以下に、実施の形態にかかるレーザ加工ヘッドおよびレーザ加工機を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる付加製造装置100の概略構成を示した図である。本実施の形態では、レーザ加工機が付加製造装置100である場合を例にして説明する。付加製造装置100は、溶融された材料を積層することによって造形物を製造する工作機械である。付加製造装置100は、アーク溶接とビーム照射とによる付加製造を行う。なお、本願明細書において「造形物」とは、溶融された材料を積層することによって得られた完成品の他、完成品を製造する途中で積層された材料も含む意味である。
付加製造装置100は、材料であるワイヤ33を送給して、溶融させた材料からなるビードを基材28にて積層する。付加製造装置100は、基材28にビードを積層することによって、基材28に造形物29を形成する。基材28は、ステージ30に載せられる。ワークとは、溶融された材料が付加される物体であって、ここでは基材28と造形物29とを指すものとする。図1に示される基材28は板材であるが、板材以外であってもよい。
付加製造装置100は、レーザ発振器20と、レーザ加工ヘッド1と、送給機構21と、CMT(Cold Metal Transfer)電源22と、ガス噴射装置23と、駆動部24と、回転軸25と、高さセンサ26と、制御装置27とを備えている。
レーザ発振器20は、レーザビーム32を発生させる。レーザビーム32は、光伝送路であるファイバーケーブル31を通ってレーザ加工ヘッド1へ伝搬する。
レーザ加工ヘッド1は、レーザ発振器20により発生されたレーザビーム32をワークに照射する。
送給機構21は、ワークにワイヤ33を送給する。送給機構21は、ワイヤスプール21aと、回転モータ21bと、ワイヤ矯正機21cと、ワイヤ送給機21dとを有している。ワイヤスプール21aは、ワイヤ33の供給源である。ワイヤスプール21aには、コイル状のワイヤ33が巻き付けられている。回転モータ21bは、ワイヤスプール21aを回転させる。ワイヤ矯正機21cは、ワイヤスプール21aから送り出されたワイヤ33についた巻き癖をとってワイヤ33を真っ直ぐに伸ばす。ワイヤ送給機21dは、ワイヤ矯正機21cによって真っ直ぐに伸ばされたワイヤ33をワークに送給する。回転モータ21bは、ワイヤスプール21aからワークへ向けてワイヤ33を送り出すための駆動と、送り出されたワイヤ33をワイヤスプール21aに引き戻すための駆動とを行う。
CMT電源22は、ワークに送給されるワイヤ33を加熱するための電流をワイヤ33に供給する電源である。CMT電源22は、ワイヤ送給機21dとステージ30とに接続されている。ワイヤ33とワイヤ送給機21dとが接触することによって、ワイヤ33とCMT電源22とは電気的に接続される。基材28とステージ30とが接触することによって、ワークとCMT電源22とは電気的に接続される。CMT電源22は、ワイヤ33とワークとの間にパルス電圧を印加する。
CMT電源22は、ワイヤ33がワークから離れているときにおけるパルス電圧の印加によって、アークを発生させる。CMT電源22は、ワイヤ33とワークとが短絡しているときよりもワイヤ33とワークとの短絡が解除されているときにおいて電流が増加するように、電流を制御する。また、CMT電源22は、ワイヤ33に電流を流すことによってワイヤ33を加熱する。
ガス噴射装置23は、ワークにガス34を噴射する。ガス34は、ガス噴射装置23から配管35を通ってレーザ加工ヘッド1に流動し、レーザ加工ヘッド1からワークに向けて噴射される。付加製造装置100は、ガス34を噴射することによって、造形物29の酸化を抑制するとともに、ビードを冷却する。
駆動部24は、レーザ加工ヘッド1とワイヤ送給機21dとを移動させる。駆動部24は、3軸の各々の方向における並進運動を行う動作機構である。駆動部24は、ワークにおけるワイヤ33の送給位置とワークにおけるレーザビーム32の照射位置とを移動させる。
回転軸25は、ステージ30を回転させる。付加製造装置100は、ステージ30とともにワークを回転させることによって、ワークの姿勢を加工に適した姿勢にさせることができる。
高さセンサ26は、加工時に後記するノズル3dの先端とワークとの高さ方向の距離を検知するためのセンサである。高さセンサ26の検知結果は、制御装置27に送られる。
制御装置27は、付加製造装置100の全体を制御する。制御装置27は、駆動部24、回転軸25、レーザ発振器20、回転モータ21b、CMT電源22およびガス噴射装置23の起動、停止などを制御する。
図2は、実施の形態1におけるレーザ加工ヘッド1、ワイヤ送給機21d、ワイヤ矯正機21cおよび高さセンサ26を示した斜視図である。以下、レーザ加工ヘッド1のワイヤ送給機21d、ワイヤ矯正機21cおよび高さセンサ26の各構成要素について方向を説明するときには、図2に示されるX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に従う。また、図2以外の図面に示したX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向は、図2に示されるX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に対応する。X軸方向およびY軸方向は、水平方向である。Z軸方向は、鉛直方向である。Z軸方向は、第1の方向に相当する。X軸方向のうち図中矢印で示す方向をプラスX方向、プラスX方向とは逆の方向をマイナスX方向と称することがある。Y軸方向のうち図中矢印で示す方向をプラスY方向、プラスY方向とは逆の方向をマイナスY方向と称することがある。Z軸方向のうち図中矢印で示す方向をプラスZ方向、プラスZ方向とは逆の方向をマイナスZ方向と称することがある。プラスZ方向は、鉛直上方向である。マイナスZ方向は、鉛直下方向である。
図2に示すように、付加製造装置100は、レーザ加工ヘッド1、ワイヤ矯正機21c、高さセンサ26などを支持する支持フレーム36と、ワイヤ送給機21dと支持フレーム36とを締結する締結構造37とをさらに備えている。ワイヤ矯正機21cは、ワイヤ送給機21dとZ軸方向に離れている。ワイヤ矯正機21cは、高さセンサ26とX軸方向に離れている。ワイヤ矯正機21cは、レーザ加工ヘッド1の後記する光路孔1aを挟んでX軸方向において高さセンサ26と逆側に配置されている。
ワイヤ送給機21dは、高さセンサ26とX軸方向に離れている。ワイヤ送給機21dは、レーザ加工ヘッド1の後記する第2の加工ヘッド部3に固定されている。ワイヤ送給機21dは、レーザ加工ヘッド1の衝突時に第2の加工ヘッド部3とともに後記する第1の加工ヘッド部2から分離する。ワイヤ送給機21dは、第2の加工ヘッド部3との位置を調整するための位置調整機構21eを備えている。位置調整機構21eによって、図2に示される両矢印の方向、すなわちX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の各方向にワイヤ送給機21dの位置を調整可能である。そのため、ワイヤ33の先端を第2の加工ヘッド部3から照射されるレーザビーム32に対して適正な位置に調整することができる。締結構造37は、位置調整機構21eと支持フレーム36とを繋ぐ金属ワイヤである。ワイヤ送給機21dがワークに衝突してレーザ加工ヘッド1の第2の加工ヘッド部3から外れた場合でも、ワイヤ送給機21dと支持フレーム36とを締結する締結構造37が設けられることによって、外れたワイヤ送給機21dがレーザ加工ヘッド1などに衝突することを回避して、ワイヤ送給機21d、レーザ加工ヘッド1などの破損を抑制することができる。
なお、後記するようにレーザ加工ヘッド1の下方衝突時には、第2の加工ヘッド部3は、図2の矢印Y方向にスライド移動する。ワイヤ送給機21dは、レーザ加工ヘッド1の光路孔1aを挟んでX軸方向において高さセンサ26と逆側に配置されている。これにより、第2の加工ヘッド部3と共にスライド移動したワイヤ送給機21dが高さセンサ26に衝突することを回避して、ワイヤ送給機21dおよび高さセンサ26の破損を抑制することができる。
ワイヤ矯正機21cと高さセンサ26とは、第2の加工ヘッド部3のスライド移動方向と直交する方向に配置されている。つまり、ワイヤ矯正機21cと高さセンサ26とは、第2の加工ヘッド部3のスライド移動先に配置されていない。これにより、スライド移動した第2の加工ヘッド部3がワイヤ矯正機21cおよび高さセンサ26に衝突することを回避して、第2の加工ヘッド部3、ワイヤ矯正機21cおよび高さセンサ26の破損を抑制することができる。ワイヤ矯正機21cと高さセンサ26とは、同一のXY平面上に配置されている。これにより、付加製造装置100のY軸方向における省スペース化を図ることができる。
図3は、実施の形態1におけるレーザ加工ヘッド1を示した斜視図であって、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3とを連結した状態を示した図である。図4は、実施の形態1におけるレーザ加工ヘッド1を示した斜視図であって、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3とを分離した状態を示した図である。図3および図4に示すように、レーザ加工ヘッド1は、レーザビーム32を通すための光路孔1aが内部に形成されて、Z軸方向に延びている。レーザ加工ヘッド1は、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の各方向に移動可能である。なお、光路孔1a内には、レーザビーム32の他に、ガス噴射装置23からのガスが流れる。
レーザ加工ヘッド1は、第1の加工ヘッド部2と、第1の加工ヘッド部2とZ軸方向に並んで配置されて第1の加工ヘッド部2に分離可能に連結された第2の加工ヘッド部3とを備えている。第2の加工ヘッド部3は、第1の加工ヘッド部2の鉛直方向下方に配置されている。第1の加工ヘッド部2は、図1に示される駆動部24に固定される部分である。第2の加工ヘッド部3は、レーザビーム32をワークに照射する部分であって、レーザ加工ヘッド1とワークとの衝突時に第1の加工ヘッド部2から分離する部分である。
図4に示すように、第1の加工ヘッド部2は、Z軸方向に延びる第1の本体部2aと、第1の本体部2aのうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部に取り付けられて第1の傾斜面2cが形成された第1のプレート部2bとを有している。第1の本体部2aの形状は、筒状であればよいが、本実施の形態では円筒状である。第1の本体部2aは、金属により形成されている。金属は、例えば、アルミニウム、ステンレスである。
第1のプレート部2bは、第1の加工ヘッド部2のうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部を構成する。第1のプレート部2bは、非磁性体により形成されている。非磁性体は、例えば、アルミニウム、ステンレスである。
第2の加工ヘッド部3は、Z軸方向に延びる第2の本体部3aと、第2の本体部3aのうち第1の加工ヘッド部2の方を向く端部に取り付けられて第2の傾斜面3cが形成された第2のプレート部3bとを有している。第2の本体部3aの形状は、筒状であればよいが、本実施の形態では円筒状である。第2の本体部3aは、金属により形成されている。金属は、例えば、鍍金を施した鉄である。
第2の本体部3aのうち第1の加工ヘッド部2と反対を向く端部には、レーザビーム32をワークに照射するノズル3dが取り付けられている。ノズル3dは、銅などの金属により形成されている。第2の本体部3aの外周面には、冷却水用継手3eが取り付けられている。図示は省略するが、冷却水用継手3eには、冷却水が流れる配管が接続され、第2の加工ヘッド部3の内部には、冷却水が流れる冷却流路が形成される。冷却流路は、冷却水用継手3eを介して配管に連通している。
