●[内燃機関システム1の概略構成の例(図1)]
以下に本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。まず図1を用いて、内燃機関システム1の概略構成の例について説明する。本実施の形態の説明では、内燃機関の例として、車両に搭載された内燃機関10(例えばディーゼルエンジン)を用いて説明する。なお、吸気管11A、11B、吸気マニホルド11Cは吸気経路に相当し、排気マニホルド12A、排気管12B、12Cは排気経路に相当している。
以下、システム全体について、吸気側から排気側に向かって順に説明する。吸気管11Aの流入側には、エアクリーナ(図示省略)、吸気量検出装置21(例えば、吸気流量センサ)が設けられている。吸気量検出装置21は、内燃機関10が吸入した空気の流量に応じた検出信号を制御装置50に出力する。また吸気量検出装置21には、吸気温度検出装置28A(例えば、吸気温度センサ)、大気圧検出装置23(例えば、大気圧センサ)が設けられている。吸気温度検出装置28Aは、吸気量検出装置21を通過する吸気の温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。大気圧検出装置23は、周囲の大気圧に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
吸気管11Aの流出側はコンプレッサ35の流入側に接続され、コンプレッサ35の流出側は吸気管11Bの流入側に接続されている。ターボ過給機30(過給機に相当)のコンプレッサ35は、排気ガスのエネルギーによって回転駆動されるタービン36にて回転駆動され、吸気管11Aから流入された吸気を吸気管11Bに圧送することで過給する。
コンプレッサ35の上流側となる吸気管11Aには、コンプレッサ上流圧力検出装置24A(例えば圧力センサ)が設けられている。コンプレッサ上流圧力検出装置24Aは、吸気管11A内の吸気の圧力に応じた検出信号を制御装置50に出力する。コンプレッサ35の下流側となる吸気管11B(吸気管11Bにおけるコンプレッサ35とインタークーラ16との間の位置)には、コンプレッサ下流圧力検出装置24B(例えば圧力センサ)が設けられている。コンプレッサ下流圧力検出装置24Bは、吸気管11B内の吸気の圧力に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
吸気管11Bには、上流側にインタークーラ16が配置され、インタークーラ16よりも下流側にスロットル装置47が配置されている。インタークーラ16は、コンプレッサ下流圧力検出装置24Bよりも下流側に配置されている。インタークーラ16とスロットル装置47との間には、吸気温度検出装置28B(例えば、吸気温度センサ)が設けられている。吸気温度検出装置28Bは、インタークーラ16にて温度が低下された吸気の温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
スロットル装置47は、制御装置50からの制御信号に基づいて吸気管11Bの開度を調整するスロットル弁47Vを駆動し、吸気流量を調整可能である。制御装置50は、スロットル開度検出装置47S(例えば、スロットル開度センサ)からの検出信号と目標スロットル弁開度に基づいて、スロットル装置47に制御信号を出力してスロットル弁47Vの開度を調整可能である。
アクセルペダル踏込量検出装置25は、例えばアクセルペダル踏込角度センサであり、アクセルペダルに設けられている。制御装置50は、アクセルペダル踏込量検出装置25からの検出信号に基づいて、運転者によるアクセルペダルの踏込量を検出することが可能である。
吸気管11Bの流出側は吸気マニホルド11Cの流入側に接続されており、吸気マニホルド11Cの流出側は内燃機関10の流入側に接続されている。また吸気管11Bにおけるスロットル装置47よりも下流側には(吸気マニホルド11Cには)、過給圧取得装置24C(例えば圧力センサ)が設けられており、EGR配管13の流出側が接続されている。過給圧取得装置24Cは、吸気マニホルド11Cに流入する直前の吸気の圧力(過給圧)に応じた検出信号を制御装置50に出力する。またEGR配管13の流出側(吸気管11Bとの接続部)からは、EGR配管13の流入側(排気管12Bとの接続部)から流入してきたEGRガスが、吸気管11B内に吐出される。
内燃機関10は複数のシリンダ45A~45D(気筒)を有しており、インジェクタ43A~43Dが、それぞれのシリンダに設けられている。インジェクタ43A~43Dには、コモンレール41と燃料配管42A~42Dを介して燃料が供給されており、インジェクタ43A~43Dは、制御装置50からの制御信号によって駆動され、それぞれのシリンダ45A~45D内に燃料を噴射する。コモンレール41には、燃料圧力検出装置73が設けられており、燃料ポンプ72によって目標燃料圧力に調整された燃料が充填されている。制御装置50は、燃料圧力検出装置73を用いて検出した燃料圧力が目標燃料圧力に近づくように燃料ポンプ72を制御する。
内燃機関10には、クランク角度検出装置22A、カム角度検出装置22B、クーラント温度検出装置28C等が設けられている。クランク角度検出装置22Aは、例えば回転センサであり、内燃機関10のクランクシャフトの回転角度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。カム角度検出装置22Bは、例えば回転センサであり、内燃機関10のカムシャフトの回転角度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。制御装置50は、クランク角度検出装置22Aとカム角度検出装置22Bからの検出信号に基づいて、各シリンダの工程及び回転角度等を検出することができる。またクーラント温度検出装置28Cは、例えば温度センサであり、内燃機関10内に循環されている冷却用クーラントの温度(冷却水温度)に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
内燃機関10の排気側には排気マニホルド12Aの流入側が接続され、排気マニホルド12Aの流出側には排気管12Bの流入側が接続されている。排気管12Bの流出側はタービン36の流入側に接続され、タービン36の流出側は排気管12Cの流入側に接続されている。
排気管12Bの上流側には、EGR配管13の流入側が接続されている。EGR配管13は、EGR流路に相当しており、排気管12Bと吸気管11Bとを連通し、排気管12Bの排気ガスの一部を吸気管11Bに還流させる(排気ガスの一部を吸気に戻す)ことが可能である。またEGR配管13には、EGRクーラ15、EGR弁14が設けられている。制御装置50は、EGR弁14の開度を調整することで、EGR配管13内を流れるEGRガスの流量を調整可能である。
また排気管12Bにおける上流側には(排気マニホルド12Aには)、排気マニホルド圧力検出装置26C(例えば圧力センサ)が設けられている。排気マニホルド圧力検出装置26Cは、排気マニホルド12A内の排気の圧力に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
排気管12Bには、排気温度検出装置29が設けられている。排気温度検出装置29は、例えば排気温度センサであり、排気温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
排気管12Bの流出側はタービン36の流入側に接続され、タービン36の流出側は排気管12Cの流入側に接続されている。タービン36には、タービン36へ導く排気ガスの流速を制御可能な(タービンへと排気ガスを導く流路の閉度を調整可能な)可変ノズル33が設けられており、可変ノズル33は、ノズル駆動装置31によって閉度(開度)が調整される。制御装置50は、ノズル閉度検出装置32(例えば、ノズル閉度センサ)からの検出信号と目標可変ノズル閉度(開度)に基づいて、ノズル駆動装置31に制御信号を出力して可変ノズル33の閉度(開度)を調整することで吸気の過給圧を調整可能である。
タービン36の上流側となる排気管12Bには、タービン上流圧力検出装置26A(例えば圧力センサ)が設けられている。タービン上流圧力検出装置26Aは、排気管12B内の排気の圧力に応じた検出信号を制御装置50に出力する。タービン36の下流側となる排気管12Cには、タービン下流圧力検出装置26B(例えば圧力センサ)と、空燃比検出装置29AF(例えばA/Fセンサ)が設けられている。タービン下流圧力検出装置26Bは、排気管12C内の排気の圧力に応じた検出信号を制御装置50に出力する。また空燃比検出装置29AFは、排気管12B内を流れる排気ガスの空燃比に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
排気管12Cの流出側には排気浄化装置61が接続されている。例えば内燃機関10がディーゼルエンジンの場合、排気浄化装置61には、酸化触媒、微粒子捕集フィルタ、選択式還元触媒等が含まれている。
車速検出装置27は、例えば車両速度検出センサであり、車両の車輪等に設けられている。車速検出装置27は、車両の車輪の回転速度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
制御装置50は、CPU51、RAM52、記憶装置53、タイマ54等を有している。制御装置50(CPU51)は、上述した種々の検出装置からの検出信号が入力され、上述した種々のアクチュエータへの制御信号を出力する。なお、制御装置50の入出力は、上記の検出装置やアクチュエータに限定されるものではない。また、各部の温度や圧力等はセンサを搭載せずに推定計算により算出しても良い。制御装置50は、上記の検出装置を含めた各種の検出装置からの検出信号に基づいて内燃機関10の運転状態を検出可能であり、運転状態に基づいて上記のアクチュエータを含む各種のアクチュエータを制御する。記憶装置53は、例えばFlash-ROMやEEPROM等の記憶装置であり、内燃機関の制御や自己診断等を実行するためのプログラムやデータ等が記憶されている。またRAM52は、揮発性メモリや不揮発性メモリが含まれている。また制御装置50(CPU51)は、目標吸気量設定部51A、制御用目標吸気量設定部51B、吸気量調整部51C、目標過給圧設定部51D、制御用目標過給圧設定部51E、過給圧調整部51F等を有しているが、これらの詳細については後述する。
なお、制御装置50は、インジェクタ43A~43Dを制御しており、燃料圧力検出装置73にて検出した燃料圧力と、インジェクタ43A~43Dの駆動時間に応じて、噴射した燃料量を求めることができる。つまり制御装置50は、内燃機関10に供給した燃料量を取得する燃料量取得装置50Aを兼用している。
