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JP7632196B2 - 内燃機関システムの制御装置 - Google Patents
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JP7632196B2 - 内燃機関システムの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、排気の一部を吸気に戻すEGRシステムと、過給機とを有する内燃機関システムの制御装置に関する。
従来より、車両に搭載された内燃機関からのNOx排出量を低減するシステムとしては、EGRシステムが代表的なシステムである。EGRシステムの構成要素の例としては、EGR配管と、EGRクーラと、バイパス配管と、調整弁と、EGR弁とがある。EGR配管は、排気経路から吸気経路へと接続されて排気の一部をEGRガスとして排気経路から吸気経路へと流す配管である。EGRクーラは、EGR配管に配置されてEGR配管内のEGRガスの温度を調整する(温度を下げる)。バイパス配管は、EGRクーラの上流側のEGR配管から分岐されてEGRクーラの下流側のEGR配管に接続されてEGRクーラをバイパスする配管である。調整弁は、EGR配管とバイパス配管との接続個所に設けられてEGRクーラを経由するEGRガス量とバイパス配管を経由するEGRガス量との割合を調整する。EGR弁は、EGR配管の開度を調整して排気経路から吸気経路へと戻されるEGRガスの流量を調整する。EGRシステムは、排気ガスの一部をEGRガスとして吸気に戻すことで、シリンダ内の吸気の酸素濃度を下げるとともに、水蒸気によって熱容量を増加させて燃焼ガス温度を低下させることでNOxの発生量を低減させる。
例えばEGR弁の開度は、シリンダの吸気量(新気吸気量+EGRガス量)に対するEGRガス量である実際のEGR率が、内燃機関の運転状態に応じて算出された目標EGR率に近づくようにフィードバック制御にて調整される。近年では、NOxの排出量をより低減させるために、より広い運転領域でEGRガス量を増加させる傾向にある(より広い運転領域で目標EGR率がより高い値に設定される傾向にある)。
アクセルペダルが大きく踏み込まれた急激な加速要求時にEGRを行っていると、EGRガスの流量分だけ新気吸気量が減った状態となる。このような加速時において、目標EGR率は運転状態に応じて瞬時に変更される。しかし、EGR弁の開度はフィードバック制御で追従しているので目標EGR率を瞬時に減量してもEGR弁の開度の変化が遅く、加速開始時においてEGR過多の状態を回避することは困難である。加速時にEGR過多の状態がある場合、新気吸気量に対して燃料噴射量過多となり、加速性の悪化やスモークが発生する可能性があるので好ましくない。
例えば特許文献1に記載のエンジンの排気還流装置では、アクセル開度の単位時間当たりの変化量(アクセル操作速度)が第1判定値以上の場合、エンジンに加速運転が要求されていると判定してEGR弁に全閉を指令している。また引用文献1のエンジンの排気還流装置では、アクセル開度の単位時間当たりの変化量に基づいた加速運転の要求がなくなり、かつ、アクセル開度が第2判定値以下の場合にEGR弁の全閉の指令を解除している。
特開2014-122613号公報
特許文献1に記載のエンジンの排気還流装置では、アクセルを急激に踏み込んだ(アクセル操作速度が大きい)加速要求の際、アクセル操作速度に基づいて速やかにEGR弁を全閉にしている。これにより、新気吸気量が不足する状態(EGR過多の状態)を回避し、加速性の悪化やスモークの発生を回避している。なお、EGR弁を全閉にしている期間では、加速性の悪化やスモークの発生を回避できるが、NOx発生量は増加している。引用文献1では、アクセル開度の単位時間当たりの変化量(アクセル操作速度)で、加速要求時においてEGR弁を全閉にするか否かを切り替えているが、車速が比較的低い場合では加速要求時に新気吸気量が不足しやすく、車速が比較的高い場合では加速要求時に新気吸気量が不足しない場合が多い。このため、新気吸気量が不足する加速要求であるか否かを適切に判定できない場合がある。つまり、引用文献1に記載のエンジンの排気還流装置では、加速要求時に、新気吸気量が不足しないにもかかわらずEGR弁を全閉にしてしまう場合があり、必要以上にNOx発生量を増加させてしまう場合がある点で好ましくない。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、運転者からの加速要求の際、新気吸気量が不足する加速要求であるか否かをより適切に判定することで、加速性の悪化やスモークの発生の抑制に加えて、さらにNOx発生量をより低減させることができる、内燃機関システムの制御装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の発明は、内燃機関システムの制御装置であって、前記内燃機関システムは、内燃機関と、前記内燃機関の排気の一部を前記内燃機関の吸気に戻すEGR量を調整するEGR弁と、前記内燃機関の吸気を過給する過給機と、前記内燃機関の運転状態を検出して前記運転状態に基づいて前記内燃機関を制御する前記制御装置と、を有している。そして前記制御装置は、運転者からの加速要求の入力を含む前記内燃機関の前記運転状態において過給に関連する過給関連量に基づいて、前記内燃機関の新気吸気量が不足しない加速要求であると判定した場合は新気補填加速要求が発生していないと判定し、前記新気吸気量が不足する加速要求であると判定した場合は前記新気補填加速要求が発生したと判定する、新気補填加速要求発生判定部と、前記過給関連量に基づいて、前記新気吸気量が不足する加速要求の後に前記新気吸気量が不足しない加速要求へ移行した後、加速要求が終了したか否かを判定する、新気補填加速要求終了判定部と、前記新気補填加速要求が発生したと判定してから加速要求が終了したと判定するまでの新気補填加速要求期間の間、前記EGR弁の開度を強制的に減量する新気補填加速要求時EGR減量部と、を有する。そして前記制御装置は、前記新気補填加速要求発生判定部にて前記過給関連量に基づいて前記新気吸気量が不足する加速要求であるか否かを判定する際、前記運転状態に基づいて算出した目標とするべき前記内燃機関の過給圧である目標過給圧から、実際の前記内燃機関の過給圧である実過給圧を減算した過給圧偏差を求め、時間に対する前記過給圧偏差の変動量であって今回の前記過給圧偏差から前回の前記過給圧偏差を減算した前記変動量が、新気補填加速要求判定閾値以上となった場合に前記新気吸気量が不足する加速要求である前記新気補填加速要求が発生したと判定する、内燃機関システムの制御装置である。
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る内燃機関システムの制御装置であって、前記制御装置は、前記新気補填加速要求発生判定部にて、前記運転状態に基づいて前記新気補填加速要求判定閾値を算出する、内燃機関システムの制御装置である。
次に、本発明の第3の発明は、上記第1の発明または第2の発明に係る内燃機関システムの制御装置であって、前記制御装置は、前記新気補填加速要求終了判定部にて加速要求が終了したか否かを判定する際、前記新気吸気量が不足する加速要求の後に前記新気吸気量が不足しない加速要求へ移行した後の加速要求の終了を判定するための過給圧である実現可能目標過給圧を、前記運転状態に応じた前記実現可能目標過給圧を設定したマップと前記運転状態に基づいて算出、または、前記運転状態の各パラメータを用いて算出し、実際の前記内燃機関の過給圧である実過給圧が前記実現可能目標過給圧以上となった場合に加速要求が終了したと判定する。あるいは、前記新気吸気量が不足する加速要求の後に前記新気吸気量が不足しない加速要求へ移行した後の加速要求の終了を判定するための過給圧である実現可能目標過給圧を、前記運転状態に応じた前記実現可能目標過給圧を設定したマップと前記運転状態に基づいて算出、または、前記運転状態の各パラメータを用いて算出し、過給圧を前記実現可能目標過給圧とするために前記過給機への投入が必要と予測される過給機駆動エネルギーであって前記新気吸気量が不足する加速要求の後に前記新気吸気量が不足しない加速要求へ移行した後の加速要求の終了を判定するための過給機駆動エネルギーである実現可能目標駆動エネルギーを、過給圧と前記運転状態に応じた前記過給機駆動エネルギーを設定したマップと前記実現可能目標過給圧と前記運転状態に基づいて算出、または、前記実現可能目標過給圧と前記運転状態の各パラメータを用いて算出し、実際に前記過給機に投入されている過給機駆動エネルギーである実駆動エネルギーであって前記運転状態の各パラメータを用いて算出した前記実駆動エネルギーが前記実現可能目標駆動エネルギー以上となった場合に加速要求が終了したと判定する、内燃機関システムの制御装置である。
次に、本発明の第4の発明は、上記第1の発明~第3の発明のいずれか1つに係る内燃機関システムの制御装置であって、前記制御装置は、前記新気補填加速要求時EGR減量部にて、前記新気補填加速要求期間において前記新気吸気量が不足する加速要求の期間では、前記EGR弁の開度を前記運転状態に応じて減量する、内燃機関システムの制御装置である。
