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JP7576880B2 - 加熱方案の算出方法、プログラム、記録媒体、装置、変形方法、板変形装置、および変形板の製造方法 - Google Patents
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JP7576880B2 - 加熱方案の算出方法、プログラム、記録媒体、装置、変形方法、板変形装置、および変形板の製造方法 - Google Patents

加熱方案の算出方法、プログラム、記録媒体、装置、変形方法、板変形装置、および変形板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、加熱方案の算出方法、プログラム、記録媒体、装置、変形方法、板変形装置、および変形板の製造方法に関する。
船舶には船首部やバルバス・バウ、船尾部などに複雑な曲面形状が存在する。これらの曲面形状を作成するために複数の鋼板に対して曲げ加工を行い、それらを溶接により接合する。
また、大型船舶などの建造では、船体をいくつかのブロックに分けて製作し、最終工程でブロックを溶接によりつなぎ合わせる建造方式であるブロック建造方式が採用されている。この工法により、船舶建造時における期間短縮や作業の高効率化が実現されている。しかし、ブロック建造時に発生する溶接変形を取り除かなければ、ブロック組み立て時に溶接部の取り合いが悪くなるため、ひずみとり作業が必要になる。
このような曲げ加工やひずみとりの技術として、造船分野においては線状加熱が広く用いられている。線状加熱とは、鋼板の表面をガスバーナーで加熱した際に発生する熱変形を利用するものである。例えば、ガスバーナーの炎で鋼板を局所的に加熱しつつ、鋼板に水をかけることにより加熱部を急冷却すると、鋼板に塑性変形が発生する。これにより、鋼板の一部分に角変形を発生させることや一部を収縮させることで複雑な変形を作り出すことができる。この塑性変形は、加熱するガスバーナーの移動速度、燃焼ガスと流入酸素と混合比、バーナーと鋼板の距離などを変化させて鋼板への入熱を調整することにより制御することができる。線状加熱による曲げ加工やひずみとりでは、複数の加熱線を適当な位置に配置することによって、鋼板を目的の曲面形状に近づける。
しかし、線状加熱時に生じる変形は、縦収縮・横収縮、縦曲り・横曲がりが混在する複雑なものであり、入熱量やガスバーナーの移動速度、加熱位置等にも依存する。特に、入熱量と角変形の関係は非線形である。このため、予測が非常に困難であり、線状加熱による曲げ加工は自動化が困難とされる技術の一つである。線状加熱による曲げ加工の自動化を実現するために用いる加熱方案算出方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献2に開示の算出方法によれば、様々な位置に設定した加熱線から目的形状に近づく加熱線の選択を繰り返し行うため、金属板を目的形状に近づけるために最適な複数の加熱線を含む加熱方案を算出することができることが記載されている。そして、算出した加熱方案に基づき金属板を加熱することにより、金属板を目的形状に近い形状に変形させることが可能であることが記載されている。
特開2013-66902号公報 特開2020-40092号公報
しかしながら、特許文献2に開示のような、従来のモンテカルロ法に基づいた算出方法は、有限要素法構造解析を複数回実施して加熱線の候補を算出するものあるところ、上記方法では加熱線の候補をランダムに生成していたため、計算時間が長かった。このため、加熱方案の算出方法には、さらなる効率化が求められている。
従って、本発明の目的は、板を目的形状に近づけるための加熱方案を短時間で算出することができる算出方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、有限要素法による解析とベイズ最適化とを組み合わせることにより、板を目的形状に近づけるための加熱方案を短時間で算出することができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、加熱により板を変形させるための加熱方案の算出方法であって、
上記板の形状を元形状とし、上記元形状の解析モデルの任意の位置に設定した加熱形状を含む加熱条件と、当該加熱条件に基づき算出された変形形状の評価値との組み合わせを複数含む教師データ群を入力してベイズ最適化を実施し、加熱条件候補を決定するベイズ最適化ステップと、
上記加熱条件候補をひずみデータに変換し、当該ひずみデータを入力して有限要素法による構造解析を実施して形状候補を出力する有限要素法解析ステップとを備える、算出方法を提供する。
上記算出方法は、ニューラルネットワークを用いた変形予測により、上記加熱条件および上記変形形状を出力する教師データ群出力ステップを備えることが好ましい。
上記算出方法は、上記有限要素法解析ステップで得られる上記形状候補を上記元形状として上記ベイズ最適化を実施し、次加熱条件候補を決定するベイズ最適化ステップと、
上記次加熱条件候補をひずみデータに変換し、当該ひずみデータを入力して有限要素法による構造解析を実施して次形状候補を出力する有限要素法解析ステップとを備えることが好ましい。
上記算出方法では、上記次形状候補を上記元形状として上記ベイズ最適化およびこれに続く上記有限要素法解析ステップを繰り返し実施し、目的形状と、上記目的形状を得るための複数の加熱条件候補とを取得することが好ましい。
上記加熱形状は加熱線を含み、上記加熱条件は、加熱線の中点、加熱線の長さ、加熱線の角度、加熱面、および入熱量を含むことが好ましい。
上記算出方法は、上記加熱により、板の曲げ加工、または、板のひずみとりを行うための加熱方案の算出方法であることが好ましい。