以下、上記の内燃機関システム1の制御装置50によって、内燃機関10の運転状態に応じた目標吸気量を含む目標吸気状態量を求め、当該目標吸気量(目標吸気状態量)となるように吸気量(吸気状態量)を調整する、第1~第5の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態~第5の実施の形態の違いを含む概要は、図2に示すとおりである。
本実施の形態にて説明する内燃機関システム1では、吸気量を取得する吸気量取得装置として、第1吸気量取得装置20Aと、第2吸気量取得装置20Bと、の2通りの吸気量取得装置を有する。以下、第1~第5の実施の形態の説明において、第1吸気量取得装置20Aは、吸気量検出装置21が相当しており、第2吸気量取得装置20Bは、燃料量取得装置50A(制御装置50)と空燃比検出装置29AFが相当している。なお、第1吸気量取得装置20Aを用いて取得した第1吸気量は、第2吸気量取得装置20Bを用いて取得した第2吸気量と比較して吸気量の変動に対する応答性が高く、第2吸気量は第1吸気量と比較して吸気量の精度が高い。
また、上述したEGR弁14とスロットル弁47Vは、吸気量を調整可能な吸気量調整アクチュエータ20Xに相当している。また可変ノズル33は、吸気量を調整可能な吸気量調整アクチュエータ20Xであるとともに、過給圧を調整可能な過給圧調整アクチュエータ20Yでもある。
●●[第1の実施の形態(図3~図11)]
次に図3~図11を用いて、第1の実施の形態について説明する。第1の実施の形態は、図2に示すように、過給圧調整アクチュエータ、目標過給圧PT、制御用目標過給圧PS、過給圧偏差学習値ΔHP、吸気量偏差学習値ΔHG、を有していない。また第1の実施の形態では、吸気量調整アクチュエータは、EGR弁、スロットル弁、可変ノズルであり、制御装置50は、第1吸気量Yが制御用目標吸気量GSに近づくように、吸気量調整アクチュエータを制御する。
●[制御装置50の処理手順(図3~図7)]
次に図3~図7に示すフローチャートを用いて、第1の実施の形態における、制御装置50の処理手順の例について説明する。制御装置50(CPU51)は、例えば所定時間間隔(数[ms]~数10[ms]間隔)にて、図3に示す[全体処理]を起動し、ステップS010に処理を進める。
ステップS010にて制御装置50は、[制御用目標吸気量GSの初期化処理](SA000)を実行し、ステップS015へ処理を進める。なお[制御用目標吸気量GSの初期化処理](SA000)の詳細については後述する。
ステップS015にて制御装置50は、内燃機関の運転状態を検出してステップS020へ処理を進める。なお、検出した運転状態には、上述した各種の検出装置や、各種のアクチュエータの動作状態等から求めた、エンジン回転数、吸気量、燃料噴射量、空燃比、過給圧、冷却水温度(クーラント温度)、外気温度(吸気温度)、大気圧、等がある。
ステップS020にて制御装置50は、目標吸気量GTを設定し、第1吸気量Yと第2吸気量Xを取得し、ステップS025へ処理を進める。なお、記憶装置53には、図8の例に示す目標吸気量特性が記憶されており、制御装置50は、内燃機関の運転状態と、目標吸気量特性に基づいて、目標吸気量GTを算出する。図8の例に示す目標吸気量特性は、エンジン回転数(N1、N2・・)と、燃料噴射量(Q1、Q2・・)に応じた目標吸気量(GT11、GT12・・)が設定されており、実際の車両を用いた実験やシミュレーションによって設定されている。
また制御装置50は、第1吸気量取得装置20Aである吸気量検出装置21を用いて検出した吸気量(吸気量検出装置21を用いて吸気の流量を直接的に求めた吸気量)を、第1吸気量Yとする。また制御装置50は、第2吸気量取得装置20Bの1つである燃料量取得装置50Aにて所定算出時間に噴射した燃料量と、この所定算出時間において第2吸気量取得装置20Bの1つである空燃比検出装置29AFを用いて検出した空燃比と、に基づいて算出した吸気量(燃料噴射量と空燃比に基づいて算出した、間接的に求めた吸気量)を、第2吸気量Xとする。制御装置50は、所定算出時間内に噴射した燃料量と空燃比から、第2吸気量Xを算出することができる。なお、以下の説明において、第1吸気量Yは第2吸気量Xと比較して応答性(追従性)は勝るが精度はやや劣り、第2吸気量Xは第1吸気量Yと比較して応答性(追従性)はやや劣るが精度は勝る、という例で説明する。
ステップS025にて制御装置50は、制御用目標吸気量GSを設定し、ステップS030へ処理を進める。目標吸気量GTを設定するための目標吸気量特性は、図8に示すように、エンジン回転数(N1、N2・・)と、燃料噴射量(Q1、Q2・・)に応じて固定の値(GT11、GT12・・)が設定されている。制御用目標吸気量GSは、目標吸気量GTと同様、図9に示すように、エンジン回転数(N1、N2・・)と、燃料噴射量(Q1、Q2・・)に応じた制御用目標吸気量GS11、GS12・・が設定されているが、これら制御用目標吸気量GS11、GS12・・は固定の値でなく可変の値であり、例えば不揮発性メモリに設定されている。また制御用目標吸気量GSnm(n、mは整数)の初期値は、ステップS010にて目標吸気量GTnmとされている。
例えば制御用目標吸気量GSが図9の例に示すように割り付けられている場合、制御装置50は、(エンジン回転数NA、燃料噴射量QB)の場合の制御用目標吸気量GSの値を、図10の例に示すように、GSAB(エンジン回転数NA、燃料噴射量QB)の位置を囲む制御用目標吸気量GS11(N1、Q1)、GS12(N1、Q2)、GS21(N2、Q1)、GS22(N2、Q2)の値を用いてマップ補間して求める。なお制御装置50は、目標吸気量GTも、同様にしてマップ補間して求める。
ステップS030にて制御装置50は、|第1吸気量Yにおける第2変動判定期間に対する変動量|が第2変動判定閾値未満であるか否かを判定する。なお、第2変動判定期間や第2変動判定閾値は、実際の車両を用いた実験やシミュレーション等にて求められた適切な値が設定されている。制御装置50は、|第1吸気量Yの変動量|が第2変動判定閾値未満である場合(Yes)は定常状態時であると判定してステップS035へ処理を進め、|第1吸気量Yの変動量|が第2変動判定閾値以上である場合(No)は過渡状態時であると判定してステップS060へ処理を進める。
ステップS035へ処理を進めた場合、制御装置50は、|第2吸気量Xにおける第1変動判定期間に対する変動量|が第1変動判定閾値未満であるか否かを判定する。なお、第1変動判定期間や第1変動判定閾値は、実際の車両を用いた実験やシミュレーション等にて求められた適切な値が設定されている。制御装置50は、|第2吸気量Xの変動量|が第1変動判定閾値未満である場合(Yes)はステップS040へ処理を進め、|第2吸気量Xの変動量|が第1変動判定閾値以上である場合(No)はステップS060へ処理を進める。
ステップS040へ処理を進めた場合、制御装置50は、安定判定カウンタを1つカウントダウンしてステップS045へ処理を進める。なお安定判定カウンタは、下限(最小値)=0、上限(最大値)=判定時間(予め設定した時間に相当する値であり、更新待機時間に相当)であり、ステップS060、図7に示すステップSZ010(制御装置50の電源投入時に実行)、にて判定時間(更新待機時間)に初期化され、図11に示すように制御用目標吸気量GSを更新するタイミングを制御するカウンタである。
ステップS045にて制御装置50は、安定判定カウンタが0(ゼロ)であるか否を判定する。制御装置50は、安定判定カウンタが0(ゼロ)である場合(Yes)はステップS050へ処理を進め、安定判定カウンタが0(ゼロ)でない場合(No)はステップS070へ処理を進める。
ステップS050へ処理を進めた場合、制御装置50は、|第2吸気量X-目標吸気量GT|が一致判定閾値未満であるか否かを判定する。なお、一致判定閾値は、実際の車両を用いた実験やシミュレーション等にて求められた適切な値が設定されている。制御装置50は、|第2吸気量X-目標吸気量GT|が一致判定閾値未満である場合(Yes)は図3に示す処理を終了し、|第2吸気量X-目標吸気量GT|が一致判定閾値以上である場合(No)はステップS055へ処理を進める。なおステップS050にてYesと判定して処理を終了した場合、ステップS070を実行しないが、制御装置50は、吸気量調整アクチュエータに対して、現在の制御状態を維持する。
ステップS055にて制御装置50は、[制御用目標吸気量GSを更新](SB000)を実行し、ステップS060へ処理を進める。なお[制御用目標吸気量GSを更新](SB000)の処理の詳細については後述する。
ステップS060へ処理を進めた場合、制御装置50は、安定判定カウンタへ判定時間(更新待機時間)を設定して(初期化して)、ステップS070へ処理を進める。
ステップS070へ処理を進めた場合、制御装置50は、[吸気量調整アクチュエータを制御](SD000)を実行し、図3に示す処理を終了する。なお[吸気量調整アクチュエータを制御](SD000)の処理の詳細については後述する。
●[制御用目標吸気量GSの初期化処理(SA000)(図4)]
次に図4を用いて、図3に示すフローチャートのステップS010の処理の詳細について説明する。制御装置50は、図3に示すステップS010の処理を実行する際、図4に示すステップSA010へ処理を進める。
ステップSA010にて制御装置50は、制御用目標吸気量GSの初期化が必要であるか否かを判定する。例えば制御用目標吸気量GSは、不揮発性メモリに割り付けられており、制御装置50は、不揮発性メモリへの電源供給が遮断された形跡があった場合、初期化が必要である、と判定する。制御装置50は、初期化が必要であると判定した場合(Yes)はステップSA015へ処理を進め、初期化が必要ではないと判定した場合(No)は図4に示す処理を終了し、図3のステップS015へ処理を戻す。
ステップSA015へ処理を進めた場合、制御装置50は、制御用目標吸気量GSを初期化して図4に示す処理を終了し、図3のステップS015へ処理を戻す。なお、目標吸気量GTnmは図8の例に示すとおりであり、制御用目標吸気量GSnmは図9の例に示すとおりである。初期化の際、制御装置50は、目標吸気量GTnm(n、mは整数)の値を読み出し、読み出した値を制御用目標吸気量GSnmに代入(コピー)することを繰り返し、制御用目標吸気量GSnmを初期化する。つまり、初期化により、制御用目標吸気量GSnmの値=目標吸気量GTnmの値、となる。
●[制御用目標吸気量GSを更新(SB000)(図5、図10)]
次に図5を用いて、図3に示すフローチャートのステップS055の処理の詳細について説明する。制御装置50は、図3に示すステップS055の処理を実行する際、図5に示すステップSB010へ処理を進める。
