JP7577653B2 - 化合物又はその塩の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の一態様は、上記事情に鑑みなされたものであり、OSDAとして有用である新規化合物、及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明の別の一態様は、上記事情に鑑みなされたものであり、OSDAとして有用であり、安全且つ容易に合成できる新規化合物及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記〔1〕に記載の化合物及び/又はその塩を含む、ゼオライト合成用構造規定剤。
式(2)で表される化合物を準備する工程と、
前記式(2)で表される化合物を、アルキル化試薬を用いてN-アルキル化する工程と、を少なくとも含む、式(1)で表される化合物又はその塩の製造方法。
水以外の組成が、下記組成:
Ma/bQcSi48-dAldO96
(式中、Mは金属カチオン、aは1~10、bはMの価数、Qは請求項1に記載の化合物及び/又はその塩に由来するカチオン、cは0.5~2、dは4~12を表す。)により表される
AFX型ゼオライト。
X線回折データが、以下の2θ値(°):7.50±0.15、8.71±0.15、11.60±0.15、13.01±0.15、15.67±0.15、17.46±0.15、17.72±0.15、19.93±0.15、20.42±0.15、21.84±0.15、23.47±0.15、26.19±0.15、27.79±0.15、30.67±0.15、31.65±0.15、及び33.56±0.15を含む
上記〔4〕に記載のAFX型ゼオライト。
SAR(SiO2/Al2O3比)が、10以上30以下であり、
粉末X線回折分析によって得られるXRDチャートにおいて、2θ=21.77°±0.15°が最強線であり、
平均粒子径が、0.6μm以上である
AFX型ゼオライト。
X線回折データが、以下の2θ値(°):7.46±0.15、8.69±0.15、11.64±0.15、12.93±0.15、15.60±0.15、17.43±0.15、17.90±0.15、19.81±0.15、20.32±0.15、21.77±0.15、23.67±0.15、26.03±0.15、28.05±0.15、30.49±0.15、31.50±0.15、及び33.71±0.15を含む
上記〔6〕に記載のAFX型ゼオライト。
SAR(SiO2/Al2O3比)が、10以上30以下であり、
粉末X線回折分析によって得られるXRDチャートにおいて、2θ=21.77°±0.15°が最強線であり、
平均粒子径が、0.6μm以上であり、
遷移金属が担持された、
AFX型ゼオライト。
シリカ及びアルミナ源、
下記式(1)で表される化合物及び/又はその塩を含む有機構造規定剤(OSDA):
アルカリ金属水酸化物、及び
水
を少なくとも含む混合物を調製する工程、並びに
前記混合物を水熱処理してAFX型ゼオライトを合成する工程
を少なくとも含む、
〔4〕~〔8〕のいずれか一項に記載のAFX型ゼオライトの製造方法。
シリカ及びアルミナ源、
下記式(1)で表される化合物及び/又はその塩を含む有機構造規定剤(OSDA):
アルカリ金属水酸化物、及び
水
を少なくとも含む混合物を調製する工程、並びに
前記混合物を水熱処理してAFX型ゼオライトを合成する工程
前記水熱処理する工程の後、得られた前記AFX型ゼオライトをさらに焼成する工程を少なくとも含む
〔6〕~〔8〕のいずれか一項に記載のAFX型ゼオライトの製造方法。
シリカ及びアルミナ源、
下記式(1)で表される化合物及び/又はその塩を含む有機構造規定剤(OSDA):
アルカリ金属水酸化物、及び
水
を少なくとも含む混合物を調製する工程、並びに
前記混合物を水熱処理してAFX型ゼオライトを合成する工程
前記水熱処理する工程の後、得られた前記AFX型ゼオライトをさらに焼成する工程
前記焼成する工程の後、遷移金属を担持する工程
を少なくとも含む
〔8〕に記載のAFX型ゼオライトの製造方法。
式(A)で表される化合物を準備する工程(工程I)と、
前記式(A)で表される化合物を、触媒を用いて水素源と反応させて、式(2)で表される化合物を得る工程(工程II)と、
前記式(2)で表される化合物を、アルキル化試薬を用いてN-アルキル化する工程(工程III)と、
を少なくとも含む、式(1)で表される化合物又はその塩の製造方法。
シリカ及びアルミナ源、
下記式(1)で表される化合物及び/又はその塩を含む有機構造規定剤(OSDA):
アルカリ金属水酸化物、及び
水
を少なくとも含む混合物を調製する工程、並びに
前記混合物を水熱処理してAFX型ゼオライトを合成する工程
を少なくとも含む、AFX型ゼオライトの製造方法。
N,N'-ジアルキルビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3:5,6-テトラカルボキシジイミドを、Pt-V/Z触媒を用いて水素源と反応させN,N'-ジアルキルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジンを得る工程、及び、
前記N,N'-ジアルキルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジンを、アルキル化試薬を用いてN-アルキル化して式(1)で表される化合物及び/又はその塩を含む前記有機構造規定剤(OSDA)を得る工程を含む
上記〔13〕に記載のAFX型ゼオライトの製造方法。
マクロ孔を有する、AFX型ゼオライト。
上記〔8〕又は〔15〕記載のAFX型ゼオライトをハニカム担体に塗布した、ハニカム積層触媒。
前記式(1)におけるR1~R4が、同一のアルキル基である
[A1]に記載の化合物又はその塩。
前記式(1)におけるR1~R4が、それぞれエチル基である
[A1]又は[A2]に記載の化合物又はその塩。
[A1]~[A3]のいずれかに記載の化合物及び/又はその塩を含む、ゼオライト合成用構造規定剤。
式(2)で表される化合物を準備する工程と、
前記式(2)で表される化合物を、アルキル化試薬を用いてN-アルキル化する工程と、を少なくとも含む、式(1)で表される化合物又はその塩の製造方法。
前記アルキル化試薬が、R'-Xで表される
(R'は、アルキル基であり、Xは、ハロゲン原子及び置換基を有していてもよいスルホニル基からなる群から選択される1以上の脱離基である。)
[A5]に記載の製造方法。
前記アルキル化試薬が、ハロゲン化アルキルである
[A6]に記載の製造方法。
前記アルキル化試薬が、ハロゲン化エチルであり、
前記式(1)及び(2)におけるR1及びR2が、エチル基であり、
前記式(1)におけるR3及びR4が、エチル基である
[A5]に記載の製造方法。
水以外の組成が、下記組成:
Ma/bQcSi48-dAldO96
(式中、Mは金属カチオン、aは1~10、bはMの価数、Qは[1]~[3]のいずれかに記載の化合物及び/又はその塩に由来するカチオン、cは0.5~2、dは4~12を表す。)により表される
AFX型ゼオライト。
X線回折データが、以下の2θ値(°):7.50±0.15、8.71±0.15、11.60±0.15、13.01±0.15、15.67±0.15、17.46±0.15、17.72±0.15、19.93±0.15、20.42±0.15、21.84±0.15、23.47±0.15、26.19±0.15、27.79±0.15、30.67±0.15、31.65±0.15、及び33.56±0.15を含む
[A9]に記載のAFX型ゼオライト。
SAR(SiO2/Al2O3比)が、10以上30以下であり、
粉末X線回折分析によって得られるXRDチャートにおいて、2θ=21.77°±0.15°が最強線であり、
平均粒子径が、0.6μm以上である
AFX型ゼオライト。
X線回折データが、以下の2θ値(°):7.46±0.15、8.69±0.15、11.64±0.15、12.93±0.15、15.60±0.15、17.43±0.15、17.90±0.15、19.81±0.15、20.32±0.15、21.77±0.15、23.67±0.15、26.03±0.15、28.05±0.15、30.49±0.15、31.50±0.15、及び33.71±0.15を含む
[A11]に記載のAFX型ゼオライト。
平均粒子径が、1.0μm以上3.0μm以下である
[A11]又は[A12]に記載のAFX型ゼオライト。
SAR(SiO2/Al2O3比)が、10以上30以下であり、
粉末X線回折分析によって得られるXRDチャートにおいて、2θ=21.77°±0.15°が最強線であり、
平均粒子径が、0.6μm以上であり、
遷移金属が担持された、
AFX型ゼオライト。
[A14]に記載のAFX型ゼオライト、及びハニカム担体を備えた
ハニカム積層触媒。