第2のプレート部3bは、第2の加工ヘッド部3のうち第1の加工ヘッド部2の方を向く端部を構成する。第2のプレート部3bは、磁性体により形成されている。
図5は、第1の加工ヘッド部2のうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部を示した斜視図である。図6は、第2の加工ヘッド部3のうち第1の加工ヘッド部2の方を向く端部を示した斜視図である。図5に示される第1のプレート部2bの形状および図6に示される第2のプレート部3bの形状は、本実施の形態では八角形であるが、適宜変更してもよい。
図5に示すように、第1のプレート部2bには、Z軸方向に対して傾斜する第1の傾斜面2cが形成されている。第1の傾斜面2cには、固定ピン14と、ピン溝15と、複数の可動ピン4と、複数の磁石6と、接触式センサ7とが設けられている。第1の傾斜面2cの中心には、光路孔1aが開口している。
図6に示すように、第2のプレート部3bには、第1の傾斜面2cに平行な第2の傾斜面3cが形成されている。本願明細書中の「平行」とは、完全に平行である状態の他、厳密には平行でなく僅かに傾いた状態も含まれる。第1の傾斜面2cと第2の傾斜面3cとは、同一方向に同一角度で傾斜している。第2の傾斜面3cには、固定ピン14と、ピン溝15と、ピン座5と、センサ溝8と、センサ当てピン9とが設けられている。第2の傾斜面3cの中心には、光路孔1aが開口している。ピン溝15の延伸方向は、傾斜方向と平行である。
以下、第1の傾斜面2cと第2の傾斜面3cとが傾斜する方向を傾斜方向と称する。傾斜方向が第2の方向である。また、第1の傾斜面2cの固定ピン14と第2の傾斜面3cの固定ピン14とを区別する場合には、前者を第1の固定ピン14aと称し、後者を第2の固定ピン14bと称する。また、第1の傾斜面2cのピン溝15と第2の傾斜面3cのピン溝15とを区別する場合には、前者を第1のピン溝15aと称し、後者を第2のピン溝15bと称する。
図5に示される第1の固定ピン14aは、第2の傾斜面3cに向かって突出する位置決めピンとなる。第1の固定ピン14aは、第1のプレート部2bに移動不能に固定されている。第1の固定ピン14aは、図6に示される第2のピン溝15bに挿入される。第1の固定ピン14aは、第1の傾斜面2cのうち光路孔1aが開口した部分よりも傾斜方向の下方に設けられている。
第1のピン溝15aは、図6に示される第2の固定ピン14bが挿入される位置決め凹部となる。第1のピン溝15aは、傾斜方向に沿って延びている。第1のピン溝15aは、第1の傾斜面2cのうち光路孔1aが開口した部分よりも傾斜方向の上方に設けられている。第1のピン溝15aは、第1の傾斜面2cのうち光路孔1aが開口した部分と離れている。つまり、第1のピン溝15aと光路孔1aとは、互いに繋がっていない。第1のピン溝15aは、第1の傾斜面2cの上縁まで切り欠かれている。
磁石6は、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3とを分離可能に連結する吸着部材となる。磁石6には、例えば、ネオジム磁石が使用される。
可動ピン4は、図6に示される第2の傾斜面3cに向かって突出するとともに第2の傾斜面3cに向かって付勢される位置決めピンとなる。可動ピン4は、図6に示されるピン座5に挿入可能であるとともに、ピン座5から離脱可能である。可動ピン4は、ピン座5に挿入されたときにピン座5に嵌まり込む。可動ピン4は、固定ピン14および磁石6とは離れた位置で独立して配置されている。
接触式センサ7は、図6に示されるセンサ当てピン9に接触する接触部7cを有し接触部7cが変位することにより第1の加工ヘッド部2に対する第2の加工ヘッド部3の位置ずれを検知する機械式センサである。接触式センサ7は、第1の加工ヘッド部2に対する第2の加工ヘッド部3の位置がずれていないときには、接触部7cがセンサ当てピン9に接触することにより図1に示される制御装置27にON信号が送信されるように構成されている。一方、接触式センサ7は、第1の加工ヘッド部2に対する第2の加工ヘッド部3の位置がずれたときには、接触部7cがセンサ当てピン9から離れることにより制御装置27にOFF信号が送信されるように構成されている。制御装置27は、OFF信号を受信すると、レーザ加工ヘッド1の移動とレーザビーム32の照射とを緊急停止する。
図6に示される第2の固定ピン14bは、第1の傾斜面2cに向かって突出する位置決めピンとなる。第2の固定ピン14bは、第2の傾斜面3cに移動不能に固定されている。第2の固定ピン14bは、図5に示される第1のピン溝15aに挿入される。第2の固定ピン14bは、第2の傾斜面3cのうち光路孔1aが開口した部分よりも傾斜方向の上方に設けられている。
第2のピン溝15bは、図5に示される第1の固定ピン14aが挿入される位置決め凹部となる。第2のピン溝15bは、傾斜方向に沿って延びている。第2のピン溝15bは、第2の傾斜面3cのうち光路孔1aが開口した部分よりも傾斜方向の下方に設けられている。第2のピン溝15bは、第2の傾斜面3cのうち光路孔1aが開口した部分と離れている。つまり、第2のピン溝15bと光路孔1aとは、互いに繋がっていない。第2のピン溝15bは、第2の傾斜面3cの下縁まで切り欠かれている。
ピン座5は、図5に示される可動ピン4が挿入される位置決め凹部となる。ピン座5は、本実施の形態では、ピン座5に挿入された可動ピン4が傾斜方向に沿って移動可能な遊びを有していない。
センサ溝8は、センサ当てピン9を収容する溝である。センサ溝8は、本実施の形態では第2のピン溝15bと一体に形成されているが、第2のピン溝15bと別々に形成されてもよい。すなわち、センサ溝8は、第2のピン溝15bと繋がらないように独立して形成されてもよい。センサ溝8を独立して形成する場合でも、センサ溝8は、傾斜方向に沿って延びていることが好ましい。つまり、センサ溝8の延伸方向は、傾斜方向と平行であることが好ましい。センサ溝8の形状は、センサ当てピン9を収容可能であって、かつ、第2の加工ヘッド部3がスライド移動したときに接触式センサ7との相対的な移動を妨げない形状であれば、特に制限されない。
図7は、第1の加工ヘッド部2のうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部を示した平面図である。図8は、第2の加工ヘッド部3のうち第1の加工ヘッド部2の方を向く端部を示した平面図である。以下、第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cの中心を通って傾斜方向に沿う仮想直線を第1の中心線Caとし、第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cの中心を通って第1の中心線Caと直交する方向に沿う仮想直線を第2の中心線Cbとする。また、第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cの面内方向において傾斜方向と直交する方向を直交方向と称する。
図7および図8に示すように、固定ピン14の数は、本実施の形態では2つである。固定ピン14の数と可動ピン4の数とを足した合計が2つ以上あればよく、固定ピン14の数は単数でも複数でもよい。位置決めピンである固定ピン14と可動ピン4とを足した数が少なくとも2つあれば、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3との連結時の第2の加工ヘッド部3の回転を抑制することができる。可動ピン4が省略される場合には、固定ピン14の数は、少なくとも2つあればよい。
図7に示すように、第1の固定ピン14aと第1のピン溝15aとは、傾斜方向に沿った同一直線上に配置されている。第1の固定ピン14aと第1のピン溝15aとは、本実施の形態では第1の中心線Ca上に配置されている。図8に示すように、第2の固定ピン14bと第2のピン溝15bとは、傾斜方向に沿った同一直線上に配置されている。第2の固定ピン14bと第2のピン溝15bとは、本実施の形態では第1の中心線Ca上に配置されている。複数の固定ピン14と複数のピン溝15とは、本実施の形態では傾斜方向に沿った同一直線上に配置されている。図7および図8に示すように、接触式センサ7およびセンサ当てピン9は、本実施の形態では複数の固定ピン14および複数のピン溝15と傾斜方向に沿った同一直線上に配置されている。
図7に示される可動ピン4の数は、単数でも複数でもよいが、本実施の形態では4つである。4つの可動ピン4は、傾斜方向および直交方向に互いに間隔を空けて配置されている。可動ピン4は、第1の中心線Caと第2の中心線Cbとで区画される4つの領域に1つずつ配置されている。第2の中心線Cbを挟んで傾斜方向の上方に配置された2つの可動ピン4は、傾斜方向における位置が一致している。第2の中心線Cbを挟んで傾斜方向の下方に配置された2つの可動ピン4は、傾斜方向における位置が一致している。第1の中心線Caを挟んで直交方向の一方に配置された2つの可動ピン4は、直交方向における位置が一致している。第1の中心線Caを挟んで直交方向の他方に配置された2つの可動ピン4は、直交方向における位置が一致している。
可動ピン4は、第1の固定ピン14aおよび第1のピン溝15aよりも、第1の中心線Caから離れた位置で、かつ、第2の中心線Cbに寄った位置に配置されている。可動ピン4による第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3との位置決め効果をバランスよく発揮させるためには、傾斜方向における位置が異なる可動ピン4を少なくとも2つ配置することが好ましい。可動ピン4と磁石6とは、本実施の形態では同一の第1のプレート部2bに設けられている。すなわち、可動ピン4と磁石6とは、本実施の形態では第1の傾斜面2cのみに配置されている。このため、第2の加工ヘッド部3がスライド移動したときに、可動ピン4と磁石6との接触を回避して、磁石6の破損を抑制することができる。
図8に示されるピン座5の数は、可動ピン4の数と同数であればよく、本実施の形態では4つである。ピン座5は、傾斜方向および直交方向に互いに間隔を空けて配置されている。ピン座5は、第1の中心線Caと第2の中心線Cbとで区画される4つの領域に1つずつ配置されている。4つのピン座5の配置間隔は、4つの可動ピン4の配置間隔と同じである。ピン座5は、第2の固定ピン14bおよび第2のピン溝15bよりも、第1の中心線Caから離れた位置で、かつ、第2の中心線Cbに寄った位置に配置されている。
図7に示される磁石6の数は、2つ以上あることが好ましいが、本実施の形態では4つである。4つの磁石6は、傾斜方向および直交方向に互いに間隔を空けて配置されている。磁石6は、第1の中心線Caと第2の中心線Cbとで区画される4つの領域に1つずつ配置されている。第2の中心線Cbを挟んで傾斜方向の上方に配置された2つの磁石6は、傾斜方向における位置が一致している。第2の中心線Cbを挟んで傾斜方向の下方に配置された2つの磁石6は、傾斜方向における位置が一致している。第1の中心線Caを挟んで直交方向の一方に配置された2つの磁石6は、直交方向における位置が一致している。第1の中心線Caを挟んで直交方向の他方に配置された2つの磁石6は、直交方向における位置が一致している。
磁石6は、第1の固定ピン14a、第1のピン溝15aおよび可動ピン4よりも、第1の中心線Caから離れた位置で、かつ、第2の中心線Cbに寄った位置に配置されている。磁石6は、第1の傾斜面2cにおいて固定ピン14、可動ピン4および接触式センサ7を避けた位置に配置されている。また、磁石6は、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3とが連結された状態において、図8に示される第2の傾斜面3cの固定ピン14およびセンサ当てピン9を避けた位置に配置されている。さらに、磁石6と固定ピン14とセンサ当てピン9とは、傾斜方向に沿った同一直線上から外れた位置に配置されている。これにより、第2の加工ヘッド部3が第1の加工ヘッド部2に対してスライド移動したときに、磁石6が固定ピン14およびセンサ当てピン9と接触することを回避して、磁石6の破損を抑制することができる。
