び絶縁体161を介して、導電体120、絶縁体130、及び導電体140の側面と、導電体140の上面の一部と、に重なる領域を有するように設けられる。
図4(B)に示すように、導電体120、絶縁体130、及び導電体140の上には、これらを覆うように絶縁体175が設けられる。絶縁体175には、導電体120、絶縁体130、及び導電体140の側面と、導電体140の上面の一部と、に内壁の一部が重なる開口が設けられ、当該開口の内壁に沿って酸化物151が設けられ、酸化物151の上に絶縁体161が設けられ、絶縁体161の上に当該開口を埋め込むように導電体171が設けられる。ここで、図4(B)に示すように、酸化物151、絶縁体161、及び導電体171の最上面の高さは、絶縁体175の上面の高さと同程度であることが好ましい。なお、図4(B)では、酸化物151を単層構造として示しているが、本発明の一態様はこれに限られない。例えば、酸化物151は、2層以上の積層構造であってもよい。
トランジスタ13において、導電体120は、ソース電極又はドレイン電極の一方としての機能を有し、導電体140は、ソース電極又はドレイン電極の他方としての機能を有し、酸化物151の絶縁体130と重なる領域は、チャネル形成領域としての機能を有し、絶縁体161は、ゲート絶縁体としての機能を有し、導電体171は、ゲート電極としての機能を有する。
ここで、トランジスタ10が、酸化物150と絶縁体130の接触面を、図1(B)に示す1箇所だけ有するのに対し、トランジスタ13は、酸化物151と絶縁体130の接触面を、図4(B)に示す1箇所と、図4(C)に示す2箇所の、計3箇所有するという違いを有する。すなわち、トランジスタ10と、トランジスタ13とでは、それぞれが有する酸化物(酸化物150又は酸化物151)において、チャネル形成領域として機能できる領域の面積に違いを有する(トランジスタ13のほうが、トランジスタ10よりも、チャネル形成領域として機能し得る酸化物の面積が大きい。)。このため、トランジスタ13は、トランジスタ10と素子サイズが同程度でありながら、トランジスタ10よりも大きなドレイン電流を出力させることができる。
また、トランジスタ13は、ゲート電極として機能する導電体171が、導電体140の上面の一部と重なる領域を有することが、トランジスタ10と異なる。トランジスタ13が当該構造を有することで、図4(C)に示すように、チャネル形成領域(酸化物151の絶縁体130と重なる領域)を、導電体171で囲い込むことができる。したがって、トランジスタ13は、トランジスタ10と比べて、より確実にチャネル形成領域にゲート電界を印加する制御性を上げることができる。このため、トランジスタ13は、動作(オン動作、オフ動作)時のキャリアの制御を確実に行うことができ、トランジスタ10よりも大きなオン電流と、小さなオフ電流の双方を実現することができる。
なお、トランジスタ13において、酸化物151は、トランジスタ10の酸化物150と同じ材料を用いることができる。また、絶縁体161は、トランジスタ10の絶縁体160と同じ材料を用いることができる。また、導電体171は、トランジスタ10の導電体170と同じ材料を用いることができる。
トランジスタ13を有する半導体装置において、上で説明してきた以外の構成、効果については、<半導体装置の構成例1>で説明したトランジスタ10を有する半導体装置、<半導体装置の構成例2>で説明したトランジスタ11を有する半導体装置、又は<半導体装置の構成例3>で説明したトランジスタ12を有する半導体装置の構成、効果を参酌することができる。
以上では、<半導体装置の構成例1>で示したトランジスタ10を有する半導体装置の変形例として、本発明の一態様に係るトランジスタ13を有する半導体装置の構成例について説明した。上述してきたように、本発明の一態様では、リソグラフィー法では作製することが困難な数nm、あるいはそれ以下のチャネル長の複数のトランジスタを、基板面内において、精度良くかつ容易に作製することができる。また、本発明の一態様では、基板面内において、素子間の電気特性ばらつきが小さいトランジスタを作製することができる。また、本発明の一態様では、オン電流の大きなトランジスタを作製することができる。また、本発明の一態様では、オフ電流の小さなトランジスタを作製することができる。また、本発明の一態様では、チャネル長が微細でありながら、短チャネル効果の顕在化しにくい、良好な電気特性を有するトランジスタを作製することができる。また、本発明の一態様では、チャネル長だけでなく、配線やプラグも含めた素子サイズの微細なトランジスタを作製することができる。また、また、本発明の一態様では、上記微細なトランジスタを作製できることで、上記トランジスタを有する半導体装置の高集積化を図ることができる。また、本発明の一態様では、上記半導体装置を、高歩留まりで作製することができる。
本発明の一態様に係る半導体装置の一例は、上で説明してきたトランジスタ10、トランジスタ11、トランジスタ12、又はトランジスタ13を有する半導体装置(図1乃至図4参照。)に限られない。本発明の一態様に係る半導体装置は、上で説明してきた各半導体装置の構成を適宜組み合わせて用いることができる。
<半導体装置の構成要素>
以下では、本発明の一態様に係るトランジスタ10、トランジスタ11、トランジスタ12、又はトランジスタ13を有する半導体装置(図1乃至図4参照。)に適用できる各構成要素について詳細に説明する。
〔基板〕
基板としては、例えば、絶縁体基板、半導体基板、又は導電体基板を用いればよい。絶縁体基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、安定化ジルコニア基板(イットリア安定化ジルコニア基板など)、樹脂基板などがある。また、半導体基板としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの半導体基板、又は炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムからなる化合物半導体基板などがある。さらには、前述の半導体基板内部に絶縁体領域を有する半導体基板、例えば、SOI(Silicon On Insulator)基板などがある。導電体基板としては、黒鉛基板、金属基板、合金基板、導電性樹脂基板などがある。又は、金属の窒化物を有する基板、金属の酸化物を有する基板などがある。さらには、絶縁体基板に導電体又は半導体が設けられた基板、半導体基板に導電体又は絶縁体が設けられた基板、導電体基板に半導体又は絶縁体が設けられた基板などがある。又は、これらの基板に素子が設けられたものを用いてもよい。基板に設けられる素子としては、容量素子、抵抗素子、スイッチ素子、発光素子、記憶素子などがある。
また、基板として、可撓性基板を用いてもよい。なお、可撓性基板上にトランジスタを設ける方法としては、非可撓性の基板上にトランジスタを作製した後、トランジスタを剥離し、可撓性基板である基板に転置する方法もある。その場合には、非可撓性基板とトランジスタとの間に剥離層を設けるとよい。なお、基板として、繊維を編み込んだシート、フィルム又は箔などを用いてもよい。また、基板が伸縮性を有してもよい。また、基板は、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有してもよい。又は、元の形状に戻らない性質を有してもよい。基板は、例えば、5μm以上700μm以下、好ましくは10μm以上500μm以下、さらに好ましくは15μm以上300μm以下の厚さとなる領域を有する。基板を薄くすると、トランジスタを有する半導体装置を軽量化することができる。また、基板を薄くすることで、ガラスなどを用いた場合にも伸縮性を有する場合や、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有する場合がある。そのため、落下などによって基板上の半導体装置に加わる衝撃などを緩和することができる。すなわち、丈夫な半導体装置を提供することができる。
可撓性性基板である基板としては、例えば、金属、合金、樹脂、若しくはガラス、又はそれらの繊維などを用いることができる。可撓性基板である基板は、線膨張率が低いほど環境による変形が抑制されて好ましい。可撓性基板である基板としては、例えば、線膨張率が1×10-3/K以下、5×10-5/K以下、又は1×10-5/K以下である材質を用いればよい。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリルなどがある。特に、アラミドは、線膨張率が低いため、可撓性基板である基板として好適である。
〔絶縁体〕
絶縁体としては、絶縁性を有する酸化物、窒化物、酸化窒化物、窒化酸化物、金属酸化物、金属酸化窒化物、金属窒化酸化物などがある。
絶縁体100、絶縁体105、絶縁体110、絶縁体130(又は、絶縁体130_1、絶縁体130_2)、及び絶縁体160としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウム、又はタンタルを含む絶縁体を、単層で、又は積層で用いればよい。例えば、絶縁体100、絶縁体105、絶縁体110、絶縁体130(又は、絶縁体130_1、絶縁体130_2)、及び絶縁体160としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、又は窒化シリコンを有することが好ましい。
絶縁体105、絶縁体110、及び絶縁体130(又は、絶縁体130_1、絶縁体130_2)中の水、水素、又は窒素酸化物などの不純物濃度は、低減されていることが好ましい。例えば、絶縁体105、絶縁体110、及び絶縁体130(又は、絶縁体130_1、絶縁体130_2)の水素の脱離量は、昇温脱離ガス分析法(TDS(Thermal Desorption Spectroscopy))において、膜の表面温度が50℃から500℃の範囲において、水素分子に換算した脱離量が、絶縁体105、絶縁体110、又は絶縁体130(又は、絶縁体130_1、絶縁体130_2)の面積当たりに換算して、2×1015molecules/cm2以下、好ましくは1×1015molecules/cm2以下、より好ましくは5×1014molecules/cm2以下であればよい。また、絶縁体105、絶縁体110、及び絶縁体130(又は、絶縁体130_1、絶縁体130_2)は、加熱により酸素が放出される絶縁体を用いて形成することが好ましい。当該絶縁体を絶縁体105、絶縁体110、及び絶縁体130(又は、絶縁体130_1、絶縁体130_2)に用いることで、絶縁体105、絶縁体110、及び絶縁体130(又は、絶縁体130_1、絶縁体130_2)から、酸化物150(又は、酸化物150_1、酸化物150_2)に、効果的に酸素を供給することができる。
また、絶縁体160は、比誘電率の高い絶縁体を有することが好ましい。例えば、絶縁体160は、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、アルミニウム及びハフニウムを有する酸化物、アルミニウム及びハフニウムを有する酸化窒化物、シリコン及びハフニウムを有する酸化物、シリコン及びハフニウムを有する酸化窒化物、又は、シリコン及びハフニウムを有する窒化物などを有することが好ましい。又は、絶縁体160は、酸化シリコン又は酸化窒化シリコンと、比誘電率の高い絶縁体と、の積層構造を有することが好ましい。酸化シリコン及び酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、比誘電率の高い絶縁体と組み合わせることで、欠陥の少ない膜で熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。
絶縁体160は、酸化物150(又は、酸化物150_1、酸化物150_2)の上面に接して配置されることが好ましい。絶縁体160は、加熱により酸素が放出される絶縁体を用いて形成することが好ましい。このような絶縁体160を酸化物150(又は、酸化物150_1、酸化物150_2)の上面に接して設けることにより、酸化物150(又は、酸化物150_1、酸化物150_2)に効果的に酸素を供給することができる。また、絶縁体105、絶縁体110、及び絶縁体130(又は、絶縁体130_1、絶縁体130_2)と同様に、絶縁体160中の水又は水素などの不純物濃度が、低減されていることが好ましい。絶縁体160の膜厚は、1nm以上20nm以下とするのが好ましく、例えば、1nm程度の膜厚にすればよい。
絶縁体160は、酸素を含むことが好ましい。例えば、昇温脱離ガス分光法分析(TDS分析)にて、100℃以上700℃以下又は100℃以上500℃以下の表面温度の範囲で、酸素分子の脱離量を絶縁体160の面積当たりに換算して、1×1014molecules/cm2以上、好ましくは2×1014molecules/cm2以上、より好ましくは4×1014molecules/cm2以上であればよい。
絶縁体175、絶縁体176、及び絶縁体180は、比誘電率の低い絶縁体を有することが好ましい。例えば、絶縁体175、絶縁体176、及び絶縁体180は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素及び窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコン、又は樹脂などを有することが好ましい。又は、絶縁体175、絶縁体176、及び絶縁体180は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素及び窒素を添加した酸化シリコン、又は空孔を有する酸化シリコンと、樹脂と、の積層構造を有することが好ましい。酸化シリコン及び酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、樹脂と組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の低い積層構造とすることができる。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネート又はアクリルなどがある。なお、絶縁体175、絶縁体176、及び絶縁体180は、絶縁体105、絶縁体110、絶縁体130(又は、絶縁体130_1、絶縁体130_2)、及び絶縁体160などと同様に、膜中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。
また、絶縁体102及び絶縁体178には、水素や水などの不純物、及び酸素に対してバリア性の高い絶縁体を用いることが好ましい。当該絶縁体を絶縁体102及び絶縁体178に用いることで、絶縁体102(絶縁体178)の下側(上側)から、トランジスタ10、トランジスタ11、トランジスタ12、又はトランジスタ13中に、水素や水などの不純物が混入するのを抑制することができる。また、トランジスタ10、トランジスタ11、トランジスタ12、又はトランジスタ13中の酸素が、絶縁体102(絶縁体178)の下側(上側)に拡散するのを抑制することができる。当該絶縁体としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウム、又はタンタルを含む絶縁体を、単層又は積層で用いることが好ましい。
また、例えば、当該絶縁体としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、又は酸化タンタルなどの金属酸化物、窒化酸化シリコン又は窒化シリコンなどを用いればよい。なお、当該絶縁体は、酸化アルミニウム又は酸化ハフニウムなどを有することが好ましい。
〔導電体〕
導電体120(又は、導電体120_1、導電体120_2)、導電体140(又は、導電体140_1、導電体140_2)、導電体185(又は、導電体185_1、導電体185_2)、導電体190(又は、導電体190_1、導電体190_2)、導電体195(又は、導電体195_1、導電体195_2)、導電体200(又は、導電体200_1、導電体200_2)、及び導電体170としては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ルテニウムなどから選ばれた金属元素を1種以上含む材料を用いることができる。また、リン等の不純物元素を含有させた多結晶シリコンに代表される、電気伝導度が高い半導体、ニッケルシリサイドなどのシリサイドを用いてもよい。
また、上記導電体、特に、導電体170として、酸化物150(又は、酸化物150_1、酸化物150_2)に適用可能な金属酸化物に含まれる金属元素及び酸素を含む導電性材料を用いてもよい。また、前述した金属元素及び窒素を含む導電性材料を用いてもよい。例えば、窒化チタン、窒化タンタルなどの窒素を含む導電性材料を用いてもよい。また、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、シリコンを添加したインジウム錫酸化物を用いてもよい。また、窒素を含むインジウムガリウム亜鉛酸化物を用いてもよい。このような材料を用いることで、酸化物150(又は、酸化物150_1、酸化物150_2)に含まれる水素を捕獲することができる場合がある。又は、外方の絶縁体などから混入する水素を捕獲することができる場合がある。
また、上記の材料で形成される導電層を複数積層して用いてもよい。例えば、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。また、前述した金属元素を含む材料と、窒素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。また、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、窒素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。
なお、トランジスタのチャネル形成領域に酸化物を用いる場合は、ゲート電極として、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造を用いることが好ましい。この場合は、酸素を含む導電性材料をチャネル形成領域側に設けるとよい。酸素を含む導電性材料をチャネル形成領域側に設けることで、当該導電性材料から離脱した酸素がチャネル形成領域に供給されやすくなる。