シリカ及びアルミナ源、
下記式(1)で表される化合物及び/又はその塩を含む有機構造規定剤(OSDA):
アルカリ金属水酸化物、及び
水
を少なくとも含む混合物を調製する工程、並びに
前記混合物を水熱処理してAFX型ゼオライトを合成する工程
を少なくとも含む、
[A9]~[A14]のいずれかに記載のAFX型ゼオライトの製造方法。
シリカ及びアルミナ源、
下記式(1)で表される化合物及び/又はその塩を含む有機構造規定剤(OSDA):
アルカリ金属水酸化物、及び
水
を少なくとも含む混合物を調製する工程、並びに
前記混合物を水熱処理してAFX型ゼオライトを合成する工程
前記水熱処理する工程の後、得られた前記AFX型ゼオライトをさらに焼成する工程を少なくとも含む
[A11]~[A14]のいずれかに記載のAFX型ゼオライトの製造方法。
シリカ及びアルミナ源、
下記式(1)で表される化合物及び/又はその塩を含む有機構造規定剤(OSDA):
アルカリ金属水酸化物、及び
水
を少なくとも含む混合物を調製する工程、並びに
前記混合物を水熱処理してAFX型ゼオライトを合成する工程
前記水熱処理する工程の後、得られた前記AFX型ゼオライトをさらに焼成する工程
前記焼成する工程の後、遷移金属を担持する工程
を少なくとも含む
[A14]に記載のAFX型ゼオライトの製造方法。
式(A)で表される化合物を準備する工程(工程I)と、
前記式(A)で表される化合物を、触媒を用いて水素源と反応させて、式(2)で表される化合物を得る工程(工程II)と、
前記式(2)で表される化合物を、アルキル化試薬を用いてN-アルキル化する工程(工程III)と、
を少なくとも含む、式(1)で表される化合物又はその塩の製造方法。
前記水素源が、分子状水素である
[B1]に記載の製造方法。
前記工程IIが、湿式プロセス下で行われる
[B1]又は[B2]に記載の製造方法。
前記触媒が、不均一系触媒である
[B1]~[B3]のいずれかに記載の製造方法。
前記アルキル化試薬が、R'-Xで表される
(R'は、アルキル基であり、Xは、ハロゲン原子及び置換基を有していてもよいスルホニル基からなる群から選択される1以上の脱離基である。)
[B1]~[B4]のいずれかに記載の製造方法。
前記アルキル化試薬が、ハロゲン化アルキルである
[B5]に記載の製造方法。
前記アルキル化試薬が、ハロゲン化エチルである、
[B6]に記載の製造方法。
前記式(A)、式(1)及び(2)におけるR1及びR2が、エチル基であり、
前記式(1)におけるR3及びR4が、エチル基である
[B1]~[B7]のいずれかに記載の製造方法。
シリカ及びアルミナ源、
下記式(1)で表される化合物及び/又はその塩を含む有機構造規定剤(OSDA):
アルカリ金属水酸化物、及び
水
を少なくとも含む混合物を調製する工程、並びに
前記混合物を水熱処理してAFX型ゼオライトを合成する工程
を少なくとも含む、AFX型ゼオライトの製造方法。
前記式(1)におけるR1~R4が、同一のアルキル基である
[C1]に記載のAFX型ゼオライトの製造方法。
前記式(1)におけるR1~R4が、それぞれエチル基である
[C1]又は[C2]に記載のAFX型ゼオライトの製造方法。
前記混合物中のシリカアルミナ比(SiO2/Al2O3)が、5~30である
[C1]~[C3]のいずれかに記載のAFX型ゼオライトの製造方法。
前記AFX型ゼオライトの水以外の組成が、下記組成:
Ma/bQcSi48-dAldO96
(式中、Mは金属カチオン、aは1~10、bはMの価数、Qは前記(1)で表される化合物及び/又はその塩に由来するカチオン、cは0.5~2、dは4~12を表す。)により表される
[C1]~[C4]のいずれかに記載のAFX型ゼオライトの製造方法。
前記AFX型ゼオライトのX線回折データが、以下の2θ値(°):7.50±0.15、8.71±0.15、11.60±0.15、13.01±0.15、15.67±0.15、17.46±0.15、17.72±0.15、19.93±0.15、20.42±0.15、21.84±0.15、23.47±0.15、26.19±0.15、27.79±0.15、30.67±0.15、31.65±0.15、及び33.56±0.15を含む
[C1]~[C5]のいずれかに記載のAFX型ゼオライトの製造方法。
前記混合物を調製する工程においては、シリカ源(但し、前記シリカ及びアルミナ源に該当するものは除く。)をさらに含む前記混合物を調製する
[C1]~[C6]のいずれかに記載のAFX型ゼオライトの製造方法。
前記混合物を調製する工程においては、アルミナ源(但し、前記シリカ及びアルミナ源に該当するものは除く。)をさらに含む前記混合物を調製する
[C1]~[C7]のいずれかに記載のAFX型ゼオライトの製造方法。
前記混合物を調製する工程においては、アルミノ珪酸塩のシード結晶をさらに含む前記混合物を調製する
[C1]~[C8]のいずれかに記載のAFX型ゼオライトの製造方法。
前記水熱処理する工程の後、得られた前記AFX型ゼオライトをさらに焼成する工程を含む
[C1]~[C9]のいずれかに記載のAFX型ゼオライトの製造方法。
焼成後の前記AFX型ゼオライトの水以外の組成が、下記組成:
Ma/bH2cSi48-dAldO96
(式中、Mは金属カチオン、aは1~10、bはMの価数、Qは前記(1)で表される化合物及び/又はその塩、cは0.5~2、dは4~12を表す。)により表される
[C10]に記載のAFX型ゼオライトの製造方法。
得られた前記AFX型ゼオライトをNH4+型及び/又はH+型にイオン交換する工程をさらに有する
[C1]~[C11]のいずれかに記載のAFX型ゼオライトの製造方法。
N,N'-ジアルキルビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3:5,6-テトラカルボキシジイミドを、Pt-V/Z触媒を用いて水素源と反応させN,N'-ジアルキルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジンを得る工程、及び、
前記N,N'-ジアルキルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジンを、アルキル化試薬を用いてN-アルキル化して式(1)で表される化合物及び/又はその塩を含む前記有機構造規定剤(OSDA)を得る工程を含む
[C1]~[C12]のいずれかに記載のAFX型ゼオライトの製造方法。
マクロ孔を有する、AFX型ゼオライト。
SAR(SiO2/Al2O3比)が、10以上30以下であり、
粉末X線回折分析によって得られるXRDチャートにおいて、2θ=21.77°±0.15°が最強線であり、
平均粒子径が、0.6μm以上である
[D1]に記載のAFX型ゼオライト。
X線回折データが、以下の2θ値(°):7.46±0.15、8.69±0.15、11.64±0.15、12.93±0.15、15.60±0.15、17.43±0.15、17.90±0.15、19.81±0.15、20.32±0.15、21.77±0.15、23.67±0.15、26.03±0.15、28.05±0.15、30.49±0.15、31.50±0.15、及び33.71±0.15を含む
[D1]又は[D2]に記載のAFX型ゼオライト。
平均粒子径が、1.0μm以上3.0μm以下である
[D1]~[D3]のいずれかに記載のAFX型ゼオライト。
SAR(SiO2/Al2O3比)が、10以上30以下であり、
粉末X線回折分析によって得られるXRDチャートにおいて、2θ=21.77°±0.15°が最強線であり、
平均粒子径が、0.6μm以上であり、
遷移金属が担持された、
[D1]に記載のAFX型ゼオライト。
[D1]~[D5]のいずれか一項に記載のAFX型ゼオライト、及びハニカム担体を備えた
ハニカム積層触媒。
[D1]~[D5]のいずれか一項に記載のAFX型ゼオライトをハニカム担体に塗布した、
ハニカム積層触媒。
本発明の一態様の化合物の製造方法により、安全且つ容易に、ゼオライト等の多孔結晶材料の原料になる化合物(OSDA)として有用である化合物を提供することができる。
本発明の一態様のゼオライトの製造方法により、AFX型ゼオライトを効率的に製造することが可能である。
本発明の一態様のAFX型ゼオライトをハニカム担体に塗布したハニカム積層触媒により、還元成分を使用した窒素酸化物の高効率な浄化が可能である。
本実施形態の化合物は、下記式(1)で表される化合物又はその塩である。本明細書において、「化合物又はその塩」を、上記塩を含めて単に「化合物」ともいう。本実施形態の化合物は、OSDAとして有用である。また、本実施形態の化合物は、LiAlH4等の取り扱いや反応の制御が難しい還元剤試薬を使用することなく、簡便且つ安全に合成することができる化合物を出発物として使用可能なため、工業的に殊に有利である。また、本実施形態の化合物をAFX型ゼオライトの製造に用いると、AFX型ゼオライトを単相で得ることができる。
