上記の本発明のキャップの一態様では、前記規制壁は、前記管状部に対して半径方向外向きに延びたフランジを含んでいてもよい。かかる態様によれば、フランジが、管状部から流出した液状物がロック機構に向かって流れるのを阻止する。これは、液状物が、コネクタに設けられたロック機構に付着するのを防止するのに有利である。
上記態様において、前記停止部は、前記フランジに対して、前記管状部から流出する液状物の流れ方向の下流側に離間していてもよい。かかる態様によれば、管状部から流出した液状物は停止部に衝突し、液状物の流速(勢い)が低下する。これは、プライミング時に液状物が広範囲に飛び散るのを防止するのに有利である。フランジは、停止部に衝突した液状物がロック機構に向かって流れる(または飛散する)のを阻止する。これは、液状物が、コネクタに設けられたロック機構に付着するのを防止するのに有利である。
上記態様において、前記規制壁は、前記フランジと前記停止部との間の隙間に対して半径方向外側に、前記隙間を取り囲むように配置された外周筒を更に含んでいてもよい。かかる態様によれば、管状部から流出した液状物を、停止部に続いて外周筒に衝突させることができる。液状物が外周筒に衝突することによって、液状物の流速は更に低下する。これは、プライミング時に液状物が広範囲に飛び散るのを防止するのに有利である。
上記態様おいて、前記外周筒は、周方向に連続した筒形状を有していてもよい。かかる態様によれば、液状物を外周筒に確実に衝突させることができる。これは、プライミング時に液状物が広範囲に飛び散るのを防止するのに更に有利である。
あるいは、前記外周筒に、前記外周筒を半径方向に貫通する開口が設けられていてもよい。かかる態様によれば、開口を通じて液状物を外周筒から流出させることができる。
前記停止部は、前記フランジが沿う平面にほぼ沿って配置されていてもよい。かかる態様によれば、キャップの構成が簡単化され、キャップの製造が容易になる。また、キャップの軸方向(管状部の長手方向)に沿った寸法を短くすることができ、キャップの小型化が容易になる。
前記停止部の面積は、前記管状部の先端での流路の面積の10%以上であってもよい。かかる態様は、プライミング時に液状物が広範囲に飛び散るのを防止するのに有利である。
前記停止部と前記フランジとの間に、前記管状部から流出した液状物が通過可能な少なくとも1つの開口が設けられていてもよい。前記管状部の軸と同心の円であって、前記少なくとも1つの開口に外接する円の直径は、前記管状部の先端での開口の内径より大きくてもよい。かかる態様は、プライミング時に、液状物の排出を確保しながら、液状物が広範囲に飛び散るのを防止するのに有利である。
上記の本発明のキャップの一態様では、前記規制壁は、前記管状部に接続可能な接続筒を含んでいてもよい。かかる態様によれば、管状部から流出した液状物は、続いて接続筒内を流れる。これは、液状物が、コネクタに設けられたロック機構に付着するのを防止するのに有利である。
上記態様において、前記接続筒は、前記管状部に嵌入することができるように構成されていてもよい。管状部がメス部材である場合には、かかる態様を適用することにより、メス部材と接続筒とを液密に接続することが容易である。
上記態様において、前記停止部は、液状物が流出する前記接続筒の開口から離間して配置されていてもよい。前記コネクタに装着したキャップを前記管状部の軸に沿って見たとき、前記停止部は前記接続筒の前記開口の少なくとも一部を覆ってもよい。かかる態様によれば、接続筒から流出した液状物が停止部に衝突する可能性が高い。これは、プライミング時に液状物が広範囲に飛び散るのを防止するのに有利である。
あるいは、前記接続筒は、前記管状部が前記接続筒に嵌入することができるように構成されていてもよい。かかる態様によれば、接続筒内の流路の断面積を大きくすることが容易である。これにより、接続筒から流出する液状物の流速が低下する。これは、プライミング時に液状物が広範囲に飛び散るのを防止するのに有利である。
上記態様において、前記コネクタに装着したキャップを前記管状部の軸に沿って見たとき、前記停止部は前記管状部の先端の開口の少なくとも一部を覆ってもよい。好ましくは、前記停止部は前記接続筒の液状物が流出する開口を覆ってもよい。かかる態様によれば、接続筒から流出した液状物が停止部に衝突する可能性が高い。これは、プライミング時に液状物が広範囲に飛び散るのを防止するのに有利である。
上記の本発明のキャップの一態様では、前記コネクタは第1コネクタであってもよい。前記第1コネクタは第2コネクタに対して接続及び分離が可能であってもよい。前記第1コネクタは、前記第1コネクタが前記第2コネクタに接続された状態が維持されるように、前記第2コネクタに係合するロック機構を備えていてもよい。前記規制壁は、前記キャップを前記第1コネクタに装着したとき前記管状部から流出した液状物が前記第1コネクタの前記ロック機構に付着しないように構成されていてもよい。かかる態様は、プライミング時に第1コネクタから流出した液状物が第1コネクタに設けられたロック機構に付着するのを防止するのに有利である。
上記において、前記ロック機構は、前記管状部の外周面に設けられた螺状突起であってもよい。
あるいは、前記ロック機構は、前記管状部を取り囲むように設けられた雌ネジであってもよい。
あるいは、前記ロック機構は、前記管状部を取り囲むロック筒の内周面に設けられた凸部又は凹部であってもよい。
前記規制壁は、前記管状部に対して半径方向外向きに延びたフランジと、前記フランジから前記第1コネクタの側に向かって延びた保護筒とを含んでいてもよい。前記保護筒は、前記キャップを前記第1コネクタに装着したとき、前記ロック機構が前記保護筒の内腔内に収容されるように構成されていてもよい。かかる態様は、プライミング時に第1コネクタから流出した液状物が第1コネクタに設けられたロック機構に付着するのを防止するのに更に有利である。
本発明のキャップは、前記保護筒の先端から半径方向外側に向かって突出した鍔を備えていてもよい。鍔は、規制壁として機能して、第1コネクタの管状部から流出した液状物が第1コネクタに設けられたロック機構に付着するのを防止する。また、鍔を把持することにより、第1コネクタに対するキャップの着脱(特に、取り外し)が容易になる。
以下に、本発明を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態を構成する主要部材を簡略化して示したものである。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の部材を備え得る。また、本発明の範囲内において、以下の各図に示された各部材を変更または省略し得る。同一または対応する部材には、異なる図面において同じ符号が付してある。そのような部材の説明は、後行する実施形態では省略されており、先行する実施形態の説明を適宜参酌すべきである。
本発明において、「軸」は、部材の中心軸を意味する。「軸」は、部材に含まれる円の中心を通り、且つ/又は、部材に含まれる円筒の中心軸と一致する。軸に直交する直線に沿った方向を「半径方向」という。半径方向において、軸に近い側を「内」側、軸に遠い側を「外」側という。
(実施形態1)
実施形態1では、経腸栄養に使用されるコネクタに着脱可能なキャップについて説明する。
図1は、経腸栄養の一構成例を示した図である。患者に投与される液状物(例えば栄養剤)は、容器801に貯留される。液状物は、容器801から、栄養セット810、カテーテル820を順に流れ、患者に投与される。栄養セット810は、柔軟なチューブ811で構成される。チューブ811の上流側端には、容器801のポート803に対して繰り返し接続及び分離が可能なコネクタ813が設けられ、チューブ811の下流側端にはメスコネクタ830が設けられている。チューブ811上には、液状物の流れを可視化するための点滴筒815、液状物の流量を調整するためのクレンメ817が設けられている。カテーテル820は、柔軟なチューブ821で構成される。カテーテル820は、例えば患者の鼻から挿入され、その先端(図示せず)は消化管(例えば胃)にまで達している。チューブ821の上流側端には、メスコネクタ830に対して接続及び分離が可能なオスコネクタ850が設けられている。
図2は、メスコネクタ830の斜視図である。図3A及び図3Bは、メスコネクタ830の異なる断面に沿った断面斜視図である。図3Aの断面と図3Bの断面とは、メスコネクタ830の軸(図示せず)にて直交する。
メスコネクタ830は、その一端に、中空円筒形状のメス部材(管状部)831を有する。メス部材831は、メスコネクタ830の軸と同軸である。メス部材831の内周面には、メス部材831の先端に近づくにしたがって内径が大きくなるテーパ面(いわゆるメステーパ面)832が設けられている。メス部材831の外周面833には、螺状突起(雄ネジ)834が設けられている。本実施形態では螺状突起834はネジ山が分断された不連続ネジであるが、ネジ山が連続した連続ネジ(一般的な雄ネジ)であってもよい。
メスコネクタ830は、そのメス部材831とは反対側端に、基管837を有する。基管837は、中空円筒形状を有し、メス部材831と同軸に配置されている。チューブ811(図1参照)は基管837に挿入され、接着剤等を用いて基管837に固定される(後述する図8B参照)。
