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JP7520229B2 - 除振装置 - Google Patents
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JP7520229B2 - 除振装置 - Google Patents

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Description

本開示は、除振装置に関する。
振動を受けて性能が低下する可能性がある機器に対して、振動を発生させる振動源から機器に伝達される振動を低減するために、除振装置が設けられることがある。除振装置の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示される除振装置は、振動源と除振対象である対象物との相対変位に応じた反力を発生させる弾性要素と、振動源と対象物との相対速度に応じた反力を発生させる減衰要素と、を備える。特許文献1に開示される除振装置は、弾性要素および減衰要素によって反力を発生させることで、振動源から対象物に伝達される振動を低減する。
除振装置の他の一例として、振動源と対象物との相対加速度に応じた反力を発生させるイナータ要素を備え、イナータ要素によって反力を発生させることで、振動源から対象物に伝達される振動を低減する除振装置がある。イナータ要素を備える除振装置の一例が特許文献2に開示されている。
米国特許第5332070号 特表2019-522151号公報
除振装置の性能は、振動周波数と振動伝達率の関係を示す振動伝達特性で表される。特許文献1に開示される除振装置の振動伝達特性において、振動伝達率が0dB未満となる除振領域では、振動伝達率は、-40dB/decの一定の割合で減少する。除振装置の除振性能を向上させるためには、除振領域が広いことが好ましい。振動伝達率が0dBとなる場合の周波数は共振周波数に比例するため、除振領域を広くするためには、固有振動数を下げることで共振周波数を下げ、振動伝達率が0dBとなる場合の周波数を下げる必要がある。除振装置の質量が一定である場合、固有振動数を下げるためには、剛性を下げる必要がある。換言すれば、特許文献1に開示される除振装置において、除振性能と剛性とがトレードオフとの関係にある。
特許文献2に開示される除振装置の振動伝達特性において、周波数が共振周波数より高い領域での振動伝達率は、イナータ要素の質量に応じた割合で減少する。詳細には、イナータ要素の質量が大きくなるにつれて、振動伝達率は大きく減少する。このため、特許文献2に開示される除振装置は、剛性を下げることなく、除振性能を向上させることができる。しかしながら、振動伝達率の減少率を大きくするためには、イナータ要素の質量を増大させる必要がある。このため、除振性能を向上させるために、除振装置が大型化してしまう。
本開示は上述の事情に鑑みてなされたものであり、除振装置の大型化および除振装置の剛性の低下を抑制しながら、除振装置の除振性能を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示の除振装置は、振動源から対象物に伝達される振動を低減する除振装置であって、1つまたは複数の慣性体と、複数の第1接続部材と、を備える。1つまたは複数の慣性体は、回転軸の周りに変位可能である。複数の第1接続部材はそれぞれ、対象物または振動源と慣性体のいずれかとに取り付けられ、振動源の振動に起因する対象物と振動源の相対変位に応じて、取り付けられた慣性体を回転軸の周りに変位させる。第1接続部材の少なくともいずれかにおいて、第1接続部材の慣性体に取り付けられた部分と回転軸との距離は、第1接続部材の対象物または振動源に取り付けられた部分と回転軸との距離より短い。
本開示の除振装置は、対象物または振動源と慣性体とに取り付けられ、振動源の振動に起因する対象物と振動源の相対変位に応じて、慣性体を回転軸の周りに変位させる複数の第1接続部材を備える。複数の第1接続部材の少なくともいずれかにおいて、第1接続部材の慣性体に取り付けられた部分と慣性体の回転軸との距離は、第1接続部材の対象物または振動源に取り付けられた部分と回転軸との距離より短いため、振動源から見た慣性体の見かけの慣性力が増大し、振動源から対象物へ伝達される振動が低減される。本開示の除振装置は、除振性能を高めるために、剛性を下げること、および質量を増大させることを必要としないため、小型で高剛性で除振性能の高い除振装置が得られる。
実施の形態1に係る除振装置の斜視図 実施の形態1に係る第1接続部材が取り付けられた慣性体の平面図 実施の形態1に係る第1接続部材が取り付けられた慣性体の底面図 実施の形態1に係る除振装置の振動伝達特性を示す図 実施の形態2に係る除振装置の斜視図 実施の形態2に係る第2接続部材が取り付けられた慣性体の底面図 実施の形態2に係る第2接続部材が取り付けられた慣性体の平面図 実施の形態2に係る第2接続部材が取り付けられた慣性体の平面図 実施の形態2に係る第2接続部材が取り付けられた慣性体の底面図 実施の形態3に係る除振装置の斜視図 実施の形態3に係る第2接続部材が取り付けられた慣性体の底面図 実施の形態3に係る第2接続部材が取り付けられた慣性体の平面図 実施の形態3に係る第2接続部材が取り付けられた慣性体の平面図 実施の形態3に係る第2接続部材が取り付けられた慣性体の底面図 実施の形態4に係る除振装置の斜視図 実施の形態に係る除振装置の第1変形例の斜視図 実施の形態に係る除振装置の第2変形例の斜視図 実施の形態に係る除振装置の第3変形例の正面図
以下、本開示の実施の形態に係る除振装置について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
(実施の形態1)
振動を発生させる振動源12と除振対象の対象物11との間に設けられて、振動源12から対象物11に伝達される振動を低減する除振装置1について実施の形態1で説明する。図1に示す除振装置1は、振動源12の対象物11に向く面12aに取り付けられ、対象物11を支持する。
図1において、Z軸は、振動源12と対象物11とが対向する方向を示す。具体的には、Z軸は、振動源12の面12aおよび対象物11の振動源12に向く面11aのそれぞれに直交する。実施の形態1では、Z軸は、鉛直方向を示す。実施の形態1では、X軸は、直方体の形状を有する対象物11の短手方向を示す。Y軸は、対象物11の長手方向を示す。X軸、Y軸、およびZ軸は互いに直交する。
除振装置1は、一点鎖線で示す回転軸AX1の周りに変位可能な慣性体13と、対象物11または振動源12と慣性体13とに取り付けられ、対象物11と振動源12の相対変位に応じて慣性体13を回転軸AX1の周りに変位させる第1接続部材21,31と、を備える。除振装置1は、第1接続部材21,31によって、対象物11と振動源12とのZ軸方向における並進変位を慣性体13の回転軸AX1周りの周方向における回転変位に変換することで、振動源12から対象物11に伝達される振動を低減する。除振装置1の各部の詳細について以下に説明する。
慣性体13は、例えば、中心軸が対象物11と振動源12との対向方向に一致、換言すれば、中心軸がZ軸に平行な円柱状の形状を有する。慣性体13は、中心軸に一致する回転軸AX1の周りに変位可能である。実施の形態1では、慣性体13は、高密度の部材、例えば、鉄、ステンレス、タングステン、タングステン合金等の金属で形成されることが好ましい。高密度の部材で慣性体13を形成することで、同じ体積で慣性モーメントを増大させることが可能となる。
第1接続部材21は、対象物11の振動源12に向く面11aと慣性体13の対象物11に向く面14に取り付けられ、対象物11を支持する。第1接続部材21の慣性体13に取り付けられた部分と回転軸AX1との距離は、第1接続部材21の対象物11に取り付けられた部分と回転軸AX1との距離より短い。
実施の形態1では、第1接続部材21は、面11a,14に取り付けられる複数の第1棒状部材22、具体的には、3つの第1棒状部材22で形成される。各第1棒状部材22は、対象物11と振動源12の相対変位に起因して各第1棒状部材22に働く力に応じた反力を、対象物11と慣性体13とに加える。実施の形態1では、各第1棒状部材22は、対象物11から慣性体13に直線的に延伸する棒状部材で形成される。対象物11と振動源12の相対変位に起因して、各第1棒状部材22の延伸方向の力が各第1棒状部材22に働く。これに対し、各第1棒状部材22は、延伸方向の反力を対象物11と慣性体13とに加える。
各第1棒状部材22が慣性体13に加える反力によって慣性体13を回転軸AX1の周りに変位させるため、図1および図2に示すように、各第1棒状部材22の慣性体13に取り付けられた端部23は、各第1棒状部材22の対象物11に取り付けられた端部24の鉛直方向下方からずれて位置する。図2は、第1接続部材21および慣性体13をZ軸負方向に見た図である。詳細には、端部23は、端部24から、回転軸AX1周りの周方向の一方である第1方向D1および回転軸AX1に向かう方向である向心方向のそれぞれにずれて位置する。第1方向D1は、慣性体13をZ軸負方向に見た場合の反時計回りの方向である。
