JP7567417B2 - 蓄電デバイス用外装材、その製造方法、蓄電デバイス、及びポリアミドフィルム - Google Patents
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Description
外側から順に、少なくとも、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成されており、
前記基材層は、ポリアミドフィルムを含んでおり、
フーリエ変換赤外分光法のATR法により、前記基材層の外側から測定される前記ポリアミドフィルムの結晶化指数が、1.50以上である、蓄電デバイス用外装材。
本開示の蓄電デバイス用外装材10は、例えば図1に示すように、外側から順に、基材層1、バリア層3、及び熱融着性樹脂層4を備える積層体から構成されている。蓄電デバイス用外装材10において、基材層1が最外層側になり、熱融着性樹脂層4は最内層になる。蓄電デバイス用外装材10と蓄電デバイス素子を用いて蓄電デバイスを組み立てる際に、蓄電デバイス用外装材10の熱融着性樹脂層4同士を対向させた状態で、周縁部を熱融着させることによって形成された空間に、蓄電デバイス素子が収容される。本開示の蓄電デバイス用外装材10を構成する積層体において、バリア層3を基準とし、バリア層3よりも熱融着性樹脂層4側が内側であり、バリア層3よりも基材層1側が外側である。
蓄電デバイス用外装材を100mm×100mmの正方形に裁断してサンプルを作製する。得られたサンプルの外側に位置しているポリアミドフィルムの表面を、FT-IRのATR測定モードを用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で赤外吸収スペクトル測定を実施する。装置としては、例えば、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製:Nicolet iS10が使用できる。得られた吸収スペクトルから、ナイロンのα晶の吸収に由来する1200cm-1付近のピーク強度Pと、結晶とは無関係の吸収に由来する1370cm-1付近のピーク強度Qを測定し、ピーク強度Qに対するピーク強度Pの強度比X=P/Qを結晶化指数として算出する。なお、蓄電デバイスから蓄電デバイス用外装材を取得して、基材層の結晶化指数を測定する場合には、蓄電デバイスの熱融着部や側面ではなく、天面又は底面から蓄電デバイス用外装材を取得してサンプルを作製する。
(測定条件)
手法:マクロATR法
波数分解能:8cm-1
積算回数:32回
検出器:DTGS検出器
ATRプリズム:Ge
入射角:45°
ベースライン:波数1100cm-1から1400cm-1間で直線近似として求めた。
吸収ピーク強度Y1200:波数1195cm-1から1205cm-1の範囲におけるピーク強度の最大値からベースラインの値を引いた値
吸収ピーク強度Y1370:波数1365cm-1から1375cm-1の範囲におけるピーク強度の最大値からベースラインの値を引いた値
[基材層1]
本開示において、基材層1は、蓄電デバイス用外装材の基材としての機能を発揮させることなどを目的として設けられる層である。基材層1は、蓄電デバイス用外装材の外層側に位置する。
本開示の蓄電デバイス用外装材は、印字性や、成形性などの向上を目的として、必要に応じて、基材層1の上(基材層1のバリア層3側とは反対側)に、コート層(図示を省略する)を備えていてもよい。コート層は、基材層1に接面するようにして設けられる。コート層の厚みとしては、コート層としての上記の機能を発揮すれば特に制限されず、例えば0.01~0.40μm程度、好ましくは0.01~0.30μm程度、さらに好ましくは0.1~0.30μm程度が挙げられる。厚みが0.01μm以上であることにより、基材層1の上に均一な膜厚の層を形成することができる。その結果、本開示の蓄電デバイス用外装材の印字性にムラが生じず均一な印字を可能にすることができたり、均一な成形性が得られたりする。
本開示の蓄電デバイス用外装材において、接着剤層2は、基材層1とバリア層3との接着性を高めることを目的として、必要に応じて、これらの間に設けられる層である。
着色層は、基材層1とバリア層3との間に必要に応じて設けられる層である(図示を省略する)。接着剤層2を有する場合には、基材層1と接着剤層2との間、接着剤層2とバリア層3との間に着色層を設けてもよい。また、基材層1の外側に着色層を設けてもよい。着色層を設けることにより、蓄電デバイス用外装材を着色することができる。
蓄電デバイス用外装材において、バリア層3は、少なくとも水分の浸入を抑止する層である。
本開示の蓄電デバイス用外装材において、熱融着性樹脂層4は、最内層に該当し、蓄電デバイスの組み立て時に熱融着性樹脂層同士が熱融着して蓄電デバイス素子を密封する機能を発揮する層(シーラント層)である。