一対のグリップ部838が、基管837の外周面に、半径方向に沿って互いに反対側に向かって突出するように設けられている。グリップ部838は、作業者がメスコネクタ830を把持してメスコネクタ830に回転力を加えるのを容易にする。
流路836が、メスコネクタ830の軸に沿って延び、メスコネクタ830を貫通している。流路836を介して、メス部材831と基管837とが連通している。鍔839が、メス部材831と基管837との間の位置から半径方向外向きにフランジ状に突出している。鍔839は、メスコネクタ830の軸に沿って見た形状が円形である薄板である。鍔839は、作業者がその指で基管837及びグリップ部838を把持したときに、指がメス部材831の外周面833や螺状突起834に触れるのを防止して、これらの衛生状態が良好に維持されるのに役立つ。
図4は、オスコネクタ850の斜視図である。図5A及び図5Bはオスコネクタ850の異なる断面に沿った断面斜視図である。図5Aの断面と図5Bの断面とは、オスコネクタ850の軸(図示せず)にて直交する。
オスコネクタ850は、その一端に、中空円筒形状のオス部材(管状部)851を有する。オス部材851は、オスコネクタ850の軸と同軸である。オス部材851の外周面には、オス部材851の先端に近づくにしたがって外径が小さくなるテーパ面(いわゆるオステーパ面)852が設けられている。オス部材851は、テーパ面852より先端側に、テーパ面852より大きなテーパ角度を有する先端テーパ面859を有する。オスコネクタ850は、更に、中空円筒形状の外筒853を有する。外筒853は、オス部材851と同軸に配置され、オス部材851から半径方向に離間しながらオス部材851を取り囲んでいる。外筒853のオス部材851に対向する内周面には雌ネジ854が設けられている。オス部材851の先端(特に先端テーパ面859)は、外筒853よりも軸方向に突出している。
オスコネクタ850は、そのオス部材851とは反対側端に、基管857を有する。基管857は、中空円筒形状を有し、オス部材851と同軸に配置されている。チューブ821(図1参照)は基管857に挿入され、接着剤等を用いて基管857に固定される。
一対のグリップ部858が、基管857の外周面に、半径方向外向きに互いに反対側に向かって突出するように設けられている。グリップ部858は、作業者がオスコネクタ850を把持してオスコネクタ850に回転力を加えるのを容易にする。
流路856が、オスコネクタ850の軸に沿って延び、オスコネクタ850を貫通している。流路856を介して、オス部材851と基管857とが連通している。
メスコネクタ830及びメスコネクタ850は、制限されないが、硬質の材料からなることが好ましい。具体的には、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリプロピレン、硬質ポリ塩化ビニル等の樹脂材料を用いうる。メスコネクタ830及びオスコネクタ850のそれぞれは、これらの樹脂材料を用いて射出成形法等により全体を一部品として一体的に製造することができる。
メスコネクタ830とオスコネクタ850とは、オス部材851をメス部材831に挿入し、且つ、螺状突起834を雌ネジ854に螺合させることにより接続することができる。オス部材851の先端に先端テーパ面859が設けられ、且つ、先端テーパ面859が外筒853の先端よりも突出しているので、オス部材851のメス部材831に対する挿入は容易である。メス部材831のメステーパ面832とオス部材851のオステーパ面852とは、径及びテーパ角度が一致するから、両者は液密に面接触(いわゆるテーパ嵌合)をする。互いに螺合する螺状突起834及び雌ネジ854は、メスコネクタ830とオスコネクタ850との接続状態を維持するためのロック機構を構成する。螺状突起834が雌ネジ854に螺合している限り、栄養セット810とカテーテル820との間に引張り力が加えられても、メスコネクタ830とオスコネクタ850とが意図せずに分離することはない。メスコネクタ830とオスコネクタ850との分離は、螺状突起834と雌ネジ854との螺合を緩めることにより可能である。メスコネクタ830はオスコネクタ850に対して繰り返し接続及び分離することができる。
図6Aは、本発明の実施形態1にかかるキャップ100の斜視図である。図6Bは、のキャップ100の正面図である。図7はキャップ100の断面斜視図である。図7の断面は、キャップ100の軸(図示せず)を含む。
図7に示されているように、キャップ100は、キャップ100の軸と同軸に配置された、中空円筒形状を有する接続筒110を備える。接続筒110の外周面には、接続筒110の先端に近づくにしたがって外径が小さくなるテーパ面(いわゆるオステーパ面)112が設けられている。テーパ面112は、オスコネクタ850のオステーパ面852(図4、図5A、図5B参照)と同じ外径及びテーパ角度を有していてもよい。
フランジ115が、接続筒110の長手方向の一端から半径方向外向きに延びている。フランジ115は、全体として、中央に円形の開口を有する、ドーナツ形状の薄板(円形板)である。
フランジ115の外周端に、外筒120が接続されている。外筒120は、接続筒110より大径の中空円筒形状を有し、接続筒110と同軸に配置されている。フランジ115は、外筒120の軸方向の全長のほぼ中央に位置している。外筒120のうち、フランジ115に対して接続筒110側の部分を保護筒122といい、外筒120のうち、フランジ115に対して接続筒110とは反対側の部分を外周筒125という。保護筒122は、接続筒110から半径方向に離間し、且つ、接続筒110を取り囲んでいる。
キャップ110は、外周筒125の内腔内に停止部140を更に備える。停止部140は、キャップ100の軸に沿って見た形状が円形である略円板形状を有する。停止部140の外径は、接続筒110のフランジ115側での開口径(またはフランジ115の開口径)とほぼ同じかこれより大きいことが好ましい。したがって、キャップ100の軸に沿って見たとき、停止部140は接続筒110の開口(またはフランジ115の開口)を覆っている(図6B参照)。停止部140の接続筒110(またはフランジ115)側の面は、その中央(軸が交差する点)が接続筒110(またはフランジ115)から離れるように窪んだ凹曲面141である。
停止部140は、接続筒110と同軸に、フランジ115(または接続筒110)から軸方向に離間して配置されている。キャップ100の軸に対して等角度間隔で配置された複数(本実施形態では4つ)の支持具145が、停止部140を支持している。各支持具145は、キャップ100の軸及び半径方向のいずれにも平行な略矩形の薄板であり、外周筒125及びフランジ115に保持されている。停止部140とフランジ115(または接続筒110)との間であって、且つ、周方向に隣り合う支持具145の間に、開口143が設けられている。外周筒125は、開口143に半径方向に対向する。フランジ115(または接続筒110)と停止部140との間の隙間147に対して半径方向外側に、隙間147を取り囲むように、外周筒125が配置されている。接続筒110の内腔は、隙間147、開口143、及び、外周筒125の内腔を順に介して、キャップ100の外界に連通している。
なお、停止部140を所望する位置に保持することができれば、支持具145の構成は任意である。例えば、支持具145が、外周筒125及びフランジ115のうちのいずれか一方のみに接続されていてもよい。支持具145は、略矩形の薄板である必要はなく、例えば細長い板または棒(柱状体)であってもよい。細長い板または棒である支持具145は、半径方向に沿って、または、軸に平行に、または、半径方向及び軸方向のいずれに対しても傾斜して、延びていてもよい。
キャップ100の材料は、制限はないが、外力によって実質的に変形しない機械的強度(剛性)を有する硬質材料が好ましい。例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレン、硬質ポリ塩化ビニル、ABS(アクリル-ブタジエン-スチレン共重合体)等の樹脂材料を用いることができ、中でもポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ABSが好ましい。キャップ100は、上記の樹脂材料を用いて、射出成形法等により全体を一部品として一体的に製造することができる。
キャップ100の使用方法を説明する。キャップ100は、経腸栄養により液状物(例えば栄養剤)を患者に投与するのに先立って行うプライミングを実施する際に、メスコネクタ830(図1参照)に装着される。
プライミングは、概略、以下の手順で行われる。図1において、容器801のポート803に栄養セット810のコネクタ813を接続する。このとき、栄養セット810のクレンメ817は閉じられている。容器801を例えばイルリガートルスタンドに吊り下げる。容器801に、液状物(例えば栄養剤)を注入する。カテーテル820は、患者の鼻腔から挿入され、その先端(図示せず)は消化管(例えば胃)にまで達している。メスコネクタ830とオスコネクタ850とは接続されていない。この状態において、キャップ100をメスコネクタ830に装着する。