ステップSB010にて制御装置50は、第2吸気量Xと目標吸気量GT(図3のステップS020にて求めた目標吸気量GT)との吸気量偏差ΔGを算出(吸気量偏差ΔG=目標吸気量GT-第2吸気量X)して、ステップSB015へ処理を進める。
ステップSB015にて制御装置50は、制御用目標吸気量GS(図3のステップS025にて求めた制御用目標吸気量GS)+吸気量偏差ΔGを制御用目標吸気量GSに代入(コピー)して制御用目標吸気量GSを更新し、ステップSB020へ処理を進める。
ステップSB020にて制御装置50は、更新した制御用目標吸気量GSに基づいて、制御用目標吸気量GSに関連する制御用目標吸気量GSnmを更新して記憶する。例えば図10の例に示す制御用目標吸気量GSABを上記のように更新した場合、制御用目標吸気量GS11を制御用目標吸気量GS11+ΔGに更新し、制御用目標吸気量GS12を制御用目標吸気量GS12+ΔGに更新し、制御用目標吸気量GS21を制御用目標吸気量GS21+ΔGに更新し、制御用目標吸気量GS22を制御用目標吸気量GS22+ΔGに更新する。そして制御装置50は、図5に示す処理を終了し、図3のステップS060へ処理を戻す。
●[吸気量調整アクチュエータを制御(SD000)(図6)]
次に図6を用いて、図3に示すフローチャートのステップS070の処理の詳細について説明する。制御装置50は、図3に示すステップS070の処理を実行する際、図6に示すステップSD010へ処理を進める。
ステップSD010にて制御装置50は、第1吸気量Yが制御用目標吸気量GSに近づくようにスロットル弁の開度を制御し、ステップSD020へ処理を進める。例えば制御装置50は、フィードフォワード制御にてスロットル弁の開度を制御する。
ステップSD020にて制御装置50は、第1吸気量Yが制御用目標吸気量GSに近づくように可変ノズルの閉度を制御し、ステップSD030へ処理を進める。例えば制御装置50は、フィードフォワード制御にて可変ノズルの閉度を制御する。
ステップSD030にて制御装置50は、第1吸気量Yが制御用目標吸気量GSに近づくようにEGR弁の開度を制御し、図6に示す処理を終了し、図3のステップS070の下へと処理を戻し、図3に示す処理を終了する。例えば制御装置50は、PID制御によるフィードバック制御にてEGR弁の開度を制御する。
●[安定判定カウンタの初期化処理(SZ000)(図7)]
次に図7を用いて、制御装置50に電源が投入された際(制御装置50がOFF状態からON状態に遷移した際)の安定判定カウンタの初期化処理について説明する。制御装置50は、電源が投入された際、図7に示すステップSZ010へ処理を進める。
ステップSZ010にて制御装置50は、安定判定カウンタへ判定時間(更新待機時間)を設定して(初期化して)、図7に示す処理を終了する。
●[第1吸気量Y、第2吸気量X、目標吸気量GT、制御用目標吸気量GSの動作例(図11)]
図11は、実際の吸気量の変動に応じた、第1吸気量Y、第2吸気量X、目標吸気量GT、制御用目標吸気量GSの動作の例を示している。なお、説明を容易にするために、吸気量の変動の無い場合における第1吸気量Yと第2吸気量Xとの差を、実際よりも非常に大きな差にして記載している。
時刻Z11よりも前では、目標吸気量GT=制御用目標吸気量GS=第1吸気量Y=GAの状態を示している。なお、第2吸気量X>第1吸気量Yであり、第2吸気量X-第1吸気量Y=ΔGAの状態を示している。また制御装置は、第1吸気量Yが制御用目標吸気量GSに近づくように吸気量調整アクチュエータを制御しているので、第1吸気量Y≒制御用目標吸気量GSとなっている。なお時刻Z11よりも前では、制御用目標吸気量GS=目標吸気量GTに初期化されているものとする。
時刻Z11の直後では、内燃機関の運転状態が変化して、目標吸気量GTがGAからGBへと上昇している。また制御用目標吸気量GSは、まだ更新されていないので、制御用目標吸気量GS=目標吸気量GTである。第1吸気量Yは応答性が高いので、吸気量調整アクチュエータの制御に応じて、第2吸気量Xよりも速く制御用目標吸気量GSに近づいていく。第2吸気量Xは第1吸気量Yよりも応答性が劣るので、第1吸気量Yよりも遅れて変化する。図11の例では、時刻Z12から上昇を開始している。
時刻Z13では、第1吸気量Yが制御用目標吸気量GSとほぼ一致したので、吸気量調整アクチュエータは、この時点の動作が維持される。しかし第2吸気量Xは応答性が劣るので、まだ上昇を継続している。第2吸気量Xの変動が大きく安定していないので、安定判定カウンタのカウンドダウンは始まっていない。
時刻Z14では、第2吸気量Xがようやく安定し、安定判定カウンタのカウンドダウンが開始される。なお、時刻Z11での運転状態における第1吸気量Yの誤差と、時刻Z14での運転状態における第1吸気量Yの誤差は、運転状態の変動量に応じた線形的な誤差ではなく、非線形的な誤差である場合が多く、ΔGAとΔG1の関係は、線形的でない場合が多い。精度が高い第2吸気量Xと目標吸気量GTとがほぼ一致する状態が好ましいが、図11の例では、ΔG1の差が発生している。
時刻Z15では、安定判定カウンタが0になったので、制御装置は、ΔG1(ΔG1=目標吸気量GT-第2吸気量X)を、制御用目標吸気量GSに加算して制御用目標吸気量GSを更新する。この場合、ΔG1は負の値であるので、制御用目標吸気量GSは小さくなる側へ更新される。そして制御装置は、第1吸気量Yが制御用目標吸気量GSに近づくように吸気量調整アクチュエータを制御するので、時刻Z15の後、第1吸気量Yが、更新後の制御用目標吸気量GSへと近づくように減少していく。そして第1吸気量Yの減少に対してやや遅れて第2吸気量Xも減少していく。
時刻Z16では、第1吸気量Yと第2吸気量Xの双方の変動がなく安定しているので、安定判定カウンタのカウントダウンが開始される。
時刻Z17では、安定判定カウンタが0になったので、制御装置は、ΔG2(ΔG2=目標吸気量GT-第2吸気量X)を、制御用目標吸気量GSに加算して制御用目標吸気量GSを更新する。この場合、ΔG2は正の値であるので、制御用目標吸気量GSは大きくなる側へ更新される。そして時刻Z17の後、第1吸気量Y、第2吸気量Xが増加していき、第1吸気量Yは制御用目標吸気量GSとほぼ一致し、第2吸気量Xは目標吸気量GTとほぼ一致している。
時刻Z18の直後では、内燃機関の運転状態が変化して、目標吸気量GTがGBからGCへと上昇しているが、動作については上記と同様であるので説明を省略する。
以上、運転状態の変化に対して第1吸気量Yの誤差が非線形的な誤差であっても、精度の高い第2吸気量を用いて運転状態に応じた制御用目標吸気量GSを補正(更新)するので、運転状態に応じた誤差が非線形的な誤差であっても誤差を適切に低減し、より安定した吸気量調整アクチュエータの制御を実現することができる。
●●[第2の実施の形態(図12~図18)]
次に図12~図18を用いて、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、図2に示すように、第1の実施の形態に対して、吸気量偏差学習値ΔHGを有し、この吸気量偏差学習値ΔHGと目標吸気量GTから制御用目標吸気量GSを算出する点と、吸気量調整アクチュエータの制御方法が異なる。以下、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
●[制御装置50の処理手順(図12~図15)]
図12に示す第2の実施の形態の[全体処理]は、図3に示す第1の実施の形態の[全体処理]に対して、太枠で囲ったステップS010B、S025B、S055B、S070Bが変更され、太枠で囲ったステップS065Bが追加されている点が相違している。以下、これらの相違点について主に説明する。制御装置50は、所定時間間隔(数[ms]~数10[ms]間隔)にて、図12に示す[全体処理]を起動し、ステップS010Bに処理を進める。
ステップS010Bにて制御装置50は、[吸気量偏差学習値ΔHGの初期化処理](SA200)を実行し、ステップS015へ処理を進める。なお[吸気量偏差学習値ΔHGの初期化処理](SA200)の処理の詳細については後述する。
ステップS025Bにて制御装置50は、吸気量偏差学習値ΔHGを設定し、ステップS030へ処理を進める。なお目標吸気量GTは、第1の実施の形態と同じく、図8に示すように、エンジン回転数(N1、N2・・)と、燃料噴射量(Q1、Q2・・)に応じて固定の値(GT11、GT12・・)が設定されている。吸気量偏差学習値ΔHGは、目標吸気量GTと同様、図16に示すように、エンジン回転数(N1、N2・・)と、燃料噴射量(Q1、Q2・・)に応じた吸気量偏差学習値ΔHG11、ΔHG12・・が設定されているが、これら吸気量偏差学習値ΔHG11、ΔHG12・・は固定の値でなく可変の値であり、例えば不揮発性メモリに設定されている。また図16に示す例では、吸気量偏差学習値ΔHGは、エンジン回転数と燃料噴射量、さらに冷却水温度に応じて設定されている。また吸気量偏差学習値ΔHGnm(n、mは整数)の初期値は、ステップS010Bにて0(ゼロ)とされている。
例えば吸気量偏差学習値ΔHGが図16の例に示すように割り付けられている場合、制御装置50は、(エンジン回転数NA、燃料噴射量QB、冷却水温度T1)の場合の吸気量偏差学習値ΔHGの値を、図17の例に示すように、ΔHGAB(エンジン回転数NA、燃料噴射量QB、冷却水温度T1)の位置を囲む吸気量偏差学習値ΔHG11(N1、Q1)、ΔHG12(N1、Q2)、ΔHG21(N2、Q1)、ΔHG22(N2、Q2)の値を用いてマップ補間して求める。なお制御装置50は、目標吸気量GTも、同様にしてマップ補間して求める。
ステップS045にて制御装置50は、安定判定カウンタが0(ゼロ)であるか否を判定する。制御装置50は、安定判定カウンタが0(ゼロ)である場合(Yes)はステップS050へ処理を進め、安定判定カウンタが0(ゼロ)でない場合(No)はステップS065Bへ処理を進める。
ステップS055Bにて制御装置50は、[吸気量偏差学習値ΔHGを更新](SB200)を実行し、ステップS060へ処理を進める。なお[吸気量偏差学習値ΔHGを更新](SB200)の詳細については後述する。
ステップS060へ処理を進めた場合、制御装置50は、安定判定カウンタへ判定時間(更新待機時間)を設定して(初期化して)、ステップS065Bへ処理を進める。
ステップS065Bへ処理を進めた場合、制御装置50は、ステップS020にて求めた目標吸気量GTと、ステップS025Bにて求めた吸気量偏差学習値ΔHG(またはステップS055Bにて更新した吸気量偏差学習値ΔHG)とを加算して制御用目標吸気量GSを求める。つまり第2の実施の形態では、制御用目標吸気量GSは図9のように複数の制御用目標吸気量GSnmからマップ補間されるのではなく、単数の制御用目標吸気量GSが算出によって求められる。