本明細書において、下記式(1)で表される化合物は、N,N,N',N'-テトラアルキルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウムともいう。
アルキル基としては、炭素数1~4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を好適に挙げることができ、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
これらのアルキル基の中でも、炭素数1~3のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1~2のアルキル基である。具体的には、アルキル基としては、好ましくはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基であり、さらに好ましくはエチル基である。
本実施形態の式(1)で表される化合物は、公知の合成ルートで製造することができ、その製造方法は特に限定されない。好ましい製造方法の一例としては、下記式(2)で表される化合物を、アルキル化試薬を用いてN-アルキル化する工程を含む製造方法が挙げられる。ここで、下記式(2)で表される化合物は、N,N'-ジアルキルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジンともいう。本実施形態の特に好適な製造方法は、以下のスキームで表すことができる。
アルキル化試薬としては、好ましくはハロゲン化アルキルであり、より好ましくはハロゲン化メチル、ハロゲン化エチルである。
一方、本実施形態の化合物(塩)は、上述のようにして、アルキル化により得られる塩、すなわち、Xがカウンターアニオンである塩をゼオライトの合成にそのまま用いることができる。したがって、この場合は、水酸化物を調製する手間を省くことができ、ゼオライトの製造を効率的に行うことができる。また、例えば水酸化物として用いる場合には、従来と同様に、水酸化物型の陰イオン交換樹脂でイオン交換し、濃縮する等すればよい。
溶媒は、式(2)で表される化合物を溶解できれば特に制限されず、反応温度や反応物等に応じて適宜選択すればよい。
溶媒としては、例えば、水;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;アセトニトリル、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒;テトラヒドロフラン(以下、THFとも記載する。)、ジエチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒;等が挙げられる。これら溶媒は、1種を単独であるいは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
これらの溶媒の中でも、好ましくはアルコール系溶媒である。
反応時間は、GC-MS等を用い反応の進行状況をモニタリングすることによって適宜調整すればよく、通常1分~100時間、好ましくは0.5時間~70時間、より好ましくは1時間~60時間である。
また、後処理として、イオン交換樹脂等を用いることにより、カウンターアニオンの調整を行って、塩を得てもよい。具体的には、前記式(2)で表される化合物を、アルキル化試薬を用いてN-アルキル化する工程の後、得られた化合物を適宜溶媒に溶解し、イオン交換樹脂と接触させることにより、所望の塩とすることができる。
反応時間は、GC-MS等を用い反応の進行状況をモニタリングすることによって適宜調整すればよく、通常1分~1000時間、好ましくは0.5時間~300時間、より好ましくは1時間~200時間である。
本実施形態の化合物及びその塩は、ゼオライト製造時の構造規定剤(OSDA;Organic Structure Directing Agents、有機構造規定剤)として用いることができる。すなわち、本実施形態の一つは、式(1)で表される化合物及び/又はその塩を含むゼオライト合成用構造規定剤である。
本実施形態のAFX型ゼオライトの製造方法は、シリカ及びアルミナ源、下記(1)で表される化合物及び/又はその塩を含む有機構造規定剤(OSDA)、アルカリ金属水酸化物、及び水を少なくとも含む混合物を調製する工程、並びに前記混合物を水熱処理してAFX型ゼオライトを合成する工程を少なくとも含む。
本実施形態のAFX型ゼオライトとは、International Zeolite Association Structure Commission(IZA-SC)により"AFX"の三文字コードが与えられたアルミノシリケートである。
原料として用いるシリカ及びアルミナ源としては、シリカアルミナ比(SiO2/Al2O3、以降において「SAR」と称する場合がある。)が2以上50未満のアルミノ珪酸塩(Si-Al元素源)を少なくとも含むものである限り、公知のものを特に制限なく用いることができる。その種類は特に限定されない。ここで、アルミノ珪酸塩とは、ケイ酸塩中のケイ素原子の一部がアルミニウム原子に置き換えられた構造を有するものである。また、シリカアルミナ源の結晶形態については、特に制限するものではないが、非晶質でもよいし、FAUのようなゼオライト構造を有していてもよい。なお、シリカアルミナ比は、5以上40未満が好ましく、より好ましくは10以上30以下である。なお、本明細書において、シリカアルミナ比は、蛍光X線分析から求められる値を意味する。具体的には、Axios(スペクトリシス社)を用いて、試料約5gを20tで加圧成型したサンプルを測定に供し、得られたAl2O3及びSiO2の質量%の結果からSARを算出した。
アルカリ金属源としては、例えば、LiOH、NaOH、KOH、CsOH、RbOH等のアルカリ金属水酸化物、これらアルカリ金属のアルミン酸塩、上述したSi-Al元素源及びSi元素源中に含まれるアルカリ成分等が挙げられる。これらの中でも、NaOH、KOHが好適に用いられる。なお、混合物中のアルカリ金属は、無機構造指向剤としても機能し得るため、結晶性に優れるアルミノ珪酸塩が得られ易い傾向にある。
使用する水は、水道水、RO水、脱イオン水、蒸留水、工業用水、純水、超純水等からを所望性能に応じたものを使用すればよい。また、混合物に対する水の配合方法は、上述した各成分とは別に配合してもよく、或いは、各成分と予め混合しておき、各成分の水溶液或いは分散液として配合してもよい。
Ma/bQcSi48-dAldO96
(式中、Mは金属カチオン、aは1~10、bはMの価数、Qは前記(1)で表される化合物及び/又はその塩に由来するカチオン、cは0.5~2、dは4~12を表す。)により表されることが好ましい。
Ma/bH2cSi48-dAldO96
(式中、Mは金属カチオン、aは1~10、bはMの価数、Qは前記(1)で表される化合物及び/又はその塩、cは0.5~2、dは4~12を表す。)により表されることが好ましい。上記組成のAFX型ゼオライトは、本実施形態の一つである。
なお、結晶化後のアルミノ珪酸塩は、そのイオン交換サイト上にアルカリ金属イオン等の金属イオンを有する場合がある。ここで所望する性能に応じて、イオン交換を行うイオン交換工程を行うことができる。このイオン交換工程では、常法にしたがってアンモニウムイオン(NH4 +)やプロトン(H+)等の非金属カチオンにイオン交換することができる。例えば、アルミノ珪酸塩に対して硝酸アンモニウム水溶液や塩化アンモニウム水溶液等のアンモニウムイオンを含有する水溶液を用いた液相処理を行うことでアンモニウム型にイオン交換することができる。また、アルミノ珪酸塩をアンモニアでイオン交換した後に焼成処理を行うことで、プロトン型にイオン交換することができる。上記の製造方法では、P担持処理において中和された処理液を用いて焼成処理や高温乾燥処理を省略する観点から、アンモニウムイオン(NH4 +)型であることが好ましい。かくして得られるアルミノ珪酸塩に、必要に応じて、さらに酸量の低下等の処理を行うこともできる。酸量の低下処理は、例えばシリル化、水蒸気処理、ジカルボン酸処理等により行えばよい。これら酸量の低下処理、組成の変更は、常法にしたがって行えばよい。
上述したアルミノ珪酸塩(遷移金属が未担持のアルミノ珪酸塩である)に必要に応じて遷移金属を担持することにより、遷移金属担持ゼオライトを得ることもできる。遷移金属の担持処理は、常法にしたがって行えばよい。このように遷移金属を担持することにより、各種用途における触媒として機能させることができる。ここで担持する遷移金属としては、例えば、銅(Cu)、鉄(Fe)、タングステン(W)等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
本実施形態の一つは、本実施形態の遷移金属が担持されたAFX型ゼオライト、及びハニカム担体を備えたハニカム積層触媒である。