図8Aは、キャップ100が装着されたメスコネクタ830の斜視図である。図8Bは、図8Aの断面図である。
図8Bに示されているように、接続筒110が、メス部材831に嵌入している。接続筒110のオステーパ面112とメス部材831のメステーパ面832とは、径及びテーパ角度が一致するから、両者は液密に面接触(いわゆるテーパ嵌合)をする。オステーパ面112とメステーパ面832との間の摩擦力によって、キャップ100はメスコネクタ830に、同軸に、しっかりと固定され且つ保持される。栄養セット810のチューブ811、メスコネクタ830の流路836、接続筒110が、順に連通する。
メス部材831は、キャップ100の保護筒122(外筒120)と接続筒110との間の隙間に挿入されている。保護筒122の先端(フランジ115から最も遠い部分)は、メスコネクタ830の鍔839に軸方向に対向し且つ接近(または当接)している。メス部材831の外周面833及び螺状突起834は、保護筒122内に収容されている。
この状態で栄養セット810のクレンメ817(図1参照)を開く。容器801内の液状物が、重力によって、チューブ811内を流れる。液状物が、チューブ811内の空気を、メス部材831及び接続筒110を通って外界へ押し出す。チューブ811内は、液状物で徐々に満たされる。そして、液状物がメス部材831(または接続筒110)に到達した時点でクレンメ817を閉じる。キャップ100をメスコネクタ830から分離する。メスコネクタ830をオスコネクタ850に接続する。そして、クレンメ817を開き、液状物を、カテーテル820を介して患者に投与する。
以上のように、キャップ100は、栄養セット810内の流路を液状物で満たすプライミングを行う際に、栄養セット810の下流端に設けられたメスコネクタ830に装着される。プライミングが終了した時点で、キャップ100はメスコネクタ830から取り外される。
プライミングでは、液状物がメス部材831に到達した時点で液状物の流れが停止するようにクレンメ817を操作する必要がある。しかしながら、クレンメ817を閉じるタイミングによっては、液状物がメス部材831から外界に流出する事態が起こりうる。
本実施形態1と異なり、キャップ100をメスコネクタ830(図2、図3A、図3B参照)に装着せずにプライミングを行った場合、メス部材831から液状物が流出することによって以下の問題が生じうる。
第1に、メスコネクタ830に設けられたロック機構(螺状突起834)に液状物が付着する。即ち、メス部材831から流出した液状物は、メス部材831の外周面833に沿って流れ、外周面833や螺状突起834に液状物が付着する。螺状突起834は複雑な形状を有しているので、螺状突起834に付着した液状物を完全に拭き取ることは困難である。液状物が螺状突起834に付着したままでメスコネクタ830をオスコネクタ850(図4、図5A、図5B参照)に接続すると、液状物が、螺状突起834とオスコネクタ850の雌ネジ854との螺合を妨げる。また、螺状突起834に付着した液状物は、メスコネクタ830の衛生状態を悪化させる。更に、液状物が、螺状突起834からオスコネクタ850の雌ネジ854に転着しうる。オスコネクタ850のオス部材851と外筒853との間の隙間855は狭く、且つ、雌ネジ854は複雑な形状を有しているので、雌ネジ854(特にそのネジ溝)に付着した液状物を拭き取ることは困難である。オスコネクタ850はカテーテル820とともに、長期間にわたって患者に留置されることがある。雌ネジ854に付着した液状物は、オスコネクタ850を不衛生状態に至らしめうる。
第2に、メスコネクタ830の周囲が液状物で汚れる。クレンメ817の開度等によってはチューブ811を流れる液状物の流速が速く、液状物がメス部材831から勢いよく噴出するかも知れない。液状物は、メス部材831から遠くにまで広範囲に飛び散り、患者や作業者の着衣やリネンを汚してしまう。
キャップ100をメスコネクタ830に装着した状態(図8A及び図8B参照)でプライミングを行うと、上記の問題を解決することができる。これを、以下に説明する。
図8Bに示されているように、キャップ100をメスコネクタ830に装着したとき、メス部材831に接続筒110が接続される。接続筒110の開口端からフランジ115が半径方向外向きに延び、フランジ115の外周端から外周筒125が接続筒110(またはメスコネクタ830)とは反対側に向かって延びている。このため、液状物は、メスコネクタ830の流路836から接続筒110に流入し、開口143を通過し、フランジ115、外周筒125(特にその内周面)に沿って流れ、キャップ100の外界へ流れ出る。即ち、接続筒110、フランジ115、及び、外周筒125が、メス部材831から流出した液状物がメス部材831の外周面833に沿って流れないように液状物の流れを規制する「規制壁」として機能する。液状物は、外周筒125の先端に到達した後、メスコネクタ830及びキャップ100の向きによっては、外周筒125の外周面に沿ってメスコネクタ830の側に向かって流れるかも知れない。この場合、外周筒125に連続する保護筒122が、液状物がメス部材831の外周面833に沿って流れないように液状物の流れを規制する「規制壁」として機能する。このため、本実施形態1では、液状物が、外周面833や螺状突起834に付着する可能性はほとんどない。プライミング後、メスコネクタ830からキャップ100を取り外し、外周面833や螺状突起834を拭き取り清掃することなくメスコネクタ830をオスコネクタ850(図4、図5A、図5B参照)に接続しても、螺状突起834を雌ネジ854に確実に螺合させることができる。また、オスコネクタ850の雌ネジ854に液状物は転着しない。メスコネクタ830及びオスコネクタ850の衛生状態を長期にわたって良好に維持することができる。また、プライミングを終了し、キャップ100をメスコネクタ830から取り外した後、液状物をメスコネクタ830から拭き取り清掃する作業を省略または簡単化することができる。このため、プライミング作業を全体として簡単且つ短時間で行うことができ、作業者の負担が軽減される。
プライミング時の液状物の流速が速いと、液状物は接続筒110から勢いよく噴出する。液状物は、接続筒110から噴出した後、メス部材831(または接続筒110)の軸上に、メス部材831及び接続筒110から離間して配置された停止部140の凹曲面141に衝突する。液状物は、開口143から半径方向外向きに流出し、外周筒125の内周面に衝突する。その後、液状物は、外周筒125の内周面に沿って流れ、外界に流出する。このように、停止部140は、接続筒110から噴出した液状物の勢い(流速)を弱める。外周筒125の内周面は、開口143を通って流れ出た液状物の勢い(流速)を更に弱める。したがって、外周筒125からキャップ100の外界に流れ出る液状物の流れは緩やかになる。液状物が、キャップ100からから遠くにまで広範囲に飛び散ることはない。停止部140の凹曲面141は、停止部140に衝突した後の液状物の流れ方向をわずかにフランジ115側に傾斜させる。このため、開口143から流出した液状物は、フランジ115または外周筒125に確実に衝突する。これは、液状物がキャップ100から広範囲に飛び散るのを防止するのに有利である。
キャップ100をメスコネクタ830に装着したとき、接続筒110はメス部材831に挿入される。接続筒110内の流路断面積は、メス部材831内の流路断面積より小さいので、液状物の流速は、メス部材831内に比べて、接続筒110内においてより速い。このため、メスコネクタ830にキャップ100を装着した場合には、液状物は接続筒110からより勢いよく噴出する。しかしながら、キャップ100は、上記のように液状物が勢いよく噴出して周囲を汚すのを防止することができる。
メスコネクタ830にキャップ100を装着することにより、メスコネクタ830のメス部材831や螺状突起834(ロック機構)がキャップ100内に収容される。より詳細には、接続筒110がメス部材831のメステーパ面832を覆い、フランジ115及び保護筒122がメス部材831の先端、外周面、及び螺状突起834を覆う。更に、停止部140がメスコネクタ830の流路836へのアクセスを困難にしている。従って、キャップ100をメスコネクタ830に装着することにより、メス部材831、螺状突起834及び流路836等のメスコネクタ830の主要部分が、作業者の指等が触れることによって接触汚染されるのを防止することができる。
本実施形態1は、例示に過ぎない。本発明は、本実施形態1に限定されず、適宜変更することができる。
