JP7576880B2 - 加熱方案の算出方法、プログラム、記録媒体、装置、変形方法、板変形装置、および変形板の製造方法 - Google Patents
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Description
上記板の形状を元形状とし、上記元形状の解析モデルの任意の位置に設定した加熱形状を含む加熱条件と、当該加熱条件に基づき算出された変形形状の評価値との組み合わせを複数含む教師データ群を入力してベイズ最適化を実施し、加熱条件候補を決定するベイズ最適化ステップと、
上記加熱条件候補をひずみデータに変換し、当該ひずみデータを入力して有限要素法による構造解析を実施して形状候補を出力する有限要素法解析ステップとを備える、算出方法を提供する。
上記次加熱条件候補をひずみデータに変換し、当該ひずみデータを入力して有限要素法による構造解析を実施して次形状候補を出力する有限要素法解析ステップとを備えることが好ましい。
本発明の算出方法は、加熱により板を変形させるための加熱方案の算出方法であり、上記板の形状を元形状とし、上記元形状の解析モデルの任意の位置に設定した加熱形状を含む加熱条件と、当該加熱条件に基づき算出された変形形状の評価値との組み合わせを複数含む教師データ群を入力してベイズ最適化を実施し、加熱条件候補を決定するベイズ最適化ステップと、上記加熱条件候補をひずみデータに変換し、当該ひずみデータを入力して有限要素法(FEM)による構造解析を実施して形状候補を出力する有限要素法解析ステップとを、少なくとも備える。
本実施形態では、まず、教師データ群出力ステップS1により、ベイズ最適化を実施する際に入力する教師データ群、より具体的には、ベイズ最適化に用いる予測関数を作成するための教師データ群を出力する。上記教師データ群における個々の教師データは、加熱条件および当該加熱条件に基づき算出された変形形状の評価値を少なくとも含む。
ベイズ最適化ステップS2では、上記教師データ群および上記元形状の解析モデルを入力し、上記予測関数を用いてベイズ最適化を行い、加熱条件と、評価値としての目的形状との差分とをセットで出力する。ベイズ最適化の試行回数は、図1に示すフローチャートではX回としており、Xの値は適宜設定することができる。多い方がより最適な加熱条件が得られるものの、ある回数を超えると評価値は安定する。このため、ベイズ最適化の試行回数は、例えば100~100000回であり、好ましくは5000~50000回である。ベイズ最適化にかかる時間は、有限要素法による構造解析を繰り返す時間よりもはるかに短いため、ベイズ最適化を採用することにより、短時間でより適切な加熱条件を探索することができる。
次に、上記ベイズ最適化ステップS2で得られた第1加熱条件候補をひずみデータに変換する。そして、有限要素法解析ステップS3では、上記ひずみデータを入力して、有限要素法による構造解析を実施して形状候補を出力する。
本発明の算出方法を記録媒体に格納することにより、本発明の算出方法が格納された記録媒体を得ることができる。上記記録媒体は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体であって、上記プログラムを格納する記録媒体である。
本発明の装置は、本発明の算出方法によって加熱方案を取得する作業を実行するための演算部を備えた装置(コンピュータシステム)である。上記装置は、例えば、演算部、表示部、記録媒体、キーボード、およびポインティングデバイスなどから構成される。