次に、本発明の第5の発明は、上記第1の発明~第4の発明のいずれか1つに係る内燃機関システムの制御装置であって、前記制御装置は、前記新気補填加速要求時EGR減量部にて、前記新気補填加速要求期間において前記新気吸気量が不足しない加速要求の期間では、前記新気吸気量が不足する加速要求の期間で減量した前記EGR弁の開度を維持する、内燃機関システムの制御装置である。
また、本発明の第6の発明は、内燃機関システムの制御装置であって、前記内燃機関システムは、内燃機関と、前記内燃機関の排気の一部を前記内燃機関の吸気に戻すEGR量を調整するEGR弁と、前記内燃機関の吸気を過給する過給機と、前記内燃機関の運転状態を検出して前記運転状態に基づいて前記内燃機関を制御する前記制御装置と、を有している。そして前記制御装置は、運転者からの加速要求の入力を含む前記内燃機関の前記運転状態において過給に関連する過給関連量に基づいて、前記内燃機関の新気吸気量が不足しない加速要求であると判定した場合は新気補填加速要求が発生していないと判定し、前記新気吸気量が不足する加速要求であると判定した場合は前記新気補填加速要求が発生したと判定する、新気補填加速要求発生判定部と、前記過給関連量に基づいて、前記新気吸気量が不足する加速要求の後に前記新気吸気量が不足しない加速要求へ移行した後、加速要求が終了したか否かを判定する、新気補填加速要求終了判定部と、前記新気補填加速要求が発生したと判定してから加速要求が終了したと判定するまでの新気補填加速要求期間の間、前記EGR弁の開度を強制的に減量する新気補填加速要求時EGR減量部と、を有する。そして前記制御装置は、前記新気補填加速要求終了判定部にて加速要求が終了したか否かを判定する際、前記新気吸気量が不足する加速要求の後に前記新気吸気量が不足しない加速要求へ移行した後の加速要求の終了を判定するための過給圧である実現可能目標過給圧を、前記運転状態に応じた前記実現可能目標過給圧を設定したマップと前記運転状態に基づいて算出、または、前記運転状態の各パラメータを用いて算出し、実際の前記内燃機関の過給圧である実過給圧が前記実現可能目標過給圧以上となった場合に加速要求が終了したと判定する、あるいは、前記新気吸気量が不足する加速要求の後に前記新気吸気量が不足しない加速要求へ移行した後の加速要求の終了を判定するための過給圧である実現可能目標過給圧を、前記運転状態に応じた前記実現可能目標過給圧を設定したマップと前記運転状態に基づいて算出、または、前記運転状態の各パラメータを用いて算出し、過給圧を前記実現可能目標過給圧とするために前記過給機への投入が必要と予測される過給機駆動エネルギーであって前記新気吸気量が不足する加速要求の後に前記新気吸気量が不足しない加速要求へ移行した後の加速要求の終了を判定するための過給機駆動エネルギーである実現可能目標駆動エネルギーを、過給圧と前記運転状態に応じた前記過給機駆動エネルギーを設定したマップと前記実現可能目標過給圧と前記運転状態に基づいて算出、または、前記実現可能目標過給圧と前記運転状態の各パラメータを用いて算出し、実際に前記過給機に投入されている過給機駆動エネルギーである実駆動エネルギーであって前記運転状態の各パラメータを用いて算出した前記実駆動エネルギーが前記実現可能目標駆動エネルギー以上となった場合に加速要求が終了したと判定する、内燃機関システムの制御装置である。
また、本発明の第7の発明は、内燃機関システムの制御装置であって、前記内燃機関システムは、内燃機関と、前記内燃機関の排気の一部を前記内燃機関の吸気に戻すEGR量を調整するEGR弁と、前記内燃機関の吸気を過給する過給機と、前記内燃機関の運転状態を検出して前記運転状態に基づいて前記内燃機関を制御する前記制御装置と、を有している。そして前記制御装置は、運転者からの加速要求の入力を含む前記内燃機関の前記運転状態において過給に関連する過給関連量に基づいて、前記内燃機関の新気吸気量が不足しない加速要求であると判定した場合は新気補填加速要求が発生していないと判定し、前記新気吸気量が不足する加速要求であると判定した場合は前記新気補填加速要求が発生したと判定する、新気補填加速要求発生判定部と、前記過給関連量に基づいて、前記新気吸気量が不足する加速要求の後に前記新気吸気量が不足しない加速要求へ移行した後、加速要求が終了したか否かを判定する、新気補填加速要求終了判定部と、前記新気補填加速要求が発生したと判定してから加速要求が終了したと判定するまでの新気補填加速要求期間の間、前記EGR弁の開度を強制的に減量する新気補填加速要求時EGR減量部と、を有する。そして前記制御装置は、前記新気補填加速要求時EGR減量部にて、前記新気補填加速要求期間において前記新気吸気量が不足する加速要求の期間では、前記EGR弁の開度を前記運転状態に応じて減量する、内燃機関システムの制御装置である。
また、本発明の第8の発明は、内燃機関システムの制御装置であって、前記内燃機関システムは、内燃機関と、前記内燃機関の排気の一部を前記内燃機関の吸気に戻すEGR量を調整するEGR弁と、前記内燃機関の吸気を過給する過給機と、前記内燃機関の運転状態を検出して前記運転状態に基づいて前記内燃機関を制御する前記制御装置と、を有している。そして前記制御装置は、運転者からの加速要求の入力を含む前記内燃機関の前記運転状態において過給に関連する過給関連量に基づいて、前記内燃機関の新気吸気量が不足しない加速要求であると判定した場合は新気補填加速要求が発生していないと判定し、前記新気吸気量が不足する加速要求であると判定した場合は前記新気補填加速要求が発生したと判定する、新気補填加速要求発生判定部と、前記過給関連量に基づいて、前記新気吸気量が不足する加速要求の後に前記新気吸気量が不足しない加速要求へ移行した後、加速要求が終了したか否かを判定する、新気補填加速要求終了判定部と、前記新気補填加速要求が発生したと判定してから加速要求が終了したと判定するまでの新気補填加速要求期間の間、前記EGR弁の開度を強制的に減量する新気補填加速要求時EGR減量部と、を有する。そして前記制御装置は、前記新気補填加速要求時EGR減量部にて、前記新気補填加速要求期間において前記新気吸気量が不足しない加速要求の期間では、前記新気吸気量が不足する加速要求の期間で減量した前記EGR弁の開度を維持する、内燃機関システムの制御装置である。
第1の発明によれば、制御装置は、運転者からの加速要求の際、過給に関連する過給関連量に基づいて、新気吸気量が不足する加速要求であるか否かを判定する。そして制御装置は、新気吸気量が不足する新気補填加速要求であると判定した場合はEGR弁の開度を強制的に減量して新気吸気量の不足を回避する。内燃機関のシリンダには、新気とEGRガスが混合された吸気が過給機にて過給されて充填されるので、過給関連量には新気に関連する新気関連量が含まれている。つまり、過給関連量に基づいて新気吸気量が不足するか否かを判定することは、アクセル開度に基づいて新気吸気量が不足する加速要求であるか否かを判定する場合と比較して、より適切に新気吸気量が不足する加速要求であるか否かを判定することができる。従って、新気吸気量が不足する加速要求(EGR弁の強制的な減量が必要な加速要求)であるか否かをより適切に判定することで、加速性の悪化やスモークの発生の抑制に加えて、さらにNOx発生量をより低減させることができる。
第1の発明によれば、過給関連量に基づいて新気吸気量が不足する加速要求であるか否かを判定する際、目標過給圧と実過給圧との偏差に基づいて判定する。従って、アクセル開度に基づいて新気吸気量が不足する加速要求であるか否かを判定する場合と比較して、新気吸気量が不足する加速要求であるか否かを、より適切に判定することができる。
第1の発明によれば、時間に対する過給圧偏差の変動量が新気補填加速要求判定閾値以上となった場合に、新気吸気量が不足する加速要求であると判定する。これにより、新気吸気量が不足する加速要求であるか否かを、より適切に判定することができる。
第2の発明によれば、新気補填加速要求判定閾値を運転状態に基づいて算出(変更)する。これにより、新気吸気量が不足する加速要求であるか否かを、さらに適切に判定することができる。
EGR弁の開度を強制的に減量する新気補填加速要求期間の開始タイミングを適切に判定した後、終了タイミングも適切に判定することが好ましい。終了タイミングの判定が早過ぎると加速性の悪化やスモークが発生する可能性があり、終了タイミングの判定が遅過ぎると、EGR弁の開度を必要以上に長い期間、強制的に減量することになるので、必要以上にNOx発生量が増加してしまう。そこで第3の発明では、実過給圧が目標過給圧に達するよりも前に実過給圧が実現可能目標過給圧に達することを利用して、あるいは、実過給圧が目標過給圧に達するよりも前に実駆動エネルギーが実現可能目標駆動エネルギーに達することを利用して、早過ぎない、かつ、遅過ぎない、より適切なタイミングで新気補填加速要求期間の終了を判定することができる。
第4の発明によれば、新気補填加速要求期間の開始時(新気補填加速要求が発生している期間)において、EGR弁の開度を適切な開度へと強制的に瞬時に減量(EGRガス量を瞬時に減量)させ、加速要求時に新気吸気量が不足することを回避できる。
第5の発明によれば、新気補填加速要求期間ではあるが新気補填加速要求が発生していない期間では、新気補填加速要求の発生時に減量させたEGR弁の開度を維持(保持)することで、加速要求時に新気吸気量が不足することの回避を、適切に継続させることができる。