キャップ100の接続筒110は、メス部材831に連通されればよい。本実施形態では、接続筒110がメス部材831に嵌入した。但し、接続筒110とメス部材831との接続構造はこれに限定されない。例えば、後述する実施形態2,3と同様に、接続筒110にメス部材831が嵌入してもよい。あるいは、接続筒110の先端がメス部材831の先端に軸方向に当接することにより、接続筒110がメス部材831に連通されてもよい。接続筒110はメス部材831に液密に接続されることが好ましい。しかしながら、プライミング時に接続筒110とメス部材831との間から液状物が漏れ出なければ十分であり、両者間に厳密な意味でのシールが形成される必要はない。例えば、ラビリンスシールのように接続筒110とメス部材831との間にわずかな隙間が存在していても、液状物が当該隙間を通って実質的に漏れ出なければ十分である。
本実施形態1では、メス部材831から流出した液状物の流れを規制する「規制壁」が、接続筒110、フランジ115、外周筒125、及び、保護筒122によって構成された。しかしながら、規制壁の構成は、これに限定されない。
例えば、キャップ100が、外周筒125及び保護筒122のうちの一方または両方を備えていなくてもよい。この場合にも、メス部材831から流出した液状物が螺状突起834に付着する可能性を低減させることが可能である。
あるいは、キャップ100が、接続筒110を備えていなくてもよい。例えば、保護筒122の内周面に、螺状突起834に螺合する雌ネジを設ければ、接続筒110がなくても、キャップ100をメスコネクタ830にしっかりと固定することができる。フランジ115はメス部材831の先端に軸方向に当接される。この場合にも、メス部材831から流出した液状物が螺状突起834に付着する可能性を低減させることが可能である。
あるいは、キャップ100が、フランジ115、外周筒125、及び、保護筒122を備えていなくてもよい。例えば、接続筒110をメス部材831から突出するように長尺化する。接続筒110の先端に、接続筒110の先端から軸方向に離間して停止部(例えば本実施形態1の停止部140)を設ける。この場合にも、メス部材831から流出した液状物が螺状突起834に付着する可能性を低減させることが可能である。
キャップ100をメスコネクタ830に装着したとき、メスコネクタ830の鍔839は保護筒122内に収容されてもよい。
停止部140の構成は、本実施形態に限定されない。
例えば、停止部140の接続筒110(またはフランジ115)に対向する面は、凹曲面141である必要はなく、平坦面または凸曲面等であってもよい。
停止部140、外周筒125、及び支持具145に代えて、後述する実施形態2の停止部240及び外周筒225をキャップ100に適用してもよい。あるいは、停止部140、外周筒125、及び支持具145に代えて、後述する実施形態3の、フランジ315と略同一平面に沿って配置された停止部340をキャップ100に適用してもよい。
(実施形態2)
図9に、経腸栄養の別の構成例を示す。図9は、メスコネクタ830とオスコネクタ850とが入れ替わっている点で図1と異なる。経腸栄養においては、メスコネクタ830とオスコネクタ850とからなる接続具は、図1に示すように、メスコネクタ830が上流側に且つオスコネクタ850が下流側になるように設けられるのが一般的である。しかしながら、図9に示すように、オスコネクタ850が上流側に且つメスコネクタ830が下流側に配置される場合があり得る。本実施形態2のキャップ200は、図9のオスコネクタ850に着脱可能である。
図10Aはキャップ200の斜視図、図10Bはキャップ200の断面斜視図である。図10Bの断面は、キャップ200の軸(図示せず)を含む。
キャップ200は、キャップ200の軸と同軸に配置された、中空円筒形状を有する接続筒210を備える。接続筒210の内周面には、接続筒210の先端に近づくにしたがって内径が大きくなるテーパ面(いわゆるメスステーパ面)212が設けられている。テーパ面212は、メスコネクタ830のメステーパ面832(図2、図3A、図3B参照)と同じ内径及びテーパ角度を有していてもよい。
フランジ215が、接続筒210の長手方向の一端から半径方向外向きに延びている。フランジ215は、全体として、中央に円形の開口を有する、ドーナツ形状の薄板(円形板)である。
フランジ215の外周端に、外周筒225が接続されている。外周筒225は、接続筒210より大径の中空円筒形状を有し、接続筒210と同軸に配置されている。外周筒225は、フランジ215から、接続筒210とは反対側に向かって延びている。実施形態1の外周筒125とは異なり、外周筒225には、外周筒225を半径方向に貫通する複数(本実施形態では6つ)の開口228が設けられている。複数の開口228は、周方向に等角度間隔で配置されている。
キャップ210は、外周筒225の内腔内に停止部240を更に備える。実施形態1の停止部140と異なり、停止部240は、接続筒210(またはフランジ215)に向かって突出した凸曲面241を有する。凸曲面241は、略円錐形状(または略コーン形状)を有する。停止部240は、凸曲面241の外周端(接続筒210から最も部分)から半径方向外向きに延びた鍔242をさらに有する。鍔242は、凸曲面241の円形の外周端を環状に取り囲む。停止部240の接続筒210及びフランジ215に対向する面は、凸曲面241と鍔242とで構成され、これらがなめらかに接続されている。停止部240は外周筒225により支持されている。より詳細には、停止部240の鍔242が、外周筒225の先端(フランジ215から最も遠い箇所)に接続されている。停止部240は、凸曲面241の頂点を接続筒210に向けて、接続筒210と同軸に、フランジ215(または接続筒210)から軸方向に離間して配置されている。キャップ200の軸に沿って見た停止部240の外径(即ち、鍔242の外径)は、接続筒210のフランジ215側での開口径(またはフランジ215の開口径)より大きく、フランジ215及び外筒225の外径と略同じである。したがって、図示を省略するが、キャップ200の軸に沿って見たとき、停止部240は接続筒210の開口(またはフランジ215の開口)を覆う。
フランジ215(または接続筒210)と停止部240との間の隙間247に対して半径方向外側に、隙間247を取り囲むように、外周筒225が配置されている。接続筒210の内腔は、隙間247、開口228を順に介して、キャップ200の外界に連通している。
キャップ200の材料は、制限はないが、外力によって実質的に変形しない機械的強度(剛性)を有する硬質材料が好ましい。例えば、実施形態1のキャップ100の材料と同じ樹脂材料を用いうる。キャップ200は、当該樹脂材料を用いて、射出成形法等により全体を一部品として一体的に製造することができる。
キャップ200の使用方法を説明する。実施形態1のキャップ100と同様に、キャップ200は、経腸栄養により液状物(例えば栄養剤)を患者に投与するのに先立って行うプライミングを実施する際に、オスコネクタ850(図9参照)に装着される。
プライミングは、概略、以下の手順で行われる。図9において、容器801のポート803に栄養セット810のコネクタ813を接続する。このとき、栄養セット810のクレンメ817は閉じられている。容器801を例えばイルリガートルスタンドに吊り下げる。容器801に、液状物(例えば栄養剤)を注入する。カテーテル820は、患者の鼻腔から挿入され、その先端(図示せず)は消化管(例えば胃)にまで達している。オスコネクタ850とメスコネクタ830とは接続されていない。この状態において、キャップ200をオスコネクタ850に装着する。
図11Aは、キャップ200が装着されたオスコネクタ850の斜視図である。図11Bは、図11Aの断面図である。
図11Bに示されているように、オス部材851が、接続筒210に嵌入している。オス部材851の先端に先端テーパ面859が設けられ、且つ、先端テーパ面859が外筒853の先端よりも突出しているので、オス部材851の接続筒210に対する挿入は容易である。接続筒210のメステーパ面212とオス部材851のオステーパ面852とは、径及びテーパ角度が一致するから、両者は液密に面接触(いわゆるテーパ嵌合)をする。メステーパ面212とオステーパ面852との間の摩擦力によって、キャップ200はオスコネクタ850に、同軸に、しっかりと固定され且つ保持される。栄養セット810のチューブ811、オスコネクタ850の流路856、接続筒210が、順に連通する。
接続筒210は、オスコネクタ850のオス部材851と外筒853との間の隙間855に挿入されている。フランジ215は、オスコネクタ850の外筒853に軸方向に対向し且つ接近(または当接)している。フランジ215の外径は外筒853の外径と略同じである。したがって、フランジ215の外周端は、外筒853の外周面と略共通の円筒面を構成する。オスコネクタ850の隙間855は、キャップ200の接続筒210及びフランジ215によって実質的に塞がれている。
この状態で栄養セット810のクレンメ817(図9参照)を開く。容器801内の液状物が、重力によって、チューブ811内を流れる。液状物が、チューブ811内の空気を、オス部材851及び接続筒210を通って外界へ押し出す。チューブ811内は、液状物で徐々に満たされる。そして、液状物がオス部材851(または接続筒210)に到達した時点でクレンメ817を閉じる。キャップ200をオスコネクタ850から分離する。オスコネクタ850をメスコネクタ830に接続する。そして、クレンメ817を開き、液状物を、カテーテル820を介して患者に投与する。
