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JP7485593B2 - 加速器および粒子線治療装置 - Google Patents
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JP7485593B2 - 加速器および粒子線治療装置 - Google Patents

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Description

本開示は加速器および粒子線治療装置に関わる。
がん治療法の一つである粒子線治療は、陽子や炭素イオンなどの荷電粒子ビームを患部に照射する。粒子線治療に用いる粒子線治療装置では、荷電粒子ビームのエネルギーと空間的な広がりとを調整し、患部形状に合わせた線量分布を形成する。
粒子線治療装置には、加速器、ビーム輸送系、および照射装置が含まれる。加速器は、荷電粒子ビームを、治療に用いるエネルギーとなるまで加速する装置である。粒子線治療に用いられる加速器として、シンクロトロン、サイクロトロン、シンクロサイクロトロンなどが挙げられる。
加速器の小型化によって粒子線治療装置の小型化が実現される。荷電粒子ビームを偏向するための電磁石として、超伝導磁石を用いることで、加速器の小型化が可能である。超伝導電磁石を適用した加速器の一例として、非特許文献1に記載のシンクロサイクロトロンがある。
シンクロサイクロトロンでは、超伝導コイルによって形成された静磁場中を粒子ビームが周回し、粒子ビームはその周回に同期した高周波加速電場によって加速される。シンクロサイクロトロンにおいては、ビームの加速に伴ってビームの周回周波数が減少していくため、高周波加速電場の周波数は、周回周波数の減少に合わせて変調される。
シンクロサイクロトロン中のビームの水平面内軌道はエネルギー毎の同心円状であり、設計された最大エネルギーに達したビームが出射チャネルより取り出される。出射されたビームを治療に用いるためには、患部深さに応じたエネルギーになるように散乱体でビームを減速する必要がある。
このシンクロサイクロトンに対し、取り出されるビームのエネルギーを可変とした加速器として、特許文献1に記載の円形加速器がある。この円形加速器は、エネルギーが異なるビームの周回軌道を円形加速器の中心から径方向一方側に偏心させるように主磁場分布が形成されている。特許文献1の円形加速器は、このように主磁場に擾乱を発生させることで特定エネルギーのビームを取出すことを特徴としている。この構成により、散乱体などの減速体を用いずに、出射されるビームのエネルギーを変更することが可能となっている。
出射されたビームを患部形状に合わせた線量分布に形成する方法として、特許文献1に記載されたスキャニング照射法がある。スキャニング照射法では、患部上流に設置された走査電磁石を用いてビームを走査することで所望の線量分布を形成する。
特開2019-133745号公報
W. Kleeven, "The IBA Superconducting Synchrocyclotron Project S2C2", Proceedings of Cyclotrons 2013
上述したシンクロサイクロトロンのようにビームが静磁場中を周回して加速される加速器において、ビームを加速器の外部へと取り出すためには、ビームを加速したり周回させたりするために磁極によって形成された磁場領域(主磁場と呼称)より加速器の径方向の外側にビームを通過させ、加速器の内壁まで到達させる必要がある。
一般に、主磁場と加速器内壁との間では磁場が径方向の外側に向かって減衰していくため、径方向に対して磁場勾配がある。この磁場勾配は、ビームの1周当たりのベータトロン振動の振動数であるチューンを大きく変動させる。
ビームの水平方向チューンと垂直方向チューンの一方が他方の整数倍及び半整数倍に一致する場合、共鳴が励起されベータトロン振動の振幅が増大する。ベータトロン振動の振幅の増大はビームが通過する領域の拡大につながり、その結果としてビームが加速器の内部にある機器と衝突することによるビームロスの要因となる。
本開示のひとつの目的は、磁場と加速器内壁の間におけるベータトロン振動によるビームロスを低減する技術を提供することである。
本開示のひとつの態様による加速器は、ヨークの内部に円筒状領域を構成し、前記円筒状領域に静磁場を形成する主電磁石と、荷電粒子ビームを前記主電磁石の内部から外部へ輸送するビーム出射経路と、前記静磁場中を周回する荷電粒子ビームを加速するための、周波数を変調した加速電場を印加する加速電場印加器と、前記加速電場により加速した荷電粒子ビームのベータトロン振動の振幅を増大させるキッカと、を有し、前記主電磁石は、前記キッカによりベータトロン振動の振幅が増大した荷電粒子ビームを前記ビーム出射経路に進入させるための第1磁場と、前記ヨーク内の前記静磁場の領域と前記ヨークの内壁の間における前記荷電粒子ビームの発散を抑制するための第2磁場とを作成する。
本開示のひとつの態様による粒子線治療装置は、上記加速器を備えている。