本開示の蓄電デバイス用外装材において、接着層5は、バリア層3(又は耐腐食性皮膜)と熱融着性樹脂層4を強固に接着させるために、これらの間に必要に応じて設けられる層である。
本開示の蓄電デバイス用外装材は、意匠性、耐電解液性、耐傷性、成形性などの向上の少なくとも一つを目的として、必要に応じて、基材層1の上(基材層1のバリア層3とは反対側)に、表面被覆層6を備えていてもよい。表面被覆層6は、蓄電デバイス用外装材を用いて蓄電デバイスを組み立てた時に、蓄電デバイス用外装材の最外層側に位置する層である。
蓄電デバイス用外装材の製造方法については、本開示の蓄電デバイス用外装材が備える各層を積層させた積層体が得られる限り、特に制限されず、外側から順に、少なくとも、基材層1、バリア層3、及び熱融着性樹脂層4がこの順となるように積層する工程を備える方法が挙げられる。具体的には、本開示の蓄電デバイス用外装材の製造方法は、外側から順に、少なくとも、基材層と、バリア層と、熱融着性樹脂層とが積層された積層体を得る工程を備えており、前記基材層は、ポリアミドフィルムを含んでおり、フーリエ変換赤外分光法のATR法により、前記基材層の外側から測定される前記ポリアミドフィルムの結晶化指数が、1.50以上である。
本開示の蓄電デバイス用外装材は、正極、負極、電解質等の蓄電デバイス素子を密封して収容するための包装体に使用される。すなわち、本開示の蓄電デバイス用外装材によって形成された包装体中に、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子を収容して、蓄電デバイスとすることができる。
本開示のポリアミドフィルムは、少なくとも、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成された蓄電デバイス用外装材の基材層に用いるためのポリアミドフィルムであって、フーリエ変換赤外分光法のATR法により測定される結晶化指数が、1.50以上である。蓄電デバイス用外装材10の詳細については、前述の通りである。
ポリアミドフィルムを100mm×100mmの正方形に裁断してサンプルを作製する。得られたサンプルの表面をFT-IRのATR測定モードを用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で赤外吸収スペクトル測定を実施する。装置としては、例えば、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製:Nicolet iS10が使用できる。得られた吸収スペクトルから、ナイロンのα晶の吸収に由来する1200cm-1付近のピーク強度Pと、結晶とは無関係の吸収に由来する1370cm-1付近のピーク強度Qを測定し、ピーク強度Qに対するピーク強度Pの強度比X=P/Qを結晶化指数として算出する。
(測定条件)
手法:マクロATR法
波数分解能:8cm-1
積算回数:32回
検出器:DTGS検出器
ATRプリズム:Ge
入射角:45°
ベースライン:波数1100cm-1から1400cm-1間で直線近似として求めた。
吸収ピーク強度Y1200:波数1195cm-1から1205cm-1の範囲におけるピーク強度の最大値からベースラインの値を引いた値
吸収ピーク強度Y1370:波数1365cm-1から1375cm-1の範囲におけるピーク強度の最大値からベースラインの値を引いた値
実施例1-3及び比較例1-2
基材層として、それぞれ、延伸ナイロン(ONy)フィルム(厚さ25μm)を準備した。後述の通り、実施例1-3及び比較例1-2で使用した延伸ナイロンフィルムは、それぞれ、延伸倍率、熱固定温度を変更して結晶化指数を表1に記載の値に調整したものである。延伸ナイロンフィルムには、滑剤としてエルカ酸アミドが塗布されている。バリア層として、アルミニウム合金箔(JIS H4160:1994 A8021H-O(厚さ40μm))を用意した。次に、アルミニウム合金箔の一方面に、接着剤(2液型ウレタン接着剤)を塗布し、乾燥させた。次いで、バリア層上の接着剤と基材層をドライラミネート法で積層した後、エージング処理を実施することにより、基材層(厚さ25μm)/接着剤層(硬化後の厚さ3μm)/バリア層(厚さ40μm)の積層体を作製した。アルミニウム合金箔の両面には、化成処理が施してある。アルミニウム合金箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥質量)となるように、ロールコート法によりアルミニウム合金箔の両面に塗布し、焼付けすることにより行った。