以上のように、キャップ200は、栄養セット810内の流路を液状物で満たすプライミングを行う際に、栄養セット810の下流端に設けられたオスコネクタ850に装着される。プライミングが終了した時点で、キャップ200はオスコネクタ850から取り外される。
プライミングでは、液状物がオス部材851に到達した時点で液状物の流れが停止するようにクレンメ817を操作する必要がある。しかしながら、クレンメ817を閉じるタイミングによっては、液状物がオス部材851から外界に流出する事態が起こりうる。
本実施形態2と異なり、キャップ200をオスコネクタ850(図4、図5A、図5B参照)に装着せずにプライミングを行った場合、オス部材851から液状物が流出することによって以下の問題が生じうる。
第1に、オスコネクタ850に設けられたロック機構(雌ネジ854)に液状物が付着する。即ち、オス部材851から流出した液状物は、オス部材851の外周面852に沿って流れ、オス部材851と外筒853との間の隙間855に流れ込み、その一部は雌ネジ854に付着する。隙間855は狭く、且つ、雌ネジ854は複雑な形状を有しているので、雌ネジ854(特にそのネジ溝)に付着した液状物を完全に拭き取ることは困難である。液状物が雌ネジ854に付着したままでオスコネクタ850をメスコネクタ830(図2、図3A、図3B参照)に接続すると、液状物が、雌ネジ854と螺状突起834との螺合を妨げる。また、オスコネクタ850はカテーテル820とともに、長期間にわたって患者に留置されることがある。従って、雌ネジ854に付着した液状物は、オスコネクタ850を不衛生状態に至らしめうる。
第2に、オスコネクタ850の周囲が液状物で汚れる。クレンメ817の開度等によってはチューブ811を流れる液状物の流速が速く、液状物がオス部材851から勢いよく噴出するかも知れない。液状物は、オス部材851から遠くにまで広範囲に飛び散り、患者や作業者の着衣やリネンを汚してしまう。
キャップ200をオスコネクタ850に装着した状態(図11A及び図11B参照)でプライミングを行うと、上記の問題を解決することができる。これを、以下に説明する。
図11Bに示されているように、キャップ200をオスコネクタ850に装着したとき、オス部材851に接続筒210が接続される。接続筒210の開口端からフランジ215が半径方向外向きに延びる。このため、液状物は、オスコネクタ850の流路856から接続筒210に流入し、フランジ215に沿って流れ、開口228を通ってキャップ200の外界へ流れ出る。即ち、接続筒210及びフランジ215が、オス部材851から流出した液状物がオス部材851の外周面852に沿って流れないように液状物の流れを規制する「規制壁」として機能する。液状物は、開口228を出た後、オスコネクタ850及びキャップ200の向きによっては、キャップ200上をオスコネクタ850の側に向かって流れるかも知れない。ところが、フランジ215の外周端に、オスコネクタ850の外筒853が軸方向に対向し且つ接近(または当接)している。このため、本実施形態2では、液状物が、雌ネジ854に付着する可能性はほとんどない。プライミング後、オスコネクタ850からキャップ200を取り外し、隙間855内(特に雌ネジ854)を拭き取り清掃することなくオスコネクタ850をメスコネクタ830(図2、図3A、図3B参照)に接続しても、メスコネクタ830の螺状突起834を雌ネジ854に確実に螺合させることができる。また、螺状突起834に液状物は転着しない。オスコネクタ850及びメスコネクタ830の衛生状態を長期にわたって良好に維持することができる。また、プライミングを終了し、キャップ200をオスコネクタ850から取り外した後、液状物をオスコネクタ850から拭き取り清掃する作業を省略または簡単化することができる。このため、プライミング作業を全体として簡単且つ短時間で行うことができ、作業者の負担が軽減される。
プライミング時の液状物の流速が速いと、液状物はオス部材851から勢いよく噴出する。液状物は、オス部材851から噴出した後、オス部材851(または接続筒210)の軸上に、オス部材851及び接続筒210から離間して配置された停止部240の凸曲面241に衝突する。液状物は、凸曲面241及び鍔242に沿って、半径方向外向きに流れる。そして、外周筒225に設けられた開口228を通って、キャップ200の外界に流出する。このように、停止部240は、オス部材851(または接続筒210)から噴出した液状物の勢い(流速)を弱める。したがって、開口228からキャップ200の外界に流れ出る液状物の流れは緩やかになる。液状物が、キャップ200からから遠くにまで広範囲に飛び散ることはない。停止部240の接続筒210(オス部材851)に対向する面が、凸曲面241の周囲に鍔242を備えるので、液状物の勢いは、凸曲面241から鍔242へ移行する際に更に弱められる。また、停止部240に沿って流れた液状物の一部は外周筒225の内面に衝突してその流れ方向変え、その後、開口228から流出する。このため、開口228から流出する液状物の勢いが更に弱められる。このように、鍔242及び外周筒225は、液状物がキャップ200から広範囲に飛び散るのを防止するのに有利である。
キャップ200をオスコネクタ850に装着したとき、接続筒210はオス部材851の外周面852に嵌合する。キャップ200をオスコネクタ850に装着しても、オス部材851内の流路856の断面積は変化せず、したがって、オス部材851から流出する液状物の流速も変化しない。これは、液状物が広範囲に飛び散るのを防止するのに有利である。
オスコネクタ850にキャップ200を装着することにより、オスコネクタ850のオス部材851や雌ネジ854(ロック機構)がキャップ200内に収容される。より詳細には、接続筒210がオス部材851のオステーパ面852を覆い、フランジ215が外筒853の先端の開口を塞ぐ。更に、停止部240がオス部材851の先端やオスコネクタ850の流路856へのアクセスを困難にしている。従って、キャップ200をオスコネクタ850に装着することにより、オス部材851、雌ネジ854及び流路856等のオスコネクタ850の主要部分が、作業者の指等が触れることによって接触汚染されるのを防止することができる。
本実施形態2は、例示に過ぎない。本発明は、本実施形態2に限定されず、適宜変更することができる。
キャップ200の接続筒210は、オス部材851に連通されればよい。本実施形態では、オス部材851が接続筒210に嵌入した。但し、接続筒210とオス部材851との接続構造はこれに限定されない。例えば、実施形態1と同様に、接続筒210がオス部材851に嵌入してもよい。あるいは、接続筒210の先端がオス部材851の先端に軸方向に当接することにより、接続筒210がオス部材851に連通されてもよい。接続筒210はオス部材851に液密に接続されることが好ましい。しかしながら、プライミング時に接続筒210とオス部材851との間から液状物が漏れ出なければ十分であり、両者間に厳密な意味でのシールが形成される必要はない。例えば、ラビリンスシールのように接続筒210とオス部材851との間にわずかな隙間が存在していても、液状物が当該隙間を通って実質的に漏れ出なければ十分である。
本実施形態2では、オス部材851から流出した液状物の流れを規制する「規制壁」が、接続筒210及びフランジ215によって構成された。しかしながら、規制壁の構成は、これに限定されない。
例えば、キャップ200が、接続筒210を備えていなくてもよい。例えば、フランジ215の外周端に、後述する実施形態3の保護筒322と類似した保護筒を設ける。保護筒にオスコネクタ850の外筒853を嵌入させれば、接続筒210がなくても、キャップ200をオスコネクタ850にしっかりと固定することができる。あるいは、フランジ215に、接続筒210に代えて、雌ネジ854に螺合する雄ネジが設けられた中空筒を設ける。雌ネジ854に雄ネジを螺合させれば、キャップ200をオスコネクタ850にしっかりと固定することができる。いずれの場合も、フランジ215はオス部材851の先端に軸方向に当接される。従って、オス部材851から流出した液状物が雌ネジ854に付着する可能性を低減させることが可能である。
あるいは、キャップ200が、フランジ215を備えていなくてもよい。例えば、接続筒210をオス部材851から突出するように長尺化する。接続筒210の先端に、接続筒210の先端から軸方向に離間して停止部(例えば実施形態1の停止部140)を設ける。この場合にも、オス部材851から流出した液状物が雌ネジ854に付着する可能性を低減させることが可能である。
フランジ215の外周端に、後述する実施形態3の保護筒322と同様の保護筒を設けてもよい。雌ネジ854(ロック機構)が設けられた外筒853は、保護筒内に収容される。この場合、この保護筒は、「規制壁」として機能しうる。
停止部240の構成は、本実施形態に限定されない。
例えば、停止部240の接続筒210(またはフランジ215、オス部材851)に対向する面は、凸曲面241である必要はなく、平坦面または凹曲面等であってもよい。