本開示のひとつの態様によれば、主磁場と加速器内壁の間におけるベータトロン振動によるビームロスを低減することができる。
実施例1の円形加速器30の外観図である。 実施例1の円形加速器30を中心平面で切断した断面図である。 実施例1の円形加速器30の鉛直方向の断面図である。 図2中に示されたr軸上の主磁場の分布を示すグラフである。 共鳴抑制磁場46を含む領域のr方向の磁場強度Bzの分布を示すグラフである。 実施例2の円形加速器30の外観図である。 実施例2の偏芯軌道型加速器を中心平面で切断した断面図である。 実施例2の偏芯軌道型加速器の鉛直方向の断面図である。 エネルギー毎の設計軌道の概念図を示す。 エネルギー毎の水平方向ベータトロン振動の振幅βと位相φとの関係を示すグラフである。 エネルギー毎の垂直方向ベータトロン振動の振幅βzと位相φとの関係を示すグラフである。 実施例3の粒子線治療装置の全体構成図である。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図1は、実施例1による円形加速器30の外観図である。図2は、円形加速器30を中心平面で切断した断面図である。図3は、円形加速器30の鉛直方向の断面図(図2のA-A’矢視図)である。
本実施例の円形加速器30は、粒子線治療装置に適用可能な荷電粒子を加速する加速器である。
円形加速器30は、上下方向に分割可能な主電磁石40によってその外殻が形成されている。主電磁石40内部のビームを加速する領域(以下「加速領域」と称す)は真空に保たれている。主電磁石40の上部には、主電磁石40に入射するためのイオンのビームを生成するイオン源50が設置されている。
イオン源50で生成されたビームは、低エネルギービーム輸送系51を経由して、主磁極38の中心付近に設けられたイオン入射部52に達する。イオン入射部52に達したビームは、イオン入射部52により、主電磁石40内部の加速領域に入射される。イオン源50としては、ECRイオン源やレーザーイオン源などを適用できる。外部からビームを入射する場合、例えば、ビームは静電インフレクタ53を通じて加速領域へ入射される。イオン源50は、主電磁石40内部の真空引きされた加速領域内部に配置されても良い。その場合はPIG型イオン源などが好適である。
主電磁石40は、主磁極35、ヨーク37、およびメインコイル38からなる。ヨーク37は、主電磁石40の外観を形成し、内部におよそ円筒状の領域を構成する。メインコイル38は、円環状のコイルであり、ヨーク37の内壁に沿って設置される。メインコイル38は超電導コイルである。メインコイル38の周囲にはクライオスタット36が設置される。クライオスタット36はメインコイル38を冷却する。メインコイル38の内周側には主磁極35が上下に対向して設置されている。通電したメインコイル38および主磁極35により形成される磁場を主磁場と呼称する。また、加速領域は、主磁場中のビームを加速するための領域である。
ヨーク37には貫通孔が複数ある。そのうち、ビーム用貫通孔44、コイル用貫通孔47、真空引き用貫通孔48、および高周波系用貫通孔49がヨーク37の接続面に設けられている。ビーム用貫通孔44は、加速されたビームを出射するための貫通孔である。コイル用貫通孔47は、ヨーク37内部の種々のコイル導体を外部に引き出すための貫通孔である。真空引き用貫通孔48は、ヨーク37内部を真空引きするための貫通孔である。高周波系用貫通孔49は、高周波加速空胴10を設けるための貫通孔である。
高周波加速空胴10は、λ/2共振型空胴であり、ディー電極12、ダミーディー電極13、内導体14、外導体15、回転コンデンサ31を有する。ディー電極12は、D字型の中空電極であり、内導体14とつながっている。ダミーディー電極13は、内導体14を外包する外導体15とつながる電極であり、接地電位となる。ダミーディー電極13は、ディー電極12との間に加速間隙11を形成する。ディー電極12とダミーディー電極13との間の加速間隙11には、回転コンデンサ31によって周波数変調された加速電圧が発生する。図2に例示された加速間隙11は、ハーモニクス数が1の場合、即ち周回周波数と加速周波数とが同じ場合のものである。また、加速間隙11の形状は、ビームの軌道形状に応じて設計される。
入力カプラ20は、高周波加速空胴10に高周波電力を供給するための機器であり、内導体14に対して静電結合式か磁気結合式により接続されている。加速高周波電源21より入力カプラ20に電力が供給され、入力カプラ20を通して内導体14に対して高周波電力が供給される。これにより、ディー電極12とダミーディー電極13との間の加速間隙11にビームを加速するための高周波加速電圧が発生し、その高周波加速電圧により高周波電場が発生する。
回転コンデンサ31は、高周波加速空胴10の共振周波数を変調するための機器であり、モータ32と、固定電極33と、その固定電極33に対向する回転電極34とを含む。固定電極33は、内導体14上に形成されている。また、回転電極34は、外導体15に隣り合い、外導体15と物理的に接続されていないものの、外導体15と静電容量を介して電気的に接続されている。なお、この構成は一例であり、他の構成として、固定電極33が外導体15上に形成され、回転電極34が内導体14に静電結合されてもよい。
