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JP7459703B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description

この発明は、半導体装置に関する。
従来、半導体装置のオン/オフ(スイッチング)のための制御信号(制御電圧)は、半導体基板(半導体チップ)のおもて面上の電極パッドから配線層を介して半導体装置の各単位セル(半導体装置の機能単位)に伝達される。配線層は、半導体基板のおもて面上に、活性領域の周囲を囲む略矩形状に配置される。配線層の一部は、アルミニウム(Al)等の低抵抗な金属材料で形成される。活性領域は、半導体装置のオン時に電流が流れる領域であり、複数の単位セルが並列に接続される。
例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属-酸化膜-半導体の3層構造からなる絶縁ゲートを備えたMOS型電界効果トランジスタ)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等のMOS型半導体装置では、ゲートパッドに供給されたゲート信号(ゲート電圧)をゲート電極に伝達するゲート配線層が半導体基板のおもて面に配置される。
従来の半導体装置の構造について、IGBTが作製(製造)された半導体基板を例に説明する。図14は、従来の半導体装置を半導体基板のおもて面側から見た状態を示す平面図である。図15,16は、図14のゲート配線層の断面構造を示す断面図である。図15には、ゲート配線層133と直交する方向(図14では第1方向X)に平行な切断線AA-AA’における断面構造を示す。図16には、ゲート配線層133が延在する方向(図14では第2方向Y)に平行な切断線BB-BB’における断面構造を示す。
図14に示す従来の半導体装置120は、活性領域121において半導体基板(半導体チップ)110にIGBTの並列接続された複数の単位セルを備え、半導体基板110のおもて面上にエミッタパッド111、ゲートパッド112および第1,2ゲート配線層133,134を備える。活性領域121は、半導体基板110の略中央に配置される。活性領域121と半導体基板110の端部(チップ端部)との間は、エッジ耐圧構造領域122である。エッジ耐圧構造領域122は、活性領域121の周囲を囲む。
エミッタパッド111、ゲートパッド112および第2ゲート配線層134は、活性領域121に互いに離れて配置されている。エミッタパッド111およびゲートパッド112は、アルミニウムを含む金属層である。第2ゲート配線層134は、単層のポリシリコン(poly-Si)配線層である。第1ゲート配線層133は、エッジ耐圧構造領域122に配置されている。第1ゲート配線層133は、ポリシリコン配線層131と、アルミニウムを含む金属配線層132と、を順に積層した2層構造である(図15,16)。
ポリシリコン配線層131は、半導体基板110のおもて面上に、SiO2のフィールド酸化膜130を介して設けられ、活性領域121の周囲を略矩形状に囲む。ポリシリコン配線層131は、BPSG(Boron Phosphorus Silicon Glass)又はPSG(Phosphorus Silicon Glass)からなる層間絶縁膜109に覆われている。層間絶縁膜109には、活性領域121の周囲を略矩形状にポリシリコン配線層131から露出するコンタクトホール109aが設けられている。金属配線層132は、層間絶縁膜109のコンタクトホール109aにおいて、ポリシリコン配線層131の全周に接する略矩形状に設けられている。
第1ゲート配線層133は、ゲートパッド112に直接接続されるか、またはゲート抵抗体135を介してゲートパッド112に電気的に接続されている。第2ゲート配線層134は、ポリシリコン配線層131に連結されている。IGBTの各単位セルのゲート電極(不図示)は、第1,2ゲート配線層133,134に電気的に接続され、第1,2ゲート配線層133,134を介して、またはさらにゲート抵抗体135を介して、ゲートパッド112からゲート電圧が供給され、ゲート電位に固定されている。
従来の半導体装置として、活性領域において、ゲート電極と、ゲート電極上のポリシリコン配線層と、の間に、ゲート電極の材料であるポリシリコンよりも高抵抗の高抵抗層を設けた装置が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。下記特許文献1では、ゲート電極とゲート配線層との間の高抵抗層により、各単位セルに対して個別にゲート抵抗を接続した構成とすることで、ゲート電圧の発振や、同じゲート配線層に接続された単位セル間でのゲート電流のアンバランスを抑制している。
また、従来の別の半導体装置として、活性領域の周囲を囲むように配置されたゲート電位のポリシリコン層上に、アルミニウム等の導電性材料からなるゲート配線層を2層積層した装置が提案されている(例えば、下記特許文献2参照。)。下記特許文献2では、下層のゲート配線層を所定のゲート信号の伝達に必要な幅とし、上層のゲート配線層の幅を下層のゲート配線層の幅よりも広くしてゲート抵抗値を調整することで、IGBTの単位セルの面積(活性領域の表面積)を増やすとともに、動作ばらつきを抑制している。
特開2018-157043号公報 特開2012-134198号公報
しかしながら、上述した従来の半導体装置120(図14~16参照)では、チップ面積(半導体基板110の表面積)を増大した場合や、配線基板(不図示)上でリードフレーム(不図示)とゲートパッド112とを接続した場合、逆導通型IGBT(RC-IGBT:Reverse Conducting IGBT)である場合又は高速スイッチング化を図った場合に、並列接続された単位セル間でゲート電位差が生じ、半導体基板110の面内で通電電流のアンバランスが生じる(偏って流れる)。これによって、半導体基板110の温度が局所的に上昇し、破壊や耐量低下が生じる虞がある。
この発明は、上述した従来技術による課題を解消するため、半導体基板の面内での通電電流のアンバランスを抑制することができる半導体装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置は、次の特徴を有する。半導体基板の活性領域に、金属-酸化膜-半導体からなる絶縁ゲートを有する複数の単位セルが設けられている。前記半導体基板の第1主面に、絶縁層を介してゲート配線層が設けられている。前記ゲート配線層は、前記活性領域の周囲を囲む。前記ゲート配線層には、すべての前記単位セルの前記絶縁ゲートが電気的に接続されている。