図7に示すように、第1の傾斜面2cには、第1のプレート部2bと第1の本体部2aとを締結する締結部材10を挿通するための第1の挿通穴2dが開口している。図8に示すように、第2の傾斜面3cには、第2のプレート部3bと第2の本体部3aとを締結する締結部材11を挿通するための第2の挿通穴3fが開口している。
次に、図9および図10を参照して、固定ピン14、ピン溝15および接触式センサ7についてさらに説明する。図9は、図7に示されたIX-IX線に沿った断面図である。図10は、図7に示されたX-X線に沿った断面図である。図9および図10では、第2の加工ヘッド部3の断面も図示している。図9に示すように、接触式センサ7は、棒状の部材である。接触式センサ7は、第1のプレート部2bを貫通して取り付けられている。接触式センサ7の先端は、第1の傾斜面2cから露出している。第1の傾斜面2cに設けられた接触式センサ7は、第1の傾斜面2cと鋭角を成すように傾いている。接触式センサ7と第1の傾斜面2cとが成す角度θ1は、鋭角である。接触式センサ7の先端が傾斜方向の上方に傾くように、接触式センサ7が第1のプレート部2bに取り付けられている。
第1のピン溝15aの傾斜方向に沿った長さ寸法は、第2の固定ピン14bの太さ寸法よりも大きい。第2のピン溝15bの傾斜方向に沿った長さ寸法は、第1の固定ピン14aの太さ寸法よりも大きい。第1のピン溝15aの内壁は、第2の固定ピン14bよりも傾斜方向の下方に位置する規制面15dを有している。規制面15dは、第2の固定ピン14bに接触して第2の加工ヘッド部3の傾斜方向の下方への移動を規制する役割を果たす。
なお、第1の加工ヘッド部2には、第1の本体部2aと第1のプレート部2bとの位置決めを行うための複数のピン12が設けられている。また、第2の加工ヘッド部3には、第2の本体部3aと第2のプレート部3bとの位置決めを行うための複数のピン13が設けられている。
図10に示すように、固定ピン14の先端には、ピン溝15に向かうにつれて先細りとなる固定ピン側接触面14cが形成されている。固定ピン側接触面14cは、固定ピン14の根本側から先端側に向かうにつれて縮径する半球面状に形成されている。ピン溝15には、固定ピン側接触面14cが接触する一対のピン溝側接触面15cが形成されている。一対のピン溝側接触面15cは、ピン溝15の溝底から開口に向かうにつれて溝幅方向に広がるV字状に形成されている。一対のピン溝側接触面15cは、溝幅方向に対称形状である。溝幅方向は、X軸方向と一致する。ピン溝側接触面15cは、固定ピン14に接触して第2の加工ヘッド部3のX軸方向に沿った移動を規制する役割を果たす。
次に、図11から図13を参照して、可動ピン4、ピン座5および締結部材10,11についてさらに説明する。図11は、図7に示されたXI-XI線に沿った断面図である。図12は、図8に示されたXII-XII線に沿った断面図である。図13は、可動ピン4を模式的に示した図である。図11では、第2の加工ヘッド部3の断面も図示している。図12では、第1の加工ヘッド部2の断面も図示している。図12に示すように、締結部材11は、第2のプレート部3bと第2の本体部3aとに捩じ込まれている。締結部材11は、例えば、ボルトである。
図13に示すように、可動ピン4は、可動部品4aと、付勢手段4bと、容器4cとを有している。容器4cは、有底筒状の部材である。容器4cには、可動部品4aを突出させるための開口4dが形成されている。可動部品4aは、容器4cの開口4dから突出する方向と容器4cの底に押し込まれる方向とに可動する部材である。可動部品4aの先端には、ピン座5に向かうにつれて先細りとなる可動ピン側接触面4eが形成されている。可動ピン側接触面4eは、可動部品4aの根本側から先端側に向かうにつれて縮径する半球面状に形成されている。付勢手段4bは、可動部品4aと容器4cの底との間に配置されて、可動部品4aを容器4cの開口4dから突出する方向に付勢する役割を果たす。付勢手段4bは、例えば、弾性体、エア、油である。弾性体は、例えば、バネ、ゴムである。
可動ピン4は、本実施の形態では容器4cの開口4dから突出する方向に可動部品4aを押し出す押出式可動ピンである。可動部品4aの可動ピン側接触面4eに加わった外力Fが付勢手段4bの付勢力を上回ると、可動部品4aが容器4cの底に向かって押し込まれる。一方で、可動部品4aの可動ピン側接触面4eに加わった外力Fが取り除かれると、付勢手段4bの付勢力によって可動部品4aが容器4cの開口4dに向かって押し出されて、可動部品4aが元の形状に復帰する。容器4cの外周面には、図示しないネジ溝が切られている。第1のプレート部2bの裏面には、ナットNが溶接で接合されている。ナットNに容器4cのネジ溝を捩じ込むことにより、可動ピン4を第1のプレート部2bに固定することができる。なお、可動ピン4の固定方法は、例えば、接着、圧入といった固定方法でもよい。
図11に示されるピン座5の形状は、本実施の形態では円筒状である。ピン座5の内面には、可動ピン側接触面4eが接触するピン座側接触面5aが形成されている。ピン座側接触面5aは、可動ピン4に接触して第2の加工ヘッド部3のX軸方向に沿った移動および傾斜方向の下方への移動を規制する役割を果たす。
次に、図14および図15を参照して、磁石6についてさらに説明する。図14は、図7に示されたXIV-XIV線に沿った断面図である。図15は、磁石6を示した斜視図である。図14では、第2の加工ヘッド部3の断面も図示している。図15に示すように、磁石6の形状は、板状である。磁石6は、磁石6の板厚方向に磁化されている。磁石6には、磁石6の板厚方向に貫通するネジ孔6aが形成されている。ネジ孔6aには、ネジSが挿通される。
図14に示すように、磁石6は、第1の傾斜面2cに開口する取付穴2eに配置されている。磁石6の板厚寸法は、取付穴2eの深さ寸法よりも小さい。図14では具体的な図示を省略するが、磁石6のネジ孔6aと第1のプレート部2bのネジ孔2fとにネジSを捩じ込むことにより、磁石6が第1のプレート部2bに固定されている。磁石6の板厚方向が第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cに垂直となるように、磁石6が配置されている。磁石6のうち第2の傾斜面3cの方を向く面は、第2の加工ヘッド部3を吸着する吸着面となる。磁石6は、取付穴2eと対峙する第2の傾斜面3cから取付穴2eの開口よりも離隔する側に位置している。つまり、磁石6の吸着面は、取付穴2eの開口から突出していないとともに、第1の傾斜面2cと面一ではない。これにより、磁石6が他の部品に接触することを回避して、磁石6の破損を抑制することができる。なお、磁石6と他の部品とが接触しにくいように配置を調整すれば、磁石6の吸着面が取付穴2eの開口から突出していたり、磁石6の吸着面と第1の傾斜面2cとが面一であったりしてもよい。締結部材10は、第1のプレート部2bと第1の本体部2aとに捩じ込まれている。締結部材10は、例えば、ボルトである。
次に、図9を参照して、レーザ加工ヘッド1のフランジ1bについて説明する。第1のプレート部2bは、第1の本体部2aよりもZ軸方向と交差する方向に張り出している。第2のプレート部3bは、第2の本体部3aよりもZ軸方向と交差する方向に張り出している。これにより、レーザ加工ヘッド1のうち第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3との分割部分には、他の部分よりもZ軸方向と交差する方向に張り出すフランジ1bが形成されている。
水平方向に対するフランジ1bの傾斜角度が20度未満であると、レーザ加工ヘッド1の下方衝突時に第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3との間に強い衝撃力が働いて、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3とが破損しやすくなる可能性がある。一方、水平方向に対するフランジ1bの傾斜角度が70度を超えると、レーザ加工ヘッド1がプラスY方向への衝突時に第2の加工ヘッド部3が第1の加工ヘッド部2から分離するために必要な力が増大して、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3とが破損しやすくなる可能性がある。そのため、水平方向に対するフランジ1bの傾斜角度は、20度以上70度以下であることが好ましい。レーザ加工ヘッド1の省スペースを図りながらレーザ加工ヘッド1の破損を抑制するためには、水平方向に対するフランジ1bの傾斜角度は40度以上50度以下であることがより好ましい。
次に、図16および図17を参照して、レーザ加工ヘッド1のカバー1cについて説明する。図16は、第1の加工ヘッド部2を示した斜視図である。図17は、第2の加工ヘッド部3を示した斜視図である。図16に示される第1の傾斜面2cと図17に示される第2の傾斜面3cとは、同一の外形形状および同一の外周寸法である。図16および図17に示すように、レーザ加工ヘッド1は、第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cの周囲を取り囲むカバー1cを備えている。カバー1cの材料には、例えば、ゴムが使用される。カバー1cは、図16に示される第1のプレート部2bに取り付けられた第1のカバー2gと、図17に示される第2のプレート部3bに取り付けられた第2のカバー3gとを有している。
図16に示すように、第1のカバー2gは、第1の傾斜面2cの下縁と側縁とに沿って設けられている。第1のカバー2gは、本実施の形態では第1の傾斜面2cの8辺のうち傾斜方向下側の5辺に沿って設けられている。図17に示すように、第2のカバー3gは、第2の傾斜面3cの上縁に沿って設けられている。第2のカバー3gは、本実施の形態では第2の傾斜面3cの8辺のうち傾斜方向上側の3辺に沿って設けられている。第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3とが互いに連結されたときに、第1のカバー2gと第2のカバー3gとは、第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cの周囲を取り囲んでいる。
次に、図9、図11、図18から図21を参照して、本実施の形態にかかるレーザ加工ヘッド1の衝突時の動作について説明する。図18は、レーザ加工ヘッド1の下方衝突時の状態を示した断面図であって、図7に示されたIX-IX線に沿った断面図に相当する図である。図19は、レーザ加工ヘッド1の下方衝突時の状態を示した断面図であって、図7に示されたXI-XI線に沿った断面図に相当する図である。図20は、レーザ加工ヘッド1のY軸方向衝突時の状態を示した断面図であって、図7に示されたIX-IX線に沿った断面図に相当する図である。図21は、レーザ加工ヘッド1のX軸方向衝突時の状態を示した斜視図である。図18から図21に示される矢印Yは、衝突時の第2の加工ヘッド部3の移動方向を示している。
はじめに、レーザ加工ヘッド1が鉛直方向下方への移動中にワークに衝突した場合である下方衝突時について説明する。図9に示すように、レーザ加工ヘッド1がワークに衝突する前の通常状態では、磁石6の吸着力によって第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3とは互いに連結されている。第1の固定ピン14aが第2のピン溝15bの内面に接触することによって、第2の加工ヘッド部3のX軸方向への移動が規制されている。第2の固定ピン14bが第1のピン溝15aの内面に接触することによって、第2の加工ヘッド部3のX軸方向への移動が規制されている。第2の固定ピン14bが第1のピン溝15aの規制面15dに接触することによって、第2の加工ヘッド部3の傾斜方向の下方への移動が規制されている。接触式センサ7は、センサ当てピン9に接触している。図11に示すように、可動ピン4が第2の傾斜面3cに向かって押し出されてピン座5に嵌まることによって、第2の加工ヘッド部3のX軸方向の移動および傾斜方向の下方への移動が規制されている。