なお、導電体185(又は、導電体185_1、導電体185_2)、導電体190(又は、導電体190_1、導電体190_2)、導電体195(又は、導電体195_1、導電体195_2)、及び導電体200(又は、導電体200_1、導電体200_2)としては、例えば、タングステン、ポリシリコン等の埋め込み性の高い導電性材料を用いればよい。また、埋め込み性の高い導電性材料と、チタン、窒化チタン、窒化タンタルなどの導電性バリア膜を組み合わせて用いてもよい。
〔酸化物〕
酸化物150(又は、酸化物150_1、酸化物150_2)としては、金属酸化物を用いることが好ましい。ただし、酸化物150の代わりに、半導体材料として、シリコン(歪シリコン含む。)、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウム、又は有機半導体などを用いても構わない場合がある。以下では、本発明の一態様に係る酸化物150(又は、酸化物150_1、酸化物150_2)に用いることが好ましい、金属酸化物について説明する。
金属酸化物は、少なくともインジウム又は亜鉛を含むことが好ましい。特に、インジウム及び亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム又はスズなどが含まれていることが好ましい。また、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種が含まれていてもよい。
ここでは、金属酸化物が、インジウム、元素M及び亜鉛を有するInMZnOである場合を考える。なお、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、又はスズなどとする。その他の元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウムなどがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。
上記金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、良好な信頼性を有するトランジスタを実現することができる。
金属酸化物を用いたチャネル形成領域に用いたトランジスタは、非導通状態において極めてリーク電流が小さいため、低消費電力の半導体装置を提供できる。また、金属酸化物は、スパッタリング法などを用いて成膜できるため、高集積型の半導体装置を構成するトランジスタに用いることができる。
また、トランジスタのチャネル形成領域には、キャリア密度の低い金属酸化物を用いることが好ましい。金属酸化物膜のキャリア密度を低くするためには、金属酸化物膜中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性又は実質的に高純度真性という。例えば、金属酸化物は、キャリア密度が8×1011/cm3未満、好ましくは1×1011/cm3未満、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10-9/cm3以上とすればよい。
また、高純度真性又は実質的に高純度真性である金属酸化物膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
また、金属酸化物のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い金属酸化物にチャネル形成領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
したがって、トランジスタの電気特性を安定にするためには、金属酸化物中の不純物濃度を低減することが有効である。また、金属酸化物中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
ここで、金属酸化物中における各不純物の影響について説明する。
金属酸化物において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、金属酸化物において欠陥準位が形成される。このため、金属酸化物におけるシリコンや炭素の濃度と、金属酸化物との界面近傍のシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
また、金属酸化物にアルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれると、当該金属が金属酸化物中に欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。したがって、アルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれている金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、ノーマリーオン特性となりやすい。このため、金属酸化物中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の濃度を低減することが好ましい。具体的には、SIMSにより得られる金属酸化物中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
また、金属酸化物において、窒素が含まれると、キャリアである電子が生じ、キャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、ノーマリーオン特性となりやすい。したがって、当該金属酸化物において、窒素はできる限り低減されていることが好ましい。例えば、金属酸化物中の窒素濃度は、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下とする。
また、金属酸化物に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。当該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。したがって、水素が含まれている金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、ノーマリーオン特性となりやすい。このため、金属酸化物中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、金属酸化物において、SIMSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは1×1019atoms/cm3未満、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする。
不純物が十分に低減された金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
以下では、CAC-OSについて詳細に説明する。CAC-OSは、本発明の一態様に係るトランジスタの金属酸化物が有することのできる機能、又は材料構成の一例である。
CAC-OSとは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、又はその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、1つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、当該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、又はその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、又はパッチ状ともいう。
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OS(CAC-OSの中でもIn-Ga-Zn酸化物を、特にCAC-IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、又はインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2OZ2(X2、Y2、及びZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、又はガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4OZ4(X4、Y4、及びZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、又はInX2ZnY2OZ2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
つまり、CAC-OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、及びOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO3(ZnO)m1(m1は自然数)、又はIn(1+x0)Ga(1-x0)O3(ZnO)m0(-1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、又はCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa-b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
一方、CAC-OSは、金属酸化物の材料構成に関する。CAC-OSとは、In、Ga、Zn、及びOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。したがって、CAC-OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
なお、CAC-OSに、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域とは、明確な境界を観察することが難しい場合がある。
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種が含まれている場合、CAC-OSは、一部に当該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
CAC-OSは、例えば、基板を意図的に加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC-OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的には、アルゴン)、酸素ガス、及び窒素ガスの中から選ばれたいずれか1つ又は複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば、酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とする。
CAC-OSは、X線回折(XRD:X-ray diffraction)測定法の1つであるOut-of-plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折から、測定領域のa-b面方向、及びc軸方向の配向は見られないことがわかる。
また、CAC-OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域と、当該リング領域に複数の輝点が観測される。したがって、電子線回折パターンから、CAC-OSの結晶構造が、平面方向、及び断面方向において、配向性を有さないnc(nano-crystal)構造を有することがわかる。
また、例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC-OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC-OSは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
ここで、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域は、GaOX3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、金属酸化物としての導電性が発現する。したがって、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域が、金属酸化物中にクラウド状に分布することで、当該金属酸化物を用いたトランジスタは、高い電界効果移動度を実現できる。
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3などが主成分である領域が、金属酸化物中に分布することで、当該金属酸化物を用いたトランジスタは、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
したがって、CAC-OSをトランジスタなどの半導体素子に用いた場合、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1に起因する導電性と、GaOX3などに起因する絶縁性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流と低いオフ電流の双方を実現することができる。
また、CAC-OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。したがって、CAC-OSは、表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置、記憶装置、撮像装置、プロセッサ、電子機器などの様々な半導体装置に用いることが最適である。
<半導体装置の作製方法>
以下では、本発明の一態様に係るトランジスタ10を有する半導体装置の作製方法について、その一例を図5乃至図10を用いて説明する。図5乃至図10において、各図の(A)は、トランジスタ10を有する半導体装置の上面図である。また、各図の(B)は、各図の(A)にA1-A2の一点鎖線で示す部位の断面図である。また、各図の(C)は、各図の(A)にA3-A4の一点鎖線で示す部位の断面図である。なお、以下で説明するトランジスタ10を有する半導体装置の作製方法において、当該半導体装置に適用できる各構成要素(基板、絶縁体、導電体、酸化物など)の具体的な材料については、<半導体装置の構成要素>で説明した内容を参酌できるものとする。
まず、基板(図示しない。)を準備する。
次に、当該基板上に絶縁体100を成膜する。絶縁体100の成膜は、スパッタリング法、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、パルスレーザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、又はALD(Atomic Layer Deposition)法などを用いて行うことができる。
なお、CVD法は、プラズマを利用するプラズマCVD(PECVD:Plasma Enhanced CVD)法、熱を利用する熱CVD(TCVD:Thermal CVD)法、光を利用する光CVD(Photo CVD)法などに分類できる。さらに、用いる原料ガスによって、金属CVD(MCVD:Metal CVD)法、有機金属CVD(MOCVD:Metal Organic CVD)法に分けることができる。
プラズマCVD法は、比較的低温で高品質の膜が得られる。また、熱CVD法は、プラズマを用いないため、被処理物へのプラズマダメージを小さくすることが可能な成膜方法である。例えば、半導体装置に含まれる配線、電極、素子(トランジスタ、容量素子など)などは、プラズマから電荷を受け取ることでチャージアップする場合がある。このとき、蓄積した電荷によって、半導体装置に含まれる配線、電極、素子などが破壊される場合がある。一方、プラズマを用いない熱CVD法の場合、こういったプラズマダメージが生じないため、半導体装置の歩留まりを高くすることができる。また、熱CVD法では、成膜中のプラズマダメージが生じないため、欠陥の少ない膜が得られる。
また、ALD法も、被処理物へのプラズマダメージを小さくすることが可能な成膜方法である。また、ALD法も、成膜中のプラズマダメージが生じないため、欠陥の少ない膜が得られる。
CVD法及びALD法は、ターゲットなどから放出される粒子が堆積する成膜方法とは異なり、被処理物の表面における反応により膜が形成される成膜方法である。したがって、被処理物の形状の影響を受けにくく、良好な段差被覆性を有する成膜方法である。特に、ALD法は、優れた段差被覆性と、優れた厚さの均一性を有するため、アスペクト比の高い開口部の表面を被覆する場合などに好適である。ただし、ALD法は、比較的成膜速度が遅いため、成膜速度の速いCVD法などの他の成膜方法と組み合わせて用いることが好ましい場合もある。
CVD法及びALD法は、原料ガスの流量比によって、得られる膜の組成を制御することができる。例えば、CVD法及びALD法では、原料ガスの流量比によって、任意の組成の膜を成膜することができる。また、例えば、CVD法及びALD法では、成膜しながら原料ガスの流量比を変化させることによって、組成が連続的に変化した膜を成膜することができる。原料ガスの流量比を変化させながら成膜する場合、複数の成膜室を用いて成膜する場合のような搬送や圧力調整にかかる時間を必要としない分、成膜にかかる時間を短くすることができる。したがって、半導体装置の生産性を高めることができる場合がある。
本実施の形態では、絶縁体100として、CVD法によって酸化シリコンを成膜する。なお、絶縁体100としては、酸化シリコン以外に、例えば、酸化窒化シリコンを用いてもよい。
次に、絶縁体100上に絶縁体102を成膜する。絶縁体102の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、又はALD法などを用いて行うことができる。本実施の形態では、絶縁体102として、スパッタリング法によって酸化アルミニウムを成膜する。また、絶縁体102は、多層構造としてもよい。例えば、スパッタリング法によって酸化アルミニウムを成膜し、当該酸化アルミニウム上にALD法によって酸化アルミニウムを成膜する構造としてもよい。又は、ALD法によって酸化アルミニウムを成膜し、当該酸化アルミニウム上に、スパッタリング法によって酸化アルミニウムを成膜する構造としてもよい。
