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JP7572942B2 - オイルストレーナ - Google Patents
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本発明は、農機や建機、或いは発電機、バス・トラックなどに搭載される産業用エンジンに装備されるオイルストレーナに関するものである。
一般的にエンジンにおいては、オイルポンプで吸い込まれるオイルを濾過するオイルストレーナが設けられている。例えば、特許文献1において開示されるように、オイルストレーナ(2)は、その上端部がシリンダブロックのオイル通路入口(1a)に接続され、外筒(5)の下端がオイルパン(3)内部の底面近くに位置する、という斜めの姿勢で設けられている(図1を参照)。
また、特許文献2にて開示されるように、クランクケース(ロアクランクケース11Bのカバー部材29)の吸入口(23a)に接続されるストレーナプロテクタ(33)の下端部と、オイルパンに一体形成されているオイルストレーナ通路(31)の上端部と、の間にフィルタ部材(32)を介装してなるオイルストレーナ(27)も知られている。
特開2016-186281号公報 特開2015-40501号公報
特許文献1に示されるストレーナ(2)は、フィルタ部(6b)の表面積が大きく取れる利点はあるが、外筒(5)、内筒(6)、内筒(6)に内装されるフィルタ部(6b)、内筒(6)の下端に設けられる閉塞板(8)などの多くの部品からなり、かつ、形状も複雑であってコスト高になり易い傾向がある。
特許文献2に示されるストレーナ(27)は、基本的には、オイル吸入管(オイルストレーナ通路:31)と、オイル吸入管上端のフランジ部に設けられるフィルタ(フィルタ部材:32)との少ない部品数で構成されている。しかしながら、ストレーナプロテクタ(33)等を含むストレーナとして機能する部分の全体としての構成は、特許文献1のストレーナよりも構造が大掛かりで複雑なものとなっている。
以上のように、エンジンに設けられるオイルストレーナを、もっと構造簡単で廉価なものとするには改善の余地が残されていた。
本発明の目的は、構造の見直しや工夫により、構造が簡素でコストも抑えることができるように、より合理化されたオイルストレーナを提供する点にある。
本発明は、オイル吸入部と、前記オイル吸入部のフランジ部に設けられるフィルタと、を有するオイルストレーナにおいて、
前記フィルタは、濾過ネットの外周部を支持リングで挟み込んで保持する構成とされ、
前記フランジ部の筒状部分に前記支持リングを内嵌し、かつ、前記筒状部分と前記支持リングとの溶接により、前記フィルタが前記フランジ部に固定されていることを特徴とする。
前記フランジ部に、これをオイルポンプのオイル吸入側に着脱可能に接続するための取付部が形成されていると好都合であり、また、前記支持リングは、その断面形状がコ字状となるように設定されているとより好都合である。
本発明に関して、上述した構成(手段)以外の特徴構成や手段ついては、請求項2~4,7を参照のこと。
本発明によれば、オイルストレーナは、オイル吸入部とフィルタとによる2部品の一体化によりなり、形状がシンプルで部品点数も少ない合理的なものとされている。そして、フランジ部には支持リングが溶接されるため、濾過ネットが溶接時に溶損されるおそれが無い点も好ましい。
つまり、オイルポンプの吸入口やそれに連通される開口部等に連結されるフランジ部を有するオイル吸入部自体にフィルタを一体化させ、フィルタを換えるときにはオイルストレーナを丸ごと交換する構造とする工夫により、オイルストレーナの構造の簡素化や小型化を図ることが可能になった。
その結果、全体として構造が簡素でコストも抑えることができるように、より合理化されたオイルストレーナを提供することができる。
オイルストレーナを示し、(A)は正面図、(B)は平面図 オイルストレーナを示し、(A)は図1(A)のZ-Z線断面図、(B)は図2(A)のY部の拡大図 オイルストレーナがオイルポンプに組付けられたポンプASSYの正面図 図3に示すポンプASSYの平面図 図3に示すポンプASSYの左側面図 ポンプASSYが組付けられたエンジンの下部を示す一部切欠きの正面図 図6のX-X線で切られたエンジンの断面図 支持リングの別構造を示し、(A)は屈曲部の別構造、(B)は全体の別構造