基材層として、延伸ナイロン(ONy)フィルム(厚さ20μm)を準備した。後述の通り、実施例4で使用した延伸ナイロンフィルムは、延伸倍率、熱固定温度を変更して結晶化指数を表1に記載の値に調整したものである。延伸ナイロンフィルムには、バリア層とは反対側の表面にコート層(滑剤を含むポリエステルポリウレタンを、300nm以下の厚みで塗布したもの)を有し、バリア層側の表面にコート層(ポリエステルポリウレタンを、300nm以下の厚みで塗布したもの)を有する。バリア層として、アルミニウム合金箔(JIS H4160:1994 A8021H-O(厚さ35μm))を用意した。次に、アルミニウム合金箔の一方面に、接着剤(2液型ウレタン接着剤)を塗布し、乾燥させた。次いで、バリア層上の接着剤と基材層をドライラミネート法で積層した後、エージング処理を実施することにより、基材層(厚さ20μm)/接着剤層(硬化後の厚さ3μm)/バリア層(厚さ35μm)の積層体を作製した。アルミニウム合金箔の両面には、化成処理が施してある。アルミニウム合金箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥質量)となるように、ロールコート法によりアルミニウム合金箔の両面に塗布し、焼付けすることにより行った。
基材層として、延伸ナイロン(ONy)フィルム(厚さ20μm)を準備した。実施例5で使用した延伸ナイロンフィルムは、実施例4で使用したものと同じである。延伸ナイロンフィルムには、バリア層とは反対側の表面にコート層(滑剤を含むポリエステルポリウレタンを、300nm以下の厚みで塗布したもの)を有し、バリア層側の表面にコート層(ポリエステルポリウレタンを、300nm以下の厚みで塗布したもの)を有する。バリア層として、アルミニウム合金箔(JIS H4160:1994 A8021H-O(厚さ30μm))を用意した。次に、アルミニウム合金箔の一方面に、接着剤(2液型ウレタン接着剤)を塗布し、乾燥させた。次いで、バリア層上の接着剤と基材層をドライラミネート法で積層した後、エージング処理を実施することにより、基材層(厚さ20μm)/接着剤層(硬化後の厚さ3μm)/バリア層(厚さ30μm)の積層体を作製した。アルミニウム合金箔の両面には、化成処理が施してある。アルミニウム合金箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥質量)となるように、ロールコート法によりアルミニウム合金箔の両面に塗布し、焼付けすることにより行った。
基材層として、バリア層側の表面にコート層(ポリエステルポリウレタンを、300nm以下の厚みで塗布したもの)を有する延伸ナイロン(ONy)フィルムを用いた以外は実施例1と同様にして、外側から順に、基材層(厚さ25μm)/接着剤層(3μm)/バリア層(40μm)/接着層(23μm)/熱融着性樹脂層(23μm)が積層された積層体(総厚み114μm)を得た。
基材層として、延伸ナイロン(ONy)フィルム(厚さ20μm)を準備した。実施例7で使用した延伸ナイロンフィルムは、実施例4で使用したものと同じである。バリア層として、アルミニウム合金箔(JIS H4160:1994 A8021H-O(厚さ35μm))を用意した。次に、接着剤(カーボンブラックを含有する2液型ウレタン接着剤)を用いて、バリア層と基材層をドライラミネート法で積層した後、エージング処理を実施することにより、基材層(厚さ20μm)/接着剤層(硬化後の厚さ3μm)/バリア層(厚さ35μm)の積層体を作製した。アルミニウム合金箔の両面には、化成処理が施してある。アルミニウム合金箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥質量)となるように、ロールコート法によりアルミニウム合金箔の両面に塗布し、焼付けすることにより行った。
基材層として、延伸ナイロン(ONy)フィルム(厚さ20μm)を準備した。実施例8で使用した延伸ナイロンフィルムは、実施例4で使用したものと同じである。バリア層として、アルミニウム合金箔(JIS H4160:1994 A8021H-O(厚さ40μm))を用意した。次に、アルミニウム合金箔の一方面に、接着剤(2液型ウレタン接着剤)を塗布し、乾燥させた。次いで、バリア層上の接着剤と基材層をドライラミネート法で積層した後、エージング処理を実施することにより、基材層(厚さ20μm)/接着剤層(硬化後の厚さ3μm)/バリア層(厚さ40μm)の積層体を作製した。アルミニウム合金箔の両面には、化成処理が施してある。アルミニウム合金箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥質量)となるように、ロールコート法によりアルミニウム合金箔の両面に塗布し、焼付けすることにより行った。
