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JP7584079B2 - エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 - Google Patents
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JP7584079B2 - エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 Download PDF

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Description

本開示は、エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置に関し、詳しくはエポキシ樹脂、硬化剤及び充填材を含有するエポキシ樹脂組成物、並びにこのエポキシ樹脂組成物から作製された封止材を備える光半導体装置に関する。
フォトカプラーは、光半導体素子である発光素子から受光素子へ光信号の伝達を行うことによって、電気的な絶縁を図りつつ電気信号の伝達を可能とする光半導体装置である。従来のフォトカプラーは、発光素子と受光素子とが対面構造になっている対向型であり、発光素子及び受光素子を封止する材料には、一般的に、エポキシ樹脂と、充填材としての溶融シリカとを含有する組成物などが用いられている(特許文献1参照)。
特開2009-29926号公報
このような対向型のフォトカプラーは構造が複雑であり、製造コストがかかるため、最近では、発光素子と受光素子とが並列配置になっている側面型のフォトカプラーが検討されている。しかし、前記従来の封止材料を用いたのでは、発光素子から受光素子へ伝達される光に対する透過率のレベルが低いため、光半導体装置の特性を十分に満足させることができないという問題があった。
また、封止材料における充填材の量を下げることにより、透過率を向上させることはできるものの、封止材料と光半導体装置のパッケージの部材との線膨張係数の差が大きくなるため、成形後のパッケージ内部に剥離が発生する場合があり、剥離した箇所は酸化が起こりやすいため、変色によって透過率の低下を招来する。従って、封止材料においては、線膨張係数をパッケージ部材に合わせて低く維持したまま、透過率を向上させることが必要である。
本開示の課題は、低い線膨張係数を維持しつつ、硬化物の透過率が高いエポキシ樹脂組成物、及びこのエポキシ樹脂組成物から作製された封止材を備える光半導体装置を提供することにある。
本開示の一態様に係るエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)及び充填材(C)を含有するエポキシ樹脂組成物である。前記充填材(C)は、結晶シリカ(c1)及び酸化チタン(c2)を含む。
本開示の一態様に係る光半導体装置は、光半導体素子と、前記光半導体素子を封止する封止材とを備える。前記封止材は、前記樹脂組成物の硬化物を含む。
本開示によれば、低い線膨張係数を維持しつつ、硬化物の透過率が高いエポキシ樹脂組成物、及びこのエポキシ樹脂組成物から作製された封止材を備える光半導体装置を提供できる。
図1は、本開示の一実施形態に係る光半導体装置の概略の断面図である。
1. 概要
本実施形態に係るエポキシ樹脂組成物(以下、組成物(X)ともいう)は、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)及び充填材(C)を含有する。充填材(C)は、結晶シリカ(c1)及び酸化チタン(c2)を含む。
本実施形態によると、組成物(X)は線膨張係数を低くすることができ、光半導体装置のパッケージ部材との線膨張係数の差を小さく抑えることができる。このため、光半導体装置の成形時に、パッケージ内部に剥離が生じにくく、剥離によって生じる透過率の低下を抑制することができる。また、組成物(X)は、硬化物の透過率を高くすることができる。このため、この組成物(X)は、例えば側面型のフォトカプラー等における封止材料として用いることができ、光半導体装置の特性を十分満足なものとすることができる。
本実施形態によれば、充填材(C)として、結晶シリカ(c1)及び酸化チタン(c2)を用いることにより、組成物(X)の線膨張係数を低くしつつ、硬化物の透過率を高くすることができる。その理由は、次の通りであると推察される。線膨張係数を低くするために、エポキシ樹脂組成物に充填材(C)を含有させると、一般的には透過率は低下する。しかし、本発明者らは、充填材(C)として結晶シリカ(c1)を用いると、線膨張係数の低下は小さくなるものの、透過率の低下を小さく抑えることができることを見出した。さらに、結晶シリカ(c1)に加えて酸化チタン(c2)を添加することにより、透過率を高めることができることを見出した。これにより、組成物(X)は、充填材(C)が結晶シリカ(c1)及び酸化チタン(c2)を含むことにより、低い線膨張係数を維持しつつ、硬化物の透過率を高くすることができると考えられる。
2. 詳細
<エポキシ樹脂組成物>
本実施形態に係る組成物(X)は、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)及び充填材(C)を含有する。組成物(X)は、前記成分以外の添加剤をさらに含有してもよい。
[エポキシ樹脂(A)]
エポキシ樹脂(A)は、一分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物であれば、特に限定されない。
エポキシ樹脂(A)としては、例えばビスフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、グリシジル基含有シリコーン樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