以下に、本発明によるオイルストレーナの実施の形態を、産業用エンジンに適用される場合について、図面を参照しながら説明する。なお、各図に記載されている「左」、「右」、「前」、「後」は、エンジン全体としての方向を指すものとする。
図1及び図2に示されるように、オイルストレーナ1は、オイル吸入部2と、オイル吸入部2のフランジ部4Fに設けられるフィルタ5と、を有して構成されている。オイル吸入部2は、直管状の丸パイプでなる吸込みパイプ(吸入管)3と、プレス加工などによってカップ状に形成された吸込基部4と、を嵌合固定させることにより構成されている。
図1、図2(A)に示されるように、吸込基部4は、底部(底壁)4aと先拡がり状の周壁4bとでなるカップ部4Aと、フランジ部4Fとからなり、カップ軸心Qを有している。径が底部4aからカップ軸心Qの方向で遠ざかるほど大きくなる周壁4bには、カップ軸心Qに対する径外側に隆起形成された連結部(連結壁)4cが形成されている。連結部4cに形成されたバーリング孔状の円孔(符記省略)には、パイプ軸心Pを有する吸込みパイプ3の一端部(先端部)が内嵌固定(圧入や溶接などの手段による)されている。
フランジ部4Fは、周壁4bの最大径よりも少し大きな径及びカップ軸心Q方向に短い長さを有する筒状部分(筒状壁)4dと、周壁4bの先端と筒状部分4dの基端とを繋いでカップ軸心Qの径方向に拡がる環状側周壁4eと、筒状部分4dの先端側に続くフランジ4fとを有している。フランジ4fには、ボルト挿通用の円孔6を有してカップ軸心Qに対する径外側に延ばされた取付部(フランジ取付部)4gが2カ所形成されている。各取付部4g,4gは、図1(A)に示されるように、パイプ軸心Pの両側に振り分けられる状態で設けられている。
吸込みパイプ3は、図1、図2(A)に示されるように、そのパイプ軸心Pの延長線が吸込基部4のカップ軸心Qに交わり、かつ、パイプ軸心Pがカップ軸心Qに対して傾きθほど傾いた傾き姿勢でカップ部4Aに接続連結されている〔図1(B)を参照〕。傾きθは、θ=65~85度(例:75度)に設定されているとよい。吸込みパイプ3の他端側(開放側)は、楕円形の吸込口3a〔図1(A)を参照〕を有するように、斜めにカットされた形状に設定されている。
図1(A)に示されるように、各円孔6,6それぞれの中心及びカップ軸心Qを通る孔心線(符記省略)と図1(A)の紙面での縦線(符記省略)との夾角をα、前記孔心線とパイプ軸心Pとの夾角をβとすると、α=5~15度(例:9度)、β=70~90度(例:79度)に設定されているとよい。
図1(A)、図2に示されるように、フィルタ5は、カップ軸心Qの方向視で円形をなす濾過ネット7の外周部を支持リング8で挟み込んで保持することで構成されている。支持リング8は、最外周の屈曲部8bの両端それぞれにリング状の環状係止部8aを有する断面がコ字状〔図2(B)を参照〕の支持具に形成されており、これら一対の環状係止部8a,8aの間で濾過ネット7の外周部をカシメ(加締め)て一体化することによりフィルタ5が形成されている。
濾過ネット7は、比較的網目の粗い金属(鋼製)ネットが好ましいが、アルミ合金製や耐熱性のある(優れる)合成樹脂製のネットとすることも可能である。
図2(A),(B)に示されるように、フィルタ5はフランジ部4Fに取付けられている。詳しくは、フランジ部4Fの筒状部分4dに支持リング8を内嵌(遊内嵌)し、かつ、筒状部分4dの内周面(符記省略)と支持リング8の外周部との溶接により、フィルタ5がフランジ部4Fに固定されている。溶接としては、例えば、カップ軸心Q周りに均等角度離しての3カ所のティグ(Tig)溶接、或いはロウ付けなどが挙げられる。但し、溶接カ所は3カ所に限られず3カ所以外の複数カ所であってもよく、また、全周であってもよい。
板金などでなる吸込基部4においては、環状側周壁4eと筒状部分4dとは曲面(周状の曲面)で繋がる形状となるので、図2(B)に示されるように、角張った外郭形状の屈曲部8bを有する支持リング8は曲面の途中部分に接触し、一方の環状係止部8aと環状側周壁4eとの間、及び屈曲部8bと筒状部分4dとの間のいずれにも僅かな隙間がある状態で内嵌されて溶接されることが多い。例えば、図8(A)に示されるように、屈曲部8bの外郭形状が半円形或いはそれに近い形状となる場合には、支持リング8は、図2(B)に示される状態よりさらに環状側周壁4eに寄って位置される。