本実施形態の製造方法の一つは、
式(A)で表される化合物を準備する工程(工程I)と、
前記式(A)で表される化合物を、触媒を用いて水素源と反応させて、式(2)で表される化合物を得る工程(工程II)と、
前記式(2)で表される化合物を、アルキル化試薬を用いてN-アルキル化する工程(工程III)と、
を少なくとも含む、式(1)で表される化合物又はその塩の製造方法である。
工程Iは、式(A)で表される化合物を準備する工程である。式(A)で表される化合物は、市販品として入手してもよく、公知の合成ルートで適宜合成することもできる。例えば、市販のビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3:5,6-テトラカルボン酸二無水物とアルキルアミン又はその塩との反応により合成して入手してもよい。
工程IIは、前記式(A)で表される化合物を、触媒を用いて水素源と反応させて、式(2)で表される化合物を得る工程であり、以下のスキームで表すことができる。ここで、式(A)で表される化合物は、N,N'-ジアルキルビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3:5,6-テトラカルボキシジイミドともいう。
触媒は、遷移金属を含む触媒であることが好ましい。
遷移金属としては、例えば、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等の金属が挙げられる。これらの金属は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上述した遷移金属は、担体上に担持されていてもよい。担体としては、触媒の担体として通常使用される担体であれば特に制限されない。例えば、無機酸化物、活性炭素、イオン交換樹脂等が挙げられる。無機酸化物としては、具体的には、シリカ(SiO2)、チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)、アルミナ(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、リン酸三カルシウム(HAP;ヒドロキシアパタイト)、及びこれら無機酸化物の二種以上の複合体(例えば、ゼオライト等)等が挙げられる。
本明細書において、PtとVとが担体に担持された触媒は、「Pt-V/Z」とも表される。ここで、Zは、担体を表す。
白金粒子は、少なくとも白金を含有していれば特に限定されず、ルテニウム、ロジウム、及びパラジウム等の貴金属を少量含んでいてもよい。
白金粒子は一次粒子でもよく、二次粒子でもよい。白金粒子の平均粒子径は、好ましくは1~30nmであり、より好ましくは1~10nmである。なお、上記平均粒子径は、電子顕微鏡で任意の数の粒子の直径を観察し、それらの直径の平均値を指す。
担体の形態としては、特に限定されないが、例えば、粉末状、球形粒状、不定形顆粒状、円柱形ペレット状、押し出し形状、リング形状等が挙げられる。
担体を構成する成分としては、前述した担体の中でも、HAPが好ましい。
上記白金化合物としては、例えば、白金アセチルアセトナート(Pt(acac)2)、テトラアンミン白金(II)酢酸塩、ジニトロジアンミン白金(II)、ヘキサアンミン白金(II)炭酸塩、ビス(ジベンザルアセトン)白金(0)等の白金錯体塩、塩化白金、テトラクロロ白金酸カリウム等の塩が挙げられる。これら白金化合物の中でも、好ましくはPt(acac)2である。
上記バナジウム化合物としては、例えば、バナジルアセチルアセトナート(VO(acac)2)、ビス(タルトラト)ビス[オキソバナジウム(IV)]酸テトラメチルアンモニウム等のバナジウム錯体塩、バナジン(V)酸アンモニウム、ナフテン酸バナジウム等の塩が挙げられる。これらバナジウム化合物の中でも、好ましくはVO(acac)2である。
上記混合液と担体との混合物は、溶媒をロータリーエバポレータ等で除去した後、乾燥させる。乾燥は、例えば、80~200℃で1~60時間乾燥させることが好ましい。乾燥後は、必要に応じて乾燥物を粉砕し、マッフル炉等を使用して焼成することが好ましい。
ここで、式(A)で表される化合物、触媒、及び水素源を混合する順番は任意である。作業性の観点から、本実施形態の製造方法では、式(A)で表される化合物と触媒とを混合して必要に応じて溶媒を加え、その後に水素源を反応器に導入することが好ましい。
また、本実施形態の製造方法では、低温低圧条件下で反応を進行させるため、モレキュラーシーブスを反応系内に添加してもよい。モレキュラーシーブスの添加量は、式(A)で表される化合物の質量に対し、0.1~10倍量であることが好ましく、0.5~5倍量であることがより好ましい。
溶媒は、式(A)で表される化合物を溶解できれば特に制限されず、反応温度や反応物等に応じて適宜選択すればよい。
溶媒としては、例えば、水;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;アセトニトリル、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒;テトラヒドロフラン(以下、THFとも記載する。)、ジエチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒;等が挙げられる。これら溶媒は、1種を単独であるいは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
これらの溶媒の中でも、好ましくはエーテル系溶媒であり、より好ましくは1,2-ジメトキシエタンである。
反応時間は、GC-MS等を用い反応の進行状況をモニタリングすることによって適宜調整すればよく、通常1分~100時間、好ましくは0.5時間~70時間、より好ましくは1時間~60時間である。
工程IIIは、式(2)で表される化合物を、アルキル化試薬を用いてN-アルキル化する工程であり、以下のスキームで表すことができる。ここで、下記式(2)で表される化合物は、N,N'-ジアルキルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジンともいう。
一方、本実施形態の化合物(塩)は、上述のようにして、アルキル化により得られる塩、すなわち、Xがカウンターアニオンである塩をゼオライトの合成にそのまま用いることができる。したがって、この場合は、水酸化物を調製する手間を省くことができ、ゼオライトの製造を効率的に行うことができる。また、例えば水酸化物として用いる場合には、従来と同様に、水酸化物型の陰イオン交換樹脂でイオン交換し、濃縮する等すればよい。
本実施形態の一つは、AFX型ゼオライトの製造方法であり、当該製造方法は、シリカ及びアルミナ源、下記(1)で表される化合物及び/又はその塩を含む有機構造規定剤(OSDA)、アルカリ金属水酸化物、及び水を少なくとも含む混合物を調製する工程、並びに前記混合物を水熱処理してAFX型ゼオライトを合成する工程を少なくとも含む。
本実施形態の一つは、マクロ孔を有するAFX型ゼオライトである。本実施形態におけるマクロ孔はIUPACの定義にしたがう。具体的には、マクロ孔とは、細孔直径が50nm超の細孔を指す。AFX型ゼオライトがマクロ孔を有することは、当該ゼオライトのSEM画像から判別することができる。
特許文献2に準じて合成したN,N'-ジエチルビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3:5,6-ジピロリジン(分子量246.39)370.0gをイソプロピルアルコール(IPA)変成アルコール1,200mLに溶解し、5%パラジウム炭素触媒(エヌ・イー ケムキャット社製 K-type含水品)を乾燥質量換算で31.08g(パラジウムとして基質の1.0mol%相当)を加え、50℃常圧の水素で190時間反応させた。ガスクロマトグラフィー(GC)による基質の転化率は99%以上であった。これを濾別して触媒を除いたあと、撹拌しながらヨウ化エチル516.0g(分子量155.11、2.2当量)を滴下した。窒素雰囲気下で16時間おだやかに還流した後、放冷後ろ過し、アセトンで洗浄して乾燥することで、目的物であるN,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二ヨウ化物の白色粉末703.0g(収率90%)を得た。
得られた白色粉末の1H-NMR及び13C-NMRを以下に示す。
1H-NMR (400MHz, D2O) δ: 3.82 (dd, 4H), 3.49 (q4, 4H), 3.38 (q4, 4H), 3.33 (d, 4H), 2.69 (m, 4H), 1.80 (s, 2H), 1.64 (s, 4H), 1.36 (t, 6H), 1.31 (t, 6H).