組成物(X)全体に対するエポキシ樹脂(A)の割合は、10質量%以上50質量%以下であることが好ましい。この場合、成形時の組成物(X)の流動性及び作製された封止材の物性を向上させることができる。この割合は、20質量%以上45質量%以下であることがより好ましい。
[硬化剤(B)]
硬化剤(B)は、エポキシ樹脂(A)と硬化反応を生じうる化合物であれば特に限定されない。
硬化剤(B)としては、例えばフェノール系硬化剤、酸無水物類、アミン類、イミダゾール類、ヒドラジド類、ポリメルカプタン類、ルイス酸-アミン錯体等が挙げられる。硬化剤(B)は、フェノール系硬化剤を含むことが好ましい。フェノール系硬化剤は、他の硬化剤に比べて硬化性が良好であり、これにより、作製された封止材の強度を高めることができる。
フェノール系硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等のノボラック型樹脂;フェニレン骨格又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン骨格又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型樹脂;トリフェノールメタン型樹脂等の多官能型フェノール樹脂;ジシクロペンタジエン型フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトールノボラック樹脂等のジシクロペンタジエン型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール型樹脂;トリアジン変性ノボラック樹脂などが挙げられる。
組成物(X)全体に対する硬化剤(B)の割合は、5質量%以上30質量%以下であることが好ましく、10質量%以上25質量%以下であることがより好ましい。
エポキシ樹脂(A)1当量に対する硬化剤(B)の当量は、例えば0.6以上1.4以下である。
[充填材(C)]
充填材(C)は、結晶シリカ(c1)及び酸化チタン(c2)を含む。充填材(C)は、非晶質シリカ(c3)をさらに含むことが好ましい。充填材(C)が非晶質シリカ(c3)を含むことにより、組成物(X)の線膨張係数をより低くすることができる。
充填材(C)の平均粒径は、レーザー回折・散乱法による測定結果から得られる粒度分布から求められるメディアン径である。充填材(C)は、組成物(X)の物性等の調整のため、平均粒径の異なる二種以上の成分を含んでいてもよい。
充填材(C)の短軸に対する長軸の比の平均値(以下、長軸/短軸比ともいう)は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて任意の50個の粒子の形状を観察し、これらの粒子の長軸/短軸比を平均した値として求めることができる。充填材(C)は組成物(X)の物性等の調整のため、長軸/短軸比の異なる二種以上の成分を含んでいてもよい。
(結晶シリカ(c1))
結晶シリカ(c1)は、結晶性のSiOを意味し、XRDパターンにおいて、2θ=30~32°に最大ピーク強度を有するものをいい、市販されている結晶シリカを使用することができる。結晶シリカ(c1)は、通常、粒子状である。
結晶シリカ(c1)の平均粒径は、5μm以上40μm以下であることが好ましく、15μm以上20μm以下であることがより好ましい。
結晶シリカ(c1)の長軸/短軸比は、1.6以下であることが好ましく、1.5であることがより好ましく、1.4以下であることがさらに好ましい。また、長軸/短軸比は、例えば1.0以上であってもよく、1.1以上であってもよく、1.2以上であってもよく、1.3以上であってもよい。結晶シリカ(c1)は、長軸/短軸比を前記範囲とすることで、組成物(X)中での充填度合いをより高めることができると考えられる。それにより、組成物(X)の硬化物の透過率をさらに高めることができる。
組成物(X)全体に対する結晶シリカ(c1)の割合は、5質量%以上40質量%以下であることが好ましい。この場合、組成物(X)の硬化物の透過率をより高めることができる。結晶シリカ(c1)の割合は、6質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、7質量%以上26質量%以下であることがさらに好ましく、8質量%以上24質量%以下であることが特に好ましい。
(酸化チタン(c2))
酸化チタン(c2)は、チタンの酸化物をいい、一般式TiOx(x=1.0~2.0)で表されるものを意味する。酸化チタン(c2)は、通常、粒子状である。
酸化チタン(c2)の平均粒径は、2μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましく、0.7μm以下であることがさらに好ましく、0.4μm以下であることが特に好ましい。酸化チタン(c2)の平均粒径が1μm以下である場合、組成物(X)の硬化物の透過率を特に高めることができる。酸化チタン(c2)の平均粒径の下限値は、特に限定されないが、例えば0.1μmである。
組成物(X)全体に対する酸化チタン(c2)の割合は、1質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましく、0.01質量%以下であることが特に好ましい。酸化チタン(c2)の割合が0.1質量%以下である場合、組成物(X)の硬化物の透過率を特に高めることができる。酸化チタン(c2)の割合は、0.001質量%以上であることが好ましく、0.005質量%以上であることがより好ましい。
(非晶質シリカ(c3))