複数の第1棒状部材22の端部23は、回転軸AX1周りの周方向において等間隔に位置することが好ましい。実施の形態1では、複数の第1棒状部材22の端部23は、回転軸AX1に直交する面、具体的には、慣性体13の面14において、回転軸AX1を中心とする半径L1の円周C1上に等間隔に位置する。複数の第1棒状部材22の端部24は、回転軸AX1周りの周方向において等間隔に位置することが好ましい。実施の形態1では、複数の第1棒状部材22の端部24は、回転軸AX1に直交する面、具体的には、対象物11の面11aにおいて、回転軸AX1を中心とする半径L2の円周C2上に等間隔に位置する。半径L1を半径L2より小さくすることで、端部23と回転軸AX1との距離は、端部24と回転軸AX1との距離より短くなる。
上述のように、反力を対象物11と慣性体13とに加えるために、各第1棒状部材22は、軸剛性の高い部材、例えば、鉄、ステンレス等で形成されることが好ましい。慣性体13に加える反力によって慣性体13を回転軸AX1の周りに変位させるためには、各第1棒状部材22のせん断剛性および曲げ剛性は小さいことが好ましい。そこで、各第1棒状部材22は、軸剛性の高い部材で形成される複数の素線を束ねて形成される素線束で形成されることが好ましい。
例えば、各第1棒状部材22は、対象物11の面11aに形成された穴および慣性体13の面14に形成された穴に挿入され、溶接、接着剤による接着、締結部材による締結等の方法で対象物11および慣性体13に取り付けられる。
図1に示すように、第1接続部材31は、振動源12の対象物11に向く面12aと慣性体13の振動源12に向く面15に取り付けられ、慣性体13を支持する。第1接続部材31の慣性体13に取り付けられた部分と回転軸AX1との距離は、第1接続部材31の振動源12に取り付けられた部分と回転軸AX1との距離より短い。
実施の形態1では、第1接続部材31は、面12a,15に取り付けられる複数の第1棒状部材32、具体的には、3つの第1棒状部材32で形成される。各第1棒状部材32は、対象物11と振動源12の相対変位に起因して各第1棒状部材32に働く力に応じた反力を、振動源12と慣性体13とに加える。実施の形態1では、各第1棒状部材32は、振動源12から慣性体13に延伸する棒状部材で形成される。対象物11と振動源12の相対変位に起因して、各第1棒状部材32の延伸方向の力が各第1棒状部材32に働く。これに対し、各第1棒状部材32は、延伸方向の反力を振動源12と慣性体13とに加える。
各第1棒状部材32が慣性体13に加える反力によって慣性体13を回転軸AX1の周りに変位させるため、図3に示すように、各第1棒状部材32の慣性体13に取り付けられた端部33は、各第1棒状部材32の振動源12に取り付けられた端部34の鉛直方向上方からずれて位置する。図3は、第1接続部材31および慣性体13をZ軸正方向に見た図である。詳細には、端部33は、端部34から、第1方向D1および向心方向のそれぞれにずれて位置する。
複数の第1棒状部材32の端部33は、回転軸AX1周りの周方向において等間隔に位置することが好ましい。実施の形態1では、複数の第1棒状部材32の端部33は、回転軸AX1に直交する面、具体的には、慣性体13の面15において、回転軸AX1を中心とする半径L3の円周C3上に等間隔に並んで位置する。複数の第1棒状部材32の端部34は、回転軸AX1周りの周方向において等間隔に位置することが好ましい。実施の形態1では、複数の第1棒状部材32の端部34は、回転軸AX1に直交する面、具体的には、振動源12の面12aにおいて、回転軸AX1を中心とする半径L4の円周C4上に等間隔に並んで位置する。半径L3を半径L4より小さくすることで、端部33と回転軸AX1との距離は、端部34と回転軸AX1との距離より短くなる。
上述のように、反力を振動源12と慣性体13とに加えるために、各第1棒状部材32は、軸剛性の高い部材、例えば、鉄、ステンレス等で形成されることが好ましい。慣性体13に加える反力によって慣性体13を回転軸AX1の周りに変位させるためには、各第1棒状部材32のせん断剛性および曲げ剛性は小さいことが好ましい。そこで、各第1棒状部材32は、軸剛性の高い部材で形成される複数の素線を束ねて形成される素線束で形成されることが好ましい。
例えば、各第1棒状部材32は、振動源12の面12aに形成された穴および慣性体13の面15に形成された穴に挿入され、溶接、接着剤による接着、締結部材による締結等の方法で振動源12および慣性体13に取り付けられる。
上記構成を有する除振装置1の動作について、振動源12の振動によって、振動源12の振動が生じていない状態での振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔に比べて、振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が狭くなる場合を例にして以下に説明する。
振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が狭くなると、図1に示す第1接続部材21に対して、第1接続部材21を縮める力が働く。具体的には、第1接続部材21の各第1棒状部材22に対して、各第1棒状部材22を縮める方向の力が働く。これに対し、各第1棒状部材22は、反力を対象物11と慣性体13とに加える。詳細には、各第1棒状部材22から対象物11に向かう力が対象物11に働き、各第1棒状部材22から慣性体13に向かう力が慣性体13に働く。慣性体13に働く力は、図2に実線の矢印で示すように、慣性体13を第1方向D1に変位させる接線方向の力F1、および向心方向の力F2で表される。
振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が狭くなると、図1に示す第1接続部材31に対して、第1接続部材31を縮める力が働く。具体的には、第1接続部材31の各第1棒状部材32に対して、各第1棒状部材32を縮める方向の力が働く。これに対し、各第1棒状部材32は、反力を振動源12と慣性体13とに加える。詳細には、各第1棒状部材32から振動源12に向かう力が振動源12に働き、各第1棒状部材32から慣性体13に向かう力が慣性体13に働く。慣性体13に働く力は、図3に実線の矢印で示すように、慣性体13を第1方向D1に変位させる接線方向の力F3、および向心方向の力F4で表される。
上述のように、接線方向の力F1,F3が慣性体13に働くため、慣性体13は、第1方向D1に変位する。換言すれば、除振装置1が備える第1接続部材21,31は、対象物11と振動源12とのZ軸方向における並進変位を慣性体13の第1方向D1における回転変位に変換する機構として動作する。
一方、振動源12の振動によって、振動源12の振動が生じていない状態での振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔に比べて、振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が広くなると、図1に示す第1接続部材21に対して、第1接続部材21を伸ばす力が働く。具体的には、第1接続部材21の各第1棒状部材22に対して、各第1棒状部材22を伸ばす方向の力が働く。これに対し、各第1棒状部材22は、反力を対象物11と慣性体13とに加える。詳細には、対象物11を各第1棒状部材22に向かって引く力が対象物11に働き、慣性体13を各第1棒状部材22に向かって引く力が慣性体13に働く。慣性体13に働く力は、図2に点線の矢印で示すように、力F1と反対方向の力であって、慣性体13を第2方向D2に変位させる接線方向の力F1’、および回転軸AX1から離隔する方向である離心方向の力F2’で表される。第2方向D2は、回転軸AX1周りの周方向であって、第1方向D1と反対の方向である。詳細には、第2方向D2は、慣性体13をZ軸負方向に見た場合の時計回りの方向である。
振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が広くなると、図1に示す第1接続部材31に対して、第1接続部材31を伸ばす力が働く。具体的には、第1接続部材31の各第1棒状部材32に対して、各第1棒状部材32を伸ばす方向の力が働く。これに対し、各第1棒状部材32は、反力を振動源12と慣性体13とに加える。詳細には、振動源12を各第1棒状部材32に向かって引く力が振動源12に働き、慣性体13を各第1棒状部材32に向かって引く力が慣性体13に働く。慣性体13に働く力は、図3に点線の矢印で示すように、力F3と反対方向の力であって、慣性体13を第2方向D2に変位させる接線方向の力F3’、および離心方向の力F4’で表される。
上述のように、接線方向の力F1’,F3’が慣性体13に働くため、慣性体13は、第2方向D2に変位する。換言すれば、除振装置1が備える第1接続部材21,31は、対象物11と振動源12とのZ軸方向における並進変位を慣性体13の第2方向D2における回転変位に変換する機構として動作する。
並進変位の回転変位への変換、換言すれば、並進運動エネルギーから回転運動エネルギーへの変換の際に生じる損失によって、振動源12から見た慣性体13の見かけの慣性力が増大する。
さらに、図2に示すように、第1接続部材21が有する各第1棒状部材22において、半径L1の円周C1上に位置する端部23と回転軸AX1との距離は、半径L2の円周C2上に位置する端部24と回転軸AX1との距離より短い。このため、慣性体13におけるモーメントアームは、端部23が端部24の鉛直方向下方にある場合と比べて短くなり、慣性体13で生じる力のモーメントは小さくなる。
同様に、図3に示すように、第1接続部材31が有する各第1棒状部材32において、半径L3の円周C3上に位置する端部33と回転軸AX1との距離は、半径L4の円周C4上に位置する端部34と回転軸AX1との距離より短い。このため、慣性体13におけるモーメントアームは、端部33が端部34の鉛直方向上方にある場合と比べて短くなり、慣性体13で生じる力のモーメントは小さくなる。