次に、絶縁体102上に絶縁体105を成膜する。絶縁体105の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、又はALD法などを用いて行うことができる。本実施の形態では、絶縁体105として、CVD法によって酸化シリコンを成膜する。なお、絶縁体105としては、酸化シリコン以外に、例えば、酸化窒化シリコンを用いてもよい。
次に、絶縁体105に、絶縁体102に達する開口を形成する。ここで、開口とは、例えば、溝やスリットなども含まれる。また、開口が形成された領域を指して開口部とする場合がある。開口の形成にはウエットエッチング法を用いてもよいが、ドライエッチング法を用いるほうが微細加工には好ましい。また、絶縁体102は、絶縁体105をエッチングして開口を形成する際のエッチングストッパ膜として機能する絶縁体を選択することが好ましい。例えば、開口を形成する絶縁体105に酸化シリコン膜を用いる場合は、絶縁体102は窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、又は酸化ハフニウム膜を用いるとよい。
開口の形成後に、導電体185となる導電体を成膜する。ここで、導電体185は、酸素の透過を抑制する機能を有する導電体185a(図示しない。)と、導電体185aよりも導電率の高い導電体185b(図示しない。)とからなる、積層構造とすることが好ましい。
導電体185aとなる導電体は、酸素の透過を抑制する機能を有する導電性材料を含むことが好ましい。例えば、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化チタンなどを用いることができる。又は、タンタル、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅、モリブデンタングステン合金との積層膜とすることができる。導電体185aとなる導電体の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、又はALD法などを用いて行うことができる。
本実施の形態では、導電体185aとなる導電体として、スパッタリング法によって窒化タンタル、又は窒化タンタルの上に窒化チタンを積層した膜を成膜する。導電体185aとなる導電体として、このような金属窒化物を用いることにより、後述する導電体185bに銅など拡散しやすい金属を用いても、当該金属が導電体185aから外に拡散するのを防ぐことができる。
次に、導電体185aとなる導電体上に、導電体185bとなる導電体を成膜する。導電体185bとなる導電体の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、又はALD法などを用いて行うことができる。本実施の形態では、導電体185bとなる導電体として、銅などの低抵抗導電性材料を成膜する。
次に、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)処理を行うことで、導電体185aとなる導電体、及び、導電体185bとなる導電体の一部を除去し、絶縁体105を露出する。その結果、開口部のみに、導電体185aとなる導電体、及び、導電体185bとなる導電体が残存する。これにより、上面が平坦な、導電体185a及び導電体185bからなる導電体185を形成することができる(図5参照。)。なお、当該CMP処理により、絶縁体105の一部が除去される場合がある。
次に、絶縁体105及び導電体185上に絶縁体110を成膜する。絶縁体110の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、又はALD法などを用いて行うことができる。本実施の形態では、絶縁体110として、CVD法によって酸化シリコンを成膜する。なお、絶縁体110としては、酸化シリコン以外に、例えば、酸化窒化シリコンを用いてもよい。
ここで、第1の加熱処理を行ってもよい。第1の加熱処理は、例えば、250℃以上650℃以下で行えばよい。第1の加熱処理は、窒素ガス若しくは不活性ガスの雰囲気、又は酸化性ガスを10ppm以上、1%以上若しくは10%以上含む雰囲気で行うことが好ましい。第1の加熱処理は減圧状態で行ってもよい。又は、第1の加熱処理は、窒素ガス又は不活性ガスの雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために酸化性ガスを10ppm以上、1%以上又は10%以上含む雰囲気で加熱処理を行ってもよい。第1の加熱処理によって、絶縁体110及び絶縁体105に含まれる水素や水などの不純物を低減させることなどができる。又は、第1の加熱処理において、減圧状態で酸素を含むプラズマ処理を行ってもよい。酸素を含むプラズマ処理は、例えば、マイクロ波を用いた高密度プラズマを発生させる電源を有する装置を用いることが好ましい。又は、基板側にRF(Radio Frequency)を印加する電源を有してもよい。高密度プラズマを用いることにより高密度の酸素ラジカルを生成することができ、基板側にRFを印加することで高密度プラズマによって生成された酸素ラジカルを効率良く絶縁体110及び絶縁体105内に導くことができる。又は、この装置を用いて不活性ガスを含むプラズマ処理を行った後に、脱離した酸素を補うために、酸素を含むプラズマ処理を行ってもよい。
次に、絶縁体110に、導電体185に達する開口を形成する。開口の形成はウエットエッチング法を用いてもよいが、ドライエッチング法を用いるほうが微細加工には好ましい。
開口の形成後に、導電体190となる導電体を成膜する。ここで、導電体190は、酸素の透過を抑制する機能を有する導電体190a(図示しない。)と、これよりも導電率の高い導電体190b(図示しない。)とからなる、積層構造とすることが好ましい。
導電体190aとなる導電体は、酸素の透過を抑制する機能を有する導電性材料を含むことが好ましい。例えば、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化チタンなどを用いることができる。又は、タンタル、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅、モリブデンタングステン合金との積層膜とすることができる。導電体190aとなる導電体の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、又はALD法などを用いて行うことができる。
本実施の形態では、導電体190aとなる導電体として、スパッタリング法によって窒化タンタルを成膜する。
次に、導電体190aとなる導電体上に、導電体190bとなる導電体を成膜する。当該導電体の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、又はALD法などを用いて行うことができる。
本実施の形態では、導電体190bとなる導電体として、ALD法によって窒化チタンを成膜し、当該窒化チタン上にCVD法によってタングステンを成膜する。
次に、CMP処理を行うことで、導電体190aとなる導電体、及び、導電体190bとなる導電体の一部を除去し、絶縁体110を露出する。その結果、開口部のみに、導電体190aとなる導電体、及び、導電体190bとなる導電体が残存する。これにより、上面が平坦な、導電体190a及び導電体190bからなる導電体190を形成することができる(図5参照。)。なお、当該CMP処理により、絶縁体110の一部が除去される場合がある。
次に、絶縁体110及び導電体190上に導電体120aを成膜する。導電体120aの成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、又はALD法などを用いて行うことができる。導電体120aとして、例えば、窒化タンタル、タングステン、窒化チタンなどの導電体を用いることができる。又は、例えば、タングステンを成膜し、当該タングステン上に、窒化チタンや窒化タンタル等の酸素の透過を抑制する機能を有する導電体を成膜する構成としてもよい。当該構成とすることで、導電体120aの上側から混入した酸素によってタングステンが酸化し、電気抵抗値が増加するのを抑制することができる。
又は、導電体120aとして、導電性を有する酸化物、例えば、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、シリコンを添加したインジウム錫酸化物、又は窒素を含むインジウムガリウム亜鉛酸化物を成膜し、当該酸化物上に、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウムなどから選ばれた金属元素を1種以上含む材料、又は、リン等の不純物元素を含有させた多結晶シリコンに代表される、電気伝導度が高い半導体、ニッケルシリサイドなどのシリサイドを成膜する構成としてもよい。
当該酸化物は、酸化物150中の水素を吸収、及び外方から拡散してくる水素を捕獲する機能を有する場合があり、トランジスタ10の電気特性及び信頼性が向上することがある。又は、当該酸化物の代わりにチタンを用いても、同様の機能を有する場合がある。
本実施の形態では、導電体120aとして、スパッタリング法によってタングステンを成膜する。
次に、導電体120a上に絶縁体130aを成膜する。絶縁体130aの成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、又はALD法などを用いて行うことができる。本実施の形態では、絶縁体130aとして、CVD法によって酸化シリコンを成膜する。なお、絶縁体130aとしては、酸化シリコン以外に、例えば、酸化窒化シリコンを用いてもよい。
ここで、第2の加熱処理を行ってもよい。第2の加熱処理は、第1の加熱処理の条件を用いることができる。当該加熱処理により、絶縁体130aに含まれる水素や水などの不純物を低減させることができる。また、絶縁体130a中に酸素を供給することができる。
又は、イオン化された原料ガスを質量分離して添加するイオン注入法、イオン化された原料ガスを質量分離せずに添加するイオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いて、絶縁体130a中に酸素を供給してもよい。
上述した加熱処理、又はイオン注入法などによって、絶縁体130aは過剰酸素を有することができる。当該過剰酸素は、後の熱処理などによって酸化物150中に供給され、トランジスタ10の電気特性及び信頼性が向上することがある。
次に、絶縁体130a上に導電体140aを成膜する(図6参照。)。導電体140aの成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、又はALD法などを用いて行うことができる。導電体140aとして、例えば、窒化タンタル、タングステン、窒化チタンなどの導電体を用いることができる。又は、例えば、窒化チタンや窒化タンタル等の酸素の透過を抑制する機能を有する導電体を成膜し、当該導電体上にタングステンを成膜する構成としてもよい。当該構成とすることで、導電体140aの下側から混入した酸素によってタングステンが酸化し、電気抵抗値が増加するのを抑制することができる。
又は、導電体140aとして、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウムなどから選ばれた金属元素を1種以上含む材料、又は、リン等の不純物元素を含有させた多結晶シリコンに代表される、電気伝導度が高い半導体、ニッケルシリサイドなどのシリサイドを成膜し、この上に、導電性を有する酸化物、例えば、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、シリコンを添加したインジウム錫酸化物、又は窒素を含むインジウムガリウム亜鉛酸化物を成膜する構成としてもよい。
当該酸化物は、酸化物150中の水素を吸収、及び外方から拡散してくる水素を捕獲する機能を有する場合があり、トランジスタ10の電気特性及び信頼性が向上することがある。又は、当該酸化物の代わりにチタンを用いても、同様の機能を有する場合がある。
本実施の形態では、導電体140aとして、スパッタリング法によってタングステンを成膜する。
次に、リソグラフィー法などを用いて、導電体120a、絶縁体130a、及び導電体140aを加工し、導電体190と重なる領域を有するように、絶縁体110上に導電体120b、絶縁体130b、及び導電体140bを形成する(図7参照。)。当該形成には、ドライエッチング法やウエットエッチング法を用いることができるが、特に、ドライエッチング法は、微細形状の加工に適しており好ましい。当該加工により、絶縁体110の一部が除去される場合がある。
なお、リソグラフィー法では、まず、マスクを介してレジストを露光する。次に、露光された領域を、現像液を用いて除去又は残存させてレジストマスクを形成する。次に、当該レジストマスクを介してエッチング処理することで、導電体、半導体又は絶縁体などを所望の形状に加工することができる。例えば、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、EUV(Extreme Ultraviolet)光などを用いてレジストを露光することで、レジストマスクを形成すればよい。また、基板と投影レンズとの間に液体(例えば、水)を満たして露光する、液浸技術を用いてもよい。また、前述した光に代えて、電子ビームやイオンビームを用いてもよい。なお、電子ビームやイオンビームを用いる場合には、レジスト上に直接描画を行うため、上述のレジスト露光用のマスクは不要となる。なお、レジストマスクは、アッシングなどのドライエッチング処理を行う、ウエットエッチング処理を行う、ドライエッチング処理後にウエットエッチング処理を行う、又はウエットエッチング処理後にドライエッチング処理を行う、などの方法で、除去することができる。
また、レジストマスクの代わりに、絶縁体や導電体からなるハードマスクを用いてもよい。ハードマスクを用いる場合、導電体140a上にハードマスク材料となる絶縁膜や導電膜を形成し、その上にレジストマスクを形成し、ハードマスク材料をエッチングすることで所望の形状のハードマスクを形成することができる。導電体120a、絶縁体130a、及び導電体140aのエッチングは、レジストマスクを除去してから行ってもよいし、レジストマスクを残したまま行ってもよい。後者の場合、エッチング中にレジストマスクが消失することがある。導電体120a、絶縁体130a、及び導電体140aのエッチング後に、ハードマスクをエッチング法により除去してもよい。一方、ハードマスクの材料が後工程に影響が無い、あるいは後工程で利用できる場合、必ずしもハードマスクを除去する必要は無い。
ドライエッチング装置としては、平行平板型電極を有する容量結合型プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)エッチング装置を用いることができる。平行平板型電極を有する容量結合型プラズマエッチング装置は、平行平板型電極の一方の電極に高周波電源を印加する構成でもよい。又は平行平板型電極の一方の電極に複数の異なった高周波電源を印加する構成でもよい。又は平行平板型電極それぞれに同じ周波数の高周波電源を印加する構成でもよい。又は平行平板型電極それぞれに周波数の異なる高周波電源を印加する構成でもよい。又は高密度プラズマ源を有するドライエッチング装置を用いることができる。高密度プラズマ源を有するドライエッチング装置は、例えば、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)エッチング装置などを用いることができる。
なお、上記ドライエッチングなどの処理を行うことによって、エッチングガスなどに起因した不純物が、導電体120b、絶縁体130b、及び導電体140bなどの表面又は内部に付着又は拡散することがある。不純物としては、例えば、フッ素又は塩素などがある。
上記の不純物などを除去するために、洗浄を行ってもよい。洗浄方法としては、洗浄液などを用いたウエット洗浄、プラズマを用いたプラズマ処理、又は熱処理による洗浄などがあり、上記洗浄を適宜組み合わせて行ってもよい。
ウエット洗浄としては、シュウ酸、リン酸又はフッ化水素酸などを炭酸水又は純水で希釈した水溶液を用いて洗浄処理を行ってもよい。又は、純水又は炭酸水を用いた超音波洗浄を行ってもよい。
次に、絶縁体110、導電体120b、絶縁体130b、及び導電体140b上に絶縁体175を成膜する。絶縁体175の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、又はALD法などを用いて行うことができる。本実施の形態では、絶縁体175として、CVD法によって酸化シリコンを成膜する。なお、絶縁体175としては、酸化シリコン以外に、例えば、酸化窒化シリコンを用いてもよい。
次に、絶縁体175の一部を除去することで、絶縁体175の上面を平坦化する(図8参照。)。当該平坦化は、CMP処理やドライエッチング処理などで行うことができる。本実施の形態では、CMP処理によって絶縁体175の上面を平坦化する。当該平坦化処理後の絶縁体175の上面は、導電体140bの上面よりも上に位置することが好ましい。なお、絶縁体175の成膜後の上面が平坦性を有している場合は、上記平坦化処理を行わなくてもよい場合がある。
ここで、第3の加熱処理を行ってもよい。第3の加熱処理は、第1の加熱処理の条件を用いることができる。当該加熱処理により、絶縁体175に含まれる水素や水などの不純物を低減させることができる。また、絶縁体175中に酸素を供給することができる。
次に、絶縁体175、導電体140b、絶縁体130b、及び導電体120bをリソグラフィー法により加工し、絶縁体110の上面に達する開口145、導電体120、絶縁体130、及び導電体140を形成する(図9参照。)。リソグラフィー法におけるレジスト露光は、マスクを介して、例えば、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、EUV光などを用いて行ってもよいし、液浸技術を用いて行ってもよい。また、マスクを介さずに、電子ビームやイオンビームでレジスト上に直接パターン描画を行う方法を用いてもよい。電子ビームやイオンビームを用いる露光は、上記の光を用いる露光よりも微細なパターンをレジスト上に描画できるため、微細加工に好適である。本実施の形態では、電子ビームを用いてレジスト露光を行う。