ここで、円形加速器30に入射されてから出射するまでのビームの挙動について説明する。イオン源50から円形加速器30に入射されたビームは、高周波電場により加速し、エネルギーを増しながら主磁場中を周回する。ビームの軌道は、ビームの加速に伴って曲率半径が増し、螺旋状となる。
ここで、加速領域内において、ビームが加速を開始してから最大エネルギーになるまでに通る軌道を周回軌道と呼称する。周回軌道のうち最大エネルギーのビームが通過する軌道を最大エネルギービーム軌道80と呼称する。周回軌道が螺旋を描く面を軌道面と呼称する。
加速領域の中心を原点とし中心から半径外側方向の軸をr軸とする軌道面の2次元極座標系を定義すると、主磁場は、式(1)で表されるn値が0より大きく、かつ1未満となるビーム安定化条件を満たす。
Figure 0007485593000001
式(1)において、ρは設計上の理想的な軌道(以下「設計軌道」と称す)の偏向半径であり、Bzは磁場強度であり、∂Bz/∂rはr方向の磁場勾配である。
設計軌道から径方向に微小にずれたビームは設計軌道に戻す方向に復元力を受ける。また、軌道面に対し鉛直な方向にずれたビームも軌道面に戻す方向に主磁場から復元力を受ける。これらにより生じるビームの振動をベータトロン振動といい、ベータトロン振動の振動数をベータトロン振動数という。
ビームが設計軌道の近傍をベータトロン振動しながらも安定的にビームを周回させ加速させることができるように、主磁場の∂Bz/∂rが設計される。
また、周回一周あたりの振動数をチューンといい、周回一周あたりの軌道面外側へのビームのr軸上変位をターンセパレーションという。また、軌道面内かつビームの軌道と直交する方向のベータトロン振動を水平方向ベータトロン振動といい、水平方向ベータトロン振動のチューンを水平方向チューンという。ビームの適切な高周波電圧を印加すると共鳴によりベータトロン振動の振幅が増大する。ビームのエネルギーの全範囲について、水平方向チューンνrは1に近い値に設定される。
上述の主磁場の磁場分布(以下「主磁場分布」と称す)は、主磁極38、および主磁極38の表面に設置するトリムコイルおよび/または磁極片によって形成される。主磁場分布を形成するこれらの構成要素は、軌道平面に対して対称に配置される。そのため、主磁場は、軌道面上においては、軌道面と垂直な方向の磁場成分のみを持つ。
本実施例の円形加速器30は、ビームを出射するための機器として、高周波キッカ81、セプタムコイル41、および高エネルギービーム輸送系45を有する。
円形加速器30にて加速されたビームは、ビーム出射経路入口82から、加速領域の外に出射される。セプタムコイル41は、このビーム出射経路入口82に配置される。2つ以上のセプタムコイル41をビーム進行方向に沿って配置してもよい。
高エネルギービーム輸送系45は、主電磁石40の内部から外部へ出射ビームを輸送するための輸送系である。この高エネルギービーム輸送系45が、セプタムコイル41の後段に、ビーム用貫通孔44を通って主電磁石40の外部にかけての位置に配置されている。
高周波キッカ81は、その内部を通過するビームに高周波電圧を印加する機器である。セプタムコイル41は、ビームを水平方向外周側に偏向するためのコイルであり、2つのコイル導体(不図示)を有する。
セプタムコイル41は加速領域の外周側にあり、一方のコイル導体が加速領域に接している。2つのコイル導体に電流を流すことにより、セプタムコイル41の内部には、ビームの周回軌道に対して鉛直方向の磁場が発生する。セプタムコイル41の内部に進入したビームは、その磁場により偏向され、高エネルギービーム輸送系45へと輸送される。
また、主電磁石40の内部には、二極磁場または多極磁場からなる擾乱磁場であるピーラ磁場領域42とリジェネレータ磁場領域43とが形成される。
本実施例では、ビーム出射経路入口82および高周波キッカ81を挟み、ビームが周回する軌道における上流側にピーラ磁場領域42が配置され、下流側にリジェネレータ磁場領域43が配置されている。
ビームを出射するために、上述した高周波キッカ81、セプタムコイル41、および高エネルギービーム輸送系45に加え、これらピーラ磁場領域42およびリジェネレータ磁場領域43が用いられる。
高周波加速電圧が印加された加速間隙11にてビームが最大エネルギーまで加速されると、加速間隙11への周波加速電圧の印加が停止される。それにより、ビームは、最大エネルギービーム軌道80上を周回する。
最大エネルギービーム軌道80には、高周波キッカ81が設置されている。ビームが高周波キッカ81に入ると、高周波キッカ81による高周波電圧によりビームのベータトロン振動の振幅が増大する。ベータトロン振動振幅が増大したビームは、やがて、最大エネルギービーム軌道80の外周側に、最大エネルギービーム軌道80から所定の距離を置いて設置されたピーラ磁場領域42およびリジェネレータ磁場領域43に到達する。
