JP7567449B2 - 評価方法 - Google Patents
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Description
本発明の評価方法は、生体を模した立体造形物(以降の記載において「モデル」とも称する)の当該生体に対する精度を評価する評価方法である。本評価方法は、生体形状を示す生体形状情報と、モデル形状を示すモデル形状情報と、に基づき、モデルの当該生体に対する精度を評価する評価工程を含む。また、本発明の評価方法は、必要に応じて、上記評価工程より前に実行される工程として、生体形状情報を取得する生体形状情報取得工程と、モデル形状情報を取得するモデル形状情報取得工程と、を含んでいてもよい。
本発明の評価方法は、評価工程より前に実行される工程として、生体形状情報を取得する生体形状情報取得工程を有することが好ましい。生体形状情報は、医用3Dデータに含まれる情報として取得されることが好ましい。本開示において「医用3Dデータ」とは、生体を医用画像撮像装置で撮像することにより取得される医用画像データに基づき作成されるデータを表す。
医用画像撮像工程は、生体を医用画像撮像装置により撮像することで医用画像データを取得する工程である。医用画像撮像工程により、医用画像撮像装置は、生体形状情報を取得する。医用画像撮像装置は、モダリティとも称され、被検体である生体をスキャンして医用画像データを取得する装置である。医用画像撮像装置としては、例えば、CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、超音波診断装置などが挙げられる。
生体物性測定工程は、生体をMRE測定などにより、生体の粘弾性やその分布等の生体物性を取得する工程である。MRE測定とは、磁気共鳴エラストグラフィー(MRE:Magnetic Resonance Elastography)の手法により測定することを表す。本手法は、加振装置を用いて被検体内部にせん断波を生成しながらMRI装置で撮像することで、被検体内部の粘弾性分布を測定する非侵襲的な手法である。即ち、生体をMRE測定することで取得される生体物性とは粘弾性であることが好ましい。なお、生体の粘弾性を取得する方法としては、MRE測定を行う方法以外に、超音波エラストグラフィーによる測定を行う方法が挙げられる。
医用3Dデータ作成工程は、医用画像撮像工程で取得した医用画像データ及び生体物性測定工程で取得した生体物性情報に基づき医用3Dデータを作成する工程である。本開示において「生体物性情報」とは、生体をMRE測定などにより取得される生体物性を示す情報である。
まず、医用画像撮像工程で取得した医用画像データから、医用画像撮像装置又は当該医用画像撮像装置と関連する画像処理装置(「医用画像撮像装置等」とも称する)により、3D画像処理に対応する医用3Dデータが作成される。医用3Dデータは、図2に示すような立方体等の最小単位を少なくとも1つ含むボクセルの集合体であり、ボクセルごとに様々な情報を関連付けることができる。
本発明の評価方法は、評価工程より前に実行される工程として、モデル形状情報を取得するモデル形状情報取得工程を有することが好ましい。モデル形状情報は、モデル3Dデータに含まれる情報として取得されることが好ましい。本開示において「モデル3Dデータ」とは、モデルを医用画像撮像装置で撮像することにより取得されるモデル画像データに基づき作成されるデータを表す。
モデル画像撮像工程は、モデルを医用画像撮像装置により撮像することでモデル画像データを取得する工程である。モデル画像撮像工程により、医用画像撮像装置は、モデル形状情報を取得する。医用画像撮像装置は、上記の医用画像撮像工程で使用できる装置と同様の装置であり、例えば、CT装置、MRI装置、超音波診断装置などが挙げられる。
モデル物性測定工程は、モデルをMRE測定などにより、モデルの粘弾性やその分布等のモデル物性を取得する工程である。MRE測定は、上記の生体物性測定工程におけるMRE測定と同様の方法による測定である。即ち、モデルをMRE測定することで取得されるモデル物性とは粘弾性であることが好ましい。なお、モデルの粘弾性を取得する方法としては、MRE測定を行う方法以外に、超音波エラストグラフィーによる測定を行う方法が挙げられる。この点、超音波エラストグラフィーによる測定は得られる情報が1次元であるのに対し、MRE測定は得られる情報が2次元であって3Dデータの生成が容易であるため、MRE測定を行うことが好ましい。また、MRE測定は、MRI装置のオプション機能としてシステムに含まれることが多く、モデル画像撮像工程及びモデル物性測定工程を同一のMRI装置により実行できる点でも好ましい。これに付随して、MRI装置によるモデル画像撮像工程とMRI装置によるモデル物性測定工程は、ほぼ同時に行うことができる。ほぼ同時に行えることで、モデル画像データの取得時とモデル物性の取得時がほぼ同時となり正確なモデルの情報を得ることができる点などで好ましい。なお、ほぼ同時とは、モデル画像撮像工程の時間及びモデル物性測定工程の時間の少なくとも一部が重複している場合、一度のMRI装置の使用でモデル画像撮像工程及びモデル物性測定工程の両方を実行できる場合などを表す。
なお、モデル物性測定工程は、上記の通り、モデルをMRE測定することでモデル物性を取得する工程である。これは、モデルを構成する材料の主成分の一つとして、水素原子核を信号源とするMRE測定に適している水が含まれていることを表す。即ち、モデルは、後述するようなハイドロゲルが含有されていることが好ましい。