リソグラフィー法におけるエッチング処理としては、ドライエッチング法やウエットエッチング法を用いることができる。本実施の形態では、上述した電子ビームによるレジスト露光、及び現像後に、ドライエッチング法を用いて、絶縁体175、導電体140b、絶縁体130b、及び導電体120bのエッチングを行う。なお、当該エッチング処理によって形成される開口145は、その内壁(側面)が、基板面に対して略垂直に形成されることが好ましい。開口145の内壁(側面)が、基板面に対して垂直に近い角度で形成されるほど、トランジスタ10の微細化を図ることができる。なお、当該エッチング処理により、絶縁体110の一部が除去される場合がある。
次に、開口145の内壁及び絶縁体175上に、酸化物150となる酸化物を成膜する。酸化物150となる酸化物の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、又はALD法などを用いて行うことができる。
例えば、酸化物150となる酸化物をスパッタリング法によって成膜する場合は、スパッタリングガスとして酸素、又は、酸素と希ガスの混合ガスを用いる。スパッタリングガスに含まれる酸素の割合を高めることで、成膜される酸化物中の過剰酸素を増やすことができる。また、上記酸化物をスパッタリング法によって成膜する場合は、上述したIn-M-Zn酸化物のターゲットを用いることができる。
また、酸化物150となる酸化物をスパッタリング法によって成膜する場合、スパッタリングガスに含まれる酸素の割合を1%以上30%以下、好ましくは5%以上20%以下として成膜すると、酸素欠乏型の金属酸化物が形成される。酸素欠乏型の金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、比較的高い電界効果移動度が得られる。
本実施の形態では、酸化物150となる酸化物として、スパッタリング法によって、In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比]のIn-Ga-Zn酸化物ターゲットを用いて成膜する。なお、酸化物150となる酸化物は、成膜条件、及び原子数比を適宜選択することで、トランジスタ10の酸化物150に求める特性に合わせて成膜するとよい。
なお、上述したように、酸化物150は、2層以上の積層構造であってもよい。例えば、酸化物150が、下から酸化物150a(図示しない。)と、酸化物150b(図示しない。)からなる2層構造である場合、酸化物150aとなる酸化物は、スパッタリング法によって、In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比]のIn-Ga-Zn酸化物ターゲットを用いて、スパッタリングガスに含まれる酸素の割合を1%以上30%以下、好ましくは5%以上20%以下として成膜すればよい。そして、酸化物150bとなる酸化物は、スパッタリング法によって、In:Ga:Zn=1:3:4[原子数比]のIn-Ga-Zn酸化物ターゲットを用いて、スパッタリングガスに含まれる酸素の割合を70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは100%として成膜すればよい。酸化物150が当該構成である場合、主として、酸化物150aが、トランジスタ10のチャネル形成領域として機能する。酸化物150を当該構成とすることで、酸化物150bとなる酸化物に含まれる酸素を、第4の加熱処理などで、酸化物150aとなる酸化物に供給することができる。なお、第4の加熱処理は、酸化物150bとなる酸化物の成膜後に行うことが好ましい。加熱処理の条件としては、窒素雰囲気にて400℃の温度で1時間の処理を行った後に、連続して酸素雰囲気にて400℃の温度で1時間の処理を行うことが好ましい。
または、例えば、酸化物150が、下から酸化物150a(図示しない。)、酸化物150b(図示しない。)からなる2層構造である場合、酸化物150aとなる酸化物は、スパッタリング法によって、In:Ga:Zn=1:3:4[原子数比]のIn-Ga-Zn酸化物ターゲットを用いて、スパッタリングガスに含まれる酸素の割合を70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは100%として成膜すればよい。そして、酸化物150bとなる酸化物は、スパッタリング法によって、In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比]のIn-Ga-Zn酸化物ターゲットを用いて、スパッタリングガスに含まれる酸素の割合を1%以上30%以下、好ましくは5%以上20%以下として成膜すればよい。酸化物150が当該構成である場合、主として、酸化物150bが、トランジスタ10のチャネル形成領域として機能する。酸化物150を当該構成とすることで、酸化物150aとなる酸化物に含まれる酸素を、第4の加熱処理などで、酸化物150bとなる酸化物に供給することができる。
また、酸化物150が、下から酸化物150a、酸化物150b、及び酸化物150c(図示しない。)からなる3層構造である場合、酸化物150aとなる酸化物及び酸化物150bとなる酸化物は、上述の条件で成膜し、酸化物150cとなる酸化物は、スパッタリング法によって、In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比]のIn-Ga-Zn酸化物ターゲットを用いて、スパッタリングガスに含まれる酸素の割合を70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは100%として成膜すればよい。上述したように、酸化物150bとなる酸化物の成膜後に、第4の加熱処理を行うことが好ましい。酸化物150が当該構成である場合、主として、酸化物150bが、トランジスタ10のチャネル形成領域として機能する。酸化物150を当該構成とすることで、酸化物150aとなる酸化物に含まれる酸素に加え、酸化物150cとなる酸化物に含まれる酸素も、後の加熱処理などで、酸化物150bとなる酸化物に供給することができる。
次に、酸化物150となる酸化物上に、絶縁体160となる絶縁体を成膜する。絶縁体160となる絶縁体の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、又はALD法などを用いて行うことができる。本実施の形態では、絶縁体160となる絶縁体として、CVD法によって酸化シリコンを成膜する。なお、絶縁体160となる絶縁体としては、酸化シリコン以外に、例えば、酸化窒化シリコンを用いてもよい。
ここで、第5の加熱処理を行うことが好ましい。第5の加熱処理は、第4の加熱処理の条件を用いることができる。当該加熱処理により、絶縁体160となる絶縁体(及び、酸化物が3層構造である場合は、酸化物150cとなる酸化物)に含まれる酸素を、酸化物150となる酸化物(酸化物が3層構造である場合は、酸化物150bとなる酸化物)に供給することができる。
次に、絶縁体160となる絶縁体上に、導電体170となる導電体を成膜する。導電体170となる導電体の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、又はALD法などを用いて行うことができる。本実施の形態では、導電体170となる導電体として、ALD法によって窒化チタンを成膜した後、さらに、CVD法によってタングステンを成膜する。なお、導電体170となる導電体では、窒化チタンの膜厚よりも、タングステンの膜厚のほうが厚いことが好ましい。また、窒化チタンは、絶縁体160となる絶縁体を介して、開口145の内壁に沿って成膜し、開口145内の残りの空間をタングステンで埋め込むように成膜することが好ましい。このように導電体170となる導電体を成膜することで、後に、窒化チタンとタングステンの積層構造を有する導電体170を形成することができる。
次に、絶縁体175の上面が露出するまで導電体170となる導電体、絶縁体160となる絶縁体、及び酸化物150となる酸化物の上面を研磨し、導電体170、絶縁体160、及び酸化物150を形成する(図10参照。)。当該研磨は、CMP処理などによって行うことができる。また、絶縁体175の上面が露出するまで導電体170となる導電体、絶縁体160となる絶縁体、及び酸化物150となる酸化物の上面をドライエッチングすることによって、導電体170、絶縁体160、及び酸化物150を形成してもよい。本実施の形態では、CMP処理によって導電体170、絶縁体160、及び酸化物150の形成を行う。当該CMP処理によって、絶縁体175の上面の高さと、酸化物150、絶縁体160、及び導電体170の最上面の高さを同程度に形成することができる(図10参照。)。なお、当該CMP処理によって、絶縁体175の一部が除去される場合がある。
次に、絶縁体175の上面、酸化物150、絶縁体160、及び導電体170の最上面に絶縁体176を、絶縁体176上に絶縁体178を、絶縁体178上に絶縁体180を、それぞれ成膜する。絶縁体176、絶縁体178、及び絶縁体180の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、又はALD法などを用いて行うことができる。本実施の形態では、絶縁体176として、CVD法によって酸化シリコンを成膜し、絶縁体178として、スパッタリング法によって酸化アルミニウムを成膜し、絶縁体180として、CVD法によって酸化シリコンを成膜する。なお、絶縁体176又は絶縁体180は、酸化シリコン以外では、例えば、酸化窒化シリコンを用いてもよい。また、絶縁体178については、酸化アルミニウム以外では、例えば、窒化シリコン、酸化ハフニウムを用いてもよい。
次に、絶縁体180、絶縁体178、絶縁体176、及び絶縁体175に、導電体140に達する開口を形成する。開口の形成はウエットエッチング法を用いてもよいが、ドライエッチング法を用いるほうが微細加工には好ましい。
開口の形成後に、導電体195となる導電体を成膜する。ここで、導電体195は、酸素の透過を抑制する機能を有する導電体195a(図示しない。)と、導電体195aよりも導電率の高い導電体195b(図示しない。)とからなる、積層構造とすることが好ましい。
導電体195aとなる導電体は、酸素の透過を抑制する機能を有する導電性材料を含むことが好ましい。例えば、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化チタンなどを用いることができる。又は、タンタル、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅、モリブデンタングステン合金との積層膜とすることができる。導電体195aとなる導電体の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、又はALD法などを用いて行うことができる。
本実施の形態では、導電体195aとなる導電体として、スパッタリング法によって窒化タンタルを成膜する。
次に、導電体195aとなる導電体上に、導電体195bとなる導電体を成膜する。当該導電体の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、又はALD法などを用いて行うことができる。
本実施の形態では、導電体195bとなる導電体として、ALD法によって窒化チタンを成膜し、当該窒化チタン上にCVD法によってタングステンを成膜する。
次に、CMP処理を行うことで、導電体195aとなる導電体、及び、導電体195bとなる導電体の一部を除去し、絶縁体180を露出する。その結果、開口部のみに、導電体195aとなる導電体、及び、導電体195bとなる導電体が残存する。これにより、上面が平坦な、導電体195a及び導電体195bからなる導電体195を形成することができる。なお、当該CMP処理により、絶縁体180の一部が除去される場合がある。
次に、絶縁体180及び導電体195上に、導電体200となる導電体を成膜する。ここで、導電体200は、酸素の透過を抑制する機能を有する導電体200a(図示しない。)と、導電体200aよりも導電率の高い導電体200b(図示しない。)とからなる、積層構造とすることが好ましい。
導電体200aとなる導電体は、酸素の透過を抑制する機能を有する導電性材料を含むことが好ましい。例えば、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化チタンなどを用いることができる。又は、タンタル、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅、モリブデンタングステン合金との積層膜とすることができる。導電体200aとなる導電体の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、又はALD法などを用いて行うことができる。
本実施の形態では、導電体200aとなる導電体として、スパッタリング法によって窒化タンタル、又は窒化タンタルの上に窒化チタンを積層した膜を成膜する。導電体200aとなる導電体として、このような金属窒化物を用いることにより、後述する導電体200bに銅など拡散しやすい金属を用いても、当該金属が導電体200a及び導電体195を介して、トランジスタ10中に拡散するのを防ぐことができる。
次に、導電体200aとなる導電体上に、導電体200bとなる導電体を成膜する。導電体200bとなる導電体の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、又はALD法などを用いて行うことができる。本実施の形態では、導電体200bとなる導電体として、銅などの低抵抗導電性材料を成膜する。
次に、リソグラフィー法などを用いて、導電体195と重なる領域を有するように、導電体200bとなる導電体、及び導電体200aとなる導電体を加工し、絶縁体180上に導電体200a及び導電体200bからなる導電体200を形成することができる。なお、当該加工により、絶縁体180の一部が除去される場合がある。
以上により、本発明の一態様に係るトランジスタ10を有する半導体装置を作製することができる(図1参照。)。
以上のように、本発明の一態様により、微細化又は高集積化が可能な半導体装置を提供することができる。又は、本発明の一態様により、リソグラフィー法では作製することが困難な数nm、あるいはそれ以下のチャネル長の複数のトランジスタを、基板面内において、精度良くかつ容易に作製することができる。又は、本発明の一態様により、チャネル長が微細でありながら、短チャネル効果の顕在化しにくい、良好な電気特性のトランジスタを有する半導体装置を作製することができる。また、本発明の一態様では、チャネル長だけでなく、配線やプラグも含めた素子サイズの微細なトランジスタを有する半導体装置を作製することができる。又は、本発明の一態様により、良好な電気特性を有する半導体装置を提供することができる。又は、本発明の一態様により、オフ電流の小さいトランジスタを有する半導体装置を提供することができる。又は、本発明の一態様により、オン電流の大きいトランジスタを有する半導体装置を提供することができる。又は、本発明の一態様により、基板面内において、素子間の電気特性ばらつきが小さい半導体装置を提供することができる。又は、本発明の一態様により、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。又は、本発明の一態様により、消費電力が低減された半導体装置を提供することができる。又は、本発明の一態様により、生産性の高い半導体装置を提供することができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置の一形態を、図11を用いて説明する。
[記憶装置]
図11に示す記憶装置は、トランジスタ3000、トランジスタ2000、及び容量素子1000を有している。
トランジスタ2000は、金属酸化物を有する半導体層にチャネルが形成されるトランジスタである。トランジスタ2000は、オフ電流が小さいため、トランジスタ2000を記憶装置に用いることにより、長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作を必要としない、あるいは、リフレッシュ動作の頻度が極めて少ないため、記憶装置の消費電力を十分に低減することができる。
図11において、第1の配線3001は、トランジスタ3000のソースと電気的に接続され、第2の配線3002は、トランジスタ3000のドレインと電気的に接続されている。また、第3の配線3003は、トランジスタ2000のソース又はドレインの一方と電気的に接続され、第4の配線3004は、トランジスタ2000のゲートと電気的に接続されている。そして、トランジスタ3000のゲート、及びトランジスタ2000のソース又はドレインの他方は、容量素子1000の電極の一方と電気的に接続され、第5の配線3005は、容量素子1000の電極の他方と電気的に接続されている。
図11に示す記憶装置は、トランジスタ3000のゲートの電位が保持可能という特性を有することで、以下に示すように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。
情報の書き込み及び保持について説明する。まず、第4の配線3004の電位を、トランジスタ2000が導通状態となる電位にして、トランジスタ2000を導通状態とする。これにより、第3の配線3003の電位が、トランジスタ3000のゲート、及び容量素子1000の電極の一方と電気的に接続するノードFGに与えられる。すなわち、トランジスタ3000のゲートには、所定の電荷が与えられる(書き込み)。ここでは、異なる二つの電位レベルを与える電荷(以下、Lowレベル電荷、Highレベル電荷という。)のどちらかが与えられるものとする。その後、第4の配線3004の電位を、トランジスタ2000が非導通状態となる電位にして、トランジスタ2000を非導通状態とすることにより、ノードFGに電荷が保持される(保持)。
トランジスタ2000のオフ電流が小さい場合、ノードFGの電荷は長期間にわたって保持される。