基材層として、延伸ナイロン(ONy)フィルム(厚さ20μm)を準備した。実施例9で使用した延伸ナイロンフィルムは、実施例4で使用したものと同じである。バリア層として、アルミニウム合金箔(JIS H4160:1994 A8021H-O(厚さ40μm))を用意した。次に、接着剤(カーボンブラックを含有する2液型ウレタン接着剤)を用いて、バリア層と基材層をドライラミネート法で積層した後、エージング処理を実施することにより、基材層(厚さ20μm)/接着剤層(硬化後の厚さ3μm)/バリア層(厚さ40μm)の積層体を作製した。アルミニウム合金箔の両面には、化成処理が施してある。アルミニウム合金箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥質量)となるように、ロールコート法によりアルミニウム合金箔の両面に塗布し、焼付けすることにより行った。
基材層として、延伸ナイロン(ONy)フィルム(厚さ20μm)を準備した。実施例10で使用した延伸ナイロンフィルムは、実施例4で使用したものと同じである。バリア層として、アルミニウム合金箔(JIS H4160:1994 A8021H-O(厚さ40μm))を用意した。次に、アルミニウム合金箔の一方面に、接着剤(2液型ウレタン接着剤)を塗布し、乾燥させた。次いで、バリア層上の接着剤と基材層をドライラミネート法で積層した後、エージング処理を実施することにより、基材層(厚さ20μm)/接着剤層(硬化後の厚さ3μm)/バリア層(厚さ40μm)の積層体を作製した。アルミニウム合金箔の両面には、化成処理が施してある。アルミニウム合金箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥質量)となるように、ロールコート法によりアルミニウム合金箔の両面に塗布し、焼付けすることにより行った。
基材層として、延伸ナイロン(ONy)フィルム(厚さ20μm)を準備した。実施例11で使用した延伸ナイロンフィルムは、実施例4で使用したものと同じである。バリア層として、アルミニウム合金箔(JIS H4160:1994 A8021H-O(厚さ40μm))を用意した。次に、接着剤(カーボンブラックを含有する2液型ウレタン接着剤)を用いて、バリア層と基材層をドライラミネート法で積層した後、エージング処理を実施することにより、基材層(厚さ20μm)/接着剤層(硬化後の厚さ3μm)/バリア層(厚さ40μm)の積層体を作製した。アルミニウム合金箔の両面には、化成処理が施してある。アルミニウム合金箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥質量)となるように、ロールコート法によりアルミニウム合金箔の両面に塗布し、焼付けすることにより行った。
蓄電デバイス用外装材を100mm×100mmの正方形に裁断してサンプルを作製した。得られたサンプルの外側に位置している延伸ナイロンフィルムの表面をサーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製:Nicolet iS10 FT-IRのATR測定モードを用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で赤外吸収スペクトル測定を実施した。得られた吸収スペクトルから、ナイロンのα晶の吸収に由来する1200cm-1付近のピーク強度Pと、結晶とは無関係の吸収に由来する1370cm-1付近のピーク強度Qを測定し、ピーク強度Qに対するピーク強度Pの強度比X=P/Qを結晶化指数として算出した。実施例7,9,11については、表面被覆層を塗布する前に測定を行った。結果を表1に示す。
(測定条件)
手法:マクロATR法
波数分解能:8cm-1
積算回数:32回
検出器:DTGS検出器
ATRプリズム:Ge
入射角:45°
ベースライン:波数1100cm-1から1400cm-1間で直線近似として求めた。
吸収ピーク強度Y1200:波数1195cm-1から1205cm-1の範囲におけるピーク強度の最大値からベースラインの値を引いた値
吸収ピーク強度Y1370:波数1365cm-1から1375cm-1の範囲におけるピーク強度の最大値からベースラインの値を引いた値
蓄電デバイス用外装材の基材層に用いた延伸ナイロンフィルムを100mm×100mmの正方形に裁断してサンプルを作製した。得られたサンプルの表面をサーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製:Nicolet iS10 FT-IRのATR測定モードを用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で赤外吸収スペクトル測定を実施した。得られた吸収スペクトルから、ナイロンのα晶の吸収に由来する1200cm-1付近のピーク強度Pと、結晶とは無関係の吸収に由来する1370cm-1付近のピーク強度Qを測定し、ピーク強度Qに対するピーク強度Pの強度比X=P/Qを結晶化指数として算出した。結果を表1に示す。