また、本発明は、上記算出方法を実行させるためのプログラムを提供する。
また、本発明は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体であって、上記プログラムを格納する記録媒体を提供する。
また、本発明は、上記算出方法による加熱方案の取得を実行する演算部を備えた装置を提供する。
また、本発明は、上記算出方法により算出された加熱方案に基づいて板を加熱し変形させる変形方法を提供する。
また、本発明は、上記変形方法を実行するプログラムを搭載する板変形装置を提供する。
また、本発明は、板を加熱する加熱部と、変形装置を制御する制御部とを備え、上記制御部は、上記加熱方案を読み込むことができるように設けられている、板変形装置を提供する。上記板変形装置は、n回目(n≧1)の試行で出力された第n加熱条件候補で板を加熱し、板を変形させる変形手段(A)と、変形した板の立体形状を計測する計測手段と、計測された板の立体形状と、n回目の試行で実施した有限要素法構造解析の解析結果である第n形状候補とを比較する比較手段と、比較した結果に基づき板の立体形状が上記解析結果に近づくように板を加熱する変形手段(B)とを備えることが好ましい。
また、本発明は、上記算出方法により算出された加熱方案に基づいて板を加熱し変形させる工程を備える、変形板の製造方法を提供する。
本発明の算出方法によれば、板を目的形状に近づけるための加熱方案を短時間で算出することができる。また、算出した加熱方案に基づき板を加熱することにより、板を目的形状に近い形状に変形させることが可能である。
本発明の算出方法の一実施形態を示すフローチャートである。 有限要素法構造解析に用いる解析モデルを説明するための図である。 有限要素法構造解析に用いる解析モデルおよびベイズ最適化により出力される加熱条件候補を説明するための図である。 解析結果と目的形状との比較方法を説明するための図である。 実施例1における目的形状の解析モデルを示す図である。 実施例1において厚さ8mmモデルについて算出された加熱方案を示す図である。 実施例1において厚さ4mmモデルについて算出された加熱方案を示す図である。 実施例1において加熱線の本数と誤差和との関係を示すグラフである。 実施例2における目的形状の解析モデルを示す図である。 実施例2において厚さ8mmモデルについて算出された加熱方案を示す図である。 実施例2において厚さ4mmモデルについて算出された加熱方案を示す図である。 実施例2において加熱線の本数と誤差和との関係を示すグラフである。 実施例3において加熱方案作成に用いた防撓構造の解析モデルを示す図である。 実施例3において算出された加熱方案を示す図である。 実施例3で得られた加熱方案に従って加熱を行ったときの変形解析結果を示す図である。 実施例4において加熱方案作成に用いた捻れ変形を有する防撓構造の解析モデルを示す図である。 実施例4において算出された加熱方案を示す図である。 実施例4で得られた加熱方案に従って加熱を行ったときの変形解析結果を示す図である。 実施例5において、1本目の加熱線の中点の座標(x、y)を重視した評価値分布の可視化図である。 実施例5において、2本目の加熱線の中点の座標(x、y)を重視した評価値分布の可視化図である。 実施例6において、10本目の加熱線の中点の座標(x、y)を重視した評価値分布の可視化図である。 実施例7において、1本目の加熱線の中点の座標(x、y)を重視した評価値分布の可視化図である。 実施例8において加熱方案作成に用いた防撓構造の解析モデルおよび得られた加熱方案に従って加熱を行ったときの変形解析結果を示す図である。 実施例8において算出された加熱方案を示す図である。 実施例8で得られた加熱方案作成における誤差推移を示す図である。 実施例9において加熱方案作成に用いた防撓構造の解析モデルおよび得られた加熱方案に従って加熱を行ったときの変形解析結果を示す図である。 実施例9において算出された加熱方案を示す図である。 実施例9で得られた加熱方案作成における誤差推移を示す図である。
[加熱方案の算出方法]
本発明の算出方法は、加熱により板を変形させるための加熱方案の算出方法であり、上記板の形状を元形状とし、上記元形状の解析モデルの任意の位置に設定した加熱形状を含む加熱条件と、当該加熱条件に基づき算出された変形形状の評価値との組み合わせを複数含む教師データ群を入力してベイズ最適化を実施し、加熱条件候補を決定するベイズ最適化ステップと、上記加熱条件候補をひずみデータに変換し、当該ひずみデータを入力して有限要素法(FEM)による構造解析を実施して形状候補を出力する有限要素法解析ステップとを、少なくとも備える。
上記算出方法は、加熱により板を変形させるための加熱方案の算出方法であればよく、具体的には、板の曲げ加工、板のひずみとりなどが挙げられる。
上記板としては、例えば、鉄板、アルミニウム板、チタン板等の金属板や、プラスチック板、カーボン板等の非金属板などが挙げられる。中でも金属板が好ましい。
上記加熱形状は、特に限定されないが、線状(加熱線)、点状(加熱点)、面上(加熱面)およびこれらの1以上を組み合わせた形状などが挙げられる。線状に加熱することを「線状加熱」、点状に加熱することを「点加熱」と称する場合がある。また、上記加熱は、線状加熱や点状加熱などの複数の加熱を組み合わせてもよい。上記線状加熱を行う加熱線は、具体的には、直線、曲線、これらを組み合わせた線(松葉形状、三角形状など)であってもよい。
本発明の算出方法の一実施形態について、図1に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図面や以下の記述中で示す構成は例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