13C-NMR(100Hz, D2O) δ: 65.00(×4), 58.51(×2), 54.41(×2), 40.11(×4), 28.33(×2), 14.86(×2), 11.01(×2), 10.17(×2)
N,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二ヨウ化物のD2O溶液の1H-NMRスペクトルデータを図1に示し、13C-NMRスペクトルデータを図2に示す。
装置名:GCMS-QP2010(島津製作所社製)
カラム : SHIMADZU製 SH-Rtx-200MS
キャリアガス : ヘリウム
全流量:98.9mL/min
カラム流量:2.56mL/min
温度:カラムオーブンを40℃から300℃まで10℃/minずつ昇温した。その後300℃の状態で10min間保持した。
装置名:Ascend4000(BRUKER社製)
測定方法:1H-NMR及び13C-NMRは、試料を重水に溶解して測定した。
N,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二ヨウ化物(分子量558.62)28.0g、4.8質量%水酸化ナトリウム溶液116.0g、FAU型ゼオライトCBV712(ゼオリスト社製、シリカアルミナ比SAR10.9)37.5g、水47.0gをポリエチレンビーカー内で48時間撹拌した。混合物の組成は次のとおりであった。
次いで、この原料組成物(混合物)を300cc内筒テフロン(登録商標)のステンレス製密閉耐圧容器に入れ、170℃で40時間静置保持した。この水熱処理後の生成物を固液分離し、得られた固相を十分量の水で洗浄し、105℃で乾燥して生成物を得た。粉末X線回折分析を行ったところ、生成物はAFX型ゼオライトの単相であることが確認された。
図3に、N,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウムを用いて得られたAFX型ゼオライトの固体NMRスペクトルデータ(B)を示す。なお、図3中、Aは、N,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウムの固体NMRスペクトルデータであり、Cは、D2O溶液の13CNMRスペクトルデータである。図中のCにおける※は、内部標準(4,4-ジメチル-4-シラペンタン-1-スルホン酸)のピークである。
また、図4に実施例A2により得られたAFX型ゼオライトのXRDチャートを示す。
装置名:X'Pert Pro(スペクトリス株式会社製)
測定方法:粉末測定試料を溝のあるガラス試料板容器に充填し測定に供した。なお、X線源はCuKα線、管電圧は45kV、管電流は40mAにて測定を行った。
N,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二ヨウ化物(分子量558.62)120.0gを水800mLに溶解し、ダイヤイオンSA10AOH(三菱ケミカル社製)800.0gを投入し室温で48時間撹拌した。ろ過及び洗浄後、ろ液と洗浄液を合せて質量が379.9gとなるまで濃縮し、19.26質量%のN,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二水酸化物(分子量340.55)を得た。
この溶液6.5gに4.8%水酸化ナトリウム溶液6.2g、FAU型ゼオライトCBV712(ゼオリスト社製、シリカアルミナ比SAR10.9)4.0g、水5.8gをポリエチレンビーカー内で72時間撹拌した。混合物の組成は次のとおりであった。
次いで、この原料組成物(混合物)を50cc内筒テフロンのステンレス製密閉耐圧容器に入れ、170℃で96時間静置保持した。この水熱処理後の生成物を固液分離し、得られた固相を十分量の水で洗浄し、105℃で乾燥して生成物を得た。粉末X線回折分析を行ったところ、生成物はAFX型ゼオライトの単相であることが確認された。
図5に実施例A3により得られたAFX型ゼオライトのXRDチャートを示す。
Ma/bQcSi48-dAldO96
(式中、Mは金属カチオン、aは1~10、bはMの価数、QはN,N,N′,N′-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウムカチオン、cは0.5~2、dは4~12を表す。)
実施例A2により得られたAFX型ゼオライトの水以外の組成において、具体的にはa=5.0、b=1.0、c=1.3、d=7.6であった。
N,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二ヨウ化物(分子量558.62)2.0gに代えて、特許文献2の方法に準じて合成したN,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二ヨウ化物(分子量556.61)2.0gを使用したこと以外は、実施例A1と同様にして生成物を得た。粉末X線回折分析を行ったところ、生成物はAFX型ゼオライトの他にベータ型ゼオライトが生成していることが確認された。
図6に比較例A1により得られたAFX型ゼオライトのXRDチャートを示す。
N,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二ヨウ化物の使用量を3.0g、4.8質量%水酸化ナトリウム溶液の使用量を12.7g、FAU型ゼオライトCBV712の使用量を4.2g、水の使用量を2.7gとし、ポリエチレンビーカー内で48時間撹拌した。混合物の組成は次のとおりであった。
次いで、この原料組成物(混合物)を50cc内筒テフロンのステンレス製密閉耐圧容器に入れ、170℃で40時間静置保持した。この水熱処理後の生成物を固液分離し、得られた固相を十分量の水で洗浄し、105℃で乾燥して生成物を得た。次いで、昇温速度1℃/分で600℃まで昇温後5時間焼成した。得られた粉末の粉末X線回折分析を行ったところ、生成物はAFX型ゼオライトの単相であることが確認された。
図7に実施例A4により得られたAFX型ゼオライトのXRDチャートを示す。
N,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二ヨウ化物の使用量を310.0g、4.8質量%水酸化ナトリウム溶液の使用量を1310.0g、FAU型ゼオライトCBV712の使用量を425.0g、水の使用量を335.0gとし、ポリエチレンビーカー内で48時間撹拌した。混合物の組成は次のとおりであった。
次いで、この原料組成物(混合物)のうち1450gを1Lのステンレス製オートクレーブに入れ300rpmで撹拌し、170℃で60時間保持した。この水熱処理後の生成物を固液分離し、得られた固相を十分量の水で洗浄し、105℃で乾燥して生成物を得た。次いで、昇温速度1℃/分で600℃まで昇温後5時間焼成した。得られた粉末の蛍光X線分析によって測定された固形分換算のSAR(SiO2/Al2O3比)は10.7であった。
なお、粉末X線回折の測定条件は、以下のとおりであった。
蛍光X線分析においては、装置としてAxios (スペクトリス株式会社 パナリィティカル事業部)を用いた。測定試料5gを塩化ビニル製リングに入れて20tの加重で加圧成型して、測定に供した。解析ソフトはUniQuant5を使用した。粉末X線回折分析を行ったところ、生成物はAFX型ゼオライトの単相であることが確認された。
図8に実施例A5により得られたAFX型ゼオライトのXRDチャートを示す。
実施例A3で得た19.26質量%のN,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二水酸化物(分子量340.55)溶液9.0gに、4.8%水酸化ナトリウム溶液2.5g、FAU型ゼオライトCBV712(ゼオリスト社製、シリカアルミナ比SAR10.9)4.1g、塩化ナトリウム1.0g、水5.8gをポリエチレンビーカー内で48時間撹拌した。混合物の組成は次のとおりであった。
次いで、この原料組成物(混合物)を50cc内筒テフロンのステンレス製密閉耐圧容器に入れ、155℃で240時間静置保持した。この水熱処理後の生成物を固液分離し、得られた固相を十分量の水で洗浄し、105℃で乾燥して生成物を得た。次いで、昇温速度1℃/分で600℃まで昇温後5時間焼成した。粉末X線回折分析を行ったところ、生成物はAFX型ゼオライトの単相であることが確認された。
