JP7516990B2 - 物理量推定装置、物理量推定方法、物理量推定プログラムおよび記録媒体 - Google Patents
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Description
例えば、コンピュータを使用したシミュレーションによって、混練物の物理量を評価する手法が提案されている。この手法によれば、混練機の試作や評価する前に、シミュレーションの結果に基づいて、混練条件を推定することができる。このため、シミュレーション手法は、混練機の試作や評価に費やされる多大な時間を節約することができ、かつ、製造コストも抑制できる点で有用である。
本実施の形態における基本思想は、混練機で混練される混練物に関係する物理量の時間発展を表す関係式であって、混練機の混練槽または混練物に関係するパラメータを含む関係式に基づいて、物理量を推定するシミュレーション技術において、例えば、第1時刻から第2時刻までの物理量に関する実験データに基づいて、関係式に含まれるパラメータを決定する思想である。その後、基本思想では、実験データに基づいて決定したパラメータの値を代入した関係式によって表される物理量の時間発展から、第2時刻よりも後の時刻における物理量を推定する。
まず、混練物の温度を推定するシミュレーション技術の具体的な内容を説明する前に、混練機の模式的な構成について簡単に説明する。
<<混練物の温度の時間発展を表す関係式>>
まず、本実施の形態では、混練機で混練される混練物の温度の時間発展を表す関係式であって、混練機の混練槽または混練物に関係するパラメータを含む関係式に基づいて、混練物の温度を推定するために、関係式として、以下に示す数式(1)を採用する。
Cp:混練物の比熱[J/kg/℃]
h:混練物と混練槽との間の熱伝達係数[W/m2/℃]
S:混練物と混練槽との接触面積[m2]
V:混練物の体積[m3]
T:混練物の温度[℃]
Tw:混練槽壁面の温度[℃]
t:時刻[s]
η:混練物の粘度[Pa・s]
dγ/dt:混練槽内のせん断速度[1/s]
次に、数式(1)に含まれる粘度(η)は、一般的に温度(T)とせん断速度(dγ/dt)に依存する。このことから、この粘度を温度およびせん断速度の関係式として表すことを考える。ここで、粘度は、一般的に、温度とせん断速度を変数として、以下の数式(2)で示される関係があることが知られている。
続いて、数式(2)に含まれる3つのフィッティング係数を算出した後、3つのフィッティング係数を決定した数式(2)で示される粘度を数式(1)に代入する。これにより、以下に示す数式(3)が得られる。
β(T)=a×e-bT
α2=(dγ/dt)n+1/2/ρ/Cp
以下では、未知のパラメータを決定するために、実験データを使用する。
以上のようして算出された「パラメータα1」と「パラメータα2」とともに、「混練槽壁面の温度(Tw)」を数式(3)に代入する。これにより、数式(3)によって、混練物の温度の時間発展が完全に規定される。したがって、数式(3)に基づいて、混練物の温度の時間依存性が決定する。これにより、時刻を指定すれば、指定した時刻における混練物の温度を推定することができる。例えば、混練終了時刻が1500[s]である場合、時刻を1500[s]に設定することにより、混練終了時刻での混練物の温度を推定することができる。このようにして、本実施の形態におけるシミュレーション技術によれば、実験データを取得していない第2時刻よりも後の時刻である混練終了時刻においても、混練物の温度を推定することができる。
続いて、本実施の形態におけるシミュレーション結果の検証について説明する。
本実施の形態におけるシミュレーションでは、時刻t0(=0[s])における温度T0を使用して未知のパラメータを算出している。この点に関し、図3に示すように、時刻t0付近において、実験データでは、混練開始時刻の直後に混練物の温度が低下しているのに対し、本実施の形態におけるシミュレーションでは、この現象が反映されていない。
例えば、本実施の形態では、数式(3)に含まれる「パラメータα1」や「パラメータα2」を「<<未知のパラメータの決定>>」で説明した手法で算出する例について説明している。ただし、混練物の温度の時間発展を表す数式(3)を他の手法で近似することも可能である。具体的に、数式(3)は、数式(2)で表される粘度を数式(1)に代入し、時間を離散化することにより得られる以下の数式(7)で近似できる。