停止部240及び外周筒225に代えて、実施形態1の停止部140及び支持具145をキャップ200に適用してもよい。更に、実施形態1の外周筒125をフランジ215に設けてもよい。この場合、外周筒125は、「規制壁」として機能しうる。
あるいは、停止部240及び外周筒225に代えて、後述する実施形態3の、フランジ315と略同一平面に沿って配置された停止部340をキャップ200に適用してもよい。
(実施形態3)
実施形態3では、静脈栄養(または輸液)に使用されるコネクタに着脱可能なキャップについて説明する。
図12は、静脈栄養の構成例を示した図である。患者に投与される液状物(例えば水に電解質等を含む輸液剤)は、容器(輸液バッグ)901に貯留される。液状物は、容器901から、輸液セット910、延長チューブ920を順に流れ、患者に投与される。輸液セット910は、柔軟なチューブ911で構成される。チューブ911の上流側端には、容器901のポート(ゴム栓)903に対して繰り返し接続及び分離が可能なコネクタ(穿刺針)913が設けられ、チューブ911の下流側端にはオスルアー919が設けられている。オスルアー919にオスコネクタ950が接続されている。輸液セット910のチューブ911上には、液状物の流れを可視化するための点滴筒915、液状物の流量を調整するためのクレンメ917が設けられている。延長チューブ920は、柔軟なチューブ921で構成される。チューブ921の上流側端には、オスコネクタ950に対して接続及び分離が可能なメスコネクタ930が設けられている。チューブ921の下流側端には、留置針装置925が設けられている。留置針装置装置925は、患者の静脈に穿刺した状態で患者に留置される。
図13Aは、オスコネクタ950の下方(メスコネクタ930が接続される側)から見た斜視図である。図13Bは、図13Aの断面斜視図である。図14Aはオスコネクタ950の下方から見た分解斜視図、図14Bは図14Aの分解断面斜視図である。図13Bの断面、及び、図14Bの断面は、オスコネクタ950の軸(図示せず)を含む。
オスコネクタ950は、コネクタ本体960とロック本体970とを備える。
コネクタ本体960は、全体として細長い中空円筒形状を有している。コネクタ本体960は、その一端にオス部材(管状部)961を備え、その他端に基管967を備え、これらは同軸に配置されている。オス部材961は、中空円筒形状を有し、その外周面には、オス部材961の先端に近づくにしたがって外径が小さくなるテーパ面(いわゆるオステーパ面)962が設けられている。基管967も中空円筒形状を有し、その内周面には、基管967の先端に近づくにしたがって内径が大きくなるテーパ面(いわゆるメステーパ面)968が設けられている。基管967にオスルアー919(図12参照)が挿入される。オスルアー919の先端には、メステーパ面968とテーパ嵌合可能なオステーパ面が設けられている(図示せず)。
オス部材961と基管967との間のコネクタ本体960の外周面に、コネクタ本体960の周方向に延びた溝963が設けられている。コネクタ本体960の長手方向に延びた2つのリブ964が溝963と交差している。溝963は、2つのリブ964により、周方向に2分割されている。
流路966が、コネクタ本体960の軸(長手方向)に沿って延び、コネクタ本体960を貫通している。流路966を介して、オス部材961と基管967とが連通している。
ロック本体970は、その一端にロック筒971を備え、その他端に支持筒975を備える。ロック筒971及び支持筒975は、いずれも中空円筒形状を有し、同軸に配置されている。ロック筒971は、支持筒975より大きな径を有する。ロック筒971の内周面には、半径方向内向きに突出した2つのロック突起974(図13A、図13B、図14A、図14Bでは1つのロック突起974のみが見える)が設けられている。支持筒975の内周面には、半径方向内向きに突出した4つの係止突起976(図14Bでは2つの係止突起976のみが見える)が設けられている。一対のグリップ部978が、支持筒975の外周面に、半径方向外向きに互いに反対側に向かって突出するように設けられている。グリップ部978は、作業者がロック本体970を把持してロック本体970に回転力を加えるのを容易にする。
コネクタ本体960は、ロック本体970に、図14Aのように、オス部材961を支持筒975に向けて挿入される。ロック本体970の係止突起976がコネクタ本体960の溝963に嵌入することにより、コネクタ本体960はロック本体970に対して、軸方向に位置決めされる。ロック本体970の係止突起976がコネクタ本体960のリブ963に周方向に衝突することにより、コネクタ本体960は、ロック本体970に対して軸周りの回転が制限される。コネクタ本体960はロック本体970に対して同軸に配置される。
コネクタ本体960及びロック本体970は、制限されないが、硬質の材料からなることが好ましい。具体的には、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリプロピレン、硬質ポリ塩化ビニル等の樹脂材料を用いうる。コネクタ本体960及びロック本体970のそれぞれは、これらの樹脂材料を用いて射出成形法等により全体を一部品として一体的に製造することができる。
図15は、メスコネクタ930(図12参照)の斜視図である。メスコネクタ930は、中央に円形の開口936が設けられた円形の天板935を有する。開口936内に、セプタム931が露出している。セプタム931は、ゴム等の弾性材料からなり、開口936より大きな径を有する円形の薄板である。セプタム931の中央に、セプタム931を厚さ方向に貫通する直線状のスリット(切り込み)932が形成されている。初期状態のスリット932は、液密及び気密に閉じられている。メスコネクタ930の外周面には、略「J」字形状の2つの溝934(図15では1つの溝934のみが見える)が設けられている。
図示を省略するが、メスコネクタ930にオスコネクタ950を接続すると、オス部材961は開口936に挿入される。オス部材961は、セプタム931を変形させ、セプタム931のスリット932に挿入される。オスコネクタ950(特にその流路966)はメスコネクタ930に連通される。オスコネクタ950のロック突起974はメスコネクタ930の溝934に係合される。互いに係合するロック突起974及び溝934は、オスコネクタ950とメスコネクタ930との接続状態を維持するためのロック機構を構成する。ロック突起974が溝934に係合している限り、輸液セット910と延長チューブ920との間に引張り力が加えられても、オスコネクタ950とメスコネクタ930とが意図せずに分離することはない。オスコネクタ950とメスコネクタ930との分離は、ロック突起974を溝934から脱出させることにより可能である。オス部材961がセプタム931から引き抜かれると、セプタム931は直ちに初期状態に復帰し、スリット932は液密及び気密に閉じられる。メスコネクタ930のセプタム932は、自閉式の弁として機能する。オスコネクタ950はメスコネクタ930に対して繰り返し接続及び分離することができる。
図16Aは、本発明の実施形態3にかかるキャップ300の斜視図である。図16Bはキャップ300の断面斜視図である。
キャップ300は、キャップ300の軸と同軸に配置された、中空円筒形状を有する接続筒310を備える。接続筒310の内周面には、軸方向において内径が一定である円筒面312が設けられている。なお、接続筒310の内周面に、円筒面312に代えて、接続筒310の先端(図16Bにおいて上端)に近づくにしたがって内径が大きくなるテーパ面(いわゆるメステーパ面)が設けられていてもよい。
フランジ315が、接続筒310の長手方向の一端(図16Bにおいて下端)から半径方向外向きに延びている。本実施形態では、フランジ315は、内側の第1フランジ部315aと、外側の第2フランジ部315bと、第1及び第2フランジ部315a,315b間の連結筒315cとで構成され、これらはキャップ300の軸と同軸である。
第1フランジ部315aは、接続筒310の下端から半径方向外向きに延びた、ドーナツ形状の薄板(円形板)である。第1フランジ部315aの内側に、停止部340が設けられている。停止部340は、複数(本実施形態では3つ)の支持具345を介して第1フランジ部315aの内周端に連結されている。停止部340は、第1フランジ部315aが沿う平面にほぼ沿って配置されている。停止部340と第1フランジ部315aとの間であって、且つ、周方向に隣り合う支持具345の間に、開口343が設けられている。接続筒310の内腔は、複数(本実施形態では3つ)の開口343を介してキャップ300の外界に連通している。複数の開口343の外接円(この外接円はキャップ300と同心である)の直径は、オス部材961の先端での開口(流路966)の内径より大きいことが好ましい。
第1フランジ部315aの外周端に、略円筒形状の連結筒315cの上端が連結されている。第2フランジ部315bが、連結筒315cの下端から半径方向外向きに延びている。第2フランジ部315bは、ドーナツ形状の薄板(円形板)である。第2フランジ部315bは、第1フランジ部315aに対して軸方向下側(接続筒310とは反対側)に位置ずれしている。