(測定条件)
手法:マクロATR法
波数分解能:8cm-1
積算回数:32回
検出器:DTGS検出器
ATRプリズム:Ge
入射角:45°
ベースライン:波数1100cm-1から1400cm-1間で直線近似として求めた。
吸収ピーク強度Y1200:波数1195cm-1から1205cm-1の範囲におけるピーク強度の最大値からベースラインの値を引いた値
吸収ピーク強度Y1370:波数1365cm-1から1375cm-1の範囲におけるピーク強度の最大値からベースラインの値を引いた値
蓄電デバイスの引き剥がし試験を以下の手順により行った。図5から図8を参照しながら、説明する。まず、蓄電デバイスの引き剥がし試験に用いるサンプルの作製手順を、図5を参照しながら説明する。図5aに示すように、蓄電デバイス用外装材を縦(MD)200mm、横(TD)90mmの矩形状に裁断する。次に、縦55mm(MD)×横32mm(TD)の口径の成型金型(雌型)とこれに対応した成型金型(雄型)を用いて、蓄電デバイス用外装材の短辺から15mm離れた位置に、熱融着性樹脂層側から5.0mmの深さに冷間成形し、凹部M(図5aの破線で囲まれた領域)を形成した。次に、長さ55mm、幅32mm、厚さ5mmのアクリル板を凹部Mに挿入した(図5b、c)。次に、凹部Mが内側になるようにして、成型後の蓄電デバイス用外装材を折り目Pの位置(凹部Mの短辺に沿った位置)でTD方向に2つ折りにした(図5d)。次に、凹部Mの周縁に沿うようにして、熱融着性樹脂層同士が重なり合っている部分をMD、TDに沿って3箇所ヒートシール(190℃、3秒、面圧1MPa)して、凹部Mを密封した(図5e)。図5eにおいて、着色された領域Sがヒートシールされている部分である。次に、図5fに示すように、凹部Mに沿うようにして、縦(MD)60mm、横(TD)37mmのサイズにトリミングして、蓄電デバイスの引き剥がし試験に用いるサンプル12を作製した。図6に、サンプル12の側面図(図6a)と平面図(図6b)を示す。
A:3つ全てのサンプルに穴が開いていなかった。
B:1つ又は2つのサンプルに穴が開いていた。
C:3つ全てのサンプルに穴が開いていた。
実施例1~11の蓄電デバイス用外装材(縦15mm×横70mm)と、<蓄電デバイスの引き剥がし試験>で用いた両面テープ(縦7.5mm×横60mm)と、アルミニウム箔(厚さ35μm×縦15mm×横150mm)と、固定用両面粘着テープ(縦5mm×横60mm)と、アクリル板(厚さ3mm×縦50mm×横70mm)とを用意した。まず、蓄電デバイス用外装材の延伸ナイロンフィルム側の表面(実施例4,5については、延伸ナイロンフィルム上のコート層の表面であり、実施例7,9,11については、延伸ナイロンフィルム上の表面被覆層の表面)と、両面テープの一方面とを貼り合わせ、さらに両面テープの他方面にアルミニウム箔を貼り合わせ、アルミニウム箔の上から、2kgのローラを一往復させて積層体Pを得た。また、アクリル板と、固定用両面粘着テープの一方面とを貼り合わせて積層体Qを得た。さらに、積層体Qの固定用両面粘着テープの他方面に、積層体Pの蓄電デバイス用外装材の熱融着性樹脂層表面を貼り合わせ、手で押さえつけることにより、アクリル板、固定用両面粘着テープ、蓄電デバイス用外装材、両面テープ、アルミニウム箔が順に積層された積層体Rを得、これを試験サンプルMとした。試験サンプルMを温度60℃環境で24時間保管した。次に、蓄電デバイス用外装材の延伸ナイロンフィルム表面と、両面テープの端部を1mm程度剥離させて、剥離強度を測定するきっかけ部分を設けた。次に、試験サンプルMのアクリル板を固定し、引張り試験機(島津製作所製、AG-Xplus(商品名))を用いて、引張角度180°、剥離速度300mm/min、剥離距離50mm以上の条件でアルミニウム箔を引張り、蓄電デバイス用外装材の延伸ナイロンフィルム表面と、両面テープの界面で(前記のきっかけ部分から)剥離させて、剥離距離10mm、20mm、30mm、40mmでの剥離強度と、10~40mm間の最大剥離強度の合計5つの剥離強度の平均を算出して剥離強度(延伸ナイロンフィルムに対する両面テープの剥離強度(N/7.5mm))とした。結果を表2に示す。
項1. 外側から順に、少なくとも、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成されており、
前記基材層は、ポリアミドフィルムを含んでおり、
フーリエ変換赤外分光法のATR法により、前記基材層の外側から測定される前記ポリアミドフィルムの結晶化指数が、1.50以上である、蓄電デバイス用外装材。
項2. 前記基材層と前記バリア層との間に、接着剤層を備えている、項1に記載の蓄電デバイス用外装材。