(教師データ群出力ステップ)
本実施形態では、まず、教師データ群出力ステップS1により、ベイズ最適化を実施する際に入力する教師データ群、より具体的には、ベイズ最適化に用いる予測関数を作成するための教師データ群を出力する。上記教師データ群における個々の教師データは、加熱条件および当該加熱条件に基づき算出された変形形状の評価値を少なくとも含む。
上記教師データとしては、例えば、平板の曲面加工時や、T継手溶接、突合せ溶接、金瀬溶接等の各種溶接時の修正ひずみデータベースを使用することができる。上記データベースとしては[入熱量-修正ひずみ関係]を用いることができる。
上記教師データ群出力ステップでは、加熱条件を入力し、変形形状の評価値を出力する。出力された変形形状の評価値は加熱条件の評価値でもある。上記教師データ群の出力には、公知乃至慣用の方法を用いることができ、例えば、有限要素法解析やニューラルネットワークを用いた変形予測により出力することができる。
上記教師データ群は、中でも、ニューラルネットワークを用いた変形予測により出力することが好ましい。ニューラルネットワークを用いる場合、既に構築されたニューラルネットワークにランダムに選択した複数の加熱条件を入力し、当該加熱条件に基づき算出された変形形状が出力される。この変形形状から変形形状の評価値に変換し、上記加熱条件と変換された評価値とをベイズ最適化に用いる上記教師データ群とすることができる。ニューラルネットワークの変形予測はランダムに選択した10000個程度の加熱条件を含み、これによりベイズ最適化で行う評価値の分布の推定を大域的に完了させることにより、計算時間の長い有限要素法解析での変形解析回数を大幅に削減しつつも大域的な最適解を探索することができる。
上記ニューラルネットワークは、例えば、加熱変形前の状態(例えば、加熱変形前の形状(加熱前変位)、加熱変形前の形状における応力(加熱前応力)、加熱変形前の形状におけるひずみ(加熱前ひずみ)など)、および、加熱変形後の状態(例えば、加熱により増加する変位(加熱後変位増分))の組み合わせを大量に入力して構築するこができる。
次に、ベイズ最適化を実施するために、上記教師データ群を入力して予測関数を作成する。
次に、加熱方案の算出を行う上記板の加熱前形状を元形状とし、上記元形状の解析モデルを作成する。上記解析モデルの作成方法の一例について、図2および図3を用いて説明する。図2に示す解析モデル1には、板2の長さ、幅、厚さなどを設定する。また、解析モデル1を複数個の要素(メッシュ)3に分割する。要素3は、四角形や三角形等の多角形のシェルであってもよく、立方体、直方体、三角錐、三角柱などのソリッドであってもよい。また、要素3の各頂点が節点4となる。例えば、図3に示した解析モデル1では、20×20(400)個の要素3に分割されている。この場合、解析モデル1は格子状となり、各交点が節点4となる。目的形状が平坦のシート状ではない場合、板の解析モデルの形状が元形状となるように解析モデル1の節点4を動かして作成することができる。
また、上記元形状の解析モデルと同様にして、目的形状の解析モデルを作成する。目的形状は、板の曲げ加工やひずみとり後の目標となる形状である。上記目的形状の解析モデルは、上記元形状の解析モデルの作成方法と同様にして、節点4を動かして作成する。
(ベイズ最適化ステップ)
ベイズ最適化ステップS2では、上記教師データ群および上記元形状の解析モデルを入力し、上記予測関数を用いてベイズ最適化を行い、加熱条件と、評価値としての目的形状との差分とをセットで出力する。ベイズ最適化の試行回数は、図1に示すフローチャートではX回としており、Xの値は適宜設定することができる。多い方がより最適な加熱条件が得られるものの、ある回数を超えると評価値は安定する。このため、ベイズ最適化の試行回数は、例えば100~100000回であり、好ましくは5000~50000回である。ベイズ最適化にかかる時間は、有限要素法による構造解析を繰り返す時間よりもはるかに短いため、ベイズ最適化を採用することにより、短時間でより適切な加熱条件を探索することができる。
上記各教師データは、例えば上記教師データ群出力ステップS1により出力された、加熱形状を含む加熱条件と、当該加熱条件に基づき算出された形状との組み合わせを複数含む。上記加熱条件は、加熱形状に関する情報を少なくとも含む。上記加熱形状が加熱線を含む場合、上記加熱線に関する情報として、加熱線の中点、加熱線の長さ、加熱線の角度、加熱面、および入熱量のうちの1以上を含むことが好ましく、全てを含むことがより好ましい。上記加熱形状以外の加熱条件としては、例えば、加熱位置、入熱量、加熱手段(バーナー、レーザ、溶接などの加熱装置の選択)、加熱速度、冷却水の有無または冷却水の量などが挙げられる。
ベイズ最適化では、具体的には、まず、ランダムに選択された加熱条件で得られる形状と目的形状との差分が評価値として出力され、次いで、ランダムに選択された他の加熱条件で得られる形状と目的形状との差分が評価値として出力される。そして、次回以降は、目的形状との差分を評価値とする目的関数を推定しながら加熱条件を探索し、より評価値の高い加熱条件に近い加熱条件と、当該加熱条件に基づく評価値とが出力される。このようにして、加熱条件の選択と当該加熱条件に基づく評価値の出力とを繰り返し行ってベイズ最適化を実施することにより、より評価値の高い、すなわち目的形状との差分がより小さい形状を得ることができる加熱条件を出力することができる。そして、ベイズ最適化により得られた加熱条件を第1加熱条件候補(例えば、図3に示す第1加熱条件候補5a)と決定する。なお、ベイズ最適化により得られた加熱条件のうち、最も評価値の高い加熱条件を第1加熱条件候補とすることが好ましいが、その他の加熱条件を第1加熱条件候補としてもよい。図3移行に示す例は線状加熱を行う場合の一例として説明するが、線状加熱以外の形状の加熱であっても同様にして計算を行うことができる。
