JP7581742B2 - 有機性排水の嫌気性処理方法 - Google Patents
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Description
本発明は、有機性排水を、嫌気反応槽と内圧式管状膜とを有した嫌気性処理装置により処理する嫌気性処理方法に関するものであり、特に、嫌気性処理装置の立上げに際して嫌気反応槽に種汚泥を投入する嫌気性処理方法に関する。
有機性排水を嫌気性条件下でメタン発酵処理する嫌気反応槽と、該嫌気反応槽の汚泥を膜濾過して処理水を得る槽外に設置された中空糸膜分離装置とを備えた嫌気性処理装置により有機性排水を処理する嫌気性処理方法が特許文献1に記載されている。
嫌気反応槽の立上げに際して種汚泥として食品工場、飲料工場などの高負荷排水処理で使用される嫌気グラニュール汚泥を投入する場合、汚泥の活性は高いものの、粒径が大きく、内圧式管状膜内の流路を閉塞させてしまう問題があった。また、粒子の細かい下水処理場の嫌気消化汚泥や食品廃棄物の湿式メタン発酵汚泥などを種汚泥として用いた場合には、内圧式管状膜を閉塞させることは少ないものの、活性が低く、立上げに要する期間が長くなってしまう問題があった。
特許文献2には、嫌気性処理装置の立上げに際して、該嫌気反応槽に種汚泥を添加する嫌気性処理方法において、該種汚泥として、少なくとも一部を破砕した嫌気グラニュールを用いること、及びこの破砕にカッター付き水中ポンプを用いることが記載されている。
本発明は、嫌気反応槽の立上げに際して、内圧式管状膜の流路閉塞を起こすことなく速やかに槽負荷を高めることができる有機性排水の嫌気性処理方法を提供することを課題とする。
本発明の有機性排水の嫌気性処理方法は、有機性排水を嫌気性条件下でメタン発酵処理する嫌気反応槽と、該嫌気反応槽の汚泥を膜濾過して処理水を得る槽外に設置された内圧式管状膜とを備えた嫌気性処理装置により有機性排水を処理する嫌気性処理方法において、該嫌気性処理装置の立上げに際して、該嫌気反応槽に種汚泥を投入する立上げ工程を有しており、該種汚泥の少なくとも一部が嫌気反応槽外に設置された破砕ポンプで破砕処理された嫌気グラニュールであり、該破砕ポンプは、スリットを有したグリッドが内蔵され、該グリッドの手前で回転刃により破砕しながら送液する構造の破砕ポンプであり、該スリットのスリット幅は、管状膜のチューブラ内径の1/3以下の幅であることを特徴とする。
本発明の一態様では、内圧式管状膜の内径が3~10mmであり、前記スリット幅は0.2mm以上である。
本発明の一態様では、前記嫌気グラニュールを嫌気反応槽に投入した後、槽内液と共に嫌気反応槽外に流出させ、前記破砕ポンプに供給して破砕した後、嫌気反応槽に返送する。
嫌気反応槽の立上げに際して、種汚泥として、管状膜のチューブラ内径の1/3以下の幅のスリットを有したグリッドが内蔵され、該グリッドの手前で回転刃により破砕しながら送液する構造の破砕ポンプで破砕した嫌気グラニュールを嫌気反応槽に投入することにより、管状膜の閉塞を起こすことなく、速やかに槽負荷を高めることができる。
図1を参照して実施の形態に係る有機性排水の嫌気性処理方法について説明する。
図1は嫌気性処理方法が適用される嫌気性処理装置の一例を示すものであり、嫌気グラニュールが配管1、破砕ポンプ2、配管3を通って嫌気反応槽4に投入可能とされている。配管1には希釈水が配管1aから導入可能とされている。嫌気反応槽4には被処理有機性排水が配管5によって流入する。
嫌気反応槽4は撹拌機4aを備えている。嫌気反応槽4内の液は、嫌気反応槽4の下部から、循環ポンプ6及び循環ポンプ6が介設される配管7によって抜き出され、内圧式管状膜8の一次側に供給可能とされている。内圧式管状膜8は、管状膜8aを備えており、配管7からの液は内圧式管状膜8の一次側を通り抜け、その間に水分が管状膜8aを一次側から二次側に透過する。管状膜8aを透過しなかった一次側の濃縮水は、配管9を通って嫌気反応槽4に返送される。