内燃機関システム全体の概略構成の例を説明する図である。 第1の実施の形態の[全体処理]の処理手順の例を説明するフローチャートである。 図2のフローチャート中に記載した[定常運転時のEGR弁の制御]の処理手順の例を説明するフローチャートである。 第1の実施の形態の動作の例を説明する図である。 加速要求時にEGR弁の開度の強制的な減量を行わない(フィードバックで減量する)従来システムでの動作の例を説明する図である。 第2の実施の形態の[全体処理]の処理手順の例を説明するフローチャートである。
●[内燃機関システム1の概略構成の例(図1)]
以下に本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。まず図1を用いて、内燃機関システム1の概略構成の例について説明する。本実施の形態の説明では、内燃機関の例として、車両に搭載された内燃機関10(例えばディーゼルエンジン)を用いて説明する。なお、吸気管11A、11B、吸気マニホルド11Cは吸気経路に相当し、排気マニホルド12A、排気管12B、12Cは排気経路に相当している。
以下、システム全体について、吸気側から排気側に向かって順に説明する。吸気管11Aの流入側には、エアクリーナ(図示省略)、吸気量検出装置21(例えば、吸気流量センサ)が設けられている。吸気量検出装置21は、内燃機関10が吸入した空気の流量(新気吸気量)に応じた検出信号を制御装置50に出力する。また吸気量検出装置21には、吸気温度検出装置28A(例えば、吸気温度センサ)、大気圧検出装置23(例えば、大気圧センサ)が設けられている。吸気温度検出装置28Aは、吸気量検出装置21を通過する吸気の温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。大気圧検出装置23は、周囲の大気圧に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
吸気管11Aの流出側はコンプレッサ35の流入側に接続され、コンプレッサ35の流出側は吸気管11Bの流入側に接続されている。ターボ過給機30(過給機に相当)のコンプレッサ35は、排気ガスのエネルギー(過給機駆動エネルギー)によって回転駆動されるタービン36にて回転駆動され、吸気管11Aから流入された吸気を吸気管11Bに圧送することで過給する。
コンプレッサ35の上流側となる吸気管11Aには、コンプレッサ上流圧力検出装置24A(例えば圧力センサ)が設けられている。コンプレッサ上流圧力検出装置24Aは、吸気管11A内の吸気の圧力に応じた検出信号を制御装置50に出力する。コンプレッサ35の下流側となる吸気管11B(吸気管11Bにおけるコンプレッサ35とインタークーラ16との間の位置)には、コンプレッサ下流圧力検出装置24B(例えば圧力センサ)が設けられている。コンプレッサ下流圧力検出装置24Bは、吸気管11B内の吸気の圧力に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
吸気管11Bには、上流側にインタークーラ16が配置され、インタークーラ16よりも下流側にスロットル装置47が配置されている。インタークーラ16は、コンプレッサ下流圧力検出装置24Bよりも下流側に配置されている。インタークーラ16とスロットル装置47との間には、吸気温度検出装置28B(例えば、吸気温度センサ)が設けられている。吸気温度検出装置28Bは、インタークーラ16にて温度が低下された吸気の温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
スロットル装置47は、制御装置50からの制御信号に基づいて吸気管11Bの開度を調整するスロットル弁47Vを駆動し、吸気流量(新気吸気量)を調整可能である。制御装置50は、スロットル開度検出装置47S(例えば、スロットル開度センサ)からの検出信号と目標スロットル弁開度に基づいて、スロットル装置47に制御信号を出力してスロットル弁47Vの開度を調整可能である。
アクセルペダル踏込量検出装置25は、例えばアクセルペダル踏込角度センサであり、アクセルペダルに設けられている。制御装置50は、アクセルペダル踏込量検出装置25からの検出信号に基づいて、運転者によるアクセルペダルの踏込量を検出することが可能である。
吸気管11Bの流出側は吸気マニホルド11Cの流入側に接続されており、吸気マニホルド11Cの流出側は内燃機関10の流入側に接続されている。また吸気管11Bにおけるスロットル装置47よりも下流側には(吸気マニホルド11Cには)、過給圧検出装置24C(例えば圧力センサ)が設けられており、EGR配管13の流出側が接続されている。過給圧検出装置24Cは、吸気マニホルド11Cに流入する直前の吸気の圧力(過給圧)に応じた検出信号を制御装置50に出力する。またEGR配管13の流出側(吸気管11Bとの接続部)からは、EGR配管13の流入側(排気マニホルド12Aまたは排気管12Bとの接続部)から流入してきたEGRガスが、吸気管11B内に吐出される。
内燃機関10は複数のシリンダ45A~45D(気筒)を有しており、インジェクタ43A~43Dが、それぞれのシリンダに設けられている。インジェクタ43A~43Dには、コモンレール41と燃料配管42A~42Dを介して燃料が供給されており、インジェクタ43A~43Dは、制御装置50からの制御信号によって駆動され、それぞれのシリンダ45A~45D内に燃料を噴射する。コモンレール41には、燃料圧力検出装置73が設けられており、燃料ポンプ72によって目標燃料圧力に調整された燃料が充填されている。制御装置50は、燃料圧力検出装置73を用いて検出した燃料圧力が目標燃料圧力に近づくように燃料ポンプ72を制御する。
内燃機関10には、クランク角度検出装置22A、カム角度検出装置22B、クーラント温度検出装置28C等が設けられている。クランク角度検出装置22Aは、例えば回転センサであり、内燃機関10のクランクシャフトの回転角度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。カム角度検出装置22Bは、例えば回転センサであり、内燃機関10のカムシャフトの回転角度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。制御装置50は、クランク角度検出装置22Aとカム角度検出装置22Bからの検出信号に基づいて、各シリンダの工程及び回転角度等を検出することができる。またクーラント温度検出装置28Cは、例えば温度センサであり、内燃機関10内に循環されている冷却用クーラントの温度(冷却水温度)に応じた検出信号を制御装置50に出力する。また図示省略するが、オイル温度検出装置が内燃機関10に設けられている。オイル温度検出装置は、例えば温度センサであり、内燃機関10内に循環されているオイルの温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
内燃機関10の排気側には排気マニホルド12Aの流入側が接続され、排気マニホルド12Aの流出側には排気管12Bの流入側が接続されている。排気管12Bの流出側はタービン36の流入側に接続され、タービン36の流出側は排気管12Cの流入側に接続されている。
排気管12Bの上流側(または排気マニホルド12A)には、EGR配管13の流入側が接続されている。EGR配管13は、EGR流路に相当しており、排気管12Bと吸気管11Bとを連通し、排気管12B内(または排気マニホルド12A内)を流れる排気ガスの一部を吸気管11Bに還流させる(排気ガスの一部を吸気に戻す)ことが可能である。またEGR配管13には、EGRクーラ15、EGR弁14が設けられている。制御装置50は、EGR弁14の開度を調整することで、EGR配管13内を流れるEGRガスの流量を調整可能である。またEGR配管13におけるEGRクーラ15の上流側にはバイパス配管13Bの流入側が接続され、EGR配管13におけるEGRクーラ15の下流側にはバイパス配管13Bの流出側が接続されている。そしてEGR配管13とバイパス配管13Bとの一方の接続個所には、調整弁14Bが設けられている。バイパス配管13Bは、EGR配管13内を流れるEGRガスを、EGRクーラ15を経由させずにバイパスさせる経路を形成している。制御装置50は、調整弁を制御することで、EGRクーラ15を経由するEGRガスの量と、バイパス配管13Bを経由するEGRガスの量との割合を調整して、EGRガスの温度を調整することができる。
また排気管12Bにおける上流側(または排気マニホルド12A)には、排気マニホルド圧力検出装置26C(例えば圧力センサ)が設けられている。排気マニホルド圧力検出装置26Cは、排気マニホルド12A内の排気の圧力に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
排気管12Bには、排気温度検出装置29が設けられている。排気温度検出装置29は、例えば排気温度センサであり、排気温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
排気管12Bの流出側はタービン36の流入側に接続され、タービン36の流出側は排気管12Cの流入側に接続されている。タービン36には、タービン36へ導く排気ガスの流速を制御可能な(タービンへと排気ガスを導く流路の閉度を調整可能な)可変ノズル33が設けられており、可変ノズル33は、ノズル駆動装置31によって閉度(開度)が調整される。制御装置50は、ノズル閉度検出装置32(例えば、ノズル閉度センサ)からの検出信号と目標可変ノズル閉度(開度)に基づいて、ノズル駆動装置31に制御信号を出力して可変ノズル33の閉度(開度)を調整することで吸気の過給圧を調整可能である。
