JP7518982B2 - γ-アミノ酪酸を含有する容器詰コーヒー飲料 - Google Patents
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Description
[1]焙煎コーヒー豆抽出物を含む容器詰コーヒー飲料であって、
飲料100g中にコーヒー生豆換算で5.0g以上のコーヒー豆抽出物を含み、
11~70mg/100gのγ-アミノ酪酸を含有する、容器詰コーヒー飲料。
[2]γ-アミノ酪酸含有量が15~60mg/100gである、[1]に記載の容器詰コーヒー飲料。
[3]pH調整剤を含む、[1]又は[2]に記載の容器詰コーヒー飲料。
家庭や飲食店等で抽出後にすぐ飲用に供されるレギュラーコーヒーでは、コーヒーを口に含んだ時の印象や重量感、すなわち苦味、酸味等の呈味、さらにはその他の呈味成分との共存により構成される総体としてのボディ(「コク」や「厚み」)を、「フルボディ(full-bodied)」や「ライトボディ」といった用語で表現する。具体的には、一口飲んだ時
に「口の中にしっかりとした味わいが広がる」「グッと来る」「後味が濃い」「ストロングテイスト」「重い」と感じるコーヒーをフルボディと呼び、「さらっとしている」「後味がすっきり」「ライトテイスト」「軽い」と感じるコーヒーをライトボディと呼ぶ。
「第2条 この規約で「コーヒー飲料等」とは、コーヒー豆を原料とした飲料及びこれに糖類、乳製品、乳化された食用油脂その他の可食物を加え容器に密封した飲料であって、次のいずれかに該当するものをいう。ただし、粉末飲料、飲用乳の表示に関する公正競争規約の適用を受けるもの、豆乳類の表示に関する公正競争規約の適用を受けるもの及び酒税法(昭和28年法律第6号)に規定する酒類を除く。
(1)この規約で「コーヒー」とは、内容量100グラム中にコーヒー生豆換算で5グラム以上のコーヒー豆から抽出又は溶出したコーヒー分を含むものをいう。
(2)この規約で「コーヒー飲料」とは、内容量100グラム中にコーヒー生豆換算で2.5グラム以上5グラム未満のコーヒー豆から抽出又は溶出したコーヒー分を含むものをいう。
(3)この規約で「コーヒー入り清涼飲料」とは、内容量100グラム中にコーヒー生豆換算で1グラム以上2.5グラム未満のコーヒー豆から抽出又は溶出したコーヒー分を含むものをいう。」
また、「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約施行規則」の第1条には、コーヒー生豆換算の定義として、以下の通り記載されている:
「第1条 規約第2条第1項に規定するコーヒー生豆換算は、次に掲げる基準により算出する。
(1)焙煎豆を使用するときは1.3倍
(2)インスタントコーヒーを使用するときは3.0倍
(3)コーヒー抽出液を使用するときはその製造者による証明」。
本発明は、γ-アミノ酪酸(γ-aminobutyric acid, 以下「GABA」と略記する)を添加することにより容器詰コーヒー飲料のボディ感を増強する。
本発明のコーヒー飲料は、小売店や自動販売機で提供されるRTD(READY TO
DRINK)タイプの容器詰コーヒー飲料である。本発明のコーヒー飲料に使用される容器は、一般のRTD対応の飲料用の容器と同様に、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶などであり、本発明のコーヒー飲料はこれらに詰めた通常の形態で提供することができる。容器内のコーヒー飲料の容量は、特に限定されないが、例えば150mL~1000mLであり、好ましくは190mL~800mLである。
常温で長期保存可能な容器詰コーヒー飲料には、通常、殺菌時におけるpH低下を緩和する目的でpH調整剤が配合される。このpH調整剤に由来する塩味、ぬめり、キレ味の悪さがコーヒー飲料本来の香味を損ない、コーヒー飲料のボディ感を低下させる一因となり得る。本発明のコーヒー飲料は、飲料100g中にコーヒー生豆換算で5.0g以上のコーヒー豆抽出物を含むという高いコーヒー豆使用量と、一定範囲の量のγ-アミノ酪酸の添加とにより、十分なボディ感が付与される。したがって、本来ボディ感が不足しがちなpH調整剤が配合されたコーヒー飲料は、本発明によりボディ感の不足を補うことができ、本発明の効果を顕著に享受できる観点から、好ましい態様である。pH調整剤としては、殺菌時におけるpH低下を緩和しうる成分で、水に溶解した時にアルカリ性を示す物質、具体的には、炭酸水素ナトリウム(重曹)、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウムなどが用いられる。本発明のコーヒー飲料はのpHは、5.0~7.0であることが好ましく、5.3~6.8であることがより好ましく、5.3~6.5であることがさらに好ましい。