項3. 前記バリア層と前記熱融着性樹脂層との間に、接着層を備えている、項1又は2に記載の蓄電デバイス用外装材。
項4. 外側から順に、少なくとも、基材層と、バリア層と、熱融着性樹脂層とが積層された積層体を得る工程を備えており、
前記基材層は、ポリアミドフィルムを含んでおり、
フーリエ変換赤外分光法のATR法により、前記基材層の外側から測定される前記ポリアミドフィルムの結晶化指数が、1.50以上である、蓄電デバイス用外装材の製造方法。
項5. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子が、項1~3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材により形成された包装体中に収容されている、蓄電デバイス。
項6. 少なくとも、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成された蓄電デバイス用外装材の前記基材層に用いるためのポリアミドフィルムであって、
前記ポリアミドフィルムは、フーリエ変換赤外分光法のATR法により測定される結晶化指数が、1.50以上である、ポリアミドフィルム。
2 接着剤層
3 バリア層
4 熱融着性樹脂層
5 接着層
6 表面被覆層
10 蓄電デバイス用外装材
Claims (33)
- 外側から順に、少なくとも、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成されており、
前記基材層は、ポリアミドフィルムを含んでおり、
フーリエ変換赤外分光法のATR法により、前記基材層の外側から測定される前記ポリアミドフィルムの結晶化指数が、1.50以上であり、
前記積層体の厚みが、120μm以下である、蓄電デバイス用外装材。 - 外側から順に、少なくとも、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成されており、
前記基材層は、ポリアミドフィルムを含んでおり、
フーリエ変換赤外分光法のATR法により、前記基材層の外側から測定される前記ポリアミドフィルムの結晶化指数が、1.50以上であり、
前記基材層の表面及び内部の少なくとも一方には、2種類以上の滑剤が存在する、蓄電デバイス用外装材。 - 外側から順に、少なくとも、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成されており、
前記基材層は、ポリアミドフィルムを含んでおり、
フーリエ変換赤外分光法のATR法により、前記基材層の外側から測定される前記ポリアミドフィルムの結晶化指数が、1.50以上であり、
前記基材層の表面及び内部の少なくとも一方には、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、置換アミド、メチロールアミド、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミド、脂肪酸エステルアミド及び芳香族ビスアミドからなる群より選択される少なくとも2種が存在している、蓄電デバイス用外装材。 - 外側から順に、少なくとも、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成されており、
前記基材層は、ポリアミドフィルムを含んでおり、
フーリエ変換赤外分光法のATR法により、前記基材層の外側から測定される前記ポリアミドフィルムの結晶化指数が、1.50以上であり、
前記熱融着性樹脂層は、ポリオレフィン骨格を含む樹脂により構成されている、蓄電デバイス用外装材。 - 外側から順に、少なくとも、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成されており、
前記基材層は、ポリアミドフィルムを含んでおり、
フーリエ変換赤外分光法のATR法により、前記基材層の外側から測定される前記ポリアミドフィルムの結晶化指数が、1.50以上であり、
前記熱融着性樹脂層の表面及び内部の少なくとも一方には、2種類以上の滑剤が存在する、蓄電デバイス用外装材。 - 外側から順に、少なくとも、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成されており、
前記基材層は、ポリアミドフィルムを含んでおり、
フーリエ変換赤外分光法のATR法により、前記基材層の外側から測定される前記ポリアミドフィルムの結晶化指数が、1.50以上であり、
前記基材層の片面又は両面にコート層をさらに備える、蓄電デバイス用外装材。 - 外側から順に、少なくとも、基材層、接着剤層、バリア層、及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成されており、