タービン36の上流側となる排気管12Bには、タービン上流圧力検出装置26A(例えば圧力センサ)が設けられている。タービン上流圧力検出装置26Aは、排気管12B内の排気の圧力に応じた検出信号を制御装置50に出力する。タービン36の下流側となる排気管12Cには、タービン下流圧力検出装置26B(例えば圧力センサ)と、空燃比検出装置29AF(例えばA/Fセンサ)が設けられている。タービン下流圧力検出装置26Bは、排気管12C内の排気の圧力に応じた検出信号を制御装置50に出力する。また空燃比検出装置29AFは、排気管12B内を流れる排気ガスの空燃比に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
排気管12Cの流出側には排気浄化装置61が接続されている。例えば内燃機関10がディーゼルエンジンの場合、排気浄化装置61には、酸化触媒、微粒子捕集フィルタ、選択式還元触媒等が含まれている。
車速検出装置27は、例えば車両速度検出センサであり、車両の車輪等に設けられている。車速検出装置27は、車両の車輪の回転速度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
制御装置50は、CPU51、RAM52、記憶装置53、タイマ54等を有している。制御装置50(CPU51)は、上述した種々の検出装置からの検出信号が入力され、上述した種々のアクチュエータへの制御信号を出力する。なお、制御装置50の入出力は、上記の検出装置やアクチュエータに限定されるものではない。また、各部の温度や圧力等はセンサを搭載せずに推定計算により算出しても良い。制御装置50は、上記の検出装置を含めた各種の検出装置からの検出信号に基づいて内燃機関10の運転状態を検出可能であり、運転状態に基づいて上記のアクチュエータを含む各種のアクチュエータを制御する。記憶装置53は、例えばFlash-ROMやEEPROM等の記憶装置であり、内燃機関の制御や自己診断等を実行するためのプログラムやデータ等が記憶されている。またRAM52は、揮発性メモリや不揮発性メモリが含まれている。また制御装置50(CPU51)は、新気補填加速要求発生判定部51A、新気補填加速要求終了判定部51B、新気補填加速要求時EGR減量部51C等を有しているが、これらの詳細については後述する。
なお、上述したスロットル弁47VとEGR弁14は、吸気経路に設けられて過給圧を上昇させることが可能なアクチュエータであり、可変ノズル33は、排気経路に設けられて過給圧を上昇させることが可能なアクチュエータである。
●[第1の実施の形態の制御装置50の処理手順(図2、図3)]
次に図2及び図3に示すフローチャートを用いて、第1の実施の形態における、制御装置50の処理手順の例について説明する。制御装置50(CPU51)は、例えば所定時間間隔(数[ms]~数10[ms]間隔)にて、図2に示す[全体処理]を起動し、ステップS010に処理を進める。
ステップS010にて制御装置50は、運転者からの加速要求の入力(例えば、アクセルペダルの急激な踏み込み)を含む内燃機関の運転状態を検出し、ステップS015へ処理を進める。制御装置50は、上述した各種の検出装置からの検出信号や、各種のアクチュエータの動作状態等に基づいて、運転状態を検出する。
ステップS015にて制御装置50は、例えば、アクセルペダルの踏込量(またはアクセルペダルの踏込量と内燃機関の回転数)と、要求燃料噴射量が設定されたマップ等に基づいて、要求燃料噴射量を算出し、ステップS020へ処理を進める。
ステップS020にて制御装置50は、例えば、要求燃料噴射量(または要求燃料噴射量と内燃機関の回転数)と、目標過給圧が設定されたマップ等に基づいて、目標過給圧(pimtrg_1)を算出し、ステップS025へ処理を進める。
ステップS025にて制御装置50は、目標過給圧(pimtrg_1)と実過給圧(実際の過給圧)との偏差である過給圧偏差(pimdlt)を算出し、ステップS030へ処理を薄める。実際の過給圧である実過給圧はステップS010にて検出されている。また「過給圧偏差(pimdlt)」=「目標過給圧(pimtrg_1)」-「実過給圧」である。
ステップS030にて制御装置50は、時間に対する過給圧偏差(pimdlt)の変動量(Δpimdlt)を算出し、ステップS035へ処理を進める。Δpimdltは、過給圧偏差(pimdlt)の傾きとして算出される(図4の「過給圧偏差(pimdlt)」、「Δpimdlt」参照)。
ステップS035にて制御装置50は、目標過給圧(pimtrg_1)とは異なる過給圧であって、実現可能な過給圧である実現可能目標過給圧(pimtrg_2)を算出し、ステップS040へ処理を進める。制御装置50は、内燃機関の吸気経路または排気経路に設けられて過給圧を上昇させることが可能なアクチュエータ(この場合、スロットル弁47V、EGR弁14、可変ノズル33)を、(現在の動作状態から)さらに過給圧を上昇させる側へ駆動させた場合に実現することが可能と予測される実現可能目標過給圧(pimtrg_2)を求める。例えば、制御装置50は、内燃機関の回転数、内燃機関の負荷、吸気・排気のガス流量、内燃機関のクーラント温度、内燃機関のオイル温度等の運転状態から、可変ノズル33、EGR弁14、スロットル弁47Vを、さらに過給圧を上昇させる側に駆動させたと仮定した場合に実現可能と予測される過給圧である実現可能目標過給圧(pimtrg_2)を求める。
例えば、実際の車両を用いた実験や、モデル制御を用いたシミュレーション等を用いて、運転状態に応じた実現可能目標過給圧(pimtrg_2)を求めたマップ等を作成しておく。制御装置50は、当該マップと運転状態に基づいて、実現可能目標過給圧(pimtrg_2)を求める。あるいは、モデル制御に基づいて各種のパラメータの値を用いて実現可能目標過給圧(pimtrg_2)を算出する。
ステップS040にて制御装置50は、実現可能目標駆動エネルギー(etintrg)と、実際の過給機駆動エネルギーである実駆動エネルギー(etin)を算出し、ステップS045へ処理を進める。実現可能目標駆動エネルギー(etintrg)は、実際の過給圧(実過給圧)を実現可能目標過給圧(pimtrg_2)とするためにターボ過給機(過給機)への投入が必要と予測される過給機駆動エネルギーである。実駆動エネルギー(etin)は、実際にターボ過給機(過給機)に投入されている過給機駆動エネルギーである。
例えば、実際の車両を用いた実験や、モデル制御を用いたシミュレーション等にて、過給圧と運転状態(排気ガス流量や可変ノズル閉度など)に応じて過給機駆動エネルギーを求めたマップ等を用意しておく。制御装置50は、当該マップと、実現可能目標過給圧(pimtrg_2)と運転状態に基づいて、実現可能目標駆動エネルギー(etintrg)を求める。あるいは、モデル制御に基づいて各種のパラメータの値を用いて実現可能目標駆動エネルギー(etintrg)を算出する。
また制御装置50は、実駆動エネルギー(etin)を、例えば以下の(式1)にて算出する。なお(式1)に用いている必要なパラメータを検出する検出装置(センサ等)が無い場合、他の検出装置によるパラメータ等から必要なパラメータを推定したり算出したりすればよい。
etin=Cp*G4*T4*{1-[1/(P4/P6)]^[(K-1)/K]}(式1)
Cp:排気ガス定圧比熱(定数)
G4:ガス流量+燃料噴射量
T4:排気ガス温度
P4:タービン入口圧力(タービン上流側圧力)
P6:タービン出口圧力(タービン下流側圧力)
K:比熱比(定数)
ステップS045にて制御装置50は、新気補填加速要求判定閾値(C1)を運転状態に基づいて算出し、ステップS050へ処理を進める。例えば、実際の車両を用いた実験や、モデル制御を用いたシミュレーション等にて、運転状態に応じた新気補填加速要求閾値を設定したマップを用意しておく。制御装置50は、当該マップと運転状態に基づいて、新気補填加速要求判定閾値(C1)を求める。
ステップS050にて制御装置50は、ステップS030にて求めたΔpimdlt(時間に対する過給圧偏差(pimdlt)の変化量)が、新気補填加速要求判定閾値(C1)以上であるか否かを判定する。制御装置50は、Δpimdltが新気補填加速要求判定閾値(C1)以上である場合(Yes)はステップS055へ処理を進め、そうでない場合(No)はステップS060へ処理を進める。
ステップS055へ処理を進めた場合、制御装置50は、新気補填加速要求が発生したと判定し、新気補填加速要求フラグをONに設定し、EGR減量フラグをONに設定し、ステップS075へ処理を進める。
ステップS060へ処理を進めた場合、制御装置50は、EGR減量フラグをOFFに設定し、ステップS065へ処理を進める。
ステップS065にて制御装置50は、実駆動エネルギー(etin)が実現可能目標駆動エネルギー(etintrg)以上であるか否かを判定する。制御装置50は、実駆動エネルギー(etin)が実現可能目標駆動エネルギー(etintrg)以上である場合(Yes)はステップS070へ処理を進め、そうでない場合(No)はステップS075へ処理を進める。