換言すれば、端部23,33と回転軸AX1との距離が、端部24,34と回転軸AX1との距離より短いことで、振動源12から見た慣性体13の見かけの慣性力がさらに増大する。この結果、振動源12から対象物11に伝達される振動が低減される。
図4に除振装置1の振動伝達特性の例を示す。比較例として、特許文献1に開示されるように弾性要素および減衰要素を有する除振装置の振動伝達特性を実線で示し、特許文献2に開示されるようにイナータ要素を有する除振装置の振動伝達特性を破線で示す。実施の形態1に係る除振装置1の振動伝達特性を点線で示す。
図4の横軸は、振動源12の振動周波数(単位:Hz)を示し、縦軸は除振装置1の振動伝達率(単位:dB)を示す。振動伝達率が0より大きい範囲では、振動源12で生じた振動は増幅されて、対象物11に伝達される。振動伝達率が0より小さい範囲では、振動源12から対象物11に伝達される振動は低減される。例えば、振動源12が振動周波数fzで振動する場合、振動周波数fzでの振動伝達率を十分に小さい値にすることが好ましい。
弾性要素および減衰要素を有する比較例の除振装置では、振動周波数が共振周波数f1より高い範囲で、振動伝達率は、例えば-40dB/decの割合で低下する。このため、振動周波数fzでの振動伝達率を十分に小さい値にするためには、共振周波数f1をより小さい値にする必要がある。共振周波数f1を下げるためには、除振装置の固有振動数を下げる必要がある。除振装置の質量が一定である場合、固有振動数を下げるためには、除振装置の剛性を下げる必要がある。このため、弾性要素および減衰要素を有する比較例の除振装置では、除振性能と剛性とがトレードオフとの関係にある。
イナータ要素を有する比較例の除振装置では、振動周波数が共振周波数f2より高い範囲で、弾性要素および減衰要素を有する比較例の除振装置と比べて急激に振動伝達率が低下する。振動周波数が共振周波数f2より高い範囲での振動伝達率の低下率は、イナータ要素の質量に比例する。換言すれば、振動伝達率の減少率を大きくするためには、イナータ要素の質量を増大させる必要がある。このため、除振性能を向上させるために、除振装置が大型化してしまう。
除振装置1の振動伝達率は、振動周波数が共振周波数f3より高い範囲で、比較例の除振装置と比べて、より急激に低下する。このため、共振周波数f3が比較例の除振装置と比べて高い値となり、固有振動数を高い値とすることが可能となる。
以上説明した通り、実施の形態1に係る除振装置1が備える第1接続部材21,31は、対象物11と振動源12とのZ軸方向における並進変位を慣性体13の回転軸AX1周りの周方向における回転変位に変換する機構として動作する。端部23,33と回転軸AX1との距離が、端部24,34と回転軸AX1との距離より短いことで、振動源12から見た慣性体13の見かけの慣性力が増大するため、振動源12から対象物11に伝達される振動が低減される。
除振装置1は、図4に示す比較例の除振装置のように、除振性能を高めるために、剛性を下げること、および質量を増大させることを必要としない。このため、小型で高剛性で除振性能が高い除振装置1が得られる。
(実施の形態2)
除振装置1が備える慣性体13の数は任意である。複数の慣性体を備える除振装置について、実施の形態1に係る除振装置1と異なる点を中心に以下に説明する。図5に示す実施の形態2に係る除振装置2は、複数の慣性体13a,13b,13cと、対象物11と慣性体13aに取り付けられる第1接続部材21と、振動源12と慣性体13bに取り付けられる第1接続部材31と、を備える。
除振装置2はさらに、慣性体13a,13cに取り付けられ、対象物11と振動源12の相対変位に応じて慣性体13a,13cを回転軸AX1の周りに変位させる第2接続部材41と、慣性体13b,13cに取り付けられ、対象物11と振動源12の相対変位に応じて慣性体13b,13cを回転軸AX1の周りに変位させる第2接続部材51と、を備える。
慣性体13a,13b,13cの構成は、実施の形態1に係る除振装置1が備える慣性体13と同様である。実施の形態2では、慣性体13a,13b,13cは、Z軸方向に等間隔に並んで位置する。
第1接続部材21の構成は、実施の形態1に係る除振装置1が備える第1接続部材21と同様である。第1接続部材21は、対象物11の面11aと慣性体13aの対象物11に向く面14aに取り付けられ、対象物11を支持する。第1接続部材21の慣性体13aに取り付けられた部分と回転軸AX1との距離は、第1接続部材21の対象物11に取り付けられた部分と回転軸AX1との距離より短い。
第1接続部材31の構成は、実施の形態1に係る除振装置1が備える第1接続部材31と同様である。第1接続部材31は、振動源12の面12aと慣性体13bの振動源12に向く面15bに取り付けられ、慣性体13bを支持する。第1接続部材31の慣性体13bに取り付けられた部分と回転軸AX1との距離は、第1接続部材31の振動源12に取り付けられた部分と回転軸AX1との距離より短い。
第1接続部材21,31が取り付けられる慣性体13a,13bに取り付けられる第2接続部材41,51の部分と回転軸AX1との距離は、慣性体13a,13bに隣接する慣性体13cに取り付けられる第2接続部材41,51の部分と回転軸AX1との距離より短い。
第2接続部材41は、慣性体13aの慣性体13bに向く面15aと慣性体13cの慣性体13aに向く面14cに取り付けられ、慣性体13aを支持する。第2接続部材41の慣性体13aに取り付けられた部分と回転軸AX1との距離は、第2接続部材41の慣性体13cに取り付けられた部分と回転軸AX1との距離より短い。
実施の形態2では、第2接続部材41は、面15a,14cに取り付けられる複数の第2棒状部材42、具体的には、3つの第2棒状部材42で形成される。各第2棒状部材42は、対象物11と振動源12の相対変位に起因して各第2棒状部材42に働く力に応じた反力を、慣性体13a,13cに加える。実施の形態2では、各第2棒状部材42は、慣性体13aから慣性体13cに延伸する棒状部材で形成される。対象物11と振動源12の相対変位に起因して、各第2棒状部材42の延伸方向の力が各第2棒状部材42に働く。これに対し、各第2棒状部材42は、延伸方向の反力を慣性体13a,13cに加える。
各第2棒状部材42が慣性体13a,13cに加える反力によって慣性体13a,13cを回転軸AX1の周りに変位させるため、図5、図6および図7に示すように、各第2棒状部材42の慣性体13cに取り付けられた端部43は、各第2棒状部材42の慣性体13aに取り付けられた端部44の鉛直方向下方からずれて位置する。図6は、第2接続部材41および慣性体13aをZ軸正方向に見た図である。図7は、第2接続部材41および慣性体13cをZ軸負方向に見た図である。詳細には、端部44は、端部43から、第1方向D1および向心方向のそれぞれにずれて位置する。
複数の第2棒状部材42の端部43は、回転軸AX1周りの周方向において等間隔に位置することが好ましい。実施の形態2では、複数の第2棒状部材42の端部43は、回転軸AX1に直交する面、具体的には、慣性体13cの面14cにおいて、回転軸AX1を中心とする半径L5の円周C5上に等間隔に位置する。複数の第2棒状部材42の端部44は、回転軸AX1周りの周方向において等間隔に位置することが好ましい。実施の形態2では、複数の第2棒状部材42の端部44は、回転軸AX1に直交する面、具体的には、慣性体13aの面15aにおいて、回転軸AX1を中心とする半径L6の円周C6上に等間隔に位置する。半径L6を半径L5より小さくすることで、端部44と回転軸AX1との距離は、端部43と回転軸AX1との距離より短くなる。
上述のように、反力を慣性体13a,13cに加えるために、各第2棒状部材42は、軸剛性の高い部材、例えば、鉄、ステンレス等で形成されることが好ましい。慣性体13a,13cに加える反力によって慣性体13a,13cを回転軸AX1の周りに変位させるためには、各第2棒状部材42のせん断剛性および曲げ剛性は小さいことが好ましい。そこで、各第2棒状部材42は、軸剛性の高い部材で形成される複数の素線を束ねて形成される素線束で形成されることが好ましい。
例えば、各第2棒状部材42は、慣性体13aの面15aに形成された穴および慣性体13cの面14cに形成された穴に挿入され、溶接、接着剤による接着、締結部材による締結等の方法で慣性体13a,13cに取り付けられる。
図5に示すように、第2接続部材51は、慣性体13bの慣性体13cに向く面14bと慣性体13cの慣性体13bに向く面15cに取り付けられ、慣性体13cを支持する。第2接続部材51の慣性体13bに取り付けられた部分と回転軸AX1との距離は、第2接続部材51の慣性体13cに取り付けられた部分と回転軸AX1との距離より短い。
実施の形態2では、第2接続部材51は、面14b,15cに取り付けられる複数の第2棒状部材、具体的には、3つの第2棒状部材52で形成される。各第2棒状部材52は、対象物11と振動源12の相対変位に起因して各第2棒状部材52に働く力に応じた反力を、慣性体13b,13cに加える。実施の形態2では、各第2棒状部材52は、慣性体13bから慣性体13cに延伸する棒状部材で形成される。対象物11と振動源12の相対変位に起因して、各第2棒状部材52の延伸方向の力が各第2棒状部材52に働く。これに対し、各第2棒状部材52は、延伸方向の反力を慣性体13b,13cに加える。