二次側に透過した透過水は、処理水として配管10を通って処理水槽11に流入し、該処理水槽11から配管12を通って取り出される。
管状膜8aを逆洗するために、処理水槽11内の水が配管13及び逆洗ポンプ14によって配管10を通じて内圧式管状膜8の二次側に供給可能とされている。
嫌気反応槽4の立上げ(運転開始)に際しては、嫌気グラニュールを破砕ポンプ2で破砕した後、配管3から嫌気反応槽4内に導入する。この際、必要に応じ、希釈水を嫌気グラニュールに添加する。次いで、嫌気反応槽4内に所定量の有機性排水を配管5によって流入させる。
破砕ポンプ2としては、後述の通り、特定スリット幅のスリットを有したものが用いられている。嫌気グラニュールを投入した後は、撹拌機4aによって槽内水を撹拌する。
なお、このように嫌気グラニュールを投入した後に、図2のように、配管20によって嫌気反応槽4内の下部から槽内水を取り出し、破砕ポンプ2で破砕して配管3によって嫌気反応槽4に戻すようにしてもよい。図2のその他の構成は図1と同一であり、同一符号は同一部分を示している。
以下、本発明の好適な条件について説明する。
<種汚泥(嫌気グラニュール)>
嫌気グラニュールとしては、酢酸除去活性として0.1kgCODcr/kgVSS/d以上、好ましくは0.2kgCODcr/kgVSS/d以上を有する嫌気グラニュール汚泥を用いることが好ましい。グラニュールの粒径に制約はないが、食品、飲料工場などの排水処理施設で良好に処理が行われているという点で、平均粒径0.5~5mm、特に1.5~3mmの嫌気グラニュールが好ましい。
嫌気グラニュールとしては、酢酸除去活性として0.1kgCODcr/kgVSS/d以上、好ましくは0.2kgCODcr/kgVSS/d以上を有する嫌気グラニュール汚泥を用いることが好ましい。グラニュールの粒径に制約はないが、食品、飲料工場などの排水処理施設で良好に処理が行われているという点で、平均粒径0.5~5mm、特に1.5~3mmの嫌気グラニュールが好ましい。
種汚泥の投入後の槽内汚泥濃度が10,000~40,000mg/L(1~4%)、好ましくは20,000~30,000mg/L(2~3%)になるように種汚泥を投入するのが好ましい。
<嫌気反応槽>
嫌気反応槽の温度は25~40℃または45~60℃、好ましくは30~38℃、または50~58℃である。立上げ時のCODcr槽負荷は1~3kg/m3/dで開始し、最終的には5~20kg/m3/d、好ましくは6~12kg/m3/dまで段階的に高めていくのが好ましい。槽内pHは6.5~8.0、好ましくは6.8~7.4であり、必要に応じて槽外の内圧式管状膜8への汚泥循環ライン(膜から嫌気反応槽への戻りの配管9)にNaOH、NaHCO3などのアルカリ剤やHClなどの酸剤を添加してpH調整を行う。
嫌気反応槽の温度は25~40℃または45~60℃、好ましくは30~38℃、または50~58℃である。立上げ時のCODcr槽負荷は1~3kg/m3/dで開始し、最終的には5~20kg/m3/d、好ましくは6~12kg/m3/dまで段階的に高めていくのが好ましい。槽内pHは6.5~8.0、好ましくは6.8~7.4であり、必要に応じて槽外の内圧式管状膜8への汚泥循環ライン(膜から嫌気反応槽への戻りの配管9)にNaOH、NaHCO3などのアルカリ剤やHClなどの酸剤を添加してpH調整を行う。
<内圧式管状膜(膜モジュール)>
内圧式管状膜は、直径(内径)3mm~10mmのチューブラが内部に複数充填された膜モジュールである。汚泥は各チューブラの内部を流れる。透過水がチューブラ外に浸み出し、各チューブラから浸み出した透過水が集められ、膜モジュールから処理水として排出される。膜の細孔径は0.01~1μm、特に0.03~0.1μmが好ましい。