つまり、フランジ部4Fは、カップ軸心Qの方向視でフィルタ5の径方向に拡がるフランジ4fと、フランジ4fの径内側端に続く筒状部分4dと、筒状部分4dの反フランジ側端から径内側に続く環状側周壁4eとを有して構成され、支持リング8が環状側周壁4eにより位置決めされる状態で、筒状部分4dと支持リング8とが溶接されている。
なお、図示は省略するが、環状側周壁4eと筒状部分4dとの間の曲面の曲率半径が、屈曲部8bの曲げR(角R)の曲率半径以下である場合には、一方の環状係止部8aが環状側周壁4eに当接された状態で支持リング8が筒状部分4dに内嵌される。また、筒状部分4dの内周面に屈曲部8bが圧入内嵌される構成や、それ(圧入内嵌)に溶接を行う構造とすることも可能である。
つまり、図2(B)や図8(B)に示されるいずれの構造であっても、環状側周壁4eが形成されていることにより、筒状部分4dとの間の曲面或いは環状側周壁4eに支持リング8が当接する状態に形成されており、それによって、フィルタ5が筒状部分4dに内嵌されるときのカップ軸心Q方向での位置が定まるように構成されている。
産業用エンジンにおいては、オイルストレーナ1は、図3~5に示されるように、オイルポンプ9に取付けられたポンプASSY20とされていることが多い。例えば、図3に示されるように、オイルストレーナ1は、そのフランジ4fが吸入口部(オイル吸入口)9Aに2カ所でボルト10止めされることでオイルポンプ9に一体的に装備されている。オイルポンプ9の駆動により、吸込口3a〔図1(A)を参照〕から吸い込まれたオイルは、吸込みパイプ3及び吸込基部4を通って吸入口部9Aに流れて行く。なお、11は、オイルポンプ9を駆動するための従動ギヤである(図4、図5を参照)。
次に、ポンプASSY20がエンジンに組付けられた例を示す。図6及び図7に、若干傾斜した(倒伏した)ピストン移動軸(図示省略)を有するエンジンの下部が示され、12は、アッパケース部12Aとロアケース部12Bとでなるシリンダブロック、13はロアケース部12Bの下面に組付けられるオイルパン、14はオイルフィルタ、15はフライホイールハウジング、16はクランク軸、16Aはクランク軸16を通す孔である。
エンジンとしての正面視においては、図6や図3に示されるように、オイルポンプ9の吸入口部9Aが正面を向く姿勢で、ポンプASSY20がロアケース部12Bに組付けられている。そして、オイルストレーナ1は、カップ軸心Qが前後向きになるとともに、パイプ軸心Pが右下(図6を参照)かつ前下(図7を参照)に延びる状態で(姿勢で)オイルパン13の内部に配置される構成に設定されている。
ロアケース部12Bと傾斜した面で接するオイルパン13における比較的高さの高い左端部にオイルポンプ9及び吸込基部4が配置されている。そして、吸込みパイプ3は、その吸込口3a〔図1(A)を参照〕がオイルパン13における最低部13Aに位置するように、吸込基部4から右斜め下方に延ばされている。
つまり、オイル吸入部2の反フランジ部側の先端(吸入口)3aがオイルパン13の最低部13Aに位置する状態となるように、オイル吸入部2の長さ及びフランジ部4Fからの延設方向が定められている。なお、ポンプASSY20がエンジンとして組付けられた状態では、パイプ軸心Pは、前後方向視においては水平線に対して角度γで傾いており(図3を参照)、左右方向視においては水平線(カップ軸心Q)に対し角度δで傾いている(図5を参照)。また、各角度γ、δは、γ=25~45度(例:38度)、δ=60~80度(例:72度)に設定されているとよい。
以上説明したように、本願発明によるオイルストレーナ1は、基本、オイル吸入部2とフィルタ5との2部品の一体化によりなり、形状がシンプルで部品点数も少ない合理的なものとされている。
フィルタ5においては、支持リング8の形状(断面形状)がシンプルなものでありながら濾過ネット7の保持力が高いとともに、フランジ部4Fには支持リング8が溶接されるため、濾過ネット7が溶接時に溶損されるおそれが無い点も好ましい。
フィルタ5を(オイルストレーナ1を)交換する必要があるときには、2本のボルト10,10を外して、古いオイルストレーナ1を外し、新しいオイルストレーナ1に付け換える、という簡単な作業で済む利点もある(図3を参照)。