モデル3Dデータ作成工程は、モデル画像撮像工程で取得したモデル画像データ及びモデル物性測定工程で取得したモデル物性に基づきモデル3Dデータを作成する工程である。本開示において「モデル物性情報」とは、モデルをMRE測定することにより取得されるモデル物性を示す情報である。
まず、モデル画像撮像工程で取得したモデル画像データから、医用画像撮像装置又は当該医用画像撮像装置と関連する画像処理装置(「医用画像撮像装置等」とも称する)により、3D画像処理に対応するモデル3Dデータが作成される。モデル3Dデータは、上記の医用3Dデータと同様に、立方体等の最小単位を少なくとも1つ含むボクセルの集合体であり、ボクセルごとに様々な情報を関連付けることができる。
本発明の評価方法は、生体形状を示す生体形状情報と、モデル形状を示すモデル形状情報と、に基づきモデルの当該生体に対する精度を評価する評価工程を有する。モデルの当該生体に対する精度は、モデルがどれだけ正しく生体を再現できたかを表す。評価工程は、特にモデルの形状がどれだけ正しく生体の形状を再現できているかを評価する工程であり、例えば、コンピュータを用いて、生体形状情報とモデル形状情報との具体的な差異を算出して表示したり、閾値と算出した差異を比較して精度の大小を判定したりすることにより、精度を評価することができる。また、生体形状情報とモデル形状情報と差異の有無を判定してもよい。また、評価工程では、生体形状情報及びモデル形状情報の全体に対して精度を評価してもよいし、生体形状情報及びモデル形状情報の一部や、ボクセルごとに精度を評価してもよい。また、生体形状情報及びモデル形状情報に基づいて、所定の切断面の画像を作成し、当該画像を重畳表示させたり、並べて表示したりしてもよいし、当該画像を印刷し、判定者が重畳したり並べたりして観察してもよい。
評価工程は、医用3Dデータに含まれる生体形状情報と、モデル3Dデータに含まれるモデル形状情報とに基づきモデルの当該生体に対する精度を評価する工程であることが好ましい。上記の通り、生体形状情報は医用3Dデータに含まれる情報として取得されることが好ましく、モデル形状情報はモデル3Dデータに含まれる情報として取得されることが好ましいためである。なお、本工程は、人が実行してもよいし、パソコン等の情報処理装置が実行してもよい。
モデルの当該生体に対する精度を評価する方法としては、例えば、Materialise社のMaterialise Mimicsを用いることができる。この場合、医用3Dデータに含まれる生体形状情報と、モデル3Dデータに含まれるモデル形状情報とを重ね合わせ、形状情報の差分から精度を評価する。他にも、生体及びモデルの対応する部位においてほぼ同一の生体形状及びモデル形状を有しているかを判断することで精度を評価する方法などが挙げられる。
生体及びモデルの対応する部位においてほぼ同一の生体形状及びモデル形状を有しているかを判断する基準の一例としては、当該対応する部位においてモデル形状の生体物性に対する差異が5%以内であることが挙げられる。なお、差異に関しては、5%以内に限られず、求められる精度の程度により適宜選択でき、例えば、50%以内、40%以内、30%以内、20%以内、10%以内などであってもよいが、高精度であることを評価できる観点から差異が小さいことが好ましい。
外部形状の一部としては、臓器の表面であって他の臓器と繋がる太い血管の根本や、骨の表面などが挙げられる。内部形状の一部としては、血管の分岐部から数センチメートルのところが挙げられる。
本発明の評価方法で評価されるモデルの造形方法について説明する。
造形方法としては特に限定されず、例えば、3Dプリンタを用いて造形する方法、鋳型に材料を注入して造形する方法などが挙げられるが、3Dプリンタを用いて造形する方法が好ましい。また、生体の医用3Dデータに基づき、3Dプリンタを用いて立体造形物を造形する造形工程を有することがより好ましい。また、このような造形工程を有する造形方法を実行する場合、必要に応じて、上記造形工程より前に実行される工程として、生体の医用3Dデータを取得する医用3Dデータ取得工程と、医用3Dデータに基づいて造形用3Dデータを生成する生成工程と、を有してもよい。以下、モデルの造形方法の一例として、医用3Dデータ取得工程と、生成工程と、造形工程と、を有する場合について説明する。
造形方法は、生体の医用3Dデータを取得する医用3Dデータ取得工程を有することが好ましい。モデルの造形方法における本医用3Dデータ取得工程は、生体を医用画像撮像装置により撮像することで医用画像データを取得する医用画像撮像工程と、生体をMRE測定することにより生体物性を取得する生体物性測定工程と、医用画像データ及び生体物性に基づき医用3Dデータを作成する医用3Dデータ作成工程と、を有する。各工程に関する説明は、上記の生体物性情報取得工程の一態様として説明した医用3Dデータ取得工程における各工程の説明と同様の説明を適用できる。
造形方法は、医用3Dデータに基づいて造形用3Dデータを生成する生成工程を有することが好ましい。本開示において「造形用3Dデータ」とは、医用3Dデータに基づいて生成されるデータであって、3Dプリンタに入力されるデータを表す。造形用3Dデータは、1つのデータから構成されてもよいし、複数のデータから構成されてもよい。以下、造形用3Dデータを生成する方法の具体例2つを説明するが、本方法としてはこれらに限定されない。