非晶質シリカ(c3)は、Si-Oの網目状構造からなり、一定の結晶構造を有さないものをいい、市販されている非晶質シリカを使用することができる。非晶質シリカ(c3)は、通常、粒子状である。非晶質シリカ(c3)としては、例えば溶融シリカ、球状シリカ、球状溶融シリカ等が挙げられる。非晶質シリカ(c3)は、溶融シリカを含むことが好ましい。
非晶質シリカ(c3)の平均粒径は、0.1μm以上30μm以下であることが好ましく、20μm以上30μm以下であることがより好ましい。
非晶質シリカ(c3)の長軸/短軸比は、1.6以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.4以下であることがさらに好ましい。また、長軸/短軸比は、例えば1.0以上であってもよく、1.1以上であってもよく、1.2以上であってもよく、1.3以上であってもよい。非晶質シリカ(c3)の長軸/短軸比を前記範囲とすることにより、組成物(X)の硬化物の透過率をより高めることができる。
結晶シリカ(c1)と非晶質シリカ(c3)との長軸/短軸比の値の差は、0.4以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましく、0.1以下であることがさらに好ましく、0であることが特に好ましい。この場合、組成物(X)の硬化物の透過率をより高めることができる。
組成物(X)全体に対する非晶質シリカ(c3)の割合は、10質量%以上60質量%以下であることが好ましい。この場合、組成物(X)の線膨張係数をより低くすることができる。非晶質シリカ(c3)の割合は、15質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、28質量%以上48質量%以下であることがさらに好ましく、35質量%以上45質量%以下であることが特に好ましい。
結晶シリカ(c1)及び非晶質シリカ(c3)の総和に対する結晶シリカ(c1)の割合は、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましく、35質量%以上であることが特に好ましい。この割合は、70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましく、45質量%以下であることが特に好ましい。結晶シリカ(c1)の割合を前記範囲とすることで、組成物(X)の硬化物の透過率をより高めることができる。
組成物(X)全体に対する結晶シリカ(c1)及び非晶質シリカ(c3)の総和の割合は、30質量%以上80質量%以下であることが好ましい。この場合、組成物(X)の硬化物の透過性をより高めることができる。この割合は、35質量%以上70質量%以下であることがより好ましく、35質量%以上60質量%以下であることがさらに好ましく、35質量%以上45質量%以下であることが特に好ましい。
充填材(C)は、前記以外の成分を含んでいてもよい。前記以外の充填材(C)としては、例えば破砕シリカ、球状アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、雲母粉等が挙げられる。組成物(X)全体に対する前記以外の充填材(C)の割合は、例えば0.01質量%以上10質量%以下である。
組成物(X)全体に対する充填材(C)の割合は、30質量%以上85質量%以下であることが好ましい。この場合、組成物(X)の硬化物の透過率をより高めることができる。充填材(C)の割合は、35質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。
[添加剤]
組成物(X)は、本実施形態の効果を損なわない範囲内において、前記成分以外の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば硬化促進剤、カップリング剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、イオントラップ剤、カーボンブラック等の顔料、着色剤、低応力化剤、粘着付与剤、シリコーン可撓剤などが挙げられる。
硬化促進剤としては、例えば2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール類;1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン-5、5,6-ジブチルアミノ-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7等のシクロアミジン類;2-(ジメルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第3級アミン類;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4-メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンとパラベンゾキノンの付加反応物、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート;ボレート以外の対アニオンを持つ4級ホスホニウム塩;2-エチル-4-メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N-メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。組成物(X)全体に対する硬化促進剤の割合は、例えば0.1質量%以上2質量%以下である。
カップリング剤は、充填材(C)と、エポキシ樹脂(A)及び硬化剤(B)との親和性を向上させうる。カップリング剤としては、例えばシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/ジルコニウムカップリング剤等が挙げられる。シランカップリングとしては、例えばγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のグリシドキシシラン;N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン;アルキルシラン;ウレイドシラン;ビニルシランなどが挙げられる。充填材(C)及びカップリング剤の合計量に対するカップリング剤の割合は、例えば0.01質量%以上1質量%以下である。