ステップS070へ処理を進めた場合、制御装置50は、新気補填加速要求が終了したと判定し、新気補填加速要求フラグをOFFに設定し、ステップS075へ処理を進める。
ステップS075へ処理を進めた場合、制御装置50は、新気補填加速要求フラグがONであるか否かを判定する。制御装置50は、新気補填加速要求フラグがONである場合(Yes)はステップS080へ処理を進め、そうでない場合(No)は図2に示す処理を終了する。なお、ステップS075にて(No)と判定されて図2に示す処理を終了した場合、EGR弁の開度の制御は、後述する図3の[定常運転時のEGR弁の制御]にて、目標EGR率に近づくようにフィードバック制御される。
ステップS080へ処理を進めた場合、制御装置50は、EGR減量フラグがONであるか否かを判定する。制御装置50は、EGR減量フラグがONである場合(Yes)はステップS085へ処理を進め、そうでない場合(No)はステップS090へ処理を進める。
ステップS085へ処理を進めた場合、制御装置50は、運転状態に応じたEGR開度減少量を求め、現在のEGR弁の開度からEGR開度減少量を減算した開度へと、EGR弁の開度を、強制的、かつ、速やかに減量するように制御し、図2に示す処理を終了する。なお、EGR開度減少量だけ減量するのでなく、EGR弁の開度を全閉にするようにしてもよい。
ステップS090へ処理を進めた場合、制御装置50は、現在のEGR弁の開度を維持(保持)するようにEGR弁の開度を制御し、図2に示す処理を終了する。この場合、EGR弁の開度は、ステップS085にて減量された開度が維持されるので、強制的に減量された開度が維持される。
次に図3に示す[定常運転時のEGR弁の制御]の例について説明する。制御装置50(CPU51)は、例えば所定時間間隔(数[ms]~数10[ms]間隔)にて、図3に示す[定常運転時のEGR弁の制御]を起動し、ステップSE010に処理を進める。
ステップSE010にて制御装置50は、新気補填加速要求フラグがOFFであるか否かを判定する。制御装置50は、新気補填加速要求フラグがOFFである場合(Yes)はステップSE020へ処理を進め、そうでない場合(No)は図3に示す処理を終了し、図3に示す処理ではEGR弁を開度の制御を行わない。
ステップSE020へ処理を進めた場合、制御装置50は、既存のEGR弁の開度の制御を実行して図3に示す処理を終了する。例えば制御装置50は、内燃機関の運転状態に基づいて目標EGR率(シリンダの吸気量(新気吸気量+EGRガス量)に対するEGRガス量)を算出し、実際のEGR率が目標EGR率に近づくようにEGR弁の開度をフィードバック制御する。
●[第1の実施の形態の動作の例(図4)と、EGR弁の強制的な減量を行わない従来システムの動作(図5)との比較]
図4に示す例は、図2及び図3に示すフローチャートの処理による、第1の実施の形態の動作の例を示している。図4に示す例は、運転者は時間T1以前では、アクセルペダルを少し踏んで低速走行をしていたが、時間T1の直前でアクセルペダルを急激に踏み込んで加速要求をした例を示している。
なお図4の例において、時間T1~時間T4の期間である加速期間Tacc1は車両の加速期間を示しており、時間T1~時間T3の期間である新気補填加速要求期間Tair(「新気補填加速要求フラグ」がONの期間)は、新気補填加速要求期間に相当している。
[時間T1以前の期間の動作]
まず、時間T1以前の期間の動作について説明する。運転者は、時間T1以前では、アクセルペダルを少し踏んで低速走行をしている。このとき、図4に示すように、「アクセル開度」は低く、ほぼ一定とされており、「車速」も低く、ほぼ一定である。また「過給圧」における「目標過給圧(pimtrg_1)」、「実現可能目標過給圧(pimtrg_2)」、「実過給圧」も低く、ほぼ一定である。このため、「過給圧偏差(pimdlt)」、「Δpimdlt」は、ほぼゼロであり、「駆動エネルギー」における「実現可能目標駆動エネルギー(etintrg)」、「実駆動エネルギー(etin)」も低く、ほぼ一定である。
また「新気補填加速要求フラグ」、「EGR減量フラグ」は、ともにOFFに設定されており、EGR弁の開度の制御は、図3に示すステップSE020にてフィードバック制御されている。そして「EGR弁開度」は、目標EGR率に近づくように、この場合は比較的大きな開度に制御され、比較的多くのEGRガスを吸気に混入している。このため、「排出NOx量(瞬時値)」は低く、「排出NOx量(積算値)」の傾斜も緩やかである。
[時間T1の直前から時間T2までの期間の動作]
次に、時間T1の直前から時間T2までの期間の動作について説明する。なお、時間T1~時間T2の期間は、図4中の「Δpimdlt」における「Δpimdlt≧C1」の期間である。運転者は、時間T1の直前でアクセルペダルを急激に大きく踏み込んで加速要求をしており、「アクセル開度」は急激に大きく立ち上がっている。これにより、「過給圧」における「目標過給圧(pimtrg_1)」も、時間T1の直前から急激に大きく立ち上がっている。なお「実現可能目標過給圧(pimtrg_2)」、「実過給圧」は、「目標過給圧(pimtrg_1)」と比較して緩やかに立ち上がり、「実過給圧」は「実現可能目標過給圧(pimtrg_2)」よりも低い。
「過給圧偏差(pimdlt)」は、「目標過給圧(pimtrg_1)」-「実過給圧」であり、時間T1の直前から急激に大きく立ち上がり、「実過給圧」の上昇に伴って緩やかに減少していく。従って、「過給圧偏差(pimdlt)」の傾きである「Δpimdlt」は、時間T1の直前から大きく立ち上がった後、大きく立ち下がっている。「Δpimdlt」≧C1の期間が、時間T1~時間T2の期間である。
「駆動エネルギー」における「実現可能目標駆動エネルギー(etintrg)」は、「過給圧」における「実現可能目標過給圧(pimtrg_2)」と同様、緩やかに立ち上がっている。また「駆動エネルギー」における「実駆動エネルギー(etin)」は、「過給圧」における「実過給圧」と同様、緩やかに立ち上がり、「実駆動エネルギー(etin)」は「実現可能目標駆動エネルギー(etintrg)」よりも低い。
時間T1~時間T2の期間は、Δpimdlt≧C1の期間であるので、「新気補填加速要求フラグ」、「EGR減量フラグ」は、ともにONに設定される。従って「EGR弁開度」は、強制的、かつ、速やかに減量され、新気吸気量の不足が回避される。なお、「排出NOx量(瞬時値)」は増加し、「排出NOx量(積算値)」の傾斜も大きくなっている。
[時間T2~時間T3の期間の動作]
次に、時間T2~時間T3の期間の動作について説明する。なお、時間T3のタイミングは、「駆動エネルギー」において「実駆動エネルギー(etin)≧実現可能目標駆動エネルギー(etintrg)」となったタイミングである。時間T2~時間T3の期間では、「アクセル開度」は一定に保持され、運転者による加速要求は継続している。また「過給圧」における「目標過給圧(pimtrg_1)」は、ほぼ一定の値が保持され、「実現可能目標過給圧(pimtrg_2)」、「実過給圧」は、緩やかに上昇している。
「過給圧偏差(pimdlt)」は、「実過給圧」の緩やかな上昇に伴って緩やかに減少している。従って「過給圧偏差(pimdlt)」の傾きである「Δpimdlt」は、負の値となり、Δpimdlt<C1となっている。
「駆動エネルギー」における「実現可能目標駆動エネルギー(etintrg)」は、「過給圧」における「実現可能目標過給圧(pimtrg_2)」と同様、緩やかに立ち上がっている。また「駆動エネルギー」における「実駆動エネルギー(etin)」は、「過給圧」における「実過給圧」と同様、緩やかに立ち上がっており、「実駆動エネルギー(etin)」は「実現可能目標駆動エネルギー(etintrg)」よりも低く、時間T3にて「実駆動エネルギー(etin)≧実現可能目標駆動エネルギー(etintrg)」となっている。
「実駆動エネルギー(etin)≧実現可能目標駆動エネルギー(etintrg)」となった時間T3にて、「新気補填加速要求フラグ」はOFFに設定される。なお時間T2~時間T3の期間では、Δpimdlt<C1であるので、「EGR減量フラグ」はOFFに設定されている。従って時間T2~時間T3の期間では、「EGR弁開度」は、直前のEGR弁開度が維持(保持)され、強制的に減量された状態が維持(保持)され、新気吸気量の不足が回避される。なお、「排出NOx量(瞬時値)」の増加状態も維持(継続)され、「排出NOx量(積算値)」の傾斜も大きい状態が維持(継続)されている。
[時間T3~時間T4の期間の動作]
次に、時間T3~時間T4の期間の動作について説明する。なお、時間T4のタイミングは、運転者の加速要求に対して上昇していた「車速」が一定の車速に達し、車両の加速が完了したタイミングであり、「新気補填加速要求フラグ」の終了(OFF)タイミングとは異なるタイミングである。時間T3~時間T4の期間では、「アクセル開度」は一定に保持され、運転者による加速要求は継続している。また「過給圧」における「目標過給圧(pimtrg_1)」は、ほぼ一定の値が保持され、「実現可能目標過給圧(pimtrg_2)」は、緩やかに上昇しており、「実過給圧」は、緩やかに上昇した後、少し下降して目標過給圧に近づいている。
「過給圧偏差(pimdlt)」は、「実過給圧」の緩やかな上昇に伴って緩やかに減少した後、緩やかに上昇してゼロに近づいており、「過給圧偏差(pimdlt)」の傾きである「Δpimdlt」は、負の値からゼロに近づき、Δpimdlt<C1となっている。