各第2棒状部材52が慣性体13b,13cに加える反力によって慣性体13b,13cを回転軸AX1の周りに変位させるため、図5、図8および図9に示すように、各第2棒状部材52の慣性体13cに取り付けられた端部53は、各第2棒状部材52の慣性体13bに取り付けられた端部54の鉛直方向上方からずれて位置する。図8は、第2接続部材51および慣性体13bをZ軸負方向に見た図である。図9は、第2接続部材51および慣性体13cをZ軸正方向に見た図である。詳細には、端部54は、端部53から、第1方向D1および向心方向のそれぞれにずれて位置する。
複数の第2棒状部材52の端部53は、回転軸AX1周りの周方向において等間隔に位置することが好ましい。実施の形態2では、複数の第2棒状部材52の端部53は、回転軸AX1に直交する面、具体的には、慣性体13cの面15cにおいて、回転軸AX1を中心とする半径L7の円周C7上に等間隔に位置する。複数の第2棒状部材52の端部54は、回転軸AX1周りの周方向において等間隔に位置することが好ましい。実施の形態2では、複数の第2棒状部材52の端部54は、回転軸AX1に直交する面、具体的には、慣性体13bの面14bにおいて、回転軸AX1を中心とする半径L8の円周C8上に等間隔に位置する。半径L8を半径L7より小さくすることで、端部54と回転軸AX1との距離は、端部53と回転軸AX1との距離より短くなる。
上述のように、反力を慣性体13b,13cに加えるために、各第2棒状部材52は、軸剛性の高い部材、例えば、鉄、ステンレス等で形成されることが好ましい。慣性体13b,13cに加える反力によって慣性体13b,13cを回転軸AX1の周りに変位させるためには、各第2棒状部材52のせん断剛性および曲げ剛性は小さいことが好ましい。そこで、各第2棒状部材52は、軸剛性の高い部材で形成される複数の素線を束ねて形成される素線束で形成されることが好ましい。
例えば、各第2棒状部材52は、慣性体13bの面14bに形成された穴および慣性体13cの面15cに形成された穴に挿入され、溶接、接着剤による接着、締結部材による締結等の方法で慣性体13b,13cに取り付けられる。
上記構成を有する除振装置2の動作について、振動源12の振動によって、振動源12の振動が生じていない状態での振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔に比べて、振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が狭くなる場合を例にして以下に説明する。
振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が狭くなると、実施の形態1と同様に、各第1棒状部材22から慣性体13aに向かう力が慣性体13aに働く。慣性体13aに働く力は、慣性体13aを第1方向D1に変位させる接線方向の力F1、および向心方向の力F2で表される。
振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が狭くなると、実施の形態1と同様に、各第1棒状部材32から慣性体13bに向かう力が慣性体13bに働く。慣性体13bに働く力は、慣性体13aを第1方向D1に変位させる接線方向の力F3、および向心方向の力F4で表される。
振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が狭くなると、図5に示す第2接続部材41に対して、第2接続部材41を縮める力が働く。具体的には、第2接続部材41の各第2棒状部材42に対して、各第2棒状部材42を縮める方向の力が働く。これに対し、各第2棒状部材42は、反力を慣性体13a,13cに加える。詳細には、各第2棒状部材42から慣性体13a,13cに向かう力が慣性体13a,13cに働く。慣性体13aに働く力は、図6に実線の矢印で示すように、慣性体13aを第1方向D1に変位させる接線方向の力F5、および向心方向の力F6で表される。慣性体13cに働く力は、図7に点線の矢印で示すように、慣性体13cを第2方向D2に変位させる接線方向の力F7、および離心方向の力F8で表される。
振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が狭くなると、図5に示す第2接続部材51に対して、第2接続部材51を縮める力が働く。具体的には、第2接続部材51の各第2棒状部材52に対して、各第2棒状部材52を縮める方向の力が働く。これに対し、各第2棒状部材52は、反力を慣性体13b,13cに加える。詳細には、各第2棒状部材52から慣性体13b,13cに向かう力が慣性体13b,13cに働く。慣性体13bに働く力は、図8に実線の矢印で示すように、慣性体13bを第1方向D1に変位させる接線方向の力F9、および向心方向の力F10で表される。慣性体13cに働く力は、図9に点線の矢印で示すように、慣性体13cを第2方向D2に変位させる接線方向の力F11、および離心方向の力F12で表される。
接線方向の力F1,F5が慣性体13aに働くため、慣性体13aは、第1方向D1に変位する。接線方向の力F3,F9が慣性体13bに働くため、慣性体13bは、第1方向D1に変位する。接線方向の力F7,F11が慣性体13cに働くため、慣性体13cは、第2方向D2に変位する。換言すれば、除振装置2が備える第1接続部材21,31および第2接続部材41,51は、対象物11と振動源12とのZ軸方向における並進変位を慣性体13の回転軸AX1周りの周方向における回転変位に変換する機構として動作する。
一方、振動源12の振動によって、振動源12の振動が生じていない状態での振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔に比べて、振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が広くなると、実施の形態1と同様に、慣性体13aを各第1棒状部材22に向かって引く力が慣性体13aに働く。慣性体13aに働く力は、慣性体13aを第2方向D2に変位させる接線方向の力F1’、および離心方向の力F2’で表される。
振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が広くなると、実施の形態1と同様に、各第1棒状部材32から慣性体13bに向かう力が慣性体13bに働く。慣性体13bに働く力は、慣性体13bを第2方向D2に変位させる接線方向の力F3’、および離心方向の力F4’で表される。
振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が広くなると、図5に示す第2接続部材41に対して、第2接続部材41を伸ばす力が働く。具体的には、第2接続部材41の各第2棒状部材42に対して、各第2棒状部材42を伸ばす方向の力が働く。これに対し、各第2棒状部材42は、反力を慣性体13a,13cに加える。詳細には、慣性体13a,13cを各第2棒状部材42に向かって引く力が慣性体13a,13cに働く。慣性体13aに働く力は、図6に点線の矢印で示すように、力F5と反対方向の力であって、慣性体13aを第2方向D2に変位させる接線方向の力F5’、および離心方向の力F6’で表される。慣性体13cに働く力は、図7に実線の矢印で示すように、力F7と反対方向の力であって、慣性体13cを第1方向D1に変位させる接線方向の力F7’、および向心方向の力F8’で表される。
振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が広くなると、図5に示す第2接続部材51に対して、第2接続部材51を伸ばす力が働く。具体的には、第2接続部材51の各第2棒状部材52に対して、各第2棒状部材52を伸ばす方向の力が働く。これに対し、各第2棒状部材52は、反力を慣性体13b,13cに加える。詳細には、慣性体13b,13cを各第2棒状部材52に向けて引く力が慣性体13b,13cに働く。慣性体13bに働く力は、図8に点線の矢印で示すように、力F9と反対方向の力であって、慣性体13bを第2方向D2に変位させる接線方向の力F9’、および離心方向の力F10’で表される。慣性体13cに働く力は、図9に実線の矢印で示すように、力F11と反対方向の力であって、慣性体13cを第1方向D1に変位させる接線方向の力F11’、および向心方向の力F12’で表される。
接線方向の力F1’,F5’が慣性体13aに働くため、慣性体13aは、第2方向D2に変位する。接線方向の力F3’,F9’が慣性体13bに働くため、慣性体13bは、第2方向D2に変位する。接線方向の力F7’,F11’が慣性体13cに働くため、慣性体13cは、第1方向D1に変位する。換言すれば、除振装置2が備える第1接続部材21,31および第2接続部材41,51は、対象物11と振動源12とのZ軸方向における並進変位を慣性体13の回転軸AX1周りの周方向における回転変位に変換する機構として動作する。
実施の形態1と同様に、並進変位の回転変位への変換、換言すれば、並進運動エネルギーから回転運動エネルギーへの変換の際に生じる損失によって、振動源12から見た慣性体13a,13b,13cの見かけの慣性力が増大する。
以上説明した通り、実施の形態2に係る除振装置2が備える第1接続部材21,31および第2接続部材41,51は、対象物11と振動源12とのZ軸方向における並進変位を慣性体13a,13b,13cの回転軸AX1周りの周方向における回転変位に変換する機構として動作する。この結果、振動源12から見た慣性体13a,13b,13cの見かけの慣性力が増大し、振動源12から対象物11に伝達される振動が低減される。除振装置2は、3つの慣性体13a,13b,13cを備えるため、除振装置1より除振性能が高い。