前記ゲート配線層は、層間絶縁膜と交互に積層され、前記層間絶縁膜のコンタクトホールを介して互いに接触する抵抗値の異なる導電層を2層以上積層した多層構造である。前記導電層同士は、深さ方向に前記導電層に対向して前記層間絶縁膜の1つ以上の所定箇所にそれぞれ配置された前記コンタクトホールを介して互いに接触する。前記ゲート配線層の抵抗値は、前記所定箇所で相対的に低く、かつ前記所定箇所を除く箇所で相対的に高い。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記ゲート配線層の抵抗値に基づいて、並列接続されたすべての前記単位セルの間のゲート電圧差を小さくしたことを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記半導体基板の第1主面に、前記ゲート配線層が電気的に接続されたゲートパッドを備え、前記コンタクトホールは、前記ゲートパッドから離れた箇所に配置されていることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記コンタクトホールの、前記ゲート配線層が延在する方向と直交する方向の開口幅を、前記ゲートパッドに相対的に近い箇所に配置される前記コンタクトホールほど相対的に狭くしたことを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記コンタクトホールの、前記ゲート配線層が延在する方向の開口長さを、前記ゲートパッドに相対的に近い箇所に配置される前記コンタクトホールほど相対的に短くしたことを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記コンタクトホールの内部に、前記コンタクトホールを、前記ゲート配線層が延在する方向に点在する複数の開口部に分離する分離絶縁膜をさらに備える。同一の前記コンタクトホールの内部で前記分離絶縁膜によって分離された複数の前記開口部の開口長さを、前記ゲートパッドに相対的に近い前記開口部ほど相対的に短くしたことを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記活性領域は、前記絶縁ゲートを有する絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの前記単位セルが配置された第1素子領域と、前記第1素子領域に隣接し、前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタに逆並列に接続されたダイオードの前記単位セルが配置された第2素子領域と、を有する。前記ゲート配線層の、前記第1素子領域に対向する区間において、前記ゲート配線層の抵抗値を前記所定箇所で相対的に低くし、前記所定箇所を除く箇所で相対的に高くしたことを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記ゲート配線層の、前記第1素子領域に対向する区間は、前記半導体基板の第1主面に平行でかつ前記第1素子領域と前記第2素子領域とが並ぶ第1方向に直線状に延在する。前記ゲート配線層の、前記第1素子領域に対向する区間に、前記半導体基板の第1主面に平行でかつ前記第1方向と直交する第2方向にストライプ状に延在する複数の前記絶縁ゲートの各端部が連結されている。前記ゲート配線層の、前記第1素子領域に対向する区間の前記第1方向の中央の抵抗値を相対的に高くしたことを特徴とする。
上述した発明によれば、並列接続された複数の単位セル間でのゲート配線層による寄生のゲート抵抗値を調整することができる。このため、ターンオフ時にゲート電圧が略均一化され、ゲート電圧がゲート閾値電圧程度に低下した状態ですべての単位セルをオフすることができる。これにより、ターンオフ時に、ゲート電圧がゲート閾値電圧程度に低下した状態で一部の単位セルがオンしている状態にならない。
本発明にかかる半導体装置によれば、半導体基板の面内での通電電流のアンバランスを抑制することができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる半導体装置を半導体基板のおもて面側から見た状態を示す平面図である。 図1の切断線A-A’における断面構造を示す断面図である。 図1のゲート配線層の断面構造を示す断面図である。 図1のゲート配線層の断面構造を示す断面図である。 図1のゲート配線層の断面構造を示す断面図である。 図1のゲート配線層の断面構造を示す断面図である。 実施の形態2にかかる半導体装置を半導体基板のおもて面側から見た状態を示す平面図である。 図7のゲート配線層の断面構造を示す断面図である。 図7の切断線D1-D1’における断面構造の別例を示す断面図である。 図7のゲート配線層の断面構造を示す断面図である。 図7のゲート配線層の断面構造を示す断面図である。 実施の形態3にかかる半導体装置を半導体基板のおもて面側から見た状態を示す平面図である。 図12の一部を拡大して示す平面図である。 従来の半導体装置を半導体基板のおもて面側から見た状態を示す平面図である。 図14のゲート配線層の断面構造を示す断面図である。 図14のゲート配線層の断面構造を示す断面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および-は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度および低不純物濃度であることを意味する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる半導体装置の構造について、IGBTと当該IGBTに逆並列に接続されたFWD(Free Wheeling Diode:還流ダイオード)とを同一の半導体基板(半導体チップ)に内蔵したRC-IGBTを例に説明する。図1は、実施の形態1にかかる半導体装置を半導体基板のおもて面側から見た状態を示す平面図である。図2は、図1の切断線A-A’における断面構造を示す断面図である。
図3~6は、図1のゲート配線層の断面構造を示す断面図である。図3,4には、それぞれ第1ゲート配線層33と直交する方向(図1では第1方向X)に平行な切断線B1-B1’および切断線B2-B2’における断面構造を示す。図5,6には、それぞれ半導体基板10のおもて面に平行に第1ゲート配線層33が延在する周方向(図1では第2方向Y)に平行な切断線C1-C1’および切断線C2-C2’における断面構造を示す。
第1ゲート配線層33と直交する方向とは、半導体基板10のおもて面側から見た活性領域21とエッジ耐圧構造領域22との略矩形状の境界の法線方向(第1ゲート配線層33の短手方向)である。第1ゲート配線層33が延在する周方向とは、半導体基板10のおもて面側から見た活性領域21とエッジ耐圧構造領域22との略矩形状の境界に沿った周方向(第1ゲート配線層33の周方向(長手方向))である。
図1に示す実施の形態1にかかる半導体装置20は、半導体基板(半導体チップ)10の活性領域21に、IGBTの動作領域となるIGBT領域(第1素子領域)23と、FWDの動作領域となるFWD領域(第2素子領域)24と、が隣接して設けられたRC-IGBTであり(図2,12参照)、半導体基板10のおもて面上にエミッタパッド11、ゲートパッド12および第1,2ゲート配線層33,34を備える。