ピーラ磁場領域42に到達したビームは、軌道面の外周側にキックされる。リジェネレータ磁場領域43に到達したビームは、軌道面の内周側にキックされる。ピーラ磁場領域42の四極磁場成分によるキックで、ビームのベータトロン振動の振幅が更に増大し、ビームのターンセパレーションが増大していく。また、リジェネレータ磁場領域43の磁場により、ビームの水平方向チューンが急激に変動するのが抑制され、円形加速器30からビームが出射されるまでに、水平方向と直交する垂直方向にベータトロン振動が発散してビームが失われるのが防止される。
十分なターンセパレーションが得られると、ビームがセプタムコイル41に進入し、セプタムコイル41により軌道面の外側にキックされる。セプタムコイル41によりキックされたビームは、高エネルギービーム輸送系45を通り、円形加速器30の外側に出射される。
上述したターンセパレーションの増大として、高周波キッカ81により生じる分より、ピーラ磁場領域42とリジェネレータ磁場領域43とにより生じる分の方がはるかに大きい。そのため、高周波キッカ81により印加する高周波電圧を調整することで、最大エネルギービーム軌道80上を周回するビームのうち、ピーラ磁場領域42とリジェネレータ磁場領域43とに到達するビームの量を調整することができる。その結果、ビーム出射途中で高周波キッカ81への高周波電圧の印加を停止すれば、ピーラ磁場領域42とリジェネレータ磁場領域43とにビームが到達しないようにすることができ、円形加速器30からのビームの出射を中断できる。また、高周波キッカ81への高周波電圧の印加を再開すれば、ビームの出射を再開することもできる。さらに、高周波キッカ81に印加する高周波電圧の強さ、振幅、位相、周波数の1つ以上を制御することにより、円形加速器30から出射するビームの強さを制御することもできる。
ピーラ磁場領域42とリジェネレータ磁場領域43は、そこを通るビームに作用する多極磁場が存在する領域である。この多極磁場には少なくとも4極磁場成分が含まれる。この多極磁場には更に4極以上の多極磁場あるいは2極磁場が含まれていてもよい。ピーラ磁場領域42は、径方向外周側に向かって主磁場が弱まるような磁場勾配となっている。リジェネレータ磁場領域43は、逆に、径方向外周側に向かって主磁場が強まるような磁場勾配となっている。ピーラ磁場領域42として、磁極端部で主磁場が減少する領域を利用することもできる。
ピーラ磁場領域42とリジェネレータ磁場領域43は、最大エネルギービーム軌道80の外周側に、ビーム出射経路入口82を挟んで所定の方位角の領域にそれぞれ配置される。また、高周波キッカ81によりベータトロン振動の振幅が増大する前のビームがピーラ磁場領域42またはリジェネレータ磁場領域43に進入ないよう、ピーラ磁場領域42およびリジェネレータ磁場領域43は、最大エネルギービーム軌道80から、ベータトロン振動の共鳴前の振幅よりも大きい幅だけ外周側にある位置に配置されることが望ましい。また、ビーム出射経路入口82に対してビーム進行方向の上流側にピーラ磁場領域42が配置され、下流側にリジェネレータ磁場領域43が配置されることが望ましいが、その逆でもよい。
ピーラ磁場領域42およびリジェネレータ磁場領域43の近辺には、磁性体製の複数の磁極片またはコイルあるいはその両者が非磁性材によりヨーク37に固定配置され、所望の多極磁場を形成する。たとえば、ピーラ磁場領域42およびリジェネレータ磁場領域43のそれぞれについて、複数の磁極片で多極磁場を、コイルで2極磁場を形成する。複数の磁極片とコイルは、互いに近接して配置することもでき、また空間的に離れた位置に配置することもできる。
図4は、図2中に示されたr軸上の主磁場の分布を示すグラフである。
主磁場の磁場強度Bzは、r軸上、加速領域の中心から最大エネルギービーム軌道80までは、僅かに減少する磁場勾配∂Bz/∂rを示している。この領域では、式(1)のn値が安定化条件を満たし、ビームが安定に周回する。しかし、軌道上にリジェネレータ磁場領域43が存在するr軸上の範囲では、主磁場の磁場強度Bzが急激に上昇するような磁場勾配∂Bz/∂rを示している。この領域では、ビームは安定せず、軌道面における内周側にキックされる。また、図示しないが、軌道上にピーラ磁場領域42が存在する範囲のr方向の主磁場の分布では、ピーラ磁場領域42において、リジェネレータ磁場領域43とは逆に、磁場強度Bzが急激に下降する磁場勾配∂Bz/∂rを示す。このピーラ磁場領域42でもリジェネレータ磁場領域43と同様にビームは安定せず、またリジェネレータ磁場領域43とは逆にビームは軌道面外周側にキックされる。
なお、ここでは、高周波キッカ81によるベータトロン振動の振幅の増大がピーラ磁場領域42およびリジェネレータ磁場領域43による振幅の増大に比べて小さいため、円形加速器30からビームを出射させるのにピーラ磁場領域42およびリジェネレータ磁場領域43を用いる構成を例示した。しかし、この構成に限定されることはない。他の構成として、ピーラ磁場領域42およびリジェネレータ磁場領域43を用いず、高周波キッカ81がベータトロン振動の振幅を増大させる効果により、円形加速器30からビームを出射することにしてもよい。