ステップS070Bへ処理を進めた場合、制御装置50は、[吸気量調整アクチュエータを制御](SD200)を実行し、図12に示す処理を終了する。なお[吸気量調整アクチュエータを制御](SD200)の処理の詳細については後述する。
●[吸気量偏差学習値ΔHGの初期化処理(SA200)(図13)]
次に図13を用いて、図12に示すフローチャートのステップS010Bの処理の詳細について説明する。制御装置50は、図12に示すステップS010Bの処理を実行する際、図13に示すステップSA210へ処理を進める。
ステップSA210にて制御装置50は、吸気量偏差学習値ΔHGの初期化が必要であるか否かを判定する。例えば吸気量偏差学習値ΔHGは、不揮発性メモリに割り付けられており、制御装置50は、不揮発性メモリへの電源供給が遮断された形跡があった場合、初期化が必要である、と判定する。制御装置50は、初期化が必要であると判定した場合(Yes)はステップSA215へ処理を進め、初期化が必要ではないと判定した場合(No)は図13に示す処理を終了し、図12のステップS015へ処理を戻す。
ステップSA215へ処理を進めた場合、制御装置50は、吸気量偏差学習値ΔHG、及び、関連する吸気量偏差学習値を初期化して図13に示す処理を終了し、図12のステップS015へ処理を戻す。なお、目標吸気量GTnmは図8の例に示すとおりであり、吸気量偏差学習値ΔHGnmは図16の例に示すとおりである。図16の例では、吸気量偏差学習値ΔHGnmは運転状態に応じて設定されており、図8の例に示す目標吸気量GTnmに対応するように回転数、噴射量に対応付けられているとともに冷却水温度にも対応付けられている。また初期化の際、制御装置50は、図16の例に示す吸気量偏差学習値ΔHGnmを0(ゼロ)に設定する。
●[吸気量偏差学習値ΔHGを更新(SB200)(図14)]
次に図14を用いて、図12に示すフローチャートのステップS055Bの処理の詳細について説明する。制御装置50は、図12に示すステップS055Bの処理を実行する際、図14に示すステップSB210へ処理を進める。
ステップSB210にて制御装置50は、第2吸気量Xと目標吸気量GT(図12のステップS020にて求めた目標吸気量GT)との吸気量偏差ΔGを算出(吸気量偏差ΔG=目標吸気量GT-第2吸気量X)して、ステップSB215へ処理を進める。
ステップSB215にて制御装置50は、吸気量偏差学習値ΔHG(図12のステップS025Bにて求めた吸気量偏差学習値ΔHG)+吸気量偏差ΔGを吸気量偏差学習値ΔHGに代入(コピー)して吸気量偏差学習値ΔHGを更新し、ステップSB220へ処理を進める。
ステップSB220にて制御装置50は、吸気量偏差ΔGと運転状態(この場合、回転数、噴射量、冷却水温度)に基づいて、吸気量偏差学習値ΔHGに関連する吸気量偏差学習値ΔHGnm(図16参照)を更新して記憶する。例えば図17の例に示す吸気量偏差学習値ΔHGABを上記のように更新した場合、吸気量偏差学習値ΔHG11を吸気量偏差学習値ΔHG11+ΔGに更新し、吸気量偏差学習値ΔHG12を吸気量偏差学習値ΔHG12+ΔGに更新し、吸気量偏差学習値ΔHG21を吸気量偏差学習値ΔHG21+ΔGに更新し、吸気量偏差学習値ΔHG22を吸気量偏差学習値ΔHG22+ΔGに更新する。そして制御装置50は、図14に示す処理を終了し、図12のステップS060へ処理を戻す。
●[吸気量調整アクチュエータを制御(SD200)(図15)]
次に図15を用いて、図12に示すフローチャートのステップS070Bの処理の詳細について説明する。制御装置50は、図12に示すステップS070Bの処理を実行する際、図15に示すステップSD210へ処理を進める。
ステップSD210にて制御装置50は、制御用目標吸気量GSと、内燃機関の運転状態と、目標EGR弁開度特性とに基づいて、目標EGR弁開度を算出し、ステップSD215へ処理を進める。なお、記憶装置53には、図18の例に示す目標EGR弁開度特性が記憶されている。図18の例に示す目標EGR弁開度特性は、エンジン回転数(N1、N2・・)と、制御用目標吸気量GS(G1、G2・・)に応じた目標EGR弁開度(R11、R12・・)が設定されており、実際の車両を用いた実験やシミュレーションによって設定されている。
ステップSD215にて制御装置50は、例えば目標EGR弁開度と実際のEGR弁開度との偏差等に応じたフィードバック量を求め、目標EGR弁開度に近づくようにEGR弁の開度をフィードバック制御し、ステップSD220へ処理を進める。
ステップSD220にて制御装置50は、制御用目標吸気量GSと、内燃機関の運転状態と、目標スロットル弁開度特性とに基づいて、目標スロットル弁開度を算出し、ステップSD225へ処理を進める。なお、記憶装置53には、図18の例に示す目標スロットル弁開度特性が記憶されている。図18の例に示す目標スロットル弁開度特性は、エンジン回転数(N1、N2・・)と、制御用目標吸気量GS(G1、G2・・)に応じた目標スロットル弁開度(TH11、TH12・・)が設定されており、実際の車両を用いた実験やシミュレーションによって設定されている。
ステップSD225にて制御装置50は、例えば目標スロットル弁開度と実際のスロットル弁開度との偏差等に応じたフィードバック量を求め、目標スロットル弁開度に近づくようにスロットル弁の開度をフィードバック制御し、ステップSD230へ処理を進める。
ステップSD230にて制御装置50は、制御用目標吸気量GSと、内燃機関の運転状態と、目標可変ノズル閉度特性とに基づいて、目標可変ノズル閉度を算出し、ステップSD235へ処理を進める。なお、記憶装置53には、図18の例に示す目標可変ノズル閉度特性が記憶されている。図18の例に示す目標可変ノズル閉度特性は、エンジン回転数(N1、N2・・)と、制御用目標吸気量GS(G1、G2・・)に応じた目標可変ノズル閉度(V11、V12・・)が設定されており、実際の車両を用いた実験やシミュレーションによって設定されている。
ステップSD235にて制御装置50は、例えば目標可変ノズル閉度と実際の可変ノズル閉度との偏差等に応じたフィードバック量を求め、目標可変ノズル閉度に近づくように可変ノズルの閉度(開度)をフィードバック制御する。そして制御装置50は、図15に示す処理を終了し、図12に示すステップS070Bの処理の下へ処理を戻し、図12に示す処理を終了する。
以上、第2の実施の形態では、運転状態の変化に対して第1吸気量の誤差が非線形的な誤差であっても、精度の高い第2吸気量にて運転状態に応じた吸気量偏差学習値ΔHGを補正(更新)し、運転状態に応じた制御用目標吸気量GSを補正(更新)する。これにより、運転状態に応じた誤差が非線形的な誤差であっても誤差を適切に低減し、より安定した吸気量調整アクチュエータの制御を実現することができる。なお、動作波形の例については第1の実施の形態と同様であるので省略する。
●●[第3の実施の形態(図19~図30)]
次に図19~図30を用いて、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、図2に示すように、第1の実施の形態に対して、目標過給圧PT、制御用目標過給圧PSを有し、過給圧調整アクチュエータが可変ノズルであり、吸気量調整アクチュエータがEGR弁、スロットル弁である点が異なる。以下、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
●[制御装置50の処理手順(図19~図25)]
図19に示す第3の実施の形態の[全体処理]は、図3に示す第1の実施の形態の[全体処理]に対して、太枠で囲ったステップS010D、S020D、S025D、S070Dが変更され、太枠で囲ったステップS090Dが追加されている点が相違している。以下、これらの相違点について主に説明する。制御装置50は、所定時間間隔(数[ms]~数10[ms]間隔)にて、図19に示す[全体処理]を起動し、ステップS010Dに処理を進める。
ステップS010Dにて制御装置50は、[制御用目標吸気量GS、制御用目標過給圧PSの初期化処理](SA300)を実行し、ステップS015へ処理を進める。なお[制御用目標吸気量GS、制御用目標過給圧PSの初期化処理](SA300)の詳細については後述する。
ステップS020Dにて制御装置50は、目標吸気量GT、目標過給圧PTを設定し、第1吸気量Yと第2吸気量Xを取得し、ステップS025へ処理を進める。なお、目標吸気量GTの設定、第1吸気量Yと第2吸気量Xの取得については第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
次に目標過給圧PTの設定について説明する。記憶装置53には、図26の例に示す目標過給圧特性が記憶されており、制御装置50は、内燃機関の運転状態と、目標過給圧特性に基づいて、目標過給圧PTを算出する。図26の例に示す目標過給圧特性は、エンジン回転数(N1、N2・・)と、燃料噴射量(Q1、Q2・・)に応じた目標過給圧(PT11、PT12・・)が設定されており、実際の車両を用いた実験やシミュレーションによって設定されている。
ステップS025Dにて制御装置50は、制御用目標吸気量GS、制御用目標過給圧PSを設定し、ステップS030へ処理を進める。なお制御用目標吸気量GSの設定については第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
次に制御用目標過給圧PSの設定について説明する。目標過給圧PTを設定するための目標過給圧特性は、図26に示すように、エンジン回転数(N1、N2・・)と、燃料噴射量(Q1、Q2・・)に応じて固定の値(PT11、PT12・・)が設定されている。制御用目標過給圧PSは、目標過給圧PTと同様、図27に示すように、エンジン回転数(N1、N2・・)と、燃料噴射量(Q1、Q2・・)に応じた制御用目標過給圧PS11、PS12・・が設定されているが、これら制御用目標過給圧PS11、PS12・・は固定の値でなく可変の値であり、例えば不揮発性メモリに設定されている。また制御用目標過給圧PSnm(n、mは整数)の初期値は、ステップS010Dにて目標過給圧PTnmとされている。
例えば制御用目標過給圧PSが図27の例に示すように割り付けられている場合、制御装置50は、(エンジン回転数NA、燃料噴射量QB)の場合の制御用目標過給圧PSの値を、図28の例に示すように、PSAB(エンジン回転数NA、燃料噴射量QB)の位置を囲む制御用目標過給圧PS11(N1、Q1)、PS12(N1、Q2)、PS21(N2、Q1)、PS22(N2、Q2)の値を用いてマップ補間して求める。なお制御装置50は、目標過給圧PTも、同様にしてマップ補間して求める。