図9に示されるレーザ加工ヘッド1が鉛直方向下方への移動中に第2の加工ヘッド部3がワークに衝突して磁石6の吸着力を超える衝撃力が第2の加工ヘッド部3に加わると、図18に示すように第2の加工ヘッド部3が傾斜方向の上方にスライド移動する。このとき、第2のピン溝15bの傾斜方向に沿った長さ寸法が第1の固定ピン14aの太さ寸法よりも大きいため、傾斜方向の上方へ移動しようとする第2のピン溝15bに沿って第1の固定ピン14aが第2のピン溝15bと相対的に移動することによって、第2の加工ヘッド部3のスライド移動が妨げられない。第2のピン溝15bが第2の傾斜面3cの下縁まで切り欠かれているため、第1の固定ピン14aが第2のピン溝15bから抜けやすくなり、第2の加工ヘッド部3が第1の加工ヘッド部2から分離しやすくなる。
また、第1のピン溝15aの傾斜方向に沿った長さ寸法が第2の固定ピン14bの太さ寸法よりも大きいため、第2の固定ピン14bが第1のピン溝15aに沿って第1のピン溝15aと相対的に移動することによって、第2の加工ヘッド部3のスライド移動が妨げられない。第1のピン溝15aが第1の傾斜面2cの上縁まで切り欠かれているため、第2の固定ピン14bが第1のピン溝15aから抜けやすくなり、第2の加工ヘッド部3が第1の加工ヘッド部2から分離しやすくなる。
また、センサ当てピン9が傾斜方向の上方に接触式センサ7と相対的に移動することによって、接触部7cがセンサ当てピン9から離れて図1に示される制御装置27にOFF信号が送信される。OFF信号を受信した制御装置27によって、レーザ加工ヘッド1の移動とレーザビーム32の照射とが緊急停止される。
また、図19に示すように、第2の加工ヘッド部3がスライド移動したときに可動部品4aがピン座5から離脱することによって、第2の加工ヘッド部3のスライド移動が妨げられない。
次に、図20を参照して、レーザ加工ヘッド1がY軸方向への移動中にワークに衝突した場合である水平衝突時について説明する。レーザ加工ヘッド1がY軸方向のプラスY方向への移動中に第2の加工ヘッド部3がワークに衝突して磁石6の吸着力を超える衝撃力が第2の加工ヘッド部3に加わると、第2の加工ヘッド部3が衝撃力の作用方向に回転して第1の加工ヘッド部2から分離する。このとき、第1の固定ピン14aが第2のピン溝15bから抜けることによって、第2の加工ヘッド部3の回転が妨げられない。
また、第2の固定ピン14bが第1のピン溝15aから抜けることによって、第2の加工ヘッド部3の回転が妨げられない。
また、センサ当てピン9が接触式センサ7から離れて、接触部7cがセンサ当てピン9から離れることにより制御装置27にOFF信号が送信される。OFF信号を受信した制御装置27によって、レーザ加工ヘッド1の移動とレーザビーム32の照射とが緊急停止される。
また、図示は省略するが、可動部品4aがピン座5から離脱することによって、第2の加工ヘッド部3の回転が妨げられない。
なお、レーザ加工ヘッド1がY軸方向のマイナスY方向への移動中に、第2の加工ヘッド部3がワークに衝突して磁石6の吸着力を超える衝撃力が第2の加工ヘッド部3に加わった場合も、前記したレーザ加工ヘッド1がY軸方向のプラスY方向への移動中にワークに衝突した場合と同様の動作になる。また、図21に示されるレーザ加工ヘッド1がX軸方向のマイナスX方向への移動中およびレーザ加工ヘッド1がX軸方向のプラスX方向への移動中に、第2の加工ヘッド部3がワークに衝突して磁石6の吸着力を超える衝撃力が第2の加工ヘッド部3に加わった場合も、前記したレーザ加工ヘッド1がY軸方向のプラスY方向への移動中にワークに衝突した場合と同様の動作になる。
次に、本実施の形態にかかるレーザ加工ヘッド1の効果について説明する。
以上説明した本実施の形態では、図14に示すように、第1の傾斜面2cには、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3とを分離可能に連結する磁石6が設けられている。これにより、第2の加工ヘッド部3がワークに衝突して磁石6の吸着力を超える衝撃力が第2の加工ヘッド部3に加わると、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3とが分離する。具体的には、レーザ加工ヘッド1の鉛直方向下方への移動時に第2の加工ヘッド部3がワークに衝突すると、第2の加工ヘッド部3が傾斜方向の上方にスライド移動して第1の加工ヘッド部2から離れる。レーザ加工ヘッド1の水平方向への移動時に第2の加工ヘッド部3がワークに衝突すると、第2の加工ヘッド部3が衝撃力の作用方向に回転して第1の加工ヘッド部2から離れる。そのため、レーザ加工ヘッド1には過大な衝撃力が加わらず、レーザ加工ヘッド1の破損を防止することができる。
本実施の形態では、図9に示すように、第1の傾斜面2cには、他方に向かって突出する固定ピン14が設けられ、第2の傾斜面3cには、固定ピン14が挿入されるピン溝15が設けられている。また、第2の傾斜面3cには、第1の傾斜面2cに向かって突出する固定ピン14が設けられ、第1の傾斜面2cには、固定ピン14が挿入されるピン溝15が設けられている。これらの構成により、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3との位置関係が正確に決まるため、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3との連結時の位置決め精度が高いレーザ加工ヘッド1を得ることができる。したがって、レーザ加工ヘッド1の衝突時に、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3とが一旦分離された後に再連結されても、第1の加工ヘッド部2および第2の加工ヘッド部3の分離前と再連結後とで第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3との位置関係のずれが生じない。このようなレーザ加工ヘッド1をレーザ加工機に使用すると、第1の加工ヘッド部2および第2の加工ヘッド部3の分離前と再連結後とでレーザビーム32の光軸ずれの発生を抑制することができる。したがって、第1の加工ヘッド部2および第2の加工ヘッド部3の分離前と再連結後とで加工品質が変わらないレーザ加工機を得ることができる。
また、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3との連結時に、固定ピン14がピン溝15に挿入されることにより、レーザ加工ヘッド1が急加速、急停止といった動作を行った際に、第2の加工ヘッド部3が第1の加工ヘッド部2からずれることを抑制できる。
また、図2に示すように、ワイヤ送給機21dが第2の加工ヘッド部3に固定されていることと、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3との連結時の位置決め精度が高いこととにより、第1の加工ヘッド部2および第2の加工ヘッド部3の分離前と再連結後とでワイヤ送給機21dの先端と第2の加工ヘッド部3のノズル3dとの位置関係のずれが生じない。そのため、ワイヤ送給機21dの先端と第2の加工ヘッド部3のノズル3dとの位置を合わせる調整作業を省略することができる。
本実施の形態では、図9に示すように、ピン溝15の傾斜方向に沿った長さ寸法は、固定ピン14の太さ寸法よりも大きい。これにより、レーザ加工ヘッド1の下方衝突時に第2の加工ヘッド部3が傾斜方向の上方にスライド移動すると、固定ピン14がピン溝15に沿ってピン溝15と相対的に移動するため、第2の加工ヘッド部3のスライド移動を妨げることがない。また、レーザ加工ヘッド1の水平衝突時に第2の加工ヘッド部3が回転すると、固定ピン14がピン溝15からきちんと抜けるため、第2の加工ヘッド部3の回転を妨げない。
本実施の形態では、図9に示すように、固定ピン14は、第1の傾斜面2cのうち光路孔1aが開口した部分よりも傾斜方向の下方に設けられた第1の固定ピン14aと、第2の傾斜面3cのうち光路孔1aが開口した部分よりも傾斜方向の上方に設けられた第2の固定ピン14bとを含んでいる。また、本実施の形態では、ピン溝15は、第1の傾斜面2cのうち光路孔1aが開口した部分よりも傾斜方向の上方に設けられた第1のピン溝15aと、第2の傾斜面3cのうち光路孔1aが開口した部分よりも傾斜方向の下方に設けられた第2のピン溝15bとを含んでいる。これらの構成により、レーザ加工ヘッド1の下方衝突時に第2の加工ヘッド部3が傾斜方向の上方にスライド移動したときに、第1の固定ピン14aが第2のピン溝15bから抜けやすくなるとともに、第2の固定ピン14bが第1のピン溝15aから抜けやすくなるため、第2の加工ヘッド部3が第1の加工ヘッド部2から分離しやすくなる。
本実施の形態では、図9に示すように、第1のピン溝15aは、第1の傾斜面2cの上縁まで切り欠かれており、第2のピン溝15bは、第2の傾斜面3cの下縁まで切り欠かれている。これにより、レーザ加工ヘッド1の下方衝突時に第2の加工ヘッド部3が傾斜方向の上方にスライド移動したときに、第1の固定ピン14aが第2のピン溝15bから抜けやすくなるとともに、第2の固定ピン14bが第1のピン溝15aから抜けやすくなるため、第2の加工ヘッド部3が第1の加工ヘッド部2から分離しやすくなる。
本実施の形態では、図9に示すように、第1のピン溝15aの内面は、第2の固定ピン14bよりも傾斜方向の下方に位置して、第2の固定ピン14bの傾斜方向の下方への移動を規制する規制面15dを有している。これにより、第2の固定ピン14bが第1のピン溝15aの規制面15dに接触して、第2の加工ヘッド部3の傾斜方向の下方への移動が規制される。
本実施の形態では、図7および図8に示すように、ピン溝15は、光路孔1aと離れている。これにより、加工時に光路孔1aにガスを流すレーザ加工機では、ピン溝15を設けた場合でも、ガス濃度の低下を防ぐことができるとともに、ガス流の乱れを防ぐことができる。そのため、ワークの加工品質の低下を防ぐことができる。
本実施の形態では、図10に示すように、固定ピン14には、ピン溝15に向かうにつれて先細りとなる固定ピン側接触面14cが形成され、ピン溝15には、固定ピン側接触面14cが接触する溝幅方向に対称形状のピン溝側接触面15cが形成されている。これにより、固定ピン14の固定ピン側接触面14cがピン溝15のピン溝側接触面15cに当たって、X軸方向への固定ピン14の移動が規制されるため、固定ピン14とピン溝15との位置が一意的に決まる。
本実施の形態では、図7および図8に示すように、複数の固定ピン14は、傾斜方向に沿った同一直線上に配置されていることにより、各固定ピン14を第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cに取り付ける際の取付性を向上させることができる。
本実施の形態では、図11に示すように、第1の傾斜面2cには、第2の傾斜面3cに向かって突出するとともに第2の傾斜面3cに向かって付勢される可動ピン4が設けられ、第2の傾斜面3cには、可動ピン4が挿入されるピン座5が設けられている。これにより、レーザ加工ヘッド1がワークに衝突して可動ピン4に外力が加わり、可動ピン4が付勢力に抗して押されると、可動ピン4が引っ込んでピン座5から抜ける。そのため、可動ピン4が第2の加工ヘッド部3のスライド移動および回転を妨げない。一方で、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3との連結時には、可動ピン4がピン座5に挿入される。これにより、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3との位置関係が正確に決まるため、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3との連結時の位置決め精度がより一層高いレーザ加工ヘッド1を得ることができる。