高周波キッカ81を配置する位置は最大エネルギービーム軌道80上であればよく、特に限定されないが、ここでは一例として、図2に示すように、高周波キッカ81をビーム出射経路入口82の近傍に配置する。
ここで、ベータトロン振動は、チューン又はチューンの小数部のいずれか一方とビームの周回周波数との積が、印加される高周波電圧の周波数と略同一であるとき、振幅が共鳴的に増大する性質をもつ。そこで、本実施例では、高周波キッカ81により印加される高周波電圧の周波数fextが、最大エネルギービームの水平方向チューンνrの小数部Δνrと、最大エネルギービームの周回周波数frevとの積Δνr×frevと略同一となるようにしておく。その結果、水平方向ベータトロン振動の振幅は共鳴的に増大し続け、やがてビームがピーラ磁場領域42とリジェネレータ磁場領域43に到達する。なお、高周波キッカ81により印加される高周波電圧の周波数fextが、最大エネルギービームの水平方向チューンνrと、最大エネルギービームの周回周波数frevとの積νr×frevと等しくなるようにしてもよい。
ビームは、ピーラ磁場領域42を通過すると外周側にキックされ、リジェネレータ磁場領域43を通過すると逆に内周側にキックされる。ピーラ磁場領域42とリジェネレータ磁場領域43とは共に径方向に磁場勾配を有するので、複数回ビームが周回するうちに、キック量が次第に増えていき、ターンセパレーションが増大する。つまり、2νr=2のベータトロン振動の共鳴条件を利用することで、ターンセパレーションを増大させることができる。
上述したように、ビーム出射経路入口82にはセプタムコイル41が設置されている。やがて、ビームがセプタムコイル41の内周側に設置されているコイル導体の厚みを大きく超えるほどのターンセパレーションが得られるようになると、ビームは、セプタムコイル41内部へと導かれ、セプタムコイル41により十分に偏向され、高エネルギービーム輸送系45へ導かれ、円形加速器30から出射される。
このとき、出射時の水平方向チューンνrと垂直方向チューンνzの線形結合が半整数あるいは整数と一致する場合、共鳴と呼ばれるベータトロン振動の共振現象が励起され、ビーム発散が生じる。特に、式(1)のn値が安定化条件を満たす円形加速器においては、Walkinshaw共鳴と呼ばれる共鳴によるビーム発散を抑制することでビーム電流の増大が可能になる。
Walkinshaw共鳴は、式(2)で表される条件を水平方向チューンνrと垂直方向チューンνzが満たす場合に生じる。
Figure 0007485593000002
また、共鳴には共鳴幅と呼ばれる共鳴が励起される幅があり、実際には式(2)の右辺が所定の共鳴幅δ以下であれば共鳴が発生する。共鳴幅δは、式(3)で表される。
Figure 0007485593000003
式(3)において、Jは設計軌道を原点とした水平方向の粒子座標を正準変換した作用である。Gは、式(4)で表される複素数であり、driving termと呼ばれる。
Figure 0007485593000004
ここで、式(4)において、jは虚数単位である。ξは任意の位相である。sはビーム進行方向の座標である。ψrとψzはそれぞれ水平方向と垂直方向のベータトロン振動の位相進みである。θは進行方向座標sにおける角度方向の座標である。kは、式(5)に示すように、Bのr方向2階微分をBρで割ったものであり、六極磁場成分の大きさを表している。
Figure 0007485593000005
driving termの大きさを0にすることで、共鳴幅δは0になり、式(2)を満たす場合にのみ共鳴が生じるようにできるため、共鳴により発散するビームを低減することができる。
式(4)より、最大エネルギービーム軌道80の外周のs方向の任意の区間に、kを補正する共鳴抑制磁場46を印加することにより、driving termの大きさを0あるいはその近傍にすることが可能になると言える。ヨーク37内部に静磁場が形成された円筒状領域と内壁との間に、ビームをビーム出射経路に進入させるための磁場(ピーラ磁場およびリジェネレータ磁場)とは別個に、ビームが発散するのを抑制するための磁場(共鳴抑制磁場46)を配置することにより、ヨーク37内での円筒状領域と内壁との間でのベータトロン振動の振幅の増大によるビームロスを低減することができる。本実施例では、共鳴抑制磁場46は、径方向で見ると、ビームが加速中に通過する領域の外側に作成される。周回して加速されたビームをヨーク37の内壁に到達させるためにベータトロン振動の振幅が増大するのを効果的に抑制することができる。また、共鳴抑制磁場46は、軌道方向で見ると、ビームが周回する軌道におけるピーラ磁場領域42の上流側かつ加速間隙11の下流側に配置されている。共鳴抑制磁場46に含まれる多極磁場成分は、例えば、4極以上の多極磁場成分であってよい。多極磁場成分を印加することにより、driving termの大きさをゼロに近づけ、共鳴幅をゼロに近づけることができる。