活性領域21は、オン状態のときに電流が流れる領域であり、例えば半導体基板10の略中央に配置される。活性領域21は、例えば、略矩形状の平面形状を有する。活性領域21と半導体基板10の端部(チップ端部)との間は、エッジ耐圧構造領域22である。エッジ耐圧構造領域22は、活性領域21に隣接して、活性領域21の周囲を囲む。エッジ耐圧構造領域22は、半導体基板10のおもて面側の電界を緩和し耐圧を保持する機能を有する。
エッジ耐圧構造領域22には、ガードリングや、フィールドリミッティングリング(FLR:Field Limiting Ring)、接合終端拡張(JTE:Junction Termination Extension)構造又はフィールドプレート(FP:Field Plate)などの耐圧構造が配置される。耐圧とは、素子(RC-IGBTの各単位セル)が誤動作や絶縁破壊を起こさない最大の電圧である。
IGBT領域23には、RC-IGBTを構成するIGBTの複数の単位セルが並列に配置されている。IGBT領域23のIGBTの複数の単位セルは並列接続されている。FWD領域24には、RC-IGBTを構成するFWDの複数の単位セルが並列に配置されている。FWD領域24のFWDの複数の単位セルは並列接続されている。IGBT領域23のIGBTとFWD領域24のFWDとは、逆並列に接続されている。
IGBT領域23およびFWD領域24は、深さ方向Zにエミッタパッド11に対向し、深さ方向Zに第2ゲート配線層34(ゲートフィンガー)に対向しない。IGBT領域23およびFWD領域24は、例えば、略矩形状の平面形状を有する。IGBT領域23とFWD領域24とは、例えば、半導体基板10のおもて面に平行な方向に略矩形状の平面形状の1辺を共有して隣接し、交互に繰り返し配置されている(図12参照)。
エミッタパッド11、ゲートパッド12および第2ゲート配線層34は、活性領域21に互いに離れて配置されている。エミッタパッド11およびゲートパッド12は、アルミニウム(Al)等の導電性の高い材料を含む金属層である。エミッタパッド11は、例えば、第2ゲート配線層34が配置された部分で内側(半導体基板10の中央側)に凹んだ略矩形状の平面形状を有し、活性領域21のほぼ全面を覆う。
ゲートパッド12は、例えば略矩形状の平面形状を有し、例えば活性領域21とエッジ耐圧構造領域22との境界付近に配置されている。第2ゲート配線層34は、第1ゲート配線層33(ゲートランナー)の後述するポリシリコン(poly-Si)配線層(導電層)31と同じ階層の単層のポリシリコン配線層であり、ポリシリコン配線層31に連結され、第1ゲート配線層33を介してゲートパッド12に電気的に接続されている。
第2ゲート配線層34を単層のポリシリコン配線層とすることで、第2ゲート配線層34は、BPSG(Boron Phosphorus Silicon Glass)又はPSG(Phosphorus Silicon Glass)からなる層間絶縁膜9(図2参照)を介してエミッタパッド11およびゲートパッド12の下層に配置され、層間絶縁膜9によってエミッタパッド11と電気的に絶縁される。このため、エミッタパッド11に接合されるリードフレーム等の配線端子によって、エミッタパッド11と第2ゲート配線層34とが短絡することを防止することができる。
第2ゲート配線層34は、例えば、活性領域21とエッジ耐圧構造領域22との境界付近で第1ゲート配線層33のポリシリコン配線層31に連結され、当該連結箇所で第1ゲート配線層33と直交する直線状の平面形状を有する。例えば、複数(図1では4つ)の第2ゲート配線層34が活性領域21とエッジ耐圧構造領域22との境界付近の異なる箇所からそれぞれ半導体基板10のおもて面に平行に内側へ延在する櫛歯状に配置されてもよい。
第1ゲート配線層33は、エッジ耐圧構造領域22に配置され、活性領域21の周囲を略矩形状に囲む。第1ゲート配線層33は、ゲートパッド12に直接接するか、または例えばゲート抵抗体(不図示:図14の符号135に相当)を介してゲートパッド12に電気的に接続されている。ゲート抵抗体は、例えば第1ゲート配線層33と同じポリシリコン配線層と金属配線層とを順に積層した2層構造を有する。
第1ゲート配線層33は、ポリシリコン配線層31と、アルミニウムを含む金属配線層(導電層)32と、を順に積層した2層構造である(図3~6参照)。第1ゲート配線層33は、エミッタパッド11に接合されるリードフレーム等の配線端子の接合箇所から離れた位置に配置される。このため、第1ゲート配線層33は、エミッタパッド11と同じ階層に金属配線層32を有していても、エミッタパッド11と短絡されない。
ポリシリコン配線層31および金属配線層32ともに、活性領域21の周囲を略矩形状に囲む。ポリシリコン配線層31と金属配線層32とは、第1ゲート配線層33の周の一部で層間絶縁膜9のコンタクトホール9aを介して接触し、周の残りの部分で層間絶縁膜9により電気的に絶縁される(図3~6参照)。第1ゲート配線層33の単位面積当たりの抵抗値(配線抵抗の抵抗値)は、ポリシリコン配線層31と金属配線層32との電気的な絶縁箇所で相対的に低く、ポリシリコン配線層31の単位面積当たりの抵抗値となる。
第1ゲート配線層33の単位面積当たりの抵抗値は、ポリシリコン配線層31と金属配線層32との接触箇所で相対的に高くなる。具体的には、ポリシリコン配線層31と金属配線層32との接触箇所での第1ゲート配線層33の単位面積当たりの抵抗値は、金属配線層32の単位面積当たりの抵抗値から、ポリシリコン配線層31と金属配線層32との単位面積当たりのコンタクト抵抗値を減算した抵抗値分だけ、ポリシリコン配線層31の単位面積当たりの抵抗値よりも高い。
コンタクトホール9aはゲートパッド12から離れた箇所に配置され、ポリシリコン配線層31と金属配線層32との接触面積はゲートパッド12から離れた箇所で相対的に大きくなっている。このため、第1ゲート配線層33は、ゲートパッド12から離れた箇所で、ポリシリコン配線層31よりも低抵抗な金属配線層32を相対的に多く含む構成となっている。このようにして、第1ゲート配線層33の抵抗値は、ゲートパッド12から離れた箇所と比べて、ゲートパッド12に近い箇所で相対的に高くなるように調整される。
従来構造(図14~16参照)では、第1ゲート配線層133の全周でポリシリコン配線層131と金属配線層132とが接触するため、IGBTの並列接続された単位セル間でゲート電位差が生じ、半導体基板110の面内で通電電流のアンバランスが生じる。そこで、本実施の形態1においては、IGBTの並列接続された単位セル間でゲート電位差が生じないように、複数のIGBT領域23間および同一のIGBT領域23内の単位セル間での第1ゲート配線層33による寄生のゲート抵抗値を調整する。