図1に示すフローチャートに従って、椀形状を目的形状とする加熱方案を作成した。図5に目的形状を示す。元形状としては、厚さが4mmのシート状金属板および8mmのシート状金属板の2種を用いた(共に、縦500mm×横500mmの正方形)。入力する教師データとして、加熱線の中点、加熱線の長さ、加熱線の角度、加熱面、および入熱量の6変数を用いた。上記目的形状を算出する条件においてモンテカルロ法と図1に示すフローチャートによる加熱方案とを比較した。図6に、厚さ8mmモデルについて算出された加熱方案を、図7に、厚さ4mmモデルについて算出された加熱方案を、それぞれ示す。図6および図7において、(a)はモンテカルロ法により得られた加熱方案を、(b)は図1に示すフローチャートに沿って得られた加熱方案をそれぞれ示す。図6および図7中の数字はnの値を示す。なお、各実施例において得られた加熱方案において、表面の加熱線を実線で、裏面の加熱線を点線でそれぞれ示している。
目的形状を図9に示す鞍形状としたこと以外は、実施例1と同様にして加熱方案を作成した。そして、上記目的形状を算出する条件においてモンテカルロ法と図1に示すフローチャートによる加熱方案とを比較した。図10に、厚さ8mmモデルについて算出された加熱方案を、図11に、厚さ4mmモデルについて算出された加熱方案を、それぞれ示す。図10および図11において、(a)はモンテカルロ法により得られた加熱方案を、(b)は図1に示すフローチャートに沿って得られた加熱方案をそれぞれ示す。図10および図11中の数字はnの値を示す。
図13に示す防撓構造を溶接によって作製した際に発生する角変形をモデル化し、図1に示すフローチャートに従って、上記モデルのひずみを取るような加熱方案を作成した。得られた加熱方案を図14に示す。加熱方案ではリブ材の裏側を焼いている様子が確認できた。図15は、加熱を行ったときの変形解析結果を示したものである。図15では、ひずみが取れていく様子が確認できる。リブ材に囲まれた中央の二つの区画のひずみを取ることは従来技術では困難であったが、本発明の算出方法により得られた加熱方案では良好に取れていくことが確認できた。
防撓構造を作製する際に溶接条件によっては捻れ変形が発生する場合がある。このような捻れ変形を再現したモデル(図16)を作成し、図1に示すフローチャートに従って、上記モデルのひずみをとるような加熱方案を作成した。得られた加熱方案を図17に示す。加熱方案では横板で捻れ型を作製するような加熱線に加えて、リブ材の裏を大きな入熱で加熱していることが確認できた。図18は、加熱を行ったときの変形解析結果を示したものである。図18では、ひずみが取れていく様子が確認できる。このように構造物を溶接することで生じたひずみを自動的にとることができれば様々な構造物の作製に用いることができる。
ベイズ最適化では、最適の加熱条件候補を探索するだけではなく、出力の評価値を関数として推定することができる。そこで、実施例1において加熱方案を作製する際に用いた、加熱線の中点、加熱線の長さ、加熱線の角度、加熱面、および入熱量の6変数のうち、加熱線の中点の座標(x、y)を重視した可視化を行ったものを図19(1本目の加熱線)および図20(2本目の加熱線)に示す。それぞれの評価分布は加熱線長さ、加熱面、および加熱角度を固定した際の中点の評価値を表している。図19に示すように、左側2列中、長さ200mmにおける可視化図の評価が高くなっている。このことから、1本目の加熱線は表面横方向または表面縦方向で、加熱線長さが長いものの評価値が高く、その中でも中点を鋼板の中央に取るのが良いことを可視化している。さらに、図20に示すように、図19と同様に左側2列中、長さ200mmにおける可視化図の評価が高くなっている。このことから、2本目の加熱線は1本目の加熱線に直交するような加熱線が最適であることを可視化している。この解析では斜め方向の加熱線は図19の可視化においては、理解しづらくなるために実行していないが、ベイズ最適化を用いたシステムで斜め方向の加熱線を取り扱うことは可能である。
実施例5と同様にして、実施例2において加熱方案を作製する際に用いた、加熱線の中点、加熱線の長さ、加熱線の角度、加熱面、および入熱量の6変数のうち、加熱線の中点の座標(x、y)を重視した可視化を行ったものを図21(10本目の加熱線)に示す。椀形状の場合と同様に、6変数の設計変数から評価値yを推定できていることが確認できた。