内圧式管状膜は、直径(内径)3mm~10mmのチューブラが内部に複数充填された膜モジュールである。汚泥は各チューブラの内部を流れる。透過水がチューブラ外に浸み出し、各チューブラから浸み出した透過水が集められ、膜モジュールから処理水として排出される。膜の細孔径は0.01~1μm、特に0.03~0.1μmが好ましい。
嫌気反応槽4から槽内液を好ましくはチューブラ内の流速0.5~2m/sec、特に好ましくは0.8~1.5m/secで流す。処理水の膜透過流束(フラックス)は好ましくは0.1~0.8m/d、特に好ましくは0.2~0.5m/dである。
10~60分の濾過に対し、5~30秒間、フラックス4~10m/dで処理水による逆洗を行うことが好ましい。
また、1~8時間毎に膜モジュールの通泥方向を反転することで、内圧式管状膜入口に付着した反応槽内からの汚泥、無機分の析出物、膜面からの剥離物などの付着物を除去して、流路閉塞を防止し、安定した濾過性能を保つことができる。
膜モジュールを複数用いる際は、モジュールを直列、並列のいずれ、または両方の配置で用いてよいが、直列に配置する際はモジュール間に粗大な固形粒子が蓄積しないように、通泥方向を反転する際に、モジュール間の接続配管中の汚泥がモジュールを介さずに嫌気反応槽に返送されるような構成とするのが好ましい。
図3は2個の膜モジュール8A,8Bを直列に接続した場合の通水方法の一例を示すものであり、(a)は各膜モジュール8A,8Bに順方向に被処理液を流通させ、(b)は各膜モジュール8A,8Bに(a)とは反対方向に被処理液を流通させた状態を示している。図中の太実線は液が矢印の方向に流れている配管を示し、細実線は液が流れていない配管を示している。図3(a)に示す順方向通水と、図3(b)に示す逆方向通水とを交互に行うことにより、膜モジュール8A,8Bの入り口付近に付着した付着物を、通水方向切替によって、膜モジュール内を通過させることなく、配管側に流出させ除去することができ、付着物による膜モジュールの流路閉塞を防止し、安定した濾過性能を保つことができる。
<破砕ポンプ>
上記の通り、嫌気反応槽の立上げ時に、嫌気グラニュールを破砕ポンプ2により破砕して嫌気反応槽4に投入する。嫌気グラニュールを反応槽外の水槽で一旦溜めて、水槽内に設置したカッター付水中ポンプで循環破砕したうえで、グリッドやスクリーンを通して嫌気反応槽に投入してもよいが、グリッドが内蔵され、該グリッドの手前で回転刃により破砕しながら送液する構造の破砕ポンプを通過させて嫌気反応槽に投入することで、効率よく破砕及び反応槽への投入を行うことができる。
上記の通り、嫌気反応槽の立上げ時に、嫌気グラニュールを破砕ポンプ2により破砕して嫌気反応槽4に投入する。嫌気グラニュールを反応槽外の水槽で一旦溜めて、水槽内に設置したカッター付水中ポンプで循環破砕したうえで、グリッドやスクリーンを通して嫌気反応槽に投入してもよいが、グリッドが内蔵され、該グリッドの手前で回転刃により破砕しながら送液する構造の破砕ポンプを通過させて嫌気反応槽に投入することで、効率よく破砕及び反応槽への投入を行うことができる。
破砕ポンプ内のグリッドとしては、パンチングメタルや、平織網、綾織網のようなメッシュを用いることもできるが、グラニュール破砕時に閉塞し難い点からスリットタイプが好ましい。嫌気反応槽4の運転時に管状膜内の流路を閉塞させないように、スリット幅は管状膜の各チューブラ内径の1/3以下とする。破砕操作時にスリットの閉塞を生じさせないために、スリット幅は、0.2mm以上、好ましくは0.8mm以上とするのがよい。破砕ポンプには嫌気グラニュールに適宜水を添加して汚泥濃度2~4%で供給することが好ましい。
また、図2のように、嫌気グラニュールを嫌気反応槽4に投入した後、破砕ポンプ2に循環してさらに破砕を繰り返す場合、この循環破砕は、内圧式管状膜(膜モジュール)8に通泥した際のモジュール差圧(膜モジュールでの圧力損失)の経時的な上昇が見られなくなるまで行うことが好ましい。
下記の原水、嫌気反応槽及び内圧式管状膜を用いて以下の実施例及び比較例(嫌気反応槽の立上げ)を行った。種汚泥の添加形態は各例に記載の通りとした。