具体的には、ターンオフ時にIGBTのゲート電圧がゲート閾値電圧未満に低下するまでの速度は、ゲートパッド12に近い単位セルで相対的に早く、ゲートパッド12から離れた単位セルほど相対的に遅くなる。また、ターンオフ時にIGBTのゲート電圧がゲート閾値電圧未満に低下するまでの速度は、第1ゲート配線層33付近の単位セルで相対的に早く、第1ゲート配線層33から離れた単位セルほど相対的に遅くなる。
ターンオフ(遮断)が遅れた単位セルでは、dV/dt(微小時間でのコレクタ-エミッタ間電圧の変化)が大きくなり、かつ遮断電流が流れ続ける。このため、ターンオフが遅れた単位セルに遮断電流が集中して電流密度が高くなる。遮断電流とは、半導体基板10の内部に蓄積された正孔がIGBTのターンオフ時にエミッタパッド11に引き抜かれる際に流れる正孔電流である。
そこで、本実施の形態においては、IGBTのすべての単位セルのゲート電圧を略均一にして、IGBTのすべての単位セルが略同じタイミングでターンオフするように、第1ゲート配線層33の抵抗値を部分的に調整する。電圧が略均一とは、IGBTのすべての単位セルのゲート電圧の電圧波形が経過時間(電圧印加時間)に対して所定の許容誤差を含む範囲で同じになることを意味する。
例えば、エミッタパッド11にリードフレームが接合されたRC-IGBTチップ(半導体基板10)では、半導体基板10の中央付近で、熱ストレス(熱負荷)が最も高く、かつIGBTのターンオフ時のdV/dtが最も高いことが発明者により確認されている。半導体基板10の熱ストレスやdV/dtの高い箇所に結晶欠陥等の脆弱な箇所が存在すると、当該脆弱な箇所で電流密度が大きくなり、熱ストレス差や電流密度差により破壊しやすい。
したがって、IGBTのターンオフ時の半導体基板10の面内の電流密度を略均一になるように、ポリシリコン配線層31と金属配線層32とを部分的に電気的に絶縁し、当該絶縁した部分で第1ゲート配線層33の抵抗値を高くする。これによって、複数のIGBT領域23間および同一のIGBT領域23内の単位セル間での第1ゲート配線層33による寄生のゲート抵抗値を部分的に調整することができ、並列接続された単位セル間でのゲート電位差を小さくすることができる。
例えば、半導体基板10の面内で、熱ストレスが相対的に高くなる箇所や、IGBTのターンオフ時のdV/dtや電流密度等の電気ストレス(電気負荷)が相対的に大きくなる箇所などを予め特定する。これらのストレスが半導体基板10の面内で略均一になるように、第1ゲート配線層33の抵抗値を部分的に調整すればよい。このとき、チップ面積(半導体基板10の表面積)や、活性領域21の面積(表面積)、IGBT領域23の面積および配置等を考慮して、第1ゲート配線層33の抵抗値を調整することがよい。
具体的には、例えば、半導体装置20の動特性(スイッチング損失、逆バイアス安全動作領域(RBSOA:Reverse Bias Safe Operating Area)、ターンオフ耐量)や、半導体装置20の製造ばらつき等の様々な要因が重なって最も破壊耐量が低い箇所で半導体基板10が破壊する。このため、同じ設計条件の半導体基板10の破壊箇所を確認し、この箇所でdV/dtや電流密度が大きくならないように、ポリシリコン配線層31と金属配線層32との電気的な絶縁箇所を決定すればよい。
次に、実施の形態1にかかる半導体装置20の断面構造について説明する。図2に示すように、活性領域21(図1参照)において半導体基板10には、IGBT領域23とFWD領域24とが隣接して配置されている。図2には、隣接するIGBT領域23とFWD領域24との1つの境界付近を示す。半導体基板10の内部には、n-型ドリフト領域1が設けられている。n-型ドリフト領域1は、半導体基板10のおもて面に平行な方向に活性領域21から半導体基板10の端部まで達する。
半導体基板10のおもて面とn-型ドリフト領域1との間に、p型ベース領域2が設けられている。p型ベース領域2は、IGBT領域23からFWD領域24にわたって活性領域21の全域に設けられている。p型ベース領域2は、FWD領域24においてp型アノード領域として機能する。IGBT領域23において半導体基板10のおもて面とp型ベース領域2との間に、n+型エミッタ領域3およびp+型コンタクト領域4がそれぞれ選択的に設けられている。p+型コンタクト領域4は設けられていなくてもよい。
IGBT領域23において、n-型ドリフト領域1とp型ベース領域2との間に、n型蓄積層5が設けられていてもよい。n型蓄積層5は、互いに隣り合う後述するトレンチ6間に配置される。n型蓄積層5は、IGBTのターンオン時にn-型ドリフト領域1の少数キャリア(ホール)の障壁となり、n-型ドリフト領域1に少数キャリアを蓄積する機能を有する。活性領域21の全域に、半導体基板10のおもて面に平行な方向に延在するストライプ状に複数のトレンチ6が設けられている。
トレンチ6の端部は、深さ方向Zに第1ゲート配線層33(図3~6参照)または第2ゲート配線層34(図1参照)に対向する位置で終端している。トレンチ6は、IGBT領域23のIGBTのセル数と、FWD領域24のFWDのセル数と、を加算した個数(総数)だけ存在する。トレンチ6は、IGBT領域23において、n+型エミッタ領域3およびp型ベース領域2を貫通してn-型ドリフト領域1に達する。トレンチ6は、FWD領域24において、p型ベース領域2を貫通してn-型ドリフト領域1に達する。
トレンチ6と第2ゲート配線層34とは、活性領域21において、例えば半導体基板10のおもて面側から見て互いに直交するように配置される(図13参照)。このため、トレンチ6は、端部以外の部分で、深さ方向Zに第2ゲート配線層34に対向していてもよい。トレンチ6の内部に、ゲート絶縁膜7を介して、ポリシリコンからなるゲート電極8が設けられている。ゲート電極8は、トレンチ6の内部において、トレンチ6が直線状に延在する長手方向(図2では第2方向Y)と同じ方向に直線状に延在する。
ゲート電極8は、深さ方向Zにトレンチ6が第1ゲート配線層33または第2ゲート配線層34と対向する部分で、深さ方向Zに第1ゲート配線層33または第2ゲート配線層34に接する。すべてのゲート電極8は、第1ゲート配線層33を介して、または第1,2ゲート配線層33,34の両方を介して、ゲートパッド12(図1参照)に電気的に接続されている。ゲート電極8は、第1,2ゲート配線層33,34を介してゲートパッド12からゲート電圧が供給され、ゲート電位に固定される。
IGBT領域23において互いに隣り合うトレンチ6間のp型ベース領域2、n+型エミッタ領域3およびp+型コンタクト領域4と、当該トレンチ6の内部のゲート絶縁膜7およびゲート電極8と、でIGBT領域23のIGBTの単位セルのトレンチゲート構造のMOSゲート(金属-酸化膜-半導体からなる絶縁ゲート)が構成される。FWD領域24において互いに隣り合うトレンチ6間のp型ベース領域2で、FWD領域24のFWDの単位セルのp型アノード領域が構成される。