医用3Dデータに基づいてSTL(Standard Triangulated Language)形式のデータを含む造形用3Dデータを生成する場合について説明する。
この場合、図5に示すように、医用3Dデータをボクセル領域分割して取得された領域別医用3Dデータに対し、サーフェースモデル変換を行うことで領域別医用3Dデータに対応するSTL形式のデータを作成する。なお、STL形式のデータはサーフェースデータであるため、サーフェースモデル変換を行うことで領域別医用3Dデータのボクセルごとに付与された生体物性情報は失われる。そのため、サーフェースモデル変換とは別に、領域別医用3Dデータから、ボクセルの位置を示す位置情報と、位置情報ごとに付与された生体物性情報と、を含む3D造形用生体物性情報を作成する。なお、位置情報ごとに付与された生体物性情報とは、位置情報の示す位置にあったボクセルに関連付けられていた生体物性情報である。即ち、本発明でいう造形用3Dデータは、STL形式のデータと3D造形用生体物性情報とを含む。
医用3Dデータに基づいてFAV(FAbricatable Voxel)形式のデータを含む造形用3Dデータを生成する場合について説明する。
この場合、図6に示すように、医用3Dデータをボクセル領域分割して取得された領域別医用3Dデータに対し、FAVフォーマット変換を行うことで領域別医用3Dデータに対応するFAV形式のデータを作成する。なお、FAV形式のデータは、STL形式のデータのようにサーフェースデータではなく、ボクセルデータとして定義されている。これにより、画像濃度情報や生体物性情報等が付与されたボクセルデータである医用3Dデータを、画像濃度情報や生体物性情報等が付与されたままFAV形式のデータに変換することができる。即ち、STL形式のデータに変換したときのように、別途、生体物性情報等の必要情報に関するデータ処理を行う工程を省ける点で好ましい。
造形方法は、生体の医用3Dデータに基づき、3Dプリンタを用いて立体造形物を造形する造形工程を有することが好ましい。また、上記の通り、本開示において「生体の医用3Dデータに基づき、3Dプリンタを用いて立体造形物を造形する」とは、医用3Dデータを3Dプリンタに入力して立体造形物を造形するような直接的に医用3Dデータを用いる場合に限定されず、医用3Dデータに基づいて生成された造形用3Dデータなどを3Dプリンタに入力して立体造形物を造形するような間接的に医用3Dデータを用いる場合も表す。
以下、医用3Dデータに基づいて生成された造形用3Dデータを3Dプリンタに入力して立体造形物を造形する場合を一例に造形工程について説明する。
3Dプリンタは、入力されたSTL形式のデータを印刷用2D画像データセットに変換する。印刷用2D画像データセットとは、複数の印刷用2D画像データを含むデータセットであり、印刷用2D画像データとは、Z軸方向における3Dプリンタの解像度に合わせてSTL形式のデータをスライスすることで得られる二次元のスライスデータである。
3Dプリンタは、入力されたFAV形式のデータを、上記同様のスライスデータである印刷用2D画像データセットに変換する。但し、印刷用2D画像データセットに含まれる各印刷用2D画像データは、FAV形式のデータに含まれる生体物性情報に基づき、各領域における強度物性を示す強度物性情報が付与されている。この印刷用2D画像データ及び印刷用2D画像データの各領域における強度物性情報に基づき、3Dプリンタで複数種類の造形用組成物をそれぞれ所定の領域に所定の吐出量で吐出し硬化する工程を繰り返すことにより、生体物性の分布に対応する強度物性の分布を有する立体造形物を造形することができる。
まず、高い強度物性を有する立体造形物を造形可能な高強度造形用組成物と、低い強度物性を有する立体造形物を造形可能な低強度造形用組成物と、を準備する。これら造形用組成物は、少なくともそれぞれ1種類用いるが、それぞれ複数種類を用いてもよい。このとき、高強度造形用組成物により造形される立体造形物の強度物性は生体中における生体物性の最大値以上であることが好ましく、低強度造形用組成物により造形される立体造形物の強度物性は生体中における生体物性の最小値以下であることが好ましい。
また、3Dプリンタで表現できる階調における強度物性を、事前にMRE測定などで把握しておくことで、より正確に、生体物性の分布に対応する強度物性の分布を有する立体造形物を造形することができる。
造形工程において用いられる造形用組成物について説明する。造形用組成物は、3Dプリンタで造形物を造形するための前駆体としての組成物である。造形用組成物は、生体物性の分布に対応する強度物性の分布を有する立体造形物を造形することができる組成物であると好ましく、例えば、エラストマー及びゲル等からなる造形物を造形するための前駆体としての組成物が挙げられる。これらの中でも、構成する材料の主成分の一つとして、生体と同様に水を含むハイドロゲルからなる造形物を造形するための前駆体としての組成物(「ハイドロゲル立体造形用組成物」と称する)が好ましい。ハイドロゲル立体造形用組成物以下、造形用組成物の一例としてハイドロゲル立体造形用組成物について説明する。
本開示において「ハイドロゲル立体造形用組成物」とは、光などの活性エネルギー線又は熱を照射されることで硬化してハイドロゲルを形成する液体組成物であって、特にハイドロゲルを含有する立体造形物を造形するために用いられる液体組成物を意味する。また、本開示において「ハイドロゲル」とは、ポリマーを含む三次元網目構造の中に水が包含されている構造体を表し、かかる三次元網目構造が、ポリマーと鉱物とが複合化して形成される三次元網目構造である場合、特に「有機無機複合ハイドロゲル」という。なお、ハイドロゲルは水を主成分として含み、具体的には、水の含有量がハイドロゲルの全量に対して30.0質量%以上であることが好ましく、40.0質量%以上であることがより好ましく、50.0質量%以上であることが更に好ましい。