次に情報の読み出しについて説明する。第1の配線3001に所定の電位(定電位)を与えた状態で、第5の配線3005に適切な電位(読み出し電位)を与えると、第2の配線3002は、ノードFGに保持された電荷量に応じた電位をとる。これは、トランジスタ3000をnチャネル型とすると、トランジスタ3000のゲートにHighレベル電荷が与えられている場合の見かけ上の閾値電圧Vth_Hは、トランジスタ3000のゲートにLowレベル電荷が与えられている場合の見かけ上の閾値電圧Vth_Lより低くなるためである。ここで、見かけ上の閾値電圧とは、トランジスタ3000を導通状態とするために必要な第5の配線3005の電位をいうものとする。したがって、第5の配線3005の電位をVth_HとVth_Lの間の電位V0とすることにより、ノードFGに与えられた電荷を判別できる。例えば、書き込みにおいて、ノードFGにHighレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線3005の電位がV0(>Vth_H)となれば、トランジスタ3000は導通状態となる。一方、ノードFGにLowレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線3005の電位がV0(<Vth_L)となっても、トランジスタ3000は非導通状態のままである。このため、第2の配線3002の電位を判別することで、ノードFGに保持されている情報を読み出すことができる。
<記憶装置の構造>
本発明の一態様の記憶装置は、図11に示すようにトランジスタ3000、トランジスタ2000、及び容量素子1000を有する。トランジスタ2000はトランジスタ3000の上方に設けられ、容量素子1000はトランジスタ3000、及びトランジスタ2000の上方に設けられている。
トランジスタ3000は、基板311上に設けられ、導電体316、絶縁体315、基板311の一部からなる半導体領域313、及び、ソース領域又はドレイン領域として機能する低抵抗領域314a及び低抵抗領域314bを有する。
トランジスタ3000は、pチャネル型、あるいはnチャネル型のいずれでもよい。
半導体領域313のチャネルが形成される領域、その近傍の領域、ソース領域、又はドレイン領域となる低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bなどにおいて、シリコン系半導体などの半導体を含むことが好ましく、単結晶シリコンを含むことが好ましい。又は、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、GaAs(ガリウムヒ素)、GaAlAs(ガリウムアルミニウムヒ素)などを有する材料で形成してもよい。結晶格子に応力を与え、格子間隔を変化させることで有効質量を制御したシリコンを用いた構成としてもよい。又はGaAsとGaAlAs等を用いることで、トランジスタ3000をHEMT(High Electron Mobility Transistor)としてもよい。
低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bは、半導体領域313に適用される半導体材料に加え、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、又はホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含む。
ゲート電極として機能する導電体316は、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、又はホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含むシリコンなどの半導体材料、金属材料、合金材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。
なお、導電体の材料により、仕事関数が定まるため、導電体の材料を変更することで、トランジスタのVthを調整することができる。具体的には、導電体に窒化チタンや窒化タンタルなどの材料を用いることが好ましい。さらに、導電性と埋め込み性を両立するために、導電体にタングステンやアルミニウムなどの金属材料を積層として用いることが好ましく、特に、タングステンを用いることが耐熱性の点で好ましい。
なお、図11に示すトランジスタ3000は一例であり、その構造に限定されず、回路構成や駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。
トランジスタ3000を覆って、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326が、順に積層して設けられている。
絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326として、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いればよい。
絶縁体322は、その下方に設けられるトランジスタ3000などによって生じる段差を平坦化する平坦化膜としての機能を有していてもよい。例えば、絶縁体322の上面は、平坦性を高めるためにCMP処理等により平坦化されていてもよい。
また、絶縁体324には、基板311、又はトランジスタ3000などから、トランジスタ2000が設けられる領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、例えば、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ2000等の金属酸化物を有する半導体素子に、水素が拡散することで、当該半導体素子の電気特性が劣化する場合がある。したがって、トランジスタ2000と、トランジスタ3000との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
水素の脱離量は、例えば、昇温脱離ガス分析法(TDS)などを用いて分析することができる。例えば、絶縁体324の水素の脱離量は、TDS分析において、膜の表面温度が50℃から500℃の範囲において、水素原子に換算した脱離量が、絶縁体324の面積当たりに換算して、10×1015atoms/cm2以下、好ましくは5×1015atoms/cm2以下であればよい。
なお、絶縁体326は、絶縁体324よりも誘電率が低いことが好ましい。例えば、絶縁体326の比誘電率は4未満が好ましく、3未満がより好ましい。また、例えば、絶縁体326の比誘電率は、絶縁体324の比誘電率の0.7倍以下が好ましく、0.6倍以下がより好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
また、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326には、容量素子1000、又はトランジスタ2000と電気的に接続する導電体328、及び導電体330等が埋め込まれている。なお、導電体328、及び導電体330はプラグ、又は配線としての機能を有する。また、プラグ又は配線としての機能を有する導電体は、複数の構造をまとめて同一の符号を付与する場合がある。また、本明細書等において、配線と、配線と電気的に接続するプラグとが一体物であってもよい。すなわち、導電体の一部が配線として機能する場合、及び導電体の一部がプラグとして機能する場合もある。
各プラグ、及び配線(導電体328、及び導電体330等)の材料としては、金属材料、合金材料、金属窒化物材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を、単層又は積層して用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、タングステンを用いることが好ましい。又は、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。
絶縁体326、及び導電体330上に、配線層を設けてもよい。例えば、図11において、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354が、順に積層して設けられている。また、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354には、導電体356が形成されている。導電体356は、プラグ、又は配線としての機能を有する。なお導電体356は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体350は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体356は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体350が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体356を形成することが好ましい。当該構成により、トランジスタ3000とトランジスタ2000とを、バリア層により分離することができ、トランジスタ3000からトランジスタ2000への水素の拡散を抑制することができる。
なお、水素に対するバリア性を有する導電体としては、例えば、窒化タンタル等を用いるとよい。また、窒化タンタルと導電性が高いタングステンを積層することで、配線としての導電性を保持したまま、トランジスタ3000からの水素の拡散を抑制することができる。この場合、水素に対するバリア性を有する窒化タンタル層が、水素に対するバリア性を有する絶縁体350と接する構造であることが好ましい。
絶縁体354、及び導電体356上に、配線層を設けてもよい。例えば、図11において、絶縁体360、絶縁体362、及び絶縁体364が、順に積層して設けられている。また、絶縁体360、絶縁体362、及び絶縁体364には、導電体366が形成されている。導電体366は、プラグ、又は配線としての機能を有する。なお導電体366は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体360は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体366は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体360が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体366を形成することが好ましい。当該構成により、トランジスタ3000とトランジスタ2000とを、バリア層により分離することができ、トランジスタ3000からトランジスタ2000への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体364、及び導電体366上に、配線層を設けてもよい。例えば、図11において、絶縁体370、絶縁体372、及び絶縁体374が、順に積層して設けられている。また、絶縁体370、絶縁体372、及び絶縁体374には、導電体376が形成されている。導電体376は、プラグ、又は配線としての機能を有する。なお導電体376は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体370は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体376は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体370が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体376を形成することが好ましい。当該構成により、トランジスタ3000とトランジスタ2000とを、バリア層により分離することができ、トランジスタ3000からトランジスタ2000への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体374、及び導電体376上に、配線層を設けてもよい。例えば、図11において、絶縁体380、絶縁体382、及び絶縁体384が、順に積層して設けられている。また、絶縁体380、絶縁体382、及び絶縁体384には、導電体386が形成されている。導電体386は、プラグ、又は配線としての機能を有する。なお導電体386は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体380は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体386は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体380が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体386を形成することが好ましい。当該構成により、トランジスタ3000とトランジスタ2000とを、バリア層により分離することができ、トランジスタ3000からトランジスタ2000への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体384、及び導電体386上には、絶縁体210、絶縁体100、絶縁体102、及び絶縁体105が、順に積層して設けられている。絶縁体210、絶縁体100、絶縁体102、及び絶縁体105のいずれかは、酸素や水素に対してバリア性のある膜を用いることが好ましい。
例えば、絶縁体210、及び絶縁体102には、基板311、又はトランジスタ3000を設ける領域などから、トランジスタ2000を設ける領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。したがって、絶縁体324と同様の材料を用いることができる。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ2000等の金属酸化物を有する半導体素子に水素が拡散することで、当該半導体素子の電気特性が劣化する場合がある。したがって、トランジスタ2000と、トランジスタ3000との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
また、水素に対するバリア性を有する膜として、例えば、絶縁体210、及び絶縁体102には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、及びトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中及び作製後において、水素、水などの不純物のトランジスタ2000への混入を防止することができる。また、トランジスタ2000を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ2000に対する保護膜として用いることに適している。
また、例えば、絶縁体100、及び絶縁体105には、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、当該絶縁体に、比較的誘電率が低い材料を用いることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体100、及び絶縁体105として、酸化シリコンや酸化窒化シリコンなどを用いることができる。
また、絶縁体210、絶縁体100、絶縁体102、及び絶縁体105には、導電体218、及びトランジスタ2000と電気的に接続する導電体(導電体185)等が埋め込まれている。なお、導電体218は、容量素子1000、又はトランジスタ3000と電気的に接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。導電体218は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
特に、絶縁体210、及び絶縁体102と接する領域の導電体218は、酸素、水素、及び水に対するバリア性を有する導電体であることが好ましい。当該構成により、トランジスタ3000とトランジスタ2000とを、酸素、水素、及び水に対するバリア性を有する層で確実に分離することができ、トランジスタ3000からトランジスタ2000への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体105の上方には、絶縁体110を介して、トランジスタ2000が設けられている。なお、トランジスタ2000の構造は、先の実施の形態で説明した半導体装置が有するトランジスタを用いればよい。また、図11に示すトランジスタ2000は一例であり、その構造に限定されず、回路構成や駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。
トランジスタ2000の上方には、絶縁体175、絶縁体176、及び絶縁体178を設ける。
絶縁体178は、酸素や水素に対してバリア性のある膜を用いることが好ましい。したがって、絶縁体178には、絶縁体102と同様の材料を用いることができる。例えば、絶縁体178には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、及びトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中及び作製後において、水素、水などの不純物のトランジスタ2000への混入を防止することができる。また、トランジスタ2000を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ2000に対する保護膜として用いることに適している。
また、絶縁体178上には、絶縁体180が設けられている。絶縁体180は、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、当該絶縁体に、比較的誘電率が低い材料を用いることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体180として、酸化シリコンや酸化窒化シリコンなどを用いることができる。
また、絶縁体110、絶縁体175、絶縁体176、絶縁体178、及び絶縁体180には、導電体246、及び導電体248等が埋め込まれている。