エッジ耐圧構造領域22において半導体基板10の内部には、ゲートランナーとなる第1ゲート配線層33よりも外側(半導体基板10の端部側)に、ガードリングやFLRなどの耐圧構造が設けられている。例えば、耐圧構造として、第1ゲート配線層33よりも外側において半導体基板10のおもて面とn-型ドリフト領域1との間に、FLRまたはガードリングを構成するp型領域(不図示)や、半導体基板10の端部(側面)に露出するn型又はp型のストッパ領域(不図示)が選択的に設けられていてもよい。
半導体基板10のおもて面上には、活性領域21に、フィールド酸化膜(絶縁層)30(図3~6参照)を介して、ゲートフィンガーとなる第2ゲート配線層34が設けられている。フィールド酸化膜30は、エッジ耐圧構造領域22において半導体基板10のおもて面の全面を覆い、活性領域21において半導体基板10のおもて面と第2ゲート配線層34との間に延在する。また、半導体基板10のおもて面上には、エッジ耐圧構造領域22に、フィールド酸化膜30を介して、ポリシリコン配線層31が設けられている。
ポリシリコン配線層31は、第1ゲート配線層33を構成する。フィールド酸化膜30の内周付近(不図示)において、深さ方向Zにポリシリコン配線層31または第2ゲート配線層34にゲート電極8が接する。フィールド酸化膜30の内周の平面形状(活性領域21を露出する開口部の平面形状)は、エミッタパッド11の平面形状と同じである。ゲート電極8、ポリシリコン配線層31または第2ゲート配線層34は、1層のポリシリコン層を部分的に除去して同時に形成されてもよい。
BPSGからなる層間絶縁膜9は、半導体基板10のおもて面の全面に設けられ、ゲート電極8、第2ゲート配線層34およびポリシリコン配線層31を覆う。深さ方向Zに層間絶縁膜9を貫通するコンタクトホール9a~9cが設けられている。コンタクトホール9bは、IGBT領域23において互いに隣り合う各トレンチ6間にn+型エミッタ領域3およびp+型コンタクト領域4を露出する。p+型コンタクト領域4が設けられていない場合、コンタクトホール9bに、p+型コンタクト領域4に代えてp型ベース領域2が露出される。
コンタクトホール9cは、FWD領域24においてp型ベース領域2を露出する。コンタクトホール9aは、エッジ耐圧構造領域22においてポリシリコン配線層31を部分的に露出する。1つ以上のコンタクトホール9aが所定箇所に設けられている。複数のコンタクトホール9aを設ける場合、活性領域21とエッジ耐圧構造領域22との境界の法線方向および周方向の幅(以下、それぞれ開口幅および開口長さとする)d1,d2を、すべてのコンタクトホール9aで同じにしてもよいし、コンタクトホール9aごとに変えてもよい。
複数のコンタクトホール9aごとに開口幅d1および開口長さd2を変える場合、第1ゲート配線層33の抵抗値を部分的に低くしたい箇所で、コンタクトホール9aの開口幅d1を相対的に広くするか、または開口長さd2を相対的に長くするか、その両方を満たせばよい。第1ゲート配線層33の抵抗値を部分的に高くしたい箇所で、コンタクトホール9aの開口幅d1を相対的に狭くするか、または開口長さd2を相対的に短くするか、その両方を満たせばよい。
所定箇所にコンタクトホール9aを配置し、後述するようにコンタクトホール9a内でポリシリコン配線層31と金属配線層32とを電気的に接続し、それ以外の箇所でポリシリコン配線層31と金属配線層32とを電気的に絶縁する。このようにポリシリコン配線層31と金属配線層32とを電気的な絶縁箇所を形成して、第1ゲート配線層33の抵抗値を部分的に調整し、上述したように複数のIGBT領域23間および同一のIGBT領域23内の単位セル間での第1ゲート配線層33による寄生のゲート抵抗値を調整する。
エミッタパッド11は、活性領域21において層間絶縁膜9上に、コンタクトホール9b,9cを埋め込むように設けられている。エミッタパッド11は、IGBT領域23のコンタクトホール9bにおいて、p型ベース領域2、n+型エミッタ領域3およびp+型コンタクト領域4に電気的に接続され、エミッタ電極として機能する。エミッタパッド11は、FWD領域24のコンタクトホール9cにおいてp型ベース領域2に電気的に接続され、アノード電極として機能する。
ゲートパッド12(図1参照)は、活性領域21において、エミッタパッド11と離れて層間絶縁膜9上に設けられている。ゲートパッド12には、第1,2ゲート配線層33,34を介してすべてのゲート電極8が電気的に接続されている。エミッタパッド11およびゲートパッド12の表面は、それぞれはんだとの密着性の高いニッケル等のめっき膜で覆われている。エミッタパッド11およびゲートパッド12には、それぞれリードフレーム等の配線端子(不図示)が接続される。
第1ゲート配線層33を構成する金属配線層32は、深さ方向Zにポリシリコン配線層31に対向する位置において層間絶縁膜9上に、コンタクトホール9aを埋め込むように設けられている。金属配線層32は、コンタクトホール9aにおいて周の一部がポリシリコン配線層31に接し(図3,5)、周の残りの部分が層間絶縁膜9によりポリシリコン配線層31と電気的に絶縁される(図4,6)。上述したようにポリシリコン配線層31と金属配線層32との電気的な絶縁箇所で第1ゲート配線層33の抵抗値が相対的に高くなっている。
半導体基板10の裏面とn-型ドリフト領域1との間に、n型フィールドストップ(FS:Field Stop)層13、p+型コレクタ領域14およびn+型カソード領域15がそれぞれ設けられている。n型フィールドストップ層13は、活性領域21の全域にわたって設けられている。p+型コレクタ領域14およびn+型カソード領域15は、半導体基板10の裏面とn型フィールドストップ層13との間に、IGBT領域23とFWD領域24とが並ぶ方向(図2では第1方向X)に隣接して設けられている。
+型コレクタ領域14は、複数のIGBT領域23それぞれに、IGBT領域23の全域にわたって設けられている。n+型カソード領域15は、複数のFWD領域24それぞれに、FWD領域24の全域にわたって設けられている。半導体基板10の裏面の全面に、裏面電極16が設けられている。裏面電極16は、p+型コレクタ領域14に電気的に接続されてコレクタ電極として機能するとともに、n+型カソード領域15に電気的に接続されてカソード電極として機能する。
以上、説明したように、実施の形態1によれば、第1ゲート配線層を構成する下層のポリシリコン配線層と上層の金属配線層とを部分的に絶縁し、IGBTの並列接続された単位セル間でゲート電位差が生じないように、複数のIGBT領域間および同一のIGBT領域内の単位セル間での第1ゲート配線層による寄生のゲート抵抗値を調整する。これにより、IGBTのターンオフ時にゲート電圧が略均一化され、ゲート電圧がゲート閾値電圧程度に低下した状態でIGBTのすべての単位セルをオフすることができる。