主電磁石40は共鳴抑制磁場46を作成する作成器を備え、その作成器は、例えば、主磁極38の表面に設置されるコイルまたは磁極片またはその両方であってもよい。コイルにより共鳴抑制磁場46を形成すれば、調整の自由度が増し、ロバストな装置を実現できる。あるいは、共鳴抑制磁場46を作成する作成器は、主磁極38の表面に設置される鉄片であってもよい。共鳴抑制磁場46を鉄片により形成するので、使用の度に励磁をする必要がなく、容易で迅速な装置の使用を実現できる。
図5は、共鳴抑制磁場46を含む領域のr方向の磁場強度Bzの分布を示すグラフである。図5に示された磁場強度Bzは共鳴抑制磁場46により補正されている。
また、本実施例では、図2に示したように、共鳴抑制磁場46は一か所のみに印加されている。しかし、これに限定されることはない。他の例として、共鳴抑制磁場46はs方向の任意の領域に複数あってもよい。
また、式(4)では、一例として、水平方向ベータトロン振動振幅βrの1乗と、垂直方向ベータトロン振動振幅βの2乗の積を用いている。式(4)において、水平方向ベータトロン振動の振幅と垂直方向ベータトロン振動の振幅の2乗との積が大きい領域で六極磁場成分の大きさとdriving termが大きくなるので、その水平方向ベータトロン振動の振幅と垂直方向ベータトロン振動の振幅の2乗との積が大きい領域で、六極磁場成分の大きさを小さくするような第2磁場を設けることで、共鳴幅を小さくすることができる。ただし、これに限定されることはない。他の例として、水平方向ベータトロン振動振幅βrの実数乗と、垂直方向ベータトロン振動振幅βの実数乗の積を用いることができる。
以上の説明は、Walkinshaw共鳴の共鳴幅を低減することに関する説明であるが、他の種類の共鳴についてもこれと同様に、driving termの大きさを0にするように多極磁場成分を印加することで、共鳴幅を0にすることができる。
実施例2の円形加速器について図面を用いて説明する。ここでは、本実施例のうち、実施例1と同じ構成については説明を省略し、実施例1と異なる構成についてのみ説明する。
本実施例の円形加速器は、出射するビームのエネルギーを70MeVから235MeVの間で任意に変更できるようにするため、ビームの軌道をビーム出射経路入口82の側に偏芯させるように主磁場を形成した偏芯軌道型加速器である。
図6は、実施例2の円形加速器30の外観図である。図7は、実施例2の偏芯軌道型加速器を中心平面で切断した断面図である。図8は、実施例2の偏芯軌道型加速器の鉛直方向の断面図(図7のA-A’矢視図)である。
実施例2の円形加速器30では、ビームが周回する軌道は、ビームが加速するのに応じて半径が大きくなり、半径が大きくなるに従って軌道の中心が所定方向(図7中では右方向)に移動する。その軌道の中心が移動する方向の逆方向(図7中では左方向)に、速度に応じた軌道が密となる領域があり、その領域の近傍にビーム出射経路入口82が配置されている。ビーム出射経路入口82の近傍で軌道が密となるので、所望のエネルギーのビームを容易に出射できる。
図7および図8に示した偏芯軌道型加速器における、図2および図3に示した実施例1の円形加速器からの構造上の変更点として、ディー電極12およびダミーディー電極13の形状と、それらの間に形成される加速間隙11の形状とがある。
ここで、回転コンデンサ31の回転軸と加速領域の円の中心を通る線を中心線とする。イオン入射部52は中心線上で加速領域の中心よりもビーム出射経路入口82側に寄った位置に配置されている。また、図示はしないが、後述する主磁場を形成するために主磁極38の上下対向する面の形状も実施例1のものと大きく異なる。高周波キッカ81の構成も複数のエネルギー軌道へ高周波電場を印加するため、実施例1のものと構造が異なる。
図9に、エネルギー毎の設計軌道の概念図を示す。点線は各軌道の同一の周回位相を結んだ線であり、等周回位相線と呼ぶ。等周回位相線は、集約領域に周回位相φ=0を設定し、それを含めて周回位相π/4ごとにプロットされている。ディー電極12とそれに対向するダミーディー電極13との間に形成される加速間隙11は、等周回位相線に沿って設置される。
より具体的には、ディー電極12は、最低出射エネルギー軌道83の中心付近を先端とし、その先端から等周回位相線に沿って円周に到達する2本の曲線と、それら2本の曲線が到達した円周上の点同士を結ぶ弧とで囲われた扇形のような中空の形状をしている。また、ダミーディー電極13は、ディー電極12の上記2本の曲線にそれぞれ対向する2本の曲線を外形に有する形状をしている。
ビームのエネルギーが低い領域では、ビームの軌道は、サイクロトロン同様にイオン入射部52の付近を中心とする同心軌道に近いものとなる。しかし、エネルギーがより大きな領域では、ビームの軌道は、ビーム出射経路入口82の付近で密に集約しており、逆に内導体14の付近では各エネルギーの軌道が互いに離れている。