B=1/2/ρ/Cp×a×(dγ/dt)n+1
次に、本実施の形態における特徴点について説明する。
上述したように、本実施の形態におけるシミュレーションでは、推定する物理量として、混練物の温度を挙げている。ただし、本実施の形態における技術的思想は、混練物の温度だけでなく、混練物に関するその他の物理量を推定することもできる。
<<ハードウェア構成>>
以下では、まず、上述したシミュレーションを実行する本実施の形態おける物理量推定装置のハードウェア構成について説明する。
次に、物理量推定装置100の機能ブロック構成について説明する。
物理量推定装置100は、上記のように構成されており、以下に、この物理量推定装置100を使用した物理量推定方法について、図面を参照しながら説明する。
上述した物理量推定装置100で実施される物理量推定方法は、物理量推定処理をコンピュータに実行させる物理量推定プログラムにより実現することができる。
10 混練槽
10a 空洞部
11a ロータ
11b ロータ
12 混練物
13 上蓋
100 物理量推定装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 ディスプレイ
105 キーボード
106 マウス
107 通信ボード
108 リムーバルディスク装置
109 CD/DVD-ROM装置
110 プリンタ
111 スキャナ
112 ハードディスク装置
201 OS
202 プログラム群
203 ファイル群
301 入力部
302 パラメータ決定部
303 フィッティング部
304 温度算出部
305 パラメータ算出部
306 物理量推定部
307 出力部
308 データ記憶部
Claims (11)
- 混練機で混練される混練物に関係する物理量の時間発展を表す関係式であって、前記混練機の混練槽または前記混練物に関係するパラメータを含む前記関係式に基づいて、前記物理量を推定するように構成された物理量推定装置において、
第1時刻から第2時刻までの前記物理量に関する実験データに基づいて前記パラメータの値を決定するように構成されたパラメータ決定部と、
前記パラメータ決定部で決定された前記パラメータの値を代入した前記関係式によって表される前記物理量の時間発展から、前記第2時刻よりも後の時刻における前記物理量を推定するように構成された物理量推定部と、
を備え、
前記関係式は、以下に示す数式(1)で表され、
前記数式(1)中の粘度は、複数の温度において実測されたせん断速度と粘度との関係を以下の数式(2)でフィッティングすることにより得られる関係を有し、
前記パラメータ決定部は、時間と前記混練物の温度との関係を示す実験データに基づいて、前記数式(2)で表される前記粘度を前記数式(1)に代入して得られる以下の数式(3)に含まれるパラメータα1とパラメータα2とをフィッティングにより決定するように構成されたフィッティング部を有する、物理量推定装置。
ここで、
ρ:混練物の密度
Cp:混練物の比熱
h:混練物と混練槽との間の熱伝達係数
S:混練物と混練槽との接触面積
V:混練物の体積
T:混練物の温度
Tw:混練槽壁面の温度
t:時刻
η:混練物の粘度
dγ/dt:混練槽内のせん断速度
ここで、
a:フィッティング係数
b:フィッティング係数
n:フィッティング係数
ここで、
α1=hS/ρ/Cp/V
β(T)=a×e-bT
α2=(dγ/dt)n+1/2/ρ/Cp - 請求項2に記載の物理量推定装置において、
前記物理量推定部は、前記パラメータ算出部で算出された前記パラメータα1の値と前記パラメータα2の値を代入した前記数式(3)によって表される温度の時間発展に基づいて、前記第2時刻よりも後の時刻である混練終了時刻における温度を推定するように構成される、物理量推定装置。 - 請求項3に記載の物理量推定装置において、
前記物理量推定装置は、前記実験データから把握される前記第1時刻から前記第2時刻までの温度-時間曲線と、前記物理量推定部での計算結果から把握される温度-時間曲線のうちの前記第1時刻から前記第2時刻までの温度-時間曲線とによって囲まれる面積の値が所定値以下になるまで、前記時刻t0、前記時刻t1、前記時刻t2のそれぞれの値を変更して、前記温度算出部による処理と前記物理量推定部による処理とを繰り返すように構成されている、物理量推定装置。 - 混練機で混練される混練物に関係する物理量の時間発展を表す関係式であって、前記混練機の混練槽または前記混練物に関係するパラメータを含む前記関係式に基づいて、前記物理量を推定するように構成された物理量推定装置において、