IGBTのターンオフ時に、ゲート電圧がゲート閾値電圧程度に低下した状態でIGBTの一部の単位セルがオンしている状態にならないため、半導体チップ(半導体基板)面内で通電電流のアンバランスが生じることが抑制され、半導体チップ面内で電流密度を略均一にすることができる。これによって、IGBTのターンオフ時に半導体基板の破壊しやすい箇所で電流密度が大きくなることを抑制することができるため、半導体装置の動特性(スイッチング損失、RBSOA、ターンオフ耐量など)が向上させることができる。
また、実施の形態1によれば、第1ゲート配線層を構成するポリシリコン配線層と金属配線層との間の層間絶縁膜の所定箇所にコンタクトホールを配置することで、ポリシリコン配線層と金属配線層とを部分的に絶縁することができる。このため、IGBTの並列接続された単位セル間でゲート電位差が生じないようにするための追加部品や追加構成を半導体基板に配置する必要がなく、半導体装置が大型化することを防止することができ、かつコストを増大させることなく、既存の半導体装置に容易に適用可能である。
また、一般的に、モジュールに組み込んだ半導体チップが不良となると、モジュールに組み込まれた他部品の数だけ損失コストが増大するため、モジュールに組み込む前に半導体チップ単品で半導体装置の電気的特性を評価する信頼性評価試験を行う。信頼性評価試験では、プローブ針が細く、半導体チップの電極パッドとの接触面積が小さい。このため、プローブ針と電極パッドとの接触箇所から半導体チップの主面に平行な方向(横方向)に半導体チップ内に電流が流れ、半導体チップの面内の電流密度が均一にならない。
半導体チップの脆弱な箇所がプローブ針と電極パッドとの接触箇所から離れていると、当該脆弱な箇所に流れる電流が電極パッドの抵抗成分により低減され、測定条件よりも小さい電気ストレスで当該脆弱な箇所の電気的特性が評価される。モジュール組み込み後のリードフレームが接合された半導体チップには、半導体チップの面内に均一に半導体チップの主面と直交する方向(縦方向)に電流が流れるため、半導体チップの脆弱な箇所に流れる電流が信頼性評価試験時よりも大きく、当該脆弱な箇所で破壊が生じる虞がある。
一方、実施の形態1によれば、上述したように半導体チップ面内で通電電流のアンバランスが生じることを抑制することができるため、信頼性評価試験時に、電極パッドとの接触面積が小さいプローブ針からの電圧印加であっても、半導体チップの面内の電流密度を略均一にすることができる。このため、信頼性評価試験により半導体チップの不良を検出することができ、モジュール組み込み後に半導体チップが不良となることを抑制することができるため、モジュールのコストの増大や歩留まりの低減を抑制することができる。
また、従来構造では、n-型ドリフト領域の厚さが耐圧に応じた一般的な厚さである場合、n-型ドリフト領域の比抵抗を高くすると、耐圧が高くなるが、半導体チップ内の電界強度が上がるため、アバランシェ耐量が低下する。また、n-型ドリフト領域の比抵抗を高くし、かつn-型ドリフト領域の厚さを厚くすると、半導体チップ面内で通電電流のアンバランスが生じることを抑制することができるが、半導体装置の電気的特性が悪くなり、半導体装置が要求される仕様を満たさなくなる。
一方、実施の形態1によれば、半導体装置が要求される仕様を満たす(n-型ドリフト領域の比抵抗が低く、n-型ドリフト領域の厚さが薄い)場合においても、半導体チップ面内で通電電流のアンバランスが生じることを抑制することができる。例えば耐圧1200VクラスのRC-IGBTであって、n-型ドリフト領域の厚さが120μm程度である場合、n-型ドリフト領域の比抵抗が65Ω・cmであると数%オーダーでRBSOAを超える半導体チップが出現するが、n-型ドリフト領域の比抵抗が57ΩであるとRBSOAを超える半導体チップはほぼ出現しない。例えば、n-型ドリフト領域の比抵抗が60Ω以下程度であれば、良品率低下が抑制され、かつ製品出荷後の半導体チップの破壊が抑制される。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2にかかる半導体装置の構造について説明する。図7は、実施の形態2にかかる半導体装置を半導体基板のおもて面側から見た状態を示す平面図である。図8,10,11は、図7のゲート配線層の断面構造を示す断面図である。図8,10,11には、それぞれ第1ゲート配線層43が延在する周方向に平行な切断線D1-D1’、切断線D2-D2’および切断線D3-D3’における断面構造を示す。図9は、図7の切断線D1-D1’における断面構造の別例を示す断面図である。
ここでは、図8~11に示す断面構造をそれぞれ図7の第1方向X、第1方向X、第2方向Yおよび第1方向Xに平行な切断線D1-D1’、切断線D1-D1’、切断線D2-D2’および切断線D3-D3’における断面構造としているが、これに限らない。第1ゲート配線層43を図8~11に示す断面構造とする箇所の配置は、実施の形態1と同様に複数のIGBT領域23間および同一のIGBT領域23内の単位セル間での第1ゲート配線層43による寄生のゲート抵抗値を調整するにあたって種々変更される。
実施の形態2にかかる半導体装置40が実施の形態1にかかる半導体装置20(図1~6参照)と異なる点は、第1ゲート配線層43を構成するポリシリコン配線層41と金属配線層42とをさらに部分的に電気的に絶縁する絶縁膜19を配置した点である。1つ以上のコンタクトホール9a内に、コンタクトホール9aを複数の開口部9bに分離する絶縁膜(以下、分離絶縁膜とする)19が配置される。分離絶縁膜19は、ゲートパッド12から最も離れた箇所のコンタクトホール9a内に配置されなくてもよい(図8)。
分離絶縁膜19は、ゲートパッド12に相対的に近い箇所のコンタクトホール9a内に配置される(図10,11)。分離絶縁膜19は、例えば層間絶縁膜9の一部である。分離絶縁膜19は、第1ゲート配線層43の周方向に点在する複数(ここでは2つ)の開口部9bでコンタクトホール9aが構成されるように、コンタクトホール9aを分離する。ゲートパッド12に近い分離絶縁膜19ほど、分離絶縁膜19の、第1ゲート配線層43の周方向に延在する長さ(以下、単に長さとする)d11が長い。
例えば、1つのコンタクトホール9a内に配置された複数の分離絶縁膜19の各長さd11、もしくは異なるコンタクトホール9a内にそれぞれ配置された分離絶縁膜19の各長さd11、をゲートパッド12に近い分離絶縁膜19ほど長くするか、またはその両方を満たすように分離絶縁膜19の長さd11を設定する。例えば、図10,11には、分離絶縁膜19を配置したコンタクトホール9a内にそれぞれ1つずつ分離絶縁膜19が配置され、図10に示す箇所よりもゲートパッド12に近い箇所を図11に示している。
図11に示すゲートパッド12に相対的に近いコンタクトホール9a内の分離絶縁膜19の長さd11aは、図10に示すゲートパッド12から相対的に離れたコンタクトホール9a内の分離絶縁膜19の長さd11よりも長くなっている。また、同一のコンタクトホール9a内で分離絶縁膜19によって分離された複数(ここでは2つ)の開口部9bの開口長さd21,d22を、ゲートパッド12に相対的に近い開口部9bほど相対的に短くしてもよい(d22<d21)。