(有限要素法解析ステップ)
次に、上記ベイズ最適化ステップS2で得られた第1加熱条件候補をひずみデータに変換する。そして、有限要素法解析ステップS3では、上記ひずみデータを入力して、有限要素法による構造解析を実施して形状候補を出力する。
上記有限要素法による構造解析では、上記元形状の解析モデルおよび上記ひずみデータを入力し、有限要素法構造解析を行う。有限要素法構造解析では、上記第1加熱条件候補から選び出した要素3に、設定した第1加熱条件候補より変換されたひずみを付与して解析結果(構造解析により変形させた解析モデル)を第1形状候補として得る(第1形状候補出力)。第1加熱条件候補をひずみデータに変換する方法としては、具体的には、上記特許文献2に開示の方法が挙げられる。
有限要素法構造解析はFEM熱弾塑性解析であってもよく、固有ひずみ法による弾性解析であってもよい。構造解析では、ガスバーナーを用いる加熱を想定してもよく、レーザを用いる加熱(レーザーフォーミング等)を想定してもよく、誘導加熱を用いる加熱を想定してもよい。また、構造解析では、加熱対象となる板の材料物性値(ヤング率、ポアソン比、密度など)を用いる。
FEM熱弾塑性解析では、加熱条件候補に対して選び出した要素の縦収縮、横収縮、角変形、および縦曲りの4成分の固有ひずみ量を算出する。FEM熱弾塑性解析では、熱履歴および変形履歴を逐次再現し変形解析を行うため、過渡の状況を解析できる。固有ひずみ法による弾性解析では、加熱による板(解析モデル)の変形は、固有変形によって発生すると考える。この固有変形が既知であれば、加熱による板の変形が、弾性解析において加熱形状に沿って固有変形を強制ひずみとして加えることで予測可能となる。したがって、固有ひずみ法による弾性解析では、予め算出または測定した固有ひずみを用いて構造解析を行う。例えば、FEM熱弾塑性解析を用いて算出した固有ひずみ、または実際に加熱して変形させた板を測定することにより得られる固有ひずみを固有ひずみ法による弾性解析に用いることができる。また、固有ひずみ法による弾性解析は、予め算出または測定した入熱量と固有ひずみとの関係を表す式を用いて行うことができる。また、固有ひずみ法は、弾性解析であるため、計算時間が熱弾塑性解析に比べてかなり短時間であることが特徴として挙げられる。
次に、解析結果である第1形状候補と目的形状とを比較し、第1形状候補と目的形状との誤差を評価する。そして、この誤差および設定した第1加熱条件候補を記憶部に保存する。評価指標としては、例えば、節点の面外方向変位量または曲率とすることができる。図4は、評価指標を節点4aの面外方向変位量Dとした場合における第1形状候補と目的形状との比較の説明図である。図4中、第1形状候補は要素3aおよび節点4aを有する。例えば図4に示すように、第1形状候補の節点4aから、対応する、要素3bおよび節点4bを有する目的形状の節点4bまでの面外方向の変位量(誤差)を算出する。元形状解析モデル入力から第1加熱条件候補および第1形状候補の保存までのフローを1回目の試行という。
1回目の試行により得られた第1形状候補と目的形状との誤差が小さく、許容範囲内である場合、上記第1加熱条件候補を加熱方案として算出される。一方、第1形状候補と目的形状との誤差が許容範囲外である場合、2回目の試行を行う。
2回目の試行は、第1加熱条件候補により加熱変形した板を次に加熱して変形させるための加熱条件である第2加熱条件候補を出力するためのものである。2回目の試行は、基本的には1回目のフローと同じであるが、ベイズ最適化には、1回目の試行において使用された予測関数を用いる。また、2回目の試行では、ベイズ最適化に入力する元形状解析モデルを第1形状候補の解析モデルとする。2回目の試行におけるベイズ最適化では、1回目の試行におけるベイズ最適化にて作成された目的関数は削除された状態で行われる。すなわち、2回目の試行におけるベイズ最適化に用いる教師データ群は、ニューラルネットワークを用いた変形予測と有限要素法構造解析による解析結果を組み合わせて用いることができる。このように、ニューラルネットワークと有限要素法構造解析とを、計算速度と予測精度を考慮して効率的に使い分けることができる。これにより、1回目の試行におけるベイズ最適化で得られた予測関数と、有限要素法構造解析とを用いて最適な加熱形状を探索することで、少ない回数で最適な加熱条件を得ることができる。このようにして、ベイズ最適化により、評価値の高い加熱条件が出力され、当該加熱条件を第2加熱条件候補(例えば、図3に示す第2加熱条件候補5b)として決定する。なお、ベイズ最適化により得られた加熱条件のうち、最も評価値の高い加熱条件を第2加熱条件候補とすることが好ましいが、その他の加熱条件を第2加熱条件候補としてもよい。
そして、得られた第2加熱条件候補をひずみデータに変換し、有限要素法解析ステップS3において、上記ひずみデータを入力して、有限要素法による構造解析を実施して、解析結果として第2形状候補を出力する。このように2回目の試行を行うことにより、第1加熱条件候補および第2加熱条件候補の両方を反映した解析結果(第2形状候補)を得ることができる。
次いで、解析結果である第2形状候補と目的形状とを比較し、第2形状候補と目的形状との誤差を評価し、この誤差および設定した第2加熱条件候補を記憶部に保存する。第2形状候補と目的形状との誤差が小さく、許容範囲内である場合、上記第1加熱条件候補を1回目の加熱条件、第2加熱条件候補を2回目の加熱条件とする加熱方案として算出される。一方、第2形状候補と目的形状との誤差が許容範囲外である場合、3回目の試行を行う。3回目の試行では、元形状解析モデルとして第2形状候補解析モデルを用いること以外は、2回目の試行と同じである。