前記基材層は、ポリアミドフィルムを含んでおり、
フーリエ変換赤外分光法のATR法により、前記基材層の外側から測定される前記ポリアミドフィルムの結晶化指数が、1.50以上であり、
前記接着剤層は、着色剤を含む、蓄電デバイス用外装材。 - 外側から順に、少なくとも、基材層、着色層、バリア層、及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成されており、
前記基材層は、ポリアミドフィルムを含んでおり、
フーリエ変換赤外分光法のATR法により、前記基材層の外側から測定される前記ポリアミドフィルムの結晶化指数が、1.50以上である、蓄電デバイス用外装材。 - 外側から順に、少なくとも、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成されており、
前記基材層は、ポリアミドフィルムを含んでおり、
フーリエ変換赤外分光法のATR法により、前記基材層の外側から測定される前記ポリアミドフィルムの結晶化指数が、1.50以上であり、
前記ポリアミドフィルムの厚みが、20μmである、蓄電デバイス用外装材。 - 前記バリア層の厚みが、40μmである、請求項9に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 外側から順に、少なくとも、表面被覆層、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成されており、
前記基材層は、ポリアミドフィルムを含んでおり、
フーリエ変換赤外分光法のATR法により、前記基材層の外側から測定される前記ポリアミドフィルムの結晶化指数が、1.50以上である、蓄電デバイス用外装材。 - 前記表面被覆層の表面及び内部の少なくとも一方には、酸化チタンが含まれる、請求項11に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記表面被覆層の表面及び内部の少なくとも一方には、シリカが含まれる、請求項11に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記表面被覆層の表面及び内部の少なくとも一方には、カオリンが含まれる、請求項11に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記表面被覆層の表面及び内部の少なくとも一方には、タルク、シリカ、グラファイト、カオリン、モンモリロナイト、マイカ、ハイドロタルサイト、シリカゲル、ゼオライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化セリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸リチウム、安息香酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、アルミナ、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、高融点ナイロン、アクリレート樹脂、架橋アクリル、架橋スチレン、架橋ポリエチレン、ベンゾグアナミン、金、アルミニウム、銅、及びニッケルからなる群より選択される少なくとも2種が含まれる、請求項11に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 外側から順に、少なくとも、表面被覆層、コート層、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層を備える積層体から構成されており、
前記基材層は、ポリアミドフィルムを含んでおり、
フーリエ変換赤外分光法のATR法により、前記基材層の外側から測定される前記ポリアミドフィルムの結晶化指数が、1.50以上である、蓄電デバイス用外装材。 - 前記基材層と前記バリア層との間に、接着剤層を備えている、請求項1~16のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記バリア層と前記熱融着性樹脂層との間に、接着層を備えている、請求項1~17のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記熱融着性樹脂層は、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン及び酸変性環状ポリオレフィンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記熱融着性樹脂層は、2種以上の樹脂を組み合わせたブレンドポリマーにより形成されている、請求項1~19のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記熱融着性樹脂層は、同一又は異なる樹脂によって2層以上で形成されている、請求項1~20のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記基材層の前記バリア層側とは反対側に表面被覆層を備えており、