ゲートパッド12に相対的に近いコンタクトホール9aを構成する開口部9bの開口長さd21a,d22a(図11)を、ゲートパッド12から相対的に離れたコンタクトホール9aを構成する開口部9bの開口長さd21,d22(図10)よりも短くしてもよい(d22a<d21a<d22<d21)。図10,11には、コンタクトホール9aの各開口部9b内でそれぞれポリシリコン配線層41に接する金属配線層42を互いに離れて図示するが、これら金属配線層42は分離絶縁膜19上で連続していてもよい。
このように分離絶縁膜19を配置することで、第1ゲート配線層43の単位体積当たりの抵抗値は、ゲートパッド12から相対的に離れたコンタクトホール9aで相対的に低くなり(図8)、ゲートパッド12に相対的に近いコンタクトホール9aで相対的に高くなる(図11)。また、第1ゲート配線層43の単位体積当たりの抵抗値は、ゲートパッド12から相対的に離れたコンタクトホール9aと、ゲートパッド12に相対的に近いコンタクトホール9aと、の間のコンタクトホール9aで相対的に高抵抗な箇所と相対的に低抵抗な箇所との略中間の抵抗値となる(図10)。
また、図9の別例に示すように、分離絶縁膜19を配置しないコンタクトホール9aにおいて金属配線層42上に、さらに金属配線層42aが設けられていてもよい。この場合、第1ゲート配線層43は、分離絶縁膜19を配置しないコンタクトホール9aにおいてのみ、ポリシリコン配線層41、金属配線層42および金属配線層42aを順に積層した3層構造となる。金属配線層42aは金属配線層42と同じ材料で形成されてもよい。第1ゲート配線層43は、金属配線層42aを配置した部分で相対的に低抵抗になる。
以上、説明したように、実施の形態2によれば、第1ゲート配線層を構成するポリシリコン配線層と金属配線層との間の層間絶縁膜に形成されたコンタクトホール内において、ポリシリコン配線層と金属配線層とを分離絶縁膜によって部分的に絶縁することで、第1ゲート配線層の抵抗値をさらに細かく調整することができる。これにより、実施の形態1と同様の効果をさらに得ることができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3として、実施の形態1にかかる半導体装置20の同一のIGBT領域23内の単位セル間での第1ゲート配線層33による寄生のゲート抵抗値の調整するための構成について説明する。図12は、実施の形態3にかかる半導体装置を半導体基板のおもて面側から見た状態を示す平面図である。図13は、図12の一部を拡大して示す平面図である。図13には、図12の1つのIGBT領域23を示す。
図12に示すように、半導体基板10の活性領域21に、例えば、IGBT領域23(斜線のハッチング部分)とFWD領域24(ドットのハッチング部分)とを半導体基板10のおもて面に平行な第1方向Xに交互に繰り返し配置した一組が、半導体基板10のおもて面に平行でかつ第1方向Xと直交する第2方向Yに同一領域同士が第2ゲート配線層34を挟んで互いに対向するように複数(ここでは3つ)配置されている。
第1方向Xに隣接する1つずつのIGBT領域23およびFWD領域24でRC-IGBTの単位セルが構成される。おおかたのIGBT領域23およびFWD領域24は、それぞれ第1方向Xに平行に延在して第2方向Yに互いに隣り合うゲート配線層間(第1,2ゲート配線層33,34間、第1ゲート配線層33間、または第2ゲート配線層34間)に挟まれた位置に配置される。
例えば、図13には、図12の活性領域21の上側コーナー付近のIGBT領域23(矩形)のレイアウトを図示しており、当該IGBT領域23は第2方向Yに互いに隣り合う第1,2ゲート配線層33,34(横線)間に挟まれた位置に配置されている。図13において第1,2ゲート配線層33,34を入れ替えた状態が図12の活性領域21の下側コーナー付近のIGBT領域23のレイアウトとなる。
図13においてIGBT領域23の上側のゲート配線層および下側のゲート配線層の両方ともを第2ゲート配線層34とした状態が図12の活性領域21のコーナーを除く箇所でかつ第1方向Xにエッジ耐圧構造領域22寄りのIGBT領域23のレイアウトとなる。図12の活性領域21の中央付近のIGBT領域23は、第2方向Yに第2ゲート配線層34を挟まずに他のIGBT領域23に対向する。
図13においてIGBT領域23の上側または下側にのみゲート配線層を配置し、かつ当該ゲート配線層を第1ゲート配線層33とした状態が図12の活性領域21のコーナーを除く箇所でかつ第2方向Yにエッジ耐圧構造領域22寄りのIGBT領域23のレイアウトとなる。これらIGBT領域23のレイアウトにおいて、IGBT領域23をFWD領域24に代えた状態がFWD領域24のレイアウトとなる。
すべてのIGBT領域23およびすべてのFWD領域24に、それぞれ複数のトレンチ6(縦線)が第2方向Yにストライプ状に配置されている。トレンチ6の内部には上述したようにゲート絶縁膜7(図13には不図示、図2参照)を介してゲート電極8が設けられている。ゲート電極8の端部は、自身が配置された領域(IGBT領域23、FWD領域24)の第2方向Yに隣り合う第1,2ゲート配線層33,34に連結される。
活性領域21の中央付近のIGBT領域23およびFWD領域24のゲート電極8は、それぞれ、第2方向Yに第2ゲート配線層34を挟まずに対向する他のIGBT領域23およびFWD領域24のゲート電極8に連結される。活性領域21のコーナーを除く箇所でかつ第2方向Yにエッジ耐圧構造領域22寄りのIGBT領域23およびFWD領域24のゲート電極8は、一方の端部が第1ゲート配線層33に連結される。
第1ゲート配線層33の、第2方向YにIGBT領域23に対向する区間で、ポリシリコン配線層31と金属配線層32との間に層間絶縁膜9のコンタクトホール9a(図3~6参照)を部分的に配置し、第1ゲート配線層33の抵抗値を部分的に調整する。これにより、第2方向Yに第1ゲート配線層33に対向するIGBT領域23内の単位セル間での第1ゲート配線層33による寄生のゲート抵抗値を調整可能である。
例えば、同一のIGBT領域23内の各単位セルのうち、当該IGBT領域23の中央付近を通るゲート電極8を備えた単位セルで熱ストレスやIGBTのターンオフ時のdV/dtが相対的に高くなる。このため、第1ゲート配線層33の抵抗値(配線抵抗の抵抗値)を、IGBT領域23の中央付近を通るゲート電極8が連結された箇所で高くし、当該箇所から離れるほど低くする(図13)。
この場合、第1ゲート配線層33の、IGBT領域23の中央付近を通るゲート電極8が連結された箇所でポリシリコン配線層31と金属配線層32との接触面積が少なくなるように、層間絶縁膜9にコンタクトホール9aを配置すればよい。第1ゲート配線層33の、第2方向YにIGBT領域23に対向する区間での層間絶縁膜9のコンタクトホール9a内に、実施の形態2の分離絶縁膜19(図10,11参照)を配置してもよい。