この軌道が密に集まっている領域を集約領域と呼び、離散した領域を離散領域と呼ぶ。集約領域付近からビームを取出す構成とすることで、ビームを取り出すために必要となるキック量を小さくでき、所望のエネルギーを選択してビームを出射することが容易になっている。
上述したような軌道の構成と軌道の周辺での安定な振動を生じさせるために、本実施例の加速器では、径方向外周側に行くにつれ主磁場の磁場強度が小さくなるような磁場分布を、主磁極38の形状と、その表面に設置するトリムコイルおよび/または磁極片とにより形成する。また、設計軌道に沿った線上では主磁場は一定値である。よって、各エネルギーにおける設計軌道は円形となる。
次にビームの出射方法について説明する。
円形加速器30からビームを出射するために、すべてのエネルギーのビームの軌道が集約している集約領域付近に設置する高周波キッカ81と、その両脇に配置するピーラ磁場領域42およびリジェネレータ磁場領域43と、セプタムコイル41と、高エネルギービーム輸送系45とが用いられる。
本実施例では、出射に用いられる上記構成要素のうち、高周波キッカ81の構成が実施例1のものと異なる。ビームを出射するための手順は、基本的に実施例1で説明したものと同一である。しかし、加速間隙11に印加する高周波の加速電圧を遮断するタイミングと、高周波キッカ81への高周波電圧の印加を開始するタイミングとを前にずらせば、任意のエネルギーのビームを出射できるようになる。高周波電圧の印加を開始することで、その所望のエネルギーのビームのベータトロン振動の振幅が高周波キッカ81により増大する。やがて、そのビームがピーラ磁場領域42とリジェネレータ磁場領域43とに到達し、円形加速器30から出射される。
本実施例の円形加速器30も、実施例1のものと同様、式(1)のn値が安定化条件を満たす円形加速器である。Walkinshaw共鳴と呼ばれる共鳴によりビームが発散するのを抑制することでビームの電流を増大させることが可能になる。実施例1の円形加速器と同様に、実施例2でも、driving termの大きさを0にすることで、共鳴により発散するビームを低減することができる。また、式(4)より、最大エネルギービーム軌道80の外周のs方向の任意の区間に、kを補正するための共鳴抑制磁場46を印加することで、driving termの大きさを0またはその近傍にすることが可能になる。
ここで、エネルギー毎の水平方向ベータトロン振動の振幅βと位相φとの関係を図10に示す。また、エネルギー毎の垂直方向ベータトロン振動の振幅βと位相φとの関係を図11に示す。なお、振幅βと振幅βは、位相φ=πに対して対称となっている。
図10に示した振幅βは位相φ=π/2、3π/2のときに最大となる。一方、図11に示した振幅βは、位相φ=0において最大となり、φ=πにおいて最小となる。
式(4)より、振幅βrおよび振幅βが大きな値を取るs方向の座標において、kによるdriving termへの寄与の度合いが大きくなると言える。従って、本実施例の円形加速器30においては、振幅βzは位相φに対して比較的平坦なので、位相φによる変動の大きい振幅βrが最大となる位相φ=π/2の等周回位相線の近傍および/または3π/2の等周回位相線の近傍に共鳴抑制磁場46が印加される。位相がπ/2(90度)、3π/2(270度)の近傍で水平方向ベータトロン振動振幅が最大となるので、その近傍に、六極磁場成分の大きさを小さくするような第2磁場を設けることで、共鳴幅を小さくすることができる。
本実施例の円形加速器30は、実施例1の円形加速器30と同様に、共鳴抑制磁場46はs方向の任意の領域に複数あってもよい。また、本実施例ではWalkinshaw共鳴について説明したが、他の種類の共鳴についてもこれと同様に、driving termの大きさを0にするように多極磁場成分を印加することで、共鳴幅を0にすることができる。
実施例3として、円形加速器を用いた粒子線治療装置について説明する。
図12は、実施例3の粒子線治療装置の全体構成図である。粒子線治療装置は、実施例1もしくは実施例2に示した円形加速器30、回転ガントリ90、走査電磁石を含む照射装置92、治療台101およびそれらを制御する制御装置91を有する。
円形加速器30から出射されたビームは、回転ガントリ90により照射装置92まで輸送される。照射装置92に輸送されたイオンビームは、照射装置92でのビームエネルギーの調整により患部に合わせて形成され、治療台101に横たわる患者100の患部に対して所定量照射される。
照射装置92は、線量モニタを内包しており、患者100への照射スポット毎に照射された線量を監視している。この線量データを元に、治療制御装置91は各照射スポットへの要求線量を算出し、加速器制御装置93への入力データとする。加速器制御装置93は、円形加速器30における荷電粒子ビームの、入射、加速、出射を制御する。