ステップS045にて制御装置50は、安定判定カウンタが0(ゼロ)であるか否を判定する。制御装置50は、安定判定カウンタが0(ゼロ)である場合(Yes)はステップS050へ処理を進め、安定判定カウンタが0(ゼロ)でない場合(No)はステップS070Dへ処理を進める。
ステップS050へ処理を進めた場合、制御装置50は、|第2吸気量X-目標吸気量GT|が一致判定閾値未満であるか否かを判定する。なお、一致判定閾値は、実際の車両を用いた実験やシミュレーション等にて求められた適切な値が設定されている。制御装置50は、|第2吸気量X-目標吸気量GT|が一致判定閾値未満である場合(Yes)はステップS090Dへ処理を進め、|第2吸気量X-目標吸気量GT|が一致判定閾値以上である場合(No)はステップS055へ処理を進める。なおステップS050にてYesと判定してステップS090Dへ処理を進めた場合、ステップS070Dを実行しないが、制御装置50は、吸気量調整アクチュエータに対して、現在の制御状態を維持する。
ステップS060へ処理を進めた場合、制御装置50は、安定判定カウンタへ判定時間(更新待機時間)を設定して(初期化して)、ステップS070Dへ処理を進める。
ステップS070Dへ処理を進めた場合、制御装置50は、[吸気量調整アクチュエータを制御](SD300)を実行し、ステップS090Dへ処理を進める。なお[吸気量調整アクチュエータを制御](SD300)の処理の詳細については後述する。
ステップS090Dへ処理を進めた場合、制御装置50は、[目標過給圧の処理](SE300)を実行し、図19に示す処理を終了する。なお[目標過給圧の処理](SE300)の処理の詳細については後述する。
●[制御用目標吸気量GS、制御用目標過給圧PSの初期化処理(SA300)(図20)]
次に図20を用いて、図19に示すフローチャートのステップS010Dの処理の詳細について説明する。制御装置50は、図19に示すステップS010Dの処理を実行する際、図20に示すステップSA310へ処理を進める。
ステップSA310、SA315の処理は、図4に示す第1の実施の形態のステップSA010、SA015と同様であるので説明を省略し、ステップSA320から説明する。
ステップSA320へ処理を進めた場合、制御装置50は、制御用目標過給圧PSの初期化が必要であるか否かを判定する。例えば制御用目標過給圧PSは、不揮発性メモリに割り付けられており、制御装置50は、不揮発性メモリへの電源供給が遮断された形跡があった場合、初期化が必要である、と判定する。制御装置50は、初期化が必要であると判定した場合(Yes)はステップSA325へ処理を進め、初期化が必要ではないと判定した場合(No)は図20に示す処理を終了し、図19のステップS015へ処理を戻す。
ステップSA325へ処理を進めた場合、制御装置50は、制御用目標過給圧PSを初期化して図20に示す処理を終了し、図19のステップS015へ処理を戻す。なお、目標過給圧PTnmは図26の例に示すとおりであり、制御用目標過給圧PSnmは図27の例に示すとおりである。初期化の際、制御装置50は、目標過給圧PTnm(n、mは整数)の値を読み出し、読み出した値を制御用目標過給圧PSnmに代入(コピー)することを繰り返し、制御用目標過給圧PSnmを初期化する。つまり、初期化により、制御用目標過給圧PSnmの値=目標過給圧PTnmの値、となる。
●[吸気量調整アクチュエータを制御(SD300)(図21)]
次に図21を用いて、図19に示すフローチャートのステップS070Dの処理の詳細について説明する。制御装置50は、図19に示すステップS070Dの処理を実行する際、図21に示すステップSD310へ処理を進める。なお図21に示す処理では、図6に示す第1の実施の形態のステップSD020を省略している。
ステップSD310にて制御装置50は、第1吸気量Yが制御用目標吸気量GSに近づくようにスロットル弁の開度を制御し、ステップSD320へ処理を進める。例えば制御装置50は、フィードフォワード制御にてスロットル弁の開度を制御する。
ステップSD320にて制御装置50は、第1吸気量Yが制御用目標吸気量GSに近づくようにEGR弁の開度を制御し、図21に示す処理を終了し、図19のステップS090Dへ処理を戻す。例えば制御装置50は、PID制御によるフィードバック制御にてEGR弁の開度を制御する。
●[目標過給圧の処理(SE300)(図22)]
次に図22を用いて、図19に示すフローチャートのステップS090Dの処理の詳細について説明する。制御装置50は、図19に示すステップS090Dの処理を実行する際、図22に示すステップSE335へ処理を進める。
ステップSE335にて制御装置50は、|過給圧Pにおける第3変動判定期間に対する変動量|が第3変動判定閾値未満であるか否かを判定する。なお、第3変動判定期間や第3変動判定閾値は、実際の車両を用いた実験やシミュレーション等にて求められた適切な値が設定されている。制御装置50は、|過給圧Pの変動量|が第3変動判定閾値未満である場合(Yes)はステップSE340へ処理を進め、|過給圧Pの変動量|が第3変動判定閾値以上である場合(No)はステップSE360へ処理を進める。
ステップSE340へ処理を進めた場合、制御装置50は、過給圧安定判定カウンタを1つカウントダウンしてステップSE345へ処理を進める。なお過給圧安定判定カウンタは、下限(最小値)=0、上限(最大値)=過給圧判定時間(予め設定した時間に相当する値)であり、ステップSE360、図16に示すステップSY310(制御装置50の電源投入時に実行)、にて過給圧判定時間(制御用目標過給圧の更新待機時間)に初期化され、図30に示すように制御用目標過給圧PSを更新するタイミングを制御するカウンタである。
ステップSE345にて制御装置50は、過給圧安定判定カウンタが0(ゼロ)であるか否を判定する。制御装置50は、過給圧安定判定カウンタが0(ゼロ)である場合(Yes)はステップSE350へ処理を進め、過給圧安定判定カウンタが0(ゼロ)でない場合(No)はステップSE370へ処理を進める。
ステップSE350へ処理を進めた場合、制御装置50は、|過給圧P-目標過給圧PT|が過給圧一致判定閾値未満であるか否かを判定する。なお、過給圧一致判定閾値は、実際の車両を用いた実験やシミュレーション等にて求められた適切な値が設定されている。制御装置50は、|過給圧P-目標過給圧PT|が過給圧一致判定閾値未満である場合(Yes)は図22に示す処理を終了し、|過給圧P-目標過給圧PT|が過給圧一致判定閾値以上である場合(No)はステップSE355へ処理を進める。なおステップSE350にてYesと判定して処理を終了した場合、ステップSE370を実行しないが、制御装置50は、過給圧調整アクチュエータに対して、現在の制御状態を維持する。
ステップSE355にて制御装置50は、[制御用目標過給圧PSを更新](SF300)を実行し、ステップSE360へ処理を進める。なお[制御用目標過給圧PSを更新](SF300)の処理の詳細については後述する。
ステップSE360へ処理を進めた場合、制御装置50は、過給圧安定判定カウンタへ過給圧判定時間を設定して(初期化して)、ステップSE370へ処理を進める。
ステップSE370へ処理を進めた場合、制御装置50は、[過給圧調整アクチュエータを制御](SG300)を実行し、図22に示す処理を終了し、図19に示すステップS090Dの下へ処理を戻し、図19に示す処理を終了する。なお[過給圧調整アクチュエータを制御](SG300)の処理の詳細については後述する。
●[制御用目標過給圧PSを更新(SF300)(図23、図28)]
次に図23を用いて、図22に示すフローチャートのステップSE355の処理の詳細について説明する。制御装置50は、図22に示すステップSE355の処理を実行する際、図23に示すステップSF310へ処理を進める。
ステップSF310にて制御装置50は、過給圧Pと目標過給圧PT(図19のステップS020Dにて求めた目標過給圧PT)との過給圧偏差ΔPを算出(過給圧偏差ΔP=目標過給圧PT-過給圧P)して、ステップSF315へ処理を進める。
ステップSF315にて制御装置50は、制御用目標過給圧PS(図19のステップS025Dにて求めた制御用目標過給圧PS)+過給圧偏差ΔPを制御用目標過給圧PSに代入(コピー)して制御用目標過給圧PSを更新し、ステップSF320へ処理を進める。
ステップSF320にて制御装置50は、更新した制御用目標過給圧PSに基づいて、制御用目標過給圧PSに関連する制御用目標過給圧PSnmを更新して記憶する。例えば図28の例に示す制御用目標過給圧PSABを上記のように更新した場合、制御用目標過給圧PS11を制御用目標過給圧PS11+ΔPに更新し、制御用目標過給圧PS12を制御用目標過給圧PS12+ΔPに更新し、制御用目標過給圧PS21を制御用目標過給圧PS21+ΔPに更新し、制御用目標過給圧PS22を制御用目標過給圧PS22+ΔPに更新する。そして制御装置50は、図23に示す処理を終了し、図22のステップSE360へ処理を戻す。
●[過給圧調整アクチュエータを制御(SG300)(図24)]
次に図24を用いて、図22に示すフローチャートのステップSE370の処理の詳細について説明する。制御装置50は、図22に示すステップSE370の処理を実行する際、図24に示すステップSG310へ処理を進める。
ステップSG310にて制御装置50は、制御用目標過給圧PSと、内燃機関の運転状態と、目標可変ノズル閉度特性とに基づいて、目標可変ノズル閉度を算出し、ステップSG315へ処理を進める。なお、記憶装置53には、図29の例に示す目標可変ノズル閉度特性が記憶されている。図29の例に示す目標可変ノズル閉度特性は、エンジン回転数(N1、N2・・)と、制御用目標過給圧PS(P1、P2・・)に応じた目標可変ノズル閉度(V11、V12・・)が設定されており、実際の車両を用いた実験やシミュレーションによって設定されている。
ステップSG315にて制御装置50は、例えば目標可変ノズル閉度と実際の可変ノズル閉度との偏差等に応じたフィードバック量を求め、目標可変ノズル閉度に近づくように可変ノズルの閉度(開度)をフィードバック制御する。そして制御装置50は、図24に示す処理を終了し、図22に示すステップSE370の処理の下へ処理を戻し、図22に示す処理を終了し、図19に示すステップS090Dの処理の下へ処理を戻し、図19に示す処理を終了する。
●[過給圧安定判定カウンタの初期化処理(SY300)(図25)]
次に図25を用いて、制御装置50に電源が投入された際(制御装置50がOFF状態からON状態に遷移した際)の過給圧安定判定カウンタの初期化処理について説明する。制御装置50は、電源が投入された際、図25に示すステップSY310へ処理を進める。