なお、本実施形態と異なり、フランジ315が、連結筒315cが省略され、第1フランジ部315aと第2フランジ部315bとが同一平面に沿って延びた、単一のドーナツ形状の薄板(円形板)で構成されていてもよい。
フランジ315(第2フランジ部315b)の外周端に、中空円筒形状を有する保護筒322が接続されている。保護筒322は、接続筒310より大径の中空円筒形状を有し、接続筒310と同軸に配置されている。保護筒322は、フランジ315から、接続筒310と同じ側に向かって延びている。保護筒322の先端(フランジ315から最も遠い部分)に、半径方向外側に向かって突出した鍔323が設けられている。鍔323は、保護筒322の全周にわたって環状に連続している。鍔323を把持することにより、オスコネクタ950に対するキャップ300の着脱(特に、取り外し)が容易である。複数(本実施形態では6つ)の第1突起325a(図16A、図16Bでは3つの第1突起325aのみが見える)が、保護筒322の内周面から半径方向内向きに突出している。第1突起325aは、キャップ300の軸方向に延びたリブ形状を有し、当該軸に対して等角度間隔で配置されている。
複数(本実施形態では3つ)の第2突起325b(図16Bでは1つの第2突起325bのみが見える)が、フランジ315(第2フランジ部315b)から接続筒310と同じ側に向かって突出している。本実施形態では、第2突起325bは、連結筒315c(または分離筒327)の外周面から保護筒322に向かって突出している。
接続筒310と保護筒322との間に、中空円筒形状を有する分離筒327が設けられている。分離筒327は、連結筒315cに連続するように、第1フランジ部315aの外周端から接続筒310と同じ側に向かって延びている。なお、本実施形態では分離筒327を省略することができる。
キャップ300の材料は、制限はないが、外力によって実質的に変形しない機械的強度(剛性)を有する樹脂材料が好ましい。例えば、実施形態1のキャップ100の材料と同じ樹脂材料を用いうる。キャップ300は、当該樹脂材料を用いて、射出成形法等により全体を一部品として一体的に製造することができる。
キャップ300の使用方法を説明する。キャップ300は、静脈栄養(または輸液)により液状物(例えば輸液剤)を患者に投与するのに先立って行うプライミングを実施する際に、オスコネクタ950(図12参照)に装着される。
プライミングは、概略、以下の手順で行われる。図12において、容器901のポート903に輸液セット910のコネクタ913を接続する。このとき、輸液セット910のクレンメ917は閉じられている。容器901を例えばイルリガートルスタンドに吊り下げる。容器901には、予め患者に投与する液状物が貯留されている。留置針装置装置925は、患者の静脈に穿刺した状態で患者に留置されている。オスコネクタ950とメスコネクタ930とは接続されていない。この状態において、キャップ300をオスコネクタ950に装着する。
図17Aは、キャップ300が装着されたオスコネクタ950の斜視図である。図17Bは、図17Aの断面図である。図17Bの断面は、図13B及び図14Bの断面と、オスコネクタ950の軸(図示せず)にて直交する。図17A及び図17Bでは、輸液セット910(特に、そのオスルアー919及びチューブ911、図12参照)の図示を省略している。
図17Aに示されているよう、第1フランジ部315aの外面(接続筒310とは反対側の面)に、3つのリブ317が設けられている。リブ317は、停止部340より半径方向外側に、放射状に設けられている。リブ317は、停止部340や開口343が、作業者の指等が触れることによって接触汚染されるのを防止する。停止部340及び開口343が設けられた第1フランジ部315aが第2フランジ部315bより後退していることも、停止部340及び開口343が接触汚染されるのを防止するのに有利である。
図17Bに示されているように、ロック本体970のロック筒971が、キャップ300の保護筒322と分離筒327との間の隙間に挿入されている。図示されていないが、ロック筒971の先端が、キャップ300に設けられた第1突起325aと第2突起325b(図16B参照)とに半径方向に挟持されている。第1及び第2突起325a,325bとロック筒971との間の摩擦力によって、キャップ300はオスコネクタ950に、同軸に、しっかりと固定され且つ保持される。
ロック筒971は、フランジ315(特にその第2フランジ部315b)に軸方向に対向し且つ接近(または当接)している。ロック筒971のほぼ全部分が、保護筒322内に収容されている。ロック筒971の先端側の開口は、キャップ300の接続筒310、フランジ315、及び、保護筒322によって実質的に覆われている。接続筒310及び分離筒327は、オス部材961とロック筒971との間の隙間955(図13A、図13B参照)に挿入されている。分離筒327が、ロック筒971に設けられたロック突起974に対して半径方向内側に配置され、ロック突起974に対向している。
接続筒310にオス部材961が嵌入している。接続筒310の円筒面312にオス部材961のオステーパ面962が嵌合し、両者は液密に接続されている。輸液セット910のチューブ911、オスルアー919(図12参照)、オスコネクタ950の流路966、接続筒310が、順に連通する。
停止部340は、オス部材961の軸上に、オス部材961から軸方向に離間している。停止部340の外径(複数の開口343の内接円(この内接円はキャップ300と同心である)の直径)は、オス部材961の先端での流路966の内径と同じかこれより大きいことが好ましい。即ち、オスコネクタ950及びキャップ300の軸に沿って見たとき、停止部340はオス部材961の開口を覆うことが好ましい。但し、一般には、停止部340の面積(複数の開口343の内接円の面積)は、オス部材961の先端での流路966の面積(開口面積)の10%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
この状態で輸液セット910の点滴筒915(図12参照)を数回直径方向に押し潰し(いわゆるポンピング)、点滴筒915を所定量(点滴筒915の容量の1/3~1/2程度)の液状物で満たす。次いで、輸液セット910のクレンメ917を開く。容器901内の液状物が、重力によって、チューブ911内を流れる。液状物が、チューブ911内の空気を、コネクタ本体960、接続筒310、開口343を通って外界へ押し出す。チューブ911内は、液状物で徐々に満たされる。そして、液状物がオス部材961(または接続筒310)に到達した時点でクレンメ917を閉じる。キャップ300をオスコネクタ950から分離する。オスコネクタ950をメスコネクタ930に接続する。そして、クレンメ917を開き、液状物を、延長チューブ920を介して患者に投与する。
以上のように、キャップ300は、輸液セット910内の流路を液状物で満たすプライミングを行う際に、輸液セット910の下流端に設けられたオスコネクタ950に装着される。プライミングが終了した時点で、キャップ300はオスコネクタ950から取り外される。
プライミングでは、液状物がオス部材961に到達した時点で液状物の流れが停止するようにクレンメ917を操作する必要がある。しかしながら、クレンメ917を閉じるタイミングによっては、液状物がオス部材961から外界に流出する事態が起こりうる。
本実施形態3と異なり、キャップ300をオスコネクタ950(図13A~図14B参照)に装着せずにプライミングを行った場合、オス部材961から液状物が流出することによって以下の問題が生じうる。
第1に、オスコネクタ950に設けられたロック機構(ロック突起974)に液状物が付着する。即ち、オス部材961から流出した液状物は、オス部材961の外周面962に沿って流れ、その一部はロック筒971の内周面に滴下し、ロック突起974に付着する。オス部材961とロック筒971との間の隙間955は狭く、且つ、ロック突起974は複雑な形状を有しているので、ロック突起974に付着した液状物を完全に拭き取ることは困難である。液状物がロック突起974に付着したままでオスコネクタ950をメスコネクタ930(図15参照)に接続すると、液状物が、ロック突起974とメスコネクタ930の溝934との係合を妨げる。また、ロック突起974に付着した液状物は、オスコネクタ950の衛生状態を悪化させる。
第2に、オスコネクタ950の周囲が液状物で汚れる。クレンメ917の開度等によってはチューブ911を流れる液状物の流速が速く、液状物がオス部材961から勢いよく噴出するかも知れない。液状物は、オス部材961から遠くにまで広範囲に飛び散り、患者や作業者の着衣やリネンを汚してしまう。
キャップ300をオスコネクタ950に装着した状態(図17A及び図17B参照)でプライミングを行うと、上記の問題を解決することができる。これを、以下に説明する。