容器詰コーヒー飲料は、製造時に過酷な加熱殺菌が行われるため、加水分解を主とする化学変化が起こり、コーヒー飲料の香味が変化してボディ感が低減することが知られている。本発明のコーヒー飲料は、このような加熱処理をしたコーヒー飲料のボディ感の不足を補強し得ることから、加熱処理、すなわち加熱殺菌済のコーヒー飲料は本発明の飲料の好適な態様である。加熱処理の条件は、例えば、食品衛生法に定められた条件と同等の効果が得られる方法を選択することができ、具体的には、60~150℃、好ましくは90
~150℃、より好ましくは110~150℃で、1秒間~60分間、好ましくは1秒間~30分間とすることができる。より詳細には、容器として耐熱性容器(金属缶、ガラス等)を使用する場合には、レトルト殺菌(110~140℃、1~数十分間)を行えばよい。また、容器として非耐熱性容器(PETボトル、紙容器等)を用いる場合は、例えば、調合液を予めプレート式熱交換器等で高温短時間殺菌後(UHT殺菌:110~150℃、1~数十秒間)し、一定の温度まで冷却した後、その非耐熱性容器に充填することができる。本発明の所期の効果を顕著に発現することから、加熱処理が、100℃を超える過酷な加熱条件の加熱殺菌済のコーヒー飲料は本発明の飲料の特に好適な態様である。
その他、本発明の飲料には、本発明の所期の目的を逸脱しない範囲であれば、上記成分に加え、飲料に一般的に配合される成分、例えば、甘味成分、酸化防止剤(エリソルビン酸ナトリウムなど)、香料、ビタミン、乳化剤、増粘安定剤等を適宜添加することができる。
糖、パラチノースなど)、オリゴ糖類(フラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、カップリングシュガーなど)、糖アルコール類(エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール、マルトトリイトール、イソマルトトリイトール、パニトール、オリゴ糖アルコール、粉末還元麦芽糖水飴)などのような糖質甘味料の他、天然非糖質甘味料(ステビア抽出物、カンゾウ抽出物等)や合成非糖質甘味料(アスパルテーム、アセスルファムK等)のような高甘味度甘味料などの甘味料が挙げられる。中でも、アセスルファムカリウム及びステビア抽出物から選択される1種以上の甘味料を使用したコーヒー飲料は、本発明の効果の顕著さから、好適な態様である。
本発明のコーヒー飲料は、原料としてGABAを配合する以外は、通常のコーヒー飲料と同じようにして製造することができる。すなわち、焙煎コーヒー豆抽出物とGABAとを混合して調合液を調製する工程、pH調整剤を配合して調合液のpHを5.0~7.0に調整する工程、調合液を容器に充填する工程、加熱殺菌する工程を含む工程により製造される。
50C等、フィルテック社製のNA45KS、NA60KS、NA90KS、NA150KS、NA300KS等)を用いることができる。
焙煎度L値18のアラビカ種コーヒー豆を中挽きに粉砕した後、コーヒー豆の重量の約14倍の重量の95℃の熱水でドリップ抽出を行った。抽出終了後は抽出液を速やかに25℃以下程度まで冷却し、遠心分離(クラリファイアー)により抽出後のコーヒー豆の固液分離を行って焙煎コーヒー豆抽出液を調製した(対照品1:Brix 1.3、pH5
.8)。また、このコーヒー豆抽出液をポリプロピレン不織布のフィルターカートリッジを用いて清澄濾過したコーヒー豆抽出液を調製した(対照品2:Brix 1.3、pH
5.8)。さらに、対照品2にpHが6.6になるように炭酸水素ナトリウムを添加したコーヒー飲料を調製し(対照品3:Brix 1.3、pH6.6)、このコーヒー飲料
185gを190mL用缶に充填し、レトルト殺菌(130℃、5分)を行い、容器詰コーヒー飲料を製造した(対照品4:Brix 1.3、pH6.2)。
GABAを配合すること以外は、実験例1と同様にして容器詰コーヒー飲料を製造した
。具体的には、焙煎度L値18のアラビカ種コーヒー豆を中挽きに粉砕した後、コーヒー豆の重量の約14倍の重量の95℃の熱水でドリップ抽出を行った。抽出終了後は抽出液を速やかに25℃以下程度まで冷却し、遠心分離(クラリファイアー)により抽出後のコーヒー豆の固液分離を行い、さらにポリプロピレン不織布のフィルターカートリッジを用いて清澄濾過し、焙煎コーヒー豆の抽出物(Brix 1.3、pH5.8)を得た。こ
の焙煎コーヒー豆の抽出物に、γ-アミノ酪酸(GABA)の含有量が5~80mg/100gの濃度となるようにGABA(純度99%以上)を添加し、pHが6.6になるように炭酸水素ナトリウム(pH調整剤)を添加してよく攪拌し、飲料100g中にコーヒー生豆換算で6.3gのコーヒー豆抽出物を含むブラックコーヒー飲料を得た。この飲料185gを190mL用缶に充填し、レトルト殺菌(130℃、5分)を行い、容器詰コーヒー飲料を製造した。
ィ感が付与された飲料を「A(=a difference)」として、それぞれパネルの人数をカウ
ントした。