防撓構造におけるひずみとりのための加熱線の可視化を行った。実施例5と同様にして、実施例3において加熱方案を作製する際に用いた、加熱線の中点、加熱線の長さ、加熱線の角度、加熱面、および入熱量の6変数のうち、加熱線の中点の座標(x、y)を重視した可視化を行った。1本目の加熱線に関しての可視化結果は図22に示す通りであった。図22の(a)は1本目の加熱線による加熱を行った際における評価値の分布を示し、(b)当該加熱後の変形を示す。図22に示すように、3つの峰が形成されている様子が確認できる。この3つの峰は防撓構造のリブ材のうら面であり、防撓構造のひずみ取りではリブ材の真裏が最優先で焼くべき加熱条件であることが鮮明に可視化されている。これは「防撓構造の最適解は強い制約条件を受けるため最適解が少ない」ことを可視化できている。
防撓構造におけるひずみとりのための加熱線の可視化を行った。実施例7と同様にして、実施例3において加熱方案を作製する際に用いた、加熱線の中点、加熱線の長さ、加熱線の角度、加熱面、および入熱量の6変数のうち、加熱線の中点の座標(x、y)を重視した可視化を行った。図23に、(a)加熱方案作成に用いた防撓構造の解析モデルおよび(b)得られた加熱方案に従って加熱を行ったときの変形解析結果を示す。図24に、算出された加熱方案を、図25に、上記加熱方案作成における誤差推移をそれぞれ示す。図24に示すように、得られた加熱方案によれば、リブ材の裏側を加熱し、さらにリブ材に囲まれた区画の中央を表面から加熱している。そして図23に示すように、この加熱方案によって溶接変形が3mmから0.1mmにひずみとりができることが分かる。また、図25から、本発明を適用した実施例8は、従来のランダムに探索を行った従来のモンテカルロ法よりも少ない探索回数で誤差が収束していることが確認できる。探索回数が少なければ少ないほど、作業性が良いため探索回数の削減は重要である。
防撓構造におけるひずみとりのための加熱線の可視化を行った。実施例7と同様にして、実施例3において加熱方案を作製する際に用いた、加熱線の中点、加熱線の長さ、加熱線の角度、加熱面、および入熱量の6変数のうち、加熱線の中点の座標(x、y)を重視した可視化を行った。図26に、(a)加熱方案作成に用いた防撓構造の解析モデルおよび(b)得られた加熱方案に従って加熱を行ったときの変形解析結果を示す。図27に、算出された加熱方案を、図28に、上記加熱方案作成における誤差推移をそれぞれ示す。図27に示すように、得られた加熱方案によれば、実施例8と同様に、リブ材の裏側を加熱し、さらにリブ材に囲まれた区画の中央を表面から加熱している。そして図26に示すように、この加熱方案によって溶接変形が2mmから0.3mmにひずみとりができることが分かる。また、図28から、本発明を適用した実施例9は、従来のランダムに探索を行った従来のモンテカルロ法よりも少ない探索回数で誤差が収束していることが確認できる。探索回数が少なければ少ないほど、作業性が良いため探索回数の削減は重要である。
S2 ベイズ最適化ステップ
S3 有限要素法解析ステップ
1 解析モデル
2 板
3 要素
3a 第1形状候補における要素
3b 目的形状における要素
4 節点
4a 第1形状候補における節点
4b 目的形状における節点
5a 第1加熱条件候補
5b 第2加熱条件候補
D 節点の面外方向変位量
Claims (17)
- 加熱により板を変形させるための加熱方案の算出方法であって、
ニューラルネットワークを用いた変形予測により、前記板の形状を元形状とし、前記元形状の解析モデルの任意の位置に設定した加熱形状を含む加熱条件と、当該加熱条件に基づき算出された変形形状の評価値との組み合わせを複数含む教師データ群を出力する教師データ群出力ステップと、
前記加熱条件および前記教師データ群を入力してベイズ最適化を実施し、加熱条件候補を決定するベイズ最適化ステップと、