ハイドロゲル立体造形物造形用組成物は水を含む。水としては、一般的に溶媒として用い得るものであれば特に限定されず、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水などを用いることができる。
水の含有量は、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ハイドロゲル立体造形物造形用組成物を医療用モデルの造形に用いる場合、ハイドロゲル立体造形物造形用組成物の全量に対して30.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましく、40.0質量%以上90.0質量%以下であることがより好ましい。
なお、水には、保湿性付与、抗菌性付与、導電性付与、硬度調整などの目的に応じて有機溶媒等のその他の成分を溶解又は分散させてもよい。
ハイドロゲル立体造形用組成物は重合性の官能基を有する化合物である重合性化合物を含む。重合性化合物としては、モノマー、オリゴマー等が挙げられる。重合性化合物は、活性エネルギー線又は熱を照射されることで重合してポリマーの少なくとも一部を形成する。即ち、ポリマーは、重合性化合物に由来する構造単位を有する。また、ポリマーは、鉱物と架橋して複合化し、ハイドロゲル中で三次元網目構造を形成する。ここで、重合性化合物は、水溶性であることが好ましい。水溶性とは、例えば、30℃の水100g及びモノマー1gを混合して撹拌したとき、モノマーの90質量%以上が溶解することを表す。
重合性化合物として用い得るモノマーは、好ましくは不飽和炭素-炭素結合などの重合性官能基を1つ以上有する化合物であり、例えば、単官能モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。更に、多官能モノマーとしては、二官能モノマー、三官能以上のモノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
単官能モノマーとしては、例えば、アクリルアミド、N-置換アクリルアミド誘導体、N,N-ジ置換アクリルアミド誘導体、N-置換メタクリルアミド誘導体、N,N-ジ置換メタクリルアミド誘導体、アクリル酸、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、アクリル酸カリウム、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸カリウム、アクリル酸マグネシウム、アクリル酸カルシウム、メタクリル酸亜鉛、メタクリル酸マグネシウム、アクリル酸アルミニウム、メタクリル酸ネオジウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが好ましい。
二官能モノマーとしては、例えば、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
三官能以上のモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ε-カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレートエステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
オリゴマーは、上記単官能モノマーの低重合体や末端に反応性不飽和結合基を有する低重合体である。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ハイドロゲル立体造形物造形用組成物は鉱物を含む。鉱物は、上記重合性化合物から形成されるポリマーと結合することが可能な鉱物であれば特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、層状粘土鉱物、特に水膨潤性層状粘土鉱物などが挙げられる。
水膨潤性層状粘土鉱物について図8を用いて説明する。図8は、鉱物としての水膨潤性層状粘土鉱物、及び水膨潤性層状粘土鉱物を水中で分散させた状態の一例を示す模式図である。図8の上図に示すように、水膨潤性層状粘土鉱物は、単一層の状態で存在しており、単位格子を結晶内に持つ二次元円盤状の結晶が積み重なった状態を呈している。そして、図8の上図の水膨潤性層状粘土鉱物を水中で分散させると、図8の下図に示すように、各単一層が分離して、複数の二次元円盤状の結晶となる。
なお、水膨潤性とは、図8に示すように層状粘土鉱物の各単一層の間に水分子が挿入され、水中に分散される性質を意味する。また、水膨潤性層状粘土鉱物の単一層の形状は円盤状に限定されず、他の形状であってもよい。
水膨潤性ヘクトライトは、適宜合成したものであってもよいし、市販品であってもよい。市販品としては、例えば、合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)、SWN(Coop Chemical Ltd.製)、フッ素化ヘクトライトSWF(Coop Chemical Ltd.製)などが挙げられる。これらの中でも、ハイドロゲルの弾性率を向上させる点から、合成ヘクトライトが好ましい。