離型剤としては、例えばカルナバワックス、ステアリン酸、モンタン酸、カルボキシル基含有ポリオレフィン、エステルワックス、酸化ポリエチレン、金属石鹸等が挙げられる。組成物(X)全体に対する離型剤の割合は、例えば0.01質量%以上1質量%以下である。
難燃剤としては、例えば水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、赤リン等が挙げられる。
着色剤としては、例えばカーボンブラック、ベンガラ、酸化チタン、フタロシアニン、ペリレンブラック等が挙げられる。
低応力化剤としては、例えばシリコーンエラストマー、シリコーンレジン、シリコーンオイル、ブタジエン系ゴム等が挙げられる。ブタジエン系ゴムとしては、例えばアクリル酸メチル-ブタジエン-スチレン共重合体、メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレン共重合体等が挙げられる。
組成物(X)は、半導体装置の封止用に好適に用いることができ、特に光半導体装置における光半導体素子の封止用に好適である。
<組成物の製造方法>
組成物(X)は、例えば組成物(X)の構成成分を混合することで調製できる。より具体的には、例えばエポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)及び充填材(C)を含む原料を、ミキサー、ブレンダー等で十分均一になるまで混合し、続いて、熱ロール、ニーダー等の混錬機により加熱されている状態で溶融混合してから、室温に冷却する。これにより得られた混合物を公知の手段で粉砕することで、粉体状の組成物(X)を製造できる。組成物(X)は粉体状でなくてもよく、例えばタブレット状であってもよい。タブレット状である場合の組成物(X)は成形条件に適した寸法と質量とを有することが好ましい。
<特性>
組成物(X)は、25℃で固体であることが好ましい。この場合、組成物(X)を射出成形法、トランスファ成形法、圧縮成形法等の加圧成形法で成形することで、封止材を作製できる。組成物(X)が15℃以上25℃以下の範囲内のいずれの温度でも固体であることがより好ましく、5℃以上35℃以下の範囲内のいずれの温度でも固体であることがさらに好ましい。
組成物(X)の硬化物における波長800nm以上980nm以下の光の透過率は、20%以上であることが好ましい。この場合、組成物(X)の硬化物を側面型のフォトカプラー等の封止材に用いた場合でも、光半導体装置の特性を十分に満足なものにすることができる。透過率は、30%以上であることがより好ましく、35%以上であることがさらに好ましく、40%以上であることが特に好ましく、45%以上であることが最も好ましい。透過率の上限値は、特に限定されないが、例えば60%である。なお、組成物(X)の透過率は、硬化することで得られる硬化物の厚みが1mmである場合の値である。
組成物(X)の硬化物の線膨張係数は、40ppm/℃以下であることが好ましい。この場合、線膨張係数が通常15~20ppm/℃である光半導体装置のリードフレーム部材と、硬化物との線膨張係数の差をより小さくすることができる。そのため、光半導体装置の成形時に、パッケージ内部の剥離の発生を抑えることができ、剥離によって起こる酸化による変色を抑制することができるので、透過率を高くすることができる。線膨張係数は、30ppm/℃以下であることがより好ましく、25ppm/℃以下であることがさらに好ましい。また、線膨張係数は15ppm/℃以上であることが好ましい。
組成物(X)のスパイラルフロー長さは、90cm以上であることが好ましい。この場合、組成物(X)は特に良好な成形性を有しやすい。スパイラルフロー長さは、100cm以上であることがより好ましく、120cm以上であることがさらに好ましい。スパイラルフロー長さの上限値は、特に限定されないが、例えば200cmである。
組成物(X)のゲルタイムは、40秒以下であることが好ましい。この場合、封止材を作製する場合の成形サイクルをより短くすることができ、光半導体装置の生産性をより高くすることができる。ゲルタイムの下限値は特に限定されないが、例えば20秒である。
なお、透過率、線膨張係数、スパイラルフロー長さ及びゲルタイムの測定方法の詳細は、後掲の実施例の欄で説明する。
<光半導体装置>
本実施形態に係る光半導体装置は、光半導体素子と、前記光半導体素子を封止する封止材とを備える。前記封止材は、組成物(X)の硬化物を含む。
図1に、光半導体装置1である側面型フォトカプラーの一例の断面図を示す。この光半導体装置1は、光半導体素子3,3としての発光素子4及び受光素子5と、この光半導体素子3,3を封止する封止材2と、この光半導体素子3,3に接続する導体である2本のリードフレーム6,6と、封止材2を覆う高反射樹脂層7とを備える。
封止材2は、組成物(X)の硬化物を含む。発光素子4としては、例えば発光ダイオード等が挙げられる。受光素子5としては、例えばフォトダイオード等が挙げられる。高反射樹脂層7は、例えば70%以上の反射率を有する樹脂から形成される。光半導体装置1における光半導体素子3,3の封止は、例えば組成物(X)を所定の成形型内に注入し、所定の条件で加熱硬化して行うことができる。これにより、組成物(X)の硬化物により光半導体素子3,3が封止された光半導体装置1が得られる。