第1時刻から第2時刻までの前記物理量に関する実験データに基づいて前記パラメータの値を決定するように構成されたパラメータ決定部と、
前記パラメータ決定部で決定された前記パラメータの値を代入した前記関係式によって表される前記物理量の時間発展から、前記第2時刻よりも後の時刻における前記物理量を推定するように構成された物理量推定部と、
を備え、
前記関係式は、以下に示す数式(1)で表され、
前記数式(1)中の粘度は、複数の温度において実測されたせん断速度と粘度との関係を以下の数式(2)でフィッティングすることにより得られる関係を有し、
前記パラメータ決定部は、時間と前記混練物の温度との関係を示す実験データに基づいて、前記数式(2)で表される前記粘度を前記数式(1)に代入し、時間を離散化することにより得られる以下の数式(7)に含まれるパラメータAとパラメータBとをフィッティングにより決定するように構成されたフィッティング部を有する、物理量推定装置。
ここで、
ρ:混練物の密度
Cp:混練物の比熱
h:混練物と混練槽との間の熱伝達係数
S:混練物と混練槽との接触面積
V:混練物の体積
T:混練物の温度
Tw:混練槽壁面の温度
t:時刻
η:混練物の粘度
dγ/dt:混練槽内のせん断速度
ここで、
a:フィッティング係数
b:フィッティング係数
n:フィッティング係数
ここで、
A=hS/ρ/Cp/V
B=1/2/ρ/Cp×a×(dγ/dt)n+1 - 請求項5に記載の物理量推定装置において、
前記フィッティング部は、前記パラメータAおよび前記パラメータBを最小二乗法または回帰分析法で決定するように構成されている、物理量推定装置。 - 混練機で混練される混練物に関係する物理量の時間発展を表す関係式であって、前記混練機の混練槽または前記混練物に関係するパラメータを含む前記関係式に基づいて、前記物理量を推定する、物理量推定方法において、
第1時刻から第2時刻までの前記物理量に関する実験データに基づいて前記パラメータの値を決定するパラメータ決定工程と、
前記パラメータ決定工程で決定された前記パラメータの値を代入した前記関係式によって表される前記物理量の時間発展から、前記第2時刻よりも後の時刻における前記物理量を推定する物理量推定工程と、
を備え、
前記関係式は、以下に示す数式(1)で表され、
前記数式(1)中の粘度は、複数の温度において実測されたせん断速度と粘度との関係を以下の数式(2)でフィッティングすることにより得られる関係を有し、
前記パラメータ決定工程は、時間と前記混練物の温度との関係を示す実験データに基づいて、前記数式(2)で表される前記粘度を前記数式(1)に代入して得られる以下の数式(3)に含まれるパラメータα1とパラメータα2とをフィッティングにより決定するように構成されたフィッティング工程を有する、物理量推定方法。
ここで、
ρ:混練物の密度
Cp:混練物の比熱
h:混練物と混練槽との間の熱伝達係数
S:混練物と混練槽との接触面積
V:混練物の体積
T:混練物の温度
Tw:混練槽壁面の温度
t:時刻
η:混練物の粘度
dγ/dt:混練槽内のせん断速度
ここで、
a:フィッティング係数
b:フィッティング係数
n:フィッティング係数
ここで、
α1=hS/ρ/Cp/V
β(T)=a×e-bT
α2=(dγ/dt)n+1/2/ρ/Cp - 混練機で混練される混練物に関係する物理量の時間発展を表す関係式であって、前記混練機の混練槽または前記混練物に関係するパラメータを含む前記関係式に基づいて、前記物理量を推定する、物理量推定方法において、
第1時刻から第2時刻までの前記物理量に関する実験データに基づいて前記パラメータの値を決定するパラメータ決定工程と、
前記パラメータ決定工程で決定された前記パラメータの値を代入した前記関係式によって表される前記物理量の時間発展から、前記第2時刻よりも後の時刻における前記物理量を推定する物理量推定工程と、
を備え、
前記関係式は、以下に示す数式(1)で表され、
前記数式(1)中の粘度は、複数の温度において実測されたせん断速度と粘度との関係を以下の数式(2)でフィッティングすることにより得られる関係を有し、