ステップSY310にて制御装置50は、過給圧安定判定カウンタへ過給圧判定時間を設定して(初期化して)、図25に示す処理を終了する。
●[過給圧P、目標過給圧PT、制御用目標過給圧PSの動作例(図30)]
図30は、実際の過給圧の変動に応じた、過給圧P(過給圧取得装置24Cを用いて検出した過給圧)、目標過給圧PT、制御用目標過給圧PSの動作の例を示している。なお、説明を容易にするために、過給圧の変動の無い場合における過給圧Pと制御用目標過給圧PSとの差を、実際よりも非常に大きな差にして記載している。
時刻Z31よりも前では、目標過給圧PT=制御用目標過給圧PS=過給圧P=PAの状態を示している。また制御装置は、制御用目標過給圧PSと運転状態に基づいた目標可変ノズル閉度(図29参照)に近づくように過給圧調整アクチュエータ(この場合、可変ノズル)を制御している。なお時刻Z31よりも前では、制御用目標過給圧PS=目標過給圧PTに初期化されているものとする。
時刻Z31の直後では、内燃機関の運転状態が変化して、目標過給圧PTがPAからPBへと上昇している。また制御用目標過給圧PSは、まだ更新されていないので、制御用目標過給圧PS=目標過給圧PTである。過給圧Pは比較的応答性が高いので、過給圧調整アクチュエータ(可変ノズル)の制御に応じて、比較的速く制御用目標過給圧PSに近づいていく。
時刻Z32では、図示省略しているが過給圧調整アクチュエータである可変ノズルの開度(閉度)が目標可変ノズル閉度に達したので、過給圧Pの上昇が止まっている。その後の過給圧Pは、時刻Z32から時刻Z33までほぼ一定の過給圧が維持されており、過給圧安定判定カウンタは時刻Z32からカウントダウンが開始されている。なお時刻Z32から時刻Z33の期間では、目標過給圧PTと過給圧Pとがほぼ一致する状態が好ましいが、図30の例では、ΔP1の差が発生している。なお過給圧Pの誤差(真の過給圧との誤差)は、運転状態の変動量に応じた線形的な誤差ではなく、非線形的な誤差である場合が多い。このため、時刻Z31での運転状態における過給圧Pの誤差に基づいた目標過給圧PTと過給圧Pとの偏差ΔPAと、時刻Z32での運転状態における過給圧Pの誤差に基づいた目標過給圧PTと過給圧Pとの偏差ΔP1との関係は、線形でない場合が多い。
時刻Z33では、過給圧安定判定カウンタが0になったので、制御装置は、ΔP1(ΔP1=目標過給圧PT-過給圧P)を、制御用目標過給圧PSに加算して制御用目標過給圧PSを更新する。この場合、ΔP1は正の値であるので、制御用目標過給圧PSは大きくなる側へ更新される。そして制御装置は、制御用目標過給圧PSを更新したことで目標可変ノズル閉度(図29参照)を更新し、更新した目標可変ノズル閉度に近づくように可変ノズルの閉度を制御する。その結果、時刻Z33から時刻Z34では、過給圧Pが目標過給圧PTへと近づいていく。
時刻Z34では、図示省略しているが過給圧調整アクチュエータである可変ノズルの開度(閉度)が目標可変ノズル閉度に達したので、過給圧Pの上昇が止まっている。その後の過給圧Pは、時刻Z34から時刻Z35までほぼ一定の過給圧が維持されており、過給圧安定判定カウンタは時刻Z34からカウントダウンが開始されている。なお時刻Z34から時刻Z35の期間では、目標過給圧PTと過給圧Pとがほぼ一致する状態が好ましいが、図30の例では、ΔP2の差が発生している。
時刻Z35では、過給圧安定判定カウンタが0になったので、制御装置は、ΔP2(ΔP2=目標過給圧PT-過給圧P)を、制御用目標過給圧PSに加算して制御用目標過給圧PSを更新する。この場合、ΔP2は負の値であるので、制御用目標過給圧PSは小さくなる側へ更新される。そして時刻Z35の後、制御用目標過給圧PSの更新に伴って目標可変ノズル閉度も更新され、更新された目標可変ノズル閉度に近づくように可変ノズルの閉度が制御される。その結果、時刻Z35から時刻Z36にて過給圧Pは目標過給圧PTに近づいていく。
時刻Z37の直後では、内燃機関の運転状態が変化して、目標過給圧PTがPBからPCへと上昇しているが、動作については上記と同様であるので説明を省略する。
以上、第3の実施の形態では、運転状態の変化に対して過給圧Pの誤差が非線形的な誤差であっても、運転状態に応じた制御用目標過給圧PSを補正(更新)するので、運転状態に応じた誤差が非線形的な誤差であっても誤差を適切に低減し、より安定した過給圧調整アクチュエータの制御を実現することができる。なお、第1吸気量Y、第2吸気量X、目標吸気量GT、制御用目標吸気量GSの動作波形の例については第1の実施の形態と同様であるので省略する。
●●[第4の実施の形態(図31~図37)]
次に図31~図37を用いて、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態では、図2に示すように、第3の実施の形態に対して、吸気量偏差学習値ΔHGを有し、この吸気量偏差学習値ΔHGと目標吸気量GTから制御用目標吸気量GSを算出する点と、吸気量調整アクチュエータの制御方法が相違している。また、第4の実施の形態では、図2に示すように、第3の実施の形態に対して、過給圧偏差学習値ΔHPも有する点も相違している。以下、第3の実施の形態との相違点を主に説明する。
●[制御装置50の処理手順(図31~図35)]
図31に示す第4の実施の形態の[全体処理]は、図19に示す第3の実施の形態の[全体処理]に対して、太枠で囲ったステップS010E、S025E、S055E、S070E、S090Eが変更され、太枠で囲ったステップS065Eが追加されている点が相違している。以下、これらの相違点について主に説明する。制御装置50は、所定時間間隔(数[ms]~数10[ms]間隔)にて、図31に示す[全体処理]を起動し、ステップS010Eに処理を進める。
ステップS010Eにて制御装置50は、[吸気量偏差学習値ΔHG、過給圧偏差学習値ΔHPの初期化処理](SA400)を実行し、ステップS015へ処理を進める。なお[吸気量偏差学習値ΔHG、過給圧偏差学習値ΔHPの初期化処理](SA400)の処理の詳細については後述する。
ステップS025Eにて制御装置50は、吸気量偏差学習値ΔHG、過給圧偏差学習値ΔHPを設定し、ステップS030へ処理を進める。なお吸気量偏差学習値ΔHGの設定については第2の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
次に過給圧偏差学習値ΔHPの設定について説明する。目標過給圧PTは、第3の実施の形態と同じく、図26に示すように、エンジン回転数(N1、N2・・)と、燃料噴射量(Q1、Q2・・)に応じて固定の値(PT11、PT12・・)が設定されている。過給圧偏差学習値ΔHPは、目標過給圧PTと同様、図36に示すように、エンジン回転数(N1、N2・・)と、燃料噴射量(Q1、Q2・・)に応じた過給圧偏差学習値ΔHP11、ΔHP12・・が設定されているが、これら過給圧偏差学習値ΔHP11、ΔHP12・・は固定の値でなく可変の値であり、例えば不揮発性メモリに設定されている。また図36に示す例では、過給圧偏差学習値ΔHPは、エンジン回転数と燃料噴射量、さらに冷却水温度に応じて設定されている。また過給圧偏差学習値ΔHPnm(n、mは整数)の初期値は、ステップS010Eにて0(ゼロ)とされている。
例えば過給圧偏差学習値ΔHPが図36の例に示すように割り付けられている場合、制御装置50は、(エンジン回転数NA、燃料噴射量QB、冷却水温度T1)の場合の過給圧偏差学習値ΔHPの値を、図37の例に示すように、ΔHPAB(エンジン回転数NA、燃料噴射量QB、冷却水温度T1)の位置を囲む過給圧偏差学習値ΔHP11(N1、Q1)、ΔHP12(N1、Q2)、ΔHP21(N2、Q1)、ΔHP22(N2、Q2)の値を用いてマップ補間して求める。なお制御装置50は、目標過給圧PTも、同様にしてマップ補間して求める。
ステップS045にて制御装置50は、安定判定カウンタが0(ゼロ)であるか否を判定する。制御装置50は、安定判定カウンタが0(ゼロ)である場合(Yes)はステップS050へ処理を進め、安定判定カウンタが0(ゼロ)でない場合(No)はステップS065Eへ処理を進める。
ステップS055Eにて制御装置50は、[吸気量偏差学習値ΔHGを更新](SB200)を実行し、ステップS060へ処理を進める。なお[吸気量偏差学習値ΔHGを更新](SB200)は、第2の実施の形態の図14と同様であるので説明を省略する。
ステップS060へ処理を進めた場合、制御装置50は、安定判定カウンタへ判定時間を設定して(初期化して)、ステップS065Eへ処理を進める。
ステップS065Eへ処理を進めた場合、第2の実施の形態の図12のステップS065Bと同様、制御装置50は、ステップS020Dにて求めた目標吸気量GTと、ステップS025Eにて求めた吸気量偏差学習値ΔHG(またはステップS055Eにて更新した吸気量偏差学習値ΔHG)とを加算して制御用目標吸気量GSを求める。つまり第4の実施の形態では、制御用目標吸気量GSは図9のように複数の制御用目標吸気量GSnmからマップ補間されるのではなく、単数の制御用目標吸気量GSが算出によって求められる。
ステップS070Eへ処理を進めた場合、制御装置50は、[吸気量調整アクチュエータを制御](SD400)を実行し、ステップS090Eへ処理を進める。なお[吸気量調整アクチュエータを制御](SD400)の処理の詳細については後述する。
ステップS090Eへ処理を進めた場合、制御装置50は、[目標過給圧の処理](SE400)を実行し、図31に示す処理を終了する。なお[目標過給圧の処理](SE400)の処理の詳細については後述する。
●[吸気量偏差学習値ΔHG、過給圧偏差学習値ΔHPの初期化処理(SA400)(図32)]
次に図32を用いて、図31に示すフローチャートのステップS010Eの処理の詳細について説明する。制御装置50は、図31に示すステップS010Eの処理を実行する際、図32に示すステップSA410へ処理を進める。
ステップSA410、SA415は、第2の実施の形態の図13のステップSA210、SA215と同様であるので説明を省略し、ステップSA420、SA425について説明する。
ステップSA420にて制御装置50は、過給圧偏差学習値ΔHPの初期化が必要であるか否かを判定する。例えば過給圧偏差学習値ΔHPは、不揮発性メモリに割り付けられており、制御装置50は、不揮発性メモリへの電源供給が遮断された形跡があった場合、初期化が必要である、と判定する。制御装置50は、初期化が必要であると判定した場合(Yes)はステップSA425へ処理を進め、初期化が必要ではないと判定した場合(No)は図32に示す処理を終了し、図31のステップS015へ処理を戻す。