「駆動エネルギー」における「実現可能目標駆動エネルギー(etintrg)」は、「過給圧」における「実現可能目標過給圧(pimtrg_2)」と同様、緩やかに上昇している。また「駆動エネルギー」における「実駆動エネルギー(etin)」は、「過給圧」における「実過給圧」と同様、緩やかに上昇した後、少し下降して実現可能目標駆動エネルギーに近づいている。「実駆動エネルギー(etin)」は「実現可能目標駆動エネルギー(etintrg)」よりも高く、時間T4では、「実駆動エネルギー(etin)≒実現可能目標駆動エネルギー(etintrg)」となっている。
時間T3~時間T4の期間では、「新気補填加速要求フラグ」と「EGR減量フラグ」は、ともにOFFに設定されている。従って、「EGR弁の開度」は、図3に示すステップSE020の処理にて、目標EGR率に近づくようにフィードバック制御される。これにより、「排出NOx量(瞬時値)」はEGR弁の開度の動作に応じて徐々に減少し、「排出NOx量(積算値)」の傾きも徐々に小さな傾きになっている。
[時間T4以降の動作]
次に、時間T4以降の動作について説明する。時間T4以降では、「アクセル開度」は一定に保持されているが、車両の加速は完了している。また「過給圧」における「目標過給圧(pimtrg_1)」、「実現可能目標過給圧(pimtrg_2)」、「実過給圧」は、ほぼ同じ値となっている。
「過給圧偏差(pimdlt)」、「過給圧偏差(pimdlt)」の傾きである「Δpimdlt」は、どちらもほぼゼロであり、Δpimdlt<C1となっている。
また「駆動エネルギー」における「実現可能目標駆動エネルギー(etintrg)」、「実駆動エネルギー(etin)」は、ほぼ同じ値となっている。
また時間T4以降では、「新気補填加速要求フラグ」と「EGR減量フラグ」は、ともにOFFに設定されており、「EGR弁の開度」は、図3に示すステップSE020の処理にて、目標EGR率に近づくようにフィードバック制御される。これにより、「排出NOx量(瞬時値)」はEGR弁の開度の動作に応じて減少した値が維持され、「排出NOx量(積算値)」の傾きも小さな傾きが維持されている。
例えば、同じアクセルペダルの踏込速度であっても、車速が比較的高い場合では、車速が比較的低い場合と比較して、新気吸気量が不足しない場合がある。アクセルペダルの踏込速度に基づいてEGR弁を全閉にすると、新気吸気量が不足しないにもかかわらずEGR弁を全閉にしてしまい、不必要にNOx発生量を増加させてしまう場合がある。しかし、本願の第1の実施の形態では、過給関連量(この場合、Δpimdlt)に基づいて、内燃機関の新気吸気量が不足する加速要求(新気補填加速要求)が発生しているか否かを判定しているので、アクセルペダルの踏込速度に応じて判定する場合と比較して、新気吸気量が不足する加速要求であるか否かを、より適切に判定することができる。従って、不必要にNOx発生量が増加することを、適切に回避できる。
また、アクセルペダルの踏込量が所定量まで戻された場合にEGR弁の全閉制御を解除する従来制御の場合、EGR弁の全閉制御の期間が長く、不必要にNOx発生量が増加する場合がある。しかし本願の第1の実施の形態では、過給関連量に基づいて(この場合、実駆動エネルギーが実現可能目標駆動エネルギー以上となった場合に)、新気補填加速要求が終了したか否かを判定しているので、アクセルペダルの踏込量に応じて判定する場合と比較して、早過ぎない、かつ、遅過ぎない、より適切なタイミングで新気補填加速要求の終了を判定することができる。従って、不必要にNOx発生量が増加することを、適切に回避できる。
[EGR弁の強制的な減量を行わない従来システムの動作(図5)との比較]
図5は、「加速要求時にEGR弁の強制的な減量を行わない従来システム」において、図4と同じ加速要求を運転者が行なった場合の動作の例を示している。図5の「アクセル開度」は、図4の「アクセル開度」と同じであり、図5の「過給圧」における「目標過給圧」は、図4の「過給圧」における「目標過給圧(pimtrg_1)」と同じである。また図5に示す従来システムでは、図4と比較して、「過給圧」における「実現可能目標過給圧」、「過給圧偏差」、「Δpimdlt」、「駆動エネルギー」における「実現可能目標駆動エネルギー」と「実駆動エネルギー」、「新気補填加速要求フラグ」、「EGR減量フラグ」、については算出していないので(未設定であるので)記載していない。
図5に示す従来システムでは、「アクセル開度」が大きく立ち上がって加速要求が開始された時間T1Zから時間T2Zの期間にて、「EGR弁開度」がフィードバック制御にて徐々に減量されているが、図4に示す「EGR弁開度」の時間T1から時間T2の減量速度と比較して減量速度が非常に遅い。このため、図5に示す従来システムでは、加速要求が開始された時間T1Zの直後において新気吸気量の不足が発生して加速性が悪化している。しかし、図4に示す第1の実施の形態では、新気補填加速要求が発生したと判定した時間T1から時間T2の短い期間にて「EGR弁開度」を強制的に瞬時に減量しており、新気吸気量の不足を回避している。
新気吸気量の不足を回避できているので、図4に示す第1の実施の形態における「車速」の上昇が開始されるまでの遅れ時間Tdly1は、図5に示す従来システムにおける「車速」の上昇が開始されるまでの遅れ時間TdlyZよりも短い。従って、図4に示す第1の実施の形態は、加速性の悪化が抑制されている。また、図4に示す第1の実施の形態では、加速時における新気吸気量の不足を回避しているので、「過給圧」における「実過給圧」の上昇の傾斜角度、及び「車速」の上昇の傾斜角度が、図5に示す従来システムよりも大きな傾斜角度となっており、加速性の悪化が抑制されている。このため、図4に示す第1の実施の形態における車両の加速の開始から終了までの加速期間Tacc1(新気補填加速要求期間Tairではない)は、図5に示す従来システムにおける加速期間TaccZよりも短い期間となっており、加速性の悪化が抑制されている。また図示省略しているが、図4に示す第1の実施の形態では、加速時における新気吸気量の不足を回避しているので、スモークの発生も抑制されている。
また、図4に示す第1の実施の形態における加速期間Tacc1における「排出NOx量(瞬時値)」の最大値Vnox1は、図5に示す従来システムにおける加速期間TaccZにおける「排出NOx量(瞬時値)」の最大値VnoxZよりも少し大きい(EGR弁を強制的に減量しているから)。しかし、図4に示す第1の実施の形態における加速期間Tacc1のほうが、図5に示す従来システムにおける加速期間TaccZよりも短いので、加速期間での「排出NOx量(積算値)」について、図4に示すQnox1は、図5に示すQnoxZ以下である。
また図4に示す第1の実施の形態では、同じ「アクセル開度」の立ち上がり状態であっても、低車速(かつ低回転)で走行中からの加速要求の場合と、高車速(かつ中回転~高回転)で走行中からの加速要求の場合では、運転状態の違いから実過給圧、目標過給圧等が異なる。従って、過給関連量(過給圧偏差やΔpimdltや新気補填加速要求判定閾値C1)も異なる。このため、例えば、低車速からの加速要求にて新気吸気量が不足する場合には、新気補填加速要求が発生したと適切に判定し、高車速からの加速要求にて新気吸気量が不足しない場合には、新気補填加速要求が発生しなかったと適切に判定できる。すなわち、新気吸気量が不足しない加速要求の場合には、新気補填加速要求が発生しなかったと適切に判定して、不必要にEGR弁の開度の強制的な減量を行わないので、不必要なNOxの増加を抑制することができる。
なお、運転者からの加速要求の際、アクセル開度状態(アクセル操作速度など)に基づいて新気吸気量が不足する加速要求であるか否かを判定して、新気吸気量が不足すると判定した場合にEGR弁の開度を減量するタイプの従来システム(図示省略)では、同じ「アクセル開度」の立ち上がり状態の場合、低車速(かつ低回転)で走行中からの加速要求の場合と、高車速(かつ中回転~高回転)で走行中からの加速要求の場合と、を区別できない。つまり、高車速からの加速要求では実際には新気吸気量が不足していないにもかかわらずEGR弁の開度の減量が実行されて、不必要なNOxの増加が発生する場合がある。しかし本願の第1の実施の形態では、過給関連量(過給圧偏差やΔpimdltや新気補填加速要求判定閾値C1)に基づいて新気吸気量が不足する加速要求であるか否かを判定するので、上記の例のような場合であっても、新気吸気量が不足する加速要求であるか否かを、適切に区別して判定することができる。
また図4に示す第1の実施の形態では、過給関連量(実現可能目標過給圧に基づいた実現可能目標駆動エネルギー、実駆動エネルギー等)に基づいて新気補填加速要求の終了を判定することで、アクセル開度を戻さなくても、実過給圧が目標過給圧に達する前に、早過ぎない、かつ、遅過ぎない、適切なタイミングにて新気補填加速要求の終了を判定することができる。これにより、不必要なNOxの増加を抑制することができる。吸気温度やクーラント温度等の環境条件や、過給機の駆動エネルギーの算出に用いるパラメータ(EGRガス量、排気温度、排気ガス量など)まで加味して新気補填加速要求の終了を判定するので、EGR制御を最速で再開(EGR弁の制御を、強制的な減量からフィードバック制御へ復帰)できるため、「NOx排出量(積算値)」を図5の従来システム以下に抑えながら、加速性をより向上させることができる。