なったと評価した。GABA0~80mg/100gの容器詰コーヒー飲料のうち、最もボディ感が強いと感じるサンプルをブラインドテストしたところ、GABA含有量:50mg/100gが1人、GABA含有量:80mg/100gが4人であった。一方で、50mg/100g以上の添加では、ボディ感の強さに大きな差がないこと、GABA含有量が80mg/100gでは、GABA由来の酸味を感じるパネルが存在したことから、GABAの上限は70mg/100g程度が好ましいことが示された。
焙煎度L値20のアラビカ種コーヒー豆を細挽きに粉砕した後、攪拌を行いながら、コーヒー豆の重量の約10倍の重量の90℃の熱水で、15分間抽出を行った。抽出終了後、市販の紙製の濾過フィルターで抽出液を濾過し、濾液を速やかに25℃以下程度まで冷却した。得られた焙煎コーヒー豆抽出液のBrixは2.3であり、抽出率は25%であった。このコーヒー豆抽出液と、適量の水と、表3に示す処方の甘味成分(ショ糖、アセスルファムカリウム)及びpH調整剤とを加えて完全に溶解させた後、乳化剤、牛乳、香料を加えて調合液とした(「調合液(未殺菌)」)。この調合液をホモゲナイズ処理(1次圧150kg/cm2、2次圧50kg/cm2)して均質化した(「調合液のホモゲナイズ処理液(未殺菌)」)。このホモゲナイズ処理液を、90℃に昇温後、190mL缶に充填し、レトルト殺菌(124℃、20分)を行い、飲料100g中にコーヒー生豆換算で5.1gのコーヒー豆抽出物を含む容器詰ミルク入りコーヒー飲料(加熱殺菌済み、pH6.3)を製造した。
ネルは、提示されたペアのうちどちらの飲料がボディ感をより強く感じるか、2点識別試験により評価した。結果を表4に示す。ボディ感は、調合液>ホモゲナイズ処理液>容器詰ミルク入りコーヒー飲料(加熱殺菌済)の順に低下した。これより、容器詰ミルク入りコーヒー飲料の製造における均質化処理工程、加熱殺菌工程の各工程によりボディ感が低減することが示唆された。
GABAを配合すること以外は、実験例3と同様にして容器詰ミルク入りコーヒー飲料を製造した。具体的には、焙煎度L値20のアラビカ種コーヒー豆を細挽きに粉砕した後、攪拌を行いながら、コーヒー豆の重量の約10倍の重量の90℃の熱水で、15分間抽出を行った。抽出終了後、市販の紙製の濾過フィルターで抽出液を濾過し、濾液を速やかに25℃以下程度まで冷却した。このコーヒー豆抽出液(Brixは2.3)に表5に示すGABAを含む各種成分を加えて調合液とした。この調合液をホモゲナイズ処理(1次圧150kg/cm2、2次圧50kg/cm2)して均質化し、90℃に昇温後、190mL缶に充填し、レトルト殺菌(124℃、20分)を行い、飲料100g中にコーヒー生豆換算で5.1gのコーヒー豆抽出物を含む容器詰ミルク入りコーヒー飲料(pH6.3)を製造した。
」、上記のGABA無添加品よりもボディ感が大きく付与され評点3のフルボディに近づいた飲料を「B(=big difference)」、GABA無添加品よりも若干のボディ感が付与
された飲料を「A(=a difference)」として、それぞれパネルの人数をカウントした。
かにボディ感が強くなった、複雑味が付与されたと評価した。GABA0~80mg/100gの容器詰ミルク入りコーヒー飲料のうち、最もボディ感が強いと感じるサンプルをブラインドテストしたところ、GABA含有量:70mg/100gが1人、GABA含有量:80mg/100gが4人であった。一方で、70mg/100gと80mg/100gとでは、パネル全員がボディ感の強さに大差がないとも評価したことから、経済的観点も加味してGABAの上限は70mg/100g程度が好ましいことがわかった。
コーヒー飲料の処方を表7に変える以外は、実験例4と同様にして容器詰ミルク入りコーヒー飲料を製造した。飲料100g中のコーヒー豆抽出物の量はコーヒー生豆換算で5.5gであった。得られた飲料について、実験例3の調合液(未殺菌)と実験例3の容器詰ミルク入りコーヒー飲料(加熱殺菌済み)を基準として、実験例4と同様にボディ感を評価した。結果を表8に示す。甘味成分等の処方が変わった場合にも、GABA含有量が11mg/100g以上となるようにGABAを添加することにより、ボディ感が付与されることが確認できた。
Claims (3)
- 焙煎コーヒー豆抽出物、pH調整剤、及び乳分を含む容器詰ミルク入りコーヒー飲料であって、
飲料100g中にコーヒー生豆換算で5.0g以上のコーヒー豆抽出物を含み、
25~70mg/100gのγ-アミノ酪酸を含有する、容器詰ミルク入りコーヒー飲料。 - γ-アミノ酪酸含有量が25~60mg/100gである、請求項1に記載の容器詰ミルク入りコーヒー飲料。
- pHが5.0~7.0である、請求項1又は2に記載の容器詰ミルク入りコーヒー飲料。
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| 美味技術研究会誌,2010年,vol.15,pp.32-37 |
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