このようにして、有限要素法解析ステップにより出力される形状候補と目的形状との誤差が許容範囲内である状態となるまで、上記試行が複数回繰り返される。なお、上述のように、第1形状候補と目的形状との差異が許容範囲内である場合、2回目の試行を行う必要はない。そして、n回目(n≧1)の試行で出力された第n形状候補と目的形状との差異が許容範囲内である場合、上記第1加熱条件候補を1回目の加熱条件、第2加熱条件候補を2回目の加熱条件、などとして加熱条件を決定し、n回目までのn回の加熱を順次行うこととする加熱方案が算出される。
すなわち、nが2以上の整数である場合、上記有限要素法解析ステップで得られる形状候補を上記元形状として上記ベイズ最適化を実施し、次加熱条件候補を決定するベイズ最適化ステップと、上記次加熱条件候補をひずみデータに変換し、当該ひずみデータを入力して有限要素法による構造解析を実施して次形状候補を出力する有限要素法解析ステップとを備える上記算出方法により、加熱方案が算出される。
本発明の算出方法によれば、有限要素法構造解析とベイズ最適化とを組み合わせて実行することにより、従来のモンテカルロ法による算出方法に比べて、板を目的形状に近づけるための加熱方案を短時間で算出することができる。さらに、本発明の算出方法により得られる加熱方案は、従来の算出方法により得られる加熱方案に比べて早期に目的形状との誤差和を少ない本数で小さくできる。このため、本発明の算出方法によれば、大変形を含むことで、少ない加熱でより誤差を小さくするような加熱方案を作成できる。さらに、本発明の算出方法によれば、ベイズ最適化を採用しているため、評価値分布を可視化することができる。また、教師データ群の出力に、既に構築されたニューラルネットワークを用いることで、2秒程度で加熱線1本を決めることができる。
本発明の算出方法により算出された加熱方案によりに基づいて板(特に金属板)を加熱(例えば線状加熱)することにより、板を目的形状また当該形状に近い形状に変形させることが可能である。板の加熱は、作業者が行ってもよく、機械で自動的に行ってもよい。上記加熱は、上記n回の加熱条件候補にしたがって、複数を順次行ってもよいし、同時に行ってもよい。板を目的形状により近い形状に変形させることができる観点から、順次行うことが好ましい。このようにして、板について、加熱による曲げ加工やひずみとりを行うことができる。
上記加熱方案に基づき板を加熱し変形させる方法(変形方法)は、n回目(n≧1)の試行で出力された第n加熱条件候補で板を加熱し、板を変形させるステップと、変形した板の立体形状を計測するステップと、計測された板の立体形状と、n回目の試行で実施した有限要素法構造解析の解析結果である第n形状候補とを比較するステップと、比較した結果に基づき板の立体形状が上記解析結果に近づくように板を加熱するステップとを備えることができる。
上記板の立体形状の計測は、三次元測定器を用いて行うことができる。三次元測定器は、接触式であってもよく、走査レーザプローブタイプまたは光学タイプの非接触式であってもよい。上記変形方法により、板を目的形状により近い形状に変形させることが可能である。
上記加熱は、特に限定されず、ガス加熱、レーザ加熱、TIG溶接、MIG溶接、MAG溶接等の公知乃至慣用の熱源を用いた加熱方法により行うことができる。
上記加熱方案に基づく板の変形を自動で行う装置は、上記変形方法を実行するプログラムを搭載する装置(板変形装置)が挙げられる。上記板変形装置は、具体的には、例えば、板を加熱する加熱部と、変形装置を制御する制御部とを備えることができる。制御部は、上記加熱方案を読み込むことができるように設けられ、上記加熱方案に従って板を加熱するように加熱部を制御するように設けられる。機械で自動的に行う上記板変形装置としては、自走式AI加熱ロボットが挙げられる。
上記板変形装置は、n回目(n≧1)の試行で出力された第n加熱条件候補で板を加熱し、板を変形させる変形手段(変形手段(A))と、変形した板の立体形状を計測する計測手段と、計測された板の立体形状と、n回目の試行で実施した有限要素法構造解析の解析結果である第n形状候補とを比較する比較手段と、比較した結果に基づき板の立体形状が上記解析結果に近づくように板を加熱する変形手段(変形手段(B))とを備えることが好ましい。
上記板変形装置を使用する際、上記板変形装置には、加工対象である板の情報(寸法、材質など)、目的形状、加熱情報データベース(入熱量、加熱方法、加熱速度、焼き方、冷却水の有無、塑性ひずみ)などを入力する。また、上記板変形装置は、上記加熱方案を生成する手段、上記加熱方案を生成する手段により加熱方案および変形予測を出力する手段、上記変形予測と上記目的形状との誤差を出力しフィードバックする手段、および上記フィードバックにより次の加熱方案を生成する手段のうちの1以上をさらに備えていてもよい。
[記録媒体]
本発明の算出方法を記録媒体に格納することにより、本発明の算出方法が格納された記録媒体を得ることができる。上記記録媒体は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体であって、上記プログラムを格納する記録媒体である。
上記記録媒体としては、上記プログラムをコンピュータに提供し、コンピュータに実行させることが可能な記録媒体である。上記記録媒体としては、例えば、例えば、CD-ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカードなどが挙げられる。
[装置]