●[第2の実施の形態の制御装置50の処理手順(図6)]
次に図6に示すフローチャートを用いて、第2の実施の形態における、制御装置50の処理手順の例について説明する。図6に示す第2の実施の形態のフローチャートは、図2に示す第1の実施の形態のフローチャートに対して、ステップS040が省略され、ステップS065の判定がステップS065Bの判定へと変更されている点が異なる。以下、相違点を主に説明する。なお、ステップS040が省略された点については、説明を省略する。
ステップS065Bにて制御装置50は、実過給圧が実現可能目標過給圧(pimtrg_2)以上であるか否かを判定する。制御装置50は、実過給圧が実現可能目標過給圧(pimtrg_2)以上である場合(Yes)はステップS070へ処理を進め、そうでない場合(No)はステップS075へ処理を進める。
図2のステップS065では、実駆動エネルギー(etin)が実現可能目標駆動エネルギー(etintrg)以上であるか否かを判定したが、図6のステップS065Bでは、実過給圧が実現可能目標過給圧(pimtrg_2)以上であるか否かを判定する。この場合、実駆動エネルギー(etin)や実現可能目標駆動エネルギー(etintrg)の算出が不要であるので、CPU51の処理負荷が軽減する。
また、動作の例は、図4に示す第1の実施の形態と同様であり、時間T2の位置(「駆動エネルギー」における実駆動エネルギー≧実現可能目標駆動エネルギーの位置)が、「過給圧」における実過給圧≧実現可能目標過給圧の位置に変更されるが、ほぼ同じ位置となる。
なお、図2に示す第1の実施の形態、及び図6に示す第2の実施の形態のステップS010~S030、ステップS045~S055の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、運転者からの加速要求の入力を含む内燃機関の運転状態において過給に関連する過給関連量に基づいて、内燃機関の新気吸気量が不足しない加速要求であると判定した場合は新気補填加速要求が発生していないと判定し、新気吸気量が不足する加速要求であると判定した場合は新気補填加速要求が発生したと判定する、新気補填加速要求発生判定部51A(図1参照)に相当している。
また、図2に示す第1の実施の形態、及び図6に示す第2の実施の形態のステップS035、(ステップS040)、ステップS060~S070の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、過給関連量に基づいて新気補填加速要求が終了したか否かを判定する、新気補填加速要求終了判定部51B(図1参照)に相当している。
また、図2に示す第1の実施の形態、及び図6に示す第2の実施の形態のステップS075~S090の処理を実行している制御装置50(CPU51)は、新気補填加速要求が発生したと判定してから新気補填加速要求が終了したと判定するまでの新気補填加速要求期間の間、EGR弁の開度を強制的に減量する、新気補填加速要求時EGR減量部51C(図1参照)に相当している。
本発明の内燃機関システムの制御装置50は、本実施の形態で説明した構成、処理手順(フローチャート)等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
本実施の形態の説明では、新気補填加速要求が発生したか否かを、目標過給圧と実過給圧との過給圧偏差(pimdlt)の時間に対する変化量(Δpimdlt)に基づいて判定する例を説明したが、過給に関連するその他の過給関連量(例えば、要求新気量など)に基づいて判定するようにしてもよい。また本実施の形態の説明では、新気補填加速要求判定閾値C1の値を、運転状態に応じて変更する例を説明したが、新気補填加速要求判定閾値C1の値を定数としてもよい。
また、実現可能目標過給圧、実現可能目標駆動エネルギー、実駆動エネルギー、の算出方法は、本実施の形態にて説明した例に限定されず、どのように算出してもよい。また新気補填加速要求の終了の判定は、本実施の形態にて説明した判定方法に限定されるものではない。例えば、実過給圧が目標過給圧とほぼ一致した場合に、新気補填加速要求の終了を判定するようにしてもよい。
また本実施の形態の説明では、新気補填加速要求期間において新気補填加速要求が発生している期間ではEGR弁の開度を強制的に減量していく例を説明したが、この期間にてEGR弁の開度を全閉にするようにしてもよい。また新気補填加速要求期間における新気補填加速要求が発生していない期間では、EGR弁の開度を維持(保持)する例を説明したが、運転状態に応じて、緩やかに減量したり、緩やかに増量したり、するように制御してもよい。
本実施の形態の説明では、可変ノズルを備えたターボ過給機を例として説明したが、ウエイストゲートバルブを備えたターボ過給機であってもよい。また、本実施の形態の説明では、過給機の例としてタービンとコンプレッサを有するターボ過給機(駆動エネルギーは排気エネルギー)を用いて説明したが、電動モータとコンプレッサを有する電動過給機(駆動エネルギーは電気エネルギー)や、スーパーチャージャ(駆動エネルギーはクランクシャフトの回転エネルギー)であってもよい。
また、本発明の内燃機関の制御装置は、ディーゼルエンジンに限定されず、ガソリンエンジンにも適用することが可能である。
また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(より小さい)(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。
1 内燃機関システム
10 内燃機関
11A、11B 吸気管
11C 吸気マニホルド
12A 排気マニホルド
12B、12C 排気管
13 EGR配管
13B バイパス配管
14 EGR弁
14B 調整弁
15 EGRクーラ
16 インタークーラ
21 吸気量検出装置
22A クランク角度検出装置
22B カム角度検出装置
23 大気圧検出装置
24A コンプレッサ上流圧力検出装置
24B コンプレッサ下流圧力検出装置
24C 過給圧検出装置
25 アクセルペダル踏込量検出装置
26A タービン上流圧力検出装置
26B タービン下流圧力検出装置
26C 排気マニホルド圧力検出装置
27 車速検出装置
28A、28B 吸気温度検出装置
28C クーラント温度検出装置
29 排気温度検出装置
29AF 空燃比検出装置
30 ターボ過給機
31 ノズル駆動装置
32 ノズル閉度検出装置
33 可変ノズル
35 コンプレッサ
36 タービン
41 コモンレール
43A~43D インジェクタ
45A~45D シリンダ
47 スロットル装置
47S スロットル開度検出装置
47V スロットル弁
50 制御装置
51 CPU
51A 新気補填加速要求発生判定部
51B 新気補填加速要求終了判定部
51C 新気補填加速要求時EGR減量部
52 RAM
53 記憶装置
54 タイマ
61 排気浄化装置
72 燃料ポンプ
73 燃料圧力検出装置
Tacc1 加速期間
Tair 新気補填加速要求期間

Claims (8)

  1. 内燃機関システムの制御装置であって、
    前記内燃機関システムは、
    内燃機関と、
    前記内燃機関の排気の一部を前記内燃機関の吸気に戻すEGR量を調整するEGR弁と、
    前記内燃機関の吸気を過給する過給機と、
    前記内燃機関の運転状態を検出して前記運転状態に基づいて前記内燃機関を制御する前記制御装置と、
    を有しており、
    前記制御装置は、
    運転者からの加速要求の入力を含む前記内燃機関の前記運転状態において過給に関連する過給関連量に基づいて、前記内燃機関の新気吸気量が不足しない加速要求であると判定した場合は新気補填加速要求が発生していないと判定し、前記新気吸気量が不足する加速要求であると判定した場合は前記新気補填加速要求が発生したと判定する、新気補填加速要求発生判定部と、
    前記過給関連量に基づいて、前記新気吸気量が不足する加速要求の後に前記新気吸気量が不足しない加速要求へ移行した後、加速要求が終了したか否かを判定する、新気補填加速要求終了判定部と、
    前記新気補填加速要求が発生したと判定してから加速要求が終了したと判定するまでの新気補填加速要求期間の間、前記EGR弁の開度を強制的に減量する新気補填加速要求時EGR減量部と、
    を有し、
    前記制御装置は、
    前記新気補填加速要求発生判定部にて前記過給関連量に基づいて前記新気吸気量が不足する加速要求であるか否かを判定する際、
    前記運転状態に基づいて算出した目標とするべき前記内燃機関の過給圧である目標過給圧から、実際の前記内燃機関の過給圧である実過給圧を減算した過給圧偏差を求め、
    時間に対する前記過給圧偏差の変動量であって今回の前記過給圧偏差から前回の前記過給圧偏差を減算した前記変動量が、新気補填加速要求判定閾値以上となった場合に前記新気吸気量が不足する加速要求である前記新気補填加速要求が発生したと判定する、
    内燃機関システムの制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関システムの制御装置であって、
    前記制御装置は、