前記パラメータ決定工程は、時間と前記混練物の温度との関係を示す実験データに基づいて、前記数式(2)で表される前記粘度を前記数式(1)に代入し、時間を離散化することにより得られる以下の数式(7)に含まれるパラメータAとパラメータBとをフィッティングにより決定するように構成されたフィッティング工程を有する、物理量推定方法。
ここで、
ρ:混練物の密度
Cp:混練物の比熱
h:混練物と混練槽との間の熱伝達係数
S:混練物と混練槽との接触面積
V:混練物の体積
T:混練物の温度
Tw:混練槽壁面の温度
t:時刻
η:混練物の粘度
dγ/dt:混練槽内のせん断速度
ここで、
a:フィッティング係数
b:フィッティング係数
n:フィッティング係数
ここで、
A=hS/ρ/Cp/V
B=1/2/ρ/Cp×a×(dγ/dt)n+1 - 混練機で混練される混練物に関係する物理量の時間発展を表す関係式であって、前記混練機の混練槽または前記混練物に関係するパラメータを含む前記関係式に基づいて、前記物理量を推定する処理をコンピュータに実行させるための物理量推定プログラムにおいて、
第1時刻から第2時刻までの前記物理量に関する実験データに基づいて前記パラメータの値を決定するパラメータ決定処理と、
前記パラメータ決定処理で決定された前記パラメータの値を代入した前記関係式によって表される前記物理量の時間発展から、前記第2時刻よりも後の時刻における前記物理量を推定する物理量推定処理と、
を備え、
前記関係式は、以下に示す数式(1)で表され、
前記数式(1)中の粘度は、複数の温度において実測されたせん断速度と粘度との関係を以下の数式(2)でフィッティングすることにより得られる関係を有し、
前記パラメータ決定処理は、時間と前記混練物の温度との関係を示す実験データに基づいて、前記数式(2)で表される前記粘度を前記数式(1)に代入して得られる以下の数式(3)に含まれるパラメータα1とパラメータα2とをフィッティングすることにより決定する、物理量推定プログラム。
ここで、
ρ:混練物の密度
Cp:混練物の比熱
h:混練物と混練槽との間の熱伝達係数
S:混練物と混練槽との接触面積
V:混練物の体積
T:混練物の温度
Tw:混練槽壁面の温度
t:時刻
η:混練物の粘度
dγ/dt:混練槽内のせん断速度
ここで、
a:フィッティング係数
b:フィッティング係数
n:フィッティング係数
ここで、
α1=hS/ρ/Cp/V
β(T)=a×e-bT
α2=(dγ/dt)n+1/2/ρ/Cp - 混練機で混練される混練物に関係する物理量の時間発展を表す関係式であって、前記混練機の混練槽または前記混練物に関係するパラメータを含む前記関係式に基づいて、前記物理量を推定する処理をコンピュータに実行させるための物理量推定プログラムにおいて、
第1時刻から第2時刻までの前記物理量に関する実験データに基づいて前記パラメータの値を決定するパラメータ決定処理と、
前記パラメータ決定処理で決定された前記パラメータの値を代入した前記関係式によって表される前記物理量の時間発展から、前記第2時刻よりも後の時刻における前記物理量を推定する物理量推定処理と、
を備え、
前記関係式は、以下に示す数式(1)で表され、
前記数式(1)中の粘度は、複数の温度において実測されたせん断速度と粘度との関係を以下の数式(2)でフィッティングすることにより得られる関係を有し、
前記パラメータ決定処理は、時間と前記混練物の温度との関係を示す実験データに基づいて、前記数式(2)で表される前記粘度を前記数式(1)に代入し、時間を離散化することにより得られる以下の数式(7)に含まれるパラメータAとパラメータBとをフィッティングすることにより決定する、物理量推定プログラム。
ここで、
ρ:混練物の密度
Cp:混練物の比熱
h:混練物と混練槽との間の熱伝達係数
S:混練物と混練槽との接触面積
V:混練物の体積
T:混練物の温度
Tw:混練槽壁面の温度
t:時刻
η:混練物の粘度
dγ/dt:混練槽内のせん断速度
ここで、
a:フィッティング係数
b:フィッティング係数
n:フィッティング係数
ここで、
A=hS/ρ/Cp/V
B=1/2/ρ/Cp×a×(dγ/dt)n+1 - 請求項9または10に記載の物理量推定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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