(実施の形態3)
第2接続部材の構成は、実施の形態2の例に限られない。図10に示す除振装置3について、実施の形態2に係る除振装置2と異なる点を中心に以下に説明する。
除振装置3は、慣性体13a,13cに取り付けられ、対象物11と振動源12の相対変位に応じて慣性体13a,13cを回転軸AX1の周りに変位させる第2接続部材61と、慣性体13b,13cに取り付けられ、対象物11と振動源12の相対変位に応じて慣性体13b,13cを回転軸AX1の周りに変位させる第2接続部材71と、を備える。
第2接続部材61,71は、慣性体13a,13b,13cの内、互いに隣接した位置にある2つの慣性体に取り付けられる。2つの慣性体の内、配列方向の中央に近い慣性体に取り付けられる第2接続部材61,71の部分と回転軸AX1との距離は、2つの慣性体の内、配列方向の中央に近い慣性体に取り付けられる第2接続部材61,71の部分と回転軸AX1との距離より短い。
詳細には、第2接続部材61は、慣性体13aの慣性体13cに向く面15aと慣性体13cの慣性体13aに向く面14cに取り付けられ、慣性体13cを支持する。第2接続部材61の慣性体13cに取り付けられた部分と回転軸AX1との距離は、第2接続部材61の慣性体13aに取り付けられた部分と回転軸AX1との距離より短い。
実施の形態3では、第2接続部材61は、面15a,14cに取り付けられる複数の第2棒状部材62、具体的には、3つの第2棒状部材62で形成される。各第2棒状部材62は、対象物11と振動源12の相対変位に起因して各第2棒状部材62に働く力に応じた反力を、慣性体13a,13cに加える。実施の形態3では、各第2棒状部材62は、慣性体13aから慣性体13cに延伸する棒状部材で形成される。対象物11と振動源12の相対変位に起因して、各第2棒状部材62の延伸方向の力が各第2棒状部材62に働く。これに対し、各第2棒状部材62は、延伸方向の反力を慣性体13a,13cに加える。
各第2棒状部材62が慣性体13a,13cに加える反力によって慣性体13a,13cを回転軸AX1の周りに変位させるため、図10、図11および図12に示すように、各第2棒状部材62の慣性体13cに取り付けられた端部63は、各第2棒状部材62の慣性体13aに取り付けられた端部64の鉛直方向下方からずれて位置する。図11は、第2接続部材61および慣性体13aをZ軸正方向に見た図である。図12は、第2接続部材61および慣性体13cをZ軸負方向に見た図である。詳細には、端部63は、端部64から、第1方向D1および向心方向のそれぞれにずれて位置する。
複数の第2棒状部材62の端部63は、回転軸AX1周りの周方向において等間隔に位置することが好ましい。実施の形態3では、複数の第2棒状部材62の端部63は、回転軸AX1に直交する面、具体的には、慣性体13cの面14cにおいて、回転軸AX1を中心とする半径L9の円周C9上に等間隔に位置する。複数の第2棒状部材62の端部64は、回転軸AX1周りの周方向において等間隔に位置することが好ましい。実施の形態3では、複数の第2棒状部材62の端部64は、回転軸AX1に直交する面、具体的には、慣性体13aの面15aにおいて、回転軸AX1を中心とする半径L10の円周C10上に等間隔に位置する。半径L9を半径L10より小さくすることで、端部63と回転軸AX1との距離は、端部64と回転軸AX1との距離より短くなる。
上述のように、反力を慣性体13a,13cに加えるために、各第2棒状部材62は、軸剛性の高い部材、例えば、鉄、ステンレス等で形成されることが好ましい。慣性体13a,13cに加える反力によって慣性体13a,13cを回転軸AX1の周りに変位させるためには、各第2棒状部材62のせん断剛性および曲げ剛性は小さいことが好ましい。そこで、各第2棒状部材62は、軸剛性の高い部材で形成される複数の素線を束ねて形成される素線束で形成されることが好ましい。
例えば、各第2棒状部材62は、慣性体13aの面15aに形成された穴および慣性体13cの面14cに形成された穴に挿入され、溶接、接着剤による接着、締結部材による締結等の方法で慣性体13a,13cに取り付けられる。
図10に示すように、第2接続部材71は、慣性体13bの慣性体13cに向く面14bと慣性体13cの慣性体13bに向く面15cに取り付けられ、慣性体13cを支持する。第2接続部材71の慣性体13cに取り付けられた部分と回転軸AX1との距離は、第2接続部材71の慣性体13bに取り付けられた部分と回転軸AX1との距離より短い。
実施の形態3では、第2接続部材71は、面14b,15cに取り付けられる複数の第2棒状部材72、具体的には、3つの第2棒状部材72を有する。各第2棒状部材72は、対象物11と振動源12の相対変位に起因して各第2棒状部材72に働く力に応じた反力を、慣性体13b,13cに加える。実施の形態3では、各第2棒状部材72は、慣性体13bから慣性体13cに延伸する棒状部材で形成される。対象物11と振動源12の相対変位に起因して、各第2棒状部材72の延伸方向の力が各第2棒状部材72に働く。これに対し、各第2棒状部材72は、延伸方向の反力を慣性体13b,13cに加える。
各第2棒状部材72が慣性体13b,13cに加える反力によって慣性体13b,13cを回転軸AX1の周りに変位させるため、図10、図13および図14に示すように、各第2棒状部材72の慣性体13cに取り付けられた端部73は、各第2棒状部材72の慣性体13bに取り付けられた端部74の鉛直方向上方からずれて位置する。図13は、第2接続部材71および慣性体13bをZ軸負方向に見た図である。図14は、第2接続部材71および慣性体13cをZ軸正方向に見た図である。詳細には、端部73は、端部74から、第1方向D1および向心方向のそれぞれにずれて位置する。
複数の第2棒状部材72の端部73は、回転軸AX1周りの周方向において等間隔に位置することが好ましい。実施の形態3では、複数の第2棒状部材72の端部73は、回転軸AX1に直交する面、具体的には、慣性体13cの面15cにおいて、回転軸AX1を中心とする半径L11の円周C11上に等間隔に位置する。複数の第2棒状部材72の端部74は、回転軸AX1周りの周方向において等間隔に位置することが好ましい。実施の形態3では、複数の第2棒状部材72の端部74は、回転軸AX1に直交する面、具体的には、慣性体13bの面14bにおいて、回転軸AX1を中心とする半径L12の円周C12上に等間隔に位置する。半径L11を半径L12より小さくすることで、端部73と回転軸AX1との距離は、端部74と回転軸AX1との距離より短くなる。
上述のように、反力を慣性体13b,13cに加えるために、各第2棒状部材72は、軸剛性の高い部材、例えば、鉄、ステンレス等で形成されることが好ましい。慣性体13b,13cに加える反力によって慣性体13b,13cを回転軸AX1の周りに変位させるためには、各第2棒状部材72のせん断剛性および曲げ剛性は小さいことが好ましい。そこで、各第2棒状部材72は、軸剛性の高い部材で形成される複数の素線を束ねて形成される素線束で形成されることが好ましい。
例えば、各第2棒状部材72は、慣性体13bの面14bに形成された穴および慣性体13cの面15cに形成された穴に挿入され、溶接、接着剤による接着、締結部材による締結等の方法で慣性体13b,13cに取り付けられる。
上記構成を有する除振装置3の動作について、振動源12の振動によって、振動源12の振動が生じていない状態での振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔に比べて、振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が狭くなる場合を例にして以下に説明する。
振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が狭くなると、実施の形態1と同様に、各第1棒状部材22から慣性体13aに向かう力が慣性体13aに働く。慣性体13aに働く力は、慣性体13aを第1方向D1に変位させる接線方向の力F1、および向心方向の力F2で表される。
振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が狭くなると、実施の形態1と同様に、各第1棒状部材32から慣性体13bに向かう力が慣性体13bに働く。慣性体13bに働く力は、慣性体13aを第1方向D1に変位させる接線方向の力F3、および向心方向の力F4で表される。
振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が狭くなると、図10に示す第2接続部材61に対して、第2接続部材61を縮める力が働く。具体的には、第2接続部材61の各第2棒状部材62に対して、各第2棒状部材62を縮める方向の力が働く。これに対し、各第2棒状部材62は、反力を慣性体13a,13cに加える。詳細には、各第2棒状部材62から慣性体13a,13cに向かう力が慣性体13a,13cに働く。慣性体13aに働く力は、図11に点線の矢印で示すように、慣性体13aを第2方向D2に変位させる接線方向の力F13、および離心方向の力F14で表される。慣性体13cに働く力は、図12に実線の矢印で示すように、慣性体13cを第1方向D1に変位させる接線方向の力F15、および向心方向の力F16で表される。