    前記新気補填加速要求発生判定部にて、前記運転状態に基づいて前記新気補填加速要求判定閾値を算出する、
    内燃機関システムの制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関システムの制御装置であって、
    前記制御装置は、
    前記新気補填加速要求終了判定部にて加速要求が終了したか否かを判定する際、
    前記新気吸気量が不足する加速要求の後に前記新気吸気量が不足しない加速要求へ移行した後の加速要求の終了を判定するための過給圧である実現可能目標過給圧を、前記運転状態に応じた前記実現可能目標過給圧を設定したマップと前記運転状態に基づいて算出、または、前記運転状態の各パラメータを用いて算出し、
    実際の前記内燃機関の過給圧である実過給圧が前記実現可能目標過給圧以上となった場合に加速要求が終了したと判定する、
    あるいは、
    前記新気吸気量が不足する加速要求の後に前記新気吸気量が不足しない加速要求へ移行した後の加速要求の終了を判定するための過給圧である実現可能目標過給圧を、前記運転状態に応じた前記実現可能目標過給圧を設定したマップと前記運転状態に基づいて算出、または、前記運転状態の各パラメータを用いて算出し、
    過給圧を前記実現可能目標過給圧とするために前記過給機への投入が必要と予測される過給機駆動エネルギーであって前記新気吸気量が不足する加速要求の後に前記新気吸気量が不足しない加速要求へ移行した後の加速要求の終了を判定するための過給機駆動エネルギーである実現可能目標駆動エネルギーを、過給圧と前記運転状態に応じた前記過給機駆動エネルギーを設定したマップと前記実現可能目標過給圧と前記運転状態に基づいて算出、または、前記実現可能目標過給圧と前記運転状態の各パラメータを用いて算出し、
    実際に前記過給機に投入されている過給機駆動エネルギーである実駆動エネルギーであって前記運転状態の各パラメータを用いて算出した前記実駆動エネルギーが前記実現可能目標駆動エネルギー以上となった場合に加速要求が終了したと判定する、
    内燃機関システムの制御装置。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の内燃機関システムの制御装置であって、
    前記制御装置は、
    前記新気補填加速要求時EGR減量部にて、前記新気補填加速要求期間において前記新気吸気量が不足する加速要求の期間では、前記EGR弁の開度を前記運転状態に応じて減量する、
    内燃機関システムの制御装置。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の内燃機関システムの制御装置であって、
    前記制御装置は、
    前記新気補填加速要求時EGR減量部にて、前記新気補填加速要求期間において前記新気吸気量が不足しない加速要求の期間では、前記新気吸気量が不足する加速要求の期間で減量した前記EGR弁の開度を維持する、
    内燃機関システムの制御装置。
  6. 内燃機関システムの制御装置であって、
    前記内燃機関システムは、
    内燃機関と、
    前記内燃機関の排気の一部を前記内燃機関の吸気に戻すEGR量を調整するEGR弁と、
    前記内燃機関の吸気を過給する過給機と、
    前記内燃機関の運転状態を検出して前記運転状態に基づいて前記内燃機関を制御する前記制御装置と、
    を有しており、
    前記制御装置は、
    運転者からの加速要求の入力を含む前記内燃機関の前記運転状態において過給に関連する過給関連量に基づいて、前記内燃機関の新気吸気量が不足しない加速要求であると判定した場合は新気補填加速要求が発生していないと判定し、前記新気吸気量が不足する加速要求であると判定した場合は前記新気補填加速要求が発生したと判定する、新気補填加速要求発生判定部と、
    前記過給関連量に基づいて、前記新気吸気量が不足する加速要求の後に前記新気吸気量が不足しない加速要求へ移行した後、加速要求が終了したか否かを判定する、新気補填加速要求終了判定部と、
    前記新気補填加速要求が発生したと判定してから加速要求が終了したと判定するまでの新気補填加速要求期間の間、前記EGR弁の開度を強制的に減量する新気補填加速要求時EGR減量部と、
    を有し、
    前記制御装置は、
    前記新気補填加速要求終了判定部にて加速要求が終了したか否かを判定する際、
    前記新気吸気量が不足する加速要求の後に前記新気吸気量が不足しない加速要求へ移行した後の加速要求の終了を判定するための過給圧である実現可能目標過給圧を、前記運転状態に応じた前記実現可能目標過給圧を設定したマップと前記運転状態に基づいて算出、または、前記運転状態の各パラメータを用いて算出し、
    実際の前記内燃機関の過給圧である実過給圧が前記実現可能目標過給圧以上となった場合に加速要求が終了したと判定する、
    あるいは、
    前記新気吸気量が不足する加速要求の後に前記新気吸気量が不足しない加速要求へ移行した後の加速要求の終了を判定するための過給圧である実現可能目標過給圧を、前記運転状態に応じた前記実現可能目標過給圧を設定したマップと前記運転状態に基づいて算出、または、前記運転状態の各パラメータを用いて算出し、
    過給圧を前記実現可能目標過給圧とするために前記過給機への投入が必要と予測される過給機駆動エネルギーであって前記新気吸気量が不足する加速要求の後に前記新気吸気量が不足しない加速要求へ移行した後の加速要求の終了を判定するための過給機駆動エネルギーである実現可能目標駆動エネルギーを、過給圧と前記運転状態に応じた前記過給機駆動エネルギーを設定したマップと前記実現可能目標過給圧と前記運転状態に基づいて算出、または、前記実現可能目標過給圧と前記運転状態の各パラメータを用いて算出し、
    実際に前記過給機に投入されている過給機駆動エネルギーである実駆動エネルギーであって前記運転状態の各パラメータを用いて算出した前記実駆動エネルギーが前記実現可能目標駆動エネルギー以上となった場合に加速要求が終了したと判定する、
    内燃機関システムの制御装置。
  7. 内燃機関システムの制御装置であって、
    前記内燃機関システムは、
    内燃機関と、
    前記内燃機関の排気の一部を前記内燃機関の吸気に戻すEGR量を調整するEGR弁と、
    前記内燃機関の吸気を過給する過給機と、
    前記内燃機関の運転状態を検出して前記運転状態に基づいて前記内燃機関を制御する前記制御装置と、
    を有しており、
    前記制御装置は、
    運転者からの加速要求の入力を含む前記内燃機関の前記運転状態において過給に関連する過給関連量に基づいて、前記内燃機関の新気吸気量が不足しない加速要求であると判定した場合は新気補填加速要求が発生していないと判定し、前記新気吸気量が不足する加速要求であると判定した場合は前記新気補填加速要求が発生したと判定する、新気補填加速要求発生判定部と、
    前記過給関連量に基づいて、前記新気吸気量が不足する加速要求の後に前記新気吸気量が不足しない加速要求へ移行した後、加速要求が終了したか否かを判定する、新気補填加速要求終了判定部と、
    前記新気補填加速要求が発生したと判定してから加速要求が終了したと判定するまでの新気補填加速要求期間の間、前記EGR弁の開度を強制的に減量する新気補填加速要求時EGR減量部と、
    を有し、
    前記制御装置は、
    前記新気補填加速要求時EGR減量部にて、前記新気補填加速要求期間において前記新気吸気量が不足する加速要求の期間では、前記EGR弁の開度を前記運転状態に応じて減量する、
    内燃機関システムの制御装置。
  8. 内燃機関システムの制御装置であって、
    前記内燃機関システムは、
    内燃機関と、
    前記内燃機関の排気の一部を前記内燃機関の吸気に戻すEGR量を調整するEGR弁と、
    前記内燃機関の吸気を過給する過給機と、
    前記内燃機関の運転状態を検出して前記運転状態に基づいて前記内燃機関を制御する前記制御装置と、
    を有しており、
    前記制御装置は、
    運転者からの加速要求の入力を含む前記内燃機関の前記運転状態において過給に関連する過給関連量に基づいて、前記内燃機関の新気吸気量が不足しない加速要求であると判定した場合は新気補填加速要求が発生していないと判定し、前記新気吸気量が不足する加速要求であると判定した場合は前記新気補填加速要求が発生したと判定する、新気補填加速要求発生判定部と、
    前記過給関連量に基づいて、前記新気吸気量が不足する加速要求の後に前記新気吸気量が不足しない加速要求へ移行した後、加速要求が終了したか否かを判定する、新気補填加速要求終了判定部と、
    前記新気補填加速要求が発生したと判定してから加速要求が終了したと判定するまでの新気補填加速要求期間の間、前記EGR弁の開度を強制的に減量する新気補填加速要求時EGR減量部と、
    を有し、
    前記制御装置は、
    前記新気補填加速要求時EGR減量部にて、前記新気補填加速要求期間において前記新気吸気量が不足しない加速要求の期間では、前記新気吸気量が不足する加速要求の期間で減量した前記EGR弁の開度を維持する、
    内燃機関システムの制御装置。
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