10…高周波加速空胴、11…加速間隙、12…ディー電極、13…ダミーディー電極、14…内導体、15…外導体、20…入力カプラ、21…加速高周波電源、30…円形加速器、31…回転コンデンサ、32…モータ、33…固定電極、34…回転電極、35…主磁極、36…クライオスタット、37…ヨーク、38…メインコイル、38…主磁極、40…主電磁石、41…セプタムコイル、42…ピーラ磁場領域、43…リジェネレータ磁場領域、44…ビーム用貫通孔、45…高エネルギービーム輸送系、46…共鳴抑制磁場、47…コイル用貫通孔、48…真空引き用貫通孔、49…高周波系用貫通孔、50…イオン源、51…低エネルギービーム輸送系、52…イオン入射部、53…静電インフレクタ、80…最大エネルギービーム軌道、81…高周波キッカ、82…ビーム出射経路入口、83…最低出射エネルギー軌道、90…回転ガントリ、91…治療制御装置、91…制御装置、92…照射装置、93…加速器制御装置、100…患者、101…治療台

Claims (10)

  1. ヨークの内部に円筒状領域を構成し、前記円筒状領域に静磁場を形成する主電磁石と、
    荷電粒子ビームを前記主電磁石の内部から外部へ輸送するビーム出射経路と、
    前記静磁場中を周回する荷電粒子ビームを加速するための、周波数を変調した加速電場を印加する加速電場印加器と、
    前記加速電場により加速した荷電粒子ビームのベータトロン振動の振幅を増大させるキッカと、
    を有し、
    前記主電磁石は、前記キッカによりベータトロン振動の振幅が増大した荷電粒子ビームを前記ビーム出射経路に進入させるための第1磁場と、前記ヨーク内の前記静磁場の領域と前記ヨークの内壁の間における前記荷電粒子ビームの発散を抑制するための第2磁場とを作成する、ものであり、
    前記第2磁場は、
    前記荷電粒子ビームが加速中に通過する領域の外側に作成され、
    4極以上の多極磁場成分を含み、
    前記荷電粒子ビームの水平方向ベータトロン振動の振幅の実数乗と垂直方向ベータトロン振動の振幅の実数乗との積が極大となる領域の近傍に配置される、
    加速器。
  2. 前記第2磁場は、前記荷電粒子ビームの水平方向ベータトロン振動の振幅と垂直方向ベータトロン振動の振幅の2乗との積が極大となる領域近傍に配置される、
    請求項に記載の加速器。
  3. 前記主電磁石は、
    前記キッカと前記ビーム出射経路の入口とを挟み、前記荷電粒子ビームが周回する軌道における上流側に、前記ビームを前記軌道の外周側にキックするピーラ磁場領域を形成し、下流側に、前記荷電粒子ビームを前記軌道の内周側にキックするリジェネレータ磁場領域を形成し、
    前記ピーラ磁場領域の上流側に前記第2磁場を形成する、
    請求項1に記載の加速器。
  4. 前記加速電場印加器は、第1電極と第2電極を有し、前記第1電極と前記第2電極の間の間隙に前記加速電場を印加し、
    前記主電磁石は、前記ピーラ磁場領域の上流側かつ前記間隙の下流側に前記第2磁場を形成する、
    請求項に記載の加速器。
  5. 前記荷電粒子ビームの周回する軌道は、前記荷電粒子ビームの速度に応じて半径が大きくなり、前記半径が大きくなるに従って前記軌道の中心が所定方向に移動する、
    請求項1からのいずれか一項に記載の加速器。
  6. 前記所定方向の逆方向に、速度に応じた軌道が密となる領域があり、該領域の近傍に前記ビーム出射経路の入口が配置される、
    請求項に記載の加速器。
  7. ヨークの内部に円筒状領域を構成し、前記円筒状領域に静磁場を形成する主電磁石と、
    荷電粒子ビームを前記主電磁石の内部から外部へ輸送するビーム出射経路と、
    前記静磁場中を周回する荷電粒子ビームを加速するための、周波数を変調した加速電場を印加する加速電場印加器と、
    前記加速電場により加速した荷電粒子ビームのベータトロン振動の振幅を増大させるキッカと、
    を有し、
    前記主電磁石は、前記キッカによりベータトロン振動の振幅が増大した荷電粒子ビームを前記ビーム出射経路に進入させるための第1磁場と、前記ヨーク内の前記静磁場の領域と前記ヨークの内壁の間における前記荷電粒子ビームの発散を抑制するための第2磁場とを作成する、ものであり、
    前記荷電粒子ビームの周回する軌道は、前記荷電粒子ビームの速度に応じて半径が大きくなり、前記半径が大きくなるに従って前記軌道の中心が所定方向に移動し、
    前記所定方向の逆方向に、速度に応じた軌道が密となる領域があり、該領域の近傍に前記ビーム出射経路の入口が配置され、
    前記第2磁場は、最大エネルギーの軌道における、前記逆方向を0度とした周回位相が90度または270度である領域の近傍に配置される
    速器。
  8. 前記主電磁石は、前記主電磁石において前記静磁場を形成する主磁極に設置されたコイルを含み、前記コイルにより前記第2磁場を作成する、請求項1に記載の加速器。
  9. 前記主電磁石は、前記主電磁石において前記静磁場を形成する主磁極に設置された鉄片を含み、前記鉄片により前記第2磁場を作成する、請求項1に記載の加速器。
  10. 請求項1からのいずれか一項に記載の加速器を備える、粒子線治療装置。
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