振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が狭くなると、図10に示す第2接続部材71に対して、第2接続部材71を縮める力が働く。具体的には、第2接続部材71の各第2棒状部材72に対して、各第2棒状部材72を縮める方向の力が働く。これに対し、各第2棒状部材72は、反力を慣性体13b,13cに加える。詳細には、各第2棒状部材72から慣性体13b,13cに向かう力が慣性体13b,13cに働く。慣性体13bに働く力は、図13に点線の矢印で示すように、慣性体13bを第2方向D2に変位させる接線方向の力F17、および離心方向の力F18で表される。慣性体13cに働く力は、図14に実線の矢印で示すように、慣性体13cを第1方向D1に変位させる接線方向の力F19、および向心方向の力F20で表される。
慣性体13aには、慣性体13aを第1方向D1に変位させる接線方向の力F1と慣性体13aを第2方向D2に変位させる接線方向の力F13とが働く。力F1が作用する端部23と回転軸AX1との距離は、力F13が作用する端部64と回転軸AX1との距離より短い。このため、力F13のモーメントは、力F1のモーメントより大きくなる。この結果、慣性体13aは、第2方向D2に変位する。
慣性体13bには、慣性体13bを第1方向D1に変位させる接線方向の力F3と慣性体13bを第2方向D2に変位させる接線方向の力F17とが働く。力F3が作用する端部33と回転軸AX1との距離は、力F17が作用する端部74と回転軸AX1との距離より短い。このため、力F17のモーメントは、力F3のモーメントより大きくなる。この結果、慣性体13bは、第2方向D2に変位する。慣性体13cには、慣性体13cを第1方向D1に変位させる接線方向の力F15,F19が働く。このため、慣性体13cは、第1方向D1に変位する。換言すれば、除振装置3が備える第1接続部材21,31および第2接続部材61,71は、対象物11と振動源12とのZ軸方向における並進変位を慣性体13の回転軸AX1周りの周方向における回転変位に変換する機構として動作する。
一方、振動源12の振動によって、振動源12の振動が生じていない状態での振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔に比べて、振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が広くなると、実施の形態1と同様に、慣性体13aを各第1棒状部材22に向かって引く力が慣性体13aに働く。慣性体13aに働く力は、慣性体13aを第2方向D2に変位させる接線方向の力F1’、および離心方向の力F2’で表される。
振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が広くなると、実施の形態1と同様に、慣性体13bを各第1棒状部材32に向かって引く力が慣性体13bに働く。慣性体13bに働く力は、慣性体13bを第2方向D2に変位させる接線方向の力F3’、および離心方向の力F4’で表される。
振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が広くなると、図10に示す第2接続部材61に対して、第2接続部材61を伸ばす力が働く。具体的には、第2接続部材61の各第2棒状部材62に対して、各第2棒状部材62を伸ばす方向の力が働く。これに対し、各第2棒状部材62は、反力を慣性体13a,13cに加える。詳細には、慣性体13a,13cを各第2棒状部材62に向かって引く力が慣性体13a,13cに働く。慣性体13aに働く力は、図11に実線の矢印で示すように、力F13と反対方向の力であって、慣性体13aを第1方向D1に変位させる接線方向の力F13’、および向心方向の力F14’で表される。慣性体13cに働く力は、図12に点線の矢印で示すように、力F15と反対方向の力であって、慣性体13cを第2方向D2に変位させる接線方向の力F15’、および離心方向の力F16’で表される。
振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が広くなると、図10に示す第2接続部材71に対して、第2接続部材71を伸ばす力が働く。具体的には、第2接続部材71の各第2棒状部材72に対して、各第2棒状部材72を伸ばす方向の力が働く。これに対し、各第2棒状部材72は、反力を慣性体13b,13cに加える。詳細には、慣性体13b,13cを各第2棒状部材72に向けて引く力が慣性体13b,13cに働く。慣性体13bに働く力は、図13に実線の矢印で示すように、力F17と反対方向の力であって、慣性体13bを第1方向D1に変位させる接線方向の力F17’、および向心方向の力F18’で表される。慣性体13cに働く力は、図14に点線の矢印で示すように、力F19と反対方向の力であって、慣性体13cを第2方向D2に変位させる接線方向の力F19’、および離心方向の力F20’で表される。
慣性体13aには、慣性体13aを第2方向D2に変位させる接線方向の力F1’と慣性体13aを第1方向D1に変位させる接線方向の力F13’とが働く。力F1’が作用する端部23と回転軸AX1との距離は、力F13’が作用する端部64と回転軸AX1との距離より短い。このため、力F13’のモーメントは、力F1’のモーメントより大きくなる。この結果、慣性体13aは、第1方向D1に変位する。
慣性体13bには、慣性体13bを第2方向D2に変位させる接線方向の力F3’と慣性体13bを第1方向D1に変位させる接線方向の力F17’とが働く。力F3’が作用する端部33と回転軸AX1との距離は、力F17’が作用する端部74と回転軸AX1との距離より短い。このため、力F17’のモーメントは、力F3’のモーメントより大きくなる。この結果、慣性体13bは、第1方向D1に変位する。慣性体13cには、慣性体13cを第2方向D2に変位させる接線方向の力F15’,F19’が働く。このため、慣性体13cは、第2方向D2に変位する。換言すれば、除振装置3が備える第1接続部材21,31および第2接続部材61,71は、対象物11と振動源12とのZ軸方向における並進変位を慣性体13の回転軸AX1周りの周方向における回転変位に変換する機構として動作する。
実施の形態1と同様に、並進変位の回転変位への変換、換言すれば、並進運動エネルギーから回転運動エネルギーへの変換の際に生じる損失によって、振動源12から見た慣性体13a,13b,13cの見かけの慣性力が増大する。
以上説明した通り、実施の形態3に係る除振装置3が備える第1接続部材21,31および第2接続部材61,71は、対象物11と振動源12とのZ軸方向における並進変位を慣性体13a,13b,13cの回転軸AX1周りの周方向における回転変位に変換する機構として動作する。この結果、振動源12から見た慣性体13a,13b,13cの見かけの慣性力が増大し、振動源12から対象物11に伝達される振動が低減される。除振装置2は、3つの慣性体13a,13b,13cを備えるため、除振装置1より除振性能が高い。
(実施の形態4)
対象物11の面11aおよび振動源12の面12aのそれぞれに取り付けられる第1接続部材21,31の個数は任意である。対象物11の面11aおよび振動源12の面12aそれぞれに複数の第1接続部材が取り付けられている除振装置について、実施の形態1に係る除振装置1と異なる点を中心に以下に説明する。
図15に示す実施の形態4に係る除振装置4は、それぞれが回転軸AX1,AX2,AX3,AX4の周りに変位可能な慣性体131,132,133,134を備える。回転軸AX1,AX2,AX3,AX4は互いに平行である。
除振装置4はさらに、対象物11と慣性体131に取り付けられる第1接続部材211と、対象物11と慣性体132に取り付けられる第1接続部材212と、対象物11と慣性体133に取り付けられる第1接続部材213と、対象物11と慣性体134に取り付けられる第1接続部材214と、を備える。第1接続部材211,212,213,214は、対象物11の面11aにおいて互いに離隔した位置で、対象物11に取り付けられる。
除振装置4はさらに、振動源12と慣性体131に取り付けられる第1接続部材311と、振動源12と慣性体132に取り付けられる第1接続部材312と、振動源12と慣性体133に取り付けられる第1接続部材313と、振動源12と慣性体134に取り付けられる第1接続部材314と、を備える。第1接続部材311,312,313,314は、振動源12の面12aにおいて互いに離隔した位置で、振動源12に取り付けられる。
慣性体131,132,133,134の形状および材質は、実施の形態1に係る除振装置1が備える慣性体13と同じである。第1接続部材211,212,213,214の構造は、実施の形態1に係る除振装置1が備える第1接続部材21と同じである。第1接続部材311,312,313,314の構造は、実施の形態1に係る除振装置1が備える第1接続部材31と同じである。
第1接続部材211,212,213,214はそれぞれ、第1接続部材21と同様に、対象物11と振動源12の相対変位に応じて慣性体131,132,133,134を回転軸AX1,AX2,AX3,AX4の周りに変位させる。第1接続部材311,312,313,314はそれぞれ、第1接続部材31と同様に、対象物11と振動源12の相対変位に応じて慣性体131,132,133,134を回転軸AX1,AX2,AX3,AX4の周りに変位させる。