図9に実施例A6により得られたAFX型ゼオライトのXRDチャートを示す。
N,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二水酸化溶液に代えて、特許文献2の方法に準じて合成した17.4質量%N,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二水酸化物(分子量338.53)7.7g、4.8%水酸化ナトリウム溶液3.1g、FAU型ゼオライトCBV712(ゼオリスト社製、シリカアルミナ比SAR10.9)3.0g、水3.5gをポリエチレンビーカー内で48時間撹拌した。混合物の組成は次のとおりであった。
次いで、この原料組成物(混合物)を、実施例A6と同様に処理して生成物を得た。粉末X線回折分析を行ったところ、生成物はAFX型ゼオライトの単相であることが確認された。
図10に比較例A2により得られたAFX型ゼオライトのXRDチャートを示す。
実施例A4、A5及びA6並びに比較例A2のAFX型ゼオライト粉末各2.0gをるつぼに秤取し、これをガス加湿装置(商品名RMG-1000、株式会社ジェイ・サイエンス・ラボ製)を接続した電気炉(商品名OXK-600X、株式会社共栄電気炉製作所製)に入れて、10%水蒸気を含むAirを70L/minの流量供給下750℃で40時間保持して、水熱耐久性を測定した。
表9に、各サンプルについて水熱耐久性の測定前後のXRD各ピークの積分強度変化を示す。なお、各ピーク強度の数値は、実施例A4により得られた水熱耐久性測定前のAFX型ゼオライトの最強ピーク(2θ=21.77°)の積分強度を1.0としたときの相対値である。また、表の最下段に、水熱耐久性測定前の実施例A4における積分強度合計を100%としたときの、各実施例及び比較例の積分強度の合計の相対値を示す。
また、図11に、各サンプルの水熱耐久性の測定前後のXRDピーク積分強度合計の変化を示す。図11に示されたとおり、実施例A4、A5及びA6の測定前後における数値変化の傾きは比較例A2よりも抑えられており、水熱耐久性に優れていることがわかった。
実施例A4、実施例A5、実施例A6、及び比較例A2により得られたAFX型ゼオライトのSEM画像をそれぞれ図12、図13、図14、及び図15に示す。
実施例A4、実施例A5、及び実施例A6のAFX型ゼオライトの平均粒子径は、それぞれ、約3.84μm、約0.70μm、約3.13μm、変動係数はそれぞれ30.4%、36.9%、24.9%であった。またメジアン粒子径はそれぞれ、3.60μm、0.67μm、3.15μmであった。一方、比較例A2のAFX型ゼオライトの平均粒子径は0.3μm、変動係数は55.6%、メジアン粒子径は0.45μmであった。
SARが10-30であり、2θ=21.77°±0.15°が最強線であり、平均粒子径が0.6μm以上であることにより、水熱耐久性が向上したと考えられた。
なお、平均粒子径は、走査電子顕微鏡(SEM、Phenom-World社製)を用いて加速電圧10kVの条件により6000倍の画像を取得し、得られた画像の任意の100個の粒子を選択し、当該粒子の最も長い径を測定した。各粒子の最も長い径の平均値を、平均粒子径、メジアン値をメジアン粒子径とした。
また、実施例A4、実施例A5、実施例A6のAFX型ゼオライトは、粒子にマクロ孔を有するものが含まれていた。AFX型ゼオライトの粒子にマクロ孔を有することは、SEM画像から確認した。
実施例A5で得た原料組成物(混合物)のうち930gを300ml内筒テフロンのステンレス製密閉耐圧容器4個に入れ、170℃で40時間保持した。この水熱処理後の生成物を固液分離し、得られた固相を十分量の水で洗浄し、105℃で乾燥して生成物を得た。次いで、昇温速度1℃/分で600℃まで昇温後5時間焼成した。これと同量の硝酸アンモニウム及び10倍量の水を含む硝酸アンモニウム水溶液を用いてイオン交換を3回繰り返した後、十分量の純水で洗浄し、120℃で乾燥することでNH4 +型のAFX型ゼオライトを得た。
得られたNH4 +型のAFX型ゼオライト120.0gに、50%硝酸銅3水和物水溶液36.0gと水30.0gの混合物を含浸させた後、100~120℃で乾燥した。これに、モルホリン7.0gと水35gの混合物を25℃の環境下で含浸させて、再び100~120℃で乾燥することで、実施例A7のCu担持AFX型ゼオライトを得た。蛍光X線分析によって測定された固形分換算のCuの担持量は4.22質量%、SAR(SiO2/Al2O3比)は10.7であった。得られた粉末の粉末X線回折分析を行ったところ、生成物はAFX型ゼオライトの単相であることが確認された。
図16に実施例A7のCu担持AFX型ゼオライトのXRDチャートを、図17に実施例A7のCu担持AFX型ゼオライトのSEM画像を示す。実施例A7のCu担持AFX型ゼオライトの平均粒子径は約2μmであった。SEM画像から実施例A7のAFX型ゼオライトは、粒子にマクロ孔を有するものが含まれていた。
得られた実施例A7のCu担持AFX型ゼオライトを、ハニカム担体1Lあたり180gの担持比率となるようにハニカム担体にウェット塗布し、その後に500℃で焼成した。これにより、Cu担持AFX型ゼオライトを含む触媒層がハニカム担体上に設けられた、実施例A7のハニカム積層触媒を得た。
N,N,N-トリメチルアダマンタアンモニウム水酸化物25%水溶液(以降、「TMAdaOH25%水溶液」と称することがある。)930.0gに、水2,080g、非晶質合成ケイ酸アルミニウム(協和化学社製、合成ケイ酸アルミニウム、商品名:キョーワード(登録商標)700PEL、SAR:10.0)826g、コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:Snowtex(登録商標)40、SiO2含有割合:39.7%)320.0g、48%水酸化ナトリウム(関東化学社製)133.0g、及びチャバザイト種結晶(SAR10)23.0gを加え、十分に混合し、原料組成物(混合物)を得た。原料組成物の組成(モル比)は、次のとおりであった。
この原料組成物(混合物)を5,000ccのステンレス製オートクレーブ内に投入して密閉した後、300rpmで攪拌しながら、160℃まで昇温し48時間保持後、170℃で24時間保持した。この水熱処理後の生成物を固液分離し、得られた固相を十分量の水で洗浄し、105℃で乾燥して生成物を得た。粉末X線回折分析を行ったところ、生成物は純粋なCHA型ゼオライトの単相であることが確認された。蛍光X線分析を行ったところ、得られた比較例A3のCHA型アルミノ珪酸塩のシリカアルミナ比(SiO2/Al2O3)は、11.3であった。
得られた比較例A3のCHA型ゼオライトから、実施例A7と同様にして、NH4 +型のCHA型ゼオライトを得た。
得られたNH4 +型のCHA型ゼオライト120.0gに、50%硝酸銅3水和物水溶液34.0gと水30.0gの混合物を含浸させた後、100~120℃で乾燥した。これに、モルホリン12.0gと水48.0gの混合物を25℃の環境下で含浸させて、再び100~120℃で乾燥することで、Cu担持CHA型ゼオライトを得た。蛍光X線分析によって測定された固形分換算のCuの担持量は3.9質量%、SAR(SiO2/Al2O3比)は11.3であった。図18にSEM画像を示す。平均粒子径は、約0.2μmであった。
得られた比較例A3のCu担持CHA型ゼオライトを用いたこと以外は、実施例A7と同様にして比較例A3のハニカム積層触媒を得た。
TMAdaOH25%水溶液330.0gに、水2,800g、アルミン酸ナトリウム(和光純薬工業社製)45.0g、沈降シリカ(東ソー・シリカ社製、商品名:Nipsil(登録商標)ER)220.0g、Jケイ酸ナトリウム3号(日本化学工業社製、SiO2含量29質量%、Na2O含量9.5質量%)60.0g、及びチャバザイト種結晶(SAR13)20gを加え、十分に混合し、原料組成物を得た。原料組成物の組成(モル比)は、次のとおりであった。