ハイドロゲル立体造形用組成物は必要に応じて有機溶剤を含んでもよい。有機溶媒は、例えば、ハイドロゲルの保湿性を高めること等を目的として含有される。
有機溶媒としては、例えば、炭素数1~4のアルキルアルコール類、アミド類、ケトン類、ケトンアルコール類、エーテル類、多価アルコール類、ポリアルキレングリコール類、多価アルコールの低級アルコールエーテル類、アルカノールアミン類、N-メチル-2-ピロリドンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、保湿性の点から、多価アルコールが好ましく、具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類が良好に使用される。
有機溶媒の含有量としては、ハイドロゲル立体造形用組成物の全量に対して、1.0質量%以上10.0質量%以下が好ましい。
ハイドロゲル立体造形用組成物は必要に応じて金属イオンを含んでもよい。金属イオンとは、イオン化した金属元素のことであり、通常、金属塩の状態で添加される。金属塩とは、酸の水素原子を金属イオンと置換した化合物の総称である。
金属塩としては、例えば、一価の金属塩、二価の金属塩、三価の金属塩などが挙げられる。これらの中でも、より強固な架橋構造が形成でき、破断応力及び伸び率が高いモデルを造形できる点から、二価以上の多価金属塩が好ましい。
二価の金属塩としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、ニッケル塩、二価鉄塩、銅塩、マンガン塩、コバルト塩、亜鉛塩、カドミウム塩、ベリリウム塩などが挙げられる。
三価の金属塩としては、例えば、アルミニウム塩、三価鉄塩、ガリウム塩、ネオジウム塩、ガドリニウム塩、セリウム塩などが挙げられる。
ハイドロゲル立体造形用組成物は必要に応じてその他成分を含んでもよい。
その他成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、安定化剤、表面処理剤、重合開始剤、着色剤、粘度調整剤、接着性付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、フィラー、金属微粒子、分散剤などが挙げられる。
安定化剤は、鉱物を安定して分散させ、ハイドロゲル立体造形用組成物のゾル状態を保つために含有される。又はハイドロゲル立体造形用組成物を液滴として吐出する方式に用いる場合、液体としての特性安定化を目的として安定化剤が含有される。
安定化剤としては、例えば、高濃度リン酸塩、グリコール、非イオン界面活性剤などが挙げられる。
表面処理剤としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、クマロン樹脂、脂肪酸エステル、グリセライド、ワックスなどが挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。これらの中でも、保存安定性の点から、活性エネルギー線を照射することによりラジカル又はカチオンを生成する光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、光(特に波長220nm以上400nm以下の紫外線)の照射によりラジカルを生成する任意の物質を用いることができる。
熱重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤、レドックス(酸化還元)開始剤などが挙げられる。
ハイドロゲル立体造形用組成物の25℃における粘度は、3.0mPa・s以上20.0mPa・s以下が好ましく、6.0mPa・s以上12.0mPa・s以下がより好ましい。粘度が3.0mPa・s以上20.0mPa・s以下であることで、3Dプリンタ(特にマテリアルジェッティング方式)における液滴吐出などに好適に適用することができる。なお、粘度の測定は、例えば、回転粘度計(VISCOMATE VM-150III、東機産業株式会社製)などを用いて測定することができる。
3Dプリンタ(以下、「造形装置」とも称する)で立体造形物を造形する方法の一例として、マテリアルジェッティング方式の3Dプリンタで上記のハイドロゲル立体造形用組成物を用いてハイドロゲル立体造形物を造形する方法について説明する。
マテリアルジェッティング方式によるハイドロゲル立体造形物の造形装置は、ハイドロゲル立体造形用組成物を収容している収容手段と、収容されていたハイドロゲル立体造形用組成物の液滴を付与して液膜を形成する液膜形成手段と、ハイドロゲル立体造形用組成物の液膜を硬化させる硬化手段と、を有し、液膜形成手段による液膜形成及び硬化手段による硬化を順次繰り返すことを特徴とする。
液膜形成工程においてハイドロゲル立体造形用組成物を付与する方法としては、液滴が適切な精度で目的の位置に付与できる方式であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の液滴吐出方式を用いることができる。液滴吐出方式の具体例としては、例えば、ディスペンサー方式、スプレー方式、インクジェット方式などが挙げられるが、インクジェット方式であることが好ましい。
硬化工程においてハイドロゲル立体造形用組成物の液膜を硬化させる硬化手段は、例えば、紫外線(UV)照射ランプ、電子線などが挙げられる。紫外線(UV)照射ランプの種類としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドなどが挙げられる。