図17Bに示されているように、キャップ300をオスコネクタ950に装着したとき、オス部材961に接続筒310が接続される。接続筒310からフランジ315が半径方向外向きに延びている。このため、液状物は、オスコネクタ950の流路966から接続筒310に流入し、開口343を通ってキャップ300の外界に流れ出る。その後、液状物は、フランジ315に沿って流れる。即ち、接続筒310及びフランジ315が、オス部材961から流出した液状物がオス部材961の外周面962に沿って流れないように液状物の流れを規制する「規制壁」として機能する。液状物は、フランジ315の外周端に到達した後、オスコネクタ950及びキャップ300の向きによっては、保護筒322の外周面に沿ってオスコネクタ950の側に向かって流れるかも知れない。この場合、保護筒322及び鍔323が、液状物がオス部材961の外周面962に沿って流れないように液状物の流れを規制する「規制壁」として機能する。このため、本実施形態3では、液状物が、ロック突起974に付着する可能性はほとんどない。プライミング後、オスコネクタ950からキャップ300を取り外し、ロック突起974を拭き取り清掃することなくメスコネクタ930をオスコネクタ950(図15参照)に接続しても、ロック突起974を溝934に確実に係合させることができる。また、メスコネクタ930の溝934に液状物は転着しない。オスコネクタ950及びメスコネクタ930の衛生状態を長期にわたって良好に維持することができる。また、プライミングを終了し、キャップ300をオスコネクタ950から取り外した後、液状物をオスコネクタ950から拭き取り清掃する作業を省略または簡単化することができる。このため、プライミング作業を全体として簡単且つ短時間で行うことができ、作業者の負担が軽減される。
プライミング時の液状物の流速が速いと、液状物はオス部材961から接続筒310内に勢いよく噴出する。液状物は、オス部材961から噴出した後、オス部材961(または接続筒310)の軸上に、オス部材961から離間して配置された停止部340に衝突する。その後、液状物は、停止部340の周囲に配置された開口343を通って、キャップ300の外界に流出する。このように、停止部340は、オス部材961から噴出した液状物の勢い(流速)を弱める。したがって、開口343からキャップ300の外界に流れ出る液状物の流れは緩やかになる。液状物が、キャップ300から遠くにまで広範囲に飛び散ることはない。
キャップ300をオスコネクタ950に装着したとき、接続筒310はオス部材961の外周面962に嵌合する。キャップ300をオスコネクタ950に装着しても、オス部材961内の流路966の断面積は変化せず、したがって、オス部材961から流出する液状物の流速も変化しない。これは、液状物が広範囲に飛び散るのを防止するのに有利である。
オスコネクタ950にキャップ300を装着することにより、オスコネクタ950のオス部材961やロック突起974(ロック機構)がキャップ300内に収容される。より詳細には、接続筒310がオス部材961のオステーパ面962を覆い、フランジ315がオス部材961とロック筒971との間の隙間955を塞ぎ、保護筒322がロック筒971を覆う。分離筒327が隙間955に挿入されて、ロック突起974に対向している。更に、停止部340がオス部材961の先端やオスコネクタ950の流路966へのアクセスを困難にしている。従って、キャップ300をオスコネクタ950に装着することにより、オス部材961、ロック突起974及び流路966等のオスコネクタ950の主要部分が、作業者の指等が触れることによって接触汚染されるのを防止することができる。保護筒322とロック筒971との間の隙間は、ロック筒971の先端への指等のアクセスが困難なように、なるべく狭いことが好ましい。
本実施形態3は、例示に過ぎない。本発明は、本実施形態3に限定されず、適宜変更することができる。
キャップ300の接続筒310は、オス部材961に連通されればよい。本実施形態では、オス部材961が接続筒310に嵌入した。但し、接続筒310とオス部材961との接続構造はこれに限定されない。例えば、実施形態1と同様に、接続筒310がオス部材961に嵌入してもよい。あるいは、接続筒310の先端がオス部材961の先端に軸方向に当接することにより、接続筒310がオス部材961に連通されてもよい。接続筒310はオス部材961に液密に接続されることが好ましい。しかしながら、プライミング時に接続筒310とオス部材961との間から液状物が漏れ出なければ十分であり、両者間に厳密な意味でのシールが形成される必要はない。例えば、ラビリンスシールのように接続筒310とオス部961との間にわずかな隙間が存在していても、液状物が当該隙間を通って実質的に漏れ出なければ十分である。
本実施形態3では、オス部材961から流出した液状物の流れを規制する「規制壁」が、接続筒310、フランジ315、保護筒322、及び、鍔323によって構成された。しかしながら、規制壁の構成は、これに限定されない。
例えば、キャップ300が、鍔323を備えていなくてもよい。また、キャップ300が、保護筒322及び鍔323を備えていなくてもよい。これらの場合にも、オス部材961から流出した液状物がロック突起974に付着する可能性を低減させることが可能である。
キャップ300が保護筒122を備えない場合、保護筒122に設けられた第1突起325a(図16A、図16B参照)が省略される。この場合、例えば、分離筒327の外周面に、メスコネクタ930の溝934(図15参照)と同じ溝を設けてもよい。ロック突起974をこの溝に係合させることにより、キャップ300をオスコネクタ950にしっかりと固定することができる。
あるいは、キャップ300が、接続筒310を備えていなくてもよい。例えば、フランジ315(第1フランジ部315a)をオス部材961の先端に軸方向に当接させる。この場合にも、オス部材961から流出した液状物がロック突起974に付着する可能性を低減させることが可能である。
あるいは、キャップ300が、フランジ315、保護筒322、及び、鍔323を備えていなくてもよい。例えば、接続筒310をオス部材961から突出するように長尺化する。接続筒310の先端に、接続筒310の先端から軸方向に離間して停止部(例えば実施形態1の停止部140)を設ける。この場合にも、オス部材961から流出した液状物がロック突起974に付着する可能性を低減させることが可能である。
フランジ315の外周端に、実施形態1の外周筒125と同様の外周筒を設けてもよい。この場合、この外周筒は、「規制壁」として機能しうる。
停止部340の構成は、本実施形態に限定されない。
例えば、停止部340のオス部材961に対向する面は、平坦面である必要はなく、凹曲面または凸曲面等であってもよい。
停止部340及び支持具345に代えて、実施形態1の停止部140及び支持具145をキャップ300に適用してもよい。更に、実施形態1の外周筒125をフランジ315に設けてもよい。この場合、外周筒125は、「規制壁」として機能しうる。
あるいは、停止部340及び支持具345に代えて、実施形態2の停止部240及び外周筒225をキャップ300に適用してもよい。
オスコネクタ950に対するキャップ300の固定構造は、任意に変更できる。例えば、第1及び第2突起325a,325bを省略し、保護筒322の内周面にロック筒971の外周面が嵌合し、保護筒322とロック筒971との間の摩擦力によって、キャップ300がオスコネクタ950に固定され且つ保持されてもよい。この場合、保護筒322の内周面に、保護筒322の先端(即ち鍔323)に近づくにしたがって内径が小さくなるテーパ面が設けられていてもよい。
オスコネクタ950の構成は、本実施形態に限定されない。
輸液セット910のチューブ911(図12参照)が、オスルアー919を介することなく、コネクタ本体960の基管967に直接接続されていてもよい。
オスコネクタ950が、コネクタ本体960及びロック本体970の2部品ではなく、これらが一体的に成形された1部品で構成されていてもよい。
オスコネクタ950及びメスコネクタ930のそれぞれに設けられるロック機構の構成は、任意に変更しうる。溝934ではなく、メスコネクタ930に、溝934に代えて、半径方向外向きに突出した凸部を設け、ロック突起974を当該凸部に係合させてもよい。あるいは、メスコネクタ930に半径方向外向きに突出した凸部を設け、オスコネクタ950に、当該凸部が係合する凹部(例えば溝)を設けてもよい。
上記の実施形態1~3のキャップ100,200,300は、その全体が一体的に成形された一部品で構成されていたが、別個に製造された複数の部品(例えば2部品)を組み合わせて構成されていてもよい。
上記の実施形態1~3では、キャップ100,200,300は、プライミング時にコネクタに装着したが、コネクタが指等の接触によって汚染されるのを防止するために、プライミングを行うよりも前の段階でコネクタに装着してもよい。例えば、栄養セット810(図1、図9参照)又は輸液セット910(図12参照)が、その下流側端のコネクタ(830、850、または950)に本発明のキャップが装着された状態で販売され、医療機関等において栄養セット810又は輸液セット910のプライミングが終了した後、当該キャップがコネクタから取り外されてもよい。