本発明の装置は、本発明の算出方法によって加熱方案を取得する作業を実行するための演算部を備えた装置(コンピュータシステム)である。上記装置は、例えば、演算部、表示部、記録媒体、キーボード、およびポインティングデバイスなどから構成される。
演算部は、コンピュータ全体を制御する中央処理装置である。表示部は、演算部が実行する制御における各種入力条件や解析結果などを表示する。記憶部は、演算部が導いた解析結果などを保存する記録媒体である。キーボードは、各種入力条件などを作業者が入力するために用いられる。ポインティングデバイスは、マウス、トラックボールなどで構成される。
具体的には、上記装置は、ユーザが入力した加熱条件に基づいて塑性ひずみを推定する塑性ひずみ推定モジュールと、ユーザが入力した加工対象(加工対象物の材質や形状、寸法など)、目的形状、および上記塑性ひずみに基づいて加熱方案を算出する加熱方案算出モジュールとを備える。上記塑性ひずみ推定モジュールにより推定される塑性ひずみを複数蓄積して加熱条件データベースを作成するデータベース作成モジュールを備えていてもよい。この場合、上記加熱方案算出モジュールでは、ユーザが入力した加工対象、目的形状、および上記加熱条件データベースに基づいて加熱方案を算出する。加熱条件データベースを使用することで、内部的な処理の中で解析精度と計算速度が向上する。
上記加熱条件としては、例えば、入熱量、加熱手段、加熱速度、加熱形状、冷却水の有無または冷却水の量、加熱回数などが挙げられる。上記加熱条件は、その他に、三角焼き点焼き、松葉焼など直線、曲線以外の加熱形状の選択可否、加熱禁止領域の設定、事前に一様曲率を与えるプレス加工を行うことの可否、形状計測のフィードバックを加熱本数の選択(5本、10本など)、最適化アルゴリズムの選択(モンテカルロ、ベイズ最適化、深層強化学習など)、形状の評価方法の設定(全体形状の変位誤差、領域ごとの曲率評価、全体局所ハイブリッド評価など)、曲線の加熱線を探索する場合に急激な角度変化の打ち切り角の選択いくらか(20度、45度など)などを含んでいてもよい。そして、上記加熱方案の算出により、例えば、これらの加熱条件に加え、加熱位置、加熱回数などが示される。
以上、本開示の各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において、適宜、構成の付加、省略、置換、および変更が可能である。また、本発明は、実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲の記載によってのみ限定される。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
実施例1(曲げ加工:椀形状)
図1に示すフローチャートに従って、椀形状を目的形状とする加熱方案を作成した。図5に目的形状を示す。元形状としては、厚さが4mmのシート状金属板および8mmのシート状金属板の2種を用いた(共に、縦500mm×横500mmの正方形)。入力する教師データとして、加熱線の中点、加熱線の長さ、加熱線の角度、加熱面、および入熱量の6変数を用いた。上記目的形状を算出する条件においてモンテカルロ法と図1に示すフローチャートによる加熱方案とを比較した。図6に、厚さ8mmモデルについて算出された加熱方案を、図7に、厚さ4mmモデルについて算出された加熱方案を、それぞれ示す。図6および図7において、(a)はモンテカルロ法により得られた加熱方案を、(b)は図1に示すフローチャートに沿って得られた加熱方案をそれぞれ示す。図6および図7中の数字はnの値を示す。なお、各実施例において得られた加熱方案において、表面の加熱線を実線で、裏面の加熱線を点線でそれぞれ示している。
図8は加熱線の本数と誤差和との関係を示すグラフである((a)は厚さ8mmモデル、(b)は厚さ4mmモデルである)。図8において、MCはモンテカルロ法により得られた加熱方案を、GPは図1に示すフローチャートに沿って得られた加熱方案を、それぞれ示す。なお、グラフ中、「GP」または「MC」の後に記載された数字は1加熱線あたりの変形解析の数を示す。図8に示すように、GPの誤差推移の方が、MCの誤差推移に対して少ない本数で誤差和を小さくできており、特に厚さ4mmモデルではその差が大きかった。薄板では横収縮による面外変形による大変形が発生するため、これらを探索により発見できるかどうかがこの差につながったと考えられる。また、図7(b)に示すように、厚さ4mmモデルでは、曲げに加えて、鋼板の端部分に大入熱を入れることで収縮させ、絞ることで大きな変形を得ている。
実施例2(曲げ加工:鞍形状)
目的形状を図9に示す鞍形状としたこと以外は、実施例1と同様にして加熱方案を作成した。そして、上記目的形状を算出する条件においてモンテカルロ法と図1に示すフローチャートによる加熱方案とを比較した。図10に、厚さ8mmモデルについて算出された加熱方案を、図11に、厚さ4mmモデルについて算出された加熱方案を、それぞれ示す。図10および図11において、(a)はモンテカルロ法により得られた加熱方案を、(b)は図1に示すフローチャートに沿って得られた加熱方案をそれぞれ示す。図10および図11中の数字はnの値を示す。
図12は加熱線の本数と誤差和との関係を示すグラフである((a)は厚さ8mmモデル、(b)は厚さ4mmモデルである)。図12において、MCはモンテカルロ法により得られた加熱方案を、GPは図1に示すフローチャートに沿って得られた加熱方案を、それぞれ示す。なお、グラフ中、「GP」または「MC」の後に記載された数字は1加熱線あたりの変形解析の数を示す。図12に示すように、厚さ4mmモデルおよび厚さ8mmモデルのいずれにおいても、GPの誤差推移の方が、MCの誤差推移に対して少ない本数で誤差和を小さくできたことが確認された。また、図11に示すように、厚さ4mmモデルでは、中央に大きな入熱の加熱線を用いることで絞りが発生していることが確認できた。