導電体246、及び導電体248は、容量素子1000、トランジスタ2000、又はトランジスタ3000と電気的に接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。導電体246、及び導電体248は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
トランジスタ2000の上方には、容量素子1000が設けられている。容量素子1000は、導電体1100、導電体1200、及び絶縁体1300を有する。
また、導電体246、及び導電体248上に、導電体112を設けてもよい。導電体112は、容量素子1000、トランジスタ2000、又はトランジスタ3000と電気的に接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。導電体1100は、容量素子1000の電極としての機能を有する。なお、導電体112、及び導電体1100は、同時に形成することができる。
導電体112、及び導電体1100には、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素を含む金属、又は上述した元素を成分とする金属窒化物(窒化タンタル、窒化チタン、窒化モリブデン、窒化タングステン)等を用いることができる。又は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。
図11では、導電体112、及び導電体1100が単層構造である構成を示したが、当該構成に限定されず、2層以上の積層構造でもよい。例えば、バリア性を有する導電体と導電性が高い導電体との間に、バリア性を有する導電体、及び導電性が高い導電体に対して密着性が高い導電体を形成してもよい。
また、導電体112、及び導電体1100上に、容量素子1000の誘電体として、絶縁体1300を設ける。絶縁体1300は、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、窒化酸化ハフニウム、窒化ハフニウムなどを用いればよく、積層又は単層で設けることができる。
例えば、絶縁体1300には、酸化窒化シリコンなどの絶縁耐圧の高い材料を用いるとよい。当該構成により、容量素子1000の絶縁破壊耐性が向上し、容量素子1000の静電破壊を抑制することができる。
絶縁体1300上に、導電体1100と重畳するように、導電体1200を設ける。なお、導電体1200は、金属材料、合金材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、特に、タングステンを用いることが好ましい。また、導電体などの他の構造と同時に形成する場合は、低抵抗金属材料であるCu(銅)やAl(アルミニウム)等を用いればよい。
導電体1200、及び絶縁体1300上には、絶縁体1500が設けられている。絶縁体1500は、絶縁体320と同様の材料を用いて設けることができる。また、絶縁体1500は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。
以上が、本発明の一態様に係る半導体装置を適用した記憶装置の構成例についての説明である。本構成を用いることで、金属酸化物を有するトランジスタを用いた半導体装置において、電気特性の変動を抑制するとともに、信頼性を向上させることができる。又は、オン電流が大きい金属酸化物を有するトランジスタを提供することができる。又は、オフ電流が小さい金属酸化物を有するトランジスタを提供することができる。又は、消費電力が低減された半導体装置を提供することができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、図12及び図13を用いて、本発明の一態様に係る、金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタ(以下、OSトランジスタと呼ぶ。)、及び容量素子が適用されている記憶装置の一例として、NOSRAMについて説明する。NOSRAM(登録商標)とは「Nonvolatile Oxide Semiconductor RAM」の略称であり、ゲインセル型(2T型、3T型)のメモリセルを有するRAMを指す。なお、以下において、NOSRAMのようにOSトランジスタを用いたメモリ装置を、OSメモリと呼ぶ場合がある。
NOSRAMでは、メモリセルにOSトランジスタが用いられるメモリ装置(以下、「OSメモリ」と呼ぶ。)が適用されている。OSメモリは、少なくとも容量素子と、容量素子の充放電を制御するOSトランジスタを有するメモリである。OSトランジスタが極小オフ電流のトランジスタであるので、OSメモリは優れた保持特性をもち、不揮発性メモリとして機能させることができる。
<<NOSRAM1600>>
図12にNOSRAMの構成例を示す。図12に示すNOSRAM1600は、メモリセルアレイ1610、コントローラ1640、行ドライバ1650、列ドライバ1660、出力ドライバ1670を有する。なお、NOSRAM1600は、1のメモリセルで多値データを記憶する多値NOSRAMである。
メモリセルアレイ1610は複数のメモリセル1611、複数のワード線WWL、複数のワード線RWL、複数のビット線BL、複数のソース線SLを有する。ワード線WWLは書き込みワード線であり、ワード線RWLは読み出しワード線である。NOSRAM1600では、1のメモリセル1611で3ビット(8値)のデータを記憶する。
コントローラ1640は、NOSRAM1600全体を統括的に制御し、データWDA[31:0]の書き込み、データRDA[31:0]の読み出しを行う。コントローラ1640は、外部からのコマンド信号(例えば、チップイネーブル信号、書き込みイネーブル信号など)を処理して、行ドライバ1650、列ドライバ1660及び出力ドライバ1670の制御信号を生成する。
行ドライバ1650は、アクセスする行を選択する機能を有する。行ドライバ1650は、行デコーダ1651、及びワード線ドライバ1652を有する。
列ドライバ1660は、ソース線SL及びビット線BLを駆動する。列ドライバ1660は、列デコーダ1661、書き込みドライバ1662、DAC(デジタル-アナログ変換回路)1663を有する。
DAC1663は3ビットのデジタルデータをアナログ電圧に変換する。DAC1663は32ビットのデータWDA[31:0]を3ビットごとに、アナログ電圧に変換する。
書き込みドライバ1662は、ソース線SLをプリチャージする機能、ソース線SLを電気的に浮遊状態にする機能、ソース線SLを選択する機能、選択されたソース線SLにDAC1663で生成した書き込み電圧を入力する機能、ビット線BLをプリチャージする機能、ビット線BLを電気的に浮遊状態にする機能等を有する。
出力ドライバ1670は、セレクタ1671、ADC(アナログ-デジタル変換回路)1672、出力バッファ1673を有する。セレクタ1671は、アクセスするソース線SLを選択し、選択されたソース線SLの電圧をADC1672に送信する。ADC1672は、アナログ電圧を3ビットのデジタルデータに変換する機能を持つ。ソース線SLの電圧はADC1672において、3ビットのデータに変換され、出力バッファ1673はADC1672から出力されるデータを保持する。
<メモリセル1611乃至メモリセル1614>
図13(A)は、メモリセル1611の構成例を示す回路図である。メモリセル1611は2T型のゲインセルであり、メモリセル1611はワード線WWL、ワード線RWL、ビット線BL、ソース線SLに電気的に接続されている。メモリセル1611は、ノードSN、OSトランジスタMO61、トランジスタMP61、容量素子C61を有する。OSトランジスタMO61は書き込みトランジスタである。トランジスタMP61は読み出しトランジスタであり、例えば、pチャネル型Siトランジスタで構成される。容量素子C61はノードSNの電圧を保持するための保持容量である。ノードSNはデータの保持ノードであり、ここではトランジスタMP61のゲートに相当する。
メモリセル1611の書き込みトランジスタがOSトランジスタMO61で構成されているため、NOSRAM1600は長時間データを保持することが可能である。
図13(A)の例では、ビット線は、書き込みと読み出しで共通のビット線であるが、図13(B)に示すように、書き込みビット線WBLと、読み出しビット線RBLとを設けてもよい。
図13(C)乃至図13(E)にメモリセルの他の構成例を示す。図13(C)乃至図13(E)には、書き込み用ビット線と読み出し用ビット線を設けた例を示しているが、図13(A)のように書き込みと読み出しで共有されるビット線を設けてもよい。
図13(C)に示すメモリセル1612は、メモリセル1611の変形例であり、読み出しトランジスタをnチャネル型トランジスタ(MN61)に変更したものである。トランジスタMN61はOSトランジスタであってもよいし、Siトランジスタであってもよい。
図13(D)に示すメモリセル1613は、3T型ゲインセルであり、ワード線WWL、ワード線RWL、ビット線WBL、ビット線RBL、ソース線SL、配線PCLに電気的に接続されている。メモリセル1613は、ノードSN、OSトランジスタMO62、トランジスタMP62、トランジスタMP63、容量素子C62を有する。OSトランジスタMO62は書き込みトランジスタである。トランジスタMP62は読み出しトランジスタであり、トランジスタMP63は選択トランジスタである。
図13(E)に示すメモリセル1614は、メモリセル1613の変形例であり、読み出しトランジスタ及び選択トランジスタをnチャネル型トランジスタ(MN62、MN63)に変更したものである。トランジスタMN62、トランジスタMN63はOSトランジスタであってもよいし、Siトランジスタであってもよい。
メモリセル1611乃至メモリセル1614に設けられるOSトランジスタは、ボトムゲートの無いトランジスタでもよいし、ボトムゲートが有るトランジスタであってもよい。
容量素子C61の充放電によってデータを書き換えるため、NOSRAM1600は原理的には書き換え回数に制約はなく、かつ、低エネルギーで、データの書き込み及び読み出しが可能である。また、長時間データを保持することが可能であるので、リフレッシュ頻度を低減できる。
上記実施の形態に示す半導体装置をメモリセル1611、メモリセル1612、メモリセル1613、メモリセル1614に用いる場合、OSトランジスタMO61、OSトランジスタMO62としてトランジスタ2000を用い、トランジスタMP61、トランジスタMN62としてトランジスタ3000を用いることができる。これにより、トランジスタの上面視における占有面積を低減することができるので、本実施の形態に係る記憶装置をさらに高集積化させることができる。よって、本実施の形態に係る記憶装置の単位面積当たりの記憶容量を増加させることができる。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、図14及び図15を用いて、本発明の一態様に係る、OSトランジスタが適用されている記憶装置の一例として、DOSRAMについて説明する。DOSRAM(登録商標)とは、「Dynamic Oxide Semiconductor RAM」の略称であり、1T(トランジスタ)1C(容量)型のメモリセルを有するRAMを指す。DOSRAMも、NOSRAMと同様に、OSメモリが適用されている。
<<DOSRAM1400>>
図14にDOSRAMの構成例を示す。図14に示すDOSRAM1400は、コントローラ1405、行回路1410、列回路1415、メモリセル及びセンスアンプアレイ1420(以下、「MC-SAアレイ1420」と呼ぶ。)を有する。
行回路1410は、デコーダ1411、ワード線ドライバ回路1412、列セレクタ1413、センスアンプドライバ回路1414を有する。列回路1415は、グローバルセンスアンプアレイ1416、入出力回路1417を有する。グローバルセンスアンプアレイ1416は、複数のグローバルセンスアンプ1447を有する。MC-SAアレイ1420は、メモリセルアレイ1422、センスアンプアレイ1423、グローバルビット線GBLL、グローバルビット線GBLRを有する。
(MC-SAアレイ1420)
MC-SAアレイ1420は、メモリセルアレイ1422をセンスアンプアレイ1423上に積層した積層構造を有する。グローバルビット線GBLL、グローバルビット線GBLRは、メモリセルアレイ1422上に積層されている。DOSRAM1400では、ビット線の構造に、ローカルビット線とグローバルビット線とで階層化された階層ビット線構造が採用されている。
メモリセルアレイ1422は、N個(Nは2以上の整数)のローカルメモリセルアレイ1425<0>乃至ローカルメモリセルアレイ1425<N-1>を有する。図15(A)に、ローカルメモリセルアレイ1425の構成例を示す。ローカルメモリセルアレイ1425は、複数のメモリセル1445、複数のワード線WL、複数のビット線BLL、複数のビット線BLRを有する。図15(A)の例では、ローカルメモリセルアレイ1425の構造はオープンビット線型であるが、フォールデッドビット線型であってもよい。
図15(B)に、メモリセル1445の回路構成例を示す。メモリセル1445は、トランジスタMW1、容量素子CS1、端子B1を有する。トランジスタMW1は、容量素子CS1の充放電を制御する機能を有する。トランジスタMW1のゲートはワード線に電気的に接続され、第1端子はビット線に電気的に接続され、第2端子は容量素子CS1の第1端子に電気的に接続されている。容量素子CS1の第2端子は、端子B1に電気的に接続されている。端子B1には、定電位(例えば、低電源電位)が入力される。
トランジスタMW1は、ボトムゲートを有するトランジスタであってもよい。トランジスタMW1が、ボトムゲートを有するトランジスタである場合、例えば、トランジスタMW1のボトムゲートを、トランジスタMW1のゲート、ソース、又はドレインに電気的に接続する構成としてもよい。
センスアンプアレイ1423は、N個のローカルセンスアンプアレイ1426<0>乃至ローカルセンスアンプアレイ1426<N-1>を有する。ローカルセンスアンプアレイ1426は、1のスイッチアレイ1444、複数のセンスアンプ1446を有する。センスアンプ1446には、ビット線対が電気的に接続されている。センスアンプ1446は、ビット線対をプリチャージする機能、ビット線対の電位差を増幅する機能、この電位差を保持する機能を有する。スイッチアレイ1444は、ビット線対を選択し、選択したビット線対とグローバルビット線対との間を導通状態にする機能を有する。
ここで、ビット線対とは、センスアンプによって、同時に比較される2本のビット線のことをいう。グローバルビット線対とは、グローバルセンスアンプによって、同時に比較される2本のグローバルビット線のことをいう。ビット線対を一対のビット線と呼ぶことができ、グローバルビット線対を一対のグローバルビット線と呼ぶことができる。ここでは、ビット線BLLとビット線BLRが1組のビット線対を成す。グローバルビット線GBLLとグローバルビット線GBLRとが1組のグローバルビット線対をなす。以下、ビット線対(BLL,BLR)、グローバルビット線対(GBLL,GBLR)とも表す。
(コントローラ1405)
コントローラ1405は、DOSRAM1400の動作全般を制御する機能を有する。コントローラ1405は、外部からの入力されるコマンド信号を論理演算して、動作モードを決定する機能、決定した動作モードが実行されるように、行回路1410、列回路1415の制御信号を生成する機能、外部から入力されるアドレス信号を保持する機能、内部アドレス信号を生成する機能を有する。
(行回路1410)
行回路1410は、MC-SAアレイ1420を駆動する機能を有する。デコーダ1411は、アドレス信号をデコードする機能を有する。ワード線ドライバ回路1412は、アクセス対象行のワード線WLを選択する選択信号を生成する。
列セレクタ1413、センスアンプドライバ回路1414は、センスアンプアレイ1423を駆動するための回路である。列セレクタ1413は、アクセス対象列のビット線を選択するための選択信号を生成する機能を有する。列セレクタ1413の選択信号によって、各ローカルセンスアンプアレイ1426のスイッチアレイ1444が制御される。センスアンプドライバ回路1414の制御信号によって、複数のローカルセンスアンプアレイ1426は独立して駆動される。
(列回路1415)
列回路1415は、データ信号WDA[31:0]の入力を制御する機能、データ信号RDA[31:0]の出力を制御する機能を有する。データ信号WDA[31:0]は書き込みデータ信号であり、データ信号RDA[31:0]は読み出しデータ信号である。
グローバルセンスアンプ1447は、グローバルビット線対(GBLL,GBLR)に電気的に接続されている。グローバルセンスアンプ1447は、グローバルビット線対(GBLL,GBLR)間の電位差を増幅する機能、この電位差を保持する機能を有する。グローバルビット線対(GBLL,GBLR)へのデータの書き込み、及び読み出しは、入出力回路1417によって行われる。
DOSRAM1400の書き込み動作の概要を説明する。入出力回路1417によって、データがグローバルビット線対に書き込まれる。グローバルビット線対のデータは、グローバルセンスアンプアレイ1416によって保持される。アドレスが指定するローカルセンスアンプアレイ1426のスイッチアレイ1444によって、グローバルビット線対のデータが、対象列のビット線対に書き込まれる。ローカルセンスアンプアレイ1426は、書き込まれたデータを増幅し、保持する。指定されたローカルメモリセルアレイ1425において、行回路1410によって、対象行のワード線WLが選択され、選択行のメモリセル1445にローカルセンスアンプアレイ1426の保持データが書き込まれる。
DOSRAM1400の読み出し動作の概要を説明する。アドレス信号によって、ローカルメモリセルアレイ1425の1行が指定される。指定されたローカルメモリセルアレイ1425において、対象行のワード線WLが選択状態となり、メモリセル1445のデータがビット線に書き込まれる。ローカルセンスアンプアレイ1426によって、各列のビット線対の電位差がデータとして検出され、かつ保持される。スイッチアレイ1444によって、ローカルセンスアンプアレイ1426の保持データのうち、アドレスが指定する列のデータが、グローバルビット線対に書き込まれる。グローバルセンスアンプアレイ1416は、グローバルビット線対のデータを検出し、保持する。グローバルセンスアンプアレイ1416の保持データは入出力回路1417に出力される。以上で、読み出し動作が完了する。