前記表面被覆層の表面及び内部の少なくとも一方には、滑剤が存在している、請求項1~21のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。 - 前記表面被覆層の表面及び内部の少なくとも一方には、2種類以上の滑剤が存在する、請求項22に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記ポリアミドフィルムの厚みが、20μmである、請求項1~8,11~23のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記バリア層の厚みが、40μmである、請求項24に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記基材層の前記バリア層側とは反対側に表面被覆層を備えており、
前記表面被覆層の表面及び内部の少なくとも一方には、酸化チタンが含まれる、請求項1~10のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。 - 前記基材層の前記バリア層側とは反対側に表面被覆層を備えており、
前記表面被覆層の表面及び内部の少なくとも一方には、シリカが含まれる、請求項1~10のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。 - 前記基材層の前記バリア層側とは反対側に表面被覆層を備えており、
前記表面被覆層の表面及び内部の少なくとも一方には、カオリンが含まれる、請求項1~10のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。 - 前記基材層の前記バリア層側とは反対側に表面被覆層を備えており、
前記表面被覆層の表面及び内部の少なくとも一方には、タルク、シリカ、グラファイト、カオリン、モンモリロナイト、マイカ、ハイドロタルサイト、シリカゲル、ゼオライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化セリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸リチウム、安息香酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、アルミナ、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、高融点ナイロン、アクリレート樹脂、架橋アクリル、架橋スチレン、架橋ポリエチレン、ベンゾグアナミン、金、アルミニウム、銅、及びニッケルからなる群より選択される少なくとも2種が含まれる、請求項1~10のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。 - 前記基材層の前記バリア層側とは反対側に表面被覆層及びコート層を備える、請求項1~10のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 外側から順に、少なくとも、基材層と、バリア層と、接着層と、熱融着性樹脂層とが積層された積層体を得る工程を備えており、
前記基材層は、ポリアミドフィルムを含んでおり、
フーリエ変換赤外分光法のATR法により、前記基材層の外側から測定される前記ポリアミドフィルムの結晶化指数が、1.50以上であり、
前記接着層と前記熱融着性樹脂層とは、共押出しラミネート法、タンデムラミネート法、サーマルラミネート法、サンドイッチラミネート法、又は、前記バリア層上に前記接着層を形成させるための接着剤を積層させ、この接着層上に予めシート状に製膜した前記熱融着性樹脂層を積層する方法により形成する、蓄電デバイス用外装材の製造方法。 - 前記バリア層と前記熱融着性樹脂層との間に接着層をさらに備えており、
前記熱融着性樹脂層は、同一又は異なる樹脂によって2層以上で形成されている、請求項31に記載の蓄電デバイス用外装材の製造方法。 - 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子が、請求項1~30のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材により形成された包装体中に収容されている、蓄電デバイス。
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