光半導体装置1の構造は、図1に示すものに限られず、光半導体装置1は、光半導体素子3と、光半導体素子3を封止する封止材2とを備えればよい。光半導体装置1は、例えば高反射樹脂層7を備えていなくてもよい。また、発光素子4と受光素子5とは並列配置でなくてもよく、例えば対面構造であってもよい。
以下、本開示を実施例によってさらに詳しく説明するが、本開示はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
1.組成物の調製
表1に示す原料を配合し、ミキサーで均一に混合分散してから、2軸混錬機を使って、材料温度120℃で加熱混錬することで、混合物を得た。続いて、混合物を冷却してから粉砕した。次に、得られた粉体を打錠することで、タブレット状の組成物を得た。なお、原料の詳細は下記の通りである。
-エポキシ樹脂:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂。エポキシ当量195g/eq
-硬化剤:フェノール系硬化剤。フェノールノボラック樹脂。OH当量105g/eq。
-充填材:
・結晶シリカ1(長軸/短軸比=1.3):平均粒径18μm。
・結晶シリカ2(長軸/短軸比=1.5):平均粒径15μm。
・非晶質シリカ1(長軸/短軸比=1.1):平均粒径20μm。
・非晶質シリカ2(長軸/短軸比=1.3):平均粒径20μm。
・非晶質シリカ3(長軸/短軸比=1.5):平均粒径30μm。
・酸化チタン:平均粒径0.3μm。
-硬化促進剤:トリフェニルホスフィン。
-離型剤:天然カルナバ。
-カップリング剤:シランカップリング剤。3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン。
2.評価
(1)透過率
トランスファ成型機(神藤金属工業所社製)を用い、組成物をトランスファ成形法で、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間180秒の条件で成形してから、175℃で6時間加熱することでポストキュアし、直径50mm、厚み1mmの円盤状の硬化物を作製した。この硬化物について、分光光度計(島津製作所社製のMPC-3100)により波長940nmにおける光透過率を測定した。
(2)線膨張係数
トランスファ成型機(神藤金属工業所社製)を用い、組成物をトランスファ成形法で、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間180秒の条件で成形してから、175℃で6時間加熱することでポストキュアし、5mmΦ×30mmの寸法の試験片を作製した。横型熱膨張計(アドバンス理工社製のDLY-9000)を用いて試験片を20℃から280℃まで毎分5℃で昇温し、この試験片の80℃から100℃での長さ方向の平均線膨張係数を測定した。
(3)スパイラルフロー長さ
トランスファ成型機(神藤金属工業所社製)を用いて、ASRM D 3123に基づいて作製されたスパイラルフロー専用金型に金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間180秒の条件で組成物を注入し、組成物が流動した長さを測定した。
(4)ゲルタイム
キュラストメータ(JSR社製のキュラストメータIII PS型)を用いて、組成物を175℃で加熱しながらトルク値を測定した。このトルク値が4.9N/m(0.5kgf・cm)に達するまでの時間をゲルタイムとした。
以上の評価の結果を、表1に示す。
Figure 0007584079000001

Claims (7)

  1. エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)及び充填材(C)を含有するエポキシ樹脂組成物であって、
    前記充填材(C)が、結晶シリカ(c1)及び酸化チタン(c2)を含み、
    前記酸化チタン(c2)の平均粒径が、1μm以下であり、
    前記酸化チタン(c2)の割合が、0.1質量%以下であり、
    前記結晶シリカ(c1)の短軸に対する長軸の比の平均値が、1.2以上1.6以下であり、
    前記充填材(C)の割合が、35質量%以上70質量%以下である、エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記充填材(C)が、非晶質シリカ(c3)をさらに含む請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記非晶質シリカ(c3)の短軸に対する長軸の比の平均値が、1.0以上1.5以下である請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記結晶シリカ(c1)の割合が、前記結晶シリカ(c1)及び前記非晶質シリカ(c3)の総和に対して、10質量%以上70質量%以下である請求項2又は3に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記結晶シリカ(c1)及び前記非晶質シリカ(c3)の総和の割合が、30質量%以上60質量%以下である請求項2から4のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 硬化することで得られる硬化物の厚みが1mmである場合の、波長800nm以上980nm以下の光の透過率が30%以上である請求項1から5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 光半導体素子と、
    前記光半導体素子を封止する封止材と
    を備え、
    前記封止材が、請求項1から6のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物を含む光半導体装置。
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