容量素子CS1の充放電によってデータを書き換えるため、DOSRAM1400は、原理的には書き換え回数に制約はなく、かつ、低エネルギーで、データの書き込み及び読み出しが可能である。また、メモリセル1445の回路構成が単純であるため、大容量化が容易である。
トランジスタMW1は、OSトランジスタである。OSトランジスタはオフ電流が極めて小さいため、容量素子CS1から電荷がリークすることを抑えることができる。したがって、DOSRAM1400の保持時間は、Siトランジスタを用いたDRAMに比べて非常に長い。したがって、リフレッシュの頻度を低減できるため、リフレッシュ動作に要する電力を削減できる。そのため、DOSRAM1400をフレームメモリとして用いることで、表示コントローラIC、及びソースドライバICの消費電力を削減することができる。
MC-SAアレイ1420が積層構造であることよって、ローカルセンスアンプアレイ1426の長さと同程度の長さにビット線を短くすることができる。ビット線を短くすることで、ビット線容量が小さくなり、メモリセル1445の保持容量を低減することができる。また、ローカルセンスアンプアレイ1426にスイッチアレイ1444を設けることで、長いビット線の本数を減らすことができる。以上の理由から、DOSRAM1400のアクセス時に駆動する負荷が低減されるので、表示コントローラIC、及びソースドライバICの消費エネルギーを低減できる。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る、金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタ(OSトランジスタ)が適用されている半導体装置の一例として、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)について説明する。本実施の形態のFPGAは、コンフィギュレーションメモリ、及びレジスタにOSメモリが適用されている。ここでは、このようなFPGAを「OS-FPGA」と呼ぶ。
OSメモリは、少なくとも容量素子と、容量素子の充放電を制御するOSトランジスタを有するメモリである。OSトランジスタが極小オフ電流のトランジスタであるので、OSメモリは優れた保持特性を有し、不揮発性メモリとして機能させることができる。
図16(A)に、OS-FPGAの構成例を示す。図16(A)に示すOS-FPGA3110は、マルチコンテキスト構造によるコンテキスト切り替えとPLE毎の細粒度パワーゲーティングを実行するNOFF(ノーマリオフ)コンピューティングが可能である。OS-FPGA3110は、コントローラ(Controller)3111、ワードドライバ(Word driver)3112、データドライバ(Data driver)3113、プログラマブルエリア(Programmable area)3115を有する。
プログラマブルエリア3115は、2個の入出力ブロック(IOB)3117、コア(Core)3119を有する。IOB3117は、複数のプログラマブル入出力回路を有する。コア3119は、複数のロジックアレイブロック(LAB)3120、複数のスイッチアレイブロック(SAB)3130を有する。LAB3120は、複数のPLE3121を有する。図16(B)には、LAB3120を5個のPLE3121で構成する例を示す。図16(C)に示すように、SAB3130は、アレイ状に配列された複数のスイッチブロック(SB)3131を有する。LAB3120は自身の入力端子と、SAB3130を介して4(上下左右)方向のLAB3120に接続される。
図17(A)乃至図17(C)を参照して、SB3131について説明する。図17(A)に示すSB3131には、data、datab、信号context[1:0]、word[1:0]が入力される。data、databはコンフィギュレーションデータであり、dataとdatabは論理が相補的な関係にある。OS-FPGA3110のコンテキスト数は2であり、信号context[1:0]はコンテキスト選択信号である。信号word[1:0]はワード線選択信号であり、信号word[1:0]が入力される配線がそれぞれワード線である。
SB3131は、PRS(プログラマブルルーティングスイッチ)3133[0]、PRS3133[1]を有する。PRS3133[0]、PRS3133[1]は、相補データを格納できるコンフィギュレーションメモリ(CM)を有する。なお、PRS3133[0]とPRS3133[1]とを区別しない場合、PRS3133と呼ぶ。他の要素についても同様である。
図17(B)に、PRS3133[0]の回路構成例を示す。PRS3133[0]とPRS3133[1]とは、同じ回路構成を有する。PRS3133[0]とPRS3133[1]とは、入力されるコンテキスト選択信号、ワード線選択信号が異なる。信号context[0]、信号word[0]はPRS3133[0]に入力され、信号context[1]、信号word[1]はPRS3133[1]に入力される。例えば、SB3131において、信号context[0]が“H”になることで、PRS3133[0]がアクティブになる。
PRS3133[0]は、CM3135、SiトランジスタM31を有する。SiトランジスタM31は、CM3135により制御されるパストランジスタである。CM3135は、メモリ回路3137、メモリ回路3137Bを有する。メモリ回路3137、メモリ回路3137Bは同じ回路構成である。メモリ回路3137は、容量素子C31、OSトランジスタMO31、OSトランジスタMO32を有する。メモリ回路3137Bは、容量素子CB31、OSトランジスタMOB31、OSトランジスタMOB32を有する。
OSトランジスタMO31、OSトランジスタMO32、OSトランジスタMOB31、及びOSトランジスタMOB32はボトムゲートを有していてもよい。例えば、OSトランジスタMO31、OSトランジスタMO32、OSトランジスタMOB31、及びOSトランジスタMOB32がボトムゲートを有している場合、これらボトムゲートはそれぞれ固定電位を供給する電源線と電気的に接続されていてもよい。
SiトランジスタM31のゲートがノードN31であり、OSトランジスタMO32のゲートがノードN32であり、OSトランジスタMOB32のゲートがノードNB32である。ノードN32、ノードNB32はCM3135の電荷保持ノードである。OSトランジスタMO32は、ノードN31と信号context[0]用の信号線との間の導通状態を制御する。OSトランジスタMOB32は、ノードN31と低電位電源線VSSとの間の導通状態を制御する。
メモリ回路3137、メモリ回路3137Bが保持するデータの論理は相補的な関係にある。したがって、OSトランジスタMO32又はOSトランジスタMOB32のいずれか一方が導通する。
図17(C)を参照して、PRS3133[0]の動作例を説明する。PRS3133[0]にコンフィギュレーションデータが既に書き込まれており、PRS3133[0]のノードN32は“H”であり、ノードNB32は“L”である。
信号context[0]が“L”である間は、PRS3133[0]は非アクティブである。この期間に、PRS3133[0]の入力端子が“H”に遷移しても、SiトランジスタM31のゲートは“L”が維持され、PRS3133[0]の出力端子も“L”が維持される。
信号context[0]が“H”である間は、PRS3133[0]はアクティブである。信号context[0]が“H”に遷移すると、CM3135が記憶するコンフィギュレーションデータによって、SiトランジスタM31のゲートは“H”に遷移する。
PRS3133[0]がアクティブである期間に、入力端子が“H”に遷移すると、メモリ回路3137のOSトランジスタMO32がソースフォロアであるために、ブースティング(boosting)によってSiトランジスタM31のゲート電位は上昇する。その結果、メモリ回路3137のOSトランジスタMO32は駆動能力を失い、SiトランジスタM31のゲートは浮遊状態となる。
マルチコンテキスト機能を備えるPRS3133において、CM3135はマルチプレクサの機能を併せ持つ。
図18に、PLE3121の構成例を示す。PLE3121は、LUT(ルックアップテーブル)ブロック3123、レジスタブロック3124、セレクタ3125、CM3126を有する。LUTブロック(LUT block)3123は、入力inA-inDに従ってデータを選択し、出力する構成である。セレクタ3125は、CM3126が格納するコンフィギュレーションデータに従って、LUTブロック3123の出力又はレジスタブロック3124の出力を選択する。
PLE3121は、パワースイッチ3127を介して電位VDD用の電源線に電気的に接続されている。パワースイッチ3127のオンオフは、CM3128が格納するコンフィギュレーションデータによって設定される。各PLE3121にパワースイッチ3127を設けることで、細粒度パワーゲーティングが可能である。細粒度パワーゲーティング機能により、コンテキストの切り替え後に使用されないPLE3121をパワーゲーティングすることができるので、待機電力を効果的に低減できる。
NOFFコンピューティングを実現するため、レジスタブロック3124は、不揮発性レジスタで構成される。PLE3121内の不揮発性レジスタは、OSメモリを備えるフリップフロップ(以下「OS-FF」と呼ぶ。)である。
レジスタブロック3124は、OS-FF3140[1]、OS-FF3140[2]を有する。信号user_res、信号load、信号storeがOS-FF3140[1]、OS-FF3140[2]に入力される。クロック信号CLK1はOS-FF3140[1]に入力され、クロック信号CLK2はOS-FF3140[2]に入力される。図19(A)に、OS-FF3140の構成例を示す。
OS-FF3140は、FF3141、シャドウレジスタ3142を有する。FF3141は、ノードCK、ノードR、ノードD、ノードQ、及びノードQBを有する。ノードCKにはクロック信号が入力される。ノードRには信号user_resが入力される。信号user_resはリセット信号である。ノードDはデータ入力ノードであり、ノードQはデータ出力ノードである。ノードQとノードQBとは、論理が相補関係にある。
シャドウレジスタ3142は、FF3141のバックアップ回路として機能する。シャドウレジスタ3142は、信号storeに従い、ノードQ、ノードQBのデータをそれぞれバックアップし、また、信号loadに従い、バックアップしたデータをノードQ、ノードQBに書き戻す。
シャドウレジスタ3142は、インバータ回路3188、インバータ回路3189、SiトランジスタM37、SiトランジスタMB37、メモリ回路3143、メモリ回路3143Bを有する。メモリ回路3143、メモリ回路3143Bは、PRS3133のメモリ回路3137と同じ回路構成である。メモリ回路3143は、容量素子C36、OSトランジスタMO35、OSトランジスタMO36を有する。メモリ回路3143Bは、容量素子CB36、OSトランジスタMOB35、OSトランジスタMOB36を有する。ノードN36、ノードNB36は、OSトランジスタMO36、OSトランジスタMOB36のゲートであり、それぞれ電荷保持ノードである。ノードN37、ノードNB37は、SiトランジスタM37、SiトランジスタMB37のゲートである。
OSトランジスタMO35、OSトランジスタMO36、OSトランジスタMOB35、及びOSトランジスタMOB36はボトムゲートを有していてもよい。例えば、OSトランジスタMO35、OSトランジスタMO36、OSトランジスタMOB35、及びOSトランジスタMOB36がボトムゲートを有している場合、これらボトムゲートはそれぞれ固定電位を供給する電源線と電気的に接続されていてもよい。
図19(B)を参照して、OS-FF3140の動作方法例を説明する。
(バックアップ(Backup))
“H”の信号storeがOS-FF3140に入力されると、シャドウレジスタ3142はFF3141のデータをバックアップする。ノードN36は、ノードQのデータが書き込まれることで、“L”となり、ノードNB36は、ノードQBのデータが書き込まれることで、“H”となる。しかる後、パワーゲーティングが実行され、パワースイッチ3127をオフにする。FF3141のノードQ、ノードQBのデータは消失するが、電源オフであっても、シャドウレジスタ3142はバックアップしたデータを保持する。
(リカバリ(Recovery))
パワースイッチ3127をオンにし、PLE3121に電源を供給する。しかる後、“H”の信号loadがOS-FF3140に入力されると、シャドウレジスタ3142はバックアップしているデータをFF3141に書き戻す。ノードN36は“L”であるので、ノードN37は“L”が維持され、ノードNB36は“H”であるので、ノードNB37は“H”となる。よって、ノードQは“H”になり、ノードQBは“L”になる。つまり、OS-FF3140はバックアップ動作時の状態に復帰する。
細粒度パワーゲーティングと、OS-FF3140のバックアップ/リカバリ動作とを組み合わせることで、OS-FPGA3110の消費電力を効果的に低減できる。
メモリ回路において発生し得るエラーとして、放射線の入射によるソフトエラーが挙げられる。ソフトエラーは、メモリやパッケージを構成する材料などから放出されるα線や、宇宙から大気に入射した一次宇宙線が大気中に存在する原子の原子核と核反応を起こすことにより発生する二次宇宙線中性子などがトランジスタに照射され、電子正孔対が生成されることにより、メモリに保持されたデータが反転するなどの誤作動が生じる現象である。OSトランジスタを用いたOSメモリはソフトエラー耐性が高い。そのため、OSメモリを搭載することで、信頼性の高いOS-FPGA3110を提供することができる。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態においては、上述した記憶装置など、本発明の一態様に係る半導体装置を含むCPUの一例について説明する。
<CPUの構成>
図20に示す半導体装置5400は、CPUコア5401、パワーマネージメントユニット5421、及び周辺回路5422を有する。パワーマネージメントユニット5421は、パワーコントローラ(Power Controller)5402、及びパワースイッチ(Power Switch)5403を有する。周辺回路5422は、キャッシュメモリを有するキャッシュ(Cache)5404、バスインターフェース(BUS I/F)5405、及びデバッグインターフェース(Debug I/F)5406を有する。CPUコア5401は、データバス5423、制御装置(Control Unit)5407、PC(プログラムカウンタ)5408、パイプラインレジスタ(Pipeline Register)5409、パイプラインレジスタ5410、ALU(Arithmetic logic unit)5411、及びレジスタファイル(Register File)5412を有する。CPUコア5401と、キャッシュ5404等の周辺回路5422とのデータのやり取りは、データバス5423を介して行われる。
半導体装置(セル)は、パワーコントローラ5402、制御装置5407をはじめ、多くの論理回路に適用することができる。特に、スタンダードセルを用いて構成することができる全ての論理回路に適用することができる。その結果、小型の半導体装置5400を提供できる。また、消費電力を低減することが可能な半導体装置5400を提供できる。また、動作速度を向上することが可能な半導体装置5400を提供できる。また、電源電圧の変動を低減することが可能な半導体装置5400を提供できる。
半導体装置(セル)に、pチャネル型Siトランジスタと、先の実施の形態に記載の金属酸化物(好ましくは、In、Ga、及びZnを含む酸化物)をチャネル形成領域に含むトランジスタとを用い、当該半導体装置(セル)を半導体装置5400に適用することで、小型の半導体装置5400を提供できる。また、消費電力を低減することが可能な半導体装置5400を提供できる。また、動作速度を向上することが可能な半導体装置5400を提供できる。特に、Siトランジスタをpチャネル型のみとすることで、製造コストを低く抑えることができる。
制御装置5407は、PC5408、パイプラインレジスタ5409、パイプラインレジスタ5410、ALU5411、レジスタファイル5412、キャッシュ5404、バスインターフェース5405、デバッグインターフェース5406、及びパワーコントローラ5402の動作を統括的に制御することで、入力されたアプリケーションなどのプログラムに含まれる命令をデコードし、実行する機能を有する。
ALU5411は、四則演算、論理演算などの各種演算処理を行う機能を有する。
キャッシュ5404は、使用頻度の高いデータを一時的に記憶しておく機能を有する。PC5408は、次に実行する命令のアドレスを記憶する機能を有するレジスタである。なお、図20では図示していないが、キャッシュ5404には、キャッシュメモリの動作を制御するキャッシュコントローラが設けられている。
パイプラインレジスタ5409は、命令データを一時的に記憶する機能を有するレジスタである。
レジスタファイル5412は、汎用レジスタを含む複数のレジスタを有しており、メインメモリから読み出されたデータ、又はALU5411の演算処理の結果得られたデータなどを記憶することができる。
パイプラインレジスタ5410は、ALU5411の演算処理に利用するデータ、又はALU5411の演算処理の結果、得られたデータなどを一時的に記憶する機能を有するレジスタである。
バスインターフェース5405は、半導体装置5400と半導体装置5400の外部にある各種装置との間におけるデータの経路としての機能を有する。デバッグインターフェース5406は、デバッグの制御を行うための命令を半導体装置5400に入力するための信号の経路としての機能を有する。
パワースイッチ5403は、半導体装置5400が有するパワーコントローラ5402以外の各種回路への、電源電圧の供給を制御する機能を有する。上記各種回路は、いくつかのパワードメインにそれぞれ属しており、同一のパワードメインに属する各種回路は、パワースイッチ5403によって電源電圧の供給の有無が制御される。また、パワーコントローラ5402は、パワースイッチ5403の動作を制御する機能を有する。