以上、実施例1および2に示すように、本発明の算出方法によれば、大変形を効率的に使うことで、少ない加熱線でより誤差を小さくするような加熱方案を作成できることが確認された。
実施例3(ひずみとり:防撓構造)
図13に示す防撓構造を溶接によって作製した際に発生する角変形をモデル化し、図1に示すフローチャートに従って、上記モデルのひずみを取るような加熱方案を作成した。得られた加熱方案を図14に示す。加熱方案ではリブ材の裏側を焼いている様子が確認できた。図15は、加熱を行ったときの変形解析結果を示したものである。図15では、ひずみが取れていく様子が確認できる。リブ材に囲まれた中央の二つの区画のひずみを取ることは従来技術では困難であったが、本発明の算出方法により得られた加熱方案では良好に取れていくことが確認できた。
実施例4(ひずみとり:捻れ変形)
防撓構造を作製する際に溶接条件によっては捻れ変形が発生する場合がある。このような捻れ変形を再現したモデル(図16)を作成し、図1に示すフローチャートに従って、上記モデルのひずみをとるような加熱方案を作成した。得られた加熱方案を図17に示す。加熱方案では横板で捻れ型を作製するような加熱線に加えて、リブ材の裏を大きな入熱で加熱していることが確認できた。図18は、加熱を行ったときの変形解析結果を示したものである。図18では、ひずみが取れていく様子が確認できる。このように構造物を溶接することで生じたひずみを自動的にとることができれば様々な構造物の作製に用いることができる。
実施例5(ベイズ最適化における評価分布の可視化:椀形状)
ベイズ最適化では、最適の加熱条件候補を探索するだけではなく、出力の評価値を関数として推定することができる。そこで、実施例1において加熱方案を作製する際に用いた、加熱線の中点、加熱線の長さ、加熱線の角度、加熱面、および入熱量の6変数のうち、加熱線の中点の座標(x、y)を重視した可視化を行ったものを図19(1本目の加熱線)および図20(2本目の加熱線)に示す。それぞれの評価分布は加熱線長さ、加熱面、および加熱角度を固定した際の中点の評価値を表している。図19に示すように、左側2列中、長さ200mmにおける可視化図の評価が高くなっている。このことから、1本目の加熱線は表面横方向または表面縦方向で、加熱線長さが長いものの評価値が高く、その中でも中点を鋼板の中央に取るのが良いことを可視化している。さらに、図20に示すように、図19と同様に左側2列中、長さ200mmにおける可視化図の評価が高くなっている。このことから、2本目の加熱線は1本目の加熱線に直交するような加熱線が最適であることを可視化している。この解析では斜め方向の加熱線は図19の可視化においては、理解しづらくなるために実行していないが、ベイズ最適化を用いたシステムで斜め方向の加熱線を取り扱うことは可能である。
実施例6(ベイズ最適化における評価分布の可視化:鞍形状)
実施例5と同様にして、実施例2において加熱方案を作製する際に用いた、加熱線の中点、加熱線の長さ、加熱線の角度、加熱面、および入熱量の6変数のうち、加熱線の中点の座標(x、y)を重視した可視化を行ったものを図21(10本目の加熱線)に示す。椀形状の場合と同様に、6変数の設計変数から評価値yを推定できていることが確認できた。
以上、実施例5および6に示すように、本発明の算出方法によれば、複雑な関数形状を推定し、可視化することができることが確認できた。
実施例7(ベイズ最適化における評価分布の可視化:ひずみとり)
防撓構造におけるひずみとりのための加熱線の可視化を行った。実施例5と同様にして、実施例3において加熱方案を作製する際に用いた、加熱線の中点、加熱線の長さ、加熱線の角度、加熱面、および入熱量の6変数のうち、加熱線の中点の座標(x、y)を重視した可視化を行った。1本目の加熱線に関しての可視化結果は図22に示す通りであった。図22の(a)は1本目の加熱線による加熱を行った際における評価値の分布を示し、(b)当該加熱後の変形を示す。図22に示すように、3つの峰が形成されている様子が確認できる。この3つの峰は防撓構造のリブ材のうら面であり、防撓構造のひずみ取りではリブ材の真裏が最優先で焼くべき加熱条件であることが鮮明に可視化されている。これは「防撓構造の最適解は強い制約条件を受けるため最適解が少ない」ことを可視化できている。
実施例8(ベイズ最適化における評価分布の可視化:ひずみとり)
防撓構造におけるひずみとりのための加熱線の可視化を行った。実施例7と同様にして、実施例3において加熱方案を作製する際に用いた、加熱線の中点、加熱線の長さ、加熱線の角度、加熱面、および入熱量の6変数のうち、加熱線の中点の座標(x、y)を重視した可視化を行った。図23に、(a)加熱方案作成に用いた防撓構造の解析モデルおよび(b)得られた加熱方案に従って加熱を行ったときの変形解析結果を示す。図24に、算出された加熱方案を、図25に、上記加熱方案作成における誤差推移をそれぞれ示す。図24に示すように、得られた加熱方案によれば、リブ材の裏側を加熱し、さらにリブ材に囲まれた区画の中央を表面から加熱している。そして図23に示すように、この加熱方案によって溶接変形が3mmから0.1mmにひずみとりができることが分かる。また、図25から、本発明を適用した実施例8は、従来のランダムに探索を行った従来のモンテカルロ法よりも少ない探索回数で誤差が収束していることが確認できる。探索回数が少なければ少ないほど、作業性が良いため探索回数の削減は重要である。
実施例9(ベイズ最適化における評価分布の可視化:ひずみとり)