以上説明した通り、実施の形態4に係る除振装置4が備える第1接続部材211,212,213,214,311,312,313,314は、対象物11と振動源12とのZ軸方向における並進変位を慣性体13の周方向における回転変位に変換する機構として動作する。対象物11の面11aおよび振動源12の面12aのそれぞれに複数の第1接続部材211,212,213,214または複数の第1接続部材311,312,313,314が取り付けられているため、対象物11または振動源12が大きい場合でも、振動源12から対象物11へ伝達される振動を低減することが可能となる。
本開示は、上述の実施の形態に限られない。上述の実施の形態は任意に組み合わせることが可能である。一例として、除振装置4は、除振装置2と同様に複数の慣性体13a,13b,13cの間に取り付けられる第2接続部材41,51を備えてもよい。他の一例として、除振装置4は、除振装置3と同様に複数の慣性体13a,13b,13cの間に取り付けられる第2接続部材61,71を備えてもよい。
対象物11の形状は、上述の例に限られず、除振装置1によって支持される任意の形状であればよい。一例として、面11aは、平面に限られず、曲面、凹凸が形成された面でもよい。
振動源12の形状は、上述の例に限られず、除振装置1が設置可能な任意の形状であればよい。一例として、面12aは、平面に限られず、曲面、凹凸が形成された面でもよい。面11a,12aの少なくともいずれかが平面でない場合、面11a,12aを最短で結ぶ線分の延伸方向が、対象物11と振動源12が対向する方向となる。
慣性体13は、複数の部材で形成されてもよい。一例として、慣性体13は、アルミニウム、樹脂等の低密度の部材で形成された円柱の外面に、高密度部材を貼り付けることで形成されてもよい。
慣性体13の形状は、上述の例に限られない。一例として、慣性体13は、回転軸AX1に直交する断面の形状が円環の形状を有する柱状部材で形成されてもよい。この場合、同じ質量で、慣性モーメントを増大させることが可能となる。他の一例として、慣性体13は、角柱、球体、中空の円柱等で形成されてもよい。
除振装置2,3が備える慣性体13a,13b,13cの個数は3つに限られず、任意である。
慣性体13の回転軸は、Z軸に平行でなくてもよい。一例として、図16に示す除振装置5は、X軸に平行な回転軸AX5周りに変位可能な慣性体16と、対象物11および振動源12に取り付けられて対象物11を支持する弾性部材17と、対象物11または振動源12と慣性体16とに取り付けられる第1接続部材81,91と、を備える。
慣性体16は、詳細には、第1接続部材81,91が取り付けられる突起が形成された円柱の形状を有する。慣性体16は、回転軸AX5周りの第1方向D1または第2方向D2に変位可能である。
第1接続部材81は、対象物11の振動源12に向く面11aと慣性体16の突起に取り付けられる。図16の例では、第1接続部材81は、面11aおよび慣性体16の突起に取り付けられる一対の第1棒状部材82で形成される。各第1棒状部材82は、対象物11と振動源12の相対変位に起因して各第1棒状部材82に働く力に応じた反力を、対象物11と慣性体16とに加える。実施の形態1では、各第1棒状部材82は、対象物11から慣性体16に延伸する棒状部材で形成される。各第1棒状部材82の延伸方向は、回転軸AX5とねじれの位置の関係にある。各第1棒状部材82は、第1棒状部材22と同様の部材で形成される。対象物11と振動源12の相対変位に起因して、各第1棒状部材82の延伸方向の力が各第1棒状部材82に働く。これに対し、各第1棒状部材82は、延伸方向の反力を対象物11と慣性体16とに加える。
第1接続部材91は、振動源12の対象物11に向く面12aと慣性体16の突起に取り付けられる。図16の例では、第1接続部材91は、面12aおよび慣性体16の突起に取り付けられる一対の第1棒状部材92で形成される。各第1棒状部材92は、対象物11と振動源12の相対変位に起因して各第1棒状部材92に働く力に応じた反力を、振動源12と慣性体16とに加える。実施の形態1では、各第1棒状部材92は、振動源12から慣性体16に延伸する棒状部材で形成される。各第1棒状部材92の延伸方向は、回転軸AX5とねじれの位置の関係にある。各第1棒状部材92は、第1棒状部材32と同様の部材で形成される。対象物11と振動源12の相対変位に起因して、各第1棒状部材92の延伸方向の力が各第1棒状部材92に働く。これに対し、各第1棒状部材92は、延伸方向の反力を振動源12と慣性体16とに加える。
振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が狭くなると、第1接続部材81に対して、第1接続部材81を縮める力が働く。具体的には、第1接続部材81の各第1棒状部材82に対して、各第1棒状部材82を縮める方向の力が働く。これに対し、各第1棒状部材82は、反力を対象物11と慣性体16とに加える。詳細には、各第1棒状部材82から対象物11に向かう力が対象物11に働き、各第1棒状部材82から慣性体16に向かう力が慣性体16に働く。
振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が狭くなると、第1接続部材91に対して、第1接続部材91を縮める力が働く。具体的には、第1接続部材91の各第1棒状部材92に対して、各第1棒状部材92を縮める方向の力が働く。これに対し、各第1棒状部材92は、反力を対象物11と慣性体16とに加える。詳細には、各第1棒状部材92から対象物11に向かう力が対象物11に働き、各第1棒状部材92から慣性体16に向かう力が慣性体16に働く。
各第1棒状部材82,92のそれぞれから慣性体16に向かう力が慣性体16に働くことで、慣性体16が第1方向D1に変位する。同様に、振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が広くなると、慣性体16が第1方向D1とは反対方向の第2方向D2に変位する。
弾性部材17は、コイルばねで形成される。弾性部材17は、対象物11を支持し、対象物11と振動源12の相対変位に応じた反発力を対象物11および振動源12に加える。
上述のように、除振装置5が備える第1接続部材81,91は、対象物11と振動源12とのZ軸方向における並進変位を慣性体16の回転軸AX1周りの周方向における回転変位に変換する機構として動作する。弾性部材17は、対象物11と振動源12の相対変位に応じた反発力を対象物11および振動源12に加える。これらの動作により、振動源12から対象物11に伝達される振動が低減される。
第1接続部材21,31の形状は、上述の例に限られない。一例として、第1接続部材21,31の少なくともいずれかの慣性体13に取り付けられた部分と回転軸AX1との距離が、第1接続部材21,31の対象物11または振動源12に取り付けられた部分と回転軸AX1との距離より短ければよい。具体的には、第1接続部材21の慣性体13に取り付けられた部分と回転軸AX1との距離が、第1接続部材21の対象物11に取り付けられた部分と回転軸AX1との距離より短ければ、第1接続部材31の慣性体13に取り付けられた部分と回転軸AX1との距離は、第1接続部材31の振動源12に取り付けられた部分と回転軸AX1との距離に一致してもよい。
他の一例として、図17に示すように、除振装置6が備える第1接続部材21は、中空の円錐台25で形成されてもよい。円錐台25には、スリット25aが形成されていることが好ましい。同様に、第1接続部材31は、中空の円錐台35で形成されてもよい。円錐台35には、スリット35aが形成されていることが好ましい。スリット25a,35aが形成されていることで、対象物11と振動源12とのZ軸方向における並進変位を慣性体13の回転軸AX1周りの回転変位に変換することが可能となる。
第1接続部材21,31はそれぞれ一体に形成されていてもよい。一例として、図18に示すように、除振装置7が備える第1接続部材21は、コイルばね26を有してもよい。同様に、第1接続部材31は、コイルばね36を有してもよい。コイルばね26,36は、慣性体13に近づくにつれて半径が小さくなることが好ましい。慣性体13に近づくにつれてコイルばね26,36の半径を小さくすることで、慣性体13の見かけの慣性力を増大させ、より振動を低減することが可能となる。慣性体13をZ軸負方向に見た場合のコイルばね26のばね巻き方向が第1方向D1である場合、慣性体13をZ軸正方向に見た場合のコイルばね26のばね巻き方向は第1方向D1であることが好ましい。
第1接続部材21が有する第1棒状部材22の個数と第1接続部材31が有する第1棒状部材32の個数は異なってもよい。例えば、第1接続部材21が4つの第1棒状部材22を有し、第1接続部材31が3つの第1棒状部材32を有してもよい。同様に、第2接続部材41が有する第2棒状部材42の個数と第2接続部材51が有する第2棒状部材52の個数は異なってもよい。第2接続部材61,71についても同様である。
第1棒状部材22の端部23は、円周C1上において不等間隔に並んで位置してもよいし、第1棒状部材22の端部24は、円周C2上において不等間隔に並んで位置してもよい。第1棒状部材32の端部33,34についても同様である。第2棒状部材42,52,62,72のそれぞれの端部43,53,63,73および第2棒状部材42,52,62,72のそれぞれの端部44,54,64,74においても同様である。
第1棒状部材22の端部23は、円周C1上ではなく、例えば楕円の周上に設けられてもよいし、第1棒状部材22の端部24は、円周C2上ではなく、例えば楕円の周上に設けられてもよい。第1棒状部材32の端部33,34についても同様である。第2棒状部材42,52,62,72のそれぞれの端部43,53,63,73および第2棒状部材42,52,62,72のそれぞれの端部44,54,64,74においても同様である。