また、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3との連結時に、可動ピン4がピン座5に挿入されることにより、レーザ加工ヘッド1が急加速、急停止といった動作を行った際に、第2の加工ヘッド部3が第1の加工ヘッド部2からずれることを抑制できる。
本実施の形態では、図6および図7に示すように、固定ピン14および可動ピン4は、磁石6を避けた位置に配置されていることにより、固定ピン14および可動ピン4と磁石6との接触を回避して、磁石6の破損を抑制することができる。特に、本実施の形態では、可動ピン4と磁石6とは、第1の傾斜面2cのみに配置されていることにより、第2の加工ヘッド部3がスライド移動したときに、可動ピン4と磁石6との接触を回避して、磁石6の破損を抑制することができる。
本実施の形態では、図9に示すように、第2の傾斜面3cには、センサ当てピン9が設けられ、第1の傾斜面2cには、センサ当てピン9に接触する接触部7cを有し接触部7cが変位することにより第1の加工ヘッド部2に対する第2の加工ヘッド部3の位置ずれを検知する接触式センサ7が設けられている。これにより、接触式センサ7によって第2の加工ヘッド部3の位置ずれが検知されると、図1に示される制御装置27によってレーザ加工ヘッド1の移動とレーザビーム32の照射とを迅速に停止できる。
本実施の形態では、図9に示すように、第1の傾斜面2cに設けられた接触式センサ7は、第2の傾斜面3cと鋭角を成すように傾いている。これにより、レーザ加工ヘッド1の下方衝突時に第2の加工ヘッド部3が傾斜方向の上方にスライド移動したときに、接触式センサ7とセンサ当てピン9とが擦れ合うのを抑制して、両者の摩耗を抑制することができる。
本実施の形態では、図9に示すように、第2の傾斜面3cには、センサ当てピン9を収容するセンサ溝8が設けられ、センサ溝8は、傾斜方向に沿って延びている。これにより、レーザ加工ヘッド1の下方衝突時に第2の加工ヘッド部3がスライド移動すると、接触式センサ7がセンサ溝8に沿ってセンサ溝8と相対的に移動するため、接触式センサ7と第2の傾斜面3cとの干渉を抑制することができる。
本実施の形態では、図9に示すように、センサ溝8は、ピン溝15と一体に形成されていることにより、センサ溝8とピン溝15とを別々に加工する手間を省けて、レーザ加工ヘッド1の生産性を高めることができる。
本実施の形態では、図9に示すように、第1のプレート部2bは、第1の本体部2aよりもZ軸方向と交差する方向に張り出しており、第2のプレート部3bは、第2の本体部3aよりもZ軸方向と交差する方向に張り出している。これにより、レーザ加工ヘッド1のうち第1のプレート部2bおよび第2のプレート部3b以外の部分を細くして、レーザ加工ヘッド1の軽量化を図ることができる。
図14に示されるレーザ加工ヘッド1の高速移動時には、第2の加工ヘッド部3には回転モーメントが加わるが、この回転モーメントを磁石6の吸着力で抑えこむ必要がある。仮に、磁石6の吸着力を増大させると、レーザ加工ヘッド1の衝突時に第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3とを分離させるために必要な力が増大する。そのため、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3とが変形しやすくなり、第1の加工ヘッド部2および第2の加工ヘッド部3の交換頻度が増える。この点、本実施の形態では、第1のプレート部2bが第1の本体部2aよりもZ軸方向と交差する方向に張り出すとともに第2のプレート部3bが第2の本体部3aよりもZ軸方向と交差する方向に張り出すことにより、第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cの面積が大きくなる。第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cの面積を大きくすると、磁石6に働く回転モーメントの作用距離が大きくなるため、磁石6に働く回転モーメントを抑制することができる。これにより、磁石6の吸着力の増大化を抑えることができるため、レーザ加工ヘッド1の衝突時に第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3とを分離させるための力を抑えることができる。したがって、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3とが変形しにくくなり、第1の加工ヘッド部2および第2の加工ヘッド部3の交換頻度を抑えることができる。
本実施の形態では、図9に示すように、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3とが互いに連結されたときに、第1のカバー2gと第2のカバー3gとは、第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cの周囲を取り囲んでいる。これにより、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3との間に物が挟まることを防げる。また、図16および図17に示すように、第1のカバー2gが第1の加工ヘッド部2の上縁に設けられていないため、レーザ加工ヘッド1の下方衝突時に第2の加工ヘッド部3が傾斜方向の上方にスライド移動したときに、第2の加工ヘッド部3と第1のカバー2gとの干渉を防ぐことができる。したがって、第1のカバー2gと第2のカバー3gとを設けた場合でも、第2の加工ヘッド部3の移動を妨げない。
次に、実施の形態1の変形例について説明する。
本実施の形態では、図5および図6に示すように、位置決めピンである固定ピン14と可動ピン4とが第1の傾斜面2cに設けられるとともに位置決めピンである固定ピン14が第2の傾斜面3cに設けられているが、固定ピン14と可動ピン4とは、第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cのうち少なくとも一方に設けられていればよい。同様に、位置決め凹部であるピン溝15とピン座5とは、第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cのうち少なくとも他方に設けられていればよい。
固定ピン14、可動ピン4、ピン溝15およびピン座5の数は、図示した例に限定されず、適宜変更してもよい。例えば、固定ピン14および可動ピン4が1つずつ設けられて、ピン溝15およびピン座5が1つずつ設けられてもよい。このような構成にしても、1つの固定ピン14と1つの可動ピン4とによって、合計2つの位置決めピンが設けられることになるため、第1の加工ヘッド部2と第2の加工ヘッド部3との連結時の第2の加工ヘッド部3の回転を抑制することができる。
本実施の形態では、位置決めピンとして固定ピン14と可動ピン4とが設けられ、位置決め凹部としてピン溝15とピン座5とが設けられたが、位置決めピンとして固定ピン14のみが設けられ、位置決め凹部としてピン溝15のみが設けられる構成にしてもよい。このような構成にする場合には、少なくとも2つの固定ピン14と少なくとも2つのピン溝15とが設けられていればよい。
本実施の形態では、図5および図6に示すように、ピン溝15を、第1の傾斜面2cの上縁または第2の傾斜面3cの下縁まで切り欠いたが、第1の傾斜面2cの上縁または第2の傾斜面3cの下縁まで切り欠かなくてもよい。このような構成にする場合には、レーザ加工ヘッド1の下方衝突時の第2の加工ヘッド部3のスライド移動を妨げないように、ピン溝15の傾斜方向に沿った長さを十分に確保することが好ましい。なお、ピン溝15の深さは、ピン溝15の延伸方向の全長に亘って一定でもよいが、第1の傾斜面2cの上縁または第2の傾斜面3cの下縁に向かって徐々に浅くなるようにしてもよい。このようにすると、第2の加工ヘッド部3がスライド移動したときに、ピン溝15から固定ピン14が抜けやすくなる。
本実施の形態では、図5に示すように、吸着部材である磁石6が第1の傾斜面2cのみに設けられているが、磁石6は第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cのうち少なくとも一方に設けられていればよい。磁石6が第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cの両方に設けられる場合には、第1のプレート部2bおよび第2のプレート部3bのうち相手側の磁石6と向かい合う部分を非磁性体にすればよい。なお、磁石6は、レーザ加工ヘッド1の衝突時の衝撃力を受けやすく、破損しやすい部品であるため、レーザ加工ヘッド1の衝突時に移動しないおよび回転しない第1の加工ヘッド部2の第1の傾斜面2cのみに設けられることが好ましい。
本実施の形態では、図9に示すように、レーザ加工ヘッド1はフランジ1bを備えるが、フランジ1bを備えなくてもよい。すなわち、レーザ加工ヘッド1の太さがZ軸方向の全長に亘って一定であってもよい。
本実施の形態では、図9に示すように、第1の加工ヘッド部2が第1の本体部2aと第1のプレート部2bとの2部材で構成されているが、第1の本体部2aと第1のプレート部2bとが一体的に形成された単一の部材で第1の加工ヘッド部2が構成されてもよい。また、本実施の形態では、第2の加工ヘッド部3が第2の本体部3aと第2のプレート部3bとの2部材で構成されているが、第2の本体部3aと第2のプレート部3bとが一体的に形成された単一の部材で第2の加工ヘッド部3が構成されてもよい。
本実施の形態では、図9に示すように、レーザ加工ヘッド1はカバー1cを備えるが、カバー1cを備えなくてもよい。
図5および図6に示される固定ピン14の配置は、図示した例に限定されず、第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cにおいて自由に変更してもよい。例えば、固定ピン14およびピン溝15は、光路孔1aの開口よりも傾斜方向の上方のみに設けられてもよいし、光路孔1aの開口よりも傾斜方向の下方のみに設けられてもよい。また、例えば、固定ピン14およびピン溝15は、光路孔1aの開口と直交方向に間隔を空けて配置されてもよい。
本実施の形態では、図5および図6に示すように、複数の固定ピン14と複数のピン溝15とは、傾斜方向に沿った同一直線上に配置されているが、傾斜方向に沿った同一直線上に配置されていなくてもよい。例えば、複数の固定ピン14と複数のピン溝15とは、図22および図23に示されるように配置されてもよい。図22は、実施の形態1の変形例1にかかるレーザ加工ヘッド1の第1の加工ヘッド部2のうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部を示した斜視図である。図23は、実施の形態1の変形例1にかかるレーザ加工ヘッド1の第2の加工ヘッド部3のうち第1の加工ヘッド部2の方を向く端部を示した斜視図である。図22および図23に示すように、第1の傾斜面2cの固定ピン14と第2の傾斜面3cのピン溝15とは、第1の中心線Ca上に配置されている。第1の傾斜面2cのピン溝15と第2の傾斜面3cの固定ピン14とは、第1の中心線Caから直交方向にオフセットした位置に配置されている。