ステップSA425へ処理を進めた場合、制御装置50は、過給圧偏差学習値ΔHP、及び、関連する吸気量偏差学習値を初期化して図32に示す処理を終了し、図31のステップS015へ処理を戻す。なお、目標過給圧PTnmは図26の例に示すとおりであり、過給圧偏差学習値ΔHPnmは図36の例に示すとおりである。図36の例では、過給圧偏差学習値ΔHPnmは運転状態に応じて設定されており、図26の例に示す目標過給圧PTnmに対応するように回転数、噴射量に対応付けられているとともに冷却水温度にも対応付けられている。また初期化の際、制御装置50は、図36の例に示す過給圧偏差学習値ΔHPnmを0(ゼロ)に設定する。
●[吸気量調整アクチュエータを制御(SD400)(図33)]
次に図33を用いて、図31に示すフローチャートのステップS070Eの処理の詳細について説明する。制御装置50は、図31に示すステップS070Eの処理を実行する際、図33に示すステップSD410へ処理を進める。
ステップSD410にて制御装置50は、制御用目標吸気量GSと、内燃機関の運転状態と、目標EGR弁開度特性とに基づいて、目標EGR弁開度を算出し、ステップSD415へ処理を進める。なお、記憶装置53には、第2の実施の形態にて説明した図18の例に示す目標EGR弁開度特性が記憶されている。
ステップSD415にて制御装置50は、例えば目標EGR弁開度と実際のEGR弁開度との偏差等に応じたフィードバック量を求め、目標EGR弁開度に近づくようにEGR弁の開度をフィードバック制御し、ステップSD420へ処理を進める。
ステップSD420にて制御装置50は、制御用目標吸気量GSと、内燃機関の運転状態と、目標スロットル弁開度特性とに基づいて、目標スロットル弁開度を算出し、ステップSD425へ処理を進める。なお、記憶装置53には、第2の実施の形態にて説明した図18の例に示す目標スロットル弁開度特性が記憶されている。
ステップSD425にて制御装置50は、例えば目標スロットル弁開度と実際のスロットル弁開度との偏差等に応じたフィードバック量を求め、目標スロットル弁開度に近づくようにスロットル弁の開度をフィードバック制御し、図33に示す処理を終了し、図31のステップS090Eへ処理を戻す。
●[目標過給圧の処理(SE400)(図34)]
次に図34を用いて、図31に示すフローチャートのステップS090Eの処理の詳細について説明する。図34に示す第4の実施の形態の[目標過給圧の処理]は、図22に示す第3の実施の形態の[目標過給圧の処理]に対して、太枠で囲ったステップSE355Eが変更され、太枠で囲ったステップSE365Eが追加されている点が相違している。以下、これらの相違点について主に説明する。制御装置50は、図31に示すステップS090Eの処理を実行する際、図34に示すステップSE335へ処理を進める。
ステップSE335、SE340は図22に示す第3の実施の形態と同じであるので説明を省略する。
ステップSE345にて制御装置50は、過給圧安定判定カウンタが0(ゼロ)であるか否を判定する。制御装置50は、過給圧安定判定カウンタが0(ゼロ)である場合(Yes)はステップSE350へ処理を進め、過給圧安定判定カウンタが0(ゼロ)でない場合(No)はステップSE365Eへ処理を進める。
ステップSE355Eにて制御装置50は、[過給圧偏差学習値ΔHPを更新](SF400)を実行し、ステップSE360へ処理を進める。なお[過給圧偏差学習値ΔHPを更新](SF400)の処理の詳細については後述する。
ステップSE365Eへ処理を進めた場合、制御装置50は、図31のステップS020Dにて求めた目標過給圧PTと、図31のステップS025Eにて求めた過給圧偏差学習値ΔHP(または図34のステップSE355Eにて更新した過給圧偏差学習値ΔHP)とを加算して制御用目標過給圧PSを求める。つまり第4の実施の形態では、制御用目標過給圧PSは図27のように複数の制御用目標過給圧PSnmからマップ補間されるのではなく、単数の制御用目標過給圧PSが算出によって求められる。
●[過給圧偏差学習値ΔHPを更新(SF400)(図35)]
次に図35を用いて、図34に示すフローチャートのステップSE355Eの処理の詳細について説明する。制御装置50は、図34に示すステップSE355Eの処理を実行する際、図35に示すステップSF410へ処理を進める。
ステップSF410にて制御装置50は、過給圧Pと目標過給圧PT(図31のステップS020Dにて求めた目標過給圧PT)との過給圧偏差ΔPを算出(過給圧偏差ΔP=目標過給圧PT-過給圧P)して、ステップSF415へ処理を進める。
ステップSF415にて制御装置50は、過給圧偏差学習値ΔHP(図31のステップS025Eにて求めた過給圧偏差学習値ΔHP)+過給圧偏差ΔPを過給圧偏差学習値ΔHPに代入(コピー)して過給圧偏差学習値ΔHPを更新し、ステップSF420へ処理を進める。
ステップSF420にて制御装置50は、過給圧偏差ΔPと運転状態(この場合、回転数、噴射量、冷却水温度)に基づいて、過給圧偏差学習値ΔHPに関連する過給圧偏差学習値ΔHPnm(図37参照)を更新して記憶する。例えば図37の例に示す過給圧偏差学習値ΔHPABを上記のように更新した場合、過給圧偏差学習値ΔHP11を過給圧偏差学習値ΔHP11+ΔPに更新し、過給圧偏差学習値ΔHP12を過給圧偏差学習値ΔHP12+ΔPに更新し、過給圧偏差学習値ΔHP21を過給圧偏差学習値ΔHP21+ΔPに更新し、過給圧偏差学習値ΔHP22を過給圧偏差学習値ΔHP22+ΔPに更新する。そして制御装置50は、図35に示す処理を終了し、図34のステップSE360へ処理を戻す。
以上、第4の実施の形態では、運転状態の変化に対して過給圧Pの誤差が非線形的な誤差であっても、運転状態に応じた過給圧偏差学習値ΔHPを補正(更新)し、運転状態に応じた制御用目標過給圧PSを補正(更新)する。これにより、運転状態に応じた誤差が非線形的な誤差であっても誤差を適切に低減し、より安定した過給圧調整アクチュエータの制御を実現することができる。なお、過給圧P、目標過給圧PT、制御用目標過給圧PSの動作波形の例については第3の実施の形態と同様であるので省略する。また、第1吸気量Y、第2吸気量X、目標吸気量GT、制御用目標吸気量GSの動作波形の例については第1の実施の形態と同様であるので省略する。
●●[第5の実施の形態(図38~図39)]
次に図38~図39を用いて、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態では、図2に示すように、第3の実施の形態に対して、過給圧調整アクチュエータの制御方法が相違しており、過給圧Pが目標過給圧PTに近づくように制御しており、制御用目標過給圧PSが省略されている点が相違している。吸気量については第1吸気量と第2吸気量の2通りの吸気量があり、精度の高い第2吸気量と目標吸気量との偏差に応じて制御用目標吸気量を補正している。しかし、過給圧は1通りのみであり、過給圧が目標過給圧に近づくように制御するので、過給圧と目標過給圧との偏差はほとんど発生せず、制御用目標過給圧を補正できないので、制御用目標過給圧を省略している。以下、第3の実施の形態との相違点を主に説明する。
●[制御装置50の処理手順(図38)]
図38に示す第5の実施の形態の[全体処理]は、図19に示す第3の実施の形態の[全体処理]に対して、太枠で囲ったステップS010F、S025Fが変更されている点と、ステップS090Dの目標過給圧の処理が省略され、ステップS090Fに変更されている点が相違している。以下、これらの相違点について主に説明する。制御装置50は、所定時間間隔(数[ms]~数10[ms]間隔)にて、図38に示す[全体処理]を起動し、ステップS010Fに処理を進める。
ステップS010Fにて制御装置50は、[制御用目標吸気量GSの初期化処理](SA000)を実行し、ステップS015へ処理を進める。なお[制御用目標吸気量GSの初期化処理](SA000)の詳細は、第1の実施の形態の図4と同じであるので、説明は省略する。
ステップS025Fにて制御装置50は、制御用目標吸気量GSを設定し、ステップS030へ処理を進める。なお、目標吸気量GTの設定については、第1の実施の形態と同じであるので説明を省略する。
ステップS090Fにて制御装置50は、過給圧Pが目標過給圧PTに近づくように可変ノズルの閉度を制御し、図38に示す処理を終了する。例えば制御装置50は、PID制御によるフィードバック制御にて可変ノズルの閉度を制御する。
●[過給圧P、目標過給圧PTの動作例(図39)]
図39は、実際の過給圧の変動に応じた、過給圧P(過給圧取得装置24Cを用いて検出した過給圧)、目標過給圧PTの動作の例を示している。
時刻Z51よりも前では、目標過給圧PT=過給圧P=PAの状態を示している。また制御装置は、過給圧Pが目標過給圧PTに近づくように過給圧調整アクチュエータ(この場合、可変ノズル)を制御している。
時刻Z51の直後では、内燃機関の運転状態が変化して、目標過給圧PTがPAからPBへと上昇している。過給圧Pは比較的応答性が高いので、過給圧調整アクチュエータ(可変ノズル)の制御に応じて、比較的速く目標過給圧PTに近づいていく。
時刻Z52では、過給圧Pが目標過給圧PTとほぼ一致したので、過給圧Pの上昇が止まっている。その後の過給圧Pは、時刻Z52から時刻Z53までほぼ一定の過給圧が維持されている。
時刻Z53の直後では、内燃機関の運転状態が変化して、目標過給圧PTがPBからPCへと上昇している。過給圧Pは比較的応答性が高いので、過給圧調整アクチュエータ(可変ノズル)の制御に応じて、比較的速く目標過給圧PTに近づいていく。
時刻Z54では、過給圧Pが目標過給圧PTとほぼ一致したので、過給圧Pの上昇が止まっている。その後の過給圧Pは、時刻Z54以降でほぼ一定の過給圧が維持されている。
以上、第5の実施の形態では、第3の実施の形態に対して、過給圧調整アクチュエータの制御が簡素化される。
以上、第1~第5の実施の形態では、内燃機関の運転状態に応じた目標吸気量GTに近づくように吸気量調整アクチュエータを制御して吸気量を制御するとともに、目標吸気量と第2吸気量との偏差に応じて、運転状態に応じた目標吸気量に対する誤差を適切に低減し、より安定した吸気量調整アクチュエータの制御を実現することができる。
なお、第1の実施の形態(図3)及び第2の実施の形態(図12)のステップS015、S020、第3の実施の形態(図19)及び第4の実施の形態(図31)及び第5の実施の形態(図38)のステップS015、S020D、の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、内燃機関の運転状態を検出し、検出した運転状態に応じた目標吸気量を求める、目標吸気量設定部51A(図1参照)に相当している。