上記構成を有する半導体装置5400は、パワーゲーティングを行うことが可能である。パワーゲーティングの動作の流れについて、一例を挙げて説明する。
まず、CPUコア5401が、電源電圧の供給を停止するタイミングを、パワーコントローラ5402のレジスタに設定する。次いで、CPUコア5401からパワーコントローラ5402へ、パワーゲーティングを開始する旨の命令を送る。次いで、半導体装置5400内に含まれる各種レジスタとキャッシュ5404が、データの退避を開始する。次いで、半導体装置5400が有するパワーコントローラ5402以外の各種回路への電源電圧の供給が、パワースイッチ5403により停止される。次いで、割り込み信号がパワーコントローラ5402に入力されることで、半導体装置5400が有する各種回路への電源電圧の供給が開始される。なお、パワーコントローラ5402にカウンタを設けておき、電源電圧の供給が開始されるタイミングを、割り込み信号の入力によらずに、当該カウンタを用いて決めるようにしてもよい。次いで、各種レジスタとキャッシュ5404が、データの復帰を開始する。次いで、制御装置5407における命令の実行が再開される。
このようなパワーゲーティングは、プロセッサ全体、又はプロセッサを構成する一つ、若しくは複数の論理回路において行うことができる。また、短い時間でも電源の供給を停止することができる。このため、空間的に、あるいは時間的に細かい粒度で消費電力の削減を行うことができる。
パワーゲーティングを行う場合、CPUコア5401や周辺回路5422が保持する情報を短期間に退避できることが好ましい。そうすることで、短期間に電源のオンオフが可能となり、省電力の効果が大きくなる。
CPUコア5401や周辺回路5422が保持する情報を短期間に退避するためには、フリップフロップ回路がその回路内でデータ退避できることが好ましい(バックアップ可能なフリップフロップ回路と呼ぶ。)。また、SRAMセルがセル内でデータ退避できることが好ましい(バックアップ可能なSRAMセルと呼ぶ。)。バックアップ可能なフリップフロップ回路やSRAMセルは、金属酸化物(好ましくは、In、Ga、及びZnを含む酸化物)をチャネル形成領域に含むトランジスタを有することが好ましい。その結果、トランジスタが低いオフ電流を有することで、バックアップ可能なフリップフロップ回路やSRAMセルは、長期間電源供給無しでも情報を保持することができる。また、トランジスタが高速なスイッチング速度を有することで、バックアップ可能なフリップフロップ回路やSRAMセルは、短期間のデータ退避及び復帰が可能となる場合がある。
バックアップ可能なフリップフロップ回路の例について、図21を用いて説明する。
図21に示す半導体装置5500は、バックアップ可能なフリップフロップ回路の一例である。半導体装置5500は、第1の記憶回路5501と、第2の記憶回路5502と、第3の記憶回路5503と、読み出し回路5504と、を有する。半導体装置5500には、電位V1と電位V2の電位差が、電源電圧として供給される。電位V1と電位V2は一方がハイレベルであり、他方がローレベルである。以下、電位V1がローレベル、電位V2がハイレベルの場合を例に挙げて、半導体装置5500の構成例について説明するものとする。
第1の記憶回路5501は、半導体装置5500に電源電圧が供給されている期間において、データを含む信号Dが入力されると、当該データを保持する機能を有する。そして、半導体装置5500に電源電圧が供給されている期間において、第1の記憶回路5501からは、保持されているデータを含む信号Qが出力される。一方、第1の記憶回路5501は、半導体装置5500に電源電圧が供給されていない期間においては、データを保持することができない。すなわち、第1の記憶回路5501は、揮発性の記憶回路と呼ぶことができる。
第2の記憶回路5502は、第1の記憶回路5501に保持されているデータを読み込んで記憶する(あるいは退避する。)機能を有する。第3の記憶回路5503は、第2の記憶回路5502に保持されているデータを読み込んで記憶する(あるいは退避する。)機能を有する。読み出し回路5504は、第2の記憶回路5502又は第3の記憶回路5503に保持されたデータを読み出して第1の記憶回路5501に記憶する(あるいは復帰する。)機能を有する。
特に、第3の記憶回路5503は、半導体装置5500に電源電圧が供給されてない期間においても、第2の記憶回路5502に保持されているデータを読み込んで記憶する(あるいは退避する。)機能を有する。
図21に示すように、第2の記憶回路5502は、トランジスタ5512と、容量素子5519とを有する。第3の記憶回路5503は、トランジスタ5513と、トランジスタ5515と、容量素子5520とを有する。読み出し回路5504は、トランジスタ5510と、トランジスタ5518と、トランジスタ5509と、トランジスタ5517と、を有する。
トランジスタ5512は、第1の記憶回路5501に保持されているデータに応じた電荷を、容量素子5519に充放電する機能を有する。トランジスタ5512は、第1の記憶回路5501に保持されているデータに応じた電荷を容量素子5519に対して高速に充放電できることが好ましい。具体的には、トランジスタ5512が、結晶性を有するシリコン(好ましくは、多結晶シリコン、さらに好ましくは、単結晶シリコン)をチャネル形成領域に含むことが好ましい。
トランジスタ5513は、容量素子5519に保持されている電荷に従って導通状態又は非導通状態が選択される。トランジスタ5515は、トランジスタ5513が導通状態であるときに、配線5544の電位に応じた電荷を容量素子5520に充放電する機能を有する。トランジスタ5515は、オフ電流が著しく小さいことが好ましい。具体的には、トランジスタ5515が、金属酸化物(好ましくは、In、Ga、及びZnを含む酸化物)をチャネル形成領域に含むことが好ましい。
各素子の接続関係を具体的に説明すると、トランジスタ5512のソース及びドレインの一方は、第1の記憶回路5501に接続されている。トランジスタ5512のソース及びドレインの他方は、容量素子5519の一方の電極、トランジスタ5513のゲート、及びトランジスタ5518のゲートに接続されている。容量素子5519の他方の電極は、配線5542に接続されている。トランジスタ5513のソース及びドレインの一方は、配線5544に接続されている。トランジスタ5513のソース及びドレインの他方は、トランジスタ5515のソース及びドレインの一方に接続されている。トランジスタ5515のソース及びドレインの他方は、容量素子5520の一方の電極、及びトランジスタ5510のゲートに接続されている。容量素子5520の他方の電極は、配線5543に接続されている。トランジスタ5510のソース及びドレインの一方は、配線5541に接続されている。トランジスタ5510のソース及びドレインの他方は、トランジスタ5518のソース及びドレインの一方に接続されている。トランジスタ5518のソース及びドレインの他方は、トランジスタ5509のソース及びドレインの一方に接続されている。トランジスタ5509のソース及びドレインの他方は、トランジスタ5517のソース及びドレインの一方、及び第1の記憶回路5501に接続されている。トランジスタ5517のソース及びドレインの他方は、配線5540に接続されている。また、図21においては、トランジスタ5509のゲートは、トランジスタ5517のゲートと接続されているが、トランジスタ5509のゲートは、必ずしもトランジスタ5517のゲートと接続されていなくてもよい。
トランジスタ5515に、先の実施の形態で例示したトランジスタを適用することができる。トランジスタ5515のオフ電流が小さいために、半導体装置5500は、長期間電源供給無しに情報を保持することができる。トランジスタ5515のスイッチング特性が良好であるために、半導体装置5500は、高速のバックアップとリカバリを行うことができる。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置の一形態を、図22及び図23を用いて説明する。
<半導体ウエハ、チップ>
図22(A)は、ダイシング処理が行われる前の基板711の上面図を示している。基板711としては、例えば、半導体基板(「半導体ウエハ」ともいう。)を用いることができる。基板711上には、複数の回路領域712が設けられている。回路領域712には、本発明の一態様に係る半導体装置などを設けることができる。
複数の回路領域712は、それぞれが分離領域713に囲まれている。分離領域713と重なる位置に分離線(「ダイシングライン」ともいう。)714が設定される。分離線714に沿って基板711を切断することで、回路領域712を含むチップ715を、基板711から切り出すことができる。図22(B)に、チップ715の拡大図を示す。
また、分離領域713に導電層、半導体層などを設けてもよい。分離領域713に導電層、半導体層などを設けることで、ダイシング工程時に生じ得るESD(Erectro-Static Discharge:静電気放電)を緩和し、ダイシング工程に起因する歩留まりの低下を防ぐことができる。また、一般にダイシング工程は、基板の冷却、削りくずの除去、帯電防止などを目的として、炭酸ガスなどを溶解させて比抵抗を下げた純水を切削部に供給しながら行う。分離領域713に導電層、半導体層などを設けることで、当該純水の使用量を削減することができる。よって、半導体装置の生産コストを低減することができる。また、半導体装置の生産性を高めることができる。
<電子部品>
チップ715を用いた電子部品の一例について、図23(A)及び図23(B)を用いて説明する。なお、電子部品は、半導体パッケージ、又はIC用パッケージともいう。電子部品は、端子取り出し方向、端子の形状などに応じて、複数の規格、名称などが存在する。
電子部品は、組み立て工程(後工程)において、上記実施の形態に示した半導体装置と当該半導体装置以外の部品が組み合わされて完成する。
図23(A)に示すフローチャートを用いて、後工程について説明する。前工程において、基板711に本発明の一態様に係る半導体装置などを形成した後、基板711の裏面(半導体装置などが形成されていない面)を研削する「裏面研削工程」を行う(ステップS721)。研削により基板711を薄くすることで、電子部品の小型化を図ることができる。
次に、基板711を複数のチップ715に分離する「ダイシング工程」を行う(ステップS722)。そして、分離したチップ715を個々のリードフレーム上に接合する「ダイボンディング工程」を行う(ステップS723)。ダイボンディング工程におけるチップ715とリードフレームとの接合は、樹脂による接合、又はテープによる接合など、適宜製品に応じて適した方法を選択する。なお、リードフレームに代えてインターポーザ基板上にチップ715を接合してもよい。
次いで、リードフレームのリードとチップ715上の電極とを、金属の細線(ワイヤー)で電気的に接続する「ワイヤーボンディング工程」を行う(ステップS724)。金属の細線には、銀線、金線などを用いることができる。また、ワイヤーボンディングは、例えば、ボールボンディング、又はウェッジボンディングを用いることができる。
ワイヤーボンディングされたチップ715は、エポキシ樹脂などで封止される「封止工程(モールド工程)」が施される(ステップS725)。封止工程を行うことで、電子部品の内部が樹脂で充填され、チップ715とリードを接続するワイヤーを機械的な外力から保護することができ、また、水分、埃などによる電気特性の劣化(信頼性の低下)を低減させることができる。
次いで、リードフレームのリードをめっき処理する「リードめっき工程」を行う(ステップS726)。めっき処理によりリードの錆を防止し、後にプリント基板に実装する際のはんだ付けをより確実に行うことができる。次いで、リードを切断及び成形加工する「成形加工工程」を行う(ステップS727)。
次いで、パッケージの表面に印字処理(マーキング)を施す「マーキング工程」を行う(ステップS728)。そして、外観形状の良否、動作不良の有無などを調べる「検査工程」(ステップS729)を経て、電子部品が完成する。
また、完成した電子部品の斜視模式図を図23(B)に示す。図23(B)では、電子部品の一例として、QFP(Quad Flat Package)の斜視模式図を示している。図23(B)に示す電子部品750は、リード755及びチップ715を有する。電子部品750は、チップ715を複数有していてもよい。
図23(B)に示す電子部品750は、例えば、プリント基板752に実装される。このような電子部品750が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板752上で電気的に接続されることで、電子部品が実装された基板(実装基板754)が完成する。完成した実装基板754は、電子機器などに用いられる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態8)
<電子機器>
本発明の一態様に係る半導体装置は、様々な電子機器に用いることができる。図24に、本発明の一態様に係る半導体装置を用いた電子機器の具体例を示す。
図24(A)は、自動車の一例を示す外観図である。自動車2980は、車体2981、車輪2982、ダッシュボード2983、及びライト2984等を有する。また、自動車2980は、アンテナ、バッテリなどを備える。
図24(B)に示す情報端末2910は、筐体2911、表示部2912、マイク2917、スピーカ部2914、カメラ2913、外部接続部2916、及び操作スイッチ2915等を有する。表示部2912には、可撓性基板が用いられた表示パネル及びタッチスクリーンを備える。また、情報端末2910は、筐体2911の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。情報端末2910は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット型情報端末、タブレット型パーソナルコンピュータ、電子書籍端末等として用いることができる。
図24(C)に示すノート型パーソナルコンピュータ2920は、筐体2921、表示部2922、キーボード2923、及びポインティングデバイス2924等を有する。また、ノート型パーソナルコンピュータ2920は、筐体2921の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。
図24(D)に示すビデオカメラ2940は、筐体2941、筐体2942、表示部2943、操作スイッチ2944、レンズ2945、及び接続部2946等を有する。操作スイッチ2944及びレンズ2945は筐体2941に設けられており、表示部2943は筐体2942に設けられている。また、ビデオカメラ2940は、筐体2941の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。そして、筐体2941と筐体2942は、接続部2946により接続されており、筐体2941と筐体2942の間の角度は、接続部2946により変えることが可能な構造となっている。筐体2941に対する筐体2942の角度によって、表示部2943に表示される画像の向きの変更や、画像の表示/非表示の切り換えを行うことができる。
図24(E)にバングル型の情報端末の一例を示す。情報端末2950は、筐体2951、及び表示部2952等を有する。また、情報端末2950は、筐体2951の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。表示部2952は、曲面を有する筐体2951に支持されている。表示部2952には、可撓性基板を用いた表示パネルを備えているため、フレキシブルかつ軽くて使い勝手の良い情報端末2950を提供することができる。
図24(F)に腕時計型の情報端末の一例を示す。情報端末2960は、筐体2961、表示部2962、バンド2963、バックル2964、操作スイッチ2965、入出力端子2966などを備える。また、情報端末2960は、筐体2961の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。情報端末2960は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
表示部2962の表示面は湾曲しており、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、表示部2962はタッチセンサを備え、指やスタイラスなどで画面に触れることで操作することができる。例えば、表示部2962に表示されたアイコン2967に触れることで、アプリケーションを起動することができる。操作スイッチ2965は、時刻設定の他、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オフ動作、マナーモードの実行及び解除、省電力モードの実行及び解除など、様々な機能を持たせることができる。例えば、情報端末2960に組み込まれたオペレーティングシステムにより、操作スイッチ2965の機能を設定することもできる。
また、情報端末2960は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば、無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、情報端末2960は入出力端子2966を備え、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやり取りを行うことができる。また、入出力端子2966を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は入出力端子2966を介さずに無線給電により行ってもよい。
例えば、本発明の一態様の半導体装置を用いた記憶装置は、上述した電子機器の制御情報や、制御プログラムなどを長期間保持することができる。本発明の一態様に係る半導体装置を用いることで、信頼性の高い電子機器を実現することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。