ハイドロゲル立体造形用組成物に対する硬化手段としては、UV-LED(Ultra Violet-Light Emitting Diode:紫外線発光ダイオード)が好適に使用される。LEDの発光波長としては特に制限するものではなく、一般的には365nm、375nm、385nm、395nm、405nm等があるが、造形物への色の影響を考慮すると、開始剤の吸収が大きくなるように、短波長発光の方が有利である。また、UV-LEDは、一般的に用いられる紫外線照射ランプ(高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ)、電子線などにくらべ、硬化時に生じる熱エネルギーが小さく、ハイドロゲルの熱損傷が小さくなる。特に、ハイドロゲル立体造形用組成物により造形されるハイドロゲル立体造形物は、水を含有する状態で使用されるため、この効果は顕著なものである。
支持体造形工程において使用される支持体造形用組成物は、光などの活性エネルギー線又は熱を照射されることで硬化し、ハイドロゲル立体造形物を支持する支持体を造形する液体組成物である。支持体造形用組成物の組成は、ハイドロゲル立体造形用組成物とは異なる。具体的には、硬化性材料及び重合開始剤などを含み、水及び鉱物は含まないことが好ましい。硬化性材料としては、活性エネルギー線(紫外線、電子線等)照射、加熱等により重合反応を生じて硬化する化合物であり、例えば、活性エネルギー線硬化性化合物、熱硬化性化合物などが挙げられる。これらの中でも、常温で液体の材料が好ましい。
支持体造形用組成物は、ハイドロゲル立体造形用組成物とは異なる位置に付与される。これは、支持体造形用組成物とハイドロゲル立体造形用組成物とが重ならないことを意味し、支持体造形用組成物とハイドロゲル立体造形用組成物とが隣接していてもよい。
支持体造形用組成物を付与する方法としては、ハイドロゲル立体造形用組成物を付与する方法と同様の方法が挙げられる。
その他の工程としては、例えば、液膜を平滑化させる工程、剥離工程、立体造形物の研磨工程、立体造形物の清浄工程などが挙げられるが、液膜を平滑化させる工程を含むことが好ましい。液膜形成工程にて形成された液膜は、全ての位置で狙いの膜厚(層厚)になっているとは限らないためである。例えば、インクジェット方式で液膜形成する場合、不吐出やドット間段差が生じる場合などがあり、高精度な立体造形物を形成することが困難になることがある。これら課題に対しては、液膜を形成した後に機械的に平滑化する(均す)、液膜を硬化して得られるハイドロゲル薄膜を機械的に削り取る、平滑度を検知して次の層の積層時に製膜量をドットレベルで調整する、などの方法が考えられる。
次に、ハイドロゲル立体造形物の造形方法のより具体的な説明として、強度物性が異なる部位を有するハイドロゲル立体造形物の造形方法の一例について説明する。以下の説明では、組成の異なる2種類のハイドロゲル立体造形用組成物を用いる態様を例として詳細を説明するが、かかる態様に限定されるものではない。当業者であれば、かかる説明からさらなる態様(例えば、3種類以上のハイドロゲル立体造形用組成物を用いる態様など)について容易に理解するものである。
なお、上記造形方法は、組成の異なる複数のハイドロゲル立体造形用組成物をそれぞれ収容している収容手段と、収容されていた組成の異なる複数のハイドロゲル立体造形用組成物の液滴をそれぞれ付与することで、組成の異なる複数の領域を有する液膜を形成する液膜形成手段と、液膜を硬化させる硬化手段と、を有し、液膜形成手段による液膜形成及び硬化手段による硬化を順次繰り返すことを特徴とするハイドロゲル立体造形物の造形装置を用いる。
モデルの用途としては、例えば、臓器を模した臓器モデルなどが挙げられるが、ヒトの臓器モデルであることが好ましい。ここで、臓器とは、生体を構成する機能器官である。従って、臓器は、内臓に限らず、骨、皮膚、血管など生体を構成するあらゆる器官を含む。
また、臓器モデルの用途としては2つに大別できる。1つは汎用用途における臓器モデルであり、もう1つは個別用途における臓器モデルである。汎用用途における臓器モデルとしては、例えば、医療機器開発における性能確認、校正、トレーニング、教育現場における構造確認などに用いられる臓器モデルである。この場合の臓器モデルは、対象とする臓器の平均的な形状・物性を有する。また、この場合の臓器モデルは、主に健常者のデータを基に造形され、単独もしくは複数人のデータが平均化されたモデルであることが好ましい。個別用途における臓器モデルとしては、例えば、医療現場におけるインフォームドコンセント、術前シミュレーション、術式トレーニングなどに用いられる臓器モデルである。この場合の臓器モデルは、対象とする患者個人の患部を含む臓器の形状・物性を有する。また、この場合の臓器モデルは、患者個人のデータを基に造形され、患部が再現されたモデルであることが好ましい。
まず、イオン交換水に減圧脱気を30分間実施して純水を準備し、この純水580.0質量部を撹拌させながら、水膨潤性粘土鉱物である合成ヘクトライト(ラポナイトRD、BYK社製)67.0質量部を少しずつ添加し、更に撹拌して混合液を作製した。次に、混合液に合成ヘクトライトの分散剤としてエチドロン酸(東京化成工業株式会社製)5.0質量部を添加して分散液を得た。