例えば、複数の固定ピン14と複数のピン溝15とは、図24および図25に示されるように配置されてもよい。図24は、実施の形態1の変形例2にかかるレーザ加工ヘッド1の第1の加工ヘッド部2のうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部を示した斜視図である。図25は、実施の形態1の変形例2にかかるレーザ加工ヘッド1の第2の加工ヘッド部3のうち第1の加工ヘッド部2の方を向く端部を示した斜視図である。図24および図25に示すように、第1の傾斜面2cの固定ピン14と第2の傾斜面3cのピン溝15とは、第1の中心線Caを挟んで直交方向の一方に第1の中心線Caからオフセットした位置に配置されている。第1の傾斜面2cのピン溝15と第2の傾斜面3cの固定ピン14とは、第1の中心線Caを挟んで直交方向の他方に第1の中心線Caからオフセットした位置に配置されている。
例えば、複数の固定ピン14と複数のピン溝15とは、図26および図27に示されるように配置されてもよい。図26は、実施の形態1の変形例3にかかるレーザ加工ヘッド1の第1の加工ヘッド部2のうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部を示した斜視図である。図27は、実施の形態1の変形例3にかかるレーザ加工ヘッド1の第2の加工ヘッド部3のうち第1の加工ヘッド部2の方を向く端部を示した斜視図である。図26に示すように、第1の傾斜面2cには、1つの固定ピン14と2つのピン溝15とが設けられている。図27に示すように、第2の傾斜面3cには、2つの固定ピン14と1つのピン溝15とが設けられている。図26および図27に示すように、第1の傾斜面2cの固定ピン14と第2の傾斜面3cのピン溝15とは、第1の中心線Ca上に配置されている。図26に示すように、第1の傾斜面2cのピン溝15は、第1の中心線Caを挟んで直交方向の一方と他方とに第1の中心線Caからオフセットした位置に1つずつ配置されている。図27に示すように、第2の傾斜面3cの固定ピン14は、第1の中心線Caを挟んで直交方向の一方と他方とに第1の中心線Caからオフセットした位置に1つずつ配置されている。
例えば、複数の固定ピン14と複数のピン溝15とは、図28および図29に示されるように配置されてもよい。図28は、実施の形態1の変形例4にかかるレーザ加工ヘッド1の第1の加工ヘッド部2のうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部を示した斜視図である。図29は、実施の形態1の変形例4にかかるレーザ加工ヘッド1の第2の加工ヘッド部3のうち第1の加工ヘッド部2の方を向く端部を示した斜視図である。図28に示すように、第1の傾斜面2cには、2つの固定ピン14と1つのピン溝15とが設けられている。図29に示すように、第2の傾斜面3cには、1つの固定ピン14と2つのピン溝15とが設けられている。図28および図29に示すように、第1の傾斜面2cのピン溝15と第2の傾斜面3cの固定ピン14とは、第1の中心線Ca上に配置されている。図28に示すように、第1の傾斜面2cの固定ピン14は、第1の中心線Caを挟んで直交方向の一方と他方とに第1の中心線Caからオフセットした位置に1つずつ配置されている。図29に示すように、第2の傾斜面3cのピン溝15は、第1の中心線Caを挟んで直交方向の一方と他方とに第1の中心線Caからオフセットした位置に1つずつ配置されている。
固定ピン14の形状は、図示した例に限定されず、適宜変更してもよい。例えば、固定ピン14の形状は、図30に示されるような形状でもよい。図30は、実施の形態1の変形例5にかかるレーザ加工ヘッド1の固定ピン14とピン溝15とを示した断面図である。固定ピン14の先端には、ピン溝15に向かうにつれて先細りとなる固定ピン側接触面14cが形成されている。固定ピン側接触面14cは、固定ピン14の根本側から先端側に向かうにつれて縮径する円錐台形状に形成されている。なお、固定ピン側接触面14cの形状は、円錐状などでもよい。
ピン溝15の形状は、図示した例に限定されず、適宜変更してもよい。例えば、ピン溝15の形状は、図31および図32に示されるような形状でもよい。図31は、実施の形態1の変形例6にかかるレーザ加工ヘッド1の固定ピン14とピン溝15とを示した断面図である。図32は、実施の形態1の変形例7にかかるレーザ加工ヘッド1の固定ピン14とピン溝15とを示した断面図である。ピン溝15は、平坦な溝底15eを有し、溝底15eから開口に向かうにつれて溝幅方向に広がるV字状に形成されてもよい。ピン溝15の内面には、溝底15eと、溝底15eの溝幅方向の両縁から開口に向かうにつれて溝幅方向に広がる一対のピン溝側接触面15cとが形成されている。一対のピン溝側接触面15cは、溝幅方向に対称形状である。
例えば、ピン溝15の形状は、図33および図34に示されるような形状でもよい。図33は、実施の形態1の変形例8にかかるレーザ加工ヘッド1の固定ピン14とピン溝15とを示した断面図である。図34は、実施の形態1の変形例9にかかるレーザ加工ヘッド1の固定ピン14とピン溝15とを示した断面図である。ピン溝15は、平坦な溝底15eを有し、溝底15eから開口に向かって溝幅が一定であるU字状に形成されてもよい。ピン溝15の内面には、溝底15eと、溝底15eの溝幅方向の両縁から開口に向かって直線状に延びる一対のピン溝側接触面15cとが形成されている。一対のピン溝側接触面15cは、溝幅方向に対称形状である。
例えば、ピン溝15の形状は、図35および図36に示されるような形状でもよい。図35は、実施の形態1の変形例10にかかるレーザ加工ヘッド1の固定ピン14とピン溝15とを示した断面図である。図36は、実施の形態1の変形例11にかかるレーザ加工ヘッド1の固定ピン14とピン溝15とを示した断面図である。ピン溝15は、円弧形状に形成されてもよい。ピン溝15の内面には、円弧形状のピン溝側接触面15cが形成されている。ピン溝側接触面15cは、溝幅方向に対称形状である。
接触式センサ7およびセンサ当てピン9の配置は、図示した例に限定されず、適宜変更してもよい。例えば、接触式センサ7およびセンサ当てピン9の配置は、図37および図38に示されるような配置でもよい。図37は、実施の形態1の変形例12にかかるレーザ加工ヘッド1の第1の加工ヘッド部2のうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部を示した斜視図である。図38は、実施の形態1の変形例12にかかるレーザ加工ヘッド1の第2の加工ヘッド部3のうち第1の加工ヘッド部2の方を向く端部を示した斜視図である。図37および図38に示される接触式センサ7とセンサ当てピン9とは、第1の中心線Caから直交方向にオフセットした位置に配置されている。
例えば、接触式センサ7およびセンサ当てピン9の配置は、図39に示されるような配置でもよい。図39は、実施の形態1の変形例13にかかるレーザ加工ヘッド1を示した断面図であって、図7に示されたIX-IX線に沿った断面図に相当する図である。本変形例では、接触式センサ7およびセンサ当てピン9が2つずつ設けられている。第1のプレート部2bと第2のプレート部3bとには、接触式センサ7およびセンサ当てピン9が1つずつ設けられている。2つの接触式センサ7は、傾斜方向に互いに離れている。2つのセンサ当てピン9も傾斜方向に互いに離れている。以下、2つの接触式センサ7を区別する場合には、接触式センサ7a、接触式センサ7bと称する。また、2つのセンサ当てピン9を区別する場合には、センサ当てピン9a、センサ当てピン9bと称する。接触式センサ7aは、第1のプレート部2bに取り付けられていて、光路孔1aよりも傾斜方向の下方に位置する。センサ当てピン9aは、第2の傾斜面3cに設けられていて、光路孔1aよりも傾斜方向の下方に位置する。接触式センサ7aおよびセンサ当てピン9aは、前記した実施の形態1の接触式センサ7およびセンサ当てピン9と同様の構成である。
接触式センサ7bは、第2のプレート部3bに取り付けられていて、光路孔1aよりも傾斜方向の上方に位置する。接触式センサ7bは、第2のプレート部3bを貫通して取り付けられている。接触式センサ7bの先端は、第2の傾斜面3cから露出している。第2の傾斜面3cに設けられた接触式センサ7bは、第2の傾斜面3cと鋭角を成すように傾いている。接触式センサ7bと第2の傾斜面3cとが成す角度θ2は、鋭角である。接触式センサ7bの先端が傾斜方向の下方に傾くように、接触式センサ7bが第2のプレート部3bに取り付けられている。第2の傾斜面3cに設けられた接触式センサ7bが第2の傾斜面3cと鋭角を成すように傾いていることにより、レーザ加工ヘッド1の下方衝突時に第2の加工ヘッド部3が傾斜方向の上方にスライド移動したときに、接触式センサ7bとセンサ当てピン9bとが擦れ合うのを抑制して、両者の摩耗を抑制することができる。
センサ当てピン9bは、第1の傾斜面2cに設けられている。センサ当てピン9bを収容するセンサ溝8は、本変形例では第1のピン溝15aと一体に形成されているが、第1のピン溝15aと別々に形成されてもよい。センサ溝8をピン溝15と別々に形成する場合でも、センサ溝8は、傾斜方向に沿って延びていることが好ましい。すなわち、レーザ加工ヘッド1の下方衝突時の第2の加工ヘッド部3のスライド移動を妨げないように、接触式センサ7bの先端の太さ寸法よりもセンサ溝8の傾斜方向に沿った寸法を大きくすることが好ましい。また、センサ溝8は、第1の傾斜面2cの上縁まで切り欠かれていることが好ましい。
可動ピン4の配置は、図示した例に限定されず、適宜変更してもよい。例えば、可動ピン4の配置は、図40に示されるような配置でもよい。図40は、実施の形態1の変形例14にかかるレーザ加工ヘッド1の第1の加工ヘッド部2のうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部を示した斜視図である。図40に示される可動ピン4の数は、2つである。2つの可動ピン4は、第1の傾斜面2cのうち光路孔1aが開口した部分よりも傾斜方向の上方に設けられている。可動ピン4は、第1の中心線Caを挟んで直交方向の一方と他方とに第1の中心線Caからオフセットした位置に1つずつ配置されている。
例えば、可動ピン4の配置は、図41に示されるような配置でもよい。図41は、実施の形態1の変形例15にかかるレーザ加工ヘッド1の第1の加工ヘッド部2のうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部を示した斜視図である。図41に示される可動ピン4の数は、2つである。2つの可動ピン4は、傾斜方向に沿った同一直線上に配置されている。2つの可動ピン4は、本変形例では第1の中心線Ca上に配置されている。可動ピン4は、第1の傾斜面2cのうち光路孔1aが開口した部分よりも傾斜方向の上方と下方とに1つずつ設けられている。
例えば、可動ピン4の配置は、図42および図43に示されるような配置でもよい。図42は、実施の形態1の変形例16にかかるレーザ加工ヘッド1の第1の加工ヘッド部2のうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部を示した斜視図である。図43は、実施の形態1の変形例16にかかるレーザ加工ヘッド1の第2の加工ヘッド部3のうち第1の加工ヘッド部2の方を向く端部を示した斜視図である。図42および図43に示すように、本変形例では、可動ピン4が第2のプレート部3bに設けられて、磁石6が第1のプレート部2bに設けられている。つまり、可動ピン4と磁石6とが異なるプレート部に設けられている。このような構成にする場合には、第2の加工ヘッド部3がスライド移動したときに可動ピン4と磁石6とが干渉しない位置に配置されることが好ましい。磁石6と可動ピン4とは、傾斜方向に沿った同一直線上から外れた位置に配置されていることが好ましい。3つの可動ピン4は、本変形例では磁石6よりも第1の中心線Caに寄った位置に配置されている。図43に示される可動ピン4の数は、3つである。2つの可動ピン4は、第2の傾斜面3cのうち光路孔1aが開口した部分よりも傾斜方向の上方に設けられている。1つの可動ピン4は、第2の傾斜面3cのうち光路孔1aが開口した部分よりも傾斜方向の下方に設けられている。1つの可動ピン4は、本変形例では第1の中心線Ca上に配置されている。