防撓構造におけるひずみとりのための加熱線の可視化を行った。実施例7と同様にして、実施例3において加熱方案を作製する際に用いた、加熱線の中点、加熱線の長さ、加熱線の角度、加熱面、および入熱量の6変数のうち、加熱線の中点の座標(x、y)を重視した可視化を行った。図26に、(a)加熱方案作成に用いた防撓構造の解析モデルおよび(b)得られた加熱方案に従って加熱を行ったときの変形解析結果を示す。図27に、算出された加熱方案を、図28に、上記加熱方案作成における誤差推移をそれぞれ示す。図27に示すように、得られた加熱方案によれば、実施例8と同様に、リブ材の裏側を加熱し、さらにリブ材に囲まれた区画の中央を表面から加熱している。そして図26に示すように、この加熱方案によって溶接変形が2mmから0.3mmにひずみとりができることが分かる。また、図28から、本発明を適用した実施例9は、従来のランダムに探索を行った従来のモンテカルロ法よりも少ない探索回数で誤差が収束していることが確認できる。探索回数が少なければ少ないほど、作業性が良いため探索回数の削減は重要である。
S1 教師データ群出力ステップ
S2 ベイズ最適化ステップ
S3 有限要素法解析ステップ
1 解析モデル
2 板
3 要素
3a 第1形状候補における要素
3b 目的形状における要素
4 節点
4a 第1形状候補における節点
4b 目的形状における節点
5a 第1加熱条件候補
5b 第2加熱条件候補
D 節点の面外方向変位量

Claims (17)

  1. 加熱により板を変形させるための加熱方案の算出方法であって、
    ニューラルネットワークを用いた変形予測により、前記板の形状を元形状とし、前記元形状の解析モデルの任意の位置に設定した加熱形状を含む加熱条件と、当該加熱条件に基づき算出された変形形状の評価値との組み合わせを複数含む教師データ群を出力する教師データ群出力ステップと、
    前記加熱条件および前記教師データ群を入力してベイズ最適化を実施し、加熱条件候補を決定するベイズ最適化ステップと、
    前記加熱条件候補をひずみデータに変換し、当該ひずみデータを入力して有限要素法による構造解析を実施して形状候補を出力する有限要素法解析ステップとを備える、算出方法。
  2. 前記有限要素法解析ステップで得られる前記形状候補を前記元形状として前記ベイズ最適化を実施し、次加熱条件候補を決定するベイズ最適化ステップと、
    前記次加熱条件候補をひずみデータに変換し、当該ひずみデータを入力して有限要素法による構造解析を実施して次形状候補を出力する有限要素法解析ステップとを備える、請求項に記載の算出方法。
  3. 前記次形状候補を前記元形状として前記ベイズ最適化およびこれに続く前記有限要素法解析ステップを繰り返し実施し、目的形状と、前記目的形状を得るための複数の加熱条件候補とを取得する、請求項に記載の算出方法。
  4. 前記加熱形状は加熱線を含み、前記加熱条件は、加熱線の中点、加熱線の長さ、加熱線の角度、加熱面、および入熱量を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の算出方法。
  5. 加熱により、板の曲げ加工、または、板のひずみとりを行うための加熱方案の算出方法である、請求項1~のいずれか1項に記載の算出方法。
  6. 前記加熱方案の算出に際し、加工対象である前記板の目的形状を入力し、前記ベイズ最適化において前記目的形状との差分が小さい形状を得ることができる加熱条件候補を出力する、請求項1~のいずれか1項に記載の算出方法。
  7. 前記ベイズ最適化に際し、加工対象である前記板の目的形状の解析モデルを用い、前記ベイズ最適化において前記目的形状の解析モデルとの差分が小さい形状を得ることができる加熱条件候補を出力する、請求項1~のいずれか1項に記載の算出方法。
  8. 請求項1~のいずれか1項に記載の算出方法を実行させるためのプログラム。
  9. コンピュータで読み取り可能な記録媒体であって、請求項に記載のプログラムを格納する記録媒体。
  10. 請求項1~のいずれか1項に記載の算出方法による加熱方案の取得を実行する演算部を備えた装置。
  11. 加熱により板を変形させるための加熱方案を算出するための装置であり、
    ユーザが入力した加熱条件に基づいて塑性ひずみを推定する塑性ひずみ推定モジュールと、ユーザが入力した加工対象、目的形状、および前記塑性ひずみに基づいて加熱方案を算出する加熱方案算出モジュールとを備える、請求項10に記載の装置。
  12. 前記塑性ひずみ推定モジュールにより推定される塑性ひずみを複数蓄積して加熱条件データベースを作成するデータベース作成モジュールを備え、前記加熱方案算出モジュールでは、ユーザが入力した加工対象、目的形状、および前記加熱条件データベースに基づいて加熱方案を算出する、請求項11に記載の装置。
  13. 請求項1~のいずれか1項に記載の算出方法により算出された加熱方案に基づいて板を加熱し変形させる変形方法。
  14. 請求項13に記載の変形方法を実行するプログラムを搭載する板変形装置。
  15. 板を加熱する加熱部と、変形装置を制御する制御部とを備え、前記制御部は、請求項1~のいずれか1項に記載の加熱方案を読み込むことができるように設けられている、板変形装置。
  16. n回目(n≧1)の試行で出力された第n加熱条件候補で板を加熱し、板を変形させる変形手段(A)と、変形した板の立体形状を計測する計測手段と、計測された板の立体形状と、n回目の試行で実施した有限要素法構造解析の解析結果である第n形状候補とを比較する比較手段と、比較した結果に基づき板の立体形状が前記解析結果に近づくように板を加熱する変形手段(B)とを備える、請求項15に記載の板変形装置。
  17. 請求項1~のいずれか1項に記載の算出方法により算出された加熱方案に基づいて板を加熱し変形させる工程を備える、変形板の製造方法。
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