この原料組成物を5,000ccのステンレス製オートクレーブ内に投入して密閉した後、300rpmで攪拌しながら、160℃まで昇温し48時間保持した。この水熱処理後の生成物を固液分離し、得られた固相を十分量の水で洗浄し、105℃で乾燥して生成物を得た。粉末X線回折分析を行ったところ、生成物はCHAゼオライトの単相であることが確認された。また、蛍光X線分析を行ったところ、得られたCHA型アルミノ珪酸塩のシリカアルミナ比(SiO2/Al2O3)は、13.4であった。
得られたNH4 +型のCHA型ゼオライト160.0gに、50%硝酸銅3水和物水溶液42.0gと水42.0gの混合物を含浸させた後、100~120℃で乾燥することで、Cu担持CHA型ゼオライトを得た。蛍光X線分析によって測定された固形分換算のCuの担持量は4.8質量%、SAR(SiO2/Al2O3比)は13.4であった。図19にSEM画像を示す。平均粒子径は約0.3μmであった。一方、一次粒子径は更に細かく0.1μm以下であった。
得られた比較例A4のCu担持CHA型ゼオライトを用いたこと以外は、実施例A7と同様にして比較例A4のハニカム積層触媒を得た。
実施例A7、比較例A3及び比較例A4のハニカム積層触媒を直径25.4mmφ×長さ50mmの円柱状に切り出し、これをガス加湿装置(商品名RMG-1000、株式会社ジェイ・サイエンス・ラボ製)を接続した電気炉(商品名OXK-600X、株式会社共栄電気炉製作所製)に入れて、10%水蒸気を含むAirを70L/minの流量供給下650℃で100時間保持して、水熱耐久性の測定を行った。この水熱耐久性の側手後サンプルを触媒評価装置(商品名SIGU-2000、株式会社堀場製作所製)にセットして、ガス組成を自動車排ガス測定装置(商品名MEXA-6000FT,株式会社堀場製作所製)で分析することによりモデルガスの定常気流中で窒素酸化物還元効率を測定した。ここでは、210ppmのNO、40ppmのNO2、250ppmのNH3、4%のH2O、10%のO2、残部N2でバランスしたモデルガスを用い、測定は170℃~500℃の温度範囲で行い、空間速度SV=59,000h-1で行った。
結果を表12に示す。
アセトン90mLにエヌ・イーケムキャット社製Pt(acac)2(白金アセチルアセトナート、0.4mmol)とシグマアルドリッチ社のVO(acac)2(バナジルアセチルアセトナート、0.4mmol)とを加え、室温で30分撹拌した。さらに和光純薬社のHAP(商品名「リン酸三カルシウム」)1.0gを加えて室温で4時間撹拌した。得られた混合物から溶媒をロータリーエバポレータで除去し、淡緑色の粉末を得た。得られた粉末を110℃で終夜乾燥した。さらに、乾燥した粉末をメノウ鉢で粉砕し、大気中で、3時間、300℃で焼成し、濃灰色の粉末(Pt-V/HAP)を得た。
(N,N'-ジエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジンの合成)
製造例B1で得られたPt-V/HAPを0.3g、特許文献2の方法に準じて合成したN,N'-ジエチルビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3:5,6-テトラカルボニルジイミド0.3mmol、和光純薬社のモレキュラーシーブス4Å 0.1gを50mLのステンレス製オートクレーブに加え、溶媒である1,2-ジメトキシエタン(DME)5mLを加えて、反応温度150℃、水素圧5MPaの下で48時間水素化反応を行った。反応後、GC-MSを用いてN,N'-ジエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジンの収率を測定したところ、収率77%であった。生成物を単離し、NMR測定をした結果を以下に示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 2.72 (t, J = 17 Hz, 4H), 2.49 (dd, J = 30, 14 Hz, 4H), 2.43 (dd, J = 18, 10 Hz, 4H), 2.21 (s, 4H), 1.57 (s, 4H), 1.40 (s, 2H), 1.14 (t, J = 15 Hz, 6H);
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ = 57.0(×4), 50.2(×2), 40.7(×4), 30.6(×2), 14.6(×2), 13.9(×2).
上記合成により合成したN,N'-ジエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジン(分子量248.41)2.2gの50mLエタノール溶液を100mLフラスコに入れ、ヨウ化エチル(分子量155.97、液体、東京化成工業)6.0gを滴下した。窒素雰囲気下で2日間還流した後、放冷後ろ過し、アセトンで洗浄して乾燥することで、目的物であるN,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二ヨウ化物の白色粉末2.6g(収率52%)を得た。得られた白色粉末の1H-NMR 及び13C-NMR を以下に示す。
1H NMR(400MHz, D2O) δ: 3.82 (dd, 4H), 3.49 (q4, 4H), 3.38 (q4, 4H), 3.33 (d, 4H), 2.68(m, 4H), 1.80 (s, 2H), 1.64 (s, 4H), 1.36 (t, 6H), 1.31 (t, 6H)
13C NMR(400Hz, CDCl3) δ: 65.00(×4), 58.51(×2), 54.41(×2), 40.11(×4), 28.33(×2), 14.86(×2), 11.01(×2), 10.1(×2)
N,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二ヨウ化物の1HNMRのスペクトルデータを図20に、N,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二ヨウ化物の13CNMRのスペクトルデータを図21に示す。
N,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二ヨウ化物(分子量558.62)2.0g、4.8質量%水酸化ナトリウム溶液8.4g、FAU型ゼオライトCBV712(ゼオリスト社製、シリカアルミナ比SAR10.9)2.7g、水3.3gをSUSビーカー内で48時間撹拌した。混合物の組成は次のとおりであった。
次いで、この原料組成物(混合物)を50cc内筒テフロンのステンレス製密閉耐圧容器に入れ、170℃で48時間静置保持した。この水熱処理後の生成物を固液分離し、得られた固相を十分量の水で洗浄し、105℃で乾燥して生成物を得た。粉末X線回折分析を行ったところ、生成物はAFX型ゼオライトの単相であることが確認された。
図22に、当該AFX型ゼオライトのXRDデータを示す。
特許文献2に準じて合成したN,N'-ジエチルビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3:5,6-ジピロリジン(分子量246.39)370.0gをイソプロピルアルコール(IPA)変成アルコール1,200mLに溶解し、5%パラジウム炭素触媒(エヌ・イー ケムキャト社製 K-type含水品)を乾燥質量換算で31.08g(パラジウムとして基質の1.0mol%相当)を加え、50℃常圧の水素で190時間反応させた。ガスクロマトグラフィー(GC)による基質の転化率は99%以上であった。これを濾別して触媒を除いたあと、撹拌しながらヨウ化エチル516.0g(分子量155.11、2.2当量)を滴下した。窒素雰囲気下で16時間おだやかに還流した後、放冷後ろ過し、アセトンで洗浄して乾燥することで、目的物であるN,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二ヨウ化物の白色粉末703.0g(収率90%)を得た。
得られた白色粉末の1H-NMR及び13C-NMRを以下に示す。
1H-NMR (400MHz, D2O) δ: 3.82 (dd, 4H), 3.49 (q4, 4H), 3.38 (q4, 4H), 3.33 (d, 4H), 2.69 (m, 4H), 1.80 (s, 2H), 1.64 (s, 4H), 1.36 (t, 6H), 1.31 (t, 6H).