除振装置2において、各第2棒状部材42,52の取り付け方法は、上述の例に限られない。一例として、端部44は、端部43から、第2方向D2および向心方向のそれぞれにずれて位置してもよい。この場合、振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が狭くなると、慣性体13aには、慣性体13aを第2方向D2に変位させる接線方向の力と、慣性体13aを第1方向D1に変位させる接線方向の力F3が生じる。互いに反対向きの接線方向の力が打ち消し合うため、実施の形態2と比べて、慣性体13aに生じる回転力は小さくなる。この場合でも、対象物11と振動源12とのZ軸方向における並進変位から慣性体13aの回転軸AX1周りの周方向における回転変位への変換は行われるため、振動源12から見た慣性体13aの見かけの慣性力が増大し、振動源12から対象物11に伝達される振動が低減される。
第1棒状部材22,32,82,92および第2棒状部材42,52,62,72は、中空のパイプで形成されてもよいし、素線を撚って束ねて形成される素線束で形成されてもよい。
第1棒状部材22は、振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が狭くなると、慣性体13を第2方向D2に変位させる向きで対象物11と慣性体13に取り付けられてもよい。具体的には、端部23は、端部24から、第2方向D2および向心方向のそれぞれにずれて位置してもよい。
この場合、第1棒状部材32は、第1棒状部材22と同様に、振動源12の面12aと対象物11の面11aの間隔が狭くなると、慣性体13を第2方向D2に変位させる向きで振動源12と慣性体13に取り付けられればよい。具体的には、端部33は、端部34から、第2方向D2、および向心方向のそれぞれにずれて位置すればよい。
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。すなわち、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、この開示の範囲内とみなされる。
1,2,3,4,5,6,7 除振装置、11 対象物、11a,12a,14,14a,14b,14c,15,15a,15b,15c 面、12 振動源、13,13a,13b,13c,16,131,132,133,134 慣性体、17 弾性部材、21,31,81,91,211,212,213,214,311,312,313,314 第1接続部材、22,32,82,92 第1棒状部材、23,24,33,34、43,44,53,54,63,64,73,74 端部、25,35 円錐台、25a,35a スリット、26,36 コイルばね、41,51,61,71 第2接続部材、42,52,62,72 第2棒状部材、AX1,AX2,AX3,AX4,AX5 回転軸、C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8,C9,C10,C11,C12 円周、D1 第1方向、D2 第2方向、F1,F1’,F2,F2’,F3,F3’,F4,F4’,F5,F5’,F6,F6’,F7,F7’,F8,F8’,F9,F9’,F10,F10’,F11,F11’,F12,F12’,F13,F13’,F14,F14’,F15,F15’,F16,F16’,F17,F17’,F18,F18’,F19,F19’,F20,F20’ 力、L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7,L8,L9,L10,L11,L12 半径。

Claims (19)

  1. 振動源から対象物に伝達される振動を低減する除振装置であって、
    回転軸の周りに変位可能な1つまたは複数の慣性体と、
    それぞれが前記対象物または前記振動源と前記慣性体のいずれかとに取り付けられ、前記振動源の振動に起因する前記対象物と前記振動源の相対変位に応じて、取り付けられた前記慣性体を前記回転軸の周りに変位させる複数の第1接続部材と、を備え、
    前記第1接続部材の少なくともいずれかにおいて、前記第1接続部材の前記慣性体に取り付けられた部分と前記回転軸との距離は、前記第1接続部材の前記対象物または前記振動源に取り付けられた部分と前記回転軸との距離より短い、
    除振装置。
  2. 前記第1接続部材のそれぞれの一方の端部は、前記対象物または前記振動源に取り付けられ、前記第1接続部材のそれぞれの他方の端部は、前記慣性体に取り付けられ、
    前記第1接続部材はそれぞれ、前記対象物と前記振動源の相対変位に起因して前記第1接続部材に働く力に応じた反力を取り付けられた前記対象物または前記振動源と前記慣性体とに加える、
    請求項1に記載の除振装置。
  3. 前記第1接続部材はそれぞれ、前記対象物または前記振動源から前記慣性体に延伸する棒状部材で形成される、
    請求項2に記載の除振装置。
  4. 前記第1接続部材のそれぞれの前記慣性体に取り付けられる端部は、前記第1接続部材のそれぞれの前記対象物または前記振動源に取り付けられる端部から、前記回転軸の周りの周方向の一方である第1方向および前記回転軸に向かう方向のそれぞれにずれて位置する、
    請求項3に記載の除振装置。
  5. 前記第1接続部材のそれぞれの前記慣性体に取り付けられる端部は、前記回転軸に直交する面において、前記回転軸の周りの周方向において等間隔に並んで位置する、
    請求項2から4のいずれか1項に記載の除振装置。
  6. 前記第1接続部材のそれぞれの前記対象物または前記振動源に取り付けられる端部は、前記回転軸に直交する面において、前記回転軸の周りの周方向において等間隔に並んで位置する、
    請求項5に記載の除振装置。
  7. 前記第1接続部材はそれぞれ、素線束で形成される、
    請求項2から6のいずれか1項に記載の除振装置。
  8. 前記複数の慣性体の内、互いに隣接した位置にある2つの慣性体に取り付けられ、前記対象物と前記振動源の相対変位に応じて、取り付けられた前記2つの慣性体を前記回転軸の周りに変位させる1つまたは複数の第2接続部材をさらに備える、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の除振装置。
  9. 前記第1接続部材が取り付けられる前記慣性体に取り付けられる前記第2接続部材の該慣性体に取り付けられた部分と前記回転軸との距離は、前記第2接続部材の該慣性体に隣接した前記慣性体に取り付けられた部分と前記回転軸との距離より短い、
    請求項8に記載の除振装置。
  10. 前記2つの慣性体の内、前記複数の慣性体の配列方向の中央に近い前記慣性体に取り付けられる前記第2接続部材の部分と前記回転軸との距離は、前記2つの慣性体の内、前記複数の慣性体の配列方向の中央から遠い前記慣性体に取り付けられる前記第2接続部材の部分と前記回転軸との距離より短い、
    請求項8に記載の除振装置。
  11. 前記第2接続部材のそれぞれの一方の端部は、前記2つの慣性体の一方に取り付けられ、前記第2接続部材のそれぞれの他方の端部は、前記2つの慣性体の他方に取り付けられ、
    前記第2接続部材はそれぞれ、前記対象物と前記振動源の相対変位に起因して前記第2接続部材に働く力に応じた反力を取り付けられた前記2つの慣性体に加える、
    請求項8から10のいずれか1項に記載の除振装置。
  12. 前記第2接続部材はそれぞれ、前記2つの慣性体の一方から前記2つの慣性体の他方に延伸する棒状部材で形成される、
    請求項11に記載の除振装置。
  13. 前記第2接続部材のそれぞれの前記2つの慣性体の一方に取り付けられる端部は、前記第1接続部材のそれぞれの前記2つの慣性体の他方に取り付けられる端部から、前記回転軸の周りの周方向の一方である第1方向および前記回転軸に向かう方向のそれぞれにずれて位置する、
    請求項12に記載の除振装置。
  14. 前記第2接続部材のそれぞれの前記2つの慣性体の一方に取り付けられる端部は、前記回転軸に直交する面において、前記回転軸の周りの周方向において等間隔に並んで位置する、
    請求項11から13のいずれか1項に記載の除振装置。
  15. 前記第2接続部材のそれぞれの前記2つの慣性体の他方に取り付けられる端部は、前記回転軸に直交する面において、前記回転軸の周りの周方向において等間隔に並んで位置する、
    請求項14に記載の除振装置。
  16. 前記第2接続部材はそれぞれ、素線束で形成される、
    請求項11から15のいずれか1項に記載の除振装置。
  17. 前記1つまたは複数の慣性体の前記回転軸は、前記対象物と前記振動源が対向する方向に延びる、
    請求項1から16のいずれか1項に記載の除振装置。
  18. 前記振動源および前記対象物に取り付けられ、前記対象物を支持し、前記対象物と前記振動源の相対変位に応じた反力を前記振動源および前記対象物に加える弾性部材をさらに備える、
    請求項1から17のいずれか1項に記載の除振装置。
  19. 前記複数の第1接続部材の内、一部の前記第1接続部材は、互いに離隔した位置で前記対象物に取り付けられ、
    前記複数の第1接続部材の内、他の一部の前記第1接続部材は、互いに離隔した位置で前記振動源に取り付けられる、
    請求項1から18のいずれか1項に記載の除振装置。
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