<原水>
電子部品製造工場の高濃度排液(CODcr濃度40,000mg/L)に栄養塩類として窒素、リン、および、鉄、コバルト、ニッケルなどの微量金属類を添加したもの
電子部品製造工場の高濃度排液(CODcr濃度40,000mg/L)に栄養塩類として窒素、リン、および、鉄、コバルト、ニッケルなどの微量金属類を添加したもの
<嫌気反応槽>
槽高 2000mm
実容量 2m3
温度 35℃
槽高 2000mm
実容量 2m3
温度 35℃
<内圧式管状膜>
長さ3000mm、内径5mmのPVDF製チューブラが109本充填された膜面積1.6m2の長さ1mの膜モジュール
長さ3000mm、内径5mmのPVDF製チューブラが109本充填された膜面積1.6m2の長さ1mの膜モジュール
[参考例1]
嫌気反応槽とは別の実容量2m3の開放タンクに、飲料工場排水処理施設の嫌気グラニュール(汚泥濃度8%、VSS/SS比90%、平均粒径2.2mm、酢酸除去活性0.2kgCODcr/kgVSS/d)0.6m3を水で3.3倍に希釈したもの(計2m3)を溜めたうえで、タンクに浸漬したカッター付水中ポンプ(吐出量200L/min)で30分間撹拌した後、嫌気反応槽に投入した。
嫌気反応槽とは別の実容量2m3の開放タンクに、飲料工場排水処理施設の嫌気グラニュール(汚泥濃度8%、VSS/SS比90%、平均粒径2.2mm、酢酸除去活性0.2kgCODcr/kgVSS/d)0.6m3を水で3.3倍に希釈したもの(計2m3)を溜めたうえで、タンクに浸漬したカッター付水中ポンプ(吐出量200L/min)で30分間撹拌した後、嫌気反応槽に投入した。
種汚泥を投入した後、CODcr槽負荷2kg/m3/d(原水量100L/d)から原水の流入、および、膜濾過による処理水の排出を開始し、処理水CODcr濃度を確認しながら段階的に負荷を高める(原水量を増やす)ようにして、装置の立上げを30日間行った。膜濾過は、嫌気反応槽から膜モジュールに遠心式スラリーポンプ(循環ポンプ)により汚泥を8m3/hr(モジュール内流速として1m/sec)で供給しながら、30分濾過の後、10秒間処理水による逆洗を行うサイクルを繰り返すとともに、2サイクル(約1時間)毎に通泥方向を反転するようにして行うようにした。
負荷を高めるにあたっては、処理水CODcr濃度の5日間の上昇幅が500mg/L以下であることを基準として、表1の通り、槽負荷が1kg/m3/dずつ高まるように、原水量を50L/dずつ増加させた。濾過時のフラックスは負荷の増加に合わせて表1のように増加させ、逆洗時のフラックスは7.2m/dとした。槽負荷と原水量、濾過時のフラックスの推移を表1に示す。
[実施例1]
参考例1で用いたものと同じ嫌気グラニュール0.6m3を水で3.3倍に希釈しながら、幅2mmのスリットタイプのグリッドを内蔵した破砕ポンプを通過させて嫌気反応槽に投入した。これ以外は参考例1と同条件とした。
参考例1で用いたものと同じ嫌気グラニュール0.6m3を水で3.3倍に希釈しながら、幅2mmのスリットタイプのグリッドを内蔵した破砕ポンプを通過させて嫌気反応槽に投入した。これ以外は参考例1と同条件とした。
[実施例2]
参考例1で用いたものと同じ嫌気グラニュール0.6m3を水で3.3倍に希釈しながら、幅2mmのスリットタイプのグリッドを内蔵した破砕ポンプを通過させて嫌気反応槽に投入した。また、立上げ運転開始後、嫌気反応槽の汚泥を破砕ポンプに2m3/d循環して破砕処理を継続した。これ以外は参考例1と同条件とした。
参考例1で用いたものと同じ嫌気グラニュール0.6m3を水で3.3倍に希釈しながら、幅2mmのスリットタイプのグリッドを内蔵した破砕ポンプを通過させて嫌気反応槽に投入した。また、立上げ運転開始後、嫌気反応槽の汚泥を破砕ポンプに2m3/d循環して破砕処理を継続した。これ以外は参考例1と同条件とした。
[実施例3]