前記加熱条件候補をひずみデータに変換し、当該ひずみデータを入力して有限要素法による構造解析を実施して形状候補を出力する有限要素法解析ステップとを備える、算出方法。 - 前記有限要素法解析ステップで得られる前記形状候補を前記元形状として前記ベイズ最適化を実施し、次加熱条件候補を決定するベイズ最適化ステップと、
前記次加熱条件候補をひずみデータに変換し、当該ひずみデータを入力して有限要素法による構造解析を実施して次形状候補を出力する有限要素法解析ステップとを備える、請求項1に記載の算出方法。 - 前記次形状候補を前記元形状として前記ベイズ最適化およびこれに続く前記有限要素法解析ステップを繰り返し実施し、目的形状と、前記目的形状を得るための複数の加熱条件候補とを取得する、請求項2に記載の算出方法。
- 前記加熱形状は加熱線を含み、前記加熱条件は、加熱線の中点、加熱線の長さ、加熱線の角度、加熱面、および入熱量を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の算出方法。
- 加熱により、板の曲げ加工、または、板のひずみとりを行うための加熱方案の算出方法である、請求項1~4のいずれか1項に記載の算出方法。
- 前記加熱方案の算出に際し、加工対象である前記板の目的形状を入力し、前記ベイズ最適化において前記目的形状との差分が小さい形状を得ることができる加熱条件候補を出力する、請求項1~5のいずれか1項に記載の算出方法。
- 前記ベイズ最適化に際し、加工対象である前記板の目的形状の解析モデルを用い、前記ベイズ最適化において前記目的形状の解析モデルとの差分が小さい形状を得ることができる加熱条件候補を出力する、請求項1~6のいずれか1項に記載の算出方法。
- 請求項1~7のいずれか1項に記載の算出方法を実行させるためのプログラム。
- コンピュータで読み取り可能な記録媒体であって、請求項8に記載のプログラムを格納する記録媒体。
- 請求項1~7のいずれか1項に記載の算出方法による加熱方案の取得を実行する演算部を備えた装置。
- 加熱により板を変形させるための加熱方案を算出するための装置であり、
ユーザが入力した加熱条件に基づいて塑性ひずみを推定する塑性ひずみ推定モジュールと、ユーザが入力した加工対象、目的形状、および前記塑性ひずみに基づいて加熱方案を算出する加熱方案算出モジュールとを備える、請求項10に記載の装置。 - 前記塑性ひずみ推定モジュールにより推定される塑性ひずみを複数蓄積して加熱条件データベースを作成するデータベース作成モジュールを備え、前記加熱方案算出モジュールでは、ユーザが入力した加工対象、目的形状、および前記加熱条件データベースに基づいて加熱方案を算出する、請求項11に記載の装置。
- 請求項1~7のいずれか1項に記載の算出方法により算出された加熱方案に基づいて板を加熱し変形させる変形方法。
- 請求項13に記載の変形方法を実行するプログラムを搭載する板変形装置。
- 板を加熱する加熱部と、変形装置を制御する制御部とを備え、前記制御部は、請求項1~7のいずれか1項に記載の加熱方案を読み込むことができるように設けられている、板変形装置。
- n回目(n≧1)の試行で出力された第n加熱条件候補で板を加熱し、板を変形させる変形手段(A)と、変形した板の立体形状を計測する計測手段と、計測された板の立体形状と、n回目の試行で実施した有限要素法構造解析の解析結果である第n形状候補とを比較する比較手段と、比較した結果に基づき板の立体形状が前記解析結果に近づくように板を加熱する変形手段(B)とを備える、請求項15に記載の板変形装置。
- 請求項1~7のいずれか1項に記載の算出方法により算出された加熱方案に基づいて板を加熱し変形させる工程を備える、変形板の製造方法。
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