以上、説明したように、実施の形態3によれば、実施の形態1,2と同様の効果を得ることができる。また、実施の形態3によれば、第1ゲート配線層の、第2方向にIGBT領域に対向する区間の抵抗値を部分的に高くすることで、同一のIGBT領域内の単位セル間での第1ゲート配線層による寄生のゲート抵抗値を調整する。これにより、同一のIGBT領域内の単位セル間のゲート電位差を小さくすることができる。
以上において本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、第1ゲート配線層は、ポリシリコン配線層よりも低抵抗な金属配線層を所定箇所で相対的に多く含む構成となっていればよく、金属配線層上にポリシリコン配線層を積層した積層構造となっていてもよい。また、第1ゲート配線層は、ポリシリコン配線層およびアルミニウムを含む金属配線層を順に積層した2層構造に限らず、抵抗値の異なる導電層を2層以上積層した多層構造であればよい。
また、ポリシリコン配線層と金属配線層とが接触するコンタクトホールの開口幅(法線方向の幅)を、ゲートパッドから離れた箇所で相対的に広くし、ゲートパッドに近い箇所で相対的に狭くすることで、第1ゲート配線層の抵抗値を調整してもよい。この場合、第1ゲート配線層の全周でポリシリコン配線層と金属配線層とが接触するコンタクトホールを形成し、当該コンタクトホールの開口幅をゲートパッドから離れるにしたがって広くしてもよい。また、本発明は、導電型(n型、p型)を反転させても同様に成り立つ。
以上のように、本発明にかかる半導体装置は、電力変換装置や種々の産業用機械などの電源装置などに使用されるパワー半導体装置に有用である。
1 n-型ドリフト領域
2 p型ベース領域
3 n+型エミッタ領域
4 p+型コンタクト領域
5 n型蓄積層
6 トレンチ
7 ゲート絶縁膜
8 ゲート電極
9 層間絶縁膜
9a,9b,9c 層間絶縁膜のコンタクトホール
9b 層間絶縁膜のコンタクトホールを構成する開口部
10 半導体基板
11 エミッタパッド
12 ゲートパッド
13 n型フィールドストップ層
14 p+型コレクタ領域
15 n+型カソード領域
16 裏面電極
19 分離絶縁膜
20,40 半導体装置
21 活性領域
22 エッジ耐圧構造領域
23 IGBT領域
24 FWD領域
30 フィールド酸化膜
31,41 第1ゲート配線層のポリシリコン配線層
32,42,42a 第1ゲート配線層の金属配線層
33,43 第1ゲート配線層(ゲートランナー)
34 第2ゲート配線層(ゲートフィンガ)
X 半導体基板のおもて面に平行な第1方向
Y 半導体基板のおもて面に平行で第1方向と直交する第2方向
Z 深さ方向
d1 層間絶縁膜のコンタクトホールの開口幅
d2 層間絶縁膜のコンタクトホールの開口長さ
d11 分離絶縁膜の長さ
d21,d21a,d22,d22a 層間絶縁膜のコンタクトホールを構成する開口部の開口長さ

Claims (8)

  1. 半導体基板の活性領域に設けられた金属-酸化膜-半導体からなる絶縁ゲートを有する複数の単位セルと、
    前記半導体基板の第1主面に絶縁層を介して設けられ、前記活性領域の周囲を囲み、すべての前記単位セルの前記絶縁ゲートが電気的に接続されたゲート配線層と、
    を備え、
    前記ゲート配線層は、層間絶縁膜と交互に積層され、前記層間絶縁膜のコンタクトホールを介して互いに接触する抵抗値の異なる導電層を2層以上積層した多層構造であり、
    前記導電層同士は、深さ方向に前記導電層に対向して前記層間絶縁膜の1つ以上の所定箇所にそれぞれ配置された前記コンタクトホールを介して互いに接触し、
    前記ゲート配線層の抵抗値は、前記所定箇所で相対的に低く、かつ前記所定箇所を除く箇所で相対的に高いことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記ゲート配線層の抵抗値に基づいて、並列接続されたすべての前記単位セルの間のゲート電圧差を小さくしたことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記半導体基板の第1主面に、前記ゲート配線層が電気的に接続されたゲートパッドを備え、
    前記コンタクトホールは、前記ゲートパッドから離れた箇所に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記コンタクトホールの、前記ゲート配線層が延在する方向と直交する方向の開口幅を、前記ゲートパッドに相対的に近い箇所に配置される前記コンタクトホールほど相対的に狭くしたことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  5. 前記コンタクトホールの、前記ゲート配線層が延在する方向の開口長さを、前記ゲートパッドに相対的に近い箇所に配置される前記コンタクトホールほど相対的に短くしたことを特徴とする請求項3または4に記載の半導体装置。
  6. 前記コンタクトホールの内部に、前記コンタクトホールを、前記ゲート配線層が延在する方向に点在する複数の開口部に分離する分離絶縁膜をさらに備え、
    同一の前記コンタクトホールの内部で前記分離絶縁膜によって分離された複数の前記開口部の開口長さを、前記ゲートパッドに相対的に近い前記開口部ほど相対的に短くしたことを特徴とする請求項3~5のいずれか一つに記載の半導体装置。
  7. 前記活性領域は、
    前記絶縁ゲートを有する絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの前記単位セルが配置された第1素子領域と、
    前記第1素子領域に隣接し、前記絶縁ゲート型バイポーラトランジスタに逆並列に接続されたダイオードの前記単位セルが配置された第2素子領域と、を有し、
    前記ゲート配線層の、前記第1素子領域に対向する区間において、前記ゲート配線層の抵抗値を前記所定箇所で相対的に低くし、前記所定箇所を除く箇所で相対的に高くしたことを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の半導体装置。
  8. 前記ゲート配線層の、前記第1素子領域に対向する区間は、前記半導体基板の第1主面に平行でかつ前記第1素子領域と前記第2素子領域とが並ぶ第1方向に直線状に延在し、
    前記ゲート配線層の、前記第1素子領域に対向する区間に、前記半導体基板の第1主面に平行でかつ前記第1方向と直交する第2方向にストライプ状に延在する複数の前記絶縁ゲートの各端部が連結され、
    前記ゲート配線層の、前記第1素子領域に対向する区間の前記第1方向の中央の抵抗値を相対的に高くしたことを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
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