参考例1で用いたものと同じ嫌気グラニュール0.6m3を水で3.3倍に希釈しながら、幅1mmのスリットタイプのグリッドを内蔵した破砕ポンプを通過させて嫌気反応槽に投入した。これ以外は参考例1と同条件とした。
参考例1で用いたものと同じ嫌気グラニュール0.6m3を水で3.3倍に希釈しながら、幅1mmのスリットタイプのグリッドを内蔵した破砕ポンプを通過させて嫌気反応槽に投入した。これ以外は参考例1と同条件とした。
[比較例1]
参考例1で用いたものと同じ嫌気グラニュール0.6m3を水で3.3倍に希釈しながら、ダイヤフラムポンプで嫌気反応槽に投入した。これ以外は参考例1と同条件とした。
参考例1で用いたものと同じ嫌気グラニュール0.6m3を水で3.3倍に希釈しながら、ダイヤフラムポンプで嫌気反応槽に投入した。これ以外は参考例1と同条件とした。
[比較例2]
下水汚泥処理施設の嫌気消化汚泥(汚泥濃度2.4%、VSS/SS比75%、平均粒径45μm、酢酸除去活性0.04kgCODcr/kgVSS/d)2m3を通常の水中ポンプで嫌気反応槽に投入した。これ以外は参考例1と同条件とした。
下水汚泥処理施設の嫌気消化汚泥(汚泥濃度2.4%、VSS/SS比75%、平均粒径45μm、酢酸除去活性0.04kgCODcr/kgVSS/d)2m3を通常の水中ポンプで嫌気反応槽に投入した。これ以外は参考例1と同条件とした。
<結果及び考察>
参考例1では、通泥時のモジュール差圧は濾過、逆洗の2サイクル(1時間)の間に30~40kPa上昇したが、通泥方向を反転する度に回復した。膜濾過サイクル時、モジュール圧上昇につれて循環ポンプの吐出量が8m3/hrから6.8m3/hr前後まで低下したが、表1に示すフラックスで運転することができた。膜間差圧は初期の5kPaから30日間で40kPaまで上昇した。処理水CODcr濃度は立上げ期間を通じて500~1,000mg/Lで推移しており、5日毎に負荷を高めることができ、30日で槽負荷8kg/m3/dに到達した。
参考例1では、通泥時のモジュール差圧は濾過、逆洗の2サイクル(1時間)の間に30~40kPa上昇したが、通泥方向を反転する度に回復した。膜濾過サイクル時、モジュール圧上昇につれて循環ポンプの吐出量が8m3/hrから6.8m3/hr前後まで低下したが、表1に示すフラックスで運転することができた。膜間差圧は初期の5kPaから30日間で40kPaまで上昇した。処理水CODcr濃度は立上げ期間を通じて500~1,000mg/Lで推移しており、5日毎に負荷を高めることができ、30日で槽負荷8kg/m3/dに到達した。
実施例1では、通泥時のモジュール差圧は濾過、逆洗の2サイクル(1時間)の間に20~30kPa上昇したが、通泥方向を反転する度に回復した。膜濾過サイクル時、モジュール圧上昇につれて循環ポンプの吐出量が8m3/hrから7.3m3/hr前後まで低下したが、表1に示すフラックスで運転することができた。膜間差圧は初期の5kPaから30日間で30kPaまで上昇した。処理水CODcr濃度は立上げ期間を通じて500~1,000mg/Lで推移しており、5日毎に負荷を高めることができ、30日で槽負荷8kg/m3/dに到達した。
実施例2では、通泥時のモジュール差圧は当初、濾過、逆洗の2サイクル(1時間)の間に20~30kPa上昇したが、通泥方向を反転する度に回復した。膜濾過サイクル時、モジュール圧上昇につれて循環ポンプの吐出量が8m3/hrから7.3m3/hr前後まで低下した。しかし、日数が経過するにつれてモジュール差圧の上昇幅は減少し、15日目にはほぼ見られなくなり(濾過、逆洗の2サイクル(1時間)の間で2kPa以下)、循環ポンプの吐出量も8m3/hrで安定した。その結果、30日の立上げ期間を通じて表1に示すフラックスで運転することができた。この間、膜間差圧は初期の5kPaから20kPaまで上昇した。処理水CODcr濃度は立上げ期間を通じて500~1,000mg/Lで推移しており、5日毎に負荷を高めることができ、30日で槽負荷8kg/m3/dに到達した。