次に、得られた分散液に、モノマーとして、活性アルミナのカラムを通過させ重合禁止剤を除去したジメチルアクリルアミド(DMAA、東京化成工業株式会社製)262.0質量部を添加した。また、架橋剤としてN,N’-メチレンビスアクリルアミド(MBAA、東京化成工業株式会社製)2.4質量部、ポリエチレングリコールジアクリレート(A-400、新中村化学工業株式会社製)8.0質量部を添加した。更に、乾燥防止剤としてグリセリン(阪本薬品工業株式会社製)300.0質量部を添加して混合した。
次に、重合促進剤としてN,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン(TEMED、東京化成工業株式会社製)6.7質量部を添加した。また、界面活性剤としてエマルゲンLS-106(花王株式会社製)を5.3質量部添加して混合した。
次に、氷浴で冷却しながら、光重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製)のメタノール4質量%溶液を12.3質量部添加し、攪拌混合の後、減圧脱気を20分間実施した。続いて、ろ過を行い、不純物等を除去し、均質な高強度造形用組成物Aを得た。
まず、高強度造形用組成物Aを用いてハイドロゲルを作製した。具体的には、31mm×31mm(厚さ10mm)の容器を準備し、高強度造形用組成物Aで内部を満たし、紫外線照射機(ウシオ電機株式会社製、SPOT CURE SP5-250DB)を用いて硬化させた。照射条件は、波長:365nm、照射強度:350mJ/cm2、照射時間:60秒であった。
次に、作製したハイドロゲルの物性をレオメーターにより測定したところ、貯蔵弾性率:8320Pa,損失弾性率:2540Paであった。
まず、イオン交換水に減圧脱気を30分間実施して純水を準備し、この純水580.0質量部を撹拌させながら、水膨潤性粘土鉱物である合成ヘクトライト(ラポナイトRD、BYK社製)67.0質量部を少しずつ添加し、更に撹拌して混合液を作製した。次に、混合液に合成ヘクトライトの分散剤としてエチドロン酸(東京化成工業株式会社製)5.0質量部を添加して分散液を得た。
次に、得られた分散液に、モノマーとして、活性アルミナのカラムを通過させ重合禁止剤を除去したジメチルアクリルアミド(DMAA、東京化成工業株式会社製)262.0質量部を添加した。また、架橋剤としてN,N’-メチレンビスアクリルアミド(MBAA、東京化成工業株式会社製)0.6質量部、ポリエチレングリコールジアクリレート(A-400、新中村化学工業株式会社製)2.0質量部を添加した。更に、乾燥防止剤としてグリセリン(阪本薬品工業株式会社製)300.0質量部を添加して混合した。
次に、重合促進剤としてN,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン(TEMED、東京化成工業株式会社製)6.7質量部を添加した。また、界面活性剤としてエマルゲンLS-106(花王株式会社製)を5.3質量部添加して混合した。
次に、氷浴で冷却しながら、光重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製)のメタノール4質量%溶液を12.3質量部添加し、攪拌混合の後、減圧脱気を20分間実施した。続いて、ろ過を行い、不純物等を除去し、均質な低強度造形用組成物Bを得た。
まず、低強度造形用組成物Bを用いてハイドロゲルを作製した。具体的には、31mm×31mm(厚さ10mm)の容器を準備し、低強度造形用組成物Bで内部を満たし、紫外線照射機(ウシオ電機株式会社製、SPOT CURE SP5-250DB)を用いて硬化させた。照射条件は、波長:365nm、照射強度:350mJ/cm2、照射時間:60秒であった。
次に、作製したハイドロゲルの物性をレオメーターにより測定したところ、貯蔵弾性率:4415Pa,損失弾性率:3104Paであった。
MRE測定が可能なMRI装置を用い、脂肪肝を患う患者の肝臓部分を含む医用3Dデータを取得した。本医用3Dデータは、患者をMRI装置で撮像することにより取得される医用画像データと、患者をMRE測定することにより取得される生体物性と、に基づいて作成されていた。具体的には、本医用3Dデータは、医用画像データに基づいて作成される複数のボクセルと、ボクセルごとに付与された医用画像データにおける画像濃度(MRI信号値)を示す画像濃度情報と、ボクセルごとに付与された生体物性(粘弾性)を示す生体物性情報と、を含んでいた。
なお、MRE測定により取得された肝臓部分における生体物性(粘弾性)は、いずれの部位においても、高強度造形用組成物Aの硬化物における粘弾性と低強度造形用組成物Bの硬化物における粘弾性の範囲内であった。
まず、医用3Dデータをボクセル領域分割し、肝臓部分を示す領域別医用3Dデータを取得した。次に、領域別医用3Dデータに対し、FAVフォーマット変換を行うことで造形用3DデータであるFAV形式のデータを作成した。
高強度造形用組成物A及び低強度造形用組成物Bを、それぞれ、図9に示すようなマテリアルジェッティング方式であって、且つ強度物性の階調を表現できる3Dプリンタに収容し、3Dプリンタのインクジェットヘッドに充填した。次に、3Dプリンタに造形用3Dデータを入力し、造形用3Dデータを基に、生体物性の分布に対応する強度物性の分布を有する立体造形物である肝臓モデル1の造形を行った。具体的には、インクジェットヘッドから各造形用組成物を噴射させ、液膜形成と硬化を順次繰り返すことで造形した。