また、第1の実施の形態(図3)のステップS030~S055、第2の実施の形態(図12)のステップS030~S065B、第3の実施の形態(図19)のステップS030~S055、第4の実施の形態(図31)のステップS030~S065E、第5の実施の形態(図38)のステップS030~S055、の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、運転状態に応じた目標吸気量と第2吸気量との偏差に基づいて、運転状態に応じた目標吸気量に基づいて設定された制御用目標吸気量を更新する、制御用目標吸気量設定部51B(図1参照)に相当している。
また、第1の実施の形態(図3)のステップS070、第2の実施の形態(図12)のステップS070B、第3の実施の形態(図19)のステップS070D、第4の実施の形態(図31)のステップS070E、第5の実施の形態(図38)のステップS070D、の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、制御用目標吸気量と、運転状態とに基づいて吸気量調整アクチュエータを制御する、吸気量調整部51Cに相当している。
また、第3の実施の形態(図19)のステップS015、S020D、第4の実施の形態(図31)のステップS015、S020D、第5の実施の形態(図38)のステップS015、S020D、の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、内燃機関の運転状態に応じた目標過給圧を求める、目標過給圧設定部51D(図1参照)に相当している。
また、第3の実施の形態(図22)のステップSE335~SE355、第4の実施の形態(図34)のステップSE335~SE365E、の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、内燃機関の運転状態に応じた目標過給圧と、過給圧取得装置を用いて取得した過給圧との偏差に基づいて、運転状態に応じた目標過給圧に基づいて設定された制御用目標過給圧を更新する、制御用目標過給圧設定部51E(図1参照)に相当している。
また、第3の実施の形態(図22)のステップSE370、第4の実施の形態(図34)のステップSE370、の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、制御用目標過給圧と、運転状態とに基づいて過給圧調整アクチュエータを制御する、過給圧調整部51F(図1参照)に相当している。
また、第5の実施の形態(図38)のステップS090F、の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、過給圧が目標過給圧に近づくように過給圧調整アクチュエータを制御する、過給圧調整部51F(図1参照)に相当している。
第3~第5の実施の形態では、例えば吸気量が目標吸気量よりも少ない場合、スロットル弁(吸気量調整アクチュエータ)の開度を増量させ、EGR弁(吸気量調整アクチュエータ)の開度を減量して目標吸気量に追従するように吸気量を増やす。この結果、過給圧が上昇するので、可変ノズル(過給圧調整アクチュエータ)の閉度を適切に調整して目標過給圧に追従させる。また例えば過給圧が目標過給圧よりも低い場合、可変ノズル(過給圧調整アクチュエータ)の閉度を増量して目標過給圧に追従するように過給圧を上昇させるとともに、スロットル弁(吸気量調整アクチュエータ)の開度を減量させ、EGR弁(吸気量調整アクチュエータ)の開度を増量して吸気量を調整する。
本発明の内燃機関システムの制御装置50は、本実施の形態で説明した構成、処理手順(フローチャート)等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
また、第2の実施の形態、第4の実施の形態では、内燃機関の運転状態に応じた吸気量偏差学習値ΔHGを、内燃機関の回転数、負荷(燃料噴射量)、冷却水温度、外気温度(吸気温度)、大気圧、に応じて設定した例(図16参照)を説明したが、吸気量偏差学習値ΔHGは、これらの少なくとも1つに応じて設定されていればよい。
また、第4の実施の形態では、内燃機関の運転状態に応じた過給圧偏差学習値ΔHPを、内燃機関の回転数、負荷(燃料噴射量)、冷却水温度、外気温度(吸気温度)、大気圧、に応じて設定した例(図36参照)を説明したが、過給圧偏差学習値ΔHPは、これらの少なくとも1つに応じて設定されていればよい。
また、第2、第4の実施の形態では、吸気量偏差学習値ΔHGnmに関して、冷却水温度毎にマップを作成した例を示したが、冷却水温度以外に、外気温度や大気圧を指標としたマップで構成してもよい。更にこれらの指標を複数組み合わせたマップで構成してもよい。
また、第4の実施の形態では、過給圧偏差学習値ΔHPnmに関して、冷却水温度毎にマップを作成した例を示したが、冷却水温度以外に、外気温度や大気圧を指標としたマップで構成してもよい。更にこれらの指標を複数組み合わせたマップで構成してもよい。
また、第1の実施の形態の吸気量調整アクチュエータの制御(図6参照)の代わりに、第2の実施の形態の吸気量調整アクチュエータの制御(図15参照)としてもよいし、第2の実施の形態の吸気量調整アクチュエータの制御の代わりに、第1の実施の形態の吸気量調整アクチュエータの制御としてもよい。
また、第1、第3、第5の実施の形態では、制御用目標吸気量GSを更新する際、第2吸気量における第1変動判定期間に対する変動量が第1変動判定閾値未満である場合(ステップS035にて判定)に更新する例を説明したが、この判定を省略してもよい。
また、第2、第4の実施の形態では、吸気量偏差学習値ΔHGを更新する際(「制御用目標吸気量GSを更新する際」にも相当する)、第2吸気量における第1変動判定期間に対する変動量が第1変動判定閾値未満である場合(ステップS035にて判定)に更新する例を説明したが、この判定を省略してもよい。
また、第3の実施の形態では、制御用目標過給圧PSを更新する際、過給圧における第3変動判定期間に対する変動量が第3変動判定閾値未満である場合(ステップSE335にて判定)に更新する例を説明したが、この判定を省略してもよい。
また、第4の実施の形態では、過給圧偏差学習値ΔHPを更新する際(「制御用目標過給圧PSを更新する際」にも相当する)、過給圧における第3変動判定期間に対する変動量が第3変動判定閾値未満である場合(ステップSE335にて判定)に更新する例を説明したが、この判定を省略してもよい。
また、第1、第3、第5の実施の形態では、制御用目標吸気量GSの更新を禁止する際、第1吸気量における第2変動判定期間に対する変動量が第2変動判定閾値以上である場合(ステップS030にて判定)に更新を禁止する例を説明したが、この判定を省略してもよい。
また、第2、第4の実施の形態では、吸気量偏差学習値ΔHGの更新を禁止する際(「制御用目標吸気量GSの更新を禁止する際」にも相当する)、第1吸気量における第2変動判定期間に対する変動量が第2変動判定閾値以上である場合(ステップS030にて判定)に更新を禁止する例を説明したが、この判定を省略してもよい。
また、第1、第3、第5の実施の形態では、制御用目標吸気量GSを更新した際、更新待機時間(判定時間)が経過するまで、次の更新を禁止したが、これを省略してもよい。また、第2、第4の実施の形態では、吸気量偏差学習値ΔHGを更新した際、更新待機時間(判定時間)が経過するまで、次の更新を禁止したが、これを省略してもよい。
また、第3の実施の形態では、制御用目標過給圧PSを更新した際、更新待機時間(過給圧判定時間)が経過するまで、次の更新を禁止したが、これを省略してもよい。また、第4の実施の形態では、過給圧偏差学習値ΔHPを更新した際、更新待機時間(過給圧判定時間)が経過するまで、次の更新を禁止したが、これを省略してもよい。
第1~第5の実施の形態の説明では、吸気量検出装置21を用いて取得した吸気量は、燃料量取得装置50Aを用いて取得した燃料量と空燃比検出装置29AFを用いて検出した空燃比とに基づいて算出して取得した吸気量と比較して、応答性(追従性)は勝るが精度はやや劣る、ことを前提としている。従って、吸気量検出装置21を第1吸気量取得装置20Aに設定し、吸気量検出装置21を用いて取得した吸気量を第1吸気量Yとした。また、燃料量取得装置50Aと空燃比検出装置29AFを第2吸気量取得装置20Bに設定し、燃料量取得装置50Aと空燃比検出装置29AFを用いて取得した吸気量を第2吸気量Xとした。しかし、吸気量検出装置21を用いて取得した吸気量が、燃料量取得装置50Aと空燃比検出装置29AFを用いて取得した吸気量と比較して、応答性(追従性)はやや劣るが精度は勝る場合では、吸気量検出装置21を第2吸気量取得装置20Bに設定し、吸気量検出装置21を用いて取得した吸気量を第2吸気量Xとして、燃料量取得装置50Aと空燃比検出装置29AFを第1吸気量取得装置20Aに設定し、燃料量取得装置50Aと空燃比検出装置29AFを用いて取得した吸気量を第1吸気量Yとしてもよい。
第1~第5の実施の形態の説明では、フローチャートにて示す処理と燃料量取得装置50Aを、制御装置50にて実行する例を説明したが、これらの一部または全部を、制御装置50とは別体とされた、フローチャートにて示した一部または全部の動作をする制御モデルを搭載したコンピュータ装置にて実行するようにしてもよい。
また本実施の形態の説明では、吸気量調整アクチュエータ、過給圧調整アクチュエータの制御を、PID制御にてフィードバック制御、フィードフォワード制御、にて制御する例を説明したが、これらの制御に限定されるものではない。
また、ターボ過給機30に設けられた、可変ノズル33と、ノズル駆動装置31と、ノズル閉度検出装置32の代わりに、タービン36をバイパスする排気バイパス通路と、当該排気バイパス通路の閉度を調整するウエストゲートバルブと、を設けてもよい。この場合、ウエストゲートバルブは、第1、第2の実施の形態では吸気量調整アクチュエータに相当し、第3~第5の実施の形態では過給圧調整アクチュエータに相当する。
また第5の実施の形態は、第3の実施の形態に対して過給圧調整アクチュエータ(可変ノズル)の制御方法等を変更したが、第4の実施の形態に対して過給圧調整アクチュエータ(可変ノズル)の制御方法等を変更してもよい。
また、本発明の内燃機関の制御装置は、ディーゼルエンジンに限定されず、ガソリンエンジンにも適用することが可能である。
また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(より小さい)(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。