実施例3では、通泥時のモジュール差圧の上昇はほぼ見られなかった(濾過、逆洗の2サイクル(1時間)の間で2kPa以下)。循環ポンプの吐出量は常時8m3/hrを維持でき、表1に示すフラックスで運転することができた。膜間差圧は初期の5kPaに対し、30日後も15kPaであった。処理水CODcr濃度は立上げ期間を通じて500~1,000mg/Lで推移しており、5日毎に負荷を高めることができ、30日で槽負荷8kg/m3/dに到達した。
比較例1では、当初から通泥時のモジュール差圧が濾過、逆洗の2サイクル(1時間)の間に100kPa以上上昇し、膜濾過サイクル時、循環ポンプの吐出量が8m3/hrから4m3/hr以下に低下した。通泥方向を反転する度に回復したものの、膜間差圧はフラックス0.17m/dとした11日目に60kPaを上回るようになり、膜の薬品洗浄が必要になった。次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素500mgCl/L)による薬品洗浄により膜間差圧は30~40kPaに回復したが、16日目にフラックスを0.20m/dまで高めようとしたところ、膜間差圧60kPa以上となった。再び薬品洗浄を実施したが、薬品洗浄後、膜間差圧80kPa以上としてもフラックス0.20m/dで運転することはできなかった。その結果、処理水CODcr濃度は常に500~800mg/Lで推移していたが、11日目以降、原水量を増やすことができず、30日後もCODcr槽負荷4kg/m3/dでの運転に留まった。
比較例2では、通泥時のモジュール差圧の上昇はほぼ見られず(濾過、逆洗の2サイクル(1時間)の間で2kPa以下)、循環ポンプの吐出量は常時8m3/hrを維持できた。しかし、6日目にCODcr槽負荷3kg/m3/dに高めたところ、処理水CODcr濃度が800mg/L程度から1,300mg/L以上に上昇し、その後も12日目:1,900mg/L、13日目:2,400mg/Lと悪化したことから、槽負荷を2kg/m3/d以下に下げて処理水質を回復させる必要が生じた。その後も槽負荷を3kg/m3/dまで高めると、処理水CODcr濃度の上昇が見られ、30日後もCODcr槽負荷2~3kg/m3/dでの運転に留まった。
以上の実施例及び比較例より、本発明によると、槽外設置型の内圧式管状膜を用いた嫌気処理装置の立上げにおいて、膜の流路閉塞を起こさずに、活性が高い嫌気グラニュールを種汚泥として用いることができ、速やかに槽負荷を高められるようになることが認められる。
2 破砕ポンプ
4 嫌気反応槽
6 循環ポンプ
8 内圧式管状膜
8a 管状膜
14 逆洗ポンプ
4 嫌気反応槽
6 循環ポンプ
8 内圧式管状膜
8a 管状膜
14 逆洗ポンプ
Claims (3)
- 有機性排水を嫌気性条件下でメタン発酵処理する嫌気反応槽と、該嫌気反応槽の汚泥を膜濾過して処理水を得る槽外に設置された内圧式管状膜とを備えた嫌気性処理装置により有機性排水を処理する嫌気性処理方法において、
該嫌気性処理装置の立上げに際して、該嫌気反応槽に種汚泥を投入する立上げ工程を有しており、
該種汚泥の少なくとも一部が嫌気反応槽外に設置された破砕ポンプで破砕処理された嫌気グラニュールであり、
該破砕ポンプは、スリットを有したグリッドが内蔵され、該グリッドの手前で回転刃により破砕しながら送液する構造の破砕ポンプであり、
該スリットのスリット幅は、管状膜のチューブラ内径の1/3以下の幅であることを特徴とする有機性排水の嫌気性処理方法。 - 前記内圧式管状膜の内径が3~10mmであり、前記スリット幅は0.2mm以上である、請求項1の有機性排水の嫌気性処理方法。
- 前記嫌気グラニュールを嫌気反応槽に投入した後、槽内液と共に嫌気反応槽外に流出させ、前記破砕ポンプに供給して破砕した後、嫌気反応槽に返送する、請求項1又は2の有機性排水の嫌気性処理方法。
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