高強度造形用組成物Aの作製において、光重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製)のメタノール4質量%溶液の代わりに開始剤(過硫酸カリウム)の水4質量%溶液を用いた以外は同様にして造形用組成物Cを得た。
まず、造形用3Dデータを基に、患者の肝臓部分をかたどった注型用鋳型を3Dプリンタ(Form2、formlab社製)で作製した。次に、この注型用鋳型に造形用組成物Cを注入し、室温で24時間保持することで硬化させて肝臓モデル2を得た。
MRE測定が可能なMRI装置を用い、肝臓モデル1及び肝臓モデル2のモデル3Dデータをそれぞれ取得した。本モデル3Dデータは、肝臓モデル1及び肝臓モデル2をそれぞれMRI装置で撮像することにより取得されるモデル画像データと、肝臓モデル1及び肝臓モデル2をそれぞれMRE測定することにより取得されるモデル物性と、に基づいて作成されていた。具体的には、本モデル3Dデータは、モデル画像データに基づいて作成される複数のボクセルと、ボクセルごとに付与されたモデル画像データにおける画像濃度(MRI信号値)を示す画像濃度情報と、ボクセルごとに付与されたモデル物性(粘弾性)を示すモデル物性情報と、を含んでいた。
(例1)
取得した肝臓部分の医用3Dデータに含まれる生体物性情報と、肝臓モデル1のモデル3Dデータに含まれるモデル物性情報と、に基づき、肝臓モデル1の肝臓部分に対する精度を、Materialise社のMaterialise Mimicsを用いて評価した。具体的には、肝臓部分と肝臓モデル1の対応する部分におけるモデル物性の生体物性に対する差異を算出したところ1%であった。
取得した肝臓部分の医用3Dデータに含まれる生体物性情報と、肝臓モデル2のモデル3Dデータに含まれるモデル物性情報と、に基づき、肝臓モデル2の肝臓部分に対する精度を、Materialise社のMaterialise Mimicsを用いて評価した。具体的には、肝臓部分と肝臓モデル2の対応する部分におけるモデル物性の生体物性に対する差異を算出したところ70%であった。
(例1)
取得した肝臓部分の医用3Dデータに含まれる生体形状情報と、肝臓モデル1のモデル3Dデータに含まれるモデル形状情報と、に基づき、肝臓モデル1の肝臓部分に対する形状の精度を、Materialise社のMaterialise Mimicsを用いて評価する。MaterialiseMaterialise具体的には、肝臓部分と肝臓モデル1の対応する部分におけるモデル形状の生体形状に対する差異を算出すると、約9%になる。
取得した肝臓部分の医用3Dデータに含まれる生体形状情報と、肝臓モデル2のモデル3Dデータに含まれるモデル形状情報と、に基づき、肝臓モデル2の肝臓部分に対する形状の精度を、Materialise社のMaterialise Mimicsを用いて評価する。MaterialiseMaterialise具体的には、肝臓部分と肝臓モデル1の対応する部分におけるモデル形状の生体形状に対する差異を算出すると、約4%になる。
11 ハイドロゲル立体造形用組成物噴射ヘッドユニット
12 支持体造形用組成物噴射ヘッドユニット
13 紫外線照射機
14 造形体支持基板
15 ステージ
16 平滑化部材
17 立体造形物(ハイドロゲル)
18 支持体(サポート材)
Claims (8)
- ハイドロゲルを含有したモデルの生体に対する精度を評価する評価方法であって、
前記生体をMRIで撮像することにより取得される生体形状を示す生体形状情報と、前記モデルをMRIで撮像することにより取得されるモデル形状を示すモデル形状情報と、前記生体をMRE測定することにより取得される生体物性を示す生体物性情報と、前記モデルをMRE測定することにより取得されるモデル物性を示すモデル物性情報と、に基づき前記精度を評価する評価工程を含むことを特徴とする評価方法。 - 前記生体形状情報は、生体内部形状情報を含む、請求項1に記載の評価方法。
- 前記評価工程は、医用3Dデータに含まれる前記生体形状情報と、モデル3Dデータに含まれる前記モデル形状情報と、を比較することで前記精度を評価する工程であり、
前記医用3Dデータは、前記生体を医用画像撮像装置で撮像することにより取得される医用画像データに基づいて作成され、
前記モデル3Dデータは、前記モデルを医用画像撮像装置で撮像することにより取得されるモデル画像データに基づいて作成される、請求項1又は2に記載の評価方法。 - 前記医用3Dデータは、前記医用画像データに基づいて作成される複数のボクセルと、
ボクセルごとに付与された前記医用画像データにおける画像濃度を示す画像濃度情報と、を含み、
前記モデル3Dデータは、前記モデル画像データに基づいて作成される複数のボクセルと、ボクセルごとに付与された前記モデル画像データにおける画像濃度を示す画像濃度情報と、を含む、請求項3に記載の評価方法。 - 前記モデルは、前記生体内部形状情報に基づいて造形され、前記生体内部形状情報に対応する生体内部形状を有する、請求項2に記載の評価方法。
- 前記モデルは、ヒトの臓器モデルである、請求項1から5のいずれか一項に記載の評価方法。
- 前記モデルは、前記生体物性情報に基づいて造形され、前記生体物性の分布に対応する強度物性の分布を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の評価方法。
- 前記モデルは、マテリアルジェッティング方式の3Dプリンタを用いて造形される、請求項1から7のいずれか一項に記載の評価方法。
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