可動ピン4の構成は、図示した例に限定されず、適宜変更してもよい。例えば、可動ピン4の構成は、図44に示されるような構成でもよい。図44は、実施の形態1の変形例17にかかるレーザ加工ヘッド1の可動ピン4を模式的に示した図である。図44に示される可動部品4aの可動ピン側接触面4eは、可動部品4aの根本側から先端側に向かうにつれて縮径する円錐形状に形成されている。なお、可動ピン側接触面4eの形状は、可動部品4aの根本側から先端側に向かうにつれて縮径する円錐台形状などでもよい。
例えば、可動ピン4の構成は、図45に示されるような構成でもよい。図45は、実施の形態1の変形例18にかかるレーザ加工ヘッド1の可動ピン4を模式的に示した図である。以下、前記した実施の形態1と相違する点を中心に説明する。可動ピン4は、可動部品4aと、付勢手段4bと、容器4cとを有している。容器4cは、有底筒状の部材である。容器4cには、可動部品4aを突出させるための開口4dが形成されている。可動部品4aの基端には、可動部品4aの軸直角方向に他の部分よりも張り出す受座4fが形成されている。付勢手段4bは、可動部品4aの受座4fと容器4cの開口縁との間に配置されて、可動部品4aを容器4cの開口4dから突出する方向に付勢する役割を果たす。
可動ピン4は、本変形例では容器4cの開口4dから突出する方向に可動部品4aを引っ張る引張式可動ピンである。可動部品4aの可動ピン側接触面4eに加わった外力Fが付勢手段4bの付勢力を上回ると、可動部品4aが容器4cの底に向かって押し込まれる。一方で、可動部品4aの可動ピン側接触面4eに加わった外力Fが取り除かれると、付勢手段4bの付勢力によって可動部品4aが容器4cの開口4dに向かって引っ張られて、可動部品4aが元の形状に復帰する。
ピン座5の形状は、図示した例に限定されず、適宜変更してもよい。例えば、ピン座5の形状は、図46に示されるような形状でもよい。図46は、実施の形態1の変形例19にかかるレーザ加工ヘッド1の第2の加工ヘッド部3のうち第1の加工ヘッド部2の方を向く端部を示した斜視図である。図46に示されるピン座5の形状は、溝状であってもよい。ピン座5の形状は、本変形例では傾斜方向よりも直交方向に長い溝状である。このようなピン座5の形状の場合には、ピン座5の直交方向に沿った長さ寸法が可動ピン4の太さ寸法よりも大きくなる。なお、ピン座5の形状は、例えば、直交方向よりも傾斜方向に長い溝状でもよい。このようなピン座5の形状の場合には、ピン座5の傾斜方向に沿った長さ寸法が可動ピン4の太さ寸法よりも大きくなる。ピン座5の形状を溝状にする場合には、ピン座5の形状を溝幅方向に対称形状なV字状、U字状、円弧形状などにしてもよい。また、傾斜方向よりも直交方向に長い溝状のピン座5と、直交方向よりも傾斜方向に長い溝状のピン座5とを併用する構成でもよい。
例えば、ピン座5の形状は、図47に示されるような形状でもよい。図47は、実施の形態1の変形例20にかかるレーザ加工ヘッド1のピン座5を模式的に示した図である。図47に示されるピン座5の形状は、本変形例では円錐状である。ピン座5の内面には、円錐状のピン座側接触面5aが形成されている。なお、ピン座5の形状は、円錐台形状などでもよい。
図48は、可動ピン4とピン座5との接点Cを説明するための説明図である。図49は、可動ピン4とピン座5との接点Cを説明するための説明図であって、図48とは接点Cの位置が異なる場合を示した図である。可動ピン側接触面4eは、中心軸Aを有する形状に形成されている。可動ピン側接触面4eは、中心軸Aに軸対称な形状に形成されている。ここで、可動ピン側接触面4eの根本側の末端と中心軸Aとを通って中心軸Aに垂直な仮想直線を垂線Pとする。また、中心軸Aと垂線Pとが交わる点を交点Oとする。また、可動ピン側接触面4eとピン座側接触面5aとの接点を接点Cとする。また、交点Oと接点Cとを結ぶ仮想線を仮想直線Lとする。中心軸Aと仮想直線Lとが成す角度を接触角θ3とする。
例えば、可動ピン4の可動ピン側接触面4eが半球面状の場合には、接触角θ3が小さいと、レーザ加工ヘッド1が高速移動したときに第2の加工ヘッド部3が動いてしまい、第1の加工ヘッド部2との位置がずれてしまう可能性がある。一方で、接触角θ3が大きすぎると、レーザ加工ヘッド1の下方衝突時に第2の加工ヘッド部3がスライド移動したときに、可動部品4aが押し込まれずに可動ピン4が破損してしまう可能性がある。以上の点を考慮すると、接触角θ3は、55度から75度であることが好ましい。
磁石6の配置は、図示した例に限定されず、適宜変更してもよい。例えば、磁石6の配置は、図50に示されるような配置でもよい。図50は、実施の形態1の変形例21にかかるレーザ加工ヘッド1の第1の加工ヘッド部2のうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部を示した平面図である。図50に示される磁石6の数は、2つである。2つの磁石6は、第2の中心線Cbよりも傾斜方向の上方に配置されている。2つの磁石6は、直交方向に沿った同一直線上に配置されている。磁石6は、第1の中心線Caを挟んで直交方向の一方と他方とに第1の中心線Caからオフセットした位置に1つずつ配置されている。
例えば、磁石6の配置は、図51に示されるような配置でもよい。図51は、実施の形態1の変形例22にかかるレーザ加工ヘッド1の第1の加工ヘッド部2のうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部を示した平面図である。図51に示される磁石6の数は、2つである。2つの磁石6は、第1の傾斜面2cのうち光路孔1aが開口した部分よりも傾斜方向の上方と下方とに1つずつ配置されている。2つの磁石6は、傾斜方向に沿った同一直線上に配置されている。2つの磁石6は、第1の中心線Ca上に配置されている。
例えば、磁石6の配置は、図52に示されるような配置でもよい。図52は、実施の形態1の変形例23にかかるレーザ加工ヘッド1の第1の加工ヘッド部2のうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部を示した平面図である。図52に示される磁石6の数は、3つである。3つの磁石6は、第1の傾斜面2cのうち光路孔1aが開口した部分の周方向に互いに間隔を空けて配置されている。磁石6は、第1の傾斜面2cのうち光路孔1aが開口した部分よりも傾斜方向の下方に1つ配置されているとともに、第1の傾斜面2cのうち光路孔1aが開口した部分よりも傾斜方向の斜め上方に2つ配置されている。
最も傾斜方向の下方に配置された1つの磁石6は、第1の中心線Ca上に配置されている。残りの2つの磁石6は、第1の中心線Caを挟んで直交方向の一方と他方とに第1の中心線Caからオフセットした位置に配置されている。残りの2つの磁石6は、第1の中心線Caを挟んで線対称となるように配置されている。残りの2つの磁石6は、傾斜方向の下方から上方に向かうにつれて第1の中心線Caに近付くように傾斜している。
例えば、磁石6の配置は、図53に示されるような配置でもよい。図53は、実施の形態1の変形例24にかかるレーザ加工ヘッド1の第1の加工ヘッド部2のうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部を示した平面図である。図53に示される磁石6の数は、3つである。磁石6は、第1の傾斜面2cのうち光路孔1aが開口した部分を挟んで直交方向の一方に2つ、直交方向の他方に1つ配置されている。直交方向の一方に配置された2つの磁石6は、傾斜方向に沿った同一直線上に配置されているとともに、第2の中心線Cbを挟んで傾斜方向の上方と下方とに第2の中心線Cbからオフセットした位置に配置されている。
例えば、磁石6の配置は、図54に示されるような配置でもよい。図54は、実施の形態1の変形例25にかかるレーザ加工ヘッド1の第1の加工ヘッド部2のうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部を示した平面図である。図54に示される磁石6の数は、2つである。磁石6は、第1の傾斜面2cのうち光路孔1aが開口した部分を挟んで直交方向の一方と他方とに1つずつ配置されている。2つの磁石6は、直交方向に沿った同一直線上に配置されている。2つの磁石6は、第2の中心線Cb上に配置されている。2つの磁石6は、長さ方向を傾斜方向に一致させた状態で、かつ、幅方向を直交方向に一致させた状態で配置されている。
例えば、磁石6の配置は、図55に示されるような配置でもよい。図55は、実施の形態1の変形例26にかかるレーザ加工ヘッド1の第1の加工ヘッド部2のうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部を示した平面図である。図55に示される磁石6の数は、2つである。磁石6は、第1の傾斜面2cのうち光路孔1aが開口した部分を挟んで傾斜方向の上方と下方とに1つずつ配置されている。2つの磁石6は、傾斜方向に沿った同一直線上に配置されている。2つの磁石6は、第1の中心線Ca上に配置されている。2つの磁石6は、長さ方向を直交方向に一致させた状態で、かつ、幅方向を傾斜方向に一致させた状態で配置されている。
例えば、磁石6の配置は、図56に示されるような配置でもよい。図56は、実施の形態1の変形例27にかかるレーザ加工ヘッド1の第1の加工ヘッド部2のうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部を示した平面図である。図56に示される磁石6の数は、3つである。磁石6の形状は、円形である。3つの磁石6は、第1の傾斜面2cのうち光路孔1aが開口した部分の周方向に互いに間隔を空けて配置されている。磁石6は、第1の傾斜面2cのうち光路孔1aが開口した部分よりも傾斜方向の下方に1つ配置されているとともに、第1の傾斜面2cのうち光路孔1aが開口した部分よりも傾斜方向の斜め上方に2つ配置されている。最も傾斜方向の下方に配置された1つの磁石6は、第1の中心線Ca上に配置されている。残りの2つの磁石6は、第1の中心線Caを挟んで直交方向の一方と他方とに第1の中心線Caからオフセットした位置に配置されている。残りの2つの磁石6は、第1の中心線Caを挟んで線対称となるように配置されている。
例えば、磁石6の配置は、図57に示されるような配置でもよい。図57は、実施の形態1の変形例28にかかるレーザ加工ヘッド1の第1の加工ヘッド部2のうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部を示した平面図である。図57に示される磁石6の数は、2つである。磁石6の形状は、円形である。2つの磁石6は、第1の傾斜面2cのうち光路孔1aが開口した部分よりも傾斜方向の上方と下方とに1つずつ配置されている。2つの磁石6は、傾斜方向に沿った同一直線上に配置されている。2つの磁石6は、第1の中心線Ca上に配置されている。
磁石6の構成は、図示した例に限定されず、適宜変更してもよい。例えば、磁石6の構成は、図58および図59に示されるような構成でもよい。図58は、実施の形態1の変形例29にかかるレーザ加工ヘッド1の磁石6を示した斜視図である。図59は、図58に示される磁石6を第1の加工ヘッド部2に配置した状態を示した断面図である。図58に示されるように、一対のヨーク6bの間に挟み込まれた磁石6を吸着部材として使用してもよい。磁石6は、磁石6の板厚方向に磁化されている。一対のヨーク6bは、磁石6の板厚方向の両側から磁石6を挟み込んでいる。磁石6およびヨーク6bの形状は、特に制限されないが、本変形例では板状である。