13C-NMR(100Hz, D2O) δ: 65.00(×4), 58.51(×2), 54.41(×2), 40.11(×4), 28.33(×2), 14.86(×2), 11.01(×2), 10.17(×2)
N,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二ヨウ化物の1HNMRのスペクトルデータを図23に、N,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二ヨウ化物の13CNMRのスペクトルデータを図24に示す。
参考例B2のN,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二ヨウ化物(分子量558.62)28.0g、4.8質量%水酸化ナトリウム溶液116.0g、FAU型ゼオライトCBV712(ゼオリスト社製、シリカアルミナ比SAR10.9)37.5g、水47.0gをポリエチレンビーカー内で48時間撹拌した。混合物の組成は次のとおりであった。
次いで、この原料組成物(混合物)を300cc内筒テフロンのステンレス製密閉耐圧容器に入れ、170℃で40時間静置保持した。この水熱処理後の生成物を固液分離し、得られた固相を十分量の水で洗浄し、105℃で乾燥して生成物を得た。粉末X線回折分析を行ったところ、生成物はAFX型ゼオライトの単相であることが確認された。
図25に、当該AFX型ゼオライトのXRDデータを示す。
装置名:GCMS-QP2010(島津製作所社製)
カラム:SHIMADZU製 SH-Rtx-200MS
キャリアガス:ヘリウム
全流量:98.9mL/min
カラム流量:2.56mL/min
温度:カラムオーブンを40℃から300℃まで10℃/minずつ昇温した。その後300℃の状態で10min間保持した。
装置名:Ascend4000(BRUKER社製)
測定方法:1HNMR及び13CNMRは、試料を重水に溶解して測定した。
装置名:X'Pert Pro(スペクトリス株式会社製)
測定方法:粉末測定試料を溝のあるガラス試料板容器に充填し測定に供した。なお、X線源はCuKα線、管電圧は45kV、管電流は40mAにて測定を行った。
アセトン90mLにエヌ・イーケムキャット社製Pt(acac)2(白金アセチルアセトナート、0.4mmol)とシグマアルドリッチ社のVO(acac)2(バナジルアセチルアセトナート、0.4mmol)とを加え、室温で30分撹拌した。さらに和光純薬社のHAP(商品名「リン酸三カルシウム」)1.0gを加えて室温で4時間撹拌した。得られた混合物から溶媒をロータリーエバポレータで除去し、淡緑色の粉末を得た。得られた粉末を110℃で終夜乾燥した。さらに、乾燥した粉末をメノウ鉢で粉砕し、大気中で、3時間、300℃で焼成し、濃灰色の粉末(Pt-V/HAP)を得た。
製造例C1で得られたPt-V/HAPを0.3g、特許文献2の方法に準じて合成したN,N'-ジエチルビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3:5,6-テトラカルボニルジイミド0.3mmol、和光純薬社のモレキュラーシーブス4Å 0.1gを50mLのステンレス製オートクレーブに加え、溶媒である1,2-ジメトキシエタン(DME)5mLを加えて、反応温度150℃、水素圧5MPaの下で48時間水素化反応を行った。反応後、GC-MSを用いてN,N'-ジエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジンの収率を測定したところ、収率77%であった。生成物を単離し、NMR測定をした結果を以下に示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 2.72 (t, J = 17 Hz, 4H), 2.49 (dd, J = 30, 14 Hz, 4H), 2.43 (dd, J = 18, 10 Hz, 4H), 2.21 (s, 4H), 1.57 (s, 4H), 1.40 (s, 2H), 1.14 (t, J = 15 Hz, 6H);
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ = 57.0(×4), 50.2(×2), 40.7(×4), 30.6(×2), 14.6(×2), 13.9(×2).
製造例C2に準じて合成したN,N'-ジエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジン(分子量248.41)2.2gの50mLエタノール溶液を100mLフラスコに入れ、ヨウ化エチル(分子量155.97、液体、東京化成工業)6.0gを滴下した。窒素雰囲気下で2日間還流した後、放冷後ろ過し、アセトンで洗浄して乾燥することで、目的物であるN,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二ヨウ化物の白色粉末2.6g(収率52%)を得た。得られた白色粉末の1HNMR及び13CNMRを以下に示す。
1H NMR(400MHz, D2O) δ: 3.82 (dd, 4H), 3.49 (q4, 4H), 3.38 (q4, 4H), 3.33 (d, 4H), 2.68(m, 4H), 1.80 (s, 2H), 1.64 (s, 4H), 1.36 (t, 6H), 1.31 (t, 6H)
13C NMR(400Hz, CDCl3) δ: 65.00(×4), 58.51(×2), 54.41(×2), 40.11(×4), 28.33(×2), 14.86(×2), 11.01(×2), 10.1(×2)
また、1HNMRのスペクトルデータを図26に、13CNMRのスペクトルデータを図27に示す。
N,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二ヨウ化物(分子量558.62)2.0g、4.8質量%水酸化ナトリウム溶液8.4g、FAU型ゼオライトCBV712(ゼオリスト社製、シリカアルミナ比SAR10.9)2.7g、水3.3gをSUSビーカー内で48時間撹拌した。混合物の組成は次のとおりであった。
次いで、この原料組成物(混合物)を50cc内筒テフロンのステンレス製密閉耐圧容器に入れ、170℃で48時間静置保持した。この水熱処理後の生成物を固液分離し、得られた固相を十分量の水で洗浄し、105℃で乾燥して生成物を得た。粉末X線回折分析を行ったところ、生成物はAFX型ゼオライトの単相であることが確認された。図28に実施例C1により得られたAFX型ゼオライトのXRDチャートを示す。
N,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクタ-2,3:5,6-ジピロリジニウム二ヨウ化物(分子量558.62)2.0gに代えて、特許文献2の方法に準じて合成したN,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3:5,6-ジピロリジニウム二ヨウ化物(分子量556.61)2.0gを使用した以外は、実施例C1と同様にして生成物を得た。粉末X線回折分析を行ったところ、生成物はAFX型ゼオライトの他にベータ型ゼオライトが生成していることが確認された。図29に比較例C1により得られたAFX型ゼオライトのXRDチャートを示す。
そのため、本発明は、各種の無機或いは有機分子の吸着剤又は分離剤の他、乾燥剤、脱水剤、イオン交換体、石油精製触媒、石油化学触媒、固体酸触媒、三元触媒、排ガス浄化触媒、NOx吸蔵材等の用途において、広く且つ有効に利用可能である。
Claims (4)
- 前記触媒が、バナジウムをさらに含む
請求項1に記載の製造方法。 - 前記触媒が、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ、酸化マグネシウム、リン酸三カルシウム、及びこれら無機酸化物の二種以上の複合体よりなる群から選択される担体をさらに含む
請求項1又は2に記載の製造方法。 - 前記触媒が、リン酸三カルシウムをさらに含む
請求項1又は2に記載の製造方法。
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