また、筒状部分4dの反フランジ側に環状側周壁4eが形成される構成(図2を参照)とすれば、筒状部分4dと環状側周壁4eとの間に形成される曲面又は環状側周壁4eと支持リング8との当接により、フィルタ5を筒状部分4dに内嵌するときのカップ軸心Q方向での位置決めが無理なく行える効果が得られる。
〔別実施形態〕
(1)図8(B)に示されるように、断面がL字状を呈する支持リング8を有して筒状部分4dに内嵌固定されるフィルタ5でも良い。支持リング8は、濾過ネット7の外周部をカシメて挟む一対の環状係止部8a,8aと、これら環状係止部8a,8aに続いてカップ軸心Qを中心とする内外の円筒部8c,8dと、これら内円筒部8cと外円筒部8dとを繋ぐ屈曲部8bとを有して構成されている。
支持リング8は、その外円筒部8dとフランジ部4F(筒状部分4d)との溶接により固定状態で吸込基部4(オイル吸入部2)に取付けられるが、外円筒部8dの筒状部分4dへの圧入又は圧入プラス溶接により取り付けられる構造でもよい。
オイルストレーナ1において、図2(B)や図8(A)に示される断面がコ字状の支持リング8を用いる場合は、図8(B)に示される断面がL字状の支持リング8を用いる場合に比べて、形状が単純化され、かつ、大きさも小型化されるので、製作し易くてコストも安くなる利点がある。また、濾過ネット7のカシメによる係止保持力が、より安定化される利点も期待できる。
(2)図示は省略するが、図1などに示される吸込みパイプ3の一端を拡径変形させてフランジ部4Fを形成し、その吸込みパイプ3自体に形成されたフランジ部4Fにフィルタ5を設ける構成(吸込基部4が無く吸込みパイプ3がオイル吸入部2となる構成)のオイルストレーナ1でも良い。この場合、吸込みパイプ3の長さ中間部分を曲げれば、図1,2に示されるものと同様に屈曲されたオイル吸込み通路を有する形状に設定することも可能である。
(3)濾過ネット7は、濾材を縦横に編んだ布のようなものでも良いが、縦横の鋼線で編まれた金属製濾材、或いはパンチングされた金属板(パンチングメタル)により構成されたものであっても良い。
2 オイル吸入部
3a 先端(オイル吸入部の先端)
4F フランジ部
4d 筒状部分
4e 環状側周壁
4f フランジ
4g 取付部
5 フィルタ
7 濾過ネット
8 支持リング
9 オイルポンプ
9a オイル吸入口
13 オイルパン
13A 最低部

Claims (7)

  1. オイル吸入部と、前記オイル吸入部のフランジ部に設けられるフィルタと、を有するオイルストレーナであって、
    前記フィルタは、濾過ネットの外周部を支持リングで挟み込んで保持する構成とされ、前記フランジ部の筒状部分に前記支持リングを内嵌し、かつ、前記筒状部分と前記支持リングとの溶接により、前記フィルタが前記フランジ部に固定されているオイルストレーナ。
  2. 前記フランジ部は、前記オイル吸入部の径方向に拡がるフランジと、前記フランジの径内側端に続く前記筒状部分と、前記筒状部分の反フランジ側端から径内側に続く環状側周壁とを有して構成され、
    前記支持リングが前記環状側周壁により位置決めされる状態で、前記筒状部分と前記支持リングとが溶接されている請求項1に記載のオイルストレーナ。
  3. 前記支持リングで前記濾過ネットを加締めることにより、前記支持リングと前記濾過ネットとが一体化されている請求項1又は2に記載のオイルストレーナ。
  4. 前記筒状部分と前記支持リングとは、複数個所のティグ溶接又はろう付けにより相対固定されている請求項1~3の何れか一項に記載のオイルストレーナ。
  5. 前記支持リングは、その断面形状がコ字状となるように設定されている請求項1~4何れか一項に記載のオイルストレーナ。
  6. 前記フランジ部に、これをオイルポンプのオイル吸入口に着脱可能に接続するための取付部が形成されている請求項1~5の何れか一項に記載のオイルストレーナ。
  7. 前記オイル吸入部の反フランジ部側の先端がオイルパンの最低部に位置する状態となるように、前記オイル吸入部の長さ及び前記フランジ部からの延設方向が定められている請求項1~6の何れか一項に記載のオイルストレーナ。
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