図59に示されるように磁石6と一対のヨーク6bとは、それぞれが第2の傾斜面3cに臨むように第1の傾斜面2cの取付穴2eに配置されている。磁石6から発生した磁束Mは、一方のヨーク6bを流れた後に、第2のプレート部3bへと流れる。次に、磁束Mは、第2のプレート部3bから他方のヨーク6bへと流れた後、磁石6に戻る。このように磁束は、磁石6、一方のヨーク6b、第2のプレート部3b、他方のヨーク6b、磁石6の順に一周するように流れる。
例えば、磁石6の構成は、図60に示されるような構成でもよい。図60は、実施の形態1の変形例30にかかるレーザ加工ヘッド1の第1の加工ヘッド部2のうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部を示した斜視図である。図60に示されるように吸着部材として複数の磁石6が接着剤で一体化された物を使用してもよい。一体化される磁石6の数は、本変形例では3つである。3つの磁石6が1セットになっていて、本変形例では4セット配置されている。3つの磁石6は、磁石6の板厚方向に積層されている。隣接する磁石6は、接着剤を介して連結されている。3つの磁石6は、それぞれが第2の傾斜面3cに臨むように第1の傾斜面2cの取付穴2eに配置される。
図61は、実施の形態1の変形例31にかかるレーザ加工ヘッド1の第2の加工ヘッド部3を示した斜視図である。図61に示されるように第2の傾斜面3cには、シール部材3hが設けられてもよい。シール部材3hは、第2の傾斜面3cのうち光路孔1aが開口した部分を囲むように配置されている。シール部材3hは、第1の傾斜面2cと第2の傾斜面3cとの間を気密にシールする。シール部材3hは、例えば、Oリングである。第2の傾斜面3cには、シール部材3hが収容されるシール溝3iが形成されている。
図示は省略するが、シール部材3hは、固定ピン14、可動ピン4、磁石6、接触式センサ7、センサ当てピン9などよりも光路孔1aに寄った位置に配置される。このように第2の傾斜面3cには、光路孔1aの開口を囲むように配置されて第1の傾斜面2cと第2の傾斜面3cとの間をシールするシール部材3hが設けられていることにより、加工時に光路孔1aにガスを流すレーザ加工機では、ガスが第1の傾斜面2cと第2の傾斜面3cとの間からレーザ加工ヘッド1の外部に漏れ出すことを抑制できる。なお、シール部材3hは、第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cのうち少なくとも一方に設けられていればよい。また、直径が異なる複数のシール部材3hによって、光路孔1aの開口を多重に囲んでもよい。
図62は、実施の形態1の変形例32にかかるレーザ加工ヘッド1の磁石6およびヨーク6bを示した斜視図である。図63は、図62に示される磁石6およびヨーク6bを第1の加工ヘッド部2に配置した状態を示した断面図である。図63の実線矢印は、磁石6の磁化方向Zを示している。図63の破線矢印は、磁束Mを示している。図62に示すように、吸着部材は、磁石6と、磁束を通過させるヨーク6bとを含んでいてもよい。磁石6の形状は、本変形例では四角柱である。磁石6は、吸着面となる正面6cと、背面6dと、4つの側面6eとを含んでいる。正面6c、背面6dおよび4つの側面6eは、いずれも矩形状である。
図63に示すように、磁石6およびヨーク6bを含む吸着部材は、第1の傾斜面2cに設けられている。正面6cは、第2の傾斜面3cに臨む面である。背面6dは、正面6cと反対側を向く面である。各側面6eは、正面6cと背面6dとを繋ぐ面である。正面6cおよび背面6dは、第2の傾斜面3cに対して平行である。各側面6eは、第2の傾斜面3cに対して垂直である。磁石6は、第2の傾斜面3cに向かう方向に磁化されている。換言すると、磁石6は、背面6dから正面6cに向かう方向に磁化されている。
図62に示すように、ヨーク6bの形状は、本変形例ではL字状である。ヨーク6bは、一辺部6fと、他辺部6gとを有している。ヨーク6bは、背面6dと1つの側面6eとに接触している。一辺部6fは、背面6dに接触している。他辺部6gは、1つの側面6eに接触している。図63に示すように、他辺部6gは、磁石6の傾斜方向の下方に配置されている。他辺部6gの先端面6hは、第2の傾斜面3cに臨む面である。磁石6およびヨーク6bのそれぞれは、第2の傾斜面3cに臨むように第1の傾斜面2cの取付穴2eに配置されている。第1の傾斜面2cの正面から第1の傾斜面2cを見たときに、磁石6とヨーク6bとは、傾斜方向に沿って並んで配置されている。詳しくは、第1の傾斜面2cの正面から第1の傾斜面2cを見たときに、磁石6の正面6cとヨーク6bの先端面6hとは、傾斜方向に沿って並んで配置されている。
磁石6から発生した磁束Mは、磁石6から第2のプレート部3bへと流れる。次に、磁束Mは、第2のプレート部3bからヨーク6bへと流れた後、磁石6の背面6dから磁石6に戻る。このように磁束Mは、磁石6、第2のプレート部3b、ヨーク6b、磁石6の順に一周するように流れる。L字状のヨーク6bを用いることにより、磁石6による磁力の増強と、吸着部材の設置場所の省スペース化とを実現することができる。なお、磁石6およびヨーク6bを含む吸着部材は、第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cのうちいずれか一方に設けられていればよい。磁石6およびヨーク6bを含む吸着部材が第1の傾斜面2cに設けられる場合には、正面6cが第2の傾斜面3cに臨む面となる。一方、磁石6およびヨーク6bを含む吸着部材が第2の傾斜面3cに設けられる場合には、正面6cが第1の傾斜面2cに臨む面となる。つまり、正面6cは、第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cのうちいずれかに臨む面である。磁石6およびヨーク6bを含む吸着部材が第2の傾斜面3cに設けられる場合には、他辺部6gの先端面6hが第1の傾斜面2cに臨む面となり、磁石6が第1の傾斜面2cに向かう方向に磁化される。また、磁石6およびヨーク6bを含む吸着部材は、第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cの両方に設けられてもよい。また、本変形例では、1つの磁石6と1つのヨーク6bとを組み合わせて1セットにしているが、1セットにする磁石6およびヨーク6bの数は適宜変更してもよい。本変形例では、ヨーク6bが取付穴2eの底面に固定されているが、磁石6が取付穴2eの側面に固定されてもよい。本変形例では、磁石6の各面が平面であるが、平面でなくてもよい。本変形例では、磁石6の隣接する面同士が直交しているが、直交していなくてもよい。
図64は、実施の形態1の変形例33にかかるレーザ加工ヘッド1の第1の加工ヘッド部2のうち第2の加工ヘッド部3の方を向く端部を示した斜視図である。本変形例は、磁石6およびヨーク6bの配置が前記した変形例32と相違する。図64に示されるように第2の傾斜面3cの正面から第2の傾斜面3cを見たときに、磁石6とヨーク6bとは、直交方向に沿って並んで配置されてもよい。詳しくは、第2の傾斜面3cの正面から第2の傾斜面3cを見たときに、磁石6の正面6cとヨーク6bの先端面6hとは、直交方向に沿って並んで配置されていてもよい。図64では、1つの磁石6と1つのヨーク6bとが1セットの吸着部材になっていて、本変形例では4セットの吸着部材が配置されているが、吸着部材のセット数は適宜変更してもよい。
図65は、実施の形態1の変形例34にかかるレーザ加工ヘッド1の磁石6およびヨーク6bを示した斜視図である。本変形例は、ヨーク6bの形状が前記した変形例32と相違する。図65に示されるようにヨーク6bの形状は、凹状でもよい。ヨーク6bは、底部6iと、2つの側部6jとを有している。ヨーク6bは、背面6dと一対の側面6eとに接触している。底部6iは、背面6dに接触している。一対の側部6jは、異なる側面6eに接触している。一対の側部6jは、磁石6を挟んで配置されている。一方の側部6jは、底部6iの幅方向に沿った一端部から正面6cの方に向かって延びている。他方の側部6jは、底部6iの幅方向に沿った他端部から正面6cの方に向かって延びている。底部6iと側部6jとで構成される出隅部6kは、尖った形状である。底部6iと一対の側部6jとに囲まれた部分は、凹部6mとなる。凹部6mには、磁石6が配置されている。磁石6およびヨーク6bを含む吸着部材は、底部6iの幅方向が傾斜方向と一致するように第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cのうちいずれか一方に配置されてもよいし、底部6iの幅方向が直交方向と一致するように第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cのうちいずれか一方に配置されてもよい。
図66は、実施の形態1の変形例35にかかるレーザ加工ヘッド1の磁石6およびヨーク6bを示した斜視図である。本変形例は、ヨーク6bの形状が前記した変形例34と相違する。図66に示されるようにヨーク6bの出隅部6kには、R形状の面取り加工が施されてもよい。出隅部6kは、曲線形状である。
図67は、実施の形態1の変形例36にかかるレーザ加工ヘッド1の磁石6およびヨーク6bを示した斜視図である。本変形例は、ヨーク6bの形状が前記した変形例32と相違する。図67に示されるようにヨーク6bの形状は、板状でもよい。ヨーク6bは、背面6dのみに接触している。磁石6およびヨーク6bを含む吸着部材は、磁石6およびヨーク6bの幅方向が傾斜方向と一致するように第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cのうちいずれか一方に配置されてもよいし、磁石6およびヨーク6bの幅方向が直交方向と一致するように第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cのうちいずれか一方に配置されてもよい。
図68は、実施の形態1の変形例37にかかるレーザ加工ヘッド1の磁石6およびヨーク6bを示した斜視図である。図68に示されるように磁石6の形状およびヨーク6bの形状は、円柱状でもよい。磁石6は、吸着面となる正面6cと、背面6dと、外周面6nとを含んでいる。正面6cおよび背面6dは、いずれも円形状の平面である。外周面6nは、正面6cと背面6dとを繋ぐ環状の面である。磁石6の直径は、本変形例ではヨーク6bの直径と同一であるが、ヨーク6bの直径と異なっていてもよい。磁石6の軸方向に沿った長さは、本変形例ではヨーク6bの軸方向に沿った長さよりも長い。磁石6とヨーク6bとは、軸方向に沿って重ね合わされている。
図69は、実施の形態1の変形例38にかかる磁石6およびヨーク6bを示した斜視図である。磁石6には、磁石6の板厚方向に貫通するネジ孔6aが形成されている。ネジ孔6aには、ネジSが挿通される。ヨーク6bの形状は、L字状である。ヨーク6bの一辺部6fには、一辺部6fの板厚方向に貫通する通し孔6oが形成されている。通し孔6oには、ネジSが挿通される。磁石6とヨーク6bとは、ネジSで図示しない第1の加工ヘッド部2の第1のプレート部2bに共締めされる。すなわち、磁石6のネジ孔6aとヨーク6bの通し孔6oと図示しない第1のプレート部2bのネジ孔2fとにネジSを捩じ込むことにより、磁石6とヨーク6bとが第1のプレート部2bにまとめて固定される。磁石6は、正面6cが第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cのうちいずれか一方に臨むように第1の傾斜面2cおよび第2の傾斜面3cのうちいずれか他方に配置される。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。前記した実施の形態では、レーザ加工機が付加製造装置100である場合を例にして説明したが、付加製造装置100以外のレーザ加工機にレーザ加工ヘッド1が搭載されてもよい。付加製造装置100以外のレーザ加工機としては、例えば、レーザ切断加工機が挙げられる。